説明

タッチ入力アクティブマトリクス表示装置

タッチ入力機能を有するアクティブマトリクス表示装置が提供される。この装置は、行および列のアレイで配置された複数の画素を備え、各画素が1つの画素電極(11)を備え、この画素電極(11)には、対応する薄膜トランジス(13)を介して関連するデータ導体(12)によりデータ電圧を供給することができる。薄膜トランジスタは、画素電極に接続されるドレイン端子を有している。また、各画素電極は、上記画素へのタッチ入力に応答して関連する画素電極を他の電極(51;14)に対して電気的に接続する本体(30;70;80)をさらに備え、上記接続を関連するデータ導体によって検出できる。また、ディスプレイをアドレス指定するために使用される回路も、感圧および光タッチ入力を含むディスプレイに対する任意のタッチ入力を検出するために使用できる。これにより、タッチ入力検出を行なうための余分の導体が不要となるため、有利である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチ入力機能を有する表示装置に関し、特に、行および列のアレイで配置された複数の画素を備えるアクティブマトリクス表示装置に関する。特に、本発明はタッチ入力の検出に関する。
【背景技術】
【0002】
表示される情報との迅速且つ容易なユーザのやりとりが望ましい今日の社会では、タッチ入力表示装置の使用が益々一般的になってきている。そのような表示装置は、大型機械における制御装置や、例えば携帯電話およびPDA等の小型の携帯デバイスにおいて、公的情報源の一部として使用されてもよい。ディスプレイに組み込まれるタッチ入力機能は、マウスおよび/またはキーボード等の周辺ユーザ入力デバイスを不要にでき、したがって、装置全体の煩わしさを軽減する。
【0003】
この明細書において、用語「タッチ入力」は、感圧タッチ入力および光タッチ入力の両方を含んでいる。例えば、これは、表示装置に触れ且つ一点に圧力を加え或いは光を放射する使用者の指、スタイラス、ペン、あるいは、そのような他の装置からの表示装置に対するユーザ入力を含んでいる。
【0004】
様々なディスプレイタイプがタッチ入力ディスプレイとの統合に適している。フラットパネル型のディスプレイは、比較的軽量であり且つPDA等の小型の装置内に組み込むことができるため、特に用途が広い。パネルディスプレイとしては、アクティブマトリクス液晶デイスプレイ(AMLCD)等のアクティブマトリクスディスプレイ、アクティブマトリクス電子発光ディスプレイ、電気泳動ディスプレイを挙げることができる。タッチ入力機能を有するフラットパネルディスプレイの他の利点は、タッチ入力センサに対して駆動エレクトロニクスが近接しており、それにより、それらの間での相互接続を短くできるという点である。一例として、1つの手法は、ディスプレイ表面上にわたって透明なセンサアレイを位置決めすることであった。この場合、センサアレイに対するタッチ入力は、センサアレイの端部から接続部を介して出力される。
【0005】
しかしながら、このようにユーザの観察経路にセンサアレイを配置することにより、観察画像の画質がしばしば低下する。2つの貼り合わされた面間で捕捉されるようになる汚い粒子に関する問題により、この手法は好ましくないものとなる。
【0006】
米国特許第5,610,629号は、液晶ディスプレイに対するペン入力のためのシステムを開示している。このシステムにおいて、ディスプレイ内の各画素は、手持ち式のスタイラスによって形成される信号に応答する関連するセンサを有している。開示されたセンサのタイプの一例は、それぞれの画素セルの下側に位置された圧電センサである。この場合、導体の交差組間にポリビニルジフルオライド(PVDF)膜が配置される。膜が一点でスタイラスにより押し下げられると、その点で、交差する導体間に電圧が形成される。これは、関連する列アドレス線とは別個の関連する検出線によって検出される。
【0007】
欧州特許第0,773,497号は、各LCセルが装置の検出機能を果たすタッチ感応LCDを開示している。画素に対するタッチ入力は、そのセルのキャパシタンスを変え、充電特性を変化させる。これらの特性は、タッチ入力を検出するために測定される。しかしながら、そのようなキャパシタンスの変化は比較的小さく、これらを、LCセルの移動により生じるセルキャパシタンスの絶え間ない変化によって形成される比較的高いノイズレベルで検出することは困難となり得る。
【0008】
2003年4月18日に提出された本出願人の同時係属の未公開欧州特許出願EP03101085.3号(出願人の整理番号:PHNL030393)は、表示領域を有するフラットディスプレイ装置およびタッチパッド等の電気的に制御された入力装置について記載している。表示領域を制御するとともに、入力装置からの入力情報を伝えるために、別個の導体パターンが形成されている。情報入力は、2つの対向する基板間で電気的な接触がなされるように、入力装置を構成する選択された領域に圧力を加えることにより実現される。2つの基板間で電気的な接触を可能にするために、2つの基板間に導電粒子を配置することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、タッチ入力機能が組み込まれたアクティブマトリクス表示装置を提供しようとしている。
【0010】
本発明は、アクティブマトリクス表示装置にタッチ入力機能を与えるために必要な余分な特徴を最小限に抑えようとしている。
【0011】
本発明は、タッチ入力アクティブマトリクス表示装置のための検出回路を簡略化しようとしている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明においては、行および列のアレイで配置された複数の画素を備え、各画素が1つの画素電極を備え、この画素電極には、対応する薄膜トランジスを介して関連するデータ導体によりデータ電圧を供給することができ、上記複数の画素のうちの少なくとも一部はそれぞれ、上記画素へのタッチ入力に応答して関連する画素電極を他の電極に対して電気的に接続する本体をさらに備え、上記接続を関連するデータ導体によって検出できるアクティブマトリクス表示装置が提供される。
【0013】
アクティブマトリクスディスプレイの画素電極上にタッチ検出を一体化することにより、ディスプレイをアドレス指定するために使用される回路も、ディスプレイに対する任意のタッチ入力を検出するために使用できる。これにより、タッチ入力検出を行なうための余分な導体が不要になり有利である。
【0014】
本発明の第2の態様においては、アクティブマトリクス表示装置のタッチ入力感応画素であって、1つの画素電極を備え、この画素電極には、この画素電極に接続された対応する薄膜トランジスを有する関連するアドレス回路によってデータ電圧を供給することができ、また、上記画素へのタッチ入力に応答して上記画素電極を他の電極に対して電気的に接続する本体をさらに備え、上記接続を上記アドレス回路によって検出できるタッチ入力感応画素が提供される。
【0015】
他の電極に対する画素電極の電気的な接続は、タッチ入力の簡単で且つ明確な検出を可能にする。これは、使用者による意図するタッチ入力だけに反応する低ノイズ検出方式を与える。
【0016】
本発明の第1の好ましい実施形態において、装置は、上記画素電極のアレイから離間してこれらのアレイの上側に位置するとともに、それ自体と上記各画素電極との間に電位差を形成するようになっている共通電極をさらに備え、上記各本体は、上記画素へのタッチ入力に応答して、関連する画素電極を上記共通電極に対して電気的に接続する。
【0017】
上記本体は、印加される圧力に応答して変化する電気抵抗を有する感圧素子を備えていてもよい。したがって、適切な電気的特性を有する圧電抵抗材料を使用できる。感圧素子は、上記画素電極の上側に直接接触して位置していることが好ましい。この感圧素子は、例えばリソグラフィによって形成されてもよく、また、画素電極と共通電極との間でスペーサ部材としての機能を果たすことにより、圧力が印加されていないときに画素電極と共通電極との間に特定の隙間を維持してもよい。
【0018】
代替的には、本体は導電材料を備えていてもよく、また、画素電極と共通電極との間に配置されてもよい。各本体は、リソグラフィによって形成された導電体であり、それぞれが電極間の間隔よりも小さい直径を有するとともに、対向する電極間に位置されていることが好ましい。したがって、タッチ入力に応答して画素に圧力が加えられると、電極間の間隔が減少し、導電体により関連する画素電極が共通電極に対して電気的に接続される。
【0019】
第2の好ましい実施形態において、上記各画素の上記薄膜トランジスタは、関連する選択導体に接続されるゲート端子を有し、上記選択導体には、それぞれの上記画素電極に対するデータ電圧の供給を制御するためにゲート電圧を印加することができ、上記各本体は、上記画素へのタッチ入力に応答して、関連する画素電極を上記選択導体に対して電気的に接続する。画素電極と関連する選択導体との間のタッチ応答接続は、アクティブマトリクス表示装置に対するタッチ入力を検出するための他の方法を与える。これらの間にスイッチを設けることにより、関連する選択導体からの電流は、タッチされた画素の画素電極を介して、関連するデータ導体へと流れ、これにより、タッチ入力を検出できる。
【0020】
この実施形態の各本体は、例えば圧電抵抗材料から成る感圧素子を備えていてもよい。画素に対するタッチ入力は、上側に位置する層を介して感圧素子に圧力を加え、それにより、感圧素子の抵抗が減少し、電気的な接続が成される。
【0021】
代替的には、上記本体は入射する所定波長の光に応答して変化する電気抵抗を有する光導電素子を備えていてもよい。この光は、使用者によって保持される例えばライトペンによって生成されてもよい。ペンからのタッチ入力に応答して、入射光が光導電素子の抵抗を減少させ、それにより、電気的な接続が成される。
【0022】
いずれの場合も、本体は、光導電素子がそれぞれの画素電極および関連する選択導体の上側に位置するようにリソグラフィによって形成することができる。
【0023】
好ましい実施形態のそれぞれにおいて、表示装置は、上記各データ導体に接続された駆動回路をさらに備え、この駆動回路は、関連する上記画素電極に対してそれぞれのアドレス期間中にデータ電圧を供給するためのアドレス指定モードと、関連する上記画素に対するタッチ入力をそれぞれの検出期間中に検出するための検出モードとにおいて動作するようになっている。上記駆動回路は、上記各データ導体に接続されるそれぞれのバッファ回路を備え、上記各バッファ回路は、上記検出期間中にそれぞれのデータ導体を通じて流れる電流を測定する役割を果たすアナログ・デジタル変換器(A/D)を有している。各A/D変換器は、関連する画素へのタッチ入力が存在するかどうかに応答して「0」信号または「1」信号を制御ソフトウェアに送る単純な信号ビット検出器であってもよい。これは、小さな帯域幅しか必要とせず、また、タッチ入力検出信号を制御ソフトウェアに供給する簡単な電子回路しか必要としないため、有利である。
【0024】
本発明の第3の態様においては、複数の画素を備え且つ各画素が1つの画素電極を備えているアクティブマトリクス表示装置に対するタッチ入力を検出する方法であって、上記画素電極に対してそれぞれのアドレス期間中に関連するデータ導体を介してデータ電圧を供給する供給ステップと、上記各データ導体における信号をそれぞれの検出期間中に測定して、ディスプレイに対するタッチ入力を検出する測定ステップとを含む方法が提供される。このようにすれば、アドレス期間中に画像データが画素に供給され、検出期間中にタッチ入力が検出される。また、データ導体は両方の機能において使用される。
【0025】
好ましい実施形態のそれぞれにおいて、上記画素は、行および列のアレイで配置されるとともに、それぞれの行期間中に同時に1つの行が選択され、これにより、上記データ導体のデータ電圧を、選択された行の関連する画素電極に対して印加することができ、上記各行期間がアドレス期間と検出期間とを含んでいる。各検出期間は、選択された行の画素がアドレス指定されるアドレス期間と、その行内の画素への任意のタッチ入力が検出される検出期間とに分けられる。タッチ検出は、各検出期間がアドレス期間の後に続くように各行期間の終わりに行なわれることが好ましい。
【0026】
検出期間中におけるタッチ入力の検出は、各データ導体に接続された駆動回路によって行なわれる。これは、それぞれの検出期間の持続時間にわたって上記各データ導体を流れる電流を積算することを含んでいる。データ導体で測定された電流を各行期間にわたって積算することにより、平均値を計算して、ノイズを除去することができ、したがって、任意のタッチ入力の正確な検出を行なうことができる。
【0027】
ここで、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を一例として説明する。
【0028】
なお、図面は、概略的であり、一定の倍率で描かれていない。明確にするため、また、図面の便宜上、これらの図の部品の相対的な寸法および比率は、サイズが誇張されて或いは縮小されて示されている。同一または類似の部品を示すため、図面の全体にわたって同一の参照符号が使用されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明は、様々なアクティブマトリクス表示装置に適用できる。以下の特定の実施形態は、単なる一例としてアクティブマトリクス液晶表示(AMLCD)装置に関連して本発明を説明している。他のタイプの表示装置を使用できることが理解される。
【0030】
図1は、画素の行および列のアレイを備えるAMLCD装置におけるアクティブプレート1の一部を概略的に示している。各画素は、アクティブプレート1上に支持された画素電極11を備えている。アクティブプレート1上にはデータ導体12が支持されており、各データ導体は、画素電極のそれぞれの列に対してデータ電圧を供給するのに役立つ。各画素電極11は、薄膜トランジスタ(TFT)13を介して、その対応するデータ導体12に対して接続されている。各TFTは、ソース端子と、ゲート端子と、ドレイン端子とを有している。各TFTのソース端子は、対応するデータ導体12に対して接続されている。ドレイン端子は、対応する画素電極11に対して接続されている。また、アクティブプレート1上には選択導体14が支持されており、各選択導体は、対応する行中のTFT13のゲート端子に対してゲート電圧を供給するのに役立つ。
【0031】
アクティブプレート1の画素電極11、データ導体12、選択導体14、TFT13は、例えばCVDプロセスによる様々な絶縁層、導電層、半導体層の堆積(蒸着)およびフォトリソグラフィパターニングを含む従来の薄膜処理技術を使用して基板上に形成される。
【0032】
アクティブプレート1上に支持された駆動回路は、列ドライバ22と行ドライバ24とを有している。ビデオデータ信号および制御信号は、制御ユニット25を介して、ドライバ回路に対して供給される。列ドライバ22は、その一端が各データ導体12に対して接続されている。行ドライバ24は各選択導体14に対して接続されている。駆動回路は、アクティブプレートの基板上のTFTによって形成することができ、あるいは、一連の接続部を介して行および列のアレイに対して接続されるICにより形成することもできることが理解される。
【0033】
それぞれのTFT13のゲート端子に対して印加されるゲート電圧は、それぞれのアドレス期間中に1つの行のTFT13を同時にONする、すなわち、選択することにより対応するデータ導体12からそれぞれの画素電極11へのデータ電圧の供給を制御する機能を果たす。
【0034】
また、図1のAMLCD装置は、アクティブプレート1の上側に位置し且つ液晶(LC)材料から成る層を間に挟むパッシブプレート(図示せず)も備えている。パッシブプレートは、表示領域を横切って連続する共通電極(共通電極)をその内面上で支持している。画素電極11から離間して当該画素電極のアレイの上側に位置する共通電極は、それ自体と各画素電極11との間に電位を形成するように動作可能である。この電位は、間に挟まれたLC材料の透過率を調節する働きをする。
【0035】
また、アレイ中の各画素は、画素へのタッチ入力に応答して対応する画素電極11を他の電極に対して電気的に接続する本体をさらに備えている。図1は、図2および図3を参照して以下で詳細に説明する本発明の第1の実施形態に係るリソグラフィによって形成される導電体30として各本体を示している。
【0036】
図2は、圧力に基づくタッチ入力に対して応答する第1の実施形態のタッチ入力感応画素を平面図で示している。図示のTFT13は、一例として、ボトムゲート型である。理解を容易にするため、画素の電極パターンだけが示されている。下側に位置する選択導体14とデータ導体12との間には、クロスオーバ誘電体としての機能を果たす少なくとも1つの絶縁層(図示せず)がある。同様に、TFT13のソース電極およびドレイン電極は、クロスオーバ誘電体と同じ層によって設けられてもよいゲート誘電体(図示せず)により、ゲート電極から絶縁されている。
【0037】
図3は、データ導体12、画素電極11、導電体30を横切る図2に示されるA−A線に沿う画素の断面図である。図3から分かるように、アクティブプレートの基板40上にはクロスオーバ誘電体41が配置されている。
【0038】
第2の基板50がアクティブプレート1から離間されている。共通電極51は、第2の基板50の内面上に支持されているとともに、表示領域上にわたって延びることにより、アレイ内の各画素のための第2の電極を形成している。共通電極51の縁部に対する接続により、動作中に電圧を印加することができ、それにより、共通電極自体と各画素電極11との間で電位が形成される。この電位は、印加されたデータ信号にしたがってLC材料60から成る挟まれた層を調節する働きをする。基板50および共通電極51は、カラーフィルタ、偏光板、アライメント層等の他の層(図示せず)と共に、パッシブプレートを形成している。
【0039】
画素電極11と共通電極51との間には導電体30が配置されている。製造中、導電体は、リソグラフィック形成を使用することにより、セルギャップの厚さよりも薄い厚さを有して画素電極上に形成されるとともに、好ましくは導電性の高分子複合材料によって形成される。そのような材料の例は、www.zipperling.de/Researchにおいて見出すことができ、また、非導電性の高分子結合剤(ポリマーバインダ)、ポリアニリン、導電高分子の混合物を含んでいる。導電材料を使用してピラミッド形状等の様々な異なる形状の導電体を形成することもできると考えられるが、導電体は直方体として形成されている。導電体の上端と共通電極との間の隙間は、変わってもよく、例えば基板50の柔軟性によって決まる。
【0040】
リソグラフィによって形成される前述した導電体30の代わりに、導電性の高分子によりセルギャップの直径よりも小さい直径を有する導電球体を形成することもできる。また、製造中、リソグラフィによって形成された導電体を共通電極51上に形成し、したがって、当該導電体を共通電極51と接触させることもできることが理解される。この場合、画素に対するタッチ入力時に、導電体30は下側に位置する画素電極11と接触される。代替的に、導電体は、絶縁性高分子によって形成された後、導電性高分子でコーティングされてもよい。
【0041】
画素に対するタッチ入力により、第2の基板50に対して圧力が加わる。この圧力により、基板50が曲がって、セルギャップ(画素電極11と共通電極51との間の間隔)が減少する。十分な圧力が加えられると、共通電極51が導電体30と接触し、それにより、導電体30を介して画素電極11と共通電極51との間で電気的な接続が成される。この接続は、画素に関連付けられたアドレス回路によって検出できる。
【0042】
ここで、図4および図5を参照しながら、本発明にしたがった画素のアドレス指定(アドレッシング)およびその画素に対するタッチ入力の検出について説明する。画素に関連付けられたアドレス回路が図4に概略的に示されている。タッチ入力に応答して画素電極11と共通電極51との間で成される接続がスイッチ35で表わされている。通常、動作中(タッチ入力が無い時)にスイッチ35が開いていることが理解される。画素には、データ導体12に対して接続された駆動回路により、データ電圧が供給される。
【0043】
駆動回路は、列ドライバ22からデータ電圧が供給される対応するバッファ回路42を備えている。アナログ・デジタル変換器(ADC:Analog to Digital Converter)回路内に含まれており、データ導体12を介して測定された電流をデジタル信号に変換する機能を果たす。バッファ回路は、1つの検出スイッチ44と1つのコンデンサ45とをさらに備えており、これらはそれぞれ、対応するデータ導体12とADC43との間に接続されている。これらは、対応するデータ導体12を通じて流れる電流を積算する機能を果たす。スイッチ44は、この積算回路のリセットを可能にする。列ドライバ22のそれぞれの出力部は、オペアンプ(op−amp)IC46の1つの入力部に接続されている。対応するデータ導体12は、IC46の第2の入力部に接続されている。ADC43は、IC46の出力部に接続されている。
【0044】
駆動回路は、対応する画素に対してそれぞれのアドレス期間中にデータ電圧を供給するためのアドレス指定モードと、対応する画素に対するタッチ入力をそれぞれの検出期間中に検出するための検出モードとにおいて動作するようになっている。従来のアクティブマトリクスアドレッシング方式と同様に、それぞれの行期間中に同時に1つの行で画素のアレイがアドレス指定される。しかしながら、各行期間は、検出期間とアドレス期間とに分けられる。各行期間の持続時間においては、関連する選択導体14に対してゲート電圧を印加することにより、画素の1つの行が選択される。
【0045】
図5は、図4に示される画素に関連付けられたアドレス回路の一部に存在する様々な電圧レベルおよび電流レベルを示している。行期間Trにおいてはゲート電圧Vgが高い。このゲート電圧は、行ドライバ24によって生成されるとともに、選択導体14を介してTFT13のゲート端子に印加され、TFTをONさせる。これにより、データ導体12上に存在するデータ電圧VdをTFT13を介して画素電極に対して印加することができる。画素セルの比較的大きなキャパシタンスに起因して、画素電極の電圧Vpは、データ電圧Vdに達するまで、行期間Trの全体にわたって徐々に増大する。
【0046】
画素が押圧されない場合(タッチ入力が無い場合)、データ導体を流れる電流は、画素電極電圧がデータ電圧に近づくにつれて、行期間Trの全体にわたり減少する。この場合、電流Iも行期間Trの終わりに向かってゼロに近づく。しかしながら、画素が(タッチ入力により)押圧されると、スイッチ35が有効に閉じられたと見なすことができる。この場合、画素電圧Vpは増大せず、行期間Trの持続時間中にデータ導体12から共通電極51へと電流が流れる。TFTのオン抵抗(アモルファスシリコンTFTの場合にはメガオーム範囲)が限られているため、タッチ入力時にデータ導体を流れる電流は過度に高くならない。
【0047】
画素に対して何らかのタッチ入力があるかどうかに依存する、データ導体に存在する電流レベルのこのような違いにより、本発明者等は、行期間Trの終わり頃に画素に対するタッチ入力を検出する必要があることを悟った。したがって、各検出期間Tsがアドレス期間Taの後に続く。
【0048】
アドレス期間Ta中、バッファ回路42は、関連するデータ導体12を介して関連する画素電極11にデータ電圧を供給する働きをする。検出スイッチ44は、アドレス期間の持続時間において閉じられたままであり、これにより、バッファ回路42の電流検出機能を断つ(OFFする)。アドレス期間は、その持続時間が一般に20マイクロ秒であるが、無論、フィールドレート(アレイがアドレス指定される頻度)およびアレイ中の行の数に応答して変わる。例えば、アドレス期間は、ディスプレイが小さい場合には長い。
【0049】
アドレス期間の終わりに検出スイッチ44が開かれ、これにより、バッファ回路42の電流検出機能がONされ、検出期間Tsの開始が規定される。
【0050】
検出期間Ts中においては、関連するデータ導体12を流れる電流が測定される。行期間の終わりにデータ導体の電流が高いということは、画素電極11と共通電極51との間が接続されていることから、タッチ入力が生じたことを示している。逆に、電流が低いこと、あるは、電流がゼロであるということは、画素セルを横切って接続が存在せず、したがって、タッチ入力が無いことを示している。検出スイッチ44が開かれていると、データ導体12を流れる任意の電流によりコンデンサが充電される。検出期間の開始時にADCをオフセットすることにより、ADCは、既にアドレス指定されたデータ電圧を超える任意のさらなる電圧を測定する。コンデンサ45に蓄えられた任意の電荷は、IC出力46に存在する電圧としてADC43により測定される。この電圧は、コンデンサ45の両端間の電圧と列ドライバによって供給されるデータ電圧との和に等しい。検出期間は、その持続時間が一般に20マイクロ秒であるが、無論、コンデンサ45およびTFTのオン抵抗の値に応答して変わる。各行期間の終わりにADC43によって行なわれた測定から、ADCにより測定される電圧に対応するデータ導体12中の電流の所定の閾値に基づいて、タッチ入力の発生が決定される。この閾値決定は、ADC回路によりハードウェアで実施することができ、あるいは、駆動回路によりソフトウェアで実施することができる。前者は、検出回路からタッチ入力情報を送るための帯域幅要件を最小にするため、好ましい。
【0051】
各データ導体12には、対応するバッファ回路が接続されている。したがって、タッチ入力検出は、各行期間にわたって、行内の全ての画素に関して行なわれる。プロセスは、画素が順々にアドレス指定されるように画素の各行毎に繰り返される。この場合、各行期間は、アドレス期間と、その後の検出期間とを含んでいる。したがって、タッチ入力の検出は、ディスプレイの動作の間中行なわれる連続的なプロセスである。
【0052】
駆動回路の2モード動作は、画素への余分なアドレス導体を必要とすることなくタッチ入力検出を可能にする。各画素に関連付けられたアドレス回路は、画素電極11をそれぞれのアドレス期間中にアドレス指定するとともに、画素への任意のタッチ入力をそれぞれの検出期間中に検出するようになっている。
【0053】
ここで、図6および図7を参照しながら本発明の第2の実施形態について説明する。この実施形態のAMLCD装置も、圧力に基づくタッチ入力に感応する。アクティブプレート、パッシブプレート、アドレス回路および駆動回路の配置構成は、前述した実施形態の場合とほぼ同じである。しかしながら、導電材料を含む導電体の代わりに、各画素は、印加圧力に応答して変化する電気抵抗を有する感圧素子70を備えている。感圧素子70は、材料の部分的な圧縮によって決まる抵抗を有する圧電抵抗材料によって形成されている。そのような材料に対して圧力が加えられると、抵抗が著しく減少する。
【0054】
図6は、画素電極11の中央およびその近傍に感圧素子70が配置される画素レイアウトの平面図を示している。しかしながら、画素電極上の感圧素子70の実際の位置は重要ではない。図7は、感圧素子70を横切る図6のB−B線に沿う画素の断面図を示している。
【0055】
画素電極11およびデータ導体12の形成に引き続いて、各画素の画素電極11上には、リソグラフィック形成により、対応する感圧素子70が形成される。圧電抵抗材料がUV硬化可能であってもよいと考えられる。この場合、圧電抵抗材料は、意図されたセルギャップの厚さと等しい厚さを有する1つの層として、アクティブプレート上にわたってスピンコーティングされる。その後、この層は、個々の感圧素子70を残すマスクを介してUVに晒される。
【0056】
図7から分かるように、各画素の感圧素子70は、LC材料60を介して共通電極51と接触する。パッシブプレートを介して画素に圧力が加えられない場合(タッチ入力が無い場合)、感圧素子70は、1012オームを上回る程度の非常に高い抵抗を有していなければならない。画素に対するタッチ入力に応答して、感圧素子70の抵抗は、TFT13のオン抵抗よりも小さい10オームを下回る程度の値まで大きく減少し、それにより、画素電極11と共通電極51との間で電気的な接続がなされる。これらの特性を有する高分子材料の例は、米国特許米国特許第6,291,568号に記載されているので、参照されたい。
【0057】
図6および図7の画素のアドレス指定は、図4の回路図で感圧素子70をスイッチ35により表わすこともできる第1の実施形態に関連して説明した方法と同様の方法で行なわれる。
【0058】
ここで、図8、9、10を参照しながら、本発明の第3の実施形態について説明する。この実施形態のAMLCD装置は、例えばライトペンからの光タッチ入力に感応する。画素電極11と、関連するデータ導体12と、画素電極11に接続されたドレイン端子を有する薄膜トランジスタ13と、関連する選択導体14とを有するタッチ入力感応画素の配置構成が図8に示されており、それぞれは、第1の実施形態における画素の態様と同様の態様で基板上に配置されている。薄膜トランジスタ13は、画素電極11に対するデータ電圧の供給を制御するためにゲート電圧を印加できるゲート端子を有している。ゲート電圧は、行ドライバによって生成されるとともに、関連する選択導体14を介してTFT13のゲート端子に対して供給される。また、画素は、この画素に対するタッチ入力に応答して画素電極を上記ゲート端子に対して電気的に接続する本体をさらに備えている。この本体は、入射する所定波長の光に応答して変化する電気抵抗を有する光導電素子80を備えている。
【0059】
この実施形態において、光導電素子80は、その一部が画素電極11および選択導体14の両方と重なり合うように位置されている。入射する所定波長の光に応答して変化する電気抵抗を光導電素子が有するような光導電材料が、光導電素子80を形成するために使用される。この光は、一般に、ユーザにより保持され且つディスプレイスクリーンと併せて使用されるライトペンによって生成される。適した光導電材料の例は、R. M. Schaffertによる研究論文「A New High−sensitivity Organic Photoconductor for Electrophotography」(IBM J. Res Development, 1971年1月、75〜89頁)に記載されているので、参照されたい。
【0060】
図9は、光導電素子80および選択導体14を横切る図8のC−C線に沿う画素の断面図を示している。ユーザによって保持されて動作されるライトペン95は、光導電素子80上に入射する所定波長の光100を放射する。パッシブプレートは、光100の通過を許容する透明材料によって主に形成されている。図9から分かるように、光導電素子80は選択導体14と接触している。
【0061】
ライトペンが画素の近傍にない(タッチ入力が無い)場合、光導電素子80は、1012オームを上回る程度の非常に高い抵抗を有していなければならない。これは、画素電極11と選択導体14との間の電気的絶縁性を維持する。ライトペン95から画素へのタッチ入力は、パッシブプレートを介して光導電素80上に入射する光を生成する。画素に対するタッチ入力に応答して、光導電素子80の抵抗は、TFT13のオン抵抗よりも小さい10オームを下回る程度の値まで大きく減少し、それにより、画素電極11が選択導体14に対して電気的に接続される。この接続は、画素に関連付けられたアドレス回路によって検出できる。
【0062】
図10は、画素に関連付けられた第3の実施形態のアドレス回路を示している。タッチ入力に応答して画素電極11と選択電極14との間で行なわれる接続がスイッチ55として表わされている。通常、動作中(タッチ入力が無い時)にスイッチ55が開いていることが理解される。画素には、データ導体12に対して接続された駆動回路により、データ電圧が供給される。
【0063】
駆動回路は、列ドライバ22からデータ電圧が供給される対応するバッファ回路42を備えている。バッファ回路42は、第1の実施形態に関連して前述した態様と同様の態様で配置されて動作される。同様に、駆動回路は、対応する画素に対してそれぞれのアドレス期間中にデータ電圧を供給するためのアドレス指定モードと、対応する画素に対するタッチ入力をそれぞれの検出期間中に検出するための検出モードとにおいて動作するようになっている。図5のプロットに示された電圧レベルおよび電流レベルは、図10の画素回路にも適用され、また、第3の実施形態の画素に対するタッチ入力の検出を説明するために使用される。
【0064】
ゲート電圧Vgは、行期間Trにおいては高く、一般に20Vである。このゲート電圧は、行ドライバ24によって生成されるとともに、選択導体14を介してTFT13のゲート端子に印加され、TFTをONさせる。これにより、データ導体12上に存在するデータ電圧Vdを、TFT13を介して画素電極に対して印加することができる。データ電圧は一般に−5ボルト〜+5ボルトの範囲内にある。画素セルの比較的大きなキャパシタンスに起因して、画素電極の電圧Vpは、データ電圧Vdに達するまで、行期間Trの全体にわたって徐々に増大する。
【0065】
前述したように、光が光導電素子80上に入射すると、画素電極11と関連する選択導体14との間で有効な電気的接続が成される。タッチ入力が生じると、関連するデータ導体12と関連する選択導体14との間の電位差に起因して、データ導体12を流れる電流が生じる。この電流がそれぞれの検出期間Ts中に測定されて、タッチ入力が検出される。第1の実施形態と同様に、各検出期間Tsはアドレス期間Taの後に続く。
【0066】
アドレス期間Ta中、バッファ回路42は、関連するデータ導体12を介して関連する画素電極11にデータ電圧を供給する働きをする。検出スイッチ44は、アドレス期間の持続時間において閉じられたままであり、これにより、バッファ回路42の電流検出機能を断つ(OFFする)。アドレス期間は、その持続時間が一般に20μsであるが、無論、フィールドレート(アレイがアドレス指定される頻度)に応答して変わる。
【0067】
アドレス期間の終わりに検出スイッチ44が開かれ、これにより、バッファ回路42の電流検出機能がONされ、検出期間Tsの開始が規定される。
【0068】
検出期間Ts中においては、関連するデータ導体12を流れる電流が測定される。行期間の終わりにデータ導体の電流が高いということは、画素電極11と選択導体14との間が接続されていることから、タッチ入力が生じたことを示している。逆に、電流が低いこと、あるは、電流がゼロであるということは、画素電極11と選択導体14との間が接続されておらず、したがって、タッチ入力が無いことを示している。そのため、関連するデータ導体12により接続を検出できる。検出スイッチ44が開かれていると、データ導体12を流れる任意の電流によりコンデンサ45が充電される。コンデンサ45に蓄えられた任意の電荷がADC43により測定される。検出期間は、その持続時間が一般に20μsである。各行期間の終わりにADC43によって行なわれる測定から、画素に対するタッチ入力を検出できる。
【0069】
第3の実施形態の光導電素子80は、第1および第2の実施形態の態様と同様の態様で圧電抵抗材料により形成される感圧素子に取って代えることができると考えられる。これにより、ライトペン95の要件が除去されるため、有利である。画素を押圧すると、パッシブプレートに圧力が加わる。この圧力はLC材料60を介して感圧素子に伝えられる。
【0070】
前述した実施形態はタッチ入力AMLCD装置を備えていた。しかしながら、本発明を可能にするために他のタイプのアクティブマトリクス表示装置を使用できると考えられる。これらの装置としては、インクカプセルを支持する流体層を備える電気泳動ディスプレイを挙げることができる。この層は、前述したAMLCD装置のLC層60と同様の態様で、アクティブプレートとパッシブプレートとの間に挟まれる。例えば、画素が押圧されると、タッチ動作の圧縮力を、インクカプセルを通じて画素電極上に配置された感圧素子に対して伝えることができる。光タッチ入力の場合、ライトペンによって生成される光は、インク層を通じて光導電素子に伝えられる。
【0071】
要約すると、タッチ入力機能を有するアクティブマトリクス表示装置が提供されている。この表示装置は、行および列のアレイで配置された複数の画素を備え、各画素が1つの画素電極を備え、この画素電極には、対応する薄膜トランジスを介して関連するデータ導体によりデータ電圧を供給することができ、上記薄膜トランジスタは、画素電極に接続されるドレイン端子を有している。また、各画素は、画素へのタッチ入力に応答して関連する画素電極を他の電極に対して電気的に接続する本体をさらに備え、この接続を関連するデータ導体によって検出できる。ディスプレイをアドレス指定するために使用される回路も、ディスプレイに対する任意のタッチ入力を検出するために使用できる。これにより、タッチ入力検出を行なうための余分な導体を不要にでき、有利である。
【0072】
この開示内容を読めば、当業者であれば他の変形および変更は理解できよう。そのような変形および変更は、既に技術的に知られ且つここで既に説明した特徴の代わりに或いは当該特徴に加えて使用されてもよい均等物および他の特徴を含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明に係るアクティブマトリクス液晶表示装置のアクティブプレートの一部を概略的に示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態におけるタッチ入力感応画素の平面図である。
【図3】図2に示された画素のA−A線に沿う断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態のアクティブマトリクス表示装置の回路レイアウトの概略図である。
【図5】使用中に図4の回路に存在する様々な電圧および電流における様々なプロットを示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態におけるタッチ入力感応画素の平面図である。
【図7】図6に示された画素のB−B線に沿う断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態におけるタッチ入力感応画素の平面図である。
【図9】図8に示された画素のC−C線に沿う断面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態のアクティブマトリクス表示装置の一部の回路レイアウトを概略的に示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
行および列のアレイで配置された複数の画素を備え、各画素が1つの画素電極を備え、この画素電極には、対応する薄膜トランジスタを介して関連するデータ導体によりデータ電圧(Vd)を供給することができ、前記複数の画素のうちの少なくとも一部はそれぞれ、前記画素へのタッチ入力に応答して関連する画素電極を他の電極に対して電気的に接続する本体をさらに備え、前記接続を関連するデータ導体によって検出できる、アクティブマトリクス表示装置。
【請求項2】
前記画素電極のアレイから離間してこれらのアレイの上側に位置するとともに、それ自体と前記各画素電極との間に電位差を形成するようになっている共通電極をさらに備え、前記各本体は、前記画素へのタッチ入力に応答して、関連する画素電極を前記共通電極に対して電気的に接続することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記各画素の前記薄膜トランジスタは、関連する選択導体に接続されるゲート端子を有し、前記選択導体には、それぞれの前記画素電極に対するデータ電圧の供給を制御するためにゲート電圧を印加することができ、前記各本体は、前記画素へのタッチ入力に応答して、関連する画素電極を前記選択導体に対して電気的に接続することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記各データ導体に接続された駆動回路をさらに備え、この駆動回路は、関連する前記画素電極に対してそれぞれのアドレス期間中にデータ電圧を供給するためのアドレス指定モードと、関連する前記画素に対するタッチ入力をそれぞれの検出期間中に検出するための検出モードとにおいて動作するようになっていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記駆動回路は、前記各データ導体に接続されるそれぞれのバッファ回路を備え、前記各バッファ回路は、前記検出期間中にそれぞれのデータ導体を通じて流れる電流を測定する役割を果たすアナログ・デジタル変換器を有していることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
アクティブマトリクス表示装置のタッチ入力感応画素であって、1つの画素電極を備え、この画素電極には、この画素電極に接続された対応する薄膜トランジスを有する関連するアドレス回路によってデータ電圧を供給することができ、また、前記画素へのタッチ入力に応答して前記画素電極を他の電極に対して電気的に接続する本体を備え、前記接続を前記アドレス回路によって検出できるタッチ入力感応画素。
【請求項7】
前記画素電極から離間して当該画素電極の上側にその一部が位置する第2の電極をさらに備え、前記本体は、前記画素へのタッチ入力に応答して、前記画素電極を前記第2の電極に対して電気的に接続することを特徴とする請求項6に記載のタッチ入力感応画素。
【請求項8】
前記薄膜トランジスタがゲート端子を有し、このゲート端子には、前記画素電極に対するデータ電圧の供給を制御するためにゲート電圧を印加することができ、前記本体は、前記画素へのタッチ入力に応答して、前記画素電極を前記ゲート端子に対して電気的に接続することを特徴とする請求項6に記載のタッチ入力感応画素。
【請求項9】
前記本体は、印加される圧力に応答して変化する電気抵抗を有する感圧素子を備えていることを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載のタッチ入力感応画素。
【請求項10】
前記本体は、入射する所定波長の光に応答して変化する電気抵抗を有する光導電素子を備えていることを特徴とする請求項6または8に記載のタッチ入力感応画素。
【請求項11】
前記本体の少なくとも一部が前記画素電極の上側に直接接触して位置していることを特徴とする請求項6から10のいずれか一項に記載のタッチ入力感応画素。
【請求項12】
前記本体は、導電材料を含むとともに、前記画素電極と前記第2の電極との間に配置されていることを特徴とする請求項7に記載のタッチ入力感応画素。
【請求項13】
複数の画素を備え且つ各画素が1つの画素電極を備えているアクティブマトリクス表示装置に対するタッチ入力を検出する方法であって、
前記画素電極に対してそれぞれのアドレス期間中に関連するデータ導体を介してデータ電圧を供給する供給ステップと、
前記各データ導体における信号をそれぞれの検出期間中に測定して、ディスプレイに対するタッチ入力を検出する測定ステップと、
を含む方法。
【請求項14】
前記画素は、行および列のアレイで配置されるとともに、それぞれの行期間中に同時に1つの行が選択され、これにより、前記データ導体のデータ電圧を、選択された行の関連する画素電極に対して印加することができ、前記各行期間がアドレス期間と検出期間を含んでいることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
各検出期間が1つのアドレス期間の後に続くことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記測定ステップは、前記それぞれの検出期間の持続時間にわたって前記各データ導体の電流を積算することを含んでいることを特徴とする請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−503639(P2007−503639A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524442(P2006−524442)
【出願日】平成16年8月17日(2004.8.17)
【国際出願番号】PCT/IB2004/002680
【国際公開番号】WO2005/020058
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】