説明

チャネル状態情報フィードバック

チャネル状態情報をフィードバックする装置および方法を開示する。少なくとも1つの送信アンテナを有する第1ネットワーク・ノードと少なくとも1つの受信アンテナを有する第2ネットワーク・ノードとの間で提供される無線通信チャネルのチャネル状態情報を提供する方法は、少なくとも1つの送信アンテナからチャネルを介して少なくとも1つの受信アンテナによって受信される信号から、チャネル内の少なくとも1つのサブチャネルの少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の現在値を推定するステップと、第1タイプのチャネル状態情報の現在値が第1タイプのチャネル状態情報の以前に送信された値から少なくとも所定の量だけ変化するかどうかを判定するステップと、そうである場合に、第1タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータを第1ネットワーク・ノードに送信するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャネル状態情報をフィードバックする装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システム内の基地局は、基地局に関連する地理的区域すなわちセル内のユーザ機器に無線接続性を提供する。基地局とユーザ機器のそれぞれとの間の無線通信リンクは、通常、基地局からユーザ機器に情報を送信する1つまたは複数のダウンリンク(または順方向)チャネルと、ユーザ機器から基地局に情報を送信する1つまたは複数のアップリンク(または逆方向)チャネルとを含む。基地局およびオプションでユーザ機器が複数のアンテナを含む時には、multiple−input−multiple−output(MIMO)技法を使用することができる。たとえば、複数のアンテナを含む基地局は、同一の周波数帯で同時に複数のユーザ機器に複数の独立の別個の信号を送信することができる。
【0003】
たとえば、基地局にM個のアンテナ、ユーザ機器にN個のアンテナを有するセルラ・システムを検討されたい。そのような通信システムでは、基地局とユーザ機器との間の無線チャネルを、N×M個のリンク(サブチャネル)に関して記述することができる。各リンクは、通常、時間変動する複素利得(すなわち、振幅および位相)を有する。無線チャネルが広帯域である(すなわち、信号レートがチャネルの遅延広がり(delay spread)を超える)場合には、複素利得は、送信される信号の帯域幅にわたって変化する。したがって、無線チャネルの全体的な状態を、一連の複素重みとして記述することができる。このチャネル状態情報は、たとえばスループットを改善するために、基地局が最も適切な形で良好なチャネル状態にマッチングするようユーザ機器に送信される信号の特性を調整することを可能にするために、ユーザ機器によって測定され、基地局にフィードバックされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チャネル状態情報フィードバックを提供する技法が存在するが、それらの技法は、それぞれ、それ自体の短所を有する。したがって、チャネル状態情報を提供する改善された技法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、少なくとも1つの送信アンテナを有する第1ネットワーク・ノードと少なくとも1つの受信アンテナを有する第2ネットワーク・ノードとの間で提供される無線通信チャネルのチャネル状態情報を提供する方法であって、少なくとも1つの送信アンテナからチャネルを介して少なくとも1つの受信アンテナによって受信される信号から、チャネル内の少なくとも1つのサブチャネルの少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の現在値を推定するステップと、第1タイプのチャネル状態情報の現在値が第1タイプのチャネル状態情報の以前に送信された値から少なくとも所定の量だけ変化するかどうかを判定するステップと、そうである場合に、第1タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータを第1ネットワーク・ノードに送信するステップとを含む方法が提供される。
【0006】
第1の態様は、既存の技法に関する問題が、所与のタイプのチャネル状態情報がたとえばスループットの改善をほとんどもたらさない時であっても、そのタイプのチャネル状態情報が送信されることであることを認めるものである。これは、チャネル状態情報が、第1ネットワーク・ノードと第2ネットワーク・ノードとの間の伝送のスループットを改善するのに有益であるが、所与のタイプのチャネル状態情報によって記述されるチャネル状態の特定の態様での変化または変動の度合が相対的に小さい時は相対的に長い期間であることがあり、スループットに対する影響をほとんど有しない可能性がある送信される信号の特性の些細な変更が行われるだけなので、その種のチャネル状態情報でのこれらの静的に構成される周期的更新からは、相対的にわずかな利益が導出されるだけからである。
【0007】
したがって、各タイプのチャネル状態の現在のチャネル状態の推定または判定が、チャネルごとまたはサブチャネルごとに行われる。その後、そのタイプの最も近時に送信されたチャネル状態情報からの現在のチャネル状態の変動または逸脱が、判定されまたは計算される。現在のチャネル状態と最も近時に送信されたチャネル状態情報との間の差が、所定のしきい量以上である場合には、現在のチャネル状態の指示が、第1ネットワーク・ノードに送信される。このようにして、そのタイプのチャネル状態情報のチャネル状態における大きな変動が発生する時には、リソースが第1ネットワーク・ノードへの現在のチャネル状態の送信のために割り当てられることがわかる。これは、リソースが、現在のチャネル状態情報の送信のために規則正しく割り当てられる必要があるのではなく、これらのリソースを、必要が生じたときに必要に応じて動的に利用できることを意味する。したがって、チャネル状態の更新に利益がほとんどない場合には、そのタイプのチャネル状態情報について更新を行う必要はない。しかし、チャネル状態の大きい変化が発生する時には、更新を送信することができる。そのような手法は、リソースの定期的な割当を最小にするのを助け、したがって、たとえば別のタイプのチャネル状態情報の送信のために、これらのリソースを解放する。したがって、チャネル状態情報のタイプごとにチャネル状態更新を定期的に提供するのではなく、これらの更新は、そのような更新の提供がスループットに対する予測される改善をもたらす時に、オンデマンドで発生するのみである。たとえば、ネットワーク・ノードの間の地理的関係が、干渉または反射の主要なソースと同様に、相対的に静的である状況が発生し得る。したがってチャネル状態環境は、相対的に長い期間にわたって、ある程度静的である。これらの状況では、チャネル状態更新がスループットに対する最小限の利益を提供するのみである可能性が高いので、チャネル状態更新を提供する頻度を減らす必要がある。しかし、2つのネットワーク・ノードの間の地理的関係がすばやく変化しつつある時、または干渉もしくは反射の主要なソースも変化しつつある場合には、スループットは、比較的すばやく変化するチャネル状態環境に起因して、大きく影響される可能性があり、チャネル状態更新の提供を介して改善され得る。
【0008】
一実施形態では、送信するステップは、判定するステップが、第1タイプのチャネル状態情報の現在値が第1タイプのチャネル状態情報の以前に送信された値から少なくとも所定の量だけ変化しないことを示す時に、第2タイプの現在のチャネル状態情報の現在値を示すインジケータを送信するステップを含む。したがって、チャネル状態情報は、異なるタイプのチャネル状態またはチャネル状態の異なる成分を含むことができ、そのそれぞれが、送信され得る。これらの異なるタイプは、チャネル状態の異なる特性に関連することができる。いくつかのタイプのチャネル状態情報は、すばやく変化するチャネル状態の特性を表す可能性があり、他のタイプのチャネル状態情報は、ゆっくり変化する可能性がある。同様に、あるタイプのチャネル状態情報は、ある時によりすばやく変化するチャネル状態の特性を表す可能性があり、他のタイプのチャネル状態情報は、他の時によりすばやく変化する可能性がある。あるタイプのチャネル状態情報の更新が必要ではない時には、そうでなければその不必要な更新の送信を可能にするために定期的に割り当てられたリソースを、その代わりに、他のタイプのチャネル状態情報の更新の送信をサポートするために割り当てることができる。これが、チャネルまたはサブチャネルの性能を最もよく改善する、チャネルまたはサブチャネルごとのそのタイプのチャネル状態情報の更新の送信を可能にするために、使用可能なリソースを動的に割り当てることを可能にすることを了解されたい。
【0009】
一実施形態では、送信するステップは、判定するステップが、第1タイプのチャネル状態情報の現在値が第1タイプのチャネル状態情報の以前に送信された値から少なくとも所定の量だけ変化しないことを示す時に、第1タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータの送信を避けるステップを含む。この実施形態は、既存の技法に関する問題が、チャネル状態情報の送信のために割り当てられるリソースの量が一般に一定であり、これが、他の目的、特に異なるタイプのチャネル状態情報の間での再分配のためにこれらのリソースが利用されるのを妨げることを認めるものである。たとえば、チャネル状態情報が、第2ネットワーク・ノードから第1ネットワーク・ノードへ同一の周期的間隔で規則的に送信される場合がある。これらのリソースを、異なるタイプのチャネル状態情報の間で動的に再分配できない場合には、これは、すべてのタイプのチャネル状態情報が十分に頻繁に送信されることを可能にするために、必要より多くのリソースが周期的に割り当てられる必要があることを意味し、これは、これらの有限のリソースの一定の浪費をもたらす。したがって、現在のチャネル状態の一態様が、そのチャネルの最も近時に送信されたチャネル状態情報から変化しなかったか、所定の量を超えて変化しなかった場合には、チャネル状態のその態様に対する更新を提供する必要はなく、したがって、そのような更新のための送信用のリソースを再割当することができる。これは、そのリソースが、要求される時に限って割り当てられ、他の時には他の使用のためにこれらのリソースを解放することを保証するのを助ける。これは、そのリソースが、現在のチャネル状態のすべての態様の送信のために規則的に割り当てられることを必要とするのではなく、これらのリソースを、必要が生じた時に必要に応じて動的に利用できることを意味する。
【0010】
一実施形態では、この方法は、第1ネットワーク・ノードから所定の量を示すインジケータを受信するステップを含む。したがって、たとえば基地局とすることができる第1ネットワーク・ノードは、たとえば品質または基地局によって行われる他の測定に基づいて、所定の量をセットすることができる。この形で、第1ネットワーク・ノードは、チャネル状態更新の発生をトリガせずに、許容可能であるチャネル状態の逸脱の範囲を制御することができる。
【0011】
一実施形態では、フロベニウス行列を利用して、少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の現在値が、少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の以前に送信された値から所定の量を超えて変化するかどうかを判定することができる。そのような実施形態では、以前に送信されたチャネル状態情報を、行列として格納し、現在のチャネル状態情報を格納する行列と比較することができる。
【0012】
一実施形態では、チャネル状態情報を量子化するのに使用されるベクトルの間の距離を使用して、少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の現在値が少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の以前に送信された値から所定の量を超えて変化するかどうかを判定することができる。チャネル状態情報の変化が、所定の個数のベクトルの間の距離より大きい場合には、所定の量を超えたと判定することができる。1つのそのような実施形態では、チャネル状態情報の変化が、ベクトルのセットによって記述される空間のスパン全体より大きい場合には、所定の量を超えたと判定することができる。
【0013】
一実施形態では、少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータは、少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の現在値と少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の以前に送信された値との間の差を示すインジケータを含む。したがって、チャネル状態情報全体を第1ネットワーク・ノードに送信するのではなく、差だけを送信する必要がある。差の送信が、しばしば、送信される必要がある情報の量をさらに減らし、これによって、割り当てられる必要があるリソースをも減らすことを了解されたい。
【0014】
一実施形態では、送信するステップは、判定するステップが、第1タイプのチャネル状態情報の現在値が第1タイプのチャネル状態情報の以前に送信された値から少なくとも第1の所定の量だけ変化することを示す時に、第1タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータ、および判定するステップが、第2タイプのチャネル状態情報の現在値が第2タイプのチャネル状態情報の以前に送信された値から少なくとも第2の所定の量だけ変化することを示す時に、他方に優先して、第2タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータのうちの1つを送信するステップを含む。したがって、異なるタイプのチャネル状態情報のそれぞれに適当な、変化の異なるしきいレベルをセットすることができる。また、この実施形態は、上で述べた静的更新手法に関する問題が、更新がスループットに対する有益な効果をもたらすかどうかにかかわりなく、そのような更新が発生することであることを認めるものである。さらに、静的更新手法は、通常、あるタイプのチャネル状態の更新を、他のタイプのチャネル状態の更新より頻繁に提供する。対照的に、他のタイプのチャネル状態情報に優先してあるタイプのチャネル状態情報またはその逆のいずれかを送信することを可能にすることは、チャネル状態情報のある成分またはタイプの送信を、他の成分またはタイプより優先させる柔軟性を提供する。一実施形態では、第2の所定の量を0にして、第2タイプのチャネル状態情報に対する更新を規則的に提供させることができる。
【0015】
一実施形態では、送信するステップは、第1タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータおよび第2タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータのうちの1つを他方に優先して送信するために利用されるビット数を増やすステップを含む。したがって、優先順位を与えられたチャネル状態情報について、その優先タイプのチャネル状態情報に使用可能なビット数が、増やされる。これは、優先タイプのチャネル状態情報が、その時に、他のタイプのチャネル状態情報より多くのリソースを割り当てられることを保証するのを助ける。
【0016】
一実施形態では、送信するステップは、第1タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータおよび第2タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータのうちの1つを他方に優先して送信するために利用されるタイムスロットの個数を増やすステップを含む。
【0017】
一実施形態では、第1タイプのチャネル状態情報は、長期チャネル状態情報を含み、第2タイプのチャネル状態情報は、短期チャネル状態情報を含み、送信するステップは、判定するステップが、長期チャネル状態情報の現在値が長期チャネル状態情報の以前に送信された値から少なくとも第1の所定の量だけ変化することを示す時に、現在の長期チャネル状態情報を示すインジケータを送信するステップを含む。したがって、チャネル状態情報は、長期チャネル状態特性および短期チャネル状態特性に関連することができる。いわゆる長期チャネル状態情報および短期チャネル状態情報は、当技術分野で周知であり、チャネル状態情報の異なる成分または特性を示す。たとえば、長期チャネル状態情報は、通常は時間および周波数にまたがってゆっくり変化するチャネルの空間相関特性を取り込むことができる。そのような長期チャネル状態情報は、通常、アンテナの間の相関、平均信号対干渉雑音比(SNIR)、経路損、および類似物を表すことができる。上で述べたように、これらの特性は、比較的ゆっくりと変化する。他の成分またはタイプは、一般に時間および周波数においてすばやく変化しつつあるチャネルの瞬間的特性を表す、いわゆる短期チャネル状態情報である。通常、そのような短期チャネル状態情報は、受信されつつある信号の位相および振幅、瞬間的SNIR、ならびに類似物とすることができる。既知の技法は、各チャネルまたは各サブチャネルの短期チャネル状態情報と長期チャネル状態情報との両方を提供し、これらは、組み合わされた時に、全体的なチャネル状態の指示を提供する。これらの既知の技法は、通常、多数の短期更新が長期更新ごとに提供される、規則的な周期的間隔でのチャネル状態更新を提供する。しかし、この実施形態では、長期チャネル状態情報は、このチャネル状態情報の十分に大きい変化が発生する時に限って更新される。諸実施形態では、短期チャネル状態情報に対する変化は、このチャネル状態が最もすばやく変化する可能性が高いので、それ以外の場合に送信されるものとすることができる。
【0018】
一実施形態では、送信するステップは、判定するステップが、長期チャネル状態情報の現在値が長期チャネル状態情報の以前に送信された値から少なくとも第1の所定の量だけ変化することを示す時に、短期チャネル状態情報の現在値を示すインジケータを送信することに対して、優先的に長期チャネル状態情報の前記現在値を示すインジケータを送信するステップを含む。したがって、長期チャネル状態の大きい変化が発生する場合には、これを、短期チャネル状態の変化に優先して送信することができる。
【0019】
一実施形態では、送信するステップは、長期チャネル状態情報の現在値を送信するためにビットの割当を増やすステップを含む。したがって、より多くのビットを、長期チャネル状態情報に対する更新の送信をサポートするために割り当てることができる。そのような手法が、所定の固定されたビット数を固定された周期的間隔で利用することだけを可能にする既知の技法で可能ではなかったことを了解されたい。
【0020】
一実施形態では、送信は、タイムスロット内で発生し、送信するステップは、長期チャネル状態情報の現在値を送信するためにタイムスロットの割当を増やすステップを含む。長期チャネル状態更新のために割り当てられるタイムスロットの個数を増やすことによって、そのような更新が発生し得る速度が、高められ、これによって、スループットを改善する。この手法も、長期チャネル状態更新が固定された周期的間隔で発生することだけが要求され、これによってそのような更新を行える速度を遅延させる、既知の技法では可能ではなかったことを了解されたい。
【0021】
一実施形態では、この方法は、少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の現在値を少なくとも1つのベクトルに構成するステップと、ベクトルの階層コードブックの第1レベルの複数のコードブック・ベクトルのうちの1つを選択することによって少なくとも1つのベクトルを量子化するステップであって、少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータは、複数のコードブック・ベクトルのうちの1つへのインデックスの指示を含む、ステップとを含む。ベクトルのそのような階層コードブックが、階層コードブックの各レベルの複数のコードブック・ベクトルを提供し、これらのベクトルのそれぞれが、たとえば、コードブック・ベクトルが、たとえば量子化されるベクトルへの最も近い一致であること、そのベクトルへの最良の一致であること、または最小の誤差を提供することなどの所定の判断基準に基づいて選択されることを了解されたいが、階層コードブックの使用が、量子化されるベクトルをよりよく表すことのできるさらなるコードブック・ベクトルの更なる改良を可能にするので、他の選択判断基準を適用できることをも了解されたい。その後、選択されたコードブック・ベクトルへのインデックスを、第1ネットワーク・ノードに提供することができる。したがって、現在のチャネル状態情報として選択されたベクトル自体を送信するのではなく、そのベクトルへのインデックスだけを提供する必要があり、これが、通常、より少数のビットを用いて表現可能であることを了解されたい。やはりベクトルのコードブックのコピーを有する第1ネットワーク・ノードは、その後、選択されたベクトルを識別し、現在のチャネル状態情報を判定するのにそのベクトルを利用し、それ相応にその送信を適合させることができる。したがって、提供されるチャネル状態フィードバック情報の量を、劇的に減らすことができることがわかる。
【0022】
一実施形態では、この方法は、ベクトルの階層コードブックの階層的に関連するレベルからの複数の階層的に関連するコードブック・ベクトルのうちの1つを選択することによって少なくとも1つのベクトルを再量子化するステップであって、少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータは、複数の階層的に関連するコードブック・ベクトルのうちの1つへのインデックスの指示を含む、ステップを含む。したがって、そのインデックスが以前に第1ネットワーク・ノードにアドバイスされたベクトルに関連するコードブック・ベクトルを選択することによって、ベクトルの量子化を連続して改良することができる。この連続的改良または再量子化は、現在のチャネル状態情報の改善された指示を経時的に第1ネットワーク・ノードに戻って提供することを可能にする。
【0023】
一実施形態では、ベクトルの階層コードブックの階層的に関連するレベルからの複数の階層的に関連するコードブック・ベクトルのうちの1つは、階層コードブックの子レベルからの複数の子コードブック・ベクトルのうちの1つを含む。したがって、時間にわたってゆっくりと変化するベクトルについて、その量子化における後続の改良を、以前に第1ネットワーク・ノードに示されたコードブック・ベクトルの子コードブック・ベクトルを選択することによって可能にすることができる。そのような子コードブック・ベクトルは、通常、以前にアドバイスされた親コードブック・ベクトルのよりよい改良である。
【0024】
一実施形態では、ベクトルの階層コードブックの階層的に関連するレベルからの複数の階層的に関連するコードブック・ベクトルのうちの1つは、階層コードブックの親レベルからの複数の親コードブック・ベクトルのうちの1つを含む。したがって、よりすばやく変化するチャネル状態について、ベクトルを量子化する、より適当なコードブック・ベクトルを選択するために、階層コードブックの親レベルまで遡ることが必要である場合がある。
【0025】
一実施形態では、ベクトルの異なる階層コードブックは、第1タイプのチャネル状態情報および第2タイプのチャネル状態情報について提供され、コードブックのうちの少なくとも1つは、階層的である。したがって、異なるコードブックまたはコードブックのセットを、短期チャネル状態情報および長期チャネル状態情報のそれぞれについて提供することができる。これらのコードブックまたはコードブックのセットのそれぞれを、異なるタイプのチャネル状態情報について最適化できることを了解されたい。
【0026】
一実施形態では、少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータは、ベクトルの階層コードブックのうちのどれが、少なくとも1つのベクトルを量子化しまたは再量子化するのに使用されたのかを示す識別子を符号化する。したがって、インジケータは、ベクトルの階層コードブックのどれがベクトルの符号化に使用されたのかを受信側に知らせる識別子を符号化することができる。この指示が、ベクトルの特定の階層コードブックのどれが使用されたのかを明示的に示し、または使用されたベクトルのコードブックの相対指示を提供することができることを了解されたい。たとえば、ベクトルの2つのコードブックを使用できる場合には、インジケータを単一ビットとすることができ、「0」ビットは、コードブックの一方が使用されたことを示すことができ、「1」は、コードブックの他方が使用されたことを示すことができる。代替案では、「0」は、受信された指示が、以前に使用されたものと同一のコードブックからのベクトルを含むことを示すことができ、「1」は、以前に使用されたものとは異なるコードブックが、そのベクトルを作成するのに使用されたことを示すことができる。そのような絶対指示および相対指示を実施する多数の形があることを了解されたい。
【0027】
一実施形態では、少なくとも1つのタイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータは、複数のコードブック・ベクトルのうちの少なくとも1つがそこから選択されたベクトルのコードブックのレベルの相対インジケータまたは絶対インジケータをさらに含み、相対インジケータまたは絶対インジケータがベクトルの以前に示されたコードブック内に存在しないレベルを示す場合に、これが、少なくとも1つのタイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータによって示されるチャネル状態情報のタイプを示す。
【0028】
第2の態様によれば、少なくとも1つの受信アンテナを有するネットワーク・ノードであって、少なくとも1つの送信アンテナを有する別のネットワーク・ノードとネットワーク・ノードとの間で提供される無線通信チャネルのチャネル状態情報を提供するように動作可能であり、少なくとも1つの送信アンテナからチャネルを介して少なくとも1つの受信アンテナによって受信される信号から、チャネル内の少なくとも1つのサブチャネルの少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の現在値を推定するように動作可能な推定論理と、第1タイプのチャネル状態情報の現在値が第1タイプのチャネル状態情報の以前に送信された値から少なくとも所定の量だけ変化するかどうかを判定するように動作可能な判定論理と、判定論理が、第1タイプのチャネル状態情報の現在値が第1タイプのチャネル状態情報の以前に送信された値から少なくとも所定の量だけ変化することを示す場合に、第1タイプの現在のチャネル状態情報の現在値を示すインジケータを第1ネットワーク・ノードに送信するように動作可能な送信論理とを含むネットワーク・ノードが提供される。
【0029】
一実施形態では、送信論理は、判定論理が、第1タイプのチャネル状態情報の現在値が第1タイプのチャネル状態情報の以前に送信された値から少なくとも所定の量だけ変化しないことを示す時に、第2タイプの現在のチャネル状態情報の現在値を示すインジケータを送信するように動作可能である。
【0030】
一実施形態では、送信論理は、判定論理が、第1タイプのチャネル状態情報の現在値が第1タイプのチャネル状態情報の以前に送信された値から少なくとも所定の量だけ変化しないことを示す時に、第1タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータの送信を避けるように動作可能である。
【0031】
一実施形態では、ネットワーク・ノードは、第1ネットワーク・ノードから所定の量を示すインジケータを受信するように動作可能な受信論理を含む。
【0032】
一実施形態では、フロベニウス行列を利用して、少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の現在値が、少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の以前に送信された値から所定の量を超えて変化するかどうかを判定することができる。
【0033】
一実施形態では、チャネル状態情報を量子化するのに使用されるベクトルの間の距離を使用して、少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の現在値が少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の以前に送信された値から所定の量を超えて変化するかどうかを判定することができる。チャネル状態情報の変化が、所定の個数のベクトルの間の距離より大きい場合には、所定の量を超えたと判定することができる。1つのそのような実施形態では、チャネル状態情報の変化が、ベクトルのセットによって記述される空間のスパン全体より大きい場合には、所定の量を超えたと判定することができる。
【0034】
一実施形態では、少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータは、少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の現在値と少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の以前に送信された値との間の差を示すインジケータを含む。
【0035】
一実施形態では、送信論理は、判定論理が、第1タイプのチャネル状態情報の現在値が第1タイプのチャネル状態情報の以前に送信された値から少なくとも第1の所定の量だけ変化することを示す時に、第1タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータ、および判定論理が、第2タイプのチャネル状態情報の現在値が第2タイプのチャネル状態情報の以前に送信された値から少なくとも第2の所定の量だけ変化することを示す時に、第2タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータのうちの1つを他方に優先して送信するように動作可能である。
【0036】
一実施形態では、送信論理は、第1タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータおよび第2タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータのうちの1つを他方に優先して送信するために利用されるビット数を増やすように動作可能である。
【0037】
一実施形態では、送信論理は、第1タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータおよび第2タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータのうちの1つを他方に優先して送信するために利用されるタイムスロットの個数を増やすように動作可能である。
【0038】
一実施形態では、第1タイプのチャネル状態情報は、長期チャネル状態情報を含み、第2タイプのチャネル状態情報は、短期チャネル状態情報を含み、送信論理は、判定論理が、長期チャネル状態情報の現在値が長期チャネル状態情報の以前に送信された値から少なくとも第1の所定の量だけ変化することを示す時に、現在の長期チャネル状態情報を示すインジケータを送信するように動作可能である。
【0039】
一実施形態では、送信論理は、判定論理が、長期チャネル状態情報の現在値が長期チャネル状態情報の以前に送信された値から少なくとも第1の所定の量だけ変化することを示す時に、短期チャネル状態情報の現在値を示すインジケータを送信することに優先して、長期チャネル状態情報の前記現在値を示すインジケータを送信するように動作可能である。
【0040】
一実施形態では、送信論理は、長期チャネル状態情報の現在値を送信するためにビットの割当を増やすように動作可能である。
【0041】
一実施形態では、送信は、タイムスロット内で発生し、送信論理は、長期チャネル状態情報の現在値を送信するためにタイムスロットの割当を増やすように動作可能である。
【0042】
一実施形態では、ネットワーク・ノードは、少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の現在値を少なくとも1つのベクトルで構成するように動作可能な構成論理(arranging logic)と、ベクトルの階層コードブックの第1レベルの複数のコードブック・ベクトルのうちの1つを選択することによって少なくとも1つのベクトルを量子化するように動作可能な量子化論理であって、少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータは、複数のコードブック・ベクトルのうちの1つへのインデックスの指示を含む、量子化論理とを含む。
【0043】
一実施形態では、量子化論理は、ベクトルの階層コードブックの階層的に関連するレベルからの複数の階層的に関連するコードブック・ベクトルのうちの1つを選択することによって少なくとも1つのベクトルを再量子化するように動作可能であり、少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータは、複数の階層的に関連するコードブック・ベクトルのうちの1つへのインデックスの指示を含む。
【0044】
一実施形態では、ベクトルの階層コードブックの階層的に関連するレベルからの複数の階層的に関連するコードブック・ベクトルのうちの1つは、階層コードブックの子レベルからの複数の子コードブック・ベクトルのうちの1つを含む。
【0045】
一実施形態では、ベクトルの階層コードブックの階層的に関連するレベルからの複数の階層的に関連するコードブック・ベクトルのうちの1つは、階層コードブックの親レベルからの複数の親コードブック・ベクトルのうちの1つを含む。
【0046】
一実施形態では、ベクトルの異なる階層コードブックは、第1タイプのチャネル状態情報および第2タイプのチャネル状態情報について提供され、コードブックのうちの少なくとも1つは、階層的である。
【0047】
一実施形態では、少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータは、ベクトルの階層コードブックのうちのどれが、少なくとも1つのベクトルを量子化しまたは再量子化するのに使用されたのかを示す識別子を符号化する。
【0048】
一実施形態では、少なくとも1つのタイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータは、複数のコードブック・ベクトルのうちの少なくとも1つがそこから選択されたベクトルのコードブックのレベルの相対インジケータまたは絶対インジケータをさらに含み、相対インジケータまたは絶対インジケータがベクトルの以前に示されたコードブック内に存在しないレベルを示す場合に、これが、少なくとも1つのタイプのチャネル状態情報の現在値を示すインジケータによって示されるチャネル状態情報のタイプを示す。
【0049】
第3の態様によれば、コンピュータ上で実行される時に第1の態様の方法ステップを実行するように動作可能なコンピュータ・プログラム製品が提供される。
【0050】
さらなる特定の態様および好ましい態様が、添付の独立請求項および従属請求項に示される。従属請求項の特徴を、適当におよび特許請求の範囲に明示的に示されているもの以外の組合せで、独立請求項の特徴と組み合わせることができる。
【0051】
本発明の実施形態を、これから添付図面を参照してさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】一実施形態による無線遠隔通信ネットワークの主要コンポーネントを示す図である。
【図2】チャネル状態更新メッセージのスケジューリングを示す図である。
【図3】例の階層コードブック構造を示す図である。
【図4】階層コードブック構造の例の利用を示す図である。
【図5】階層コードブック構造の例の利用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
概要
図1に、一実施形態による無線遠隔通信ネットワーク、全般的に10の基地局20およびユーザ機器30の構成を示す。基地局20およびユーザ機器30は、第1ネットワーク・ノードおよび第2ネットワーク・ノードの例であるが、本技法を適用できるネットワーク・ノードの他の例が存在し、実際に、基地局およびユーザ機器の機能性を逆転できることを了解されたい。明瞭さのために1つの基地局およびユーザ機器だけが図示されているが、多数のそのような基地局およびユーザ機器をそのような無線遠隔通信ネットワーク内で展開できることを了解されたい。各基地局20は、M個のアンテナを備えるが、各ユーザ機器30は、N個のアンテナを備える。通常、MおよびNのうちの少なくとも1つは、1より大きい整数値である。MIMO無線チャネルが、基地局20とユーザ機器との間で確立され、サブチャネルが、基地局20およびユーザ機器30の各アンテナの間で提供される。この構成が、単一ユーザMIMOならびに多目的MIMOの両方に適用可能であることを了解されたい。
【0054】
各サブチャネルの状態は、ユーザ機器30によって査定され、基地局20がチャネル状態情報に基づいてその送信を適合させることを可能にするために、基地局20にフィードバックされる。チャネル状態情報は、多数の異なるタイプのチャネル状態情報を含むことができ、そのチャネル状態情報のそれぞれは、チャネルの状態の全体的指示を一緒に提供する類似する特性を共有する。これらの異なるタイプのチャネル状態情報が、異なる時に変化し、その重要性が、変化することを了解されたい。下でより詳細に説明されるように、サブチャネルのチャネル状態は、ユーザ機器30から基地局20へ、動的な形でフィードバックされる。すなわち、チャネル状態フィードバックの動的スケジューリングが行われ、チャネル状態に対する最も重要な変化が、他の変化に優先してフィードバックされる。変化の重要性は、チャネル状態が、そのチャネル状態の以前に提供された指示と比較した時に所定の量を超えて変化したかどうかに基づいて査定される。これは、チャネル状態の重要でない変化に関連する更新を回避することを可能にし、これによって、そうでなければより重要でない変化のために利用されたはずのリソースを解放する。たとえば、解放されるリソースを利用して、別のタイプのチャネル状態情報を送信し、または実際に時間の期間中に、どのチャネル状態情報であれ、その送信を回避することができる。
【0055】
各基地局20は、チャネル状態の指示を受信するように適合された少なくとも1つの処理手段と、このチャネル状態情報に基づいてその送信を調整する手段とを含む。各基地局20は、ユーザ機器30への送信に関する少なくとも1つの所定のしきい値に適合された少なくとも1つの処理手段をも含む。これらのしきい値を動的に変更して、チャネル状態の更新がユーザ機器30から送信される必要が生じる前に許容できるチャネル状態の変化の範囲を調整することができる。
【0056】
各ユーザ機器30は、無線伝送を使用するネットワーク内での信号の送信および受信に関するモバイル端末の機能性を含む。さらに、ユーザ機器30は、少なくとも1つのタイプのチャネル状態を判定し、このチャネル状態とそのタイプの最も近時に送信されたチャネル状態との間の差がしきい値を超えるかどうかを査定し、そうである場合に、更新されたチャネル状態情報の送信のためにリソースを割り当てるように適合された少なくとも1つの処理手段を含む。
【0057】
チャネル状態情報更新スケジューリング
上で述べたように、各ユーザ機器30は、チャネル状態情報のタイプごとの所定のしきい値を基地局20から受信する。これらのしきい値は、ユーザ機器30によってローカルに格納され、そのタイプのチャネル状態情報に対する更新が要求されるか否かを査定するのに使用される。この例では、2タイプのチャネル状態情報を説明する。第1は、長期チャネル状態情報であり、これは、時間および周波数にわたってゆっくり変化するサブチャネルの空間相関特性を記述することを試みるものである。このタイプのチャネル状態情報の例は、アンテナの間の相関、平均SNIR、ならびに経路損を含む。他のタイプのチャネル状態情報は、短期チャネル状態情報であり、これは、時間および周波数において変化しつつある、サブチャネルの瞬間的特性とマッチングすることを試みるものである。そのような短期チャネル状態情報の例は、瞬間的SNIR、信号位相および振幅を含む。
【0058】
初期化時に、ユーザ機器は、そのサブチャネルのそれぞれのチャネル状態を判定し、この情報をユーザ機器30内の1つまたは複数の行列として格納する。ユーザ機器30は、チャネル状態情報が基地局20に供給されていないと判定し、したがって、このチャネル状態情報を基地局20に送信するためのリソースの割当を開始する。この例では、チャネル状態情報は、ユーザ機器30と基地局20との間の制御サブチャネルを介して送信される。しかし、チャネル状態情報を送信する他の機構を利用できることを了解されたい。この例では、長期チャネル状態情報に対する変化の送信は、短期チャネル状態情報の変化より高い優先順位を与えられる。しかし、他の構成では、他のタイプのチャネル状態情報に、優先順位を与えることができる。したがって、初期長期チャネル状態情報が、基地局20にフィードバックされ、これに初期短期チャネル状態情報が続く。基地局20にフィードバックされる各タイプのこのチャネル状態情報の詳細は、通常は行列として、ユーザ機器30内に格納される。
【0059】
その後、ユーザ機器30が、そのユーザ機器30によって経験されている現在のチャネル状態を測定する時に、測定された現在の状態が、1つまたは複数の対応する行列に格納される。以前に送信されたチャネル状態および現在のチャネル状態を、フロベニウス行列を使用して比較して、行列の間の変動を推定することができる。そのタイプのチャネル状態情報の変動が、基地局20によって提供された対応するしきい値より大きい時には、ユーザ機器は、そのタイプの更新されたチャネル状態情報の送信のためにリソースを割り当てる。
【0060】
たとえば、図2に示されているように、時間間隔Tに、現在の長期チャネル状態は、しきい値より大きい量だけ変化したと判断され、これが、現在の短期チャネル状態情報の送信に優先して基地局20への現在の長期チャネル状態情報の送信のためのリソースの割当をトリガする。したがって、現在の長期チャネル状態情報は、複数の連続するタイムスロットにわたってユーザ機器30から基地局20に送信される。この例では、長期チャネル状態情報の変化は、相対的に大きく、これらの変化に関する十分な情報を基地局20に伝えることを可能にするために、複数のタイムスロットを必要とした。基地局20に送信される必要がある情報の量を最小にするために、変化が発生するたびにチャネル状態情報の絶対インジケータを送信するのではなく、現在のチャネル状態と以前に送信されたチャネル状態との間の差の指示を、その代わりに供給することができる。また、下でより詳細に説明するように、階層フィードバック・システムを使用して、フィードバックされる情報を連続して改良することができる。時刻Tには、現在の長期チャネル状態に関する十分な情報が、基地局20に送信済みであり、したがって、さらなるリソースを、長期チャネル状態情報の送信のために割り当てる必要はない。
【0061】
しかし、時刻Tには、所定の量より大きい、長期チャネル状態に対する別の変化が検出されるが、この例では、その変化を伝えるために1つのタイムスロットだけが要求され、したがって、時刻Tには、長期チャネル状態情報の送信のためにさらなるリソースを割り当てる必要はない。
【0062】
同様に、短期タイプのチャネル状態情報の対応するしきい値より大きい、短期チャネル状態情報に対する変化を、ユーザ機器30から基地局20に送信することができる。この例では、短期チャネル状態情報に対する更新は、リソースが長期チャネル状態情報の更新に使用されていないすべてのタイムスロットで、すべての機会に行われる。しかし、現在の短期チャネル状態に関する十分な情報が、ユーザ機器30によって基地局20に供給された後には、さらなる更新を提供する必要がなく、これによって、他のタイプのチャネル状態情報のための使用のためにこれらのリソースが解放されることを了解されたい。
【0063】
ユーザ機器30または基地局20のいずれかによって検出できる、これらの更新の飽和が発生する場合には、差を送信し続けるのではなく、ユーザ機器は、チャネル状態情報の別の絶対指示を基地局20に送信することができる。同様に、ユーザ機器30と基地局20との両方が、初期化時に実行されるものと似た形でのチャネル状態情報に対する完全な更新を指示することができる。
【0064】
階層フィードバック
この例では、階層フィードバック・システムが、チャネル状態情報に対する更新を符号化するのに使用される。これは、ある報告する瞬間から次の瞬間までに更新が改良されることを可能にする。この手法は、チャネル状態が十分にゆっくり変化しており、その結果、フィードバックを複数のフィードバック間隔にわたって集約できるようになり、その結果、集約されたビットがより大きいコードブックを索引化するようになる場合に、特に良好に働く。言い替えると、最初のメッセージは、チャネル状態の初期近似を提供し、後続メッセージは、チャネル状態の近似をさらに改良する。
【0065】
図3からわかるように、各量子化コードブックを、第jレベルのすべての符号語が同一のj−1個の上位ビットを有する形の2進木構造を使用して編成することができる。そのような構造を、階層量子化のイネーブラとして使用することができる。
【0066】
階層量子化法を、2つのメッセージすなわち基本フィードバック・メッセージおよび改良されたフィードバック・メッセージを参照して説明することができる。基本フィードバック・メッセージは、2進木のレベルbで最良の量子化符号語を指定する(通常はそのインデックスを指定することによって)b個のビットを基地局20に送り返すことによって得られる。改良されたフィードバック・メッセージは、次のように得られる。時間間隔t−1に、一実施形態で、基地局20とユーザ機器30との両方が、l(t−1)>bレベルに属する符号語
【0067】
【数1】

を共有すると仮定する。基地局20およびユーザ機器30が、レベルbから始めてレベルl(t−1))まで、選択された符号語のシーケンスを保存する必要があることを了解されたい。l(t−1)=bのケースは、特定のケースとして得ることができ、ここで、「上向き」移動は、bレベルの新しい符号語に対応する。
【0068】
【数2】

の場合には、新しい候補が、l(t−1)+b−1レベルで選択され、b−1個のビットが、基地局20に送り返され、
【0069】
【数3】

から始まる部分木内の位置を示し、1ビットが、木内の「下向き」移動をシグナリングするのに使用される。
【0070】
【数4】

の場合には、新しい候補が、l(t−1)−(b−1)レベルで選択され、b−1個のビットが、基地局20に送り返され、
【0071】
【数5】

から始まる部分木内の位置を示し、1ビットが、木内の「上向き」移動をシグナリングするのに使用される。
【0072】
図4および5に示された次の2つの例を検討されたい。
【0073】
図4では、第t時間間隔に、量子化符号語の改良(「下向き」)が、l(t−1)=3から始めて行われる。レベル5の新しいベクトルが、基地局20に送り返される。第t+1時間間隔には、第2の改良(「下向き」)が、l(t)=5から始めて行われる。レベル7の新しいベクトルが、基地局に送り返される。
【0074】
図5では、第t時間間隔に、量子化符号語の改良(「下向き」)が、l(t−1)=3から始めて行われる。レベル5の新しいベクトルが、基地局20に送り返される。第t+1時間間隔には、
【0075】
【数6】

が属するものと同一の部分木内で、チャネル変動に起因して、「上向き」移動が、基地局20にシグナリングされる。
【0076】
所与の木レベル内の符号語をシグナリングするのにb−1個のビットを、木内の「上向き」または「下向き」の移動をシグナリングするのに1ビットを使用する、以前に説明した実施形態を、xi個のビットが所与の木レベル内の符号語をシグナリングするのに使用され、yi個のビットが木内の移動をシグナリングするのに使用されるケースに一般化することができる。これらのxi、yiを、木内のレベル、ユーザなどの関数とすることができる。
【0077】
基地局20とユーザ機器30との両方が、同一のコードブックを共有する。一実施形態では、基地局20は、ユーザ機器30での格納のためにユーザ機器30にコードブックを送信するように動作可能である。
【0078】
したがって、図2からわかるように、フィードバック更新のそれぞれを、階層フィードバック・レポートを供給する階層フィードバック更新とすることができ、この階層フィードバック更新のそれぞれは、対応するコードブック内の異なるレベルをインデクシングするために複数のフィードバック間隔にわたって集約された改良された更新を提供する。たとえば、長期チャネル状態情報および短期チャネル状態情報が、異なるコードブックを有することができる。通常、チャネル状態情報の各タイプは、複数のコードブックを有することができ、そのうちの最も適当なものを、現在のチャネル状態情報に基づいて選択することができる。図2に示された例では、時間期間Tの前の短期フィードバック更新のそれぞれは、階層木のレベルを通過することによって、短期チャネル状態情報を連続して改良することができる。
【0079】
更新は、これらの更新のそれぞれが同一のコードブックに関係することを基地局20に示すインジケータを符号化することができる。時刻TとTとの間に発生する長期チャネル状態情報に対する更新は、これらの更新が長期チャネル状態情報に関係し、対応するコードブックの指示を提供することを基地局20に示すインジケータを符号化することができる。したがって、各更新は、その更新が関係する特定のコードブックのインジケータを符号化することができ、あるいは、その代わりに、コードブック内の変化が発生する時を単純に示すことができる。たとえば、2セットのコードブックが使用されつつある場合には、時刻Tの後に送信される最初の更新は、現在の短期コードブックから現在の長期コードブックへの切替を行う必要があることを単純に示すことができる。同様に、時刻Tの後の最初の更新は、現在の長期コードブックから現在の短期コードブックへの切替を行う必要があることを示すことができる。同様に、チャネル状態情報の各タイプが、複数のコードブックを利用する場合には、そのタイプのチャネル状態情報に関するコードブック内の変更を行う必要があることを示すインジケータを、更新内で提供することができる。この形で、更新されたチャネル状態情報を符号化するのに利用される適当なコードブックを、基地局20に示すことができることがわかる。
【0080】
一実施形態では、短期チャネル状態情報フィードバック・レポートは、コードブックの階層的に構造化されたセットのレベルpからp+qまでを使用し、長期フィードバックは通常はお互いに階層的に関係するレベルpからp+qまでのコードブックに全く関連しないコードブックを使用するが、長期チャネル状態情報フィードバックは、階層構造のレベルp−1に対応するかのように扱われる。したがって、木内のレベルpの上の遷移に影響する「上向き」移動がシグナリングされる時には、その移動は、フィードバック・レポートの他のビットの意味を効果的に再定義し、それらがフィードバックの短期成分ではなくフィードバックの長期成分の量子化を表すことを示す。同様に、レベルp−1からの「下向き」移動は、フィードバック・レポートの他のビットの意味を、フィードバックの短期成分の量子化であることに戻るように切り替える。一般的な実施形態では、長期報告または短期報告のいずれかに使用できる、単一のフィードバック・レポート構造が存在する。この構造は、報告が(異なる量子化コードブックを使用する)長期成分と短期成分との間で切り替えることを可能にする1ビットと、対応する量子化された長期フィードバックまたは短期フィードバックを表すためのさらなる複数のビットとを含む。フィードバックの短期成分が階層的に構造化される場合には、切替ビットは、階層のレベルを通るステップ・アップまたはステップ・ダウンを可能にする。いくつかの実施形態では、追加ビットを設けて、「リセット」機能すなわち、フィードバックが単一ステップで階層のレベルpにジャンプすることを可能にすることを提供することができる。
【0081】
一実施形態では、従局から主局へ2タイプのチャネル状態情報を報告する方法が提供され、ここで、レポートは、チャネル状態情報のタイプのうちの一方または他方の値を示す複数のビットと、チャネル状態情報のタイプを示す少なくとも1つのビットとを含む。
【0082】
一実施形態では、第1レポート内で、チャネル状態情報のタイプを示すビットの第1値は、チャネル状態情報の第1タイプからチャネル状態情報の第2タイプへの切替を示し、次のレポート内で、チャネル状態情報のタイプを示すビットの第1値は、チャネル状態情報の第2タイプのより粗い量子化レベルからより微細な量子化レベルへの切替を示す。
【0083】
一実施形態では、第1レポート内で、チャネル状態情報のタイプを示すビットの第2値は、チャネル状態情報の第2タイプのより粗い量子化レベルからより微細な量子化レベルへの切替を示し、次のレポート内で、チャネル状態情報のタイプを示すビットの第2値は、チャネル状態情報の第2タイプからチャネル状態情報の第1タイプへの切替を示す。
【0084】
一実施形態で、レポートは、チャネル状態情報の第2タイプの以前に使用された量子化レベルからチャネル状態情報の第2タイプの最も粗い量子化レベルへのリセットを示すビットをさらに含む。
【0085】
当業者は、さまざまな上で説明した方法のステップをプログラムされたコンピュータによって実行できることをたやすく認めるであろう。本明細書では、いくつかの実施形態は、機械可読またはコンピュータ可読であり、機械実行可能またはコンピュータ実行可能な命令のプログラムを符号化するプログラム・ストレージ・デバイス、たとえばディジタル・データ記憶媒体を含むことも意図されており、ここで、前記命令は、前記上で説明された方法のステップの一部またはすべてを実行する。プログラム・ストレージ・デバイスを、たとえば、ディジタル・メモリ、磁気ディスクおよび磁気テープなどの磁気記憶媒体、ハード・ドライブ、または光学的に可読のディジタル・データ記憶媒体とすることができる。実施形態は、上で説明された方法の前記ステップを実行するためにプログラムされたコンピュータを含むことも意図されている。
【0086】
「プロセッサ」または「論理」としてラベルを付けられたすべての機能ブロックを含む、図面に示されたさまざまな要素の機能を、専用ハードウェアならびに適当なソフトウェアに関連するソフトウェアを実行できるハードウェアの使用を介して提供することができる。プロセッサによって提供される時に、機能を、単一の専用プロセッサによって、単一の共有されるプロセッサによって、またはそのうちのいくつかを共有できる複数の個々のプロセッサによって提供することができる。さらに、用語「プロセッサ」、「コントローラ」、または「論理」の明示的な使用は、ソフトウェアを実行できるハードウェアに排他的に言及すると解釈されてはならず、限定なしに、ディジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワーク・プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、ソフトウェアを格納する読取り専用メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、および不揮発性ストレージを暗黙のうちに含むことができる。従来のおよび/またはカスタムの、他のハードウェアを含めることもできる。同様に、図面に示されたすべてのスイッチは、概念的なものにすぎない。その機能を、プログラム論理の動作を介して、専用論理を介して、プログラム制御および専用論理の相互作用を介して、または手動でさえ実行することができ、特定の技法は、文脈からより具体的に理解されるように、実装者によって選択可能である。
【0087】
当業者は、本明細書のすべてのブロック図が、本発明の原理を実施する例示的な回路網の概念的な図を表すことを了解するに違いない。同様に、すべてのフロー・チャート、流れ図、状態遷移図、擬似コード、および類似物が、コンピュータ可読媒体内で実質的に表すことができ、コンピュータまたはプロセッサが明示的に図示されていようといまいと、そのようなコンピュータまたはプロセッサによってそのように実行できる、さまざまなプロセスを表すことを了解されたい。
【0088】
この説明および図面は、単に本発明の原理を例示するものである。したがって、当業者が、本明細書で明示的に説明されまたは図示されてはいないが、本発明の原理を実施し、本発明の趣旨および範囲に含まれる、さまざまな構成を考案できることを了解されたい。さらに、本明細書で列挙されたすべての例は、特に、技術を促進するために本発明人(1つまたは複数)によって貢献される本発明の原理および概念を読者が理解するのを助けるための教育的目的のみのためであることが主に意図され、そのような具体的に列挙された例および条件への限定を伴わないものと解釈されなければならない。さらに、本発明の原理、態様、および実施形態ならびにその特定の例を列挙する本明細書のすべての言明は、その同等物を包含することが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの送信アンテナを有する第1ネットワーク・ノード(20;30)と少なくとも1つの受信アンテナを有する第2ネットワーク・ノード(30;20)との間で提供される無線通信チャネルのチャネル状態情報を提供する方法であって、
前記少なくとも1つの送信アンテナから前記チャネルを介して前記少なくとも1つの受信アンテナによって受信される信号から、前記チャネル内の少なくとも1つのサブチャネルの少なくとも第1タイプおよび第2タイプのチャネル状態情報の現在値を推定するステップと、
前記第1タイプのチャネル状態情報の前記現在値が前記第1タイプのチャネル状態情報の最も近時に送信された値から少なくとも所定の量だけ変化するかどうかを判定するステップと、
そうである場合に、前記第1タイプのチャネル状態情報の前記現在値を示すインジケータを前記第1ネットワーク・ノードに送信し、判定する前記ステップが、前記第1タイプのチャネル状態情報の前記現在値が前記第1タイプのチャネル状態情報の前記最も近時に送信された値から少なくとも前記所定の量だけ変化しないことを示す時に、前記第2タイプの現在のチャネル状態情報の前記現在値を示すインジケータを送信するステップと
を含む方法。
【請求項2】
送信する前記ステップは、
判定する前記ステップが、前記第1タイプのチャネル状態情報の前記現在値が前記第1タイプのチャネル状態情報の前記最も近時に送信された値から少なくとも前記所定の量だけ変化しないことを示す時に、前記第1タイプのチャネル状態情報の前記現在値を示す前記インジケータの送信を避けるステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1ネットワーク・ノードから前記所定の量を示すインジケータを受信するステップ
を含む、請求項1乃至2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも前記第1タイプのチャネル状態情報の前記現在値を示す前記インジケータは、少なくとも前記第1タイプのチャネル状態情報の前記現在値と少なくとも前記第1タイプのチャネル状態情報の前記最も近時に送信された値との間の差を示すインジケータを含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
送信する前記ステップは、
前記第1タイプのチャネル状態情報の前記現在値が前記第1タイプのチャネル状態情報の最も近時に送信された値から少なくとも第1の所定の量だけ変化することが判定される時に、前記第1タイプのチャネル状態情報の前記現在値を示すインジケータ、および
判定する前記ステップが、前記第2タイプのチャネル状態情報の前記現在値が前記第2タイプのチャネル状態情報の前記最も近時に送信された値から少なくとも第2の所定の量だけ変化することを示す時に、前記第2タイプのチャネル状態情報の前記現在値を示すインジケータ
のうちの1つを他方に優先して送信するステップ
を含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
送信する前記ステップは、
前記第1タイプのチャネル状態情報の前記現在値を示す前記インジケータおよび前記第2タイプのチャネル状態情報の前記現在値を示す前記インジケータのうちの前記1つを他方に優先して送信するために利用されるビット数を増やすステップ
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
送信する前記ステップは、
前記第1タイプのチャネル状態情報の前記現在値を示す前記インジケータおよび前記第2タイプのチャネル状態情報の前記現在値を示す前記インジケータのうちの前記1つを他方に優先して送信するために利用されるタイムスロットの個数を増やすステップ
を含む、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1タイプのチャネル状態情報は、長期チャネル状態情報を含み、前記第2タイプのチャネル状態情報は、短期チャネル状態情報を含み、送信する前記ステップは、
判定する前記ステップが、前記長期チャネル状態情報の前記現在値が前記長期チャネル状態情報の前記最も近時に送信された値から少なくとも前記第1の所定の量だけ変化することを示す時に、前記現在の長期チャネル状態情報を示す前記インジケータを送信するステップ
を含む、請求項4乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
送信する前記ステップは、
判定する前記ステップが、前記長期チャネル状態情報の前記現在値が前記長期チャネル状態情報の前記最も近時に送信された値から少なくとも前記第1の所定の量だけ変化することを示す時に、前記短期チャネル状態情報の前記現在値を示す前記インジケータを送信することに優先して、前記長期チャネル状態情報の前記現在値を示すインジケータを送信するステップ
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の前記現在値を少なくとも1つのベクトルで構成するステップと、
ベクトルの階層コードブックの第1レベルの複数のコードブック・ベクトルのうちの1つを選択することによって前記少なくとも1つのベクトルを量子化するステップであって、前記少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の前記現在値を示す前記インジケータは、複数のコードブック・ベクトルのうちの前記1つへのインデックスの指示を含む、ステップと
を含む、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
ベクトルの前記階層コードブックの階層的に関連するレベルからの複数の階層的に関連するコードブック・ベクトルのうちの1つを選択することによって前記少なくとも1つのベクトルを再量子化するステップであって、前記少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の前記現在値を示す前記インジケータは、複数の階層的に関連するコードブック・ベクトルのうちの前記1つへのインデックスの指示を含む、ステップ
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ベクトルの異なる階層コードブックは、前記第1タイプのチャネル状態情報および前記第2タイプのチャネル状態情報について提供され、前記コードブックのうちの少なくとも1つは、階層的であり、前記少なくとも第1タイプのチャネル状態情報の前記現在値を示す前記インジケータは、ベクトルの前記階層コードブックのうちのどれが、前記少なくとも1つのベクトルを量子化しまたは再量子化するのに使用されたのかを示す識別子を符号化する、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのタイプのチャネル状態情報の前記現在値を示す前記インジケータは、複数のコードブック・ベクトルのうちの前記少なくとも1つがそこから選択されたベクトルの前記コードブックのレベルの相対インジケータまたは絶対インジケータをさらに含み、前記相対インジケータまたは絶対インジケータがベクトルの以前に示されたコードブック内に存在しないレベルを示す場合に、これが、少なくとも1つのタイプのチャネル状態情報の前記現在値を示す前記インジケータによって示されるチャネル状態情報のタイプを示す、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの受信アンテナを有するネットワーク・ノード(20;30)であって、少なくとも1つの送信アンテナを有する別のネットワーク・ノードと前記ネットワーク・ノードとの間で提供される無線通信チャネルのチャネル状態情報を提供するように動作可能であり、
前記少なくとも1つの送信アンテナから前記チャネルを介して前記少なくとも1つの受信アンテナによって受信される信号から、前記チャネル内の少なくとも1つのサブチャネルの少なくとも第1タイプおよび第2タイプのチャネル状態情報の現在値を推定するように動作可能な推定論理と、
前記第1タイプのチャネル状態情報の前記現在値が前記第1タイプのチャネル状態情報の最も近時に送信された値から少なくとも所定の量だけ変化するかどうかを判定するように動作可能な判定論理と、
前記判定論理が、前記第1タイプのチャネル状態情報の前記現在値が第1タイプの前記チャネル状態情報の前記最も近時に送信された値から少なくとも前記所定の量だけ変化することを示す場合に、前記第1タイプの現在のチャネル状態情報の前記現在値を示すインジケータを前記第1ネットワーク・ノードに送信し、前記判定論理が、前記第1タイプのチャネル状態情報の前記現在値が前記第1タイプのチャネル状態情報の前記最も近時に送信された値から少なくとも前記所定の量だけ変化しないことを示す時に、前記第2タイプの現在のチャネル状態情報の前記現在値を示すインジケータを送信するように動作可能な送信論理と
を含むネットワーク・ノード(20;30)。
【請求項15】
コンピュータで実行される時に、請求項1乃至13のいずれか1項の方法ステップを実行するように動作可能なコンピュータ・プログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−520893(P2013−520893A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554241(P2012−554241)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【国際出願番号】PCT/EP2011/000670
【国際公開番号】WO2011/103966
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】