説明

チオフェン系化合物を含む炭化水素供給原料における芳香族化合物の水素化方法

炭化水素供給原料に含まれる芳香族化合物の水素化とニッケルベース触媒の活性および触媒寿命を高めるためのおよびバルク硫化のための方法。この方法は、分散した炭化水素供給原料を、運転初期におよびニッケルベース触媒のバルク硫化を促進することにおいて有効な高温にて、ニッケルベース触媒の床に通し、これによって触媒の活性または触媒寿命または両方を増加させることを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硫黄化合物の或る濃度を有する炭化水素供給原料の芳香族化合物の水素化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ニッケル含有触媒は、かなり多くの種々の炭化水素供給原料において含まれ得る芳香族化合物を水素化するために広く使用されている。これらのニッケルベース触媒が、芳香族化合物の除去のために処理される供給原料においてしばしば含まれる硫黄不純物に敏感であることは知られている。米国特許公開第US2004/0030208号は、ニッケルベース触媒を使用する、炭化水素供給原料に含まれる芳香族化合物の水素化方法を開示している。この刊行物は、ニッケルベース触媒のバルク硫化を促進し、それによって、この触媒寿命を延長させるように、この炭化水素供給原料において存在するチオフェン系化合物を転換するために、運転初期から高温での水素化反応器の運転によりニッケルベース触媒の触媒寿命の延長を提供する改良方法を更に提示している。
【0003】
US2004/0030208は、ニッケルベース触媒の寿命が、芳香族化合物およびチオフェン系化合物を含む炭化水素供給原料を処理する場合に、運転初期から高温での水素化反応器の運転によりこの触媒のバルク硫化により改善され得ることを教示しているが、このバルク硫化は、高い反応温度で起こる分解反応等の望ましくない反応のために、実施されるべき最大温度について限界が存在する。また、ニッケルベース触媒不均衡配分の床のバルク硫化においては、床を通る炭化水素供給原料の通路の形成が生じて、触媒床内に不均一な温度状態を引き起こす可能性があることも突き止められている。触媒床を通るこの不均一な流体流は、収量の損失および有効性に劣るバルク硫化、したがって、さもなければ得られるはずであるよりも触媒寿命の延長が減少されることになる、触媒のバルク硫化中の触媒床内の望ましくないホットスポットの発生の原因であり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、ニッケルベース触媒のバルク硫化中に床全体により均一な温度分布を与えるために、ニッケルベース触媒の床を通る炭化水素供給原料のより均一な流れを与える方法を持つことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、運転初期におよび活性化ニッケルベース触媒のバルク硫化を促進するのに適したプロセス条件下にて、前記活性化ニッケルベース触媒の床の最上層表面領域にわたって流体を分配するための流体分配手段上に炭化水素供給原料を流動させることを含む、チオフェン系化合物を含む炭化水素供給原料における芳香族化合物の水素化方法が提供される。
【0006】
本発明の別の実施形態は、高度に分散された炭化水素供給原料を、床の新鮮なニッケルベース触媒のバルク硫化を促進することにおいて有効なバルク硫化温度にておよび所望の最高温度を超えない温度にて、前記新鮮なニッケルベース触媒の床に運転初期に通すことを含む、チオフェン系化合物も含む炭化水素供給原料における芳香族化合物の水素化方法を含む。
【0007】
本発明の更に別の実施形態においては、炭化水素供給原料を、運転初期におよび高められた運転初期温度にて、容器に導入して前記ニッケルベース触媒のバルク硫化を促進し、それによって触媒の硫黄許容範囲を高めること、ここにおいて、前記容器は最上層表面領域を有する床を伴う活性化ニッケルベース触媒の床を含み、前記容器内に前記炭化水素供給原料を分散させ、それによって分散した炭化水素供給原料を提供し、前記分散した炭化水素供給原料と前記床の前記活性化ニッケルベース触媒とを接触させる前に、前記炭化水素供給原料を、前記最上層表面領域にわたって分配すること、前記分散した炭化水素供給原料を、所望の最高温度を超えないバルク硫化温度で前記活性化ニッケルベース触媒の床に通すこと、ならびに供給物硫黄濃度よりも少ない生成物硫黄濃度および供給物芳香族化合物濃度よりも少ない生成物芳香族化合物濃度を有する生成物流を前記容器から取り出すことを含む、供給物硫黄濃度および供給物芳香族化合物濃度を有する炭化水素供給原料に含まれる芳香族化合物の水素化方法が提供される。
【0008】
本発明の更に別の実施形態に芳香族化合物の水素化方法を提供する。この方法は、炭化水素供給原料を容器中へ受け入れるための入口手段および前記容器から生成物を取り出すための出口手段を備えた、或る長さを有する容器を含む反応器システムを含み、ここにおいて、前記容器内には、第一深さを有する第一ニッケルベース触媒の第一床および第一最上層表面領域が含まれ、前記容器内の前記入口手段と前記第一最上層表面領域との間に、前記第一床の前記第一最上層表面領域にわたって前記炭化水素供給原料を分散して分配するための第一流体分配トレー手段が動作可能なように配置されており、前記炭化水素供給原料を、運転初期におよび高められた運転初期温度にて、前記入口手段を通して前記容器中へ導入して前記第一ニッケルベース触媒のバルク硫化を促進し、それによって前記第一ニッケルベース触媒の硫黄許容範囲を高めること、ここにおいて、前記炭化水素供給原料は供給物硫黄濃度および供給物芳香族化合物濃度を含み、ならびに前記供給物硫黄濃度より下の生成物硫黄濃度および前記供給物芳香族化合物濃度より下の生成物芳香族化合物濃度を有する生成物を生成することを含む。
【0009】
本発明は、硫黄化合物の或る濃度を有する炭化水素供給原料に含まれる芳香族化合物を水素化する方法に関する。より具体的には、本発明は、このような芳香族化合物水素化方法において使用されるニッケルベース触媒の触媒寿命を高めるための方法に関する。本発明方法の重要な特徴の1つは、芳香族化合物の水素化のための方法において利用されるニッケルベース触媒のバルク硫化を含むことである。このバルク硫化は、反応系を、方法の運転初期から、適切であると通例考えられているよりも通常高い高温で操作することにより、炭化水素供給原料のチオフェン系化合物を触媒の表面に形成され、それによって毒として働くのではなく、ニッケルベース触媒のバルクの中へ拡散または吸収される種へ転換することにより実施される。このようなバルク硫化方法の詳細な記述が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2004/0030208号において記載されている。
【0010】
水素化方法のニッケルベース触媒のバルク硫化により引き起こされる1つの問題は、バルク硫化メカニズムを促進するための高められたプロセス温度の使用に関わるものである。そこでは、プロセス装置が暴露され得る最大温度がしばしば存在し、プロセス温度が高過ぎると、望ましくない副反応、例えば分解反応が促進される。したがって、一般に、ニッケルベース触媒が暴露されるべき或る所望の最高温度が存在する。しかし、ニッケルベース触媒の粒子が反応容器内に置かれて触媒床を形成し、炭化水素供給原料がこの触媒床上および中を通るとき、流体流は多くの場合において不均一に分配され、床全体に流れの通路を形成することがある。流れの不均衡配分および流れの通路の形成は、このような方法において使用される異常に高いプロセス温度によるニッケルベース触媒のバルク硫化中は特に悪い状態であり得る。また、芳香族化合物水素化反応の発熱性と触媒床内での炭化水素供給原料の流れの不均衡配分との組合せは、望ましくない高温ホットスポットを触媒床内および反応容器内の種々の場所で発生させ得る。
【0011】
かくして、バルク硫化および芳香族化合物水素化を行うニッケルベース触媒の床を通る炭化水素供給原料の不均一流により引き起こされる問題は、触媒床を通る炭化水素供給原料の流れを改善することにより最小化され得ることが見出された。本発明の典型的な実施形態において、或る深さおよび最上層表面領域を有するニッケルベース触媒の床(本明細書においては触媒床とも称される。)が含まれる容器を含む反応器システムが提供される。この容器は、炭化水素供給原料を容器中へ受入れるための入口手段および容器内から生成物流を取り出すための出口手段を備えている。
【0012】
本発明方法の重要な特徴は、芳香族化合物の或る濃度および硫黄化合物の或る濃度を含む炭化水素供給原料が、運転初期に、触媒床を通過する際に高度に分散されるということである。高度に分散されるとは、炭化水素供給原料が、容器の断面積にわたって、触媒床に対しておよび触媒床を通る流体流の放射状の不均一性を最少にするような方法において、触媒床の最上層表面領域上に分配されるということである。炭化水素供給原料が分散されているとき、流体流は、好ましく、触媒床の表面への実質的に均一な流体流に近い。均一な流体流は、容器の所与の断面積にて、好ましくは触媒床の最上層表面にて生じる。この断面積は、等しいサイズの複数の漸進的断面積で画定され、漸進的断面積のそれぞれを通過する流体の質量流量は、別の漸進的断面積のそれぞれの質量流量と実質的に等しい。実質的に等しい質量流量とは、漸進的質量流量内の変動が0.3未満である場合であり、この値は、漸進的断面積の1つを通る最大質量流量と漸進的断面積の別のものを通る最少質量流量との間の差を分割し、この2つの質量流量のうちの最大の方でこの差を除することにより決定される。
【0013】
本発明方法の触媒床への炭化水素供給原料の高度に分散された流れを提供するための、当業者に知られた多数の適切な方法および手段が存在する。触媒床の最上層表面にわたって炭化水素供給原料を分散して分配するための適切ないずれもの流体分配手段が、本発明方法において使用され得る。適切な流体分配手段の幾つかの例として、例えば、そこを通過する流体流を与えるオリフィスまたは穴またはホールにより孔が開けられた水平プレート、および、そこを通過する流体流を与えるノズルまたは降下管または導管を動作可能なように備えた水平プレートが挙げられる。噴霧ノズルおよび流体アトマイザーのような装置でも、触媒床の最上層表面にわたって炭化水素供給原料を分散させるための流体分配手段として使用し得る。種々の適切な流体分配手段の別の例は、米国特許第5484578号およびこの明細書において引用される特許技術において開示されている。米国特許第5484578号は参照により本明細書に組み込まれる。
【0014】
適切に使用され得る別の流体分配トレーは、米国特許第5635145号および米国特許公開第US2004/0037759号により教示されているものであり、両方のこのような開示は参照により本明細書に組み込まれる。これらの刊行物において記載されている流体分配トレーとして、例えば、複数相流体であってよい流体の下降流のための複数の開口または降下管を備えた分配トレーが挙げられる。本発明の流体分配手段要素として適切に使用されることができる1つの例外的に良好な流体分配手段は、参照によりその開示が本明細書に組み込まれる、2006年4月19日に出願された米国特許出願に、名称“Fluid Distribution Tray and Method for the Distribution of a Highly Dispersed Fluid Across a Bed of Contact Material”にて、出願番号第11/406419号において記載されている流体分配トレーおよびシステムである。
【0015】
本発明の一実施形態において、流体分散手段は、触媒床の最上層表面領域にわたって、この上に炭化水素供給原料の分散または分配を提供するために、入口手段と触媒床の最上層表面領域との間の位置で容器内に配置される。このようにして、炭化水素供給原料は、触媒床の最上層表面領域にわたって流体の分配を与える流体分散手段上に、入口手段により容器中へ導入される。
【0016】
本発明の別の実施形態は、触媒の複数床を含む容器の使用を含む。複数の触媒床を使用することの利点の1つは、触媒床のそれぞれの深さに沿った温度状態がより良好に制御され、ニッケルベース触媒のバルク硫化を高め得ることである。したがって、この実施形態において、それぞれが或る深さおよび最上層表面領域を有する2つ以上の触媒床は、1つが存在した場合その真上に配置された触媒床よりも下に配置された最上層表面領域を有する1つの触媒床を有する垂直−続きにて容器に配置され得る。また、触媒床間に、本明細書の他の場所で記載されている任意の流体分配手段が配置され得る。
【0017】
チオフェン系化合物も含む炭化水素供給原料に含まれる芳香族化合物の水素化のための本発明方法の必須の態様の1つは、ニッケルベース触媒のバルク硫化を促進することにおいて有効なプロセス条件下で、ニッケルベース触媒上に炭化水素供給原料を通すことを含む。有効なプロセス条件は、必須として、芳香族化合物の水素化にとって妥当なものと一般に考えられているプロセス温度との比較において、高められたプロセス温度である。
【0018】
また、ニッケルベース触媒のバルク硫化からの最大の利益を達成するためのニッケルベース触媒の寿命において初期に高められるプロセス温度(即ち、炭化水素供給原料が本発明方法の反応器システム中へ導入される時の温度)も本発明方法の重要な態様である。したがって、ニッケルベース触媒を、ニッケルベース触媒が硫黄または別の毒への暴露によりあるいは別の要因により実質的に失活してしまう時点を越えない触媒使用サイクルにおける或る時点で始まるニッケルベース触媒のバルク硫化を促進することにおいて有効な、高められたプロセス温度で炭化水素供給原料へ暴露することが好ましく、したがって、運転初期に始まる高温で本方法を運転することが最も好ましい。
【0019】
本明細書に使用される「運転初期」と言う用語は、チオフェン系化合物および水素を含む炭化水素供給原料が、活性化された新しいまたは新鮮なニッケルベース触媒の投入を含む反応器へ最初に導入された時点を一般に意味する。このような反応器システムは本明細書の他の場所で説明されている。運転初期は、一般に、新しいまたは新鮮なニッケルベース触媒を高温で、例えば100℃から500℃の範囲の温度等で、水素の存在においてニッケル触媒を還元してそれを活性化するために接触させることにより、炭化水素供給原料の不存在下で通常行われるいずれかの触媒活性化手順それ自体を含まない。炭化水素供給原料および水素が最初に反応器中へ導入された時点から、反応器を、必要とされる高温まで持って行くことが好ましいが、広義における「運転初期」と言う用語は、活性ニッケルベース触媒が、その表面でチオフェンから供給される硫黄の実質的な量を吸収する前の任意の時点を含むことが意図される。したがって、炭化水素供給原料の反応器への最初の導入後のバルク硫化のための高められたプロセス温度を提供することにおける短い遅れは、「運転初期」と言う用語の意味の内に入り、本発明の範囲内であるとなお考えられる。
【0020】
本発明の利点の1つは、触媒床を横切る不均一な温度状態ならびに不均一流体流およびバルク硫化中に触媒床を通る炭化水素供給原料の通路の形成により触媒床全体に発生し得る温度の急上昇に関わる問題に対処することである。上で言及した通り、触媒床全体にわたる炭化水素供給原料の乏しい流体分配と一緒に、高いバルク硫化プロセス温度条件と組み合わされる芳香族化合物水素化反応の発熱性は、触媒床および平均反応器温度よりも著しく上の温度にある反応器内で望ましくないホットスポットおよび/またはホット領域に寄与し得ることが見出された。反応器内のこれらのホット領域は、一般に、反応器システムが運転可能な最高温度を画定する。その結果、反応器システムは、最大または最適バルク硫化利益を達成するために所望されるよりも多くの場合において低い平均反応器温度を提供するようにして運転されなければならない。また、前述のホットスポットおよび/またはホット領域は、不必要な副反応、例えば分解反応等の過度の量を引き起こし、それによって、収量損失を引き起こし、更には芳香族化合物飽和を阻害する熱力学的制限をもたらす。
【0021】
本発明は、触媒床全体にわたって炭化水素供給原料のより均一な流体分配を可能にし、それによって触媒床内のホットスポットおよびホット領域を減少および最小化することによりこれらの問題に対処する。これは、本発明方法の触媒床内の所望の最高温度に近づく高い平均反応器温度で反応器システムを運転する能力を可能にする。触媒床内および反応器における所望の最高温度は、装置および触媒の温度限界より下で、更に、不必要な副反応の過度の量を引き起こす程高くない温度であるべきである。本発明方法の触媒が暴露されるべき所望の最高温度は、260℃を超えず、より具体的には240℃を超えず、より具体的には230℃を超えない。
【0022】
ニッケルベース触媒の所望のバルク硫化を達成するためには、炭化水素供給原料を、ニッケルベース触媒のバルク硫化を促進するために十分に高いが所望の最高温度を超えない、運転初期から始まる温度で反応器システムのニッケルベース触媒と接触させることが必要である。既に本明細書において暗に指摘している通り、バルク硫化温度は十分に高く、このような温度の場合、炭化水素供給原料において存在するチオフェン系化合物の少なくとも一部は、触媒の表面上に吸着されるのではなく、ニッケルベース触媒のニッケルのバルクの中へ吸収される種へ転換される。
【0023】
本発明方法のバルク硫化温度は、それらの多くが本明細書の他の場所で極めて詳細に説明されている、使用されるニッケルベース触媒の活性およびタイプおよび特定の反応器システム設計ならびにプロセス条件により多少変動し得るが、運転初期温度は、一般的に140℃から225℃、好ましくは145℃から200℃、最も好ましくは150℃から175℃の範囲にある。上で言及した通り、本発明方法は、高い運転初期温度を可能にする、高い平均反応器温度で反応器システムの運転を可能にする。これらの高温は、改善されたバルク硫化および延長された触媒寿命または活性をもたらす。
【0024】
本明細書において使用される「運転初期温度」と言う用語は、炭化水素供給原料が、本発明方法の反応器中へ導入される時の温度を意味する。当業者は、時にこの温度を反応器入口温度とも称し、運転初期温度は、必須として、ニッケルベース触媒を含む反応器の入口手段における炭化水素供給物の温度である。運転初期温度は、反応器中(即ち入口手段における)への炭化水素供給原料の導入直前の炭化水素供給原料の温度であるが、炭化水素供給原料が、反応器内で触媒床の最上層表面と最初に接触する温度と本質的に同じであることが理解される。これは、触媒床内でより均一な流体分配、したがって、触媒床内でのより均一な放射状温度状態および触媒床の深さ全体にわたって僅かなホットスポットを与える、反応器内での流体分配手段の仕事であることが更に理解される。
【0025】
本発明の反応器システムを利用して芳香族化合物脱水素化を行うための別のプロセス条件としては、200psigから800psig、好ましくは300psigから600psigの範囲にある反応圧力および約0.5から5、好ましくは1から3の液空間速度(LHSV)が挙げられる。
【0026】
水素消費は、化学量論的観点から期待されるそれに近い。炭化水素供給原料に対して反応器中へ導入される水素の量は、水素化される炭化水素供給原料に含まれる芳香族化合物および他の成分の量によって大きく変動する。かくして、ニッケルベース触媒のバルク硫化中に反応器中へ導入される水素ガス対炭化水素供給原料のモル比は、0.05:1から100:1の広範囲に画定される範囲にあることができる、好ましくはモル比は0.1:1から20:1の範囲にある。
【0027】
本発明方法の意図されるニッケルベース触媒は、芳香族化合物の水素化で一般的に使用される、ニッケル成分を含む任意の公知の触媒から選択されてよい。本発明のニッケルベース触媒は、一般的に、ニッケル触媒成分および支持体材料もしくは結合体材料または両方として働く無機酸化物材料を含む。ニッケルベース触媒は、無機酸化物支持体の含浸により作製される支持ニッケル触媒およびバルクニッケル触媒の種々の成分の共沈により作製されるバルクニッケル触媒からなるニッケルベース触媒の群から選択され得る。支持ニッケル触媒のニッケル成分は、そこにおいて、ニッケルベース触媒およびニッケル元素としてのニッケル成分の合計重量を基準にした重量%で、5重量%から40重量%の範囲の量で存在することができる。好ましいニッケル含有量は、10重量%から35重量%、最も好ましくは15重量%から30重量%の範囲にある。無機酸化物支持体は、支持ニッケル触媒の合計重量の60から95重量%の範囲の量で支持ニッケル触媒において存在する。
【0028】
バルクニッケル触媒は、触媒ニッケル成分および無機酸化物成分(例えば、シリカ)を含む、バルクニッケル触媒を作り上げている成分の同時沈殿により調製される。バルクニッケル触媒は、一般に、典型的な支持ニッケル触媒と比較してニッケルの高い量を含む。バルクニッケル触媒のニッケル含有量は、バルクニッケル触媒およびニッケル元素としてのニッケル成分の合計重量を基準にした重量%で、20重量%から80重量%の範囲にあることができる。バルクニッケル触媒における好ましいニッケル含有量は、25重量%から70重量%、最も好ましくは30重量%から60重量%の範囲にある。バルクニッケル触媒の無機酸化物含有量は、バルクニッケル触媒の全重量を基準にして、20重量%から80重量%の範囲にあり得る。
【0029】
本発明のニッケルベース触媒は、触媒金属を含めた別の成分を更に含んでよく、このような別の成分は、本発明方法の実施において芳香族化合物の水素化またはニッケルベース触媒のバルク硫化を妨げず、あるいはニッケルベース触媒の触媒性能またはバルク硫化を有効に受けるための能力に著しい影響を及ぼさない。
【0030】
支持ニッケル触媒のための無機酸化物支持体材料またはバルクニッケル触媒の無機酸化物成分は、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコニアおよびこれらの1つまたは複数の任意の組合せからなる耐火性酸化物の群から選択されてよい。アルミナ、シリカおよびこれらの混合物は、特に好ましい無機酸化物材料である。
【0031】
ニッケルベース触媒の或種の物性は、バルク硫化触媒の最適性能にとって重要であり得、組合せにおいて、ニッケルベース触媒の活性を、バルク硫化に掛けられていないニッケルベース触媒以上に相当に高めることができる。本明細書おいてニッケルベース触媒の活性を言う場合、その意味するところは、転換率における増加を伴って増加する触媒活性を伴う、特定温度での芳香族化合物の水素化において使用された場合の触媒により与えられる芳香族化合物の転換率である。
【0032】
ニッケルベース触媒は、40m/gから300m/g、好ましくは、80m/gから250m/gの範囲のBET表面積を有するべきである。ニッケルベース触媒内のニッケル部位は、一般に、当然小さなニッケルクリスタライトであり、高い特定のニッケル表面積を与えるものである。
【0033】
本発明方法において処理するのに適した炭化水素供給原料としては、65℃から300℃の温度範囲において沸騰する任意の炭化水素または炭化水素の混合物が挙げられ、軽質および重質溶剤、ホワイトオイル、ナフサ、灯油およびディーゼルのような供給原料を含み得る。好ましい炭化水素供給原料として、70℃から250℃の範囲において沸騰する炭化水素の混合物が挙げられ、6個の炭素原子から14個の炭素原子を有する炭化水素化合物を含み得る。最も好ましい炭化水素供給原料として、75℃から180℃の範囲において沸騰する炭化水素の混合物が挙げられ、6個の炭素原子から12個の炭素原子を有する炭化水素化合物を含み得る。このような一般的な供給原料としてはナフサが挙げられる。
【0034】
本発明方法は、芳香族化合物の減少した濃度を有する生成物であり、特徴においてよりパラフィン系である生成物、即ち、炭化水素供給原料のそれよりも高いパラフィンの割合を有する生成物を提供するために、炭化水素供給原料に含まれる芳香族化合物の水素化除去を含む。本発明の炭化水素供給原料は、これらの芳香族化合物および硫黄成分を含む炭化水素供給原料の合計重量を基準にした重量%で、1重量%から80重量%の範囲において供給物芳香族化合物濃度を含み得る。更に適用可能な供給物芳香族化合物濃度は、2重量%から50重量%の範囲にあり、最も適用可能なのは、3重量%から25重量%の供給物芳香族化合物濃度である。
【0035】
本発明方法は、また、追加的に供給物硫黄濃度を有する炭化水素供給原料からの芳香族化合物の水素化除去において使用されるニッケル触媒のバルク硫化を含む。これは、本明細書において「チオフェン系化合物」と称されているものである、供給物硫黄濃度を与える硫黄の源の少なくとも一部のために、本発明方法にとって重要である。チオフェン系化合物は、この用語が本明細書において使用される際は、少なくとも1つの硫黄原子を含む相対的に高い分子量の環状および芳香族化合物、例えば、チオフェン、ベンゾチオフェンおよびジベンゾチオフェンを含む。これらの硫黄化合物は、ニッケルベース触媒にとっては毒であると従来から考えられていた。炭化水素供給原料の供給物硫黄濃度は、重量で100万当たり0.1部(ppmw)から50ppmwの範囲にあるようなものであるべきである。好ましくは、炭化水素供給原料のチオフェン系化合物含有量は、0.2ppmwから40ppmw、最も好ましくは0.3ppmwから20ppmwの範囲にある。
【0036】
本発明の芳香族化合物水素化方法から生じる生成物流は、供給物硫黄濃度よりも少ない生成物硫黄濃度および供給物芳香族化合物濃度よりも少ない生成物芳香族化合物濃度を有する。本発明方法の反応器システムから取り出される生成物、さもなければ水素化方法から生成される生成物は、芳香族化合物水素化の所望の生成物規格および水準によって、0.2重量%(2000ppmw)未満または0.1重量%(1000ppmw)未満または0.05重量%(500ppmw)未満または0.02重量%(200ppmw)未満または更に0.002重量%(20ppmw)未満の生成物芳香族化合物濃度を有してもよい。
【0037】
生成物流のチオフェン系化合物含有量は、炭化水素供給原料のチオフェン系化合物含有量よりも少なく、0.1ppmw未満、好ましくは0.05ppmw未満、最も好ましくは0.01ppmw未満であり得る。
【0038】
ここで、図1を参照すると、本発明の方法の一実施形態の反応器システム10の概略表示が示されている。反応器システム10は、入口手段14および出口手段16を有する容器12を含む単一触媒床システムである。入口手段14は、炭化水素供給原料を受け取り、容器12の中への導入を提供し、出口手段16は、容器12からの生成物の取り出しを提供する。容器12は、容器12の一部を充たし、或る深さ20を有する触媒床18が含まれる帯域を画定する。触媒床18の先端水準は、触媒床18の最上層表面領域22である。一般に、最上層表面領域22は、必須として、触媒床18の先端が終わる容器12内の場所の、容器12の水平断面積である。
【0039】
容器12内の入口手段14と最上層領域22との間には、流体分配手段24が動作可能なように配置されている。流体分配手段24は、入口手段14から炭化水素供給原料を受け取り、触媒床18の最上層表面領域22にわたって炭化水素供給原料を分散して分配するのに適した任意の手段であり得る。流体分配手段24として適切に使用されてもよい種々の手段の例は、本明細書の他の場所で詳細に記載されているが、図1において示されるものは、上の水平トレー26から下の水平トレー26へ、および最上層表面領域22上へ流体流を与える複数の降下管手段28を備えた水平トレー26である。降下管手段28は、構造において管状であるように示されているが、導管の任意の別の適切なタイプは、穴、オリフィスおよび煙突を含めて、降下管手段28のために使用されてよい。
【0040】
本発明方法の実施において反応器システム10を運転することにおいて、運転初期に、炭化水素供給原料は、導管30により容器12へ通され、入口手段14を通って容器12の中へ導入される。炭化水素供給原料は、芳香族化合物の或る濃度およびチオフェン系化合物の或る濃度を有し、これが反応容器12に入る際に少なくとも140℃で230℃未満の高められた運転初期温度を有する。炭化水素供給原料は容器12に入り、流体分配手段24にわたって流動し、これによって、高度に分散された炭化水素供給原料を触媒床18の上に、および触媒床18に通る前に高度に分散される。処理された生成物は、出口手段16および導管32を通して反応容器12から生成物流を取り出すことにより反応容器12から生成される。
【0041】
図2は、本発明のバルク硫化方法の別の実施形態において使用される、複数触媒床および複数流体分配手段を有する反応器システム100の概略表示である。複数の触媒床および流体分配手段の使用で、触媒床内の温度は、そこにおける温度を所望の最高温度より下に保持するために良く制御され得る。これは、本発明方法の必要とされるバルク硫化温度が異常に高いことおよび芳香族化合物水素化反応が発熱性であることを考慮すれば特に重要である。流体分配手段の使用は、バルク硫化中の触媒床内の不均一流体流動分布に関して言及された問題の幾つかを解決する助けとなる。
【0042】
反応器システム100は、入口手段104および出口手段106を有する容器102を含む複数触媒床システムである。入口手段104は、炭化水素供給原料を受け取り、容器102の中への導入を提供し、出口手段106は、容器102からの生成物の取り出しを提供する。容器102は、容器102の一部を充たし、第一深さ110を有する第一触媒床108が含まれる帯域を画定する。第一触媒床108の先端水準に、第一触媒床108の第一最上層表面領域112がある。通常、第一最上層表面領域112は、必須として、第一触媒床108の先端が終わる容器102内の場所における容器102の水平断面積である。
【0043】
容器102内の入口手段104と第一最上層表面領域112との間には、第一流体分配手段114が動作可能なように配置される。第一流体分配手段114は、入口手段104から炭化水素供給原料を受け取り、触媒床108の第一最上層表面領域112にわたって炭化水素供給原料を分散して分配するのに適した任意の手段であり得る。第一流体分配手段114として適切に使用されてもよい種々の手段の例は、本明細書の他の場所で詳細に記載されているが、図2において示されているものは、上の水平トレー116から下の水平トレー116へ、および第一最上層表面領域112上へ流体流を与える複数の降下管手段118を備えた水平トレー116である。降下管手段118は、構造において管状であるように示されているが、導管の任意の別の適切なタイプは、穴、オリフィス、煙突等を含めて、降下管手段118のために使用されてよい。
【0044】
反応器システム100は、第一触媒床108より下に配置され、容器102の一部を充たし、第二深さ122を有する第二触媒床120を更に含む。第二触媒床120の先端水準に、第二触媒床120の第二最上層表面領域124がある。
【0045】
容器102内の第一触媒床108と第二触媒床120との間には、第二流体分配手段126が動作可能なように配置される。第二流体分配手段126は、第一触媒床108を出る流体を受け取り、第二最上層表面領域124にわたってこのような流体を分散して分配するのに適した任意の手段であり得る。第二流体分配手段126として適切に使用されてもよい種々の手段の例は、本明細書の他の場所で詳細に記載されているが、図2において示されているものは、上の水平トレー128から下の水平トレー128へ、および第二最上層表面領域124上へ流体流を与える複数の降下管手段130を備えた水平トレー128である。降下管手段130は、構造において管状であるように表されているが、導管の任意の別の適切なタイプは、穴、オリフィスおよび煙突を含めて、降下管手段130のために使用されてよい。
【0046】
本発明方法の実施において反応器システム100を運転することにおいて、炭化水素供給原料は、運転初期に導管132により容器102へ通され、入口手段104を通って容器102の中へ導入される。炭化水素供給原料は、芳香族化合物の或る濃度およびチオフェン系化合物の或る濃度を有し、これが反応容器102に入る際に少なくとも140℃で230℃未満の高められた運転初期温度を有する。炭化水素供給原料は、容器102に入り、第一流体分配手段114にわたって流動し、これによって、高度に分散された炭化水素供給原料を第一触媒床108の上に、および第一触媒床108に通る前に高度に分散される。処理された生成物は、出口手段106および導管134を通して反応容器102から生成物流を取り出すことにより反応容器102から生成される。
【0047】
図3は、ニッケルベース触媒のバルク硫化中の触媒床内で特に良好な温度制御を与える複数触媒床反応器システム202を利用する芳香族化合物水素化方法200の全体のプロセスフローの概略表示である。図3において表されている通り、複数触媒床反応器システム202は、3つの別々の触媒床204、206および208を含み、3つの触媒床のそれぞれの上に、それぞれ、流体分配トレー210、212および214が配置され、これら全ては、反応器入口218および反応器出口220を備えた反応容器216内に含まれる。
【0048】
導管222経由の炭化水素供給原料および導管224経由の水素ガスは、運転初期に、(触媒床208のバルク硫化を促進し、ニッケルベース触媒の硫黄許容範囲を高めるために)高められた運転初期温度で反応器入口218を通って反応容器216中に導入される。炭化水素供給原料および水素ガス混合物は、反応容器216内の反応器入口218と触媒床208の最上層表面領域226との間に動作可能なように配置された流体分配トレー214上に導入される。流体分配トレー214は、触媒床208の最上層表面領域226にわたって炭化水素供給原料および水素ガス混合物を分散して分配するのを提供する。炭化水素供給原料は、チオフェン系化合物を含む供給物硫黄濃度および供給物芳香族化合物濃度を含む。
【0049】
流体分配トレー212は、反応容器216内の触媒床208の底部228と触媒床206の最上層表面領域230との間に動作可能なように配置される。流体分配トレー212は、触媒床208からの流体流および反応容器216中へ導管232を通して導入される、水素を含んでよい急冷ガスを受け取る。流体分配トレー212は、受け取った流体(急冷ガスおよび触媒床からの流体)の分散および触媒床206の最上層表面領域230上での分配を提供する。急冷ガスおよび流体分配トレー212の使用の組合せは、高いバルク硫化温度条件で運転する場合に触媒床206内の温度の制御を可能とし、それによって触媒床206内の温度が所望の最高温度に達するのを防ぐ。
【0050】
流体分配トレー210は、反応容器216内の触媒床206の底部234と触媒床204の最上層表面領域236との間に動作可能なように配置される。流体分配トレー210は、触媒床206からの流体流および反応容器216中へ導管238を通り導入される、水素を含んでよい急冷ガスを受け取る。流体分配トレー210は、受け取った流体の分散および触媒床204の最上層表面236上でのこの分配を提供する。急冷ガスおよび流体分配トレー210の使用の組合せは、高いバルク硫化温度条件で運転する場合に触媒床204内の温度の制御を可能とし、それによって触媒床204内の温度が所望の最高温度に達するのを防ぐ。
【0051】
生成物流は、反応器出口220を通って反応容器216から取り出され、導管240により分離器242へ通される。導管240において、(熱移動帯域を画定し、間接的熱除去および導管240を通過する生成物流の冷却のための熱移動手段を提供する)熱交換器244が間に置かれる。このようにして、得られた冷却された生成物流は、(分離帯域を画定し、冷却された生成物流を気相および液相に分離するための分離手段を提供する)分離器242へ進む。
【0052】
気相は、導管246により分離器242を出て、再循環されてよく、反応器入口218を通って反応容器216へ導入される炭化水素供給原料および水素ガスと組み合わされてもよい。
【0053】
液相は、導管246により分離器242を出る。液相は、一般的に、本明細書の他の場所で言及されている濃度範囲内で、炭化水素供給原料の供給物硫黄濃度より下の生成物硫黄濃度および炭化水素供給原料の供給物芳香族化合物濃度よりも下の生成物芳香族化合物濃度を有する。
【0054】
発生気体流は、また、導管250により分離器242を出てよい。液相生成物の任意の部分は、導管252により出て、再循環されてよく、反応器入口218を通って反応容器216へ導入される炭化水素供給原料および水素ガスと組み合わされてもよい。この液体再循環は、改善された全体の芳香族化合物転換または炭化水素供給原料の運転初期温度の制御、あるいは両方を与え得る。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】ニッケルベース触媒の床の最上層表面にわたって炭化水素供給原料を分散して分配するための流体分配手段を備えた、本発明の方法の一実施形態において使用する反応器システムを表す概略図である。
【図2】触媒の複数床を有し、これらのそれぞれが、触媒の床のそれぞれの最上層表面にわたって炭化水素供給原料を分散して分配するための流体分配手段を含む、本発明の方法の一実施形態において使用する反応器システムを表す概略図である。
【図3】触媒の複数床を有し、これらのそれぞれが、流体分配手段を含み、反応器システム内の種々の場所で触媒床の急冷を更に提供する反応器システムを含む、本発明の方法の一実施形態の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転初期におよび活性化ニッケルベース触媒のバルク硫化を促進するのに適したプロセス条件下にて、前記活性化ニッケルベース触媒の床の最上層表面領域にわたって流体を分配するための流体分配手段上に炭化水素供給原料を流動させることを含む、チオフェン系化合物も含む炭化水素供給原料における芳香族化合物の水素化方法。
【請求項2】
前記プロセス条件が、少なくとも140℃の運転初期温度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記活性化ニッケルベース触媒の前記床内の温度が、260℃未満である所望の最高温度を超えないバルク硫化温度にある、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
運転初期温度を有する高度に分散された炭化水素供給原料を、床の新鮮なニッケルベース触媒のバルク硫化を促進することにおいて有効なバルク硫化温度にておよび所望の最高温度を超えない温度にて、前記新鮮なニッケルベース触媒の床に運転初期に通すことを含む、チオフェン系化合物も含む炭化水素供給原料における芳香族化合物の水素化方法。
【請求項5】
前記所望の最高温度が260℃未満である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記運転初期温度が140℃から225℃の範囲にある、請求項1、2、3、4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記高度に分散された炭化水素供給原料が、前記床上に前記炭化水素供給原料を分散および分配するための流体分配手段により与えられる、請求項1、2、3、4、5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記流体分配手段が、前記床上への前記炭化水素供給原料の下降流のための複数の開口を備えた水平トレーを含む、請求項1、2、3、4、5、6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記炭化水素供給原料が、65℃から350℃の温度範囲において沸騰する炭化水素の混合物を含む、請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記炭化水素供給原料が、前記チオフェン系化合物含有量が0.1ppmwから50ppmwの範囲にあるような硫黄濃度を有する、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記炭化水素供給原料が、1重量%から80重量%の範囲の芳香族化合物濃度を含む、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10に記載の方法。
【請求項12】
2000ppmw未満の生成物芳香族化合物濃度を含む生成物を、前記活性化ニッケルベース触媒の前記床から生成させることを更に含む、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記生成物が、0.1ppmw未満のチオフェン系化合物含有量を更に含む、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−534411(P2009−534411A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506759(P2009−506759)
【出願日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/066906
【国際公開番号】WO2007/124328
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(590002105)シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー (301)
【Fターム(参考)】