説明

タッチパネル式入力装置,その入力位置調整方法及びプログラム

【課題】タッチパネルの経時劣化などにより入力位置のずれが発生した場合などに、ユーザに意識させることなく、入力位置のずれ補正を実行し得るタッチパネル式入力装置,この入力位置調整方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】基準座標記憶部14がキーボード画像の各キー毎に設定された各基準点の座標データを予め記憶しており、入力キー候補特定手段15が、タッチ位置座標に最も近いものから一定個数のキーを選出するし、単語特定手段17が、この選出された全てのキーをそのタッチ位置座標と対応付けて一時記憶部16に登録しこの一時記憶部16に蓄積された各キーに係る文字コードを時系列順に並べたすべての文字列から辞書情報記憶部20に含まれる単語を抽出し、この抽出された全ての単語を表示部11が表示し、基準位置補正手段19が、ユーザに選択された単語を構成する各キーの基準座標を対応する各タッチ位置座標に書き換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルに対するタッチ操作にしたがってデータ入力を実行するタッチパネル式入力装置,その入力位置調整方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルの表示画面にキーボードの画像を表示して構成されるソフトウェアキーボードが広く知られている。このソフトウェアキーボードは、入力装置と表示装置が一体に成っているため小型の機器に採用されることが多くなっている。
【0003】
しかし、ソフトウェアキーボードは、表示領域が小さい場合やキーの数が多い場合に、各キーの面積が小さくなり、キー操作が困難になってしまい、ユーザにストレスを与えてしまうという問題があった。
【0004】
これに対し、特許文献1には、入力された座標値の近隣のキーに信頼度を加味し、全ての近隣のキーに対する文字を抽出し、連続する座標入力に対応して抽出した各文字群の全ての組み合わせの中から単語と成りうるものを抽出して表示し、この表示した単語から入力単語をユーザに選択させることが開示されている。
【0005】
この特許文献1に記載の関連技術によれば、ユーザのミスタッチによる打ちなおしの手間を軽減することが可能になるが、タッチパネルの経時劣化やユーザの癖や偏りの変化などにより、実際のタッチ位置と情報処理装置側で認識される位置情報との間にずれが生じると、入力候補として表示される単語が不要な単語ばかりになってしまい、ユーザへの負担が増加してしまうという不都合があった。
【0006】
この不都合を解決するためには、実際のタッチ位置と装置側で認識される位置との間のずれを補正する処理、いわゆる、キャリブレーションを行う必要がある。
【0007】
このキャリブレーションに関する技術として、特許文献2には、事前に画面の4隅等に表示した基準点をユーザに押下させて入力した各入力位置情報と各基準点の位置情報とに基づいて補正情報を算出し、使用時には、入力位置情報を補正情報に基づいて補正しタッチ位置を較正するという技術が開示されている。
【0008】
しかし、特許文献2に記載された関連技術では、タッチパネルの経時劣化やユーザの癖の変化により、タッチ位置の判定に狂いが生じた場合、キャリブレーションを改めて実行し基準点の位置情報を設定し直す必要があり、ユーザに煩わしさを与えていた。また、画面の4隅を基準点として、押下された位置とソフトウェアキーボード上の位置の線形補間を行うため、携帯電話に対する片手親指だけの入力等、ユーザの入力動作がキー配置の縦方向及び横方向(X軸、Y軸)に沿っていない場合には正確な補間ができないという課題があった。
【0009】
これに対し、キャリブレーション用に特別な画面表示及び操作を行うこと無く、基準点に対応する入力値を設定する技術が特許文献3に記載されている。特許文献3には、タッチパネルの表示画面上のX−Y方向それぞれの最大値及び最小値を基準として設定し、入力された信号のレベルが設定された最大値以上又は最小値以下であった場合に、この入力レベルを新たな基準に再設定するという関連技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平10−275046号公報
【特許文献2】特開2004−54413号広報
【特許文献3】特開2001−67186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述した特許文献3に記載の関連技術では、入力座標信号が画面の表示範囲からはずれた想定外の位置を示す場合にキャリブレーションを行うが、入力座標信号が想定内の位置を示している場合はどんなに位置ずれが生じていてもキャリブレーションを行うことはないので、ユーザに意識されること無くキャリブレーションを行うことができるとは限らないという問題があった。
【0012】
そこで、本発明は、上記関連技術が有する問題を解決し、タッチパネルの経時劣化などにより入力位置のずれが発生した場合でも、ユーザに意識させることなく、その入力位置のずれ補正を実行し、正確な文字入力を可能にするタッチパネル式入力装置,この入力位置調整方法及びプログラムを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明のタッチパネル式入力装置は、キーボードを映し出す表示部と、この表示部の表示画面に重なり合うように設置され当該表示画面上のタッチ位置に対応する信号を出力するタッチパネルと、このタッチパネルからの信号を座標データに変換しタッチ位置座標として出力するタッチ位置判定手段とを備えたタッチパネル式入力装置であって、前記表示部に映すキーボードの各キー毎に設定された基準座標を予め記憶した基準座標記憶部と、前記タッチ位置判定手段から出力される前記タッチ位置座標を入力しこのタッチ位置座標と前記各キーの基準座標とを個別に比較して当該タッチ位置に近いものから一定の個数のキーを入力キー候補として選出する入力キー候補特定手段と、この入力キー候補が選出される度に、この選出された入力キー候補をこれに係るタッチ位置座標と対応付けて予め備えた一時記憶部に登録し、当該一時記憶部に蓄積された各入力キー候補を時系列順に並べてその各キーの全ての組み合わせから予め保持した単語辞書情報に含まれる単語を抽出する単語特定手段と、この抽出された全ての単語を前記表示部に表示させる表示制御手段と、この表示された全ての単語の中から1つの単語を選択する指令がユーザから入力されると作動し、この選択された単語を構成するキーの組み合わせに係る各キーの基準座標を前記一時記憶部に記憶された前記各タッチ位置座標に書き換える基準位置補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の入力位置調整方法は、キーボードを映し出す表示部の表示画面上に設けられたタッチパネルからの検知信号をタッチ位置判定手段が座標データに変換してタッチ位置座標として出力し、このタッチ位置座標を入力した入力キー候補特定手段が前記キーボードの各キー毎に予め設定された各基準座標と当該タッチ位置座標とを個別に比較して当該タッチ位置に近いものから一定の個数のキーを入力キー候補として選出し、この入力キー候補が選出される度に単語特定手段がこの選出された各入力キー候補とそのタッチ位置座標とを対応付けて一時記憶部に登録しこの一時記憶部に蓄積された各入力キー候補を時系列順に並べてその各キーの全ての組み合わせから予め保持した単語辞書情報に含まれる単語を抽出し、この抽出された全ての単語を前記表示部が表示すると共に、この表示された全ての単語の中から1つの単語がユーザに選択された場合に、基準位置補正手段が、この選択された単語を構成するキーの組み合わせに係る各キーの基準座標を前記一時記憶部に蓄積された前記各タッチ位置座標に書き換えることを特徴とする。
【0015】
またさらに、本発明の入力位置調整用プログラムは、キーボードを表示した表示装置の表示画面上に設けられたタッチパネルに対するタッチ位置の座標データをタッチ位置座標として入力するタッチ位置入力機能と、この入力したタッチ位置座標と前記キーボードの各キー毎に予め設定された各基準座標とを個別に比較して当該タッチ位置に近いものから一定の個数のキーを入力キー候補として選出する入力キー候補選出機能と、この入力キー候補が選出される度に、当該入力キー候補とそのタッチ位置座標とを対応付けてメモリに登録し、このメモリに蓄積された各入力キー候補を時系列順に並べてその各キーの全ての組み合わせから予め保持した単語辞書情報に含まれる単語を抽出する単語特定機能と、この抽出された全ての単語を前記表示装置に表示させる単語表示機能と、この表示された全ての単語の中から1つの単語を選択する選択指令がユーザから入力されると作動し、この選択された単語を構成するキーの組み合わせに係る各キーの基準座標を前記メモリに蓄積された前記各タッチ位置座標に書き換える基準位置補正機能と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以上のように構成したため、これにより、タッチパネルにおける入力位置のずれ調整を、ユーザによる文章入力操作に乗じて実行できるので、ユーザに意識させること無く入力位置のずれ補正を実行することが可能になり、ユーザの作業負担を軽減して文字入力の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明にかかる一実施形態のタッチパネル式入力装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】(a)図1に開示した実施形態における基準座標記憶部に記憶されたキー座標テーブルの一例を示す図である。(b)(a)に開示した基準座標のタッチパネル上の配列を示すイメージ図である。
【図3】図1に開示した実施形態における一時記憶部に蓄積される入力キー候補及びタッチ位置座標の一例を示す図である。
【図4】図3の情報に基づく時系列順の各キーの組み合わせを表す図である。
【図5】(a)図1に開示した実施形態における基準位置補正手段による基準座標の補正について説明する説明図である。(b)図1に開示した実施形態における補正後のキー座標テーブルの一例を示す図である。
【図6】図1に開示した実施形態のタッチパネル式入力装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】図1に開示した実施形態のタッチパネル式入力装置の使用例について示す図である。
【図8】図7に開示した使用例において補正後の基準点について示すイメージ図である。
【図9】本発明に関連する先行技術について説明する説明図である。
【図10】図1に開示した実施形態のタッチパネル式入力装置の使用時について示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明にかかる一実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は、本実施形態のタッチパネル式入力装置1の構成を示す機能ブロック図である。図1に示すように、本実施形態のタッチパネル式入力装置1は、キーボードの画像を表示する表示部11と、この表示部11の表示画面上に設けられ当該画面上のタッチ位置に対応する信号を出力するタッチパネル12と、このタッチパネル12からの信号を座標データに変換しタッチ位置座標として出力するタッチ位置判定手段13とを備えている。
【0020】
また更に、本実施形態のタッチパネル式入力装置1は、表示部11に表示されるキーボード画像の各キーの基準座標を予め記憶した基準座標記憶部14と、タッチ位置判定手段13から出力されるタッチ位置座標を入力しこのタッチ位置座標と基準座標記憶部14に記憶された各キーの基準座標とを比較して当該タッチ位置に近いものから一定の個数のキーを入力キー候補として選出する入力キー候補特定手段15と、この入力キー候補が選出される度に、この選出された入力キー候補をこれに係るタッチ位置座標と対応付けて予め備えた一時記憶部16に登録し、当該一時記憶部に蓄積された各入力キー候補に係る文字コードを時系列順に並べてその全ての組み合わせから予め保持した単語辞書情報に含まれる単語を抽出する単語特定手段17と、この抽出された全ての単語を表示部11に表示させる表示制御手段18と、この表示された全ての単語の中から1つの単語を選択する選択指令がユーザから入力されると作動しこの選択された単語を構成するキーの組み合わせにおける各キーの基準座標を一時記憶部16に蓄積された各タッチ位置座標に書き換える基準位置補正手段19と、を備えている。
【0021】
この表示部11は、表示制御手段18から送られてくるデータに基づいて画面にキーボード画像を表示し、単語特定手段17から表示制御手段18を介して送られてくる単語を画面内の入力候補表示領域に表示する。表示部11は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)であることが望ましい。
【0022】
タッチパネル12は、表示部11の表示画面上に重なり合って設けられた透過型のタッチパネルであり、ユーザの指もしくはスタイラペンなどによる画面上のタッチ操作を検地してそのタッチ位置に対応する信号を出力する機能を備えている。本実施形態におけるタッチパネル12は、タッチ位置に対応する信号を検出するものであれば、その動作原理が限定されることはなく、投影型静電方式や抵抗膜方式などの様々な方式のものを採用可能である。
【0023】
タッチ位置判定手段13は、タッチパネル12からの信号をタッチ位置の座標を示す座標データに変換し、タッチ位置座標として入力キー候補特定手段15へ送出する機能を備えている。
【0024】
基準座標記憶部14は、表示部11の画面に表示されるキーボード画像の各キー毎に設定された各基準点の座標を示すキー座標テーブルを記憶している。図2(a)は、基準座標記憶部14に記憶されたキー座標テーブルの一例を示す図である。図2(a)のキー座標テーブルは、“Q” のキーに対して基準座標(Xq,Yq)、“W” のキーに対して基準座標(Xw,Yw)、“E” のキーに対して基準座標(Xe,Ye)、“R” のキーに対して基準座標(Xr,Yr)、“T” のキーに対して基準座標(Xt,Yt)、“Y” のキーに対して基準座標(Xy,Yy)がそれぞれ設定されていることを示している。図2(b)は、本実施形態における基準点の設定について示すイメージ図である。図2(b)に示すように、本実施形態では、画面101に表示されるキーボードの各キー毎に基準点102をタッチパネル12上に設定している。
【0025】
入力キー候補特定手段15は、タッチ位置判定手段13からタッチ位置座標を入力し、このタッチ位置座標と基準座標記憶部14に記憶された各キーの基準座標とに基づいて、タッチ位置座標から各キーの基準座標までの距離を個別に測定し、タッチ位置との距離が小さいものから順に予め設定された一定の個数のキーを入力キー候補として選出する機能を備えている。例えば、入力キー候補の個数を「3つ」と設定した場合は、タッチ位置から最も近いキーと、2番目に近いキーと、3番目に近いキーとの合計3つのキーを入力キー候補として選出する。
【0026】
また、入力キー候補特定手段15は、選出した入力キー候補とそのタッチ位置座標とを対応付けて示す入力キー情報を単語特定手段17へ送出する機能を備えている。
【0027】
また、本実施形態の入力キー候補特定手段15は、タッチ位置判定手段13から入力したタッチ位置座標が画面内の入力候補表示領域にある場合、そのタッチ位置座標と一致する入力候補表示領域内の表示位置番号を含む入力キー情報を単語特定手段17へ送出する機能を備えている。
【0028】
単語特定手段17は、入力キー候補特定手段15からの入力キー情報が示すタッチ位置が画面内のキーボード領域又は入力候補表示領域のいずれに位置するかを判断する機能と、キーボード領域と判断した場合に、その入力キー情報を一時記憶部16に登録すると共に、それまでに一時記憶部16に蓄積された入力キー情報が示す各入力キー候補に係る文字コードを時系列順に並べてその全ての組み合わせを構築し、この構築した全ての組み合わせを基に辞書情報記憶部20に記憶された単語辞書情報から該当する単語を検索し、この検索結果として得た全ての単語に表示順位を付して表示制御手段18へ送出する機能を備えている。ここで、単位特定手段17は、各キーと文字コードとの対応関係を示す表を予め保持している。また、検索結果として得た単語に付す表示順位としては、単語自体の入力頻度に基づく順位や、前回入力した単語を優先にした順位などを採用すればよい。
【0029】
図3は、一時記憶部16に記憶された入力キー情報の一例を示す図である。図3では、タッチ位置座標(X1,Y1)に対して“A”,“S”,“Q”のキーが入力キー候補として選出され、タッチ位置座標(X2,Y2)に対して“S”,“D”,“E”のキーが入力キー候補として選出され、タッチ位置座標(X3,Y3)に対して“A”,“S”,“Q”のキーが入力キー候補として選出されたことを示している。
【0030】
図4は、一時記憶部16に蓄積された入力キー情報が示す各キーの文字コードを時系列順に並べた組み合わせを示す図である。図4では、1回目の入力キー候補である“A”,“S”,“Q”それぞれの後に、2回目の入力キー候補である“S”,“D”,“E”を個別につなぎ、更に、その“S”,“D”,“E”それぞれの後に、3回目の入力キー候補である“A”,“S”,“Q”を個別につないだことを示している。
【0031】
さらに、単語特定手段17は、入力キー情報に示すタッチ位置が画面内の入力候補表示領域内にあると判断した場合、その入力キー情報をユーザからの選択指令とし、当該入力キー情報が示す表示位置番号と同じ表示順位を付した単語をユーザが指定した単語として上位装置3へ送ると共に、このユーザが指定した単語を構成するキーの組み合わせと一時記憶部16に記憶されている各タッチ位置座標とを基準位置補正手段19へ送出し、その後に一時記憶部16に蓄積されている入力キー情報を全て削除する機能を備えている。
【0032】
表示制御手段18は、図示していない画像データ記憶部からキーボード画像を読み出して表示部11に表示させる機能と、単語特定手段17から送られてくる単語を表示部11の画面内の入力候補表示領域に表示させる機能とを備えている。ここで、単語特定手段17から送られてくる単語に付されている表示順位に従って順番に表示させるようにする。
【0033】
基準位置補正手段19は、ユーザが指定した単語を構成するキーの組み合わせとこの各キーを選出するときの各タッチ位置座標とを単語特定手段17から受けた場合に、この各キーの基準座標を基準座標記憶部14から読み出して各タッチ位置座標に書き換える機能を備えている。図5(a)は、基準位置補正手段19により“Q”のキーの基準点が補正されたことを示すイメージ図である。図5(b)は、その基準座標の補正処理後のキー座標テーブルを示す図である。図5(b)では、“Q”のキーの基準点を座標(Xq´,Xq´)に更新した場合について示している。
【0034】
辞書情報記憶部20は、文章に用いられる多数の単語を集録した単語辞書情報を予め格納している。
【0035】
要するに、本実施形態のタッチパネル式入力装置1は、キーボードの画像における各キー毎の基準点の座標を予め記憶した基準座標記憶部14と、単語等の言葉の組み合わせと成る単語辞書情報を記憶した辞書情報記憶部20とを備え、タッチパネル12への入力が行われた際に、入力キー候補特定手段15がそのタッチ位置座標からの距離が近いキーを数件抽出して入力キーの候補とし、抽出された各キーと単語辞書情報とを単語特定手段17が照らし合わせて入力単語の候補を抽出し、この単語を表示部11に表示する。表示した全ての単語の中の1つがユーザによって選択された場合に、単語特定手段17が上位装置3のアプリケーションへその単語を送り、基準位置補正手段19がこの単語に係るキーの組み合わせと各タッチ位置座標とを基にこの単語に係る各キーの基準点の座標の補正を行い、一連の入力作業を完了する。以降、タッチ入力が発生した場合は、これらの処理を再び最初から実施する。
【0036】
このように本実施形態のタッチパネル式入力装置1は、キー毎に基準座標を保持しておき、タッチパネル12へのタッチ座標を基に選択されたと推定されるキーの候補の抽出、抽出されたキーと辞書データを基に入力単語の候補の提示、ユーザに選択された単語を基にキー基準座標の補正、というサイクルを繰り返し実施することで入力位置の補正を行う。これにより、ユーザに対してキャリブレーション作業を意識させずに、常に基準座標の補正を実施することができ、タッチ位置判定の精度を有効に上げることができる。
【0037】
次に、本実施形態のタッチパネル式入力装置1の動作について説明する。ここで、以下の動作説明は、本発明の入力位置調整方法の実施形態となる。
【0038】
図6は、本実施形態のタッチパネル式入力装置1の動作を示すフローチャートである。図6に示すように、本実施形態のタッチパネル式入力装置1では、まず、タッチパネル12からの検出信号をタッチ位置判定手段13が座標データに変換してタッチ位置座標として入力キー候補特定手段15へ送出する(図6のステップS61)。
【0039】
タッチ位置座標を入力した入力キー候補特定手段15が、このタッチ位置座標と基準座標記憶部14に記憶された前記各キーの基準座標とに基づいて、当該タッチ位置から各キーまでの距離を個別に計測しこの距離が最小のものから順番に一定の個数のキーを選出し、この選出した各キーとそのタッチ位置座標とを対応付けて示す入力キー情報を単語特定手段17へ通知する(図6のステップS62)。このとき、タッチ位置座標が画面の入力候補表示領域内にあった場合、このタッチ位置と一致する表示欄の番号を含む入力キー情報を単語特定手段17へ通知する。
【0040】
続いて、入力キー情報を受けた単語特定手段17が、この入力キー情報に含まれるタッチ位置座標がキーボード領域又は入力候補表示領域のどちらにあるかを判断する(図6のステップS63)。
【0041】
キーボード領域と判断した場合、単語特定手段17は入力キー情報を一時記憶部16に登録すると共に(図6のステップS64)、一時記憶部16に蓄積されている各キーに係る文字コードを時系列順に並べてその全ての組み合わせを構築し(図6のステップS65)、この各組み合わせに基づいて辞書情報記憶部20から該当する単語を検索する(図6のステップS66)。この検索結果である全ての単語を単語特定手段17が表示制御手段18へ出力し、表示制御手段18がその全ての単語を表示部11に表示させる(図6のステップS67)。単語特定手段17は、入力候補表示領域へのタッチ操作を示す入力キー情報を受けるまで、この単語検索処理,単語表示処理を繰り返す。
【0042】
一方、タッチ位置を入力候補表示領域内と判断した場合、単語特定手段17は、その入力候補表示領域の表示欄に表示されていた単語をユーザが指定した単語として上位装置3へ出力すると共に、この単語を構成する各キーを選出したときの各タッチ位置座標を一時記憶部16から読み出し、この各タッチ位置座標と当該単語の読みに対応するキーの組み合わせとを基準位置補正手段19へ送出する(図6のステップS68)。
【0043】
そして、基準位置補正手段19が、単語特定手段17から各キーとこの各キーに対応するタッチ位置座標との通知を受けると、この各キーの基準座標をこの各タッチ位置座標データに書き換えて、基準座標記憶部14に記憶された情報を更新し(図6のステップS69)、単語入力処理と入力位置調整処理とを完了する。
【0044】
このように本実施形態のタッチパネル式入力装置1では、ユーザからのタッチパネル12の押下を検知した際、タッチ位置判定手段13から入力キー候補特定手段15へタッチ位置座標が通知される。タッチ位置判定手段13では、基準座標記憶部14に記憶されている各キー毎の基準座標を取得し、取得した各基準座標とタッチ位置座標との比較を行い、タッチ位置に近いものから一定の個数のキーを入力キー候補として選出する。
【0045】
続いて、選択した各キーとそのタッチ位置座標を対応付けた入力キー情報を単語特定手段17へ通知する。単語特定手段17では、通知された入力キー情報を基にタッチ位置をチェックする。タッチ位置がキーボード部分の場合は、通知された入力キー情報を蓄積し、蓄積された情報から各キーの文字コードの時系列順の組み合わせを全て構築する。この構築したそれぞれの組み合わせに対して単語辞書情報から該当する単語を検索/参照し、キーの組み合わせに該当する単語を抽出する。この抽出した全ての単語はユーザに提示するために表示部11が表示し、ユーザの選択を待つ。
【0046】
一方、タッチ位置が入力候補表示領域内の場合は、ユーザに指定された単語を上位装置3の機能モジュールへ通知する。そして、タッチ位置を基に基準座標記憶部14の更新を行うため、単語特定手段17がユーザ指定の単語に係る各キーと対応する各タッチ位置座標データとを基準位置補正手段19へ通知し、タッチ位置座標を新しい基準座標として、該当するキーの基準座標の更新を行い、単語入力を完了する。
【0047】
この後に、文字入力を開始する際は、タッチパネル12のタッチの検知から開始する。その際、前回までの文字入力で行われた基準座標の更新によって調整された各キーの基準座標を基に入力キー候補を選出する。これにより、キー毎にユーザの癖や偏りを吸収した候補の抽出を実現できる。
【0048】
ここで、前述した入力キー候補特定手段15,単語特定手段17、基準位置補正手段19については、その機能内容をプログラム化して、コンピュータに実行させるように構成してもよい。
【0049】
また、上述した入力キー候補特定手段15は、タッチ位置座標に近いものから一定の個数のキーを入力キー候補として選出するように構成したが、これに限らず、タッチ位置座標を中心とする一定の領域内に基準点がある全てのキーを入力キー候補として選出するように構成してもよい。このようにすると、タッチ位置座標と基準座標とにずれが無ければ、1つのキーだけを入力キー候補として選出することもあるため、単語特定手段17の検索処理にかかる負荷を軽減することができると共に、表示する単語候補の数も減るので、入力単語を選択するユーザへの負担も軽減される。
【0050】
また、入力キー候補特定手段15は、タッチ位置座標に最も近いキーを入力キー候補として選出するように構成してもよい。このようにすると、常に1つのキーだけを入力キー候補として選出することになるため、単語特定手段17の検索処理にかかる負荷を軽減することができると共に、表示する単語候補の数も1つになり、ユーザは表示された単語に対して確定又は取消を選択するだけでよく、利便性が向上する。
【0051】
本実施形態のタッチパネル式入力装置1は、携帯電話機のようにユーザが片手で筐体を保持し親指だけでタッチパネルを操作するものや、画面にキーボードだけでなく絵や写真等を表示しその部位をタッチパネルで指示するものに適用できる。
【0052】
図7は、ユーザが右手で携帯電話筐体を保持し親指だけでタッチパネルの画面703を操作する場合について示す説明図である。図7に示すように、携帯電話に対するユーザの操作は親指700の根元を軸とした動きとなるため、指先はキー704の配列に沿った縦,横の移動ではなく親指700の根元を中心とする回転方向701と動径方向702の移動になる。このような操作環境の上で、本実施形態のタッチパネル式入力措置1を使用すると、単語入力を続けることによる入力位置調整処理の度に各キーの基準座標の補正が行われ、図8のように、各基準点801の位置がユーザの操作に適した位置に設定される。
【0053】
以上のように、本実施形態のタッチパネル式入力装置1によれば、各キー毎に基準点を設けることで柔軟な位置補正を行うことが出来るため、ユーザに偏りや癖があった場合でも、ユーザに意識させること無く入力位置のずれ調整を実行することができる。
【0054】
先行技術タッチパネルの位置補正では、予め一部の代表的な点を採取し、入力時に代表点を基に入力座標の線形補間を行っているケースが多かった。例として、図9に画面4隅の代表点91〜94を基に線形補間を行う先行技術について示す。この場合、画面4隅の代表点91〜94の間は直線的にしか補間できないため、ユーザが「8」キーをタッチする意図で、図9の点90をタッチした場合は、位置補正を実施しても、何処がタッチされたのかを判断することは出来なかった。
【0055】
これに対し、本実施形態は、図10に示すように、各キー毎に基準座標102を設定し、タッチ位置座標に近いほうから数個のキーを選出し、タッチ操作の順に選出した各キーの組み合わせから該当する単語を表示して、その表示した単語の中からユーザ指定の単語を入力するため、ユーザが「8」キーをタッチする意図で、図10の点100をタッチした場合でも、文字入力が可能である。
【0056】
また、本実施形態では、ユーザが通常の文字入力のためにタッチパネルをタッチする操作に基づいて常に入力位置のずれ補正を行うため、ユーザがタッチ操作を行う際に、キャリブレーション作業を意識することなく入力に専念でき、更に、ユーザの癖が変化した場合でも正確な入力を実行することができる。
【0057】
上述した本実施形態については、その新規な技術的内容の要点をまとめると、以下のようになる。尚、本実施形態の一部又は全部は、新規な技術として以下のようにまとめられるが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0058】
(付記1)
キーボードを映し出す表示部と、この表示部の表示画面に重なり合うように設置され当該表示画面上のタッチ位置に対応する信号を出力するタッチパネルと、このタッチパネルからの信号を座標データに変換しタッチ位置座標として出力するタッチ位置判定手段とを備えたタッチパネル式入力装置であって、
前記表示部に映すキーボードの各キー毎に設定された基準座標を予め記憶した基準座標記憶部と、
前記タッチ位置判定手段から出力される前記タッチ位置座標を入力しこのタッチ位置座標と前記各キーの基準座標とを個別に比較して当該タッチ位置に近いものから一定の個数のキーを入力キー候補として選出する入力キー候補特定手段と、
この入力キー候補が選出される度にそれまでに選出された各入力キー候補に係る文字コードを時系列順に組み合わせると共に、この全ての組み合わせの中から単語として成立する組み合わせを抽出する単語特定手段と、
この抽出された全ての単語を前記表示部に表示させる表示制御手段と、
この表示された単語の中から1つの単語を選択する選択指令がユーザから入力されると作動し、この選択された単語を構成するキーの組み合わせにおける各キーの基準座標を当該各キーが選出されたときの前記各タッチ位置座標に書き換える基準位置補正手段と、を備えたことを特徴とするタッチパネル式入力装置。
【0059】
(付記2)
上述した付記1に記載のタッチパネル式入力装置において、
前記単語特定手段が、前記入力キー候補が選出される度に、この入力キー候補とこれに係るタッチ位置座標とを対応付けて予め備えた一時記憶部に登録し、当該一時記憶部に蓄積された各入力キー候補の文字コードを時系列順に並べてその各文字列の中から予め保持した単語辞書情報に含まれる単語を抽出する機能を備えたことを特徴とするタッチパネル式入力装置。
【0060】
(付記3)
上述した付記2に記載のタッチパネル式入力装置において、
前記入力キー候補特定手段が、前記入力キー候補を選出する際に、前記タッチ位置座標を中心とする一定領域内に基準座標がある全てのキーを前記入力キー候補として選出することを特徴とするタッチパネル式入力装置。
【0061】
(付記4)
上述した付記2に記載のタッチパネル式入力装置において、
前記入力キー候補特定手段が、前記入力キー候補を選出する際に、前記タッチ位置座標に最も近いキーを前記入力キー候補として選出することを特徴とするタッチパネル式入力装置。
【0062】
(付記5)
キーボードを映し出す表示部の表示画面上に設けられたタッチパネルからの検知信号をタッチ位置判定手段が座標データに変換してタッチ位置座標として出力し、
このタッチ位置座標を入力した入力キー候補特定手段が前記キーボードの各キー毎に予め設定された各基準座標と当該タッチ位置座標とを個別に比較して当該タッチ位置に近いものから一定の個数のキーを入力キー候補として選出し、
この入力キー候補が選出される度に単語特定手段がこの選出された各入力キー候補とそのタッチ位置座標とを対応付けて一時記憶部に登録しこの一時記憶部に蓄積された各入力キー候補に係る文字コードを時系列順に並べてその全ての組み合わせから予め保持した単語辞書情報に含まれる単語を抽出し、
この抽出された全ての単語を前記表示部が表示すると共に、
この表示された全ての単語の中から1つの単語がユーザに選択された場合に、基準位置補正手段が、この選択された単語を構成するキーの組み合わせに係る各キーの基準座標を前記一時記憶部に蓄積された前記各タッチ位置座標に書き換えることを特徴とする入力位置調整方法。
【0063】
(付記6)
上述した付記5に記載の入力位置調整方法において、
前記入力キー候補の選出に際しては、前記タッチ位置座標を中心とする一定の領域内に基準点がある全てのキーを前記入力キー候補として選出することを特徴とする入力位置調整方法。
【0064】
(付記7)
上述した付記5に記載の入力位置調整方法において、
前記入力キー候補の選出に際しては、前記タッチ位置座標に最も近いキーを前記入力キー候補として選出することを特徴とする入力位置調整方法。
【0065】
(付記8)
キーボードを表示した表示装置の表示画面上に設けられたタッチパネルに対するタッチ位置の座標データをタッチ位置座標として入力するタッチ位置入力機能と、
この入力したタッチ位置座標と前記キーボードの各キー毎に予め設定された各基準座標とを個別に比較して当該タッチ位置に近いものから一定の個数のキーを入力キー候補として選出する入力キー候補選出機能と、
この入力キー候補が選出される度に、当該入力キー候補とそのタッチ位置座標とを対応付けてメモリに登録し、このメモリに蓄積された各入力キー候補に係る文字コードを時系列順に並べてその全ての組み合わせから予め保持した単語辞書情報に含まれる単語を抽出する単語特定機能と、
この抽出された全ての単語を前記表示装置に表示させる単語表示機能と、
この表示された全ての単語の中から1つの単語を選択する選択指令がユーザから入力されると作動し、この選択された単語を構成するキーの組み合わせに係る各キーの基準座標を前記メモリに蓄積された前記各タッチ位置座標に書き換える基準位置補正機能と、をコンピュータに実行させることを特徴とする入力位置調整用プログラム。
【0066】
(付記9)
上述した付記8に記載の入力位置調整用プログラムにおいて、
前記入力キー候補選出機能が、前記タッチ位置座標を中心とする一定の領域内に基準点がある全てのキーを前記入力キー候補として選出する機能であることを特徴とする入力位置調整用プログラム。
【0067】
(付記10)
上述した付記8に記載の入力位置調整用プログラムにおいて、
前記入力キー候補選出機能が、前記タッチ位置座標に最も近いキーを前記入力キー候補として選出する機能であることを特徴とする入力位置調整用プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、画面上にキーボード画像を表示するタッチパネルを用いた入力装置に適用可能である。また、キーボードではなく、何らかの物品の絵や写真を画面に表示し、タッチパネルで画面中の特定の部位を指し示す際の操作に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 タッチパネル式入力装置
3 上位装置
11 表示部
12 タッチパネル
13 タッチ位置判定手段
14 基準座標記憶部
15 入力キー候補特定手段
16 一時記憶部
17 単語特定手段
18 表示制御手段
19 基準位置補正手段
20 辞書情報記憶部
100 タッチ位置
101 表示画面
102 基準座標
700 ユーザの親指
701 指先の移動方向(回転方向)
702 指先の移動方向(動径方向)
703 表示画面
704 キー画像
801 補正後の基準座標

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーボードを映し出す表示部と、この表示部の表示画面に重なり合うように設置され当該表示画面上のタッチ位置に対応する信号を出力するタッチパネルと、このタッチパネルからの信号を座標データに変換しタッチ位置座標として出力するタッチ位置判定手段とを備えたタッチパネル式入力装置であって、
前記表示部に映すキーボードの各キー毎に設定された基準座標を予め記憶した基準座標記憶部と、
前記タッチ位置判定手段から出力される前記タッチ位置座標を入力しこのタッチ位置座標と前記各キーの基準座標とを個別に比較して当該タッチ位置に近いものから一定個数のキーを入力キー候補として選出する入力キー候補特定手段と、
この入力キー候補が選出される度にそれまでに選出された各入力キー候補に対応する文字コードを時系列順に組み合わせると共に、この全ての組み合わせの中から単語として成立する組み合わせを抽出する単語特定手段と、
この抽出された全ての単語を前記表示部に表示させる表示制御手段と、
この表示された単語の中から1つの単語を選択する選択指令がユーザから入力されると作動し、この選択された単語を構成するキーの組み合わせにおける各キーの基準座標を当該各キーが選出されたときの前記各タッチ位置座標に書き換える基準位置補正手段と、を備えたことを特徴とするタッチパネル式入力装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載のタッチパネル式入力装置において、
前記単語特定手段が、前記入力キー候補特定手段に入力キー候補が選出される度に、この入力キー候補とこれに係るタッチ位置座標とを対応付けて予め備えた一時記憶部に登録し、当該一時記憶部に蓄積された各入力キー候補の文字コードを時系列順に並べてその各文字列から予め保持した単語辞書情報に含まれる単語を抽出する機能を備えたことを特徴とするタッチパネル式入力装置。
【請求項3】
前記請求項2に記載のタッチパネル式入力装置において、
前記入力キー候補特定手段が、前記入力キー候補を選出する際に、前記タッチ位置座標を中心とする一定領域内に基準座標がある全てのキーを前記入力キー候補として選出することを特徴とするタッチパネル式入力装置。
【請求項4】
前記請求項2に記載のタッチパネル式入力装置において、
前記入力キー候補特定手段が、前記入力キー候補を選出する際に、前記タッチ位置座標に最も近いキーを前記入力キー候補として選出することを特徴とするタッチパネル式入力装置。
【請求項5】
キーボードを映し出す表示部の表示画面上に設けられたタッチパネルからの検知信号をタッチ位置判定手段が座標データに変換してタッチ位置座標として出力し、
このタッチ位置座標を入力した入力キー候補特定手段が前記キーボードの各キー毎に予め設定された各基準座標と当該タッチ位置座標とを個別に比較して当該タッチ位置に近いものから一定の個数のキーを入力キー候補として選出し、
この入力キー候補が選出される度に単語特定手段がこの選出された各入力キー候補とそのタッチ位置座標とを対応付けて一時記憶部に登録しこの一時記憶部に蓄積された各入力キー候補に係る文字コードを時系列順に並べてその全ての組み合わせから予め保持した単語辞書情報に含まれる単語を抽出し、
この抽出された全ての単語を前記表示部が表示すると共に、
この表示された全ての単語の中から1つの単語がユーザに選択された場合に、基準位置補正手段が、この選択された単語を構成するキーの組み合わせに係る各キーの基準座標を前記一時記憶部に蓄積された前記各タッチ位置座標に書き換えることを特徴とする入力位置調整方法。
【請求項6】
前記請求項5に記載の入力位置調整方法において、
前記入力キー候補の選出に際しては、前記タッチ位置座標を中心とする一定の領域内に基準点がある全てのキーを前記入力キー候補として選出することを特徴とする入力位置調整方法。
【請求項7】
前記請求項5に記載の入力位置調整方法において、
前記入力キー候補の選出に際しては、前記タッチ位置座標に最も近いキーを前記入力キー候補として選出することを特徴とする入力位置調整方法。
【請求項8】
キーボードを表示した表示装置の表示画面上に設けられたタッチパネルに対するタッチ位置の座標データをタッチ位置座標として入力するタッチ位置入力機能と、
この入力したタッチ位置座標と前記キーボードの各キー毎に予め設定された各基準座標とを個別に比較して当該タッチ位置に近いものから一定の個数のキーを入力キー候補として選出する入力キー候補選出機能と、
この入力キー候補が選出される度に、当該入力キー候補とそのタッチ位置座標とを対応付けてメモリに登録し、このメモリに蓄積された各入力キー候補に係る文字コードを時系列順に並べてその全ての組み合わせから予め保持した単語辞書情報に含まれる単語を抽出する単語特定機能と、
この抽出された全ての単語を前記表示装置に表示させる単語表示機能と、
この表示された全ての単語の中から1つの単語を選択する選択指令がユーザから入力されると作動し、この選択された単語を構成するキーの組み合わせに係る各キーの基準座標を前記メモリに蓄積された前記各タッチ位置座標に書き換える基準位置補正機能と、をコンピュータに実行させることを特徴とする入力位置調整用プログラム。
【請求項9】
前記請求項8に記載の入力位置調整用プログラムにおいて、
前記入力キー候補選出機能が、前記タッチ位置座標を中心とする一定の領域内に基準点がある全てのキーを前記入力キー候補として選出する機能であることを特徴とする入力位置調整用プログラム。
【請求項10】
前記請求8に記載の入力位置調整用プログラムにおいて、
前記入力キー候補選出機能が、前記タッチ位置座標に最も近いキーを前記入力キー候補として選出する機能であることを特徴とする入力位置調整用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−170437(P2011−170437A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−31409(P2010−31409)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】