説明

テレビジョン受像機及びプラズマディスプレイ装置

【課題】放熱効率を向上しつつ薄型化が図れるテレビジョン受像機とプラズマディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】プラズマディスプレイ装置100は、表示パネル120を備えた表示筐体110と、表示筐体の片側と下部を保持する保持筐体170とを含んで構成され、表示パネルは、片側にY電極群とX電極群が接続されるXY接続部、下部にA電極群が接続されるA接続部を備え、保持筐体の下部筐体154は、Y電極群に維持放電パルスを印加するY駆動部と、X電極群に維持放電パルスを印加するX駆動部と、A電極群にデータパルスと駆動電圧を供給するA駆動部とを備え、保持筐体の側筐体153は、X駆動部とY駆動部を表示パネルに接続し、各ライン毎に独立してスキャンパルスを印加するXY処理部を備え、表示パネルの前面を電波シールドシート130、裏面を導電性部材の裏面パネル150で覆うようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄型のテレビジョン受像機及びプラズマディスプレイ装置の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のプラズマディスプレイパネル(以下PDPという)は、前面基板である透明ガラス基板に水平方向に平行に配置されたスキャン電極群(Y電極群)とサステイン電極群(X電極群)とが形成され、背面基板にY電極群とX電極群と直交するアドレス電極群(A電極群)を形成し、それらの交点のセルを選択して放電させ、発生する紫外線で蛍光体を発光させる構造を備えている。このような構造を備えるPDPでは、液晶ディスプレイパネルのようにバックライトを用いないので薄型化を実現しやすい構造となっている。
【0003】
このような構造からなるPDPは、Y電極群とX電極群が、その両側または片側端部に配置されるXY接続部と接続され、このXY接続部とフレキシブル配線シートを介して夫々のX、Y駆動部と接続される。また、A電極群には、それぞれ接続用の端子を有するA接続部が端部に形成され、フレキシブル配線シートを介し、A駆動部に接続される。各々の駆動部は、点灯セルの選択や放電のための制御を行う制御部に接続され、制御される。そして、前記構造では、夫々の駆動部と制御部はPDPの裏面側に配置される。
【0004】
特に、この従来技術では、サステイン電流を供給するためのコンデンサを備えたX駆動部と、スキャン電圧を供給するためのコンデンサを備えたY駆動部と、これらをXY接続部に接続するためのXY処理部とを分離して設けた技術が開示されている。
【0005】
また、このPDPでは、高電圧での放電が行われ、高速のパルス電流が繰り返し流れるため、他の機器に比べて不要電波が多く放出されている。そこで、PDPの前面には抵抗膜や金属メッシュで覆われ、裏面側は金属シャーシと、これを覆う背面カバーで覆う構造を備えている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−265278号公報
【特許文献2】特開2001−265242号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、薄型ディスプレイは大型化し、益々薄型の要求が高まっている。しかし、前記従来のPDPでは、PDPの裏面側に駆動部や制御部などの基板が配置されているために、この基板の厚さが薄型化を困難にしている。加えて、PDPでは高電圧での放電が行われるため、この放電に伴う熱を排気するための排熱通路を確保する必要があり、背面カバーとPDPや金属シャーシとの間に十分な排熱通路を確保する課題があるために、薄型化を困難にしている。
【0008】
そこで、本発明の第1の目的は、放熱効率を向上しつつ薄型化が図れるテレビジョン受像機を提供することにある。
【0009】
また、本発明の第2の目的は、放熱効率を向上しつつ薄型化が図れるプラズマディスプレイ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るテレビジョン受像機は、前記第1の目的を達成するために、水平方向に平行に配置されたスキャン電極群とサステイン電極群とが形成され、該スキャン電極群と該サステイン電極群と直交する位置にアドレス電極群を形成し、それらの交点の複数の画素毎の射出光の制御により主面より画像を表示するプラズマディスプレイ装置と、チューナを備えたテレビジョン受像機本体とを含んで構成されるテレビジョン受像機において、前記プラズマディスプレイ装置は、前記表示パネルを備えた表示筐体と、この表示筐体の一方の片側と下部を保持する保持筐体とを含んで構成され、前記表示パネルは、一方の片側に前記スキャン電極群と前記サステイン電極群が接続されるXY接続部、下部に前記アドレス電極群が接続されるA接続部をそれぞれ備え、前記保持筐体は、前記表示筐体の下部を保持する下部筐体に、前記スキャン電極群に維持放電パルスを印加するY駆動部と、前記サステイン電極群に維持放電パルスを印加するX駆動部と、前記アドレス電極群にデータパルスと駆動電圧を供給するA駆動部とを備え、前記表示筐体の一方の片側を保持する前記保持筐体の側筐体に前記X駆動部と前記Y駆動部を前記表示パネルに接続し、各ライン毎に独立してスキャンパルスを印加するXY処理部を備え、前記テレビジョン受像機本体に、前記X駆動部と前記Y駆動部及び前記A駆動部を駆動制御する表示制御部を備え、前記表示筐体は、前記表示パネルの主面となる前部を電波シールドシートで覆い、対向する裏面側に前記表示パネルを強度的に保持し、かつ前記表示パネルの裏面を導電性の部材で覆って外側に露出して配置される裏面パネルを備えるようにする。
【0011】
また、本発明に係るプラズマディスプレイ装置は、前記第2の目的を達成するために、水平方向に平行に配置されたスキャン電極群とサステイン電極群とが形成され、該スキャン電極群と該サステイン電極群と直交する位置にアドレス電極群を形成し、それらの交点の複数の画素毎の射出光の制御により主面より画像を表示するプラズマディスプレイ装置において、前記プラズマディスプレイ装置は、前記表示パネルを備えた表示筐体と、この表示筐体の一方の片側と下部を保持する保持筐体とを含んで構成され、前記表示パネルは、一方の片側に前記スキャン電極群と前記サステイン電極群が接続されるXY接続部、下部に前記アドレス電極群が接続されるA接続部をそれぞれ備え、前記保持筐体は、前記表示筐体の下部を保持する下部筐体に、前記スキャン電極群に維持放電パルスを印加するY駆動部と、前記サステイン電極群に維持放電パルスを印加するX駆動部と、前記アドレス電極群にデータパルスと駆動電圧を供給するA駆動部とを備え、前記表示筐体の一方の片側を保持する前記保持筐体の側筐体に前記X駆動部と前記Y駆動部を前記表示パネルに接続し、各ライン毎に独立してスキャンパルスを印加するXY処理部を備え、前記X駆動部と前記Y駆動部及び前記A駆動部は、コードを介して接続される表示制御装置を介して駆動制御され、前記表示筐体は、前記表示パネルの主面となる前部に電波シールドシートで覆い、対向する裏面側に前記表示パネルを強度的に保持し、かつ前記表示パネルの裏面を導電性の部材で覆って外側に露出して配置される裏面パネルを備えるようにする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、放熱効率を向上しつつ薄型化が図れるテレビジョン受像機とプラズマディスプレイ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図1から図13を参照して、この発明の実施の形態に係るテレビジョン受像機を詳細に説明する。ここで、図1から図7が第1の実施の形態に係るテレビジョン受像機、図8から図13が他の応用例に係るテレビジョン受像機を示している。また、説明に当たっては、同一部位や機能部材については同一符号を持って示し、重複した説明を省略する。
【0014】
(第1の実施の形態)
図1から図7は第1の実施の形態に係るテレビジョン受像機である。図1がテレビジョン受像機の概略図であり、図1(a)が裏面側の外観斜視図、図1(b)が前面側の外観斜視図、図1(c)が要部縦断面図、図1(d)が要部横断面図を示している。図2はテレビジョン受像機の装置ブロック図を示している。図3はプラズマディスプレイ装置の部品展開図を示している。図4はプラズマディスプレイ装置の断面図であり、図4(a)が縦断面図、図4(b)が図4(a)の上部拡大図、図4(c)が要部横断面図、図4(d)が図4(a)の下部部分拡大図を示している。図5はプラズマディスプレイ装置の前面側の外観斜視図である。図6はプラズマディスプレイ装置の裏面側の外観斜視図である。図7は、排気経路を示す説明図であり、図7(a)が床面設置時、図7(b)が壁面取り付時の状態図である。
【0015】
先ず、図1を参照して、この実施の形態に係るテレビジョン受像機の概略構造を説明する。図1において、符号1で総括的に示すテレビジョン受像機は、コンテンツ情報を表示するプラズマディスプレイ装置100と、チューナや記憶装置を備えて前記プラズマディスプレイ装置100にコンテンツ情報を提供するテレビジョン受像機本体200とを含んで構成される。この実施の形態に係るテレビジョン受像機1は、プラズマディスプレイ装置100とテレビジョン受像機本体200に内蔵する夫々の装置を見直し、それらの配置構成を工夫することでプラズマディスプレイ装置100の薄型化を実現した構造としている。
【0016】
前記プラズマディスプレイ装置100は、複数の画素が配置され、この画素毎の射出光の制御により、主面より画像を表示するプラズマディスプレイ方式の表示パネル120を含んで構成される表示筺体110と、この表示筺体110の一方の側端部と下端部を覆うL型の保持筺体170と、このL型の保持筺体170を下方より支持するスタンド195より構成される。前記テレビジョン受像機本体200は、箱型の筐体を備え、その内部にテレビチューナや記憶装置などを備えて構成される。
【0017】
この実施の形態では、前記テレビジョン受像機本体200にアンテナやケーブルテレビ回線、あるいはインターネット回線を接続することにより、これらから取得したコンテンツ情報、あるいは内部の記憶装置に格納したコンテンツ情報を前記プラズマディスプレイ装置100に提供して、これをプラズマディスプレイ装置100の表示画面101に表示することができる。このテレビジョン受像機1では、図示しないリモコンやテレビジョン受像機本体200に設けた操作スイッチを介して、各種の操作を実行することができる。
【0018】
前記表示パネル120は、図2に示すように、前面基板121である透明ガラス基板に水平方向に平行に配置されたスキャン電極群(Y電極群という)とサステイン電極群(X電極群という)とが形成され、背面基板124に前記Y電極群122とX電極群123と直交するアドレス電極群(A電極群という)を形成し、それらの交点のセルを選択して放電させ、発生する紫外線で蛍光体を発光させる構造を備えている。このため、この実施の形態に係る表示筐体110では、この表示パネル120を、前面側に配置される電波シールドシート130と、前記表示パネル120の裏面側に配置される裏面パネル150と、表示パネル120の側端部を覆う端部部材160とで覆うことで、この表示パネル120から発生する電波や外部電波の影響を受けないシールド構造を実現している。
【0019】
また、この実施の形態では、この表示パネル120の一方の片側端部にY電極群122とX電極群123と接続されるXY接続部127を備え、この表示パネル120の下端部にA電極群125と接続されるA接続部128とを備えている。
【0020】
そして、前記裏面パネル150は、XY接続部127が設けられる一方の片側に延在して基板収納部151が形成され、この基板収納部151にXY接続部127とフレキシブル配線シート131を介して接続されるXY処理部132が収納される。ここでXY処理部132はY駆動部134とX駆動部135をXY接続部127に接続するための処理回路が設けられる。
【0021】
一方、A接続部128が設けられる表示パネル120の下端部に延在して保持筺体取付部152が形成される。この保持筺体取付部152は、スタンド195が取り付けられるとともに、その前部には操作基板137やスピーカ138が取り付けられ、裏面にはY電極群を駆動するY駆動部134と前記X電極群を駆動するX駆動部135が設けられる。また、このY駆動部134とX駆動部135の上方で、かつ表示パネル120の投影面積内の下端部となる位置に、前記A接続部128とフレキシブル配線シート131を介して接続されるA駆動部136が設けられる。
【0022】
この実施の形態では、A駆動部136とY駆動部134とX駆動部135を含む駆動部133を制御するプラズマディスプレイ装置100の表示制御部220を、テレビジョン受像機本体200に備える構造としている。したがって、この実施の形態では、X電極群123とY電極群122がXY接続部127からフレキシブル配線シート131を介してXY処理部132に接続され、更にこのXY処理部132がY駆動部134とX駆動部135に結線される。また、A電極群125は、A接続部128からフレキシブル配線シート131を介してA駆動部136に接続される。そして、これらA駆動部136とY駆動部134及びX駆動部135を含む駆動部133は、前記表示制御部220にコードを介して接続される。
【0023】
一方、保持筺体170は、前記基板収納部151を前後から覆うように表示筺体110の一方の片側に柱状に形成される縦長筺体部153と、この縦長筺体部153の下端部から保持筺体取付部152の前後を覆うように横長に形成される横長筺体部154とからなるL型の外形状を備えている。この保持筺体170は、その前部を表示パネル120の前面部から肉厚程度張り出すように形成され、その後部は後方に張り出して形成される。そして、後部の張り出した部分は中央部分が壁面取り付け時の取付面155となるようにフラットに形成され、この取付面155の上下面には通気口156が設けられている。
【0024】
そして、この実施の形態に係るテレビジョン受像機1の大きな特徴の1つは、従来、表示パネル120の裏面に並設していた駆動部133や表示制御部220などの回路基板を整理して、表示パネル120の辺側あるいは別体のテレビジョン受像機本体200に移動させることで、表示パネル120の裏面をすっきりさせた構造とし、このすっきりした表示パネル120の裏面を外部に露出した裏面パネル150で構成した点にある。
【0025】
即ち、この実施の形態では、裏面パネル150を板状の強度部材で構成し、一方の面を表示パネル120の背面基板124に取り付け、他方の面を外側に露出させることで、この裏面パネル150に表示パネル120の強度を確保する機能と、外装体としての機能と、放熱の機能を持たせるようにしている。しかも、この実施の形態では、裏面パネル150を導電性のある金属材料で形成することで、電波や外部電波の影響を受けないシールド機能をも持たせている。なお、裏面パネル150を導電性のない強化ガラスなどで形成するようにしてもよいが、この場合、電波シールドシートを貼るようにする。
【0026】
このように、この実施の形態では、表示パネル120の裏面を、電波シールド機能と補強機能と放熱機能と外装機能を備えた板状の裏面パネル150で覆うことにより、表示筺体110の薄型化を実現している。
【0027】
また、この実施の形態に係るテレビジョン受像機1の他の大きな特徴の1つは、表示制御部220や電源などの画質に影響の少ない基板を表示パネル120から切り離して、画質に大きく影響するXY処理部132を表示パネル120の一方の片側にその辺方向に沿って隣接して設け、駆動部133をユーザに目立ち難い表示パネル120の下部にその辺方向に沿って隣接して設けた点にある。
【0028】
ここで、XY処理部132は、1ライン毎に独立してスキャンパルスを印加するために必要なドライバICを含み、同時にY駆動部134からのリセット、維持放電を全ピン出力する。このように、XY処理部132はパルス電極を直接駆動するためのドライバ回路であるため、この実施の形態では、ドライバ回路を表示パネル120の近傍に近接配置することで、IC出力からのインピーダンス増大の影響を少なくしている。
【0029】
また、Y駆動部134とX駆動部135は、パネル放電発光のドライブ供給源であり、交互に配置されるX電極群123とY電極群122に維持放電パルスを印加する回路である。またX−Y間の面リセットで1フレーム毎の表示を更新可能とする。なお、Y電極群122はデータアドレス時のスキャンパルスの印加も行う。
【0030】
また、A駆動部136は、A電極群125を駆動するためのA接続部128にデータパルスと駆動電源を供給する中継基板である。A接続部128では、正反2相のクロックエッジで2チップ共通のデータバスをシフトして全体の転送速度を見かけ上、2倍で動かすことができる。この実施の形態では、A駆動部136がA接続部128に対してクロックデータ、データ、駆動電圧を供給するため、A接続部128の端子に直接直結した方が望ましいので、A接続部128に隣接して設けている。
【0031】
このように、この配置構成によれば、ユーザに目立ちやすいプラズマディスプレイ装置100の上部を薄く、かつコンパクトにまとめることができる。また、この実施の形態では、表示制御部220や電源などをテレビジョン受像機本体200に設けることで、新たな装置を追加することなく、コンパクトで配線が良好なテレビジョン受像機1を実現している。
【0032】
また、この実施の形態に係るテレビジョン受像機1の他の大きな特徴の1つは、表示パネル120とXY処理部132を左右に並べて配置した点にある。即ち、従来、XY処理部132は表示パネル120の裏面側に重ねて配置する構造としていたが、この実施の形態では、XY処理部132を取り付ける基板収納部151と表示パネル120を左右に並設させることにより、基板収納部151を覆う縦長筺体部153の奥行き寸法を少なくして更なる薄型感のある筺体構造を実現している。
【0033】
また、この実施の形態に係るテレビジョン受像機1の他の大きな特徴の1つは、A駆動部136を表示パネル120の裏面側下部に重ねて設けた点にある。即ち、この実施の形態では、表示パネル120の下部に駆動部133を集中配置するため、この駆動部133をXY処理部132と同様に表示パネル120と並べて配置すると、駆動部133が下方に大きく張り出して、プラズマディスプレイ装置100の表示画面101の下部に形成される保持筺体170の高さ寸法が大きくなる課題がある。一方、この実施の形態では、表示パネル120の裏面に設けた裏面パネル150が放熱機能を備えているので、壁面に取り付けた際に、裏面パネル150が直接壁面に取り付けられると放熱効果が低減する課題がある。また、横長筺体部154内の放熱についても課題が残る。更には、操作基板137やスピーカ138の配置スペースを確保しなければならない。
【0034】
そこで、この実施の形態では、A駆動部136を表示パネル120の裏面側下部に重ねて設けることで、このA駆動部136の配置空間を後方に張り出して形成し、上記課題を解決している。即ち、裏面パネル150を下方に延在させて、これを前後で挟むように表示パネル120とA駆動部136を配置し、その下方には、保持筺体取付部152を挟んで操作基板137を含むスピーカ138と、Y駆動部134とX駆動部135とを前後に配置することで、コンパクトな構造としている。
【0035】
そしてまた、駆動部133や操作基板137を覆う横長筺体部154は、前方への張り出し量を少なくして、後方に張り出して形成することができる。そして、この張り出した部分の裏面に平面を確保することができるので、この平面部を壁面に対する取付面155とすることができる。したがって、この取付面155を介して壁面に取り付けることにより、裏面パネル150が壁面に接触することがない。しかも、後方に張り出した横長筺体部154は、ユーザから見え難い部位であるため、薄型感を阻害することを軽減できる。
【0036】
また、この実施の形態に係るテレビジョン受像機1の他の大きな特徴の1つは、後方に張り出した横長筺体部154を利用して、取付面155の上下に通気口156を設けることで、下方の吸気口156aから取り込まれた空気が自然対流で上方の排気口156bから排気される。このため、横長筺体部154の放熱効果を向上することができる。また、この実施の形態では、縦長筺体部153の上端にも通気口157を設けているので、吸気口156aから取り込まれた空気は煙突効果でXY処理部132を効率よく冷やして通気口157から排気される。
【0037】
このように、この実施の形態によれば、放熱効率を向上しつつ薄型化が図れるテレビジョン受像機を提供することができる。
【0038】
以下、図2から図7を参照して、この実施の形態に係るテレビジョン受像機1を詳細に説明する。
【0039】
先ず、図2を参照して、装置構成を説明する。図2において、前記したように、この実施の形態に係るテレビジョン受像機1は、プラズマディスプレイ装置100とテレビジョン受像機本体200と図示しないリモコンとを含んで構成される。ここで、リモコンは赤外線信号を介してテレビジョン受像機本体200を遠隔操作することができるものであるが、公知の技術を用いているので詳細説明を省略する。
【0040】
プラズマディスプレイ装置100は、表示パネル120と、この表示パネル120の片側にその辺方向に沿って隣接して配置されるXY処理部132と、この表示パネル120の下端にその辺方向に沿って隣接して配置されるA駆動部136と、このA駆動部136の長手方向に沿って並べて配置されるY駆動部134とX駆動部135と、外部機器との接続を可能にする端子部139と、操作スイッチを備えた操作基板137と、スピーカ138を含んで構成される。
【0041】
表示パネル120は、前面基板121である透明ガラス基板に水平方向に平行に配置されたY電極群122とX電極群123とが形成され、背面基板124にY電極群122とX電極群123と直交するA電極群125を形成し、それらの交点のセル126を選択して放電させ、発生する紫外線で蛍光体を発光させることでコンテンツ情報を表示させることができる。
【0042】
Y電極群122とX電極群123とは片側に平行して延伸され、それぞれ交互に並んだ接続用の端子を有するXY接続部127に接続され、フレキシブル配線シート131を介してY駆動部134とX駆動部135のXY処理部132に接続処理され、更にY電極群122を駆動するためのY駆動部134とX電極群123を駆動するためのX駆動部135に接続される。一方、A電極群125は下側に延伸し、接続用の端子を有するA接続部128に接続され、フレキシブル配線シート131を介し、A電極群125を駆動するためのA駆動部136に接続される。そして、この実施の形態では、駆動部133は、テレビジョン受像機本体200に設けた表示制御部220に接続され、制御される。
【0043】
一方、テレビジョン受像機本体200は、マイコン201が、リモコンの赤外線による操作指示信号をリモコン受光部208で受信し、この操作指示に基づいて、このテレビジョン受像機1を統括的に制御する。
【0044】
チューナ202は、電子番組ガイド情報(EPG情報)を重複した放送波を受信できる公知のものである。この電子番組ガイド情報は、チャンネル番号、番組の放送時間、番組名、番組内容、出演者、それら複数の番組が多重化されたストリームから所望の番組を抜き出すために必要なプログラムIDとプログラムテーブルなどが含まれる。前記放送波は、地上波、衛星放送波、有線放送波の何れでも良い。
【0045】
前記チューナ202で受信された放送波は、番組情報抽出部203でEPG情報とコンテンツ情報に分離され、音声再生部204と映像再生部205に出力される。音声再生部204は、プラズマディスプレイ装置100に設けたスピーカ138に出力される。映像情報は、映像再生部205からの映像信号と画面生成部207からのグラフィックデータが表示合成部206で合成され、表示制御部220に出力される。
【0046】
この実施の形態では、大容量の記憶装置としてHDD(ハードデイスク装置)209と、DVD(デジタルビデオデイスク装置)210を備えている。そして、この実施の形態では、DVD210やHDD209に格納されたコンテンツの再生はもちろんのこと、放送波で受信したコンテンツをDVD210やHDD209に格納することができ、また、DVD210とHDD209の間で相互にダビングを行うことができる。
【0047】
また、この実施の形態では、外部インターフェイス部211がプラズマディスプレイ装置100に設けた端子部139に接続されている。したがって、この端子部139に外部機器を接続することで、外部インターフェイス部211に接続したと同様な効果を得ることができる。
【0048】
さて、表示制御部220は、点灯セルの選択や放電のための制御を行うものであり、タイミング生成回路221と電圧生成回路222とデータ処理回路223とを含んで構成される。プラズマディスプレイ装置100への電源はテレビジョン受像機本体200の図示しない電源部から供給される。
【0049】
次に、図3を介して、プラズマディスプレイ装置100の構造的な部品構成を説明する。図3において、この実施の形態では、導電性のある金属材料で形成される裏面パネル150の一方の片側に基板収納部151が形成され、下部に保持筺体取付部152が形成されている。そして、この保持筺体取付部152の上方で、かつ基板収納部151の他方となる裏面パネル150の前面に、前面基板121と背面基板124からなる表示パネル120の裏面が取り付け(接着)られる。
【0050】
一方、表示パネル120の前面には、抵抗膜や金属メッシュなどからなる電波シールドシート130が蒸着あるいは貼付などの方法で取り付けられる。また、少なくとも、保持筺体取付部152と対向する表示パネル120の上端部と、基板収納部151と対向する表示パネル120の片側には端部部材160が取り付けられる。この端部部材160は、電波シールド機能を備えた材料で形成され、表示パネル120の露出する端部の電波シールドと、端部の強度的な補強と、意匠性を向上する。
【0051】
基板収納部151には、後方に開放した凹部が設けられており、この凹部に縦長の板状の基板からなるXY処理部132がネジなどを介して取り付けられる。一方、保持筺体取付部152の前面には、操作基板137とスピーカ138が左右方向に並べて取り付けられ、保持筺体取付部152の裏面側には横長の基板からなるY駆動部134とX駆動部135とA駆動部136が取り付けられる。ここで、表示パネル120の横幅一杯までの長さを備えた短冊状のA駆動部136が上方位置で、その下方に横長短冊状のX駆動部135とA駆動部136が取り付けられる。
【0052】
そして、この実施の形態では、L字型の保持筺体170が樹脂材料で形成され、またその内側に必要により導電性の材料で覆った前カバー171と裏面カバー172とで構成し、この2つのカバーを介して基板収納部151と保持筺体取付部152を覆うように挟み込んでネジなどで止めることで、基板収納部151と保持筺体取付部152を隠蔽して意匠性を向上している。
【0053】
なお、この実施の形態に係るスタンド195は、ネジなどを介して保持筺体取付部152に着脱可能に取り付けることができる壁面取り付け兼用構造としている。
【0054】
このように、この実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置100は、通常の構造では、表示パネル120の前面に形成される表示画面101以外は樹脂材料などの成型品で覆う構造としているのに対し、この実施の形態では表示パネル120の裏面側に取り付けられる背面パネル150を大きく露出させて、樹脂材料などの成型品で覆う部分を表示パネル120の片側と下部のみとする構造を採用することで、スリムな薄型構造を実現している。
【0055】
次に、図4を参照して、各装置の配置構造を更に具体的に説明する。図4において、図4(a)はプラズマディスプレイ装置100の中央縦断面図を模式的に示したものである。図4(a)から明らかなように、プラズマディスプレイ装置100の下部に主要な装置を集中することで、低重心の構成を備えている。これに伴い、下部の奥行き寸法が上部の奥行き寸法より大きく(厚く)なっている。
【0056】
図4(b)は、プラズマディスプレイ装置100の上端部の拡大図を示している。表示筺体110の端部を覆う端部部材160は、前面基板121と背面基板124からなる表示パネル120と、この表示パネル120の前後を覆う電波シールドシート130と裏面パネル150の端部を、その内側に嵌合する構造を備えることにより、強度的にも、電波シールド的にも、更には意匠的にも良好なものとしている。
【0057】
一方、表示パネル120の裏面を覆う裏面パネル150は、表示パネル120の一方の片側と、下部に延在して設けられる。
【0058】
図4(c)は、プラズマディスプレイ装置100の横断面図を示している。図4(c)から明らかなように、裏面パネル150の片側の端部は、裏面側に凹状の基板収納部151を形成するように、基板収納部151の前部が表示パネル120の厚さ分(奥行き寸法)前方に張り出して形成される。この折り曲げ加工を施すことにより、裏面パネル150の強度を向上させている。
【0059】
表示パネル120は、前方に張り出した基板収納部151の段差を利用して位置合わせすることができるので、組立性を向上することもできる。
【0060】
凹状の基板収納部151の表示パネル120側の段差部には、上下方向に沿って開口部158が形成され、この開口部158にフレキシブル配線シート131を通すことで、表示パネル120のXY接続部127と凹状の基板収納部151の内側(裏面側)に取り付けられるXY処理部132とを電気的に接続することができる。
【0061】
このように、この実施の形態では、縦長短冊状の基板からなるXY処理部132を表示パネル120の片側に左右に並べて配置することにより、ユーザに目立ちやすいプラズマディスプレイ装置100の上部の厚さを抑えることができる。しかも、XY処理部132は幅方向の寸法が小さいのでプラズマディスプレイ装置100の横幅寸法に大きな影響を与えることなく厚さ(奥行き寸法)を抑えることができる。
【0062】
図4(d)図プラズマディスプレイ装置100の下部の拡大断面図である。図4(d)において、裏面パネル150は、その下端部に形成した保持筺体取付部152の前面上部に表示パネル120の下端部を支持する帯状の保持レール159が形成される。この保持レール159は、基板収納部151の前記段差部とともに、裏面パネル150に表示パネル120を取り付ける際の位置合わせともなるもので、表示パネル120を支持するととともに、裏面パネル150との組立性を向上するものである。
【0063】
この保持レール159と、この保持レール159の近傍の保持筺体取付部152の上部には、保持レール159の長手方向に沿って開口部158が形成される。そして、表示パネル120の下端部の後方となる裏面パネル150の裏面側には、その長手方向を保持レール159の長手方向に沿うようにA駆動部136が重ねて取り付けられる。そして、このA駆動部136と表示パネル120は、前記開口部158を通るフレキシブル配線シート131により電気的に接続される。
【0064】
このように、この実施の形態では、裏面パネル150の前後に表示パネル120とA駆動部136とが対向して取り付けられる。この実施の形態では、裏面パネル150の裏面側上部は、外側に露出する構造としているので、プラズマディスプレイ装置100の背面の下部はA駆動部136の厚さ分だけ後方に張り出すこととなるが、この部分は、ユーザに目立ち難い部分であるとともに、後で述べるように、壁面に取り付ける際の取り付け性を向上することができる。
【0065】
また、A駆動部136の下方の位置となる保持筺体取付部152の裏面側には、Y駆動部134とX駆動部135が、その長手方向をA駆動部136の長手方向と一致するように並べて配置される。この配置構成によれば、裏面パネル150に対し、A駆動部136とY駆動部134及びX駆動部135を同じ厚みで取り付けることとなるので、その裏面側を覆う保持筺体170の部分をフラットとして、当該フラットの形状を利用して、壁面などにプラズマディスプレイ装置100を取り付ける際の取付面155とすることができる。
【0066】
一方、保持筺体取付部152の前面側には、保持レール159の厚さ(奥行き寸法)に合わせて、スタンド195を取り付けたり、更には、操作基板137やスピーカ138などを効率よく配置することができる。
【0067】
次に、図5と図6を参照して、プラズマディスプレイ装置100の外観を更に詳細に説明する。
【0068】
先ず、図5において、この実施の形態に係る表示筺体110は、50インチの表示画面101を想定したものであり、最大の横幅寸法Wを1222mm、高さ寸法Hを727mm、最大奥行き寸法d3を40mmに設定している。この種の50インチ相当の表示画面を備えた従来技術のテレビジョン受像機では、最大の横幅寸法Wが1240mm、高さ寸法Hを836mm、最大奥行き寸法d3を105mmとするものが実施されている。この実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置100では、この従来技術に比べて最大奥行き寸法d3を半分以下に設定することができる。
【0069】
しかも、この実施の形態では、ユーザにとって目立つ部分である表示筺体110の奥行き寸法d1を8mmに設定することができるので、ユーザに薄型の筐体を実感させることができる。また、この実施の形態では、表示筺体110の片側に奥行き寸法d2が25mmの縦長筺体部153が形成される。しかし、この縦長筺体部153の大きさは、細い柱状でしかも、表示筺体110と連続するように形成されるので、奥行き寸法d1を8mmの薄型感を大きく阻害することがない。
【0070】
また、図6において、この実施の形態では、表示筺体110の裏面に張り出して形成される縦長筺体部153は、その両側端部が傾斜面173a、173bで形成される。このため、裏面パネル150と後方に張り出した縦長筺体部153の裏面とが傾斜面173bを介して緩やかに連続されるため、縦長筺体部153の張り出し感を軽減することができる。
【0071】
また、横長筺体部154の裏面を構成するフラットな取付面155は壁面に取り付けるための取付孔174が設けられている。この取付面155の周囲の端部は、上下の傾斜面175a、175bと左右の傾斜面176で形成される。特に、上部の傾斜面175aは、フラットな取付面155と裏面パネル150との段差を無くして2つの部材間を緩やかに連続させることができるので、横長筺体部154の厚みが表示パネル120の薄型感に影響することを軽減することができる。更には、縦長筺体部153の端部側の傾斜面173aと横長筺体部154両側の傾斜面176とは、内側に絞り込まれた連続した傾斜面で形成されるため、縦長筺体部153と横長筺体部154とで構成される保持筺体170の薄型感を向上させている。
【0072】
次に、図7(a)において、この実施の形態では、表示パネル120の裏面を裏面パネル150で構成し、この裏面に露出する裏面パネル150に放熱機能、補強機能、電波シールド機能、外装機能を持たしている。このため、裏面側に大きく露出する裏面パネル150を介して表示パネル120の発熱を効率よく放熱することができる。また、横長筺体部154の背面部は、上下を傾斜面175a、175bで構成することにより、傾斜面175a、175bの面積を広くすることができる。そして、この広い傾斜面175a、175bに通気口156を設けることができる。したがって、横長筺体部154に配置される駆動部133から発生する熱を、吸気口156aから取り込んだ空気で冷やして、その暖められた空気を排気口156bから効率よく排気することができる。
【0073】
一方、吸気口156aから取り込んだ空気は、縦長筺体部153の内部に取り込まれて、基板収納部151に配置されるA駆動部136から発生する熱を奪って煙突効果を利用して効率よく通気口157から排気することができる。
【0074】
また、図7(b)に示すように、プラズマディスプレイ装置100を壁面に取り付ける場合には、板状の壁面取付具196を介して壁面に取り付ける。この設置状態では、プラズマディスプレイ装置100が保持筺体170の裏面側に張り出した取付面155を介して壁面に取り付けられるので、裏面パネル150の裏面側と壁面との間には、この取付面155と裏面パネル150の段差分の隙間197が形成される。したがって、吸気口156aから横長筺体部154に取り込まれた空気は、駆動部133を冷やした後で排気口156bから隙間197に排出され、更に裏面パネル150に触れながら隙間197を上昇することで裏面パネル150を冷やしながら表示筺体110の上方に排出される。このように、この実施の形態では、壁面取り付け時には隙間197の煙突効果を利用して効率よく放熱できるので、放熱効率を向上させることができる。
【0075】
(第2の実施の形態)
次に、図8、図9を参照して、第2の実施の形態を詳細に説明する。ここで、図8は第2の実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の部品展開図である。図9は第2の実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の横断面図である。第1の実施の形態と同一部位や矢印などは同一符号を持って示し、詳細な説明を省略する。
【0076】
図8において、この第2の実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置100aは、裏面パネル150aを表示パネル120の投影面積の大きさとし、基板収納部151aと保持筺体取付部152aとを保持筺体170のシャーシ177に備えている。
【0077】
即ち、この実施の形態に係る表示筺体110aは、表示パネル120と、この表示パネル120の前面を覆う電波シールドシート130と、この表示パネル120の裏面を覆う裏面パネル150aとを含んで構成される。ここで、裏面パネル150aは表示パネル120の投影面積と同じ大きさを備えている。したがって、この表示筺体110aは、矩形状の薄型板状の形状を備えている。
【0078】
一方、保持筺体170は、その内部にプラズマディスプレイ装置100の骨格を成すシャーシ177を備えている。このシャーシ177は、L型の保持筺体170の骨格を成すようにL型の形状を備えている。即ち、このシャーシ177は、縦長筺体部153の内部に配置される縦長シャーシ177aと、この縦長シャーシ177aの下端部から横方向に伸びて横長筺体部154の内部に配置される横長シャーシ177bとが一体で形成される。
【0079】
縦長シャーシ177aは、第1の実施の形態で示した基板収納部151の機能を備えて構成され、横長シャーシ177bは第1の実施の形態で示した保持筺体取付部152の機能を備えて構成される。横長シャーシ177aは、その前部上端に表示パネル120の下端部を挟み込んで支持する保持レール159aが設けられ、縦長シャーシ177aの内側にも、保持レール159aと連続し、表示パネル120の片側端部を挟み込んで支持する支持レール161が形成される。
【0080】
このように、この実施の形態では、保持レール159aと支持レール161を介して表示パネル120の下端部と片側を強度的に支持することができる。また、この保持レール159aと支持レール161には、図示しない開口部158を備えており(図9参照)、この開口部158を通すフレキシブル配線シート131を介して表示パネル120とXY処理部132または駆動部133とを電気的に接続することができる。
【0081】
また、横長シャーシ177bの前部には、操作基板137とスピーカ138が第1の実施の形態と同様に配置され、横長シャーシ177bの後部にはY駆動部134とX駆動部135が前記第1の実施の形態と同様に配置される。そしてまた、A駆動部136もまた、前記第1の実施の形態と同様に、Y駆動部134とX駆動部135の上方位置で、かつ表示パネル120の下方の裏面側に配置される。
【0082】
一方、縦長シャーシ177aは、裏面側が凹状で、前方に表示パネル120の厚さ分だけ張り出して形成される基板収納部151が形成され、この基板収納部151にXY処理部132が取り付けられる。
【0083】
そして、この実施の形態では、シャーシ177に表示パネル120や駆動部133及び操作基板137を取り付けた後で、このシャーシ177を前後から挟み込むように前カバー171と裏面カバー172を取り付けるようにする。
【0084】
図9は、縦長筺体部153近傍の横断面図を示している。図9から明らかなように、縦長シャーシ177aは、裏面側が凹状の断面形状を備えることで基板収納部151aが形成される。そして、基板収納部151の片側に溝形状を備えた支持レール161が形成される。この支持レール161の溝は、同様な形状を備えた保持レール159の溝と連続させることで、表示パネル120を確り保持することができる。そして、基板収納部151にXY処理部132を取り付けて、この縦長シャーシ177aに前カバー171と裏面カバー172を前後から取り付けてネジ止めすることで、プラズマディスプレイ装置100aを組み立てることができる。ここで、スタンド195は、必要により前記横長シャーシ177bに取り付けることで、壁面取付けや床面設置に対応させることができる。
【0085】
(他の応用例)
次に、裏面パネルの他の応用例を詳細に説明する。図10は裏面パネルの他の応用例に係る外観図であり、図10(a)は後方斜視図、図10(b)は要部横断面図である。図11は裏面パネルの他の応用例に係る外観図であり、図11(a)は後方斜視図、図11(b)は要部縦断面図である。
【0086】
図10において、この実施の形態に係る裏面パネル150bは、この裏面パネル150bの裏面側を縦模様の凹凸形状としたものである。この実施の形態によれば、裏面パネル150bの表面積を増やすことができるので、放熱効果を向上させることができる。しかも、この凹凸模様を上下方向の凹凸模様とすることで、図7(b)で説明したように、排気空気の上昇方向とすることができ、放熱効果を一層向上することができる。また、この凹凸模様の形状であれば、軽量化を図りながら溝方向に対する強度を向上することができる。更に、外観を一様な凹凸模様を施すことで、成型や製造過程での歪みや荒さを目立たなくすることができるので、意匠性を向上することができる。
【0087】
図11において、この実施の形態に係る裏面パネル150cは、この裏面パネル150cの周囲を表示パネル120に密着して取り付け、その内部に中空部162を形成することで、裏面パネル150の表面積を増やして、強度的にも、放熱効果の面からも向上が図れるものである。この実施の形態では、裏面パネル150cの中央部を一端立ち上げて隆起させ、この隆起させた部分の一部を逆に凹状の形状とする形状としている。この構造によれば、ユーザに薄さとして目立つ表示筺体110の周囲の端部は、裏面パネル150cと表示パネル120とが密着されるので、ユーザに薄型感を与えることができる。一方、ユーザに見え難い裏面パネル150cの中央部分は裏面側に張り出す形状などで、奥行き寸法は実質的に大きくなるがユーザに与える薄型感にはあまり影響を与えることがない。しかも、この隆起部の形状を多様な形態とすることができるので、前記機能的な効果を得ながら多様な造形を施すことができるので、意匠性を向上させることができる。
【0088】
次に、図12を参照して、駆動部133の他の配置構成を詳細に説明する。図12は、駆動部の他の配置を示すプラズマディスプレイ装置の縦断面図である。
【0089】
この実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置100cでは、第1の実施の形態で採用した裏面パネル150の下部に設けた保持筺体取付部152の前部に駆動部133や操作基板137などを集中配置したものである。なお、XY処理部132を備えた基板収納部151は第1の実施の形態と同様に付き説明を省略する。
【0090】
図12において、この実施の形態では、裏面パネル150を下方に伸ばして保持筺体取付部152を形成する。保持筺体取付部152の上部には保持レール159を形成し、この保持レール159に表示パネル120を支持して、表示パネル120の裏面を裏面パネル150の前面に取り付ける。
【0091】
一方、保持レール159の下方の保持筺体取付部152の前面には、A駆動部136を配置し、その下方にY駆動部134とX駆動部135を左右に並べて配置する。そして、A駆動部136とY駆動部134及びX駆動部135の前面側に操作基板137やスピーカ138を重ねて配置するようにする。ここで、保持レール159には開口部158を形成し、この開口部158を介して、表示パネル120とA駆動部136とを電気的に接続する。そして、保持筺体取付部152の裏面側はスタンド195の取り付け面とする。
【0092】
この実施の形態では、駆動部133と他の操作基板137とを前後に重ねて表示パネル120の下方に集中配置することで、表示筺体110の薄型化を向上させることができる。
【0093】
次に、図13を参照して、表示制御部220の他の配置構成について具体的に説明する。図13は、他の応用例に係るテレビジョン受像機1dの装置ブロック図を示している。なお、図2と同様な部材については同一符号を持って示し、説明を省略する。
【0094】
図13において、この実施の形態に係るテレビジョン受像機1dは、表示制御部220をプラズマディスプレイ装置100側に設けるようにする。この場合、保持筺体170の横長筺体部154に設けるようにし、表示パネル120の裏面側を構成する裏面パネル150を露出するようにする。例えば、図12の保持筺体取付部152を挟んで駆動部133と対向する保持筺体取付部152の裏面側に表示制御部220を設けるようにする。あるいは、スタンド195に表示制御部220を設けるようにする。更には、表示制御部220を独立した筐体内に納めてプラズマディスプレイ装置100の近傍に設置するようにしても良い。
【0095】
これにより、ユーザに目立ち易いプラズマディスプレイ装置100の上部形状を薄くして放熱効率を向上しつつ薄型化が図れるプラズマディスプレイ装置を提供することができる。
【0096】
以上述べたように、この実施の形態に係るテレビジョン受像機は、水平方向に平行に配置されたスキャン電極群とサステイン電極群とが形成され、該スキャン電極群と該サステイン電極群と直交する位置にアドレス電極群を形成し、それらの交点の複数の画素毎の射出光の制御により主面より画像を表示するプラズマディスプレイ装置と、チューナを備えたテレビジョン受像機本体とを含んで構成されるテレビジョン受像機であって、前記プラズマディスプレイ装置は、前記表示パネルを備えた表示筐体と、この表示筐体の一方の片側と下部を保持する保持筐体とを含んで構成され、前記表示パネルは、一方の片側にスキャン電極群とサステイン電極群が接続されるXY接続部、下部に前記アドレス電極群が接続されるA接続部をそれぞれ備え、前記保持筐体は、前記表示筐体の下部を保持する下部筐体に、前記スキャン電極群に維持放電パルスを印加するY駆動部と、前記サステイン電極群に維持放電パルスを印加するX駆動部と、前記アドレス電極群にデータパルスと駆動電圧を供給するA駆動部とを備え、前記表示筐体の一方の片側を保持する前記保持筐体の側筐体に前記X駆動部と前記Y駆動部を前記表示パネルに接続し、各ライン毎に独立してスキャンパルスを印加するXY処理部を備え、前記テレビジョン受像機本体に、前記X駆動部と前記Y駆動部及び前記A駆動部を駆動制御する表示制御部を備え、前記表示筐体は、前記表示パネルの主面となる前部に電波シールドシートで覆い、対向する裏面側に前記表示パネルを強度的に保持し、かつ前記表示パネルの裏面を導電性の部材で覆って外側に露出して配置される裏面パネルを備えるようにする。
【0097】
また、この実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置は、水平方向に平行に配置されたスキャン電極群とサステイン電極群とが形成され、該スキャン電極群と該サステイン電極群と直交する位置にアドレス電極群を形成し、それらの交点の複数の画素毎の射出光の制御により主面より画像を表示するプラズマディスプレイ装置であって、前記表示パネルは、一方の片側にスキャン電極群とサステイン電極群が接続されるXY接続部、下部に前記アドレス電極群が接続されるA接続部をそれぞれ備え、前記保持筐体は、前記表示筐体の下部を保持する下部筐体に、前記スキャン電極群に維持放電パルスを印加するY駆動部と、前記サステイン電極群に維持放電パルスを印加するX駆動部と、前記アドレス電極群にデータパルスと駆動電圧を供給するA駆動部とを備え、前記表示筐体の一方の片側を保持する前記保持筐体の側筐体に前記X駆動部と前記Y駆動部を前記表示パネルに接続し、各ライン毎に独立してスキャンパルスを印加するXY処理部を備え、前記X駆動部と前記Y駆動部及び前記A駆動部はコードを介して接続される表示制御装置を介して駆動制御され、前記表示筐体は、前記表示パネルの主面となる前部に電波シールドシートで覆い、対向する裏面側に前記表示パネルを強度的に保持し、かつ前記表示パネルの裏面を導電性の部材で覆って外側に露出して配置される裏面パネルを備えるようにする。
【0098】
上記テレビジョン受像機やプラズマディスプレイにおいては以下の展開が図れる。
【0099】
即ち、前記X駆動部と前記Y駆動部及び前記A駆動部は、表示パネルの下辺に沿って形成され、前記A駆動部は前記背面パネルを挟んで表示パネルの下端部と対向する裏面側に配置し、その下方に前記X駆動部と前記Y駆動部を左右に並べて配置するようにする。
【0100】
また、この場合、前記側筐体に、前記表示パネルの片側に沿って形成され、該表示パネルと前記XY処理部を左右に並べて配置する基板収納部を設けるようにする。
【0101】
また、この場合、前記裏面パネルは、前記表示パネル裏面を覆う大きさを備え、前記保持筐体は前記表示筐体を保持する保持手段を備えたシャーシを備えているようにする。
【0102】
また更に、前記下部筐体は、前記裏面パネルより後方に張り出して形成され、前記後方に張り出した上面と下面に前記下部筐体内で発生する熱を排気する通風口を備えるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】第1の実施の形態に係るテレビジョン受像機の概略図である。
【図2】第1の実施の形態に係るテレビジョン受像機の装置ブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の部品展開図である。
【図4】第1の実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の断面図である。
【図5】第1の実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の前面側の外観斜視図である。
【図6】第1の実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の裏面側の外観斜視図である。
【図7】第1の実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の排気経路を示す説明図である。
【図8】第2の実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の部品展開図である。
【図9】第2の実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の横断面図である。
【図10】他の応用例に係るプラズマディスプレイ装置の裏面パネルの外観図である。
【図11】他の応用例に係るプラズマディスプレイ装置の裏面パネルの外観図である。
【図12】他の応用例に係るプラズマディスプレイ装置の縦断面図である。
【図13】他の応用例に係るテレビジョン受像機の装置ブロック図である。
【符号の説明】
【0104】
1…テレビジョン受像機、100…プラズマディスプレイ装置、101…表示画面、110…表示筺体、 120…表示パネル、121…前面基板、122…Y電極群、123…X電極群、124…背面基板、125…A電極群、126…セル、127…XY接続部、128…A接続部、130…電波シールドシート、131…フレキシブル配線シート、132…XY処理部、133…駆動部、134…Y駆動部、135…X駆動部、136…A駆動部、137…操作基板、138…スピーカ、139…端子部、150…裏面パネル、151…基板収納部、152…保持筺体取付部、153…縦長筺体部、154…横長筺体部、155…取付面、156…通気口、156a…吸気口、156b…排気口、157…通気口、158…開口部、159…保持レール、160…端部部材、161…支持レール、162…中空部、170…保持筺体、171…前カバー、172…裏面カバー、173a、173b…傾斜面、174…取付孔、175a、175b…傾斜面、176…傾斜面、177…シャーシ、177a…縦長シャーシ、177b…横長シャーシ、195…スタンド、196…壁面取付具、197…隙間、200…テレビジョン受像機本体、220…表示制御部、221…タイミング生成回路、222…電圧生成回路、223…データ処理回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に平行に配置されたスキャン電極群とサステイン電極群とが形成され、該スキャン電極群と該サステイン電極群と直交する位置にアドレス電極群を形成し、それらの交点の複数の画素毎の射出光の制御により主面より画像を表示するプラズマディスプレイ装置と、チューナを備えたテレビジョン受像機本体とを含んで構成されるテレビジョン受像機において、
前記プラズマディスプレイ装置は、前記表示パネルを備えた表示筐体と、この表示筐体の一方の片側と下部を保持する保持筐体とを含んで構成され、
前記表示パネルは、一方の片側に前記スキャン電極群と前記サステイン電極群が接続されるXY接続部、下部に前記アドレス電極群が接続されるA接続部をそれぞれ備え、
前記保持筐体は、前記表示筐体の下部を保持する下部筐体に、前記スキャン電極群に維持放電パルスを印加するY駆動部と、前記サステイン電極群に維持放電パルスを印加するX駆動部と、前記アドレス電極群にデータパルスと駆動電圧を供給するA駆動部とを備え、
前記表示筐体の一方の片側を保持する前記保持筐体の側筐体に前記X駆動部と前記Y駆動部を前記表示パネルに接続し、各ライン毎に独立してスキャンパルスを印加するXY処理部を備え、
前記テレビジョン受像機本体に、前記X駆動部と前記Y駆動部及び前記A駆動部を駆動制御する表示制御部を備え、
前記表示筐体は、前記表示パネルの主面となる前部を電波シールドシートで覆い、対向する裏面側に前記表示パネルを強度的に保持し、かつ前記表示パネルの裏面を導電性の部材で覆って外側に露出して配置される裏面パネルを備えた
ことを特徴とするテレビジョン受像機。
【請求項2】
前記請求項1記載のテレビジョン受像機において、
前記X駆動部と前記Y駆動部及び前記A駆動部は、前記表示パネルの下辺に沿って形成され、前記A駆動部は前記背面パネルを挟んで表示パネルの下端部と対向する裏面側に配置し、その下方に前記X駆動部と前記Y駆動部を左右に並べて配置した
ことを特徴とするテレビジョン受像機。
【請求項3】
前記請求項1または2記載のテレビジョン受像機において、
前記側筐体に、前記表示パネルの片側に沿って形成され、該表示パネルと前記XY処理部を左右に並べて配置する基板収納部を設けた
ことを特徴とするテレビジョン受像機。
【請求項4】
前記請求項1から3の何れかに記載のテレビジョン受像機において、
前記裏面パネルは、前記表示パネル裏面を覆う大きさを備え、
前記保持筐体は、前記表示筐体を保持する保持手段を備えたシャーシを備えている
ことを特徴とするテレビジョン受像機。
【請求項5】
前記請求項1から4の何れかに記載のテレビジョン受像機において、
前記下部筐体は、前記裏面パネルより後方に張り出して形成され、
前記後方に張り出した上面と下面に前記下部筐体内で発生する熱を排気する通風口を備えたことを特徴とするテレビジョン受像機。
【請求項6】
水平方向に平行に配置されたスキャン電極群とサステイン電極群とが形成され、該スキャン電極群と該サステイン電極群と直交する位置にアドレス電極群を形成し、それらの交点の複数の画素毎の射出光の制御により主面より画像を表示するプラズマディスプレイ装置において、
前記プラズマディスプレイ装置は、前記表示パネルを備えた表示筐体と、この表示筐体の一方の片側と下部を保持する保持筐体とを含んで構成され、
前記表示パネルは、一方の片側に前記スキャン電極群と前記サステイン電極群が接続されるXY接続部、下部に前記アドレス電極群が接続されるA接続部をそれぞれ備え、
前記保持筐体は、前記表示筐体の下部を保持する下部筐体に、前記スキャン電極群に維持放電パルスを印加するY駆動部と、前記サステイン電極群に維持放電パルスを印加するX駆動部と、前記アドレス電極群にデータパルスと駆動電圧を供給するA駆動部とを備え、
前記表示筐体の一方の片側を保持する前記保持筐体の側筐体に前記X駆動部と前記Y駆動部を前記表示パネルに接続し、各ライン毎に独立してスキャンパルスを印加するXY処理部を備え、
前記X駆動部と前記Y駆動部及び前記A駆動部は、コードを介して接続される表示制御装置を介して駆動制御され、
前記表示筐体は、前記表示パネルの主面となる前部を電波シールドシートで覆い、対向する裏面側に前記表示パネルを強度的に保持し、かつ前記表示パネルの裏面を導電性の部材で覆って外側に露出して配置される裏面パネルを備えた
ことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項7】
前記請求項6記載のプラズマディスプレイ装置において、
前記X駆動部と前記Y駆動部及び前記A駆動部は、前記表示パネルの下辺に沿って形成され、前記A駆動部は前記背面パネルを挟んで表示パネルの下端部と対向する裏面側に配置し、その下方に前記X駆動部と前記Y駆動部を左右に並べて配置した
ことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項8】
前記請求項6または7記載のプラズマディスプレイ装置において、
前記側筐体に、前記表示パネルの片側に沿って形成され、該表示パネルと前記XY処理部を左右に並べて配置する基板収納部を設けた
ことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項9】
前記請求項6から8の何れかに記載のプラズマディスプレイ装置において、
前記裏面パネルは、前記表示パネル裏面を覆う大きさを備え、
前記保持筐体は前記表示筐体を保持する保持手段を備えたシャーシを備えている
ことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項10】
前記請求項6から9の何れかに記載のプラズマディスプレイ装置において、
前記下部筐体は、前記裏面パネルより後方に張り出して形成され、
前記後方に張り出した上面と下面に前記下部筐体内で発生する熱を排気する通風口を備えたことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−239561(P2009−239561A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−82379(P2008−82379)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】