説明

テレビ会議システムおよび映像通信方法

【課題】撮影した映像の被写体の大きさの情報を通信相手のテレビ会議装置に送信し、その大きさの情報を用いて等身大表示や所望の大きさで表示する。
【解決手段】それぞれ撮像部と、表示部と、通信装置とを有する一対のテレビ会議装置を有し、前記各テレビ会議装置は、通信相手のテレビ会議装置から伝送されてきた被写体の映像を表示部にリアルタイムで表示する双方向のテレビ会議システムであって、前記各テレビ会議装置の撮像部は、前記被写体の大きさが予め決められたスケールになるように前記被写体を撮影し、あるいは、前記被写体の大きさが予め決められたスケールになるように撮影した前記被写体の映像を調整し、前記各テレビ会議装置の通信装置は、前記撮像部で前記被写体の大きさが予め決められたスケールになるように調整された前記被写体の映像を、前記通信相手のテレビ会議装置に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ会議システムにおよび映像通信方法係り、特に、通信相手の映像を等身大表示(実サイズ)や所望の大きさで表示する際に有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1、特許文献2に開示されているように、現在、数々のTV電話可能な端末が存在している。ディスプレイが数インチ程度の携帯端末をはじめとし、PCを利用した中程度のディスプレイ(10〜20inch程度)を利用したもの、大画面のディスプレイやプロジェクター(50inchクラス)を用いたものまで様々である。また、これら様々なディスプレイサイズの端末や装置が相互に接続しTV電話をすることが可能になってきている。
様々な装置が相互に繋がる場合、それぞれのディスプレイサイズを考慮した表示が必要である。例えば、大画面を用いている場合は周囲の背景も含めて等身大に表示し、小型のディスプレイを用いている場合は被写体(例えば、顔など)をズームして表示するといったことが必要になる。しかし、今のところ互いのディスプレイサイズを考慮した情報伝送は行われていない。
なお、前述の特許文献1には、「従来のテレビ電話装置の場合、装備されているカメラで撮像できるのは、所定の撮像範囲内に限定されていて、その対象は、主に被写体の顔、あるいは、上半身である。また、同様に再生画面で表示できる範囲も限られており、主に顔画像である。そのため、相手方は被写体の全身や、動作等を見ることばできない従来のTV電話会議システムでは、表示サイズを適切に調整することが難しかった」という課題を解決するために、被写体を実物大の映像として再生することができる再生部や、映像再生画面に配置され、広域に撮像可能な撮像部を有する情報装置が提案されている。
また、前述の引用文献2には、被写体までの距離とカメラの画角情報を利用し、再生画面上で実物大サイズになる方式が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−200929号公報
【特許文献2】特開2000−224459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のテレビ電話では、撮像画像の正しい大きさやディスプレイ情報を知ることができない。そのため、ディスプレイにあわせて表示サイズを調整することが困難であった。この問題を解決するため、予め作りつけにするなどの大がかりな調整や、表示サイズを(実物大などに)予め規定しておくことが必要であった。
例えば、引用文献1に記載の技術では、表示面と撮像面を同一にし、さらに表示面の1画素ごとに1台のカメラの設置が必要な大がかりな構成(一般に市販されるようなカメラやディスプレイは使えない。)になる。また、この系では撮像はあたかも透視投影変換されるようになるため、距離に関わらず実物大の大きさに表示される。人が前後方向に動いても、大きさが実物大のままなので不自然な映像となる。
一方、引用文献2に記載の技術では、撮像に関する情報を送ることにより撮像画像の正しい大きさを知ることができるが、ディスプレイにあわせた表示を行うことができない。そのため、ディスプレイが被写体より小さい場合は、被写体の一部しか表示することができない。また、ディスプレイが大きい場合は、被写体を実物大に表示した際に、周辺映像が足りない(ディスプレイ中心にしか映像が映らず、周囲が黒帯になる)ことが想定される。
【0005】
また、従来のTV電話システムでは人を実物大に表示する場合、表示面で正確に実物大となるように調整される。しかし実際には、人間が実物を見た場合に感じる大きさと印象が異なることが多い。
引用文献2では、その要因を、「背景色と被写体の色の関係、表示面の大きさ、被写体の向き、及び観察者と画面の位置関係などが考えられ、また、個人の感じ方も主要な要因である。」と述べている。そして、引用文献2では、装置の利用者が事前準備として、実物大に見えるように調整を行う仕組みを用意している。
しかし、この方式では、調整をするための大掛かりな装置が必要になる、利用者ごとに事前準備(調整作業)をしなければならないといった問題があった。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、撮影した映像の被写体の大きさの情報を通信相手のテレビ会議装置に送信し、その大きさの情報を用いて等身大表示や所望の大きさで表示することが可能となる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
(1)それぞれ撮像部と、表示部と、通信装置とを有する一対のテレビ会議装置を有し、前記各テレビ会議装置は、通信相手のテレビ会議装置から伝送されてきた被写体の映像を表示部にリアルタイムで表示する双方向のテレビ会議システムにおける、映像通信方法であって、前記各テレビ会議装置は、前記被写体の大きさが予め決められたスケールになるように調整した前記被写体の映像を前記通信相手のテレビ会議装置に送信する。
(2)それぞれ撮像部と、表示部と、通信装置とを有する一対のテレビ会議装置を有し、前記各テレビ会議装置は、通信相手のテレビ会議装置から伝送されてきた被写体の映像を表示部にリアルタイムで表示する双方向のテレビ会議システムにおける、映像通信方法であって、前記各テレビ会議装置は、前記撮像部の撮影画角情報と前記被写体までの距離情報を前記通信相手のテレビ会議装置に送信する。
【0007】
(3)それぞれ撮像部と、表示部と、通信装置とを有する一対のテレビ会議装置を有し、前記各テレビ会議装置は、通信相手のテレビ会議装置から伝送されてきた被写体の映像を表示部にリアルタイムで表示する双方向のテレビ会議システムにおける、映像通信方法であって、前記各テレビ会議装置の撮像部は、前記通信相手のテレビ会議装置から送信されてきた表示部の表示エリアの大きさの情報に基づいて、前記撮像部の撮影倍率を調整して撮影し、当該撮影した前記被写体の映像を前記通信相手のテレビ会議装置に送信する。
ことを特徴とする映像通信方法。
(4)(1)ないし(3)の何れかにおいて、前記各テレビ会議装置の表示部に、前記被写体の映像を実物大表示する場合に、10%〜20%大きく表示する。
(5)(1)ないし(4)の何れかに記載の映像通信方法を実行するテレビ会議システムである。
【発明の効果】
【0008】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
本発明によれば、撮影した映像の被写体の大きさの情報を通信相手のテレビ会議装置に送信し、その大きさの情報を用いて等身大表示や所望の大きさで表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の基本となるテレビ会議システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1のテレビ会議システムの動作を説明するための模式図である。
【図3】本発明の実施例1において、各テレビ会議装置(1A,1B)において、主たる被写体(自分)を撮影して、通信相手のテレビ会議装置に送信する際の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例2のテレビ会議システムの動作を説明するための模式図である。
【図5】本発明の実施例2において、各テレビ会議装置において、撮影情報(主たる被写体までの距離と、画角)を、通信相手のテレビ会議装置に送信する際の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施例2において、各テレビ会議装置において、受信した主たる被写体(自分)の映像と、撮影情報(主たる被写体までの距離と、画角)に基づき、表示装置に通信相手の映像を表示する際の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例3のテレビ会議システムの動作を説明するための模式図である。
【図8】本発明の実施例3において、各テレビ会議装置(1A,1B)において、主たる被写体(自分)を撮影して、通信相手のテレビ会議装置に送信する際の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
[本発明の基本となるテレビ会議装置]
図1は、本発明の基本となるテレビ会議システムの概略構成を示すブロック図である。本実施例のテレビ会議システムは、1Aと1Bの一対のテレビ会議装置で構成される。
テレビ会議装置1Aは、主に自分を撮影する撮像装置(カメラ)10と、テレビ会議装置1Bから送信された相手方の画像を表示する表示装置(ディスプレイ)13と、マイク15と、スピーカー17とを有する。
撮像装置10で撮影された映像は、エンコーダー/画像処理部11で所定の画像処理が施され、通信装置12を介して、テレビ会議装置1Bに送信される。テレビ会議装置1Bから送信された映像は、通信装置12を介してデコーダー/画像処理部14に入力され、デコーダー/画像処理部14で所定の画像処理が施された後表示装置13に入力される。
マイク15から入力された音声は、エコーキャンセラー16で所定の処理が施された後、通信装置12を介して、テレビ会議装置1Bに送信される。テレビ会議装置1Bから送信された音声は、通信装置12を介してエコーキャンセラー16に入力され、エコーキャンセラー16で所定の処理が施された後、スピーカー17から出力される。
テレビ会議装置1B側の構成も、テレビ会議装置1Aと同様な構成である。
【0011】
[実施例1]
図2は、本発明の実施例1のテレビ会議システムの動作を説明するための模式図である。
本実施例では、各テレビ会議装置(1A,1B)の撮像装置10において、通信相手に伝送する主たる被写体(自分)が予め決められた標準解像度になるように調整して撮影する。撮影した映像は通信相手のテレビ会議装置に送信される。
標準解像度映像は、1画素に映っている範囲(実際の被写体の何cmに相当するかが決まっている)が決まっているため、通信相手のレベル会議装置では、具備するディスプレイサイズに合わせて、映像を自由に調整することができる。なお、図2において、20に示すブロックは、図1に示すテレビ会議装置において、撮像装置10と表示装置13以外の構成を示す。
【0012】
図3は、本実施例において、各テレビ会議装置(1A,1B)において、主たる被写体(自分)を撮影して、通信相手のテレビ会議装置に送信する際の処理手順を示すフローチャートである。なお、図3のフローチャートにおいて、ステップ101と、ステップ102は、エンコーダー/画像処理部11が実行し、ステップ103は通信装置12が実行する。
(1)ステップ101;被写体判別処理
主たる被写体(自分)を標準解像度で撮影するためには、当然ながら主たる被写体を判別し、その距離を知る必要がある。
被写体を認識するような方法は、既知の方法を用いる。以下、幾つか方法を説明する。
(a)方法1:被写体が決まった位置に存在すると仮定する方法
携帯端末でのTV電話(必ず手でカメラを持つので腕の距離になる)など、被写体位置(距離)が概ね決まる場合は、予め決められた距離に被写体が存在するとして、ステップ102に進む。
(b)方法2:距離を測定する方法
TV電話では、被写体は概ね画面中央に存在する。そこで、画面中央に映っている物体を主たる被写体とし、その距離を測定する。距離の測定方法は、既知の方法(例えば、Depth from Focusなど)で測定する。仮に、Depth from Focusで距離を促成する場合は、エンコーダー/画像処理部11からの指令により、撮像装置10が、フォーカス(焦点距離)や倍率を変えた画像を複数枚取得し、エンコーダー/画像処理部11で距離を計算する。
(c)方法3:顔がある位置を主たる被写体とする方法
TV電話では、概ね被写体は人となる。そこで、既知の顔認識技術を用いて、認識された箇所を主たる被写体とし、距離を測定する。距離の測定方法は、既知の方法(例えば、Depth from Focusなど)で測定する。
【0013】
(2)ステップ102;映像サイズ補償処理
主たる被写体までの距離情報をもとに、標準画質になるように、撮影サイズの拡大/縮小を行う。拡大/縮小の方法は、光学ズームやデジタルズームにより実現するが、デジタルズームの場合は、エンコーダー/画像処理部11が画像処理により実行する。また、光学ズームの場合は、エンコーダー/画像処理部11が、撮像装置10に撮影倍率(ズーム倍率)の指令を出し、当該指令に基づく倍率で、撮像装置10が主たる被写体を撮影する。
(3)ステップ103;通信処理
標準解像度で撮影した映像を、通信相手のテレビ会議装置に通信する。既存の符号化方法(MPEG2、H264など)でエンコード/デコードし送信すれば良い。
このとき、通信相手のテレビ会議装置側で映像が拡大されることに備えて、高解像度の映像を同時に送信してもよい。また、縮小されることに備えて高視野角の映像を同時に送信してもよい。高解像度な映像や高視野角の映像を同時に取得するには複数のカメラを用いる方法がある。また、高視野角な映像に関しては、デジタルズーム前の映像を同時に送信する方法がある。複数の映像を送信する際も、H264の拡張であるMVC(Multiview video coding)など既存の符号化を用いればよい。
【0014】
[実施例2]
図4は、本発明の実施例2のテレビ会議システムの動作を説明するための模式図である。
本実施例では、各テレビ会議装置(1A,1B)は、主たる被写体(自分)の映像と、撮影情報(主たる被写体までの距離情報と、撮像装置(カメラ)10の画角情報)を、通信相手のテレビ会議装置に送信する。主たる被写体までの距離は、前述の実施例1で記載した方法などを利用する。
通信相手のテレビ会議装置では、送られてきた映像と撮影情報をもとに、図4に「倍率補正30」と図示するように、具備する表示装置13のディスプレイサイズに適した映像に変換して表示する。なお、図4においても、20に示すブロックは、図1に示すテレビ会議装置において、撮像装置10と表示装置13以外の構成を示す。
【0015】
図5は、本実施例において、各テレビ会議装置(1A,1B)において、撮影情報(主たる被写体までの距離情報と、撮像装置(カメラ)10の画角情報)を、通信相手のテレビ会議装置に送信する際の処理手順を示すフローチャートである。なお、図5のフローチャートにおいて、ステップ111、ステップ112は、エンコーダー/画像処理部11が実行し、ステップ113は通信装置12が実行する。
(1)ステップ111;撮像情報の取得
エンコーダー/画像処理部11が、撮像装置10から撮像情報を取得する。なお、実際に撮像情報を取得できる撮像装置(カメラ)10は多数存在する。
(2)ステップ112;送信データの作成処理
エンコーダー/画像処理部11が、送信データを作成する。この場合、撮像情報を、そのまま通信装置12に渡す場合や、送信する映像に埋め込む場合が想定される。
(3)ステップ113;通信処理
通信装置12がデータを送信する。エンコーダー/画像処理部11から、撮像情報をそのまま通信装置12に渡された場合は、最初の通信確立時に送信する。また、映像に埋め込む場合は、送信映像のヘッダーに埋め込む。なお、映像の1ライン目に埋め込む、電子透かしのように埋め込む方法もある。
【0016】
図6は、本実施例において、各テレビ会議装置(1A,1B)において、受信した主たる被写体(自分)の映像と、撮影情報(主たる被写体までの距離情報と、撮像装置(カメラ)10の画角情報)に基づき、表示装置13に通信相手の映像を表示する際の処理手順を示すフローチャートである。なお、図6のフローチャートにおいて、ステップ121は通信装置12が実行し、ステップ122とステップ123は、デコーダー/画像処理部14が実行する。
(1)ステップ121;映像受信処理
通信相手のテレビ会議装置は、映像と共に撮影情報を受信する。撮影情報は、最低限、主たる被写体までの距離情報と、撮像装置(カメラ)10の撮影画角情報を含む。
(2)ステップ122;映像サイズ補正処理
受信した撮影情報をもとに、表示装置13のディスプレイサイズに適した映像に補正する。表示装置13のディスプレイサイズが大型の場合は、実物大サイズでの表示処理を行う。このとき、必ずしもディスプレイ面で実物大する必要ない。例えば、通信相手のテレビ会議装置側も、距離情報を取得していれば、ディスプレイを窓と見立てて、ディスプレイ面より遠く(お互いの距離の和の位置)にいる大きさに調整もできる。
また、ディスプレイが小型の場合は、被写体の拡大処理を行う。例えば、顔領域を拡大して表示を行う。顔検出技術は既知のものを利用する。このとき、MVCなどにより複数の解像度の映像を受信している場合は、拡大縮小処理後の解像度に最も見合った解像度の映像を利用する。
(3)ステップ123;画面表示
ステップ122で処理した映像を、表示装置13に表示する。
【0017】
[実施例3]
図7は、本発明の実施例3のテレビ会議システムの動作を説明するための模式図である。
本実施例では、各テレビ会議装置(1A,1B)は、図7に「撮像装置制御35」と図示するように、通信相手のテレビ会議装置からの表示装置の表示エリアの大きさの情報により撮影倍率(ズーム倍率)を調整する。通信相手のテレビ会議装置から送信される表示装置の表示エリアの大きさの情報は、表示装置13のディスプレイサイズと解像度とを含んでいる。なお、図7においても、20に示すブロックは、図1に示すテレビ会議装置において、撮像装置10と表示装置13以外の構成を示す。
撮像装置(カメラ)10は、通信相手のテレビ会議装置から送信された表示装置の表示エリアの大きさの情報をもとに主たる被写体を拡大/縮小する。例えば、通信相手のテレビ会議装置の表示装置13のディスプレイサイズが小さい時は、主たる被写体をズームする。また、通信相手のテレビ会議装置の表示装置13のディスプレイサイズが大きい時は等身大に表示されるように、ズーム率を調整する。また、通信相手のテレビ会議装置の表示装置13に適した解像度に変換し映像を送信する。
【0018】
図8は、本発明の実施例3において、各テレビ会議装置(1A,1B)において、主たる被写体(自分)を撮影して、通信相手のテレビ会議装置に送信する際の処理手順を示すフローチャートである。なお、図8のフローチャートにおいて、ステップ131、ステップ134は通信装置12が実行し、ステップ132とステップ133は、デコーダー/画像処理部14が実行する。
(1)ステップ131;通信相手のテレビ会議装置からの情報受信
通信装置12が、通信相手のテレビ会議装置からの表示装置の表示エリアの大きさの情報を受け取る。通信相手のテレビ会議装置からの表示装置の表示エリアの大きさの情報は、通信相手のテレビ会議装置の表示装置13のディスプレイサイズと解像度を最低限含んでいる。
(2)ステップ132;映像サイズ補正処理
通信相手のテレビ会議装置の表示装置13のディスプレイサイズ情報を基に、撮像装置10の撮影倍率(ズーム倍率)を変更する。撮像装置10の撮影倍率の変更は、光学ズーム/デジタルズームのどちらでもよいが、デジタルズームの場合は、エンコーダー/画像処理部11が画像処理により実行する。また、光学ズームの場合は、エンコーダー/画像処理部11が、撮像装置10に撮影倍率の指令を出し、当該指令に基づく倍率で、撮像装置10が主たる被写体を撮影する。
(3)ステップ133;映像解像度補正処理
エンコーダー/画像処理部11が、通信相手のテレビ会議装置の表示装置の解像度情報に、送信する映像の解像度を合致させる。
(4)ステップ134;映像送信処理
通信装置12が、通信相手のテレビ会議装置に映像を送信する。
【0019】
[実施例4]
本実施例は、大型のディスプレイを具備し、等身大に表示する側の処理である。具体的には、実物大より10〜20%大きく表示する処理を行う。
本実施例の処理を行うタイミングは以下の通りである。
(1)前述の実施例1の場合、通信相手のテレビ会議装置が、標準解像度画像を調整する際に処理を行う。
(2)前述の実施例2の場合、図6のステップ122で処理を行う。(表示側で処理を行う。)
(3)前述の実施例3の場合、図8のステップ132で処理を行う。(撮像側で処理を行う。)
以上説明したように、前述の実施例1〜実施例3によれば、システムが目的とするサイズに自動で調節可能になる。また、前述の実施例4によれば、臨場感を向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本
発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0020】
1A,1B テレビ会議装置
10 撮像装置(カメラ)
11 エンコーダー/画像処理部
12 通信装置
13 表示装置(ディスプレイ)
14 デコーダー/画像処理部
15 マイク
16 エコーキャンセラー
17 スピーカー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ撮像部と、表示部と、通信装置とを有する一対のテレビ会議装置を有し、
前記各テレビ会議装置は、通信相手のテレビ会議装置から伝送されてきた被写体の映像を表示部にリアルタイムで表示する双方向のテレビ会議システムにおける、映像通信方法であって、
前記各テレビ会議装置は、前記被写体の大きさが予め決められたスケールになるように調整した前記被写体の映像を前記通信相手のテレビ会議装置に送信することを特徴とする映像通信方法。
【請求項2】
それぞれ撮像部と、表示部と、通信装置とを有する一対のテレビ会議装置を有し、
前記各テレビ会議装置は、通信相手のテレビ会議装置から伝送されてきた被写体の映像を表示部にリアルタイムで表示する双方向のテレビ会議システムにおける、映像通信方法であって、
前記各テレビ会議装置は、前記撮像部の撮影画角情報と前記被写体までの距離情報を前記通信相手のテレビ会議装置に送信することを特徴とする映像通信方法。
【請求項3】
それぞれ撮像部と、表示部と、通信装置とを有する一対のテレビ会議装置を有し、
前記各テレビ会議装置は、通信相手のテレビ会議装置から伝送されてきた被写体の映像を表示部にリアルタイムで表示する双方向のテレビ会議システムにおける、映像通信方法であって、
前記各テレビ会議装置の撮像部は、前記通信相手のテレビ会議装置から送信されてきた表示部の表示エリアの大きさの情報に基づいて、前記撮像部の撮影倍率を調整して撮影し、当該撮影した前記被写体の映像を前記通信相手のテレビ会議装置に送信することを特徴とする映像通信方法。
【請求項4】
前記各テレビ会議装置の前記表示部に、前記被写体の映像を実物大表示する場合に、10%〜20%大きく表示することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の映像通信方法。
【請求項5】
それぞれ撮像部と、表示部と、通信装置とを有する一対のテレビ会議装置を有し、
前記各テレビ会議装置は、通信相手のテレビ会議装置から伝送されてきた被写体の映像を表示部にリアルタイムで表示する双方向のテレビ会議システムであって、
前記各テレビ会議装置の撮像部は、前記被写体の大きさが予め決められたスケールになるように前記被写体を撮影し、あるいは、撮影した前記被写体の映像を前記被写体の大きさが予め決められたスケールになるように調整し、
前記各テレビ会議装置の通信装置は、前記撮像部で前記被写体の大きさが予め決められたスケールになるように調整された前記被写体の映像を、前記通信相手のテレビ会議装置に送信することを特徴とするテレビ会議システム。
【請求項6】
それぞれ撮像部と、表示部と、通信装置とを有する一対のテレビ会議装置を有し、
前記各テレビ会議装置は、通信相手のテレビ会議装置から伝送されてきた被写体の映像を表示部にリアルタイムで表示する双方向のテレビ会議システムであって、
前記各テレビ会議装置の前記通信部は、前記撮像装置の撮影画角情報と前記被写体までの距離情報を前記撮像部から取得し、当該取得した撮像装置の撮影画角情報と前記被写体までの距離情報を、前記通信相手のテレビ会議装置に送信することを特徴とするテレビ会議システム。
【請求項7】
それぞれ撮像部と、表示部と、通信装置とを有する一対のテレビ会議装置を有し、
前記各テレビ会議装置は、通信相手のテレビ会議装置から伝送されてきた被写体の映像を表示部にリアルタイムで表示する双方向のテレビ会議システムであって、
前記各テレビ会議装置の撮像部は、前記通信相手のテレビ会議装置から送信されてきた前記表示部の表示エリアの大きさの情報に基づいて撮影倍率を調整して前記被写体を撮影し、
前記各テレビ会議装置の通信装置は、前記表示部の表示エリアの大きさの情報を前記通信相手のテレビ会議装置に送信するとともに、前記通信相手のテレビ会議装置から送信されてきた前記表示部の表示エリアの大きさの情報に基づいて前記撮像部で撮影倍率を調整して撮像した前記被写体の映像を前記通信相手のテレビ会議装置に送信することを特徴とするテレビ会議システム。
【請求項8】
前記各テレビ会議装置の前記表示部に、前記被写体の映像を実物大表示する場合に、10%〜20%大きく表示することを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載のテレビ会議システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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