説明

ダンパー

【課題】シリンダー内における流体のシール性の低下を抑えることの可能なダンパーを提供することにある。
【解決手段】アキュムレーターが、ピストンロッドRに外嵌された糸巻き状の筒体であるライナー10と、ライナー10とシリンダーとの間に挟入されて、ライナー10とシリンダーとの間の環状空間に容積の可変な流体室を区画する筒状のブラダ20とを備え、ライナー10が、流体室とアキュムレーターの外側とを連通する流路を有し、流体室に流体を流入及び流出させてシリンダー内で流体を流通させるとともに、流体の流体抵抗によってピストンロッドRを制動するダンパーであって、ライナー10の先端部には、ブラダ20の先端部をシリンダーに押圧する複数の先端フランジ片12Bが、該先端フランジ片12Bの基端部にて支持される片持ち梁状に該ライナー10の周方向に配列されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダー内にアキュムレーターを有するダンパーに関するものであって、特に、ピストンロッドに外嵌された筒状のライナーにブラダが巻装されてなるアキュムレーターを有するダンパーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば特許文献1に記載のように、物体同士の衝撃力を緩和するダンパーが知られている。図9(a)は、ダンパーの内部構造を示す断面図であり、図9(b)は、ダンパーを構成するアキュムレーターがシリンダーに組み込まれる過程を説明する図である。
【0003】
図9(a)に示されるように、有底の二段円筒状に形成されたシリンダーCの基端には、シリンダーCの内部に各構成部品を封入するためのキャップCPが嵌め込まれている。このシリンダーCの内部には、シリンダーCの中心軸に沿って延びるピストンロッドRが、キャップCPを貫挿するように挿設されている。このピストンロッドRのうち、シリンダーCの小径部分C1内には、円柱状のピストンPが外嵌されて、また、ピストンロッドRのうち、シリンダーCの大径部分C2内には、大径部分C2内に位置決めされた糸巻き状のライナー50が外嵌されている。また、ピストンロッドRのうち、ライナー50の基端には、ライナー50とピストンロッドRとの間をシールするシールリングSRが外嵌されている。
【0004】
上記ピストンPは、小径部分C1の内周面を摺動可能な円筒状に形成され、小径部分C1の内部空間をピストンPの先端側とピストンPの基端側とに分割している。ピストンPは、ピストンロッドRの軸方向に延びる絞りPHを有することにより、ピストンPの先端側の空間とピストンPの基端側の空間との間で、所定の流体抵抗のもと、シリコンオイルを流通させる。
【0005】
上記ライナー50のうち、ピストンロッドRの軸方向における中央には、円筒状のスリーブ部51がピストンロッドRに外嵌されている。スリーブ部51における軸方向の両端部には、スリーブ部51よりも大径の先端フランジ部52と、同じく、スリーブ部51よりも大径の基端フランジ部53とが連結されている。また、先端フランジ部52は、ピストンロッドRの軸方向に延びる流路52Hを有し、先端フランジ部52の先端側である小径部分C1内とスリーブ部51の径方向の外側との間でシリコンオイルを流通させる。
【0006】
ライナー50の外周面には、該外周面の全体が覆われるように、ブラダ60が巻装されている。ブラダ60は、エラストマーや樹脂などから形成される弾性体であって、ピストンロッドRの軸方向に延びる糸巻き状に形成されている。このブラダ60における先端側の開口部は、ピストンロッドRの径方向の内側に折り曲げられて、流路52Hの先端側が開放されるように、先端フランジ部52の先端に掛け止めされている。また、ブラダ60における基端側の開口部は、これもまた径方向の内側に折り曲げられて、基端フランジ部53の基端に掛け止めされている。こうしたブラダ60のうち、一対のフランジ部52,53の外周面を覆う部位は、該外周面と大径部分C2の内周面とに押圧されている。そして、このような構成からなるダンパーでは、シリンダーC内の空間がピストンPとブラダ60とによって、下記四つの空間に分割される。
・小径部分C1内のうち、ピストンPに対する先端側の空間(第一空間S1)。
・小径部分C1内のうち、ピストンPに対する基端側の空間(第二空間S2)。
・大径部分C2内のうち、ブラダ60の内側の空間(第三空間S3)。
・大径部分C2内のうち、ブラダ60の外側の空間(第四空間S4)。
【0007】
上記第一空間S1と第二空間S2との間では、ピストンPの絞りPHを介し、所定の流体抵抗のもと、シリコンオイルが流通する。また、第二空間S2と第三空間S3との間では、流路52Hを介し、シリコンオイルが流通する。これに対して、第二空間S2と第四空間S4との間、及び第三空間S3と第四空間S4との間は、ブラダ60によって区画されている。
【0008】
そして、ピストンロッドRがシリンダーC内に押し込まれると、絞りPHにてシリコンオイルの流通が制限され、こうしたシリコンオイルの流体抵抗によって、ピストンロッドRが制動される。この際、第一空間S1の容積が減少するものの、こうした容積の変化は、ブラダ60がピストンロッドRの径方向の外側へ撓むことによって吸収される。また、ピストンロッドRがシリンダーC内から引き出されると、これもまたシリコンオイルの流体抵抗によって、ピストンロッドRが制動される。そして、第一空間S1の容積が増加するものの、こうした容積の変化は、ブラダ60がピストンロッドRの径方向の内側へ撓むことによって吸収される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−270951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上述したライナー50とブラダ60とから構成されるアキュムレーターがシリンダーC内に組み込まれる過程では、図9(b)に示されるように、ピストンPとアキュムレーターとがピストンロッドRに外嵌された状態で、大径部分C2の内部にピストンロッドRが挿入される。この際、大径部分C2の内部にライナー50が固定されるまで、ブラダ60の先端側は、シリンダーCの内周面を摺動し続ける。
【0011】
一方、ブラダ60の先端側には、上述したように、第二空間S2と第三空間S3との間、及び第二空間S2と第四空間S4との間をシールする機能が必要とされる。それゆえに、先端フランジ部52の外周面と大径部分C2の内周面と間隔は、通常、これらのシールが確保されるべく、ブラダ60の先端側が径方向に押し潰されるように設計されている。しかしながら、このような設計のもと、ブラダ60がシリンダーCの内周面を摺動すると、ピストンロッドRが挿入される方向とは反対方向の大きな摩擦力Fが、ブラダ60に作用することとなる。その結果、ブラダ60のうち、先端フランジ部52に掛け止めされた部位(図9(b)の二点鎖線で囲まれた部位)が、先端フランジ部52から捲れてしまう場合がある。ひいては、ダンパーが組み立てられる過程において、第二空間S2と第三空間S3との間のシール性や第二空間S2と第四空間S4との間のシール性が失われる虞がある。
【0012】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シリンダー内における流体のシール性の低下を抑えることの可能なダンパーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ピストンロッドが貫挿されるキャップが基端に嵌め込まれたシリンダーと、該シリンダー内に収容されて前記ピストンロッドと同心の環状をなすアキュムレーターとを備え、前記アキュムレーターは、前記ピストンロッドに外嵌された糸巻き状の筒体であるライナーと、前記ライナーと前記シリンダーとの間に挟入され、前記ライナーの外周面と前記シリンダーの内周面との間の環状空間に容積の可変な流体室を区画する筒状のブラダとを備え、前記シリンダー内の流体を所定の流体抵抗のもと流通させることによって前記ピストンロッドを制動するとともに、前記流体室に前記流体を流出入させるダンパーであって、前記ライナーの先端には、前記ブラダの先端部を前記シリンダーに押圧する複数の先端フランジ片が、該先端フランジ片の基端部にて支持される片持ち梁状に該ライナーの周方向に配列されていることを要旨とする。
【0014】
上述したダンパーの製造過程では、アキュムレーターがピストンロッドに外嵌された状態で、シリンダーの基端から該シリンダーの内部へピストンロッドが挿入されることになる。この際、アキュムレーターを構成するブラダの先端部がシリンダーの内周面を摺動するため、これに伴い、ブラダの先端部には、該ブラダの先端部を基端側にずらすような摩擦力が加わることになる。この点、請求項1に記載の発明では、ライナーの先端には、ブラダの先端部をシリンダーに押圧する複数の先端フランジ片が周方向に形成され、且つ複数の先端フランジ片の各々が、基端で支持された片持ち梁状に形成されている。このような構成によれば、上述した摩擦力が、複数の先端フランジ片を撓ませる力に変換されることとなる。そして、複数の先端フランジ片の各々が径方向の内側に撓むことによって、ライナーにおける先端部の外径が縮小するため、上述した摩擦力がブラダの先端部を基端側へずらす力として作用すること、それを抑えることが可能である。ひいては、シリンダー内における流体のシール性の低下を抑えることが可能である。
【0015】
請求項2に記載の発明は、前記ライナーが、前記ピストンロッドに外嵌されたスリーブ部を有し、前記スリーブ部の基端には、前記ブラダの基端部を前記シリンダーに押圧する基端フランジ部が形成され、前記流体室は、前記スリーブ部と、前記基端フランジ部と、前記複数の先端フランジ片と、前記ブラダとによって区画され、前記アキュムレーターの外側と前記流体室とが、互いに隣り合う前記先端フランジ片の隙間を介して連通することを要旨とする。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、流体室とアキュムレーターの外側とを連通する流路が、互いに隣り合う先端フランジ片の隙間によって構成されるため、このような流路が別途ライナーに形成される構成と比較して、その構成を簡単にすることが可能である。
【0017】
請求項3に記載の発明は、前記複数の先端フランジ片の各々が、前記周方向に延びる掛止溝を有し、前記ブラダにおける先端側の開口部が、該ブラダの径方向の内側に折り曲げられて前記掛止溝に掛け止めされていることを要旨とする。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、周方向に配列された複数の先端フランジ片の各々が有する掛止溝にブラダの開口部が掛け止めされる。それゆえに、上述した摩擦力によるブラダの位置ずれをより発生し難くすることが可能である。
【0019】
請求項4に記載の発明は、前記先端フランジ片では、前記掛止溝に対する先端側の外径が、該掛止溝に対する基端側の外径よりも前記ブラダの厚さだけ大きいことを要旨とする。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、ブラダにおける先端側の部分は、掛止溝に対する基端側に巻装されて掛止溝に掛け止めされる。この際、掛止溝に対する先端側の外径は、掛止溝に対する基端側の外径よりもブラダの厚さだけ大きくなるように形成されている。そのため、ブラダにおける先端側の部分にて、上記径方向の内側に折り曲げられた屈曲部位では、その先端側の外表面が、掛止溝の溝側壁によって覆われることとなる。その結果、こうした屈曲部位の外表面がシリンダーの内周面に接触し難くなる分、ブラダの位置ずれをより発生し難くすることが可能でもある。
【0021】
請求項5に記載の発明は、前記ブラダの外周面には、前記先端側の開口縁よりも基端側に、前記周方向に延びる突条が形成され、前記突条は、前記掛止溝の先端側の外周面よりも径方向の外側に突出していることを要旨とする。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、アキュムレーターにおける先端側では、シリンダーの内周面に対して上述した突条が優先的に接触し、こうした突条とシリンダーの内周面との接触によって、流体室が区画されるようになる。この際、上述した突条と該突条以外の部位とがシリンダーの内周面に接触する場合と比較して、ブラダとシリンダーとが互いに接触する面積を抑えることが可能である。それゆえに、ブラダの先端部を基端側へずらすような摩擦力がブラダに作用することをより抑えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る第1実施形態のダンパーを構成するアキュムレーターの斜視構造を示す斜視図。
【図2】(a)は、第1実施形態のアキュムレーターを構成するライナーの斜視構造を示す斜視図。(b)は、(a)のA−A断面を示す断面図。
【図3】(a)は、第1実施形態のアキュムレーターを構成するブラダの斜視構造を示す斜視図。(b)は、(a)のB−B断面を示す断面図。
【図4】(a)(b)は、第1実施形態のダンパーを構成するアキュムレーターがシリンダーに組み込まれる過程を示す断面図。
【図5】本発明に係る第2実施形態のダンパーを構成するアキュムレーターの斜視構造を示す斜視図。
【図6】(a)は、第2実施形態のアキュムレーターを構成するライナーの斜視構造を示す斜視図。(b)は、(a)のC−C断面を示す断面図。
【図7】(a)は、第2実施形態のアキュムレーターを構成するブラダの斜視構造を示す斜視図。(b)は、(a)のD−D断面を示す断面図。
【図8】第2実施形態のダンパーを構成するアキュムレーターがシリンダーに組み込まれる過程を示す断面図。
【図9】(a)は、従来のダンパーの断面構造を示す断面図。(b)は、シリンダー内にアキュムレーターを組み込む過程を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1実施形態)
以下、本発明のダンパーを具体化した第1実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。本実施形態では、ダンパーが、住宅設備の引出しや扉等の開閉体と、開閉体を固定する固定側部材との間に架設され、開閉体と固定部材とが衝突する際の衝撃や騒音を緩衝するものとして説明する。
【0025】
図1に示されるように、ピストンロッドRに外嵌された樹脂製のライナー10には、糸巻き状のブラダ20が巻装されている。ブラダ20は、エラストマーや樹脂などからなる弾性体であって、ライナー10の外周面上では、ライナー10の全体を覆う一方、ピストンロッドRの軸方向では、ライナー10の両端部を開放するように形成されている。
【0026】
図2(a)に示されるように、糸巻き状の筒体であるライナー10の中心には、ピストンロッドRが貫挿されるロッド貫挿孔10Hが、ピストンロッドRの軸方向に沿って延びるように貫通している。ライナー10のうち、ピストンロッドRの軸方向における中央では、円筒状のスリーブ部11が、ピストンロッドRに外嵌されている。また、スリーブ部11のうち、ピストンロッドRの軸方向における一端部には、スリーブ部11の外径よりも大きな外径からなる円筒状の先端フランジ部12が、スリーブ部11と一体的に成形されている。また、スリーブ部11のうち、ピストンロッドRの軸方向における他端部には、スリーブ部11の外径よりも大きな外径からなる基端フランジ部13が、これもまた、スリーブ部11と一体的に成形されている。そして、ピストンロッドRに外嵌されたライナー10が、円筒状のシリンダーC内に配設されると、スリーブ部11の外周面とシリンダーCの内周面との間には、ピストンロッドRと同心の環状空間が、上記先端フランジ部12と基端フランジ部13とに挟まれるように形成される。
【0027】
なお、本実施形態では、ピストンロッドRの軸方向のうち、スリーブ部11に対する先端フランジ部12の側を先端側とし、スリーブ部11に対する基端フランジ部13の側を基端側とする。
【0028】
先端フランジ部12には、ロッド貫挿孔10Hの開口から拡開した孔である撓曲孔12Hが、ピストンロッドRの軸方向に沿って延設されている。また、先端フランジ部12の周壁及び底壁には、ピストンロッドRの軸方向に沿って延びる流路としての4つのスリット12Sが、ピストンロッドRの周方向に等配されている。図2(b)に示されるように、4つのスリット12Sの各々は、ピストンロッドRの軸方向に沿って延びる切欠きであって、ピストンロッドRの軸方向においては、先端フランジ部12の全幅にわたり連続している。
【0029】
すなわち、円筒状に形成された先端フランジ部12の全体は、上述した4つのスリット12Sによって周方向に分割されている。また、先端フランジ部12の分割された部分である4つの先端フランジ片12Bの各々は、スリーブ部11の外周面における先端部にて片持ち梁状に連結されている。そして、4つの先端フランジ片12Bの各々が、ピストンロッドRの径方向の内側に向けて外力を受けると、これら4つの先端フランジ片12Bの各々は、該先端フランジ片12Bとスリーブ部11との連結箇所を固定端として、径方向の内側へ撓曲するようになる。
【0030】
一方、基端フランジ部13の基端部には、基端フランジ部13とピストンロッドRとの間をシールするシールリングを嵌め込むための嵌合孔13Hが、ピストンロッドRの軸方向に沿って延設されている。ライナー10に挿通されるピストンロッドRは、この嵌合孔13Hに嵌め込まれるシールリングを介して、ライナー10とのシール性を保ちつつ、ライナー10に対して軸方向へ移動する。
【0031】
図3(a)に示されるように、糸巻き状をなすブラダ20の外形は、上述したライナー10の外周面に倣うように形成されている。ブラダ20のうち、ピストンロッドRの軸方向における中央には、ピストンロッドRの径方向の内側に撓んだ領域である伸縮部21が区画されている。伸縮部21は、図3(b)に示される径方向の内側に撓んだ状態と、該状態から径方向の外側に変位した状態との間の遷移を許容する。
【0032】
この伸縮部21の先端側には、伸縮部21の内径よりも大きな内径からなる円筒状の先端掴持部22が、先端フランジ部12の外周面に密着するように区画されている。先端掴持部22の内径は、先端フランジ部12の外径よりも小さく、これにより、先端掴持部22は、径方向の内側に収縮する収縮力を有した状態で、上記先端フランジ部12を掴持するようになる。また、先端掴持部22における先端側の開口部は、ピストンロッドRにおける径方向の内側へ折り曲げられている。先端掴持部22における先端側の開口縁の内径は、上述した撓曲孔12Hの内径よりも大きく、且つ上述した先端フランジ部12の外径よりも小さい。これにより、先端掴持部22における先端側の開口部は、先端フランジ部12における先端側の端面に掛け止めされるようになる。
【0033】
上記伸縮部21の基端側には、伸縮部21の内径よりも大きな内径からなる円筒状の基端掴持部23が、基端フランジ部13の外周面に密着するように区画されている。基端掴持部23の内径は、基端フランジ部13の外径よりも小さく、これにより、基端掴持部23は、径方向の内側に収縮する収縮力を有した状態で基端フランジ部13を掴持するようになる。また、基端掴持部23における基端側の開口部は、ピストンロッドRにおける径方向の内側へ折り曲げられている。基端掴持部23における先端側の開口縁の内径は、上述した嵌合孔13Hの内径よりも大きく、且つ上述した基端フランジ部13の外径よりも小さい。これにより、基端掴持部23における基端側の開口部は、基端フランジ部13における基端側の端面に掛け止めされるようになる。
【0034】
次に、上述した構成のアキュムレーターを構成部品として内蔵するダンパーの作用のうち、特に、シリンダーC内に該アキュムレーターが組み込まれる際の作用を説明する。
図4(a)に示されるように、上述したダンパーが組み立てられる際には、まず、ピストンロッドRの先端にピストンPが固定され、該ピストンロッドRに外嵌されたライナー10の外周面に、ブラダ20が巻装される。次いで、同ライナー10の嵌合孔13Hには、ライナー10とピストンロッドRとの間をシールするシールリングSRが嵌め込まれ、さらに、シールリングSRの基端側のピストンロッドRにキャップCPが貫挿される。そして、流体としてのオイルが小径部分C1に注入されたシリンダーCに対して、該シリンダーCの基端である開口部からピストンロッドRが挿入される。
【0035】
この際、ブラダ20における先端側の端面が、大径部分C2の先端側の端面に当接するまでは、ブラダ20の先端掴持部22が大径部分C2の内周面を摺動し続ける。そして、ピストンロッドRが挿入される挿入方向とは反対方向の摩擦力Fが、この先端掴持部22に作用し続ける。一方、このような摩擦力Fは、先端掴持部22を捲る力として該先端掴持部22に作用する他、該先端掴持部22を介して、先端フランジ部12を径方向の内側へ変位させる力として該先端フランジ部12にも作用する。この点、上述したダンパーにおいては、先端フランジ部12を構成する4つの先端フランジ片12Bの各々が、片持ち梁構造を有している。そのため、こうした片持ち梁構造を有しない構成と比較して、上述した摩擦力Fが、先端フランジ部12を図4(a)の矢印方向へ変位させる力に変換されやすくなる。また、先端フランジ片12Bが撓むことになれば、先端掴持部22の外周面と大径部分C2の内周面との接触面積が小さくなるため、上述した摩擦力Fそのものが先端掴持部22に作用することが抑えられることになる。その結果、こうした片持ち梁構造を有しない先端フランジ部と比較して、先端フランジ片12Bが撓む分、上述した摩擦力Fが先端掴持部22を捲る力として作用すること、それを抑えることが可能となる。ひいては、先端掴持部22が先端フランジ部12から外れることを抑えることが可能となる。
【0036】
そして、図4(b)に示されるように、ブラダ20における先端側の端面が大径部分C2の先端側の端面に当接し、キャップCPがシリンダーCに嵌め込まれることによって、ライナー10とブラダ20とから構成されるアキュムレーターが、大径部分C2内に固定される。この状態では、上述した摩擦力Fが先端掴持部22に作用していないため、4つの先端フランジ片12Bの各々は、径方向の内側に殆ど撓むことなく、先端掴持部22の略全体を大径部分C2の内周面に向けて押圧することになる。それゆえに、先端フランジ部12と大径部分C2との間のシール性が、ブラダ20によって確保されるようになる。
【0037】
また、基端フランジ部13と大径部分C2との間のシール性も、上述したブラダ20によって確保されるようになる。このようにして、先端フランジ部12と大径部分C2との間、及び基端フランジ部13と大径部分C2との間がシールされることによって、ライナー10の外周面とシリンダーCの内周面との間に形成された環状空間が、上述したブラダ20によって二層の環状に分割される。
【0038】
具体的には、スリーブ部11、基端フランジ部13、複数の先端フランジ片12B、及びブラダ20によって、流体室となる第三空間S3が区画される。この第三空間S3に対しては、第三空間S3とアキュムレーターの外側とを連通する流路が、互いに隣り合う先端フランジ片12Bの隙間であるスリット12Sによって構成されている。また、大径部分C2、基端フランジ部13、複数の先端フランジ片12B、及びブラダ20によって、空気室となる第四空間S4が区画される。この第四空間に対しては、大径部分C2に形成された連通孔CHを介して、シリンダーCの外側が連通するようになる。
【0039】
そして、このようにして組み立てられたダンパーにて、ピストンロッドRがシリンダーC内に押し込まれると、シリコンオイルの流体抵抗によって、ピストンロッドRが制動される。この際、シリンダーC内のシリコンオイルの一部が、上述したスリット12Sを介して第三空間S3に流入し、第三空間S3が大きくなることによって、小径部分C1内における容積の変化がアキュムレーターに吸収される。また、ピストンロッドRがシリンダーC内から引き出されると、これもまたシリコンオイルの流体抵抗によって、ピストンロッドRが制動される。そして、シリンダーC内のシリコンオイルの一部が、上述したスリット12Sを介して第三空間S3から流出し、第三空間S3が小さくなることによって、小径部分C1内における容積の変化がアキュムレーターに吸収される。
【0040】
以上、第1実施形態によれば、以下列記するような効果が得られるようになる。
(1)ライナー10の先端には、ブラダ20の先端部をシリンダーCに押圧する複数の先端フランジ片12Bが周方向の全体に形成され、且つ複数の先端フランジ片12Bの各々が、基端で支持された片持ち梁状に形成されている。このような構成によれば、上述した摩擦力Fが、複数の先端フランジ片12Bを撓ませる力に変換されることとなる。そして、複数の先端フランジ片12Bの各々が径方向の内側に撓むことによって、ライナー10における先端部の外径が縮小するため、上述した摩擦力Fがブラダ20の先端部を基端側へずらす力として作用すること、それを抑えることが可能である。
【0041】
また、上述のように、ブラダ20が摩擦力Fによってずれることを抑えることが可能であるため、ダンパーの組み立て時におけるブラダ20の捲れの発生が抑えられる。それゆえに、歩留まりを改善してコストダウンを図ることも可能である。
【0042】
(2)第三空間S3とアキュムレーターの外側とを連通する流路が、互いに隣り合う先端フランジ片12Bの隙間であるスリット12Sによって構成されるため、このような流路が別途ライナー10に形成される構成と比較して、その構成を簡単にすることが可能である。
【0043】
(第2実施形態)
以下、本発明のダンパーを具体化した第2実施形態について、図5〜図8を参照して説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態とはアキュムレーターの構成が異なる。そのため、以下では、アキュムレーターの構成について主に説明する。なお、第1実施形態と同じ箇所については、本実施形態においても同じ番号を付して説明する。
【0044】
図5に示されるように、アキュムレーターを構成するライナー10とブラダ20とにおいては、ピストンロッドRの軸方向にて、ブラダ20の幅がライナー10の幅よりも短くなるように、これらライナー10とブラダ20とが形成されている。そして、ブラダ20は、先端フランジ部12の外周面における先端と、基端フランジ部13の外周面における基端とが露出するように、ライナー10に巻装されている。
【0045】
図6(a)に示されるように、先端フランジ部12を構成する4つの先端フランジ片12Bの各々の外周面には、周方向の全体にわたる先端掛止溝12Gが凹設されている。図6(b)に示されるように、先端フランジ部12においては、上記先端掛止溝12Gに対する先端側の外径が、該先端掛止溝12Gに対する基端側の外径よりもブラダ20の厚さDだけ大きい。また、この先端掛止溝12Gのうち、ピストンロッドRの軸方向の両側を挟む一対の溝側壁では、その形状が互いに異なる。具体的には、上述した一対の溝側壁のうち、基端側の溝側壁は、ピストンロッドRの軸方向と直交する一方、先端側の溝側壁は、溝底面から溝開口に向けて基端側に傾くようなテーパ状に形成されている。
【0046】
なお、先端フランジ部12と基端フランジ部13とは、撓曲孔12Hと嵌合孔13Hとの構造が互いに異なり、また、スリット12Sの有無が互いに異なるものの、それ以外の構成については、ピストンロッドRの軸方向と直交する面に対して対称である。そして、基端フランジ部13には、上述した先端掛止溝12Gと同じように、基端フランジ部13の周方向の全体にわたり、基端掛止溝13Gが凹設されている。
【0047】
図7(a)に示されるように、ブラダ20の先端掴持部22における外周面には、径方向の外側に突出する突条である先端封止凸部22Tが、先端掴持部22の周方向の全体にわたり凸設されている。先端封止凸部22Tの外表面は、ピストンロッドRの軸方向を含む断面にて円弧状に形成され、また、ピストンロッドRの軸方向における先端掴持部22の先端よりも若干基端側となる部位に配設されている。
【0048】
また、図7(b)に示されるように、先端掴持部22における先端側の開口部では、該開口部の周方向の全体にわたる先端開口縁22Eが、ピストンロッドRにおける径方向の内側へ折り曲げられている。先端開口縁22Eのうち、ピストンロッドRの軸方向の両側を挟む一対の端面では、その形状が互いに異なる。具体的には、上述した一対の端面のうち、基端側の端面は、ピストンロッドRの軸方向と直交する一方、先端側の端面は、外表面から開口縁に向けて基端側に傾くようなテーパ状に形成されている。
【0049】
なお、先端掴持部22と基端掴持部23とは、ピストンロッドRの軸方向と直行する面に対して対称である。すなわち、基端掴持部23における基端側の開口部では、上述した先端開口縁22E、及び先端封止凸部22Tと同じように、該開口部の周方向の全体にわたる基端開口縁23E、及び基端封止凸部23Tが、ピストンロッドRにおける径方向の内側へ折り曲げられている。
【0050】
次に、上述した構成のアキュムレーターを構成部品として内蔵するダンパーの作用のうち、特に、シリンダーC内に該アキュムレーターが組み込まれる際の作用を説明する。
上述した構造からなる先端フランジ部12と先端掴持部22とによれば、図8に示されるように、先端開口縁22Eが先端フランジ部12の先端掛止溝12Gに掛け止めされる。そして、先端開口縁22Eにて軸方向の両側を挟む一対の端面が、同じく先端掛止溝12Gにて軸方向の両側を挟む一対の端面と密着するようになる。これによって、先端フランジ部12と先端掴持部22との接触する面積が大きくなる結果、先端フランジ部12の掴持される力が強められて、先端掴持部22が捲れることをさらに抑制することが可能となる。なお、基端フランジ部13においても同様に、基端フランジ部13の掴持される力が強められる。
【0051】
また、先端掛止溝12Gに対する先端側の外径が、該先端掛止溝12Gに対する基端側の外径よりもブラダ20の厚さDだけ大きいため、先端掴持部22のうち、先端封止凸部22T以外の外表面と、先端フランジ部12のうち、先端側の外表面とが、略面一となる。それゆえに、シリンダーC内にライナー10が組み込まれる際には、ピストンロッドRの軸方向において先端掴持部22の先端が、大径部分C2の内周面CSと干渉し難くすること、ひいては、こうした干渉に起因する先端掴持部22の捲れを抑えることが可能である。
【0052】
また、先端掴持部22の外周面には、径方向に突出する先端封止凸部22Tが凸設されているため、上述したアキュムレーターが大径部分C2内に挿入される際には、先端掴持部22のうち、この先端封止凸部22Tが、主に大径部分C2の内周面CSと摺接するようになる。それゆえに、先端掴持部22のうち、上述した摩擦力Fの作用する領域が、先端封止凸部22Tのみとなる結果、摩擦力Fに起因する先端掴持部22の捲れが、さらに抑えられることとなる。
【0053】
ちなみに、ピストンロッドRの軸方向において、上述した先端掛止溝12Gは、先端フランジ部12における外周面のうち、撓曲孔12Hの開口よりも同撓曲孔12Hの底面に近い部位に形成されている。このような構成によれば、先端フランジ片12Bのうち、先端掛止溝12Gに対する先端側も片持ち梁状となる。そして、こうした片持ち梁構造の支点と先端掛止溝12Gの溝底部とが重なることになる。換言すると、上記片持ち梁構造が、先端掛止溝12Gの溝底部を節とする連節構造となるように構成される。その結果、先端フランジ片12Bの先端部分が外力を受けた場合には、先端フランジ片12Bとスリーブ部11との連結箇所を固定端として撓むとともに、先端フランジ片12Bが先端掛止溝12Gの溝底部を支点として撓むようにもなる。それゆえに、先端フランジ片12Bの先端部分が外力を受けてピストンロッドRの径方向の内側方向に大きく撓んだ場合であっても、先端掛止溝12Gに掛け止めされる先端開口縁22Eの量が過剰に少なくなることを抑えること可能となる。
【0054】
以上、第2実施形態によれば、以下列記するような効果が得られるようになる。
(3)4つの先端フランジ片12Bの各々が有する先端掛止溝12Gにブラダ20の先端開口縁22Eが掛け止めされる。それゆえに、上述した摩擦力Fによるブラダ20の位置ずれをより発生し難くすることが可能である。また、ダンパーの組み立て時におけるブラダ20の捲れの発生が抑えられる。それゆえに、歩留まりを改善してコストダウンを図ることも可能である。
【0055】
(4)先端掛止溝12Gに対する先端側の外径は、先端掛止溝12Gに対する基端側の外径よりもブラダ20の厚さDだけ大きくなるように形成されている。そのため、ブラダ20における先端開口縁22Eでは、その外表面が先端掛止溝12Gの溝側壁によって覆われることとなる。その結果、こうした屈曲部位の外表面が大径部分C2の内周面CSに接触し難くなる分、ブラダ20の位置ずれをより発生し難くすることが可能でもある。また、ダンパーの組み立て時におけるブラダ20の捲れの発生がさらに抑えられる。それゆえに、歩留まりをさらに改善してコストダウンを図ることも可能である。
【0056】
(5)アキュムレーターにおける先端側では、大径部分C2の内周面CSに対して先端封止凸部22Tが優先的に接触し、こうした先端封止凸部22Tと内周面CSとの接触によって、流体室が区画されるようになる。この際、先端封止凸部22Tと該先端封止凸部22T以外の部位とが大径部分C2の内周面CSに接触する場合と比較して、ブラダ20とシリンダーCとの接触する面積が抑えられることとなる。それゆえに、ブラダ20の先端部に対して該先端部を基端側へずらすような摩擦力Fの作用をより抑えることが可能である。また、ダンパーの組み立て時におけるブラダ20の捲れの発生がさらに抑えられる。それゆえに、歩留まりをさらに改善してコストダウンを図ることも可能である。
【0057】
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・第1実施形態では、先端掴持部22の外周面が、第2実施形態における先端封止凸部22Tを有する構成であってもよく、また、基端掴持部23の外周面が、同じく、第2実施形態における基端封止凸部23Tを有する構成であってもよい。
【0058】
・二つ以上の先端封止凸部22Tが、先端掴持部22の外周面に形成される構成であってもよい。
・先端掛止溝12Gに対する先端側の外径と、該先端掛止溝12Gに対する基端側の外径との差が、ブラダ20の厚さDより小さくてもよい。あるいは、上記先端掛止溝12Gに対する先端側の外径と、該先端掛止溝12Gに対する基端側の外径との差が、ブラダ20の厚さDより大きくてもよく、先端フランジ部12の外周面のうち、大径部分C2の内周面CSに対し先端封止凸部22Tが優先的に接触する構成であればよい。
【0059】
・先端フランジ部12の外周面うち、先端掛止溝12Gの位置は、ピストンロッドRの軸方向において、撓曲孔12Hの開口寄りであってもよい。
・先端掛止溝12GにてピストンロッドRの軸方向を挟む両側面は、それぞれピストンロッドRの軸方向と直行する平面であってもよく、要は、先端掴持部22の先端開口縁22Eが掛止される形状であればよい。
【0060】
・二つ以上の先端掛止溝12Gが、先端フランジ部12の外周面に形成される構成であってもよい。なお、この際、先端掴持部22の内周面には、先端掛止溝12Gと対向する部位に、径方向の内側に向けて突出する二つ以上の凸部が凸設され、これら二つ以上の凸部が、上述した先端掛止溝12Gに嵌め込まれる構成が好ましい。
【0061】
・流体室である第三空間S3とアキュムレーターの外側とを連通する流路は、先端フランジ片12Bに穿設される構成であってもよい。
・先端フランジ部12を構成する先端フランジ片12Bの数量は、二つ、あるいは三つであってもよく、さらには、五つ以上であってもよい。また、複数の先端フランジ片12Bは、スリーブ部11の先端にて周方向に等配されない構成であってもよい。
【符号の説明】
【0062】
C…シリンダー、C1…小径部分、C2…大径部分、CH…連通孔、CP…キャップ、CS…内周面、D…厚さ、F…摩擦力、P…ピストン、PH…絞り、52H…流路、R…ピストンロッド、S1…第一空間、S2…第二空間、S3…第三空間、S4…第四空間、SR…シールリング、10,50…ライナー、10H…ロッド貫挿孔、11,51…スリーブ部、12,52…先端フランジ部、12B…先端フランジ片、12G…先端掛止溝、12H…撓曲孔、12S…スリット、13,53…基端フランジ部、13G…基端掛止溝、13H…嵌合孔、20,60…ブラダ、21…伸縮部、22…先端掴持部、22E…先端開口縁、22T…先端封止凸部、23…基端掴持部、23E…基端開口縁、23T…基端封止凸部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストンロッドが貫挿されるキャップが基端に嵌め込まれたシリンダーと、該シリンダー内に収容されて前記ピストンロッドと同心の環状をなすアキュムレーターとを備え、
前記アキュムレーターが、
前記ピストンロッドに外嵌された糸巻き状の筒体であるライナーと、
前記ライナーと前記シリンダーとの間に挟入され、前記ライナーの外周面と前記シリンダーの内周面との間の環状空間に容積の可変な流体室を区画する筒状のブラダとを備え、
前記流体室に流体を流入及び流出させて前記シリンダー内で流体を流通させるとともに、該流体の流体抵抗によって前記ピストンロッドを制動するダンパーであって、
前記ライナーの先端には、
前記ブラダの先端部を前記シリンダーに押圧する複数の先端フランジ片が、該先端フランジ片の基端部にて支持される片持ち梁状に該ライナーの周方向に配列されている
ことを特徴とするダンパー。
【請求項2】
前記ライナーが、前記ピストンロッドに外嵌されたスリーブ部を有し、
前記スリーブ部の基端には、前記ブラダの基端部を前記シリンダーに押圧する基端フランジ部が形成され、
前記流体室は、前記スリーブ部と、前記基端フランジ部と、前記複数の先端フランジ片と、前記ブラダとによって区画され、
前記アキュムレーターの外側と前記流体室とが、互いに隣り合う前記先端フランジ片の隙間を介して連通する
請求項1に記載のダンパー。
【請求項3】
前記複数の先端フランジ片の各々が、前記周方向に延びる掛止溝を有し、
前記ブラダにおける先端側の開口部が、該ブラダの径方向の内側に折り曲げられて前記掛止溝に掛け止めされている
請求項1又は2に記載のダンパー。
【請求項4】
前記先端フランジ片では、前記掛止溝に対する先端側の外径が、該掛止溝に対する基端側の外径よりも前記ブラダの厚さだけ大きい
請求項3に記載のダンパー。
【請求項5】
前記ブラダの外周面には、前記先端側の開口縁よりも基端側に、前記周方向に延びる突条が形成され、
前記突条は、前記掛止溝の先端側の外周面よりも径方向の外側に突出している
請求項3又は4に記載のダンパー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−172754(P2012−172754A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35022(P2011−35022)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】