チェッカーバルーン巻付機
バルーンカテーテルの遠位端部の周囲に同心状に配設された構造体の周囲にフィラメントを巻き付けるためのデバイスが、バルーンカテーテルの遠位端部を保持するための回転可能ホルダと、バルーンカテーテルの遠位端部の周囲に張力を加えられたフィラメントを螺旋状に巻き付けるための並進可能巻付けキャリッジと、フィラメントが周囲に巻き付けられたバルーンカテーテルのセクションに所定に対して所定の熱量を加えるためのヒータと、ホルダの回転速度、フィラメントに加えられる張力、ヒータにより加えられる熱量、およびバルーンカテーテルの長手方向次元に沿った並進可能巻付けキャリッジの移動速度を少なくとも制御するための制御装置とを備える。このデバイスを使用することにより、バルーンは、熱硬化され、所定の表面くぼみチェッカリングパターンが、単一工程においてこの構造体の外側表面中に形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、概して、カテーテルチューブおよびインフレータブルバルーンを少なくとも備えるバルーンカテーテルに関する。特に、本発明は、同心状に配設されたインフレータブルバルーン、ステント、ステントグラフト、またはそれらの組合せを有するカテーテルチューブを提供するための方法およびデバイスに関する。この同心状に配設されたインフレータブルバルーン、ステント、ステントグラフト、グラフト、またはそれらの組合せの表面上には、所定の表面くぼみパターンが形成される。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2009年7月2日に出願された、米国特許出願第12/497,166号の利益を主張するものである。
[0002]カテーテルの遠位端部上に、同心状に配設されたインフレータブルバルーン、ステント、ステントグラフト、およびグラフト等々の構造体を設けることが、医用技術においてよく知られている。かかる構造体は、中にカテーテルが挿入される内腔を有する脈管(例えば血管など)の拡張、閉塞または部分閉塞した脈管の強制開通、および閉塞解消または修復のためのステント、グラフト、またはステントグラフトの所望の脈管セクションへの送達等々の、様々な有用な目的にかなう。かかる構造体の次元および特性(長さ、厚さ、および可撓性等々)、ならびにかかる構造体を製造するための材料は、その使用目的に応じて大きく異なる。
【0003】
[0003]一例としてバルーンカテーテルを使用する場合に、バルーンは、収縮状態にある場合には、カテーテルの病巣通過性、追従性、総合的な送達性のために、低背位構成を画成することによりカテーテルの遠位端部の外側次元と形状合致することが望ましい。すなわち、カテーテルの外側表面上に折り畳まれ、その周囲に同心状に配設されたバルーンは、収縮された場合には、カテーテル/バルーンアセンブリの横断面寸法を殆ど拡大させないことが望ましい。これにより、カテーテルの可撓性が保たれ、特に上にバルーンが配設される遠位端部においてこのカテーテルのカテーテル追従および送達性が向上し、カテーテルの挿入/挿出の際に管壁に損傷を与える可能性が低下する。同様に、これにより、挿入器シースの適合性が最低限に抑えられる。
【0004】
[0004]このおよび他の目的を達成するために、例えば収縮されたバルーン、ステント、グラフト、またはステントグラフト等々の、カテーテルの周囲に同心状に巻き付けられた構造体の外側部上に、溝、チャネル、およびレリーフ構造部等々のくぼみパターンを画成する(「チェッカリング」と呼ぶ)ことが、知られている。カテーテルの穴を通過しそこからバルーン内部に送られた無菌生理食塩水等々によってバルーンが膨張されると、バルーンの膨張につれ、これらのくぼみは、実質的に消滅する。バルーンが収縮されると、くぼみは、再形成され、カテーテルを中心とした以前の低背位構成にバルーンが復帰するのを補助し得る。低背位構成へのこの復帰は、再挿入のためのこのデバイスの再折り畳みを補助し得る。
【0005】
[0005]かかるくぼみは、バルーンの外側表面中に成形、切削、または彫刻され得る。しかし、この方法は、労力および製造コストを増大させる。より望ましくは、表面のくぼみパターンは、バルーンの外側表面の周囲にテープ、ビーズ、ワイヤ、繊維、またはフィラメント等々の適切な材料を巻き付け、熱および圧力を印加して、所望のくぼみパターンを形成することにより、外側構造体の中または上に画成され得る。初めに手動による巻付けを伴う、かかるくぼみパターンを形成するための先行技術の巻付け方法は、品質制御の問題に十分には対応していない。特に、かかる手動による方法は、フィラメントに加えられる張力に関して適切な一貫性をもたらさず、さらに、巻き付けられる線のピッチおよびその結果得られるパターンに関してカテーテル間で一貫性のある結果をもたらさない。さらに、カテーテル製造に関して先行技術において知られている熱/圧力印加デバイスは、異なる長さのカテーテルに対応するために、不断の再調節/再工具設定を要する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006]本開示は、カテーテルの遠位先端部の周囲に同心状に配設されたバルーン、ステント、グラフト、ステントグラフト、またはそれらの組合せの外側表面中に、かかる表面くぼみパターンを形成するための方法およびデバイスに対する、当技術における必要性に対処する。特に、かかる表面くぼみを形成するプロセスを自動化するための改良された方法およびデバイスが、開示される。さらに、本開示は、このプロセスを自動化するためだけでなく、このデバイスを再構成する必要性を伴うことなく実質的にあらゆる長さのカテーテルに対応するための、方法およびデバイスを提示する。ここに開示される発明は、当技術におけるこの必要性を満たすと共に、さらに、比較的低価格であること、安定的であること、実装が容易であること、複雑性が低いこと、等々を含む、良好な工学的実施性を予期する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]上述のおよび他の問題は、カテーテルの遠位端部上に同心状に配設されたバルーンまたは他の構造体の外側表面中に表面くぼみを形成するための、本明細書において以下に説明される方法およびシステムに関連する原理および教示を適用することによって、解消される。概して、本発明は、テープ、ビーズ、ワイヤ、繊維、またはフィラメント等々を使用してかかる表面くぼみを形成するためのデバイスを提供し、これらの表面くぼみは、バルーンまたは他の構造体の外側部の周囲にテープ、ビーズ、ワイヤ、繊維、またはフィラメント等々を巻き付け、熱および圧力を同時に加えることにより、形成される。有利には、本開示の発明により、単一工程において、バルーンまたは他の構造体の外側表面上にかかる表面くぼみを形成することが可能となる。
【0008】
[0008]概して、本発明の一態様においては、バルーンカテーテルの外側表面の周囲にフィラメントを巻き付けることにより、バルーンの外側表面中に所定の表面くぼみパターンを形成するためのデバイスが説明される。このデバイスは、制御装置と、カテーテルの遠位端部上に配設されたバルーンの両端部にてバルーンカテーテルの少なくとも遠位端部を保持するための回転可能ホルダと、カテーテルの遠位端部上に配設されたバルーンの外側表面の周囲にフィラメントを巻き付けるための並進可能巻付けキャリッジとを少なくとも備える。この制御装置により、並進可能巻付けキャリッジは、バルーンカテーテルの長手方向次元に沿って移動されて、所定のピッチでバルーンカテーテルの周囲にフィラメントを巻き付ける。
【0009】
[0009]典型的には、この並進可能巻付けキャリッジは、バルーンの周囲に巻き付けるためのある長さのフィラメントを保持するためのフィラメントスプールと、フィラメント巻付けステップの際にフィラメントに所定の張力を加えるための引張装置と、ある長さのフィラメントが周囲に巻き付けられたバルーンのセクションに所定の熱量を加えるための、強制空気ヒータなどのヒータとを少なくとも備える。したがって、このフィラメントは、バルーンカテーテル外側部の周囲に螺旋状に巻き付けられ、バルーンは、熱硬化され、所定の表面くぼみパターンは、単一工程においてバルーンの外側表面中に形成される。加熱ステップは、巻付けステップの極めて直後に行われ、これにより、巻き付けられる線が変位し、所望のパターンおよび/またはピッチが崩れる危険性が軽減される。
【0010】
[0010]カテーテル遠位端部ホルダにより保持されないカテーテル本体部の部分を保持するために、回転可能カテーテル本体部ホルダがさらに設けられてもよい。この特徴は、このデバイスを再構成する必要性を全く伴わずに、チェッカリングのために任意の長さのバルーンカテーテルに対応し得る点において、「フリーサイズ」利点をもたらすことが、理解されよう。
【0011】
[0011]
別の態様においては、本明細書においては、バルーンカテーテルの外側表面の周囲にフィラメントを巻き付けることにより、バルーンの外側表面中に所定の表面くぼみパターンを形成するための方法が、提示される。概して、この方法は、カテーテル遠位端部上に配設されたバルーンの両端部にてバルーンカテーテルの少なくとも遠位端部を保持するためのホルダを用意するステップと、所定の回転速度にてホルダ中に保持されたバルーンカテーテルを回転させるステップと、バルーンカテーテルの外側表面の長手方向次元に沿って螺旋状に、所定の張力量下においてフィラメントを巻き付けるのと同時に、ヒータからバルーンカテーテルの周囲に螺旋状に巻き付けられたフィラメントへと所定の熱量を加えることにより、バルーンの外側表面中に所定の表面くぼみパターンを形成するステップとを含む。
【0012】
[0012]本方法によれば、フィラメントおよびヒータは、バルーンカテーテルの長手方向次元に沿って同時に移動して、単一工程において所定のピッチでバルーンの外側表面中に所定の表面くぼみパターンを形成する。典型的には、フィラメントに加えられる張力量、ヒータにより加えられる熱量、およびバルーンカテーテルの回転速度は、所定のピッチで所定の表面くぼみパターンを形成するために、バルーンカテーテルの物理的次元および製造材料に応じて選択される。
【0013】
[0013]本発明のこれらのおよび他の実施形態、態様、利点、および特徴は、以下の説明において示され、部分的には、本発明の以下の説明および参照図面を参照することにより、または本発明を実施することにより、当業者に明らかになろう。本発明の態様、利点、および特徴は、添付の特許請求の範囲において特に指摘される手段、手順、およびそれらの組合せにより、実現および達成される。
【0014】
[0014]本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明の複数の態様を図示し、その説明との組合せにおいて、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】[0015]バルーンカテーテル上に表面くぼみパターンを押し与えるためのデバイスの正面図である。
【図2】[0016]図1に図示されるデバイスの側面図である。
【図3】[0017]図1のデバイスと共に使用するためのスクリュードライブを示す図である。
【図4】[0018]図1のデバイスと共に使用するための支持従動部を示す図である。
【図5】[0019]図1のデバイスと共に使用するための回転自在クランプを示す図である。
【図6a】[0020]図1のデバイスと共に使用するための心棒サポートを示す図である。
【図6b】図1のデバイスと共に使用するための心棒を示す図である。
【図7a】[0021]図1のデバイスの構成要素の概略図である。
【図7b】図1のデバイスの構成要素の概略図である。
【図7c】図1のデバイスの構成要素の概略図である。
【図8】[0022]本明細書において説明される方法およびデバイスによりバルーンカテーテルおよびプロテクタの周囲に巻き付けられるフィラメントを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0023]図示される実施形態の以下の詳細な説明においては、本明細書の一部を形成し、本発明を実施し得る特定の実施形態を例として示す、添付の図面を参照とする。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施し得るのに十分に詳細に説明され、同様の数字は、種々の図面において同様の詳細を表す。さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用し得ること、ならびにプロセス変更、機械的変更、電気的変更、構成変更、ソフトウェア変更、および/または他の変更をなし得ることを、理解されたい。以下、本発明にしたがって、バルーンカテーテルのバルーンの外側表面中に所定の表面くぼみパターンを形成するためのデバイスおよび方法を説明する。
【0017】
[0024]以下の説明は、表面くぼみパターンが、カテーテルの遠位端部の外側部の周囲に同心状に配設されたバルーンの外側表面上に形成される、本発明の一実施形態を説明する。この形成プロセスは、当技術においては「チェッカリング」として知られている。本説明は、カテーテルの遠位端部の外側部の周囲に同心状に配設されたバルーン、ステント、ステントグラフト、または任意のそれらの所望の組合せに対しても同様に該当することが、過度の実験を伴うことなく当業者には理解されよう。さらに、説明される実施形態は、表面くぼみを押し与えるためにナイロンフィラメントを利用するが、テープ、ビーズ、ワイヤ、繊維、またはフィラメント等々を含むがそれらに限定されない、所望の表面くぼみのサイズおよび形状に応じた任意の適切な材料からなる任意の代替的な構造物を利用し得ることが、同様に過度の実験を伴うことなく当業者には理解されよう。
【0018】
[0025]図1を参照すると、カテーテルの遠位端部の外側部の周囲に同心状に配設されたバルーン、ステント、ステントグラフト、またはそれらの組合せの外側表面上に表面くぼみパターンを形成するための代表的なデバイス100が、示される。デバイス100は、制御装置102、カテーテル本体部ホルダ104、両端部にてカテーテルの遠位先端部(この図面には図示せず)を保持するためのカテーテル遠位端部ホルダ106a、b、および並進可能巻付けキャリッジ108を少なくとも備える。
【0019】
[0026]図2を参照すると、カテーテル本体部ホルダ104は、図示される実施形態においては、円形本体部202と、カテーテル本体部を定位置に保持するための隆起円周方向リップ204とを備える。ユーザは、カテーテル本体部(シャフト)206をカテーテル本体部ホルダ104の内部に配置することのみが必要となり、それにより、以下において詳細に説明される巻付け作業の最中にカテーテル本体部206が都合よく収容されることが、理解されよう。したがって、チェッカリングされることとなるカテーテルの長さにかかわらず、本デバイス100は、デバイス100のいかなる部分を再構成することも伴わずに、カテーテルを収容することが可能となる。
【0020】
[0027]さらに、図2は、巻付けキャリッジ108を示す。この巻付けキャリッジ108は、図示される実施形態においては、スプールホルダ208と、表面くぼみを形成するために使用される構造物を保持するためのスプール210とを備え、図示される実施形態においては、スプール210は、一巻のナイロンフィラメント212である。このナイロンフィラメントは、図示される実施形態においては整列された滑車216a、b、cであるセンサ214を通される。このセンサ214は、ナイロンフィラメント212に加えられる張力を計測するための張力計として実質的に作動する。フィラメント212に加えられる具体的な張力は、電磁ブレーキシステム213により決定される。この電磁ブレーキシステム213は、以下において詳細に説明されるように、制御装置102の制御下において連続可変クラッチとしての役割を果たす。図示される実施形態においては、電磁ブレーキシステム213は、印加される電流量に応じて回転にて対して抵抗を多少なりとも加える連続可変クラッチとして機能する。張力計(滑車216a、b、c)は、回転に対するこの抵抗により生じる、フィラメント212に加えられる張力を計測し、制御装置102にフィードバックを送り、それによりこの張力を一定の所定の値に維持する。約100g〜約500gのフィラメント212に張力を加えることにより、所望のチェッカリングパターンを形成することが予期される。
【0021】
[0028]やはり滑車を備え得る追加的なガイドポスト218、220が、フィラメント212を支持するために備えられる。ガイドポスト220から、フィラメント212は、カテーテル遠位端部ホルダ106a、b中に保持されたバルーンカテーテル222の付近に配設された支持従動部(以下を参照)に送られる。
【0022】
[0029]さらに、巻付けキャリッジ108は、ヒータ224を支持する。このヒータ224は、図示される実施形態においては、カテーテル遠位端部ホルダ106a、b中に保持されたバルーンカテーテルに所定の熱量を加えるための実質的に従来的な設計の強制空気ヒータである。図示される実施形態には、任意の所望の範囲内において熱を供給するための加熱素子226と、ホルダ106中に保持されたバルーンカテーテル222に接触するように所望の速度でヒータ224を経由させて空気を送るための空気源/配管228とを備える。カテーテル222上の所望の箇所に対して空気流および熱をさらに集中させるためのノズル延在部/先端部などの、ヒータ224に関連付けされる追加的な構造体(図示せず)が予期されることが、理解されよう。約45℃〜約120℃の加熱範囲で熱気を供給するための加熱素子226と、約30〜約50リットル/分で空気流を供給する空気源/配管228とを設けることが、予期される。フィラメント212に加えられる具体的な熱および空気流は、以下において説明されるように、制御装置102によって決定される。安全シールド230が、ユーザの安全性のためにさらに設けられてもよい。
【0023】
[0030]ヒータ224は、フィラメント212がバルーンカテーテルの周囲に巻き付けられる箇所の後方の所定の距離を置いた位置にてバルーンカテーテルに正確な加熱を与え、それによりバルーン外側表面中に所望の表面くぼみパターンを(以下においてさらに詳細に説明される、フィラメントに加えられる張力との組合せにおいて)形成するように、構成される。図示される実施形態においては、ヒータは、巻付けキャリッジ108上に保持され、それにより、熱は、フィラメント212がバルーンカテーテルの周囲に巻き付けられる箇所の後方の約2.54cm(1インチ)の位置に加えられる。当然ながら、この距離は、任意数のパラメータに応じて異なり得ることが理解されよう。
【0024】
[0031]巻付けキャリッジ108は、カテーテル遠位端部ホルダ106a、b中に保持されたバルーンカテーテル222に対して平行な方向(図1および図4の矢印Aを参照)に、1つまたは複数のトラックまたはシャフト232に沿って側方に並進されるように構成される。これは、任意の適切な方法によって達成することができ、図面に図示される実施形態においては、この方法は、スクリュードライブ302(図3を参照)である。巻付けキャリッジ108が並進される速度は、制御装置102によって決定され、モータに供給される。
【0025】
[0032]図4は、バルーンカテーテル222の周囲へのフィラメント212の巻付けにおいて使用するための支持受動部402を図示する。一般的には、支持従動部402は、カテーテル222を受けるためのノッチまたは溝406を有する支持棒404を備える。対のローラ408a、bが、カテーテル222を回転可能に支持し、それにより、カテーテル222は、これらのローラの間において自由に回転することが可能となる。ガイドピン410は、フィラメント212が、以下において詳細に説明されることとなる態様においてカテーテル222の周囲に巻き付く際に、カテーテル222を支持すると共に、フィラメント212を案内する。使用時には、巻付けキャリッジ108は、矢印Aにより示される方向に移動する。カテーテル222が、回転するにつれ、フィラメント212は、カテーテル222の周囲に巻き付く。チェッカリングされることとなるバルーンカテーテルの直径と、デバイス100に入力されるパラメータとに応じて、任意の適切なピッチが与えられ得ることが、当業者には理解されよう。約0.5mm〜約3mmのピッチと、巻き付けられたフィラメントが垂直方向から約0〜約45°の狭角を画定することとが、予期される。当然ながら、これは、巻付けキャリッジ108の移動速度、バルーンカテーテル222の回転速度、等々を含む、様々な要素により決定されることとなる。図示される実施形態においては、約1mmのピッチを有する螺旋状パターンが、形成される。この図におけるエッジ間隔(隣接し合うフィラメント212のループ間の間隔)は、約1mmのオーダである。
【0026】
[0033]カテーテル遠位端部ホルダ106aは、クランプアセンブリ112(図5を参照)を備える。クランプアセンブリ112は、巻付けがなされることとなるバルーン(図示せず)の近位のカテーテル本体部を受けるための溝504を有する中央ガイドポスト502を備える。カテーテル本体部を定位置に保持するためのばね付きクランプ506が、備えられる。ばね付きクランプ506は、デバイスの作動中にフィラメント212が固定され得るタイポスト508をさらに備える。クランプアセンブリ112は、カテーテルが装填または除去されなければならない際などに、ばね付きクランプ506を開位置に保持するための戻り止め(便宜上の理由により図示せず)をさらに備える。クランプアセンブリ112は、ホルダ104が回転する際にクランプアセンブリ112が回転するように、カテーテル本体部ホルダ104に回転可能に装着される。
【0027】
[0034]図6aは、トラックまたはシャフト232を受けてそれに沿って摺動するように構成されたチャネル604を備える、心棒支持アセンブリ602を示す。摩擦ブレーキ606が、トラックまたはシャフト232上の所望の位置にて、心棒支持アセンブリ602を定位置に可逆的に固定する。心棒支持アセンブリ602は、レシーバを画成し、自体の壁部中にスロット610を有する、心棒サポート608をさらに備える。
【0028】
[0035]図6bは、カテーテル222の遠位先端部(この図においては図示せず)を受けるための心棒アセンブリ612を示す。心棒アセンブリ612は、中に心棒618およびガード620を受けるための孔(この図には図示せず)を有する心棒アダプタ614を備える。止めねじ616a、bまたは他の適切な固定具が、心棒端部を定位置に保持し、それにより心棒アダプタ614からの不慮の脱落を防ぐ。遠位先端部ガード620は、カテーテル222の遠位端部(図示せず)を損傷から保護するために設けられ得る。
【0029】
[0036]使用時には、心棒618の一部分が、カテーテル222の遠位先端部(図示せず)の穴によって覆われる。次いで、カテーテル222の遠位先端部の一部分が、遠位先端部が損傷から保護されるように、遠位先端部ガード620の穴内に覆われる。このアセンブリは、心棒アダプタ614中の孔内に挿入され、止めねじ616a、bにより定位置に固定される。次に、心棒アダプタ614は、遠位先端部ガード620/心棒618を中に受けた状態で、心棒サポート608により画成されたレシーバ内に配置される。遠位先端部ガード620は、スロット610内に回転可能に位置する。心棒支持アセンブリ602の位置は、チェッカリングされることとなるカテーテル222(カテーテル遠位端部ホルダ106a、bによって保持される)の長さに応じて、トラックまたはシャフト232に沿って必要に応じて調節される。次いで、カテーテル222は、上述のようにチェッカリング作業が可能な状態となる。
【0030】
[0037]心棒アダプタ614は、心棒サポート608内において自由に回転することができ、それにより、カテーテル222がカテーテル遠位端部ホルダ106a、b内に固定され、カテーテル本体部ホルダ104が回転すると、心棒アダプタ614およびクランプアセンブリ112は共に、同一速度で回転して、中に保持されたバルーンカテーテル222の両端部のそれぞれについて一定の回転速度を確保することに留意されたい。代替的には、心棒アダプタ614およびクランプアセンブリ112は共に、1つまたは個別のモータ(図示せず)の制御の下で回転することができる。
【0031】
[0038]制御装置102は、圧力スイッチまたはタッチスクリーン(図1を参照)および同様のものを備え得るユーザ入力パネル114などの、複数の実質的に従来的な方法の中のいずれかにより、データ入力のために構成されてもよい。このようにすることで、ある特定のバルーンカテーテルの物理的次元、およびカテーテルを製造するための材料等々に応じて、ユーザは、具体的な巻付け速度、フィラメント212に加えられる張力、およびヒータ224から発せられる空気熱を規定する所望のパラメータを入力することができる。さらに、代替的なデータ入力方法が予期される。例えば、上述のパラメータ、すなわちある特定のバルーンカテーテルの物理的次元、カテーテルを製造するための材料等々、所定の巻付け速度、フィラメント212に加えられる張力、および空気熱に関連する情報を、バーコードなどのスキャン可能手段に組み込むことが、知られている。したがって、さらに、本発明にしたがって表面くぼみが押し与えられる特定のバルーンカテーテル設計に関するデータを取得するために、バーコードスキャナなどのスキャナ(この実施形態においては図示せず)を用意することが、予期される。
【0032】
[0039]デバイス100を制御する様々な構成要素が、図7a〜図7cに概略的に示される。第1のモータ702および第2のモータ704は、巻付けカートリッジ108の横断運動およびカテーテル本体部ホルダ104の回転をそれぞれ制御するために設けられる。冷却ファン706は、制御装置102の内部を冷却するために設けられる。張力センサ708は、制御装置102にフィードバックを供給して、フィラメント212に加えられる張力量の調整を確保する。図示される実施形態においては電磁ブレーキシステムであるブレーキ710が、スプール210を回転させるために必要なトルク量を制御する。同様に、回転モータ704が、カテーテル本体部ホルダ104の回転を制御する。ヒータ224の制御は、半導体継電器712によって制御される。変換器により、空気源228から流れる空気の温度の正確な制御が可能となる。空気流の開始および終了は、ソレノイド716によって調整され得る。入力116は、緊急状態においてユーザが全ての動作を停止させるための緊急停止スイッチ116a、およびデバイス100を始動させるために電力を供給するための瞬間スイッチ116bなどの、スイッチを表す。追加的な回路配線および構成要素が、さらに図示される。
【0033】
[0040]使用時には(図2を参照)、バルーンカテーテル222が、カテーテル遠位端部ホルダ106a、b内に装填され、心棒支持アセンブリ602/心棒アセンブリ612およびクランプアセンブリ112によりバルーンの各端部にて固定される。バルーンカテーテル222は、ステント、グラフト、ステントグラフト等々(図示せず)などの、バルーンの上または下に同心状に配設される追加的な構成要素をさらに備え得ることが、理解されよう。カテーテル222の本体部の残りの部分は、カテーテル本体部ホルダ104内に保持され、それによりカテーテル本体部による阻害が防がれる。フィラメント212は、張力計滑車216a〜cを経由し、ガイドポスト218および220を越えて送られ、タイポスト508に固定される。
【0034】
[0041]具体的なバルーンカテーテル/ステント/ステントグラフトの具体的な次元および材料等々(すなわち、バルーンの直径および長さ、バルーンを製造するための材料、等々)に応じて、ユーザは、ヒータ224からの空気温度、巻付けキャリッジ108の移動速度、およびある特定のピッチ(すなわち、フィラメント212が所定の距離にわたってバルーンカテーテル222の周囲に巻き付けられる回数)を実現するためにフィラメント212に加えられる張力の、具体的なパラメータを入力する。空気流量は、固定されてもよく(1つの非限定的な実施形態においては35L/分である)、または、当技術において知られているようなカテーテル用のバルーンを製造するための複数の材料に対応するように、約30〜約50L/分の範囲において可変的であってもよい。
【0035】
[0042]いかなる限定も意図しないが、実質的に従来的な次元および材料のバルーンカテーテルに該当するような1つの具体的な実施形態においては、約240グラムの張力が、ナイロンフィラメント212に加えられ(9.07kg(20ポンド)テスト)、約2〜約5cm/分の巻付けキャリッジ108の移動速度が、上述のような熱の印加を伴いつつ確立され、それにより、エッジ間ギャップ(フィラメント212の隣接し合うループ間のギャップ)または約1mmのピッチがもたらされ、それにより、所望の表面くぼみパターンが形成される。
【0036】
[0043]上述のように、これは、データを手動入力することによってなど、任意数の方法により実現され得る。代替的には、制御装置102が、CPU、および、例えば製品商標名へとコード化されたある特定のカテーテルタイプに関連する特定の作動条件の記憶を可能にする記憶容量を備えてもよい。この場合には、ユーザは、製品名または他の選択されたコード化パラメータを入力する必要があるにすぎず、制御装置102が、所望のピッチもたらすのに必要な作動パラメータを入力する。さらに、上述のように、バーコードなどのスキャン可能手段を用いて、バルーンカテーテルの必要な物理的次元(または代替的には、制御装置102がチェッカリングされることとなる特定のカテーテルについての所定の作動パラメータを選択するのを可能にするコード化)をもたらすことが、予期される。
【0037】
[0044]所望のパラメータの入力後に、カテーテル本体部ホルダ104は、所望のピッチを実現するのに必要な所定の回転速度にて回転する(ならびに、同時に、カテーテル遠位端部ホルダ106a、bおよびカテーテル222が、同一速度で回転する)。同時に、巻付けキャリッジ108が、側方に(カテーテル222の長手方向次元に対して平行に(図1および図3の矢印Aを参照))横断し、所定のピッチでバルーンカテーテル222の長手方向次元の周囲に螺旋状にフィラメント212を巻き付ける(図8を参照)。さらに同時に、ヒータ224が、作動され、(フィラメント212が上に巻き付けられた)バルーンカテーテル222のセクションに所定の熱および空気流を与え、それにより、バルーンカテーテル222の材料を軟化し、バルーンの襞を熱硬化する。フィラメント212が、所定の張力下にあるため、表面くぼみは、バルーンの外側表面中に形成される。このプロセスは、バルーンカテーテル222のバルーン部分の所定の長さに沿って継続する。フィラメント212は、遠位先端部ガード620を覆ってある短距離にわたり巻き付けられて(図8を参照)、バルーンの全表面が、所望の表面くぼみパターンを確実に受けるようにする。この段階にて、制御装置102は、このプロセスを終了してもよい。次いで、ユーザは、フィラメント212を切断し、デバイス100からバルーンカテーテル222を取り外し、バルーンカテーテル222の表面からフィラメント212を除去することのみが必要となり、それにより、所望の表面くぼみパターンが残る。次いで、デバイス100は、手動または自動によりリセットすることができ、次のバルーンカテーテルに対して準備される。
【0038】
[0045]本発明のこの図示される実施形態は、バルーンカテーテルの外側表面中に表面くぼみパターンを形成するためのデバイスおよび方法を示す。しかし、上述のように、ステントおよびステントグラフト等々(それらに限定されない)の他の構造体を、バルーンカテーテル222のバルーンを覆うように同心状に重畳させることもまた知られている。本デバイスおよび本方法は、バルーンについて説明された態様で、この追加的な構造体により付加される厚さまたは長さの任意の追加的な次元を示すデータを入力することなどによって、これらの代替的な構造体に対しても容易に適合可能であることが、当業者には容易に理解されよう。したがって、本デバイスおよび本方法は、バルーンカテーテル上に同心状に配設されたステント、ステントグラフト、等々の外側表面中に所望の表面くぼみパターンを形成し、それにより、カテーテルの遠位端部の外側次元に形状合致する低背位構成、向上したカテーテル可撓性、および収縮時の低背位構成へのバルーンの向上した再形成性および復帰性の、同一の所望の特性を与える役割をさらに果たすことが、容易に自明となる。
【0039】
[0046]今や、先行技術を上回る本発明のいくつかの利点が容易に明らかとなったはずである。本開示により、バルーンカテーテルの外側表面中に所望の表面くぼみパターンを形成するための、単純、効率的、かつ経済的なプロセス、およびこのプロセスを実現するための自動デバイスが実現されることが、当業者には容易に理解されよう。本デバイスは、カテーテル本体部ホルダを介して任意の長さのカテーテルに対処する。特に、本プロセスおよび本デバイスにより、単一工程において任意の長さのバルーンカテーテルに自動的に表面くぼみを与えることが可能となり、それにより、必要とされる労力量が低減される。すなわち、バルーンカテーテルの周囲に張力下においてフィラメント、テープ、またはビーズ等々を巻き付けるステップと、所望の表面パターンを形成するために熱を加えるステップとが、自動的に、および実質的に単一ステップにおいて達成され、それにより、製造時間および製造コストが削減される。さらに、このプロセスの自動化された特性により、バルーンカテーテル中に反復可能な正確に制御された表面くぼみパターンを実現する方法がもたらされ、それにより、バルーンカテーテル間における品質制御パラメータが著しく向上する。
【0040】
[0047]最後に、本発明の教示から逸脱することなく、さらなる実施形態もまた可能となることが、当業者には理解されよう。この詳細な説明および、特に本明細書において開示される例示的な実施形態の具体的詳細は、理解の明確化を主に目的として提示され、不要な限定を課されるべきではない。なぜならば、本開示を読むことにより、変更が当業者には明らかとなり、本発明の趣旨または範囲を逸脱することなくそれらの変更をなし得るからである。当然ながら、比較的明白な変更には、1つまたは複数の図面の様々な特徴を、他の図面の1つまたは複数の特徴と組み合わせることが含まれる。
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、概して、カテーテルチューブおよびインフレータブルバルーンを少なくとも備えるバルーンカテーテルに関する。特に、本発明は、同心状に配設されたインフレータブルバルーン、ステント、ステントグラフト、またはそれらの組合せを有するカテーテルチューブを提供するための方法およびデバイスに関する。この同心状に配設されたインフレータブルバルーン、ステント、ステントグラフト、グラフト、またはそれらの組合せの表面上には、所定の表面くぼみパターンが形成される。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2009年7月2日に出願された、米国特許出願第12/497,166号の利益を主張するものである。
[0002]カテーテルの遠位端部上に、同心状に配設されたインフレータブルバルーン、ステント、ステントグラフト、およびグラフト等々の構造体を設けることが、医用技術においてよく知られている。かかる構造体は、中にカテーテルが挿入される内腔を有する脈管(例えば血管など)の拡張、閉塞または部分閉塞した脈管の強制開通、および閉塞解消または修復のためのステント、グラフト、またはステントグラフトの所望の脈管セクションへの送達等々の、様々な有用な目的にかなう。かかる構造体の次元および特性(長さ、厚さ、および可撓性等々)、ならびにかかる構造体を製造するための材料は、その使用目的に応じて大きく異なる。
【0003】
[0003]一例としてバルーンカテーテルを使用する場合に、バルーンは、収縮状態にある場合には、カテーテルの病巣通過性、追従性、総合的な送達性のために、低背位構成を画成することによりカテーテルの遠位端部の外側次元と形状合致することが望ましい。すなわち、カテーテルの外側表面上に折り畳まれ、その周囲に同心状に配設されたバルーンは、収縮された場合には、カテーテル/バルーンアセンブリの横断面寸法を殆ど拡大させないことが望ましい。これにより、カテーテルの可撓性が保たれ、特に上にバルーンが配設される遠位端部においてこのカテーテルのカテーテル追従および送達性が向上し、カテーテルの挿入/挿出の際に管壁に損傷を与える可能性が低下する。同様に、これにより、挿入器シースの適合性が最低限に抑えられる。
【0004】
[0004]このおよび他の目的を達成するために、例えば収縮されたバルーン、ステント、グラフト、またはステントグラフト等々の、カテーテルの周囲に同心状に巻き付けられた構造体の外側部上に、溝、チャネル、およびレリーフ構造部等々のくぼみパターンを画成する(「チェッカリング」と呼ぶ)ことが、知られている。カテーテルの穴を通過しそこからバルーン内部に送られた無菌生理食塩水等々によってバルーンが膨張されると、バルーンの膨張につれ、これらのくぼみは、実質的に消滅する。バルーンが収縮されると、くぼみは、再形成され、カテーテルを中心とした以前の低背位構成にバルーンが復帰するのを補助し得る。低背位構成へのこの復帰は、再挿入のためのこのデバイスの再折り畳みを補助し得る。
【0005】
[0005]かかるくぼみは、バルーンの外側表面中に成形、切削、または彫刻され得る。しかし、この方法は、労力および製造コストを増大させる。より望ましくは、表面のくぼみパターンは、バルーンの外側表面の周囲にテープ、ビーズ、ワイヤ、繊維、またはフィラメント等々の適切な材料を巻き付け、熱および圧力を印加して、所望のくぼみパターンを形成することにより、外側構造体の中または上に画成され得る。初めに手動による巻付けを伴う、かかるくぼみパターンを形成するための先行技術の巻付け方法は、品質制御の問題に十分には対応していない。特に、かかる手動による方法は、フィラメントに加えられる張力に関して適切な一貫性をもたらさず、さらに、巻き付けられる線のピッチおよびその結果得られるパターンに関してカテーテル間で一貫性のある結果をもたらさない。さらに、カテーテル製造に関して先行技術において知られている熱/圧力印加デバイスは、異なる長さのカテーテルに対応するために、不断の再調節/再工具設定を要する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006]本開示は、カテーテルの遠位先端部の周囲に同心状に配設されたバルーン、ステント、グラフト、ステントグラフト、またはそれらの組合せの外側表面中に、かかる表面くぼみパターンを形成するための方法およびデバイスに対する、当技術における必要性に対処する。特に、かかる表面くぼみを形成するプロセスを自動化するための改良された方法およびデバイスが、開示される。さらに、本開示は、このプロセスを自動化するためだけでなく、このデバイスを再構成する必要性を伴うことなく実質的にあらゆる長さのカテーテルに対応するための、方法およびデバイスを提示する。ここに開示される発明は、当技術におけるこの必要性を満たすと共に、さらに、比較的低価格であること、安定的であること、実装が容易であること、複雑性が低いこと、等々を含む、良好な工学的実施性を予期する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]上述のおよび他の問題は、カテーテルの遠位端部上に同心状に配設されたバルーンまたは他の構造体の外側表面中に表面くぼみを形成するための、本明細書において以下に説明される方法およびシステムに関連する原理および教示を適用することによって、解消される。概して、本発明は、テープ、ビーズ、ワイヤ、繊維、またはフィラメント等々を使用してかかる表面くぼみを形成するためのデバイスを提供し、これらの表面くぼみは、バルーンまたは他の構造体の外側部の周囲にテープ、ビーズ、ワイヤ、繊維、またはフィラメント等々を巻き付け、熱および圧力を同時に加えることにより、形成される。有利には、本開示の発明により、単一工程において、バルーンまたは他の構造体の外側表面上にかかる表面くぼみを形成することが可能となる。
【0008】
[0008]概して、本発明の一態様においては、バルーンカテーテルの外側表面の周囲にフィラメントを巻き付けることにより、バルーンの外側表面中に所定の表面くぼみパターンを形成するためのデバイスが説明される。このデバイスは、制御装置と、カテーテルの遠位端部上に配設されたバルーンの両端部にてバルーンカテーテルの少なくとも遠位端部を保持するための回転可能ホルダと、カテーテルの遠位端部上に配設されたバルーンの外側表面の周囲にフィラメントを巻き付けるための並進可能巻付けキャリッジとを少なくとも備える。この制御装置により、並進可能巻付けキャリッジは、バルーンカテーテルの長手方向次元に沿って移動されて、所定のピッチでバルーンカテーテルの周囲にフィラメントを巻き付ける。
【0009】
[0009]典型的には、この並進可能巻付けキャリッジは、バルーンの周囲に巻き付けるためのある長さのフィラメントを保持するためのフィラメントスプールと、フィラメント巻付けステップの際にフィラメントに所定の張力を加えるための引張装置と、ある長さのフィラメントが周囲に巻き付けられたバルーンのセクションに所定の熱量を加えるための、強制空気ヒータなどのヒータとを少なくとも備える。したがって、このフィラメントは、バルーンカテーテル外側部の周囲に螺旋状に巻き付けられ、バルーンは、熱硬化され、所定の表面くぼみパターンは、単一工程においてバルーンの外側表面中に形成される。加熱ステップは、巻付けステップの極めて直後に行われ、これにより、巻き付けられる線が変位し、所望のパターンおよび/またはピッチが崩れる危険性が軽減される。
【0010】
[0010]カテーテル遠位端部ホルダにより保持されないカテーテル本体部の部分を保持するために、回転可能カテーテル本体部ホルダがさらに設けられてもよい。この特徴は、このデバイスを再構成する必要性を全く伴わずに、チェッカリングのために任意の長さのバルーンカテーテルに対応し得る点において、「フリーサイズ」利点をもたらすことが、理解されよう。
【0011】
[0011]
別の態様においては、本明細書においては、バルーンカテーテルの外側表面の周囲にフィラメントを巻き付けることにより、バルーンの外側表面中に所定の表面くぼみパターンを形成するための方法が、提示される。概して、この方法は、カテーテル遠位端部上に配設されたバルーンの両端部にてバルーンカテーテルの少なくとも遠位端部を保持するためのホルダを用意するステップと、所定の回転速度にてホルダ中に保持されたバルーンカテーテルを回転させるステップと、バルーンカテーテルの外側表面の長手方向次元に沿って螺旋状に、所定の張力量下においてフィラメントを巻き付けるのと同時に、ヒータからバルーンカテーテルの周囲に螺旋状に巻き付けられたフィラメントへと所定の熱量を加えることにより、バルーンの外側表面中に所定の表面くぼみパターンを形成するステップとを含む。
【0012】
[0012]本方法によれば、フィラメントおよびヒータは、バルーンカテーテルの長手方向次元に沿って同時に移動して、単一工程において所定のピッチでバルーンの外側表面中に所定の表面くぼみパターンを形成する。典型的には、フィラメントに加えられる張力量、ヒータにより加えられる熱量、およびバルーンカテーテルの回転速度は、所定のピッチで所定の表面くぼみパターンを形成するために、バルーンカテーテルの物理的次元および製造材料に応じて選択される。
【0013】
[0013]本発明のこれらのおよび他の実施形態、態様、利点、および特徴は、以下の説明において示され、部分的には、本発明の以下の説明および参照図面を参照することにより、または本発明を実施することにより、当業者に明らかになろう。本発明の態様、利点、および特徴は、添付の特許請求の範囲において特に指摘される手段、手順、およびそれらの組合せにより、実現および達成される。
【0014】
[0014]本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明の複数の態様を図示し、その説明との組合せにおいて、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】[0015]バルーンカテーテル上に表面くぼみパターンを押し与えるためのデバイスの正面図である。
【図2】[0016]図1に図示されるデバイスの側面図である。
【図3】[0017]図1のデバイスと共に使用するためのスクリュードライブを示す図である。
【図4】[0018]図1のデバイスと共に使用するための支持従動部を示す図である。
【図5】[0019]図1のデバイスと共に使用するための回転自在クランプを示す図である。
【図6a】[0020]図1のデバイスと共に使用するための心棒サポートを示す図である。
【図6b】図1のデバイスと共に使用するための心棒を示す図である。
【図7a】[0021]図1のデバイスの構成要素の概略図である。
【図7b】図1のデバイスの構成要素の概略図である。
【図7c】図1のデバイスの構成要素の概略図である。
【図8】[0022]本明細書において説明される方法およびデバイスによりバルーンカテーテルおよびプロテクタの周囲に巻き付けられるフィラメントを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0023]図示される実施形態の以下の詳細な説明においては、本明細書の一部を形成し、本発明を実施し得る特定の実施形態を例として示す、添付の図面を参照とする。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施し得るのに十分に詳細に説明され、同様の数字は、種々の図面において同様の詳細を表す。さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用し得ること、ならびにプロセス変更、機械的変更、電気的変更、構成変更、ソフトウェア変更、および/または他の変更をなし得ることを、理解されたい。以下、本発明にしたがって、バルーンカテーテルのバルーンの外側表面中に所定の表面くぼみパターンを形成するためのデバイスおよび方法を説明する。
【0017】
[0024]以下の説明は、表面くぼみパターンが、カテーテルの遠位端部の外側部の周囲に同心状に配設されたバルーンの外側表面上に形成される、本発明の一実施形態を説明する。この形成プロセスは、当技術においては「チェッカリング」として知られている。本説明は、カテーテルの遠位端部の外側部の周囲に同心状に配設されたバルーン、ステント、ステントグラフト、または任意のそれらの所望の組合せに対しても同様に該当することが、過度の実験を伴うことなく当業者には理解されよう。さらに、説明される実施形態は、表面くぼみを押し与えるためにナイロンフィラメントを利用するが、テープ、ビーズ、ワイヤ、繊維、またはフィラメント等々を含むがそれらに限定されない、所望の表面くぼみのサイズおよび形状に応じた任意の適切な材料からなる任意の代替的な構造物を利用し得ることが、同様に過度の実験を伴うことなく当業者には理解されよう。
【0018】
[0025]図1を参照すると、カテーテルの遠位端部の外側部の周囲に同心状に配設されたバルーン、ステント、ステントグラフト、またはそれらの組合せの外側表面上に表面くぼみパターンを形成するための代表的なデバイス100が、示される。デバイス100は、制御装置102、カテーテル本体部ホルダ104、両端部にてカテーテルの遠位先端部(この図面には図示せず)を保持するためのカテーテル遠位端部ホルダ106a、b、および並進可能巻付けキャリッジ108を少なくとも備える。
【0019】
[0026]図2を参照すると、カテーテル本体部ホルダ104は、図示される実施形態においては、円形本体部202と、カテーテル本体部を定位置に保持するための隆起円周方向リップ204とを備える。ユーザは、カテーテル本体部(シャフト)206をカテーテル本体部ホルダ104の内部に配置することのみが必要となり、それにより、以下において詳細に説明される巻付け作業の最中にカテーテル本体部206が都合よく収容されることが、理解されよう。したがって、チェッカリングされることとなるカテーテルの長さにかかわらず、本デバイス100は、デバイス100のいかなる部分を再構成することも伴わずに、カテーテルを収容することが可能となる。
【0020】
[0027]さらに、図2は、巻付けキャリッジ108を示す。この巻付けキャリッジ108は、図示される実施形態においては、スプールホルダ208と、表面くぼみを形成するために使用される構造物を保持するためのスプール210とを備え、図示される実施形態においては、スプール210は、一巻のナイロンフィラメント212である。このナイロンフィラメントは、図示される実施形態においては整列された滑車216a、b、cであるセンサ214を通される。このセンサ214は、ナイロンフィラメント212に加えられる張力を計測するための張力計として実質的に作動する。フィラメント212に加えられる具体的な張力は、電磁ブレーキシステム213により決定される。この電磁ブレーキシステム213は、以下において詳細に説明されるように、制御装置102の制御下において連続可変クラッチとしての役割を果たす。図示される実施形態においては、電磁ブレーキシステム213は、印加される電流量に応じて回転にて対して抵抗を多少なりとも加える連続可変クラッチとして機能する。張力計(滑車216a、b、c)は、回転に対するこの抵抗により生じる、フィラメント212に加えられる張力を計測し、制御装置102にフィードバックを送り、それによりこの張力を一定の所定の値に維持する。約100g〜約500gのフィラメント212に張力を加えることにより、所望のチェッカリングパターンを形成することが予期される。
【0021】
[0028]やはり滑車を備え得る追加的なガイドポスト218、220が、フィラメント212を支持するために備えられる。ガイドポスト220から、フィラメント212は、カテーテル遠位端部ホルダ106a、b中に保持されたバルーンカテーテル222の付近に配設された支持従動部(以下を参照)に送られる。
【0022】
[0029]さらに、巻付けキャリッジ108は、ヒータ224を支持する。このヒータ224は、図示される実施形態においては、カテーテル遠位端部ホルダ106a、b中に保持されたバルーンカテーテルに所定の熱量を加えるための実質的に従来的な設計の強制空気ヒータである。図示される実施形態には、任意の所望の範囲内において熱を供給するための加熱素子226と、ホルダ106中に保持されたバルーンカテーテル222に接触するように所望の速度でヒータ224を経由させて空気を送るための空気源/配管228とを備える。カテーテル222上の所望の箇所に対して空気流および熱をさらに集中させるためのノズル延在部/先端部などの、ヒータ224に関連付けされる追加的な構造体(図示せず)が予期されることが、理解されよう。約45℃〜約120℃の加熱範囲で熱気を供給するための加熱素子226と、約30〜約50リットル/分で空気流を供給する空気源/配管228とを設けることが、予期される。フィラメント212に加えられる具体的な熱および空気流は、以下において説明されるように、制御装置102によって決定される。安全シールド230が、ユーザの安全性のためにさらに設けられてもよい。
【0023】
[0030]ヒータ224は、フィラメント212がバルーンカテーテルの周囲に巻き付けられる箇所の後方の所定の距離を置いた位置にてバルーンカテーテルに正確な加熱を与え、それによりバルーン外側表面中に所望の表面くぼみパターンを(以下においてさらに詳細に説明される、フィラメントに加えられる張力との組合せにおいて)形成するように、構成される。図示される実施形態においては、ヒータは、巻付けキャリッジ108上に保持され、それにより、熱は、フィラメント212がバルーンカテーテルの周囲に巻き付けられる箇所の後方の約2.54cm(1インチ)の位置に加えられる。当然ながら、この距離は、任意数のパラメータに応じて異なり得ることが理解されよう。
【0024】
[0031]巻付けキャリッジ108は、カテーテル遠位端部ホルダ106a、b中に保持されたバルーンカテーテル222に対して平行な方向(図1および図4の矢印Aを参照)に、1つまたは複数のトラックまたはシャフト232に沿って側方に並進されるように構成される。これは、任意の適切な方法によって達成することができ、図面に図示される実施形態においては、この方法は、スクリュードライブ302(図3を参照)である。巻付けキャリッジ108が並進される速度は、制御装置102によって決定され、モータに供給される。
【0025】
[0032]図4は、バルーンカテーテル222の周囲へのフィラメント212の巻付けにおいて使用するための支持受動部402を図示する。一般的には、支持従動部402は、カテーテル222を受けるためのノッチまたは溝406を有する支持棒404を備える。対のローラ408a、bが、カテーテル222を回転可能に支持し、それにより、カテーテル222は、これらのローラの間において自由に回転することが可能となる。ガイドピン410は、フィラメント212が、以下において詳細に説明されることとなる態様においてカテーテル222の周囲に巻き付く際に、カテーテル222を支持すると共に、フィラメント212を案内する。使用時には、巻付けキャリッジ108は、矢印Aにより示される方向に移動する。カテーテル222が、回転するにつれ、フィラメント212は、カテーテル222の周囲に巻き付く。チェッカリングされることとなるバルーンカテーテルの直径と、デバイス100に入力されるパラメータとに応じて、任意の適切なピッチが与えられ得ることが、当業者には理解されよう。約0.5mm〜約3mmのピッチと、巻き付けられたフィラメントが垂直方向から約0〜約45°の狭角を画定することとが、予期される。当然ながら、これは、巻付けキャリッジ108の移動速度、バルーンカテーテル222の回転速度、等々を含む、様々な要素により決定されることとなる。図示される実施形態においては、約1mmのピッチを有する螺旋状パターンが、形成される。この図におけるエッジ間隔(隣接し合うフィラメント212のループ間の間隔)は、約1mmのオーダである。
【0026】
[0033]カテーテル遠位端部ホルダ106aは、クランプアセンブリ112(図5を参照)を備える。クランプアセンブリ112は、巻付けがなされることとなるバルーン(図示せず)の近位のカテーテル本体部を受けるための溝504を有する中央ガイドポスト502を備える。カテーテル本体部を定位置に保持するためのばね付きクランプ506が、備えられる。ばね付きクランプ506は、デバイスの作動中にフィラメント212が固定され得るタイポスト508をさらに備える。クランプアセンブリ112は、カテーテルが装填または除去されなければならない際などに、ばね付きクランプ506を開位置に保持するための戻り止め(便宜上の理由により図示せず)をさらに備える。クランプアセンブリ112は、ホルダ104が回転する際にクランプアセンブリ112が回転するように、カテーテル本体部ホルダ104に回転可能に装着される。
【0027】
[0034]図6aは、トラックまたはシャフト232を受けてそれに沿って摺動するように構成されたチャネル604を備える、心棒支持アセンブリ602を示す。摩擦ブレーキ606が、トラックまたはシャフト232上の所望の位置にて、心棒支持アセンブリ602を定位置に可逆的に固定する。心棒支持アセンブリ602は、レシーバを画成し、自体の壁部中にスロット610を有する、心棒サポート608をさらに備える。
【0028】
[0035]図6bは、カテーテル222の遠位先端部(この図においては図示せず)を受けるための心棒アセンブリ612を示す。心棒アセンブリ612は、中に心棒618およびガード620を受けるための孔(この図には図示せず)を有する心棒アダプタ614を備える。止めねじ616a、bまたは他の適切な固定具が、心棒端部を定位置に保持し、それにより心棒アダプタ614からの不慮の脱落を防ぐ。遠位先端部ガード620は、カテーテル222の遠位端部(図示せず)を損傷から保護するために設けられ得る。
【0029】
[0036]使用時には、心棒618の一部分が、カテーテル222の遠位先端部(図示せず)の穴によって覆われる。次いで、カテーテル222の遠位先端部の一部分が、遠位先端部が損傷から保護されるように、遠位先端部ガード620の穴内に覆われる。このアセンブリは、心棒アダプタ614中の孔内に挿入され、止めねじ616a、bにより定位置に固定される。次に、心棒アダプタ614は、遠位先端部ガード620/心棒618を中に受けた状態で、心棒サポート608により画成されたレシーバ内に配置される。遠位先端部ガード620は、スロット610内に回転可能に位置する。心棒支持アセンブリ602の位置は、チェッカリングされることとなるカテーテル222(カテーテル遠位端部ホルダ106a、bによって保持される)の長さに応じて、トラックまたはシャフト232に沿って必要に応じて調節される。次いで、カテーテル222は、上述のようにチェッカリング作業が可能な状態となる。
【0030】
[0037]心棒アダプタ614は、心棒サポート608内において自由に回転することができ、それにより、カテーテル222がカテーテル遠位端部ホルダ106a、b内に固定され、カテーテル本体部ホルダ104が回転すると、心棒アダプタ614およびクランプアセンブリ112は共に、同一速度で回転して、中に保持されたバルーンカテーテル222の両端部のそれぞれについて一定の回転速度を確保することに留意されたい。代替的には、心棒アダプタ614およびクランプアセンブリ112は共に、1つまたは個別のモータ(図示せず)の制御の下で回転することができる。
【0031】
[0038]制御装置102は、圧力スイッチまたはタッチスクリーン(図1を参照)および同様のものを備え得るユーザ入力パネル114などの、複数の実質的に従来的な方法の中のいずれかにより、データ入力のために構成されてもよい。このようにすることで、ある特定のバルーンカテーテルの物理的次元、およびカテーテルを製造するための材料等々に応じて、ユーザは、具体的な巻付け速度、フィラメント212に加えられる張力、およびヒータ224から発せられる空気熱を規定する所望のパラメータを入力することができる。さらに、代替的なデータ入力方法が予期される。例えば、上述のパラメータ、すなわちある特定のバルーンカテーテルの物理的次元、カテーテルを製造するための材料等々、所定の巻付け速度、フィラメント212に加えられる張力、および空気熱に関連する情報を、バーコードなどのスキャン可能手段に組み込むことが、知られている。したがって、さらに、本発明にしたがって表面くぼみが押し与えられる特定のバルーンカテーテル設計に関するデータを取得するために、バーコードスキャナなどのスキャナ(この実施形態においては図示せず)を用意することが、予期される。
【0032】
[0039]デバイス100を制御する様々な構成要素が、図7a〜図7cに概略的に示される。第1のモータ702および第2のモータ704は、巻付けカートリッジ108の横断運動およびカテーテル本体部ホルダ104の回転をそれぞれ制御するために設けられる。冷却ファン706は、制御装置102の内部を冷却するために設けられる。張力センサ708は、制御装置102にフィードバックを供給して、フィラメント212に加えられる張力量の調整を確保する。図示される実施形態においては電磁ブレーキシステムであるブレーキ710が、スプール210を回転させるために必要なトルク量を制御する。同様に、回転モータ704が、カテーテル本体部ホルダ104の回転を制御する。ヒータ224の制御は、半導体継電器712によって制御される。変換器により、空気源228から流れる空気の温度の正確な制御が可能となる。空気流の開始および終了は、ソレノイド716によって調整され得る。入力116は、緊急状態においてユーザが全ての動作を停止させるための緊急停止スイッチ116a、およびデバイス100を始動させるために電力を供給するための瞬間スイッチ116bなどの、スイッチを表す。追加的な回路配線および構成要素が、さらに図示される。
【0033】
[0040]使用時には(図2を参照)、バルーンカテーテル222が、カテーテル遠位端部ホルダ106a、b内に装填され、心棒支持アセンブリ602/心棒アセンブリ612およびクランプアセンブリ112によりバルーンの各端部にて固定される。バルーンカテーテル222は、ステント、グラフト、ステントグラフト等々(図示せず)などの、バルーンの上または下に同心状に配設される追加的な構成要素をさらに備え得ることが、理解されよう。カテーテル222の本体部の残りの部分は、カテーテル本体部ホルダ104内に保持され、それによりカテーテル本体部による阻害が防がれる。フィラメント212は、張力計滑車216a〜cを経由し、ガイドポスト218および220を越えて送られ、タイポスト508に固定される。
【0034】
[0041]具体的なバルーンカテーテル/ステント/ステントグラフトの具体的な次元および材料等々(すなわち、バルーンの直径および長さ、バルーンを製造するための材料、等々)に応じて、ユーザは、ヒータ224からの空気温度、巻付けキャリッジ108の移動速度、およびある特定のピッチ(すなわち、フィラメント212が所定の距離にわたってバルーンカテーテル222の周囲に巻き付けられる回数)を実現するためにフィラメント212に加えられる張力の、具体的なパラメータを入力する。空気流量は、固定されてもよく(1つの非限定的な実施形態においては35L/分である)、または、当技術において知られているようなカテーテル用のバルーンを製造するための複数の材料に対応するように、約30〜約50L/分の範囲において可変的であってもよい。
【0035】
[0042]いかなる限定も意図しないが、実質的に従来的な次元および材料のバルーンカテーテルに該当するような1つの具体的な実施形態においては、約240グラムの張力が、ナイロンフィラメント212に加えられ(9.07kg(20ポンド)テスト)、約2〜約5cm/分の巻付けキャリッジ108の移動速度が、上述のような熱の印加を伴いつつ確立され、それにより、エッジ間ギャップ(フィラメント212の隣接し合うループ間のギャップ)または約1mmのピッチがもたらされ、それにより、所望の表面くぼみパターンが形成される。
【0036】
[0043]上述のように、これは、データを手動入力することによってなど、任意数の方法により実現され得る。代替的には、制御装置102が、CPU、および、例えば製品商標名へとコード化されたある特定のカテーテルタイプに関連する特定の作動条件の記憶を可能にする記憶容量を備えてもよい。この場合には、ユーザは、製品名または他の選択されたコード化パラメータを入力する必要があるにすぎず、制御装置102が、所望のピッチもたらすのに必要な作動パラメータを入力する。さらに、上述のように、バーコードなどのスキャン可能手段を用いて、バルーンカテーテルの必要な物理的次元(または代替的には、制御装置102がチェッカリングされることとなる特定のカテーテルについての所定の作動パラメータを選択するのを可能にするコード化)をもたらすことが、予期される。
【0037】
[0044]所望のパラメータの入力後に、カテーテル本体部ホルダ104は、所望のピッチを実現するのに必要な所定の回転速度にて回転する(ならびに、同時に、カテーテル遠位端部ホルダ106a、bおよびカテーテル222が、同一速度で回転する)。同時に、巻付けキャリッジ108が、側方に(カテーテル222の長手方向次元に対して平行に(図1および図3の矢印Aを参照))横断し、所定のピッチでバルーンカテーテル222の長手方向次元の周囲に螺旋状にフィラメント212を巻き付ける(図8を参照)。さらに同時に、ヒータ224が、作動され、(フィラメント212が上に巻き付けられた)バルーンカテーテル222のセクションに所定の熱および空気流を与え、それにより、バルーンカテーテル222の材料を軟化し、バルーンの襞を熱硬化する。フィラメント212が、所定の張力下にあるため、表面くぼみは、バルーンの外側表面中に形成される。このプロセスは、バルーンカテーテル222のバルーン部分の所定の長さに沿って継続する。フィラメント212は、遠位先端部ガード620を覆ってある短距離にわたり巻き付けられて(図8を参照)、バルーンの全表面が、所望の表面くぼみパターンを確実に受けるようにする。この段階にて、制御装置102は、このプロセスを終了してもよい。次いで、ユーザは、フィラメント212を切断し、デバイス100からバルーンカテーテル222を取り外し、バルーンカテーテル222の表面からフィラメント212を除去することのみが必要となり、それにより、所望の表面くぼみパターンが残る。次いで、デバイス100は、手動または自動によりリセットすることができ、次のバルーンカテーテルに対して準備される。
【0038】
[0045]本発明のこの図示される実施形態は、バルーンカテーテルの外側表面中に表面くぼみパターンを形成するためのデバイスおよび方法を示す。しかし、上述のように、ステントおよびステントグラフト等々(それらに限定されない)の他の構造体を、バルーンカテーテル222のバルーンを覆うように同心状に重畳させることもまた知られている。本デバイスおよび本方法は、バルーンについて説明された態様で、この追加的な構造体により付加される厚さまたは長さの任意の追加的な次元を示すデータを入力することなどによって、これらの代替的な構造体に対しても容易に適合可能であることが、当業者には容易に理解されよう。したがって、本デバイスおよび本方法は、バルーンカテーテル上に同心状に配設されたステント、ステントグラフト、等々の外側表面中に所望の表面くぼみパターンを形成し、それにより、カテーテルの遠位端部の外側次元に形状合致する低背位構成、向上したカテーテル可撓性、および収縮時の低背位構成へのバルーンの向上した再形成性および復帰性の、同一の所望の特性を与える役割をさらに果たすことが、容易に自明となる。
【0039】
[0046]今や、先行技術を上回る本発明のいくつかの利点が容易に明らかとなったはずである。本開示により、バルーンカテーテルの外側表面中に所望の表面くぼみパターンを形成するための、単純、効率的、かつ経済的なプロセス、およびこのプロセスを実現するための自動デバイスが実現されることが、当業者には容易に理解されよう。本デバイスは、カテーテル本体部ホルダを介して任意の長さのカテーテルに対処する。特に、本プロセスおよび本デバイスにより、単一工程において任意の長さのバルーンカテーテルに自動的に表面くぼみを与えることが可能となり、それにより、必要とされる労力量が低減される。すなわち、バルーンカテーテルの周囲に張力下においてフィラメント、テープ、またはビーズ等々を巻き付けるステップと、所望の表面パターンを形成するために熱を加えるステップとが、自動的に、および実質的に単一ステップにおいて達成され、それにより、製造時間および製造コストが削減される。さらに、このプロセスの自動化された特性により、バルーンカテーテル中に反復可能な正確に制御された表面くぼみパターンを実現する方法がもたらされ、それにより、バルーンカテーテル間における品質制御パラメータが著しく向上する。
【0040】
[0047]最後に、本発明の教示から逸脱することなく、さらなる実施形態もまた可能となることが、当業者には理解されよう。この詳細な説明および、特に本明細書において開示される例示的な実施形態の具体的詳細は、理解の明確化を主に目的として提示され、不要な限定を課されるべきではない。なぜならば、本開示を読むことにより、変更が当業者には明らかとなり、本発明の趣旨または範囲を逸脱することなくそれらの変更をなし得るからである。当然ながら、比較的明白な変更には、1つまたは複数の図面の様々な特徴を、他の図面の1つまたは複数の特徴と組み合わせることが含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルーンカテーテルの遠位端部の外側表面の周囲に同心状に配設された構造体の周囲にフィラメントを巻き付けることにより、前記構造体の外側表面中に所定パターンの表面くぼみを形成するためのデバイスであって、
制御装置と、
前記カテーテルの遠位端部上に配設されたバルーンの両端部にて少なくともバルーンカテーテルの遠位端部を保持するための回転可能ホルダと、
前記カテーテルの遠位端部上に配設された前記バルーンの外側表面の周囲にフィラメントを巻き付けるための並進可能巻付けキャリッジと
を備え、
前記制御装置により、前記並進可能巻付けキャリッジは、前記バルーンカテーテルの長手形状に沿って移動されて、所定のピッチで前記バルーンカテーテルの周囲に前記フィラメントを巻き付ける、デバイス。
【請求項2】
前記構造体は、バルーン、ステント、グラフト、およびステントグラフトの中の少なくとも1つである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記並進可能巻付けキャリッジは、前記バルーンの周囲に巻き付けるためのある長さのフィラメントを保持するためのフィラメントスプールと、フィラメント巻付けステップの際に前記フィラメントに所定の張力を加えるための引張装置と、ある長さのフィラメントが周囲に巻き付けられたバルーンのセクションに所定の熱量を加えるためのヒータとを少なくとも備え、
前記フィラメントは、前記バルーンカテーテル外側部の周囲に巻き付けられ、前記バルーンは、熱硬化され、前記所定の表面くぼみパターンは、単一工程において前記バルーンの外側表面中に形成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記ホルダにより保持されないカテーテル本体部の部分を保持するための回転可能カテーテル本体部ホルダをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記所定パターンの表面くぼみは、前記スプール上に保持されたテープ、ビーズ、ワイヤ、繊維、またはフィラメントの中の1つにより、前記バルーン外側表面中に形成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ホルダは、クランプアセンブリと、前記カテーテルの遠位端部上に配設されたバルーンの両端部にてバルーンカテーテルの遠位端部を保持するための心棒とを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記クランプアセンブリは、前記フィラメントが装着され得るタイポストを備える、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記ヒータは、強制空気熱源である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
バルーンカテーテルの遠位端部の外側表面の周囲に同心状に配設された構造体の外側表面の周囲にフィラメントを巻き付けることにより、前記構造体の外側表面中に所定パターンの表面くぼみを形成するための方法であって、
前記カテーテル遠位端部上に配設されたバルーンの両端部にてバルーンカテーテルの少なくとも遠位端部を保持するためのホルダを用意するステップと、
所定の回転速度にて前記ホルダ中に保持された前記バルーンカテーテルを回転させるステップと、
前記バルーンカテーテルの外側表面の長手方向次元に沿って螺旋状に、所定の張力量下においてフィラメントを巻き付けるのと同時に、ヒータから前記バルーンカテーテルの周囲に螺旋状に巻き付けられた前記フィラメントに所定の熱量を加えることにより、前記バルーンの外側表面中に前記所定パターンの表面くぼみを形成するステップと
を含み、
前記フィラメントおよび前記ヒータは、前記バルーンカテーテルの長手方向次元に沿って同時に移動して、単一工程において所定のピッチで前記バルーンの前記外側表面中に前記所定パターンの表面くぼみを形成する、方法。
【請求項10】
前記構造体は、バルーン、ステント、グラフト、およびステントグラフトの中の少なくとも1つである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記フィラメントに加えられる張力量、前記ヒータにより加えられる熱量、および前記バルーンカテーテルの回転速度が、前記所定のピッチで前記所定パターンの表面くぼみを形成するために、前記バルーンカテーテルの物理的次元および製造材料に応じて選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
約45℃〜約120℃にて、前記バルーンカテーテルおよび前記バルーンカテーテルの周囲に螺旋状に巻き付けられた前記フィラメントに熱を加えるステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
約100g〜約500gの前記フィラメントに対する張力を加えるステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記バルーンカテーテルの前記外側表面の長手方向次元に沿って螺旋状に前記フィラメントを巻き付けることにより、前記バルーンカテーテルの前記表面上に、隣接し合うフィラメントループ間において約0.5mm〜約0.3mmのピッチを形成するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記フィラメントおよび前記ヒータは、約2〜約5cm/分の移動速度で、前記バルーンカテーテルの長手方向次元に沿って同時に移動される、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記バルーンカテーテルの前記外側表面の長手方向次元の周囲に巻き付けられた前記フィラメントを除去して、前記表面くぼみパターンを露出させるステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
バルーンカテーテルの遠位端部の周囲に同心状に配設された構造体の外側表面の周囲にフィラメントを巻き付けることにより、バルーンの外側表面中に所定パターンの表面くぼみを形成するためのデバイスであって、
前記カテーテルの遠位端部上に配設されたバルーンの両端部にてバルーンカテーテルの少なくとも遠位端部を保持するための回転可能ホルダと、
前記カテーテルの遠位端部上に配設された前記バルーンの外側表面の周囲に張力を加えられたフィラメントを螺旋状に巻き付けるために、前記バルーンカテーテルの長手方向次元に沿って並進される、並進可能巻付けキャリッジと、
前記フィラメントが周囲に巻き付けられた前記バルーンカテーテルのセクションに所定に対して所定の熱量を加えるためのヒータと、
前記ホルダの回転速度、前記フィラメントに加えられる張力、前記ヒータにより加えられる熱量、および前記バルーンカテーテルの長手方向次元に沿った前記並進可能巻付けキャリッジの移動速度を少なくとも制御するための制御装置と
を備え、
前記フィラメントは、前記バルーンカテーテル外側部の周囲に巻き付けられ、前記バルーンは、熱硬化され、前記所定パターンの表面くぼみは、単一工程において前記バルーンの外側表面中に形成される、デバイス。
【請求項18】
前記並進可能巻付けキャリッジは、前記バルーンの周囲に螺旋状に巻き付けるためのある長さのフィラメントを保持するためのフィラメントスプールを備える、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記ホルダにより保持されないカテーテル本体部の部分を保持するための回転可能カテーテル本体部ホルダをさらに備える、請求項17に記載のデバイス。
【請求項20】
クランプアセンブリと、前記カテーテルの遠位端部上に配設されたバルーンの両端部にてバルーンカテーテルの遠位端部を保持するための心棒とを備える、請求項17に記載のデバイス。
【請求項21】
前記クランプアセンブリは、前記フィラメントが装着され得るタイポストを備える、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記ヒータは、強制空気熱源である、請求項17に記載のデバイス。
【請求項1】
バルーンカテーテルの遠位端部の外側表面の周囲に同心状に配設された構造体の周囲にフィラメントを巻き付けることにより、前記構造体の外側表面中に所定パターンの表面くぼみを形成するためのデバイスであって、
制御装置と、
前記カテーテルの遠位端部上に配設されたバルーンの両端部にて少なくともバルーンカテーテルの遠位端部を保持するための回転可能ホルダと、
前記カテーテルの遠位端部上に配設された前記バルーンの外側表面の周囲にフィラメントを巻き付けるための並進可能巻付けキャリッジと
を備え、
前記制御装置により、前記並進可能巻付けキャリッジは、前記バルーンカテーテルの長手形状に沿って移動されて、所定のピッチで前記バルーンカテーテルの周囲に前記フィラメントを巻き付ける、デバイス。
【請求項2】
前記構造体は、バルーン、ステント、グラフト、およびステントグラフトの中の少なくとも1つである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記並進可能巻付けキャリッジは、前記バルーンの周囲に巻き付けるためのある長さのフィラメントを保持するためのフィラメントスプールと、フィラメント巻付けステップの際に前記フィラメントに所定の張力を加えるための引張装置と、ある長さのフィラメントが周囲に巻き付けられたバルーンのセクションに所定の熱量を加えるためのヒータとを少なくとも備え、
前記フィラメントは、前記バルーンカテーテル外側部の周囲に巻き付けられ、前記バルーンは、熱硬化され、前記所定の表面くぼみパターンは、単一工程において前記バルーンの外側表面中に形成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記ホルダにより保持されないカテーテル本体部の部分を保持するための回転可能カテーテル本体部ホルダをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記所定パターンの表面くぼみは、前記スプール上に保持されたテープ、ビーズ、ワイヤ、繊維、またはフィラメントの中の1つにより、前記バルーン外側表面中に形成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ホルダは、クランプアセンブリと、前記カテーテルの遠位端部上に配設されたバルーンの両端部にてバルーンカテーテルの遠位端部を保持するための心棒とを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記クランプアセンブリは、前記フィラメントが装着され得るタイポストを備える、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記ヒータは、強制空気熱源である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
バルーンカテーテルの遠位端部の外側表面の周囲に同心状に配設された構造体の外側表面の周囲にフィラメントを巻き付けることにより、前記構造体の外側表面中に所定パターンの表面くぼみを形成するための方法であって、
前記カテーテル遠位端部上に配設されたバルーンの両端部にてバルーンカテーテルの少なくとも遠位端部を保持するためのホルダを用意するステップと、
所定の回転速度にて前記ホルダ中に保持された前記バルーンカテーテルを回転させるステップと、
前記バルーンカテーテルの外側表面の長手方向次元に沿って螺旋状に、所定の張力量下においてフィラメントを巻き付けるのと同時に、ヒータから前記バルーンカテーテルの周囲に螺旋状に巻き付けられた前記フィラメントに所定の熱量を加えることにより、前記バルーンの外側表面中に前記所定パターンの表面くぼみを形成するステップと
を含み、
前記フィラメントおよび前記ヒータは、前記バルーンカテーテルの長手方向次元に沿って同時に移動して、単一工程において所定のピッチで前記バルーンの前記外側表面中に前記所定パターンの表面くぼみを形成する、方法。
【請求項10】
前記構造体は、バルーン、ステント、グラフト、およびステントグラフトの中の少なくとも1つである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記フィラメントに加えられる張力量、前記ヒータにより加えられる熱量、および前記バルーンカテーテルの回転速度が、前記所定のピッチで前記所定パターンの表面くぼみを形成するために、前記バルーンカテーテルの物理的次元および製造材料に応じて選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
約45℃〜約120℃にて、前記バルーンカテーテルおよび前記バルーンカテーテルの周囲に螺旋状に巻き付けられた前記フィラメントに熱を加えるステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
約100g〜約500gの前記フィラメントに対する張力を加えるステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記バルーンカテーテルの前記外側表面の長手方向次元に沿って螺旋状に前記フィラメントを巻き付けることにより、前記バルーンカテーテルの前記表面上に、隣接し合うフィラメントループ間において約0.5mm〜約0.3mmのピッチを形成するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記フィラメントおよび前記ヒータは、約2〜約5cm/分の移動速度で、前記バルーンカテーテルの長手方向次元に沿って同時に移動される、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記バルーンカテーテルの前記外側表面の長手方向次元の周囲に巻き付けられた前記フィラメントを除去して、前記表面くぼみパターンを露出させるステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
バルーンカテーテルの遠位端部の周囲に同心状に配設された構造体の外側表面の周囲にフィラメントを巻き付けることにより、バルーンの外側表面中に所定パターンの表面くぼみを形成するためのデバイスであって、
前記カテーテルの遠位端部上に配設されたバルーンの両端部にてバルーンカテーテルの少なくとも遠位端部を保持するための回転可能ホルダと、
前記カテーテルの遠位端部上に配設された前記バルーンの外側表面の周囲に張力を加えられたフィラメントを螺旋状に巻き付けるために、前記バルーンカテーテルの長手方向次元に沿って並進される、並進可能巻付けキャリッジと、
前記フィラメントが周囲に巻き付けられた前記バルーンカテーテルのセクションに所定に対して所定の熱量を加えるためのヒータと、
前記ホルダの回転速度、前記フィラメントに加えられる張力、前記ヒータにより加えられる熱量、および前記バルーンカテーテルの長手方向次元に沿った前記並進可能巻付けキャリッジの移動速度を少なくとも制御するための制御装置と
を備え、
前記フィラメントは、前記バルーンカテーテル外側部の周囲に巻き付けられ、前記バルーンは、熱硬化され、前記所定パターンの表面くぼみは、単一工程において前記バルーンの外側表面中に形成される、デバイス。
【請求項18】
前記並進可能巻付けキャリッジは、前記バルーンの周囲に螺旋状に巻き付けるためのある長さのフィラメントを保持するためのフィラメントスプールを備える、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記ホルダにより保持されないカテーテル本体部の部分を保持するための回転可能カテーテル本体部ホルダをさらに備える、請求項17に記載のデバイス。
【請求項20】
クランプアセンブリと、前記カテーテルの遠位端部上に配設されたバルーンの両端部にてバルーンカテーテルの遠位端部を保持するための心棒とを備える、請求項17に記載のデバイス。
【請求項21】
前記クランプアセンブリは、前記フィラメントが装着され得るタイポストを備える、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記ヒータは、強制空気熱源である、請求項17に記載のデバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8】
【公表番号】特表2012−531976(P2012−531976A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518618(P2012−518618)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/040872
【国際公開番号】WO2011/003053
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(591018693)シー・アール・バード・インコーポレーテッド (106)
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/040872
【国際公開番号】WO2011/003053
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(591018693)シー・アール・バード・インコーポレーテッド (106)
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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