説明

チロシナーゼ阻害剤としての新規4−(アザシクロアルキル)ベンゼン−1,3−ジオール化合物、その調製方法、並びにヒト医薬および化粧品におけるその使用

本発明は、以下の一般式(I)


を有する新規4-(アザシクロアルキル)-ベンゼン-1,3-ジオール化合物、それを含有する組成物、それらの調製方法、および色素性障害の治療または予防のための医薬組成物または化粧組成物におけるそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工業製品および消費者向製品としての新規4-(アザシクロアルキル)-ベンゼン-1,3-ジオール化合物に関する。また本発明は、その調製方法、および色素性障害の治療または予防のための医薬組成物または化粧組成物におけるチロシナーゼ阻害剤としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚、特にヒトの皮膚の色素沈着は、メラニン細胞として知られる樹状細胞によるメラニンの合成から生じる。メラニン細胞は、メラノソームとして知られる細胞内小器官を含んでおり、メラノソームは、メラニンを上部ケラチノサイト層に運搬する。メラニンは、次いで、表皮の分化によって、皮膚の表面に移送される(Gilchrest B A、Park H Y、Eller M S、Yaar M、Mechanisms of ultraviolet light-induced pigmentation、Photochem Photobiol 1996、63、1〜10頁;Hearing V J、Tsukamoto K、Enzymatic control of pigmentation in mammals、FASEB J 1991、5、2902〜2909頁)。
【0003】
チロシナーゼは、メラニン形成酵素の中で鍵となる酵素であり、メラニン合成の最初の2つの工程を触媒する。チロシナーゼのホモ接合型突然変異(Homozygotic mutation)は、メラミン合成の完全な欠如によって特徴付けられる眼・皮膚白皮症I型の原因となる(Toyofuku K、Wada I、Spritz R A、Hearing V J、The molecular basis of oculocutaneous albinism type 1 (OCA1)、sorting failure and degradation of mutant tyrosinases results in a lack of pigmentation、Biochem J 2001、355、259〜269頁)。
【0004】
メラニン産生の増加によって生じる、患者および皮膚科医等の期待を全て満たす治療法の存在しない色素性障害を治療するために、新規治療手段の開発が重要となっている。
【0005】
既知の皮膚美白化合物(skin lightening compound)の大半は、フェノールまたはヒドロキノン誘導体である。これらの化合物はチロシナーゼを阻害するが、その多くはメラニン細胞に対して細胞傷害性である。この毒性作用は、皮膚の永続的な色素脱失の原因となる危険性がある。メラニン形成を阻害しうる一方で、メラニン細胞に対する細胞傷害性が低いか傷害性のない化合物を生産することは、特に関心が持たれるであろう。
【0006】
文献中に記載された化合物の中で、特許出願WO99/15148は、4-シクロアルキルレゾルシノールの、色素脱失剤としての使用を開示している。
【0007】
特許FR2704428は、4-ハロレゾルシノールの、色素脱失剤としての使用を開示している。
【0008】
特許出願WO2006/097224およびWO2006/097223は、4-シクロアルキルメチルレゾルシノールの、色素脱失剤としての使用を開示している。
【0009】
特許出願WO2005/085169は、アルキル3-(2,4-ジヒドロキシフェニル)プロピオネートの、色素脱失剤としての使用を開示している。
【0010】
特許出願WO2004/017936は、3-(2,4-ジヒドロキシフェニル)アクリルアミドの、色素脱失剤としての使用を開示している。
【0011】
特許出願WO2004/052330は、4-[1,3]ジチアン-2-イルレゾルシノールの、色素脱失剤としての使用を開示している。
【0012】
より特に、特許EP0341664は、4-アルキルレゾルシノールの、色素脱失剤としての使用を開示しているが、その中の4-n-ブチルレゾルシノールは、ルシノール(Rucinol)としても知られており、商品名Iklen(登録商標)で販売されている美白クリーム(depigmentation cream)組成物の一部を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】WO99/15148
【特許文献2】FR2704428
【特許文献3】WO2006/097224
【特許文献4】WO2006/097223
【特許文献5】WO2005/085169
【特許文献6】WO2004/017936
【特許文献7】WO2004/052330
【特許文献8】EP0341664
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Gilchrest B A、Park H Y、Eller M S、Yaar M、Mechanisms of ultraviolet light-induced pigmentation、Photochem Photobiol 1996、63、1〜10頁
【非特許文献2】Hearing V J、Tsukamoto K、Enzymatic control of pigmentation in mammals、FASEB J 1991、5、2902〜2909頁
【非特許文献3】Toyofuku K、Wada I、Spritz R A、Hearing V J、The molecular basis of oculocutaneous albinism type 1 (OCA1)、sorting failure and degradation of mutant tyrosinases results in a lack of pigmentation、Biochem J 2001、355、259〜269頁
【非特許文献4】W D Langley、Org Synth I、122頁(1932)
【非特許文献5】Mottram L F、Boonyarattanakalin S、Kovel R E、Peterson B R、Organic Letters 2006、8(4)、581〜584頁
【非特許文献6】Annoura H、Nakanishi K、Uesugi M、Fukunaga A、Imajo S、Miyajima A、Tamura-Horikawa Y、Tamura S、Bioorg Med Chem 2002、10(2)、371〜383頁
【非特許文献7】Merschaert A、Delhaye L、Ketesmont J-P、Brione W、Delbeke P、Mancuso V、Napora F、Diker K、Giraud D、Vanmarsenille M、Tetrahedron Lett 2003、44 (24)、4531〜4534頁
【非特許文献8】Kasyan A、Wagner C、Maier M E、Tetrahedron 1998、54 (28)、8047〜8054頁
【非特許文献9】Reignerら、Cell Mol Biol (1999)、45、969〜980頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
驚くべきことに、そして予想外にも、本出願人は、4-(アザシクロアルキル)ベンゼン-1,3-ジオール構造を有する新規化合物が、非常に良好なチロシナーゼ酵素阻害活性と、極めて低い細胞傷害性とを有することを発見した。さらに、これらの化合物は、ルシノールよりも高いチロシナーゼ酵素阻害活性を有し、一方で、メラニン細胞に対する細胞傷害性はルシノールよりも低い。
【0016】
これらの化合物は、ヒト医薬、特に皮膚科学、および化粧品の分野に用途を有しうる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
したがって、本発明は、以下の一般式(I):
【0018】
【化1】

【0019】
(式中、
R1が、
・C1〜C8アルキル基、
・C3〜C8シクロアルキル基、
・C4〜C10メチルシクロアルキル(methylcycloalkyl)基、
・アリール基、
・置換アリール基、
・ヘテロアリール基、
・置換ヘテロアリール基、
・アラルキル基、または
・C1〜C5アルコキシ基
を表し、
Yが、水素またはフッ素を表し、
mおよびnが、独立して、0、1、または2の値をとりうる)、
を有する化合物、および式(I)の化合物の塩、ならびにそれらの異性体および鏡像体に関する。
【0020】
一般式(I)を有する化合物と医薬的に許容可能な塩基との塩として挙げられうる好ましい塩は、有機塩基または無機塩基との塩である。
【0021】
適切な無機塩基の例は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、または水酸化カルシウムである。
【0022】
適切な有機塩基の例は、モルホリン、ピペラジン、およびリジンである。
【0023】
一般式(I)を有する化合物は、水和物または溶媒和物の形態でも存在しうる。
【0024】
溶媒和物を形成するための適切な溶媒の例は、エタノールまたはイソプロパノールなどのアルコールである。
【0025】
本発明によれば、用語「C1〜C8アルキル」は、1〜8個の炭素原子を含む飽和の直鎖状または分岐鎖状炭化水素鎖を示す。
【0026】
本発明によれば、用語「C3〜C8シクロアルキル」は、3〜8個の炭素原子を含む飽和の環式炭化水素鎖を示す。
【0027】
本発明によれば、用語「C4〜C10メチルシクロアルキル」は、3〜9個の炭素原子を含む飽和の環式または二環式の炭化水素鎖で置換されたメチルを示し、これは酸素原子で置換されていてもよい。
【0028】
本発明によれば、用語「アリール」は、フェニルまたはナフチル基を意味する。
【0029】
本発明によれば、用語「置換アリール」は、C1〜C8アルキル、C1〜C5アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチル基から選択される1個もしくは複数個の原子団で置換されたフェニルまたはナフチル基を意味する。
【0030】
本発明によれば、用語「ヘテロアリール」は、ピリジンまたはキノリン基を意味する。
【0031】
本発明によれば、用語「置換ヘテロアリール」は、C1〜C8アルキル、C1〜C5アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチル基から選択される1個もしくは複数個の原子団で置換されたピリジンまたはキノリン基を意味する。
【0032】
フェニル、ナフチル、ピリジン、またはキノリン基への考えられる好ましい置換は、これらの基がメチル(C1アルキル)で置換されたものである。
【0033】
本発明によれば、用語「アラルキル」は、置換または非置換のアリール基で置換されている、上記で定義されたC1〜C8アルキル基を示す。
【0034】
本発明によれば、用語「C1-C5アルコキシ」は、1〜5個の炭素原子を含む飽和の直鎖状または分岐鎖状炭化水素鎖によって置換された酸素原子を示す。
【0035】
本発明によれば、用語「ハロゲン」は、塩素、フッ素、臭素、またはヨウ素原子を示す。
【0036】
本発明によれば、特に好ましい一般式(I)を有する化合物は、
R1が、
・置換アリール基、
・アラルキル基、
・C3〜C8シクロアルキル基、または
・C4〜C10メチルシクロアルキル基
を表し、
Yが、水素またはフッ素を表し、
mおよびnが、独立して、0、1、または2の値をとりうる、
化合物、およびその一般式(I)を有する化合物の塩、ならびにそれらの異性体および鏡像体である。
【0037】
本発明によれば、より特に好ましい一般式(I)を有する化合物は、
R1が、
・置換アリール基、
・アラルキル基、
・C3〜C8シクロアルキル基、または
・C4〜C10メチルシクロアルキル基
を表し、
・Yが、水素またはフッ素を表し、
・m=1およびn=1である、
化合物、および一般式(I)を有するこれらの化合物の塩、ならびにそれらの異性体および鏡像体である。
【0038】
本発明の範囲に含まれる一般式(I)を有する化合物の例としては、特に以下を挙げることができる。
1: 4-(1-フェニルメタンスルホニルピペリジン-4-イル)-ベンゼン-1,3-ジオール;
2: 4-[1-(トルエン-4-スルホニル)ピペリジン-4-イル]-ベンゼン-1,3-ジオール;
3: 4-[1-(ブタン-1-スルホニル)ピペリジン-4-イル]ベンゼン-1,3-ジオール;
4: 4-(1-シクロヘキシルメタンスルホニルピペリジン-4-イル)-ベンゼン-1,3-ジオール;
5: 4-[1-(2-フェニルエタンスルホニル)ピペリジン-4-イル]-ベンゼン-1,3-ジオール;
6: 1-[4-(2,4-ジヒドロキシフェニル)ピペリジン-1-スルホニルメチル]-7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン;
7: 4-フルオロ-6-[1-(トルエン-4-スルホニル)ピペリジン-4-イル]ベンゼン-1,3-ジオール;
8: 4-フルオロ-6-(1-フェニルメタンスルホニルピペリジン-4-イル)ベンゼン-1,3-ジオール;
9: 4-フルオロ-6-[1-(2-フェニルエタンスルホニル)ピペリジン-4-イル]ベンゼン-1,3-ジオール;
10: 4-(1-シクロヘキシルメタンスルホニルピペリジン-4-イル)-6-フルオロベンゼン-1,3-ジオール;
11: 4-[1-(ブタン-1-スルホニル)ピペリジン-4-イル]-6-フルオロベンゼン-1,3-ジオール;
12: 4-[1-(トルエン-4-スルホニル)ピロリジン-3-イル]-ベンゼン-1,3-ジオール;
13: 4-(1-フェニルメタンスルホニルピロリジン-3-イル)-ベンゼン-1,3-ジオール;
14: 4-[1-(2-フェニルエタンスルホニル)ピロリジン-3-イル]-ベンゼン-1,3-ジオール;
15: 4-フルオロ-6-[1-(2-フェニルエタンスルホニル)-ピロリジン-3-イル]ベンゼン-1,3-ジオール;
16: 4-(1-シクロヘキシルメタンスルホニルピロリジン-3-イル)-ベンゼン-1,3-ジオール;
17: 4-[1-(ブタン-1-スルホニル)ピロリジン-3-イル]-ベンゼン-1,3-ジオール。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、一般式(I)を有する化合物の調製のために使用される一般反応スキームを表す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
商業的に入手しうるか、または慣用的な合成方法(W D Langley、Org Synth I、122頁 (1932)、もしくはフッ素化物の場合はMottram L F、Boonyarattanakalin S、Kovel R E、Peterson B R、Organic Letters 2006、8(4)、581〜584頁)に従ってそれぞれ調製される化合物2,4-ビスベンジルオキシブロモベンゼン(X=Br、Y=H)または1,5-ビスベンジルオキシ-2-フルオロ-4-ヨードベンゼン(X=I、Y=F)(1)を、ブチルリチウムの存在下で、例えば、商業的に入手しうるか、または慣用的な合成方法(W D Langley、Org Synth I、122頁 (1932))に従って調製されるアザシクロアルカノン(2)と反応させると、対応する一般式(3)を有するベンジルアルコール(Y=HもしくはF)(Annoura H、Nakanishi K、Uesugi M、Fukunaga A、Imajo S、Miyajima A、Tamura-Horikawa Y、Tamura S、Bioorg Med Chem 2002、10(2)、371〜383頁)が得られる。
【0041】
【化2】

【0042】
一般式(4)を有する化合物は、一般式(3)を有するベンジルアルコールを、水素およびパラジウム炭(palladium on charcoal)などのパラジウム系触媒の存在下、例えば、メタノールなどの溶媒中で、水素化することによって得られる(Merschaert A、Delhaye L、Ketesmont J-P、Brione W、Delbeke P、Mancuso V、Napora F、Diker K、Giraud D、Vanmarsenille M、Tetrahedron Lett 2003、44 (24)、4531〜4534頁)。
【0043】
【化3】

【0044】
一般式(4)を有する化合物は、例えばジクロロメタンなどの溶媒中でトリフルオロ酢酸を作用させるか(Kasyan A、Wagner C、Maier M E、Tetrahedron 1998、54 (28)、8047〜8054頁)、または、例えば酢酸エチル溶液中で塩酸を作用させることによって、一般式(5)を有するアミンに変換される。
【0045】
【化4】

【0046】
次いで、一般式(5)を有する化合物は、クロロスルホニル官能基を有する誘導体と、例えばDMFなどの溶媒中で、例えばジイソプロピルアミンなどの塩基の存在下で反応させることによって、一般式(I)を有する化合物に変換される。
【0047】
【化5】

【0048】
したがって、本発明は、上記の一般式(I)を有する少なくとも一つの化合物の、薬剤としての使用を包含する。
【0049】
また本発明は、チロシナーゼ阻害活性を有する、上記の一般式(I)を有する少なくとも一つの化合物の、薬剤としての使用を包含する。
【0050】
また本発明は、医薬組成物または化粧組成物を調製するための、チロシナーゼ阻害活性を有する、上記の一般式(I)を有する少なくとも一つの化合物の使用も包含する。
【0051】
有利なことに、本発明の化合物は、チロシナーゼに対するIC50値(酵素活性の50%を阻害する用量)が、10μM以下、より特には、1μM以下である。
【0052】
また本発明は、色素性障害の治療および/または予防における、一般式(I)を有する化合物の使用に関する。
【0053】
本発明の一般式(I)を有する化合物は、肝斑、褐色斑、黒子、老人性黒子、光老化に関係する不規則色素沈着過剰、そばかす、または擦過傷、火傷、傷、皮膚疾患もしくは接触性アレルギーに起因する炎症後色素沈着過剰、母斑、遺伝的に決定された色素沈着過剰、または代謝性もしくは薬剤由来の色素沈着過剰、メラノーマ、または他の色素沈着過剰病変などの色素性障害の治療および/または予防に関する使用に特に適している。
【0054】
また本発明は、特に上記に挙げた障害の治療のための医薬組成物であって、使用する投与様式に適合する医薬的に許容可能な支持体中に、一般式(I)を有する化合物を、その異性体形態または鏡像体形態の1種またはその医薬的に許容可能な塩基との塩の1種として含むことを特徴とする医薬組成物にも関する。
【0055】
用語「医薬的に許容可能な支持体」は、皮膚、粘膜、毛髪および爪に適合する媒体を意味する。
【0056】
本発明の組成物は、局所的に投与されうる。好ましくは、医薬組成物は、局所適用に適した形態に包装されている。
【0057】
用語「局所適用」は、本発明の医薬組成物が、より特に皮膚および粘膜の治療を目的とするものであることを意味し、液体、ペースト、もしくは固体の形態、より特には、軟膏、クリーム、溶液もしくはゲルの形態でありうる。
【0058】
局所適用のために使用される前記組成物における、本発明の化合物の濃度は、組成物の全重量に対して、一般的に0.001重量%〜10重量%の範囲、好ましくは0.01重量%〜5重量%の範囲である。
【0059】
また本発明の一般式(I)を有する化合物は、化粧品分野、特に太陽の有害な作用に対する防御において、光誘導性または経時的な皮膚の老化の予防および/または対抗のため、および濃いフォトタイプ(phototype)の皮膚を薄くするための用途も有する。
【0060】
したがって、本発明は、一般式(I)を有する少なくとも一つの化合物を、化粧的に許容可能な支持体中に含む組成物にも関する。用語「化粧的に許容可能な媒体」は、皮膚、粘膜、毛髪、および爪に適合しうる媒体を意味する。
【0061】
また本発明は、一般式(I)を有する少なくとも一つの化合物を含む組成物の、老化および/または皮膚の徴候を予防および/または治療するための、化粧上の使用に関する。
【0062】
また、本発明は、一般式(I)を有する少なくとも一つの化合物を含む組成物の、身体または毛髪の手入れのための、化粧上の使用に関する。
【0063】
一般式(I)を有する化合物、その異性体形態およびその鏡像体形態の1種、またはそれらの化粧的に許容可能な塩基との塩の1種を化粧的に許容可能な支持体中に含む、本発明の化粧組成物は、クリーム、ミルク、ゲル、ミクロスフェアもしくはナノスフェアまたは脂質小胞もしくは重合体小胞の懸濁液、浸透性のパッド、溶液、スプレー、泡、スティック、石鹸、洗浄基材(wash base)、またはシャンプーの形態でありうる。
【0064】
化粧組成物における一般式(I)を有する化合物の濃度は、組成物の全重量に対して、好ましくは0.001重量%〜10重量%の範囲である。
【0065】
上記医薬組成物および化粧組成物は、不活性な添加物、またさらに医薬組成物の場合には薬理学的な活性成分、またはそのような添加剤の組合せを含んでもよく、特に、以下を含むことができる。
・湿潤剤
・風味促進剤(taste improving agent)
・保存料、例えば、パラヒドロキシ安息香酸エステル、
・安定剤、
・水分調節剤、
・pH調節剤、
・浸透圧改変剤、
・乳化剤、
・UV-AおよびUV-B遮蔽剤、
・抗酸化剤、例えば、α-トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、スーパーオキシドジスムターゼ、ユビキノール、またはメタ重亜硫酸ナトリウム、
・皮膚軟化剤、
・保湿剤、例えば、グリセロール、PEG 400、チアモルホリノン(thiamorpholinone)およびその誘導体、または尿素、
・抗脂漏剤または抗ニキビ剤、例えば、S-カルボキシメチルシステイン、S-ベンジルシステアミン、それらの塩もしくは誘導体、または過酸化ベンゾイル。
【0066】
当然、当業者は、想定される添加によって本発明に関連した本来の有用な特徴が損なわれないか、または実質的に損なわれないように、前記組成物へ加える任意の化合物の選択に対して注意を払うであろう。
【0067】
本発明の一般式(I)を有する化合物の製造、これらの化合物の生物学的活性の結果、およびそのような化合物に基づく種々の製剤についてのいくつかの実施例を、全く非限定的な例示として、ここに示す。
【実施例1】
【0068】
4-(1-フェニルメタンスルホニルピペリジン-4-イル)-ベンゼン-1,3-ジオール
a)2,4-ビスベンジルオキシ-1-ブロモベンゼン
107g(0.771mol、3当量)の炭酸カリウム(325メッシュ)を、97%の4-ブロモレゾルシノールを含む500mLのアセトンからなる50.1g(0.257mol、1当量)の溶液に添加した。反応媒体を、5〜10℃に冷却し、75mL(0.630mol、2.45当量)の臭化ベンジルを滴下した。反応媒体を周囲温度で一晩撹拌し、次いで、50℃に2時間加熱した。次いで、溶媒を蒸発させ、残渣を、水-酢酸エチル混合物に溶解した。水性相を酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣(114g)を、90/10のヘプタン/ジクロロメタンで溶離させるシリカゲル(600g)クロマトグラフィーにかけた。
【0069】
94.4gの2,4-ビスベンジルオキシ-1-ブロモベンゼンを、白色結晶の形態で得た。収率=99%。
【0070】
b)Tert-ブチル4-(2,4-ビスベンジルオキシフェニル)-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート
2mL(5mmol、1.2当量)の2.5Mのn-ブチルリチウムを含むヘキサンを、1.55g(4mmol、1当量)の2,4-ビスベンジルオキシ-1-ブロモベンゼンを含む15mLのメチル-テトラヒドロフラン溶液(-70℃に冷却したもの)に添加した。反応媒体を-70℃で25分間撹拌し、1.0g(5mmol、1.2当量)の1-boc-4-ピペリドンを含む10mLのメチルテトラヒドロフラン溶液に添加した。反応媒体を-70℃で1時間撹拌し、一晩放置して、周囲温度に至らせた。2mLの2N塩酸を補充した15mLの塩化アンモニウムの飽和溶液を反応媒体に添加し、20分間激しく撹拌し、次いで酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させた。残渣を、80/20のヘプタン/酢酸エチルで溶離させるシリカゲル(AnaLogix SF40-80gカラム)クロマトグラフィーにかけた。
【0071】
730mgのtert-ブチル4-(2,4-ビスベンジルオキシフェニル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレートを油状物として得た。収率=37%。
【0072】
c)4-(2,4-ジヒドロキシフェニル)ピペリジン-1-カルボン酸、tert-ブチルエステル
82.3g(0.168mmol、1当量)のtert-ブチル4-(2,4-ビスベンジルオキシフェニル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレートを含む620mLの酢酸エチルと、210mLのメタノールとの混合物を、16.4gの10%パラジウム炭の存在下、55℃で、水素下、大気圧で、6日間撹拌した。反応媒体を濾過し、濾物を濃縮して濾過した。38.9gのtert-ブチル4-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-ピペリジン-1-カルボキシレートをオフホワイト色の固形物として得た。収率=79%。
【0073】
d)4-(2,4-ジヒドロキシフェニル)ピペリジニウム塩酸塩
70gのtert-ブチル4-(2,4-ジヒドロキシフェニル)ピペリジン-1-カルボキシレートを500mLの酢酸エチルに溶解し、次いで、4Mの塩酸を含む150mLの酢酸エチル溶液に添加した。反応混合物を、2時間、周囲温度で撹拌し、次いで、形成された固形物を濾過した。36gの4-(2,4-ジヒドロキシフェニル)ピペリジニウム塩酸塩を得た。収率=69%。
【0074】
e)4-(1-フェニルメタンスルホニルピペリジン-4-イル)-ベンゼン-1,3-ジオール
913mg(4.79mmol、1.1当量)のα-トルエンスルホニルクロリドを含む5mLのN,N-ジメチルホルムアミド溶液を、1.0g(4.35mmol、1当量)の4-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-ピペリジニウム塩酸塩を含む15mLのN,N-ジメチルホルムアミド溶液に、758μL(4.35mmol、1当量)のジイソプロピルエチルアミンの存在下で滴下した。反応媒体を、周囲温度で、4時間撹拌した。反応媒体を、水で処理し、酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせ、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させた。残渣を、ヘプタン/酢酸エチル(勾配)で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。
【0075】
409mgの4-(1-フェニルメタンスルホニルピペリジン-4-イル)-ベンゼン-1,3-ジオールを、白色固形物として得た。融点=207〜208℃。収率=27%。
1H NMR (DMSO, 400MHz): 1.17 (m, 2H); 1.47 (d, J = 12Hz, 2H); 2.73 (m, 3H); 3.63 (d, J = 12Hz, 2H); 4.40 (s, 2H); 6.14 (dd, J = 8.4 & 2.4Hz, 1H); 6.26 (d, J = 2.4Hz, 1H); 6.79 (d, J = 7.9Hz, 1H); 7.39 (m, 5H); 8.98 (s, 1H); 9.17 (s, 1H)。
13C NMR (DMSO, 100MHz): 31.4、33.9、46.3、54.3、102.3、106.0、121.7、126.7、128.0、128.3、129.6、130.9、155.1、156.2。
【実施例2】
【0076】
4-[1-(トルエン-4-スルホニル)ピペリジン-4-イル]-ベンゼン-1,3-ジオール
実施例1と同様の方法であるが、α-トルエンスルホニルクロリドに代えて、p-トルエンスルホニルクロリドを使用して、4-[1-(トルエン-4-スルホニル)ピペリジン-4-イル]-ベンゼン-1,3-ジオールを得た。融点=206〜207℃。
1H NMR (DMSO, 400MHz): 1.60 (m, 2H); 1.70 (m, 2H); 2.19 (t, J = 10.9Hz, 2H); 2.41 (s, 3H); 2.49 (m, 1H); 3.72 (d, J = 11.6Hz, 1H); 6.12 (dd, J = 8.4 & 2.4Hz, 1H); 6.22 (d, J = 2.4Hz, 1H); 6.77 (d, J = 7.9Hz, 1H); 7.46 (d, J = 8.4Hz, 1H); 7.63 (d, J = 8.4Hz, 1H), 8.98 (s, 1H); 9.10 (s, 1H)。
13C NMR (DMSO, 100MHz): 20.99、30.7、33.7、46.8、102.3、106.0、121.5、126.7、127.5、129.7、132.4、143.4、155.2、156.2。
【実施例3】
【0077】
4-[1-(ブタン-1-スルホニル)ピペリジン-4-イル]ベンゼン-1,3-ジオール
実施例1と同様の方法であるが、ブチルスルホニルクロリドを使用して、4-[1-(ブタン-1-スルホニル)ピペリジン-4-イル]ベンゼン-1,3-ジオールを得た。融点=182〜183℃。収率=33%。
1H NMR (DMSO, 400MHz): 0.90 (t, J = 7.2Hz, 3H); 1.17 (m, 2H); 1.75-1.35 (m, 6H); 2.79 (m, 3H); 3.02 (t, J = 7.8Hz, 2H); 3.66 (d, J = 11.6Hz, 1H); 6.15 (dd, J = 8.4 & 2.0Hz, 1H); 6.26 (d, J = 2.0Hz, 1H); 6.82 (d, J = 7.9Hz, 1H); 8.98 (s, 1H); 9.18 (s, 1H)。
13C NMR (DMSO, 100MHz): 13.5、21.0、24.7、31.4、33.9、46.1、47.3、102.4、106.0、121.8、126.7、155.2、156.2。
【実施例4】
【0078】
チロシナーゼ活性阻害試験
阻害剤の活性を、B16F1細胞(マウスメラノーマ株)の溶解物を使用して試験した。L-チロシン基質の存在下で、これらの細胞に存在するチロシナーゼは、L-チロシンからL-DOPAへの水酸化を触媒し、次いで、L-DOPAからドーパキノンへの酸化を触媒する。MBTH(3-メチル-2-ベンゾ-チアゾリノンヒドラゾン)の存在下で、ドーパキノンが捕捉され、520nmで吸収するピンク色の複合体を形成する。
【0079】
B16F1細胞を、DMEM培地+10%ウシ胎仔血清+10-9MのαMSH中で、4日間、37℃で、7%CO2下で培養した。それらをトリプシンで処理し、PBSで洗浄し、計数し、遠心分離した。ペレットを、107細胞/mLの量で、溶解バッファー(リン酸ナトリウム、10mM pH6.8-Igepal 1%)中に溶解し、懸濁液を、10秒間超音波処理した。30分、4000rpmで遠心分離した後、得られた上清で、酵素試験においてチロシナーゼ源として使用する細胞溶解物を構成させた。
【0080】
試験は、384ウェルプレート中で、総体積50μlとして、2連で実施した。各ウェルは、以下を含んでいた。
-40μlの溶液(1.25mMのL-チロシン、6.25μlのL-DOPA(コファクター)および3.75mMのMBTHを含む緩衝液B(リン酸ナトリウム62.25mM、pH6.8-2.5%ジメチルホルムアミド)を含有)、
-5μlの阻害剤(DMSOで希釈)、
-5μlの細胞溶解物(Tris HCl緩衝液、50mM、pH7.5で1/2の強度に希釈)。
【0081】
プレートを37℃でインキュベートし、分光学的記録を520nmでインキュベート6時間後に作成した。生成物によるいかなる吸収も補正するために、補正した吸収度(6時間時点での吸光度-ゼロ時間時点での吸光度)を使用した。
【0082】
阻害剤に、用量-応答試験を行い、IC50(酵素活性を50%阻害する用量)を計算した。
【0083】
いくつかの内部コントロールを各実験に加えた。
・100%活性のコントロール:5μlの阻害剤を5μlのDMSOで置き換えた。
・50%活性のコントロール:5μlの阻害剤を、フェニルチオ尿素300μMを含む5μlのDMSOで置き換えた。
・0%活性のコントロール:L-チロシン基質を緩衝液Bで置き換えた。
【0084】
本発明の化合物について得られた結果を表Aに示す。
【0085】
【表1】

【実施例5】
【0086】
メラニン形成阻害試験
メラニン形成阻害を、MNT1ヒトメラノーマ細胞中で、Reignerら、Cell Mol Biol (1999)、45、969〜980頁から採用したプロトコルを使用して測定した。試験は、2種の放射性標識トレーサーの同時取り込みに基づくものであった。即ち、14C-チオウラシルは新たに合成されたメラニンに取り込まれ、メラニン形成を反映する。一方、3H-ロイシンはタンパク質に取り込まれ、細胞生存性を反映し、したがって、前記試験化合物の傷害性を反映する。
【0087】
MNT1細胞を、試験化合物および放射性同位体の存在下で96ウェルプレートに播種した。24時間、37℃でインキュベートした後、細胞を洗浄し、2種の放射性同位体の量を測定した。試験化合物に、用量-応答試験を行い、メラニン形成阻害についてのIC50を、3H取り込みによって標準化した14C取り込みに基づいて算出した。また、細胞傷害性についてのIC50を、3H取り込みに基づいて算出した。
【0088】
このように、当該試験を使用して、メラニン形成を特異的に阻害する生成物を、メラニン細胞に対して細胞傷害性である生成物から区別することができた。
【0089】
【表2】

【実施例6】
【0090】
製剤
本実施例は、本発明の化合物に基づく種々の製剤を例示する。
【0091】
局所適用
(a)軟膏
・化合物2 0.020g
・ミリスチン酸イソプロピル 81.700g
・液体ワセリンオイル(fluid vaseline oil) 9.100g
・シリカ(「Aerosil 200」) 9.180g
(b)軟膏
・化合物2 0.300g
・白色ワセリン コーデックス(codex) qsp 100g
(c)非イオン性油中水型クリーム
・化合物2 0.100g
・乳化ラノリンアルコール、ワックス、および油の混合物(「無水ユーセリン(eucerin)」)
39.900g
・パラ-ヒドロキシ安息香酸メチル 0.075g
・パラ-ヒドロキシ安息香酸プロピル 0.075g
・滅菌脱塩水 qsp 100g
(d)ローション
・化合物2 0.100g
・ポリエチレングリコール(PEG 400) 69.900g
・95%エタノール 30.000g
(e)疎水性軟膏
・化合物2 0.300g
・ミリスチン酸イソプロピル 36.400g
・シリコーンオイル(「Rhodorsil 47V300」) 36.400g
・蜜蝋 13.600g
・シリコーンオイル(「Abil 300.000cst」) qsp 100g
(f)非イオン性油中水型クリーム
・化合物2 1.000g
・セチルアルコール 4.000g
・モノステアリン酸グリセロール 2.500g
・ステアリン酸PEG 50 2.500g
・シアバター 9.200g
・プロピレングリコール 2.000g
・パラ-ヒドロキシ安息香酸メチル 0.075g
・パラ-ヒドロキシ安息香酸プロピル 0.075g
・滅菌脱塩水 qsp 100g

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式(I)
【化1】

(式中、
R1が、
・C1〜C8アルキル基、
・C3〜C8シクロアルキル基、
・C4〜C10メチルシクロアルキル基、
・アリール基、
・置換アリール基、
・ヘテロアリール基、
・置換ヘテロアリール基、
・アラルキル基、または
・C1〜C5アルコキシ基を表し、
Yが、水素またはフッ素を表し、
mおよびnが、独立して、0、1、または2の値をとりうる)
を有する化合物、および式(I)を有する化合物の塩、ならびにそれらの異性体および鏡像体。
【請求項2】
有機塩基および無機塩基から選択される塩基と共に形成される塩の形態であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
水和物または溶媒和物の形態であることを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
・R1が、
・置換アリール基、
・アラルキル基、
・C3〜C8シクロアルキル基、または
・C4〜C10メチルシクロアルキル基
を表し、
・Yが、水素またはフッ素を表し、
・m=1およびn=1である
ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物、および一般式(I)を有する前記化合物の塩、ならびにそれらの異性体および鏡像体。
【請求項5】
1: 4-(1-フェニルメタンスルホニルピペリジン-4-イル)-ベンゼン-1,3-ジオール;
2: 4-[1-(トルエン-4-スルホニル)ピペリジン-4-イル]-ベンゼン-1,3-ジオール;
3: 4-[1-(ブタン-1-スルホニル)ピペリジン-4-イル]-ベンゼン-1,3-ジオール;
4: 4-(1-シクロヘキシルメタンスルホニルピペリジン-4-イル)-ベンゼン-1,3-ジオール;
5: 4-[1-(2-フェニルエタンスルホニル)ピペリジン-4-イル]-ベンゼン-1,3-ジオール;
6: 1-[4-(2,4-ジヒドロキシフェニル)ピペリジン-1-スルホニルメチル]-7,7-ジメチル-
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン;
7: 4-フルオロ-6-[1-(トルエン-4-スルホニル)ピペリジン-4-イル]ベンゼン-1,3-ジオール;
8: 4-フルオロ-6-(1-フェニルメタンスルホニルピペリジン-4-イル)ベンゼン-1,3-ジオール;
9: 4-フルオロ-6-[1-(2-フェニルエタンスルホニル)-ピペリジン-4-イル]ベンゼン-1,3-ジオール;
10: 4-(1-シクロヘキシルメタンスルホニルピペリジン-4-イル)-6-フルオロベンゼン-1,3-ジオール;
11: 4-[1-(ブタン-1-スルホニル)ピペリジン-4-イル]-6-フルオロベンゼン-1,3-ジオール;
12: 4-[1-(トルエン-4-スルホニル)ピロリジン-3-イル]-ベンゼン-1,3-ジオール;
13: 4-(1-フェニルメタンスルホニルピロリジン-3-イル)-ベンゼン-1,3-ジオール;
14: 4-[1-(2-フェニルエタンスルホニル)ピロリジン-3-イル]ベンゼン-1,3-ジオール;
15: 4-フルオロ-6-[1-(2-フェニルエタンスルホニル)-ピロリジン-3-イル]ベンゼン-1,3-ジオール;
16: 4-(1-シクロヘキシルメタンスルホニルピロリジン-3-イル)ベンゼン-1,3-ジオール;
17: 4-[1-(ブタン-1-スルホニル)ピロリジン-3-イル]-ベンゼン-1,3-ジオール
により構成される群から選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の少なくとも一つの化合物の、薬剤としての使用。
【請求項7】
前記化合物がチロシナーゼ阻害活性を有することを特徴とする、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
色素性障害の治療および/または予防のための、請求項6または7に記載の使用。
【請求項9】
色素性障害が、肝斑、褐色斑、黒子、老人性黒子、光老化に関係する不規則色素沈着過剰、そばかす、または擦過傷、火傷、傷、皮膚疾患もしくは接触性アレルギーに起因する炎症後色素沈着過剰、母斑、遺伝的に決定された色素沈着過剰、または代謝性もしくは薬剤由来の色素沈着過剰、メラノーマ、または他の色素沈着過剰病変から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2013−513573(P2013−513573A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542541(P2012−542541)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069195
【国際公開番号】WO2011/070080
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(599045604)ガルデルマ・リサーチ・アンド・デヴェロップメント (117)
【Fターム(参考)】