タイヤコードを製造するための改良された方法及び系
ゴム製品、特にタイヤ用の補強材を製造するための方法及び系。本方法は、二又はそれより多い糸を撚り合わせてケーブルを形成する工程、及び、撚り合わせたあと直接、そのケーブルに接着剤を施用し硬化させて処理コードを形成する工程を含んでなる。糸を撚る工程及び接着剤を施用し硬化させる工程は、中間巻き取り装置無しで一つの機械で行う。また、本発明は、処理コードを製造するための系であって一機方式の撚り及び処理ユニットを含んでなる系にも向けられる。
【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
関連出願の交互参照
本出願は、参照によりその全体の内容が援用される、2001年5月21に出願された係属する米国仮出願番号60/292,647に基づく優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、一般的には、ゴム製品用の補強材を製造する方法に関し、より具体的には、処理タイヤコードを製造するための方法及び系に関する。本発明は、更にそのような方法により製造された製品に関する。
【0003】
発明の背景
ゴム製品用、特にタイヤコード用の補強材の製造は、大いなる研究及び革新の対象となってきた。このような努力は数多くの側面に焦点が合わせられてきたが、その中には、世界的産業の経済コスト目標を絶えず満たすと同時によく機能する製品を製造することに関するものがある。
【0004】
代替の構造が提案されており、断面改質モノフィラメント(DuPont Hyten(登録商標))又は無撚マルチフィラメントリボン(Yokohama)など、ゴム製品、とりわけゴムタイヤの補強材として特許が与えられている。しかし、中撚構造のレーヨン、ナイロン、アラミド、及びポリエステルなどの高テナシティ有機繊維から作られたタイヤコードを使用することは、相変わらず主要な補強法である。高テナシティ有機繊維により、改良された疲労特性が付与され、接着促進剤で被覆した場合は製品の硬化過程において周囲のゴムに対するすぐれた結合がもたらされる。
【0005】
ポリエステル又はナイロンをベースとするタイヤコードの製造のための従来の個々の方法工程には、一つの設備の中で加工機から加工機へと材料を典型的に取り扱い、繊維製造業者、織物加工業者、処理ユニット、及びタイヤ製造業者間で設備から設備へと典型的に出荷することが含まれる。これらの慣用的な方法は数多くの個々の工程と、多数の製品の移動を包含しており、労働集約的かつ費用集約的であることは明らかである。従来の製造法に関係する多くの例では、処理コードは、高テナシティ繊維自体を製造する基本費用の2倍より多くの費用がかかる。さらには、このような慣用的な方法は、一時期においては標準機として一般に使用されていたプライ機及びケーブル撚機を使用する。
【0006】
最近の産業の発達により、このような従来の処理タイヤコード製造法に対して変化がもたらされている。例えば、加工産業は、多くの場合、古いプライ及び撚設備をダイレクトケーブル機に取り替えている。これらの機械は、プライ及び撚り工程を一つの操作へと組み合わせることにより、タイヤコード製造法をより効率的にし費用効果を高くするものである。さらに、これらの機械によれば、より大きなパッケージ寸法がもたらされ、仕上がりコード製品において結び目又は継ぎ目が少なくてすむことから品質が改良される。
【0007】
また、タイヤを製造するために使用される方法も有意に発展している。多くの場合、現行の方法は、タイヤ製造機械へのタイヤカーカス補強原材料として、単一端処理コードを使用し、織って被覆した織物のカットパイルを使用していない。後者を使用すれば、必要とされる空間やタイヤを製造するのにかかる費用は有意に少なくなるが、従来の単一端処理方法の経済性は不経済である。
【0008】
本発明は、これらの製造法における更なる重要な進歩を取り扱う。繊維製造技術と接着化学における最近の発達を利用して、高テナシティ繊維を、ケーブル化した処理コードであって、ゴム製品を補強するのに必要な物理的及び化学的特性を有するコードに加工する鍵となる工程を、一機方式の方法で行うことができる。こうすることにより、コード処理ユニット及び織物処理ユニット別々について多数のパッケージ取扱い要求と億万ドルの資本要求とが排除される。個々の最良の技術を使用し、個々の要素をそれぞれ正しく選択することにより、申し分のないケーブル化した処理コードを、一機方式ケーブル・処理コードユニット(OCT)と名づけられた単一の機械で非常に経済的に製造することができる。
【0009】
OCTユニットにおいて使用される高テナシティ有機繊維は、これをケーブル化し短時間熱硬化を付与したときに、対象とする最終用途について申し分のないコード特性となる物理的特性をもつように選択され、製造される。個々の原料糸はそれぞれの製造過程において接着促進剤で前処理してもよく、又はOCTユニットにて接着促進剤で被覆してもよい。個々の原料糸は、ダイレクトケーブルサブユニットにおいてケーブルにするが、そのように製造された未加工のケーブルコードは、事前にパッケージ巻き上げ装置をおかずに処理用サブユニットへと直接供給する。未加工ケーブルコードは接着促進用浸液で被覆する。被覆した未加工コードは、加熱ユニットを通して張力を制御して引っ張り、特定の滞留時間の間所望の温度に到達するように加熱ユニットを運転して、処理コードをパッケージに巻き取る前に接着浸液を硬化させる。一旦パッケージに巻き取ったら、処理ケーブルコードは、優先的には、自動化コンベヤ充填ユニットにより、顧客へ輸送するか又は更なる処理もしくは製造のために輸送する前に製品貯蔵所へと送る。
【0010】
発明の要旨
本発明は、処理コードを製造するための方法であって、二又はそれより多い糸を撚り合わせてケーブルコードを形成し、それら糸を撚り合わせた後直接、そのケーブルコードに接着剤を施用し硬化させて、処理コードを形成する工程を含んでなる方法に向けられる。それらの工程は、中間の巻き取り装置無しで一つの機械で行われる。
【0011】
本発明は、さらに、処理コードを製造するための系であって、一機方式の撚り及び処理ユニットを含んでなる系に向けられる。
さらに、本発明は、処理コードを製造するための系に向けられる。かかる系は、原料糸をコードへと撚るように適合されたケーブルユニット、そのコードに接着剤を施用し硬化させて処理コードを形成するように適合された処理ユニット、及びその処理コードをダイレクトケーブルユニットから処理ユニットへと中間巻き取り装置無しで送るように適合された供給ユニットを含んでなる。
【0012】
発明の具体的な説明
繊維製造技術と接着化学における最近の発達を利用して、高テナシティ繊維を、ケーブル化した処理コードであって、ゴム製品を補強するのに必要な物理的及び化学的特性を有するコードに加工する鍵となる工程を、一機方式の方法で行うことができる。こうすることにより、分離したコード処理ユニット及び織物処理ユニットについて、多数のパッケージ取扱いの要求と億万ドルの資本要求とが排除される。
【0013】
本発明をより充分に理解するためには、幾つかの慣用的なコード製造法及び処理法を再検討し説明することが有用であろう。ここで一般に図面、特に図1を見ると、処理タイヤコードを製造するための慣用的な方法10が概略的に示されている。処理タイヤコードを製造するための方法は、単一の工場又は設備の範囲内で、複数の操作及び/又は製造点の間にかなりの取扱いを必要とすることが認識されるであろう。更に、製造方法のうち種々の区分の間では、そのように製造された糸又はコードの輸送及び出荷が必要となることが認識されるであろう。例えば、糸の製造業者及び糸からケーブルへの加工業者は異なる存在であり、それらの存在の間で輸送操作が必要である。そのうえ、製造業者と加工業者が同じ存在である場合であっても、製造設備の間では輸送が必要である。このことの理解を容易にするため、図1、2及び3は凡例を含んでおり、円は、単一の製造段階の内部での繊維、糸、ケーブル、コード、織物又は生地を取り扱うための取扱い点を示し、四角は、繊維、糸、ケーブル、コード、織物又は生地についての一の製造段階から別の段階への輸送又は出荷点を示している。
【0014】
図1の方法10は、製造設備12での繊維製造者による糸の製造からはじまる。本明細書中で使用する「糸」は、撚ったり、編んだり、織ったり、又はさもなければ編み合わせたりしてコード若しくはケーブル又は生地織物にするのに適する形態の、生地繊維、単繊維又は材料の連続的なストランドに関する一般的な語である。そのように製造された糸は、顧客への輸送のために、典型的には縦巻き機又は縦糸巻き機により、取扱い操作14にて巻くか又はパッケージとし、次いで、繊維製造者12から加工設備18へと輸送点16にて移動するか又は出荷する。
【0015】
加工業者18は、輸送操作16から、取扱い点20にてパッケージになった糸を受け取る。タイヤコードを製造する幾つかの慣用的な方法では、加工業者18はリング撚糸機を使用して、二工程でケーブルを製造する。これは「リング撚糸法(ring twist process)」として広く知られている。糸は点22にてプライへと撚る。本明細書中で使用する「プライ」とは、撚った単一の糸を意味する。本明細書中で使用する「撚り」とは、糸又は他の生地ストランドの単位長さ当たりのその軸周りの回転数を意味する。その後、プライを加工設備18内部で取扱い点18にて移動して、撚糸装置28で二又はそれより多いパイルからなるケーブルへと撚る。
【0016】
したがって、幾つかの慣用的な方法では、糸のケーブルへの加工は、分離していて独立して操作される機械からなる二工程の方法であり、それらの機械はそれぞれ、糸を点22でプライへと撚り、プライを取扱い点24にて撚糸装置へと移動させるものと、次いでプライを点28にて異なる機械でケーブルへと撚るためのものである。本明細書中で使用する「ケーブル」又は「コード」とは、二又はそれより多いパイル糸を撚り合わせることにより形成される生成物を意味する。この二工程リング撚糸法は面倒で費用がかかるということは十分に認識されるであろう。
【0017】
重要なことは、この時点でのケーブルは処理されていないことに注意することである。結果として、このケーブルは未加工の状態のままであり、生繊維コード又はケーブルと広く呼ばれている。
【0018】
続けて図1を見ると、リング撚糸操作18を終えたら、次いで、生繊維ケーブルを織り操作30にて織物へと織ることができる。この操作は、取扱い点32に示すように、装置の間での追加の移動を必要とする。タイヤコードを織物へと織る方法は当業者に既知である。
【0019】
織った生繊維織物は未処理であり、いずれかの特定の最終用途向けに調製されていないので、未処理織物を織り装置30から処理装置44へと移動するためには、追加の取扱い操作36、40及び輸送操作38が必要である。処理工程44の間に、生繊維織物を特定の最終用途向けに調製する。
【0020】
従来の標準的なポリエステルタイヤ糸の浸漬法は、典型的には、二重浸漬法又は二帯域処理法と呼ばれる。考慮している所望の最終用途に関して選択した、第一の処理剤の浸漬施用46を生繊維織物に施用する。本明細書中で使用する「浸漬」又は「浸漬する」とは、繊維、糸、コード、ケーブル、織物又は生地を処理液に漬けることを意味する。「処理剤」という語は、繊維、糸、コード、ケーブル、織物又は生地が結合剤を受け入れやすくする物質を意味する。やり方は説明しないが、このような化学浸漬46により、織物を形成している繊維の表面が第二の化学物質の被覆を受けるように調製する。そうすることにより織物をゴムに結合することができる。典型的な処理剤には、ブロックトジイソシアニドの溶液が含まれる。処理織物は、図1の参照番号48に示すように加熱装置により乾燥させる。この目的に適している加熱装置は当技術分野において一般的に知られており、例えば、Litzler Corporation及びZell Corporationにより製造されている。
【0021】
処理剤中での第一の浸漬46及び乾燥段階48に続いて、織物を第二の浸漬操作50にかける。ここで、第二の浸漬操作50において結合剤を受けるための準備として、第一浸漬46からの処理剤を織物に塗り、第二の浸漬操作において、安定化させたレゾルシノール−ホルムアルデヒド−ラテックス(RFL)のような結合剤を施用して織物がゴムに接着しやすくすることは認識されるであろう。未処理コードは典型的にはゴムによく接着せず、この目的を達するためには結合剤が望ましいことから、これは本質的な工程である。本明細書中で使用する「結合剤」という語は、繊維、糸、コード、ケーブル又は織物を互いに又は他の物質と接着したりくっつけたりする物質を意味する。第二の浸漬操作50に続いて、浸液を硬化させ、織物を形成するケーブルに撚りを与えるため、図1の参照番号52及び54に示すように、処理した織物を延伸し熱で緩和する。こうすることで、処理織物を安定させておき、その後の製造過程の間に高温に曝されたとき収縮を阻止したり低減したりすることができる。この時点での織物は処理された織物であり、すぐにゴム製品の製造に使用することができる。
【0022】
続けて図1を見ると、処理織物は、いつでもタイヤ製造業者60のような製造業者へ輸送することができる。処理織物は、参照番号62、64及び66で示された取扱い操作及び処理操作を受ける。タイヤ製造業者60は、織物の両側にゴムストックを張り合わせてプライを形成することにより、処理織物をカレンダー操作70にてカレンダーにかける。カレンダーにかけてプライを形成するための手順は当技術分野において知られている。プライをカレンダー装置70から取扱い操作73により移動させて、点74に示すように特定の使用又は設計のために切断する。次いで、カットプライをタイヤの製造及び組み立てのため点76で取り扱う。
【0023】
ここで図2を見ると、タイヤコードを製造するための、代替的なより最近の慣用的な方法110が示されている。図2では、処理コードの製造が改良されている。また、図2は凡例を含んでおり、円は、単一の製造段階の内部での糸、ケーブル又はコードを取り扱うための取扱い点を示し、四角は、糸、ケーブル又はコードについての一の製造段階から別の段階への輸送又は出荷点を示している。
【0024】
図2の方法110は、繊維製造者112による糸の製造からはじまる。この例では、製造者112は、製造過程の間に前処理した繊維を製造して、高テナシティ接着活性化有機繊維を得る。このような繊維は、ケーブルへと撚り、短時間浸漬させ、そして選択した温度及び時間で熱硬化させた場合に、繊維の物理的特性と最終的にはコード又は織られた織物の物理的特性とが目標とする最終用途向けに申し分のないものとなるような物理的特性をもつよう、繊維を選択し、製造することができる。
【0025】
繊維製造設備112から、繊維を、取扱い操作114、120及び輸送操作116を介して加工設備118へと移動させ、そこで繊維をケーブルへと撚る。多くの例では、現在、加工産業はリング撚糸操作を、両方の工程を単一の機械へと組み合わせた、広くダイレクトケーブルユニット(DCU)126と呼ばれる装置に置き換えている。この組み合わせにより、加工操作において必要とされる費用と空間とが有意に低減される。そのような機械の構造と操作を本明細書中に説明する。
【0026】
未処理コードをDCU126から織り装置130へと取扱い操作132を介して移してもよいことは認識されるであろう。また、図1に示す方法10のように、生繊維織物は未処理であるので、織り装置から取扱い操作136、140及び輸送操作138を介して処理装置144へと移動させなければならない。ここで、予め処理した糸を使用することにより、結合剤での第一浸漬処理の必要性が排除されることが認識されるであろう。それどころか、織物は繊維製造者112により予め処理された糸からなるものであるから、処理操作144は第二浸漬操作150、熱処理操作152、緩和操作154のみからなり、そこでゴムへの接着を促進するために結合剤を織物に施用し硬化させる。浸漬させた織物を延伸してから、参照番号152及び154に示すように熱で緩和する。ここで、取扱い操作162、166及び輸送操作164を介して織物をタイヤ製造設備160に輸送する準備ができる。処理織物をそれぞれ操作170及び172にてカレンダーにかけ、プライ切断する。次いで、パイルを取扱い操作174及び176を介してタイヤ製造業者180へと移動する。
【0027】
続けて図2を見ると、別法として、DCU126からのコードを織物へと織るのではなく直接コードとして処理してもよいことが示されている。この目的のためには、コードを取扱い操作172及び任意の輸送操作173にてDCU126から単一端処理装置170へと輸送してもよい。コードを、図1からの操作50に説明するものと同様な方法で、熱処理、延伸、及び緩和操作178を施用する前に、点176にて適する結合剤で処理する。次いで、処理コードを個々のパッケージに巻きつけて取扱い操作180、184及び輸送操作182を介してタイヤ及び他の補強ゴム製品の組立てのためにタイヤ製造業者190へと輸送する。多くのコードを同時に取り扱う単一端コード処理用ユニットは当技術分野において知られているが、処理ポンド当たりの費用は高価である。
【0028】
このように幾つかの慣用的なコード製造方法を理解したうえで、本発明の系及び方法210を説明する図3に注意を向ける。本発明は、一機方式の撚り・処理過程210を含んでなり、それにより、慣用的な製造法10及び110において必要とされる労働集約的で費用のかかる取扱い操作及び輸送操作を排除することができる。個々の最良の技術を使用し、個々の要素をそれぞれ正しく選択することにより、申し分のないケーブル化した処理コードを、単一の機械で非常に経済的に製造することができる
方法210は、繊維製造業者212による糸の製造から始まる。繊維製造業者212は、糸を製造し、これを製造過程の間に処理して高テナシティ有機繊維を得てもよい。高テナシティ有機繊維は、ナイロン、ポリエステル、アラミド、及びPBOなどの他の高性能ポリマーを含む多種多様の入手可能な合成材料から選択することができる。加えて、レーヨンなどの天然材料を使用して、処理繊維を製造してもよい。この目的に適する一つのそのような前処理糸は、寸法的に安定なポリエステルをベースとする糸である。この糸は1X53として知られており、Honeywell InternationalによりDSP(登録商標)糸として売られている。本明細書中で使用する「寸法安定性」とは、織物材料が、加熱の間に収縮しないように抵抗したり、力をかけた状態での伸びを低減したりする能力を意味する。このタイプのポリエステル糸は、広く、高モジュラス低収縮(HMLS)糸と呼ばれている。また、非常に申し分のない結果を得るために、特にバイコンポネント繊維又はシース/コア繊維のようなコポリマー材料を使用してもよい。
【0029】
個々の原料糸は、それぞれの製造過程の間に接着促進剤又は結合剤で前処理してもよい。一つの好ましい方法においては、この糸をケーブル化し、およそ200℃で30秒又はそれより少ない時間にて短時間熱硬化させた場合に、繊維の物理的特性と最終的には織られたコードの物理的特性とが、目標とする最終用途向けに申し分のないものとなるような物理的特性をもつよう、糸を選択し、製造することができる。高テナシティ繊維は、ナイロン、ポリエステル、アラミド、及びPBOなどの他の高性能ポリマーを含む多種多様の入手可能な合成材料から選択することができる。加えて、レーヨンなどの天然材料を使用して、処理繊維を製造してもよい。また、非常に申し分のない結果を得るために、特にバイコンポネント繊維又はシース/コア繊維のようなコポリマー材料を使用してもよい。予め処理した高テナシティ有機繊維を製造するための方法及び生成物は、その全体の内容が参照により援用される、米国特許第5,067,538号及び米国特許第4,652,488号に示されている。また、繊維製造者112は未処理糸を製造してもよく、本発明の方法は未処理糸を用いたコードの製造においても有用であることは認識されるであろう。
【0030】
個々の原料糸は、やり方は説明しないが、それぞれの製造過程(例えば、PET)において接着促進剤で前処理してもよく、又は、接着促進剤を用いて説明するやり方でケーブル機で被覆してもよい。幾つかの適する接着促進剤はエポキシシランのような種々のエポキシ化合物をベースとする。それらは、その全体の内容が参照により援用される、米国特許第5,693,275号及び米国特許第6,046,262号に説明されている。続けて図3を見ると、繊維を、繊維製造業者212から取扱い操作214及び任意の輸送操作216を介して、一機方式のケーブル・処理コードユニット(OCT)310を含んでなる加工操作218へと移動する。OCT310により、やり方は説明しないが、コードを連続的な方法で中間巻き取り装置無しでケーブル化し、処理する。次いで、処理したコードは取扱い操作360、364及び輸送操作362を介してタイヤ製造業者370へと移動させてもよい。
【0031】
ここで図4及び5に注目すると、そこにはOCT310の機能及び操作が説明されている。OCTはダイレクトケーブルサブユニット(DCU)312及び処理サブユニット328を含んでなる。OCTによれば、やり方は説明しないが、直接DCU312から処理サブユニット328へと引っ張り装置を介してケーブルを供給することにより、ケーブル中間巻き取り装置の必要性が排除される。
【0032】
ケーブルを製造するための糸は、はじめにDCU312を通して処理してもよい。そうする際には、ボビンクリール318又は予備ボビンクリール319に配置された供給パッケージ316から、外糸314を引っ張る。外糸314はブレーキ320のような引っ張り装置により予め緊張させる。伝動ロール対、歪みロール、可調フィンガーユニット又はラダーユニット、コンピューター化張力測定装置のような他の引っ張り装置を、オンライン、マニュアル、コンピューター化、又は別のもののいずれにしても、ブレーキ220と取り替えるか、又は一緒に使用してもよいことは認識されるであろう。数多くの装置を適合させて、糸を撚糸のために予め緊張させてもよいことは認識できるであろう。
【0033】
続けて図4及び5を見ると、内糸322を固定スピンドル容器330内に保持された内側供給パッケージ324から引きほぐす。内糸322の張力を再びブレーキ326のような引っ張り装置により制御する。内糸322の張力は、ブレーキ320及び326により設定した外糸314の張力と相関させてもよい。張力は、当技術分野において知られている張力測定装置により測定して維持し、マニュアル、オンラインか若しくはコンピュータソフトウェアにより、又は他の手段で相関させてもよい。また、伝動ロール対、歪みロール、可調フィンガーユニット又はラダーユニットのような他の引っ張り装置をブレーキ326と取り替えるか、又は一緒に使用してもよいことは認識できるであろう。
【0034】
糸314及び322を、撚糸の前に糸の長さの差をならす働きをする紡糸板336に通過させながら、外糸314及び内糸322を撚ってコード334とする。
続いて図4を見ると、OCT310の処理サブユニット328により、図1の方法10の取扱い操作32、36、40及び輸送操作38と図2に示す方法112の取扱い操作132、136、140、172及び輸送操作138が排除される。個々の原料糸314及び322をDCU312でケーブルとするが、そうして製造した未処理のケーブルコード334は、その前にパッケージ巻き取り装置無しで直接処理サブユニット328へと送られる。これは、処理サブユニットを直接DCU312と接続して、DCUから処理サブユニット328へと進むときにコードの張力を制御することにより、なされる。
【0035】
これまで、コード処理装置は、所望の最終特性及び用途についての目標とする接着レベルと、物理的及び化学的性能についての所望のレベルとを達成するため、個別のものとされてきた。
【0036】
慣用的な方法では、低モジュラス材料での個々のコードについての目標特性である均一性を達成するため、単一端ユニットであっても又は織物をベースとする処理ユニットであっても、コードを延伸してから緩和させることが必要であると考えられていた。延伸・緩和操作は、多くの場合乾燥工程が先になされるが、高温で1分過剰に時間をかけることにより、結合剤を充分に硬化させてテナシティ及び収縮レベルを組合わせて達成する。このような延伸・緩和操作は当業者に知られている。典型的な条件は、その全体の内容が参照により援用される、Litzler Computreaterに対する米国特許第4,491,657号に与えられており、圧力下160℃で乾燥加熱してコードを一定の長さに維持し、次いで、延伸条件において240℃で120秒、緩和条件において240℃で120秒加熱する。別の例は、その全体の内容が参照により援用される、米国特許第5,403,659号にみられる。該特許には、227℃で40〜60秒加熱しながら、2〜8%延伸させ、0〜4%収縮させることが記載されている。
【0037】
特に、平行な1000を超える個々の端を含有するタイヤ織物に関して、これらの温度、時間及び張力を達成するのに要する商業的なユニットは、非常に大きく費用がかかり、幾つかの例では高いオーブンを有している。
【0038】
驚くべきことに、物理的特性である均一性を有する高モジュラス材料に関しては、これらの厳しい条件を使用する必要がなく、比較的短い時間の中温での熱処理で、表面化学により十分な接着を達成することができる。コードを延伸することなく、単にコードの張力を制御してわずかに熱収縮を起こさせることにより、所望な特性を達成することができる。これらの生繊維コードパラメータを使用し、この概念をDCU機械に適用することにより、浸漬及び熱処理をDCUと組合わせるという意外な可能性をもたらし、これらの工程の間の取扱い操作及び輸送操作を排除することができる。
【0039】
商業的なDCU機械は、達成可能なスピンドル速度が限定されている。実際には、最大スピンドル速度は約11000rpmである。例えば、タイヤコードケーブルの典型的な撚りは400TPM(1メートル当たりの巻き)である;したがって、機械を通るメートル毎分のコード速度は、11000rpmを400で割って、すなわち、27.5メートル毎分である。30秒の加熱時間では、必要とされる全体の直線距離は、13.75メートルのみであり、これは短いマルチパス加熱機により達成することができる。
【0040】
ここで、引っ張り装置によりコードの張力を制御し、DCU312から処理サブユニット328への糸の速度を制御することにより、コードを直接DCUから処理装置へと中間巻き取り装置無しで供給することができるので、これらの二つの処理工程の間の取扱い操作及び輸送操作が排除されることは認識できるであろう。
【0041】
処理サブユニット328では、未処理ケーブルコード334を、ナイロン、PET、又はレーヨン用のレゾルシノール−ホルムアルデヒド−ラテックス(RFL)などの接着剤で被覆する。コードのゴムへの接着を高めるため、RFLは触媒作用をもつ添加物を含有してもよい。接着剤は未処理コードのタイプに応じて調整したり取り替えたりしてもよい。被覆した未処理コード334は、引っ張り装置344の系を介して制御した張力で加熱ユニット342の浸漬トレイを通して引っ張る。好ましい態様においては、未処理コード334は、数多くの短いマルチプルパスにおいて加熱ユニット342を通して移動させてもよい。本発明の実施においては、数多くの代替的な設計を使用して、未処理コード334を加熱器342を通して移動できることは認識できるであろう。
【0042】
加熱ユニット342は、電気ユニット、赤外線ユニット、無線周波数ユニット、マイクロ波ユニット、又はプラズマを含んでいてもよく、又は中枢供給源から供給される強制熱空気で過熱してもよい。数多くの装置や代替の加熱器設計を使用して、コード334を加熱してもよいし、それらを加熱ユニット342の代わりに使用してもよいことは認識できるであろう。加熱ユニット342は、浸液の硬化物から副生物を除去したり放出するための排気出口を含んでもよい。当業者であれば、本発明に関連して使用するのに適している加熱ユニットは数多くあり、それらを、未処理ケーブルコード334をDCU312から直接受けるように適合させてもよいことは認識できるであろう。一つの好ましい態様においては、処理装置を操作して、およそ30秒又はそれ未満の滞留時間、およそ200℃の温度にして、パッケージ又はスプール350で処理コード346を巻く前に結合剤を硬化させる。
【0043】
パッケージ巻取りは、好ましくは、自動の玉揚げ巻取機ユニットによる;しかし、ケーブルコードを巻き取るように適合させたいずれかの機械的手段が適している。
処理ケーブルコード製品パッケージ350を、優先的には、自動化コンベヤ梱包ユニットにより、タイヤ製造ユニット(TPユニット)へと移す前に製品貯蔵庫へと送る。OTCユニットは、例えば、
(i)未加工繊維の包装及び出荷を排除するため、繊維製造業者、
(ii)従来の処理コードの加工よりもはるかに床面積が狭く、全資本コストが少なくてすむ、独立した加工業者、又は、
(iii)タイヤ又はゴム製品製造業者、特に、単一コード技術に基づく新しいタイヤ又はゴム製品製造要素が設置されたところ、
に配置してもよい。
【0044】
処理サブユニット328は、図6に示すように、DCU312の一部分として組み立てて、床面積を節約してもよい。二つの面を有するOCT310が、各々のDCU312について割り当てられた1セットの処理サブユニット328とともに示されている。OCT310は、機械の場所を最小限にするために縦に配置される。
【0045】
別法として、処理サブユニット328は、図7に示すように、DCU312と平行なアセンブリで構成してもよい。処理サブユニットは、DCU312に関して、傾斜させるか又は正確に水平のいずれかで配置してもよい。このような構成により、OCT310について必要な垂直の空間を最小限となる。
【0046】
また、図8に示すように、巻取りサブユニット356を低いレベルで、処理コード346をスプール358上に巻くための処理装置328の隣に配置してもよい。
本発明の実施を、以下の実施例を参照することによりさらに説明するが、これらの実施例は代表的なものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。典型的な処理コード特性目標の達成を示す実施例を、ポリエステル及びナイロンについて示す。
【0047】
実施例1
ゴムストック(Adhesion Activated 1X53)によく接着するよう、製造業者(Honeywell)によって前処理された、高テナシティ高モジュラス低収縮(HMLS)の商業的なポリエステルタイヤ糸を1440 dtexパッケージとして得た。二つのパッケージをICBTダイレクトケーブル機の上側のスピンドル位置に配置し、ケーブルにして、メートルあたり410撚りの生繊維コードを二つのプライとして製造した。次いで、生繊維コードをZell単一端実験室用浸漬・処理ユニットにおいて、オーブン中のパスの速度、数、及び長さを調整して処理し、表1に挙げた条件を達成した。
【0048】
【表1】
【0049】
表1のラン1は比較例であり、織物処理ユニットについての典型的な現在の商業的な条件セットを示しており、これによりゴム中への最終用途に望ましい化学的特性及び物理的特性を測定するための典型的なコードが製造される。表1のラン2、3、及び4は、本発明のOCT処理サブユニットをシミュレートした実施例であり、熱処理の継続時間を30秒に短かくし、オーブン中の温度をそれぞれ180℃、200℃、及び220℃とした。4つのランすべてにおいて、各々のコードを、予め濃縮したビニルピリジン、ラテックス、レゾルシノール、水酸化ナトリウム、及び水溶液を含んでなる、全固体含浸率がコードの重量基準で約4.5%の慣用的な非アンモニア処理レゾルシノール−ホルムアルデヒド−ラテックス浸液で処理した。次いで、処理コードを、物理的特性について、Instron Model 4466試験ユニットを用いてASTM D885-84条件下で試験した。熱収縮は、Testrite Model NK5を用いて177℃で2分間行い、予張力は0.5グラム/dtexであった。処理コードの接着は、標準的なゴムストックと、参照により本明細書中に援用される米国特許第3,940,544号に定義されるH-接着試験とを用いて判断した。物理的及び接着の結果を表IIに示す。
【0050】
【表2】
【0051】
実施例2
ICBTダイレクトケーブルユニットで、1400dtexのナイロン6高粘度高テナシティ糸(HoneywellからのIR88)を用いて、撚りレベル380TPMで生繊維コードを製造した。OCTユニットをシミュレートするための処理条件は、30秒間、180℃及び200℃を選択し、続いて、実施例1と同じ浸液タイプ及びレベルを施用した。H-接着は、それぞれ126N及び144Nであった。実施例1及び2についての接着結果を図9に示す。
【0052】
実施例3
実施例1において製造したポリエステル生繊維コードを、シミュレートしたOCTユニットで、表IIIに挙げた条件下で処理して、処理ユニットの張力(延伸又は緩和)が処理コードの鍵となる特性に与える影響を判断した。
【0053】
【表3】
【0054】
処理コード特性についての結果を表IV及び図11に示す。
【0055】
【表4】
【0056】
商業目標の処理コードと比較するため、ゴム中で硬化させたあとコードの予想される部分負荷モジュラスを測定した。この試験は、NelsonらのRubber World, "Dimemsionally Stable PET Fibers for Tire Reinforcement", pp. 30-37 (May 1991)及びNelsonらの3rd International TechTextile Symposium, "Dimensionally Stable PET Fibers" (May 1991)に記載されている通りであり、表IV中の「タイヤ中E45(N)」として示す。
【0057】
図10からは、およそ4ニュートンの処理張力にて、45Nでのタイヤ中コード伸びが、これは望ましくないが、急激に増加しはじめる一方、コード収縮率の値は低いレベル(≦1.5%)であり、破断点での処理コードの伸びは非常に高く(≧14%)、コードのテナシティと組み合わさって、非常に望ましい強度レベルがもたらされる。
【0058】
図11は、シミュレートしたOCT処理サブユニットにおける張力と、200℃の温度、30秒の滞留時間での延伸/緩和とのおおよその関係を示す。4N張力レベルは、およそ1%緩和に相当する。これらの張力及び緩和レベルはどちらも一機方式ユニットのOCT設計に関しては非常に実際的である。
【0059】
本発明を説明する目的のため、一定の代表的な態様と詳細とを示してきたが、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、種々の変更及び修飾をなしうることは当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、ゴムタイヤの補強用処理コードを製造するための慣用的な方法であって、リング撚糸機を使用することを含んでなる方法の工程図である。
【図2】図2は、ゴムタイヤの補強用処理コードを製造するための別の慣用的な方法であって、ダイレクトケーブル機を使用することを含んでなる方法の工程図である。
【図3】図3は、処理コードを製造するための本発明の方法であって、一機方式のケーブル・処理ユニットを使用することを含んでなる方法の概略図である。
【図4】図4は、本発明の一機方式のケーブル・処理ユニットであって、ダイレクトケーブルサブユニット及び処理サブユニットを含んでなるユニットの正面図である。ダイレクトケーブル機を図4の左側に示し、一機方式の撚糸・処理ユニットを右側に示す。
【図5】図5は、一機方式のケーブル処理コードユニットの概略図である。
【図6】図6は、図4及び図5のダイレクトケーブルサブユニット及び処理サブユニットについての好ましい配置の概略図を示す。
【図7】図7は、図4及び図5のダイレクトケーブルサブユニット及び処理サブユニットについての代替的な配置の概略図を示す。
【図8】図8は、図4及び図5のダイレクトケーブルサブユニット及び処理サブユニットについての代替的な配置の概略図を示す。
【図9】図9は、本発明のポリエステル及びナイロンサンプルと比較となるポリエステルサンプルのH-接着を示す。
【図10】図10は、本発明にしたがって処理したコード及びゴム中での効果をシミュレーションしたあとのコードについての指定した負荷(EASL)での伸びを収縮量の関数で示した図である。
【図11】図11は、本発明にしたがって処理したコードについての延伸をオーブン張力の関数で示した図である。
【発明の開示】
【0001】
関連出願の交互参照
本出願は、参照によりその全体の内容が援用される、2001年5月21に出願された係属する米国仮出願番号60/292,647に基づく優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、一般的には、ゴム製品用の補強材を製造する方法に関し、より具体的には、処理タイヤコードを製造するための方法及び系に関する。本発明は、更にそのような方法により製造された製品に関する。
【0003】
発明の背景
ゴム製品用、特にタイヤコード用の補強材の製造は、大いなる研究及び革新の対象となってきた。このような努力は数多くの側面に焦点が合わせられてきたが、その中には、世界的産業の経済コスト目標を絶えず満たすと同時によく機能する製品を製造することに関するものがある。
【0004】
代替の構造が提案されており、断面改質モノフィラメント(DuPont Hyten(登録商標))又は無撚マルチフィラメントリボン(Yokohama)など、ゴム製品、とりわけゴムタイヤの補強材として特許が与えられている。しかし、中撚構造のレーヨン、ナイロン、アラミド、及びポリエステルなどの高テナシティ有機繊維から作られたタイヤコードを使用することは、相変わらず主要な補強法である。高テナシティ有機繊維により、改良された疲労特性が付与され、接着促進剤で被覆した場合は製品の硬化過程において周囲のゴムに対するすぐれた結合がもたらされる。
【0005】
ポリエステル又はナイロンをベースとするタイヤコードの製造のための従来の個々の方法工程には、一つの設備の中で加工機から加工機へと材料を典型的に取り扱い、繊維製造業者、織物加工業者、処理ユニット、及びタイヤ製造業者間で設備から設備へと典型的に出荷することが含まれる。これらの慣用的な方法は数多くの個々の工程と、多数の製品の移動を包含しており、労働集約的かつ費用集約的であることは明らかである。従来の製造法に関係する多くの例では、処理コードは、高テナシティ繊維自体を製造する基本費用の2倍より多くの費用がかかる。さらには、このような慣用的な方法は、一時期においては標準機として一般に使用されていたプライ機及びケーブル撚機を使用する。
【0006】
最近の産業の発達により、このような従来の処理タイヤコード製造法に対して変化がもたらされている。例えば、加工産業は、多くの場合、古いプライ及び撚設備をダイレクトケーブル機に取り替えている。これらの機械は、プライ及び撚り工程を一つの操作へと組み合わせることにより、タイヤコード製造法をより効率的にし費用効果を高くするものである。さらに、これらの機械によれば、より大きなパッケージ寸法がもたらされ、仕上がりコード製品において結び目又は継ぎ目が少なくてすむことから品質が改良される。
【0007】
また、タイヤを製造するために使用される方法も有意に発展している。多くの場合、現行の方法は、タイヤ製造機械へのタイヤカーカス補強原材料として、単一端処理コードを使用し、織って被覆した織物のカットパイルを使用していない。後者を使用すれば、必要とされる空間やタイヤを製造するのにかかる費用は有意に少なくなるが、従来の単一端処理方法の経済性は不経済である。
【0008】
本発明は、これらの製造法における更なる重要な進歩を取り扱う。繊維製造技術と接着化学における最近の発達を利用して、高テナシティ繊維を、ケーブル化した処理コードであって、ゴム製品を補強するのに必要な物理的及び化学的特性を有するコードに加工する鍵となる工程を、一機方式の方法で行うことができる。こうすることにより、コード処理ユニット及び織物処理ユニット別々について多数のパッケージ取扱い要求と億万ドルの資本要求とが排除される。個々の最良の技術を使用し、個々の要素をそれぞれ正しく選択することにより、申し分のないケーブル化した処理コードを、一機方式ケーブル・処理コードユニット(OCT)と名づけられた単一の機械で非常に経済的に製造することができる。
【0009】
OCTユニットにおいて使用される高テナシティ有機繊維は、これをケーブル化し短時間熱硬化を付与したときに、対象とする最終用途について申し分のないコード特性となる物理的特性をもつように選択され、製造される。個々の原料糸はそれぞれの製造過程において接着促進剤で前処理してもよく、又はOCTユニットにて接着促進剤で被覆してもよい。個々の原料糸は、ダイレクトケーブルサブユニットにおいてケーブルにするが、そのように製造された未加工のケーブルコードは、事前にパッケージ巻き上げ装置をおかずに処理用サブユニットへと直接供給する。未加工ケーブルコードは接着促進用浸液で被覆する。被覆した未加工コードは、加熱ユニットを通して張力を制御して引っ張り、特定の滞留時間の間所望の温度に到達するように加熱ユニットを運転して、処理コードをパッケージに巻き取る前に接着浸液を硬化させる。一旦パッケージに巻き取ったら、処理ケーブルコードは、優先的には、自動化コンベヤ充填ユニットにより、顧客へ輸送するか又は更なる処理もしくは製造のために輸送する前に製品貯蔵所へと送る。
【0010】
発明の要旨
本発明は、処理コードを製造するための方法であって、二又はそれより多い糸を撚り合わせてケーブルコードを形成し、それら糸を撚り合わせた後直接、そのケーブルコードに接着剤を施用し硬化させて、処理コードを形成する工程を含んでなる方法に向けられる。それらの工程は、中間の巻き取り装置無しで一つの機械で行われる。
【0011】
本発明は、さらに、処理コードを製造するための系であって、一機方式の撚り及び処理ユニットを含んでなる系に向けられる。
さらに、本発明は、処理コードを製造するための系に向けられる。かかる系は、原料糸をコードへと撚るように適合されたケーブルユニット、そのコードに接着剤を施用し硬化させて処理コードを形成するように適合された処理ユニット、及びその処理コードをダイレクトケーブルユニットから処理ユニットへと中間巻き取り装置無しで送るように適合された供給ユニットを含んでなる。
【0012】
発明の具体的な説明
繊維製造技術と接着化学における最近の発達を利用して、高テナシティ繊維を、ケーブル化した処理コードであって、ゴム製品を補強するのに必要な物理的及び化学的特性を有するコードに加工する鍵となる工程を、一機方式の方法で行うことができる。こうすることにより、分離したコード処理ユニット及び織物処理ユニットについて、多数のパッケージ取扱いの要求と億万ドルの資本要求とが排除される。
【0013】
本発明をより充分に理解するためには、幾つかの慣用的なコード製造法及び処理法を再検討し説明することが有用であろう。ここで一般に図面、特に図1を見ると、処理タイヤコードを製造するための慣用的な方法10が概略的に示されている。処理タイヤコードを製造するための方法は、単一の工場又は設備の範囲内で、複数の操作及び/又は製造点の間にかなりの取扱いを必要とすることが認識されるであろう。更に、製造方法のうち種々の区分の間では、そのように製造された糸又はコードの輸送及び出荷が必要となることが認識されるであろう。例えば、糸の製造業者及び糸からケーブルへの加工業者は異なる存在であり、それらの存在の間で輸送操作が必要である。そのうえ、製造業者と加工業者が同じ存在である場合であっても、製造設備の間では輸送が必要である。このことの理解を容易にするため、図1、2及び3は凡例を含んでおり、円は、単一の製造段階の内部での繊維、糸、ケーブル、コード、織物又は生地を取り扱うための取扱い点を示し、四角は、繊維、糸、ケーブル、コード、織物又は生地についての一の製造段階から別の段階への輸送又は出荷点を示している。
【0014】
図1の方法10は、製造設備12での繊維製造者による糸の製造からはじまる。本明細書中で使用する「糸」は、撚ったり、編んだり、織ったり、又はさもなければ編み合わせたりしてコード若しくはケーブル又は生地織物にするのに適する形態の、生地繊維、単繊維又は材料の連続的なストランドに関する一般的な語である。そのように製造された糸は、顧客への輸送のために、典型的には縦巻き機又は縦糸巻き機により、取扱い操作14にて巻くか又はパッケージとし、次いで、繊維製造者12から加工設備18へと輸送点16にて移動するか又は出荷する。
【0015】
加工業者18は、輸送操作16から、取扱い点20にてパッケージになった糸を受け取る。タイヤコードを製造する幾つかの慣用的な方法では、加工業者18はリング撚糸機を使用して、二工程でケーブルを製造する。これは「リング撚糸法(ring twist process)」として広く知られている。糸は点22にてプライへと撚る。本明細書中で使用する「プライ」とは、撚った単一の糸を意味する。本明細書中で使用する「撚り」とは、糸又は他の生地ストランドの単位長さ当たりのその軸周りの回転数を意味する。その後、プライを加工設備18内部で取扱い点18にて移動して、撚糸装置28で二又はそれより多いパイルからなるケーブルへと撚る。
【0016】
したがって、幾つかの慣用的な方法では、糸のケーブルへの加工は、分離していて独立して操作される機械からなる二工程の方法であり、それらの機械はそれぞれ、糸を点22でプライへと撚り、プライを取扱い点24にて撚糸装置へと移動させるものと、次いでプライを点28にて異なる機械でケーブルへと撚るためのものである。本明細書中で使用する「ケーブル」又は「コード」とは、二又はそれより多いパイル糸を撚り合わせることにより形成される生成物を意味する。この二工程リング撚糸法は面倒で費用がかかるということは十分に認識されるであろう。
【0017】
重要なことは、この時点でのケーブルは処理されていないことに注意することである。結果として、このケーブルは未加工の状態のままであり、生繊維コード又はケーブルと広く呼ばれている。
【0018】
続けて図1を見ると、リング撚糸操作18を終えたら、次いで、生繊維ケーブルを織り操作30にて織物へと織ることができる。この操作は、取扱い点32に示すように、装置の間での追加の移動を必要とする。タイヤコードを織物へと織る方法は当業者に既知である。
【0019】
織った生繊維織物は未処理であり、いずれかの特定の最終用途向けに調製されていないので、未処理織物を織り装置30から処理装置44へと移動するためには、追加の取扱い操作36、40及び輸送操作38が必要である。処理工程44の間に、生繊維織物を特定の最終用途向けに調製する。
【0020】
従来の標準的なポリエステルタイヤ糸の浸漬法は、典型的には、二重浸漬法又は二帯域処理法と呼ばれる。考慮している所望の最終用途に関して選択した、第一の処理剤の浸漬施用46を生繊維織物に施用する。本明細書中で使用する「浸漬」又は「浸漬する」とは、繊維、糸、コード、ケーブル、織物又は生地を処理液に漬けることを意味する。「処理剤」という語は、繊維、糸、コード、ケーブル、織物又は生地が結合剤を受け入れやすくする物質を意味する。やり方は説明しないが、このような化学浸漬46により、織物を形成している繊維の表面が第二の化学物質の被覆を受けるように調製する。そうすることにより織物をゴムに結合することができる。典型的な処理剤には、ブロックトジイソシアニドの溶液が含まれる。処理織物は、図1の参照番号48に示すように加熱装置により乾燥させる。この目的に適している加熱装置は当技術分野において一般的に知られており、例えば、Litzler Corporation及びZell Corporationにより製造されている。
【0021】
処理剤中での第一の浸漬46及び乾燥段階48に続いて、織物を第二の浸漬操作50にかける。ここで、第二の浸漬操作50において結合剤を受けるための準備として、第一浸漬46からの処理剤を織物に塗り、第二の浸漬操作において、安定化させたレゾルシノール−ホルムアルデヒド−ラテックス(RFL)のような結合剤を施用して織物がゴムに接着しやすくすることは認識されるであろう。未処理コードは典型的にはゴムによく接着せず、この目的を達するためには結合剤が望ましいことから、これは本質的な工程である。本明細書中で使用する「結合剤」という語は、繊維、糸、コード、ケーブル又は織物を互いに又は他の物質と接着したりくっつけたりする物質を意味する。第二の浸漬操作50に続いて、浸液を硬化させ、織物を形成するケーブルに撚りを与えるため、図1の参照番号52及び54に示すように、処理した織物を延伸し熱で緩和する。こうすることで、処理織物を安定させておき、その後の製造過程の間に高温に曝されたとき収縮を阻止したり低減したりすることができる。この時点での織物は処理された織物であり、すぐにゴム製品の製造に使用することができる。
【0022】
続けて図1を見ると、処理織物は、いつでもタイヤ製造業者60のような製造業者へ輸送することができる。処理織物は、参照番号62、64及び66で示された取扱い操作及び処理操作を受ける。タイヤ製造業者60は、織物の両側にゴムストックを張り合わせてプライを形成することにより、処理織物をカレンダー操作70にてカレンダーにかける。カレンダーにかけてプライを形成するための手順は当技術分野において知られている。プライをカレンダー装置70から取扱い操作73により移動させて、点74に示すように特定の使用又は設計のために切断する。次いで、カットプライをタイヤの製造及び組み立てのため点76で取り扱う。
【0023】
ここで図2を見ると、タイヤコードを製造するための、代替的なより最近の慣用的な方法110が示されている。図2では、処理コードの製造が改良されている。また、図2は凡例を含んでおり、円は、単一の製造段階の内部での糸、ケーブル又はコードを取り扱うための取扱い点を示し、四角は、糸、ケーブル又はコードについての一の製造段階から別の段階への輸送又は出荷点を示している。
【0024】
図2の方法110は、繊維製造者112による糸の製造からはじまる。この例では、製造者112は、製造過程の間に前処理した繊維を製造して、高テナシティ接着活性化有機繊維を得る。このような繊維は、ケーブルへと撚り、短時間浸漬させ、そして選択した温度及び時間で熱硬化させた場合に、繊維の物理的特性と最終的にはコード又は織られた織物の物理的特性とが目標とする最終用途向けに申し分のないものとなるような物理的特性をもつよう、繊維を選択し、製造することができる。
【0025】
繊維製造設備112から、繊維を、取扱い操作114、120及び輸送操作116を介して加工設備118へと移動させ、そこで繊維をケーブルへと撚る。多くの例では、現在、加工産業はリング撚糸操作を、両方の工程を単一の機械へと組み合わせた、広くダイレクトケーブルユニット(DCU)126と呼ばれる装置に置き換えている。この組み合わせにより、加工操作において必要とされる費用と空間とが有意に低減される。そのような機械の構造と操作を本明細書中に説明する。
【0026】
未処理コードをDCU126から織り装置130へと取扱い操作132を介して移してもよいことは認識されるであろう。また、図1に示す方法10のように、生繊維織物は未処理であるので、織り装置から取扱い操作136、140及び輸送操作138を介して処理装置144へと移動させなければならない。ここで、予め処理した糸を使用することにより、結合剤での第一浸漬処理の必要性が排除されることが認識されるであろう。それどころか、織物は繊維製造者112により予め処理された糸からなるものであるから、処理操作144は第二浸漬操作150、熱処理操作152、緩和操作154のみからなり、そこでゴムへの接着を促進するために結合剤を織物に施用し硬化させる。浸漬させた織物を延伸してから、参照番号152及び154に示すように熱で緩和する。ここで、取扱い操作162、166及び輸送操作164を介して織物をタイヤ製造設備160に輸送する準備ができる。処理織物をそれぞれ操作170及び172にてカレンダーにかけ、プライ切断する。次いで、パイルを取扱い操作174及び176を介してタイヤ製造業者180へと移動する。
【0027】
続けて図2を見ると、別法として、DCU126からのコードを織物へと織るのではなく直接コードとして処理してもよいことが示されている。この目的のためには、コードを取扱い操作172及び任意の輸送操作173にてDCU126から単一端処理装置170へと輸送してもよい。コードを、図1からの操作50に説明するものと同様な方法で、熱処理、延伸、及び緩和操作178を施用する前に、点176にて適する結合剤で処理する。次いで、処理コードを個々のパッケージに巻きつけて取扱い操作180、184及び輸送操作182を介してタイヤ及び他の補強ゴム製品の組立てのためにタイヤ製造業者190へと輸送する。多くのコードを同時に取り扱う単一端コード処理用ユニットは当技術分野において知られているが、処理ポンド当たりの費用は高価である。
【0028】
このように幾つかの慣用的なコード製造方法を理解したうえで、本発明の系及び方法210を説明する図3に注意を向ける。本発明は、一機方式の撚り・処理過程210を含んでなり、それにより、慣用的な製造法10及び110において必要とされる労働集約的で費用のかかる取扱い操作及び輸送操作を排除することができる。個々の最良の技術を使用し、個々の要素をそれぞれ正しく選択することにより、申し分のないケーブル化した処理コードを、単一の機械で非常に経済的に製造することができる
方法210は、繊維製造業者212による糸の製造から始まる。繊維製造業者212は、糸を製造し、これを製造過程の間に処理して高テナシティ有機繊維を得てもよい。高テナシティ有機繊維は、ナイロン、ポリエステル、アラミド、及びPBOなどの他の高性能ポリマーを含む多種多様の入手可能な合成材料から選択することができる。加えて、レーヨンなどの天然材料を使用して、処理繊維を製造してもよい。この目的に適する一つのそのような前処理糸は、寸法的に安定なポリエステルをベースとする糸である。この糸は1X53として知られており、Honeywell InternationalによりDSP(登録商標)糸として売られている。本明細書中で使用する「寸法安定性」とは、織物材料が、加熱の間に収縮しないように抵抗したり、力をかけた状態での伸びを低減したりする能力を意味する。このタイプのポリエステル糸は、広く、高モジュラス低収縮(HMLS)糸と呼ばれている。また、非常に申し分のない結果を得るために、特にバイコンポネント繊維又はシース/コア繊維のようなコポリマー材料を使用してもよい。
【0029】
個々の原料糸は、それぞれの製造過程の間に接着促進剤又は結合剤で前処理してもよい。一つの好ましい方法においては、この糸をケーブル化し、およそ200℃で30秒又はそれより少ない時間にて短時間熱硬化させた場合に、繊維の物理的特性と最終的には織られたコードの物理的特性とが、目標とする最終用途向けに申し分のないものとなるような物理的特性をもつよう、糸を選択し、製造することができる。高テナシティ繊維は、ナイロン、ポリエステル、アラミド、及びPBOなどの他の高性能ポリマーを含む多種多様の入手可能な合成材料から選択することができる。加えて、レーヨンなどの天然材料を使用して、処理繊維を製造してもよい。また、非常に申し分のない結果を得るために、特にバイコンポネント繊維又はシース/コア繊維のようなコポリマー材料を使用してもよい。予め処理した高テナシティ有機繊維を製造するための方法及び生成物は、その全体の内容が参照により援用される、米国特許第5,067,538号及び米国特許第4,652,488号に示されている。また、繊維製造者112は未処理糸を製造してもよく、本発明の方法は未処理糸を用いたコードの製造においても有用であることは認識されるであろう。
【0030】
個々の原料糸は、やり方は説明しないが、それぞれの製造過程(例えば、PET)において接着促進剤で前処理してもよく、又は、接着促進剤を用いて説明するやり方でケーブル機で被覆してもよい。幾つかの適する接着促進剤はエポキシシランのような種々のエポキシ化合物をベースとする。それらは、その全体の内容が参照により援用される、米国特許第5,693,275号及び米国特許第6,046,262号に説明されている。続けて図3を見ると、繊維を、繊維製造業者212から取扱い操作214及び任意の輸送操作216を介して、一機方式のケーブル・処理コードユニット(OCT)310を含んでなる加工操作218へと移動する。OCT310により、やり方は説明しないが、コードを連続的な方法で中間巻き取り装置無しでケーブル化し、処理する。次いで、処理したコードは取扱い操作360、364及び輸送操作362を介してタイヤ製造業者370へと移動させてもよい。
【0031】
ここで図4及び5に注目すると、そこにはOCT310の機能及び操作が説明されている。OCTはダイレクトケーブルサブユニット(DCU)312及び処理サブユニット328を含んでなる。OCTによれば、やり方は説明しないが、直接DCU312から処理サブユニット328へと引っ張り装置を介してケーブルを供給することにより、ケーブル中間巻き取り装置の必要性が排除される。
【0032】
ケーブルを製造するための糸は、はじめにDCU312を通して処理してもよい。そうする際には、ボビンクリール318又は予備ボビンクリール319に配置された供給パッケージ316から、外糸314を引っ張る。外糸314はブレーキ320のような引っ張り装置により予め緊張させる。伝動ロール対、歪みロール、可調フィンガーユニット又はラダーユニット、コンピューター化張力測定装置のような他の引っ張り装置を、オンライン、マニュアル、コンピューター化、又は別のもののいずれにしても、ブレーキ220と取り替えるか、又は一緒に使用してもよいことは認識されるであろう。数多くの装置を適合させて、糸を撚糸のために予め緊張させてもよいことは認識できるであろう。
【0033】
続けて図4及び5を見ると、内糸322を固定スピンドル容器330内に保持された内側供給パッケージ324から引きほぐす。内糸322の張力を再びブレーキ326のような引っ張り装置により制御する。内糸322の張力は、ブレーキ320及び326により設定した外糸314の張力と相関させてもよい。張力は、当技術分野において知られている張力測定装置により測定して維持し、マニュアル、オンラインか若しくはコンピュータソフトウェアにより、又は他の手段で相関させてもよい。また、伝動ロール対、歪みロール、可調フィンガーユニット又はラダーユニットのような他の引っ張り装置をブレーキ326と取り替えるか、又は一緒に使用してもよいことは認識できるであろう。
【0034】
糸314及び322を、撚糸の前に糸の長さの差をならす働きをする紡糸板336に通過させながら、外糸314及び内糸322を撚ってコード334とする。
続いて図4を見ると、OCT310の処理サブユニット328により、図1の方法10の取扱い操作32、36、40及び輸送操作38と図2に示す方法112の取扱い操作132、136、140、172及び輸送操作138が排除される。個々の原料糸314及び322をDCU312でケーブルとするが、そうして製造した未処理のケーブルコード334は、その前にパッケージ巻き取り装置無しで直接処理サブユニット328へと送られる。これは、処理サブユニットを直接DCU312と接続して、DCUから処理サブユニット328へと進むときにコードの張力を制御することにより、なされる。
【0035】
これまで、コード処理装置は、所望の最終特性及び用途についての目標とする接着レベルと、物理的及び化学的性能についての所望のレベルとを達成するため、個別のものとされてきた。
【0036】
慣用的な方法では、低モジュラス材料での個々のコードについての目標特性である均一性を達成するため、単一端ユニットであっても又は織物をベースとする処理ユニットであっても、コードを延伸してから緩和させることが必要であると考えられていた。延伸・緩和操作は、多くの場合乾燥工程が先になされるが、高温で1分過剰に時間をかけることにより、結合剤を充分に硬化させてテナシティ及び収縮レベルを組合わせて達成する。このような延伸・緩和操作は当業者に知られている。典型的な条件は、その全体の内容が参照により援用される、Litzler Computreaterに対する米国特許第4,491,657号に与えられており、圧力下160℃で乾燥加熱してコードを一定の長さに維持し、次いで、延伸条件において240℃で120秒、緩和条件において240℃で120秒加熱する。別の例は、その全体の内容が参照により援用される、米国特許第5,403,659号にみられる。該特許には、227℃で40〜60秒加熱しながら、2〜8%延伸させ、0〜4%収縮させることが記載されている。
【0037】
特に、平行な1000を超える個々の端を含有するタイヤ織物に関して、これらの温度、時間及び張力を達成するのに要する商業的なユニットは、非常に大きく費用がかかり、幾つかの例では高いオーブンを有している。
【0038】
驚くべきことに、物理的特性である均一性を有する高モジュラス材料に関しては、これらの厳しい条件を使用する必要がなく、比較的短い時間の中温での熱処理で、表面化学により十分な接着を達成することができる。コードを延伸することなく、単にコードの張力を制御してわずかに熱収縮を起こさせることにより、所望な特性を達成することができる。これらの生繊維コードパラメータを使用し、この概念をDCU機械に適用することにより、浸漬及び熱処理をDCUと組合わせるという意外な可能性をもたらし、これらの工程の間の取扱い操作及び輸送操作を排除することができる。
【0039】
商業的なDCU機械は、達成可能なスピンドル速度が限定されている。実際には、最大スピンドル速度は約11000rpmである。例えば、タイヤコードケーブルの典型的な撚りは400TPM(1メートル当たりの巻き)である;したがって、機械を通るメートル毎分のコード速度は、11000rpmを400で割って、すなわち、27.5メートル毎分である。30秒の加熱時間では、必要とされる全体の直線距離は、13.75メートルのみであり、これは短いマルチパス加熱機により達成することができる。
【0040】
ここで、引っ張り装置によりコードの張力を制御し、DCU312から処理サブユニット328への糸の速度を制御することにより、コードを直接DCUから処理装置へと中間巻き取り装置無しで供給することができるので、これらの二つの処理工程の間の取扱い操作及び輸送操作が排除されることは認識できるであろう。
【0041】
処理サブユニット328では、未処理ケーブルコード334を、ナイロン、PET、又はレーヨン用のレゾルシノール−ホルムアルデヒド−ラテックス(RFL)などの接着剤で被覆する。コードのゴムへの接着を高めるため、RFLは触媒作用をもつ添加物を含有してもよい。接着剤は未処理コードのタイプに応じて調整したり取り替えたりしてもよい。被覆した未処理コード334は、引っ張り装置344の系を介して制御した張力で加熱ユニット342の浸漬トレイを通して引っ張る。好ましい態様においては、未処理コード334は、数多くの短いマルチプルパスにおいて加熱ユニット342を通して移動させてもよい。本発明の実施においては、数多くの代替的な設計を使用して、未処理コード334を加熱器342を通して移動できることは認識できるであろう。
【0042】
加熱ユニット342は、電気ユニット、赤外線ユニット、無線周波数ユニット、マイクロ波ユニット、又はプラズマを含んでいてもよく、又は中枢供給源から供給される強制熱空気で過熱してもよい。数多くの装置や代替の加熱器設計を使用して、コード334を加熱してもよいし、それらを加熱ユニット342の代わりに使用してもよいことは認識できるであろう。加熱ユニット342は、浸液の硬化物から副生物を除去したり放出するための排気出口を含んでもよい。当業者であれば、本発明に関連して使用するのに適している加熱ユニットは数多くあり、それらを、未処理ケーブルコード334をDCU312から直接受けるように適合させてもよいことは認識できるであろう。一つの好ましい態様においては、処理装置を操作して、およそ30秒又はそれ未満の滞留時間、およそ200℃の温度にして、パッケージ又はスプール350で処理コード346を巻く前に結合剤を硬化させる。
【0043】
パッケージ巻取りは、好ましくは、自動の玉揚げ巻取機ユニットによる;しかし、ケーブルコードを巻き取るように適合させたいずれかの機械的手段が適している。
処理ケーブルコード製品パッケージ350を、優先的には、自動化コンベヤ梱包ユニットにより、タイヤ製造ユニット(TPユニット)へと移す前に製品貯蔵庫へと送る。OTCユニットは、例えば、
(i)未加工繊維の包装及び出荷を排除するため、繊維製造業者、
(ii)従来の処理コードの加工よりもはるかに床面積が狭く、全資本コストが少なくてすむ、独立した加工業者、又は、
(iii)タイヤ又はゴム製品製造業者、特に、単一コード技術に基づく新しいタイヤ又はゴム製品製造要素が設置されたところ、
に配置してもよい。
【0044】
処理サブユニット328は、図6に示すように、DCU312の一部分として組み立てて、床面積を節約してもよい。二つの面を有するOCT310が、各々のDCU312について割り当てられた1セットの処理サブユニット328とともに示されている。OCT310は、機械の場所を最小限にするために縦に配置される。
【0045】
別法として、処理サブユニット328は、図7に示すように、DCU312と平行なアセンブリで構成してもよい。処理サブユニットは、DCU312に関して、傾斜させるか又は正確に水平のいずれかで配置してもよい。このような構成により、OCT310について必要な垂直の空間を最小限となる。
【0046】
また、図8に示すように、巻取りサブユニット356を低いレベルで、処理コード346をスプール358上に巻くための処理装置328の隣に配置してもよい。
本発明の実施を、以下の実施例を参照することによりさらに説明するが、これらの実施例は代表的なものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。典型的な処理コード特性目標の達成を示す実施例を、ポリエステル及びナイロンについて示す。
【0047】
実施例1
ゴムストック(Adhesion Activated 1X53)によく接着するよう、製造業者(Honeywell)によって前処理された、高テナシティ高モジュラス低収縮(HMLS)の商業的なポリエステルタイヤ糸を1440 dtexパッケージとして得た。二つのパッケージをICBTダイレクトケーブル機の上側のスピンドル位置に配置し、ケーブルにして、メートルあたり410撚りの生繊維コードを二つのプライとして製造した。次いで、生繊維コードをZell単一端実験室用浸漬・処理ユニットにおいて、オーブン中のパスの速度、数、及び長さを調整して処理し、表1に挙げた条件を達成した。
【0048】
【表1】
【0049】
表1のラン1は比較例であり、織物処理ユニットについての典型的な現在の商業的な条件セットを示しており、これによりゴム中への最終用途に望ましい化学的特性及び物理的特性を測定するための典型的なコードが製造される。表1のラン2、3、及び4は、本発明のOCT処理サブユニットをシミュレートした実施例であり、熱処理の継続時間を30秒に短かくし、オーブン中の温度をそれぞれ180℃、200℃、及び220℃とした。4つのランすべてにおいて、各々のコードを、予め濃縮したビニルピリジン、ラテックス、レゾルシノール、水酸化ナトリウム、及び水溶液を含んでなる、全固体含浸率がコードの重量基準で約4.5%の慣用的な非アンモニア処理レゾルシノール−ホルムアルデヒド−ラテックス浸液で処理した。次いで、処理コードを、物理的特性について、Instron Model 4466試験ユニットを用いてASTM D885-84条件下で試験した。熱収縮は、Testrite Model NK5を用いて177℃で2分間行い、予張力は0.5グラム/dtexであった。処理コードの接着は、標準的なゴムストックと、参照により本明細書中に援用される米国特許第3,940,544号に定義されるH-接着試験とを用いて判断した。物理的及び接着の結果を表IIに示す。
【0050】
【表2】
【0051】
実施例2
ICBTダイレクトケーブルユニットで、1400dtexのナイロン6高粘度高テナシティ糸(HoneywellからのIR88)を用いて、撚りレベル380TPMで生繊維コードを製造した。OCTユニットをシミュレートするための処理条件は、30秒間、180℃及び200℃を選択し、続いて、実施例1と同じ浸液タイプ及びレベルを施用した。H-接着は、それぞれ126N及び144Nであった。実施例1及び2についての接着結果を図9に示す。
【0052】
実施例3
実施例1において製造したポリエステル生繊維コードを、シミュレートしたOCTユニットで、表IIIに挙げた条件下で処理して、処理ユニットの張力(延伸又は緩和)が処理コードの鍵となる特性に与える影響を判断した。
【0053】
【表3】
【0054】
処理コード特性についての結果を表IV及び図11に示す。
【0055】
【表4】
【0056】
商業目標の処理コードと比較するため、ゴム中で硬化させたあとコードの予想される部分負荷モジュラスを測定した。この試験は、NelsonらのRubber World, "Dimemsionally Stable PET Fibers for Tire Reinforcement", pp. 30-37 (May 1991)及びNelsonらの3rd International TechTextile Symposium, "Dimensionally Stable PET Fibers" (May 1991)に記載されている通りであり、表IV中の「タイヤ中E45(N)」として示す。
【0057】
図10からは、およそ4ニュートンの処理張力にて、45Nでのタイヤ中コード伸びが、これは望ましくないが、急激に増加しはじめる一方、コード収縮率の値は低いレベル(≦1.5%)であり、破断点での処理コードの伸びは非常に高く(≧14%)、コードのテナシティと組み合わさって、非常に望ましい強度レベルがもたらされる。
【0058】
図11は、シミュレートしたOCT処理サブユニットにおける張力と、200℃の温度、30秒の滞留時間での延伸/緩和とのおおよその関係を示す。4N張力レベルは、およそ1%緩和に相当する。これらの張力及び緩和レベルはどちらも一機方式ユニットのOCT設計に関しては非常に実際的である。
【0059】
本発明を説明する目的のため、一定の代表的な態様と詳細とを示してきたが、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、種々の変更及び修飾をなしうることは当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、ゴムタイヤの補強用処理コードを製造するための慣用的な方法であって、リング撚糸機を使用することを含んでなる方法の工程図である。
【図2】図2は、ゴムタイヤの補強用処理コードを製造するための別の慣用的な方法であって、ダイレクトケーブル機を使用することを含んでなる方法の工程図である。
【図3】図3は、処理コードを製造するための本発明の方法であって、一機方式のケーブル・処理ユニットを使用することを含んでなる方法の概略図である。
【図4】図4は、本発明の一機方式のケーブル・処理ユニットであって、ダイレクトケーブルサブユニット及び処理サブユニットを含んでなるユニットの正面図である。ダイレクトケーブル機を図4の左側に示し、一機方式の撚糸・処理ユニットを右側に示す。
【図5】図5は、一機方式のケーブル処理コードユニットの概略図である。
【図6】図6は、図4及び図5のダイレクトケーブルサブユニット及び処理サブユニットについての好ましい配置の概略図を示す。
【図7】図7は、図4及び図5のダイレクトケーブルサブユニット及び処理サブユニットについての代替的な配置の概略図を示す。
【図8】図8は、図4及び図5のダイレクトケーブルサブユニット及び処理サブユニットについての代替的な配置の概略図を示す。
【図9】図9は、本発明のポリエステル及びナイロンサンプルと比較となるポリエステルサンプルのH-接着を示す。
【図10】図10は、本発明にしたがって処理したコード及びゴム中での効果をシミュレーションしたあとのコードについての指定した負荷(EASL)での伸びを収縮量の関数で示した図である。
【図11】図11は、本発明にしたがって処理したコードについての延伸をオーブン張力の関数で示した図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理コードを製造するための方法であって:
二又はそれより多い糸を撚り合わせて、ケーブルを形成する工程;及び、
撚り合わせたあと直接、該ケーブルに接着剤を施用し硬化させて、処理コードを形成する工程を含んでなり、
その際、該糸を撚る工程及び該接着剤を施用し硬化させる工程が、中間巻き上げ装置無しで一つの機械で行われる方法。
【請求項2】
撚る工程がダイレクトケーブル法により行われる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
糸が、撚ったあと大規模な熱処理を行わなくても、ゴム補強のために申し分のない特性をもって製造され得るいずれかの有機高テナシティ繊維である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
糸が、ポリエステル、ポリアミド、アラミド、及び高テナシティ繊維を形成することができる他の高性能ポリマーであってもよい、請求項1記載の方法。
【請求項5】
糸が天然起源の繊維である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
糸が二又はそれより多い成分からできた繊維である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
糸が二又はそれより多い成分繊維のハイブリッドである、請求項6記載の方法。
【請求項8】
繊維がポリエステル単繊維とナイロン単繊維の混合物である、請求項7記載の方法。
【請求項9】
糸が寸法安定性のある高モジュラス低収縮ポリエステルである、請求項1記載の方法。
【請求項10】
糸がポリエステルコア繊維/ナイロンシース繊維から構成される、請求項1記載の方法。
【請求項11】
糸がポリアラミドである、請求項1記載の方法。
【請求項12】
糸がレーヨンである、請求項1記載の方法。
【請求項13】
施用する工程が、未処理のケーブルコードを接着剤で被覆し該接着剤を硬化させることを含んでなる、請求項1記載の方法。
【請求項14】
硬化させる工程が加熱により行われる、請求項1記載の方法。
【請求項15】
接着剤がレゾルシノール−ホルムアルデヒド−ラテックス(RFL)である、請求項1記載の方法。
【請求項16】
RFLが接着のための触媒作用をもつ添加物を含有する、請求項11記載の方法。
【請求項17】
接着剤がラテックスをベースとする系であり、接着促進性成分又は硬化性成分が使用される、請求項1記載の方法。
【請求項18】
請求項1記載の方法によりつくられた、一機方式のケーブル及び処理プロセスユニットで製造した処理コード製品。
【請求項19】
請求項19記載の方法により製造した処理コード製品を含んでなるタイヤ。
【請求項20】
処理コードを製造するための系であって、一機方式の撚り及び処理ユニットを含んでなる系。
【請求項21】
処理コードを製造するための系であって:
原料糸をコードへと撚るように適合されたケーブルユニット;
該コードに接着剤を施用し硬化させて処理コードを形成するように適合された処理ユニット;及び、
該処理コードを直接該ケーブルユニットから該処理ユニットへと中間巻き取り装置無しで送るように適合された供給ユニットを含んでなる系。
【請求項22】
処理ユニットが更に加熱ユニットを含んでなる、請求項22記載の系。
【請求項23】
加熱ユニットが電気加熱ユニットを含んでなる、請求項23記載の系。
【請求項1】
処理コードを製造するための方法であって:
二又はそれより多い糸を撚り合わせて、ケーブルを形成する工程;及び、
撚り合わせたあと直接、該ケーブルに接着剤を施用し硬化させて、処理コードを形成する工程を含んでなり、
その際、該糸を撚る工程及び該接着剤を施用し硬化させる工程が、中間巻き上げ装置無しで一つの機械で行われる方法。
【請求項2】
撚る工程がダイレクトケーブル法により行われる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
糸が、撚ったあと大規模な熱処理を行わなくても、ゴム補強のために申し分のない特性をもって製造され得るいずれかの有機高テナシティ繊維である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
糸が、ポリエステル、ポリアミド、アラミド、及び高テナシティ繊維を形成することができる他の高性能ポリマーであってもよい、請求項1記載の方法。
【請求項5】
糸が天然起源の繊維である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
糸が二又はそれより多い成分からできた繊維である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
糸が二又はそれより多い成分繊維のハイブリッドである、請求項6記載の方法。
【請求項8】
繊維がポリエステル単繊維とナイロン単繊維の混合物である、請求項7記載の方法。
【請求項9】
糸が寸法安定性のある高モジュラス低収縮ポリエステルである、請求項1記載の方法。
【請求項10】
糸がポリエステルコア繊維/ナイロンシース繊維から構成される、請求項1記載の方法。
【請求項11】
糸がポリアラミドである、請求項1記載の方法。
【請求項12】
糸がレーヨンである、請求項1記載の方法。
【請求項13】
施用する工程が、未処理のケーブルコードを接着剤で被覆し該接着剤を硬化させることを含んでなる、請求項1記載の方法。
【請求項14】
硬化させる工程が加熱により行われる、請求項1記載の方法。
【請求項15】
接着剤がレゾルシノール−ホルムアルデヒド−ラテックス(RFL)である、請求項1記載の方法。
【請求項16】
RFLが接着のための触媒作用をもつ添加物を含有する、請求項11記載の方法。
【請求項17】
接着剤がラテックスをベースとする系であり、接着促進性成分又は硬化性成分が使用される、請求項1記載の方法。
【請求項18】
請求項1記載の方法によりつくられた、一機方式のケーブル及び処理プロセスユニットで製造した処理コード製品。
【請求項19】
請求項19記載の方法により製造した処理コード製品を含んでなるタイヤ。
【請求項20】
処理コードを製造するための系であって、一機方式の撚り及び処理ユニットを含んでなる系。
【請求項21】
処理コードを製造するための系であって:
原料糸をコードへと撚るように適合されたケーブルユニット;
該コードに接着剤を施用し硬化させて処理コードを形成するように適合された処理ユニット;及び、
該処理コードを直接該ケーブルユニットから該処理ユニットへと中間巻き取り装置無しで送るように適合された供給ユニットを含んでなる系。
【請求項22】
処理ユニットが更に加熱ユニットを含んでなる、請求項22記載の系。
【請求項23】
加熱ユニットが電気加熱ユニットを含んでなる、請求項23記載の系。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2006−503987(P2006−503987A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−591560(P2002−591560)
【出願日】平成14年5月20日(2002.5.20)
【国際出願番号】PCT/US2002/016108
【国際公開番号】WO2002/095102
【国際公開日】平成14年11月28日(2002.11.28)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成14年5月20日(2002.5.20)
【国際出願番号】PCT/US2002/016108
【国際公開番号】WO2002/095102
【国際公開日】平成14年11月28日(2002.11.28)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
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