説明

ダクト入りシートクッション

【課題】 シート表面の円滑な温度調整を可能にしながら、乗り心地や座り心地を満足させるダクト入りシートクッションを提供する。
【解決手段】 車両用座席シートの座部を構成するシートクッション(S)であって、乗員当接側の表面(1a)に窪み(20)を複数設けたシートパッド(1)と、該シートパッドに係るメイン部(2)の裏面(2b)沿いに分配ダクト主部(6)を縦横に走るように設け、さらに該分配ダクト主部(6)の裏面側にエア導入口(62)を形成する一方、該分配ダクト主部(6)の表面側にエア吐出口(64)を複数開設した配風用ダクト(5)と、を具備し、且つ前記シートパッド(1)が該配風用ダクト(5)をインサートして一体発泡成形され、前記エア吐出口(64)を前記窪み(20)にそれぞれ整合させ、ダクト内流路(60)が窪み(20)内と導通すると共に、シートパッド(1)の裏面(1b)側に前記エア導入口(62)が覗く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用座席シートの座部を構成するシートクッションで、ダクトをインサート成形で一体化したダクト入りシートクッションに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両に搭載される座席シートの座部を構成するシートクッションは乗員が座って直かに接する部分であり、暑い季節になると乗員はその箇所が汗ばむ一方、冬の季節を向かえると冷たく感じることがある。こうしたことから、シートパッド内部に配風通路を設けて温度調整された空気を送ることのできる座席シートが提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−95343公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかるに、特許文献1の発明は、その請求項1に記載のごとく「…前記シート表面に沿って延びる配風通路を持つ成形体を備え」るクッションパッドであって、配風通路を通じてシート表面に向けて送風し、シートの温度調整を速やかに行える一方、乗員が座った時に、シート表面に沿って延びる配風通路が、クッションパッドの有するクッション性と異なり、座り心地に違和感を覚える惧れがある。加えて、請求項3に記載のごとく「前記成形体が、シート表面に略平行に配された面状部材であって、管状に成形された前記配風通路を備えるクッションパッド」であると、着座時の加圧で弾性変形するウレタンパッドの撓みが面状部材で遮断されることになり、乗り心地や座り心地をさらに低下させる傾向にある。
また、特許文献1のクッションパッドの製造は、面状部材を下型に設置して、ウレタン材料等の発泡樹脂材料を注入することになるが、注入できる場所が限られてしまうため、出来上がるクッションパッドは面状部材と下型キャビティとの間の成形部分の品質が悪くなる虞もある。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するもので、座席シート表面の円滑な温度調整を可能にしながら、乗り心地や座り心地を満足させるダクト入りシートクッションを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、車両用座席シートの座部を構成するシートクッション(S)であって、乗員当接側の表面(1a)に窪み(20)を複数設けたシートパッド(1)と、該シートパッドに係るメイン部(2)の裏面(2b)沿いに分配ダクト主部(6)を縦横に走るように設け、さらに該分配ダクト主部(6)の裏面側にエア導入口(62)を形成する一方、該分配ダクト主部(6)の表面側にエア吐出口(64)を複数開設した配風用ダクト(5)と、を具備し、且つ前記シートパッド(1)が該配風用ダクト(5)をインサートして一体発泡成形され、前記エア吐出口(64)を前記窪み(20)にそれぞれ整合させ、ダクト内流路(60)が窪み(20)内と導通すると共に、シートパッド(1)の裏面(1b)側に前記エア導入口(62)が覗くことを特徴とするダクト入りシートクッションにある。
【0007】
請求項2のダクト入りシートクッションは、請求項1で、前記分配ダクト主部(6)の表面側にノズル部(65)を複数立設し、各ノズル部(65)の先端口(65a)を前記エア吐出口(64)とすることを特徴とする。請求項3のダクト入りシートクッションは、請求項1又は2で、配風用ダクト(5)が、その経路途中に蛇腹部分(8)を介在させて形成されることを特徴とする。請求項4のダクト入りシートクッションは、請求項1〜3で、不織布(91)をさらに具備し、前記シートパッド(1)が該不織布(91)をインサートして一体発泡成形され、該不織布(91)が前記配風用ダクト(5)をカバーして、該シートパッド(1)の裏面(1b)に被着一体化されることを特徴とする。請求項5のダクト入りシートクッションは、請求項1〜4で、配風用ダクト(5)が分配ダクト主部(6)から分配ダクト副部(7)を延設し、該分配ダクト副部(7)の縦ダクト部(7a)が、前記メイン部(2)の両側に設けられるサイド部(3)に配設され、且つ車両前後方向に走る該縦ダクト部(7a)の断面積を、分配ダクト主部(6)に係る車両前後方向に走る縦筒部(6a)の断面積よりも大きくすると共に、前記サイド部(3)の表面(3a)から前記縦ダクト部(7a)に至るシートパッド厚(t2)を、前記メイン部(2)の表面(2a)から前記分配ダクト主部(6)に至るシートパッド厚(t1)よりも小さくしたことを特徴とする。
【0008】
請求項6のダクト入りシートクッションは、請求項1〜5で、分配ダクト主部(6)の断面形状が、上下方向高さ(y)に対して水平方向幅(x)が広い扁平形状にして、且つ上下方向に延びる側壁部分(6a2)が弧状に形成されることを特徴とする。請求項7のダクト入りシートクッションは、請求項1〜6で、シートパッド(1)の表面(1a)に設けられる前記窪み(20)の上面開口(20c)を、該窪み(20)に整合させて導通する前記エア吐出口(64)よりも大きくすることを特徴とする。請求項8のダクト入りシートクッションは、請求項1〜7で、分配ダクト主部(6)に舌片状クリップ止部(68)が突出形成され、そのクリップ止部(68)が前記シートパッド(1)の表面(1a)側に設けた表皮張り込み用吊溝(41)に配されることを特徴とする。請求項9のダクト入りシートクッションは、請求項1〜8で、分配ダクト主部(6)に係る車両前後方向に走る縦筒部(6a)が、メイン部(1b)の両側角部に沿わせて配設され、且つその断面形状に、前記メイン部(2)に着座する乗員臀部(Bu)へ向くよう配設した斜辺部分(hy)を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のダクト入りシートクッションは、窪みが設けられた各所から空調エアを座席シートに着座する乗員に送って円滑な温度調整を可能にしながら、シートパッドに必要厚みを確保し、さらに乗員着座時のダクトの追従性が良好にして、乗り心地や座り心地を十分に満足させることができる優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態1のダクト入りシートクッションで、表皮を取り除いた状態のダクト入りシートパッドの斜視図である。
【図2】図1のシートパッドの窪みにノズル部の先端口が対応配設される配風用ダクトの斜視図である。
【図3】図2の配風用ダクトの詳細斜視図である。
【図4】図2のIV-IV線線矢視図である。
【図5】図1のV-V線矢視図である。
【図6】図5の部分拡大図にして、図5のノズル部に別態様のノズル部を採用した断面図である。
【図7】図1のダクト入りシートクッションを裏面側から見た概略斜視図である。
【図8】図1の部分拡大図である。
【図9】図1〜図8のダクト入りシートクッションとは異なる実施形態2の別形態品で、図1のIX-IX線矢視図に対応する断面図である。
【図10】実施形態3に係る別形態のダクト入りシートクッションで、表皮図示を省略したダクト入りシートパッドの断面図である。
【図11】実施形態4に係る別形態のダクト入りシートクッションで、図5に対応する断面図である。
【図12】図11の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るダクト入りシートクッションについて詳述する。
(1)実施形態1
図1〜図8は本発明のダクト入りシートクッションの一形態で、図1は本発明のダクト入りシートクッションの斜視図、図2,図3は配風用ダクトの斜視図、図4は図2のIV-IV線矢視図、図5は図1のV-V線矢視図、図6は他態様のノズル部周りの断面図、図7は裏面側からのダクト入りシートクッションの斜視図、図8は図1の部分拡大図を示す。図面を判り易くするため、図1,図8は表皮の図示を省略する。
【0012】
ダクト入りシートクッションSは、シートパッド1と配風用ダクト5(以下、単に「ダクト」という。)と不織布91と表皮99とを具備する(図4)。このダクト入りシートクッションSと、公知のバックレスト(図示せず)と、公知のヘッドレスト(図示せず)とで車両用座席シートを形成する。ダクト入りシートクッションSが着座する乗員Mの下半身を受け支え(図5,図9)、その後部にバックレストを傾動可能に取付けて乗員Mの上半身を保持し、さらにバックレスト上端部にヘッドレストを取付けて乗員頭部を護る。
【0013】
前記シートパッド1は、ポリウレタン材料等の発泡樹脂材料を用いて、シートクッションSの形状に発泡成形された発泡体である。クッション性に富むシートパッド1は、図1、図5、後述する実施形態2に係る図9のごとく、乗員Mの臀部Bu及び大腿部THを支持するメイン部2と、該メイン部2の両側で臀部Bu及び大腿部THの側部を支持するサイド部3とに大別される。乗員Mが車両走行で横方向の加速度を受けても姿勢を良好に保てるように、サイド部3はメイン部2に対し隆起形成する。ここで、図1の紙面左右方向が車両進行方向又は車両前後方向で、本発明では縦方向ともいう。図1の紙面右方向が車両前進方向になる。図1の紙面上下方向が車幅方向で、本発明では横方向ともいう。図1の紙面垂直方向が本発明の上下方向で、紙面垂直上方向が上方向(表面側)になる。
【0014】
シートパッド1の表面1aには、後工程で張り込む表皮99を引張固定するための吊溝41が形成される(図1,図8)。ここでの吊溝41は、メイン部2とサイド部3の境界部分で車両前後方向に走る縦溝41aが一対形成され、両縦溝41aをつなぐ横溝41bが車幅方向に形成される。所定間隔をあけて略平行に配する横溝41bが二つ設けられる。符号42はホグリング用ワイヤ等からなるホグリング部を示す。
乗員当接側となる該シートパッド1の表面1aには、最終的に空調エアの吹出口用窪み20が、必要箇所に複数点在して設けられる。本実施形態はメイン部2に窪み20を11箇所設け、さらにサイド部3にも窪み30をそれぞれ1箇所設ける。そして、各窪み20(30)にノズル部65(75)の各先端口65a(75a)を整合させたダクト5が配設される。
【0015】
ダクト5は、シートパッド1に係るメイン部2の裏面2b沿いに分配ダクト主部6が縦横に走るように設けられ、且つ該分配ダクト主部6の表面側に、短管からなるノズル部65が複数立設する管状部材である(図2,図4)。
【0016】
本実施形態のダクト5は、一対の前記縦溝41aの間隔よりも若干狭い間隔で車両前後方向(縦方向)に走る一対の縦筒部6aと、両縦筒部6aの略中央で車幅方向(横方向)に走って両縦筒部6aを連結する横筒部6bとで、図2,図3のごとく平面視略H字状した配風流路60の分配ダクト主部6を有する。さらに、縦筒部6aの車両前後方向の略中間地点で、該縦筒部6aの両外側面から両外方へ、翼を広げるようにやや上昇傾斜しながら延びる枝管たる分配ダクト副部7を有する。該分配ダクト副部7の先端部のノズル部75に係る先端口75aがサイド部3の表面3a側に向けて設置される。分配ダクト主部6がメイン部2の裏面2b沿いに配され、且つ各ノズル部65(75)がその先端口65a(75a)を前記窪み20(30)にそれぞれ整合させ、ダクト内流路60(70)が窪み20(30)内と導通するよう配されて、シートパッド1が該ダクト5と一体発泡成形される。図4,図8のごとく、各ノズル部65(75)の先端65b(75b)が各窪み20(30)の底面20a(30a)を貫通して、エア吐出口64としてのノズル先端口65a(75a)が窪み20(30)内に覗く。図4のように、分配ダクト主部6がメイン部2の裏面2b沿いに配されて、シートパッド1が一体成形されるため、ダクト5が存在しても、分配ダクト主部6の上方で、乗員Mが座るメイン部2には十分なパッド厚みが確保される。
【0017】
一方、分配ダクト主部6の裏面側(下面側)に、エア導入筒部61が立設し、エア導入口62たる筒口を形成する。横筒部6bの中央裏面に立設するエア導入筒部61は、図7のごとくシートクッションSの裏面ほぼ中央から突出する。シートパッド1の裏面1b側に、該エア導入筒部61の先端口たるエア導入口62が覗き、該エア導入口62が図示しない接続管を介して送風ユニットに連結する。送風ユニットからは接続管を経由してエア導入口62に空調エアが供給される。該空調エアが、図4のごとく配風流路60(70)を形成するダクト5内を通って各ノズル部65(75)の先端口65a(75a)を経て、窪みの上面開口20c(30c)から吹き出す構成とする。
【0018】
さらに、本ダクト5は、その経路途中に蛇腹部分8を介在させて、該蛇腹部分8がブロー成形によりダクト本体と一体化される管状樹脂成形品になっている。ポリプロピレン樹脂等からなるブロー成形品である。ここでは、図2〜図4のごとく、ダクト5に係る分配ダクト主部6の経路の途中に、具体的には乗員Mが座って体重が一番かかる臀部Bu近くの部位に、蛇腹部分8が設けられる。分配ダクト主部6の縦筒部6aが車両前後方向に設置され、蛇腹部分8はその山81の稜線81aが縦筒部6aの長手方向に対し直交する。乗員着座時の車両前後方向におけるダクト5の撓み変形を該蛇腹部分8で変形対応し易くする。図中、符号82は蛇腹部分8の谷を示す。
また、分配ダクト副部7の経路途中に、具体的には、図2のごとくメイン部2とサイド部3の境界部分に設けた縦溝41a付近に蛇腹部分8が設けられる。蛇腹部分8の山81の稜線81aは縦溝41aの溝方向とほぼ平行に配される。乗員着座時にメイン部2に対しサイド部3が縦溝41aの溝ラインを支点に図9の矢印のように曲がるが、蛇腹部分8の稜線81aは縦溝41aの溝方向とほぼ平行であるので、この曲げ変形に対する分配ダクト副部7の追従性を該蛇腹部分8が高める。
【0019】
また、ダクト5は、分配ダクト主部6の断面形状が図5,図6のごとく上下方向高さyに対して水平方向幅xが広い扁平形状とし、且つ上下方向に延びる側壁部分6aは起立壁部分をなくし、断面視で弧状に形成される。ダクト5の撓み変形を蛇腹部分8で変形対応するだけでなく、斯かるダクト断面形状にして、シートクッションSへの乗員Mの着座で、応力が加わった際、ダクト自身(分配ダクト主部6)も追随し易くする。図5,図6のように、断面形状が上下方向高さyが低い扁平化したダクト5に成形することで、分配ダクト主部6の上面からシートパッド表面1aまでのパッド厚みをかせぐことにもなっている。分配ダクト副部7も、縦筒部6aから車幅外方向に延びる部分は、分配ダクト主部6と同様、その断面形状を図3のごとく上下方向高さに対して水平方向幅が広い扁平形状にして、且つ上下方向に延びる側壁部分が弧状に形成される。乗員着座時にサイド部3がメイン部2に対し縦溝41aの溝ラインを支点に図9の矢印のように曲がるが、蛇腹部分8に頼るだけでなくダクト自身(分配ダクト副部7)も撓み易くして追従性を高める。
【0020】
また、扁平化した幅広の分配ダクト主部6の上面に、その水平方向幅xよりも一回り小さなノズル径の前記ノズル部65を立設させている。図5,図6のごとく、断面形状が分配ダクト主部6から延設するノズル部65の所で狭まる壺形になっている。乗員着座時にノズル部65上方から鉛直下方向へ加わる荷重に対し、分配ダクト主部6を図6の鎖線ように弾性変形させて、荷重に追従し易くし、乗り心地,座り心地を一層高める。
【0021】
一方、ノズル部65(75)がその先端口65a(75a)を窪み20(30)に整合させて導通する箇所では、図4,図8のごとくシートパッド1の表面に設けられる前記窪み20(30)の上面開口20c(30c)を、該窪みに整合させて導通するノズル部65(75)の先端口65a(75a)よりも大きくする。シート表面の円滑な温度調整を行うためである。特に、乗員着座時の臀部Buや大腿部THで空調エアの吹き出し口用窪み20を塞いでしまわぬよう、ノズル部65の孔径よりも窪み20の上面開口20cを一回り大きくする。大腿部裏側が当接する窪み20では、図1,図5のごとく二段窪み20にする。下段窪み22でノズル部65の孔径よりも一回り大きな径にし、さらに上段窪み21で車幅方向に延びる横長開口を形成して、空調エアが図5の矢印のごとく窪み20と大腿部THとの隙間を通って円滑に流れ出るようにしている。空調エアが円滑に流れ出るように、上段窪み21,下段窪み22に所定高さの側壁21b,22bを確保する(図8)。図中、符号21aは上段窪みの底面、符号20bはメイン部窪み20の側壁、符号30bはサイド部窪み30の側壁を示す。
【0022】
不織布91は、少なくともダクト5を覆うことのできる大きさを有する。シートパッド1が該不織布91をインサートして一体発泡成形され、シートパッド1の裏面1bに不織布91がダクト5をカバーして被着一体化される。本実施形態は、不織布91が図4,図7のようにシートパッド裏面1bに突出するエア導入筒部61を除いたシートパッド裏面1bの全体を覆ってシートパッド1に一体化される。
メイン部2の裏面2b沿いにダクト5をインサートして一体発泡成形されるシートパッド1にあっては、ウレタン発泡体等からなるシートパッド1とポリプロピレン樹脂等からなるダクト5との接着性が悪い。分配ダクト主部6はメイン部2の裏面沿いに配されるので、乗員着座等によるシートパッド1の弾性変形で、ダクト5がもげる虞がある。不織布91がダクト5をカバーしてシートパッド1の裏面1bに被着一体化することで、ダクト5がシートパッド1から離れ落ちるのを解消する。下型キャビティ内にダクト5をセットする一方、上型キャビティに不織布91をセットして、発泡樹脂材料を下型に注入し、型閉じ後、発泡硬化させて、不織布91でダクト5をカバーして被着されたダクト5入りシートパッド1が造られる。
【0023】
表皮99は少なくともシートパッド1の乗員当接側を覆うシートで(図4)、通気性を有するファブリック表皮99や小孔を多数設けた孔開きレザー表皮等が用いられる。
不織布91が被着一体化された前記ダクト5入りシートパッド1に表皮99を張込んで、ダクト入りシートクッションSが出来上がる。表皮99の張込みは、表皮99の裏面に設けたホグリング用クリップをシートパッド1の表面1aに設けられた表皮張込み用吊溝41に配置されたホグリング部42等に係合させて行われる。送風ユニットからの空調エアが、ダクト5,窪み20(30)を経由しさらに表皮99を通って、シートクッションSに着座する乗員Mに到達する所望のダクト入りシートクッションSが出来上がる(図1〜図8)。
【0024】
図6は窪み20,ノズル部65周りの他態様図で、図5の部分拡大図である。本実施形態は、蛇腹部分8を分配ダクト主部6の縦筒部6aや分配ダクト副部7に設けたが、例えば図6のように、分配ダクト主部6のノズル部65に蛇腹部分8を設けることもできる。ノズル部65に蛇腹部分8を設ければ、ノズル部65上方からの乗員着座時の荷重に対し、該蛇腹部分8が直接的に収縮変形して追従でき、蛇腹部分8の伸縮によるクッション性も伴い、より好ましくなる。
また、蛇腹部分8は、後述する実施形態2の図9のように、分配ダクト主部6の横筒部6bに設けてもよい。メイン部2への乗員Mの着座で、メイン部2は中央を凹ませて車幅方向に湾曲するが、横筒部6bに設ける蛇腹部分8がその曲げ変形に追従し、座り心地を良好に保つ。
【0025】
図3に、舌片状クリップ止部68を鎖線図示する。該クリップ止部68が分配ダクト主部6に一体成形される。分配ダクト主部6に舌片状クリップ止部68が突出形成され、そのクリップ止部68がシートパッド1の表面1a側に設けた表皮張り込み用吊溝41に配される。ダクト5の一部から延設するクリップ止部68は、取付孔69が形成され、ホグリングワイヤの代替としてのホグリング部42を構成する。符号67はダクト6がインサート成形される際、下型へダクト5をセットするための係止用舌片、符号671は透孔を示す。
尚、複数の窪み20(30)から表皮99を通過してシートクッションSの表面から空調エアが吹き出すため、ダクト流路60(70)での偏流を抑え、また、各窪み20(30)から吹き出させる必要風量等を鑑み、ダクト5の形状やノズル部65(75)の孔径、窪み20(30)の形状が適宜選定される。例えば、分配ダクト副部7は、図3のごとく横筒部6bと車両前後方向で少しずらして、縦筒部6aから外方へ延設することで、空調エアの偏流を抑えている。
【0026】
(2)実施形態2
本実施形態は図9ごとくのシートクッションSである。同図は表皮99を外したダクト5入りシートパッド1の断面図で、図1のIX-IX線矢視図に対応する断面図になっている。図面を判り易くするため、シートパッド1の断面を表すハッチングを省略する。
【0027】
ダクト5が分配ダクト主部6から分配ダクト副部7を延設し、該分配ダクト副部7は導管部7bを経由した縦ダクト部7aが、メイン部2の両側に設けるサイド部3に配設される。分配ダクト副部7に係る車両前後方向に走る該縦ダクト部7aの断面積は、分配ダクト主部6に係る車両前後方向に走る縦筒部6aの断面積よりも大きくする。そして、サイド部3の表面3aから縦ダクト部7aに至るパッド厚みtを、メイン部2の表面2aから分配ダクト主部6に至るパッド厚みtよりも小さくする。ここで、サイド部3の表面3aから縦ダクト部7aに至るパッド厚みtは、サイド部表面3aの領域で、該表面3aから縦ダクト部7aまでの最短距離のパッド厚みを指す。メイン部2の表面2aから分配ダクト主部6に至るパッド厚みtは、メイン部表面2aの領域で、窪み20の区域を除いた該表面2aから分配ダクト主部6までの最短距離のパッド厚みを指す。
【0028】
空調エアが、分配ダクト主部6の縦筒部6aから末端の分配ダクト副部7の縦ダクト部7aへと分配供給されていくので、縦筒部6aよりも縦ダクト部7aの断面積は本来小さくて済む。しかし、ここでは、図9のごとく、縦ダクト部7aの断面積を大きくし、すなわち縦ダクト部7aの径を大きくすることにより、樹脂製縦ダクト部7aが有する剛性で、サイド部3のサポート性向上を図る。樹脂製縦ダクト部7aのダクト径を縦筒部6aのダクト径よりも大きくし、且つサイド部表面3aから縦ダクト部7aまでのパッド厚みtを、メイン部表面2aから分配ダクト主部6までのパッド厚みtよりも小さくして、縦ダクト部7aの外周面をサイド部表面3aへ近づけることで、メイン部2と同じパッド材料を用いても、サイド部3の硬度を硬くするのと同等の効果を与える。さらに、縦ダクト部7aの断面積を大きくすることで、サイド部3のパッド厚みtが薄くなる一方、該縦ダクト部7aの流路部分70が大きくなり、車両軽量化にもつながる。図9で、他の構成は図1〜図8と同様で、その説明を省く。図9で、図1〜図8と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0029】
(3)実施形態3
本実施形態は図10ごとくのダクト入りシートクッションで、同図は表皮を外したダクト5入りシートパッド1の断面図を示す。図面を判り易くするため、シートパッド1の断面を表すハッチングを省略する。図10は車幅方向の断面図で、樹脂製ダクト5の分配ダクト主部6の縦筒部6aを、メイン部裏面2bの両側角部に沿わせて車両前後方向に配設する。シートパッド1に係るメイン部裏面2bの両側角部に沿わせた縦筒部6aを設けることで、剛性のある樹脂製縦筒部6aがメイン部2に着座する乗員臀部Buをうまく受け支える。図示のごとく、縦筒部6aの断面形状に、メイン部2に着座する乗員臀部Buへ向くよう配設した斜辺部分hyを設ける。斜辺部分hyがメイン部2に着座する乗員臀部Buに対向するように配設される。斯かる構成により、車両走行で横方向の加速度を受けても、該縦筒部6aが乗員姿勢を良好に保つ役目を発揮する。乗員臀部Buをより安定保持できるようになり一層好ましくなる。尚、図10の鎖線図示のごとく、サイド部裏面3bがシートパッド裏面1bを形成する場合においても、メイン部裏面2bの両側角部に沿わせた縦筒部6aが設けられる。図10で、他の構成は図1〜図8と同様で、その説明を省く。図10で、図1〜図8と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0030】
(4)実施形態4
本実施形態は図11,図12ごとくのシートクッションSで、表皮99の図示を省略する。図11は図5に対応する断面図、図12は図11の要部拡大図である。実施形態1は分配ダクト主部6の表面側にノズル部65を複数立設し、各ノズル部65の先端口65aをエア吐出口64とするが、ここでは、ノズル部65を設けず、分配ダクト主部6の表面側に、具体的には分配ダクト主部6の上面に直接、エア吐出口64を複数開設した配風用ダクト5になっている。図5ではノズル先端口65aからメイン部表面2aまでの距離が最短のパッド厚みtといえる。ブロー成形によるダクト5の製造のし易さでは、本実施形態よりも実施形態1(図5)の方が勝る。しかし、図11,図12のシートクッションでは、パッド厚みtが分配ダクト主部6に直接開設したエア吐出口64からメイン部表面2aまでの距離となり、ノズル部65がない分、メイン部2のパッド厚みHTをより小さくできる長所を有する(図11)。符号641はエア吐出口64の開口縁を示す。他の構成は実施形態1と同様で、その説明を省く。図11,図12で、図1〜図8と同一符号は、同一又は相当部分を示す。
【0031】
(5)効果
このように構成したダクト入りシートクッションSは、ダクトに直接開設したエア吐出口64、又は各ノズル部65(75)の先端口65a(75a)を、必要箇所に設けた窪み20(30)にそれぞれ整合させて窪み20(30)に導通すると共に、シートパッド1の裏面1b側にエア導入口62が覗く構成であるので、空調エアが該エア導入口62からダクト5内を経由し、窪み20(30)、さらに表皮99を通過して、シートクッションS表面の温度調整を速やかに行うことができる。ダクト入りシートクッションSに着座する乗員Mに、窪み20(30)が設けられた各所から該空調エアを送り、シートクッション表面の円滑な温度調整を可能にする。
【0032】
その一方、メイン部2の裏面2b沿いに分配ダクト主部6を縦横に走るように設けて、シートパッド1がダクト5と一体成形されるので、座り心地も満足させる。特許文献1の「シート表面に沿って延びる配風通路を持つ成形体」と違って、メイン部2の裏面2b沿いに分配ダクト主部6が配設されるので、分配ダクト主部6の上方にクッション性に富むメイン部2の厚みが十分存在し、快適な座り心地が得られる。そして、分配ダクト主部6に係る縦筒部6aと横筒部6bが縦横に走るだけのダクト5であるので、乗員着座時の加圧で弾性変形するウレタンパッドの撓みが、特許文献1の面状部材のように遮断されることもない。良好な座り心地が得られる。空調機能を落とさずして、乗り心地,座り心地性能が維持される。さらにいえば、斯かるダクト構造であるので、該ダクト5を下型にインサートしてシートパッド1を一体成形する際、下型への発泡原料の注入できる場所も自由に選択できる。
【0033】
また、ダクト5がその経路途中に蛇腹部分8を介在させて形成されるので、ダクト入りシートクッションSにあっても、乗員着座時におけるシートパッド1の変形に対するダクト5の追従性が良好で、乗員Mにダクト5が存在する違和感を与えない。蛇腹部分8がダクト5途中に介在しても、ブロー成形によれば比較的低コストで、蛇腹部分8が一体のダクト5を容易に作製できる。
【0034】
さらに、分配ダクト主部6の断面形状が、上下方向高さyに対して水平方向幅xが広い扁平形状にすると(図5,図6)、乗員着座で鉛直下方向に加わる荷重に対し、ダクト5は変形追従し易くなる。分配ダクト主部6の上下方向に延びる側壁部分6aが横断面視弧状に形成されると、ダクト5がさらに撓み易くなり、ダクト5が在るシートパッド1の領域とダクト5のないシートパッド1の領域における撓み特性の差がより一層少なくなる。ダクト入りシートクッションSへの乗員Mの乗り心地,座り心地が一段と良くなる。
さらにいえば、縦筒部6aがシートパッドに係るメイン部裏面2bの両側角部に沿わせて配設され、且つその横断面形状にメイン部2に着座する乗員臀部Buへ向くよう配設した斜辺部分hyを有すると、車両走行で横方向の加速度を受けても、斜辺部分hyで乗員を受け止めることができるようになるので、乗員姿勢を良好に保てる優れた効果も発揮する。
【0035】
また、図9のごとく、サイド部3の車両前後方向に走る縦ダクト部7aの横断面の面積を、分配ダクト主部6に係る車両前後方向に走る縦筒部6aの横断面の面積よりも大きくし、且つサイド部表面3aから縦ダクト部7aまでのパッド厚みtを、メイン部表面2aから分配ダクト主部6までのパッド厚みtよりも小さくすると、剛性がある樹脂製縦ダクト部7aの表面がサイド部3の表面3aに近づくことになるので、サイドサポート性が向上する。サイド部3の発泡材料にメイン部2と同じ材料を用いても、サイド部3の硬度を硬くしたのと同等の効果が得られる。さらに、縦ダクト部7aの断面積を大きくすれば、その分、空洞のダクト流路70の断面積が大きくなるので、発泡材料費の削減,車両軽量化にもつながる。
【0036】
加えて、シートパッド1が不織布91をインサートして一体発泡成形され、不織布91がダクト5に覆い被さってシートパッド1の裏面1bに被着一体化されると、ダクト5とシートパッド1との接着性に劣るダクト5入りシートパッド1にあっても、両者の一体感を高める。不織布91がシートパッド1にダクト5を強力に接合維持させるので、シートパッド1の弾性変形でダクト5がもげる不具合をなくす。
【0037】
また、シートパッド1に係るメイン部2の表面2aに設けられる窪み20の上面開口20cを、該窪み20に整合させて導通するノズル部65の先端口65aよりも大きくすると、シートクッションSに乗員Mが着座して窪み20を塞ぐのを防止できる。乗員Mの臀部Bu,大腿部THとの間に空調エアが吹き出す隙間を形成でき、温度調整された空気を乗員Mに確実に送ることができる。さらに、ノズル部65を通る空調エアにスピードがあっても、窪み20の上面開口20cをノズル部先端口65aよりも大きくすることで、その上面開口20cの所でスピードを弛め且つ窪み20の大きな上面開口20cから、乗員Mの臀部Bu,大腿部THに対し、幅広い範囲で温度調整された空気を送ることになるので、より快適な温度調整を可能にする。
さらに、クリップ止部68がダクト5に一体成形で突出形成し、ホグリングワイヤの代替としてのホグリング部42の役割を担えるようにすると、ダクト入りシートクッションの低コスト化をも実現する。
【0038】
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。シートパッド1,メイン部2,サイド部3,吊溝41,ダクト5,分配ダクト主部6,分配ダクト副部7,蛇腹部分8,不織布91,表皮99等の形状,大きさ,個数,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。例えば、剛性が必要なエア導入筒部61の部位を残して、他の全てを蛇腹部分8で形成したダクト5にしてもよい。シートパッド1の変形にダクト5がより一層追従し易くなる。各窪み20からの配風量を均等にすべく、エア吐出口64の孔径やノズル部65のノズル径をエア導入口62から遠のくにしたがって大きく設定してもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 シートパッド
1a 表面(シートパッドの表面)
1b 裏面(シートパッドの裏面)
2 メイン部
2b 裏面(メイン部の裏面)
20 窪み
20c 上面開口
3 サイド部
5 配風用ダクト(ダクト)
6 分配ダクト主部
6a 縦筒部
62 エア導入口
64 エア吐出口
65 ノズル部
65a 先端口
68 クリップ止部
7 分配ダクト副部
7a 縦ダクト部
8 蛇腹部分
91 不織布
Bu 臀部(乗員臀部)
S シートクッション
hy 傾斜部分
,t パッド厚み
x 水平方向幅
y 上下方向高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用座席シートの座部を構成するシートクッション(S)であって、乗員当接側の表面(1a)に窪み(20)を複数設けたシートパッド(1)と、該シートパッドに係るメイン部(2)の裏面(2b)沿いに分配ダクト主部(6)を縦横に走るように設け、さらに該分配ダクト主部(6)の裏面側にエア導入口(62)を形成する一方、該分配ダクト主部(6)の表面側にエア吐出口(64)を複数開設した配風用ダクト(5)と、を具備し、且つ前記シートパッド(1)が該配風用ダクト(5)をインサートして一体発泡成形され、前記エア吐出口(64)を前記窪み(20)にそれぞれ整合させ、ダクト内流路(60)が窪み(20)内と導通すると共に、シートパッド(1)の裏面(1b)側に前記エア導入口(62)が覗くことを特徴とするダクト入りシートクッション。
【請求項2】
前記分配ダクト主部(6)の表面側にノズル部(65)を複数立設し、各ノズル部(65)の先端口(65a)を前記エア吐出口(64)とする請求項1記載のダクト入りシートクッション。
【請求項3】
前記配風用ダクト(5)が、その経路途中に蛇腹部分(8)を介在させて形成される請求項1又は2に記載のダクト入りシートクッション。
【請求項4】
不織布(91)をさらに具備し、前記シートパッド(1)が該不織布(91)をインサートして一体発泡成形され、該不織布(91)が前記配風用ダクト(5)をカバーして、該シートパッド(1)の裏面(1b)に被着一体化される請求項1乃至3のいずれか1項に記載のダクト入りシートクッション。
【請求項5】
前記配風用ダクト(5)が分配ダクト主部(6)から分配ダクト副部(7)を延設し、該分配ダクト副部(7)の縦ダクト部(7a)が、前記メイン部(2)の両側に設けられるサイド部(3)に配設され、且つ車両前後方向に走る該縦ダクト部(7a)の断面積を、分配ダクト主部(6)に係る車両前後方向に走る縦筒部(6a)の断面積よりも大きくすると共に、前記サイド部(3)の表面(3a)から前記縦ダクト部(7a)に至るパッド厚み(t2)を、前記メイン部(2)の表面(2a)から前記分配ダクト主部(6)に至るパッド厚み(t1)よりも小さくしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のダクト入りシートクッション。
【請求項6】
前記分配ダクト主部(6)の断面形状が、上下方向高さ(y)に対して水平方向幅(x)が広い扁平形状にして、且つ上下方向に延びる側壁部分(6a2)が弧状に形成される請求項1乃至5のいずれか1項に記載のダクト入りシートクッション。
【請求項7】
前記シートパッド(1)の表面(1a)に設けられる前記窪み(20)の上面開口(20c)を、該窪み(20)に整合させて導通する前記エア吐出口(64)よりも大きくする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のダクト入りシートクッション。
【請求項8】
前記分配ダクト主部(6)に舌片状クリップ止部(68)が突出形成され、そのクリップ止部(68)が前記シートパッド(1)の表面(1a)側に設けた表皮張り込み用吊溝(41)に配される請求項1乃至7のいずれか1項に記載のダクト入りシートクッション。
【請求項9】
前記分配ダクト主部(6)に係る車両前後方向に走る縦筒部(6a)が、メイン部裏面(2b)の両側角部に沿わせて配設され、且つその断面形状に、前記メイン部(2)に着座する乗員臀部(Bu)へ向くよう配設した斜辺部分(hy)を有する請求項1乃至8のいずれか1項に記載のダクト入りシートクッション。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−110366(P2011−110366A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272038(P2009−272038)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】