説明

タイヤ状態監視装置の受信機

【課題】構成の簡素化及び低コスト化を図ることができるとともに、送信機から無線送信される信号を好適に受信することが可能なタイヤ状態監視装置の受信機を提供すること。
【解決手段】受信機4は、各送信機3からの変調波(送信信号)を受信する2つの受信アンテナ11と、2つの受信アンテナ11から変調波を交互に得るべく、その2つの受信アンテナ11を所定の切替周期で交互に選択する選択回路12と、前記選択回路12で得られた変調波を復調して復調信号を生成する復調部(15,16)と、を備えている。前記切替周期は27μsであり、送信機3からの送信信号における1シンボル分のデータの伝送時間である200μsの1/7.4である。言い換えれば、前記1シンボル分のデータが伝送される間に、2つの受信アンテナ11から変調波が少なくとも7回ずつ交互に得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に適用されるタイヤ状態監視装置の受信機に関し、特には車両のタイヤに設けられる送信機から無線送信されるタイヤ状態検知信号を、車体に設けられる受信機にて好適に受信するための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両に装着された複数のタイヤの状態を運転者が車室内で確認できるようにするために、無線方式のタイヤ状態監視装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。そのタイヤ状態監視装置は、車両のタイヤにそれぞれ装着される複数の送信機と、車両の車体に設けられる受信機とを備えている。各送信機は、対応するタイヤの状態、即ち内部空気圧や内部温度等を検知し、タイヤ状態検知信号を送信アンテナから無線電波に乗せて送信する。受信機は、送信機からのタイヤ状態検知信号を、受信アンテナを通じて受信して、タイヤ状態に関する情報を、車室内に設けられた表示器に必要に応じて表示させる。
【0003】
上記のようなタイヤ状態監視装置では、各送信機からの電波の放射方向がタイヤの回転に伴って変化するとともに、各送信機と受信アンテナとの間には電波に影響を及ぼす様々な車体構成要素が存在する。そのため、マルチパスフェージング等の電波障害が発生し易く、各送信機からの電波を受信機にて良好に受信することが難しい。図4は、タイヤの回転角度と受信機での電波受信レベルとの関係を例示するグラフである。この図4に示すように、タイヤが1回転する間には、マルチパスフェージング等に起因して、受信レベルが極端に低下するポイント、所謂ヌルポイントが生じる。このようなヌルポイントにおいては受信レベルが許容レベルを下回り、よって送信機からの電波を実質的に受信することができない。
【0004】
上記問題を解消するため、空間ダイバーシティ方式を採用したタイヤ状態監視装置が例えば特許文献2において提案されている。この特許文献2に記載されたタイヤ状態監視装置の受信機は、それぞれ受信アンテナを有する複数のユニットを備えている。これらのユニットは直列に接続可能である。各ユニットは、復調信号生成部と、受信レベル信号生成部と、比較回路と、選択回路とを備えている。復調信号生成部は、自ユニットの受信アンテナから伝えられた受信信号を復調し、復調信号を前記選択回路に出力する。受信レベル信号生成部は、前記受信信号のレベルを示す受信レベル信号を生成し、その受信レベル信号を前記比較回路及び前記選択回路に出力する。前記比較回路は、自ユニットの受信レベル信号を他のユニットから入力される受信レベル信号と比較し、比較結果に応じた選択指示信号を生成して前記選択回路に出力する。前記選択回路は、前記選択指示信号に基づき、自ユニットの受信信号と他のユニットの受信信号とのうち、レベルの大きい方の受信信号を選択するように切り替え動作を行う。具体的には、選択回路には、自ユニットの復調信号及び受信レベル信号に加えて、他のユニットからの復調信号及び受信レベル信号が入力される。そして選択回路は、自ユニットの受信レベル信号が他のユニットの受信レベル信号よりも大きい場合には、自ユニットの復調信号と受信レベル信号とを選択して出力する一方、自ユニットの受信レベル信号が他のユニットからの受信レベル信号よりも小さい場合には、他ユニットの復調信号と受信レベル信号とを選択して出力する。
【0005】
従って、上記ユニットが少なくとも2つ以上直列に接続されることにより、最終段のユニットから最もレベルの大きい受信信号が出力されることになる。つまり、上記特許文献2に記載された装置の受信機では、空間的に離れた複数の受信アンテナで同時に受信された信号のうち、最もレベルの大きい信号を選択して使用することが可能である。
【特許文献1】特許第3596490号公報
【特許文献2】特許第4041958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献2に記載された装置の受信機は、空間ダイバーシティを実現するために、復調信号生成部と受信レベル信号生成部と比較回路と選択回路とを有するユニットを複数必要とする。そのため、受信機の構成が複雑になってコストが高くなる。
【0007】
構成の簡素化及び低コスト化を図るためには、上記特許文献2に記載の装置の構成を、複数の受信アンテナから伝えられる受信信号のレベルを示す受信レベル信号をそれぞれ生成する複数の受信レベル信号生成部と、複数の受信レベル信号を比較して、比較結果に応じた選択指示信号を生成する単一の比較回路と、前記選択指示信号に基づき最もレベルの大きい受信信号を選択するように切り替え動作を行う単一の選択回路と、前記選択回路にて選択された受信信号を復調する単一の復調信号生成部とを備えるように変更することが考えられる。このように構成すれば、比較回路、選択回路及び復調信号生成部をそれぞれ1つずつ設けるだけで済む。
【0008】
上記構成において、複数の受信アンテナから伝えられる受信信号のレベルを判定するとともに最もレベルの大きい受信信号を選択するように切り替え動作を行うためには、ある程度の時間を要する。しかしながら、一般にタイヤ状態監視装置における送信機は、比較的短いデータフレーム(例えば、時間にして数ms〜数十msの長さ)を所定時間間隔(例えば、1分間隔)で間欠的に送信するように構成されている。そのため、このような短いデータフレームを受信している間に、受信信号のレベルを判定して最もレベルの大きい受信信号を選択するように切り替え動作を行ったとしても、その切り替え動作に要する時間に起因して、現実的にはデータフレームを完全に復調することができず、ビットエラーが発生する結果となる。
【0009】
本発明の目的は、構成の簡素化及び低コスト化を図ることができるとともに、送信機から無線送信される信号を好適に受信することが可能なタイヤ状態監視装置の受信機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本願発明は、車両のタイヤに設けられる送信機から変調波によって送信されるタイヤ状態検知信号を受信する、タイヤ状態監視装置の受信機において、前記変調波を受信する少なくとも2つの受信アンテナと、前記少なくとも2つの受信アンテナから変調波を交互に得るべく、同少なくとも2つの受信アンテナを所定の切替周期で交互に選択する選択部と、前記選択部で得られた変調波を復調して復調信号を生成する復調部と、を備え、前記切替周期は、前記タイヤ状態検知信号における1シンボル分のデータの伝送時間の1/2以下であることを特徴とする。
【0011】
本発明の一態様において、前記切替周期は、前記1シンボル分のデータが伝送される間に各受信アンテナから変調波が少なくとも2回以上得られるように定められる。
本発明の一態様において、前記切替周期は、前記1シンボル分のデータの伝送時間の1/5〜1/8の範囲である。
【0012】
本発明の一態様において、前記少なくとも2つの受信アンテナは、変調前の搬送波の中心周波数の1/4波長に相当する間隔を隔てて配置される。
本発明の一態様において、前記受信機は、前記復調信号をフィルタリングするローパスフィルタをさらに備える。
【0013】
本発明の一態様において、前記各受信アンテナと前記選択部との間には、低雑音増幅回路が設けられる。
【発明の効果】
【0014】
本願発明によれば、構成の簡素化及び低コスト化を図ることができるとともに、送信機から無線送信される信号を好適に受信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明を具体化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、タイヤ状態監視装置は、車両1の4つのホイール2にそれぞれ装着される4つの送信機3と、車両1の車体に設けられる1つの受信機4とを備えている。各送信機3は、タイヤ5の内部に配置されるように、そのタイヤ5が装着されたホイール2に対して固定されている。各送信機3は、対応するタイヤ5の状態(内部空気圧及び内部温度等)を計測して、計測によって得られたタイヤ状態を示すデータを含む信号、即ちタイヤ状態検知信号としてのベースバンド信号を無線電波(変調波)に乗せて送信する。本実施形態では、各送信機3はPCM信号であるベースバンド信号を周波数変調して送信する。周波数変調に用いられる搬送波の中心周波数は例えば315MHzであり、伝送レート(ビットレート)は例えば5kbpsである。変調は例えば2値変調であり、従って伝送レートが5kbpsであればシンボルレートは5kbaudである。
【0016】
なお各送信機3は、タイヤ状態の計測動作を第1の所定時間間隔(例えば、15秒間隔)で定期的に行い、送信動作を前記第1の所定時間間隔よりも長い第2の所定時間間隔(例えば、1分間隔)で定期的に行う。但し、計測されたタイヤ状態が異常を示す場合(例えば、タイヤ5の内部圧力の異常低下、タイヤ5の内部圧力の急変)、送信機3は定期的な送信動作とは関係無く、直ちに送信動作を行う。各送信機3は、1回の送信動作で、比較的短いデータフレーム(例えば、時間にして数ms〜数十msの長さ)を1回送信する、或いは複数回連続して送信する。
【0017】
前記受信機4は、車体の所定箇所に設置され、例えば車両1のバッテリ6からの電力によって動作する。受信機4は2つの受信アンテナ11、すなわち第1受信アンテナ及び第2受信アンテナを備えている。受信機4は、各送信機3から送信された信号をそれらの受信アンテナ11を通じて受信して、その受信信号を処理する。受信機4に接続された表示器7は、車室内等、車両1の運転者の視認範囲に配置され、受信機4による処理結果を表示する。
【0018】
図2に示すように、前記受信機4は、受信部10と制御部20とを備えている。受信部10は、前記2つの受信アンテナ11と、選択回路(切替スイッチ)12と、バンドパスフィルタ(BPF)13と、増幅回路14と、検波回路15と、復調回路16と、ローパスフィルタ(LPF)17と、波形成形回路18と、発振回路19とを備えている。
【0019】
前記2つの受信アンテナ11は、前記各送信機3からの信号の送信に用いられる搬送波の中心周波数の1/4波長に相当する間隔を隔てて配置されるのが好ましい。例えば、搬送波の中心周波数が315MHzである場合、2つの受信アンテナ11は24cmの間隔を隔てて配置される。
【0020】
選択部としての前記選択回路12は、前記2つの受信アンテナ11を交互に選択するように、所定の切替周波数(本実施形態では、37kHz)で、言い換えれば所定の切替周期(本実施形態では、27μs)で切り替え動作を行う。前記発振回路19は、前記選択回路12に対して前記所定の切替周波数を有する矩形波状の切替信号を供給して、同選択回路12に切り替え動作を行わせる。
【0021】
前記バンドパスフィルタ13は、各受信アンテナ11から伝えられる受信信号(変調波)の周波数成分からノイズ成分を除去すべく、所定の周波数域の受信信号の通過のみを許容する。前記増幅回路14は低雑音増幅回路(LNA)よりなり、前記バンドパスフィルタ13を通過した変調波を増幅して検波回路15に出力する。前記検波回路15は増幅回路14から入力された変調波を電圧信号に変換する。検波回路15はRSSI回路15aを有しており、同RSSI回路15aは受信信号の強度を検出してRSSI電圧を制御部20に出力する。前記復調回路16は、検波回路15から入力された電圧信号を復調して、復調信号としてのベースバンド信号に変換する。検波回路15及び復調回路16は、変調波を復調して復調信号を生成する復調部として機能する。前記ローパスフィルタ17は、復調回路16から入力された復調信号に重畳している高周波ノイズ成分を除去する。前記波形成形回路18は、ローパスフィルタ17から入力された復調信号の波形を成形する。
【0022】
前記制御部20は、CPU、ROM及びRAMを含むマイクロコンピュータ等よりなり、受信機4全体の動作を制御する。制御部20は、波形成形回路18から入力される復調信号に基づいて発信元の送信機3に対応するタイヤ5の状態を把握し、タイヤ状態に関する情報を必要に応じて前記表示器7に表示させる。また制御部20は、前記選択回路12に対して前記切替信号を供給するよう前記発振回路19を制御する。
【0023】
次に、前記受信機4にて実行される受信信号の処理態様について、図3を参照して説明する。
図3には、2つの受信アンテナ11での受信信号(言い換えれば、送信機3からの送信信号を搬送する変調波)と、その受信信号に含まれるビットデータ列と、発振回路19から選択回路12に入力される切替信号と、選択回路12からの出力信号と、検波回路15からの出力信号と、ローパスフィルタ17からの出力信号とを示す。なお、変調方式は2値周波数変調であり、搬送波の中心周波数は315MHzであり、伝送レートは5kbps(つまり、シンボルレートは5kbaud)である。また、切替信号の切替周波数は37kHzである、つまり切替信号の切替周期は27μsである。
【0024】
図3において、2つの受信アンテナ11のうちの一方を第1受信アンテナAとし、他方を第2受信アンテナBとする。各受信アンテナA,Bでの受信信号に関し、幅が大きいほど電波受信レベルが大きいことを示す。幅が殆どゼロの箇所はヌルポイントに相当する。受信信号に含まれるビットデータ列に関し、200μsは1ビット分のデータの伝送時間(つまり、1シンボル分のデータの伝送時間)に相当する。
【0025】
選択回路12は、切替信号が立ち上がっているときには第1受信アンテナAを選択し、切替信号が立ち下がっているときには第2受信アンテナBを選択する。従って、選択回路12は、第1受信アンテナAと第2受信アンテナBとを13.5μs毎に交互に選択して、第1受信アンテナAでの受信信号と第2受信アンテナBでの受信信号とを13.5μs毎に交互に出力する。そのため、図3に示すように、200μsの伝送時間に相当する1ビット分のデータ(1シンボル分のデータ)について、第1受信アンテナAでの受信信号(受信電波)と第2受信アンテナBでの受信信号(受信電波)とが13.5μs毎に交互に取り出されることになる。
【0026】
なお、一方の受信アンテナ11での受信信号がヌルポイントに相当している状態で、その一方の受信アンテナ11が選択されたときには、同一方の受信アンテナ11での受信信号は実質的に取り出せない。しかし、一方の受信アンテナ11での受信信号が復調不能なほど低レベルの状態であるときに、他方の受信アンテナ11での受信信号も復調不能なほど低レベルの状態になることは少なく、ましてやそのような状態が1シンボル分のデータ
の伝送時間の全てに亘って継続することはほとんどない。
【0027】
選択回路12からの出力信号に応じて、検波回路15では図3に示されるような出力信号が得られる。この検波回路15の出力信号を復調回路16にて復調した後にローパスフィルタ17でフィルタリングすることによって、図3の最下段に示されるような1ビット毎のベースバンド信号が得られる。
【0028】
以上詳述した本実施形態は、下記の利点を有する。
(1) 受信機4は、各送信機3からの変調波(送信信号)を受信する2つの受信アンテナ11と、前記2つの受信アンテナ11から変調波を交互に得るべく、その2つの受信アンテナ11を所定の切替周期で交互に選択する選択回路12と、前記選択回路12で得られた変調波を復調して復調信号を生成する復調部(15,16)と、を備えている。前記切替周期は27μsであり、送信機3からの送信信号における1シンボル分のデータの伝送時間は200μsである。よって、前記切替周期は、送信機3からの送信信号における1シンボル分のデータの伝送時間の1/7.4である。言い換えれば、前記1シンボル分のデータが伝送される間に、2つの受信アンテナ11から変調波が少なくとも7回ずつ交互に得られる。このように構成すれば、2つの受信アンテナ11から交互に得られた断続的な変調波に基づき、送信機3からの送信信号における各ビットデータを好適に復調することができる。
【0029】
しかも、選択回路12は単に、2つの受信アンテナ11を所定の切替周期で交互に選択するように切り替え動作するだけであるので、受信信号のレベルを判定して最もレベルの大きい受信信号を選択するように切り替え動作を行う従来のダイバーシティ方式の装置と比較して、構成及び制御の面において非常に単純である。よって、受信機4の構成の簡素化及び低コスト化を図ることができる。
【0030】
(2) 2つの受信アンテナ11は、各送信機3からの信号の送信に用いられる搬送波の中心周波数の1/4波長に相当する間隔を隔てて配置される。このようにすれば、2つの受信アンテナ11から異なるパターンの信号が得られ易く、2つの受信アンテナ11での受信信号が共に復調不能なほど低レベルの状態になるという事態が極力回避される。
【0031】
なお、上記第1実施形態は以下のように変更することも可能である。
・前記切替周期は、ナイキスト定理(サンプリング定理)により、送信機3からの送信信号における1シンボル分のデータの伝送時間の1/2以下に設定されればよい。言い換えれば、前記切替周波数(Hz)は、送信機3からの送信信号のシンボルレート(baud)の2倍以上に設定されればよい。さらに言い換えれば、前記切替周期は、前記1シンボル分のデータが伝送される間に各受信アンテナ11から変調波が少なくとも2回以上得られるように定められればよい。このようにしても、2つの受信アンテナ11から交互に得られた断続的な変調波に基づき、送信機3からの送信信号における各ビットデータを好適に復調することができる。なお、前記切替周期は、前記1シンボル分のデータの伝送時間の1/5〜1/8の範囲であるのがより好ましい。
【0032】
・図3に一点鎖線で示すように、低雑音増幅回路(LNA)30を各受信アンテナ11と選択回路12との間に設けても良い。このようにすれば、上記実施形態と比較して、信号の伝送損失を減少させることができる。なおこの構成を採用した場合、増幅回路14を省略してもよい。
【0033】
・受信アンテナ11の数をn(nは3以上の整数)以上としてもよい。この場合、n個の受信アンテナ11を順次切り替えるのに要する時間を切替周期として、その切替周期を1シンボル分のデータの伝送時間の1/2以下に設定すればよい。
【0034】
・変調方式は2値周波数変調に限定されず、例えば位相変調であってもよいし、多値変調であってもよい。
上記実施形態から把握される技術的思想について、以下に記載する。
【0035】
(1) 車両のタイヤに設けられる送信機から変調波によって送信されるタイヤ状態検知信号を受信する、タイヤ状態監視装置の受信機において、
前記変調波を受信する少なくとも2つの受信アンテナと、
前記少なくとも2つの受信アンテナから変調波を交互に得るべく、同少なくとも2つの受信アンテナを所定の切替周波数で交互に選択する選択部と、
前記選択部で得られた変調波を復調して復調信号を生成する復調部と、を備え、
前記切替周波数(Hz)は、前記タイヤ状態検知信号のシンボルレート(baud)の2倍以上であることを特徴とするタイヤ状態監視装置の受信機。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態に係るタイヤ状態監視装置が搭載された車両を示す概略構成図。
【図2】図1のタイヤ状態監視装置における受信機のブロック図。
【図3】図2の受信機にて実行される受信信号の処理態様を示すタイムチャート。
【図4】タイヤの回転角度と受信機での電波受信レベルとの関係を例示するグラフ。
【符号の説明】
【0037】
1…車両、3…送信機、4…受信機、5…タイヤ、11…受信アンテナ、12…選択回路(選択部)、15…検波回路(復調部)、16…復調回路(復調部)、17…ローパスフィルタ、30…低雑音増幅回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のタイヤに設けられる送信機から変調波によって送信されるタイヤ状態検知信号を受信する、タイヤ状態監視装置の受信機において、
前記変調波を受信する少なくとも2つの受信アンテナと、
前記少なくとも2つの受信アンテナから変調波を交互に得るべく、同少なくとも2つの受信アンテナを所定の切替周期で交互に選択する選択部と、
前記選択部で得られた変調波を復調して復調信号を生成する復調部と、を備え、
前記切替周期は、前記タイヤ状態検知信号における1シンボル分のデータの伝送時間の1/2以下であることを特徴とするタイヤ状態監視装置の受信機。
【請求項2】
前記切替周期は、前記1シンボル分のデータが伝送される間に各受信アンテナから変調波が少なくとも2回以上得られるように定められる請求項1に記載の受信機。
【請求項3】
前記切替周期は、前記1シンボル分のデータの伝送時間の1/5〜1/8の範囲である請求項1又は2に記載の受信機。
【請求項4】
前記少なくとも2つの受信アンテナは、変調前の搬送波の中心周波数の1/4波長に相当する間隔を隔てて配置される請求項1〜3の何れか一項に記載の受信機。
【請求項5】
前記復調信号をフィルタリングするローパスフィルタをさらに備える請求項1〜4の何れか一項に記載の受信機。
【請求項6】
前記各受信アンテナと前記選択部との間には、低雑音増幅回路が設けられる請求項1〜5の何れか一項に記載の受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−112818(P2010−112818A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−285193(P2008−285193)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(000204033)太平洋工業株式会社 (143)
【出願人】(501383440)有限会社アイ・アール・ティー (10)
【Fターム(参考)】