説明

ダンボール箱

【課題】効率良くダンボール板を裁断できると共に、外力に対する強度を向上させて、搬送過程で破断誘導線が設けられたダンボール箱が変形するのを回避できるダンボール箱を提供する。
【解決手段】一対の短辺部側面板15、一対の長辺部側面板17、及び4箇所の斜辺部側面板18からなる8角形断面の側面部19と、内フラップ14及び外フラップ16によって形成される天面部20及び底面部21とからなり、天面部外フラップ16aから長辺部側面板17に亘って破断誘導線11が設けられたダンボール箱10であって、短辺部側面板15の上端部及び下端部に連設される天面部内フラップ14a及び底面部内フラップは、その両側縁部22が、各々両側の長辺部側面板17の内側面に沿って配置され、4箇所の斜辺部側面板18は、長辺部側面板17に対して20°〜40°の折曲り角度θで各々折れ曲がった状態で設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンボール箱に関し、特に、所定の形状に裁断されたダンボール板を折曲げ線に沿って折り曲げることで、8角形断面の側面部と、天面部と、底面部とを備えるように形成されるダンボール箱に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、各種の日用雑貨品等の物品を複数まとめて梱包して、搬送や保管に供するための箱として、ダンボール箱が多用されている。ダンボール箱は、所定の形状に裁断されたダンボール板に折曲げ加工や切込み加工等を施すと共に、必要に応じて接着剤等による接合手段を用いることにより、側面部と、天面部と、底面部とを備える好ましくは直方体形状に形成される。
【0003】
また、ダンボール箱は、内部に補強用のダンボール板を配置して、物品を梱包した際の強度を高める工夫がなされる場合があるが、補強用のダンボール板を別途に用いると、梱包作業に手間がかかると共に、材料の無駄が生じることになる。このため、補強用のダンボール板を別途に用いることなく、裁断される一枚のダンボール板の形状を工夫することで、組み立てられた後の強度を高めたダンボール箱も開発されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のダンボール箱では、4枚の側板と、隣接する側板間の斜壁板とによって、4角形の角部が面取りされた形状の側面部を形成することで、上下方向の圧縮力に対する強度を増大させると共に、天面部や底面部を形成する一対の内フラップ同士が互いの先端部を突き合わせて接した状態で組み立てられるので、一対の内フラップの対向方向へ向けた外力に対する強度を向上できるようになっている。
【0004】
一方、ダンボール箱に手作業によって容易に破断可能な破断誘導線を設けておくことで、梱包した物品を取り出し易くしたり、搬送用や保管用だけではなく、例えば店頭で物品を見せた状態で陳列させる箱としても用いることができるようにしたダンボール箱も開発されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−215266号公報
【特許文献2】実用新案登録第3019071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のダンボール箱では、略直方体形状に形成されるようになっており、角部が面取りされた略長方形の断面形状の長辺部よりも、短辺部の方が相当程度に短くなっているので、一対の内フラップの先端部同士を突き合わせた状態とするためには、長辺部の側板に連設する外フラップよりも、短辺部の側板に連設する内フラップの方が、相当程度に長く突出するようにダンボール板を裁断する必要を生じることになる。このため、長辺部の側板に連設する外フラップの先端縁部と、短辺部の側板に連設する内フラップの先端縁部とを揃えてダンボール板を裁断することができなくなって、裁断効率が悪くなる。
【0007】
また、ダンボール箱に手作業によって容易に破断可能な破断誘導線を設けると、この破断誘導線の部分に応力が集中することで、例えば物品を梱包した後の搬送過程でダンボール箱が変形し易くなって外観を損う場合がある。
【0008】
本発明は、長辺部の側板に連設する外フラップの先端縁部と、短辺部の側板に連設する内フラップの先端縁部とを揃えて効率良くダンボール板を裁断できると共に、外力に対する強度を向上させて、破断誘導線を設けた場合でも搬送過程でダンボール箱が変形するのを効果的に回避することのできるダンボール箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、所定の形状に裁断されたダンボール板を折曲げ線に沿って折り曲げることで、内フラップが連設される一対の短辺部側面板、外フラップが連設される一対の長辺部側面板、及び各隣接する前記短辺部側面板と前記長辺部側面板との間に介在する4箇所の斜辺部側面板からなる8角形断面の側面部と、一対の天面部内フラップ及び一対の天面部外フラップによって形成される天面部と、一対の底面部内フラップ及び一対の底面部外フラップによって形成される底面部とを備えるように形成されると共に、少なくとも一方の前記天面部外フラップから前記長辺部側面板に亘って一対の破断誘導線が設けられているダンボール箱であって、前記短辺部側面板の上端部に連設される前記天面部内フラップ、及び前記短辺部側面板の下端部に連設される前記底面部内フラップは、その両側縁部が、各々両側の前記長辺部側面板の内側面に沿って配置される形状を有しており、4箇所の前記斜辺部側面板は、各々前記長辺部側面板に対して20°〜40°の折曲り角度で折れ曲がった状態で配設されているダンボール箱を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のダンボール箱によれば、長辺部の側板に連設する外フラップの先端縁部と、短辺部の側板に連設する内フラップの先端縁部とを揃えて効率良くダンボール板を裁断できると共に、外力に対する強度を向上させて、破断誘導線を設けた場合でも搬送過程でダンボール箱が変形するのを効果的に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の好ましい一実施形態に係るダンボール箱の斜視図である。
【図2】本発明の好ましい一実施形態に係るダンボール箱を形成するための裁断されたダンボール板の展開図である。
【図3】本発明の好ましい一実施形態に係るダンボール箱の構成を説明する、(a)は略示上面図、(b)は略示底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示す本発明の好ましい一実施形態に係るダンボール箱10は、収容物として、例えば詰め替え用の液体洗剤を収容したパウチやガセット袋等の袋状の柔包装体を、複数梱包して搬送したり保管したりするための箱体として用いられる。また、本実施形態のダンボール箱10は、手作業によって容易に破断可能な破断誘導線11が設けられており、この破断誘導線11に沿って破断させることでダンボール箱10を開放して、収容物を取り出し易くすると共に、例えば店頭で物品を見せた状態で陳列できるようにする機能を備える。さらに、本実施形態のダンボール箱10は、搬送時等において負荷される外力を効率良く支持して、特に破断誘導線11の部分に変形が生じないようにする機能を備える。
【0013】
そして、本実施形態のダンボール箱10は、図2に示すような所定の形状に裁断されたダンボール板12を折曲げ線13a,13bに沿って折り曲げることで、図1及び図3(a),(b)にも示すように、内フラップ14a,14bが連設される一対の短辺部側面板15、外フラップ16a,16bが連設される一対の長辺部側面板17、及び各隣接する短辺部側面板15と長辺部側面板17との間に介在する4箇所の斜辺部側面板18からなる8角形断面の側面部19と、一対の天面部内フラップ14a及び一対の天面部外フラップ16aによって形成される天面部20と、一対の底面部内フラップ14b及び一対の底面部外フラップ16bによって形成される底面部21と、を備えるように形成されると共に、少なくとも一方の天面部外フラップ16aから長辺部側面板17に亘って一対の破断誘導線11が設けられているダンボール製の箱体である。短辺部側面板15の上端部に連設される天面部内フラップ14a、及び短辺部側面板15の下端部に連設される底面部内フラップ14bは、その両側縁部22が、各々両側の長辺部側面板17の内側面に沿って配置される形状を有しており(図3(a)、(b)参照)、4箇所の斜辺部側面板18は、各々長辺部側面板17に対して20°〜40°の折曲り角度θで各々折れ曲がった状態で設けられている。
【0014】
また、本実施形態では、天面部外フラップ16aから長辺部側面板17に亘って形成された一対の破断誘導線11は、天面部外フラップ16aの突合せ先端縁部23の縁部分から、長辺部側面板17に向けて外開きに斜めに延設して設けられている。
【0015】
本実施形態のダンボール箱10は、図2に示すような一枚のダンボール板12を用いて形成される。ダンボール板12は、ダンボール箱10を展開した所定の形状となるように、例えば打ち抜いて裁断することで、容易に得ることができる。また、ダンボール板12には、折れ癖加工や切込み加工等を施すことにより、縦方向折曲げ線13aや横方向折曲げ線13b、或いは切込みや切抜き等が適宜の箇所に設けられていることで、ダンボール箱10を、後述する所望の立体形状となるように容易に組み立てることができる。
【0016】
本実施形態では、ダンボール板12は、図2において左側に配設された、横長の長方形の一方の長辺部側面板17の左側に、縦方向折曲げ線13aを介して縦長の帯板形状の重ね合わせ斜辺部側面板18’が連設しており、右側に、縦方向折曲げ線13aを介して、縦長の長方形の一方の短辺部側面板15との間に介在する縦長の帯板形状の斜辺部側面板18が連設している。また、一方の長辺部側面板17の上方には、横方向折曲げ線13bを介して天面部外フラップ16aが連設している。さらに、一方の長辺部側面板17の下方には、横方向折曲げ線13bを介して底面部外フラップ16bが連設している。
【0017】
一方の短辺部側面板15の右側には、縦方向折曲げ線13aを介して、横長の長方形の他方の長辺部側面板17との間に介在する縦長の帯板形状の斜辺部側面板18が連設している。また、一方の短辺部側面板15の上方には、横方向折曲げ線13bを介して天面部内フラップ14aが連設している。さらに、一方の短辺部側面板15の下方には、横方向折曲げ線13bを介して底面部内フラップ14bが連設している。
【0018】
他方の長辺部側面板17の右側には、縦方向折曲げ線13aを介して、縦長の長方形の他方の短辺部側面板15との間に介在する縦長の帯板形状の斜辺部側面板18が連設している。また、他方の長辺部側面板17の上方には、横方向折曲げ線13bを介して天面部外フラップ16aが連設している。さらに、他方の長辺部側面板17の下方には、横方向折曲げ線13bを介して底面部外フラップ16bが連設している。
【0019】
他方の短辺部側面板15の右側には、縦方向折曲げ線13aを介して、重ね合わせ斜辺部側面板18’に重ね合わされて当該重ね合わせ斜辺部側面板18’と共に斜辺部側面板18を形成する、縦長の帯板形状の重ね合わせ斜辺部接合板18”が連設している。また、他方の短辺部側面板15の上方には、横方向折曲げ線13bを介して天面部内フラップ14aが連設している。さらに、他方の短辺部側面板15の下方には、横方向折曲げ線13bを介して底面部内フラップ14bが連設している。
【0020】
そして、本実施形態では、一対の長辺部側面板17の上方に連設する天面部外フラップ16aは、ダンボール箱10を組み立てた際に、先端縁部23を突き合せた状態で天面部20を形成できるような長さで横方向折曲げ線13bから延設している(図1参照)。天面部外フラップ16aの横方向折曲げ線13bに近接する基端部分には、これの両側部から両側に延設して、ダンボール箱10を組み立てた際に、斜辺部側面板18の内側に沿って配置される斜辺部24が形成されている。
【0021】
また、一対の長辺部側面板17のうちの上記他方の長辺部側面板17の上方に連設する天面部外フラップ16aには、一対の破断誘導線11の、例えばY字形状の切込みが連設するミシン目からなる斜め延設部11aが、先端縁部23の縁部分から、長辺部側面板17との間の横方向折曲げ線13bに向けて、外開きに斜めに延設して設けられている。本実施形態では、斜め延設部11aは、他方の長辺部側面板17における横方向折曲げ線13bと縦方向折曲げ線13aとの間の接合角部分に至るまで形成されており、当該接合角部分において、他方の長辺部側面板17と斜辺部側面板18との間の縦方向折曲げ線13aに沿って形成された、一対の破断誘導線11の、例えばL字形状の切込みが連設するミシン目からなる縦方向延設部11bと各々接続している。
【0022】
一対の長辺部側面板17の下方に連設する底面部外フラップ16bは、ダンボール箱10を組み立てた際に、先端縁部23を突き合せた状態で底面部21を形成できるような長さで横方向折曲げ線13bから延設している(図3(b)参照)。底面部外フラップ16bの横方向折曲げ線13bに近接する基端部分には、これの両側部から両側に延設して、ダンボール箱10を組み立てた際に、斜辺部側面板18の内側に沿って配置される斜辺部24が形成されている。また、底面部外フラップ16bの横方向折曲げ線13bと離れた先端部分には、これの両側の端部に、ダンボール箱10を組み立てた際に、後述する天面部内フラップ14aによる位置合わせ段差凸部25(図1参照)が係止される位置合わせ段差凹部26(図3(b)参照)を底面部21に設けるための、切欠き凹部27が形成されている。
【0023】
本実施形態では、一対の短辺部側面板15の上方に連設する天面部内フラップ14aは、ダンボール板12において、その先端縁部を天面部外フラップ16aの先端縁部23と揃えた状態で裁断される。天面部内フラップ14aは、ダンボール箱10を組み立てた際に、両側の斜辺部側面板18及び両側の長辺部側面板17の内側に納まる形状に形成されると共に、その先端側の部分の両側縁部22を、両側の長辺部側面板17の内側面に沿って当該内側面に当接させた状態で配置できる形状に形成される。また天面部内フラップ14aには、短辺部側面板15との間の横方向折曲げ線13bから先端側に向けて、略U字形状の切込み28が形成されており、この切込み28の内側部分が、位置合わせ段差凸部25を設けるための舌状片29となっている。
【0024】
ダンボール箱10を組み立てる際に、天面部内フラップ14aに対して舌状片29を起こしておき、天面部内フラップ14aの外側に天面部外フラップ16aを重ね合わせて天面部20を形成した後に、この舌状片29を天面部外フラップ16aの上面に重ねて配置することによって、天面部20の短辺部側面板15と連続する部分に、位置合わせ段差凸部25を設けることができる。ダンボール箱10を上下に積み重ねる際に、上段のダンボール箱10の底面部21に形成された位置合わせ段差凹部26を、下段のダンボール箱10の天面部20に形成された位置合わせ段差凸部25に係止することで、ダンボール箱10を上下に容易に位置決めさせて、安定した状態でダンボール箱10を積み重ねることが可能になる。
【0025】
一対の短辺部側面板15の下方に連設する底面部内フラップ14bは、ダンボール板12において、その先端縁部を底面部外フラップ16bの先端縁部23と揃えた状態で裁断される。底面部内フラップ14bは、ダンボール箱10を組み立てた際に、両側の斜辺部側面板18及び両側の長辺部側面板17の内側に納まる形状に形成されると共に、その先端側の部分の両側縁部22を、両側の長辺部側面板17の内側面に沿って当該内側面に当接させた状態で配置できる形状に形成される。
【0026】
なお、本実施形態では、ダンボール板12には、これの横方向の全長に亘って、カットテープ30が、短辺部側面板15、長辺部側面板17、及び斜辺部側面板18を連続して横断するようにして設けられている。
【0027】
上述のダンボール板12を用いてダンボール箱10を組み立てるには、縦方向折曲げ線13aを介してダンボール板12を折り曲げると共に、重ね合わせ斜辺部側面板18’に重ね合わせ斜辺部接合板18”を重ね合わせて接着剤等を用いて接合することで、ダンボール板12を8角形断面の筒状に形成する。しかる後に、横方向折曲げ線13bを介して一対の底面部内フラップ14bを内側に折り曲げ、折り曲げた底面部内フラップ14bの外側に重ね合わせるようにして、一対の底面部外フラップ16bを内側に折り曲げると共に、これらの先端縁部23を互いに突き合わせた状態で底面部内フラップ14bに接合することで、底面部21を形成する。
【0028】
底面部21を形成したら、内側に収容物を収容した後に、天面部20を形成する。天面部20は、横方向折曲げ線13bを介して一対の天面部内フラップ14aを、舌状片29を起こした状態で内側に折り曲げ、折り曲げた天面部内フラップ14aの外側に重ね合わせるようにして、一対の天面部外フラップ16aを内側に折り曲げると共に、これらの先端縁部23を互いに突き合わせた状態で天面部内フラップ14aに接合することで、容易に形成することができる。天面部20を形成したら、起こした状態の舌状片29を、天面部外フラップ16aの上面に重ねて配置することによって位置合わせ段差凸部25を形成する。
【0029】
これらによって、図1に示すような、天面部内フラップ14a及び底面部内フラップ14bの両側縁部22が、各々両側の長辺部側面板17の内側面に沿って配置され、且つ4箇所の斜辺部側面板18が、各々長辺部側面板17に対して20°〜40°の折曲り角度θで各々折れ曲がった状態で設けられた、8角形断面の側面部19と、天面部20と、底面部21とからなる本実施形態のダンボール箱10が形成される。
【0030】
ここで、各斜辺部側面板18の長辺部側面板17に対する折曲り角度θは、20°〜40°とする必要があり、30°とすることが特に好ましい。各斜辺部側面板18の長辺部側面板17に対する折曲り角度θが大き過ぎると、短辺部側面板15側の縦方向折り曲げ線13aによる、段ボール箱10に負荷される上下方向の圧縮荷重を支える柱としての役割が低下してしまうという不具合を生じることになり、小さ過ぎると、段ボール箱の形態が6面体形状に近づき、段ボール箱10を形成するためのダンボール板のシート面積が増加して、コストがアップするという不具合を生じることになる。
【0031】
そして、上述の構成を備える本実施形態のダンボール箱10によれば、長辺部側面板17に連設する外フラップ16a,16bの先端縁部23と、短辺部側面板15に連設する内フラップ14a,14bの先端縁部とを揃えて効率良くダンボール板12を裁断できると共に、外力に対する強度を向上させて、破断誘導線11を設けた場合でも搬送過程でダンボール箱10が変形するのを効果的に回避することが可能になる。
【0032】
すなわち、本実施形態によれば、上述のように、長辺部側面板に連設する外フラップよりも、短辺部側面板に連設する内フラップを長く突出させることなく、長辺部側面板17に連設する外フラップ16a,16bの先端縁部23と、短辺部側面板15に連設する内フラップ14a,14bの先端縁部とを揃えて、効率良くダンボール板12を裁断することが可能になると共に、天面部内フラップ14a及び底面部内フラップ14bの両側縁部22が、両側の長辺部側面板17の内側面に沿って配置され、且つ斜辺部側面板18が、長辺部側面板17に対して20°〜40°の折曲り角度θで各々折れ曲がった状態で設けられているので、短辺部側面板15の面積の増加によって応力が低減するという作用によって、外力に対する強度を向上させて、破断誘導線11を設けた場合でも搬送過程でダンボール箱10が変形するのを効果的に回避することが可能になる。
【0033】
また、本実施形態では、天面部外フラップ16aから長辺部側面板17に亘って形成された一対の破断誘導線11は、天面部外フラップ16aの突合せ先端縁部23の縁部分から長辺部側面板17に向けて外開きに斜めに延設して設けられているので、短辺部側面板15より受ける外力に対して外力を斜めに受けることで、破断誘導線11が受ける外力が低減されるという作用によって、搬送過程でダンボール箱10が変形するのをさらに効果的に回避することが可能になる。
【0034】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、天面部外フラップから長辺部側面板に亘って形成された一対の破断誘導線は、天面部外フラップの突合せ先端縁部の縁部分から長辺部側面板に向けて外開きに斜めに延設して設けられている必要は必ずしもなく、横方向折曲げ線に対して垂直な方向に延設して設けられていても良い。
【符号の説明】
【0035】
10 ダンボール箱
11 破断誘導線
11a 斜め延設部
11b 縦方向延設部
12 ダンボール板
13a 縦方向折曲げ線
13b 横方向折曲げ線
14a 天面部内フラップ
14b 底面部内フラップ
15 短辺部側面板
16a 天面部外フラップ
16b 底面部外フラップ
17 長辺部側面板
18 斜辺部側面板
19 側面部
20 天面部
21 底面部
22 底面部内フラップの側縁部
23 天面部外フラップの突合せ先端縁部
θ 斜辺部側面板の長辺部側面板に対する折曲り角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の形状に裁断されたダンボール板を折曲げ線に沿って折り曲げることで、内フラップが連設される一対の短辺部側面板、外フラップが連設される一対の長辺部側面板、及び各隣接する前記短辺部側面板と前記長辺部側面板との間に介在する4箇所の斜辺部側面板からなる8角形断面の側面部と、一対の天面部内フラップ及び一対の天面部外フラップによって形成される天面部と、一対の底面部内フラップ及び一対の底面部外フラップによって形成される底面部とを備えるように形成されると共に、少なくとも一方の前記天面部外フラップから前記長辺部側面板に亘って一対の破断誘導線が設けられているダンボール箱であって、
前記短辺部側面板の上端部に連設される前記天面部内フラップ、及び前記短辺部側面板の下端部に連設される前記底面部内フラップは、その両側縁部が、各々両側の前記長辺部側面板の内側面に沿って配置される形状を有しており、4箇所の前記斜辺部側面板は、各々前記長辺部側面板に対して20°〜40°の折曲り角度で折れ曲がった状態で配設されているダンボール箱。
【請求項2】
前記天面部外フラップから前記長辺部側面板に亘って形成された前記一対の破断誘導線は、前記前記天面部外フラップの突合せ先端縁部の縁部分から、前記長辺部側面板に向けて外開きに斜めに延設して設けられている請求項1記載のダンボール箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−210960(P2012−210960A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77263(P2011−77263)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】