説明

タッチパネル

【課題】製造コストを節約し、製造工程を単純化することができるとともに、厚さを減少させて薄型化を具現することができるタッチパネルを提供する。
【解決手段】本発明によるタッチパネル100は、第1方向Aに互いに平行になるように配置された電極パターン110を含み、電極パターン110には、電極パターン110を2分割する開口部120が形成され、開口部120は、第1方向Aに対して垂直方向である第2方向Bに向かう程、第1方向AにN回移動する構成125がM回繰り返されるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル技術を用いるコンピュータが発達するにつれて、コンピュータの補助装置もともに開発されており、パソコン、ポータブル伝送装置、その他の個人用情報処理装置などは、キーボード、マウスのような様々な入力装置(Input Device)を利用してテキスト及びグラフィック処理を行う。
【0003】
しかし、情報化社会の急速な進行により、コンピュータの用途が益々拡大する傾向にあるため、現在入力装置の機能を担当しているキーボード及びマウスだけでは、効率的な製品の駆動が困難であるという問題点がある。従って、簡単で誤操作が少なく、誰でも簡単に情報入力が可能な機器の必要性が高まっている。
【0004】
また、入力装置に関する技術は、一般的な機能を満たす水準を超えて、高信頼性、耐久性、革新性、設計及び加工に関する技術などが注目されており、このような目的を達成するために、テキスト、グラフィックなどの情報入力が可能な入力装置としてタッチパネル(Touch Panel)が開発された。
【0005】
このようなタッチパネルは、電子手帳、液晶表示装置(Liquid Crystal Display Device;LCD)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electroluminescence)などの平板ディスプレイ装置及びCRT(Cathode Ray Tube)のような画像表示装置の表示面に設けられ、ユーザが映像表示装置を見ながら所望の情報を選択するようにするために利用される機器である。
【0006】
一方、タッチパネルの種類は、抵抗膜方式(Resistive Type)、静電容量方式(Capacitive Type)、電磁気方式(Electro−Magnetic Type)、弾性表面波方式(Surface Acoustic Wave Type;SAW type)及びインフラレッド方式(Infrared Type)に区分される。このような様々な方式のタッチパネルは、信号増幅の問題、解像度の差、設計及び加工技術の難易度、光学的特性、電気的特性、機械的特性、耐環境特性、入力特性、耐久性及び経済性を考慮して電子製品に用いられるが、現在最も広い分野で用いられるものは、抵抗膜方式タッチパネルと静電容量方式タッチパネルである。
【0007】
しかし、従来技術によるタッチパネルは、タッチの座標を認識するために、必ず2層構造の電極パターンが備えられなければならない。例えば、特許文献1に開示されたように、タッチパネルには互いに直交する形態の第1透明電極パターンと第2透明電極パターンとが備えられる。このように、従来技術によるタッチパネルは、2層構造の電極パターンを備えなければならないため、製造コストが高く、製造工程が複雑なだけでなく、厚さが厚くなりタッチパネルの薄型化を具現できないという問題点が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国登録特許第10−0921709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記のような問題点を解決するために導き出されたものであり、本発明の目的は、電極パターンに開口部を適用することにより、電極パターンを単層構造に形成することができるタッチパネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の好ましい実施例によるタッチパネルは、第1方向に互いに平行になるように配置された電極パターンを含み、前記電極パターンには前記電極パターンを2分割する開口部が形成され、前記開口部は、前記第1方向に対して垂直方向である第2方向に向かう程、前記第1方向にN回移動する構成がM回繰り返されることを特徴とする。
【0011】
前記電極パターンは、前記開口部を基準に一側に備えられた第1電極パターンと、前記開口部を基準に他側に備えられた第2電極パターンと、を含むことを特徴とする。
【0012】
前記タッチパネルは、前記第2方向に向かって順に前記電極パターンのタッチ有無を判断し、前記第2方向に向かって順に前記第1電極パターンにタッチの入力時のデータ値を「1」と、タッチの非入力時のデータ値を「0」と判断し、左側から右側にN個のデータ値からなる第1単位データをM個算出し、前記第2方向に向かって順に前記第2電極パターンにタッチの入力時のデータ値を「1」と、タッチの非入力時のデータ値を「0」と判断し、左側から右側にN個のデータ値からなる第2単位データをM個算出する制御部をさらに含むことを特徴とする。
【0013】
また、前記制御部は、M個の前記第1単位データとM個の前記第2単位データにおいて互いに対応する位置のデータ値のうち少なくとも一つが「1」である場合、データ値を「1」と判断し、全てが「0」である場合、データ値を「0」と判断し、左側から右側にN個のデータ値からなる第3単位データをM個算出し、M個の前記第3単位データのデータ値のうち「1」の中間位置によりタッチの前記第2方向の座標を認識することを特徴とする。
【0014】
また、前記制御部は、それぞれの前記第1単位データにおいて互いに対応する位置のデータ値のうち少なくとも一つが「1」である場合、データ値を「1」と判断し、全てが「0」である場合、データ値を「0」と判断し、左側から右側にN個のデータ値からなる第4単位データを算出し、それぞれの前記第2単位データにおいて互いに対応する位置のデータ値のうち少なくとも一つが「1」である場合、データ値を「1」と判断し、全てが「0」である場合、データ値を「0」と判断し、左側から右側にN個のデータ値からなる第5単位データを算出し、前記第4単位データのデータ値のうち左側から「0」の個数、及び前記第5単位データのデータ値のうち左側から「1」の個数に基づき、タッチの前記第1方向の座標を認識することを特徴とする。
【0015】
また、前記制御部は、前記第4単位データのデータ値のうち左側から「0」の個数に、所定値を加えてY1を算出し、前記第5単位データのデータ値のうち左側から「1」の個数に、所定値を加えてY2を算出し、前記Y1と前記Y2との平均値によりタッチの前記第1方向の座標を認識することを特徴とする。
【0016】
また、前記所定値は、0.5であることを特徴とする。
【0017】
また、前記電極パターンは、互いに平行な直線を含むことを特徴とする。
【0018】
また、前記電極パターンは、互いに平行な第1直線と、前記第1直線に沿って所定間隔ごとに前記第1直線に対して垂直方向に形成された第2直線と、を含むことを特徴とする。
【0019】
また、前記電極パターンは、互いに平行なジグザグ形の線を含むことを特徴とする。
【0020】
また、前記電極パターンは、互いに平行な2個のジグザグ形の線の組み合わせを含むことを特徴とする。
【0021】
前記タッチパネルは、前記透明基板に備えられた制御部と、前記電極パターンと前記制御部とを連結する電極配線と、をさらに含み、前記電極パターンは、透明基板に形成されることを特徴とする。
【0022】
また、前記制御部は、前記電極パターンの一側に備えられた第1制御部と、前記電極パターンの他側に備えられた第2制御部と、を含み、前記電極配線は、前記電極パターンの一端と前記第1制御部とを連結する第1電極配線と、前記電極パターンの他端と前記第2制御部とを連結する第2電極配線と、を含むことを特徴とする。
【0023】
本発明の特徴及び利点は、添付図面に基づいた以下の詳細な説明によってさらに明らかになるであろう。
【0024】
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的かつ辞書的な意味に解釈されてはならず、発明者が自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されるべきである。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、電極パターンに開口部を適用して、電極パターンを単層構造に形成することができ、それによりタッチパネルの製造コストを節約することができ、製造工程を単純化することができるという長所がある。
【0026】
また、本発明によると、電極パターンを単層構造に形成することにより、厚さを減少させてタッチパネルの薄型化を具現することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの平面図である。
【図2】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの平面図である。
【図3A】図1に図示された電極パターンの変形例を拡大した平面図である。
【図3B】図1に図示された電極パターンの変形例を拡大した平面図である。
【図3C】図1に図示された電極パターンの変形例を拡大した平面図である。
【図4】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルがタッチの座標を認識する過程を図示した平面図である。
【図5A】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルがタッチの座標を認識する過程をさらに図示した平面図である。
【図5B】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルがタッチの座標を認識する過程をさらに図示した平面図である。
【図5C】本発明の好ましい実施例によるタッチパネルがタッチの座標を認識する過程をさらに図示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は、添付図面に係る以下の詳細な説明及び好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素と区分するために用いられるものであって、構成要素が前記用語により制限されるものではない。また、本発明を説明するにあたり、係わる公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にする可能性があると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0029】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0030】
図1及び図2は、本発明の好ましい実施例によるタッチパネルの平面図である。
【0031】
図1及び図2に図示されたように、本実施例によるタッチパネル100は、第1方向Aに互いに平行になるように配置された電極パターン110を含み、電極パターン110には電極パターン110を2分割する開口部120が形成され、開口部120は第1方向Aに対して垂直方向である第2方向Bに向かう程、第1方向AにN回移動する構成125がM回繰り返されることを特徴とする。
【0032】
前記電極パターン110は、ユーザがタッチする際に信号を発生して制御部140で座標を認識できるようにする機能を有するものであって、第1方向Aに互いに平行になるように配置される。ここで、電極パターン110は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)またはこれらの組み合わせを利用して形成することができる。具体的に、電極パターン110は、電気伝導度の高い銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)を利用して形成することが好ましいが、電気伝導度を有した全ての金属を利用することができることは言うまでもない。また、電極パターン110を銅(Cu)で形成する場合、電極パターン110の表面には黒化処理を施すことが好ましい。ここで、黒化処理とは、電極パターン110の表面を酸化させてCuOまたはCuOを析出することを意味し、CuOは茶色を帯びるため、ブラウンオキサイド(Brown Oxide)と称し、CuOは黒色を帯びるため、ブラックオキサイド(Black Oxide)と称する。電極パターン110の表面に黒化処理を施すことにより、光が電極パターンに反射することを防止することができ、それによって、タッチパネル100の視認性を向上できるという長所を有する。一方、電極パターン110は、前記金属の他にも、銀塩乳剤層を露光・現像して形成した銀、ITO(Indium Tin oxide)などの金属酸化物や、柔軟性に優れ、コーティング工程が単純なPEDOT/PSSなどの伝導性高分子を利用して形成することもできる。
【0033】
また、電極パターン110は、基本的に第1方向Aに互いに平行な直線116で構成される。それだけでなく、静電容量を増加させてタッチパネル100の感度を向上させるために、図3Aに図示されたように、電極パターン110は、第1方向Aに互いに平行な第1直線117と、第1直線117に沿って所定間隔ごとに第1直線117に対して垂直方向に形成された第2直線118と、で構成することができる。または、図3Bまたは図3Cに図示されたように、電極パターン110は、互いに平行なジグザグ(Zigzag)形の線119で構成したり(図3B参照)、互いに平行な2個のジグザグ形の線119の組み合わせにより構成することができる(図3C参照)。
【0034】
一方、電極パターン110には、開口部120が形成される(図1及び図2参照)。ここで、開口部120は、電極パターン110を2分割するものであって、第2方向B(第1方向Aに対して垂直方向)に向かう程、第1方向AにN回移動され、このような構成125がM回繰り返される。例えば、図1に図示されたように、開口部120は、第2方向Bに向かう程、第1方向Aに5回移動される構成125が3回繰り返される。従って、開口部120の位置は、第2方向Bを基準に5個の単位で繰り返され、A番目の開口部120は、A+5番目の開口部120と第1方向Aの座標が同一である。このような開口部120の構成125は、タッチの第1方向Aの座標を認識するためのものであり、開口部120が第1方向Aに移動される間隔は一定に設定することができ、具体的な説明は後述する。
【0035】
また、電極パターン110は、透明基板130に形成される。ここで、透明基板130は、電極パターン110を支持できる支持力と、画像表示装置で提供する画像をユーザが認識できるようにする透明性を備えなければならない。前記支持力と透明性を考慮すると、透明基板130は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、環状オレフィンコポリマー(COC)、トリアセチルセルロース(Triacetylcellulose;TAC)フィルム、ポリビニルアルコール(Polyvinyl alcohol;PVA)フィルム、ポリイミド(Polyimide;PI)フィルム、ポリスチレン(Polystyrene;PS)、二軸延伸ポリスチレン(K樹脂含有biaxially oriented PS;BOPS)、ガラスまたは強化ガラスなどで形成するのが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0036】
一方、電極パターン110は、電極配線150を介して制御部140の一種であるコントローラ(Controller)に連結される。ここで、制御部140は、透明基板130のほかに別途に備えられてフレキシブルプリントケーブル(FPC)により電極パターンに連結されるだけでなく、図1に図示されたように、透明基板130上に備えることもできる。制御部140を透明基板130に備える場合、制御部140は、ワイヤボンディング(Wire Bonding)方式やBGA(Ball Grid Array)方式により電極配線150に連結することができる。より具体的に説明すると、図1に図示されたように、制御部140は、電極パターン110の一側に備えられた第1制御部143と、電極パターン110の他側に備えられた第2制御部145とを含むことができる。この場合、電極配線150は、電極パターン110の一端と第1制御部143とを連結する第1電極配線153と、電極パターン110の他端と第2制御部145とを連結する第2電極配線155とを含むことができる。このように、第1制御部143と第2制御部145が電極パターン110の両側に配置され、電極配線150を介して第1制御部143と第2制御部145を電極パターン110の両端にそれぞれ連結することにより、電極配線150を電極パターン110の左右側に延長する必要がない。従って、電極パターン110左右側のベゼル領域(Bezel Area)を最小化することができる長所が存在する。但し、第1制御部143と第2制御部145が電極パターン110の両側に配置されることは例示に過ぎないため、本発明の権利範囲はこれに限定されず、図2に図示されたように、制御部140が1個のみ備えることもできることは言うまでもない。
【0037】
図4は、本発明の好ましい実施例によるタッチパネルがタッチの座標を認識する過程を図示した平面図であり、これを参照してタッチパネル100がタッチ座標を認識する過程を説明すると次のとおりである。
【0038】
先ず、電極パターン110は、開口部120を基準に一側に備えられた第1電極パターン113と、他側に備えられた第2電極パターン115と、で構成される。ここで、開口部120は第2方向Bに向かう程、第1方向AにN回移動する構成125がM回繰り返される。そのため、第1電極パターン113は、第2方向Bに向かう程、N回目まで長くなる構成がM回繰り返され、第2電極パターン115は、第2方向Bに向かう程、N回目まで短くなる構成がM回繰り返される。
【0039】
例えば、図4に図示されたように、開口部120は、第2方向Bに向かう程、第1方向Aに5回移動される構成125が3回繰り返されてもよく、このような構成125に基づき、制御部140がタッチ座標を認識する過程を詳細に説明する。
【0040】
基本的に、制御部140は、第2方向Bに向かって順に電極パターン110のタッチ有無を判断する。具体的に、制御部140は、第2方向Bに向かって順に第1電極パターン113にタッチの入力時のデータ値を「1」と、タッチの非入力時のデータ値を「0」と判断し、左側から右側に5個のデータ値からなる第1単位データを3個算出する。従って、図示されたように、タッチTが入力されると、3個の第1単位データは、<(00111)(00111)(00000)>となる。また、制御部140は、第2方向Bに向かって順に第2電極パターン115にタッチの入力時のデータ値を「1」と、タッチの非入力時のデータ値を「0」と判断し、左側から右側に5個のデータ値からなる第2単位データを3個算出する。従って、図示されたようにタッチTが入力されると、3個の第2単位データは、<(00000)(11100)(10000)>となる。
【0041】
制御部140は、算出したM個の第1単位データとM個の第2単位データに基づき、タッチTの第1方向Aの座標及び第2方向Bの座標を認識することができる。
【0042】
制御部140がタッチTの第2方向Bの座標を認識するためには、まずM個の第1単位データとM個の第2単位データのうち互いに対応する位置のデータ値(左側から順序が同一のデータ値)を比較する。具体的に、制御部140は、互いに対応する位置のデータ値のうち少なくとも一つが「1」である場合、データ値を「1」と判断し、全てが「0」である場合、データ値を「0」と判断し、左側から右側に5個のデータ値からなる第3単位データを3個算出する。ここで、3個の第1単位データは、<(00111)(00111)(00000)>であり、3個の第2単位データは、<(00000)(11100)(10000)>であるため、3個の第3単位データは、<(00111)(11111)(10000)>となる。ここで、3個の第3単位データのデータ値のうち「1」の中間位置によりタッチTの第2方向Bの座標を認識することができる。実際、3個の第3単位データは、<(00111)(11111)(10000)>であり、このうち「1」の中間位置は7番目であるため、タッチTの第2方向Bの座標を7と認識することができる。
【0043】
一方、制御部140がタッチTの第1方向Aの座標を認識するためには、まずそれぞれの第1単位データのうち互いに対応する位置のデータ値(左側から順序が同一のデータ値)を比較する。具体的に、制御部140は、互いに対応する位置のデータ値のうち少なくとも一つが「1」である場合、データ値を「1」と判断し、全てが「0」である場合、データ値を「0」と判断し、左側から右側に5個のデータ値からなる第4単位データを算出する。実際、3個の第1単位データは、<(00111)(00111)(00000)>であるため、第4単位データは<00111>となる。
【0044】
また、それぞれの第2単位データのうち互いに対応する位置のデータ値(左側から順序が同一のデータ値)を比較する。具体的に、制御部140は、互いに対応する位置のデータ値のうち少なくとも一つが「1」である場合、データ値を「1」と判断し、全てが「0」である場合、データ値を「0」と判断し、左側から右側に5個のデータ値からなる第5単位データを算出する。実際、3個の第2単位データは、<(00000)(11100)(10000)>であるため、第5単位データは<11100>となる。
【0045】
その後、第4単位データのデータ値のうち左側から「0」の個数と、第5単位データのデータ値のうち左側から「1」の個数とに基づき、タッチTの第1方向Aの座標を認識することができる。具体的に、第4単位データのデータ値のうち左側から「0」の個数に、所定値(例えば0.5)を加えてY1を算出し、第5単位データのデータ値のうち左側から「1」の個数に、所定値(例えば0.5)を加えてY2を算出した後、Y1とY2の平均値を計算する。実際、第4単位データのデータ値(<00111>)のうち左側から「0」の個数は2であるため、Y1は2+0.5=2.5となり、第5単位データのデータ値(<11100>)のうち左側から「1」の個数は3であるため、Y2は3+0.5=3.5となる。結果、Y1とY2の平均値は(2.5+3.5)/2=3となり、タッチTの第1方向Aの座標を3と認識することができる。
【0046】
但し、前記所定値を0.5と定義することは例示に過ぎず、所定値は、タッチパネル100の設計に応じて変更することができることは言うまでもない。
【0047】
一方、図5A〜図5Cは、本発明の好ましい実施例によるタッチパネルがタッチの座標を認識する過程をさらに図示した平面図であり、これを参照してタッチパネル100がタッチ座標を認識する過程をより具体的に説明すると次のとおりである。
【0048】
まず、図5Aに図示されたように、タッチT1が入力されると、3個の第1単位データは、<(00011)(00011)(00000)>となり、3個の第2単位データは、<(00110)(11110)(10000)>となる。従って、3個の第3単位データは、<(00111)(11111)(10000)>となり、このうち「1」の中間位置は7番目であるため、タッチT1の第2方向Bの座標を7と認識することができる。一方、第4単位データは<00011>となり、Y1は3.5であり、第5単位データは<11110>となり、Y2は4.5である。結果、Y1とY2の平均値は(3.5+4.5)/2=4となり、タッチT1の第1方向Aの座標を4と認識することができる。
【0049】
次に、図5Bに図示されたように、タッチT2が入力されると、3個の第1単位データは、<(00001)(00011)(00000)>となり、3個の第2単位データは、<(00000)(11100)(10000)>となる。従って、3個の第3単位データは、<(00001)(11111)(10000)>となり、このうち「1」の中間位置は8番目であるため、タッチT2の第2方向Bの座標を8と認識することができる。一方、第4単位データは<00011>となり、Y1は3.5であり、第5単位データは<11100>となり、Y2は3.5である。結果、Y1とY2の平均値は、(3.5+3.5)/2=3.5となり、タッチT2の第1方向Aの座標を3.5と認識することができる。
【0050】
次に、図5Cに図示されたようにタッチT3が入力されると、3個の第1単位データは、<(00011)(01111)(00000)>となり、3個の第2単位データは、<(00000)(11100)(10000)>となる。従って、3個の第3単位データは、<(00011)(11111)(10000)>となり、このうち「1」の中間位置は7.5番目であるため、タッチT3の第2方向Bの座標を7.5と認識することができる。一方、第4単位データは<01111>となり、Y1は1.5であり、第5単位データは<11100>となり、Y2は3.5である。結果、Y1とY2の平均値は(1.5+3.5)/2=2.5となり、タッチT3の第1方向Aの座標を2.5と認識することができる。
【0051】
このように、開口部120が第2方向Bに向かう程、第1方向Aに5回移動される構成125(図4参照)が3回繰り返されると、第1方向Aの座標は0.5単位で0.5から5.5まで11個になることができる。但し、このような開口部120の構成125は例示に過ぎず、電極パターン110と開口部120の個数を調節して、タッチの座標の個数を調節することができ、それによってタッチパネル100の感度を制御することができる。
【0052】
以上、本発明を好ましい実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明によるタッチパネルは、これに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者である場合、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
【0053】
本発明の単純な変形乃至変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、製造コストを節約し、製造工程を単純化することができるとともに、厚さを減少させて薄型化を具現することができるタッチパネルに適用可能である。
【符号の説明】
【0055】
100 タッチパネル
110 電極パターン
113 第1電極パターン
115 第2電極パターン
116 直線
117 第1直線
118 第2直線
119 ジグザグ形の線
120 開口部
125 開口部がN回移動する構成(構成)
130 透明基板
140 制御部
143 第1制御部
145 第2制御部
150 電極配線
153 第1電極配線
155 第2電極配線
A 第1方向
B 第2方向
T、T1、T2、T3 タッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に互いに平行になるように配置された電極パターンを含み、
前記電極パターンには前記電極パターンを2分割する開口部が形成され、
前記開口部は、前記第1方向に対して垂直方向である第2方向に向かう程、前記第1方向にN回移動する構成がM回繰り返されることを特徴とするタッチパネル。
【請求項2】
前記電極パターンは、
前記開口部を基準に一側に備えられた第1電極パターンと、
前記開口部を基準に他側に備えられた第2電極パターンと、を含み、
前記タッチパネルは、
前記第2方向に向かって順に前記電極パターンのタッチ有無を判断し、
前記第2方向に向かって順に前記第1電極パターンにタッチの入力時のデータ値を「1」と、タッチの非入力時のデータ値を「0」と判断し、左側から右側にN個のデータ値からなる第1単位データをM個算出し、
前記第2方向に向かって順に前記第2電極パターンにタッチの入力時のデータ値「1」と、タッチの非入力時のデータ値を「0」と判断し、左側から右側にN個のデータ値からなる第2単位データをM個算出する制御部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記制御部は、
M個の前記第1単位データとM個の前記第2単位データにおいて互いに対応する位置のデータ値のうち少なくとも一つが「1」である場合、データ値を「1」と判断し、全てが「0」である場合、データ値を「0」と判断し、左側から右側にN個のデータ値からなる第3単位データをM個算出し、
M個の前記第3単位データのデータ値のうち「1」の中間位置によりタッチの前記第2方向の座標を認識することを特徴とする請求項2に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記制御部は、
それぞれの前記第1単位データにおいて互いに対応する位置のデータ値のうち少なくとも一つが「1」である場合、データ値を「1」と判断し、全てが「0」である場合、データ値を「0」と判断し、左側から右側にN個のデータ値からなる第4単位データを算出し、
それぞれの前記第2単位データにおいて互いに対応する位置のデータ値のうち少なくとも一つが「1」である場合、データ値を「1」と判断し、全てが「0」である場合、データ値を「0」と判断し、左側から右側にN個のデータ値からなる第5単位データを算出し、
前記第4単位データのデータ値のうち左側から「0」の個数、及び前記第5単位データのデータ値のうち左側から「1」の個数に基づき、タッチの前記第1方向の座標を認識することを特徴とする請求項2に記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第4単位データのデータ値のうち左側から「0」の個数に、所定値を加えてY1を算出し、前記第5単位データのデータ値のうち左側から「1」の個数に、所定値を加えてY2を算出し、前記Y1と前記Y2との平均値により、タッチの前記第1方向の座標を認識することを特徴とする請求項4に記載のタッチパネル。
【請求項6】
前記所定値は、0.5であることを特徴とする請求項5に記載のタッチパネル。
【請求項7】
前記電極パターンは、互いに平行な直線を含むことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項8】
前記電極パターンは、互いに平行な第1直線と、前記第1直線に沿って所定間隔ごとに前記第1直線に対して垂直方向に形成された第2直線と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項9】
前記電極パターンは、互いに平行なジグザグ形の線を含むことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項10】
前記電極パターンは、互いに平行な2個のジグザグ形の線の組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項11】
前記タッチパネルは、
前記透明基板に備えられた制御部と、
前記電極パターンと前記制御部とを連結する電極配線と、をさらに含み、
前記電極パターンは、透明基板に形成されることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項12】
前記制御部は、
前記電極パターンの一側に備えられた第1制御部と、前記電極パターンの他側に備えられた第2制御部と、を含み、
前記電極配線は、
前記電極パターンの一端と前記第1制御部とを連結する第1電極配線と、前記電極パターンの他端と前記第2制御部とを連結する第2電極配線と、を含むことを特徴とする請求項11に記載のタッチパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【公開番号】特開2013−89231(P2013−89231A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−180203(P2012−180203)
【出願日】平成24年8月15日(2012.8.15)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】