説明

テレビジョン受像携帯電話機用ホルダー

【課題】携帯電話機でテレビジョン受像する際、その視聴時の視認性を確保する。
【解決手段】携帯電話機の背面、又は携帯電話機ホルダーのポケット10の背面に脚20を設ける。この脚20は、起伏可能、または、折り畳み可能となっており、テレビジョン視聴時には携帯電話機の画面5が横長かつやや上向きに傾く角度で、携帯電話機を机上等に立掛ける。脚20は、不使用時は折り畳むことができ、その折り畳み時には、面ファスナー、ボタン、ファスナー、粘着体、ホルダー構成部材に形成された凹部と凸部の嵌合、のいずれかの手法で確実に固定される。ポケット10の前面側および側面側には、携帯電話機の押ボタン1、送受話用穴2、アンテナ3、および外部機器接続端子4の各位置に対応した穴12が、必要に応じて形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、机上等で立掛けてテレビジョン受像を視聴する携帯電話機、及びその受像を視聴するのに有効な携帯電話機用ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
情報通信端末として広く普及している携帯電話機は、従来、屋外および外出先での音声通話用、あるいはインターネットを経由したデータ通信用としての利用が主であった。そのため、屋外における携帯性の良好さ、例えば、衣類のベルト、あるいは鞄等への装着容易性、自動車内に置いたときの安定性等が重視されていた。その良好な携帯性を確保するための種々の工夫として、例えば、ベルトに固定するためのクリップ形状を脱着し易い形状にする等の改良を施した携帯電話機用ホルダーが考案されている。
【0003】
また、その携帯電話機用ホルダーとして、その背面に脚を設け、机上等で携帯電話機を立掛けられるようにしたものがある(特許文献1図4参照)。
【特許文献1】実用新案登録第3082663号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、携帯電話機は急速に多機能化が進み、音声通話用、データ通信用のみならず、デジタルテレビ放送の普及に伴い、テレビジョン受像機能を有する機種も市販され始めている。その携帯電話機でテレビジョン視聴する際は、携帯電話機を手で保 持した状態でも勿論良いのではあるが、特に屋内においては、机上等に携帯電話機を設置しハンズフリーとすることで、より楽な状態で長時間の視聴を継続することができる。このとき、上記特許文献1記載のホルダーを使用すれば、その設置状態を維持することができる。
【0005】
しかし、通常の携帯電話機は縦長の画面を有し、一方、テレビジョン画像は横長であって、その携帯電話機の画面に映し出されるテレビジョン画像は、その横長が画面の縦長方向とされる。
そのため、机上等に携帯電話機を設置してテレビジョン視聴する際には、携帯電話機を横置き、すなわちその画面の縦長を横方向として設置して、携帯電話機画面のテレビジョン受像時の視認性を確保する必要がある。
【0006】
上記特許文献1記載のホルダーは、携帯電話機の縦置きを前提としており、携帯電話機を収納するポケットの幅と、その背面に設けられた脚の幅が同一になっている。このため、このホルダーを横置きにすると、携帯電話機の画面に対する垂線が水平方向となる。
このような設置状態は、携帯電話機の重心がその携帯電話機の中心(脚を設けない場合の重心)とほぼ同じ位置(高さ)にあって、その背面の脚にはほとんど荷重が加わらない(脚が携帯電話機を殆ど支えない)。このため、携帯電話機が倒れやすい状態であり、安定性に問題がある。因みに、脚でもって物を支えた設置状態は、その物の重心が物の中心より下側にあればあるほど安定する。
また、机上等に携帯電話機を設置してテレビジョン視聴する際には、その画面に対する垂線が水平となるよりも、やや上向きに傾ける方が視線はやや下向きとなることから、視聴時の疲労は少ない。このため、上記特許文献1記載のホルダーを横置きすると、その画面に対する垂線は水平となり、視聴時の疲労が大きい。
【0007】
この発明は、携帯電話機をテレビジョン受像機として用いる際に、携帯電話機画面の良好な視認性を確保することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、この発明は、携帯電話機の背面、あるいは携帯電話機を収納するホルダーの背面に起伏可能な脚を設けたのである。
このようにすれば、脚を起立させることにより、携帯電話機を横向きに安定して設置することができる。このため、テレビジョン画像を通常と同様に横長として見ることができ、携帯電話機画面であっても、テレビジョン画像としての視認性を確保することができる。
また、その画面に対する垂線が水平よりもやや上向きに傾くようにすれば、視認性を更に向上できる。この上向きに傾ける手段は、脚をテレビジョン受像画面の縦方向に起伏可能としたり(図5鎖線、図8実線参照)、脚がそのテレビジョン受像画面の横方向に起伏可能であれば(図8鎖線参照)、その脚をその設置縁が携帯電話機の側縁より内側になるように設定する。
【発明の効果】
【0009】
この発明は、以上のように、脚でもって携帯電話機を横向きに安定して立掛けるようにしたので、テレビジョン受像画面を、携帯電話機が安定し、かつ視認性の良い状態で視聴することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
この発明の実施形態としては、テレビジョン受像が可能な携帯電話機の背面に、そのテレビジョン受像画面が横長となる角度で立てかけることを可能とする脚を起伏可能に設ける構成を採用することができる。
このとき、そのテレビジョン受像画面に対する垂線がやや上傾する角度で立てかけられるように、脚の取付け態様を考慮するとよい(図8参照)。
【0011】
また、テレビジョン受像が可能な携帯電話機を収納するポケットを備えたホルダーにあっては、そのポケットの背面に、前記テレビジョン受像画面が横長となる角度で立掛けることを可能とする脚を前記画面の縦方向に起伏可能に設ける構成を採用することができる。
【0012】
上記脚は、その一端でもって携帯電話機又はポケットの背面に上記画面の縦方向に起伏可能に設けられているとともに、他の端がその携帯電話機又はポケットの背面に着脱自在となっておれば、脚の不使用時(机上等に携帯電話機を設置してテレビジョン視聴しない時等)、その脚を携帯電話機の背面に添わせて容易に動かないようにし得るので、通話使用・持ち運び時等において邪魔とならない。
【0013】
上記脚の具体的な態様としては、その長さ方向に谷折りと山折りが順次に形成されて折り畳み可能になって、その両端で上記ポケット背面に固定され、前記山折り側が上記画面の縦方向の下側に位置するようになっている構成を採用できる。
この構成であると、ホルダーが樹脂シート等の可撓性のあるものであっても、その脚が谷折り・山折りとされていることにより、保形性が向上し、脚としての機能が向上して、携帯電話機の支持が安定する。
このとき、その脚の折り畳み状態を固定して携帯電話機の背面に添わせて容易に動かないようにすることが好ましい。その固定には、面ファスナー、ボタン、ファスナー、粘着体、ホルダー構成部材に形成された凹部と凸部の嵌合等の種々の手段を採用することができる。
【0014】
また、上記ポケットには、携帯電話機の押ボタン、送受話用穴、アンテナ、および外部機器接続端子の各位置に対応した穴を形成すれば、ホルダーに携帯電話機を入れたままでも、その携帯電話機の操作が確実かつ容易に行うことができる。
【実施例】
【0015】
図1乃至図4に携帯電話機用ホルダーの一実施例を示し、このホルダーは、透明な樹脂シートからなって、携帯電話機Aを収納するポケット10を有し、このポケット10の背面に、テレビジョン受像する際にその画面5を横長の角度で机上等に立掛けるための脚20を有する。
ポケット10の前面および側面には、携帯電話機Aの押ボタン1、送受話用穴2、アンテナ3、および外部機器接続端子4の各位置に対応した穴12が形成されている。この穴12はこのポケット10に携帯電話機Aを収納した際、前記ボタン1の操作性、送受話、テレビジョン受像等を良好とするために設けられたものである。このとき、穴12が無くとも、ボタン操作性等に支障が生じない場合は、必ずしもそれらに対応する穴12をそれぞれ設ける必要性は無く、適宜に設けたり、全く設けなくしたりすることができる。
【0016】
上記脚20は、その長さ方向(図4における上下方向)に、片21aと片21bとからなる谷折り21とその一方の片21bと片22aとからなる山折り22が順次に形成されて折り畳み可能になっており、その両端(片21aと片22aの端)で、山折り22側が画面5の縦方向(図5において上下方向)の下側に位置するように、ポケット10背面に熱溶着により固定されている。
その山折り22の他方の片21bと谷折り21の他方の片21aには、透孔23がそれぞれ形成され、その透孔23に臨む山折り22の一方の片22aとポケット背面には、面ファスナー24の一片24a、24bが設けられており、この面ファスナー24を閉じる(両片24a、24bを接着する)ことにより、脚20は折り畳まれた状態を維持する。
【0017】
テレビジョン受像の視聴時には、面ファスナー24a、24bを開放した状態にして(図7(a))、山折り22部分が机上等に接する状態で立掛ける(図7(b))。立掛けた時には、図5に示すように、画面5に対する垂線は水平よりもやや上傾した状態となるため、良好な視認性を確保できる。このとき、携帯電話機を開いた状態で画面5が現れる機種(図5)でも、閉じた状態で画面5が現れる機種(図6)でも、いずれの場合においても、本ホルダーを用いることで良好な視認性を得ることができる。
【0018】
携帯電話機Aの背面に、直接に、起伏可能な脚20を設ける(図8)ことで、ホルダーの背面に脚を設けたのと全く同じ効果を得られる。本構成においても、図7(b)と同様、画面5に対する垂線は水平よりもやや上傾した状態となるため、良好な視認性を確保できる。このとき、脚20は、横向き(図8鎖線)、縦向き(同図実線)のいずれでも良い。
この図8の脚20は、その一端でもって起伏可能になっているが、その倒伏状態(携帯電話機の背面に添う状態)を維持するために、その起伏作用にある程度の抵抗を持たせると良い。また、その脚20の他の端を、上記面ファスナー等の手段により、その携帯電話機の背面に着脱自在とすることができる。また、ホルダーの脚20も、図8と同様な脚(可撓性のない脚)とした場合、その他の端も同様にホルダーの背面に着脱自在とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の一実施例における斜視図
【図2】(a)は同実施例の正面図、(b)は同平面図、(c)は同背面図、(d)は同左側面図、(e)は同下面図
【図3】同実施例の分解斜視図
【図4】同実施例の製作説明図
【図5】同実施例のテレビジョン受像視聴時の一態様斜視図
【図6】同実施例のテレビジョン受像視聴時の他の態様斜視図
【図7】同テレビジョン受像視聴時の脚の作用図であり、(a)は脚開放状態の断面図、(b)は立掛け時の断面図
【図8】この発明の他の実施例の斜視図
【符号の説明】
【0020】
1 押ボタン
3 アンテナ
4 外部機器接続端子
5 画面
10 ポケット
12 穴
20 脚
23 透孔
24 面ファスナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビジョン受像が可能な携帯電話機(A)の背面に、そのテレビジョン受像画面(5)が横長となる角度で立掛けることを可能とする脚(20)を起伏可能に設けたことを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
テレビジョン受像が可能な携帯電話機を収納するポケット(10)を備え、そのポケット(10)の背面に、前記テレビジョン受像画面(5)が横長となる角度で立掛けることを可能とする脚(20)を前記画面(5)の縦方向に起伏可能に設けた携帯電話機用ホルダー。
【請求項3】
上記脚(20)は、その一端でもって上記ポケット(10)の背面に上記画面(5)の縦方向に起伏可能に設けられているとともに、他の端がそのポケット(10)の背面に着脱自在となっていることを特徴とする請求項2に記載の携帯電話機用ホルダー。
【請求項4】
上記脚(20)は、その長さ方向に谷折り(21)と山折り(22)が順次に形成されて折り畳み可能になって、その両端で上記ポケット(10)背面に固定され、前記山折り(22)側が上記画面の縦方向の下側に位置するようになっていることを特徴とする請求項2に記載の携帯電話機用ホルダー。
【請求項5】
上記脚(20)は、その折り畳み状態が、面ファスナー、ボタン、ファスナー、粘着体、ホルダー構成部材に形成された凹部と凸部の嵌合、のいずれかの手段で維持されるようになっていることを特徴とする請求項4に記載の携帯電話機用ホルダー。
【請求項6】
上記ポケット(10)に、携帯電話機の押ボタン、送受話用穴、アンテナ、および外部機器接続端子の各位置に対応した穴(12)を形成したことを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載の携帯電話機用ホルダー。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−282116(P2007−282116A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−108990(P2006−108990)
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【出願人】(392006639)株式会社アイナック (7)
【Fターム(参考)】