説明

ソレノイド及びその製造方法

【課題】 超小型のソレノイドを容易に実現するとともに、ワイヤ端部の接続部分を機械的に保護することにより超小型のソレノイドにおける信頼性を高める。
【解決手段】 コイルボビン4に設けた貫通孔部8a,8bに対して一端開口8ai,8biからピン端子6a…を中途位置Xmまで挿入する一次挿入工程(S4)と、この一次挿入工程(S4)後、ピン端子6a…のワイヤ接続部6ar,6brに、コイル5p…から導出されるワイヤ端部Wa…を接続するワイヤ接続工程(S5)と、当該ワイヤ接続工程(S5)後、貫通孔部8a…に対して、ピン端子6a…を、ワイヤ接続部6ar…がコイルボビン4におけるバリア部4ps,4qsにより遮蔽される最終位置Xeまで押し込む二次挿入工程(S7)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型(超小型)のロータリソレノイド等に用いて好適なソレノイド及びこのソレノイドを製造する際に用いて好適な製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コイルに通電することによりマグネットロータ(可動部)を回動変位させるロータリソレノイドとしては、特許文献1に開示されるロータリソレノイド装置及び特許文献2に開示されるロータリソレノイドが知られている。
【0003】
特許文献1及び2に開示されるロータリソレノイド装置(ロータリソレノイド本体)及びロータリソレノイドは、基本的構造として、筒形のケーシングと、このケーシングの開口部を閉塞する端面カバーと、ケーシングに収容するコイルボビンと、このコイルボビンに巻装した一又は二以上のコイルと、コイルにおけるワイヤ端部に接続して外部に導出するリード線等のリード部と、コイルへの通電により変位するマグネットを有する可動部(マグネットロータ)とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−258233号公報
【特許文献2】特開2003−199277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来のロータリソレノイド(ロータリソレノイド装置)は、次のような解決すべき課題が存在した。
【0006】
第一に、ロータリソレノイドの小型化、特に、外径が5〔mm〕前後の超小型のロータリソレノイドを実現しようとする場合、小型(超小型)故に、コイルから導出される細いワイヤ端部をリード部に接続し、さらに半田付け等により固定するための処理工程がネックになるが、従来のロータリソレノイドでは、特に超小型化を実現する観点からこれらの課題が考慮されていないため、ロータリソレノイドの超小型化を実現するには、構造上及び製造上の双方において限界があった。
【0007】
第二に、ロータリソレノイドの超小型化を図る場合、各部品もそれぞれサイズダウンされるため、部品間の組付精度(位置決め精度)及び部品間の干渉等の問題もクローズアップされるが、従来のロータリソレノイドでは、特に超小型化を実現する観点からこれらの課題が考慮されていないため、ロータリソレノイドの超小型化を実現する上において、部品間の組付精度(位置決め精度)を高め、部品間の干渉を排除する観点から必ずしも十分であるとは言えなかった。
【0008】
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決したソレノイド及びその製造方法の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るソレノイド1は、上述した課題を解決するため、筒形のケーシング2と、このケーシング2の開口部を閉塞する端面カバー3f,3rと、ケーシング2に収容するコイルボビン4と、このコイルボビン4に巻装した一又は二以上のコイル5p,5qと、コイルボビン4に装着してコイル5p,5qから導出されるワイヤ端部Wa,Wbを接続する一又は二以上のピン端子6a,6bと、コイル5p…の通電により変位するマグネット7mを有する可動部7とを備えてなるソレノイドであって、コイルボビン4に設けた貫通孔部8a,8bと、この貫通孔部8a…に対して一端開口8ai,8biから挿通させた際に、ワイヤ接続部6ar,6brに対してワイヤ端部Wa…を接続可能な中途位置Xm及びワイヤ接続部Wa…がコイルボビン4におけるバリア部4ps,4qsにより遮蔽される最終位置Xeに止めることができる中間取付部6am,6bmを有するとともに、最終位置Xeでは貫通孔部8a…の他端開口8ae,8beから突出するピン本体部6af,6bfを有してなるピン端子6a,6bとを備えてなることを特徴とする。
【0010】
この場合、発明の好適な態様により、ピン端子6a…は、中間取付部6am…に、広幅に形成した少なくとも二つの圧入部11as,11afを設けることができるとともに、中間取付部6am…とワイヤ接続部6ar…間には、貫通孔部8a…の一端開口8ai…に当接可能な鍔状のストッパ部12a…を設けることができる。また、コイルボビン4に設ける貫通孔部8a…の位置は、端面カバー3fに設けるソレノイド取付用ネジ孔部13a,13bの位置に対して周方向にオフセットさせることが望ましい。さらに、コイルボビン4には、端面カバー3fに形成した凹部(又は凸部)14p,14qに係止する凸部(又は凹部)を用いた位置決め部15p,15qを設けることができるとともに、コイル5p…における渡り線Wmを係止する段差部16a,16bを形成することができる。他方、コイルボビン4には 別体に形成し、端面カバー3fの内側に配するとともに、コイル5p…に対向する面に当該コイル5p…の一部が収容される収容凹部17p,17qを設けた絶縁カバー17を付属させることができる。なお、可動部7には、ロータリソレノイド1rを構成するマグネットロータ18を適用することが望ましい。
【0011】
一方、本発明に係るソレノイドの製造方法は、上述した課題を解決するため、筒形のケーシング2と、このケーシング2の開口部を閉塞する端面カバー3f,3rと、ケーシング2に収容するコイルボビン4と、このコイルボビン4に巻装した一又は二以上のコイル5p,5qと、コイルボビン4に装着してコイル5p…から導出されるワイヤ端部Wa,Wbを接続する一又は二以上のピン端子6a,6bと、コイル4の通電により変位するマグネット7mを有する可動部7とを備えてなるソレノイド1を製造するに際し、コイルボビン4に設けた貫通孔部8a,8bに対して一端開口8ai,8biからピン端子6a…を中途位置Xmまで挿入する一次挿入工程(S4)と、この一次挿入工程(S4)後、ピン端子6a…のワイヤ接続部6ar,6brに、コイル5p…から導出されるワイヤ端部Wa…を接続するワイヤ接続工程(S5)と、当該ワイヤ接続工程(S5)後、貫通孔部8a…に対して、ピン端子6a…を、ワイヤ接続部6ar…がコイルボビン4におけるバリア部4ps,4qsにより遮蔽される最終位置Xeまで押し込む二次挿入工程(S7)とを備えてなることを特徴とする。
【0012】
この場合、発明の好適な態様により、一次挿入工程(S4)では、ピン端子6a…の中間取付部6am…に広幅形成した少なくとも二つの圧入部11as,11af…の一部11af…を貫通孔部8a…に圧入することができる。また、二次挿入工程(S7)では、ピン端子6a…を、圧入部11as,11af…の全部が貫通孔部8a…に圧入する最終位置Xeまで押込み、中間取付部6am…とワイヤ接続部6ar…間に設けた鍔状のストッパ部12a…を貫通孔部8a…の一端開口8ai…に当接させることができる。
【発明の効果】
【0013】
このような本発明に係るソレノイド1及びその製造方法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
【0014】
(1) コイルボビン4に設けた貫通孔部8a…と、この貫通孔部8a…に対して一端開口8ai…から挿通させた際に、ワイヤ接続部6ar…に対してワイヤ端部Wa…を接続可能な中途位置Xm及びワイヤ接続部Wa…がコイルボビン4におけるバリア部4ps…により遮蔽される最終位置Xeに止めることができる中間取付部6am…を有するとともに、最終位置Xeでは貫通孔部8a…の他端開口8ae…から突出するピン本体部6af…を有してなるピン端子6a…とを備えるため、ソレノイド1の小型化、特に、外径が5〔mm〕前後となる超小型のソレノイド1を容易に実現することができる。
【0015】
(2) コイルボビン4の貫通孔部8a…に対して、ピン端子6a…を中途位置Xmまで挿入する一次挿入工程(S4)と、この後、ピン端子6a…のワイヤ接続部6ar…に、コイル5p…から導出されるワイヤ端部Wa…を接続するワイヤ接続工程(S5)と、この後、貫通孔部8a…に対して、ピン端子6a…を、ワイヤ接続部6ar…がコイルボビン4におけるバリア部4ps…により遮蔽される最終位置Xeまで押し込む二次挿入工程(S7)とを備えるため、ピン後部6ar…にワイヤ端部Wa…を接続した後、ワイヤ端部Wa…に対して弛みを与えることができるとともに、ワイヤ端部Wa…の接続部分をコイルボビン4のバリア部4ps…により機械的に保護できるため、超小型のソレノイド1であっても信頼性を高めることができる。
【0016】
(3) 好適な態様により、ピン端子6a…の中間取付部6am…に、広幅に形成した少なくとも二つの圧入部11as,11afを設ければ、製造時に、ピン端子6a…を中途位置Xmに確実に止めることができるため、ワイヤ接続部6ar…に対してワイヤ端部Wa…を接続するワイヤ絡げ工程等を安定かつ円滑に行うことができる。
【0017】
(4) 好適な態様により、中間取付部6am…とワイヤ接続部6ar…間に、貫通孔部8a…の一端開口8ai…に当接可能な鍔状のストッパ部12a…を設ければ、製造時に、ピン端子6a…を最終位置Xeに確実かつ正確に止めることができるため、ワイヤ接続部6ar…がコイルボビン4のバリア部4ps…により覆われる位置までピン端子6a…を押込む二次挿入工程等を容易かつ確実に行うことができる。
【0018】
(5) 好適な態様により、コイルボビン4に設ける貫通孔部8a…の位置を、端面カバー3fに設けるソレノイド取付用ネジ孔部13a…の位置に対して周方向にオフセットさせれば、取付用ネジとピン端子6a…の干渉を回避できるため、例えば、誤って、ネジ孔部13a…に長過ぎる取付用ネジを使用したような場合であっても、取付用ネジがワイヤ接続部6ar…等に対して機械的及び電磁気的な悪影響を与えてしまう不具合を回避できる。
【0019】
(6) 好適な態様により、コイルボビン4に、端面カバー3fに形成した凹部(又は凸部)14p…に係止する凸部(又は凹部)を用いた位置決め部15p…を設ければ、ケーシング2と端面カバー3f間の位置決め以外に、コイルボビン4と端面カバー3f間の正確な位置決めを行うことができるため、超小型のソレノイド1であっても、部品間における位置決めの正確性と組立容易性を両立させることができる。
【0020】
(7) 好適な態様により、コイルボビン4に、コイル5p…の渡り線Wmを係止する段差部16a…を形成すれば、超小型のソレノイド1であっても、細い渡り線Wmの安定した引き回しが可能になるとともに、渡り線Wmの保護を図ることができる。
【0021】
(8) 好適な態様により、コイルボビン4に 別体に形成し、端面カバー3fの内側に配するとともに、コイル5p…に対向する面に当該コイル5p…の一部が収容される収容凹部17p…を有する絶縁カバー17を付属させれば、コイル5p…及びワイヤ端部Wa…の接続部分の必要な絶縁を確保できるとともに、同時にコイル5p…の有効な占有スペースを広げることができるため、ソレノイド1の超小型化に有効に寄与できる。
【0022】
(9) 好適な態様により、可動部7に、ロータリソレノイド1rを構成するマグネットロータ18を適用すれば、可動部7として回転するマグネットロータ18を備えるロータリソレノイド1rの超小型化を容易に実現できるとともに、特に、このようなロータリソレノイド1rに適用して最良のパフォーマンスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の好適実施形態に係るロータリソレノイドのコイルボビンとピン端子とコイルの関係を示す一部断面正面図、
【図2】同ロータリソレノイドのコイルボビンとコイルの関係を示す側面図、
【図3】同ロータリソレノイドのコイルボビンの平面図、
【図4】同ロータリソレノイドの横断面図、
【図5】同ロータリソレノイドの縦断面図、
【図6】同ロータリソレノイドのケーシングと端面カバーの関係を示す説明図、
【図7】同ロータリソレノイドに用いる絶縁カバーの断面正面図、
【図8】同ロータリソレノイドに用いる絶縁カバーの底面図、
【図9】同ロータリソレノイドのコイルボビンとピン端子と端面カバーの関係を示す説明図、
【図10】同ロータリソレノイドの製造方法を説明するための組立工程図、
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0025】
まず、本実施形態に係るロータリソレノイド1の構成部品について、図1〜図9を参照して説明する。
【0026】
ロータリソレノイド1は、主要部品として、ケーシング2、一対の端面カバー3f,3r、コイルボビン4、コイル5p,5q、一対のピン端子6a,6b、マグネットロータ18(可動部7)を備える。
【0027】
ケーシング2は、炭素鋼素材等を用いて筒形に形成する。したがって、ケーシング2はヨークを兼ねている。例示するケーシング2の外径は5〔mm〕である。図6に示すケーシング2は、上側が後述するマグネットロータ18のシャフト18sが突出するロータリソレノイド1の前側になるとともに、下側が後述するピン端子6a,6bのピン本体部6af,6bfが突出するロータリソレノイド1の後側になる。また、ケーシング2の前端縁(上側)には、周方向に所定間隔おきに配した四つの固定用爪部21…を軸方向に突出形成するとともに、ケーシング2の後端縁(下側)には、周方向に等間隔で配した三つの固定用爪部22…を軸方向に突出形成する。この場合、四つの固定用爪部21…のうち、二つの固定用爪部21…は、他の二つの固定用爪部21…に対して突出長さを短く形成する。これにより、四つの固定用爪部21…を後述する凹部24…に係合(挿入)する際には、二つの固定用爪部21…のみが最初に凹部24…に係合するため、組付けを容易に行うことができる。なお、このような突出長さの変更は、固定用爪部22…側に適用してもよい。
【0028】
端面カバー3fは、ケーシング2の前端開口部を閉塞するものであり、図6に示すように、絶縁性を有する難燃性合成樹脂素材等を用いて全体を円盤形に形成する。また、ケーシング2の前端開口部に係合する内面外周部には、周方向に沿った係合段差部23(図5)を形成するとともに、上述した四つの固定用爪部21…に対するカシメを行った際に、当該固定用爪部21…を収容する四つの凹部24…を周面から外端面に形成する。したがって、凹部24…はケーシング2に対する位置決め機能を有している。なお、凹部24…の周面に位置する部位は、固定用爪部21…が係合(挿入)しやすいように、R面又は傾斜面により面取りされている。さらに、端面カバー3fの中央には、マグネットロータ18のシャフト18sを突出させる円開口部25を形成するとともに、この円開口部25の内側面には、後述する軸受部材45を嵌合装着する保持凹部25c(図9)を形成する。一方、端面カバー3fには、ロータリソレノイド1rを外部の被駆動部等に取付けるための一対のソレノイド取付用ネジ孔部13a,13bを設ける。このネジ孔部13a…に、図5に示す取付用ネジ26a…を螺着すれば、ロータリソレノイド1rを被駆動部等に備える取付板51に取付けることができる。
【0029】
端面カバー3rは、ケーシング2の後端開口部を閉塞するものであり、図6に示すように全体を円盤形に形成する。また、ケーシング2の後端開口部に係合する内面外周部には、周方向に沿った係合段差部27(図5)を形成するとともに、上述した三つの固定用爪部22…に対するカシメを行った際に、当該固定用爪部22…を収容する三つの凹部28…を周面から外端面に形成する。したがって、凹部28…はケーシング2に対する位置決め機能を有している。なお、凹部28…の周面に位置する部位は、固定用爪部22…が係合(挿入)しやすいように、R面又は傾斜面により面取りされている。さらに、端面カバー3rの中央には、マグネットロータ18のシャフト18sを支持する軸受孔部29を設ける。このように、端面カバー3rには、軸受機能と絶縁機能が求められるため、端面カバー3rは、ポリアミド樹脂等の摺動性の高い潤滑性樹脂素材により形成することが望ましい。
【0030】
一方、端面カバー3rには、ピン端子6a,6bのピン本体部6af,6bfを外部に突出させる一対の導出孔30a,30bを形成する。この場合、図6に示すように、一対の導出孔30a,30bの位置は、端面カバー3fに設けるソレノイド取付用ネジ孔部13a,13bの位置に対して周方向へ所定の角度だけオフセットさせる。なお、一対の導出孔30a,30bの位置は、コイルボビン4に設ける貫通孔部8a,8bの位置に対して同軸上にあるため、貫通孔部8a,8bの位置も各ネジ孔部13a,13bの位置に対して同様にオフセットすることになる。このオフセットは、凹部24…と凹部28…の位置関係等により設定することができる。このように、貫通孔部8a…の位置を、端面カバー3fに設けるネジ孔部13a…の位置に対してオフセットさせれば、ネジ孔部13a…に螺着する取付用ネジ26a…(図5)とピン端子6a…の干渉を回避できるため、例えば、誤って、ネジ孔部13a…に長過ぎる取付用ネジ26a…を使用したような場合であっても、取付用ネジ26a…がワイヤ接続部6ar…等に対して機械的及び電磁気的な悪影響を与えてしまう不具合を回避できる。
【0031】
コイルボビン4は、難燃性の高い絶縁性合成樹脂素材(例えば、シンジオタクチックポリスチレン等)により一体形成する。コイルボビン4は、図3に示すように、中心部にマグネットロータ18を挿通させる筒状の基部33を有する。また、基部33における180〔゜〕対向位置には、対称形となる一対のボビン部4p,4qを有する。各ボビン部4p,4qは、図2及び図3に示すように、基部33から軸方向に延出形成したインナバリア部34p,34qと、このインナバリア部34p,34qに対して、コイル5p,5qを巻装するスペースを介して外周側に離間して形成したアウタバリア部4ps,4qsと、インナバリア部34p,34qとアウタバリア部4ps,4qsを中央位置で結合するコイル実装部36p,36qを有する。これにより、コイルボビン4をケーシング2の内部に収容することができ、収容した際には、アウタバリア部4ps,4qsの外側面がケーシング2の内周面に面接触可能となる。
【0032】
また、コイルボビン4のインナバリア部34p,34qとコイル実装部36p,36qには、図4に示すように、鉄系焼結部材を用いたコアヨーク37p,37qを挿入又はインサート成形等により埋設する。これにより、ヨークコア37p,37qの中心側端面は基部33の内周面に臨むとともに、外周側の端面はアウタバリア部4ps,4qsの外側面に臨み、ヨークを兼ねるケーシング2の内周面に磁気的に結合する。なお、図9に示すように、ヨークコア37p,37qの埋設面には凹溝38p…を形成することによりヒートショック対策を施している。
【0033】
さらに、図9に示すように、コイルボビン4(アウタバリア部4ps,4qs)における端面カバー3fに対向する端辺部には、端面カバー3fに形成した凹部14p,14qに係止する凸部を用いた一対の位置決め部15p,15qを突出形成する。これにより、ケーシング2と端面カバー3f間の位置決めに加え、コイルボビン4(特にワイヤWを巻回する際の経路及びスリット部分等)と端面カバー3f間の正確な位置決めを行うことができるため、組立時における別途のガイド治具等が不要となる。したがって、超小型のロータリソレノイド1rを構成する場合であっても、部品間における位置決めの正確性と組立容易性を両立させることができる。
【0034】
一方、ボビン部4p,4qに対して直角関係となる基部33における180〔゜〕対向位置には、一対の貫通孔部8a,8bを形成する。この貫通孔部8a,8bには、それぞれピン端子6a,6bの中間取付部6am,6bmを圧入して取付けることができる。貫通孔部8a,8bの長さ、特に、一端開口8ai,8biの位置は、図1に示すように、貫通孔部8a,8bに対して、ピン端子6a,6bを最終位置Xeまで押込んだ際に、ワイヤ接続部6ar,6brがアウタバリア部4ps,4qsにより遮蔽される位置を選定する。また、他端開口8ae,8beの位置は、コイルボビン4の後端(図1中、下端)付近に位置させ、貫通孔部8a,8bの長さをできるだけ長くする。これにより、挿入して取付けたピン端子6a,6bをより安定かつ強固に保持できる。
【0035】
さらに、貫通孔部8a,8bを形成したコイルボビン4の側面には、図2及び図9に示すように、コイル5p,5qの渡り線Wmを係止する段差部16a,16bを形成する。これにより、超小型のロータリソレノイド1を構成する場合であっても、細い渡り線Wmの安定した引き回しが可能になるとともに、渡り線Wmの保護を図ることができる。なお、その他、コイルボビン4における、コイル5p,5qの巻装時に、ワイヤWが通過(当接)する部位には、ワイヤWが切断しないようにR面(面取り面)を設けている。
【0036】
他方、コイルボビン4には、図7及び図8に示す絶縁カバー17が付属し、この絶縁カバー17は、ポリアミド樹脂素材等により一体形成する。絶縁カバー17はコイルボビン4に対して別体に形成し、端面カバー3fの内側に配するとともに、コイル5p,5qに対向する面には当該コイル5p,5qの一部が収容される収容凹部17p,17qを有する。このような絶縁カバー17を用いれば、コイル5p,5q及びワイヤ端部Wa,Wbの接続部分の必要な絶縁を確保できるとともに、同時にコイル5p,5qの有効な占有スペースを広げることができるため、ソレノイド1の超小型化に有効に寄与できる。
【0037】
ピン端子6a,6bには、同一のピン端子6aを二本用いればよい。ピン端子6a(6b)は、図9に示すように、導電性素材を用いた一本のピン部材により一体形成し、中間に位置する中間取付部6am(6bm),中間取付部6am(6bm)の一側に形成したピン本体部6af(6bf)及び中間取付部6am(6bm)の他側に形成したワイヤ接続部6ar(6br)を有する。また、中間取付部6am(6bm)には、広幅に形成した二つの圧入部11as,11af(11bf,11br)を設ける。例示の圧入部11as,11afは、中間取付部6amの一部を圧潰し、図4に示すように、断面十字形に形成する。このような二つの圧入部11as,11afを設ければ、製造時に、ピン端子6a…を中途位置Xmに確実に止めることができるため、ワイヤ接続部6arに対してワイヤ端部Waを接続するワイヤ絡げ工程等を安定かつ円滑に行うことができる。さらに、中間取付部6am(6bm)とワイヤ接続部6ar(6br)間には、貫通孔部8a(8b)の一端開口8ai(8bi)に当接可能な鍔状のストッパ部12a(12b)を設ける。このようなストッパ部12aを設ければ、製造時に、ピン端子6aを最終位置Xeに確実かつ正確に止めることができるため、ワイヤ接続部6arがコイルボビン4のバリア部4psにより遮蔽される位置までピン端子6aを押込む二次挿入工程等を容易かつ確実に行うことができる。なお、製造時には、ピン端子6aをピン本体部6af側から貫通孔部8aの一端開口8aiに挿入するため、少なくともピン本体部6afの先端は、貫通孔部8aに挿入しやすいように、テーパ形状又は類似の形状に形成することが望ましい。
【0038】
マグネットロータ18は、図4及び図5に示すように、ロータリソレノイド1を実現するための可動部7を構成し、ステンレス素材(磁性材料)を用いたシャフト18sと、このシャフト18sの中間部に装着する円筒形のマグネット7mを備える。マグネット7mは180〔゜〕対向位置にS極とN極を着磁した二極マグネットである。また、シャフト18sの先端(前端)には、このシャフト18sを接続する被駆動部等に対する取付け及び位置決めを考慮した外部Dカット部42を形成するとともに、さらに、シャフト18sの中間部位には、位置決め用大径部18mを一体形成する。そして、この位置決め用大径部18mに内部Dカット部43を形成する。内部Dカット部43は、外部Dカット部42に対して、よりマグネット7m側に位置し、かつより広い面積を確保できるため、マグネット7mに対する位置決めをより正確に行うことができる。
【0039】
その他、部品としては、図5に示すように、摺動性の高い金属素材により形成し、前述した端面カバー3fの内側面に形成した保持凹部25cに嵌合装着する軸受部材45,マグネット7mと端面カバー3r間に介在させるカラー部材46及びコイル5p,5qを製作するためのワイヤ(マグネットワイヤ)Wを用意する。
【0040】
次に、本実施形態に係るロータリソレノイド1の製造方法について、図1〜図9を参照しつつ、図10に示す製造工程図に従って説明する。
【0041】
ロータリソレノイド1の製造に際しては必要な部品及び材料を用意する(工程S1)。まず、マグネットロータ18の組立を行う(工程S2)。マグネットロータ18は、マグネット7mにシャフト18sを挿通させ、位置決め用大径部18mにマグネット7mを当接させて軸方向の位置決めを行うとともに、内部Dカット部43を用いて周方向におけるマグネット7mの位置決めを行う。そして、位置決めしたマグネット7mとシャフト41は接着剤により固定する。
【0042】
一方、コイルボビン4にワイヤWを巻回し、コイル5p,5qの製作及び巻装を行う(工程S3)。この場合、ワイヤWは、一方のボビン部4pに巻回してコイル5pを巻装し、続いて、他方のボビン部4qに巻回してコイル5qを巻装する。この際、コイル5pからコイル5qに至るワイヤWは、渡り線Wmとなるため、コイル5pから導出する渡り線Wmは、コイルボビン4の段差部16a又は16bに引掛けた後、他方のボビン部4qに導入する。これにより、細い渡り線Wmであっても安定した引き回しが可能になるとともに、渡り線Wmの保護を図ることができる。なお、コイル5p,5qは、通電時において、一方にS極を、他方にN極を発生させる。
【0043】
また、コイルボビン4の貫通孔部8a,8bに、ピン端子6a,6bをそれぞれ挿入する一次挿入工程を行う(工程S4)。一次挿入工程では、図1及び図9に示すように、貫通孔部8a,8bの一端開口8ai,8biに対して、ピン本体部6af,6bfを挿入し、図1中、右側に示すピン端子6aのように、中間取付部6amにおける下側の圧入部11afのみを貫通孔部8aに圧入し、この中途位置Xmで一旦止める。この中途位置Xmでは、ワイヤ接続部6arがコイルボビン4(アウタバリア部4ps,4qs)の端辺部から軸方向に突出するため、この状態で、一方のワイヤ端部Waを一方のワイヤ接続部6arに対して絡げるとともに、他方のワイヤ端部Wbを他方のワイヤ接続部6brに絡げる(工程S5)。したがって、この中途位置Xmでは、ピン端子6a…を一旦止め、かつコイルボビン4から突出したワイヤ接続部6ar…にワイヤ端部Wa…を接続するため、ワイヤ絡げ工程等を安定かつ円滑に行うことができる。そして、各ワイヤ端部Wa…を各ワイヤ接続部6ar…に絡げたなら、この状態で半田付けを行う(工程S6)。
【0044】
半田付けが終了したなら、圧入部11af,11asの双方が貫通孔部8a…に圧入し、ストッパ部12a…が貫通孔部8a…の一端開口8ai…に当接するまでピン端子6a…を押込む二次挿入工程を行う(工程S7)。これにより、ピン端子6a…は、図1中、左側に示すピン端子6bのように、最終位置Xeに位置させることができる。最終位置Xeにおけるピン端子6a…のワイヤ接続部6ar…は、コイルボビン4のバリア部4ps,4qsの双方により遮蔽される。この後、コイルボビン4に対して絶縁カバー17の組付けを行う。
【0045】
また、ケーシング2に対して、軸受部材45を装着した端面カバー3fを組付けるとともに、マグネットロータ18のシャフト18sの他端には、カラー部材46、さらに、端面カバー3rを組付ける(工程S8)。そして、組付けの終了したコイルボビン4及びマグネットロータ18をケーシング2に収容し、端面カバー3rをケーシング2に組付ける(工程S9)。この際、マグネットロータ18の外部Dカット部42側は軸受部材45に挿入する。次いで、ケーシング2における四つの固定用爪部21…を端面カバー3fの凹部24…に入るようにカシメを行うとともに、三つの固定用爪部22…を端面カバー3rの凹部28…に入るようにカシメを行う(工程S10)。これにより、目的のロータリソレノイド1rを得ることができる(工程S11)。
【0046】
このようなロータリソレノイド1rは、図5に示すように、被駆動部における取付板51に取付けるとともに、マグネットロータ18の回動範囲を規制する回動範囲規制機構を別途付設すれば、二極の双安定ロータリソレノイドとして機能する。
【0047】
よって、このような本実施形態に係るロータリソレノイド1r及びその製造方法によれば、コイルボビン4に設けた貫通孔部8a…と、この貫通孔部8a…に対して一端開口8ai…から挿通させた際に、ワイヤ接続部6ar…に対してワイヤ端部Wa…を接続可能な中途位置Xm及びワイヤ接続部Wa…がコイルボビン4におけるバリア部4ps…により遮蔽される最終位置Xeに止めることができる中間取付部6am…を有するとともに、最終位置Xeでは貫通孔部8a…の他端開口8ae…から突出するピン本体部6af…を有してなるピン端子6a…とを備えるため、ソレノイド1の小型化、特に、外径が5〔mm〕前後となる超小型のソレノイド1を容易に実現することができる。また、コイルボビン4の貫通孔部8a…に対して、ピン端子6a…を中途位置Xmまで挿入する一次挿入工程と、この後、ピン端子6a…のワイヤ接続部6ar…に、コイル5p…から導出されるワイヤ端部Wa…を接続するワイヤ接続工程と、この後、貫通孔部8a…に対して、ピン端子6a…を、ワイヤ接続部6ar…がコイルボビン4におけるバリア部4ps…により遮蔽される最終位置Xeまで押し込む二次挿入工程とを備えるため、ピン後部6ar…にワイヤ端部Wa…を接続した後、ワイヤ端部Wa…に対して弛みを与えることができるとともに、ワイヤ端部Wa…の接続部分をコイルボビン4のバリア部4ps…により機械的に保護できるため、超小型のソレノイド1であっても信頼性を高めることができる。
【0048】
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
【0049】
例えば、ピン端子6a…の中間取付部6am…に、広幅に形成した少なくとも二つの圧入部11as,11afを設けるとは、細長い一つの圧入部を設け、中間位置Xmと最終位置Xeに止めることができるものであれば、少なくとも二つの圧入部11as,11afを設ける概念に含まれる。また、ピン端子6a…は、一本のピン端子6aのみに適用してもよい。したがって、他のワイヤ端部Wbはグランド接地等の他の構造により導出させることができる。さらに、コイルボビン4には、端面カバー3fに形成した凹部14p,14qに係止する凸部を用いた位置決め部15p,15qを設けたが、この場合の凹凸は相互に入れ替えて形成してもよい。一方、可動部7には、ロータリソレノイド1rを構成するマグネットロータ18を適用した場合を示したが、リニアソレノイドを構成する直進方向に可動するアーマチュア等であってもよい。しかし、可動部7に、ロータリソレノイド1rを構成するマグネットロータ18を適用すれば、可動部7として回転するマグネットロータ18を備えるロータリソレノイド1rの超小型化を容易に実現できるとともに、特に、このようなロータリソレノイド1rに適用して最良のパフォーマンスを得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明に係るソレノイド1及びその製造方法は、例示のロータリソレノイド1rをはじめ、リニアソレノイドや同様の構造を有する各種タイプのソレノイドに利用できるとともに、光学系の高速シャッタ部材を閉位置と開位置を切換える用途など、被駆動部を二位置に変位させる各種用途に利用できる。
【符号の説明】
【0051】
1:ソレノイド,1r:ロータリソレノイド,2:ケーシング,3f:端面カバー,3r:端面カバー,4:コイルボビン,4ps:バリア部,4qs:バリア部,5p:コイル,5q:コイル,6a:ピン端子,6b:ピン端子,6ar:ワイヤ接続部,6br:ワイヤ接続部,6am:中間取付部,6bm:中間取付部,6af:ピン本体部,6bf:ピン本体部,7m:マグネット,7:可動部,8a:貫通孔部,8b:貫通孔部,8ai:一端開口,8bi:一端開口,8ae:他端開口,8be:他端開口,11as:圧入部,11af:圧入部,12a:ストッパ部,13a:ソレノイド取付用ネジ孔部,13b:ソレノイド取付用ネジ孔部,14p:凹部(又は凸部),14q:凹部(又は凸部),15p:位置決め部,15q:位置決め部,16a:段差部,16b:段差部,17p:収容凹部,17q:収容凹部,17:絶縁カバー,18:マグネットロータ,Wa:ワイヤ端部,Wb:ワイヤ端部,Wm:渡り線,Xm:中途位置,Xe:最終位置,(S4):一次挿入工程,(S5):ワイヤ接続工程,(S7):二次挿入工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒形のケーシングと、このケーシングの開口部を閉塞する端面カバーと、前記ケーシングに収容するコイルボビンと、このコイルボビンに巻装した一又は二以上のコイルと、前記コイルボビンに装着して前記コイルから導出されるワイヤ端部を接続する一又は二以上のピン端子と、前記コイルの通電により変位するマグネットを有する可動部とを備えてなるソレノイドであって、前記コイルボビンに設けた貫通孔部と、この貫通孔部に対して一端開口から挿通させた際に、ワイヤ接続部に対して前記ワイヤ端部を接続可能な中途位置及び前記ワイヤ接続部が前記コイルボビンにおけるバリア部により遮蔽される最終位置に止めることができる中間取付部を有するとともに、前記最終位置では前記貫通孔部の他端開口から突出するピン本体部を有してなるピン端子とを備えてなることを特徴とするソレノイド。
【請求項2】
前記ピン端子は、前記中間取付部に、広幅に形成した少なくとも二つの圧入部を形成してなることを特徴とする請求項1記載のソレノイド。
【請求項3】
前記ピン端子は、前記中間取付部と前記ワイヤ接続部間に、前記貫通孔部における一端開口に当接可能な鍔状のストッパ部を有することを特徴とする請求項1又は2記載のソレノイド。
【請求項4】
前記貫通孔部の位置は、前記端面カバーに設けるソレノイド取付用ネジ孔部の位置に対して周方向にオフセットさせてなることを特徴とする請求項1,2又は3記載のソレノイド。
【請求項5】
前記コイルボビンには、前記端面カバーに形成した凹部(又は凸部)に係止する凸部(又は凹部)を用いた位置決め部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のソレノイド。
【請求項6】
前記コイルボビンには、前記コイルにおける渡り線を係止する段差部を形成してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のソレノイド。
【請求項7】
前記コイルボビンには 別体に形成し、前記端面カバーの内側に配するとともに、前記コイルに対向する面に当該コイルの一部が収容される収容凹部を設けた絶縁カバーが付属することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のソレノイド。
【請求項8】
前記可動部は、ロータリソレノイドを構成するマグネットロータであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のソレノイド。
【請求項9】
筒形のケーシングと、このケーシングの開口部を閉塞する端面カバーと、前記ケーシングに収容するコイルボビンと、このコイルボビンに巻装した一又は二以上のコイルと、前記コイルボビンに装着して前記コイルから導出されるワイヤ端部を接続する一又は二以上のピン端子と、前記コイルの通電により変位するマグネットを有する可動部とを備えてなるソレノイドの製造方法であって、前記コイルボビンに設けた貫通孔部に対して一端開口からピン端子を中途位置まで挿入する一次挿入工程と、この一次挿入工程後、前記ピン端子のワイヤ接続部に、前記コイルから導出されるワイヤ端部を接続するワイヤ接続工程と、当該ワイヤ接続工程後、前記貫通孔部に対して、前記ピン端子を、前記ワイヤ接続部が前記コイルボビンにおけるバリア部により遮蔽される最終位置まで押し込む二次挿入工程とを備えてなることを特徴とするソレノイドの製造方法。
【請求項10】
前記一次挿入工程では、前記ピン端子の中間取付部に広幅形成した少なくとも二つの圧入部の一部を前記貫通孔部に圧入することを特徴とする請求項9記載のソレノイドの製造方法。
【請求項11】
前記二次挿入工程では、前記ピン端子を、前記圧入部の全部が前記貫通孔部に圧入する最終位置まで押込み、前記中間取付部と前記ワイヤ接続部間に設けた鍔状のストッパ部を前記貫通孔部の一端開口に当接させることを特徴とする請求項9又は10記載のソレノイドの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−39804(P2012−39804A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179172(P2010−179172)
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【出願人】(000108627)タカノ株式会社 (250)
【Fターム(参考)】