説明

チーズと味噌と醤油による「無比ソース」の製法

【課題】発明の課題
牛乳のタンパク質の醗酵食品であるチーズと大豆タンパク質の醗酵食品である味噌と醤油並びに和風出汁の混合により、グルタミン酸、イノシン酸及グアニル酸による三種のうま味の相乗効果が起きて出来上がる新しいうま味のソースを作る事が課題である。
【解決手段】発明の解決手段
チーズと味噌と醤油と和風出汁を混合して塩分を4%に押さえ、和洋中華等色々な食の調味料にあう様に作る事。 その為には、味噌、醤油、チーズ並に和風出汁を重量比率で1:2:3:6の割合で使用する。
これらをミキサーで十分混和すればよい。製品が腐敗しないように、上記の加工が終ったら殺菌のため全体を摂氏80度以上に加熱することが必要である。
チーズの塩分は3%、味噌の塩分は10%、醤油の塩分は15%、出汁の塩分は殆どゼロである。
結果的にはこのソースの塩分は約4%になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、あらゆる料理に添加してうま味を高めるソースの製法である。
代表的な使用対象はしゃぶしゃぶのタレである。他に比べる対象が無い美味なソースなので「無比ソース」と言う意味である。基本的には醗酵した乳製品であるチーズと醗酵した大豆蛋白質の加工食品である味噌と醤油を混ぜ合わせ、和風出汁で延ばし塩分を4パーセント程度にしたものである。味噌の塩分は10%、醤油の塩分は15%、国産のチーズの塩分は3%程度である。
【0002】
東西の長い食文化の歴史の中で、日本の味噌と醤油が欧米のチーズと混ぜ合わされて調味料になった事はなかった。故に、その美味なる食感には注目されなかった。しかし、東西の美味なる調味料が合わされると、その美味の効果は数倍となるものであり、その分量の確定は難しいが、基本的には味噌、醤油、チーズ並びに和風出汁の分量は重量比1:2:3:6にする。出汁は昆布や鰹節や乾し椎茸で作った和風出汁がよい。
【0003】
前述の和風出汁には、昆布のグルタミン酸、鰹節のイノシン酸、乾し椎茸のグアニル酸が抽出されており、このうまみ成分は相互に作用し、うまみの相乗効果が発生する。これら三種類の蛋白質がうま味の三要素と言われている物で本発明はこのうまみ成分の相乗効果を活用するものである。
日本料理のうま味は、これらの蛋白質によるうま味成分を混合することで生ずるうま味の相乗効果によるものである。
【0004】
またチーズに含まれるグルタミン酸の量は昆布に含まれるグルタミン酸と重量比で同程度であり、これ等と味噌、醤油のグルタミン酸と和風出汁のグルタミン酸、イノシン酸及びグアニル酸のうま味が合わさった時に、うま味の相乗効果は極めて大きい。
【0005】
好みに応じて、タレにニンニク風味をいれても良いし、食するときに刻み葱と共に薬味の様に使って食してもよい。好みによってはパセリやセロリーや洋風の香味野菜の刻みを入れても良い。対象の消費者により適宜選択すれば良い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しゃぶしゃぶは日本人には非常に好まれているが、これは欧米人には必ずしも好評ではない。理由はタレであり、醤油が主体で、大根おろしとか、ゴマタレのような日本人好みの香辛料がはいると、欧米人には向かない場合が出てくる。解決しようとしている課題は、我々日本人と味覚の違う欧米人にも、しゃぶしゃぶが好まれるいようなタレをつくる事であり、そのタレは日本人が好む欧米風料理に添加すると日本人好みの料理に変化するのである。
それにより、新しい食感を求めるグルメの人たちがより高く評価してくれる新種のタレを作ることで、食品事業の拡大を図ろうと言うのが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
欧米の歴史的食材と日本の歴史的食材を合わせて、欧米人にも日本人にも違和感の無い、美味なタレをつくる事である。そのために、チーズと味噌、醤油を混ぜ、更に和風出汁をいれてソースをつくるのだが、チーズは国産のプロセスチーズが有効である事が判明した。味噌、醤油は特に拘らなくとも差し支えない。
【0008】
食文化の歴史の違う日本人と欧米人では、このタレも好みに微妙な差がある。
日本人対象の場合は和風出汁を多めに、欧米人が対象の場合は洋風出汁を多めにしたほうが良い。和風出汁とは昆布や鰹節や乾し椎茸で取った出汁である。チーズと昆布から抽出されるグルタミン酸と鰹節から抽出されるイノシン酸、並びに干椎茸から抽出されるグアニル酸が混合されると、うま味の相乗効果が起こり、極めてうま味の高い汁が出来上がる。
【発明の効果】
【0009】
日本における料理「しゃぶしゃぶ」のタレの多くが、ゴマタレに、大根卸とか刻み葱、生姜等が多く、時には欧米人の趣向とあわない場合がかなりある。この発明によるタレはプロセスチーズ、味噌、醤油を併せ和風出汁でのばして作った新しいタレであり、欧米人にも違和感が無い。牛乳のタンパク質の醗酵したチーズからも大豆蛋白の醗酵した味噌および醤油からも、グルタミン酸が発生し、この味が混和してうま味の相乗効果が起こり、より美味な味を作り出す性質があり、それが新しい味を作り出す為の大きな効果を作り出す。この新しいタイプのソースは「シャブシャブ」だけでなく、色々な和洋各種の料理のソースとして非常に有効である。
【発明の実施するための形態】
【0010】
基本は味噌と醤油、プロセスチーズを重量比で1:2:3を取り出し、これを大きな器に入れて、和風出汁を重量比で6を混和すればよい。
材料を全部混ぜ合わせ、ミキサーで完全に混和することが必要。
水分としては、鰹節や昆布出汁や干し椎茸から作る和風出汁が良い。
これを混ぜ合わせ塩分を4%程度に抑えておく事が肝要である。
塩分を4%にするためには味噌、醤油、チーズと出汁をそれぞれ重量比1:2:3:6 として、一つの容器にいれてよく混和すればよい。
出来た製品を、長期保存させるためには、加工終了後、全体を摂氏80度以上で加熱殺菌しておく事が肝要である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
このソースは日本料理のしゃぶしゃぶを食する時に使うタレとして非常に有効である。乳製品の醗酵食品であるチーズと大豆の醗酵食品である味噌と醤油と和風出汁を混合してつくる。
【請求項2】
調味料の一種としてのソースであるが、欧米の伝統的食材であるチーズと日本の伝統的な食材である味噌と醤油を使用する物であり、異質の蛋白質の醗酵食品と各種和風出汁の混合でうまみの相乗効果で新しい味が出てくる。
つまり、味噌、醤油、チーズ、並びに昆布、鰹節、乾し椎茸などの和風出汁を基本とする調味料である。チーズとしては国産のプロセスチーズを基本とする。
【請求項3】
我々日本人の調味料としては味噌、醤油、味醂、塩並びに一般的な和風出汁が主流であるが、伝統ある欧米の食文化には日本料理の調味料との接点は少ない。今回の発明はチーズのグルタミン酸と我々の調味料を合わせた時、うま味の相乗効果が起こり、新しい味の調味料が出来上がる事が発明の要点。
このチーズと味噌と醤油と和風出汁を合わせた調味料は、全く新しい味を作り出すものである。この新しい調味料は、獣肉、鳥肉、魚介類、各種野菜を対照とした「しゃぶしゃぶ」のように高温の出汁の中で加熱処理した食材でも、加熱しない生食でも、殆どあらゆる食材を食する時に調味料として使用すると大変美となる。和洋中華料理の全般に対し、その応用範囲は極めて大きい。
野菜サラダにかけても、スパケッティーにかけても、湯豆腐にかけて刻み葱や鰹節と共に食してもよい。つまり新しい調味料として和洋中華いずれの新しい料理でも美味にする事ができる調味料である。

【公開番号】特開2011−172550(P2011−172550A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−56656(P2010−56656)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(591092338)
【Fターム(参考)】