説明

タイピングゲーム装置

【課題】 入力手段によって入力された文字列に係る正誤判定結果を判定結果記憶手段から初期化する初期化手段を設けることにより遊技性を向上させたタイピングゲーム装置を提供する。
【解決手段】 第1液晶ディスプレイ3に楽曲の歌詞に該当する文字列が表示されたメインゲーム画面21を表示させ(S22、S24)、遊技者がタイピングした文字の正誤判定(S29、S31)の結果に基づいて遊技者のポイントを加算するとともに(S62)、遊技者の獲得したポイントが所定のポイントに到達した場合には、遊技者の所定の操作に基づいてアイテムを使用可能とし(S66)、当該アイテムを使用する(S41〜S48)ことによって一旦行われた判定結果が取り消され(S51)、遊技者がゲームを有利に進めることが可能となる(S49〜S55)ように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キー操作により入力された文字列の正誤判定に基づいて遊技を制御するタイピングゲーム装置に関し、特に、入力手段によって入力された文字列の一部又は全部に係る正誤判定結果を判定結果記憶手段から初期化する初期化手段を設けることにより遊技性を向上させたタイピングゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ワードプロセッサ等におけるキーボードによるタイプ入力の練習として行われているタイピングゲームでは、遊技者がディスプレイ等に表示された文字列をキーボードから所定時間内にタイプ入力することにより、遊技者にキーボードのキー配列を記憶させ、効率的なタイピングを身に付けさせるものである。そして、このようなタイピングゲームを行う手段としては、ゲームセンター等に配置され、所定料金を徴収することにより不特定多数の遊技者が実行可能となる筐体タイプのタイピングゲーム装置や、各遊技者がソフトウェアを購入し、PCに対してプログラムをインストールすることにより各PCで遊技可能に構成したタイピングゲーム装置がある。
更に、近年このようなタイピングゲーム装置としては、遊技性を向上させるために、単にランダムに表示された文字列のタイプ入力を行わせるのみでなく、ディスプレイ上に表示したキャラクタとの会話におけるセリフ内容をタイプ入力させる方法や、音楽を演奏するとともにその歌詞をタイプ入力させる方法等が取られている。例えば、特開2002−268534号公報では、練習文が画面上に表示されるのではなく、練習曲をコンピュータから再生しその歌詞をユーザが入力することにより、聴覚から入った情報に基づいてタイピング精度の向上及び正確性を図ることが可能なタイピングゲーム装置が記載されている。
【特許文献1】特開2002−268534号公報(第6頁〜第9頁、図4〜図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記した特許文献1に記載されたタイピングゲーム装置では、表示された文字列ではなく、再生された曲に合わせてタイピングを行うという点では異なるものの、遊技者がタイピングゲーム中において単純にタイピング操作のみを繰り返し行うという点ではそれまでのタイピングゲーム装置と同様であり、遊技性の向上が十分に図れているとはいえなかった。
更に、最近のタイピングゲーム装置で行われるタイピングゲームでは、複数のステージによってゲームを構成し、一定以上の成績を取れた場合にのみ次のステージへと進めるように構成されている場合が多い。それにより、遊技者の遊技意欲を向上させるものである。しかしながら、そのように一定以上の成績を取れた場合のみ次のステージへと進むことを可能とすると、初心者やタイピングを苦手とする遊技者は何度遊技を行っても次のステージへと進むことができず、遊技意欲が減退することとなっていた。初心者やタイピングを苦手とする遊技者は、易しい文章の入力は可能であるが、文字数が多い困難な文章が出題されると、時間内に入力することができず、またミスタイプも多くなってしまうからである。
従って、遊技性をより向上させるとともに、初心者やタイピングの苦手な遊技者であっても遊技を十分に楽しむことが可能なタイピングゲーム装置が望まれていた。
【0004】
本発明は、前記従来の問題点を解消するためになされたものであり、入力手段によって入力された文字列の一部又は全部に係る正誤判定結果を判定結果記憶手段から初期化する初期化手段を設けることにより、遊技者に対して遊技中におけるタイピングを行う以外の遊技介入手段を設け、遊技性をより向上させるとともに、初心者やタイピングの苦手な遊技者であっても遊技を十分に楽しむことが可能なタイピングゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため請求項1に係るタイピングゲーム装置は、遊技に係る所定の画像を表示する画像表示手段(例えば、第1液晶ディスプレイ3、第2液晶ディスプレイ4)と、複数の文字に対応する複数のキーが配置された入力手段(例えば、キーボード6)と、前記画像表示手段を制御する表示制御手段(例えば、CPU51、表示制御回路60)と、前記入力手段により入力された文字列が所定の文字列(例えば、再生される楽曲の歌詞)と一致するか否かを判定する正誤判定手段(例えば、CPU51、S29)と、前記正誤判定手段の判定結果を記憶する判定結果記憶手段(例えば、RAM54)と、前記判定結果記憶手段に記憶された判定結果に基づいて遊技を制御する遊技制御手段(例えば、CPU51)と、を有するタイピングゲーム装置(例えば、タイピングゲーム機1)において、前記入力手段によって入力された文字列に係る前記正誤判定手段の判定結果を前記判定結果記憶手段から初期化する初期化手段(例えば、CPU51、S51)を備えることを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係るタイピングゲーム装置は、請求項1に記載のタイピングゲーム装置(例えば、タイピングゲーム機1)において、前記表示制御手段(例えば、CPU51、表示制御回路60)は、前記所定の文字列(例えば、再生される楽曲の歌詞)を表示させるとともに、表示された所定の文字列の内、前記初期化手段(例えば、CPU51、S51)によって初期化された判定結果に係る文字列(例えば、文字列23A、23B)を非表示とするように前記画像表示手段(例えば、第1液晶ディスプレイ3、第2液晶ディスプレイ4)を制御することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係るタイピングゲーム装置は、請求項1又は請求項2に記載のタイピングゲーム装置(例えば、タイピングゲーム機1)において、楽曲データを記憶する曲データ記憶手段(例えば、HDD55)と、前記曲データ記憶手段に記憶された楽曲データに基づいて、指定されたテンポで音楽を演奏するとともに音声を出力する楽曲演奏処理手段(例えば、CPU51、音制御回路61)と、を有し、前記所定の文字列(例えば、再生される楽曲の歌詞)は前記楽曲演奏処理手段によって出力される音声に係る文字列であることを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に係るタイピングゲーム装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のタイピングゲーム装置(例えば、タイピングゲーム機1)において、前記初期化手段(例えば、CPU51、S51)は遊技者が前記入力手段(例えば、キーボード6)により所定の操作を行った際に前記初期化を行うことを特徴とする。
【0009】
また、請求項5に係るタイピングゲーム装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のタイピングゲーム装置(例えば、タイピングゲーム機1)において、前記初期化手段(例えば、CPU51、S51)は、前記判定結果記憶手段(例えば、RAM54)に記憶された判定結果が一定評価以上の状態(例えば、1フレーズの入力をタイプミスすることなく入力することにより遊技者に付与されたポイントが、所定ポイント数に達した状態)で、且つ遊技者が前記入力手段(例えば、キーボード6)により所定の操作を行った際に前記初期化を行うことを特徴とする。
【0010】
更に、請求項6に係るタイピングゲーム装置は、請求項5に記載のタイピングゲーム装置(例えば、タイピングゲーム機1)において、前記表示制御手段(例えば、CPU51、表示制御回路60)は、前記判定結果記憶手段(例えば、RAM54)に記憶された判定結果が前記一定評価以上の状態となった際に、その旨を報知する報知画像(例えば、アイテム画像29A)を表示するように前記画像表示手段(例えば、第1液晶ディスプレイ3、第2液晶ディスプレイ4)を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係るタイピングゲーム装置では、一旦入力手段により入力された文字列が所定の文字列と一致するか否かによって正誤判定を行った後に、入力された文字列に係る正誤判定の判定結果を初期化する初期化手段を設けたので、文字数が多い困難な文章が出題された状況等において、時間内に入力することができなかったり、タイプミスが多くなってしまった場合でも、それによって生じた遊技者に不利な判定評価を取り消すことが可能となる。従って、初心者やタイピングの苦手な遊技者であっても遊技を途中で打ち切られる等の虞が少なくなり、遊技を十分に楽しむことが可能となる。
また、前記初期化手段を設けることによって、遊技者に対してタイピングゲーム中にタイピングを行う以外の遊技介入手段を生じさせることができるので、遊技が単調化することなく遊技性がより向上する。
【0012】
また、請求項2に係るタイピングゲーム装置では、表示された所定の文字列の内、初期化手段によって初期化された判定結果に係る文字列を非表示とするので、不利な判定評価が取り消された文字列の部分が遊技者によって明らかに判別可能となり、遊技者の利便性が向上する。また、文字列が非表示となる新たな演出効果を発揮し、遊技者を飽きさせることがない。
【0013】
また、請求項3に係るタイピングゲーム装置では、記憶された楽曲データに基づいて指定されたテンポで音楽と音声を出力するとともに、出力される音声に係る文字列との一致により正誤判定を行うので、楽曲の演奏とともに演奏される楽曲に合わせてタイピングを行う従来にはない臨場感のある状況下においてのタイピングゲームが可能となり、遊技者を飽きさせることがない。
【0014】
また、請求項4に係るタイピングゲーム装置では、遊技者が入力手段により所定の操作を行った際に初期化手段による初期化を行うので、文字数が多い困難な文章が出題された状況等において、時間内に入力することができなかったり、タイプミスが多くなってしまった場合でも、遊技者の意思によって、生じた不利な判定評価を取り消すことが可能となる。従って、初心者やタイピングの苦手な遊技者であっても遊技を途中で打ち切られる等の虞が少なくなり、遊技を十分に楽しむことが可能となる。
また、遊技者の任意のタイミングでタイピングゲーム中にタイピングを行う以外の遊技介入手段を生じさせることができるので、遊技が単調化することなく遊技性がより向上する。
【0015】
また、請求項5に係るタイピングゲーム装置では、判定結果が一定評価以上の状態で、且つ遊技者が入力手段により所定の操作を行った際に初期化手段による初期化を行うので、文字数が多い困難な文章が出題された状況等において、時間内に入力することができなかったり、タイプミスが多くなってしまった場合でも、一定以上の評価を得ることによって遊技者の意思で、生じた不利な判定評価を取り消すことが可能となる。従って、初心者やタイピングの苦手な遊技者であっても遊技を途中で打ち切られる等の虞が少なくなり、遊技を十分に楽しむことが可能となる。また、高い評価を得ることにより遊技を有利に進められるので、遊技者の遊技意欲を向上させる。
更に、遊技者の任意のタイミングでタイピングゲーム中にタイピングを行う以外の遊技介入手段を生じさせることができるので、遊技が単調化することなく遊技性がより向上する。
【0016】
更に、請求項6に係るタイピングゲーム装置では、初期化手段により初期化が可能な評価状態となった際に、その旨を報知する報知画像を表示するので、不利な判定評価を取り消すことが可能な遊技状況となったことを自ら認知することが可能であり、遊技者の利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係るタイピングゲーム装置についてゲームセンター等に設置される筐体型のタイピングゲーム機1に具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。ここで、本実施形態に係るタイピングゲーム機1は、スピーカから楽曲を再生するとともに、流れる楽曲に合わせて歌詞をディスプレイ上に順次表示させ、遊技者が表示された歌詞を順次キーボードでタイプすることにより遊技が行われるように構成されている。更に実施されるタイピングゲームは再生される楽曲の曲番の数に合わせて複数のステージから構成されており、一のステージが終了した時点で遊技者のタイプミス回数が所定回数未満であるときに次の曲番の楽曲に該当するステージへと進み、継続してタイピングゲームを行うことができるように構成されている。
先ず、本実施形態に係るタイピングゲーム機1の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は本実施形態に係るタイピングゲーム機の斜視図である。
【0018】
本実施形態に係るタイピングゲーム機1は、図1に示すようにタイピングゲーム機1の外形を構成する筐体2と、メインのゲーム画面(図3(B)及び図4(B)参照)が表示される第1液晶ディスプレイ3と、第1液晶ディスプレイ3の上方に位置し、プロモーションビデオや広告等の演出に係る画像(図3(A)及び図4(A)参照)が表示される第2液晶ディスプレイ4と、第1液晶ディスプレイ3の下方に設けられコインやカードの投入口が形成されたセンターパネル5と、遊技者がタイプを行うキーボード6と、第1液晶ディスプレイ3の左右に設けられた発光ライト7と、第2液晶ディスプレイ4の左右側部に配置された一対のスピーカ8とから基本的に構成されている。以下に各構成要素について説明する。
【0019】
第1液晶ディスプレイ3は、筐体2の正面側略中央部に所定角度傾斜して配置された液晶ディスプレイであり、所定角度で後方に傾斜して配設されている。
そして、第1液晶ディスプレイ3では、タイピングゲーム実行時においてスピーカ8を介して再生される楽曲の歌詞、遊技者のタイプ結果、それに伴う得点等の当該タイピングゲームの進行に係る遊技情報(遊技者がゲームの進行にあたり必要な情報)の表示が行われる(図3(B)及び図4(B)参照)。
【0020】
一方、第1液晶ディスプレイ3の上方に別途配置された第2液晶ディスプレイ4は、第1液晶ディスプレイ3と同様の液晶ディスプレイであるが、第2液晶ディスプレイ4ではタイピングゲーム実行時においてタイピングゲームの演出に関する演出画像を表示する。
ここで、第2液晶ディスプレイ4で表示される演出画像は、前記第1液晶ディスプレイ3に表示される表示内容と異なり、遊技者によるゲームの進行には直接必要とされないもので、タイピングゲームを盛り上げるための補助的な役割を有する。例えば、本実施形態に係るタイピングゲーム機1では楽曲としてある歌手の楽曲が再生され、遊技者は楽曲の歌詞をキーボード6によって入力を行いゲームが進行するが、第2液晶ディスプレイ4にはその楽曲に係るプロモーションビデオ(以下、PVと略す)が表示される(図3(A)及び図4(A)参照)。従って、楽曲の演奏とともにアーティストの歌唱する姿が表示された臨場感のある状況下においてのタイピングゲームが可能となり、遊技者を飽きさせることがない。尚、第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4で表示される各表示内容については後に詳細に説明する。
【0021】
また、センターパネル5にはコイン投入口9及びカード挿入口10が設けられている。コイン投入口9は、100円硬貨等のコインが投入される投入口である。コイン投入口9にはコインセンサ63が配置されており、コイン投入口9にコインが投入されると、コインセンサ63を介してコイン検出信号がCPU51に出力され(図13参照)、CPU51はコインが投入されたことを検出する。
【0022】
また、カード挿入口10は、タイピングゲームのゲーム結果が記録されるICタグが内蔵されたICカード(図示せず)が挿入される挿入口である。このカード挿入口10の内部には、後述するカードセンサ64と、カードリーダ・ライタ65とが配設されており(図13参照)、ICカードがカード挿入口10に挿入されている場合には、カードセンサ64によってその旨を検出する。ここで、本実施形態に係るタイピングゲーム機1で使用されるICカードは、内蔵されたICタグに所有する遊技者の前回までのゲームにおけるゲーム結果(獲得した得点(スコア)やポイント等)を記憶し、その記憶されたゲーム結果を所定の操作を行うことによって遊技者に表示可能としたものである。
即ち、カードセンサ64によりICカードが検出された場合に、カードリーダ・ライタ65は、ICタグからのタイピングゲームのゲーム結果の読み出し、又はICタグに対する新たなゲーム結果の書き込み等を行う(図15のS3、S9)。
【0023】
また、キーボード6は、筐体2の正面に手前側に突出して配設されており、後述するように「英字(A〜Z)」、「かな(あ〜ん)」、「数字(0〜9)」、「記号(ピリオド、コンマ)」等の入力を行う複数個の文字入力キーやエンターキー、カーソルキー等の機能キーがそれぞれ配列された、日本語108キーボードである(図10参照)。そして、ゲーム中において遊技者は、文字、記号、数字等に対応した各キーをタイプすることにより文字入力を行いゲームを進行させ、遊技開始前や遊技終了後等においてはゲームを行う曲やゲーム難易度の選択決定、ゲームの実行開始等の指令を各キーの操作に基づいて行う。尚、キーボードの構成については後に詳細に説明する。
【0024】
また、筐体2の左右両側面には、外部照明LED7が、一側面につき4つずつ配設されている。この外部照明LED7は、フルカラーで点灯可能なフルカラーLEDで構成されており、タイピングゲーム機1で再生される楽曲に応じて多様な照明演出を行う。例えば、照明演出としては、合計8つの外部照明LED7の照明色を変更する演出や、照明色の変更を一定の規則に応じて行う演出、外部照明LED7の点灯・消灯による演出などが可能である。
【0025】
また、第2液晶ディスプレイ4の左右両側には、スピーカ8が配設されている。スピーカ8は、タイピングゲーム機1において再生される楽曲や効果音等を出力する出力装置である。具体的には、タイピングゲーム実行時において、HDD55(図13参照)に記憶された楽曲の音声データ、演奏データに基づいて、指定されたテンポで音楽及び音声を出力する。
【0026】
次に、第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4で表示される各表示内容について図2乃至図5を用いて詳細に説明する。尚、第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4により表示される表示内容は、タイピングゲーム開始前、タイピングゲーム実行中、タイピングゲーム終了後の3パターンから基本的に構成される。図2はタイピングゲーム開始前において第1液晶ディスプレイ3に表示される表示内容を示した模式図、図3(A)及び図4(A)はタイピングゲーム実行中において第2液晶ディスプレイ4に表示される表示内容を示した模式図、図3(B)及び図4(B)はタイピングゲーム実行中において第1液晶ディスプレイに3表示される表示内容を示した模式図、図5はタイピングゲーム終了後において第1液晶ディスプレイ3に表示される表示内容を示した模式図である。
【0027】
ここで、本実施形態に係るタイピングゲーム機1は、演奏される楽曲の歌詞を入力することによりタイピングゲームが行われる。具体的には、先ず遊技者が用意された複数の楽曲の中から遊技を希望する楽曲を選択する。そして、タイピングゲームが開始されると、当該選択した楽曲の伴奏音楽にあたる演奏データと、当該楽曲のアーティストの歌声にあたる音声データが再生される。更に、当該楽曲の演奏データ及び音声データの再生に伴い、遊技者が入力すべき文字列として楽曲の歌詞が再生される音声データに合わせて1フレーズ(phrase)ごとに表示される。
この表示された1フレーズの歌詞に対応する文字列をキーボード6により入力することにより、タイピングゲームは進行し、遊技終了時に、タイピングの正確性、入力したタイミング等のタイピングに係る各要素に基づいて、タイピングゲームの成績(タイプのミス回数、獲得した得点、ポイント等)が算定され、表示される。即ち、当該タイピングゲーム機1におけるタイピングゲームは、ゲーム中に演奏される楽曲を楽しみながら、タイピングの入力に係る技量の高低を競うものである。
【0028】
先ず、タイピングゲーム開始前における表示内容について図2を用いて説明する。図2に示すようにコイン投入口9に所定金額分のコインを投入した後であって、タイピングゲーム開始前の第1液晶ディスプレイ3においては、当該タイピングゲーム機1によって遊技可能な楽曲の一覧を示す曲選択画面15が表示される。
【0029】
曲選択画面15は、遊技することが可能な楽曲の曲名を表示した遊技可能曲名表示部16と、遊技可能曲名表示部16のいずれかを選択可能な曲選択カーソル17と、曲選択カーソル17によって選択されている楽曲の曲名が表示される選択曲名表示部18と、選択カーソルによって選択されている楽曲のアーティスト名が表示される選択アーティスト名表示部19とから構成されている。
【0030】
遊技可能曲名表示部16は、現在のタイピングゲーム機1において遊技可能な楽曲(本実施形態では最大で8曲)の曲名をそれぞれ示したものである。ここで、遊技可能曲名表示部16によって表示される遊技可能な楽曲とは、後述のHDD55に楽曲データが記憶されている楽曲であり(図13、図14参照)、更に記憶された楽曲データはサーバ80(図12参照)によって管理され、順次更新されている。従って、遊技者はサーバ80によって更新された最新の楽曲を含む複数の楽曲の中から選択して遊技することが可能となっている。尚、遊技可能曲名表示部16には曲名のみではなく、アーティストの写真やPVを表示するようにしても良い。
【0031】
また、曲選択カーソル17はキーボード6のカーソルキー114(図10参照)の操作によって遊技可能曲名表示部16上を上下左右に移動可能となっており、選択曲名表示部18と選択アーティスト名表示部19には、曲選択カーソル17が現在位置する遊技可能曲名表示部16の楽曲の曲名とアーティスト名が表示される。
そして、曲選択カーソル17を希望する楽曲の曲名が表示された遊技可能曲名表示部16上に位置させた状態でエンターキー112(図10参照)を押下すると、遊技を行う楽曲が決定され、タイピングゲームが開始される。
【0032】
尚、第1液晶ディスプレイ3に曲選択画面15が表示されている間、第2液晶ディスプレイ4には、任意の楽曲のPVを流すようにしても良い。また、広告の画像等を表示するようにしても良い。更に、曲選択画面15を第1液晶ディスプレイ3ではなく第2液晶ディスプレイ4に表示するようにしても良い。
【0033】
次に、タイピングゲーム実行中における表示内容について図3及び図4を用いて説明する。図3(A)及び(B)は男性アーティストによる所定の楽曲Aを前記曲選択画面15で選択してタイピングゲームを開始した場合、図4(A)及び(B)は女性アーティストによる所定の楽曲Bを前記曲選択画面15で選択してタイピングゲームを開始した場合における第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4のそれぞれの表示内容を示すものである。
【0034】
図3(A)に示すように、例えば楽曲Aを選択してゲームを開始した場合において、第2液晶ディスプレイ4にはスピーカ8を介して演奏される楽曲Aを歌唱する男性アーティストのPVの映像20が表示される。一方、図4(A)に示すように、例えば楽曲Bを選択してゲームを開始した場合において、第2液晶ディスプレイ4にはスピーカ8を介して演奏される楽曲Bを歌唱する女性アーティストのPVの映像20が表示される。
一方、図3(B)及び図4(B)に示すように第1液晶ディスプレイ3には、第2液晶ディスプレイ4によるPVの映像20の表示と並行して、タイピングゲームの進行に係るメインゲーム画面21が表示される。
【0035】
ここで、メインゲーム画面21は、現在演奏するフレーズの歌詞を漢字やかな等により表示する歌詞表示部22と、前記歌詞表示部22に表示された歌詞を別途ローマ字により表示するとともに遊技者がキーボード6をタイプして入力した入力結果を示すローマ字表示部23と、現在、歌詞表示部22及びローマ字表示部23で表示する歌詞のフレーズ(phrase)が何番目の曲番(第何ステージ)で更に当該曲番開始時から数えて何番目のフレーズに該当するかを表示する楽曲状況表示部25と、遊技者のタイプの正誤判定結果を表示するタイプ結果表示部26と、現在までに遊技者が獲得した得点(スコア)、ポイント等を表示する得点表示部27と、現在演奏しているアーティストの氏名及び曲名が表示される曲情報表示部28と、現在遊技者が所有するアイテム(図6及び図7参照)の種類を表示するアイテム表示部29と、から構成されている。
【0036】
歌詞表示部22は、現在演奏されている楽曲の1フレーズ分の歌詞が表示される表示部であり、遊技者が歌詞表示部22に表示される歌詞をキーボード6でタイプすることによってゲームが進行する。そして、遊技者が表示された歌詞を正しくタイプすると得点が徐々に加算され、一方、歌詞を誤って入力した場合には得点は加算されず、更に誤った入力をした回数としてミス回数が加算される。このタイプのミス回数が楽曲を構成する曲番(ステージ)の内、いずれかの曲番の終了時において所定回数以上となっていると、その時点でゲーム終了となる(図17のS39参照)。
【0037】
ローマ字表示部23も歌詞表示部22と同様に、現在演奏されている楽曲の1フレーズ分の歌詞が表示されるものであるが、同一の歌詞をローマ字表記により表示する。更に、表示された歌詞の内、既に遊技者がタイプした文字列23Aをタイプ前の文字列23Bと比較して下段に移動して表示させることにより、現在までにタイプした文字を遊技者に対して報知することが可能となっている。
【0038】
また、楽曲状況表示部25は、現在、歌詞表示部22及びローマ字表示部23で表示する歌詞のフレーズが何番の曲番であり、且つ曲番開始時から数えて何番目のフレーズに該当するかを表示するものである。ここで、本実施形態に係るタイピングゲームは再生される楽曲の曲番(例えば、1曲は1〜3番で構成される)の数に合わせて複数のステージ(例えば、第1〜第3ステージで構成される)から構成されている。例えば、図3(B)ではステージ1(曲番1)の15番目のフレーズを現在表示していることを示している。また、図4(B)ではステージ2(曲番2)の5番目のフレーズを現在表示していることを示している。
そして、遊技者によって1フレーズの入力が終了する毎にそのフレーズ数を示す数値25Aが1ずつ加算され、1ステージの入力が終了する毎にそのステージ数(曲番)を示す数値25Bが1ずつ加算される。それによって、現在のステージ数(曲番)と現在までにタイプが終了したフレーズの数を遊技者に対して報知することが可能となっている。
【0039】
タイプ結果表示部26は、遊技者のタイプの正誤判定結果を表示する表示部であり、演奏される楽曲の音声と同一のタイミングで該当する正しい文字をタイプした場合には「PERFECT」が表示される。また、演奏される楽曲の音声と異なるタイミングで正しい文字をタイプした場合には「GOOD」が表示される。一方、タイミングに関わらず誤った文字をタイプした場合には「MISS」が表示される。
【0040】
得点表示部27は、現在までに遊技者の獲得した得点(スコア)及びポイントを表示する表示部である。ここで、得点(スコア)は歌詞表示部22及びローマ字表示部23に表示された文字列に従って正しくタイプすることにより加算され、また演奏される楽曲の音声と同一のタイミングで該当する文字をタイプした場合には更に得点が加算される。一方、ポイントは1フレーズ分の文章をタイプミスすることなく入力した場合に1ポイントずつ加算される(図19のS62)。
そして、この獲得したポイントが所定数に達すると、遊技者はアイテムを獲得することができる(図19のS66)。このアイテムはゲーム中に遊技者が所定の操作を行うことにより使用することが可能であり、アイテムを使用することによって遊技者はゲームを有利に進めることが可能となっている(図18のS49〜S55)。尚、アイテムについては後に詳細に説明する。
また、ゲームが終了するまで当該得点(スコア)とポイントは加算され、前記ICカードをセンターパネル5のカード挿入口10に投入していた場合には、ゲーム終了時にその獲得した得点(スコア)及びポイントがICカードに記憶される(図15のS9)。
【0041】
また、曲情報表示部28にはゲーム開始時において遊技者が選択し、現在演奏されている楽曲の曲名とアーティストの氏名がそれぞれ表示される。
【0042】
また、アイテム表示部29は、遊技者が現在所有するアイテムの数と種類が表示される表示部である。アイテムは、前記したように獲得したポイントが所定数に達すると付与され、アイテム表示部29に該当するアイテムの画像29Aが表示される(図6及び図7参照)。一方、遊技者が所定の操作を行うことによりアイテムを使用すると、使用したアイテムの画像29Aはアイテム表示部29から消去される(図19のS67)。また、遊技者が同時に所有可能な最大のアイテム数は3であり、アイテム表示部29にアイテムの画像29Aが3つ表示された状態で、獲得ポイントが所定数に達したとしても、アイテムが追加されることはない。
【0043】
尚、本実施形態では第1液晶ディスプレイ3にメインゲーム画面21を表示し、第2液晶ディスプレイ4にPVの映像20を表示することとしているが、それとは逆に第1液晶ディスプレイ3にPVの映像20を表示し、第2液晶ディスプレイ4にメインゲーム画面21を表示するようにしても良い。
【0044】
そして、図5に示すようにタイピングゲームが終了した後においては、第1液晶ディスプレイ3に今回のタイピングゲームのゲーム結果を示すゲーム結果画面30が表示される。
ゲーム結果画面30は、今回のタイピングゲームにおけるタイプのミス回数を表示したミス回数表示部31と、獲得したポイントを表示した獲得ポイント表示部32と、獲得した得点(スコア)を表示した獲得得点表示部33と、遊技した遊技者の名前の入力を促す名前入力表示部34とから構成されている。
【0045】
そして、ゲーム結果画面30を参照することにより、遊技者は今回のタイピングゲームにおいてミスした回数、獲得したポイント及び得点(スコア)をそれぞれ認知することが可能となる。また、名前入力表示部34にキーボード6を用いて任意の名前を入力することにより、獲得した得点をランキングに登録することが可能となる。登録したランキングの一覧はデモ画面中等に第1液晶ディスプレイ3又は第2液晶ディスプレイ4に表示される。
【0046】
尚、第1液晶ディスプレイ3にゲーム結果画面30が表示されている間、第2液晶ディスプレイ4には、任意の楽曲のPVを流すようにしても良い。また、広告の画像等を表示するようにしても良い。更に、ゲーム結果画面30を第1液晶ディスプレイ3ではなく第2液晶ディスプレイ4に表示するようにしても良い。
【0047】
次に、本実施形態に係るタイピングゲーム機1において使用されるアイテムについて図6乃至図9を用いて説明する。先ず、使用されるアイテムの種類と各アイテムが使用された際の機能について図6を用いて説明する。図6は本実施形態に係るタイピングゲーム機において使用されるアイテムの一覧を示した説明図である。
【0048】
図6に示すように、本実施形態に係るタイピングゲーム機1において使用されるアイテムは「クリーナー」と「ハンド」の2種類が存在する。これらのアイテムは前記したように1フレーズ分の文章をタイプミスすることなく入力した場合に追加されるポイントが所定ポイント数に達した際に付与され、ゲーム中に遊技者が所定の操作を行うことにより使用することが可能となる。そして、アイテムを使用するとタイピングゲーム実行中において後述のような特殊な処理を行い、遊技者はゲームを有利に進めることができる。
【0049】
先ず、アイテム「クリーナー」について説明すると、「クリーナー」は遊技者が歌詞表示部22及びローマ字表示部23に1フレーズの歌詞に対応する文字列が表示された後であって、且つ文字列に対応するタイプを少なくとも1字以上行った状態において使用することができるアイテムである。
そして、「クリーナー」を所定の操作を行って使用すると、歌詞表示部22及びローマ字表示部23に現在表示されている全文字列をメインゲーム画面21上から消去し、歌詞表示部22及びローマ字表示部23には楽曲の演奏に合わせて次のフレーズに係る文字列を表示させる。その際、消去したフレーズに関する文字の入力判定結果、即ち当該フレーズでカウントされたタイプのミス回数、獲得した得点及びポイント分がリセット(初期化)される。
従って、遊技者は表示されたフレーズをタイプする際に、タイプミスをしてしまった場合であっても、「クリーナー」を使用することによってそのミスがカウントされず、且つ次のフレーズへと進むことが可能となる。そして、本実施形態に係るタイピングゲームは前記したように再生される楽曲の曲番の数に合わせて複数のステージから構成されており、一のステージが終了した時点で遊技者のタイプミス回数が所定回数未満であるときに次の曲番の楽曲に該当するステージへと進み、継続してタイピングゲームを行うことができる。即ち、遊技者は「クリーナー」を使用することによって、発生したミス回数を減少させることが可能であり、次のステージ(曲番)へと進むことができる可能性が高くなる。
【0050】
次に、アイテム「ハンド」について説明すると、「ハンド」は遊技者が歌詞表示部22及びローマ字表示部23に1フレーズの歌詞に対応する文字列が表示された後であって、且つ文字列に対応するタイプを全く行っていない状態において使用することができるアイテムである。
そして、「ハンド」を所定の操作を行って使用すると、歌詞表示部22及びローマ字表示部23に現在表示されている全文字列をメインゲーム画面21上から消去し、歌詞表示部22及びローマ字表示部23には楽曲の演奏に合わせて次のフレーズに係る文字列を表示させる。
従って、遊技者は表示されたフレーズをタイプする際に、複雑で長いフレーズが表示された場合であっても、「ハンド」を使用することによってそのフレーズをタイプすることなく、次のフレーズへと進むことが可能となる。即ち、遊技者は「ハンド」を使用することによって、ミスをすることが予想される苦手なフレーズをスキップしてタイプのミス回数の増加を防止することが可能であり、次のステージ(曲番)へと進むことができる可能性が高くなる。
【0051】
次に、前述した「クリーナー」と「ハンド」の2つのアイテムの使用条件について図7を用いて説明する。図7は本実施形態に係るタイピングゲーム機において使用されるアイテムの獲得条件を示した説明図である。
【0052】
図7に示すように、本実施形態に係るタイピングゲームでは、遊技者が獲得したポイントが所定ポイント数に達した際に「クリーナー」又は「ハンド」のいずれかのアイテムが付与され、使用することが可能となる。具体的には、獲得したポイントが「10ポイント」に到達した際にアイテム「クリーナー」が付与され、アイテム表示部29に新たに消しゴムを模したアイテムの画像29Aが表示される(図4(B)参照)。また、獲得したポイントが「20ポイント」に到達した際にアイテム「ハンド」が付与され、アイテム表示部29に新たに人間の手を模したアイテムの画像29Aが表示される(図4(B)参照)。以下同様に、10ポイントごとに「クリーナー」と「ハンド」のアイテムが交互に付与されて、使用可能となる。但し、遊技者が同時に所有可能な最大のアイテム数は3であり、アイテム表示部29にアイテムの画像29Aが3つ表示された状態で、獲得ポイントが図7に示す所定ポイントになっても、アイテムが追加されることはない。
尚、10ポイント獲得する毎に「クリーナー」又は「ハンド」のアイテムのどちらか一方がランダムで付与されるように構成しても良い。
【0053】
次に、前述した「クリーナー」と「ハンド」の2つのアイテムのタイピングゲームでの使用方法について図8及び図9を用いて説明する。図8(A)及び(B)は本実施形態に係るタイピングゲーム機においてアイテム「クリーナー」を使用した際における第1液晶ディスプレイの表示内容を示した説明図、図9(A)及び(B)は本実施形態に係るタイピングゲーム機においてアイテム「ハンド」を使用した際における第1液晶ディスプレイの表示内容を示した説明図である。
【0054】
遊技者が、所有する「クリーナー」又は「ハンド」のアイテムをタイピングゲームにおいて使用する際には、メインゲーム画面21のアイテム表示部29にいずれかのアイテムの画像29Aが表示された状態で先ずキーボード6のシフトキー113(図10参照)を押下する。
【0055】
シフトキー113が押下されると、アイテム表示部29にアイテム選択カーソル40が新たに表示され、更に遊技者はカーソルキー114の左右で表示されたアイテム選択カーソル40を左右に動かすことが可能となる。
【0056】
そして、アイテム「クリーナー」を使用する際には、図8(A)に示すようにメインゲーム画面21の歌詞表示部22及びローマ字表示部23に1フレーズの歌詞に対応する文字列が表示された後であって、且つ文字列に対応するタイプを少なくとも1字以上行った状態で、アイテム選択カーソル40を消しゴムを模したアイテム画像29A上に位置させてエンターキー112を押下する。
【0057】
その結果、図8(B)に示すようにアイテム表示部29から選択したアイテム「クリーナー」を示すアイテムの画像29Aが消去され、更に歌詞表示部22及びローマ字表示部23上に新たに消しゴムを模したアイテム画像41が表示される。新たに表示されたアイテム画像41は、歌詞表示部22及びローマ字表示部23上を上下左右に移動し、それに伴って歌詞表示部22及びローマ字表示部23に現在表示されている全文字列がメインゲーム画面21上から消去される。その後、歌詞表示部22及びローマ字表示部23には楽曲の演奏に合わせて次のフレーズに係る文字列を表示される。その際、前記したように消去したフレーズに関する文字の入力判定結果、即ち当該フレーズでカウントされたタイプのミス回数、獲得した得点及びポイント分がリセット(初期化)される。
【0058】
一方、アイテム「ハンド」を使用する際には、図9(A)に示すようにメインゲーム画面21の歌詞表示部22及びローマ字表示部23に1フレーズの歌詞に対応する文字列が表示された後であって、且つ文字列に対応するタイプを全く行っていない状態で、アイテム選択カーソル40を人間の手を模したアイテム画像29A上に位置させてエンターキー112を押下する。
【0059】
その結果、図9(B)に示すようにアイテム表示部29から選択したアイテム「ハンド」を示すアイテムの画像29Aが消去され、更に歌詞表示部22及びローマ字表示部23上に新たに人間の手を模したアイテム画像42が表示される。新たに表示されたアイテム画像42は、歌詞表示部22及びローマ字表示部23上に現在表示されている全文字列に対して光を照射し、光が照射された文字列は徐々に小さくなって最終的にメインゲーム画面21上から消去される。その後、歌詞表示部22及びローマ字表示部23には楽曲の演奏に合わせて次のフレーズに係る文字列を表示される。
【0060】
続いて、タイピングゲーム機1に備えられたキーボード6について図10及び図11を用いて説明する。図10は本実施形態に係るタイピングゲーム機に備えられたキーボードを示した平面図である。図11は、キーボードに設けられた複数のキーのいずれか一つを切断した概略断面図である。
【0061】
図10に示すように、キーボード6は「英字(A〜Z)」、「かな(あ〜ん)」、「数字(0〜9)」、「記号(ピリオド、コンマ)」等の入力を行う複数個の文字入力キー111と、エンターキー112、シフトキー113、カーソルキー114等の機能キー115とがそれぞれ配列された、日本語108キーボードである。そして、遊技中において遊技者は、文字、記号、数字等に対応した文字入力キー111をタイプすることにより文字入力を行い、またシフトキー113等の機能キー115を押下することにより前記したようにアイテムを使用してゲームを進行させる。更に、遊技開始前や遊技終了後等においてはゲームを行う曲やゲーム難易度の選択決定、ゲームの実行開始等の指令を機能キー115の操作に基づいて行う。また、キーボード6の各種キー内部には発光LEDを備え、CPU51からの制御信号に基づいてキーが様々な態様で発光するように構成されている。
【0062】
ここで、キーボード6のキー内部構造について図11に基づいて説明する。尚、キーボード6に配列された複数のキーはいずれも同様の内部構造を有している。従って、以下にはキーボード6に配列された複数のキーの内、一の文字入力キー111の内部構造を例にして説明することとし、他の文字入力キー111及び機能キー115についての説明は省略する。
【0063】
図11に示すように、文字入力キー111は、ベース板150と、スイッチ回路板151、発光回路板152、キートップ153、付勢機構154、フルカラーLED155等から基本的に構成されている。
この点、ベース板150の上に敷設されているスイッチ回路板151には、キートップ153の中央付近の真下に配置される一対の電極156が設けられている。
また、スイッチ回路板151の上に敷設されている発光回路板152には、上記一対の電極156を露出させるための開口部157が設けられており、その開口部157の周囲には、フルカラーで点灯させることができるフルカラーLED155が設けられている。
【0064】
また、発光回路板152とキートップ153の間には、付勢機構154が設けられており、その付勢機構154によって、スイッチ回路板151の反対側にキートップ153を付勢させている。さらに、キートップ153の中央付近には、スイッチ回路板151の側へ電極158が突設されている。従って、キートップ153を押下操作すれば、キートップ153に突設された電極158をスイッチ回路板151に設けられた一対の電極156に接触させることができるので、キートップ153が押下操作されたことを、スイッチ回路板151に流れる電気信号として伝えることができる。即ち、これらの3つの電極156、158によって、キースイッチ159が構成されている。
尚、付勢機構154は、弾性体のみで構成してもよいし、弾性体や架橋機構で構成してもよく、その構成は問わない。
【0065】
また、キートップ153は、透光性を有する材質(例えば、透明アクリル、透明プラスチック等)で形成されており、表面平面部には、文字・数字・記号などのキー情報160が黒色で印刷されている。さらに、発光回路板152のキートップ153側の表面も黒色に印刷されている。
従って、フルカラーLED155が消灯中においては、透光性のキートップ153は、発光回路板152の表面の色である黒色に映るので、その黒色に映ったキートップ153に黒色で印刷されたキー情報160が認識しにくくなる。
一方、フルカラーLED155が点灯中においては、透光性のキートップ153は、フルカラーLED155が点灯する色に映るので、その色に映ったキートップ153に黒色で印刷されたキー情報160は認識しやすくなる。
【0066】
そして、キーボード6では、各キー内部のキースイッチ159が不図示の発信回路に接続されている。発信回路は、後述するインターフェースユニット52(以下、I/Oと称す)を介して、タイピングゲーム機1のCPU51に接続されている。従って、この発信回路を介して、押下操作されたキーのキースイッチ159からの電気信号をCPU51に送信することで、押下操作されたキーの種類を特定することができる。尚、発信回路は、上記スイッチ回路板151に搭載されている。
【0067】
また、キーボード6においては、キー内部のフルカラーLED155が発光制御回路62に接続されている。さらに、発光制御回路62は、I/O52を介して、CPU51に接続されている(図13参照)。従って、この発光制御回路62を介して、当該キー内部のフルカラーLED155をCPU51で特定された色によって点灯させることができる。具体的に本実施形態に係るタイピングゲーム機1では、タイピングゲーム中において、キー入力があった場合で、且つ正しいタイプがなされたと判定された場合には、押下された文字入力キー111を青色に発光させる。また、キー入力があった場合で、且つ誤ったタイプがなされたと判定された場合には、押下された文字入力キー111を赤色、入力すべき正しいキーを緑色にそれぞれ発光させる。更に、キー入力がなかった場合には、入力すべき正しいキーのみを緑色に発光させる。
【0068】
尚、本実施形態に係るタイピングゲーム機1は図12に示すように、サーバ80に対してインターネット等の双方向通信可能なネットワーク網Nを介して接続されている。そして、サーバ80から送信されたデータに基づいて、タイピングゲーム機1のHDD55(図13参照)に記憶された楽曲データを更新することが可能となっている。
従って、楽曲データを更新することによってタイピングゲーム機1で遊技可能な楽曲の種類を変更することが可能となっており、また、各遊技店に設置されたタイピングゲーム機を一括に管理することにより、そのデータ更新作業も容易となっている。
【0069】
次に、タイピングゲーム機1の制御系に係る構成について図13に基づき説明する。図13は本実施形態に係るタイピングゲーム機の制御系を模式的に示すブロック図である。
図13に示すように、タイピングゲーム機1の制御系は、タイピングゲーム機1における遊技処理動作等の各種制御を司るCPU51と、CPU51に接続されたROM53及びRAM54と、当該CPU51に電気的に接続された周辺装置(アクチュエータ)とで構成されている。
【0070】
CPU51は、各種コマンドに従って演算処理を行う中央演算処理装置である。I/O52は、第1液晶ディスプレイ3、第2液晶ディスプレイ4、キーボード6、外部照明LED7、スピーカ8等とCPU51とを直接的、間接的に電気的接続する接続部である。
ROM53は、後述のフローチャートを動作させるための演算プログラムが格納されている不揮発性の読出し専用メモリである。
また、RAM54は、CPU51で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリであり、当該タイピングゲームにおける遊技者のタイプのミス回数、獲得した得点(スコア)、獲得したポイント、現在所有するアイテムの数と種類等についても記憶される。また、RAM54には後述するHDD55に記憶された複数の楽曲データの内、今回のタイピングゲームにおいて使用される楽曲データの歌詞データが1フレーズ毎に分割されて一時的に記憶される。
【0071】
HDD55は、タイピングゲーム機1におけるタイピングゲームの実行時に使用される楽曲データが格納されている記憶装置である。ここで、楽曲データは、映像データ、演奏データ、音声データ、歌詞データ、判定基準データ、LED発光パターンデータ、キーボード発光パターンデータ、期限データから構成されており、HDD55内に形成された楽曲データ記憶領域56の各記憶領域に対してそれぞれ記憶されている(図14参照)。
また、楽曲データは楽曲データ記憶領域56に対して複数個(本実施形態では最大で8個)のデータが記憶され、前記したようにサーバ80から送信されるデータに基づいて記憶された各楽曲データが随時更新される。そして、楽曲データ記憶領域56に記憶されている楽曲データの種類に基づいて曲選択画面15(図2参照)で表示される曲名の種類が変化し、曲選択画面15で選択された楽曲に対応する楽曲データに基づいてタイピングゲームが行われる(図3及び図4参照)。
【0072】
ここで、HDD55に形成された楽曲データ記憶領域56について図14を用いてより詳細に説明する。図14は楽曲データ記憶領域を模式的に示す説明図である。
【0073】
図14に示すように、本実施形態に係るタイピングゲーム機1の楽曲データ記憶領域56は、記憶可能な楽曲データ数(本実施形態では8曲)に対応する複数の記憶領域(本実施形態では第1記憶領域〜第8記憶領域)により構成され、各記憶領域毎に映像データ記憶領域56A、演奏データ記憶領域56B、音声データ記憶領域56C、歌詞データ記憶領域56D、判定基準データ記憶領域56E、LED発光パターンデータ記憶領域56F、キーボード発光パターンデータ記憶領域56G、期限データ記憶領域56Hが設けられている。
【0074】
以下に各記憶領域について説明すると、映像データ記憶領域56Aは、当該楽曲データの内、第2液晶ディスプレイ4に表示されるアーティストのPV映像20(図3(A)及び図4(A)参照)に関する映像データが記憶される記憶領域である。
また、演奏データ記憶領域56Bは当該楽曲データの内、スピーカ8から出力される楽器等による伴奏に関する演奏データが記憶される記憶領域である。
また、音声データ記憶領域56Cは当該楽曲データの内、スピーカ8から出力されるアーティストが歌唱する歌声に関する音声データが記憶される記憶領域である。
また、歌詞データ記憶領域56Dは当該楽曲データの内、楽曲の歌詞の文書データに関する歌詞データが記憶される記憶領域である。そして、前記したようにタイピングゲーム実行時には1フレーズごとの歌詞が第1液晶ディスプレイ3に表示される(図3(B)及び図4(B)参照)。
【0075】
そして、判定基準データ記憶領域56Eは当該楽曲データの内、タイピングゲーム実行時に、遊技者がタイプした文字の正誤判定及び入力タイミングの正誤判定の基準に関する判定基準データが記憶された記憶領域である。そして、CPU51は、記憶された判定基準データとキーボード6からの操作信号とに基づいてミス回数、得点、ポイント等を後述のように加算する。
また、LED発光パターンデータ記憶領域56F及びキーボード発光パターンデータ記憶領域56Gは当該楽曲データの内、外部照明LED7を発光させる為のLED発光パターンデータ及びキー内部に設けられたフルカラーLED155を発光させる為のキーボード発光パターンデータが記憶された記憶領域である。本実施形態に係るタイピングゲーム機1では、8つの外部照明LED7は、記憶されたLED発光パターンデータに基づいてタイピングゲーム実行中に後述する発光制御回路62によりそれぞれの発光態様(例えば、発光色、点灯・消灯)に発光制御される。また、キー内部に設けられたフルカラーLED155は、記憶されたキーボード発光パターンデータに基づいてタイピングゲーム実行中に後述する発光制御回路62によりそれぞれの発光態様(例えば、発光色、点灯・消灯)に発光制御される。尚、フルカラーLED155の発光パターンとしては、タイピングゲームの初心者のために、入力すべきキーをキーボード6全体の発光色とは異なる発光色で順次点灯させることにより、キー入力を補助する発光パターンや、楽曲のイメージに合わせて、キーボード6に配設された全てのキーの発光色を変更するようなパターンがある。
【0076】
そして、期限データ記憶領域56Hは当該楽曲データの内、楽曲データの使用期限に関する期限データが記憶された記憶領域であり、期限データは楽曲データの使用可能となった日(使用開始日)と、楽曲データが使用不能となる日(使用終了日)の2つの日付データで構成されている。この期限データは、タイマー58(図13参照)とともに各楽曲データの使用期限の管理に用いられ、使用期限の過ぎた楽曲データを用いたタイピングゲームは遊技できないようにCPU51によって制御される。
【0077】
ここで、図13に戻り、タイピングゲーム機1の制御系について続けて説明する。
ゲーム通信手段57は、タイピングゲーム機1が送り出す信号を電話回線やLANケーブル等の通信形式に応じ、送信可能な形式の信号に変換し、サーバ80に対して送信するとともに、サーバ80から送信された信号を受信し、タイピングゲーム機1が読み取れる形式の信号に再度変換する装置であり、サーバ80のサーバ通信手段81とインターネット等の双方向通信可能なネットワーク網Nを介して接続されている(図12参照)。
【0078】
更に、CPU51には、タイマー58が接続されている。タイマー58の情報はCPU51に送信され、CPU51はタイマー58の情報とHDD55の期限データ記憶領域56Hに記憶された期限データとから、記憶された楽曲データの使用期限の管理を行う。
【0079】
また、表示制御回路60は、I/O52を介して、CPU51と接続されており、CPU51の演算処理結果に応じて、第1液晶ディスプレイ3、第2液晶ディスプレイ4の表示内容を制御する部分である。ここで、表示制御回路60は、プログラムROM、画像ROM、画像制御CPU、ワークRAM、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)及びビデオRAMなどで構成されている。そして、プログラムROMには、第1液晶ディスプレイ3や第2液晶ディスプレイ4での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。また、画像ROMには、例えば、第1液晶ディスプレイ3で表示される曲選択画面15(図2参照)やメインゲーム画面21(図3及び図4参照)、アイテム画像(図8及び図9参照)等の各画像を形成するためのドットデータが格納されている。
そして、画像制御CPUは、CPU51で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM内に予め記憶されたドットデータの中から第1液晶ディスプレイ3や第2液晶ディスプレイ4に表示する画像の決定を行う。また、VDPは、画像制御CPUで決定された表示内容に応じた画像を形成し、第1液晶ディスプレイ3や第2液晶ディスプレイ4に出力する。
【0080】
それによって、例えば、スタンバイ状態においては任意の楽曲のPV、宣伝広告、ランキング一覧等からなるデモ画面を表示し、また、コイン投入口9にコインが投入された後には第1液晶ディスプレイ3に曲選択画面15(図2参照)を表示させる。そして、タイピングゲーム機1におけるタイピングゲームが開始実行されている際には、第1液晶ディスプレイ3に、楽曲データを構成する歌詞データを1フレーズ毎に表示するとともに、キーボード6の入力結果に基づいて既に遊技者がタイプした文字列23Aをタイプ前の文字列23Bと比較して下段に移動させる制御等を行う。また、所定の操作を行うことによりアイテムを使用した際には、アイテムの画像41、42等を新たに表示させる。一方、第2液晶ディスプレイ4には、楽曲データを構成する映像データであるPVを表示させる。
【0081】
音制御回路61は、I/O52を介してCPU51に接続されるとともに、スピーカ8と接続されている。そして、タイピングゲームが実行され、HDD55の楽曲データ記憶領域56に記憶された楽曲データが読み出されると、当該楽曲データを構成する演奏データ及び音声データは、音制御回路61により音信号に変換され、スピーカ8より出力される。
【0082】
そして、発光制御回路62は、I/O52を介して、CPU51に接続されるとともに、外部照明LED7、及びキー内部に配設されているフルカラーLED155(図11参照)と接続されている。発光制御回路62は、CPU51においてHDD55の楽曲データ記憶領域56に記憶された楽曲データが読み出されると、当該楽曲データを構成するLED発光パターンデータ及びキーボード発光パターンデータに基づいて、外部照明LED7及びフルカラーLED155の発光態様を制御する。
【0083】
更に、CPU51には、キーボード6が接続されている。キーボード6の各キー内部に設けられたキースイッチ159は、キートップ153が押下操作されたことを、スイッチ回路板151に流れる電気信号として送信する。CPU51は、各キーの押下により各キースイッチ159から出力されるスイッチ信号に基づき、各キーに対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
【0084】
コインセンサ63は、タイピングゲーム機1におけるタイピングゲームの実行の対価として用いられるコイン(例えば100円硬貨)を検出するセンサである。コインセンサ63はコイン投入口9の内部に配設され、I/O52を介してCPU51に接続されている。従って、コインセンサ63は、コイン投入口9からのコインの投入に基づいて、コイン投入信号をCPU51に対して発信する。そして、CPU51は所定金額分(例えば200円)に該当するコイン投入信号を検知することにより、タイピングゲームの実行を可能とする。
【0085】
また、カードセンサ64は、カード挿入口10にICカードが挿入されているか否かを検知するセンサであり、カードリーダ・ライタ65は、当該ICカードに配設されたICタグに対するデータの読出・書込を行う装置である。カードセンサ64、カードリーダ・ライタ65は、共に、カード挿入口10の内部に配設され、I/O52を介して、CPU51に接続されている。そして、カードセンサ64によりICカードが検出された場合であって、所定の操作が行われた場合には、カードリーダ・ライタ65によってタイピングゲームのゲーム結果をICタグから読み出す(図15のS3)。また、タイピングゲーム終了時にはICタグに対して新たなゲーム結果(獲得した得点やポイント)の書き込みを行う(図15のS9)。
【0086】
続いて、前記構成を有するタイピングゲーム機1で行われるメイン処理プログラムについて図15に基づき説明する。図15は本実施形態に係るタイピングゲーム機1のメイン処理プログラムのフローチャートである。尚、以下に図15乃至図19にフローチャートで示される各プログラムはタイピングゲーム機1が備えているROM53やRAM54に記憶されており、CPU51により実行される。
【0087】
図15に示すように、先ずCPU51はカードセンサ64からの検出信号に基づいて、カード挿入口10にICカードが投入されているか否かを判定する。そして、ICカードが投入されていると判定した場合(S1:YES)には、更にS2において遊技者からのデータ内容の確認要求を受けたか否かが判定される。一方、ICカードが投入されていないと判定した場合(S1:NO)には、S4へと移行する。
【0088】
ここで、本実施形態に係るタイピングゲーム機1では、コインの投入前で且つ遊技者が所有するICカードをカード挿入口10に投入した状態でキーボード6のシフトキー113を押下すると、ICカードに記録されたゲーム結果(前回までのゲームにおいて遊技者が獲得した得点やポイント等)の一覧が第1液晶ディスプレイ3に表示され、遊技者はその内容を確認することが可能となる。
従って、S2の判定においてはキーボード6からの操作信号に基づいてシフトキー113が押下されたか否かが判定され、シフトキー113が押下されたと判定された場合(S2:YES)には、カードリーダ・ライタ65によってICカードに内蔵されたICタグのデータを読み出し、その読み出したデータに基づいて第1液晶ディスプレイ3にゲーム結果の一覧を表示させる(S3)。
【0089】
また、S4においてはスタート受付処理が行われる。具体的にスタート受付処理では、コイン投入口9に対してコイン(100円硬貨等)が所定金額分(本実施形態では200円分)投入されたか否かを判定し、投入されるまでの間はデモプレイのゲーム画面、任意の楽曲のPV、宣伝広告、ランキングデータの一覧等からなるデモ画面などをディスプレイに表示するスタンバイ状態で待機される。尚、本実施形態に係るタイピングゲーム機1では、コイン投入口9にコインが投入されると、コインセンサ63によって検出され、コイン検出信号がCPU51に出力される。これにより、CPU51は遊技者によるコインの投入を判断することができる。
【0090】
続いて、S5においては図16の楽曲選択処理が行われる。楽曲選択処理では、後述のようにHDD55の楽曲データ記憶領域56に記憶された楽曲データの種類に基づいて、第1液晶ディスプレイ3に曲選択画面15(図2参照)を表示させ、今回のゲームで使用する楽曲を設定する。
【0091】
そして、S6では前記S5で設定した楽曲に基づいて図17のタイピングゲーム実行処理が行われる。タイピングゲーム実行処理では後述のように楽曲を演奏するとともにキーボード6のタイプ結果に基づいて得点やポイント等が加算され、所定の終了条件を満たすまで継続して行われる。
【0092】
その後、タイピングゲーム実行処理が終了するとゲーム結果表示処理が行われる(S7)。具体的にゲーム結果表示処理では、前記S6のタイピングゲームの結果に基づいて、第1液晶ディスプレイ3にゲーム結果画面30(図5参照)を表示させる。ゲーム結果画面30には、RAM54に記憶された今回のタイピングゲームにおけるミス回数と、獲得したポイントと、獲得した得点(スコア)がそれぞれ表示され、更に遊技した遊技者の名前の入力を促す名前入力表示部34が表示される。更に、その状態でキーボード6が操作されると、操作信号に基づいて名前入力表示部34に入力された文字を表示する。そして、獲得した得点(スコア)が所定得点以上であった場合には、RAM54に記憶されたランキングデータを更新する。
【0093】
次に、S8においてCPU51はカードセンサ64からの検出信号に基づいて、カード挿入口10にICカードが投入されているか否かを判定する。そして、ICカードが投入されていると判定した場合(S8:YES)には、更にS9においてRAM54に記憶された今回のタイピングゲームにおいて獲得したポイントと、獲得した得点(スコア)がそれぞれカードリーダ・ライタ65によってICカードに内蔵されたICタグに書き込まれる。尚、ここで書き込まれたデータは、前記S3のデータ内容表示処理によって参照することが可能となる。
一方、ICカードが投入されていないと判定した場合(S8:NO)には、当該処理を終了する。
【0094】
続いて、タイピングゲーム機1で行われる前記S5の楽曲選択処理プログラムについて図16に基づいて説明する。図16は本実施形態に係る楽曲選択処理プログラムのフローチャートである。
【0095】
楽曲選択処理では先ず、S11においてHDD55の楽曲データ記憶領域56から、記憶された楽曲データに係る楽曲の曲名及びアーティスト名(本実施形態では最大で8種類)をそれぞれ取得する。
【0096】
そして、前記S11で取得された楽曲の曲名及びアーティスト名に基づいて、第1液晶ディスプレイ3に曲選択画面15(図2参照)を表示させる(S12)。曲選択画面15では、遊技可能曲名表示部16に取得された楽曲名を一覧にして表示し、更に選択曲名表示部18及び選択アーティスト名表示部19には、曲選択カーソル17によって選択されている楽曲の曲名とアーティスト名がそれぞれ表示される。
【0097】
続いて、S13においてはカーソルキー114が押下されたか否かが判定される。ここで、カーソルキー114が押下されたか否かはキーボード6から送信された操作信号に基づいて判定され、カーソルキー114が押下されたと判定された場合(S13:YES)には、カーソルキー114の操作(上下左右のいずれのキーが押下されたか)に基づいて第1液晶ディスプレイ3に表示された曲選択カーソル17をその押下された方向へ移動させる(S14)。
【0098】
更に、S15では選択曲名表示部18及び選択アーティスト名表示部19の表示を、前記S14で移動された曲選択カーソル17により新たに選択された楽曲に対応する曲名とアーティスト名にそれぞれ変更する。その後、S13の判定処理へと戻る。
【0099】
一方、カーソルキー114が押下されていないと判定された場合(S13:NO)には、続けてS16においてエンターキー112が押下されたか否かが判定される。そして、エンターキー112が押下されたと判定された場合(S16:YES)には、現在曲選択カーソル17が位置する楽曲が今回のタイピングゲームを行う楽曲として設定され(S17)、後述のタイピングゲームが開始される。一方、エンターキー112についても押下されていないと判定された場合(S16:NO)には、再度S13の判定処理へと戻る。
【0100】
続いて、タイピングゲーム機1で行われる前記S6のタイピングゲーム実行処理プログラムについて図17に基づいて説明する。図17は本実施形態に係るタイピングゲーム実行処理プログラムのフローチャートである。
【0101】
タイピングゲーム実行処理において、CPU51は先ずS21でHDDの楽曲データ記憶領域56の各記憶領域(図14参照)に記憶された楽曲データの内、前記S5の楽曲選択処理によって選択された楽曲に対応する楽曲データを読み出す。そして、特に歌詞データ記憶領域56Dに格納された歌詞データはフレーズごとに分割してRAM54に一時的に記憶させる。
【0102】
次に、S22において第1液晶ディスプレイ3にメインゲーム画面(図3(B)及び図4(B)参照)を表示させる。尚、この時点においては歌詞表示部22及びローマ字表示部23に文字列は表示されておらず、得点表示部27の得点やスコアの表示も「0」となっている。
【0103】
続いて、S23では映像データ記憶領域56Aに記憶された映像データに基づいて、第2液晶ディスプレイ4において選択した楽曲に係るPVの映像20の表示を開始する(図3(A)及び図4(A)参照)。また、スピーカ8を介して演奏データ記憶領域56Bに記憶された演奏データに基づく伴奏の音楽の出力、音声データ記憶領域56Cに記憶された音声データに基づく音声の出力をそれぞれ行う。それにより、楽曲が演奏され、且つそれに合わせてPVの映像20が再生されることとなる。
【0104】
次に、S24においてRAM54に格納した歌詞データの1フレーズ分の歌詞を取得し、対応する文字列を楽曲の演奏するテンポに合わせてメインゲーム画面21の歌詞表示部22及びローマ字表示部23にそれぞれ表示する。それにより、第1液晶ディスプレイ3は楽曲の演奏及び第2液晶ディスプレイ4のPV映像20の表示と並行して、メインゲーム画面21の表示が行われる(図3(B)及び図4(B)参照)。
【0105】
その後、取得した1フレーズの歌詞データに基づいて1フレーズの文字数nを算出し(S25)、RAM54に格納された任意の変数mに0を代入する(S26)。ここで、任意の変数mは、1フレーズを形成する各文字に対する文字の入力判定に用いられる変数であり、1文字分の入力判定が終了する毎に1ずつ加算される(S34)。従って、以下のS27〜S35において繰り返し行われる各入力判定処理においては、m=t(0≦t≦n−1)のとき、1フレーズの先頭からt+1番目に位置する文字の入力判定が行われることとなる。
【0106】
また、S27では図18のアイテム使用処理が行われる。アイテム使用処理では後述のように遊技者の所定の操作に基づいて「クリーナー」又は「ハンド」のいずれかのアイテムが使用されると、歌詞表示部22及びローマ字表示部23に表示された文字列を消す等の特殊な処理を行う(図6乃至図9参照)。
【0107】
更に、S28ではキーボード6からの操作信号に基づいて、文字入力キー111によるキー入力がなされたか否かを判定する。キー入力があったと判定された場合(S28:YES)には、押下されたキーの種類と判定基準データ記憶領域56Eに記憶された判定基準データとに基づいて、入力されたキーの正誤判定処理を行う(S29)。具体的には、メインゲーム画面21のローマ字表示部23(図3(B)及び図4(B)参照)に表示されたローマ字に対応するキーが押下された場合に正しいタイプであると認識される。そして、対応するキー以外のキーが押下されたと判定された場合にはミス回数を1加算する。その後、S32へと移行する。
【0108】
一方、キー入力がなかったと判定された場合(S28:NO)には、所定時間(1フレーズの先頭の文字を入力する際にはメインゲーム画面21に対して1フレーズに対応する文字列を表示した(S24)後から、それ以外の文字を入力する際にはスコアの算出処理を行った(S33)後から計測する。)経過したか否かをタイマー58の情報に基づいて判定する(S30)。そして所定時間経過していないと判定した場合(S30:NO)には、S27の処理へと戻る。
【0109】
それに対して、所定時間経過していると判定した場合(S30:YES)には、遊技者によるキー入力が行われなかったとして、RAM54に格納された今回のゲームにおけるミス回数を1加算する(S31)。
【0110】
続いてS32では、キーボード6のキー内部に設けられたフルカラーLED155に基づいてキーの発光処理が行われる。具体的に本実施形態に係るタイピングゲーム機1では、キー入力があった場合(S28:YES)で、且つ正しいタイプがなされたと判定された場合には、押下された文字入力キー111を青色に発光させる。また、キー入力があった場合(S28:YES)で、且つ誤ったタイプがなされたと判定された場合には、押下された文字入力キー111を赤色、入力すべき正しいキーを緑色にそれぞれ発光させる。更に、キー入力がなかった場合(S28:NO)には、入力すべき正しいキーを緑色に発光させる。
【0111】
また、S33では前記S29の正誤判定処理に基づいてスコアの算出処理が行われる。スコア算出処理では、RAM54に格納されている今回のゲームにおける遊技者の得点(スコア)が、前記正誤判定処理による判定において正しくタイプされていると判定された場合に加算され、また演奏される楽曲の音声と同一のタイミングで該当する文字をタイプしたと判定した場合には更に得点が加算される。
【0112】
その後、S34においては、RAM54に格納された変数mを読み出して「+1」を加算し、再度格納する。続いて、S35では変数mの値がn−1に到達したか否か、即ち1フレーズを形成する各文字に対する文字の入力判定が全て終了したか否かが判定される。
【0113】
そして、変数mの値がn−1に到達していないと判定された場合(S35:NO)には、再度S27へと戻り、1フレーズを構成する各文字の内、次の順序に位置する文字の入力判定が行われる。
【0114】
一方、変数mの値がn−1に到達したと判定された場合(S35:YES)には、1フレーズの文字の入力が完了したこととなるので、S36において図19のポイント加算処理が行われる。ポイント加算処理では、後述のように1フレーズを構成するn個の文字をタイプミス(所定時間経過によるタイプミスの判定(S30、S31)を含む)することなく入力が完了したと判定された場合にポイントを1加算し、更に加算されたポイントが所定数(図7参照)に到達した場合にアイテムの所持フラグをセットして前記S27の処理で当該アイテムを使用可能とする。
【0115】
更に、S37では楽曲を構成する複数の曲番(通常、1曲は1番〜3番で構成される)の内、いずれかの曲番にあたるステージのフレーズの入力判定が終了したか否かが判定される。そして、1ステージ分の全てのフレーズの入力判定が終了していないと判定された場合(S37:NO)にはS24へと戻り、次のフレーズの歌詞をRAM54から取得し、メインゲーム画面21に対して対応する文字列を歌詞表示部22及びローマ字表示部23にそれぞれ表示する。
【0116】
それに対して、1ステージ分の全てのフレーズの入力判定が終了したと判定された場合(S37:YES)には、続けて全ステージ(楽曲の全曲)のフレーズの入力判定が終了したか否かが判定される(S38)。
【0117】
そして、全ステージが終了したと判定された場合(S38:YES)には、遊技者の所有するポイントに関わらず、当該タイピングゲーム実行処理を終了し、S7のゲーム結果表示処理へと移行する。一方、全ステージが終了していないと判定された場合(S38:NO)には、前記S29やS31で加算された現在までの遊技者のタイプミス回数が所定回数未満であるか否かが判定される(S39)。本実施形態に係るタイピングゲーム機1では、再生される楽曲の曲番の数に合わせて複数のステージから構成されており、一のステージが終了した時点で次の曲番に係るステージを継続して行うためには遊技開始時からのタイプミス回数が所定回数未満であることが条件となる(例えば、1番に該当する部分を遊技した後に2番を継続して行うのにはタイプミス回数20回未満、2番に該当する部分を遊技した後に3番を継続して行うのには35回未満)。
【0118】
そして、前記S29やS31で加算された遊技者のタイプミス回数が所定回数未満であると判定された場合(S39:YES)にはS24へと戻り、次の曲番の最初のフレーズに該当する歌詞をRAM54から取得し、メインゲーム画面21に対して対応する文字列を歌詞表示部22及びローマ字表示部23にそれぞれ表示する。そして、同様に入力判定処理を行う。一方、遊技者のタイプミス回数が所定回数以上であると判定された場合(S39:NO)には、当該タイピングゲーム実行処理を終了し、S7のゲーム結果表示処理へと移行する。
【0119】
次に、タイピングゲーム機1で行われる前記S27のアイテム使用処理プログラムについて図18に基づいて説明する。図18は本実施形態に係るアイテム使用処理プログラムのフローチャートである。
【0120】
アイテム使用処理では先ず、S41においてシフトキー113が押下されたか否かが判定される。ここで、シフトキー113が押下されたか否かはキーボード6から送信された操作信号に基づいて判定され、シフトキー113が押下されたと判定された場合(S41:YES)には、S42へと移行する。それに対し、シフトキー113が押下されていないと判定された場合(S41:NO)には、当該アイテム使用処理を終了し、前記S28の判定処理へと移行する。
【0121】
次に、S42においては、RAM54に格納されたアイテムフラグがセットされているか否かが判定される。アイテムフラグは、前記S36のポイント加算処理によって所定ポイントを獲得したと判定された際にセットされ(図19のS66)、アイテムフラグがセットされている状態ではアイテム表示部29に該当するアイテムの画像29Aが表示されて(図6及び図7参照)後述のようにアイテムの使用が可能となる。また、アイテムフラグは「クリーナー」と「ハンド」のそれぞれのアイテムで合計3つまでセットされ、アイテムを使用した際には使用したアイテムに対応するフラグがリセットされる(S52)。
【0122】
そして、アイテムフラグが少なくとも1以上セットされていると判定された場合(S42:YES)には、S43においてはアイテム選択カーソル40がアイテム表示部29に新たに表示される(図8(A)及び図9(A)参照)。それに対し、アイテムフラグが一つもセットされていないと判定された場合(S42:NO)には、当該アイテム使用処理を終了し、前記S28の判定処理へと移行する。
【0123】
S44では、カーソルキー114が押下されたか否かが判定される。カーソルキー114が押下されたと判定された場合(S44:YES)には、続いて1のアイテムフラグのみセットされているか否かが判定される(S45)。即ち、1のアイテムフラグのみがセットされていると判定された場合(S45:YES)には、アイテム表示部29に表示されるアイテムの画像29Aも1つのみであり、アイテムの選択をする必然性がなくアイテム選択カーソル40はそのアイテム画像29A上で位置が固定される。従って、カーソルキー114を押下してもアイテム選択カーソル40を移動させることなくS44の判定処理へと戻る。
【0124】
一方、2以上のアイテムフラグがセットされていると判定された場合(S45:NO)には、カーソルキー114の操作(左右のいずれのキーが押下されたか)に基づいて第1液晶ディスプレイ3に表示されたアイテム選択カーソル40をその押下された方向へ移動させる(S46)。その後、S44の判定処理へと戻る。
【0125】
また、カーソルキー114が押下されていないと判定した場合(S44:NO)には、更にエンターキー112が押下されたか否かが判定される(S47)。そして、エンターキー112が押下されたと判定した場合(S47:YES)には、続いてS48で現在アイテム選択カーソル40によって選択するアイテム画像29Aに対応するアイテムの使用条件を充足しているか否かが判定される。
【0126】
ここで、前記S44及びS47の操作でアイテム「クリーナー」が選択されていた場合には、図8(A)に示すようにメインゲーム画面21の歌詞表示部22及びローマ字表示部23に1フレーズの歌詞に対応する文字列が表示された後であって、且つ文字列に対応するタイプを少なくとも1字以上行った状態であることが使用条件となる。
また、前記S44及びS47の操作でアイテム「ハンド」が選択されていた場合には、図9(A)に示すようにメインゲーム画面21の歌詞表示部22及びローマ字表示部23に1フレーズの歌詞に対応する文字列が表示された後であって、且つ文字列に対応するタイプを全く行っていない状態であることが使用条件となる。
【0127】
そして、アイテムの使用条件を充足していると判定された場合(S48:YES)には、S49で歌詞表示部22及びローマ字表示部23に表示された文字列が消去される。具体的に前記S44及びS47の操作でアイテム「クリーナー」が選択されていた場合には、前記したようにアイテム表示部29から選択したアイテム「クリーナー」を示すアイテムの画像29Aが消去され、更に歌詞表示部22及びローマ字表示部23上に新たに消しゴムを模したアイテム画像41を表示させる(図8(B)参照)。そして、新たに表示されたアイテム画像41を、歌詞表示部22及びローマ字表示部23上を上下左右に移動させ、それに伴って歌詞表示部22及びローマ字表示部23に現在表示されている全文字列をメインゲーム画面21上から非表示状態とする。
一方、前記S44及びS47の操作でアイテム「ハンド」が選択されていた場合には、前記したようにアイテム表示部29から選択したアイテム「ハンド」を示すアイテムの画像29Aが消去され、更に歌詞表示部22及びローマ字表示部23上に新たに人間の手を模したアイテム画像42を表示させる(図9(B)参照)。そして、新たに表示されたアイテム画像42から歌詞表示部22及びローマ字表示部23上に現在表示されている全文字列に対して光を照射する演出を行い、光が照射された文字列を徐々に小さく表示して最終的にメインゲーム画面21上から非表示状態とする。尚、エンターキー112が押下されていないと判定した場合(S47:NO)及びアイテムの使用条件を充足していないと判定した場合(S48:NO)には、S44の判定処理へと戻る。
【0128】
また、S50ではアイテム「クリーナー」が使用されたか否かを判定し、「クリーナー」が使用されたと判定された場合には、今回のフレーズに関する文字の入力判定結果、即ちアイテムを使用した時点で表示されていたフレーズにおいて、前記S29、S31及びS33でカウントされたタイプのミス回数、獲得した得点及びポイント分がクリア(初期化)される(S51)。
【0129】
続いて、S52においてRAM54に格納された使用したアイテムに対応するアイテムフラグをリセットする。その後、RAM54に格納した歌詞データの次の1フレーズ分の歌詞を取得し、対応する文字列を楽曲の演奏するテンポに合わせてメインゲーム画面21の歌詞表示部22及びローマ字表示部23にそれぞれ表示する(S53)。
【0130】
更に、S53で取得した1フレーズの歌詞データに基づいて1フレーズの文字数nを算出し(S54)、RAM54に格納された任意の変数mに0を代入する(S55)。その後、当該アイテム使用処理を終了し、前記S28の判定処理へと移行する。
【0131】
従って、遊技者はアイテム「クリーナー」を使用することによって、発生したミス回数を減少させることが可能であり、前記S39の判定処理で次のステージ(曲番)へと進むことができる可能性が高くなる。
また、遊技者はアイテム「ハンド」を使用することによって、ミスをすることが予想される苦手なフレーズをスキップしてタイプのミス回数の増加を防止することが可能であり、前記S39の判定処理で次のステージ(曲番)へと進むことができる可能性が高くなる。
【0132】
続いて、タイピングゲーム機1で行われる前記S36のポイント加算処理プログラムについて図19に基づいて説明する。図19は本実施形態に係るポイント加算処理プログラムのフローチャートである。
【0133】
ポイント加算処理では、先ずCPU51によって今回表示された1フレーズを構成するn個の文字を一度もタイプミス(所定時間経過によるタイプミスの判定(S30、S31)を含む)することなく入力が完了したか否かが判定される(S61)。そして、タイプのミス回数が1回でもあったと判定された場合(S61:NO)には、当該ポイント加算処理は終了する。
【0134】
一方、タイプのミス回数が1回も無かったと判定された場合(S61:YES)には、RAM54に格納された遊技者の所有ポイントを1加算し、それに伴って得点表示部27に表示されたポイントの数値も更新される(図3(B)及び図4(B)参照)。
【0135】
そして、S64では前記S62のポイントの加算に基づいて、今回のポイント加算によって遊技者が獲得したポイントが所定ポイント数に達したか否かが判定される。具体的には図7に示すポイントとなったか否かが判定され、各ポイント値に到達したと判定された場合(S64:YES)にはS65へと移行する。一方、各ポイント値に到達していないと判定された場合(S64:NO)には当該ポイント加算処理を終了する。
ここで、図7に示すように獲得したポイントが「10ポイント」に到達した際にはアイテム「クリーナー」に対応するアイテムフラグがセットされる(S66)。また、獲得したポイントが「20ポイント」に到達した際にアイテム「ハンド」に対応するアイテムフラグがセットされる(S66)。以下同様に、10ポイントごとに「クリーナー」と「ハンド」のアイテムに対応するアイテムフラグがセットされる(S66)。アイテムフラグがセットされていることはアイテムの使用条件の一つであり(図18のS42)、アイテムを使用した場合においてアイテムフラグはリセットされる(図18のS52)。
【0136】
また、S65ではアイテムフラグが3つセットされた状態であるか否かが判定される。ここで、本実施形態に係るタイピングゲーム機1では、同時にセットされるアイテムフラグの数(遊技者が所有可能な最大のアイテム数)は3までであり、アイテムフラグが3つセットされた状態(S65:YES)では、前記S64で所定ポイントに到達したと判定された場合であっても、アイテムフラグが更にセットされることはない。一方、アイテムフラグが3つセットされた状態でない場合(S65:NO)には、S66で対応するアイテムフラグがセットされる。更に、S67ではアイテム「クリーナー」に対応するフラグがセットされた場合には、アイテム表示部29に新たに消しゴムを模したアイテムの画像29Aを表示する。同様にアイテム「ハンド」に対応するフラグがセットされた場合には、アイテム表示部29に新たに人間の手を模したアイテムの画像29Aを表示する(図4(B)参照)。その後当該ポイント加算処理を終了し、S37の判定処理へと移行する。
【0137】
以上説明した通り、本実施形態に係るタイピングゲーム機1は、コイン投入口9に硬貨等のコインが投入されタイピングゲーム実行処理(S6)が行われる際において、第1液晶ディスプレイ3に楽曲の歌詞に該当する文字列が表示されたメインゲーム画面21を表示させ(S22、S24)、遊技者がタイピングした文字の正誤判定(S29、S31)の結果に基づいて遊技者のポイントを加算する(S62)。その結果、遊技者の獲得したポイントが所定のポイントに到達するとアイテム(「クリーナー」又は「ハンド」)を使用可能とし(S66)、特に遊技者がアイテム「クリーナー」を使用した場合には、表示されていたフレーズのタイピングで発生した分のミス回数を減少させる(S51)ので、文字数が多い困難な文章が出題された状況下において、時間内に入力することができなかったり、タイプミスが多くなってしまった場合でも、それによって一旦生じた遊技者に不利な判定評価を取り消すことが可能となる。従って、初心者やタイピングの苦手な遊技者であっても、今回のステージが終了した後に次のステージ(曲番)へと進むことができる可能性を上昇させることができるので、遊技を十分に楽しむことが可能となる。
一方、遊技者がアイテム「ハンド」を使用した場合には、ミスをすることが予想される苦手なフレーズが出題された際に、そのフレーズの入力判定を行うことなく、次のフレーズに進むことができるので、タイプのミス回数の増加を防止することが可能である。従って、同様に初心者やタイピングの苦手な遊技者であっても、今回のステージが終了した後に次のステージ(曲番)へと進むことができる可能性を上昇させることができるので、遊技を十分に楽しむことが可能となる。
また、これらのアイテムを使用させることによって、遊技者に対してタイピングゲーム中にタイピングを行う以外の遊技介入手段を生じさせることができるので、遊技が単調化することなく遊技性がより向上する。
また、アイテムを使用した際に歌詞表示部22及びローマ字表示部23に表示された1フレーズ分の文字列が消去(非表示)される(S49)ので、不利な判定評価が取り消された文字列又はタイプが免除された文字列の部分が遊技者によって明らかに判別可能となり、遊技者の利便性が向上する。また、文字列が非表示となる新たな演出効果を発揮し、遊技者を飽きさせることがない。
更に、正誤判定処理(S29)による判定結果が一定評価以上(所定のポイントを獲得)の状態で、且つ遊技者がキーボード6により所定の操作を行った際にアイテムの使用が可能となるので、遊技者の意思によって任意のタイミングで、生じた不利な判定評価を取り消すことや文字入力の免除をすることが可能となる。そして、高い評価を得ることによりこれらのアイテムが使用可能となり遊技者は遊技を有利に進められるので、遊技者の遊技意欲を向上させる。また、判定結果が一定評価以上(所定のポイントを獲得)となったときにアイテム表示部29にアイテムの画像29Aを表示させて、その使用が可能となったことを遊技者に対して報知するので、遊技者の利便性が向上する。
【0138】
また、本実施形態に係るタイピングゲーム機1は、第1液晶ディスプレイ3と第2液晶ディスプレイ4との2つの液晶ディスプレイを備え、筐体2の上方に配置された第2液晶ディスプレイ4に演奏される楽曲に係るプロモーションビデオの映像20を表示させる(S23)とともに、それに並行して筐体2の下方に配置された第1液晶ディスプレイ3に楽曲の歌詞に該当する文字列が表示されたメインゲーム画面21を表示させる(S22、S24)ので、一のディスプレイのみを使用する場合と比較して、2つの画面でそれぞれ表示した表示内容を用いた多彩なタイピングゲームを提供することが可能となる。従って、タイピングゲームを行う遊技者を飽きさせることがなく、その遊技意欲を増加させることができる。
また、タイピングゲームの進行に関して直接必要とされないプロモーションビデオの映像20の表示を、メインゲーム画面21において行わないので、遊技者にとって必要な情報を認識しやすくなり、遊技を集中して行うことを可能となる。
更に、プロモーションビデオの映像20の表示を、独立した液晶ディスプレイを用いて行うことにより、楽曲の演奏とともにアーティストの歌唱する姿が表示された従来にない臨場感のある状況下においてのタイピングゲームが可能となり、遊技者を飽きさせることがない。
【0139】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施形態に係るタイピングゲーム機1では、遊技者が獲得したポイントが所定のポイント数に到達した際にアイテムを獲得し、その後のゲーム中に獲得したアイテムの使用が可能となるように構成されているが、タイピングゲーム開始時において既にアイテムを所定回数分使用可能な状態で開始することとしても良い。
【0140】
また、本実施形態では遊技者のキーボード6の操作に基づいて所有するアイテムの使用をすることが可能となっているが(S41〜S47)、第1液晶ディスプレイ3にタッチパネルを装着し、タッチパネルの操作に基づいてアイテムを使用するように制御しても良い。
【0141】
また、「クリーナー」や「ハンド」を使用した際に消去されるとともにタイプのミス回数等が初期化される文章は、本実施形態ではアイテムを使用した時点で表示されている1フレーズ分の全文章となっているが、文章の一小節や単語のみを消去するように構成しても良い。
【0142】
また、本実施形態に係るタイピングゲーム機1は、サーバ80に対してインターネット等の双方向通信可能なネットワーク網Nを介して接続され、サーバ80から送信されたデータに基づいて、タイピングゲーム機1のHDD55(図13参照)に記憶された楽曲データを更新することを可能としているが、サーバ80とは独立して楽曲データを更新可能に構成しても良い。
【0143】
また、本発明に係るタイピングゲーム装置として、前記したようにゲームセンター等に設置される筐体タイプのタイピングゲーム機1を例に挙げて説明したが、PCにソフトウェアをインストールするタイピングゲーム装置についてもその適用が可能である。また、カードリッジやCD−ROM等の媒体として供給される家庭用ゲーム装置のタイピングゲームについてもその適用が可能である。尚、タイピングゲームは家庭用ゲーム装置に内蔵されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】本実施形態に係るタイピングゲーム機の斜視図である。
【図2】タイピングゲーム開始前において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。
【図3】(A)はタイピングゲーム進行中において第2液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図、(B)はタイピングゲーム進行中において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。
【図4】(A)はタイピングゲーム進行中において第2液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図、(B)はタイピングゲーム進行中において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。
【図5】タイピングゲーム終了後において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。
【図6】本実施形態に係るタイピングゲーム機において使用されるアイテムの一覧を示した説明図である。
【図7】本実施形態に係るタイピングゲーム機において使用されるアイテムの獲得条件を示した説明図である。
【図8】(A)及び(B)は本実施形態に係るタイピングゲーム機においてアイテム「クリーナー」を使用した際における第1液晶ディスプレイの表示内容を示した説明図である。
【図9】(A)及び(B)は本実施形態に係るタイピングゲーム機においてアイテム「ハンド」を使用した際における第1液晶ディスプレイの表示内容を示した説明図である。
【図10】本実施形態に係るタイピングゲーム機に備えられたキーボードを示した平面図である。
【図11】キーボードに設けられた複数のキーのいずれか一つを切断した概略断面図である。
【図12】本実施形態に係るタイピングゲーム機とサーバとからなるシステムを示したシステムブロック図である。
【図13】本実施形態に係るタイピングゲーム機の制御系を模式的に示すブロック図である。
【図14】本実施形態に係るタイピングゲーム機のHDDの楽曲データ記憶領域を示す模式図である。
【図15】本実施形態に係るタイピングゲーム機のメイン処理プログラムのフローチャートである。
【図16】本実施形態に係るタイピングゲーム機の楽曲選択処理プログラムのフローチャートである。
【図17】本実施形態に係るタイピングゲーム機のタイピングゲーム実行処理プログラムのフローチャートである。
【図18】本実施形態に係るタイピングゲーム機のアイテム使用処理プログラムのフローチャートである。
【図19】本実施形態に係るタイピングゲーム機のポイント加算処理プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
【0145】
1 タイピングゲーム機
2 筐体
3 第1液晶ディスプレイ
4 第2液晶ディスプレイ
6 キーボード
8 スピーカ
20 プロモーションビデオ映像
21 メインゲーム画面
22 歌詞表示部
23 ローマ字表示部
29A アイテム画像
51 CPU
53 ROM
54 RAM
55 HDD
56 楽曲データ記憶領域
60 表示制御回路
61 音制御回路
111 文字入力キー
112 エンターキー
113 シフトキー
114 カーソルキー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に係る所定の画像を表示する画像表示手段と、
複数の文字に対応する複数のキーが配置された入力手段と、
前記画像表示手段を制御する表示制御手段と、
前記入力手段により入力された文字列が所定の文字列と一致するか否かを判定する正誤判定手段と、
前記正誤判定手段の判定結果を記憶する判定結果記憶手段と、
前記判定結果記憶手段に記憶された判定結果に基づいて遊技を制御する遊技制御手段と、を有するタイピングゲーム装置において、
前記入力手段によって入力された文字列の一部又は全部に係る前記正誤判定手段の判定結果を前記判定結果記憶手段から初期化する初期化手段を備えることを特徴とするタイピングゲーム装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、
前記所定の文字列を表示させるとともに、表示された所定の文字列の内、前記初期化手段によって初期化された判定結果に係る文字列を非表示とするように前記画像表示手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のタイピングゲーム装置。
【請求項3】
楽曲データを記憶する曲データ記憶手段と、
前記曲データ記憶手段に記憶された楽曲データに基づいて、指定されたテンポで音楽を演奏するとともに音声を出力する楽曲演奏処理手段と、を有し、
前記所定の文字列は前記楽曲演奏処理手段によって出力される音声に係る文字列であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタイピングゲーム装置。
【請求項4】
前記初期化手段は遊技者が前記入力手段により所定の操作を行った際に前記初期化を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のタイピングゲーム装置。
【請求項5】
前記初期化手段は、前記判定結果記憶手段に記憶された判定結果が一定評価以上の状態で、且つ遊技者が前記入力手段により所定の操作を行った際に前記初期化を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のタイピングゲーム装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、
前記判定結果記憶手段に記憶された判定結果が前記一定評価以上の状態となった際に、その旨を報知する報知画像を表示するように前記画像表示手段を制御することを特徴とする請求項5に記載のタイピングゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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