テレビジョン装置および電子機器
【課題】押付部材による部品の押付状態が変化するのを抑制することが可能なテレビジョン装置および電子機器を得る。
【解決手段】テレビジョン装置あるいは電子機器は、筐体内に収容され、発熱体が実装された基板と、少なくとも一部が筐体内に収容され、発熱体からの熱を受熱する受熱部と、熱を放熱する放熱部と、受熱部から放熱部へ熱を運ぶ媒体を収容した伝熱部と、を有した熱輸送機構と、基板に固定される複数の被固定部と、発熱体上に受熱部または当該受熱部と熱的に接続された放熱ブロックを押し付ける押付部と、被固定部と押付部との間に設けられた複数のアーム部と、押付部材を基板に係合する係合部と、を有した押付部材と、を備えた。
【解決手段】テレビジョン装置あるいは電子機器は、筐体内に収容され、発熱体が実装された基板と、少なくとも一部が筐体内に収容され、発熱体からの熱を受熱する受熱部と、熱を放熱する放熱部と、受熱部から放熱部へ熱を運ぶ媒体を収容した伝熱部と、を有した熱輸送機構と、基板に固定される複数の被固定部と、発熱体上に受熱部または当該受熱部と熱的に接続された放熱ブロックを押し付ける押付部と、被固定部と押付部との間に設けられた複数のアーム部と、押付部材を基板に係合する係合部と、を有した押付部材と、を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、テレビジョン装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヒートパイプの受熱部または当該受熱部と熱的に接続された放熱ブロックを発熱体上に押し付ける押付部材が基板上に固定された電子機器が、知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−101272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器では、押付部材による部品の押付状態が変化するのを抑制することが求められる。
【0005】
そこで、本発明の実施形態は、押付部材による部品の押付状態が変化するのを抑制することが可能なテレビジョン装置および電子機器を得ることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態にかかるテレビジョン装置および電子機器にあっては、筐体内に収容され、発熱体が実装された基板と、少なくとも一部が前記筐体内に収容され、前記発熱体からの熱を受熱する受熱部と、熱を放熱する放熱部と、前記受熱部から前記放熱部へ熱を運ぶ媒体を収容した伝熱部と、を有した熱輸送機構と、前記基板に固定される複数の被固定部と、前記発熱体上に前記受熱部または当該受熱部と熱的に接続された放熱ブロックを押し付ける押付部と、前記被固定部と前記押付部との間に設けられた複数のアーム部と、前記押付部材を前記基板に係合する係合部と、を有した押付部材と、を備えたことを特徴の一つとする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、第1実施形態にかかる電子機器としてのテレビジョン装置の正面図であって、第一の姿勢を示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態にかかるテレビジョン装置の正面図であって、第二の姿勢を示す図である。
【図3】図3は、第1実施形態にかかるテレビジョン装置に含まれる基板の一部を前面側から見た斜視図である。
【図4】図4は、第1実施形態にかかるテレビジョン装置に含まれる基板の一部を後面側から見た斜視図である。
【図5】図5は、第2実施形態にかかる電子機器としてのパーソナルコンピュータの斜視図であって、展開状態を示す図である。
【図6】図6は、図5から第二の本体部のディスプレイパネルを除去した状態を示す図である。
【図7】図7は、第2実施形態にかかるパーソナルコンピュータの第二の本体部の内部のディスプレイパネルを除去した状態での正面図である。
【図8】図8は、第2実施形態にかかるパーソナルコンピュータを背面側から見た斜視図であって、展開状態を示す図である。
【図9】図9は、第2実施形態にかかるパーソナルコンピュータの斜視図であって、第一の使用形態を示す図である。
【図10】図10は、第2実施形態にかかるパーソナルコンピュータの斜視図であって、第二の使用形態を示す図である。
【図11】図11は、第2実施形態にかかるパーソナルコンピュータの斜視図であって、第三の使用形態を示す図である。
【図12】図12は、第2実施形態にかかるパーソナルコンピュータの姿勢を示す平面図であって、(a)は第三の姿勢、(b)は第四の姿勢を示す図である。
【図13】図13は、第2実施形態にかかるパーソナルコンピュータの第二の本体部に含まれる基板アセンブリを後方側(背面側)から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1実施形態>
図1,2に示すように、本実施形態にかかる電子機器としてのテレビジョン装置1は、スタンド2と、当該スタンド2に支持された本体部3と、を備えている。なお、各図中、UPは、使用状態での上方を示す。
【0009】
スタンド2は、基台部2aと、基台部2aから上方に本体部3の中央部の後方まで伸びる脚部2bと、を有している。そして、本体部3の筐体3aの後部(背面部)が、脚部2bの先端部に(いずれも図示せず)、例えばボールジョイントやユニバーサルジョイント等を含んで構成される図示しないヒンジ機構を介して、回動可能に支持されている。このテレビジョン装置1は、所謂ピボット機能を有しており、表示画面4aの一辺4bが上方に位置した横長の第一の姿勢P1(図1)と、表示画面4aの別の一辺4cが上方に位置した縦長の第二の姿勢P2(図2)と、で使用することができる。筐体3aの前面3b等に文字や記号等で使用時の姿勢(例えば上方)を示す表示要素13等の姿勢提示要素を設けることで、ユーザは、第一の姿勢P1および第二の姿勢P2を、認識することができる。
【0010】
本体部3の筐体3aは、その前面3bに設けられた開口部3cから前方に露出する表示画面4aを有した表示装置(ディスプレイ)としてのディスプレイパネル4(例えばLCD(Liquid Crystal Display)等)と、CPU6等の電子部品が実装された基板5aと、を有している。ディスプレイパネル4および基板5aは、筐体3aに、図示しないねじ等によって固定されている。基板5aと当該基板5aに実装された図示しない部品(CPU6等)等によって、基板アセンブリ5が構成されている。なお、図1,2では、CPU6以外の電子部品の図示を省略している。
【0011】
ディスプレイパネル4は、前後方向(図1の紙面に垂直な方向)に薄い扁平な直方体状に形成されている。ディスプレイパネル4は、基板5aに実装された電子部品等で構成された制御回路に含まれる映像信号処理回路(いずれも図示せず)から映像信号を受け取り、その前面側の表示画面4aに、静止画や動画等の映像を表示させる。テレビジョン装置1の制御回路は、映像信号処理回路の他、いずれも図示しないチューナ部や、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)信号処理部、AV(Audio Video)入力端子、リモコン信号受信部、制御部、セレクタ、オンスクリーンディスプレイインタフェース、記憶部(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等)、音声信号処理回路等を有している。基板5a(基板アセンブリ5)は、筐体3a内のディスプレイパネル4の後方(背面側)に収容されている。また、テレビジョン装置1は、音声出力用のアンプやスピーカ等(図示せず)も内蔵している。
【0012】
図1,2に示すように、基板5aには、発熱体および電子部品としてのCPU6が実装されている。また、CPU6のダイ(図示せず)上には放熱ブロック6aが載置され、当該放熱ブロック6a上には熱輸送機構としてのヒートパイプ7の受熱部7aが載置されている。受熱部7aは、基板5aに締結具としてのねじ9等によって固定された押付部材8により、放熱ブロック6a上に押し付けられている。このような構成において、発熱体としてのCPU6で生じた熱は、放熱ブロック6a等を介して受熱部7aに伝達される。
【0013】
熱輸送機構としてのヒートパイプ7は、熱伝導性の比較的高い金属部材(例えば銅合金等)によって構成された例えば長円状の扁平な断面の管を有する。管の一端が受熱部7a、他端が放熱部7b、そしてそれら受熱部7aおよび放熱部7bの間が伝熱部7cである。放熱部7bの管外には、熱伝導性の比較的高い金属部材(例えば銅合金等)の薄板等によって構成されたフィン(図示せず)が取り付けられている。また、筐体3a内の、放熱部7bに隣接した位置には、ファン10が設けられている。ファン10は、基板5aの厚さ方向に薄い扁平な外観を呈し、基板5aの表裏面と垂直な方向に沿う回転軸回りに回転するロータ(図示せず)を有している。そして、ファン10は、電動モータによってロータを回転させることで、例えば回転軸の軸方向の両側(表裏両側)に設けられた吸気口(図示せず)を介して筐体3a内から吸入した空気を、放熱部7bに対向する排気口(図示せず)から排出する。すなわち、ファン10から排出された空気流は、放熱部7bおよびフィン等にあたり、これにより、放熱部7bおよびフィンが冷却される。ファン10は、基板5aの隅部に形成されたL字状の切欠5b内にはめ込まれた状態に配置されている。
【0014】
ヒートパイプ7の管内には、揮発性の比較的高い媒体としての例えば代替フロン等の熱輸送媒体が、封入されている。ヒートパイプ7内では、受熱部7aでCPU6からの熱によって蒸発して気体となった熱輸送媒体は、気体の状態で伝熱部7cを介して放熱部7bへ到達し、放熱部7bで冷却されて凝縮して液体になる。放熱部7bで液体となった熱輸送媒体は、液体の状態で伝熱部7cを介して受熱部7aへ戻り、受熱部7aで蒸発して気体となる。すなわち、熱輸送媒体は、受熱部7aで潜熱を吸収し、放熱部7bで潜熱を放出することにより、熱を受熱部7aから放熱部7bへ輸送する。すなわち、発熱体としてのCPU6で生じた熱は、受熱部7aおよび伝熱部7c(内で流動する熱輸送媒体)を経由して放熱部7bへ輸送され、放熱部7bから空気流に伝達されて、筐体3aに設けられた排気口3dから筐体3aの外へ排出される。
【0015】
ここで、本実施形態では、図1,2を参照すると、第一の姿勢P1(図1)および第二の姿勢P2(図2)の双方で、受熱部7aが放熱部7bの下方に位置していることが理解できよう。熱輸送機構としてのヒートパイプ7では、受熱部7aが放熱部7bより上方に位置した所謂トップヒートの状態になると、液体となった熱輸送媒体が放熱部7bから受熱部7aへ戻りにくくなるため、熱輸送効率すなわち放熱効率が低下してしまう。この点、本実施形態では、正しい姿勢として規定された第一の姿勢P1(図1)および第二の姿勢P2(図2)の双方で、受熱部7aが放熱部7bより下方に位置するため、受熱部7aが放熱部7bより上方に位置することにより熱輸送効率すなわち放熱効率が低下するのを、抑制することができる。
【0016】
また、本実施形態では、放熱部7bは、第一の姿勢P1(図1)および第二の姿勢P2(図2)で上端部となる筐体3aの隅部3eに配置されている。筐体3aの内部では、気流によって熱は上昇しやすい。したがって、放熱部7bが第一の姿勢P1および第二の姿勢P2で上端部となる筐体3aの隅部3eに配置されることで、筐体3aの内部に熱が留まりにくくなる。
【0017】
押付部材8は、押付部8aと、複数のアーム部8bと、を有している。押付部8aは、略矩形の板状に形成され、CPU6上に載置された放熱ブロック6a、および当該放熱ブロック6a上に載置されたヒートパイプ7の受熱部7a上に、載置されている。複数のアーム部8bは、帯状に形成され、押付部8aから外側へ、異なる三方向(図1では、右上方、左下方、および右下方)に向けて延びている。また、これらアーム部8bは、それぞれ、押付部8aから外側へ向かうにつれて上方へも延びている。また、アーム部8bの先端には、基板5aに固定される被固定部としてのブラケット部8cが設けられている。このブラケット部8cに設けられた貫通孔を貫通した固定具としてのねじ9が、基板5aに設けられた被固定部としてのスタッド(図示せず)に固定されることで、押付部材8が基板5aに固定される。ブラケット部8cは、基板5a上に突出したスタッド(図示せず)に固定されるか、あるいは、下方へ屈曲して基板5aの表面へ向かう垂下部(縦壁部、図示せず)を有する。これにより、アーム部8bの先端側(外側)を、基端側(内側)より高く位置づけて、アーム部8bによる押付部8a、ひいては押付部材8による押付対象としての放熱ブロック6aやヒートパイプ7に対する押付力の増大を図っている。
【0018】
また、本実施形態では、押付部材8は、第二のアーム部8dを有する。第二のアーム部8dは、帯状に形成され、押付部8aから外側(図1では左上方)へ向けて延びている。本実施形態では、第二のアーム部8dは、基板5aの前方側の表面としての前面5c(図3参照)とほぼ平行に延びている。第二のアーム部8dの先端には、図3にも示すように、基板5aの前面5cの第一の姿勢P1で上端部となる部分に接触する接触部8eが設けられ、この接触部8eに、二つの係合爪8f,8gが設けられている(図3,4参照)。本実施形態では、係合爪8f,8gは、係合部に相当する。なお、基板5aの前面5cは、発熱体としてのCPU6の実装面であり、かつ、押付部材8が装備される側の基板5aの表面でもある。
【0019】
係合爪8fは、本体部3が第一の姿勢P1にある状態での接触部8eの上端部からその状態で基板5aの上側となる縁(側面)5dに沿って突出する第一の壁部8f1と、第一の壁部8f1の突端から基板5aの後面(表面)5eに沿って突出する第二の壁部8f2とを有している。すなわち、接触部8e、第一の壁部8f1、および第二の壁部8f2は、フック状の外観を呈し、本体部3が第一の姿勢P1にある状態で、基板5aの上側となる縁5dに上方から引っ掛かっている。すなわち、第一の壁部8f1によって、本体部3が第一の姿勢P1にある状態で、押付部材8が基板5aに対して下方へ移動するのが抑制される。また、第二の壁部8f2によって、押付部材8が基板5aの前面5cの法線方向へ移動するのが規制される。第二の壁部8f2による効果は、本体部3が第二の姿勢P2にある状態でも得られる。本実施形態では、第一の壁部8f1は第一の係合部に相当し、第二の壁部8f2は第二の係合部に相当する。
【0020】
一方、係合爪8gは、本体部3が第二の姿勢P2にある状態で、接触部8eの上端部から基板5aの上側となる縁(側面)5fに沿って突出する壁部として構成されている。すなわち、係合爪8gによって、本体部3が第二の姿勢P2にある状態で、押付部材8が基板5aに対して下方へ移動するのが抑制される。本実施形態では、係合爪8gは第一の係合部に相当する。
【0021】
このように、本実施形態では、押付部材8は、係合する方向の異なる複数の係合部として、第一の壁部8f1、第二の壁部8f2、および係合爪8gを有している。よって、本体部3の姿勢が変化するテレビジョン装置1等の電子機器で使用される場合に、押付部材8に作用した外力や、重力、慣性力等によって、押付部材8が所定の位置からずれたり外れたり変形したりするのを抑制しやすくなる。具体的に、本実施形態では、第一の壁部8f1は、第一の姿勢P1で押付部材8が下方へ移動するのを抑制することができ、係合爪8gは第二の姿勢P2で押付部材8が下方へ移動するのを抑制することができる。また、第二の壁部8f2は、押付部材8が基板5aの前面5cから離間する方向へ移動するのを抑制することができる。
【0022】
上述したように、本実施形態では、押付部材8は、ヒートパイプ7の受熱部7aを放熱ブロック6aあるいはCPU6に押し付けている。受熱部7aは、通常、ヒートパイプ7の一端部となっており、その他端側の放熱部7bには、図示しないフィンがはんだ付け等で接合されている。したがって、押付部材8の押付部8aは、ヒートパイプ7を長手方向一端部(受熱部7a)で片持ち支持しており、この押付部8aには、ヒートパイプ7に作用した重力あるいは慣性力等が、外力として入力される。本実施形態では、ヒートパイプ7からの外力は、押付部8aに対して回転モーメント(トルク)として作用する。基板5aの前面5cに沿う方向(面内方向)では、本体部3が第一の姿勢P1(図1)にある状態では、フィンおよびヒートパイプ7に作用する重力によって、図1の反時計回り方向の回転モーメント(M1)が作用する。この反時計回り方向の回転モーメントに対しては、第一の壁部8f1が第一の係合部として機能し、当該回転モーメントによる押付部材8の移動を抑制する。また、本体部3が第二の姿勢P2(図2)にある状態では、フィンおよびヒートパイプ7に作用する重力によって、図2の時計回り方向の回転モーメント(M2)が作用する。この時計回り方向の回転モーメントに対しては、係合爪8gが第一の係合部として機能し、当該回転モーメントによる押付部材8の移動を抑制する。また、基板5aの前面5cと交叉する方向(面外方向)では、本体部3が第一の姿勢P1にある状態ならびに第二の姿勢P2にある状態ともに、フィンおよびヒートパイプ7に作用する重力によって、押付部材8の上部が基板5aの前面5cから離間して前傾する方向の回転モーメントが作用する。この回転モーメントに対しては、第二の壁部8f2が第二の係合部として機能し、当該回転モーメントによる押付部材8の移動を抑制する。この第二の壁部8f2によって、受熱部7aと放熱ブロック6a(CPU6)との接触面積の減少、ひいては熱輸送機構としてのヒートパイプ7による熱輸送性能(放熱性能)の低下を抑制することができる。このように、本実施形態では、係合爪8f,8gによって、押付部材8の回動が抑制されている。
【0023】
また、本実施形態では、第一の壁部8f1、第二の壁部8f2、および係合爪8gが、いずれも、基板5aの周縁部に係合する。よって、基板5aに、貫通孔を設けたりする必要がなく、基板5aに係合する構造を、より簡素な構成として得やすくなる。
【0024】
さらに、本実施形態では、図3,4に示すように、第一の壁部8f1、第二の壁部8f2、および係合爪8gが、基板5aの角部5gに係合する。よって、異なる方向に係合する複数の係合部としての第一の壁部8f1、第二の壁部8f2、および係合爪8gを、集約しやすくなり、複数の係合部を有した押付部材8を、より小さな構成として得やすくなる。
【0025】
特に、本実施形態では、第一の壁部8f1および係合爪8gが、角部5gに接続された二つの周縁部としての縁5d,5fに係合するため、これら第一の壁部8f1および係合爪8gを有した部分の構成を、より小さな構成として得やすくなる。
【0026】
また、本実施形態では、第一の壁部8f1、第二の壁部8f2、および係合爪8gが設けられるベースとしての接触部8eには、貫通孔8hが設けられている。この貫通孔8hには、押付部材8を基板5aに取り付けるねじ、あるいは、基板5aを本体部3の筐体3a等に固定するねじ(図示せず)が挿通される。すなわち、接触部8eは、押付部材8が基板5aに固定される部分としての被固定部に相当する。このような構成により、第一の壁部8f1、第二の壁部8f2、および係合爪8g等の係合部を、押付部材8の他の部分に設けられた場合に比べて、より簡素な構成として得やすくなる。また、基板5aの周縁部や角部5gは、通常、回路が形成されない領域であるため、押付部材8を基板5aに固定する領域として利用しやすい。よって、本実施形態のように、接触部8eが基板5aの周縁部あるいは角部5gに配置されるとともに、当該接触部8eが押付部材8を基板5aに固定される被固定部として用いられることで、比較的簡素な構成による押付部材8の基板5aへの係合と、基板5aにおける回路の実装効率の低減回避とを、両立しやすくなる。
【0027】
<第2実施形態>
本実施形態にかかる電子機器としての所謂ノート型のパーソナルコンピュータ20は、図5に示すように、矩形状の扁平な第一の本体部21と、矩形状の扁平な第二の本体部22と、を備えている。これら第一の本体部21および第二の本体部22は、ジョイント部23を介して、相対回動可能に接続されている。
【0028】
第一の本体部21には、筐体21aの外面としての前面21b側に露出する状態で、前面(表示画面25a)側にタッチパネル24を配した表示装置としてのLCD等のディスプレイパネル25や、押しボタン機構26等が設けられている。一方、第二の本体部22には、筐体22aの外面としての前面22b側に露出する状態で、前面(表示画面28a)側にタッチパネル27を配した表示装置としてのLCD等のディスプレイパネル28や、押しボタン機構29等が設けられている。
【0029】
図5に示す展開状態では、ディスプレイパネル25,28や、押しボタン機構26,29のカバー体26a,29a等が露出し、ユーザが使用可能な状態となる。一方、図示しない折り畳み状態では、前面21b,22b同士が相互に近接した状態で対向して、ディスプレイパネル25,28や、押しボタン機構26,29のカバー体26a,29a等が、筐体21a,22aによって隠された状態となる。本実施形態では、タッチパネル24,27や、押しボタン機構26,29、マイク(図示せず)等が入力操作部に相当し、ディスプレイパネル25,28や、スピーカ(図示せず)等が出力部に相当する。なお、キーボードや、クリックボタン、ポインティングデバイス等(図示せず)を有したパーソナルコンピュータでは、それらキーボードやクリックボタン等も入力操作部となる。
【0030】
ジョイント部23は、第一の本体部21と第二の本体部22とを接続する部品であり、第一の本体部21および第二の本体部22とは別の部品として構成されている。ジョイント部23は、基端側に位置する第一の本体部21の端部21cと、第二の本体部22の端部22cと、を接続している。端部21c,22cの端縁21d,22dの長手方向の中央部には、当該方向の両端部を残して、当該方向の開口幅が長くかつ奥行きの短い矩形状の切欠21e,22eが形成されている。そして、ジョイント部23の半分が一方の切欠21eに挿入され、他の半分がもう一方の切欠22eに挿入されている。ジョイント部23の長さLは、切欠21e,22eの幅より僅かに短い。また、ジョイント部23の幅Wは、折り畳み状態で相互に重なり合った第一の本体部21および第二の本体部22の厚さの合計とほぼ同じである。
【0031】
第一の本体部21とジョイント部23とは、第一のヒンジ機構30Aを介して回動軸Ax1回りに相対回動可能に接続されており、また、第二の本体部22とジョイント部23とは、第二のヒンジ機構30Bを介して回動軸Ax2回りに相対回動可能に接続されている。回動軸Ax1および回動軸Ax2は、相互に平行である。本実施形態では、第一のヒンジ機構30Aおよび第二のヒンジ機構30Bは相互に連動しており、ジョイント部23に対する第一の本体部21の回動軸Ax1回りの相対回動角度と、ジョイント部23に対する第二の本体部22の回動軸Ax2回りの相対回動角度とが、同じである。ただし、これらのジョイント部23に対する相対回動方向は相互に逆である。よって、ユーザが、ジョイント部23に対して第一の本体部21および第二の本体部22のうち一方を開く操作を行うと、パーソナルコンピュータ20は展開状態となり、閉じる操作を行うと、パーソナルコンピュータ20は折り畳み状態となる。また、ユーザが、第一の本体部21および第二の本体部22を開く操作を行うと、パーソナルコンピュータ20は展開状態となり、閉じる操作を行うと、パーソナルコンピュータ20は折り畳み状態となる。
【0032】
本実施形態では、図6,7等に示すように、電子部品37等を含む制御回路の少なくとも一部が実装された基板31a(基板アセンブリ31)は、例えば、第二の本体部22の筐体22a内に配置されている。ディスプレイパネル28および基板31aは、筐体22aに、図示しないねじ等によって固定されている。一方、図8に示すように、第一の本体部21では、ディスプレイパネル25の後面側(背面側)に、機器電源としてのバッテリ32が配置されている。第一の本体部21の後面側には、背面視で矩形状を呈する凹部21fが形成されている。バッテリ32は、この凹部21fを覆う状態で、第一の本体部21の筐体21aに着脱可能に取り付けられる。このように、本実施形態では、CPU38等の主たる電子部品が実装された基板31a(基板アセンブリ31)とバッテリ32とが、第一の本体部21と第二の本体部22とに分けて設けられている。基板アセンブリ31とバッテリ32とが第一の本体部21および第二の本体部22のうち一方に集約された場合、例えば、本体部の厚みが大きくなったり、逆に厚みの制約によってバッテリ32の大きさひいては容量が制限されやすくなったりといった、不都合が生じやすい。この点、本実施形態では、基板アセンブリ31とバッテリ32とが、第一の本体部21と第二の本体部22とに分けて設けられているため、このような不都合が生じるのを回避しやすくなる。ただし、図9に示す第一の使用形態U1で、パーソナルコンピュータ20を、机上等により安定的に載置するため、本実施形態では、第一の本体部21の質量が、第二の本体部22の質量より大きい。本実施形態では、第一の本体部21が、基板アセンブリ31が収容された第二の本体部22にヒンジ機構30A,30Bを介して相対回動可能に接続された別の本体部に相当する。また、第一の本体部21のディスプレイパネル25の表示画面25aが、別の表示画面に相当する。
【0033】
そして、本実施形態にかかるパーソナルコンピュータ20は、図9に示す第一の使用形態U1の他、図10に示す第二の使用形態U2、および、図11に示す第三の使用形態U3で使用されうる。第二の使用形態U2は、図10に示すように、第一の本体部21および第二の本体部22を比較的大きく拡開させた状態で、第一の本体部21の幅方向両側の側縁部21gを両手Hで把持した使用形態である。この使用形態では、ユーザは、第一の本体部21を把持した手Hの親指Tで、押しボタン機構26を操作することができる。また、第三の使用形態U3は、図11に示すように、第一の本体部21および第二の本体部22を比較的大きく拡開させた状態で、第一の本体部21の幅方向一方側の側縁部21hと第二の本体部22の幅方向一方側の側縁部22fとを両手Hで把持した使用形態である。第二の使用形態U2は、第一の使用形態U1とは、ユーザの視野としては同様であるが、ユーザがパーソナルコンピュータ20を机上等に載置して使用するか、立位や座位等で手Hで把持して使用するかの差異がある。一方、第三の使用形態U3は、第一および第二の使用形態U1,U2に対して、ディスプレイパネル25,28の表示画面25a,28aの向きが約90°相違している。
【0034】
すなわち、本実施形態にかかるパーソナルコンピュータ20は、ディスプレイパネル28の表示画面28aの一辺28bが上方に位置した第一の姿勢P1(第一および第二の使用形態U1,U2、図9,10参照)と、表示画面28aの別の一辺28cおよび表示画面25aの一辺25bが上方に位置した第二の姿勢P2(第三の使用形態U3、図11参照)と、で使用することができる。表示画面28aの一辺28bは、第一および第二の本体部21,22の境界部分Bdから離れた一辺である。また、表示画面28aの別の一辺28cおよび表示画面25aの一辺25bは、境界部分Bdを挟んで相互に対向している。本実施形態では、表示画面28aの第一の姿勢P1は、二つの表示画面28a,25aの第三の姿勢P3でもあり、表示画面28aの第二の姿勢P2は二つの表示画面28a,25aの第四の姿勢P4でもある。
【0035】
ディスプレイパネル25,28は、それぞれ、扁平な直方体状に形成されている。ディスプレイパネル25,28は、基板31aに実装された電子部品等で構成された制御回路(いずれも図示せず)から表示信号を受け取り、静止画や動画等の映像を表示する。本実施形態でも、ディスプレイパネル25,28の表示画面25a,28aで表示された映像を示す光は、無色透明のタッチパネル24,27を通過して前方へ出射される。なお、パーソナルコンピュータ20の制御回路は、制御部、記憶部(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等)、インタフェース回路、各種コントローラ等を有している。また、パーソナルコンピュータ20は、音声出力用のスピーカ等(図示せず)も内蔵している。
【0036】
基板31aには、図6,7に示すように、発熱体および電子部品としてのCPU38が実装されている。また、CPU38のダイ(図示せず)上には放熱ブロック38aが載置され、当該放熱ブロック38a上には熱輸送機構としてのヒートパイプ41の受熱部41aが載置されている。受熱部41aは、基板31aに締結具としてのねじ43等によって固定された押付部材42により、放熱ブロック38a上に押し付けられている。このような構成において、発熱体としてのCPU38で生じた熱は、放熱ブロック38a等を介して受熱部41aに伝達される。
【0037】
熱輸送機構としてのヒートパイプ41は、熱伝導性の比較的高い金属部材(例えば銅合金等)によって構成された例えば長円状の扁平な断面の管を有する。管の一端が受熱部41a、他端が放熱部41b、そしてそれら受熱部41aおよび放熱部41bの間が伝熱部41cである。放熱部41bの管外には、熱伝導性の比較的高い金属部材(例えば銅合金等)の薄板等によって構成された複数のフィン41dが設けられている。また、筐体22a内の、放熱部41bに隣接した位置には、ファン40が設けられている。ファン40は、基板31aの厚さ方向に薄い扁平な外観を呈し、基板31aの表裏面と垂直な方向に沿う回転軸回りに回転するロータ(図示せず)を有している。そして、ファン40は、電動モータによってロータを回転させることで、例えば回転軸の軸方向の両側(表裏両側)に設けられた吸気口40aを介して筐体22a内から吸入した空気を、放熱部41bに対向する排気口(図示せず)から排出する。すなわち、ファン40から排出された空気流は、放熱部41bおよびフィン41d等にあたり、これにより、放熱部41bおよびフィンが冷却される。ファン40は、基板31aの隅部に形成されたL字状の切欠31b内にはめ込まれた状態に配置されている。ヒートパイプ41は、上記第1実施形態のヒートパイプ41と同様に機能する。
【0038】
そして、図12に示すように、本実施形態でも、上記第1実施形態と同様に、第一の姿勢P1(図12の(a))および第二の姿勢P2(図12の(b))の双方で、受熱部41aが放熱部41bの下方に位置する。熱輸送機構としてのヒートパイプ41では、受熱部41aが放熱部41bより上方に位置した所謂トップヒートの状態になると、液体となった熱輸送媒体が放熱部41bから受熱部41aへ戻りにくくなるため、熱輸送効率すなわち放熱効率が低下してしまう。この点、本実施形態では、正しい姿勢として規定された第一の姿勢P1および第二の姿勢P2の双方で、受熱部41aが放熱部41bより下方に位置するため、受熱部41aが放熱部41bより上方に位置することにより熱輸送効率すなわち放熱効率が低下するのを、抑制することができる。第一の姿勢P1および第二の姿勢P2は、第二の本体部22の筐体22a内に配置された姿勢センサ(図示せず)の検出結果に基づいて、制御部が表示画面25a,28aに、それぞれの姿勢P1,P2に対応する向きの映像を表示させることで、ユーザに認識させることができる。また、第一の本体部21および第二の本体部22のうち少なくとも一方に、凹凸形状や表示要素等の姿勢提示要素を設けることで、第一の姿勢P1および第二の姿勢P2を、ユーザに認識させることができる。
【0039】
また、本実施形態でも、放熱部41bは、図6,7,12に示すように、第一の姿勢P1および第二の姿勢P2で上端部となる筐体22aの隅部22gに配置されている。筐体22aの内部では、気流によって熱は上昇しやすい。したがって、放熱部41bが第一の姿勢P1および第二の姿勢P2で上端部となる筐体22aの隅部22gに配置されることで、筐体22aの内部に熱が留まりにくくなる。
【0040】
また、図6,7,8に示すように、本実施形態では、排気口22hは、筐体22aの隅部22gの側壁22iに形成されている。よって、ファン40から吹き出され隅部22gに配置された放熱部41bを通過することにより熱せられた空気流が、筐体22aの隅部22gに設けられて放熱部41bの近傍で対向する排気口22hから、より円滑に排出されるため、筐体22a内の内部に熱が留まりにくくなる。
【0041】
また、図12に示すように、本実施形態では、発熱体としてのCPU38が、表示画面28aに対する正面視(すなわち、図12の視線)での第二の本体部22の中央Ctより第二の姿勢P2で上方側となる矩形領域Ar1に配置されている。したがって、筐体22a内で発熱体としてのCPU38の熱によって生じた上昇気流あるいはファン40へ吸い込まれる空気流が筐体22a内の比較的長い距離を移動することによって筐体22a内のより広い範囲の電子部品等が当該熱による影響を受けやすくなるのを、抑制することができる。また、仮に、発熱体としてのCPU38が、中央Ctに位置した場合、筐体22a内の中央Ctより排気口22hの反対側(すなわち、隅部22gの反対側)となる領域で、熱せられた空気が滞留する虞がある。この点、本実施形態では、第一の姿勢P1および第二の姿勢P2ともに、中央Ctより排気口22h側(すなわち、隅部22g側)の領域に発熱体としてのCPU38が配置されるため、熱せられた空気を筐体22a外により排出しやすい。さらに、本実施形態では、ユーザが手Hで第二の本体部22を把持する際、ユーザは、通常、各姿勢で下方となる、中央Ctに対して矩形領域Ar1の反対側となる領域を、手Hで把持する(図10,11参照)。よって、ユーザは、第二の本体部22の、CPU38やヒートパイプ41等から離間した領域を、手Hで把持するため、筐体22aのCPU38やヒートパイプ41等からの熱で暖められた領域を手Hで把持せずに済む。すなわち、ユーザは、パーソナルコンピュータ20を手Hで把持する際、筐体22aが暖められたことに伴う違和感を覚えずに済む。
【0042】
また、本実施形態では、図7,8に示すように、第二の本体部22の筐体22aの第一の本体部21との境界部分Bdに近い位置に、吸気口22jが設けられている。よって、本実施形態では、吸気口22jが排気口22hから離れた位置に設けられるため、吸気口22jから筐体22a内に導入されて排気口22hへ向かう空気流Stfによって、筐体22a内のより広い範囲を冷却しやすくなる。
【0043】
また、図7に示すように、吸気口22jは、基板31aの側外方、すなわち、基板31aの端縁31eより基板31aの表面に沿う方向の外側に配置されている。よって、吸気口22jから導入された空気流が基板31aの表裏両側に分配されやすくなり、当該空気流によって基板31aの表面側および裏面側の双方に実装される電子部品を冷却しやすくなる。なお、吸気口22jを基板31aの端縁31eに対向して配置してもよい。なお、図7には、基板31aの前方側を流れる空気流Stfのみ図示している。
【0044】
そして、本実施形態でも、図6,7,13に示すように、基板31aには、上記第1実施形態と同様の押付部材42が設けられている。この押付部材42は、押付部42aと、複数(本実施形態では三つ)のアーム部42bと、第二のアーム部42dと、を有している。押付部42aは、略矩形の板状に形成され、CPU38上に載置された放熱ブロック38a、および当該放熱ブロック38a上に載置されたヒートパイプ7の受熱部41a上に載置されている。そして、本実施形態にかかる押付部材42の各部(押付部42a、アーム部42b、ブラケット部42c、第二のアーム部42d、接触部42e、係合爪42f,42g(図7,13参照)、および貫通孔42h(図7参照))は、上記第1実施形態にかかる押付部材8の各部(押付部8a、アーム部8b、ブラケット部8c、第二のアーム部8d、接触部8e、係合爪8f,8g、および貫通孔8h)と同様に機能する。
【0045】
ただし、本実施形態では、第二のアーム部42dも、他のアーム部42bと同様、押付部42aに向けて押付力を生じさせている。すなわち、第二のアーム部42dは、押付部42aから外側に向かうにつれて上方へ向かう。そして、第二のアーム部42dの端部には、基板31aの前面31cに向けて垂下する垂下部(縦壁部、図示せず)が設けられている。垂下部の下端部が、接触部42e(図7参照)である。また、本実施形態では、押付部42aには、放熱ブロック38aから上方に突出するピン38bが挿入される貫通孔42iが設けられている。このピン38bと貫通孔42iとの係合により、放熱ブロック38aの押付部材8に対するずれが抑制されている。
【0046】
そして、図13に示すように、係合部としての係合爪42f,42gは、基板31aの角部31hに係合され、係合爪42fは、第一の姿勢P1で上端となる基板31aの縁31fに係合されている。また、係合爪42gは、第二の姿勢P2で上端となる基板31aの縁31gに係合される第一の壁部42g1と、基板31aの後面(表面)31dに係合される第二の壁部42g2と、を有している。また、相互に直交するこれら縁31f,31gにより、基板31aの角部31hが形成されている。このように、本実施形態にかかる押付部材42は、上記第1実施形態の押付部材8と同様の構成を有しているため、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0047】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明を、テレビジョン装置や、表示画面を二つ有するノート型のパーソナルコンピュータとして実施した構成を例示したが、本発明は、少なくとも一つの表示画面を有する他の電子機器、例えば、表示画面が一つのコンピュータ(ノート型、デスクトップ型)や、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートブック、スマートフォン、携帯電話端末等として実施することもできる。
【0048】
また、電子機器、筐体、発熱体、熱輸送機構、受熱部、放熱部、伝熱部、被固定部、放熱ブロック、押付部、アーム部、係合部等のスペック(方式や、構造、形状、材質、大きさ、数、方向、種類、配置等)は、適宜変更して実施することができる。
【0049】
上記の実施形態によれば、押付部材による部品の押付状態が変化するのを抑制することが可能なテレビジョン装置および電子機器を得ることができる。
【符号の説明】
【0050】
1…テレビジョン装置(電子機器)、3a…筐体、5a…基板、5c…前面(表面)、5d,5f…縁、5e…後面(表面)、5g…角部、6…CPU(発熱体、部品)、6a…放熱ブロック(部品)、7…ヒートパイプ(熱輸送機構)、7a…受熱部、7b…放熱部、7c…伝熱部、8b…アーム部、8c…ブラケット部(被固定部)、8d…アーム部、8f,8g…係合爪(係合部)、8f1…第一の壁部(第一の係合部)、8f2…第二の壁部(第二の係合部)、20…パーソナルコンピュータ(電子機器)、22a…筐体、31c…前面(表面)、31d…後面(表面)、31f,31g…縁、31h…角部、38…CPU、38a…放熱ブロック、41…ヒートパイプ(熱輸送機構)、41a…受熱部、41b…放熱部、41c…伝熱部、42…押付部材、42a…押付部、42b…アーム部、42c…ブラケット部(被固定部)、42f,42g…係合爪(係合部)、42g1…第一の壁部(第一の係合部)、42g2…第二の壁部(第二の係合部)。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、テレビジョン装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヒートパイプの受熱部または当該受熱部と熱的に接続された放熱ブロックを発熱体上に押し付ける押付部材が基板上に固定された電子機器が、知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−101272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器では、押付部材による部品の押付状態が変化するのを抑制することが求められる。
【0005】
そこで、本発明の実施形態は、押付部材による部品の押付状態が変化するのを抑制することが可能なテレビジョン装置および電子機器を得ることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態にかかるテレビジョン装置および電子機器にあっては、筐体内に収容され、発熱体が実装された基板と、少なくとも一部が前記筐体内に収容され、前記発熱体からの熱を受熱する受熱部と、熱を放熱する放熱部と、前記受熱部から前記放熱部へ熱を運ぶ媒体を収容した伝熱部と、を有した熱輸送機構と、前記基板に固定される複数の被固定部と、前記発熱体上に前記受熱部または当該受熱部と熱的に接続された放熱ブロックを押し付ける押付部と、前記被固定部と前記押付部との間に設けられた複数のアーム部と、前記押付部材を前記基板に係合する係合部と、を有した押付部材と、を備えたことを特徴の一つとする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、第1実施形態にかかる電子機器としてのテレビジョン装置の正面図であって、第一の姿勢を示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態にかかるテレビジョン装置の正面図であって、第二の姿勢を示す図である。
【図3】図3は、第1実施形態にかかるテレビジョン装置に含まれる基板の一部を前面側から見た斜視図である。
【図4】図4は、第1実施形態にかかるテレビジョン装置に含まれる基板の一部を後面側から見た斜視図である。
【図5】図5は、第2実施形態にかかる電子機器としてのパーソナルコンピュータの斜視図であって、展開状態を示す図である。
【図6】図6は、図5から第二の本体部のディスプレイパネルを除去した状態を示す図である。
【図7】図7は、第2実施形態にかかるパーソナルコンピュータの第二の本体部の内部のディスプレイパネルを除去した状態での正面図である。
【図8】図8は、第2実施形態にかかるパーソナルコンピュータを背面側から見た斜視図であって、展開状態を示す図である。
【図9】図9は、第2実施形態にかかるパーソナルコンピュータの斜視図であって、第一の使用形態を示す図である。
【図10】図10は、第2実施形態にかかるパーソナルコンピュータの斜視図であって、第二の使用形態を示す図である。
【図11】図11は、第2実施形態にかかるパーソナルコンピュータの斜視図であって、第三の使用形態を示す図である。
【図12】図12は、第2実施形態にかかるパーソナルコンピュータの姿勢を示す平面図であって、(a)は第三の姿勢、(b)は第四の姿勢を示す図である。
【図13】図13は、第2実施形態にかかるパーソナルコンピュータの第二の本体部に含まれる基板アセンブリを後方側(背面側)から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1実施形態>
図1,2に示すように、本実施形態にかかる電子機器としてのテレビジョン装置1は、スタンド2と、当該スタンド2に支持された本体部3と、を備えている。なお、各図中、UPは、使用状態での上方を示す。
【0009】
スタンド2は、基台部2aと、基台部2aから上方に本体部3の中央部の後方まで伸びる脚部2bと、を有している。そして、本体部3の筐体3aの後部(背面部)が、脚部2bの先端部に(いずれも図示せず)、例えばボールジョイントやユニバーサルジョイント等を含んで構成される図示しないヒンジ機構を介して、回動可能に支持されている。このテレビジョン装置1は、所謂ピボット機能を有しており、表示画面4aの一辺4bが上方に位置した横長の第一の姿勢P1(図1)と、表示画面4aの別の一辺4cが上方に位置した縦長の第二の姿勢P2(図2)と、で使用することができる。筐体3aの前面3b等に文字や記号等で使用時の姿勢(例えば上方)を示す表示要素13等の姿勢提示要素を設けることで、ユーザは、第一の姿勢P1および第二の姿勢P2を、認識することができる。
【0010】
本体部3の筐体3aは、その前面3bに設けられた開口部3cから前方に露出する表示画面4aを有した表示装置(ディスプレイ)としてのディスプレイパネル4(例えばLCD(Liquid Crystal Display)等)と、CPU6等の電子部品が実装された基板5aと、を有している。ディスプレイパネル4および基板5aは、筐体3aに、図示しないねじ等によって固定されている。基板5aと当該基板5aに実装された図示しない部品(CPU6等)等によって、基板アセンブリ5が構成されている。なお、図1,2では、CPU6以外の電子部品の図示を省略している。
【0011】
ディスプレイパネル4は、前後方向(図1の紙面に垂直な方向)に薄い扁平な直方体状に形成されている。ディスプレイパネル4は、基板5aに実装された電子部品等で構成された制御回路に含まれる映像信号処理回路(いずれも図示せず)から映像信号を受け取り、その前面側の表示画面4aに、静止画や動画等の映像を表示させる。テレビジョン装置1の制御回路は、映像信号処理回路の他、いずれも図示しないチューナ部や、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)信号処理部、AV(Audio Video)入力端子、リモコン信号受信部、制御部、セレクタ、オンスクリーンディスプレイインタフェース、記憶部(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等)、音声信号処理回路等を有している。基板5a(基板アセンブリ5)は、筐体3a内のディスプレイパネル4の後方(背面側)に収容されている。また、テレビジョン装置1は、音声出力用のアンプやスピーカ等(図示せず)も内蔵している。
【0012】
図1,2に示すように、基板5aには、発熱体および電子部品としてのCPU6が実装されている。また、CPU6のダイ(図示せず)上には放熱ブロック6aが載置され、当該放熱ブロック6a上には熱輸送機構としてのヒートパイプ7の受熱部7aが載置されている。受熱部7aは、基板5aに締結具としてのねじ9等によって固定された押付部材8により、放熱ブロック6a上に押し付けられている。このような構成において、発熱体としてのCPU6で生じた熱は、放熱ブロック6a等を介して受熱部7aに伝達される。
【0013】
熱輸送機構としてのヒートパイプ7は、熱伝導性の比較的高い金属部材(例えば銅合金等)によって構成された例えば長円状の扁平な断面の管を有する。管の一端が受熱部7a、他端が放熱部7b、そしてそれら受熱部7aおよび放熱部7bの間が伝熱部7cである。放熱部7bの管外には、熱伝導性の比較的高い金属部材(例えば銅合金等)の薄板等によって構成されたフィン(図示せず)が取り付けられている。また、筐体3a内の、放熱部7bに隣接した位置には、ファン10が設けられている。ファン10は、基板5aの厚さ方向に薄い扁平な外観を呈し、基板5aの表裏面と垂直な方向に沿う回転軸回りに回転するロータ(図示せず)を有している。そして、ファン10は、電動モータによってロータを回転させることで、例えば回転軸の軸方向の両側(表裏両側)に設けられた吸気口(図示せず)を介して筐体3a内から吸入した空気を、放熱部7bに対向する排気口(図示せず)から排出する。すなわち、ファン10から排出された空気流は、放熱部7bおよびフィン等にあたり、これにより、放熱部7bおよびフィンが冷却される。ファン10は、基板5aの隅部に形成されたL字状の切欠5b内にはめ込まれた状態に配置されている。
【0014】
ヒートパイプ7の管内には、揮発性の比較的高い媒体としての例えば代替フロン等の熱輸送媒体が、封入されている。ヒートパイプ7内では、受熱部7aでCPU6からの熱によって蒸発して気体となった熱輸送媒体は、気体の状態で伝熱部7cを介して放熱部7bへ到達し、放熱部7bで冷却されて凝縮して液体になる。放熱部7bで液体となった熱輸送媒体は、液体の状態で伝熱部7cを介して受熱部7aへ戻り、受熱部7aで蒸発して気体となる。すなわち、熱輸送媒体は、受熱部7aで潜熱を吸収し、放熱部7bで潜熱を放出することにより、熱を受熱部7aから放熱部7bへ輸送する。すなわち、発熱体としてのCPU6で生じた熱は、受熱部7aおよび伝熱部7c(内で流動する熱輸送媒体)を経由して放熱部7bへ輸送され、放熱部7bから空気流に伝達されて、筐体3aに設けられた排気口3dから筐体3aの外へ排出される。
【0015】
ここで、本実施形態では、図1,2を参照すると、第一の姿勢P1(図1)および第二の姿勢P2(図2)の双方で、受熱部7aが放熱部7bの下方に位置していることが理解できよう。熱輸送機構としてのヒートパイプ7では、受熱部7aが放熱部7bより上方に位置した所謂トップヒートの状態になると、液体となった熱輸送媒体が放熱部7bから受熱部7aへ戻りにくくなるため、熱輸送効率すなわち放熱効率が低下してしまう。この点、本実施形態では、正しい姿勢として規定された第一の姿勢P1(図1)および第二の姿勢P2(図2)の双方で、受熱部7aが放熱部7bより下方に位置するため、受熱部7aが放熱部7bより上方に位置することにより熱輸送効率すなわち放熱効率が低下するのを、抑制することができる。
【0016】
また、本実施形態では、放熱部7bは、第一の姿勢P1(図1)および第二の姿勢P2(図2)で上端部となる筐体3aの隅部3eに配置されている。筐体3aの内部では、気流によって熱は上昇しやすい。したがって、放熱部7bが第一の姿勢P1および第二の姿勢P2で上端部となる筐体3aの隅部3eに配置されることで、筐体3aの内部に熱が留まりにくくなる。
【0017】
押付部材8は、押付部8aと、複数のアーム部8bと、を有している。押付部8aは、略矩形の板状に形成され、CPU6上に載置された放熱ブロック6a、および当該放熱ブロック6a上に載置されたヒートパイプ7の受熱部7a上に、載置されている。複数のアーム部8bは、帯状に形成され、押付部8aから外側へ、異なる三方向(図1では、右上方、左下方、および右下方)に向けて延びている。また、これらアーム部8bは、それぞれ、押付部8aから外側へ向かうにつれて上方へも延びている。また、アーム部8bの先端には、基板5aに固定される被固定部としてのブラケット部8cが設けられている。このブラケット部8cに設けられた貫通孔を貫通した固定具としてのねじ9が、基板5aに設けられた被固定部としてのスタッド(図示せず)に固定されることで、押付部材8が基板5aに固定される。ブラケット部8cは、基板5a上に突出したスタッド(図示せず)に固定されるか、あるいは、下方へ屈曲して基板5aの表面へ向かう垂下部(縦壁部、図示せず)を有する。これにより、アーム部8bの先端側(外側)を、基端側(内側)より高く位置づけて、アーム部8bによる押付部8a、ひいては押付部材8による押付対象としての放熱ブロック6aやヒートパイプ7に対する押付力の増大を図っている。
【0018】
また、本実施形態では、押付部材8は、第二のアーム部8dを有する。第二のアーム部8dは、帯状に形成され、押付部8aから外側(図1では左上方)へ向けて延びている。本実施形態では、第二のアーム部8dは、基板5aの前方側の表面としての前面5c(図3参照)とほぼ平行に延びている。第二のアーム部8dの先端には、図3にも示すように、基板5aの前面5cの第一の姿勢P1で上端部となる部分に接触する接触部8eが設けられ、この接触部8eに、二つの係合爪8f,8gが設けられている(図3,4参照)。本実施形態では、係合爪8f,8gは、係合部に相当する。なお、基板5aの前面5cは、発熱体としてのCPU6の実装面であり、かつ、押付部材8が装備される側の基板5aの表面でもある。
【0019】
係合爪8fは、本体部3が第一の姿勢P1にある状態での接触部8eの上端部からその状態で基板5aの上側となる縁(側面)5dに沿って突出する第一の壁部8f1と、第一の壁部8f1の突端から基板5aの後面(表面)5eに沿って突出する第二の壁部8f2とを有している。すなわち、接触部8e、第一の壁部8f1、および第二の壁部8f2は、フック状の外観を呈し、本体部3が第一の姿勢P1にある状態で、基板5aの上側となる縁5dに上方から引っ掛かっている。すなわち、第一の壁部8f1によって、本体部3が第一の姿勢P1にある状態で、押付部材8が基板5aに対して下方へ移動するのが抑制される。また、第二の壁部8f2によって、押付部材8が基板5aの前面5cの法線方向へ移動するのが規制される。第二の壁部8f2による効果は、本体部3が第二の姿勢P2にある状態でも得られる。本実施形態では、第一の壁部8f1は第一の係合部に相当し、第二の壁部8f2は第二の係合部に相当する。
【0020】
一方、係合爪8gは、本体部3が第二の姿勢P2にある状態で、接触部8eの上端部から基板5aの上側となる縁(側面)5fに沿って突出する壁部として構成されている。すなわち、係合爪8gによって、本体部3が第二の姿勢P2にある状態で、押付部材8が基板5aに対して下方へ移動するのが抑制される。本実施形態では、係合爪8gは第一の係合部に相当する。
【0021】
このように、本実施形態では、押付部材8は、係合する方向の異なる複数の係合部として、第一の壁部8f1、第二の壁部8f2、および係合爪8gを有している。よって、本体部3の姿勢が変化するテレビジョン装置1等の電子機器で使用される場合に、押付部材8に作用した外力や、重力、慣性力等によって、押付部材8が所定の位置からずれたり外れたり変形したりするのを抑制しやすくなる。具体的に、本実施形態では、第一の壁部8f1は、第一の姿勢P1で押付部材8が下方へ移動するのを抑制することができ、係合爪8gは第二の姿勢P2で押付部材8が下方へ移動するのを抑制することができる。また、第二の壁部8f2は、押付部材8が基板5aの前面5cから離間する方向へ移動するのを抑制することができる。
【0022】
上述したように、本実施形態では、押付部材8は、ヒートパイプ7の受熱部7aを放熱ブロック6aあるいはCPU6に押し付けている。受熱部7aは、通常、ヒートパイプ7の一端部となっており、その他端側の放熱部7bには、図示しないフィンがはんだ付け等で接合されている。したがって、押付部材8の押付部8aは、ヒートパイプ7を長手方向一端部(受熱部7a)で片持ち支持しており、この押付部8aには、ヒートパイプ7に作用した重力あるいは慣性力等が、外力として入力される。本実施形態では、ヒートパイプ7からの外力は、押付部8aに対して回転モーメント(トルク)として作用する。基板5aの前面5cに沿う方向(面内方向)では、本体部3が第一の姿勢P1(図1)にある状態では、フィンおよびヒートパイプ7に作用する重力によって、図1の反時計回り方向の回転モーメント(M1)が作用する。この反時計回り方向の回転モーメントに対しては、第一の壁部8f1が第一の係合部として機能し、当該回転モーメントによる押付部材8の移動を抑制する。また、本体部3が第二の姿勢P2(図2)にある状態では、フィンおよびヒートパイプ7に作用する重力によって、図2の時計回り方向の回転モーメント(M2)が作用する。この時計回り方向の回転モーメントに対しては、係合爪8gが第一の係合部として機能し、当該回転モーメントによる押付部材8の移動を抑制する。また、基板5aの前面5cと交叉する方向(面外方向)では、本体部3が第一の姿勢P1にある状態ならびに第二の姿勢P2にある状態ともに、フィンおよびヒートパイプ7に作用する重力によって、押付部材8の上部が基板5aの前面5cから離間して前傾する方向の回転モーメントが作用する。この回転モーメントに対しては、第二の壁部8f2が第二の係合部として機能し、当該回転モーメントによる押付部材8の移動を抑制する。この第二の壁部8f2によって、受熱部7aと放熱ブロック6a(CPU6)との接触面積の減少、ひいては熱輸送機構としてのヒートパイプ7による熱輸送性能(放熱性能)の低下を抑制することができる。このように、本実施形態では、係合爪8f,8gによって、押付部材8の回動が抑制されている。
【0023】
また、本実施形態では、第一の壁部8f1、第二の壁部8f2、および係合爪8gが、いずれも、基板5aの周縁部に係合する。よって、基板5aに、貫通孔を設けたりする必要がなく、基板5aに係合する構造を、より簡素な構成として得やすくなる。
【0024】
さらに、本実施形態では、図3,4に示すように、第一の壁部8f1、第二の壁部8f2、および係合爪8gが、基板5aの角部5gに係合する。よって、異なる方向に係合する複数の係合部としての第一の壁部8f1、第二の壁部8f2、および係合爪8gを、集約しやすくなり、複数の係合部を有した押付部材8を、より小さな構成として得やすくなる。
【0025】
特に、本実施形態では、第一の壁部8f1および係合爪8gが、角部5gに接続された二つの周縁部としての縁5d,5fに係合するため、これら第一の壁部8f1および係合爪8gを有した部分の構成を、より小さな構成として得やすくなる。
【0026】
また、本実施形態では、第一の壁部8f1、第二の壁部8f2、および係合爪8gが設けられるベースとしての接触部8eには、貫通孔8hが設けられている。この貫通孔8hには、押付部材8を基板5aに取り付けるねじ、あるいは、基板5aを本体部3の筐体3a等に固定するねじ(図示せず)が挿通される。すなわち、接触部8eは、押付部材8が基板5aに固定される部分としての被固定部に相当する。このような構成により、第一の壁部8f1、第二の壁部8f2、および係合爪8g等の係合部を、押付部材8の他の部分に設けられた場合に比べて、より簡素な構成として得やすくなる。また、基板5aの周縁部や角部5gは、通常、回路が形成されない領域であるため、押付部材8を基板5aに固定する領域として利用しやすい。よって、本実施形態のように、接触部8eが基板5aの周縁部あるいは角部5gに配置されるとともに、当該接触部8eが押付部材8を基板5aに固定される被固定部として用いられることで、比較的簡素な構成による押付部材8の基板5aへの係合と、基板5aにおける回路の実装効率の低減回避とを、両立しやすくなる。
【0027】
<第2実施形態>
本実施形態にかかる電子機器としての所謂ノート型のパーソナルコンピュータ20は、図5に示すように、矩形状の扁平な第一の本体部21と、矩形状の扁平な第二の本体部22と、を備えている。これら第一の本体部21および第二の本体部22は、ジョイント部23を介して、相対回動可能に接続されている。
【0028】
第一の本体部21には、筐体21aの外面としての前面21b側に露出する状態で、前面(表示画面25a)側にタッチパネル24を配した表示装置としてのLCD等のディスプレイパネル25や、押しボタン機構26等が設けられている。一方、第二の本体部22には、筐体22aの外面としての前面22b側に露出する状態で、前面(表示画面28a)側にタッチパネル27を配した表示装置としてのLCD等のディスプレイパネル28や、押しボタン機構29等が設けられている。
【0029】
図5に示す展開状態では、ディスプレイパネル25,28や、押しボタン機構26,29のカバー体26a,29a等が露出し、ユーザが使用可能な状態となる。一方、図示しない折り畳み状態では、前面21b,22b同士が相互に近接した状態で対向して、ディスプレイパネル25,28や、押しボタン機構26,29のカバー体26a,29a等が、筐体21a,22aによって隠された状態となる。本実施形態では、タッチパネル24,27や、押しボタン機構26,29、マイク(図示せず)等が入力操作部に相当し、ディスプレイパネル25,28や、スピーカ(図示せず)等が出力部に相当する。なお、キーボードや、クリックボタン、ポインティングデバイス等(図示せず)を有したパーソナルコンピュータでは、それらキーボードやクリックボタン等も入力操作部となる。
【0030】
ジョイント部23は、第一の本体部21と第二の本体部22とを接続する部品であり、第一の本体部21および第二の本体部22とは別の部品として構成されている。ジョイント部23は、基端側に位置する第一の本体部21の端部21cと、第二の本体部22の端部22cと、を接続している。端部21c,22cの端縁21d,22dの長手方向の中央部には、当該方向の両端部を残して、当該方向の開口幅が長くかつ奥行きの短い矩形状の切欠21e,22eが形成されている。そして、ジョイント部23の半分が一方の切欠21eに挿入され、他の半分がもう一方の切欠22eに挿入されている。ジョイント部23の長さLは、切欠21e,22eの幅より僅かに短い。また、ジョイント部23の幅Wは、折り畳み状態で相互に重なり合った第一の本体部21および第二の本体部22の厚さの合計とほぼ同じである。
【0031】
第一の本体部21とジョイント部23とは、第一のヒンジ機構30Aを介して回動軸Ax1回りに相対回動可能に接続されており、また、第二の本体部22とジョイント部23とは、第二のヒンジ機構30Bを介して回動軸Ax2回りに相対回動可能に接続されている。回動軸Ax1および回動軸Ax2は、相互に平行である。本実施形態では、第一のヒンジ機構30Aおよび第二のヒンジ機構30Bは相互に連動しており、ジョイント部23に対する第一の本体部21の回動軸Ax1回りの相対回動角度と、ジョイント部23に対する第二の本体部22の回動軸Ax2回りの相対回動角度とが、同じである。ただし、これらのジョイント部23に対する相対回動方向は相互に逆である。よって、ユーザが、ジョイント部23に対して第一の本体部21および第二の本体部22のうち一方を開く操作を行うと、パーソナルコンピュータ20は展開状態となり、閉じる操作を行うと、パーソナルコンピュータ20は折り畳み状態となる。また、ユーザが、第一の本体部21および第二の本体部22を開く操作を行うと、パーソナルコンピュータ20は展開状態となり、閉じる操作を行うと、パーソナルコンピュータ20は折り畳み状態となる。
【0032】
本実施形態では、図6,7等に示すように、電子部品37等を含む制御回路の少なくとも一部が実装された基板31a(基板アセンブリ31)は、例えば、第二の本体部22の筐体22a内に配置されている。ディスプレイパネル28および基板31aは、筐体22aに、図示しないねじ等によって固定されている。一方、図8に示すように、第一の本体部21では、ディスプレイパネル25の後面側(背面側)に、機器電源としてのバッテリ32が配置されている。第一の本体部21の後面側には、背面視で矩形状を呈する凹部21fが形成されている。バッテリ32は、この凹部21fを覆う状態で、第一の本体部21の筐体21aに着脱可能に取り付けられる。このように、本実施形態では、CPU38等の主たる電子部品が実装された基板31a(基板アセンブリ31)とバッテリ32とが、第一の本体部21と第二の本体部22とに分けて設けられている。基板アセンブリ31とバッテリ32とが第一の本体部21および第二の本体部22のうち一方に集約された場合、例えば、本体部の厚みが大きくなったり、逆に厚みの制約によってバッテリ32の大きさひいては容量が制限されやすくなったりといった、不都合が生じやすい。この点、本実施形態では、基板アセンブリ31とバッテリ32とが、第一の本体部21と第二の本体部22とに分けて設けられているため、このような不都合が生じるのを回避しやすくなる。ただし、図9に示す第一の使用形態U1で、パーソナルコンピュータ20を、机上等により安定的に載置するため、本実施形態では、第一の本体部21の質量が、第二の本体部22の質量より大きい。本実施形態では、第一の本体部21が、基板アセンブリ31が収容された第二の本体部22にヒンジ機構30A,30Bを介して相対回動可能に接続された別の本体部に相当する。また、第一の本体部21のディスプレイパネル25の表示画面25aが、別の表示画面に相当する。
【0033】
そして、本実施形態にかかるパーソナルコンピュータ20は、図9に示す第一の使用形態U1の他、図10に示す第二の使用形態U2、および、図11に示す第三の使用形態U3で使用されうる。第二の使用形態U2は、図10に示すように、第一の本体部21および第二の本体部22を比較的大きく拡開させた状態で、第一の本体部21の幅方向両側の側縁部21gを両手Hで把持した使用形態である。この使用形態では、ユーザは、第一の本体部21を把持した手Hの親指Tで、押しボタン機構26を操作することができる。また、第三の使用形態U3は、図11に示すように、第一の本体部21および第二の本体部22を比較的大きく拡開させた状態で、第一の本体部21の幅方向一方側の側縁部21hと第二の本体部22の幅方向一方側の側縁部22fとを両手Hで把持した使用形態である。第二の使用形態U2は、第一の使用形態U1とは、ユーザの視野としては同様であるが、ユーザがパーソナルコンピュータ20を机上等に載置して使用するか、立位や座位等で手Hで把持して使用するかの差異がある。一方、第三の使用形態U3は、第一および第二の使用形態U1,U2に対して、ディスプレイパネル25,28の表示画面25a,28aの向きが約90°相違している。
【0034】
すなわち、本実施形態にかかるパーソナルコンピュータ20は、ディスプレイパネル28の表示画面28aの一辺28bが上方に位置した第一の姿勢P1(第一および第二の使用形態U1,U2、図9,10参照)と、表示画面28aの別の一辺28cおよび表示画面25aの一辺25bが上方に位置した第二の姿勢P2(第三の使用形態U3、図11参照)と、で使用することができる。表示画面28aの一辺28bは、第一および第二の本体部21,22の境界部分Bdから離れた一辺である。また、表示画面28aの別の一辺28cおよび表示画面25aの一辺25bは、境界部分Bdを挟んで相互に対向している。本実施形態では、表示画面28aの第一の姿勢P1は、二つの表示画面28a,25aの第三の姿勢P3でもあり、表示画面28aの第二の姿勢P2は二つの表示画面28a,25aの第四の姿勢P4でもある。
【0035】
ディスプレイパネル25,28は、それぞれ、扁平な直方体状に形成されている。ディスプレイパネル25,28は、基板31aに実装された電子部品等で構成された制御回路(いずれも図示せず)から表示信号を受け取り、静止画や動画等の映像を表示する。本実施形態でも、ディスプレイパネル25,28の表示画面25a,28aで表示された映像を示す光は、無色透明のタッチパネル24,27を通過して前方へ出射される。なお、パーソナルコンピュータ20の制御回路は、制御部、記憶部(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等)、インタフェース回路、各種コントローラ等を有している。また、パーソナルコンピュータ20は、音声出力用のスピーカ等(図示せず)も内蔵している。
【0036】
基板31aには、図6,7に示すように、発熱体および電子部品としてのCPU38が実装されている。また、CPU38のダイ(図示せず)上には放熱ブロック38aが載置され、当該放熱ブロック38a上には熱輸送機構としてのヒートパイプ41の受熱部41aが載置されている。受熱部41aは、基板31aに締結具としてのねじ43等によって固定された押付部材42により、放熱ブロック38a上に押し付けられている。このような構成において、発熱体としてのCPU38で生じた熱は、放熱ブロック38a等を介して受熱部41aに伝達される。
【0037】
熱輸送機構としてのヒートパイプ41は、熱伝導性の比較的高い金属部材(例えば銅合金等)によって構成された例えば長円状の扁平な断面の管を有する。管の一端が受熱部41a、他端が放熱部41b、そしてそれら受熱部41aおよび放熱部41bの間が伝熱部41cである。放熱部41bの管外には、熱伝導性の比較的高い金属部材(例えば銅合金等)の薄板等によって構成された複数のフィン41dが設けられている。また、筐体22a内の、放熱部41bに隣接した位置には、ファン40が設けられている。ファン40は、基板31aの厚さ方向に薄い扁平な外観を呈し、基板31aの表裏面と垂直な方向に沿う回転軸回りに回転するロータ(図示せず)を有している。そして、ファン40は、電動モータによってロータを回転させることで、例えば回転軸の軸方向の両側(表裏両側)に設けられた吸気口40aを介して筐体22a内から吸入した空気を、放熱部41bに対向する排気口(図示せず)から排出する。すなわち、ファン40から排出された空気流は、放熱部41bおよびフィン41d等にあたり、これにより、放熱部41bおよびフィンが冷却される。ファン40は、基板31aの隅部に形成されたL字状の切欠31b内にはめ込まれた状態に配置されている。ヒートパイプ41は、上記第1実施形態のヒートパイプ41と同様に機能する。
【0038】
そして、図12に示すように、本実施形態でも、上記第1実施形態と同様に、第一の姿勢P1(図12の(a))および第二の姿勢P2(図12の(b))の双方で、受熱部41aが放熱部41bの下方に位置する。熱輸送機構としてのヒートパイプ41では、受熱部41aが放熱部41bより上方に位置した所謂トップヒートの状態になると、液体となった熱輸送媒体が放熱部41bから受熱部41aへ戻りにくくなるため、熱輸送効率すなわち放熱効率が低下してしまう。この点、本実施形態では、正しい姿勢として規定された第一の姿勢P1および第二の姿勢P2の双方で、受熱部41aが放熱部41bより下方に位置するため、受熱部41aが放熱部41bより上方に位置することにより熱輸送効率すなわち放熱効率が低下するのを、抑制することができる。第一の姿勢P1および第二の姿勢P2は、第二の本体部22の筐体22a内に配置された姿勢センサ(図示せず)の検出結果に基づいて、制御部が表示画面25a,28aに、それぞれの姿勢P1,P2に対応する向きの映像を表示させることで、ユーザに認識させることができる。また、第一の本体部21および第二の本体部22のうち少なくとも一方に、凹凸形状や表示要素等の姿勢提示要素を設けることで、第一の姿勢P1および第二の姿勢P2を、ユーザに認識させることができる。
【0039】
また、本実施形態でも、放熱部41bは、図6,7,12に示すように、第一の姿勢P1および第二の姿勢P2で上端部となる筐体22aの隅部22gに配置されている。筐体22aの内部では、気流によって熱は上昇しやすい。したがって、放熱部41bが第一の姿勢P1および第二の姿勢P2で上端部となる筐体22aの隅部22gに配置されることで、筐体22aの内部に熱が留まりにくくなる。
【0040】
また、図6,7,8に示すように、本実施形態では、排気口22hは、筐体22aの隅部22gの側壁22iに形成されている。よって、ファン40から吹き出され隅部22gに配置された放熱部41bを通過することにより熱せられた空気流が、筐体22aの隅部22gに設けられて放熱部41bの近傍で対向する排気口22hから、より円滑に排出されるため、筐体22a内の内部に熱が留まりにくくなる。
【0041】
また、図12に示すように、本実施形態では、発熱体としてのCPU38が、表示画面28aに対する正面視(すなわち、図12の視線)での第二の本体部22の中央Ctより第二の姿勢P2で上方側となる矩形領域Ar1に配置されている。したがって、筐体22a内で発熱体としてのCPU38の熱によって生じた上昇気流あるいはファン40へ吸い込まれる空気流が筐体22a内の比較的長い距離を移動することによって筐体22a内のより広い範囲の電子部品等が当該熱による影響を受けやすくなるのを、抑制することができる。また、仮に、発熱体としてのCPU38が、中央Ctに位置した場合、筐体22a内の中央Ctより排気口22hの反対側(すなわち、隅部22gの反対側)となる領域で、熱せられた空気が滞留する虞がある。この点、本実施形態では、第一の姿勢P1および第二の姿勢P2ともに、中央Ctより排気口22h側(すなわち、隅部22g側)の領域に発熱体としてのCPU38が配置されるため、熱せられた空気を筐体22a外により排出しやすい。さらに、本実施形態では、ユーザが手Hで第二の本体部22を把持する際、ユーザは、通常、各姿勢で下方となる、中央Ctに対して矩形領域Ar1の反対側となる領域を、手Hで把持する(図10,11参照)。よって、ユーザは、第二の本体部22の、CPU38やヒートパイプ41等から離間した領域を、手Hで把持するため、筐体22aのCPU38やヒートパイプ41等からの熱で暖められた領域を手Hで把持せずに済む。すなわち、ユーザは、パーソナルコンピュータ20を手Hで把持する際、筐体22aが暖められたことに伴う違和感を覚えずに済む。
【0042】
また、本実施形態では、図7,8に示すように、第二の本体部22の筐体22aの第一の本体部21との境界部分Bdに近い位置に、吸気口22jが設けられている。よって、本実施形態では、吸気口22jが排気口22hから離れた位置に設けられるため、吸気口22jから筐体22a内に導入されて排気口22hへ向かう空気流Stfによって、筐体22a内のより広い範囲を冷却しやすくなる。
【0043】
また、図7に示すように、吸気口22jは、基板31aの側外方、すなわち、基板31aの端縁31eより基板31aの表面に沿う方向の外側に配置されている。よって、吸気口22jから導入された空気流が基板31aの表裏両側に分配されやすくなり、当該空気流によって基板31aの表面側および裏面側の双方に実装される電子部品を冷却しやすくなる。なお、吸気口22jを基板31aの端縁31eに対向して配置してもよい。なお、図7には、基板31aの前方側を流れる空気流Stfのみ図示している。
【0044】
そして、本実施形態でも、図6,7,13に示すように、基板31aには、上記第1実施形態と同様の押付部材42が設けられている。この押付部材42は、押付部42aと、複数(本実施形態では三つ)のアーム部42bと、第二のアーム部42dと、を有している。押付部42aは、略矩形の板状に形成され、CPU38上に載置された放熱ブロック38a、および当該放熱ブロック38a上に載置されたヒートパイプ7の受熱部41a上に載置されている。そして、本実施形態にかかる押付部材42の各部(押付部42a、アーム部42b、ブラケット部42c、第二のアーム部42d、接触部42e、係合爪42f,42g(図7,13参照)、および貫通孔42h(図7参照))は、上記第1実施形態にかかる押付部材8の各部(押付部8a、アーム部8b、ブラケット部8c、第二のアーム部8d、接触部8e、係合爪8f,8g、および貫通孔8h)と同様に機能する。
【0045】
ただし、本実施形態では、第二のアーム部42dも、他のアーム部42bと同様、押付部42aに向けて押付力を生じさせている。すなわち、第二のアーム部42dは、押付部42aから外側に向かうにつれて上方へ向かう。そして、第二のアーム部42dの端部には、基板31aの前面31cに向けて垂下する垂下部(縦壁部、図示せず)が設けられている。垂下部の下端部が、接触部42e(図7参照)である。また、本実施形態では、押付部42aには、放熱ブロック38aから上方に突出するピン38bが挿入される貫通孔42iが設けられている。このピン38bと貫通孔42iとの係合により、放熱ブロック38aの押付部材8に対するずれが抑制されている。
【0046】
そして、図13に示すように、係合部としての係合爪42f,42gは、基板31aの角部31hに係合され、係合爪42fは、第一の姿勢P1で上端となる基板31aの縁31fに係合されている。また、係合爪42gは、第二の姿勢P2で上端となる基板31aの縁31gに係合される第一の壁部42g1と、基板31aの後面(表面)31dに係合される第二の壁部42g2と、を有している。また、相互に直交するこれら縁31f,31gにより、基板31aの角部31hが形成されている。このように、本実施形態にかかる押付部材42は、上記第1実施形態の押付部材8と同様の構成を有しているため、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0047】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明を、テレビジョン装置や、表示画面を二つ有するノート型のパーソナルコンピュータとして実施した構成を例示したが、本発明は、少なくとも一つの表示画面を有する他の電子機器、例えば、表示画面が一つのコンピュータ(ノート型、デスクトップ型)や、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートブック、スマートフォン、携帯電話端末等として実施することもできる。
【0048】
また、電子機器、筐体、発熱体、熱輸送機構、受熱部、放熱部、伝熱部、被固定部、放熱ブロック、押付部、アーム部、係合部等のスペック(方式や、構造、形状、材質、大きさ、数、方向、種類、配置等)は、適宜変更して実施することができる。
【0049】
上記の実施形態によれば、押付部材による部品の押付状態が変化するのを抑制することが可能なテレビジョン装置および電子機器を得ることができる。
【符号の説明】
【0050】
1…テレビジョン装置(電子機器)、3a…筐体、5a…基板、5c…前面(表面)、5d,5f…縁、5e…後面(表面)、5g…角部、6…CPU(発熱体、部品)、6a…放熱ブロック(部品)、7…ヒートパイプ(熱輸送機構)、7a…受熱部、7b…放熱部、7c…伝熱部、8b…アーム部、8c…ブラケット部(被固定部)、8d…アーム部、8f,8g…係合爪(係合部)、8f1…第一の壁部(第一の係合部)、8f2…第二の壁部(第二の係合部)、20…パーソナルコンピュータ(電子機器)、22a…筐体、31c…前面(表面)、31d…後面(表面)、31f,31g…縁、31h…角部、38…CPU、38a…放熱ブロック、41…ヒートパイプ(熱輸送機構)、41a…受熱部、41b…放熱部、41c…伝熱部、42…押付部材、42a…押付部、42b…アーム部、42c…ブラケット部(被固定部)、42f,42g…係合爪(係合部)、42g1…第一の壁部(第一の係合部)、42g2…第二の壁部(第二の係合部)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に収容され、発熱体が実装された基板と、
少なくとも一部が前記筐体内に収容され、前記発熱体からの熱を受熱する受熱部と、熱を放熱する放熱部と、前記受熱部から前記放熱部へ熱を運ぶ媒体を収容した伝熱部と、を有した熱輸送機構と、
前記基板に固定される複数の被固定部と、前記発熱体上に前記受熱部または当該受熱部と熱的に接続された放熱ブロックを押し付ける押付部と、前記被固定部と前記押付部との間に設けられた複数のアーム部と、前記基板に係合する係合部と、を有した押付部材と、
を備えたことを特徴とするテレビジョン装置。
【請求項2】
前記係合部として、前記基板の表面に沿う方向に前記押付部材を係合する第一の係合部を有したことを特徴とする請求項1に記載のテレビジョン装置。
【請求項3】
前記第一の係合部が、前記押付部材が前記基板の表面に沿って回動するのを抑制することを特徴とする請求項2に記載のテレビジョン装置。
【請求項4】
前記係合部として、前記押付部材が前記基板の前記発熱体の実装面から離間する方向へ移動するのを抑制する第二の係合部を有したことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一つに記載のテレビジョン装置。
【請求項5】
係合する方向の異なる複数の前記係合部を備えたことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一つに記載のテレビジョン装置。
【請求項6】
前記係合部が、前記基板の周縁部に係合したことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一つに記載のテレビジョン装置。
【請求項7】
前記係合部が、前記基板の角部に係合したことを特徴とする請求項6に記載のテレビジョン装置。
【請求項8】
前記係合部が、少なくとも一つの前記被固定部に設けられたことを特徴とする請求項1
〜7のうちいずれか一つに記載のテレビジョン装置。
【請求項9】
筐体内に収容され、部品が実装または載置された基板と、
前記基板上に固定されて、前記基板上に前記部品を押し付ける押付部材と、
前記押付部材に設けられ、前記基板の縁に係合した係合部と、
を備えたことを特徴とするテレビジョン装置。
【請求項10】
筐体内に収容され、発熱体が実装された基板と、
少なくとも一部が前記筐体内に収容され、前記発熱体からの熱を受熱する受熱部と、熱を放熱する放熱部と、前記受熱部から前記放熱部へ熱を運ぶ媒体を収容した伝熱部と、を有した熱輸送機構と、
前記基板に固定される複数の被固定部と、前記発熱体上に前記受熱部または当該受熱部と熱的に接続された放熱ブロックを押し付ける押付部と、前記被固定部と前記押付部との間に設けられた複数のアーム部と、前記押付部材を前記基板に係合する係合部と、を有した押付部材と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項1】
筐体内に収容され、発熱体が実装された基板と、
少なくとも一部が前記筐体内に収容され、前記発熱体からの熱を受熱する受熱部と、熱を放熱する放熱部と、前記受熱部から前記放熱部へ熱を運ぶ媒体を収容した伝熱部と、を有した熱輸送機構と、
前記基板に固定される複数の被固定部と、前記発熱体上に前記受熱部または当該受熱部と熱的に接続された放熱ブロックを押し付ける押付部と、前記被固定部と前記押付部との間に設けられた複数のアーム部と、前記基板に係合する係合部と、を有した押付部材と、
を備えたことを特徴とするテレビジョン装置。
【請求項2】
前記係合部として、前記基板の表面に沿う方向に前記押付部材を係合する第一の係合部を有したことを特徴とする請求項1に記載のテレビジョン装置。
【請求項3】
前記第一の係合部が、前記押付部材が前記基板の表面に沿って回動するのを抑制することを特徴とする請求項2に記載のテレビジョン装置。
【請求項4】
前記係合部として、前記押付部材が前記基板の前記発熱体の実装面から離間する方向へ移動するのを抑制する第二の係合部を有したことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一つに記載のテレビジョン装置。
【請求項5】
係合する方向の異なる複数の前記係合部を備えたことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一つに記載のテレビジョン装置。
【請求項6】
前記係合部が、前記基板の周縁部に係合したことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一つに記載のテレビジョン装置。
【請求項7】
前記係合部が、前記基板の角部に係合したことを特徴とする請求項6に記載のテレビジョン装置。
【請求項8】
前記係合部が、少なくとも一つの前記被固定部に設けられたことを特徴とする請求項1
〜7のうちいずれか一つに記載のテレビジョン装置。
【請求項9】
筐体内に収容され、部品が実装または載置された基板と、
前記基板上に固定されて、前記基板上に前記部品を押し付ける押付部材と、
前記押付部材に設けられ、前記基板の縁に係合した係合部と、
を備えたことを特徴とするテレビジョン装置。
【請求項10】
筐体内に収容され、発熱体が実装された基板と、
少なくとも一部が前記筐体内に収容され、前記発熱体からの熱を受熱する受熱部と、熱を放熱する放熱部と、前記受熱部から前記放熱部へ熱を運ぶ媒体を収容した伝熱部と、を有した熱輸送機構と、
前記基板に固定される複数の被固定部と、前記発熱体上に前記受熱部または当該受熱部と熱的に接続された放熱ブロックを押し付ける押付部と、前記被固定部と前記押付部との間に設けられた複数のアーム部と、前記押付部材を前記基板に係合する係合部と、を有した押付部材と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−4453(P2012−4453A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139842(P2010−139842)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【特許番号】特許第4843725号(P4843725)
【特許公報発行日】平成23年12月21日(2011.12.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【特許番号】特許第4843725号(P4843725)
【特許公報発行日】平成23年12月21日(2011.12.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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