説明

ダイズ事象MON89788およびその検出方法

本発明は、形質転換事象MON89788およびこれらの事象に特有なDNA分子を含むダイズ植物および種子を提供する。また、本発明は、試料中のこれらのDNA分子の存在の検出方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2005年5月27日付で出願した米国仮出願第60/685,584号の優先権を主張し、その全開示をここに出典明示して本明細書の一部とみなす。
本発明は、MON89788と指定される新しくかつ特殊な遺伝子組換えダイズ形質転換事象、それから誘導したダイズ培養品種、その植物器官、種子および生産物に関する。また、本発明は、植物器官抽出物または種子抽出物中のMON89788に特異的なDNA分子の存在を検出するアッセイ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイズ(Glycine max)は世界の多数の領域における重要な作物である。バイオテクノロジー方法は、農業形質および生産物の質の改良のためにダイズに適用された。ダイズ生成に重要なかかる1つの農業形質は、除草剤耐性、特に、グリホサート除草剤に対する耐性である。除草剤耐性のダイズ事象は、雑草を管理するための有用な形質であろう。
【0003】
グリホサートとしても知られているN−ホスホノメチルグリシンは、広域スペクトルの植物種に対し活性を有するよく知られた除草剤である。グリホサートは、環境において望ましく短い半減期を有する安全な除草剤であるRoundupR (Monsanto Co., St. Louis, MO)の有効成分である。植物表面に適用された場合、グリホサートは植物を介して全体に移動する。グリホサートは、芳香族アミノ酸の合成のために前駆体を提供するシキミ酸経路のその抑制により植物毒素である。グリホサートは、植物中で見出された酵素5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸合成酵素(EPSPS)を抑制する。
【0004】
グリホサート耐性は、グリホサートに対しより低い親和性を有し、従って、グリホサートの存在下それらの触媒活性を保持するEPSPS変異体の発現によって達成できる(米国特許第5,633,435号;第5,094,945号;第4,535,060号および第6,040,497号)。また、植物組織においてグリホサートを分解する酵素(米国特許第5,463,175号)は、グリホサートに対する細胞耐性を付与できる。かかる遺伝子は、グリホサートに対して耐性である遺伝子組換え作物の生成に用いられ、それにより、グリホサートが作物被害の最小の懸念で、有効な雑草防除に用いられるのを可能にする。例えば、グリホサート耐性は、トウモロコシ(米国特許第5,554,798号)、小麦(米国特許第6,689,880号)、綿(米国特許第6,740,488号)、ダイズ(WO 9200377)およびキャノーラ(米国特許出願第20040018518号)に遺伝子操作された。また、グリホサート耐性についての導入遺伝子および他の除草剤に対する耐性についての導入遺伝子、例えば、バー遺伝子(Tokiら, 1992; Thompsonら, 1987; ホスフィノトリシンアセチル基転移酵素 (DeBlockら, 1987), グルホシネート除草剤に対する耐性について)は、選択マーカーまたはスコアマーカーとして有用であり、他の農業的に有用な形質と連結された植物の選択に有用な発現型を提供できる。
【0005】
植物における外来遺伝子の発現は、恐らく染色質構造(例えば、異質染色質)または組込み部位に近い転写調節エレメント(例えば、エンハンサー)の近隣により、それらの染色体の位置によって影響されることが知られている(Weisingら, 1988)。この理由のために、導入された注目する遺伝子の最適な発現によって特徴付けられた事象を同定するために多数の事象をスクリーニングすることがしばしば必要である。例えば、事象中の導入された遺伝子の発現レベルにおける広範囲の変化が存在し得ることが、植物および他の生物に観察されている。また、導入された遺伝子構築体に存在する転写調節エレメントから期待されたパターンに対応し得ない空間的または一時的なパターンの発現における差、例えば、様々な植物組織における導入遺伝子の相対的な発現における差が存在し得る。この理由のため、何百から何千もの異なった事象を生成し、商業目的のための導入遺伝子の所望の発現レベルおよびパターンを有する単一事象についてそれらの事象をスクリーニングすることが一般的である。導入遺伝子発現の所望のレベルまたはパターンを有する事象は、従来の育種方法を用いて、性的異系交配によって導入遺伝子を他の遺伝的背景に遺伝子移入するのに有用である。かかる交配の子孫は、元来の形質転換体の導入遺伝子発現特性を維持する。この戦略を用いて、局所的な栽培条件に良好に適応される多数の品種における信頼できる遺伝子発現を保証する。
【0006】
性的交配の子孫が注目する導入遺伝子を含むかを決定するために特定の事象の存在を検出できることは有利であろう。さらに、例えば、特定の事象を検出する方法は、市販前承認を必要とし、組換え作物植物から誘導した食品をラベルする規制に従うことに有用であろう。ポリ核酸プローブを用いるポリメラーゼ鎖反応(PCR)およびDNAハイブリダイゼーションのごとき、いずれかのよく知られたポリ核酸検出方法による導入遺伝子の存在を検出することが可能である。これらの検出方法は、一般的に、プロモーター、ターミネーター、マーカー遺伝子等のごとき、頻繁に使用される遺伝子エレメントに焦点を合わせる。結果的に、かかる方法は、挿入された導入遺伝子DNAに隣接する染色体DNA(「フランキングDNA」)の配列が知られていない限りは、異なった事象、特に、同一のDNAを用いて生成されたものを区別するのに有用ではないかもしれない。事象に特異的なPCRアッセイは、例えば、Windelsら (1999)によって言及され、彼らは、挿入導入遺伝子およびフランキングDNA間の結合にわたるプライマーセット、具体的には、挿入断片からの配列を含む第1のプライマー、およびフランキングDNAからの配列を含む第2のプライマーを用いてPCRによるグリホサート耐性ダイズ事象40-3-2を同定した。また、遺伝子組換え植物事象に特異的なDNA検出方法は、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす米国特許第6,893,826号;第6,825,400号;第6,740,488号;第6,733,974号および第6,689,880号;第6,900,014号および第6,818,807号に記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、グリホサート耐性ダイズ事象MON89788(MON19788またはGM_A19788ともいう)、ならびにMON89788から誘導された植物およびその子孫ならびに植物組織についての検出方法に有用であるこれらのダイズ植物中に含まれるDNA分子に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、米国培養菌保存施設(American Type Culture Collection, ATCC)で受入番号PTA−6708で寄託された代表的な種子を有するMON89788(MON19788ともいう)で指定されたダイズ遺伝子組換え事象およびその子孫を提供する。本発明のもう一つの態様は、ダイズ事象MON89788の植物の植物細胞または再生可能な器官ならびに種子である。また、本発明は、限定されるものではないが、MON89788から誘導された細胞、花粉、胚珠、花、苗条、根、葉、および生産物、例えば、ダイズのミール、粉末および油を含むダイズ事象MON89788の植物器官を含む。
【0009】
本発明の1つの態様は、ダイズ事象MON89788植物もしくは種子または植物の器官もしくは種子から誘導された生産物からのDNA導入遺伝子/ゲノムの結合領域の存在を検出するための組成物および方法を提供する。配列番号:1および配列番号:2ならびにその相補体よりなる群から選択される少なくとも1つの遺伝子組換え/ゲノムの結合DNA分子を含むDNA分子が提供され、その結合分子は、ダイズ細胞のゲノムに挿入された異種DNA、ならびに挿入部位ダイズ事象MON89788に隣接するダイズ細胞からのゲノムDNAを含む挿入部位にわたる。本発明の1つの態様において、かかる結合配列(junction sequence)は、各々、配列番号:9のヌクレオチド1093−1113または5396−5416を含むと定義され得る。本発明の他の態様において、結合は、フランキングゲノムおよび導入遺伝子のさらなる部分を含むと定義でき、例えば、配列番号:9のヌクレオチド1073−1113、1043−1113、1093−1133、1093−1163、1043−1163、5376−5416、5346−5416、5396−5436、5396−5416、5396−5466または5346−5466により与えられた1以上の配列を含むと定義し得る。従って、かかる配列ならびにこれらの配列を含む植物および種子は、本発明の1つの態様を形成する。
【0010】
ダイズ事象MON89788からのDNA導入遺伝子/ゲノム領域の配列番号:3またはその相補体である新規なDNA分子が提供される。そのゲノム中に配列番号:3を含むダイズ植物および種子は、本発明の態様である。配列番号:3は、さらにその全体の配列番号:1を含む。
【0011】
本発明のもう一つの態様により、DNA導入遺伝子/ゲノム領域の配列番号:4またはその相補体であるDNA分子が提供され、このDNA分子はダイズ事象MON89788に新規である。そのゲノム中に配列番号:4を含むダイズ植物および種子は、本発明の態様である。配列番号:4は、さらにその全体の配列番号:2を含む。
【0012】
本発明のもう一つの態様により、2つの核酸分子がDNA検出方法における使用に提供され、ここに、第1の核酸分子は、配列番号:3のDNA分子の導入遺伝子領域のいずれかの部分の少なくとも11以上の近接するポリヌクレオチドを含み、第2の核酸は、配列番号:3の5’フランキングダイズゲノムDNA領域のいずれかの部分の同様の長さの分子であり、ここに、一緒に用いた場合のこれらの核酸分子は、単位複製配列を生成するDNA増幅方法におけるプライマーとして有用である。DNA増幅方法におけるこれらのプライマーを用いて生成された単位複製配列は、ダイズ事象MON89788 DNAに診断的である。配列番号:1を含む配列番号:3の一部分に相同的または相補的である記載されたプライマーにより生成された単位複製配列は、本発明の態様である。
【0013】
本発明のもう一つの態様により、2つの核酸分子が、DNA検出方法における使用に提供され、第1の核酸分子は、配列番号:4のDNA分子の導入遺伝子領域のいずれかの部分の少なくとも11以上の近接するポリヌクレオチドおよび、配列番号:4の3’フランキングダイズゲノムDNAのいずれかの部分の同様の長さの第2の核酸分子を含み、一緒に用いた場合のこれらの核酸分子は単位複製配列を生成するDNA増幅方法におけるプライマーとして有用である。DNA増幅方法におけるこれらのプライマーを用いて生成された単位複製配列は、ダイズ事象MON89788 DNAに診断的である。配列番号:2を含む一部分の配列番号:4に相同的または相補的である記載されたプライマーにより生成された単位複製配列は、本発明の態様である。
【0014】
配列番号:3もしくは配列番号:4または配列番号:9もしくはその相補体から誘導したいずれかの核酸プライマー対は、本発明のもう一つの具体例であり、ここに、それらは、DNA増幅に用いた場合、各々、配列番号:1もしくは配列番号:2または配列番号:9のいずれかの部分を含む単位複製配列のごときダイズ事象MON89788誘導組織に診断的な単位複製配列を生じる。特定の具体例において、プライマー対は、プライマーA(配列番号:5)およびプライマーD(配列番号:8)よりなり得る。
【0015】
本発明のもう一つの態様は、事象MON89788を含むダイズ植物もしくは種子、または植物または種子から誘導した生産物であり、ここに、ダイズ植物もしくは種子、または生産物から単離される場合のゲノムDNAは、配列番号:1または配列番号:2を含むDNA増幅方法における単位複製配列を生成する。
【0016】
依然として、本発明のもう一つの態様は、MON89788を含む植物または種子から誘導したダイズ植物、種子または生産物であり、ここに、ダイズ植物、種子または生産物から単離された場合のゲノムDNAは、DNA増幅方法における単位複製配列を生成し、DNAプライマー分子配列番号:5および配列番号:6は、DNA増幅方法に用いられる。
【0017】
さらに本発明のもう一つの態様は、MON89788を含むダイズ植物、種子、植物または種子から誘導した生産物または商品であり、ここに、ダイズ植物、種子または生産物から単離された場合のゲノムDNAが、DNA増幅方法における単位複製配列を生成し、DNAプライマー分子配列番号:7および配列番号:8が、DNA増幅方法に用いられる。生産物または商品は、限定なくして、MON89788を含む1以上の以下の生産物:レシチン、脂肪酸、グリセロール、ステロール、食用油、脱脂されたダイズフレーク、脱脂もしくは焼いたダイズミールを含めたダイズミール、豆乳凝乳、豆腐、ダイズ粉、ダイズ蛋白濃縮物、単離されたダイズ蛋白、植物蛋白水解物、加工ダイズ蛋白(textured soy protein)およびダイズ蛋白繊維を含むまたはそれらから誘導される食品または飼料生産物を含み得る。
【0018】
本発明のもう一つの態様により、試料におけるダイズ事象MON89788 DNAに特に対応するDNAの存在を検出する方法が提供される。かかる方法は、(a)DNAを含む試料とDNAプライマー対とを接触させ;(b)核酸増幅反応を行い、それにより単位複製配列を生成し;次いで、(c)単位複製配列を検出することを含み、該単位複製配列は配列番号:1または配列番号:2を含む。DNA増幅に用いた場合に配列番号:1または配列番号:2を含む単位複製配列を生成するDNAプライマー分子を含むキットは、本発明のさらなる態様である。
【0019】
本発明のもう一つの態様により、試料中のダイズ事象MON89788 DNAに特に対応するDNAの存在を検出する方法が提供される。かかる方法は、(a)ダイズ事象MON89788からのゲノムDNAとストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズし、対照ダイズ植物DNAとストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズしないプローブとDNAを含む試料とを接触させ、;(b)試料およびプローブをストリンジェントなハイブリダイゼーション条件に付し;次いで、(c)ダイズ事象MON89788 DNAに対するプローブのハイブリダイゼーションを検出することを含み、ここに、前記プローブは配列番号:1または配列番号:2を含む。試料は、ダイズ事象MON89788を含む子孫種子、植物または植物器官、またはMON89788を含む植物から誘導した以下のいずれかの生産物:レシチン、脂肪酸、グリセロール、ステロール、食用油、脱脂されたダイズフレーク、脱脂もしくは焼いたダイズミールを含めたダイズミール、豆乳凝乳、豆腐、ダイズ粉、ダイズ蛋白濃縮物、単離されたダイズ蛋白、植物蛋白水解物、加工ダイズ蛋白およびダイズ蛋白繊維を含み得る。配列番号:1または配列番号:2に相同的または相補的なDNA分子を含むDNAプローブを含むキットは、本発明の態様である。また、配列番号:18、配列番号:19または配列番号:20またはそれらの相補体を含むDNA分子を含むキットは、本発明の態様である。
【0020】
本発明のもう一つの態様により、グリホサートの適用を許容するダイズ植物を生成する方法が提供され、それは、(a)事象MON89788を含む第1の親グリホサート耐性ダイズ植物、およびグリホサート耐性を欠く、第2の親ダイズ植物を性的交配させ、それにより、複数子孫植物を生成し;次いで、(b)グリホサートの適用を許容する子孫植物を選択する工程を含む。加えて、育種方法は、ダイズ事象MON89788を含む親の植物と、グリホサートに耐性でもある第2の親のダイズ植物に交配し、次いで、各親で見出されたグリホサート耐性の発現型に遺伝子的に連結した分子マーカーDNAによりグリホサート耐性の子孫を選択する工程を含み得る。
【0021】
本発明のもう一つの態様は、MON89788を含むダイズ植物の圃場における雑草を防除する方法であり、ここに、該方法は、ATCC受入番号PTA−6708として寄託された代表的な種子の事象MON89788を含むダイズ種子を圃場に植え、該種子が、発芽するのを可能とし、次いで、該圃場における雑草生長を防除するのに有効な量のグリホサートで該植物を処理することを含む。
【0022】
本発明の前記および他の態様は、以下の詳細な説明および添付の図面からより明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(図面の簡単な記載)
図1.事象MON89788を含むダイズ植物のゲノムにおける導入遺伝子挿入断片の組織化。
図2A−2B.ダイズからの商品生産物の加工。
【0024】
(詳細な説明)
本発明は、グリホサート耐性を供するMON89788と指定される新規なダイズ形質転換事象、ならびにその事象を含む植物、植物器官および種子および生産物から生成された植物器官および種子および生産物に関する。本発明は、MON89788を含むダイズ細胞のゲノム中に新規なDNA分子ならびに、試料中のMON89788 DNAを同定するための様々なDNA検出方法に用いることができるDNA分子を提供する。本発明は、グリホサート除草剤で事象MON89788を含む植物を含む圃場における雑草を処理することにより、MON89788を含む植物の圃場における雑草を防除する方法を提供する。
【0025】
以下の定義および方法は、本発明をより良好に定義し、かつ本発明の実施における当業者をガイドするために提供される。特記しない限りは、用語は、関連技術分野における当業者により慣例的用法により理解されるべきものである。また、分子生物学における共通の用語の定義は、Riegerら (1991)およびLewin (1994)に見出すことができる。米国特許法施行規則§1.822に記載されたDNA塩基についての命名法が用いられる。
【0026】
本明細書に用いた「ダイズ」なる用語は、Glycine maxを意味し、ダイズで生育できる全ての植物品種を含む。
本明細書に用いた、「含む」なる用語は、「限定されるものではないが、...を含む」を意味する。
「グリホサート」とはN−ホスホノメチルグリシンおよびその塩類をいい、グリホサートはRoundup除草剤(Monsanto Co.)の有効成分である。「グリホサート除草剤」での処理とは、RoundupR、Roundup UltraR, Roundup ProR除草剤またはグリホサートを含むいずれの他の除草剤処方での処理もいう。グリホサートの商業的処方の例は、限定なくして、ROUNDUPR、ROUNDUPR ULTRA、ROUNDUPR ULTRAMAX、ROUNDUPR CT、ROUNDUPR EXTRA、ROUNDUPR BIACTIVE、ROUNDUPR BIOFORCE、RODEOR、POLARISR、SPARKRおよびACCORDR除草剤として、Monsanto Companyにより販売されるもの、その全てはグリホサートをそのイソプロピルアンモニウム塩として含有する;ROUNDUPR WEATHERMAX(グリホサートカリウム塩)、ROUNDUPR DRYおよびRIVALR除草剤としてMonsanto Companyにより販売されるもの、それはグリホサートをそのアンモニウム塩として含有する; ROUNDUPR GEOFORCEとしてMonsanto Companyにより販売されるもの、それはグリホサートをそのナトリウム塩として含有する;およびグリホサートをトリメチルスルホニウム塩として含有するTOUCHDOWNR除草剤としてSyngenta Crop Protectionにより販売されるものを含む。これらのグリホサート除草剤処方のいずれかでの事象MON89788を含むグリホサート耐性ダイズ植物を含む圃場の処理は、圃場における雑草生長を防除し、MON89788を含むダイズ植物の生長または収穫に影響しないであろう。
【0027】
遺伝子組換え「事象」は、異種DNA、例えば、注目する導入遺伝子を含む核酸構築体での植物細胞の形質転換、植物のゲノム中への導入遺伝子の挿入に起因する植物の集団の再生、および特定のゲノム位置への挿入により特徴付けられた特定の植物の選択により生成される。「事象」なる用語は、異種DNAを含む元来の形質転換体および形質転換体の子孫をいう。また、「事象」なる用語は、異種導入遺伝子DNAおよびフランキングゲノムDNAを含む形質転換体およびもう一つの品種間の性的交配により生成された子孫をいう。また、「事象」なる用語は、挿入されたDNA(例えば、自配に起因する元来の形質転換体および子孫)を含む1つの親系および挿入されたDNAを含まない親系の性的交配の結果として、注目する導入遺伝子を含む挿入されたDNAを受け入れる子孫に移されることが期待できるであろう挿入されたDNAおよび挿入されたDNAに直ちに隣接するフランキングゲノム配列を含む元来の形質転換体からのDNAをいう。
【0028】
グリホサート耐性ダイズ植物は、MON89788を含む遺伝子組換えグリホサート耐性ダイズ植物から成長したダイズ植物、またはグリホサート耐性表現型を発現するかかる植物の交配の子孫であるダイズ植物、ならびにグリホサートに対する耐性を欠く第2の親ダイズ植物を最初に性的に交配させ、それにより、複数の第1の子孫植物を生成し、次いで、グリホサート除草剤の適用に耐性である子孫植物を選択することにより生育できる。これらの工程は、さらに、第2の親のダイズ植物または第3親のダイズ植物へのグリホサート耐性子孫植物の戻し交配、次いで、グリホサートでの適用もしくは形質と関連した分子マーカーでの同定による子孫の選択、それにより、グリホサート除草剤の適用を許容するダイズ植物を生成することを含む。事象MON89788において導入遺伝子の挿入の5’および3’部位で同定された結合DNA分子を含む分子マーカーを用いてもよい。
【0029】
また、2つの異なる遺伝子組換え植物を交配させて、2つの独立して分離している外来性の導入遺伝子を含む子孫を生成できると理解される。従前に記載された親植物への戻し交配および非遺伝子組換え植物との異系交配が、栄養繁殖であると考えられる。異なった形質および作物に一般的に用いられる他の育種方法の記載は、いくつかの引用文献の1つ、例えば、Fehr, (1987)に見出すことができる。
【0030】
「プローブ」は、通常の検出可能は標識またはレポーター分子、例えば、放射性同位体、リガンド、化学発光剤または酵素に結合する単離された核酸である。かかるプローブは標的核酸の鎖に、本発明の場合には、その事象からのDNAを含むダイズ植物もしくは種子から、またはその植物もしくは種子の試料もしくは抽出物からの事象MON89788を含むダイズ植物からのゲノムDNAの鎖に相補的である。本発明によるプローブは、デオキシリボ核酸もしくはリボ核酸だけではなく、標的DNA配列に特異的に結合し、その標的DNA配列の存在を検出するために用いることができるポリアミドおよび他のプローブ物質を含む。
【0031】
「プライマー」は、核酸ハイブリダイゼーションにより相補的な標的核酸鎖にアニーリングされて、プライマーと標的ポリ核酸鎖の間のハイブリッドを形成し、次いで、ポリメラーゼ、例えば、DNAポリメラーゼにより標的ポリ核酸鎖に沿って伸長された単離ポリヌクレオチド酸である。本発明のプライマー対は、例えば、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)または他の従来の核酸増幅方法により、標的ポリ核酸分子の増幅のためのそれらの使用をいう。
【0032】
プローブおよびプライマーは、長さが一般的には、11個以上のポリヌクレオチド、好ましくは18個以上のポリヌクレオチド、より好ましくは24個以上または30個以上のポリヌクレオチドである。かかるプローブおよびプライマーは、高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下で標的分子に特異的にハイブリダイズする。好ましくは、本発明によるプローブおよびプライマーは、標的分子との完全な配列同一性を有するが、標的核酸とは異なり、高ストリンジェンシー条件下での標的配列にハイブリダイズする能力を保持するプローブは、通常の方法により設計し得る。
【0033】
プローブおよびプライマーを調製および用いる方法は、例えば、Sambrookら (1989); Ausubelら (1992);およびInnisら (1990)に記載されている。PCRプライマー対(プライマーセット)は、例えば、Primer(Version 0.5, C 1991, Whitehead Institute for Biomedical Research, Cambridge, MA)のごときその目的を意図したコンピュータプログラムを用いることにより、公知の配列から誘導できる。
【0034】
本明細書に開示されたフランキングゲノムDNAおよび挿入断片配列に基づいたプライマーおよびプローブ(配列番号:1−4および9)を用いて、通常の方法、例えば、MON89788を含む種子の貯蔵物から対応するDNA分子を単離し、次いで、かかる分子の核酸配列を決定することにより、開示された配列を確認および必要ならば補正できる。さらなる関連するDNA分子は、導入遺伝子挿入断片およびゲノムのフランキング領域を含むMON89788を含む細胞のゲノムから単離でき、これらの分子のフラグメントをプライマーまたはプローブとして用いてもよい。
【0035】
本発明の核酸プローブおよびプライマーは、ストリンジェントな条件下で、標的DNA配列にハイブリダイズする。いずれかの従来の核酸ハイブリダイゼーションまたは増幅方法を用いて、試料中のMON89788事象からDNAの存在を同定できる。核酸分子またはそのフラグメントは、ある環境下で他の核酸分子に特異的にハイブリダイズできる。本明細書に用いた、2つの核酸分子は、2つの分子が逆平行の二本鎖の核酸構造を形成でき、高ストリンジェンシー条件下でこの構造を維持するのに十分な長さであるならば、互いに特異的にハイブリダイズできるという。核酸分子は、それらが完全な相補性を示すならば、もう一つの核酸分子の「相補体」であるという。本明細書に用いた分子は、分子のうちの一方のすべてのヌクレオチドが他方のヌクレオチドに相補的である場合、「完全な相補性」を示すという。2つの分子が、それらが少なくとも従来の「低ストリンジェンシー」条件下で互いにアニーリングされ続けることを可能にするのに十分な安定性で互いにハイブリダイズできるならば、「最小に相補的」であるという。同様に、分子は、それらが従来の「高ストリンジェンシー」条件下で互いにアニーリングされ続けることを可能にするのに十分な安定性で互いにハイブリダイズできるならば、「相補的」であるという。従来のストリンジェンシー条件は、Sambrookら, 1989およびHaymesら (1985)により記載されている。従って、完全な相補性からの逸脱は、かかる逸脱が二本鎖構造を形成するための分子の能力を完全には排除しない限りは、許容可能である。核酸分子がプライマーまたはプローブとして機能するためには、使用された特定の溶媒および塩濃度下で安定した二本鎖構造を形成できるのに十分に相補的であることを単に必要とする。
【0036】
本明細書に用いた、実質的に相同的な配列は、それが高ストリンジェンシー条件下で比較されている核酸配列の相補体に特異的にハイブリダイズするであろう核酸配列である。DNAハイブリダイゼーションを促す適当なストリンジェンシー条件、例えば、約45℃での6.0×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)に続いて、50℃での2.0×SSCの洗浄が当業者に知られているか、またはCurrent Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y. (1989), 6.3.1-6.3.6に見出すことができる。例えば、洗浄工程における塩濃度は、50℃での約2.0×SSCの低ストリンジェンシーから50℃での約0.2×SSCの高ストリンジェンシーまで選択できる。加えて、洗浄工程における温度は、室温、約22℃での低ストリンジェンシー条件から約65℃での高ストリンジェンシー条件に増加できる。温度および塩の双方が変更できるか、または温度または塩濃度の一方を一定に保持し、他方を変更し得る。好ましい具体例において、本発明の核酸は、中程度のストリンジェントな条件下、例えば、約2.0×SSCおよび約65℃で、1以上の配列番号:1−4および9に記載された核酸分子およびその相補体またはいずれかのフラグメントに特異的にハイブリダイズするであろう。特に好ましい具体例において、本発明の核酸は、高ストリンジェンシー条件下で、1以上の配列番号:1−4および9に記載された核酸分子、その相補体またはいずれかのフラグメントに特異的にハイブリダイズするであろう。本発明の1つの態様において、本発明の好ましいマーカー核酸分子は、配列番号:1もしくは配列番号:2に記載された核酸配列またはその相補体またはいずれかのフラグメントを含む。本発明のもう一つの態様において、本発明の好ましいマーカー核酸分子は、配列番号:1または配列番号:2に記載された核酸配列またはその相補体またはいずれかのフラグメントと80%と100%との間、90%と100%との間の配列同一性を共有する。配列番号:1、配列番号:2またはその相補体またはいずれかのフラグメントを含む分子マーカーDNA分子を植物育種方法におけるマーカーとして用いて、ここに出典明示してその全てを本明細書の一部とみなすCreganら (1997)における単純な配列反復DNAマーカー分析につき記載された方法と同様の遺伝子交配の子孫を同定し得る。標的DNA分子へのプローブのハイブリダイゼーションは、当業者に知られた多数の方法より検出でき、これらは、限定されるものではないが、蛍光性タグ、放射活性タグ、抗体ベースのタグおよび化学発光タグを含む。
【0037】
特定の増幅プライマー対を用いる(例えば、PCRによる)標的核酸配列の増幅に関して、「ストリンジェントな条件」は、プライマー対が、対応する野生型配列(またはその相補体)を有するプライマーが結合する標的核酸配列にだけハイブリダイズするのを可能とし、好ましくは、DNAの熱増幅反応において、ユニークな増幅産物、単位複製配列を生成する条件である。
【0038】
「(標的配列)に特異的な」なる用語は、プローブまたはプライマーが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、標的配列を含む試料中の標的配列にだけハイブリダイズすることを示す。
【0039】
本明細書に用いた「増幅されたDNA」または「単位複製配列」とは、核酸鋳型の一部である標的核酸配列の核酸増幅産物をいう。例えば、性的交配に起因するダイズ植物が遺伝子組換え事象MON89788を含むか、または圃場から採取したダイズ試料がMON89788を含むか、またはミール、粉末または油のごときダイズ抽出物がMON89788を含むかを決定するために。ダイズ植物組織試料または抽出物から抽出したDNAを、挿入された異種導入遺伝子DNAの挿入部位に隣接しているゲノムの領域から誘導したプライマー、ならびに事象DNAの存在に診断的である単位複製配列を生成するために挿入された異種導入遺伝子DNAから誘導した第2のプライマーを含むプライマー対を用いる核酸増幅方法に付してもよい。単位複製配列はある長さでのものであり、また、事象に診断的である配列を有する。単位複製配列は、長さが、プライマー対+1ヌクレオチド塩基対、または+約50ヌクレオチド塩基対、または+約250ヌクレオチド塩基対、または約350塩基対の組み合わせた長さの範囲内に有り得る。
【0040】
あるいは、プライマー対は、全挿入断片ヌクレオチド配列を含む単位複製配列を生成するように挿入されたDNAの両側でのフランキングゲノム配列から誘導できる。植物ゲノム配列から誘導したプライマー対のメンバーは、挿入された導入遺伝子DNA分子からある距離で配置でき、この距離は、1ヌクレオチド塩基対から約2万のヌクレオチド塩基対までの範囲で有り得る。「単位複製配列」なる用語の使用は、DNAの熱増幅反応において形成し得るプライマー二量体を特に除外する。
【0041】
核酸増幅は、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)を含めた、当該技術分野において知られた種々の核酸増幅反応方法のいずれによっても達成できる。種々の増幅方法が当該技術分野において知られ、特に、米国特許第4,683,195号および第4,683,202号、およびInnisら (1990)に記載されている。PCR増幅方法は、22kb以下のゲノムDNAおよび42kb以下のバクテリオファージDNAを増幅するために開発されている(Chengら, 1994)。これらの方法ならびにDNA増幅の当該技術分野において知れた他の方法は、本発明の実施に用いてもよい。ダイズ事象MON89788からの異種DNA挿入断片の配列またはフランキング配列は、本明細書に提供された配列から誘導されたプライマーを用いる事象ゲノムからのかかる分子の増幅に続いて、PCR単位複製配列または単離されたクローニングした導入遺伝子/ゲノムDNAに適用された標準的DNA配列決定方法により確認でき、必要ならば、補正できる。
【0042】
これらの方法により生成された単位複製配列は、複数の技術により検出し得る。隣接するフランキングゲノムDNA配列および挿入されたDNA導入遺伝子配列の双方を重ねるDNAオリゴヌクレオチドが設計される場合、かかる1つの方法は遺伝子ビット分析(Genetic Bit Analysis)(Nikiforovら, 1994)である。オリゴヌクレオチドはマイクロウェルプレートのウェル中に固定される。(挿入された配列における1つのプライマーおよび隣接したフランキングゲノム配列におけるものを用いる)注目する領域のPCRにより、単鎖のPCR産物は、その固定されたオリゴヌクレオチドにハイブリダイズでき、予測された次の塩基に特異的なDNAポリメラーゼおよび標識されたddNTPを用いて、一塩基伸長反応用の鋳型として機能できる。読み取りは、蛍光性またはELISAベースであり得る。シグナルは、成功した増幅、ハイブリダイゼーションおよび一塩基伸長により挿入断片/ゲノム配列の存在を示す。
【0043】
もう一つの方法は、Winge (2000)により記載されたピロシークエンシング(Pyrosequencing)技術である。この方法において、隣接したゲノムDNAおよび挿入断片DNA結合を重ねるオリゴヌクレオチドが設計される。オリゴヌクレオチドは、注目する領域(挿入された配列における1つのプライマーおよびフランキングゲノム配列におけるもの)からの単鎖のPCR産物にハイブリダイズされ、DNAポリメラーゼ、ATP、スルフリラーゼ、ルシフェラーゼ、アピラーゼ、アデノシン5'ホスホ硫酸およびルシフェリンの存在下でインキュベートされる。dNTPは個々に加えられ、組込みの結果、測定される光シグナルを生じる。光シグナルは、成功した増幅、ハイブリダイゼーションおよび単一または複数塩基伸長による導入遺伝子挿入断片/フランキング配列の存在を示す。
【0044】
Chenら (1999)により記載された蛍光偏光法は、本発明の単位複製配列を検出するために用いることができる方法である。この方法を用いて、ゲノムフランキングおよび挿入されたDNA結合を重ねるオリゴヌクレオチドが設計される。オリゴヌクレオチドは、注目する領域(挿入されたDNAにおける1つのプライマーおよびフランキングゲノムDNA配列におけるもの)からの単鎖のPCR産物にハイブリダイズされ、DNAポリメラーゼおよび蛍光標識したddNTPの存在下でインキュベートされる。一塩基伸長の結果、ddNTPが組み込まれる。組込みは、蛍光測定器を用いて、偏光における変化として測定できる。偏光における変化は、成功した増幅、ハイブリダイゼーションおよび一塩基伸長により導入遺伝子挿入断片/フランキングゲノム配列の存在を示す。
【0045】
Taqman (PE Applied Biosystems, Foster City, CA)が、DNA配列の存在を検出および定量する方法として記載され、それはその製造者により提供された使用説明書において十分に理解される。略言すると、ゲノムフランキングおよび挿入断片DNA結合を重ねるFRETオリゴヌクレオチド・プローブが設計される。FRETプローブおよびPCRプライマー(挿入断片DNA配列における1つのプライマーおよびフランキングゲノム配列におけるもの)は、耐熱性ポリメラーゼおよびdNTPの存在下でサイクルする。FRETプローブのハイブリダイゼーションの結果、FRETプローブ上のクエンチング部位から離れて蛍光性の部位が切断および遊離される。蛍光シグナルは、成功した増幅およびハイブリダイゼーションによりフランキングゲノム/導入遺伝子挿入断片配列の存在を示す。
【0046】
分子ビーコン(Molecular Beacons)は、Tyangiら (1996)に記載された配列検出における使用につき記載されている。略言すると、フランキングゲノムおよび挿入断片DNA結合を重ねるFRETオリゴヌクレオチド・プローブが設計される。FRETプローブのユニークな構造の結果、それは、蛍光性およびクエンチング部位を密接に近いままとする二次構造を含む。FRETプローブおよびPCRプライマー(挿入断片DNA配列における1つのプライマーおよびフランキングゲノム配列におけるもの)は、耐熱性ポリメラーゼおよびdNTPの存在下でサイクルする。成功したPCR増幅後、標的配列へのFRETプローブのハイブリダイゼーションの結果、蛍光性およびクエンチング部位のプローブ二次構造および空間的分離を除去する。蛍光シグナルが生じる。蛍光シグナルは、成功した増幅およびハイブリダイゼーションによりフランキングゲノム/導入遺伝子挿入断片配列の存在を示す。
【0047】
マイクロフリディクス(microfluidics)(米国特許公開第2006068398号、米国特許第6,544,734号)のごとき記載された他の方法は、DNA試料を分離および増幅する方法およびデバイスを提供する。光学色素を用いて、特異的なDNA分子を検出および定量した(WO/05017181)。特異的なDNA分子を結合し、次いで、検出できるDNA分子またはナノビーズの検出のための電子センサーを含むナノチューブ・デバイス(WO/06024023)は、本発明のDNA分子を検出するのに有用である。
【0048】
DNA検出キットは、本願明細書に開示された組成物、およびDNA検出の技術における記載または知られた方法を用いて開発できる。このキットは、試料中のダイズ事象DNAの同定に有用であり、DNAを含むダイズ植物を生育させる方法に適用できる。このキットは、配列番号:1−4および9に相同的または相補的であるDNAプライマーもしくはプローブ、またはDNAの導入遺伝子の遺伝子エレメントに含まれたDNAに相同的または相補的であるDNAプライマーもしくはプローブを含むこともでき、これらのDNA配列は、DNA増幅反応において、またはDNAハイブリダイゼーション方法におけるプローブとして用いることができる。ダイズゲノム中に含まれ、図1に示した導入遺伝子の遺伝子エレメントのDNAの構造は、導入遺伝子挿入断片に隣接するダイズA3244ゲノムの5’ゲノム領域、アグロバクテリウムチュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)からの右境界領域(RB)の一部分を含む挿入断片、キメラプロモーターFMV/Tsf1および関連する連結エレメント(米国特許第6,660,911号;FMV/E1F1αともいう)、それはアラビドプシス(Arabidopsis)EPSPS葉緑体輸送ペプチドコード配列(本願明細書において、CTP2またはTS−AtEPSPS CTP2といい、米国特許第5,633,435号、グリホサート耐性EPSPS(本願明細書において、CP4 EPSPSまたはaroA:CP4という)に作動可能に連結され、アグロバクテリウムチュメファシエンス株CP4およびコード配列から単離される、および植物細胞における増強された発現のために修飾されたコード配列、米国特許第5,633,435号)に作動可能に連結され、それは、エンドウ・リブロース1,5−ビスリン酸カルボキシラーゼからの3’終了領域に作動可能に連結され(本明細書において、E9 3'またはT−Ps.RbcS:E9といい、Coruzziら, (1984)、アグロバクテリウムチュメファシエンス株からの左境界(LB)領域の一部分、およびその導入遺伝子に隣接するダイズA3244ゲノムの3’ゲノムの領域を含む。DNA増幅方法におけるプライマーとして有用なDNA分子は、ダイズ事象MON89788に含まれた導入遺伝子挿入断片の遺伝子エレメントの配列から誘導できる。これらのプライマー分子は、導入遺伝子挿入断片に隣接するダイズのゲノムから誘導したDNAプライマー分子も含むプライマーセットの一部として用いることができる。ダイズ事象MON89788は、アグロバクテリウム(Agrobacterium)媒介方法、例えば、米国特許第6,384,301号および第7,002,058号(ここに出典明示して本明細書の一部とみなす)に記載された方法によるダイズ系A3244の形質転換(米国特許第5,659,114号)により生成された。
【0049】
本発明の発明者は、そのゲノム中のMON89788のT型ゲノム領域(T型は、導入遺伝子および植物ゲノムの関連するハプロタイプ領域の組合せである)を含むダイズ系が、従前の40−3−2 T型ゲノム領域を含む系に対し改善された収率を有することを見出した。これは、米国における複数の位置から採取された収率データを含めた複製された圃場試験において実証された(米国特許出願第60/685584号)。
【0050】
以下の実施例は、本発明のある種の好ましい具体例の例を実証するために含まれる。以下の実施例に開示された技術が、発明者が本発明の実施において良好に機能することを見出したアプローチを表し、かくして、その実施のための好ましい様式の例を構成すると考えることができることは当業者により考えられるであろう。しかしながら、当業者は、本開示に徴して、多数の変更が、開示された特定の具体例においてなすことができ、依然として、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、同様または類似する結果を与えることを認識するであろう。
【実施例】
【0051】
実施例1
MON89788ゲノムDNAに診断的な単位複製配列の生成
遺伝子組換えダイズ事象MON89788からのDNAを、ダイズ種子、栄養組織またはミールを含む組織から抽出する。DNAを、製造者の使用説明書(Qiagen Corp. Valencia, CA)に従いQiagen's DNeasy Plant Miniprep Kitを用いて組織から単離する。
【0052】
MON89788を含む植物のゲノムにおけるT−DNA(導入遺伝子を含む転移DNA)の5’末端に隣接するゲノムDNAの一部分を含むPCR産物を生成する。このDNA産物は、配列番号:3を含む。そのPCRは、導入遺伝子プロモーター中に配置された第2のプライマー(DNAプライマーB、配列番号:6)と対になった導入遺伝子挿入断片の5’末端(DNAプライマーA、配列番号:5、図1参照)に隣接するゲノムDNA配列にハイブリダイズするように設計された1つのプライマーを用いて行うこともできる(米国特許第6,660,911号、配列番号:28、ここに出典明示して本明細書の一部とみなし、配列番号:9に見出される)。
【0053】
MON89788を含む植物のゲノムにおけるT−DNAの3’末端に隣接するゲノムDNAの一部分を含む導入遺伝子挿入断片の3’末端からPCR産物を生成する。このDNA産物は、配列番号:4を含む。各事象の挿入断片の3’末端に隣接するゲノムDNAにハイブリダイズするように設計され、その挿入断片の3’末端にてT−Ps.RbcS:E9 3'転写終了配列に配置された第2のプライマー(DNAプライマーC、配列番号:7)と対をなす1つのプライマー(DNAプライマーD、配列番号:8)を用いてPCRを行うこともできる。
【0054】
PCR鋳型は、約50ngのゲノムDNAを含む。ネガティブ対照としての非遺伝子組換えダイズ栽培品種からの約50ngのゲノムDNAを利用する。各PCR反応液は、5μlのREDAccuTaTM LA DNA Polymerase Mix用10×緩衝液(Sigma-Aldrich, St Louis, MO)、200μMの各dNTP(Sigma-Aldrich)、0.4μMの各プライマー、および2.5単位のJumpStartTM REDTaqTM DNA Polymerase (Sigma-Aldrich)を50μlの合計容積反応液中に含有する。PCR反応を、以下のサイクル条件下:94℃、3分間の1サイクル;94℃で30秒間、58℃で30秒間、72℃で30秒間または1分間の32または35サイクル;72℃で10分間の1サイクルで行う。
【0055】
DNA事象プライマー対を用いて、MON89788ゲノムDNAに診断的な単位複製配列を生成する。これらの事象プライマー対は、限定されるものではないが、その記載されたDNA増幅方法に用いられるプライマーAおよびB(配列番号:5および6)および事象プライマー対CおよびD(配列番号:7および8)を含む。これらのプライマー対に加えて、DNA増幅反応に用いた場合に、ダイズMON89788事象誘導の組織に診断的な配列番号:1もしくは配列番号:2を含む単位複製配列を生成する各々、配列番号:3もしくは配列番号:4、またはその相補体から誘導されたいずれのプライマー対も利用し得る。表1および表2に示したDNA増幅条件を用い、適当な事象プライマー対を用いて、MON89788に診断的な単位複製配列を生成できる。MON89788に診断的な単位複製配列を生成するのに用いたこれらの方法のいずれの修飾も、当該技術分野における技量内にある。MON89788を含むダイズ植物または種子のDNAを推定上含む抽出物、あるいはDNA増幅方法において試験する場合に、ダイズ事象MON89788に診断的な単位複製配列を生成するMON89788を含む植物から誘導された生産物を増幅用の鋳型として利用して、MON89788が存在するかを決定し得る。
【0056】
単位複製配列は、PCR方法に用いた場合に、事象MON89788に診断的な単位複製配列を生成する配列番号:3または配列番号:4から誘導した少なくとも1つのプライマー配列の使用により生成される。例えば、MON89788単位複製配列の生成は、表2に示したStratagene Robocycler, MJ Engine, Perkin-Elmer 9700またはEppendorf Mastercycler Gradient サーモサイクラーを用いて、または当業者に知られた方法および装置により行うことができる。
【0057】

【0058】
緩やかに混合し、もし必要ならば(サーモサイクラー上のホットトップなし)、各反応の上部に1−2滴の鉱油を滴下する。Stratagene Robocycler (Stratagene, La Jolla, CA), MJ Engine (MJR-Biorad, Hercules, CA), Perkin-Elmer 9700 (Perkin Elmer, Boston, MA)またはEppendorf Mastercycler Gradient (Eppendorf, Hamburg, Germany) サーモサイクラー中で以下のサイクリングパラメーター(表2)を用いてそのPCRを進める。MJ EngineまたはEppendorf Mastercycler Gradientサーモサイクラーを計算モードで試行する。最大に設定されたランプ速度でPerkin-Elmer 9700 サーモサイクラーを試行する。
【0059】

【0060】
実施例2
導入遺伝子/ゲノム領域の配列決定およびサザン解析
PCR産物のDNA配列決定は、プライマーとしてさらなるDNA分子を設計するために用いることができ、MON89788を含むダイズ植物または種子の同定を探索するDNAを提供する。5’および3’導入遺伝子/ゲノム配列を表す予測されたサイズのPCR産物を、電気泳動による2.0%のアガロースゲル上のPCR産物の分離により単離した。ダイズゲノム中への導入遺伝子挿入間の挿入断片結合にわたる5’および3’DNA領域を含むPCR産物を単離する。MON89788についての5’および3’PCR産物を、アガロースゲル電気泳動に続いて、QIAquick Gel Extraction Kit (カタログ番号 28704, Qiagen Inc., Valencia, CA)を用いるアガロース・マトリックスから単離することにより精製する。次いで、精製されたPCR産物を配列決定し(例えば、BI PrismTM 377, PE Biosystems, Foster City, CA)、解析する(例えば、DNASTAR配列解析ソフトウェア, DNASTAR Inc., Madison, WI)。
【0061】
DNA配列を、図1に示した事象MON89788の導入遺伝子/ゲノム領域を表すヌクレオチド塩基対セグメントにつき決定し、配列番号:9と同定した。配列番号:9に含まれたゲノムおよび導入遺伝子エレメントを表3に記載する。5’および3’フランキング領域は配列番号:9に含まれ、それらを配列番号:21および22に与える。
【0062】
結合配列は、新規なDNA配列であり、ポリ核酸検出アッセイにおいて検出された場合にMON89788 DNAに診断的である比較的短いポリヌクレオチド分子である。配列番号:1および配列番号:2における結合配列は、MON89788における導入遺伝子フラグメントおよびダイズゲノムDNAの挿入部位の各側に10のポリヌクレオチドを表す。より長いまたはより短いポリヌクレオチド結合配列は、配列番号:3または配列番号:4から選択できる。結合分子(5'結合領域 配列番号:1、および3'結合領域 配列番号:2)は、DNA検出方法におけるDNAプローブまたはDNAプライマー分子として有用である。
【0063】
事象に特異的なDNA分子の検出のためのTaqman方法(Roche Molecular Systems, Inc., Pleasanton, CA)に用いたプライマーおよびプローブを事象MON89788のために開発した。プライマー分子は、SQ2824(配列番号:10)、SQ2826(配列番号:11)、SQ1141(配列番号:12)、SQ1142(配列番号:13)、SQ5543(配列番号:14)といい、プローブ分子を、PB871−6FAM(配列番号:15)、PB2191−VIC(配列番号:16)およびPB57−VIC(配列番号:17)という。プライマーおよびプローブを製造者の使用説明書に従いTaqman方法に用いて、MON89788を含むDNAに診断的な単位複製配列を供する。加工製品(例えば、ミール)を含むダイズ組織は、この方法につきDNAの有用な源である。ダイズミールから単位複製配列を生成するために用いたさらなるプライマーは配列番号:18〜20を含む。
【0064】

【0065】
サザンブロット解析
MON89788および対照ダイズゲノムDNA(各々の約15μg)を含む植物からのゲノムDNAを、15μlの対応する製造者の緩衝液(NEB, Beverly, MA)を含む150μlの全容積において、種々の制限エンドヌクレアーゼ(140U)で消化する。制限エンドヌクレアーゼ、例えば、Bgl11、BamH1、Nco1、Hind111、Bcl1をMON89788のサザン解析に用いる。エンドヌクレアーゼ消化を適当な温度で少なくとも6時間行う。インキュベーション後、DNAを3M酢酸ナトリウムおよび2.5容のエタノールで沈殿させる。引き続いて、DNAを70%エタノールで洗浄し、乾燥させ、40μlのTBEに再懸濁させる。ローディングバッファー(0.2X)を試料に添加し、次いで、30ボルトにて16〜18時間アガロースゲル(0.8%)上の電気泳動に付す。ゲルを臭化エチジウムで染色し、次いで、脱プリン溶液(0.125N HCL)で10分間、変性溶液(0.5M水酸化ナトリウム、1.5M塩化ナトリウム)で30分間、および最後に中和溶液(0.5M Trizma塩基、1.5M塩化ナトリウム)で30分間処理する。DNAを、4〜6時間、Turboblotter (Schleicher and Schuell, Dassel, Germany)を用いて、Hybond-N膜に移し、次いで、UV光を用いて膜に固定した。
【0066】
薄膜は、45℃で2〜4時間、20mlのDIG Easy Hyb溶液(Roche Molecular Biochemicals, Indianapolis, IN; カタログ番号1603558)で予めハイブリダイズする。配列番号:1、もしくは配列番号:2、もしくは配列番号:3、もしくは配列番号:4に相同的または相補的である放射活性DNAプローブ(32P dCTP)、あるいはその一部分を、Radprime DNA Labelingキット(Invitrogen, Carlsbad, CA; カタログ番号18428-011)を用いて作成する。非取り込み型のヌクレオチドをSEPHADEX G-50カラム(Invitrogen)を用いて除去する。プレハイブリダイゼーション溶液を1ml当たり100万カウントの最終濃度まで変性したプローブを含む予め暖めた10mlのDIG Easy Hyb溶液と交換する。ブロットを16〜18時間45℃でハイブリダイズする。
【0067】
ブロットを45℃にて低ストリンジェンシー溶液(0.1X SDS、5X SDS)で、次いで繰り返し、65℃にて高ストリンジェンシー溶液(0.1X SDS、0.1%SDS)で洗浄する。ブロットを、蛍光スクリーン(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ)に>2時間曝露し、その曝露をData Storm 860 machine (Amersham Biosciences)を用いて読み取る。例示されたこれらの方法および条件は、試料中のDNAを検出する当業者により飾され得る。
【0068】
実施例3
雑草防除
MON89788を含むダイズの圃場における雑草の成長の防除。圃場にMON89788を含むダイズ種子を植え、種子は、植物に発芽することを可能とし、植物の圃場をグリホサートを含む除草剤処方で処理する。約0.25ポンドae/A(グリホサート酸当量のポンド/エーカー)から3ポンドのae/A以上の処置率にて有効量のグリホサート処方を圃場に適用する。割合は、圃場における除草の成長を防除するのに必要なしばしば約0.75ポンドae/Aから1.5ポンドae/Aの範囲にて栽培期に1以上の処置の頻度にて適用した。MON89788を含む植物からの種子を処理した植物から収穫する。
【0069】
前記に開示され、特許請求の範囲に引用された事象MON89788を表すダイズ種子のMonsanto Technology LLCの寄託を米国培養菌保存施設 (ATCC), 10801 University Boulevard, Manassas, Va 20110でブダペスト条約下行った。事象MON89788(MON19788またはGM_A19788としても知られる)を含む寄託についてのATCC受入番号は、2005年5月11日に寄託されたPTA−6708である。その寄託は、30年の期間の寄託、最後の請求後5年、または特許の有効期間、それより長期間維持され、その期間中に必要ならば置き換えるであろう。
【0070】
本発明の原理を示しかつ記載して、かかる原理から逸脱せずに、配置および詳細において本発明を修飾できることは当業者には明らかであろう。発明者らは、添付した特許請求の範囲の精神および範囲内にある修飾のすべてを特許請求する。
【0071】
個々の刊行物または特許出願が参照により組込まれるように特にかつ個々に示されるように、この明細書において引用された刊行物および公開された特許文献のすべてを、同じ程度まで参照により本願明細書に組込む。
【0072】
参考文献
以下の引用文献は、それらが本願明細書に記載されたものに補充された例示的な手続または他の詳細を提供する範囲まで、ここに出典明示して特に本明細書の一部とみなす。
米国特許第4,535,060号
米国特許第4,683,195号
米国特許第4,683,202号
米国特許第5,094,945号
米国特許第5,463,175号
米国特許第5,554,798号
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米国特許第6,544,734号
米国特許第6,660,911号
【0073】
米国特許第6,660,911号
米国特許第6,689,880号
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米国特許第6,740,488号
米国特許第6,818,807号
米国特許第6,825,400号
米国特許第6,893,826号
米国特許第6,900,014号
米国特許第7,002,058号
米国出願60/685584
米国公開20040018518
米国公開2006068398
【0074】
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【0075】
PCT出願WO 9200377
PCT出願WO/05017181
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【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は、事象MON89788を含むダイズ植物のゲノムにおける導入遺伝子挿入断片の組織化を示す。
【図2A】図2Aは、ダイズからの商品生産物の加工を示す。
【図2B】図2Bは、ダイズからの商品生産物の加工を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号:1または配列番号:2で表される配列を含む核酸配列。
【請求項2】
事象MON89788を含む代表的なダイズ種子がATCC受入番号PTA−6708下で寄託された事象MON89788を含むダイズ植物またはその器官。
【請求項3】
種子が事象MON89788を含む請求項2記載の植物の種子。
【請求項4】
請求項3記載の種子から生成されたダイズ商品生産物。
【請求項5】
ミール、粉末、フレークまたは油とさらに定義された請求項5記載のダイズ商品生産物。
【請求項6】
細胞、花粉、胚珠、花、苗条、根または葉と定義された請求項2記載のダイズ植物器官。
【請求項7】
該事象MON89788を含むダイズ植物のいずれかの世代の子孫植物とさらに定義された請求項2記載のダイズ植物。
【請求項8】
該植物のゲノムが、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:21および配列番号:22よりなる群から選択される少なくとも1つのDNA分子を含む請求項2記載のダイズ植物。
【請求項9】
該植物のゲノムが、DNA増幅方法において試験された場合、事象MON89788につき診断的な単位複製配列を生成し、該単位複製配列が配列番号:1または配列番号:2を含む請求項2記載のダイズ植物。
【請求項10】
種子のDNAが、DNA増幅方法において試験された場合、事象MON89788につき診断的な単位複製配列を生成し、該単位複製配列が配列番号:1または配列番号:2を含む請求項3記載の種子。
【請求項11】
DNA増幅方法において試験された場合、事象MON89788につき診断的な単位複製配列を生成する核酸を含み、該単位複製配列が配列番号:1または配列番号:2を含む請求項5記載のミール、粉末、フレークまたは油。
【請求項12】
事象MON89788につき診断的な単位複製配列を生成するDNA増幅方法に有用である配列番号:3の少なくとも11の近接するヌクレオチドまたはその相補体を含むDNAポリヌクレオチドプライマー分子。
【請求項13】
事象MON89788のための単位複製配列診断薬を生成するDNA増幅方法に有用である配列番号:4の少なくとも11の近接するヌクレオチドまたはその相補体を含む単離されたDNAポリヌクレオチドプライマー分子。
【請求項14】
配列番号:3または配列番号:4に相同的または相補的な11以上の近接するヌクレオチドを含む核酸を少なくとも含む事象MON89788に特異的なDNA検出キット。
【請求項15】
該植物事象MON89788のゲノムに導入することを特徴とするグリホサート除草剤に耐性なダイズ植物を生成する方法。
【請求項16】
(a)事象MON89788を含む第1のダイズ植物を事象MON89788を欠く第2のダイズ植物と交配させて、子孫植物を生成し;次いで
(b)該事象MON89788を含み、グリホサートに耐性である少なくとも1つの第1の子孫植物を選択する工程を含むことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
該第1の子孫植物を自配して第2世代の子孫を生成し、次いで、該事象MON89788に同型接合の少なくとも1つの第1の植物を選択することをさらに含む請求項16記載の方法。
【請求項18】
試料中のダイズ事象MON89788に対応するDNAの存在を検出する方法であって、
(a)ダイズ事象MON89788からのゲノムDNAを核酸増幅反応において用いた場合、ダイズ事象MON89788につき診断的な単位複製配列を生成するプライマーセットと、ダイズDNAを含む試料とを接触させ;次いで
(b)核酸増幅反応を行い、それにより、診断的な単位複製配列を生成し;次いで
(c)診断的な単位複製配列を検出することを含むことを特徴とする該方法。
【請求項19】
試料中の事象MON89788に対応する核酸の存在を検出する方法であって、
(a)ダイズDNAの試料を得;次いで
(b)事象MON89788からのDNA配列の存在につき試料をアッセイすることを含むことを特徴とする該方法。
【請求項20】
DNA試料のアッセイが、配列番号:1、配列番号:2またはそれらの相補体の少なくとも1つの核酸配列の存在を検出することを含むことを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項21】
配列番号:1または配列番号:2を含む核酸分子に遺伝子的に連結されるグリホサート耐性形質を含むダイズ植物。
【請求項22】
(a)請求項2記載のダイズ植物またはその器官を得;次いで
(b)そのダイズ植物またはその器官からダイズ商品生産物を生成すること含むダイズ商品生産物の生成方法。
【請求項23】
商品生産物が、ミール、粉末、フレーク、蛋白質単離物または油として定義される請求項22記載の方法。
【請求項24】
事象MON89788を含むダイズ植物を含む圃場における雑草の成長を防除する方法であって、雑草の成長を防除するのに有効なグリホサート量で圃場を処理することを含み、ダイズ植物がグリホサートに対する耐性を示すことを特徴とする該方法。
【請求項25】
圃場の処理が、V1からR4成長期まで実行されることを特徴とする請求項24記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【公表番号】特表2008−545413(P2008−545413A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513729(P2008−513729)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/020323
【国際公開番号】WO2006/130436
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(501231613)モンサント テクノロジー エルエルシー (71)
【Fターム(参考)】