説明

テトラフルオロエチレンコポリマー

【課題】テトラフルオロエチレンコポリマーを製造するための重合方法、及び当該方法で製造されたコポリマーが提供される。
【解決手段】コポリマーは分散/微粉末型であり、重合したテトラフルオロエチレンモノマー単位と、式:(Cn(2n+1))CH=CH2(式中、6≦n<10)の共重合した高級同族体コモノマー単位とを含有し、一次粒子はコア−シェル構造を有していると考えられ、重合したコモノマー単位はコポリマー組成全体に対して0.01モル%〜0.3モル%の量で存在する。コポリマーの原分散一次粒径(RDPS)は0.210μm未満であってかつコポリマーの標準比重(SSG)は2.143未満である。コポリマーが0.05モル%〜0.25モル%の量で存在するコモノマー単位を有すること、そして、RDPSが0.178μm〜0.200μmの範囲内であってかつSSGが2.140未満であることが好ましい。本発明に従って製造されるコポリマー、(パーフルオロヘキシル)エチレン(PFHE)及び(パーフルオロオクチル)エチレン(PFOE)は直径0.1インチの延伸ビードの形状に成形でき、その延伸ビードの破断強度は少なくとも10.0ポンドとすることが可能で、13.0ポンドを超える場合もある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性分散重合によって製造された、(パーフルオロヘキシル)エチレン及びさらに高級同族体と共重合した、テトラフルオロエチレンコポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの先行特許には、テトラフルオロエチレンの分散重合技術及びそれらの変形が開示されている。テトラフルオロエチレンの分散重合によって、現在「微粉末」樹脂として知られるようになったものが製造される。そのような方法では、適当な重合開始剤の存在下でテトラフルオロエチレンを添加し撹拌した際に、自然に発生するテトラフルオロエチレン圧力が10〜40kg/cm2にて、コロイド状に分散したポリマー粒子が目的量に達してその後反応が停止するまで重合が進行するように、十分な分散剤を水キャリア中に導入する。例えば、米国特許第4016345号(Holmes、1977)を参照。
【0003】
また、テトラフルオロエチレン粉末は、代替方法である懸濁重合によっても製造されており、そこでは、テトラフルオロエチレンモノマーが激しく撹拌された水性懸濁液中で重合し、水性懸濁液中に分散剤をほとんど又は全く使用しなくてよい。懸濁重合において製造される粉末の種類は、「粒状」樹脂又は「粒状粉末」と呼ばれる。例えば、米国特許第3655611号(Mueller、1972)を参照。
【0004】
両方の種類の重合方法について、テトラフルオロエチレンと様々なフッ素化アルキルエチレンコモノマーとの共重合が記載されている。例えば、米国特許第4792594号(Gangalら、1988)を参照。本発明は、重合反応の生成物が水性コロイド分散液中に分散された本発明のコポリマーである、水性分散重合技術に関する。この方法は、概して、テトラフルオロエチレンモノマーを、水及びある種の重合開始剤、並びに凝塊形成を抑制するためのパラフィンワックス、そして乳化剤の入ったオートクレーブ内で加圧するものである。反応混合物を撹拌して、重合を適当な温度及び圧力で行う。重合によってポリマーの水性分散液が形成される。分散したポリマー粒子を、本技術分野で知られた手法により凝固させて、微粉末形状のポリマーを生成できる。パーフルオロ化アルキルエチレンコモノマーを重合に導入した場合、TFEは、TFEよりもそのコモノマーと優先的に反応すること、そして、コモノマーの添加速度が、コポリマーで達成されるコモノマー分布に重要であることが知られている。このコモノマーを単独の予備充填物として添加すると、コモノマーは大半がポリマー粒子のコア又は内部で重合した状態で見出される。コモノマーをいくつかの又は全ての重合工程を通じて注入してもよく、その注入シーケンスはシェル構造を決定する。
【0005】
様々な先行特許が、テトラフルオロエチレンのホモ重合及び他のモノマーとテトラフルオロエチレンとの共重合のための手法における変形を開示している。そのようなものとして、米国特許第4576869号(Malhotra、1986)及び米国特許第6177533B1号(Jones、2001)が挙げられる。これらの参照文献には、テトラフルオロエチレンホモポリマー及びコポリマーに関連したいくつかの特徴的かつ描写的な特性を決定するために、大体受け入れられている手順となっている、いくつかの手順が含まれる。それらの特性とは以下である。
(a)標準比重(SSG)(ASTM D−1457−90に従い、標準成型試験試料の水置換によって測定する。)
(b)原分散粒径(Raw Dispersion Particle Size)(RDPS)(分光測定又は他の適当な手法によって決定する。例えば、米国特許第4016345号及び第4363900号を参照。本願における測定は、Brookhaven 90 plus装置を用いてレーザー光散乱によって得た。)
(c)樹脂表面積(乾燥凝固した樹脂の表面積はRDPSと反比例する。本願における測定は、BET法及び吸収ガスとして窒素を用い、Coulter model SA3100表面積分析装置を用いて得た。)
【0006】
引用した先行特許において、そしてほぼ普遍的に、ホモポリマー試料のSSGは、その分子量を決定することになり、その関係は逆、すなわち高い分子量(MW)は低いSSGに対応し、そして一般にSSGが低いほど分子量が高い。また、コモノマーを重合工程に添加するとSSGが低下する場合があり、コモノマーで修飾した樹脂については、SSGを使用して、所与の一定のコモノマー量での分子量変化を推測することができる。
【0007】
テトラフルオロエチレン微粉末ポリマーについては、一般に、そのRDPSは約0.175μm及びそれ未満から約0.325μmまでの範囲である。これらの微粉末樹脂はペースト押出加工及び引き延ばし(延伸)加工に有用であることが知られており、それらの加工では、押出補助潤滑剤を除去した後に、ペースト押出された押出物を急速に引き延ばして、横断面形状が様々の、多孔質の丈夫な製品、例えばロッド、フィラメント、シート、チューブなどが製造される。そのような引き延ばし加工は、本発明と同一出願人に譲渡された、米国特許第3953566号(Gore、1976)に開示されている。この加工によって製造された製品は、周知の商品名であるGORE−TEX(登録商標)で市販されている。
【0008】
テトラフルオロエチレン及び(パーフルオロブチル)エチレンのコポリマーは、こちらも本発明と同一出願人に譲渡された、米国特許第6541589B1号に開示されている。そこでは、高分子量かつ小粒径のPFBEコポリマーを含む、共重合方法及び当該方法により製造された製品が開示されており、そこでは、重合は過マンガン酸塩の添加によって開始し、反応はZnCl2などのイオン強度強化剤(ionic strength enhancer)の不存在下で行われる。
【0009】
さらに他にも、TFEとPFBE及び高級同族体との共重合が以前から研究されており、当該共重合によって製造されたポリマーについて報告されている。例えば、Kamiya(日本国特許出願平10−243976号、1998年8月28日出願)は、(パーフルオロエチル)エチレン(PFEE)、(パーフルオロブチル)エチレン(PFBE)及び(パーフルオロオクチル)エチレンとのテトラフルオロエチレン微粉末コポリマーを開示しており、そこで言及されている目的には、引き延ばしによって均一で高強度の多孔質物品を製造することが含まれる。他に、その特許出願人は、これらのコモノマーの中でも(パーフルオロブチル)エチレン(PFBE)が好適であったと結論づけていた。
【0010】
'589特許に開示されて特許請求の範囲とされた発見以前は、分散型のテトラフルオロエチレンホモポリマー及びコポリマーについて、高分子量(MW)(低SSG)かつ小粒径(RDPS)といった望ましい特性を両方とも組み合わせた樹脂を実現するのは困難であることが一般に受け入れられていた。同じ結論を別の同等の言い方で表現すると、小さい原分散粒径(RDPS)及び低い標準比重(SSG)を有する分散樹脂を実現するのは困難であるか不可能であることが一般に受け入れられていた。そして、見た目はSSG値のわずかな変化、すなわち2.160から2.157であっても、ポリマー特性に顕著な変化をもたらすことが報告されている。例えば、Jonesの米国特許第6177533号を参照すると、そこでは、SSG値が0.003単位ごとに変化する別個の実施態様を、特許出願人は特に特許請求の範囲としている。その上、それ自身はTFE及びPFBEのコポリマーを対象とする'589特許は、しばしば必要とされる小粒径及び高分子量の組み合わせ、すなわち粒径0.203μm未満及びSSG2.143未満を達成するのに際して、ブレークスルーを提供した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、テトラフルオロエチレンと(パーフルオロヘキシル)エチレン及び高級同族体コモノマーとの分散型コポリマーを提供し、当該コポリマーは、これまで達成されなかった、低SSG(高MW)かつ小さい基本樹脂粒径(RDPS)の両方の組み合わせを有する。加えて、本発明の新しいコポリマーは、非常に高い、これまで達成されなかった引張強度特性を有する延伸された製品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
テトラフルオロエチレンコポリマーを製造するための重合方法、及び当該方法で製造されたコポリマーが提供される。コポリマーは分散/微粉末型であり、重合したテトラフルオロエチレンモノマー単位と、式:(Cn(2n+1))CH=CH2(式中、6≦n<10)の共重合した高級同族体コモノマー単位とを含有し、一次粒子はコア−シェル構造を有していると考えられ、重合したコモノマー単位はコポリマー組成全体に対して0.01モル%〜0.3モル%の量で存在する。コポリマーの原分散一次粒径(RDPS)は0.210μm未満であってかつコポリマーの標準比重(SSG)は2.143未満である。コポリマーが0.05モル%〜0.25モル%の量で存在するコモノマー単位を有すること、そして、RDPSが0.178μm〜0.200μmの範囲内であってかつSSGが2.140未満であることが好ましい。重合した状態で、コポリマーは水性分散液中に分散され、凝固及び乾燥すると微粉末形状に変換できる。
【0013】
本発明に従って製造される好適なコポリマーは(パーフルオロヘキシル)エチレン(PFHE)及び(パーフルオロオクチル)エチレン(PFOE)であり、そのコモノマー単位は0.05モル%〜0.25モル%の量で存在し、RDPSは0.200μm未満であってかつSSGは2.140未満である。本発明のコポリマーは、直径0.1インチの延伸ビード(beading)の形状に成形でき、その延伸ビードの破断強度は少なくとも10.0ポンドであり、その破断強度が13.0ポンドを超える場合もある。
【0014】
本発明のコポリマーを直径0.1インチの延伸ビードに成形した場合は、全ての(本明細書で定義する)強度発生比(SGR)が2.0×10-2cm2を超え、SGRが少なくとも3.0のコポリマーも今や可能である。結晶融点を超えて加熱されたことのない、延伸された多孔質の成形品の形状である本発明のコポリマーについては、その成形品は少なくとも1方向について約35.0kpsiを超えるマトリクス引張強度を有することが可能であり、少なくとも1方向について約45.0kpsiを超えるマトリクス引張強度を有する、延伸された多孔質の成形品を製造することが可能である。
【0015】
最も好ましいのは、重合したテトラフルオロエチレンモノマー単位と、式:(Cn(2n+1))CH=CH2(式中、n=8)の共重合したコモノマー単位とを含有する微粉末型のテトラフルオロエチレンコポリマーであって、
(a)共重合したコモノマー単位は、コポリマー組成全体に対して0.05モル%〜0.25モル%の量で存在し、
(b)コポリマーの原分散一次粒径(RDPS)は0.200μm未満であって、標準比重(SSG)は2.140未満であり、
(c)直径0.1インチの延伸ビードの形状に成形されたコポリマーの破断強度は13.0ポンドを超え、
(d)コポリマーの強度発生比(SGR)は2.0×10-2cm2を超え、そして
(e)延伸された多孔質の成形品の形状において、その成形品のマトリクス引張強度は少なくとも1方向について約40kpsiを超える。
【0016】
本発明の方法は、共重合反応が過マンガン酸カリウム開始剤によって触媒され、全体の反応が、塩化亜鉛などの多価イオン強度強化剤の不存在下で行われる点に特徴がある。開始剤の添加は反応完了の十分前に停止し、反応全体の中間点かそれ以前であることが好ましい。また、コモノマーは共重合反応器内に予備充填物として添加することが好ましいが、重合反応工程の一部を通じて徐々に増加しながら断続的に添加してもよい。
【発明を実施するための形態】
【0017】
テトラフルオロエチレンコポリマーを製造するための重合方法、及び当該方法によって製造されたコポリマーが提供される。コポリマーは分散/微粉末型であり、重合したテトラフルオロエチレンモノマー単位と、式:(Cn(2n+1))CH=CH2(式中、6≦n<10)の共重合した高級同族体コモノマー単位とを含有し、一次粒子はコア−シェル構造を有していると考えられ、重合したコモノマー単位はコポリマー組成全体に対して0.01モル%〜0.3モル%の量で存在する。コポリマーの原分散一次粒径(RDPS)は0.210μm未満であってかつコポリマーの標準比重(SSG)は2.143未満である。コポリマーが0.05モル%〜0.25モル%の量で存在するコモノマー単位を有すること、そして、RDPSが0.178μm〜0.200μmの範囲内であってかつSSGが2.140未満であることが好ましい。本発明に従って製造されるコポリマーである、(パーフルオロヘキシル)エチレン(PFHE)及び(パーフルオロオクチル)エチレン(PFOE)は、直径0.1インチの延伸ビードの形状に成形でき、その延伸ビードの破断強度を少なくとも10.0ポンドとすることが可能であり、13.0ポンドを超える場合もある。
【0018】
本発明のコポリマーは、これまで達成されていない組み合わせの特性を提供する。これらの特定のポリマーについては、その基本粒径は非常に小さく、そしてこのことが同時に高分子量であることと結び付いている。これらのポリマーは分散重合法によって製造され、当該方法を以下詳細に、そして後の実施例で説明する。テトラフルオロエチレンモノマーの分散重合の基本原理については実施例及び図面から理解でき、特に、本願で開示する特定の工程段階が重要である。詳細には、これらの工程は以下を含む。
【0019】
重合開始:本発明のコポリマーは、過マンガン酸塩開始剤、好ましくは過マンガン酸カリウム(KMnO4)によって多価イオン強度強化剤の不存在下で共重合反応を触媒し、反応が完了に向かって30%〜80%進行した時点で開始剤の添加を完全に停止して、反応をゆっくりにして完了へと至らせる重合方法によって製造される。開始剤の添加は、反応完了まで約1/3の時点、すなわち完了まで30〜45%の時点で停止するのが好ましい。
【0020】
パーフルオロブチルエチレンコモノマーは、その反応において予備充填物として添加するのが好ましいが、代わりに、反応の一部のみを通じて徐々に増加しながら添加することも可能である。
【0021】
分散剤の使用:実質的に非テロゲン性(non-telogenic)の分散剤が使用される。パーフルオロオクタン酸アンモニウム(APFO、又は「C−8」)が、許容可能な分散剤である。プログラムされた添加(予備充填及びポンピング)が知られており好ましい。予備充填物を減少すると、一次粒径を増大することが可能である。
【0022】
重合制御:イオン強度が一次粒径の制御及び分散液の安定性に影響することが知られている。分散液を凝固させずに重合を完了可能にするのに十分安定な分散液とし、かつ重合容器から凝固器への移し替えを乗り切るのに十分安定な分散液とするために注意しなければならない。一次粒径の増大効果を意図して、無機塩を重合反応器内に予備充填することが行われている。一般に、多価イオンがイオン強度を増大するのにより効果的である。一次粒径を制御(増大)することを意図して、APFOを減少させつつ塩化亜鉛が使用されている。しかしながら、本発明の重合反応では、塩化亜鉛のような多価イオン強度強化剤は反応から省かれる。
【0023】
本願に記載するように、重合において所望の特性を達成するためには、成分の純度に特別の注意を払わなければならないことが知られている。鎖移動又は停止を引き起こしうる溶解性有機不純物に加えて、イオン強度を増加しうるイオン性不純物を最小限にしなければならない。全てのそのような重合反応では、超高純度水及び超高純度モノマーを使用するのが重要であることは明らかである。
【0024】
追加の試験手順:特定の樹脂から製造される、押し出して延伸した(引き伸ばした)ビードに関連する破断強度は、延伸に対する樹脂の一般的な適合性に直接関係し、様々な方法が破断強度を測定するために使用されている。本発明のコポリマーから作られた延伸ビードを製造して試験するために、次の手順を使用した。
【0025】
所与の樹脂について、微粉末の樹脂 113.4gをIsopar(登録商標) K 32.5mLと一緒にブレンドする。そのブレンドを恒温環境室内、22℃で約2時間エージングする。約20秒間、約270psigの予備成形圧力を与えて、直径1インチの円筒状予備成形物を作る。ひび割れがないことを確認するために予備成形品を検査する。30度の注入口角度(挟角)を有する直径0.100インチのダイを通して予備成形し潤滑した樹脂を押し出すことにより、押出ビードを製造する。押出バレルは直径1インチであり、ラムの移動速度は20インチ/分である。押出バレル及びダイは、23℃±1.5℃に維持された室温にある。Isopar Kを230℃で約25分間乾燥することによって、ビードからIsopar Kを除去する。末端の影響を除くために押出ビードの最初と最後のおよそ8フィートを廃棄する。引き延ばし初期速度100%/秒(2インチ/秒の一定速度)で最終長さ50インチ(延伸比25:1)まで、290℃で引き伸ばすことによって、押出ビードの2.0インチの部分を延伸する。延伸ビードの中央付近から約1フィート分の長さを取り除く。定義により、破断強度とは、初期サンプル長2インチ及びクロスヘッド速度12インチ/分でInstron(登録商標)引張試験機を用いて室温(23℃±1.5℃)で測定した場合に、引張試験中に測定された最も大きい荷重である。2回測定してその2つのサンプルについて平均値を報告する。この手順は、米国特許第6177533B1号に記載の手順と同様である。ここでは延伸を300℃の代わりに290℃で行う。
【0026】
定義パラメータ:様々な等級の樹脂の強度特性を、未延伸押出物から延伸ビードへの、ポリマーマトリクス強度の相対増加量を測定することによって比較でき、この増加量は延伸加工から生じる。この強度増加量の尺度の1つが、強度発生比(「SGR」)であり、本願では、上述の直径0.100インチのビードに関する延伸ビードの破断強度と、適当な単位、例えばcm2×10-2で表した押出圧力との比として定義する。押出温度、工具寸法、潤滑剤量などがこの試験について特定されることを条件として、一般に押出ビードの破断強度は押出圧力の増加に伴って直線的に増加する。従って、押出圧力は、押出物の強度と直接関係する正確な尺度となりうる。同様に、マトリクス引張強度(MTS)は一般にビードの破断荷重に比例して増加する。延伸ビードの破断荷重は、計算したマトリクス引張強度と比較した、ポリマー「強度」のより正確な指標となる。多孔質PTFEサンプルのマトリクス引張強度は、破断強度に、固体ポリマーの比重と多孔質の延伸ビードの比重との比を乗ずることによって決定される(ここでは、非多孔質PTFEの比重を2.2とする)。SGRは、延伸加工の結果として増加した、ポリマーの強度の相対増加量の指標となる。以下の実施例では、本発明の特許請求の範囲に記載した樹脂についてSGR及びMTSの両方を報告する。
【0027】
モル分率から質量分率への変換:上述した先行特許である米国特許第6541589号では、重合したコモノマー単位の分率を質量分率として表している。本願で示すモル分率と容易に比較するために、モル分率から質量分率への変換式を以下とする。
【数1】

式中、wm=改質剤の質量分率(質量分率を100倍して質量%に変換する)
m=改質剤のモル分率(モル分率を100倍してモル%に変換する)
m=改質剤の分子量
TFE=TFEの分子量=100.0g/モル
【0028】
質量分率からモル分率を計算するには以下とする。
【数2】

【0029】
本願で対象とする改質剤については、以下の表に示す値を使用するものとする。
【0030】
【表1】

【0031】
例えば、0.5質量%のPFBEをPFBEのモル%に変換するには、以下の計算:
【数3】

によって示されるように、PFBEのモル組成は0.2モル%となる。
【0032】
以下の例は、本発明の原理を詳述することを意図したものであって、いかなる点においても添付した特許請求の範囲を限定するものと見なしてはならない。これらの全ての例でイオン強度強化剤を添加しなかった。詳細には、本願に記載する実施例のいずれにおいてもZnCl2を添加しなかった。
【実施例】
【0033】
例1:3枚ブレードの撹拌機を備えた50Lの水平式重合反応器に、パラフィンワックス 1.5kg、脱イオン(DI)水 28kg、パーフルオロオクタン酸アンモニウム(APFO)20%溶液 90g、及び脱イオン水 約50gに溶解したコハク酸 5gを添加した。反応器及び内容物をワックスの融点より高温に加熱した。酸素量が20ppm以下に減少するまで、反応器の真空引き及びTFEを用いた(約1気圧以下への)加圧を繰り返した。真空引き及びパージのサイクルの間内容物を手短に撹拌して、確実に水を脱酸素化した。真空下で真空引きした反応器に予備充填コモノマーとしてPFHE 15.47gを添加して、反応器を83℃に加熱した。反応器の内容物をその後連続的に60rpmで撹拌した。次に、圧力が2.9MPa(絶対圧力)に到達するまで、TFEを反応器に添加した。TFEの流量を制御することにより反応器内部の圧力を一定に維持しながら、TFE 約4.0kgが添加されるまで、KMnO4のDI水溶液(0.063g/L)を80mL/分で注入した。APFO20%溶液 約320mLを増分40mLで添加し、このとき、TFE 約1kgを反応器に添加した後に第1の増分を添加し、TFEを引き続き1kg添加した後ごとにその後の増分を添加し、その結果、TFE 約9kgが充填された後に最後の増分を添加した。TFEの量が4kgの時点でKMnO4の添加速度を40mL/分に減少し、TFE 約6kgが添加されるまでこの速度で継続し、この時点でKMnO4の添加を停止した。合計1835gのKMnO4溶液を27分間にわたって反応器に添加した。その後、重合反応を継続し、TFE 約16kgを反応器に添加した後に反応を停止した。TFEの37.5%が反応した後は、KMnO4を添加しなかった。合計反応時間は167分であった。
【0034】
生成した分散液の質量は47.0kgで、分散液は固形分を35.2質量%含有していた。ポリマー粒子の原分散粒径(RDPS)は204nmであった。
【0035】
分散液の一部をDI水で希釈し、硝酸を用いて凝固して、180℃で乾燥した。
【0036】
得られた樹脂の特性を表Iにまとめる。
【0037】
例2:PFHE 46.47gを予備充填物として反応器に添加したことを除き、例1の手順を繰り返した。TFE 5kgが充填されるまで、KMnO4溶液(0.1g/L)が約80mL/分の速度で注入されるような増分でKMnO4を添加した。反応したTFEの合計量が6kgに到達するまでKMnO4の添加速度を40mL/分に減少し、到達時点でKMnO4の添加を停止した。合計2635gのKMnO4溶液を36分間にわたって反応器に添加した。重合を継続し、TFE 約16kgを反応器に添加した後、反応を停止した。合計反応時間は124分であった。
【0038】
生成した分散液の質量は48.3kgで、分散液は固形分を35.2質量%含有していた。ポリマー粒子の原分散粒径(RDPS)は180nmであった。
【0039】
得られた樹脂の特性を表Iにまとめる。
【0040】
例3:PFHE 92.82gを予備充填物として反応器に添加したことを除き、例1の手順を繰り返した。反応したTFEの合計量が6kgに到達するまで、KMnO4溶液(0.1g/L)を連続的に反応器に一定速度で注入し、到達時点でKMnO4の添加を停止した。合計5980gのKMnO4溶液を87分間にわたって反応器に添加した。重合を継続し、PTFE 約16kgを反応器に添加した後、反応を停止した。合計反応時間は196分であった。
【0041】
生成した分散液の質量は52.0kgで、分散液は固形分を34.5質量%含有していた。ポリマー粒子の原分散粒径(RDPS)は167nmであった。
【0042】
得られた樹脂の特性を表Iにまとめる。
【0043】
例4:(パーフルオロオクチル)エチレン(PFOE)19.94gを予備充填物として反応器に添加したことを除き、例1の手順を繰り返した。TFE 3kgが充填されるまで、KMnO4溶液が80mL/分の速度で注入されるような増分でKMnO4を添加した。反応したTFEの合計量が6kgに到達するまでKMnO4の添加速度を40mL/分に減少し、到達時点でKMnO4の添加を停止した。合計2535gのKMnO4溶液を37分間にわたって反応器に添加した。重合を継続し、TFE 約16kgを反応器に添加した後、反応を停止した。合計反応時間は197分であった。
【0044】
生成した分散液の質量は48.2kgで、分散液は固形分を35.5質量%含有していた。ポリマー粒子の原分散粒径(RDPS)は209nmであった。
【0045】
得られた樹脂の特性を表Iにまとめる。
【0046】
例5:PFOE 59.82gを予備充填物として反応器に添加したことを除き、例1の手順を繰り返した。反応したTFEの合計量が6kgに到達するまで、KMnO4溶液を連続的に反応器に一定速度で注入し、到達時点でKMnO4の添加を停止した。合計2555gのKMnO4溶液を34分間にわたって反応器に添加した。重合を継続し、TFE 約16kgを反応器に添加した後、反応を停止した。合計反応時間は205分であった。
【0047】
生成した分散液の質量は47.3kgで、分散液は固形分を35.2質量%含有していた。ポリマー粒子の原分散粒径(RDPS)は181nmであった。
【0048】
得られた樹脂の特性を表Iにまとめる。
【0049】
例6:PFOE 119.64gを予備充填物として反応器に添加したことを除き、例1の手順を繰り返した。反応したTFEの合計量が6kgに到達するまで、KMnO4溶液(0.15g/L)を連続的に反応器に一定速度で注入し、到達時点でKMnO4の添加を停止した。合計3025gのKMnO4溶液を40分間にわたって反応器に添加した。重合を継続し、TFE 約16kgを反応器に添加した後、反応を停止した。合計反応時間は226分であった。
【0050】
生成した分散液の質量は48.3kgで、分散液は固形分を34.9質量%含有していた。ポリマー粒子の原分散粒径(RDPS)は180nmであった。
【0051】
得られた樹脂の特性を表Iにまとめる。
【0052】
比較例A:PFBE 44.00gを予備充填物として反応器に添加したことを除き、例1の手順を繰り返した。TFE 2kgが充填されるまで、KMnO4溶液が80mL/分の速度で注入されるような増分でKMnO4を添加した。反応したTFEの合計量が6kgに到達するまでKMnO4の添加速度を40mL/分に減少し、到達時点でKMnO4の添加を停止した。合計4220gのKMnO4溶液を61分間にわたって反応器に添加した。重合を継続し、TFE 約16kgを反応器に添加した後、反応を停止した。合計反応時間は113分であった。
【0053】
生成した分散液の質量は47.5kgで、分散液は固形分を34.8質量%含有していた。ポリマー粒子の原分散粒径(RDPS)は174nmであった。
【0054】
得られた樹脂の特性を表Iにまとめる。
【0055】
比較例B:PFBE 55.00gを予備充填物として反応器に添加したことを除き、例1の手順を繰り返した。TFE 3kgが充填されるまで、KMnO4溶液が80mL/分の速度で注入されるような増分でKMnO4を添加した。反応したTFEの合計量が5kgに到達するまでKMnO4の添加速度を40mL/分に減少した。反応したTFEの合計量が6kgに到達するまでKMnO4の添加速度を10mL/分に減少し、到達時点でKMnO4の添加を停止した。合計4260gのKMnO4溶液を70分間にわたって反応器に添加した。重合を継続し、TFE 約16kgを反応器に添加した後、反応を停止した。合計反応時間は112分であった。
【0056】
生成した分散液の質量は48.2kgで、分散液は固形分を34.4質量%含有していた。ポリマー粒子の原分散粒径(RDPS)は173nmであった。
【0057】
得られた樹脂の特性を表Iにまとめる。
【0058】
例7:この例では、コポリマーの製造量をおよそ一桁(10倍)スケールアップした。従って、580Lの水平式重合反応器に、パラフィンワックス 18kg、脱イオン(DI)水 350kg、パーフルオロオクタン酸アンモニウム(APFO)20%溶液 1.25L、及びコハク酸 60gを添加した。反応器及び内容物をワックスの融点より高温に加熱した。酸素量が20ppm以下に減少するまで、反応器の真空引き及びTFEを用いた(約1気圧以下への)加圧を繰り返した。真空引き及びパージのサイクルの間内容物を手短に撹拌して、確実に水を脱酸素化した。真空下で真空引きした反応器に予備充填コモノマーとしてPFOE 673gを添加して、反応器を83℃に加熱した。反応器の内容物をその後連続的に27rpmで撹拌した。次に、圧力が2.9MPa(絶対圧力)に到達するまで、TFEを反応器に添加した。TFEの流量を制御することにより反応器内部の圧力を一定に維持しながら、KMnO4のDI水溶液(0.30g/L)を150mL/分で注入した。反応の進行に伴い、TFEの反応速度を約1.2kg/分と一定に維持するために、KMnO4溶液の流量を減少させた。TFE 60kgが反応した時点で、KMnO4溶液の流量を停止した。合計5.98kgのKMnO4溶液を104分間にわたって反応器に添加した。APFO20%溶液 1.8kgを増分0.6kgで添加し、このとき、TFE 約24kgを反応器に添加した後に第1の増分を添加し、TFEを引き続き12kg添加した後ごとにその後の増分を添加し、その結果、TFE 約48kgが充填された後に最後の増分を添加した。その後、重合反応を継続し、TFE 約180kgを反応器に添加した後に反応を停止した。TFEの33.3%が反応した後は、KMnO4を添加しなかった。合計反応時間は277分であった。
【0059】
生成した分散液の質量は555kgで、分散液は固形分を34.9質量%含有していた。ポリマー粒子の原分散粒径(RDPS)は191nmであった。
【0060】
分散液の一部をDI水で希釈し、硝酸を用いて凝固して、180℃で乾燥した。
【0061】
得られた樹脂の特性を表IIにまとめる。
【0062】
比較例C:PFBE 420gを予備充填物として反応器に添加したことを除き、例7の手順を繰り返した。反応したTFEの速度が約1.9kg/分に制御されるようにKMnO4溶液を添加した。合計4.97kgのKMnO4溶液を91分間にわたって反応器に添加した。APFO20%溶液 2.4kgを増分0.48kgで添加し、このとき、TFE 約12kgを反応器に添加した後に第1の増分を添加し、TFEをその後12kg添加した後ごとにその後の増分を添加し、その結果、TFE 約60kgが充填された後に最後の増分を添加した。重合を継続し、TFE 約180kgを反応器に添加した後に反応を停止した。合計反応時間は182分であった。
【0063】
生成した分散液の質量は540kgで、分散液は固形分を34.2質量%含有していた。ポリマー粒子の原分散粒径(RDPS)は210nmであった。
【0064】
得られた樹脂の特性を表IIにまとめる。
【0065】
本発明を、いくつかの実施態様及び詳細な説明と関連させて本明細書で開示したが、そのような詳細部分の変更又は変形を本発明の要旨から逸脱することなく成し得ることは当業者にとって明らかであり、そのような変更又は変形は以下の特許請求の範囲内にあると見なされる。
【0066】
【表2】

【0067】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散/微粉末型のテトラフルオロエチレンコポリマーの共重合方法であって、前記コポリマーが、テトラフルオロエチレンモノマー単位99.70モル%〜99.99モル%及び式:(Cn(2n+1))CH=CH2(式中、6≦n<10)の共重合したコモノマー単位0.01モル%〜0.30モル%を本質的に含有し、
当該方法が、
(a)前記モノマー及びコモノマーを加圧した反応器中で共重合すること、
(b)過マンガン酸カリウム(KMnO4)を添加することによって前記共重合を開始すること、
(c)イオン強度強化剤の不存在下で全体の反応を行うこと、及び
(d)反応完了の80%以下の反応時点で(KMnO4)開始剤の添加を停止する
ことを含む、方法。
【請求項2】
前記コモノマーが(パーフルオロヘキシル)エチレン(PFHE)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コモノマーが(パーフルオロオクチル)エチレン(PFOE)である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記コモノマーを前記共重合反応において予備充填物として添加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
反応開始から反応全体の一部のみを通じて、前記コモノマーを徐々に増加しながら断続的に添加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
反応完了の60%以下の反応時点でKMnO4開始剤の添加を停止することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
反応完了の50%以下の反応時点でKMnO4開始剤の添加を停止することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
請求項1に記載の、分散/微粒子型のテトラフルオロエチレンコポリマーの共重合方法であって、
前記重合したコモノマー単位が、コポリマー組成全体に対して0.01モル%〜0.30モル%の量で存在し、
前記コポリマーの原分散一次粒径(RDPS)が0.210μm未満であり、前記コポリマーの標準比重(SSG)が2.143未満である、方法。
【請求項9】
前記コポリマーのRDPSが0.200μm未満であり、前記コポリマーのSSGが2.140未満である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記コモノマーを前記共重合反応において予備充填物として添加することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
反応開始から反応全体の一部のみを通じて、前記コモノマーを徐々に増加しながら断続的に添加することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
反応完了の60%以下の反応時点でKMnO4開始剤の添加を停止することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
反応完了の50%以下の反応時点でKMnO4開始剤の添加を停止することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
重合したテトラフルオロエチレンモノマー単位及び式:(Cn(2n+1))CH=CH2(式中、6≦n<10)の共重合したコモノマー単位を含有する、微粉末型テトラフルオロエチレンコポリマーであって、
(a)前記共重合したコモノマー単位が、コポリマー組成全体に対して0.01モル%〜0.30モル%の量で存在し、
(b)前記コポリマーの原分散一次粒径(RDPS)が0.210μm未満であり、前記コポリマーの標準比重(SSG)が2.143未満である、微粉末型テトラフルオロエチレンコポリマー。
【請求項15】
前記コモノマーが(パーフルオロヘキシル)エチレン(PFHE)である、請求項14に記載のコポリマー。
【請求項16】
前記コモノマーが(パーフルオロオクチル)エチレン(PFOE)である、請求項14に記載のコポリマー。
【請求項17】
前記コモノマー単位が0.05モル%〜0.25モル%の量で存在する、請求項14に記載のコポリマー。
【請求項18】
前記RDPSが0.200μm未満であって、前記コポリマーのSSGが2.140未満である、請求項14に記載のコポリマー。
【請求項19】
重合した状態の、水性分散液中に分散された、請求項14に記載のコポリマー。
【請求項20】
微粉末形状の請求項14に記載のコポリマー。
【請求項21】
破断強度が少なくとも10.0ポンド(4.53kg)である直径0.1インチ(0.25cm)の延伸ビード形状に成形されている、請求項20に記載のコポリマー。
【請求項22】
破断強度が少なくとも11.0ポンド(4.99kg)である直径0.1インチ(0.25cm)の延伸ビード形状に成形されている、請求項20に記載のコポリマー。
【請求項23】
破断強度が少なくとも12.0ポンド(5.44kg)である直径0.1インチ(0.25cm)の延伸ビード形状に成形されている、請求項20に記載のコポリマー。
【請求項24】
破断強度が12.0ポンド(5.44kg)を超える直径0.1インチ(0.25cm)の延伸ビード形状に成形されている、請求項20に記載のコポリマー。
【請求項25】
破断強度が13.0ポンド(5.90kg)を超える直径0.1インチ(0.25cm)の延伸ビード形状に成形される、微粉末形状の請求項16に記載のコポリマー。
【請求項26】
重合したテトラフルオロエチレンモノマー単位及び式:(Cn(2n+1))CH=CH2(式中、6≦n<10)の共重合したコモノマー単位を含有する、微粉末型テトラフルオロエチレンコポリマーであって、
直径0.1インチ(0.25cm)の延伸ビードに成形されたときに、当該コポリマーの強度発生比(SGR)が2.0×10-2cm2を超える、微粉末型テトラフルオロエチレンコポリマー。
【請求項27】
前記コモノマーがPFHEである、請求項26に記載のコポリマー。
【請求項28】
前記コモノマーがPFOEである、請求項26に記載のコポリマー。
【請求項29】
SGRが少なくとも3.0である、請求項28に記載のコポリマー。
【請求項30】
前記コポリマーが、延伸された多孔質の成形品の形状において、その結晶融点を超えて加熱されたことがなく、前記成形品のマトリクス引張強度(MTS)が少なくとも1方向について約35.0kpsi(241MPa)を超える、請求項14に記載のコポリマー。
【請求項31】
前記コポリマーが、延伸された多孔質の成形品の形状において、その結晶融点を超えて加熱されたことがなく、前記成形品のマトリクス引張強度が少なくとも1方向について約40.0kpsi(276MPa)を超える、請求項14に記載のコポリマー。
【請求項32】
前記コポリマーが延伸された多孔質の成形品の形状において、その結晶融点を超えて加熱されたことがなく、前記成形品のマトリクス引張強度(MTS)が少なくとも1方向について約45.0kpsi(310MPa)を超える、請求項16に記載のコポリマー。
【請求項33】
重合したテトラフルオロエチレンモノマー単位及び式:(Cn(2n+1))CH=CH2(式中、n=6)の共重合したコモノマー単位を含有する、微粉末型テトラフルオロエチレンコポリマーであって、
(a)前記共重合したコモノマー単位が、コポリマー組成全体に対して0.05モル%〜0.25モル%の量で存在し、
(b)前記コポリマーの原分散一次粒径(RDPS)が0.200μm未満であって、前記コポリマーの標準比重(SSG)が2.140未満であり、
(c)前記コポリマーが直径0.1インチ(0.25cm)の延伸ビードの形状に成形され、前記延伸ビードの破断強度が少なくとも12.0ポンド(5.44kg)であり、
(d)前記コポリマーの強度発生比(SGR)が2.0×10-2cm2を超え、そして
(e)延伸された多孔質の成形品の形状において、前記成形品のマトリクス引張強度が少なくとも1方向について約40.0kpsi(276MPa)を超える、微粉末型テトラフルオロエチレンコポリマー。
【請求項34】
重合したテトラフルオロエチレンモノマー単位及び式:(Cn(2n+1))CH=CH2(式中、n=8)の共重合したコモノマー単位を含有する、微粉末型テトラフルオロエチレンコポリマーであって、
(a)前記共重合したコモノマー単位が、コポリマー組成全体に対して0.05モル%〜0.25モル%の量で存在し、
(b)前記コポリマーの原分散一次粒径(RDPS)が0.200μm未満であって、前記コポリマーの標準比重(SSG)が2.140未満であり、
(c)前記コポリマーが直径0.1インチ(0.25cm)の延伸ビードの形状に成形され、前記延伸ビードの破断強度が少なくとも12.0ポンド(5.44kg)であり、
(d)前記コポリマーの強度発生比(SGR)が2.0×10-2cm2を超え、そして
(e)延伸された多孔質の成形品の形状において、前記成形品のマトリクス引張強度が少なくとも1方向について約40.0kpsi(276MPa)を超える、微粉末型テトラフルオロエチレンコポリマー。
【請求項35】
重合したテトラフルオロエチレンモノマー単位及び式:(Cn(2n+1))CH=CH2(式中、n=8)の共重合したコモノマー単位を含有する、微粉末型テトラフルオロエチレンコポリマーであって、
(a)前記共重合したコモノマー単位が、コポリマー組成全体に対して0.05モル%〜0.25モル%の量で存在し、
(b)前記コポリマーの原分散一次粒径(RDPS)が0.200μm未満であって、前記コポリマーの標準比重(SSG)が2.140未満であり、
(c)前記コポリマーが直径0.1インチ(0.25cm)の延伸ビードの形状に成形され、前記延伸ビードの破断強度が13.0ポンド(5.90kg)を超え、
(d)前記コポリマーの強度発生比(SGR)が2.0×10-2cm2を超え、そして
(e)延伸された多孔質の成形品の形状において、前記成形品のマトリクス引張強度が少なくとも1方向について約40.0kpsi(276MPa)を超える、微粉末型テトラフルオロエチレンコポリマー。

【公開番号】特開2012−41551(P2012−41551A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−246472(P2011−246472)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【分割の表示】特願2008−520264(P2008−520264)の分割
【原出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】