説明

タッチパネル入力操作装置

【課題】操作性を良好にしつつ、コンパクトにまとめ上げることのできるタッチパネル入力操作装置の提供。
【解決手段】入力操作を行う被検出体が接触する操作面を有し、被検出体が操作面と接触した位置を感知して信号を出力する複数のタッチセンサが設けられたタッチパネル部材110と、タッチパネル部材110を収納保持するホルダー140,150とを備えたタッチパネル入力操作装置において、タッチパネル部材110はシート状部材であり、被検出体が接触しない領域となる周縁部110aと、タッチセンサへと信号を送るためのそれぞれの引き出し線とを有し、周縁部110aの一部を折り返し案内する保護壁150aをホルダー150から一体に形成してなることを特徴とするタッチパネル入力装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル入力操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車を代表とする車両などのステアリングホイール近傍に、ステアリングスイッチを配置し、このステアリングスイッチを指で操作して、車両内の電子機器を操作することが広く行われている。例えば特許文献1に記載された入力操作装置は、ユーザからのタッチ操作を受け付けるタッチセンサを備える入力操作装置を車両のステアリングに設け、前記タッチ操作に応じて、例えばカーナビゲーション装置をスクロール表示する操作や、オーディオ装置の音量の設定や選曲などを一覧から選択表示するなどの車載電子機器を操作するタッチパネル操作装置が開示されている。
この際、車両内の電子機器が多様化して操作項目が増えるに連れ、多くの操作押釦スイッチが必要となり、運転中に前方から目を離す時間が長くなる虞があるため、例えば特許文献1のように、タッチパネルでの動作状態を表示する表示画面(ディスプレイ)がダッシュボード上に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005ー96519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1などにおいては、ステアリングホイールのグリップ箇所を握った状態でタッチパネルを指先にて操作するに際し、この操作する指の付け根を基点とし、この基点となるグリップ箇所とほぼ同一平面状あるいはグリップ箇所より上側、すなわち運転手側に配置されたタッチパネルに設けられた複数のタッチセンサ部(検出セル)による縦横の座標の検出領域の所定位置を選択して押圧操作するように構成している。すなわち、特許文献1などにおいては、検出セル101−1ないし101−12を縦横にマトリクス状に配置する都合上、マトリクスセンサ100は通常矩形となり、ステアリングホイール50を構成するステアリングスポーク60上に設置される。このため、マトリクスセンサ100の形状(矩形状からなるマトリクスセンサ100)に合わせてタッチスイッチパネルを形成しなければならず、デザイン上において制約があるとともに、操作性の面においても矩形状からなるエッジ箇所に指先を伸ばしながら操作せざるをえないため、場合によっては操作がしづらいことがある。
【0005】
この点を考慮して、矩形状からなるタッチパネルであるマトリクスセンサ100の角部を除去してエッジ部を削除して全体をコンパクトにしつつ操作性を良好にするという考え方もある。
【0006】
しかしながら、矩形状からなるタッチパネルの角部を除去してエッジ部を取り除いてしまうと、縦横にマトリクス状に配置される検出セル101−1ないし101−12箇所にはそれぞれ導電電極アレイ111,113を設ける必要があるため、タッチパネルの周縁部分に電気的な引き回しができなくなることがあり、これにより単純にエッジ部分をカットすることもできないという問題がある
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題に着目してなされたものであり、タッチパネルの操作性を良好にしつつコンパクトにまとめ上げることのできるタッチパネル入力操作装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は前述した課題を解決するため、請求項1では、入力操作を行う被検出体が接触する操作面を有し、前記被検出体が前記操作面と接触した位置を感知して信号を出力する複数のタッチセンサが設けられたタッチパネル部材と、前記タッチパネル部材を収納保持するホルダーと、を備えたタッチパネル入力操作装置において、前記タッチパネル部材はシート状部材であり、前記被検出体が接触しない領域となる周縁部と、前記タッチセンサへと信号を送るためのそれぞれの引き出し線と、を有し、前記周縁部の一部を折り返し案内する保護壁を前記ホルダーから一体に形成してなることを特徴とするタッチパネル入力操作装置である。
このように構成することにより、シート状部材からなるタッチパネル部材が矩形の形状であったとしても、例えば周縁部のうち四隅を折り返して保持するように設けることによって、折り曲げない場合に対してホルダーの四隅を面取りした形状として全体を形成することができるため、その分タッチパネル入力装置を小型化することができ、それゆえ、ステアリングのハンドル操作部であるグリップ箇所を握った状態でコンパクトに設けられたタッチパネル部材の操作面を指先にて良好に操作することができる。
【0009】
また請求項2では、前記タッチパネル部材の前記周縁部に設けられた前記タッチセンサ箇所を、前記保護壁にて覆ってなることを特徴とするタッチパネル入力操作装置である。
このように構成することにより、シート状部材からなるタッチパネル部材の周縁部がホルダーに設けられた保護壁によって覆うことにより、外部側と接触する虞のある領域が外部側に設けられる他の部品などと接触することを未然に防ぐことができ、タッチセンサ箇所の接触も回避することができ、誤動作を防ぐことができるとともに、シート状部材を保護することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、入力操作を行う被検出体が接触する操作面を有し、前記被検出体が前記操作面と接触した位置を感知して信号を出力する複数のタッチセンサが設けられたタッチパネル部材と、前記タッチパネル部材を収納保持するホルダーと、を備えたタッチパネル入力操作装置において、前記タッチパネル部材はシート状部材であり、前記被検出体が接触しない領域となる周縁部と、前記タッチセンサへと信号を送るためのそれぞれの引き出し線と、を有し、前記周縁部の一部を折り返し案内する保護壁を前記ホルダーから一体に形成してなることを特徴とするタッチパネル入力操作装置であり、シート状部材からなるタッチパネル部材が矩形の形状であったとしても、例えば周縁部のうち四隅を折り返して保持するように設けることによって、折り曲げない場合に対してホルダーの四隅を面取りした形状として全体を形成することができるため、その分タッチパネル入力装置を小型化することができ、それゆえ、ステアリングのハンドル操作部であるグリップ箇所を握った状態でコンパクトに設けられたタッチパネル部材の操作面を指先にて良好に操作することができるものであり、所期の目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るタッチパネル入力操作装置を含むシステムの構成図である。
【図2】タッチパネル入力操作装置が搭載される自動車の車両内の運転席側付近の概要図である。
【図3】図3は、タッチパネル入力操作装置の構成を示す分解斜視図である。
【図4】図4は、タッチパネル入力操作装置を車両のステアリングホイールのグリップ部箇所に設けてなる第1の実施形態における要部の組み付け断面図である。
【図5】図5(a)は、タッチパネル入力操作装置のタッチパネル部材を示す平面図であり、図5(b)はそのタッチパネル部材を示す断面図である。
【図6】図6(a)(b)は、図3の組み付け状態を示す平面図と断面図である。
【図7】図7は、タッチパネル入力操作装置のタッチパネル部材を部分拡大した要部を示す断面図である。
【図8】図8は、第2のシート状部材が有する第1のセンサ列および第2のセンサ列を説明する図である。
【図9】図9は、タッチパネル部材におけるジェスチャー操作と、それに応じて実行される車載電子機器の動作の一例を示した図である。
【図10】図10は、タッチパネル部材におけるジェスチャー操作と、それに応じて実行される車載電子機器の動作の一例を示した図である。
【図11】図11は、タッチパネル部材におけるジェスチャー操作と、それに応じて実行される車載電子機器の動作の一例を示した図である。
【図12】図12は、タッチパネル部材におけるジェスチャー操作と、それに応じて実行される車載電子機器の動作の一例を示した図である。
【図13】図13は、タッチパネル部材におけるジェスチャー操作と、それに応じて実行される車載電子機器の動作の一例を示した図である。
【図14】図14は、タッチパネル入力操作装置におけるタッチパネル部材の左側箇所を押圧操作した状態を示す断面図である。
【図15】図15は、タッチパネル入力操作装置におけるタッチパネル部材の中央部箇所を押圧操作した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明の実施形態に係る入力装置を、添付図面に基づいて説明する。
【0013】
第1の実施形態に係るタッチパネルの入力操作装置としては、図1に示すように、自動車などの車両に搭載されるタッチパネル入力操作装置100である。車両1のユーザ(通常、運転者)が、タッチパネル入力操作装置100を操作すると、制御装置1000は、その操作に応じた各種動作を車載電子機器20に実行させる。
【0014】
(車両1の構成)
車両1は、図2に示すように、ステアリング10と、車載電子機器20と、を備えている。
【0015】
ステアリング10は、車両1の操舵装置の一部であり、本体部11と、ステアリングホイール12と、を備えている。
【0016】
本体部11は、車両1の図示しないステアリングシャフトと接続されるスポーク部であり、右側にタッチパネル入力操作装置100を備える。また、本体部11には、タッチパネル入力操作装置100の形状にあわせた取付孔(図示せず)が形成されている。取付孔にタッチパネル入力操作装置100が取り付けられることにより、タッチパネル入力操作装置100の後述する操作面のみが露出するように配置されている。
【0017】
ステアリングホイール12は、本体部11に取り付けられる、運転者が車両1を操舵する際に握るリング形状のハンドルのグリップ部材である。
【0018】
車載電子機器20は、オーディオ装置、カーナビゲーション装置等であり、後述する制御部200と電気的に接続され、制御部200から受信した制御信号に従って動作するように設けられている。
また、車載電子機器20は、その表示部21の動作に対応した画像を表示する。
【0019】
(制御装置1000の構成)
制御装置1000は、タッチパネル入力操作装置100と、制御部200と、記憶部300と、を備える。
【0020】
タッチパネル入力操作装置100は、図3に示すように、タッチパネル部材110と、タッチパネル部材110を照明表示する照明部120と、スイッチ機構130と、タッチパネル部材110を収容保持するホルダー140,150と、スイッチ機構130を保持するケース体(下側ケース)160とを備えている。
【0021】
タッチパネル部材110は、ユーザが、親指等でその操作面上を所定の軌跡を描くようになぞる操作(以下、ジェスチャー操作と言う)を行った際に、後述する制御部200の制御のもと、親指などが操作面に触れた位置を検出するタッチパッド装置であり、表面カバーとなる透過性の材料からなる第1のシート状部材111と、親指などの被検出体が操作面と接触した位置を検出するためのセンサが前面側に設けられた透過性の材料からなる第2のシート状部材112と、を積層して設けられている。
【0022】
またタッチパネル部材110には、各シート状部材111,112の背後に保護用としての透明な樹脂材料からなるスペーサ113が配置されている。
【0023】
スペーサ113は、第2のシート状部材112の裏面側に位置し、図5(b)に示すように、一体成形された第1のシート状部材111と第2のシート状部材112からなるタッチパネル部材110の形状に合わせて形成され、ユーザ操作によりタッチパネル部材110の表側から押圧が加わった際にこれらの形状を保持する部材である。なお、タッチパネル部材110の強度が充分であればスペーサ113を配置しない場合もある。
【0024】
照明部120は、面光源となる透明な合成樹脂材料からなる導光部材(導光体)121と、この導光部材121の端部に配置されたLEDからなる光源122と、この光源を実装する柔軟性材料からなるフレキシブルプリント配線基板123と、からなり、光源122からの光を導光部材121の端部から入射するように設け、この導光部材121にて面発光した光をタッチパネル部材110の背後から透過照明するようにしている。
【0025】
また、導光部材121による照明効率や均一照明など照明効果を良好に保つために、本実施形態のように、導光部材121の背面側に反射シート124を配置するとともに、導光部材121の表面側に拡散シート125を配置するようにしても良い。
【0026】
本実施形態においては、タッチパネル部材110と照明部120とは、下側ホルダー140と上側ホルダー150とによって固定保持される。
【0027】
この場合、図3,図4,図6(b)などに示すように、下側ホルダー140は、合成樹脂等から形成される枠状の部材であり、その表側に上記のタッチパネル部材110の各部111〜113と、照明部120とが配置されるように設けられている。
【0028】
上側ホルダー150は、タッチパネル部材110と、照明部120とを表側から覆う蓋部であり、第1のシート状部材111の操作面を露出させる開口部を有して、合成樹脂等から形成される。
【0029】
スイッチ機構130は、絶縁性の硬質材料からなる回路基板131と、この回路基板131上に実装される押圧スイッチ(押釦スイッチ)132とから構成されている。この回路基板131を介して車体側へと電源供給を行ったり、タッチパネル部材110からの押圧操作による信号を押圧スイッチ132を介して制御装置200へと伝達したり、あるいは光源122が実装されたフレキシブルプリント配線基板123などを回路基板131を介して電気的に引き回し形成するように設けている。
【0030】
またスイッチ機構130の背後には、合成樹脂製などから形成される平板状の枠部材であるケース体(下ケース)160が設けられ、スイッチ機構130を構成する押圧スイッチ(押釦スイッチ)132を実装した回路基板131がケース体(下ケース)160に収納されて固定保持されている。
【0031】
またタッチパネル部材110を収納保持する下側ホルダー140と上側ホルダー150とにおいて、下側ホルダー140の底面側には、下側ホルダー140とケース体160との間において押圧スイッチ132と下側ホルダー140との間隔を所定の寸法に保つための弾性部材170、この実施形態にあっては弾力性のあるエラストマーが配置されている。この際、弾性部材170は接着テープなどにより、下側ホルダー140に貼り付け固定されている。
【0032】
また押圧スイッチ132が配置される位置から離れた下側ホルダー140の周縁の適所には、ケース体160に対して下側ホルダー140が接近離反するためのストロークを設定するためのストローク設定部180が設けられている。本実施形態におけるストローク設定部180はネジからなる固定部材により形成され、下側ホルダー140に設けられたネジ孔部140aを介してネジからなるストローク設定部180(固定部材)が回し締め固定されている。
【0033】
このようにネジからなるストローク設定部180によってケース体160の上面側と下側ホルダー140の下面側との寸法間隔を設定することにより、ケース体160に対して下側ホルダー140が接近離反するためのストロークが設定される。
【0034】
また下側ホルダー140の底面側には、押圧スイッチ132の周りに押圧スイッチ132の押し釦部分を保護するための保護壁141が回路基板131側に向けて突き出し形成されている。
【0035】
またユーザがタッチパネル入力操作装置100のタッチパネル部材110の操作面を押下する操作(以下、押下操作という)を行うと、スイッチ機構130の押圧スイッチ132は下側ホルダー140によって押され、所定の入力信号が制御部200に送信される。押下操作は、入力操作装置100の操作面に対するジェスチャー操作による制御とは異なる制御を実行させる際になされる。
【0036】
またタッチパネル入力操作装置100に設けられたタッチパネル部材110の一部を構成する表面カバーである第1のシート状部材111は、アクリル樹脂等の透過性を有する絶縁性材料からシート状部材によって形成され、ジェスチャー操作が行われる際に、ユーザの指などが触れる操作面を有する。
【0037】
また第1の実施形態における第1のシート状部材111の操作面は、図4から図7に示すように、凹凸を有し、これによってこの操作面には段差が形成されている。このような操作面は、平面部111a、隆起部111b、窪み部111c、隙間部111dとからなる立体形状部から構成される。
【0038】
平面部111aは、表面カバーである第1のシート状部材111の平面状の部分である。
【0039】
隆起部111bは、図4から図7などに示すように、平面部111aから表側方向に盛り上がるように隆起する部分である。この際、操作面には、その操作面の操作指標となる輪郭部を形成する凹凸からなる隆起部111bとして形成されている。表側から見れば、図5(a)に示すように、円弧状に形成された隆起部111bが、円を略囲むように、所定の間隔をおいて複数配置されていることがわかる。なお、「表側」とは、図3で示すように、入力操作部100に対して図中上側をいい、「裏側」とは、その反対側をいうものとする。
【0040】
窪み部111cは、たとえば図5(b)に示すように、操作面の略中央に位置し、平面部111aから裏側方向に沈むように窪んだ部分であり、図5(a)に示すように、円状に配置された隆起部111bよりも内側に形成されている。
【0041】
隙間部111dは、図5(a)に示すように、円弧状の各隆起部111bの間の部分である。隙間部111dは、平面部111aの一部であるが、後に行う「隆起部を基準としたジェスチャー操作」の説明にあたり、平面部111aとは別の名称とした。
【0042】
平面部111aと隆起部111bと窪み部111cとは、ユーザのジェスチャー操作を妨げることがないように、図4,図6(b),図7(b)などに示すように、その断面形状は、互いになめらかに繋がって形成されている。
【0043】
またタッチパネル部材110に設けられる意匠部Dとしては、図5から図7などに示すように、例えば第1のシート状部材111の操作面の表面側には、隆起部111b位置を除いて黒色などの遮光性を有する地色印刷層D1が施されるとともに、この隆起部111b位置に対応する第1のシート状部材111の操作面の表面側に、例えば白色や青色などの透過性を有する表示色印刷層D2が施されている。
【0044】
第2のシート状部材112は、指等の被検出体の位置を検出するための複数のセンサ1120(透明導電性インクなどからなる検出電極)を有する投影型静電容量方式の透過性を有するシート部材であり、表面カバーである第1のシート状部材111の裏面側に位置する。
【0045】
第2のシート状部材112は、図8に示すように、X方向における被検出体の位置を検出するための第1のセンサ列1120aを有する層と、Y方向における被検出体の位置を検出するための第2のセンサ列1120bを有する層を重ね合わせ概略構成されている。第1のセンサ列1120aと第2のセンサ列1120bが合わさることにより、結果的に、第2のシート状部材112には、タッチセンサ1120がマトリックス状に配置されることになるため、シート状部材からなるタッチパネル部材110の形状としては矩形状に形成されている。
【0046】
また第1のセンサ列1120aと第2のセンサ列1120bは、透明導電性インクなどの透光性のある延伸可能で成型できる素材によって形成され、各々のセンサ列1120a,1120bは、制御部200と電気的に接続されるように構成されている。
【0047】
タッチパネル部材110に設けられる各々のセンサ列1120a,1120bの端部側には、導電性の各端子部Ta,Tbを介してそれぞれの引き出し線w1、w2が引き回し配設され、この引き出し線w1,w2は絶縁性材料からなるフレキシブルなシートに被覆されて外部側へと電気的に引き回し配線されるように設けられている。
【0048】
タッチパネル部材110の表面カバーである第1のシート状部材111に指等の被検出体が触れると、その裏面側に位置するタッチセンサ1120と被検出体との間の静電容量が変化する。制御部200と各センサ1120とは電気的に接続されているので、制御部200は、各センサ1120における静電容量の変化を検出できる。制御部200は、この静電容量の変化に基づいて、被検出体の接触位置を示す入力座標値(X,Y)を算出する。入力座標値は、操作面上に予め設定されている、各センサ1120におけるXY座標系における座標値である。入力座標値は、X方向における静電容量の変化の分布の重心位置(例えば、静電容量が一定の閾値よりも高くかつ最も大きいセンサ1120の位置)に割り当てられているX座標と、Y方向における静電容量の変化の分布の重心位置(例えば、静電容量が一定の閾値よりも高くかつ最も大きいセンサ1120の位置)に割り当てられているY座標と、によって表される。制御部200は、このX座標及びY座標を算出することによって入力座標値(X,Y)を算出する。
【0049】
また本実施形態における第2のシート状部材112は、圧空成型などの絞り加工により第1のシート状部材111と一体成形されることでタッチパネル部材110が形成される(図5(b)参照)。
【0050】
このように一体成形されることで、第1のシート状部材111と第2のシート状部材112とがタッチパネル部材110として、一枚のシート状となり、操作面が有する隆起部111b、窪み部111c等の段差形状は、その一枚のシートの曲がった部分で構成されることになる。
【0051】
また、タッチパネル部材110として一体成形されることで、表面カバーである第1のシート状部材111の裏面と第2のシート状部材112の表面とが当接する。これにより、第1のシート状部材111の段差形状に対応して、タッチセンサ1120が配置されることになる。このようにタッチセンサ1120が配置されているため、隆起部111b等の段差形状を有した操作面上で行われたジェスチャー操作であっても、制御部200は、各センサにおける静電容量の変化を検出できる。
【0052】
また、図1に示すように、制御部200は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、記憶部300に格納されている動作プログラムを実行して、各種の処理や制御を行う。制御部200は、その少なくとも一部が、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の各種専用回路によって構成されてもよい。
【0053】
記憶部300は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等から構成され、制御部200を構成するCPUのワークエリア、CPUが実行する動作プログラムを記憶するプログラムエリア、データエリア等として機能する。
【0054】
プログラムエリアには、車載電子機器制御処理を実行するためのプログラム等の動作プログラムが記憶される。
【0055】
データエリアには、図1に示すように、ジェスチャー辞書G、対応動作データC、ジェスチャー特徴量の所定値である設定値Q、等が予め記憶されている。
【0056】
ジェスチャー辞書Gは、行われているジェスチャー操作を認識するために必要となるデータであり、ジェスチャー操作によって描かれる軌跡の特徴を示す複数のパターンを含む。ジェスチャー操作の特徴を示すパターンは、ジェスチャー特徴量の各成分の組合せから構成されている。本実施形態において、このパターンは、「隆起部を基準としたジェスチャー操作」の特徴を示すパターンである。
【0057】
対応動作データCは、車載電子機器20に所定の動作を実行させる制御信号のデータである。対応動作データCは、複数あり、その各々が、ジェスチャー辞書Gが含む複数のパターンと対応付けられている。例えば、隆起部111bに沿った円弧状のジェスチャー操作の特徴を示すパターンには、車載電子機器20にオーディオ音量の変更を実行させる音量制御信号を送信するコマンドのデータが対応動作データCとして対応付けられて予めデータエリアに記憶されている。
【0058】
設定値Qは、ジェスチャー特徴量の所定値のデータであり、制御信号を車載電子機器20へ送信するトリガーの役割となるデータである。設定値Qは、ジェスチャー辞書Gが含む複数のパターンごとに対応付けられている。つまり、設定値Qは複数ある。ここで、設定値Qとの比較対象として選択されるジェスチャー特徴量は、例えば、複数の入力座標値を、時系列順に直線で繋いだ軌跡における、軌跡の長さである。
【0059】
制御装置1000の動作については、ジェスチャー辞書G、対応動作データC、設定値Q、それぞれの役割について簡潔に述べる。
1)ジェスチャー辞書Gは、行われているジェスチャー操作が、予め定められたどのパターンに属するか(即ち、どのような種類のジェスチャー操作であるか)を認識するために用いられる。
2)対応動作データCは、ジェスチャー辞書Gを基に認識したジェスチャー操作に応じてどのような制御信号を車載電子機器20に送信するか、を判別するために用いられる。
3)設定値Qは、認識されたジェスチャー操作に係るジェスチャー特徴量がどのような値に達したら、対応動作データCに基づく制御信号を送信するか、を判別するために用いられる。
【0060】
なお、記憶部300に格納される各データは、既知のデータ登録手法を用いて、デフォルト値として或いはユーザ自身の操作により適宜格納される。
【0061】
ところで、本願発明の実施形態においては、ステアリング10のハンドル操作部であるグリップ箇所を握った状態でコンパクトに設けられたタッチパネル部材110の操作面を指先にて良好に操作することができるようにするために、シート状部材からなるタッチパネル部材110が矩形の形状であったとしても、そのタッチパネル部材110の周縁部110a箇所である四隅箇所を折り返して保持する保護壁150aが上側ホルダー150の側壁箇所から一体に設けられている。(図3参照)
【0062】
この際、保護壁150aは上側ホルダー150の四隅を面取りした形状として形成されているため、タッチパネル入力操作装置100を小型化することができ、それゆえ、ステアリング10のハンドル操作部であるグリップ箇所を握った状態でコンパクトに設けられたタッチパネル部材110の操作面を指先にて良好に操作することができるように構成している。
【0063】
また上側ホルダー150の形状に合わせて下側ホルダー140とケース体(下ケース)160も同様に四隅を面取りした形状として形成されている。
【0064】
このように構成された本実施形態におけるタッチパネル入力操作装置100では、タッチパネル部材110と照明部120とは、下側ホルダー140と上側ホルダー150との間に挟まれて固定保持されるが、タッチパネル部材110の周縁部110a箇所は上側ホルダー150の四隅箇所に形成された保護壁150aによって外側が覆われるものであり、これにより外部側からの接触、すなわちタッチパネル入力操作装置100をステアリング10に取り付けた際に、ステアリング10に設けられた部品などとの接触を未然に防ぐことができるものであり、タッチパネル部材110の周縁部110aに設けられたタッチセンサ1120箇所も保護することができるものであり、誤動作を防ぐことができるとともに、タッチパネル部材110のシート状部材を保護することができる。
【0065】
なお、タッチパネル部材110の組み付け時において、タッチパネル部材110の周縁部110a箇所を最初から折り曲げ形成しても良いし、組み付け時に周縁部110a箇所を部分的に折り返して組み付けるようにしても良い。
【0066】
また、シート状部材からなるタッチパネル部材110が矩形の形状であったとしても、周縁部110aの四隅を折り返して保持するように設けることによって、折り曲げない場合に対して各ホルダー140,150の四隅を面取りした形状として全体を形成することができるため、その分タッチパネル入力操作装置100を小型化することができ、それゆえ、ステアリング1のハンドル操作部であるグリップ箇所を握った状態でコンパクトに設けられたタッチパネル部材110の操作面を指先にて良好に操作することができる。
【0067】
また本実施形態においてはタッチパネル部材110の四隅箇所の周縁部110aを折り返すようにしていたが、仕様に応じて下側の二隅箇所を折り返すように形成する場合もあり、例えば右手の親指にて操作する際に届きにくい箇所である上側左上の隅部を面取りすることにより、タッチパネル部材110の操作面を指先にて良好に操作することが可能となる。
【0068】
以下、図9から図13を参照して、本実施形態に特有の「隆起部を基準としたジェスチャー操作」とそれに応じて車載電子機器20が押圧スイッチ132の作動によって実行される動作の一例を挙げる。
【0069】
(隆起部を基準としたジェスチャー操作の一例)
<隆起部に沿ったジェスチャー操作OP10>
イグニッションのオンに伴って、動作電力が供給されると、車載電子機器20は、表示部21に、図9に示す初期画面21aを表示する。初期画面21aの状態で、ユーザ(運転者)が、操作面の窪み部111cを隆起部111bに沿って時計回りになぞるジェスチャー操作OP10を行うと、制御部200は、ジェスチャー操作OP10を認識して、認識したジェスチャー操作OP10に対応付けられた音量制御信号を送信する。音量制御信号を受信した車載電子機器20は、初期画面21aを音量操作画面21bに切り替えるとともにジェスチャー操作OP10に応じてオーディオ音量を変更する。このように、ユーザ(運転者)はジェスチャー操作OP10を行って、車載電子機器20のオーディオ音量を変更することができる。
【0070】
この際、ステアリング10のハンドル操作部であるグリップ箇所を握った状態でタッチパネル部材110の操作面を指先にて操作するに際し、指先にてタッチパネル部材110の操作面の感触によって識別することができ、接触操作によってタッチパネル部材110の入力を良好に行うことができる。
【0071】
すなわち、本実施形態におけるタッチパネル部材110の操作面には、タッチセンサ1120の位置を認識可能とする隆起部111b、窪み部111cなどの立体形状部が設けられているため、接触操作によってタッチパネル部材110の入力を良好に行うことができる。
【0072】
またジェスチャー操作OP10において、各ホルダー140,150の四隅を面取りした形状として全体を形成することができるため、その分タッチパネル入力操作装置100を小型化することができ、それゆえ、ステアリング10のハンドル操作部であるグリップ箇所を握った状態でコンパクトに設けられたタッチパネル部材110の操作面を指先にて良好に操作することができる。
【0073】
<外側から内側に隆起部を乗り越えるジェスチャー操作OP20>
図10に示すように、初期画面21aの状態で、タッチパネル入力操作装置100の操作面を、外側から順に、平面部111a、隆起部111b、窪み部111cの順でなぞるジェスチャー操作OP20(本例では、初期画面21aの“AUDIO”に対応した右方向から内側に向かう操作)を行うと、初期画面21aはオーディオ操作画面21cに切り替わる。
【0074】
このようなジェスチャー操作OP20においても、指先にて立体形状部の凹凸の高低差や傾斜などを、外側から順に、平面部111a、隆起部111b、窪み部111cの順でなぞるジェスチャー操作OP20による感触によって確認することが可能となり、接触操作によってタッチパネル部材110の入力を良好に行うことができる。
【0075】
この際、中央になぞってきた窪み部111c箇所にてタッチパネル部材110の操作面を押圧する操作を行うと、スイッチ機構130の押圧スイッチ132は下側ホルダー140によって押され、所定の入力信号が制御部へと送信され、オーディオ操作画面21cに確定される。
【0076】
またジェスチャー操作OP20において、各ホルダー140,150の四隅を面取りした形状として全体を形成することができるため、その分タッチパネル入力操作装置100を小型化することができ、それゆえ、ステアリング10のハンドル操作部であるグリップ箇所を握った状態でコンパクトに設けられたタッチパネル部材110の操作面を指先にて良好に操作することができる。
【0077】
<隙間部を通過するジェスチャー操作OP30>
図11に示すように、オーディオ操作画面21cの状態で、タッチパネル入力操作装置100の操作面を、窪み部111cから隙間部111d(本例では、オーディオ操作画面21cの“Source”に対応した右上の隙間部111d)を通って平面部111aへなぞるジェスチャー操作OP30を行うと、オーディオ操作画面21cは音源選択画面21dに切り替わる。
【0078】
またジェスチャー操作OP30において、各ホルダー140,150の四隅を面取りした形状として全体を形成することができるため、その分タッチパネル入力操作装置100を小型化することができ、それゆえ、ステアリング10のハンドル操作部であるグリップ箇所を握った状態でコンパクトに設けられたタッチパネル部材110の操作面を指先にて良好に操作することができる。
【0079】
<内側から外側に隆起部を乗り越えるジェスチャー操作OP40>
図12に示すように、オーディオ操作画面21cの状態で、タッチパネル入力操作装置100の操作面を、内側から順に、窪み部111c、隆起部111b、平面部111aの順でなぞるジェスチャー操作OP40(本例では、オーディオ操作画面21cの“Search”に対応した右側の隆起部111bを乗り越える操作)を行うと、オーディオ操作画面21cは楽曲サーチ画面21eに切り替わる。
【0080】
このようなジェスチャー操作においては、指先の先端側にて立体形状部の凹凸の高低差や傾斜などを、内側から順に、窪み部111c、隆起部111b、平面部111aの順でなぞるジェスチャー操作OP40による感触によって確認することが可能となるとともに、誤操作・誤入力の問題を未然に解決することができ、タッチパネル部材110の操作を良好に行うことができるものであり、その後、隆起部111b箇所にてタッチパネル部材110の操作面を押圧する操作を行うと、スイッチ機構130の押圧スイッチ132は下側ホルダー140によって押され、所定の入力信号が制御部200へと送信され、楽曲サーチ画面21eに確定される。
【0081】
またジェスチャー操作OP40において、各ホルダー140,150の四隅を面取りした形状として全体を形成することができるため、その分タッチパネル入力操作装置100を小型化することができ、それゆえ、ステアリング10のハンドル操作部であるグリップ箇所を握った状態でコンパクトに設けられたタッチパネル部材110の操作面を指先にて良好に操作することができる。
【0082】
<窪み部内でのジェスチャー操作OP50>
図13に示すように、楽曲サーチ画面21eの状態において、窪み部111cから隆起部111bに向かって小さくスライドさせるジェスチャー操作OP50を行うと、所定のカーソルがそのスライド方向に対応して動き、所望の楽曲を選択表示することができる。
【0083】
また前述したように、この選択表示された楽曲は、スイッチ機構130が受け付けた入力確定操作により、再生される。
【0084】
すなわち、選択表示した所望の楽曲は、タッチパネル入力操作装置100のタッチパネル部材110の操作面を押下する操作(以下、押下操作という)を行うと、スイッチ機構130の押圧スイッチ132は下側ホルダー140によって押され、所定の入力信号が制御部200に送信される。
【0085】
押下操作は、入力操作装置100の操作面に対するジェスチャー操作による制御とは異なる制御を実行させる際になされるものであり、前述したOP20、OP30,OP40なども同様にして、タッチパネル部材110の操作面を押圧する操作を行うと、スイッチ機構130の押圧スイッチ132は下側ホルダー140によって押され、所定の入力信号が制御部200へと送信され、確定される。
【0086】
このように本実施形態におけるタッチパネル入力操作装置100においては、それぞれのジェスチャー操作OP10〜OP50に加え、タッチパネル入力操作装置100のタッチパネル部材110の操作面を押下する操作を行うと、ストローク設定部180によりケース体160は抜け止め保持されるとともに、このネジからなる固定部材のねじ込み位置によってケース体160の上面側と下側ホルダー140の下面側との寸法間隔が設定され、これによりケース体160に対して下側ホルダー140が接近離反するためのストロークが設定されるものであり、タッチパネル部材110の操作面を指先にて押圧操作するに際し、下側ホルダー140に設けたストローク設定部180をケース体160に設けた挿通孔161に沿って案内ガイドすることができ、押圧操作を良好に行うことができる。
【0087】
また、図14においては、指先にて押圧操作するタッチパネル部材110の操作面箇所がタッチパネル部材110の中央から外れた左側を押圧操作された場合を示し、左側に位置した隆起部箇所111b箇所が押圧操作における梃子の原理で言う力点(E)に相当し、押圧スイッチ132を押圧操作する下側ホルダー140箇所が梃子の原理で言う作用点(L)に相当し、下側ホルダー140の右側に位置したネジからなるストローク設定部180(ネジによる固定部材)を支点(F)としてタッチパネル部材110が押圧操作されるものである。
【0088】
また、タッチパネル部材110の中央部(窪み部111c)箇所を押圧操作するようにした場合、図15に示されるように、タッチパネル部材110の窪み部111c箇所が押圧操作における力点(E)となり、その押圧方向に真下に位置した押圧スイッチ132を押圧する下側ホルダー140箇所が作用点(L)となる。従って、タッチパネル部材110の中央部(窪み部111c)箇所を押圧作動するようにした場合では、下ケース体1160を基準として下側ホルダー140がそのまま平行状態にして押下操作されるものであり、下側ホルダー140に設けられたストローク設定部180であるネジによる固定部材181は下ケース体160に設けられた挿通孔161箇所をガイドとして押下操作される。
【0089】
この押下操作に伴い、押圧スイッチ132の釦部箇所が下側ホルダー140に押圧されて所定の入力信号が制御部200へと送信され、確定される。
【0090】
また押圧操作を開放すると、それぞれの弾性部材170を介して押圧していた下側ホルダー140が開放され、弾性部材への押圧力が解き放されることにより下側ホルダー140が元の位置に復帰する。
【0091】
このようにタッチパネル部材110に設けられた操作面の全ての領域、すなわち指先にて押圧操作するタッチパネル部材110に設けられた操作面の全ての箇所が押圧操作における力点(E)となり、押圧スイッチ132を下側ホルダー140を介して押圧作動することができ、これによりタッチパネル部材110の入力操作を良好に行うことができるものであり、操作面の押圧する位置を選ぶことなく押圧操作が可能となるものであり、押圧スイッチ132の作動を安定的に行うことができる。
【0092】
従って、タッチパネル部材110に設けられた操作面の中央部を除く領域においては、押圧操作における梃子の原理で言う力点(E)に相当し、押圧スイッチ132を押圧操作する下側ホルダー140箇所が梃子の原理で言う作用点(L)に相当する。この際、ストローク設定部180は、タッチパネル部材110の押圧方向に移動可能であり、かつストローク設定部180の少なくとも1点が押圧方向に移動する時、ストローク設定部180の1点以外のストローク設定部180の少なくとも1点は、梃子の支点(F)となるように設けられているため、タッチパネル部材110に設けられた操作面の領域において、押圧スイッチ132を下側ホルダー140を介して押圧作動することができ、これによりタッチパネル部材110の入力操作を良好に行うことができるものであり、操作面の押圧する位置を選ぶことなく押圧操作が可能となるものであり、押圧スイッチ132の作動を安定的に行うことができる。
【0093】
また、タッチパネル部材110の凹凸形状は、圧空成型などの絞り加工によって成型してなることにより、製作が容易でしかもタッチパネル部材110の内部側にて電極部が設けられたタッチセンサ1120を配置することによってタッチセンサ1120を密封することができ、保護することができる。
【0094】
また、タッチパネル部材110の周縁部110a箇所を最初から折り曲げ形成する場合にあっては、タッチパネル部材110の凹凸形状を圧空成型などの絞り加工を行う際に同時に行うようにしても良い。
【0095】
なお、本実施形態においては、タッチパネル部材110の四隅箇所の周縁部110aを折り返すようにしていたが、例えば組み付け時において折り返す際に周縁部箇所の折り返し量が長い場合にあっては、下側ホルダー140の底面へと沿うように180度折り返して保護するようにしても良いものである。
【0096】
また、前述した実施形態にあっては、第2のシート状部材112は、指等の被検出体の位置を検出するための複数のセンサ1120(透明導電性インクなどからなる検出電極)を有する投影型静電容量方式を採用したが、表面型静電容量方式であっても良いし、抵抗膜方式などであっても良い。この場合においても、第2のシートパネル部材112を操作面を有する第1のシート状部材111と一体的に形成すれば良い。
【産業上の利用可能性】
【0097】
前述した実施形態にあっては、タッチパネル入力操作装置100を搭載した乗り物の一例として自動車などの車両を例にして説明したが、これに限られるものでなく船舶あるいは農業機械などに搭載することも可能である。
【符号の説明】
【0098】
1…車両
10…ステアリング
11…本体部
12…ステアリングホイール
1000…制御装置
100…タッチパネル入力操作装置
110…タッチパネル部材
110a…周縁部
111…第1のシート状部材(表面カバー)
111a…平面部
111b…隆起部
111c…窪み部
111d…隙間部
112…第2のシート状部材
1120…タッチセンサ
1120a…第1のセンサ列
1120b…第2のセンサ列
Ta,Tb…端子部
w1,w2…引き出し線
113…スペーサ
120…照明部
121…導光部材
122…光源(LED)
123…フレキシブルプリント配線基板
124…反射シート
125…拡散シート
130…スイッチ機構
131…回路基板
132…押釦スイッチ
140…下側ホルダー
140a…ネジ孔部
141…保護壁
150…上側ホルダー
150a…保護壁
160…ケース体(下ケース)
161…挿通孔
170…弾性部材
180…ストローク設定部
200…制御部
300…記憶部
20…車載電子機器
21…表示部
21a…初期画面
21b…音量操作画面
21c…オーディオ操作画面
21d…音源選択画面
21e…楽曲サーチ画面
D…意匠部
D1…地色印刷層
D2…表示色印刷層
OP10…隆起部に沿ったジェスチャー操作
OP20…外側から内側に隆起部を乗り越えるジェスチャー操作
OP30…隙間部を通過するジェスチャー操作
OP40…内側から外側に隆起部を乗り越えるジェスチャー操作
OP50…窪み部内でのジェスチャー操作


【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力操作を行う被検出体が接触する操作面を有し、前記被検出体が前記操作面と接触した位置を感知して信号を出力する複数のタッチセンサが設けられたタッチパネル部材と、前記タッチパネル部材を収納保持するホルダーと、を備えたタッチパネル入力操作装置において、前記タッチパネル部材はシート状部材であり、前記被検出体が接触しない領域となる周縁部と、前記タッチセンサへと信号を送るためのそれぞれの引き出し線と、を有し、前記周縁部の一部を折り返し案内する保護壁を前記ホルダーから一体に形成してなることを特徴とするタッチパネル入力装置。
【請求項2】

前記タッチパネル部材の前記周縁部に設けられた前記タッチセンサ箇所を、前記保護壁にて覆ってなることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル入力装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−33309(P2013−33309A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167865(P2011−167865)
【出願日】平成23年7月30日(2011.7.30)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】