説明

ダンパー装置

【課題】閉時のシールが確実で、温度制御の信頼性が高く、かつ小型で安価なダンパー装置を提供する。
【解決手段】開口部5を有する樹脂製のフレーム4と、開口部5を開閉するバッフル7と、バッフル7を駆動する駆動部2を具備したダンパー装置1において、フレーム4を、少なくとも開口部5を形成する板状の開口形成部6と、開口形成部6の相対する縁に設けられた側壁4a,4cを具備する構成とし、側壁4a,4cは、所定幅の板状であって、幅の略中央部において開口形成部6の縁が接続され、金型成型に伴う変形を抑制したダンパー装置1としたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部をバッフルにより開閉させるダンパー装置で、物品貯蔵装置に設けられ、特に冷蔵庫内部の冷風の風路を開閉して、温度を調整するダンパー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から冷蔵庫庫内にある複数の冷蔵室温度を制御する手段として、冷却器から各冷蔵室へ通じる冷気の風路をバッフルにて開閉し、各冷蔵室に流入する冷気量を制御するダンパー装置が採用されており、これらは大別して1つの駆動源により1つのバッフルを動作させる方式と、1つの駆動源により2つのバッフルを動作させる方式がある。
【0003】
1つの駆動源により1つのバッフルを動作させる方式は、モータの回転制御により1つの開口部を開閉動作させるもので、この代表的なダンパー装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。
【0004】
図5から図7は、特許文献1に記載された従来のダンパー装置を示すもので、図5は従来のダンパー装置の正面図、図6は同従来のダンパー装置を裏から見た背面図、図7は同従来のダンパー装置の一部断面構成を含む平面図である。
【0005】
図5から図7に示すように、このダンパー装置は樹脂製のフレーム101とフレーム101に設けられた開口部102と、開口部102を形成する開口形成部101aと、フレーム101の側面に設けられた側壁101bと、開口部102の周囲に設けられた突出部103と、開口部102を開閉するバッフル104と、バッフル104に貼り付けられたソフトテープ105と、フレーム101の側面に配置されたバッフル104を開閉動作させる駆動部106とから構成されている。
【0006】
ここで、駆動部106には、モータ(図示せず)と、モータの回転を減速し、バッフル104に連結された回転軸107に伝達する減速機構(図示せず)が内蔵されている。
【0007】
そして、ダンパー装置は、駆動部106に内蔵されたモータの駆動によってバッフル104が所定角度の範囲で正逆転方向に回転することにより、開口部102が開閉され、気流の流通あるいは遮断を制御することができる構成となっている。
【特許文献1】特開2003−322455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の構成は、フレーム101の側壁101bの一端に開口形成部101aと突出部103を有し、断面が略コの字形状となっているために、樹脂成形時の冷却のバランスが悪く、開口形成部101aおよび突出部103を具備しない側に比較して冷却が遅くなり、その冷却の遅延によってフレーム101全体が破線で示す如く湾曲し易い構成であった。
【0009】
上述の如くフレーム101に湾曲(反り)が発生した状態でバッフル104等を組込んだ場合、バッフル104の閉塞状態であってもバッフル104(ソフトテープ105)と突出部103の間に隙間が生じ、この隙間から冷気(気体)が漏れる等の不具合が発生するものであった。
【0010】
特に、かかるダンパー装置を冷蔵庫等の冷気制御に用いた場合は、庫内の温度を確実に制御することができなくなるという課題を有していた。
【0011】
また、上記従来の構成において、薄型を図るためにフレーム101における側壁101bの幅(奥行)寸法Tを小さくすることが考えられるが、上述の如く、側壁101bの一端に開口形成部101aおよび突出部103を設けた構成であることから、前述の反りの課題を解決することはできない。
【0012】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、バッフルの閉時のシール性を確実なものとし、さらに、冷蔵庫等の気流制御に用いた場合であっても信頼性が高い温度制御が行え、また、小型で安価なダンパー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記従来の課題を解決するために、本発明のダンパー装置は、ダンパー装置を構成するフレームを、少なくとも前記開口部を形成する板状の開口形成部と、前記開口形成部の相対する縁に設けられた側壁を具備する構成とし、前記側壁を、所定幅の板状とし、幅の略中央部において前記開口形成部の縁を接続する構成としたものである。
【0014】
かかることにより、側壁の一端に構成部が偏って形成されることがなく、側壁の両端における樹脂成型時の冷却速度が略均一化され、その結果、冷却速度のアンバランスに起因するフレームの撓み、変形を抑制することができる。
【0015】
また、開口部を長手と短手を有する矩形とし、開口形成部に、側壁と平行であって開口部の長手方向に延びるリブを設けることによって、フレームにおける側壁および開口形成部の補強が可能となり、特にフレームにおける長手方向の強度の向上がはかれ、その結果、側壁の幅が薄くでき、ダンパー装置の小型化が図れるものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明のダンパー装置は、バッフルの全閉時におけるシール性を確実なものとし、信頼性を高めることができるものである。また、そのダンパー装置を冷蔵庫等の物品貯蔵装置の温度制御用として用いた場合、信頼性の高い温度制御作用を得ることができ、また、小型化が可能なダンパー装置であるため、冷蔵庫等の物品貯蔵装置の収納容積を必要以上に抑制することもないものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
請求項1に記載の発明は、開口部を有する樹脂製のフレームと、前記開口部を開閉するバッフルと、前記バッフルを駆動する駆動部を具備したダンパー装置において、前記フレームを、少なくとも前記開口部を形成する板状の開口形成部と、前記開口形成部の相対する縁に設けられた側壁を具備する構成とし、前記側壁は、所定幅の板状であって、幅の略中央部において前記開口形成部の縁が接続されているダンパー装置としたものである。
【0018】
これによって、側壁の一端に構成部が偏って形成されることがなく、側壁の両端における樹脂成型時の冷却速度が略均一化され、その結果、冷却速度のアンバランスに起因するフレームの撓み、変形を抑制することができる。
【0019】
したがって、バッフルの全閉状態におけるシール性が確保でき、冷蔵庫等の物品貯蔵装置に組込んだ場合、信頼性の高い温度制御作用を得ることができるものである。
【0020】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記開口部を長手と短手を有する矩形とし、開口形成部に、前記側壁と平行であって前記開口部の長手方向に延びるリブを設けたものである。
【0021】
これによって、長手方向におけるフレームの補強が可能となり、フレームの強度向上がはかれ、さらにその補強により、フレームの幅を可能な限り薄くでき、さらにはフレームの肉厚を薄くすることが可能となる。その結果、ダンパー装置を、小型で安価なものとすることができる。
【0022】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記リブを、少なくとも前記開口部の三辺を囲むように設けたものである。
【0023】
これによって、フレームの縦横方向の補強がはかれ、フレームのねじれに対する強度の向上が可能となり、フレームの幅を一層薄くすることが可能となり、より安価なダンパー装置とすることができる。
【0024】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、前記開口形成部における直交する前記側壁によって形成される角部に、前記角部を含み略三角形の空間を形成する角リブを設けたものである。
【0025】
これによって、フレームの角部の補強がより強固に行え、その結果、フレームのねじれに対する強度の向上が可能となり、フレームの幅ならびに肉厚をより薄くすることが可能となる。
【0026】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記角リブの略中央に前記リブの一端が接続される構成としたものである。
【0027】
かかる構成とすることにより、フレームのさらなる補強が可能となり、特にリブと角リブの連結により、フレームのねじれに対する強度を向上することができるものである。
【0028】
請求項6に記載の発明は、請求項2から5のいずれか一項に記載の発明において、前記リブを、前記開口形成部における前記バッフルが当接する面の投影面にかかる裏面に設けたものである。
【0029】
かかる構成とすることにより、バッフルが当接する裏面を補強のためのスペースに利用でき、しかもバッフルが当接する投影面にかかる範囲にリブを設けるため、リブを設けるためのスペースを新たに確保する必要が無く、ダンパー装置の小型化が図れるものである。さらに、開口縁部の補強を兼ねることができ、平板状の開口形成部の補強も図ることができ、開口形成部の撓みが抑制でき、バッフルの全閉時におけるシール性を安定して確保することができる。
【0030】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明において、前記フレームにおける短手の一方の側壁に、前記駆動部を取付ける取付け部を設け、前記側壁における長手側壁と取付け部が交差する角部に、前記フレームの長手方向に延びる拡面部を設けたものである。
【0031】
かかる構成によれば、拡面部の形成により、ダンパー装置の取付け時における取付け面積、例えばダクト側面との当接面積が確保でき、ダンパー装置の取付けを安定した構成とすることができる。
【0032】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、少なくとも前記拡面部と連続する長手側壁の中間部分を、長手側壁の幅が小さくなる方向に切欠いたものである。
【0033】
かかる構成とすることにより、長手側壁の幅寸法を小さくすることができ、材料使用量の削減、およびダンパー装置の小型化が可能となり、また短手側壁の幅寸法は適宜確保できるため、短手側壁側においても、ダンパー装置の取付け時における取付け面積、例えばダクト側面との当接面積が確保でき、ダンパー装置の取付けを安定した構成とすることができる。
【0034】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記切欠きに伴い、前記長手側壁と拡面部で形成される角部および前記長手側壁と短手側壁で形成される角部に、所定の面積を形成する角フランジを設けたものである。
【0035】
かかる構成とすることにより、拡面部と側壁の補強と取付け面の増大がはかれ、ダンパー装置のより安定した取付けが行え、さらには側壁と拡面部の連結補強に起因してフレームの補強が可能となるものである。
【0036】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0037】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるダンパー装置の一部を切欠いた正面図、図2は同実施の形態のダンパー装置を裏側から見た背面図、図3は図1のA−A線断面図、図4は同実施の形態のダンパー装置における一部断面構成を示す平面図である。
【0038】
図1乃至図4において、ダンパー装置1は、内部に減速機構等を具備するギヤードタイプのモータ、そのモータの出力軸に設けられた出力歯車、その出力歯車に噛み合い、モータの回転を減速出力する減速機構等(いずれも図示せず)を具備した駆動部2と、駆動部2を取付ける取付け部3と、取付け部3と直角方向に延出したフレーム4を具備した構成である。
【0039】
ここで、駆動部2は、その側壁の一部に電源接続用のコネクタ部2aが設けられており、また、駆動部2の減速出力構造は、周知の構成でよいため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0040】
取付け部3とフレーム4は、樹脂材料からなり、金型成形加工によって形成される。そして、フレーム4は、所定の幅寸法Tで取付け部3を含み矩形の4辺を形成する如く、一対の長手側壁4a,4bと、短手4cを具備している。さらに、フレーム4には、4辺で形成される空間面内に、略中央部に大きく矩形の開口部5を具備した板状の開口形成部6が一体に設けられている。
【0041】
開口形成部6は、長手、短手の各側壁4a,4b,4cの幅方向における略中央部に設けられており、したがって、各側壁4a,4b,4cの両端は、平面状に延出した形状となっている。
【0042】
さらに、取付け部3と短手側壁4cの間には、開口部5を開閉するバッフル7が取付けられている。具体的には、バッフル7の一端に両側に軸部が設けられており、この軸部がバッフル7の一端側(ここでは説明の便宜上上端側とする)に軸支されている。バッフル7における取付け部3側は、駆動部2より延出した駆動軸2bと嵌合する雌型の軸部7aが形成され、短手側壁4c側は、短手側壁4cに形成された軸穴に嵌合する雄型の軸部7bが形成された構成となっている。
【0043】
また、バッフル7における開口形成部6と対向する面には、弾性を有するソフトフォーム8が設けられており、バッフル7の全閉状態においては、ソフトフォーム8によって開口部5が塞がれるように構成されている。
【0044】
さらに、開口部5の周囲には、バッフル7側に突出する当り部9が一体に形成されている。したがって、バッフル7の閉塞状態においては、ソフトフォーム8が当り部9に当接し、ソフトフォーム8の弾性変形作用にてバッフル7の閉塞状態のシール性を確保することができる構成となっている。
【0045】
また、開口形成部6には、開口部5を挟み、長手側壁4a,4bと平行であって開口部5の長手方向に延びる横リブ10,11と、取付け部2と略平行に位置し、リブ10,11を連結するように延びる縦リブ12が設けられている。
【0046】
したがって、開口部5は、縦横のリブ10,11,12によってその三辺が囲まれた形となっている。
【0047】
さらに、横リブ11と縦リブ12の交差部に近い側壁4aで形成される角部には、角部を含み略三角形の空間を形成する角リブ13が設けられている。そして、角リブ13の略中央に横リブ11と縦リブ12が連結している。
【0048】
また、各リブ10,11,12は、開口形成部6におけるバッフル7が当接する面の投影面(図1の一点鎖線枠)W内に概ね収まる位置に設けられている。かかることにより、開口部6に近い位置での補強となり、各リブ10,11,12を必要以上に大きくすることも抑制できるが、必ずしも投影面W内に収める必要はない。
【0049】
さらに、長手側壁4aにおける取付け部3が交差する角部には、取付け部3より長手側壁4a方向に延びる拡面部14が取付け部3および長手側壁4aと面一となるように設けられている。
【0050】
そして、拡面部14と連続する長手側壁4aの中間部分は、長手側壁4aの幅Tが小さくなる方向にt寸法切欠いた形状となっている(図4)。また、長手側壁4aと対向する長手側壁4bの幅寸法も、同様に短手側壁4cの幅寸法Tよりも小さな寸法に形成されている。
【0051】
さらに、長手側壁4a,4bの幅寸法の縮小に伴い、長手側壁4aと拡面部14で形成される角部および長手側壁4bと短手側壁4cで形成される角部には、所定の面積を形成する角フランジ15,16が設けられている。
【0052】
以上のように構成されたダンパー装置1の動作について説明する。
【0053】
バッフル7は、上述の如く駆動部2の動力を受け、駆動軸2bによって所定角度の範囲で往復回動し、開口部5を全閉状態から全開状態、全開状態から全閉状態の動作を行う。また必要に応じてその途中でバッフル7の回動を停止し、流通する空気の量を制御することもできる。かかる動作は、周知の動作内容であるので、詳細な説明を省略する。
【0054】
したがって、上記構成からなるダンパー装置1は、バッフル7の回転動作により、開口部5を開閉することができるため、例えば冷蔵庫等の冷気通路内、ダクト内に配置されることにより、冷気の流通(流量)を制御し、貯蔵室内の温度を略一定に維持することができる。
【0055】
また、上記ダンパー装置1は、上記構成により以下の特徴を有するものである。
【0056】
すなわち、フレーム4を構成する長手側壁4a,4bおよび短手側壁4cが所定幅Tの板状に形成され、幅の略中央部において開口形成部6の縁が接続された構成であるため、従来の如く側壁4a,4b,4cの一端に構成部が偏って形成されることがなく、側壁4a,4b,4cの幅方向両端における樹脂成型時の冷却速度が略均一化され、その結果、冷却速度のアンバランスに起因するフレーム4の撓み、変形を抑制することができる。
【0057】
したがって、バッフル7の全閉状態においては、ソフトフォーム8が開口部5の周縁に設けた当り部9に略均一に当接し、シール性を確保するものである。その結果、かかるダンパー装置8を、冷蔵庫等の物品貯蔵装置に組込んだ場合、信頼性の高い温度制御作用を得ることができるものである。
【0058】
また、開口部5は、長手と短手を有する矩形であり、開口形成部6に、長手側壁4a、4bと平行であって開口部5の長手方向に延びる横リブ10,11を設けたことにより、長手方向におけるフレーム4の補強が可能となり、フレーム4の強度向上を図ることができる。さらにその補強により、フレームの幅を可能な限り薄くでき、さらにはフレーム4の肉厚を薄くすることが可能となる。その結果、ダンパー装置1を小型で安価なものとすることができる。
【0059】
さらに、横リブ10,11に加えて縦リブ12を設け、これらのリブ10,11,12を少なくとも開口部5の三辺を囲むように配置したことにより、フレーム4の縦横方向の補強がはかれ、フレーム4のねじれに対する強度の確保が可能となる。その結果、フレーム4の幅を一層薄くすることが可能となり、より安価なダンパー装置1とすることができる。
【0060】
また、開口形成部6における直交する長手側壁4bと取付け部3によって形成される角部に、角部を含み略三角形の空間を形成する角リブ13を設けたことにより、フレーム4の角部の補強がより強固に行え、その結果、フレーム4のねじれに対する強度をさらに確保することができ、フレーム4の幅Tならびに肉厚をより薄くすることが可能となる。
【0061】
しかも、角リブ13の略中央に、縦リブ12と横リブ11の一端が接続されているため、フレーム4のさらなる補強が可能となり、特にリブ11,12と角リブ13の連結により、フレーム4のねじれに対する強度を一層向上することができるものである。
【0062】
さらに、縦横のリブ10,11,12は、開口形成部6におけるバッフル7が当接する面の投影面W内の範囲において、バッフル7とは反対の裏面に設けているため、バッフル7が当接する面の裏面を補強のためのスペースに利用でき、しかもバッフルが当接する投影面Wにかかる範囲に各リブ10,11,12を設けているため、各リブ10,11,12を設けるためのスペースを新たに確保する必要が無く、ダンパー装置1の小型化が図れるものである。さらに、開口部5周縁の補強を兼ねることができ、平板状の開口形成部6の補強も図ることができ、開口形成部6の撓みが抑制でき、バッフル7の全閉時におけるシール性をさらに安定して確保することができる。
【0063】
また、フレーム4における短手の一方の側壁に、駆動部2を取付ける取付け部3を設け、側壁における長手側壁4aと取付け部3が交差する角部に、フレームの長手方向に延びる拡面部14を設けたことにより、ダンパー装置1の取付け時における取付け面積、例えば図3、図4の破線ハッチング部で示すダクト側面との当接面積が確保でき、ダンパー装置の取付けを安定した構成とすることができる。
【0064】
さらに、拡面部14と連続する長手側壁4aの中間部分を、t寸法切欠き、長手側壁4aの幅Tを小さくすることにより、材料使用量の削減、およびダンパー装置1の小型化が可能となり、また、長手側壁4bの幅も小さくでき、前述の効果を助長することができる。さらに、長手側壁4a,4bとは別に短手側壁4cの幅寸法Tは適宜確保できるため、短手側壁側においても、ダンパー装置1の取付け時における取付け面積、例えば、図3および図4に示す如く、ダクト側面との当接面積が確保でき、ダンパー装置の取付けを安定した構成とすることができる。
【0065】
また、切欠きに伴い、長手側壁4aと拡面部14で形成される角部および長手側壁4aと短手側壁4cで形成される角部に、所定の面積を形成する角フランジ15,16を設けたことにより、拡面部14と長手側壁4aの補強と前述の如くダンパー装置1の取付け面の増大がはかれ、ダンパー装置1のより安定した取付けが可能となる。さらには、長手側壁4aと拡面部14の連結補強に起因してフレーム4の補強が可能となるものである。
【0066】
以上のように、本実施の形態1におけるダンパー装置1は、金型樹脂成型される構成において、反り等が極めて生じ難い構成であり、バッフル7の特に全閉時におけるシール性を確実なものとし、高い信頼性を得ることができる。また、小型軽量化が可能であり、必要最小限の形態として安価に製造することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0067】
以上のように、本発明にかかるダンパー装置は、流体通路を開閉し、流体の供給制御を行う用途に広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態1におけるダンパー装置の一部を切欠いた正面図
【図2】同実施の形態のダンパー装置を裏側から見た背面図
【図3】図1のA−A線断面図
【図4】同実施の形態のダンパー装置における一部断面構成を示す平面図
【図5】従来のダンパー装置の正面図
【図6】同従来のダンパー装置を裏から見た背面図
【図7】同従来のダンパー装置における一部断面構成を示す平面図
【符号の説明】
【0069】
1 ダンパー装置
2 駆動部
3 取付け部
4 フレーム
4a 長手側壁
4b 長手側壁
4c 短手側壁
5 開口部
6 開口形成部
7 バッフル
9 当り部
10 横リブ
11 横リブ
12 縦リブ
13 角リブ
14 拡面部
15 角フランジ
16 角フランジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する樹脂製のフレームと、前記開口部を開閉するバッフルと、前記バッフルを駆動する駆動部を具備したダンパー装置において、前記フレームを、少なくとも前記開口部を形成する板状の開口形成部と、前記開口形成部の相対する縁に設けられた側壁を具備する構成とし、前記側壁は、所定幅の板状であって、幅の略中央部において前記開口形成部の縁が接続されているダンパー装置。
【請求項2】
前記開口部を長手と短手を有する矩形とし、開口形成部に、前記側壁と平行であって前記開口部の長手方向に延びるリブを設けた請求項1に記載のダンパー装置。
【請求項3】
前記リブを、少なくとも前記開口部の三辺を囲むように設けた請求項2に記載のダンパー装置。
【請求項4】
前記開口形成部における直交する前記側壁によって形成される角部に、前記角部を含み略三角形の空間を形成する角リブを設けた請求項1から3のいずれか一項に記載のダンパー装置。
【請求項5】
前記角リブの略中央に前記リブの一端が接続される構成とした請求項4に記載のダンパー装置。
【請求項6】
前記リブを、前記開口形成部における前記バッフルが当接する面の投影面にかかる裏面に設けた請求項2から5のいずれか一項に記載のダンパー装置。
【請求項7】
前記フレームにおける短手の一方の側壁に、前記駆動部を取付ける取付け部を設け、前記側壁における長手側壁と取付け部が交差する角部に、前記フレームの長手方向に延びる拡面部を設けた請求項1から6のいずれか一項に記載のダンパー装置。
【請求項8】
少なくとも前記拡面部と連続する長手側壁の中間部分を、長手側壁の幅が小さくなる方向に切欠いた請求項7に記載のダンパー装置。
【請求項9】
前記切欠きに伴い、前記長手側壁と拡面部で形成される角部および前記長手側壁と短手側壁で形成される角部に、所定の面積を形成する角フランジを設けた請求項8に記載のダンパー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−309409(P2008−309409A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−158269(P2007−158269)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】