説明

ダンプトラック

【課題】荷台に働く慣性力のうち少なくとも前方向の慣性力をヒンジピン以外の部材で支持することができるようにする。
【解決手段】本発明は、フレーム(2)と、このフレーム(2)の後部に配置されたヒンジピン(4)と、このヒンジピン(4)を介してフレーム(2)に回動自在に取り付けられた荷台(1)とを備えたダンプトラックにおいて、フレーム(2)に着座した状態の荷台(1)の前面部(12)と当接して、荷台(1)に働く前方向の慣性力を支持するためのフロント用ストッパ構造(Sf)をフレーム(2)に設けた構成となっており、このフロント用ストッパ構造は、荷台の前面部と当接するフロント用当接板が4節リンク機構(10)によって回動する構成を成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土砂等の運搬対象物を運搬するダンプトラックに関し、特に、荷台とフレームを連結するヒンジピンに作用する荷重を低減するための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械用の大型のダンプトラックは、図18に示すように、本体となるフレーム2と、土砂等を積み込むための荷台1とを備えており、フレーム2と荷台1はホイストシリンダ3とヒンジピン4で連結されている。そして、ホイストシリンダ3を伸縮動作させると、荷台1がフレーム2に対してヒンジピン4を支点に上下方向に回動するようになっている。
【0003】
ダンプトラックを発進および停止させると、その際に発生する前後方向の加速度によって、荷台には加速度の向きと逆向きの慣性力が働くこととなる。また、フレームと荷台の接触面は前方に下り傾斜しているため、荷台は重力によって常に前方に引っ張られた状態となっている。さらに、ダンプトラックが旋回する際は、荷台には遠心力(慣性力)が働くこととなる。
【0004】
従来のダンプトラックでは、荷台に働く慣性力の殆どをヒンジピンで支持している。そのため、ヒンジピンに過大な荷重が作用することとなり、ダンプトラックの長期間使用により、ヒンジピンが挿入されるフレーム側連結穴やその周囲の部材(例えば、荷台の底面のうち、ヒンジピンが取り付けられる箇所とその周辺の部分など)に不具合が生じる可能性がある。このような不具合を防止するためには、ヒンジピンに掛かる荷重を小さくすることが重要である。
【0005】
ところで、ダンプトラックは、荷台に積まれた土砂等を下ろす作業を行っている時間よりも走行している時間の方が長く、この走行中にダンプトラックに働く慣性力は、旋回時による左右方向のもの、加速時による後方向のものよりも、減速時による前方向のものが最も大きいことが一般に知られている。さらに、ダンプトラックの場合、前述の通りフレームが後方から前方に向かって下り傾斜するような形状を成しているので、ヒンジピンには常に荷台の重力により前方向への荷重が掛かっている状態である。従って、ヒンジピンに作用する荷重は前方向のものが最大であり、このヒンジピンに作用する荷重を小さくするためには、荷台に働く前方向の慣性力を如何にヒンジピン以外の部分で支持するかが肝要であると言える。
【0006】
ここで、荷台の底面には、通常、ゴム等の弾性材料からなるパッド(図18の符号6参照)が取り付けられている。このパッドは、荷台が走行中に振動するのを防止したり、荷台に土砂を積み込む際のフレームに対する衝撃を吸収したりするために設けられているものであるが、荷台がフレームに着座しているときには、パッドとフレームとの間に摩擦力が発生する。この摩擦力によって、荷台に働く前方向へ慣性力を若干ではあるが支持することは可能である。
【0007】
また、荷台の前方下部には、下方に突出する形状のガイド(図18の符号5a参照)が、ダンプトラックの正面側から見て左右に2つ設けられている。また、フレームには、2つのガイドのそれぞれと当接するガイド当て(図18の符号5b参照)が2箇所設けられている。この構成により、荷台がフレームに着座する倒伏姿勢の時には、ガイドがガイド当てと対面した状態となる。そして、例えば旋回走行中において、荷台がフレームに対して左右方向(鉛直方向を軸にして回転する方向)に移動した場合には、ガイドがガイド当てに当接することによって、荷台が左右方向に移動することが制限される。よって、このガイドとガイド当ての構成により、ある程度は荷台に働く遠心力を支持することはできるため、ヒンジピンに掛かる左右方向の荷重を低減することはできる。
【0008】
さらには、特許文献1に示すような荷台の着座装置などもこれまでに考案されている。これは荷台前端を車体左右方向に傾斜した着座装置で受け、フレームに対して荷台が左右方向へ移動することを抑えるものである。この特許文献1によっても、荷台に作用する遠心力を支持できるので、ヒンジピンに掛かる左右方向の荷重を低減することはできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−176251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、パッドを荷台の底面に設けた上記従来の公知技術では、走行時の振動によって摩擦力が弱まってしまう現象がこれまでに確認されている。また、フレームに土砂などが降りかかると、パッドとフレームの間の摩擦力が低減してしまうという現象も確認されている。従って、この従来技術では、長期間に亘ってヒンジピンに掛かる前方向の荷重を低減することはできない。
【0011】
また、荷台の下方にガイドを設けた上記従来の公知技術では、荷台に働く前後方向の慣性力は依然としてヒンジピンによって支持しなければならないため、ヒンジピンに掛かる前方向の荷重を低減することはできない。
【0012】
さらに、特許文献1に示す着座装置においても、荷台に働く前後方向の慣性力を支持しているのはヒンジピンである。よって、特許文献1を用いたとしても、ヒンジピンに掛かる前方向の荷重を低減することはできない。
【0013】
このように、いずれの上記従来の技術を用いても、荷台に働く前後方向の慣性力の殆どをヒンジピンで支持しているので、ヒンジピンに掛かる前方向の荷重を低減することはできないといった課題に直面しているのが実情である。
【0014】
本発明は、上記した実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、荷台に働く慣性力のうち少なくとも前方向の慣性力をヒンジピン以外の部材で支持することにより、ヒンジピンに掛かる前方向の荷重を低減することができるダンプトラックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明は、フレームと、このフレームの後部に配置されたヒンジピンと、このヒンジピンを介して前記フレームに回動自在に取り付けられた荷台とを備えたダンプトラックにおいて、前記フレームに着座した状態の前記荷台の前面部と当接して、前記荷台に働く前方向の慣性力を支持するためのフロント用ストッパ構造を前記フレームに設け、前記フロント用ストッパ構造は、前記フレームに設置されるフロント用基台と、前記荷台の前面部と当接するフロント用当接板と、基端側が前記フロント用基台と第1ピンにより回動可能に結合され、先端側が前記フロント用当接板と第2ピンにより回動可能に結合された第1リンク部材と、この第1リンク部材より後側に位置し、基端側が前記フロント用基台と第3ピンにより回動可能に結合され、先端側が前記フロント用当接板と第4ピンにより回動可能に結合された第2リンク部材と、この第2リンク部材を、前記第3ピンを中心として前記荷台が前記フレームに着座する方向に抗する方向に付勢するフロント用付勢部材とを備え、前記荷台の回動位置が、前記荷台の回動途中にある第1の位置から前記荷台が前記フレームと着座する第2の位置までの範囲にあるときに、前記フロント用当接板は、前記荷台の前面部と当接した状態で前記荷台の回動に従動することを特徴としている。
【0016】
本発明によれば、荷台に働く前方向の慣性力をフロント用ストッパ構造とヒンジピンの両方で支持できるため、ヒンジピンに掛かる前方向の荷重を低減できる。よって、ダンプトラックの長期間使用により、ヒンジピンが挿入されるフレーム側連結穴やその周囲の部材(例えば、荷台の底面のうち、ヒンジピンが取り付けられる箇所とその周辺の部分など)に不具合が生じる可能性は低減する。また、荷台とフレームとの連結部(ヒンジピンが挿入されるフレーム側連結穴が設けられたブラケットなど)とその周囲の部材の構造の長寿命化および軽量化が可能となる。
【0017】
また、本発明では、フロント用付勢部材が、第3ピンを中心として荷台がフレームに着座する方向に抗する方向に第2リンク部材を付勢する構成となっているので、フロント用当接板は、荷台の前面部と当接した状態で荷台の回動に従動することができる。つまり、ダンプトラックの長期間の使用により荷台にガタつきが生じたとしても、フロント用付勢部材によって、荷台が第1の位置から第2の位置に回動している間のフロント用当接板と荷台の前面部との当接状態は良好に保たれることとなる。
【0018】
また、本発明は、上記構成において、前記フロント用ストッパ構造は、前記荷台が前記第1の位置にあるときには、前記第2ピンと前記第4ピンは共に前記第3ピンより高い位置にあり、前記荷台が前記第2の位置にあるときには、前記第2ピンは前記第3ピンより高い位置、かつ、前記第4ピンは前記第3ピンより低い位置となるように構成されると共に、前記荷台が前記第2の位置にある状態において、前記第2ピンと前記第3ピンと前記第4ピンのそれぞれの中心を結んで形成された三角形のうち、前記第2ピンと前記第4ピンを結んだ辺と前記第3ピンと前記第4ピンを結んだ辺とで形成される内角が鋭角となるように構成されることを特徴としている。
【0019】
この構成によれば、荷台が第2の位置にあるときには、第2ピンは第3ピンより高い位置、かつ、第4ピンは第3ピンより低い位置となって、フロント用当接板が起立した状態となる(図7参照)。しかも、その状態で、第2ピンと第3ピンと第4ピンのそれぞれの中心を結んで形成された三角形のうち、第2ピンと第4ピンを結んだ辺と第3ピンと第4ピンを結んだ辺とで形成される内角(図8の角度α参照)が鋭角となっている。よって、荷台が第2の位置から第1の位置の方向に多少動いたとしても、フロント用当接板が直ちに回動する動作(図7においてA方向へ回動する動作)を困難にすることができる。言い方を換えると、一旦荷台がフレームに着座すると、荷台が多少上下に揺れたとしても、荷台がフレームに着座したときのフロント当接板の姿勢が崩れ難くなる。よって、例えばダンプトラックが凹凸のある路面を走行中に荷台がフレームから上下に多少揺れたとしても、フロント用当接板は姿勢を殆ど崩すことなく、荷台に作用する前方向の慣性力をしっかりと支持することができる。
【0020】
なお、第2ピンと第3ピンと第4ピンとがほぼ一直線上に並ぶことによって、第2ピンと第4ピンを結んだ辺と第3ピンと第4ピンを結んだ辺とで形成される内角(図8の角度α参照)がほぼ零度になる構成とするのが望ましい。荷台が多少上下に揺れたとしても、荷台がフレームに着座したときのフロント当接板の姿勢がより一層崩れ難くなるからである。
【0021】
また、本発明では、あらゆるフロント用付勢部材を適用することができるが、安価で構成が簡単であるという理由から、以下の構成を適用するのが好ましい。
【0022】
即ち、上記構成において、前記フロント用付勢部材は、捩じりバネであり、当該捩じりバネは、その一端が前記フロント用基台に設けられたホルダに保持され、他端が前記第4ピンと当接した状態で前記第3ピンに巻き掛けられる構成とするのが好ましい。
【0023】
また、上記構成において、前記フロント用付勢部材は、捩じりバネであり、当該捩じりバネは、その一端が前記第3ピンと当接し、他端が前記フロント用当接板と当接した状態で前記第4ピンに巻き掛けられる構成とするのが好ましい。
【0024】
また、上記構成において、前記フロント用付勢部材は、引きバネであり、当該引きバネは、その一端が前記フロント用基台に保持され、他端が前記第2リンク部材の前記第3ピンが挿入される側の端部のうち前記第3ピンが挿入される位置から前記第4ピンが挿入される位置と反対側の位置に保持される構成とするのが好ましい。
【0025】
また、上記構成において、前記フロント用付勢部材は、押しバネであり、当該押しバネは、一端が前記フロント用基台に保持され、他端が前記第2リンク部材のうち前記第3ピンが挿入される位置と前記第4ピンが挿入される位置の間の位置に保持される構成とするのが好ましい。
【0026】
また、上記構成において、前記フロント用付勢部材として、シリンダと、当該シリンダ内に封入された圧縮ガスにより伸縮するロッドとを有するガススプリングを採用することもできる。この場合、前記シリンダの後端部を前記フロント用基台に取り付け、前記ロッドの先端部を前記第2リンク部材のうち前記第3ピンが挿入される位置と前記第4ピンが挿入される位置の間の位置に取り付けるようにして、前記ガススプリングを前記フロント用ストッパ構造に装着するようにすれば良い。
【0027】
また、前記シリンダの後端部を前記フロント用当接板に取り付け、前記ロッドの先端部を前記第2リンク部材の前記第3ピンが挿入される側の端部のうち前記第3ピンが挿入される位置から前記第4ピンが挿入される位置と反対側の位置に取り付けるようにして、前記ガススプリングを前記フロント用ストッパ構造に装着するようにしても良い。
【0028】
また、前記シリンダの後端部を前記フロント用基台に取り付け、前記ロッドの先端部を前記フロント用当接板に取り付けるようにして、前記ガススプリングを前記フロント用ストッパ構造に装着するようにしても良い。
【0029】
また、本発明は、上記構成において、前記フロント用ストッパ構造は、ダンプトラックの正面側から見て左右方向に間隔を空けて複数設けられ、前記複数のフロント用ストッパ構造は、それぞれの前記フロント用当接板のうち前記荷台の前面部と当接する面に直交する方向が前記フレームの前後方向と上面視で平行となる向きに設置されていることを特徴としている。
【0030】
この構成によれば、複数のフロント用ストッパ構造で荷台に働く前方向の慣性力を支持できるため、ヒンジピンに掛かる前方向の荷重をより一層低く抑えることができる。しかも、フロント用ストッパ構造を複数設けているため、例えば1つのフロント用ストッパ構造が故障して荷台に働く前方向の慣性力を支持できない状態になったとしても、残りのフロント用ストッパ構造で荷台に働く前方向の慣性力を支持することができるので、ヒンジピンが挿入されるフレーム側連結穴やその周囲の部材に不具合が生じる可能性は少ない。
【0031】
また、本発明は、上記構成において、前記フロント用ストッパ構造は、ダンプトラックの正面側から見て左右方向に間隔を空けて複数設けられ、前記複数のフロント用ストッパ構造は、それぞれの前記フロント用当接板のうち前記荷台の前面部と当接する面に直交する方向が前記フレームの前後方向と上面視で交差する向きに設置されていることを特徴としている。
【0032】
この構成によっても、複数のフロント用ストッパ構造で荷台に働く前方向の慣性力を支持できるため、ヒンジピンに掛かる前方向の荷重をより一層低く抑えることができる。しかも、フロント用ストッパ構造を複数設けているため、例えば1つのフロント用ストッパ構造が故障して荷台に働く前方向の慣性力を支持できない状態になったとしても、残りのフロント用ストッパ構造で荷台に働く前方向の慣性力を支持することができるので、ヒンジピンが挿入されるフレーム側連結穴やその周囲の部材に不具合が生じる可能性は少ない。さらに、この構成では、フロント用当接板のうち荷台の前面部と当接する面に直交する方向がフレームの前後方向と上面視で交差する向きにフロント用ストッパ構造が設置されているため、荷台に働く横方向の慣性力も支持できる。
【発明の効果】
【0033】
このように、本発明によれば、ダンプトラックの荷台に働く慣性力をストッパ構造によって支持することができるので、ヒンジピンに掛かる荷重(特に、前方向の荷重)を低減することができる。よって、不具合が生じることなく、ダンプトラックを長期間に亘って使用することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1の実施の形態例に係るダンプトラックの側面図である。
【図2】図1に示すフロント用ストッパ構造の詳細を示す正面図である。
【図3】図2に示すフロント用ストッパ構造のA−A断面図である。
【図4】図1に示すダンプトラックの要部を拡大した側面図であり、荷台が起立姿勢にある状態を示した図である。
【図5】図1に示すダンプトラックの要部を拡大した側面図であり、荷台が回動途中の第1の位置にある状態を示した図である。
【図6】図1に示すダンプトラックの要部を拡大した側面図であり、荷台がフレームに着座した第2の位置にある状態を示した図である。
【図7】荷台がフレームに着座した第2の位置にある状態におけるフロント用ストッパ構造を図2に示すA−A線で切断した断面を示した図である。
【図8】図7に示すフロント用ストッパ構造の要部を拡大した要部拡大図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態例に係るダンプトラックのストッパ構造の配置を説明するための図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態例に係るダンプトラックのストッパ構造の配置を説明するための図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態例に係るダンプトラックのストッパ構造の配置を説明するための図である。
【図12】本発明の実施の形態例に係るダンプトラックの変形例1に係るストッパ構造の詳細を示す図であり、(a)は、荷台が起立姿勢にある状態におけるストッパ構造の側断面図であり、(b)は、荷台がフレームに着座した状態におけるストッパ構造の側断面図である。
【図13】本発明の実施の形態例に係るダンプトラックの変形例2に係るストッパ構造の詳細を示す図であり、(a)は、荷台が起立姿勢にある状態におけるストッパ構造の側断面図であり、(b)は、荷台がフレームに着座した状態におけるストッパ構造の側断面図である。
【図14】本発明の実施の形態例に係るダンプトラックの変形例3に係るストッパ構造の詳細を示す図であり、(a)は、荷台が起立姿勢にある状態におけるストッパ構造の側断面図であり、(b)は、荷台がフレームに着座した状態におけるストッパ構造の側断面図である。
【図15】本発明の実施の形態例に係るダンプトラックの変形例4に係るストッパ構造の詳細を示す図であり、(a)は、荷台が起立姿勢にある状態におけるストッパ構造の側断面図であり、(b)は、荷台がフレームに着座した状態におけるストッパ構造の側断面図である。
【図16】本発明の実施の形態例に係るダンプトラックの変形例5に係るストッパ構造の詳細を示す図であり、(a)は、荷台が起立姿勢にある状態におけるストッパ構造の側断面図であり、(b)は、荷台がフレームに着座した状態におけるストッパ構造の側断面図である。
【図17】本発明の実施の形態例に係るダンプトラックの変形例6に係るストッパ構造の詳細を示す図であり、(a)は、荷台が起立姿勢にある状態におけるストッパ構造の側断面図であり、(b)は、荷台がフレームに着座した状態におけるストッパ構造の側断面図である。
【図18】従来例に係るダンプトラックの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の第1の実施の形態例について図面を参照して説明する。本発明の第1の実施の形態例に係るダンプトラックは、図1に示すように、本体を形成するフレーム2と、このフレーム2の前側位置に配置される運転室30と、前輪31及び後輪32と、フレーム2の後方部分に設けられたヒンジピン4を回動中心として上下方向に回動可能な荷台1と、この荷台1を上下方向に回動させる左右一対のホイストシリンダ3とを備えて構成されている。そして、オペレータが運転室30からホイストシリンダ3を駆動すると、荷台1は、ホイストシリンダ3の伸縮動作に伴って、フレーム2に着座する倒伏姿勢と土砂などを放土する起立姿勢との間をヒンジピン4回りに回動するようになっている。なお、ヒンジピン4は、フレーム2に設けられたフレーム側連結穴(不図示)に挿通されている。
【0036】
また、図1には示していないが、荷台1にはガイド5a(図18参照)が設けられ、フレーム2にはガイド5aと当接するガイド当て5b(図18参照)が設けられている。荷台1がフレーム2に着座した倒伏姿勢の状態で、荷台1が鉛直方向を軸として回転した(別言すれば、ダンプトラックの正面から見て左右方向に移動した)際には、ガイド5aがガイド当て5bに当接することにより荷台1の左右方向への移動は防止される。
【0037】
荷台1の前面部のうち下部には、ゴム系材料から成るストッパパッド12が設けられている。また、荷台1の底面には、フレーム2に着座したときの衝撃を緩和するためのパッド6が複数個取り付けられている。このパッド6はゴム系材料から成り、方形の板状に形成されている。パッド6とフレーム2との間の摩擦力により、荷台1がフレーム2上に安定した姿勢で着座できるようになっている。
【0038】
次に、フロント用ストッパ構造Sfについて説明する。フロント用ストッパ構造Sfは、フレーム2上に1つ設けられており、その設置位置は、荷台1の前面部よりやや前方の位置である。そして、荷台1がフレーム2に着座した状態では、荷台1のストッパパッド12とフロント用ストッパ構造Sfとは当接した状態となる(詳しくは後述する)。
【0039】
このフロント用ストッパ構造Sfは、図1〜図3に示すように、ベース板19、ストッパブラケット8およびストッパブラケット9を有するフロント用基台と、荷台1の前面部に設けられたストッパパッド12と当接するストッパプレート(フロント用当接板)7と、基端側(下端側)がストッパブラケット(フロント用基台)8とロアピン(第1ピン)16により回動可能に結合され、先端側(上端側)がストッパプレート7と上側アッパピン(第2ピン)17により回動可能に結合された大アジャスタリンク(第1リンク部材)10と、この大アジャスタリンク10より後側(図3における右側)に位置し、基端側(下端側)がストッパブラケット(フロント用基台)9とスプリングピン(第3ピン)14により回動可能に結合され、先端側(上端側)がストッパプレート7と下側アッパピン(第4ピン)18により回動可能に結合された小アジャスタリンク(第2リンク部材)11と、小アジャスタリンク11を、スプリングピン14を中心として荷台1がフレーム2に着座する方向(C方向)に抗する方向(A方向)に付勢するスプリング(フロント用付勢部材)13とを備えて構成されている。
【0040】
本実施形態のフロント用基台は、ベース板19の前側に一対のストッパブラケット8を設けると共に、ベース板19の後側に一対のストッパブラケット9を設けて構成されており、このベース板19がフレーム2上に設置される部分である。ストッパプレート7は方形の板状に形成されており、表面がストッパパッド12と当接する当接面であり、裏面側に上側アッパピン17および下側アッパピン18が取り付けられている。大アジャスタリンク10は、図2に示すように左右一対のアーム状の部材から成っており、小アジャスタリンク11も同様に左右一対のアーム状の部材から成っている。このように、フロント用ストッパ構造Sfは、大アジャスタリンク10、小アジャスタリンク11およびストッパプレート7が4つのピン14、16、17、18を介して回動する4節リンク機構を備えて成るものである。
【0041】
また、スプリング13は、スプリングピン14に巻き掛けられた捩じりバネであり、このスプリング13の一端は、ベース板(フロント用基台)19に設けられたホルダ15に保持され、他端は下側アッパピン18と当接している。よって、小アジャスタリンク11は、スプリング13により常にスプリングピン14を中心としてA方向に付勢されることとなる。つまり、荷台1がフレーム2から起立した姿勢(図4参照)では、ストッパプレート7は、図3に示すように表面がやや上を向いた状態に維持されることとなる。なお、この状態において、上側アッパピン17と下側アッパピン18は、共にスプリングピン14よりも高い位置にある。
【0042】
次に、フロント用ストッパ構造Sfの作用について図4〜図8を参照しながら説明する。荷台1が図4に示す起立姿勢から徐々に倒伏姿勢になるようにC方向に回動していき、図5に示す第1の位置まで荷台1が回動すると、ストッパパッド12がフロント用ストッパ構造Sfのストッパプレート7との当接を開始する。このとき、ストッパプレート7は図3に示すように、スプリング13でA方向に付勢された状態となっている。荷台1が図5に示す第1の位置からさらにC方向に回動すると、ストッパプレート7は、スプリング13によってストッパパッド12と当接した状態を保持しながら、荷台1のC方向への回動に伴って大アジャスタリンク10がロアピン16を中心に図中B方向に受動的に回動し、小アジャスタがスプリングピン14を中心に図中B方向に受動的に回動する。
【0043】
そして、荷台1が図6に示すようにフレーム2に着座すると、荷台1の自重(図7のL方向に掛かる荷重)によって、ストッパプレート7は、図7に示すようにスプリング13の付勢力に抗してB方向に回動して起立した状態に保持される。この状態において、上側アッパピン17はスプリングピン14より高い位置にあるが、下側アッパピン18はスプリングピン14よりも低い位置にある。つまり、荷台1の回動に伴うストッパプレート7の回動によって、上側アッパピン17、下側アッパピン18およびスプリングピン14の高さ関係が変化していくのである。そして、図6の状態において、荷台1は、フロント用ストッパ構造Sfによって前方向への移動が阻止されるようになる。
【0044】
ここで、荷台1が図6のようにフレーム2に着座した状態におけるフロント用ストッパ構造Sfの姿勢について、図8を参照しながら詳しく説明する。図8は、荷台1がフレーム2に着座した状態でのフロント用ストッパ構造Sfの姿勢を示した図7のうち、ストッパプレート7と大アジャスタリンク10とがピン結合した部分とストッパプレート7と小アジャスタリンク11とがピン結合した部分(要部)を拡大して示したものである。
【0045】
この図8に示すように、荷台1がフレーム2に着座した状態では、上側アッパピン17の中心とスプリングピン14の中心と下側アッパピン18の中心とを結んで形成された三角形(図8の二点鎖線で描かれた図形)のうち、上側アッパピン17の中心と下側アッパピン18の中心とを結んだ辺とスプリングピン14の中心と下側アッパピン18の中心を結んだ辺とで形成される内角αが鋭角となるように、フロント用ストッパ構造Sfの姿勢が保持されている。さらに、上側アッパピン17の中心とスプリングピン14の中心とを結んだ辺とスプリングピン14と下側アッパピン18とを結んだ辺とで形成される内角βが鈍角となるように、フロント用ストッパ構造Sfの姿勢が保持されている。
【0046】
いまここで、フロント用ストッパ構造Sfが図7に示す姿勢に保持されている状態にあったとして、荷台1が前記第2の位置から第1の位置の方向に多少に動いた場合、つまり、荷台1が多少上に浮き上がった場合のフロント用ストッパ構造Sfの動きについて考えてみることにする。荷台1が浮き上がると、ストッパプレート7に掛かる荷重がなくなるため、スプリング13の付勢力により、小アジャスタリンク11がスプリングピン14を中心としてA方向に回動しようとする。しかし、上側アッパピン17の中心と下側アッパピン18の中心とを結んだ辺とスプリングピン14の中心と下側アッパピン18の中心を結んだ辺とで形成される内角αが鋭角となっているため、小アジャスタリンク11のスプリングピン14を中心としたA方向への回動をスムーズに行うのは困難である。つまり、ストッパプレート7が図7に示すような起立した姿勢が直ちに崩れることは稀であると言える。
【0047】
そのため、荷台1が第2の位置から多少浮き上がったとしても、再び荷台1がフレーム2に着座したときに、ストッパパッド12にストッパプレート7を確実に当接させることができる。従って、ダンプトラックの走行中の振動等で荷台1が多少浮き上がったとしても、フロント用ストッパ構造Sfが荷台1に掛かる前方向の慣性力を確実に支持することができるのである。
【0048】
このように、第1の実施の形態例に係るダンプトラックによれば、急ブレーキ等により荷台1に前方向の慣性力が働いても、フロント用ストッパ構造Sfがその慣性力を受けているので、ヒンジピン4に大きな荷重が掛かることはない。よって、ダンプトラックを長期間使用しても、ヒンジピン4が挿入されるフレーム側連結穴やその周囲の部材に不具合が生じることは少ない。また、ストッパプレート7が上記した4節リンク機構により回動するため、荷台1にガタつきが生じても荷台1の回動にストッパプレート7が従動しながら好適な角度でストッパパッド12と当接することができる。しかも、荷台1がフレーム2に着座するまでストッパプレート7が回動した後には、荷台1が第2の位置から多少上下に動いても、ストッパパッド7の姿勢は上記した4節リンク機構によって崩れ難くなっているので、荷台1に作用する前方向の慣性力を確実に支持できるのである。
【0049】
なお、上記した第1の実施の形態例ではスプリング13は捩じりバネを採用しているが、押しバネ、引きバネ、板バネ、その他のバネに代替しても良い。また、スプリング13の構成に代えて永久磁石を用いて小アジャスタリンク11を受動的に回転動作させるようにしても良い。また、アクチュエータを設置して小アジャスタリンク11を能動的に回転させても良い。
【0050】
次に、本発明の第2の実施の形態例に係るダンプトラックについて説明するが、第1の実施の形態例に係るダンプトラックと同一構成のものについては、同一符号を付して、その説明は省略する。第2の実施の形態例に係るダンプトラックのフレーム2には、図9に示すように、フロント用ストッパ構造Sfが、ダンプトラックの正面側から見て左右方向(図9における上下方向)に間隔を空けて2つ設けられている。2つのフロント用ストッパ構造Sfは、ストッパプレート7の表面のうち荷台1のストッパパッド12と当接する面に直交する方向(図9の矢印Dの方向)がダンプトラックの前後方向(図9では左右方向)と上面視で平行となるようにストッパプレート7を後ろに向けて、それぞれ配置されている。
【0051】
この第2の実施の形態例によれば、急ブレーキ等により荷台1に前方向の慣性力が働いても、2つのフロント用ストッパ構造Sfが荷台1に作用する前方向の慣性力を支持しているので、ヒンジピン4に掛かる荷重は大幅に低減されることとなる。よって、ダンプトラックを長期間使用しても、ヒンジピン4が挿入されるフレーム側連結穴やその周囲の部材に不具合が生じることは少ない。しかも、フロント用ストッパ構造Sfが2つ設けられているので、一方のフロント用ストッパ構造Sfが故障した場合であっても、他方のフロント用ストッパ構造Sfによって荷台1に働く前方向の慣性力を支持することができる。
【0052】
次に、本発明の第3の実施の形態例に係るダンプトラックについて説明するが、第1の実施の形態例に係るダンプトラックと同一構成のものについては、同一符号を付して、その説明は省略する。第3の実施の形態例に係るダンプトラックのフレーム2には、図10に示すように、フロント用ストッパ構造Sfが、ダンプトラックの正面側から見て左右方向(図10における上下方向)に間隔を空けて2つ設けられている。2つのフロント用ストッパ構造Sfのうち一方は、ストッパプレート7の表面のうち荷台1のストッパパッド12と当接する面に直交する方向(図10の矢印E1の方向)がダンプトラックの前後方向(図10では左右方向)と上面視で交差する方向、別言すれば、ストッパプレート7の表面がダンプトラックの後方、かつ、内側の方向を向くように配置されている。
【0053】
他方のフロント用ストッパ構造Sfは、ストッパプレート7の表面のうち荷台1のストッパパッド12と当接する面に直交する方向(図10の矢印E2の方向)がダンプトラックの前後方向(図10では左右方向)と上面視で交差する方向、別言すれば、ストッパプレート7の表面がダンプトラックの後方、かつ、内側の方向を向くように配置されている。このストッパプレート7の向きが、第2の実施の形態例と相違する。
【0054】
この第3の実施の形態例によれば、ストッパプレート7が互いに内側に傾いて取り付けられているため、急ブレーキ等により荷台1に前方向の慣性力が働いても、2つのフロント用ストッパ構造Sfが荷台1に働く慣性力を支持できる。しかも、ストッパプレート7が内側を向いているので、ダンプトラックが旋回走行中に、荷台1に車体左右方向に遠心力が働いても、その遠心力をフロントストッパ構造Sfによって支持できる。よって、ヒンジピン4に掛かる荷重は大幅に低減されることとなる。
【0055】
次に、本発明の第4の実施の形態例に係るダンプトラックについて説明するが、第1の実施の形態例に係るダンプトラックと同一構成のものについては、同一符号を付して、その説明は省略する。第4の実施の形態例に係るダンプトラックのフレーム2には、図11に示すように、フロント用ストッパ構造Sfが、ダンプトラックの正面側から見て左右方向(図11における上下方向)に間隔を空けて2つ設けられている。2つのフロント用ストッパ構造Sfのうち一方は、ストッパプレート7の表面のうち荷台1のストッパパッド12と当接する面に直交する方向(図11の矢印F1の方向)がダンプトラックの前後方向(図11では左右方向)と上面視で交差する方向、別言すれば、ストッパプレート7の表面がダンプトラックの後方、かつ、外側の方向を向くように配置されている。
【0056】
また、他方のフロント用ストッパ構造Sfは、ストッパプレート7の表面のうち荷台1のストッパパッド12と当接する面に直交する方向(図11の矢印F2の方向)がダンプトラックの前後方向(図11では左右方向)と上面視で交差する方向、別言すれば、ストッパプレート7の表面がダンプトラックの後方、かつ、外側の方向を向くように配置されている。このストッパプレート7の向きが、第3の実施の形態例とは逆向きである。
【0057】
この第4の実施の形態例についても、第3の実施の形態例と同等の効果が得られる。即ち、ストッパプレート7が互いに外側に傾いて取り付けられているため、急ブレーキ等により荷台1に前方向の慣性力が働いても、2つのフロント用ストッパ構造Sfが荷台1に働く慣性力を支持できる。しかも、ストッパプレート7が外側を向いているので、ダンプトラックが旋回走行中に、荷台1に車体左右方向に遠心力が働いても、その遠心力をフロントストッパ構造Sfによって支持できる。よって、ヒンジピン4に掛かる荷重は大幅に低減されることとなる。
【0058】
なお、上記した実施の形態例ではフロント用ストッパ構造Sfはフレーム2に設け、このストッパ構造Sfと当接するストッパパッドは荷台1に設けたが、ストッパパッドをフレーム2に設け、ストッパ構造Sfを荷台1に設けるようにしても良い。
【0059】
次に、本発明の実施の形態例に係るダンプトラックに適用するフロント用ストッパ構造として好適な変形例について、図面を用いて詳しく説明する。なお、上述したフロント用ストッパ構造Sfと同一構成のものについては、同一符号を付して、その説明は省略する。
【0060】
(変形例1)
図12に示す変形例1に係るフロント用ストッパ構造Sf1では、フロント用付勢部材として捩じりバネが用いられている。捩じりバネであるスプリング13は、下側アッパピン18に巻き掛けられた状態で取り付けられている。このスプリング13の一端はスプリングピン14に当接し、他端はストッパプレート7の裏面と当接している。よって、小アジャスタリンク11は、スプリング13により常にスプリングピン14を中心としてA方向に付勢されており、図12(a)に示すように、荷台1がフレーム2から起立した姿勢では、ストッパプレート7は、表面がやや上を向いた状態に維持されることとなる。荷台1がフレーム2に着座する方向に回動すると、荷台1の回動に従動して、ストッパプレート7がスプリング13の付勢力に抗してB方向に回動していく。この間、荷台1の前面部にあるストッパパッド12とストッパプレート7との当接状態はスプリング13の付勢力により良好に保たれる。そして、荷台1がフレーム2に着座すると、図12(b)に示すように、荷台1のL方向に掛かる荷重によって、ストッパプレート7は起き上がった状態に保持される。この状態において、荷台1は、フロント用ストッパ構造Sf1によって前方向への移動が阻止されるようになる。
【0061】
この変形例1に係るフロント用ストッパ構造Sf1においても、荷台1がフレーム2に着座した状態では、図12(b)に示すように、上側アッパピン17の中心とスプリングピン14の中心と下側アッパピン18の中心とを結んで形成された三角形のうち、上側アッパピン17の中心と下側アッパピン18の中心とを結んだ辺とスプリングピン14の中心と下側アッパピン18の中心を結んだ辺とで形成される内角αが鋭角となっている。さらに、上側アッパピン17の中心とスプリングピン14の中心とを結んだ辺とスプリングピン14と下側アッパピン18とを結んだ辺とで形成される内角β(図12(b)では図示せず)が鈍角となるように、フロント用ストッパ構造Sf1の姿勢が保持されている。
【0062】
そのため、荷台1が図12(b)に示す第2の位置から多少浮き上がったとしても、ストッパプレート7が図12(b)の姿勢を直ちに崩すことは稀である。よって、再び荷台1がフレーム2に着座したときに、ストッパパッド12にストッパプレート7を確実に当接させることができる。つまり、ダンプトラックの走行中の振動等で荷台1が多少浮き上がったとしても、フロント用ストッパ構造Sf1が荷台1に掛かる前方向の慣性力を確実に支持することができるのである。
【0063】
(変形例2)
図13に示す変形例2に係るフロント用ストッパ構造Sf2では、フロント用付勢部材として引きバネが用いられている。引きバネであるスプリング22は、小アジャスタリンク11とストッパブラケット9とを繋ぐように取り付けられている。このスプリング22は、その一端がストッパブラケット9に設けられた係止ピン21に保持され、他端が小アジャスタリンク11に設けられた係止ピン20に保持されている。係止ピン20が設けられている位置は、小アジャスタリンク11のスプリングピン14が挿入される側の端部のうち、スプリングピン14が挿入される位置から下側アッパピン18が挿入される位置と反対側の位置(別言すると、小アジャスタリンク11のスプリングピン14が挿入される側の端部のうち、スプリングピン14が挿入される位置よりも先端側の位置)である。一方、係止ピン21は、ストッパブラケット9の下部であって、スプリングピン14より前側(図13(a)において左側)の位置に設けられるが、より詳しく説明すると、係止ピン21は、荷台1がフレーム2から起立した姿勢にある状態(図13(a)の状態)において、下側アッパピン18とスプリングピン14と係止ピン20とを結ぶ直線上で、かつ、係止ピン20より下方の位置に設けられている。
【0064】
この変形例2によれば、小アジャスタリンク11は、スプリング22により常にスプリングピン14を中心としてA方向に付勢されており、図13(a)に示すように、荷台1がフレーム2から起立した姿勢では、ストッパプレート7は、表面がやや上を向いた状態に維持されることとなる。荷台1がフレーム2に着座する方向に回動すると、荷台1の回動に従動して、ストッパプレート7がスプリング22の付勢力に抗してB方向に回動していく。この間、荷台1の前面部にあるストッパパッド12とストッパプレート7との当接状態はスプリング22の付勢力により良好に保たれる。そして、荷台1がフレーム2に着座すると、図13(b)に示すように、荷台1のL方向に掛かる荷重によって、ストッパプレート7は起き上がった状態に保持される。この状態において、荷台1は、フロント用ストッパ構造Sf2によって前方向への移動が阻止されるようになる。
【0065】
この変形例2に係るフロント用ストッパ構造Sf2においても、荷台1がフレーム2に着座した状態では、図13(b)に示すように、上側アッパピン17の中心とスプリングピン14の中心と下側アッパピン18の中心とを結んで形成された三角形のうち、上側アッパピン17の中心と下側アッパピン18の中心とを結んだ辺とスプリングピン14の中心と下側アッパピン18の中心を結んだ辺とで形成される内角αが鋭角となっている。さらに、上側アッパピン17の中心とスプリングピン14の中心とを結んだ辺とスプリングピン14と下側アッパピン18とを結んだ辺とで形成される内角β(図13(b)では図示せず)が鈍角となるように、フロント用ストッパ構造Sf2の姿勢が保持されている。
【0066】
そのため、荷台1が図13(b)に示す第2の位置から多少浮き上がったとしても、ストッパプレート7が図13(b)の姿勢を直ちに崩すことは稀である。よって、再び荷台1がフレーム2に着座したときに、ストッパパッド12にストッパプレート7を確実に当接させることができる。つまり、ダンプトラックの走行中の振動等で荷台1が多少浮き上がったとしても、フロント用ストッパ構造Sf2が荷台1に掛かる前方向の慣性力を確実に支持することができるのである。
【0067】
(変形例3)
図14に示す変形例3に係るフロント用ストッパ構造Sf3では、フロント用付勢部材として押しバネが用いられている。押しバネであるスプリング32は、小アジャスタリンク11aとストッパブラケット9とを繋ぐように取り付けられている。このスプリング32は、その一端がストッパブラケット9に設けられたブラケット31に保持され、他端が小アジャスタリンク11aに設けられたブラケット30に保持されている。この変形例3では、小アジャスタリンク11aは、一方の側辺が外方に湾曲して膨れた形状をなしている。
【0068】
ブラケット30が設けられている位置は、小アジャスタリンク11aのうちスプリングピン14が挿入される位置と下側アッパピン18が挿入される位置の間の位置で、かつ、外方に湾曲して膨れた側の側辺の近傍の位置である。一方、ブラケット31は、ストッパブラケット9の下部であって、スプリングピン14より前側(図14(a)において左側)の位置に設けられている。
【0069】
また、変形例3では、スプリング32にガイド棒33が挿入されているが、このガイド棒33は、ストッパプレート7が変位していく過程で、スプリング32が座屈するように折れ曲がることなく軸心方向にスムーズに伸縮するようにするためのものである。なお、スプリング32の大きさや特性次第では、必ずしもガイド棒33を設けなくても良い。
【0070】
この変形例3によれば、小アジャスタリンク11aは、スプリング32により常にスプリングピン14を中心としてA方向に付勢されており、図14(a)に示すように、荷台1がフレーム2から起立した姿勢では、ストッパプレート7は、表面がやや上を向いた状態に維持されることとなる。荷台1がフレーム2に着座する方向に回動すると、荷台1の回動に従動して、ストッパプレート7がスプリング32の付勢力に抗してB方向に回動していく。この間、荷台1の前面部にあるストッパパッド12とストッパプレート7との当接状態はスプリング32の付勢力により良好に保たれる。そして、荷台1がフレーム2に着座すると、図14(b)に示すように、荷台1のL方向に掛かる荷重によって、ストッパプレート7は起き上がった状態に保持される。この状態において、荷台1は、フロント用ストッパ構造Sf3によって前方向への移動が阻止されるようになる。
【0071】
この変形例3に係るフロント用ストッパ構造Sf3においても、荷台1がフレーム2に着座した状態では、図14(b)に示すように、上側アッパピン17の中心とスプリングピン14の中心と下側アッパピン18の中心とを結んで形成された三角形のうち、上側アッパピン17の中心と下側アッパピン18の中心とを結んだ辺とスプリングピン14の中心と下側アッパピン18の中心を結んだ辺とで形成される内角αが鋭角となっている。さらに、上側アッパピン17の中心とスプリングピン14の中心とを結んだ辺とスプリングピン14と下側アッパピン18とを結んだ辺とで形成される内角β(図14(b)では図示せず)が鈍角となるように、フロント用ストッパ構造Sf3の姿勢が保持されている。
【0072】
そのため、荷台1が図14(b)に示す第2の位置から多少浮き上がったとしても、ストッパプレート7が図14(b)の姿勢を直ちに崩すことは稀である。よって、再び荷台1がフレーム2に着座したときに、ストッパパッド12にストッパプレート7を確実に当接させることができる。つまり、ダンプトラックの走行中の振動等で荷台1が多少浮き上がったとしても、フロント用ストッパ構造Sf3が荷台1に掛かる前方向の慣性力を確実に支持することができるのである。
【0073】
(変形例4)
図15に示す変形例4に係るフロント用ストッパ構造Sf4では、フロント用付勢部材として、バネの代わりにガススプリング42が用いられている。ガススプリング42は、シリンダ42aと、シリンダ42a内に封入された圧縮ガスにより伸縮するロッド42bとを有しており、圧縮ガスの圧縮/膨張によりロッド42bが伸縮するようになっている。シリンダ42aの後端部はストッパブラケット9に設けられたブラケット41に取り付けられ、ロッド42bの先端部は、小アジャスタリンク11aに設けられたブラケット40に取り付けられている。この変形例4では、小アジャスタリンク11aは、一方の側辺が外方に湾曲して膨れた形状をなしている。
【0074】
ブラケット40が設けられている位置は、小アジャスタリンク11aのうちスプリングピン14が挿入される位置と下側アッパピン18が挿入される位置の間の位置で、かつ、外方に湾曲して膨れた側の側辺の近傍の位置である。一方、ブラケット41は、ストッパブラケット9の下部であって、スプリングピン14より前側(図15(a)において左側)の位置に設けられている。
【0075】
この変形例4によれば、小アジャスタリンク11aは、ガススプリング42のロッド42bが伸長する力により、常にスプリングピン14を中心としてA方向に付勢されており、図15(a)に示すように、荷台1がフレーム2から起立した姿勢では、ストッパプレート7は、表面がやや上を向いた状態に維持されることとなる。荷台1がフレーム2に着座する方向に回動すると、荷台1の回動に従動して、ストッパプレート7が小アジャスタリンク11aを介してガススプリング42のロッド42bをシリンダ42a内に押し込みながらB方向に回動していく。この間、荷台1の前面部にあるストッパパッド12とストッパプレート7との当接状態はガススプリング42の付勢力により良好に保たれる。そして、荷台1がフレーム2に着座すると、図15(b)に示すように、荷台1のL方向に掛かる荷重によって、ストッパプレート7は起き上がった状態に保持される。この状態において、荷台1は、フロント用ストッパ構造Sf4によって前方向への移動が阻止されるようになる。
【0076】
この変形例4に係るフロント用ストッパ構造Sf4においても、荷台1がフレーム2に着座した状態では、図15(b)に示すように、上側アッパピン17の中心とスプリングピン14の中心と下側アッパピン18の中心とを結んで形成された三角形のうち、上側アッパピン17の中心と下側アッパピン18の中心とを結んだ辺とスプリングピン14の中心と下側アッパピン18の中心を結んだ辺とで形成される内角αが鋭角となっている。さらに、上側アッパピン17の中心とスプリングピン14の中心とを結んだ辺とスプリングピン14と下側アッパピン18とを結んだ辺とで形成される内角β(図15(b)では図示せず)が鈍角となるように、フロント用ストッパ構造Sf4の姿勢が保持されている。
【0077】
そのため、荷台1が図15(b)に示す第2の位置から多少浮き上がったとしても、ストッパプレート7が図15(b)の姿勢を直ちに崩すことは稀である。よって、再び荷台1がフレーム2に着座したときに、ストッパパッド12にストッパプレート7を確実に当接させることができる。つまり、ダンプトラックの走行中の振動等で荷台1が多少浮き上がったとしても、フロント用ストッパ構造Sf4が荷台1に掛かる前方向の慣性力を確実に支持することができるのである。
【0078】
(変形例5)
図16に示す変形例5に係るフロント用ストッパ構造Sf5では、フロント用付勢部材として、バネの代わりにガススプリング52が用いられている。ガススプリング52は、シリンダ52aと、シリンダ52a内に封入された圧縮ガスにより伸縮する2本のロッド52b、52cを有しており、圧縮ガスの圧縮/膨張によりロッド52b、52cが伸縮するようになっている。シリンダ52aの後端部はストッパプレート7の裏面に設けられたブラケット50に取り付けられ、ロッド52bの先端部は、小アジャスタリンク11に設けられたブラケット51に設けられている。
【0079】
ブラケット51が設けられている位置は、小アジャスタリンク11のスプリングピン14が挿入される側の端部のうち、スプリングピン14が挿入される位置から下側アッパピン18が挿入される位置と反対側の位置(別言すると、小アジャスタリンク11のスプリングピン14が挿入される側の端部のうち、スプリングピン14が挿入される位置よりも先端側の位置)である。一方、ブラケット50は、ストッパプレート7の裏面で、かつ、上側アッパピン17と下側アッパピン18の間の位置に設けられている。
【0080】
この変形例5によれば、小アジャスタリンク11は、ガススプリング52のロッド52b、52cが伸長する力により、常にスプリングピン14を中心としてA方向に付勢されており、図16(a)に示すように、荷台1がフレーム2から起立した姿勢では、ストッパプレート7は、表面がやや上を向いた状態に維持されることとなる。荷台1がフレーム2に着座する方向に回動すると、荷台1の回動に従動して、ストッパプレート7が小アジャスタリンク11を介してガススプリング52のロッド52b、52cを図中F方向に押し込みながらB方向に回動していく。この間、荷台1の前面部にあるストッパパッド12とストッパプレート7との当接状態はガススプリング52の付勢力により良好に保たれる。そして、荷台1がフレーム2に着座すると、図16(b)に示すように、荷台1のL方向に掛かる荷重によって、ストッパプレート7は起き上がった状態に保持される。この状態において、荷台1は、フロント用ストッパ構造Sf5によって前方向への移動が阻止されるようになる。
【0081】
この変形例5に係るフロント用ストッパ構造Sf5においても、荷台1がフレーム2に着座した状態では、図16(b)に示すように、上側アッパピン17の中心とスプリングピン14の中心と下側アッパピン18の中心とを結んで形成された三角形のうち、上側アッパピン17の中心と下側アッパピン18の中心とを結んだ辺とスプリングピン14の中心と下側アッパピン18の中心を結んだ辺とで形成される内角αが鋭角となっている。さらに、上側アッパピン17の中心とスプリングピン14の中心とを結んだ辺とスプリングピン14と下側アッパピン18とを結んだ辺とで形成される内角β(図16(b)では図示せず)が鈍角となるように、フロント用ストッパ構造Sf5の姿勢が保持されている。
【0082】
そのため、荷台1が図16(b)に示す第2の位置から多少浮き上がったとしても、ストッパプレート7が図16(b)の姿勢を直ちに崩すことは稀である。よって、再び荷台1がフレーム2に着座したときに、ストッパパッド12にストッパプレート7を確実に当接させることができる。つまり、ダンプトラックの走行中の振動等で荷台1が多少浮き上がったとしても、フロント用ストッパ構造Sf5が荷台1に掛かる前方向の慣性力を確実に支持することができるのである。
【0083】
(変形例6)
図17に示す変形例6に係るフロント用ストッパ構造Sf6では、フロント用付勢部材として、バネの代わりにガススプリング62が用いられている。ガススプリング62は、シリンダ62aと、シリンダ62a内に封入された圧縮ガスにより伸縮するロッド62bを有しており、圧縮ガスの圧縮/膨張によりロッド62bが伸縮するようになっている。
【0084】
ストッパブラケット9には、その上部から前側に向かって延びるように小片9aが設けられており、その小片9aには、シリンダ62aの後端部を保持するブラケット61が設けられている。このブラケット61は、スプリングピン14よりも前側の位置で、かつ、荷台1がフレーム2から起立した姿勢にある状態(図17(a)の状態)において、スプリングピン14と下側アッパピン18との間の高さとなる位置に設けられている。一方、ストッパプレート7の裏面で、かつ、上側アッパピン17と下側アッパピン18の間の位置にはブラケット60が設けられており、ロッド62bの先端部は、このブラケット60によって保持されている。なお、図17(b)の状態において、ガススプリング62がストッパプレート7の表面(ストッパパッド12と当接する当接面)に対して直角となるようにブラケット60とブラケット61の位置は決められている。
【0085】
この変形例6によれば、小アジャスタリンク11は、ガススプリング62のロッド62bが図17(b)に図示するF方向に伸長する力により、常にスプリングピン14を中心としてA方向に付勢されており、図17(a)に示すように、荷台1がフレーム2から起立した姿勢では、ストッパプレート7は、表面がやや上を向いた状態に維持されることとなる。荷台1がフレーム2に着座する方向に回動すると、荷台1の回動に従動して、ストッパプレート7がガススプリング62のロッド62bを図中F方向と反対方向に押し込みながらB方向に回動していく。この間、荷台1の前面部にあるストッパパッド12とストッパプレート7との当接状態はガススプリング62の付勢力により良好に保たれる。そして、荷台1がフレーム2に着座すると、図17(b)に示すように、荷台1のL方向に掛かる荷重によって、ストッパプレート7は起き上がった状態に保持される。この状態において、荷台1は、フロント用ストッパ構造Sf6によって前方向への移動が阻止されるようになる。
【0086】
この変形例6に係るフロント用ストッパ構造Sf6においても、荷台1がフレーム2に着座した状態では、図17(b)に示すように、上側アッパピン17の中心とスプリングピン14の中心と下側アッパピン18の中心とを結んで形成された三角形のうち、上側アッパピン17の中心と下側アッパピン18の中心とを結んだ辺とスプリングピン14の中心と下側アッパピン18の中心を結んだ辺とで形成される内角αが鋭角となっている。さらに、上側アッパピン17の中心とスプリングピン14の中心とを結んだ辺とスプリングピン14と下側アッパピン18とを結んだ辺とで形成される内角β(図17(b)では図示せず)が鈍角となるように、フロント用ストッパ構造Sf5の姿勢が保持されている。
【0087】
そのため、荷台1が図17(b)に示す第2の位置から多少浮き上がったとしても、ストッパプレート7が図17(b)の姿勢を直ちに崩すことは稀である。よって、再び荷台1がフレーム2に着座したときに、ストッパパッド12にストッパプレート7を確実に当接させることができる。つまり、ダンプトラックの走行中の振動等で荷台1が多少浮き上がったとしても、フロント用ストッパ構造Sf6が荷台1に掛かる前方向の慣性力を確実に支持することができるのである。
【0088】
なお、上記した変形例1〜6に係るフロント用ストッパ構造Sf1〜Sf6は、図9〜図11に示すように正面視で左右に2個設けることができることは勿論であり、また、フロント用ストッパ構造Sf1〜Sf6を取り付ける向きは、図9〜図11に示すD方向、E1、E2方向、F1、F2方向の何れも適用可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0089】
1 荷台
2 フレーム
3 ホイストシリンダ
4 ヒンジピン
7 ストッパプレート(フロント用当接板)
8、9 ストッパブラケット(フロント用基台)
10 大アジャスタリンク(第1リンク部材)
11 小アジャスタリンク(第2リンク部材)
12 ストッパパッド
13、22、32 スプリング(フロント用付勢部材)
14 スプリングピン(第3ピン)
15 スプリングホルダ(ホルダ)
16 ロアピン(第1ピン)
17 上側アッパピン(第2ピン)
18 下側アッパピン(第4ピン)
19 ベース板(フロント用基台)
Sf、Sf1〜Sf6 フロント用ストッパ構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、このフレームの後部に配置されたヒンジピンと、このヒンジピンを介して前記フレームに回動自在に取り付けられた荷台とを備えたダンプトラックにおいて、
前記フレームに着座した状態の前記荷台の前面部と当接して、前記荷台に働く前方向の慣性力を支持するためのフロント用ストッパ構造を前記フレームに設け、
前記フロント用ストッパ構造は、
前記フレームに設置されるフロント用基台と、
前記荷台の前面部と当接するフロント用当接板と、
基端側が前記フロント用基台と第1ピンにより回動可能に結合され、先端側が前記フロント用当接板と第2ピンにより回動可能に結合された第1リンク部材と、
この第1リンク部材より後側に位置し、基端側が前記フロント用基台と第3ピンにより回動可能に結合され、先端側が前記フロント用当接板と第4ピンにより回動可能に結合された第2リンク部材と、
この第2リンク部材を、前記第3ピンを中心として前記荷台が前記フレームに着座する方向に抗する方向に付勢するフロント用付勢部材と
を備え、
前記荷台の回動位置が、前記荷台の回動途中にある第1の位置から前記荷台が前記フレームと着座する第2の位置までの範囲にあるときに、前記フロント用当接板は、前記荷台の前面部と当接した状態で前記荷台の回動に従動する
ことを特徴とするダンプトラック。
【請求項2】
請求項1の記載において、
前記フロント用ストッパ構造は、前記荷台が前記第1の位置にあるときには、前記第2ピンと前記第4ピンは共に前記第3ピンより高い位置にあり、前記荷台が前記第2の位置にあるときには、前記第2ピンは前記第3ピンより高い位置、かつ、前記第4ピンは前記第3ピンより低い位置となるように構成されると共に、前記荷台が前記第2の位置にある状態において、前記第2ピンと前記第3ピンと前記第4ピンのそれぞれの中心を結んで形成された三角形のうち、前記第2ピンと前記第4ピンを結んだ辺と前記第3ピンと前記第4ピンを結んだ辺とで形成される内角が鋭角となるように構成される
ことを特徴とするダンプトラック。
【請求項3】
請求項1または2の記載において、
前記フロント用付勢部材は、捩じりバネであり、当該捩じりバネは、その一端が前記フロント用基台に設けられたホルダに保持され、他端が前記第4ピンと当接した状態で前記第3ピンに巻き掛けられる
ことを特徴とするダンプトラック。
【請求項4】
請求項1または2の記載において、
前記フロント用付勢部材は、捩じりバネであり、当該捩じりバネは、その一端が前記第3ピンと当接し、他端が前記前記フロント用当接板と当接した状態で前記第4ピンに巻き掛けられる
ことを特徴とするダンプトラック。
【請求項5】
請求項1または2の記載において、
前記フロント用付勢部材は、引きバネであり、当該引きバネは、その一端が前記フロント用基台に保持され、他端が前記第2リンク部材の前記第3ピンが挿入される側の端部のうち前記第3ピンが挿入される位置から前記第4ピンが挿入される位置と反対側の位置に保持される
ことを特徴とするダンプトラック。
【請求項6】
請求項1または2の記載において、
前記フロント用付勢部材は、押しバネであり、当該押しバネは、一端が前記フロント用基台に保持され、他端が前記第2リンク部材のうち前記第3ピンが挿入される位置と前記第4ピンが挿入される位置の間の位置に保持される
ことを特徴とするダンプトラック。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項の記載において、
前記フロント用ストッパ構造は、ダンプトラックの正面側から見て左右方向に間隔を空けて複数設けられ、前記複数のフロント用ストッパ構造は、それぞれの前記フロント用当接板のうち前記荷台の前面部と当接する面に直交する方向が前記フレームの前後方向と上面視で平行となる向きに設置されていることを特徴とするダンプトラック。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項の記載において、
前記フロント用ストッパ構造は、ダンプトラックの正面側から見て左右方向に間隔を空けて複数設けられ、前記複数のフロント用ストッパ構造は、それぞれの前記フロント用当接板のうち前記荷台の前面部と当接する面に直交する方向が前記フレームの前後方向と上面視で交差する向きに設置されていることを特徴とするダンプトラック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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