説明

タッチスクリーンパネル

【課題】タッチスクリーンパネルの透明基板とウインドーとを一体化することにより、薄型化されたタッチスクリーンパネルを提供すること。
【解決手段】タッチスクリーンパネルは、透明基板10と、上記透明基板10の一面に形成される感知パターン12・14と、上記感知パターン12・14をカバーするように形成された絶縁層とを有し、上記透明基板は、上記感知パターンが形成された一面が表示パネル方向に配置され、他面が接触物体が接触する方向に配置されてウインドーと一体となって実現され、上記透明基板以外の基板を有しないものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像表示装置などに用いられるタッチスクリーンパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチスクリーンパネルは、映像表示装置などの画面に表示された指示の内容を人の手又は例えばスタイラスペンのような物体で選択してユーザの命令を入力できるようにした入力装置である。そのために、タッチスクリーンパネルは映像表示装置の前面(front face)に設けられ、人の手又は物体が直接接触した接触位置を電気的信号に変換する。これにより、接触位置で選択された指示の内容が入力信号として受け付けられる。
【0003】
このようなタッチスクリーンパネルは、キーボード及びマウスのように映像表示装置に連結されて動作する別途の入力装置の代わりに用いることが出来るため、その利用範囲は次第に広がっている傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】大韓民国特許公開第2006−0133035号明細書
【特許文献2】大韓民国特許公開第2008−0043414号明細書
【特許文献3】大韓民国特許公開第2008−0019125号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、タッチスクリーンパネルが映像表示装置のパネル上部に積層して設けられると、表示装置全体の体積が大きくなり、携帯性が低下するなどの問題があった。従って、薄型化されたタッチスクリーンパネルの開発が要求されている。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、薄型化されたタッチスクリーンパネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、透明基板と、上記透明基板の一面に形成される感知パターンと、上記感知パターンをカバーするように形成された絶縁層とを有し、上記透明基板は、上記感知パターンが形成された一面が表示パネル方向に配置され、他面が接触物体が接触する方向に配置されてウインドーと一体となって実現され、上記透明基板以外の基板を有しないことを特徴とするタッチスクリーンパネルが提供される。
【0008】
また、上記絶縁層との間に第1接着層を介在し、上記絶縁層に対向するように形成された接地電極層を更に含んでもよい。
【0009】
また、上記第1接着層と上記接地電極層との間に形成された緩衝フィルムを更に含んでもよい。
【0010】
また、上記緩衝フィルムは、PETを含むポリマー材質で形成されてもよい。
【0011】
また、上記透明基板の他面に形成された第2接着層と、上記第2接着層上に形成されたアイコンシートを更に含んでもよい。
【0012】
また、上記アイコンシートは、緩衝フィルム材質で形成されてもよい。
【0013】
また、上記感知パターンは互いに異なるレイヤに形成されたX感知パターン及びY感知パターンを含んでもよい。
【0014】
また、上記X感知パターンは第1方向に互いに連結されるようにパターニングされ、上記Y感知パターンは上記第1方向と交差する第2方向に互いに連結されるようにパターニングされてもよい。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、薄型化されたタッチスクリーンパネルを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係るタッチスクリーンパネルを概略的に示す平面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るタッチスクリーンパネルの要部断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係るタッチスクリーンパネルの要部断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係るタッチスクリーンパネルの要部断面図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係るタッチスクリーンパネルの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
まず、図1を参照しながら本発明の一実施形態に係るタッチスクリーンパネルの概略を説明する。図1は、本発明の実施形態に係るタッチスクリーンパネルを概略的に示す平面図である。
【0019】
図1を参照すれば、本発明の実施形態に係るタッチスクリーンパネルは、透明基板10上に形成された多数の感知パターン12、14と、感知パターン12、14を位置検出ライン(図示せず)と連結する金属パターン15と、感知パターン12、14をカバーするように形成された絶縁層16とを主に含む。
【0020】
感知パターン12、14は互いに交互に配置され、X座標が同じ1つの列又はY座標が同じ1つの行単位で互いに連結されるように形成されたX感知パターン12及びY感知パターン14を含む。
【0021】
例えば、X感知パターン12は第1方向(列方向)に沿ってX座標が同じ1つの列に配置された感知パターン同士で互いに連結されるように形成された多数のXパターンで構成され得る。そして、Y感知パターン14は第2方向(行方向)に沿ってY座標が同じ1つの行に配置された感知パターン同士で互いに連結されるように形成された多数のYパターンで構成され得る。
【0022】
このようなX及びY感知パターン12、14は図示していない別途の絶縁層を間に挟んで互いに異なるレイヤに形成されることができる。この場合、パターニング段階からX感知パターン12を第1方向に互いに連結されるようにパターニングし、Y感知パターン14を第2方向に互いに連結されるようにパターニングすることができる。これにより、別途のコンタクトホール及び連結パターンを形成する過程を省略でき、マスク数が低減され、工程が単純化する。
【0023】
但し、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、X及びY感知パターン12、14は同一レイヤに形成されることができる。この場合、X及びY感知パターン12、14のいずれか一種類の感知パターンはパターニング段階で第1又は第2方向に連結されるように形成され、残りの感知パターンはコンタクトホール及び連結パターン形成段階で第1又は第2方向に連結され得る。
【0024】
金属パターン15は、X及びY感知パターン12、14が形成される領域の縁部領域に配置され、X及びY感知パターン12、14を図示していない位置検出ラインと連結する。更に具体的には、金属パターン15は1つの列又は行単位のX及びY感知パターン12、14をそれぞれの位置検出ラインと電気的に連結して駆動回路などに接触位置検出信号が供給されるようにする。
【0025】
絶縁層16は、感知パターン12、14をカバーする透明絶縁物質で構成される。
【0026】
このようなタッチスクリーンパネルは静電容量方式のタッチスクリーンパネルであって、人の手又はスタイラスペンなどのような接触物が接触すると、感知パターン12、14から金属パターン15及び位置検出ラインを経由して駆動回路側に接触位置に応じた静電容量の変化が伝達される。そして、X及びY入力処理回路(図示せず)などにより静電容量の変化が電気的信号に変換されることにより接触位置が把握される。
【0027】
但し、本発明において感知パターン12、14は、表示パネル(図示せず)方向に配置される。即ち、表示パネルがタッチスクリーンパネルの下部に位置し、接触面がタッチスクリーンパネルの上部面であると仮定すると、感知パターン12、14は透明基板10の下部面に形成される。そして、透明基板10の上部面は人の手又はスタイラスペンなどのような接触物が接触する接触面であって、透明基板10は表示装置のウインドーとしても機能する。
【0028】
即ち、本発明の一実施形態に係るタッチスクリーンパネルは、タッチスクリーンパネルの上部基板を保護するために積層される別途のウインドーを備えることなく、タッチスクリーンパネルの透明基板とウインドーを一体として実現する。これにより、薄型化されたタッチスクリーンパネルを実現するのはもちろん、製造工程の簡素化と材料費の低減などを通じて製造効率を向上させることもできる。
【0029】
次に、図2を用いて本発明の第1の実施形態に係るタッチスクリーンパネルの断面構造について説明をする。図2は、本発明の第1の実施形態に係るタッチスクリーンパネルの要部断面図である。
【0030】
図2を参照すれば、本発明の第1の実施形態に係るタッチスクリーンパネルは、透明基板10の一面に順次形成された感知パターン12、14、第2絶縁層16、第1接着層18及び接地電極層20を主に含む。
【0031】
ここで、感知パターン12、14、第2絶縁層16、第1接着層18及び接地電極層20が形成される透明基板10の一面は、表示パネル方向の一面、例えば、下部面である。そして、透明基板10の他面は接触物体1が接触する方向に配置される。即ち、透明基板10はウインドーと一体となるように実現される。
【0032】
このような透明基板10は代表的にはガラスなどの材質で形成されることができる。しかしながら、ガラスでない他の透明性基板材質で実現されることもできるのはもちろんである。ここで、透明とは、100%透明であることはもちろん、高い光透過率を有する程度に透明であることを包括的に意味する。
【0033】
感知パターン12、14は、透明材質の第1絶縁層13を間に挟んで互いに異なるレイヤに交互に配置される。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、感知パターン12、14は同じレイヤに配置されることもできる。このような感知パターン12、14は、タッチスクリーンパネルの下部に配置される表示パネルから放出される光がタッチスクリーンパネルを透過できるようにITOのような透明電極物質で形成される。このような感知パターン12、14は、透明材質の第2絶縁層16によりカバーされる。
【0034】
第1接着層18は、第2絶縁層16と接地電極層20との間に形成され、これらを互いに接着させる。このような第1接着層18は、光透過率の高い透明性接着材料からなる。例えば、第1接着層18は、SVR(Super View Resin)又はOCA(Optical Cleared Adhesive)などからなることができる。
【0035】
接地電極層20はITOのような透明電極物質で形成され、第1接着層18を間に挟んで第2絶縁層16と対向するように形成される。このような接地電極層20は、タッチスクリーンパネルと表示パネルなどの間で安全性を確保する際に利用され得る。また、接地電極層20はタッチスクリーンパネルの設計方式によっては感知パターン12、14と静電容量を形成する際にも利用され得る。即ち、静電容量方式のタッチスクリーンパネルにおいて、接触位置を感知するためにX及びY感知パターン12、14と接地電極層20との間の静電容量が利用され得る。
【0036】
一方、接地電極層20はタッチスクリーンパネル内に備えられず、タッチスクリーンパネルと結合される表示パネルの表面に備えられることもできる。前述したように構成される本発明の第1の実施形態に係るタッチスクリーンパネルによれば、タッチスクリーンパネルの透明基板10とウインドーが一体となって実現される。
【0037】
次に、図3を用いて本発明の第2の実施形態に係るタッチスクリーンパネルの断面構造について説明をする。図3は、本発明の第2実施形態に係るタッチスクリーンパネルの要部断面図である。図3において、図2と同じ構成要素には同一符号を付し、これについての詳細な説明は省略する。
【0038】
図3を参照すれば、本発明の第2実施形態に係るタッチスクリーンパネルは、第2絶縁層16の下部に形成された緩衝フィルム19を更に含む。更に具体的には、緩衝フィルム19は第1接着層18の下部面(表示パネル方向の面)に形成されてタッチスクリーンパネルに付着され、第1接着層18と接地電極層20との間に形成される。
【0039】
緩衝フィルム19は、例えばPETなどのようなポリマー材質で形成され、飛散を防止するなど、タッチスクリーンパネルの耐久性を向上させる。また、緩衝フィルム19はタッチスクリーンパネルの感度を高める機能も有する。
【0040】
更に具体的には、緩衝フィルム19を設けることによって、感知パターン12、14と接地電極層20との間の隔離距離が増加してこれらの間に形成される静電容量が減少する。これにより、同じ程度の接触に対しても更に敏感に反応するようになるので、高感度のタッチスクリーンパネルが実現され得る。
【0041】
次に、図4を用いて本発明の第3の実施形態に係るタッチスクリーンパネルの断面構造について説明をする。図4は、本発明の第3実施形態に係るタッチスクリーンパネルの要部断面図である。図4において、図2と同じ構成要素には同一符号を付し、これについての詳細な説明は省略する。
【0042】
図4を参照すれば、本発明の第3実施形態に係るタッチスクリーンパネルは、透明基板10の他面、即ち、接触面側に形成された第2接着層22と、第2接着層22上に形成されたアイコンシート24とを更に含む。
【0043】
第2接着層22は、光透過率が高いSVR又はOCAなどの透明性接着材料からなるものであって、アイコンシート24を透明基板10に付着させる。
【0044】
アイコンシート24は、タッチスクリーンパネルの表面に位置し、ロゴ及び枠装飾などの印刷が容易な材質で形成される。また、アイコンシート24は、PETなどのようなポリマー材質で形成されることができる。即ち、アイコンシート24は、緩衝フィルム材質で形成されて飛散を防止するなど、タッチスクリーンパネルの耐久性の向上に貢献できる。
【0045】
このような本発明の第3実施形態に係るタッチスクリーンパネルによれば、タッチスクリーンパネルの上部にアイコンシート24を付着することにより、印刷工程が容易であり、耐久性が向上したタッチスクリーンパネルを実現できる。一方、図3の緩衝フィルム19と図4のアイコンシート24のうち必ずいずれか1つだけがタッチスクリーンパネルに選択的に備えられるわけではない。例えば、図5に示すように、タッチスクリーンパネルに下部の緩衝フィルム19と上部のアイコンシート24が両方とも備えられることもできる。図5に示したような本発明の第4実施形態に係るタッチスクリーンパネルによれば、耐久性及び感度が向上し、印刷工程が容易なタッチスクリーンパネルを実現できる。
【0046】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0047】
例えば、上記実施形態において、1つの構成要素が他の構成要素と「接触している」ということはそれがその他の構成要素と直接接触するもののみならず、1つ以上の要素を2つの間に介在させて間接的に接触しているものも本発明の技術的範囲に属する。また、ある要素が他の要素に「結合されている」ということは、それがその他の要素に直接的に連結されているもののみならず、1つ以上の要素を2つの間に介在させて間接的に連結されているものも本発明の技術的範囲に属することは明らかである。
【符号の説明】
【0048】
10 透明基板
12、14 感知パターン
15 金属パターン
16 絶縁層
18 第1接着層
20 接地電極層
19 緩衝フィルム
22 第2接着層
24 アイコンシート



【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板と、
前記透明基板の一面に形成され、接触物体を感知する感知パターンと、
前記感知パターン上に形成された絶縁層と、
を備え、
前記透明基板は、前記感知パターンが形成された一面が表示パネルを積層する方向に配置され、他面は前記接触物体が接触する方向に配置されてウインドーと一体となって実現され、
前記透明基板以外の基板を有しないことを特徴とするタッチスクリーンパネル。
【請求項2】
前記絶縁層上に形成される第1接着層と、
前記第1接着層上に形成され、前記絶縁層に対向するように形成された接地電極層を更に備える、請求項1に記載のタッチスクリーンパネル。
【請求項3】
前記第1接着層と前記接地電極層との間に形成された緩衝フィルムを更に備える、請求項2に記載のタッチスクリーンパネル。
【請求項4】
前記緩衝フィルムは、PETを含むポリマー材質で形成されることを特徴とする請求項3に記載のタッチスクリーンパネル。
【請求項5】
前記透明基板の他面に形成された第2接着層と、
前記第2接着層上に形成されたアイコンシートを更に含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のタッチスクリーンパネル。
【請求項6】
前記アイコンシートは、緩衝フィルム材質で形成されることを特徴とする請求項5に記載のタッチスクリーンパネル。
【請求項7】
前記感知パターンは互いに異なるレイヤに形成されたX感知パターン及びY感知パターンを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のタッチスクリーンパネル。
【請求項8】
前記X感知パターンは第1方向に互いに連結されるようにパターニングされ、前記Y感知パターンは前記第1方向と交差する第2方向に互いに連結されるようにパターニングされることを特徴とする請求項7に記載のタッチスクリーンパネル。



【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【公開番号】特開2012−89164(P2012−89164A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−13141(P2012−13141)
【出願日】平成24年1月25日(2012.1.25)
【分割の表示】特願2009−104055(P2009−104055)の分割
【原出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】