説明

タンク用電流接続装置

【課題】組立作業の労力を削減し設置及び運転中の安全性を増大させる、タンク用の電流接続装置を提供することが本発明の目的である。
【解決手段】電流接続装置が、タンク2に取り付けられ、該タンク2内へつながる開口を有するタンクフランジ3と、なお、電気接続ケーブル22が外部の電気装置との接続のためにこの開口内に設置されており、(金属)フランジ70に対して電気的に絶縁されている1つ又は複数の導体73を有する電気リードと、保護ケーシング9とを備え、リード7は、タンクフランジ3と保護ケーシング9との間に配置されてタンクフランジ3に密着して固定され、電気リード7の導体73に対応するプラグ部材を有するプラグ本体5が、タンクフランジ3内のタンク開口に挿入され、また、保護ケーシング9も、内部に挿入されるプラグ本体6を有しており、このプラグ本体はプラグ部材を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には電流接続装置に関し、特に、外部からタンク内への電流接続をもたらすことに関する。
【背景技術】
【0002】
可燃性危険物質を貯蔵又は移送するためのタンクでは、高い電力をタンク内へ投入する必要性が高い。たとえば、液化天然ガスの貯蔵及び移送のために、タンクの内側に配置される水中ポンプがプラントで利用される。
【0003】
ポンプに必要な電力をタンクの内側へ投入するために、気密電気リードを有する接続装置が用いられる。接続されるケーブルは、通常、ケーブルラグによって電力リードの導体にねじ留めされる。当然ながら、この種のプラントは、漠然とした基本的な資格(条件)を有する人員によってセットアップ又は保守されていることが多い。リードが保守作業後に取替えられるか又は再び投入される場合、ケーブルが接続されるときに、たとえば位相のミクスチャ(mixing up phases)、又、このようにして場合によっては、短絡及び不完全な密着の接続を引き起こすこと等の機械的損傷又はエラーが生じ得るという危険がある。可燃性危険物質の場合、致命的な結果をもたらしかねないのは、確実にこれらの種類のエラーである。加えて、接続手順は非常に時間がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、電流接続装置を組み立てる際の労働費を削減すること、及び運転安全性を増大させることである。この目的は、独立項の主題によって達成される。本発明の有利な実施の形態及び改良形(enhancement:エンハンスメント)が従属項に示される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明は、タンク(特に圧力タンク)用の電流接続装置であって、
以下でタンクフランジと呼ばれる、タンクに取り付けられ、該タンク内へつながる開口を有するフランジであって、電気接続ケーブルが外部の電気装置への接続のためにこの開口内に設置される、フランジと、
金属フランジを有する電気リードであって、絶縁体によって軸方向に密着して充填される少なくとも1つの開口を有し、フランジに対して電気的に絶縁されている少なくとも1つの導体がこの開口内に配置され、それによって、該電気リード全体で、フランジに対して電気的に絶縁されている複数の導体を有する、電気リードと、
保護ケーシングとを備える、タンク用の電流接続装置を提供する。
【0006】
発明を実施するための構成
この場合、リードは、タンクに取り付けられるフランジと外部ケーブル用の保護ケーシングとの間に配置されてタンクフランジにしっかりと固定される。内部電源ケーブルに接続され、電気リードの導体に対応するプラグ部材を有するプラグ本体が、タンクフランジ又は該タンクフランジ内のタンク開口に挿入され、その結果、リードをタンクフランジに取り付けることによって、接続ケーブルが電気リードの導体と電気的に接触する。
【0007】
保護ケーシングも、内部にプラグ部材が挿入された状態であるプラグ本体を有しており、該プラグ部材は、外部ケーブルに接続し、保護ケーシングをフランジに接して配置することによって電気リードの導体と電気的に接触する。
【0008】
タンクフランジの開口に挿入され、電気リードが取り付けられるとタンク側の接続ケーブルと電気的に接触するように接続されるプラグ部材を有する、プラグ本体によって、ケーブルラグによる接続にかかる費用を不要にしながら、同時に接続ケーブルを誤って接続してしまう危険を回避する。同じことが保護ケーシングの組立てにも当てはまる。したがって、電流接続装置の組立作業中のエラーは事実上なくなる。
【0009】
タンクフランジは、たとえば突合せ溶接フランジ(welding neck flange)として設計することができる。
【0010】
電気リードとタンクフランジとの間の密着性のある接続を得るには、適したシール面を電気リードのフランジ上に設けなければならない。たとえば、Oリング、特殊なタンクガスケット、又は金属リングシールによって密封を行うことができる。保護ケーシングと電気リードの金属フランジとの間の密着性のある接続も提供されるのが特に好ましい。この密着性のある接続もまた、Oリング、金属ガスケット、又は媒体(medium)に適合した他のプラスチック、黒鉛、若しくは黒鉛金属のガスケットによって行うことができる。
【0011】
プラグ本体内のプラグ部材は、電気リードの対応する導体が取り付けられるとこの導体と接触するレセプタクルとして形成されるのが好ましい。この場合、電気リードの導体の突出端は中実(solid)ロッドとして形成される。
【0012】
加えて、電気リードは、導体を囲む管状の絶縁部材を少なくとも片側に有しており、これらの部材の内壁は、少なくともレセプタクルの差込み領域において導体から半径方向に離隔しているのが好ましい。このようにして、絶縁経路は、絶縁耐力を増大すると共に漏れ電流を低減するために延長される。ここで、対応するプラグ本体は、レセプタクルの形態のプラグ部材を有することができ、プラグ部材は、管状の絶縁部材に入り込み、導体が接触するときの状態では管状の絶縁部材によって囲まれている。絶縁をさらに向上させるために、レセプタクルは、組み立てた状態において、対応する管状の絶縁部材内へ突出する絶縁パイプ又は絶縁可撓チューブによってあらかじめ絶縁しておくことができる。
【0013】
本発明の改良形において、管状の絶縁部材はまた、特に、絶縁体に直接取り付けて一体に接合又は成形することもでき、その結果、絶縁体を伴う導体は、少なくとも絶縁体からの出口領域で電気絶縁材料によって完全に囲まれる。
【0014】
管状の絶縁部材をフランジ内の絶縁体と接続するためには、割り当てられた導体の絶縁体に管状の絶縁部材を永久に押圧する、少なくとも1つのばね部材を提供するのがさらに好ましい。このばね部材は、たとえば、フランジと接続されることによって曲げ応力下におかれるプレス板であり得る。したがって、このような板は板ばねとして或る程度作用する。他に考えられるばね部材としては、フランジ内の1つ又は複数の絶縁体へ向かう方向にスプリング力を管状の絶縁部材に加える張力ばね、ばね座金、又はフラットなぜんまいばねも挙げられる。スプリング力によって押圧される管状の絶縁部材によって、経年劣化及び温度変化に起因した応力を受けた後であっても、重大な漏れ電流が、絶縁体に対する管状の絶縁部材の支持面に沿って回避されるか又は少なくとも低減される。また、スプリング力によって押圧することは、徐々に起こり得る接続のゆるみを妨ぎ、これによって絶縁耐力の長期安定性が増大する。
【0015】
タンク側に用いられるか又はタンクフランジの開口に挿入されるプラグ本体に好ましい材料は、テフロン、セラミックス、繊維強化エポキシ樹脂又はガラスである。これらの材料は、絶縁性に関して優れているだけでなく、高温及び低温の双方で使用するのにも適している。後者の内容は、特に、液化天然ガス用のタンクにおける問題に該当する。たとえば樹脂含浸紙等の他の材料、又はたとえばポリエチレン等の様々なプラスチックもまた、保護ケーシング内のプラグ本体に関して考慮される。
【0016】
電気リードは、適したガスケット又は座金を使用するボルト及びナットによって、タンクフランジとねじ留めされるのが好ましい。このようにして、確実な密封をもたらすために、一方では確実な接続が達成され、他方では高い押圧力が達成される。詳細には、断続ねじ接続(interrupted screw connection)も提供することができ、この接続は、組立手順を簡略化するために、タンクフランジ、電気リード、及び保護ケーシングを互いに同時に接続する。
【0017】
電流接続装置は、大電流用電力接続装置として特に適している。このために、必要な電力を伝達するには、電気リードの導体は、少なくとも5ミリメートルの直径を有するのが好ましい。この技法の適用は信号リードの場合にも可能である。
【0018】
危険物質を貯蔵又は移送するための安全タンクの場合と同じように、電気リードが軸方向に密着して接合される2つのリードユニットを有する場合、動作安全性を著しく改善することができ、それによって各部品は少なくとも1つの絶縁体及び複数の導体を有し、それによって複数の部品の対応する導体は互いに電気的に接続する。したがって、たとえば、絶縁体の1つにおいて、タンク側にある電気リードの一方の部品に破損が生じても、危険物質の漏れは他方の部品に対する密着性のある接続によって防止される。
【0019】
電気リード内のガラスシールの形態の絶縁体によって特に高い動作安全性が達成される。これは、この絶縁体が、安定性が高く温度変化に強いためである。しかし、セラミック絶縁体も同じく適している。
【0020】
本発明による電流接続装置の特定の利点はまた、大部分を、ひいては完全にモジュール式に構成することができることである。それほど適格でない人員であっても、複数の既製の(prefabricated)組立部品を並行して完成させ、仮取り付けを行ってから、現場において非常に単純に組み立てることができる。従来一般的であったタンク用電流接続装置の場合、ほとんど全ての完成ステップは、実際の電流リード自体に対して行われていた。したがって、1つの作業グループ又は限られた人数の人員しか接続装置の完成作業に従事することができなかった。逆に、上述のモジュール工法によって、並行した組立作業が可能になる。
【0021】
2つの組立部品が、プラグ本体を有する接続部品、又はプラグ本体自体によって形成される。リードは別の組立部品を形成する。所望に応じて、リードが、軸方向に密着して接合されるリードユニットを有する2部品構成で構成される場合、リードユニットもそれぞれ、組立部品を形成することができる。この場合、互いに対応するリードユニットの導体を相互接続する、電気接続部を有する組立部品を提供するのも好ましい。このために、たとえば二重レセプタクルの形態の導体を、組立部品において互いに絶縁した状態で設置することができる。この目的のために、組立部品は、電気接続部が固定される絶縁体を有し得る。リードを完成させるために、電気接続部を有する組立部品をリードユニットの一方にある導体に取り付けてから他方のリードユニットを接続する(plugged in)ことができ、その結果、部品が組み立てられると、互いに対応するリードユニットの導体を互いに同時に電気的に接触させることもできる。
【0022】
したがって、本発明の改良形によれば、接続部側にプラグ本体を有する少なくとも1つの既製の組立部品と、1つ又は複数のリードを有する少なくとも1つの他の組立部品とが提供される。したがって、この改良形から、上記の組立部品は既製されており、電流接続装置はこれらの組立部品を組み合わせることによって完成するという製造工程が導かれる。
【0023】
詳細には、完成方法は、請求項1に記載の電流接続装置を製造することに基づくことができ、この場合、少なくとも、接続部側にありタンクフランジから取り外されるプラグ本体、及びリードは、各々既製の組立部品の構成部材であり、これらの組立部品は相応に既製されており、電流接続装置は、リードを有する組立部品を、保護ケーシング及び該保護ケーシング内部に固定されるプラグ部材を有する別の組立部品に取り付けることによって運転準備完了状態に完成することができる。
【0024】
本発明は、添付の図面を参照して実施形態例に基づいて以下で詳細に説明される。
。ここで、同じ参照符号は同じ部材又は対応する部材を指す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】電流接続装置の断面図を示す。
【図2】電気リード及び対応するプラグ本体の詳細を示す。
【図3】電気リードの斜視図を示す。
【図4】2部品構成の電気リードを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、基本形の電流接続装置の断面図を概略的に示す。
【0027】
参照符号1で示される電流接続装置は、タンク2のパイプ接続部21に全体として取り付けられる。タンク2は、たとえば、液化天然ガス又は石油製品を貯蔵及び/又は移送するためのタンクであり得る。特に、タンク内容物を移送するための水中ポンプが、タンクの内側で電流接続装置1に接続され得る。
【0028】
電流接続装置1は、タンク2のパイプ接続部21に溶接され、タンク2又はパイプ接続部内へつながる開口を有する突合せ溶接フランジ3と、外部電源装置に接続するための電気接続ケーブル22とを備える。たとえば、電気接続ケーブル22に接続する水中ポンプに給電するための切替装置又は制御装置が、この開口内に設置される。
【0029】
電気リード7が、突合せ溶接フランジ3に接して金属フランジ70に取り付けられる。電気リードの金属フランジ70と突合せ溶接フランジ3との間に配置されるガスケット10によって、突合せ溶接フランジ3と電気リード7との密着性のある接続がもたらされる。電気リード7又は該電気リード7の金属フランジ70は、軸方向に延びると共に絶縁体で充填される複数の開口を有しており、これらの開口は、密封し且つ圧力に抵抗するように絶縁体72によって充填される。図1に示される例では、導体73が各絶縁体72内に配置されており、導体の両端部は、電気リード7の両側に軸方向に突出している。絶縁体72によって、導体73は、金属フランジ70に対して、又は絶縁体72によって充填される開口の縁に対して電気的に絶縁される。
【0030】
フランジ90を有する保護ケーシング9が電気リード7に取り付けられるため、リード7は突合せ溶接フランジ3と保護ケーシング9との間に配置される。外部接続ケーブル23が保護ケーシング9内へ投入される。図1に示される例では、外部接続ケーブル23のためのストレインリリーフ94が保護ケーシング9にさらに設けられている。
【0031】
プラグ本体5が、突合せ溶接フランジ3内のタンク開口に挿入されて溶接フランジ3内に固定されており、電気リード7の導体73に対応するレセプタクル50の形態のプラグ部材を有しているため、電気リード7を突合せ溶接フランジ3に取り付けることによって、導体73がレセプタクルに係合し、またこのようにして、タンク内の接続ケーブル22が電気リード7の導体73と電気的に接触する。
【0032】
保護ケーシング9は、内部に挿入されているプラグ本体6も有しており、このプラグ本体は、レセプタクル60の形態のプラグ部材を有しており、これらのプラグ部材は、保護ケーシング9を電気リード7のフランジに取り付けることによって電気リード7の導体73と接触させられ、したがって、外部接続ケーブル23を導体73と接触させる。
【0033】
好ましくは、特に、水、湿気及び塵が保護ケーシング9内に吸入されるのを防ぐためにガスケット11も電気リード7のフランジ70と保護ケーシング9のフランジ90との間に設置される。
【0034】
組立手順を簡略化すると共にコンパクトな外側寸法を得るために、フランジ70及び90は、一続きのねじ接続部13によって突合せ溶接フランジ3にねじ留めされる。
【0035】
図2は、本発明による電流接続装置1の実施形態の一例の詳細を示す。パイプ接続部21のタンク側に取り付けられるか又は突合せ溶接フランジ3内に固定される電気リード7及びプラグ本体5が示される。
【0036】
電気リード7はさらに、導体73を囲む管状の絶縁部材76を有しており、これらの部材の内壁は導体73から半径方向に離隔している。図2に示される例では、管状の絶縁部材76それぞれは、突出した脚77を有する。管状の絶縁部材76が所定位置に固定されるように、管状の絶縁部材76のための開口を有する板78が、脚77に取り付けられてねじ接続部79によってフランジ70とねじ留めされる。このようにして、脚77が、特に、絶縁体72に直接押圧される。
【0037】
板78による押圧によって、絶縁体72及び絶縁部材76の接触表面領域における高い押圧力が可能になる。このようにして、板は特に、特定のばね作用をもたらし、このばね作用は、経時的に起こり得る接続の緩和を阻むか、又は押圧力の漸進的な解放を低減する。一般に、図2に示される例に限定されることなく、本発明の改良形において、少なくとも1つのばね部材が提供され、このばね部材によって管状の絶縁部材がリードの絶縁体に押圧される。絶縁部材76を押圧することにより、フランジ70内の絶縁体と絶縁部材76との間の接触面での重大な漏れ電流が回避される。
【0038】
このために、さらに、図3は、3つの導体及びそれらに対応している3つの固定した管状の絶縁部材76を有する電気リード7の斜視図を示す。ねじ接続部79によって、板78は板ばねのような全体的な曲げ応力下におかれ、この応力が管状の絶縁部材76の脚77に伝達される。
【0039】
テフロン等の高絶縁性で温度安定性のプラスチックが、一般に、管状の絶縁部材76の材料として好ましい。同じことがプラグ本体5にも当てはまる。ガラス又はセラミックス等の材料もプラグ本体5に適している。加えて、保護ケーシング9内の接続部側にあるプラグ本体6に適した材料は、エポキシ樹脂及び樹脂含浸紙である。
【0040】
プラグ本体5は開口52を有しており、管状の絶縁部材76が開口52内へ突出する。加えて、プラグ本体のレセプタクル50は、開口52の内側中央で所定位置に固定され、これらのレセプタクルは、電気リードの導体73にわたって接続して導体73との電気接触をもたらす。非常に長い漏れ経路が、対応する開口52と組合せられた絶縁部材76によって達成され、これによって絶縁耐力が増大する。絶縁性能は、レセプタクルをさらに絶縁することによってさらに改善することができる。
【0041】
また、電気リード7の他方側及び保護ケーシング内のプラグ本体6も、図2に基づいて示されるように構成されるのが好ましい。しかし、容易な理解のために、電気リードの他方側にある管状の絶縁部材、及びこれに属する保護ケーシング9のプラグ本体は、図2に示されていない。
【0042】
加えて、図1に示されるガスケット10が当たる(applied)シール面80、並びに電気リード7のフランジ70の縁における貫通孔75が図2に示されており、組立てのためにねじ接続部13が貫通孔75を通して挿入される。
【0043】
これまでに示された実施形態例では、導体が、電気リードのフランジの軸方向開口毎に配置されていた。実際に、電流供給の場合、概して複数の導体が提供されるが、当然ながら、複数の導体を、共通の絶縁体によってフランジに対して電気的に絶縁することもできる。
【0044】
図4は、図1に示される例の好ましい変形及び改良形を示す。2部品構成の電気リード7が、この変形において提供されている。ここでは、電気リード7は、絶縁導体73を有するフランジ70を備える。さらに、金属体の形態の別の部品81がフランジ70へ取り付けられる。この付加的な部品は、図4に示される例では蓋のような形状である。しかし、当然ながら、代替的な形態も可能である。付加的な部品81において、付加的な部品81とは異なり(opposite)絶縁体によって電気的に絶縁されている導体730も、導体73と軸方向に位置合わせされて配置されるのが好ましい。
【0045】
密閉された中間空間82が、リードのフランジ70と付加的な部品81との間に形成される。フランジ70内の対応する導体73、730及び付加的な部品81は互いに接触し、この中間空間内の絶縁チューブによって絶縁される。たとえば、図4に示されるような両側レセプタクル83をこのために使用することができる。
【0046】
この変形は、気密にされ且つ圧力抵抗するようにされている絶縁体72、720の一方が密封できなくなった場合、付加的に電流リードがタンク2を気密にして密封するという利点を有する。なぜなら、この場合、漏れに起因して生じた気体又は液体は最大でも中間空間82内までしか浸透し得ないためである。圧力の増減に関して中間空間を検査することによって、気密状態(tightness)を常時監視することが可能になる。
【0047】
図1及び図4に概略的に示されるように、事前に予め組立てられている電流接続装置は、次に、非常に単純に且つ迅速に既製の組立部品を接続する(詳細には、並行作業によって組立を完成する)ことによって特に有利な方法で設置現場で組み立てられることができる。この場合、リード7は、既製の組立部品を形成する。別の組立部品は、接続部側にあるプラグ本体6を含む。
【0048】
電流接続装置は次いで、1つの組立部品を電気リード7に、別の組立部品をプラグ本体6に取り付けることによって完成される。保護ケーシング9は、プラグ本体6を有する組立部品に属し得るのが依然として好ましい。このようにして、構成部材7及び9がフランジ3と接続すると同時に電気接触が行われる。
【0049】
例示として図4に示される2部品構成の電気リード7の場合、2つの部品70及び81は、共通して1つの組立部品を形成することもできる。この場合、2つの部品70、81は、レセプタクル83によって導体72、730を接触させることによって予め組立てられる。加えて、図4に示される例ではレセプタクルによって形成される、導体72、730間の導電接続部も、組立部品として設計することができる。たとえば、レセプタクルを絶縁ホルダ装置内に配置することが可能である。絶縁ホルダ装置と組合せられる導電接続部を有する部材を次いで部品70、81の一方の部品の導体に取り付けてから、他方の部品は設置されることができるため、双方の部品70、81の対応する導体が、この組立手順と同時に互いに電気的に接触することができる。
【0050】
本発明が、上述の例示的な実施形態に限定されるのではなく、多くの方法で、また、特に添付の特許請求の範囲の主題の範囲内で変更可能であることは、当業者には明らかである。このようにして、特に、実施形態例の特徴を互いに組み合わせることもできる。したがって、図1及び図4に示される実施形態例は、非常に単純化して提示され、これらの図面に記載の電流接続装置は、特に、片側又は両側に、図2に基づいて説明されたような管状の絶縁部材を有することもできる。
【符号の説明】
【0051】
2 タンク
3 突合せ溶接フランジ
5、6 プラグ本体
7 リード
9 保護ケーシング
10、11 ガスケット
13 ねじ接続部
21 2のパイプ接続部
22 タンク内の接続ケーブル
23 外部接続ケーブル
50、60 レセプタクル
52 50内の開口
70 7の金属フランジ
72、720 絶縁体
73、730 7の導体
74 70内の軸方向開口
75 70内の貫通孔
76 管状の絶縁部材
77 76の脚
78 板
79 78のねじ接続部
80 70のシール面
81 2部品構成の構造における7の付加的な部品
82 70、81間の中間空間
83 両側レセプタクル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク(2)の電流接続装置(1)であって、
前記タンク(2)に取り付けられ、該タンク(2)内へつながる開口を有するタンクフランジ(3)であって、電気接続ケーブル(22)が外部の電気装置への接続のために設置される、タンクフランジ(3)と、
金属フランジ(70)を有する電気リード(7)であって、絶縁体(72)によって軸方向に密着して充填される少なくとも1つの開口を有しており、前記フランジ(70)に対して電気的に絶縁されている少なくとも1つの導体(73)が、前記開口内に配置され、それによって、該電気リード(7)全体で、前記フランジ(70)に対して電気的に絶縁されている複数の導体(73)を有する、電気リード(7)と、
保護ケーシング(9)とを備え、
前記リード(7)は、前記タンクフランジ(3)と前記保護ケーシング(9)との間に配置されて前記タンクフランジ(3)に密着して固定され、
前記電気リード(7)の前記導体(73)に対応するプラグ部材を有するプラグ本体(5)が、前記タンクフランジ(3)内の前記タンク開口に挿入され、その結果、前記リード(7)を前記タンクフランジ(3)に取り付けることによって、前記接続ケーブル(22)が前記電気リード(7)の前記導体(73)と電気的に接触され、また、前記保護ケーシング(9)も内部に挿入されたプラグ本体(6)を有しており、該プラグ本体は、前記保護ケーシング(9)を前記フランジ(70)に設置することによって前記電気リード(7)の前記導体(73)と電気的に接触するプラグ部材を有する、電流接続装置。
【請求項2】
前記プラグ部材はレセプタクル(50、60)として形成され、前記電気リード(7)の前記導体(73)は、取り付けられると前記レセプタクル(50、60)内に係合することをさらに特徴とする、請求項1に記載の電流接続装置。
【請求項3】
少なくとも片側で、前記電気リード(7)は前記導体(73)を囲む管状の絶縁部材を有しており、これらの部材の内壁は前記導体から半径方向に離隔していることをさらに特徴とする、請求項1又は2に記載の電流接続装置。
【請求項4】
前記プラグ本体(5、6)は、前記レセプタクル(50、60)の形態のプラグ部材を有しており、該プラグ部材は前記管状の絶縁部材(76)に係合し、前記導体(73)と接触するときの状態では、該管状の絶縁部材(76)によって囲まれていることをさらに特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電流接続装置。
【請求項5】
前記プラグ本体(5、6)の少なくとも一方は、対応する前記管状の絶縁部材(76)が突出する開口を有することをさらに特徴とする、請求項3又は4に記載の電流接続装置。
【請求項6】
少なくとも1つのばね部材によって、前記管状の絶縁部材(76)は前記リード(7)の前記絶縁体(72)に押圧されることをさらに特徴とする、請求項4又は5に記載の電流接続装置。
【請求項7】
前記電気リード(7)は前記タンクフランジ(3)と共にねじ留めされることをさらに特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電流接続装置。
【請求項8】
前記電流接続装置は電力接続装置として形成され、前記電気リード(7)の前記導体(73)は少なくとも5ミリメートルの直径を有することをさらに特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電流接続装置。
【請求項9】
前記電気リード(7)は、軸方向に密着して接合される2つの部品を有しており、それによって、該部品はそれぞれ、少なくとも1つの絶縁体(72、720)及び複数の導体(73、730)を有しており、それによって前記2つの部品の対応する導体(73、730)は、互いに電気的に接続されることをさらに特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電流接続装置。
【請求項10】
前記絶縁体(72)は、前記電気リード内にガラスシールを備えることをさらに特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電流接続装置。
【請求項11】
前記保護ケーシング(9)は前記電気リードと密着して接続されることをさらに特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電流接続装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の電流接続装置(1)を特徴とする、特に可燃性物質用の危険物質タンク。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の電流接続装置を製造する方法であって、前記リード及び前記プラグ本体(6)を接続部側に有する組立部品は既製されており、前記電流接続装置は、1つの組立部品を前記電気リード(7)に、別の組立部品を前記プラグ本体(6)に取り付けることによって完成される、方法。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−205734(P2010−205734A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−48598(P2010−48598)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(504299782)ショット アクチエンゲゼルシャフト (346)
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr.10,D−55122 Mainz,Germany
【Fターム(参考)】