説明

タッチ式操作入力装置

【課題】 従来にない新たな方式にてタッチ入力位置を検出するタッチ式操作入力装置を提供する。
【解決手段】 操作パネル12aと、該操作パネル12aを裏面側から撮影するカメラ12bと、操作パネル12aを裏面側から照らす光源12cとを備えるタッチ式操作入力装置であって、操作パネル12aの表面への接触操作により接触があった領域を、カメラ12bにて撮影される画像の階調の違いにより特定し、特定された領域への操作入力を受け付けるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチ式操作入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開平05−189151号公報
【0003】
従来のタッチ式操作入力装置として、縦方向透明電極と横方向透明電極とを備えた抵抗膜方式のタッチパネルを用いたものがある(特許文献1)。抵抗膜方式の他にも、静電容量方式、振動検出方式等といった様々な方式のタッチパネルも存在している。また、縦方向・横方向に、赤外ダイオード(LED)とその光を受けるフォトトランジスタトを対にして配置し順次発光させ、操作する指等により光が遮断されることにより位置検出がなされる光学式(赤外線遮断検出方式)のものもある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、こうしたタッチパネルは、使用用途・設置環境に応じて適切なものが選択されるが、多様な使用用途・設置環境に対応できるよう、近年では、上記した方式以外の新たな方式のタッチ式操作入力装置の登場も望まれている。
【0005】
本発明の課題は、従来にない新たな方式にてタッチ入力位置を検出するタッチ式操作入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のタッチ式操作入力装置は、
表面が接触操作面をなす透光性を有した操作パネルと、
操作パネルに対し接触操作面側から接近する接近対象物に対し、予め定められた波長帯の光を当該操作パネルを介して照射する光源と、
少なくとも光源から照射された光が接近対象物にて反射した反射光を捉える形で、当該接近対象物を操作パネルの裏面側から撮影する接近対象物撮影手段と、
撮影された画像上において、反射光の強度が予め定められた閾強度を上回る光反射領域を特定する光反射領域特定手段と、
特定された光反射領域に基づいて、当該光反射領域へのタッチ入力を受け付けるタッチ入力受付手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
上記本発明の構成によると、タッチ操作の位置検出を、カメラ等の撮影手段により撮影されたが撮影画像に対する画像処理により行う新たな方式のタッチ式操作入力装置を構成することができる。また、近年、カメラが設置される環境は著しく増えてきているので、そうしたカメラを利用する形で、タッチ式操作入力装置を構成することができれば、トータルでのコストダウンを図ることもできる。例えば、操作パネルとカメラを同時に備えるインターフォン(特に集合住宅において部屋番号を入力した上で会話するタイプのもの)等において、操作パネルの背後にカメラを設ける形で、本発明を適用することができる。この場合、必須となる接近対象物撮影手段を既存のカメラに兼用させればよいので、コスト的なメリットも生じる。
【0008】
なお、本発明のタッチ入力受付手段は、特定された光反射領域の面積が予め定められた閾面積を上回った場合に、当該光反射領域へのタッチ操作入力を受け付けるものとすることができる。タッチ式操作入力装置において、操作パネル面の所定位置にて操作入力するために、操作者がパネル面上で指を移動させ、場合によってはパネル面に軽く触れてなぞるような操作をすることがある。ところが、このなぞる操作は、あくまで操作入力すべき位置を探すためのものであり、なぞって接触した全領域への操作入力を意図したものではない。上記構成によると、操作パネルへの接触面積が小さいようなとき、つまり、操作パネル面上に軽く触れているだけのときには、操作入力として受け付けられないので、上記のようななぞる操作が可能となる。また、誤って操作パネル面に軽く触れてしまった場合も、その操作が操作入力として受け付けられることはない。
【0009】
なお、本発明の光源は、操作パネルの裏面側に配置して、裏面側から操作パネルに光を入射するように構成できるし、操作パネルの側面側に配置して、該側面側から操作パネルに光を入射させる構成とすることもできるし、それら双方の位置に配置することもできる。また、光源は、例えば赤外光光源とすることで、暗所での撮影も良好となる。この場合、操作パネルは赤外光のみを透過可能なものとすることができる。
【0010】
また、本発明の操作パネルは、透光性を有した板状のパネルのみで構成され、その表面が接触操作面となるようなシンプルな構成とすることもできるが、平板状の主部材と、該主部材の表面側を被う形で空隙を介して対向配置され、接触操作により該主部材側に弾性変形して該主部材の表面と接触可能とされた所定厚みを有する散乱促進用弾性部材と、を有して構成することもできる。この場合、散乱促進用弾性部材は、光源から照射される光を透過可能で、かつ屈折率が主部材と同等な主材料内に、該主材料よりも屈折率が高い高屈折率粒子を分散させたものとすることができる。前者の場合は、手等の接近対象物がパネル表面を直接接触する形で接触操作がなされる構成であり、構成がシンプルなため低コストで実現できる利点を有する。他方、後者の場合は、手等の接近対象物が散乱促進用弾性部材と接触・押圧して該散乱促進用弾性部材を弾性変形させる形で主部材表面に接触させる接触操作がなされる構成である。散乱促進用弾性部材内を通過する光は高屈折率粒子により乱反射するため、上記接触操作がなされた際には、接近対象物と散乱促進用弾性部材との接触界面にて反射する光が前者の場合よりも多くなる。結果、撮影される画像上には光反射領域が明確に現れるから、該光反射領域を特定し易く、検出精度が増すという利点が得られる。さらに、光を反射しない手袋などを装着している場合にも接触部を特定可能となる。また、平板状の主部材が弾性部材に被われた構成となるので、強度面の利点も得られる。
【0011】
ところで、本発明のタッチ式操作入力装置は、プロンプター方式操作装置とすることができる。具体的に言えば、表示画面が操作パネルとは異なる位置に設けられ、該表示画面に操作アイコンを表示可能とされる一方で、該表示画面と操作パネルの接触操作面との間には対応関係が予め定められ、一方の面内位置に対し対応する他方の面内位置が特定可能とされてなる表示手段と、該表示画面に表示される操作アイコンの表示位置に対応する、接触操作面上の位置へのタッチ入力が、タッチ入力受付手段により受け付けられた場合に、当該操作アイコンに対応する制御内容を実行するための制御信号を出力する制御手段と、を備えて構成することができる。
【0012】
さらに、このようなプロンプター方式操作装置において、操作性の向上の観点から、操作パネル上のどの位置に操作者の手が位置しているかを表示することができる。具体的に言えば、接触操作面を操作する操作者の手画像を撮影する手画像撮影手段と、撮影された手画像を表示画面上の対応する位置に合成表示する手画像合成表示制御手段と、を備えて構成することができる。
【0013】
このように操作者の手を表示画面上に重畳表示する場合には、手画像撮影手段を接近対象物撮影手段に兼用させることができる。この場合、手画像合成表示制御手段は、該接近対象物撮影手段により撮影される画像から手画像を抽出して、抽出された該手画像を表示画面上の対応する位置に合成表示するように構成することができる。これにより、カメラが兼用される構成となるので、コスト面に利点が生まれる。また、従来のプロンプター方式操作装置として、操作パネルにタッチパネルを採用した構成のものが存在している。ところが、こうした構成においても当然コストダウンが課題とされており、上記本発明の構成とすることにより、タッチパネルが不要となれば、その分のコストを削減できる。
【0014】
一方で、上記本発明の構成が車両用プロンプター方式操作装置とされた場合には、操作パネルは、車室内にて左右隣り合う座席の双方から操作可能な位置に設けることができる。そして、光反射領域特定手段により特定された光反射領域の形状に基づいて、操作者が左右いずれの座席の搭乗者であるか特定する操作者特定手段と、該操作者が特定されるに伴い、表示画面上に表示されている、少なくとも一部の操作アイコンに対応する制御内容を、特定された操作者に対応する制御内容に切り替える制御内容切替手段とを備えた構成とすることができる。この構成によると、左右両座席の搭乗者のいずれが操作パネルを操作したかを区別して認識するために、光反射領域の形状、即ち、操作パネルへの接触面形状が用いられる。認識装置を別途も受けることなく、画像処理により行えるので、コスト面の利点が得られる。
【0015】
ところで、操作パネル及び当該操作パネルに隣接してこれを支持する接触操作面周辺領域のいずれか又は双方には、当該操作パネルの前記接触操作面の外形位置を特定させるための接触操作面特定用図形部を設けることができる。そして、接近対象物撮影手段の撮影範囲は、接触操作面と接触操作面特定用図形部とが含まれるよう定めることができる。この場合、接近対象物撮影手段により撮影された画像上に接触操作面特定用図形部を特定するとともに、当該画像上に特定された該接触操作面特定用図形部と、光反射領域特定手段により、同じく当該裏画像上に特定される光反射領域とに基づいて、接触操作面上に、接触操作により接触された接触操作領域を特定する接触操作領域特定手段を備えて構成することができる。これにより、何らかの事情で接近対象物撮影手段が通常の撮影範囲からずれて撮影された場合でも、撮影された接触操作面特定用図形部の位置に基づいてずれを補正できるので、操作者が接触操作した操作パネル上の接触領域を常に正しく認識することができる。特に車両に搭載される場合には、悪路走行時など、振動によるずれが起こりうるので有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明のタッチ式操作入力装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明のタッチ式操作入力装置を用いた車両用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。本実施形態においては、タッチ式操作入力装置1として、操作用のスイッチ画像(操作アイコン)を表示する表示部15とそのスイッチ画像に対する操作入力を行う操作パネル12とが別位置に設けられてなるプロンプター方式操作装置を採用している。なお、本実施形態のタッチ式操作入力装置の操作対象は、ナビゲーション機能のみに限られず、車内LAN50を介して接続する他の車載電子機器の機器機能も含むことができる。
【0018】
ナビゲーション装置10は、車両の現在位置を検出する位置検出器11と、運転者等の操作者からの各種指示を入力するための操作情報入力部12と、地図データや各種の情報を記録した外部記録媒体から地図データ等を入力する地図データ入力器14と、地図表示画面やTV(Television)画面等の各種表示を行うための表示部15と、各種のガイド音声等を出力したり運転者等の操作者の音声を入力したりするための音声入出力装置16と、車両情報等の各種のデータを記憶するためのハードディスク記憶装置17と、車両情報の授受を行うための車両I/F(Interface)部19と、他の通信装置13aと近距離無線通信を行うための無線通信機13と、これら11〜19と接続する制御回路18とを備えている。
【0019】
位置検出器11は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの送信電波をGPSアンテナを介して受信し、車両の位置,方位,速度等を検出するGPS受信機11aと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ11bと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出する距離センサ11cと、地磁気から進行方位を検出する地磁気センサ11dとを備えている。そして、これら各センサ等11a〜11dは、各々が性質の異なる誤差を有しているため、互いに補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては、上述したうちの一部のセンサで構成してもよく、また、ステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ等(図示せず)を用いてもよい。
【0020】
操作情報入力部12は、図3に示すように、予め定められた波長帯の光を照射する光源12cと、該光源12cからの照射光が表面側に向けて透過するよう配置された透光性を有する操作パネル12aと、該操作パネル12aを撮影範囲に含む形で該操作パネル12aの裏面12a2側から撮影するカメラ(接近対象物撮影手段)12bと、を備えている。
【0021】
なお、本実施形態の操作情報入力部12は、図2に示すように、車両のセンターコンソール部のような、車両のフロントガラス下縁よりも下側で、かつ隣接する左右両座席から操作可能な位置に設置されている。さらに言えば、表示部15よりも下側で、かつ隣接する左右両座席の両座部の間の前側に配置されている。なお、本実施形態における隣接する左右両座席とは、運転席2D及び助手席2Pのことである。
【0022】
光源12cは赤外光光源であり、図3に示すように、操作パネル12aの裏面側後方に位置する基板12fに実装されたLEDである。本実施形態の光源12cは、操作パネル12aを裏面12a2から表面12a1に透過させる形で光を照射する。なお、本発明の光源は赤外光を発する光源に限られるものではない。
【0023】
操作パネル12aは、中空の筐体12fの前端開口に嵌め込まれている。筐体12eは、車室内の所定位置に固定配置されており、カメラ12b及び光源12cは当該筐体12e内の空間に配置されている。前端開口を形成する筐体前端部121eの外縁からは、後方に向けて筒状の壁部122eが設けられており、その後端部が基板12fに固定されている。ちなみに、操作パネル面12aを挟む内外の空間はいずれも空気が充填された通常の空間である。
【0024】
操作パネル12aは、少なくとも光源12cから照射される光に対して透光性を有した板材からなる。本実施形態においてはガラス板からなる。図3に示すように、表面12a1が接触操作面をなし、光源12cからの光(照射光)は、該接触操作面12a1を被うように位置する接近対象物(例えば手等)Hが存在しない限り、該接触操作面12a1から外に通過していくが、該接触操作面12a1に対向する形で接近した接近対象物Hがある場合には、当該接近対象物Hに反射して、その光(反射光)の一部は裏面12a2側に戻り、カメラ12bに捉えられる。接近対象物Hが接触操作面12a1に接触していれば、その接触領域(接触面)において最も多くの光が反射して、裏面12a2側に戻る。詳細は後述するが、本実施形態における当該操作パネル12aへの接触操作は、この接触領域を検出する形なされる。
【0025】
カメラ12bは、光源12cから照射された光が接近対象物Hにて反射した反射光を捉える形で、当該接近対象物Hを操作パネル12aの裏面12a2側から撮影するものであり、予め定められた撮影範囲を撮影するよう車体側に固定されている。本実施形態のカメラ12bは、暗所での撮影にも適した赤外線カメラ(可視光をシャットアウトする図示しない赤外線フィルタを備え、これを介して撮影を行う)であり、赤外光光源12cから照射された光(赤外線)が接近対象物Hにて反射した反射光を捉える形で撮影を行う。車体側に固定された基板12f上に固定配置されており、撮影範囲として、接触操作面12a1(操作パネル12a)と、接触操作面特定用図形部12gと、が含まれる範囲が設定されている。なお、操作パネル12aを、光源の光に対してのみ透光性を有した材料にて構成すれば、カメラ12b内の赤外線フィルタは不要となる。また、本発明ではデータ処理の容易さを考え赤外線カメラを使用したが、特に赤外線カメラに限定するものではない。
【0026】
なお、接触操作面特定用図形部12gは、操作パネル12aに隣接してこれを支持する筐体前端部(操作パネル周辺部)121eの裏面に設けられており、接触操作面12a1の外形位置を特定可能な形状及び配置形態で形成されている。
【0027】
図4は、カメラ12bにて撮影した映像150の一例である。ただし、本実施形態における図4の映像150は、撮影後に、その映像を左右反転したものである。図4のうち、符号150Hは接近対象物Hが映った領域、符号150HAは接近対象物Hと接触操作面12a1との接触領域が映った領域、符号150gは接触操作面特定用図形部12gが映った領域、符号150eは筐体前端部121eの裏面が映った領域である。なお、符号150aは操作パネル12aが映る領域であるが、該操作パネル12aが透明であり、かつその表面12a1側に対向物がないため、何も映らないかその遠景が映し出されている領域となっている。
【0028】
図1に戻り、表示部15は、運転席の前方に設置された表示装置であり、液晶ディスプレイ,プラズマディスプレイ,有機ELディスプレイ等のいずれを用いてもよい。表示部15の表示画面は、位置検出器11にて検出した車両の現在位置と地図データ入力器14より入力された地図データとから特定した現在地を示すマーク,目的地までの誘導経路,名称,目印,各種施設のマーク等の付加データとを重ねて表示することができる。また、施設のガイド等も表示できる。なお、表示部15が本発明の表示手段に相当する。
【0029】
また、表示部15は、上述のとおり、操作パネル12aの接触操作面12a1上への入力位置を示すための操作系座標と一義的な対応関係を有する表示座標系を有している。当該表示座標系上の予め定められた位置にはスイッチ画像(操作アイコン)201が表示され、これに対応する接触操作面12a1上の操作入力位置にタッチ入力がなされると、当該スイッチ画像201に対応する制御内容が実行される。つまり、本実施形態においては、表示部15の表示画面上に定められる二次元座標系と、該操作パネル12aの接触操作面12a1上に定められる二次元座標系との間には一義的な対応関係が予め定められており、一方の面内位置に対応する他方の面内位置が一義的に特定可能とされているから、その対応関係に基づいて、接触操作面12a1へのタッチ入力により、表示画面上に表示される対応するスイッチ画像201をタッチ操作することが可能となっている。
【0030】
表示部15としては、図2に示すようなセンターコンソールC内に配置されるものに限られず、例えばフロントガラスFG下縁よりも上方に設置されるものであってもよい。具体的には、車両のフロントガラスFGに、上述の画像・データを表示するヘッドアップディスプレイ(HUD)等を例示できる。
【0031】
図1に戻り、地図データ入力器14は、ネットワークデータとしての道路データ,位置特定の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ等の地図データ,施設を示すマークデータ,案内用の画像や音声データ等を含む各種のデータを入力するための装置である。これらのデータの記録媒体としては、CD−ROM,DVD−ROM,ハードディスク,メモリ,メモリカード等を用いることができる。
【0032】
音声入出力装置16は、地図データ入力器14より入力した施設のガイドや各種案内の音声や、I/F19を介して取得した情報の読み上げ音声を出力することができる。また、音声入出力装置16は、図示しないマイクおよび周知の音声認識ユニットを含み、運転者等の操作者の音声をコマンド等として制御回路18に入力することができる。
【0033】
無線通信機13は、他の通信装置13aと狭帯域通信を行うためのものであり、例えばDSRC(Dedicated Short Range Communications),Bluetooth(登録商標),無線LAN(Local Area Network),UWB(Ultra Wideband)などが使用されている。
【0034】
LAN I/F19は、車内LAN50を介して他の車載電子機器やセンサとのデータの遣り取りを行うためのインターフェース回路である。また、LAN I/F19を介して、例えば他のECUからのデータ取り込みを行ってもよい。
【0035】
制御回路18は、図示しない周知のCPU,ROM,RAM,I/O(Input/Output)およびこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM等の記憶部に記憶されたプログラムに基づいて、位置検出器11からの各検出信号に基づき座標および進行方向の組として車両の現在位置を算出し、地図データ入力器14を介して読み込んだ現在位置付近の地図や、操作情報入力部12の操作によって指示された範囲の地図等をメイン画像(動画・静止画を含む)200Bとして表示部15に画面表示する地図表示処理や、地図データ入力器14に格納された地点データに基づき、操作情報入力部12の操作に従って目的地となる施設を選択し、現在位置から目的地までの最適な経路を自動的に求める経路計算を行って経路案内を行う経路案内処理等を行う。このように自動的に最適な経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。
【0036】
また、制御回路18は、ROM等の記憶部に記憶されたプログラムに基づいて、スイッチ画像(操作アイコン)201と、操作情報入力部12から取得した接近対象物画像150Hに基づく加工画像200Hとの双方をサブ画像とし、これらをメイン画像200B(地図操作用画像等)に重畳するための画像合成部18aを有しており、生成された合成映像200を表示部15の表示画面上に表示する(手画像合成表示制御手段)。
【0037】
なお、接近対象物画像150Hに基づく加工画像200Hとは、当該接近対象物画像150Hの外形形状が反映されるよう加工・生成された接近対象物外形反映画像200Hである。この画像200Hが合成されていることにより、運転者等の操作者は、操作パネル12aの接触操作面12a1に対面させる形で、例えば手の指等を移動させると、これに併せて、表示部15の表示画面上には手形状を反映した加工画像200Hが移動して表示され、あたかも表示部15の表示画面に操作パネル12aが存在しているかのような感覚で操作を行うことができる。
【0038】
また、制御回路18のROM等の記憶部には、スイッチ画像201を表示するためのスイッチ画像データが記憶されており、スイッチ画像201の合成表示には用いられている。一方で、制御回路18のROM等の記憶部には、各スイッチ画像201に対応付けた形で、各々への操作入力(対応する接触操作面12a1上の領域へのタッチ入力)により実施される制御内容も記憶されている。制御回路18により、表示画面上において、メイン画像200B上にスイッチ画像201を合成した合成映像200が表示されるに伴い、操作パネル12aの接触操作面12a1には、該表示画面上におけるスイッチ画像201の表示位置に対応する領域に、当該スイッチ画像201に対応する操作入力受付範囲(操作入力位置)が設定され(操作入力位置設定手段)、スイッチ画像201に対応する操作入力受付範囲に対し接触操作がなされてその入力が受け付けられた場合には(タッチ入力受付手段)、当該スイッチ画像201に対応する制御内容が実施されるようになっている。具体的には、対応する制御内容に基づく制御信号を出力する(制御手段)。タッチ入力の有無は、表示部15の表示画面と対応関係を有する操作パネル12aの接触操作面12a1上に対しなされた接触操作による接触領域を、カメラ12bの撮影画像150から検出する形で判定される。
【0039】
なお、この制御回路18は、本発明の光反射領域特定手段、タッチ入力受付手段、制御手段、手画像合成表示制御手段、操作者特定手段、制御内容切替手段として機能する。なお、画像合成部18aも手画像合成表示制御手段としての機能の一部を担っている。
【0040】
次に、制御回路18による表示制御処理について説明する。なお、本処理は、車両用プロンプター方式操作装置1が右ハンドルの車両に搭載されていると仮定したものであり、左ハンドルの車両に搭載されている場合には、右手か左手かの判定が逆になる。
【0041】
カメラ12bは、操作パネル12aの裏面12a2側から該操作パネル12aを介して接触操作面(表面)12a1側に接近する接近対象物(例えば運転者等の操作者の手)Hを撮影しているので、接触操作面12a1と対面する位置に当該接近対象物Hが進入してくると、当然その接近対象物Hは撮影されて、撮影映像150が得られる。
【0042】
S1では、その撮影映像150の中からその接近対象物Hの画像(図4の場合は手画像)150Hを抽出する。本実施形態においては、制御回路18が、撮影された映像に対し左右反転処理をかけ、その反転画像150を公知の画像解析手法を使用して解析し、操作パネル12aと操作者の接近対象物Hとの色の相違等に基づいて、接近対象物画像150Hを抽出する。
【0043】
なお、本実施形態においては、光源12cが配置されており、カメラ12bは、当該光源12cの反射光を捉える形で撮影を行っている。撮影映像150に現れる色の階調には反射光強度が反映されており、高強度の反射光を捉えたところほど階調レベルが高く現れる。つまり、本実施形態のカメラ12bにより撮影される撮影映像150は多階調の撮影画像(本実施形態ではモノクロの撮影画像)であるから、S2では、これを予め定められた第一の階調閾値を用いて各画素の階調レベルを2値化し、当該第一の階調閾値を上回る領域を接近対象物画像150Hとして抽出する。そして、抽出された接近対象物画像150Hに対し半透状態とする加工を施した上で、画像合成部18aにより、これをメイン画像200B(ここでは地図操作画像)上に合成し、図5に示すような合成映像200を表示する。この表示制御処理は所定周期で繰り返し実施される。
【0044】
なお、上述の表示制御処理が実行されることにより、撮影された接近対象物画像200Hを表示画面上の対応する位置に合成表示する接近対象物画像合成表示手段として機能する。接近対象物が、操作者の手である場合には手画像が合成表示されるから、本発明の手画像合成表示制御手段としても機能しているといえる。また、接近対象物撮影手段をなす本実施形態のカメラ12bも、接近対象物が、操作者の手である場合には手画像を撮影するから、本発明の手画像撮影手段としても機能しているといえる。
【0045】
なお、この表示制御処理として、撮影された接近対象物画像150Hの形状から、当該画像150Hが人の手画像であるか否かを判定し、人の手画像150であった場合にのみ当該画像150Hを加工してメイン画像200Bに半透過合成するようにしてもよい。人の手画像を抽出する手法については、公知の任意の手法(例えば、特開2003−346162号公報参照)を使用することができる。
【0046】
また、接近対象物画像150Hのメイン画像200Bへの加工・合成表示については、上述のような半透過合成表示に限らず、種々の変形例を考えることができる。
【0047】
次に、制御回路18によるタッチ入力受付処理について説明する。図6は、その流れを示すフローチャートである。
【0048】
まず、S11では、カメラ12bにより撮影される撮影映像を反転し、反転後の撮影映像150から、操作パネル12aの接触操作面12a1に接近対象物Hが接触した接触領域を特定する(光反射領域特定手段)。接近対象物Hが接触操作面接触操作面12a1と物理的に接触した領域においては、光源12cからの照射光がそれ以外の領域よりも多く反射するので、撮影映像150上においては、第一の階調閾値を十分に上回る階調レベルの光反射領域150HAとして現れる。さらに言えば、その光反射領域150HAの階調レベルは、接近対象物Hに応じて異なるものの、撮影映像150内においてある程度一定のレベルで現れる。本実施形態においては、こうした高い階調レベルのみを特定できるよう第一の階調閾値よりも高い階調レベルとして第二の階調閾値を定めており、これを用いて各画素の階調レベルを2値化することで、撮影映像150上において当該第二の階調閾値を上回る光反射領域150HAを接触領域として特定する。
【0049】
S12では、その光反射領域150HAの面積を算出し、算出された面積が予め定められた方法によって求められる閾面積を上回るか否かを判定する。光反射領域150HAの面積が閾面積を上回らなかった場合には、その光反射領域(接触領域)へのタッチ入力はなかったと判定してその領域への操作入力を受け付けず、本処理は終了する一方で、光反射領域150HAの面積が閾面積を上回った場合には、その光反射領域(接触領域)にタッチ入力があったと判定し、S13にてその領域への操作入力を受け付け、S14に進む(タッチ入力受付手段)。なお、接触領域が特定された場合に、その面積とは無関係にその領域への操作入力を受け付ける構成としてもよいが、誤入力の可能性が高くなるので、本実施形態においては、上記のように操作入力を受け付ける面積を予め規定している。
【0050】
S14では、操作入力を受け付けた接触領域が、表示部15の画面上に表示されるスイッチ画像(操作アイコン)201に対応する領域にあるか否かを判定する。接触領域がスイッチ画像201に対応する領域でなかった場合は、本処理を終了する。他方、接触領域がスイッチ画像201に対応する領域であった場合は、S15に進む。
【0051】
S15では、接触領域を形成した接触操作を行った操作者が、操作パネル12aの左右どちらの座席の搭乗者であるかを判定する。判定方法は様々な手法が考えられるが、本実施形態においては、接触領域の形状を特定して、その形状に基づいて判定を行うものとする。具体的には、まずは、人による意図的な接触操作であるか否かを判定した上で実施する。当該判定は、接触領域(光反射領域150HA)が略楕円形を有して現れているか否かに基づいて行い、略楕円形であった場合を人による意図的な操作と判定し、そうでなければ操作者不明と判定する。そして、人による意図的な操作と判定された場合には、略楕円形をなす接触領域(光反射領域150HA)においてその形状から長軸方向を特定し、長軸方向が、車両前方に向けて右座席側から左座席側に向かうように傾斜していた場合には右座席搭乗者による操作、逆に、車両前方に向けて左座席側から右座席側に向かうように傾斜していた場合には左座席搭乗者による操作と判定する。この判定は、本実施形態の操作パネル12aが、隣接する左右両座席の両座部の間の前側に位置しているために適用できる判定方法である。
【0052】
続くS16では、特定された操作者(ここでは操作者不明、右座席側搭乗者、左座席側搭乗者のいずれか)に応じて、実行すべき制御内容を特定し、S17にて、特定された制御内容を実行する。本実施形態においては、各スイッチ画像201に対応する制御内容は、特定される操作者毎に定められており、S15にて操作者が特定されるに伴い、表示部15に画面表示されている、少なくとも一部のスイッチ画像(操作アイコン)201に対応する制御内容を、特定された操作者に対応する制御内容に切り替え(制御内容切替手段)、切り替えられた制御内容に基づく制御をS17にて実施する(制御手段)。
【0053】
例えば、あるスイッチ画像201には、予め定められた制御内容が対応付けられているものの、操作者として運転席搭乗者(運転者)が特定された場合には当該制御内容の実行が禁止され、操作者不明又は助手席搭乗者が特定された場合にのみ実行されるように制御内容が設定されている。このような運転者に対する操作制限は、例えば目的地設定に関連する操作を実行する制御内容が割り当てられたスイッチ画像201に対し適用される。ただし、当該操作制限は、車両が所定速度以上で走行中の場合にのみ適用されるものとする。また、逆に、助手席搭乗者に対する操作制限として設けてもよい。
【0054】
また、あるスイッチ画像201には、運転席側と助手席側とで出力を独立に制御できる制御内容が対応付けられ、操作者として運転席搭乗者(運転者)が特定された場合には運転席側のみの出力条件が変更され、助手席搭乗者が特定された場合には助手席側のみの出力条件が変更されるように制御内容が設定されている。なお、操作者不明の場合は、出力条件の変更を禁止する設定としてもよいし、双方の条件を一括して変更するように設定してもよい。具体的に言えば、車内LAN50の接続対象にエアコンECU100があって、該エアコン100が制御対象とする車載エアコンが左右独立空調制御を実施可能なものである場合に、その空調出力の出力条件の設定を、上記のように運転席と助手席とで独立に行うようにすることができる。
【0055】
S17が終了すると、このタッチ入力受付処理は終了するが、当該処理は所定周期で繰り返し実施される。
【0056】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【0057】
例えば、図7に示すように、光源12cを操作パネル12aの側面側に配置する構成としてもよい。ここでは、操作パネル12aを嵌め込む開口の各内壁面に外向きに凹む凹部123eを設け、当該凹部123e内に光源12c(12c2)を配置している。そして、図7の場合、操作パネル12aは、表裏側の空間よりも屈折率の高い素材からなる。
【0058】
このように配置された光源12c(12c2)からの光は、この操作パネル12aの一端側の側面から入射し、他端側の側面に向けて進む。具体的に言えば、操作パネル12aの表裏両界面にて全反射を繰り返しながら他端側の側面に向けて進む。全反射を繰り返して進行する光は通常は操作パネル12aの内部から外に出てくることは少ないが、操作パネル12aの表面(接触操作面)12a1に操作者の手等が接触すると、その接触領域部分において光が乱反射し、乱反射した光がカメラ12bにより捉えられる。他方、手画像200Hの合成表示が必要な場合は、操作パネル12aの裏面12a2側にも光源12c(121c)が必要となる。つまり、側面側の光源12c(122c)は、接触操作による接触操作面12a1上の接触領域をカメラ12bにより特定するためだけに配置された専用の光源であり、これが配置されることで当該接触領域の特定を精度よく行うことができる。他方、裏面側の光源12c(121c)は、当該接触領域の特定だけでなく、接近対象物画像200Hの合成表示に用いられるものであり、当該合成表示が必要ない場合は不要である。
【0059】
また、図8に示すように、操作パネル12aを、平板状の主部材121aと、該主部材121aの表面121a1側を被う形で空隙123aを介して対向配置され、接触操作により該主部材121aの表面121a1側に弾性変形して当該表面121aの表面121a1と接触可能な所定厚みを有する散乱促進用弾性部材122aと、を有して構成することができる。
【0060】
この場合、タッチ入力のための接触操作は、手等の接近対象物Hにより、散乱促進用弾性部材122aの表面122a1(この面122a1が接触操作面12a1となる)を接触・押圧して弾性変形させ、その裏面122a2を主部材121aの表面121a1に接触させる操作である。散乱促進用弾性部材122a内を通過する光源12cからの光は高屈折率粒子122dにより乱反射するため、上記接触操作がなされた際には、接近対象物Hと散乱促進用弾性部材122aとの接触界面(121a1´,122a2´)にて裏面12a2側(カメラ12b側)に反射する光が上記実施形態よりも多くなる。結果、撮影される画像150上において接触領域(光反射領域)150HAが明確に現れるから、当該領域を特定・抽出し易く、タッチ入力の検出精度が増す。また、平板状の主部材121aが弾性部材122aに被われた構成となるので、強度面の利点も得られる。尚、本構成は光を反射しない黒色手袋等を装着した場合の接触操作の検出も可能とするものである。
【0061】
なお、散乱促進用弾性部材122aは、光源12c(図8では操作パネルの裏面側と側面側との双方に配置されている)から照射される光を透過可能で、かつ屈折率が主部材121aと同等な主材料122d内に、該主材料よりも屈折率が高い高屈折率粒子122cを分散させたものである。例えば、主部材122dを、透光性を有した透明樹脂(例えばエポキシ樹脂等)とし、高屈折率粒子122cを、当該樹脂よりも屈折率が高い粒子(例えばSi3N4、BN、AlN、Al2O3、TiO2、ZrO2、Si、Ge、Sb2S3あるいはSiCから選ばれる1種又は2種以上)で構成することができる。
【0062】
また、接触操作による接触操作面12a1上の接触領域が、表示部15の画面上にて特定できるよう、当該接触領域を、図9に示すように、メイン画像200B上に重畳表示してもよい。これにより、タッチ入力位置を視認することが可能となり、操作性が増す。具体的には、第二の階調閾値を用いてカメラ12bの撮影映像を2値化し、当該第二の階調閾値を上回る接触領域を抽出する。そして、画像合成部18aにより、抽出された接触領域画像150HAを加工し、これを接近対象物画像200H上に合成し、さらにこれをメイン画像200Bに合成(ここでは半透過合成)し、図9に示すような合成画像を表示する。
【0063】
また、操作情報入力部12は、図10のような構成としてもよい。図10の例は、操作パネル12a,カメラ12b等を備えた筐体12eの断面図を示したものである。操作パネル12aに透光性を有したものを用い、該操作パネル12aを透過して反射装置12rに反射した接近対象物画像(例えば手画像)をカメラ12bが撮影する構成となっている。この構成によると、カメラ12bによる撮影画像を左右反転する画像処理が不要となる。
【0064】
なお、本発明のタッチ式操作入力装置は、表示面と操作面と別に備えてなるプロンプター方式操作装置に限られるものではなく、表示面上に操作面を有してなる従来のタッチパネルの代用としても使用可能である。また、車両用電子機器以外にも、様々な電子機器を操作対象とすることができる。例えば、集合住宅のインターフォンに適用できる。具体的に言えば、部屋番号を入力する入力操作部として、本発明の操作パネルを配置する。ここで当該操作パネルに接近する操作者を撮影するカメラ(接近対象物撮影手段)を、従来のインターフォンにも設けられている操作者を撮影するカメラに兼用させるようにする。カメラの兼用により、低コストでタッチ式操作入力装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明のタッチ式操作入力装置の一例である車両用プロンプター方式操作装置を用いた車両用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図。
【図2】車両用プロンプター方式操作装置の概要を説明するための車室内の要部斜視図。
【図3】操作情報入力部の第一の構成を示す断面図。
【図4】カメラの撮影映像(反転処理後)を例示する図。
【図5】表示装置のメイン画像に対する手画像の半透過合成を例示する図。
【図6】タッチ入力処理を示すフローチャート。
【図7】操作情報入力部の第二の構成を示す断面図。
【図8】操作情報入力部の第三の構成を示す断面図。
【図9】表示装置のメイン画像に対する手画像の半透過合成を例示する、図5とは異なる図。
【図10】操作情報入力部の第四の構成を示す断面図。
【符号の説明】
【0066】
10 車両用ナビゲーション装置
12 操作情報入力部(操作部)
12a 操作パネル
12b カメラ(接近対象物撮影手段、手画像撮影手段)
12c 光源
12e 筐体
12g 接触操作面特定用図形部
15 表示部(表示手段)
18 制御回路(光反射領域特定手段、タッチ入力受付手段、制御手段、手画像合成表示制御手段、操作者特定手段、制御内容切替手段)
18a 画像合成部(手画像合成表示制御手段)
50 車両内LAN
100 ECU
150 撮影画像(反転処理後の画像)
200B メイン画像
201 スイッチ画像(操作アイコン)
200H 接近対象物画像
H 接近対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面が接触操作面をなす透光性を有した操作パネルと、
前記操作パネルに前記接触操作面側から接近する接近対象物に対し、予め定められた波長帯の光を当該操作パネルを介して照射する光源と、
少なくとも前記光源から照射された光が前記接近対象物にて反射した反射光を捉える形で、当該接近対象物を前記操作パネルの裏面側から撮影する接近対象物撮影手段と、
撮影された画像上において、前記反射光の強度が予め定められた閾強度を上回る光反射領域を特定する光反射領域特定手段と、
特定された前記光反射領域に基づいて、当該光反射領域へのタッチ入力を受け付けるタッチ入力受付手段と、
を備えることを特徴とするタッチ式操作入力装置。
【請求項2】
前記タッチ入力受付手段は、特定された前記光反射領域の面積が予め定められた閾面積を上回った場合に、当該光反射領域へのタッチ操作入力を受け付けるものである請求項1記載のタッチ式操作入力装置。
【請求項3】
前記光源は、前記操作パネルの裏面側に配置されている請求項2記載のタッチ式操作入力装置。
【請求項4】
前記光源は、前記操作パネルの側面側に配置されている請求項2又は請求項3に記載のタッチ式操作入力装置。
【請求項5】
前記操作パネルは、平板状の主部材と、該主部材の表面側を被う形で空隙を介して対向配置され、前記接触操作により該主部材側に弾性変形して該主部材の表面と接触可能とされた所定厚みを有する散乱促進用弾性部材と、を有してなり、
前記散乱促進用弾性部材は、前記光源から照射される光を透過可能で、かつ屈折率が前記主部材と同等な主材料内に、該主材料よりも屈折率が高い高屈折率粒子を分散させたものである請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のタッチ式操作入力装置。
【請求項6】
表示画面が前記操作パネルとは異なる位置に設けられ、該表示画面に操作アイコンを表示可能とされる一方で、該表示画面と前記操作パネルの前記接触操作面との間には対応関係が予め定められ、一方の面内位置に対応する他方の面内位置が一義的に特定可能とされてなる表示手段と、
前記表示画面に表示される前記操作アイコンの表示位置に対応する、前記接触操作面上の位置へのタッチ入力が、前記タッチ入力受付手段により受け付けられた場合に、当該操作アイコンに対応する制御内容を実行するための制御信号を出力する制御手段と、
を備える請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のタッチ式操作入力装置。
【請求項7】
前記接触操作面を操作する操作者の手画像を撮影する手画像撮影手段と、撮影された前記手画像を前記表示画面上の対応する位置に合成表示する手画像合成表示制御手段と、を備えるとともに、
前記手画像撮影手段は、前記接近対象物撮影手段に兼用され、
前記手画像合成表示制御手段は、該接近対象物撮影手段により撮影される画像から前記手画像を抽出して、当該手画像を前記表示画面上の対応する位置に合成表示するものである請求項6記載のタッチ式操作入力装置。
【請求項8】
前記操作パネル及び当該操作パネルに隣接するパネル周辺部の裏面のいずれか又は双方には、当該操作パネルの前記接触操作面の外形位置を特定させるための接触操作面特定用図形部が設けられ、
前記接近対象物撮影手段の撮影範囲には、前記接触操作面と前記接触操作面特定用図形部とが含まれており、
前記接近対象物撮影手段により撮影された画像上に前記接触操作面特定用図形部を特定するとともに、当該画像上に特定された該接触操作面特定用図形部と、前記光反射領域特定手段により当該画像上に特定される光反射領域とに基づいて、前記接触操作面上に、前記接触操作により接触された接触操作領域を特定する接触操作領域特定手段を備える請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のタッチ式操作入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−116586(P2009−116586A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−288572(P2007−288572)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】