説明

テレビジョンカメラ装置

【課題】 部位単位の映像信号を出力することが可能なテレビジョンカメラ装置を提供する。
【解決手段】 取り出したい素材の特定波長のレーザー光11で素材12を照射し、カメラ15aの前に特定波長のフィルタ14aを配置して、特定波長の映像信号を出力させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョンカメラ装置において、部位毎の分けた映像信号を出力させるテレビジョンカメラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョンカメラ装置を用いて、例えば、細胞の観察を行う場合、従来の技術では、ある範囲内の波長で色分解された映像信号が、全て重なった状態で出力されるものであった。
【0003】
図4は、従来のテレビジョンカメラ装置の構成を示す図である(文献公知発明に係るものではない)。
【0004】
レーザー光41が素材42を照射し、照射した光がテレビジョンカメラ43のレンズ44を通して内部に導かれ、B(青)反射,RG(赤緑)透過ミラー45、R(赤)反射G(緑)透過ミラー46、反射ミラー47,48、R(赤)フィルタ49、G(緑)フィルタ50、B(青)フィルタ51により、赤(R)の光、緑(G)の光、青(B)の光が抽出される。
【0005】
したがって素材42のうち赤(R)の素材はR(赤)撮像管52を通り出力される。同様に素材42のうち緑(G)の素材はG(緑)撮像管53を通り出力され、素材42のうち青(B)の素材はB(青)撮像管54を通り出力される。従来のテレビジョンカメラ43の出力は、この赤(R)、緑(G)、青(B)の映像信号を重ね合わせて出力していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
赤(R)、緑(G)、青(B)の波長には例えば図2に示すようにそれぞれ範囲がある為、その範囲内の波長は全てそのフィルタを通過してしまう。このことを示したのが図5である。
【0007】
図5は、図2の中の特定波長(1),(2),(3)について素材42を撮影した場合の例である。この例では、特定波長(1),(2),(3)は全て青(B)の波長範囲内にある為、従来のテレビジョンカメラ43では、全ての特定波長(1),(2),(3)がB(青)フィルタ51を通過してしまうので、全て重なった映像信号を出力していた。
【0008】
したがって、例えば、細胞の観察を行う場合、全ての部位が重なった映像信号だけでなく、部位毎の分けた映像信号を出力したい場合に出力することができなかった。
【0009】
本発明の目的は、部位単位の映像信号を出力することが可能なテレビジョンカメラ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記の目的を達成するため、取り出したい素材の特定波長のレーザー光で素材を照射し、カメラの前に前記特定波長のフィルタを配置して、前記特定波長の映像信号を出力させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、部位単位の映像信号を出力することが可能なテレビジョンカメラ装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下この発明の実施の形態を図により説明する。
図1は、本発明によるテレビジョンカメラ装置の第1の実施の形態の構成を示す図である。
【0013】
特定波長のレーザー光11が素材12を照射し、分光光学系13により特定波長の各々の光に分けられる。分光光学系13から取り出した特定波長の各々の光は、各々、特定波長(1)用フィルタ14a,特定波長(2)用フィルタ14b,特定波長(3)用フィルタ14cを通り、各々のカメラ15a,15b,15cに入る。
【0014】
各々のカメラ15a,15b,15cのレンズ16a,16b,16cを通過した特定波長の光は、各々の撮像管17a,17b,17cを通り、カメラコントロールユニット18に入力される。カメラコントロールユニット18に入力された映像信号は、カメラコントロールユニット18の内部で信号処理され出力される。
【0015】
図1は、図2の波長と色成分を示した図の中の、特定波長(1),(2),(3)を用いた場合の例である。
【0016】
レーザー光11として素材12の特定波長(1)のレーザー光を用いて素材12を照射した場合は、特定波長(1)のレーザー光のみが特定波長(1)用フィルタ14aを通りカメラ15aを通ってカメラコントロールユニット18に入力されるので、特定波長(1)の映像信号のみを出力することができる。
【0017】
同様に、レーザー光11として素材12の特定波長(2)のレーザー光を用いて素材12を照射した場合は、特定波長(2)のレーザー光のみが特定波長(2)用フィルタ14bを通りカメラ15bを通ってカメラコントロールユニット18に入力されるので、特定波長(2)の映像信号のみを出力することができる。
【0018】
同様に、レーザー光11として素材12の特定波長(3)のレーザー光を用いて素材12を照射した場合は、特定波長(3)のレーザー光のみが特定波長(3)用フィルタ14cを通りカメラ15cを通ってカメラコントロールユニット18に入力されるので、特定波長(3)の映像信号のみを出力することができる。
【0019】
また、レーザー光11として素材12の特定波長(1)と(2)のレーザー光を用いて素材12を照射した場合は、特定波長(1)のレーザー光のみが特定波長(1)用フィルタ14aを通りカメラ15aを通ってカメラコントロールユニット18に入力され、特定波長(2)のレーザー光のみが特定波長(2)用フィルタ14bを通りカメラ15bを通ってカメラコントロールユニット18に入力されるので、特定波長(1)と(2)の混ざった映像信号を出力することができる。
【0020】
図3は、本発明によるテレビジョンカメラ装置の第2の実施の形態の構成を示す図である。図1と同一箇所には同一符号をつけた。本実施の形態においては、各々のカメラ15a,15b,15cの前に、各々、R(赤)フィルタ19、G(緑)フィルタ20、B(青)フィルタ21を配置し、赤(R)の光、緑(G)の光、青(B)の光が抽出される例である。
【0021】
カメラコントロールユニット18がCPU18aとアナログ信号処理回路18bとデジタル信号処理回路18cから構成され、CPU18aはアナログ信号処理回路18bとデジタル信号処理回路18cと各々の撮像管17a,17b,17cを制御することができる。
【0022】
撮像管17a,17b,17cは、撮像管の特性より波長に応じて感度が異なる場合がある。例えば、色成分が赤(R)、緑(G)の場合に比べて青(B)の感度の方が良い場合は、図3に示すようにカメラコントロールユニット18のCPU18aから、感度補正信号によって、青(B)成分用のカメラ15cの感度を制御することにより、映像信号の感度を合わせることができる。
【0023】
これは、図1の特定波長を用いた実施の形態でも同様に行うことができる。
【0024】
本発明の実施の形態によれば、部位単位の映像信号を出力することが可能なテレビジョンカメラ装置を得ることができる。また本発明の実施の形態によれば、カメラの感度を制御して映像信号の感度を合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明によるテレビジョンカメラ装置の第1の実施の形態の構成を示す図である。
【図2】波長に対する色成分を示す図である。
【図3】本発明によるテレビジョンカメラ装置の第2の実施の形態の構成を示す図である。
【図4】従来のテレビジョンカメラ装置の構成を示す図である。
【図5】従来のテレビジョンカメラ装置の構成で、特定波長成分を取り出した場合を示す図である。
【符号の説明】
【0026】
11…レーザー光、12…素材、13…分光光学系、14a,14b,14c…特定波長用フィルタ、15a,15b,15c…カメラ、16a,16b,16c…レンズ、17a,17b,17c…撮像管、18…カメラコントロールユニット、18a…CPU。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り出したい素材の特定波長のレーザー光で素材を照射し、カメラの前に前記特定波長のフィルタを配置して、前記特定波長の映像信号を出力させることを特徴とするテレビジョンカメラ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−3247(P2006−3247A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−180590(P2004−180590)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】