説明

テレビ受信機

【課題】視聴制限が設定されている番組であっても、設定者の許可により、任意のタイミングで視聴の制限を解除することができるテレビ受信機を提供すること。
【解決手段】放送局より番組を受信する番組受信手段と、前記番組受信手段により受信された番組を表示する番組表示手段とを備えたテレビ受信機において、番組を視聴を制限する条件を記憶する視聴制限条件テーブルを有し、視聴制限条件テーブルにより、受信されている番組の視聴が制限されている場合には、当該番組の視聴を制限する制御を行う。視聴が制限されている番組についての視聴許可の要求を受け付け、視聴許可の要求メッセージを含む電子メールを、視聴制限を設定した設定者に送信する。設定者から、視聴許可承認メッセージを含む電子メールを受信した場合には、番組の視聴の制限を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送局より番組を受信する番組受信手段と、前記番組受信手段により受信された番組を表示する番組表示手段とを備えたテレビ受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ受信機のパーソナル化が進み、個人端末である携帯端末を用いた番組視聴も一般的になりつつある。
【0003】
昼夜を問わず放送されるあらゆるジャンルの番組を個人の携帯端末で視聴可能となると、様々な問題が発生してくる。例えば、子供には好ましくない番組、時間帯、1日の視聴時間数といった懸念事項を親が管理することが困難になってしまう場合がある。
【0004】
このような問題を解決するために、例えば特許文献1では、予め登録された送信元からのメール受信により、機能及び操作性を設定可能な電子メール送受信機能が提案されている。本機能を用いれば、使用環境を整えるための初期登録・設定が行えるため、例えば子供の携帯端末に予め視聴制限をかけておくようなことが可能となる。
【0005】
また、特許文献2では、視聴制限設定者からの任意のタイミングで送信される電子メール等により、タイムリーな視聴制限をかけることが可能な機能が提案されている。このような視聴制限は、視聴制限設定者からの要請、または許諾により後で削除することも可能である。
【特許文献1】特開2003−256334号公報
【特許文献2】特開2006−245915号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、直接管理が困難な個人の携帯端末における視聴も、メール等の通信機能を用いて予め登録されている外部の端末より制限をかけることは可能である。しかし、例えば、特許文献1では、多くの初期登録・設定が必要であり、任意項目のみ、または期間限定の設定や、一部の設定変更のみを途中で行うことは難しかった。
【0007】
また、特許文献2においては、任意のタイミングで視聴制限をかけることができ、また、設定者の意向により後にそれを削除することも可能である。しかし、被設定者による視聴制限の解除、例えば一時的な時間制限の解除や、番組ジャンル制限にかかるような特定の番組の視聴許可、といった視聴制限の限定的、例外的な解除を行う仕組みについては考慮されておらず、対応できなかった。このように、制限にかかるような時間帯、番組を例外的に視聴する場合であっても、設定された制約条件を一旦削除しなければならず、その後再び設定しなおす必要があり、柔軟なシステムとはなっていなかった。
【0008】
上記課題に鑑み、本発明が目的とするところは、視聴制限が設定されている番組であっても、設定者の許可により、任意のタイミングで視聴の制限を解除することができるテレビ受信機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題に鑑み、本発明のテレビ受信機は、放送局より番組を受信する番組受信手段と、前記番組受信手段により受信された番組を表示する番組表示手段とを備えたテレビ受信機において、番組の視聴を制限する条件を記憶する視聴制限条件テーブルと、番組受信手段により受信されている番組の視聴が前記視聴制限条件テーブルにより制限されている場合には、当該番組の視聴を制限する制御を行う視聴制御手段と、前記視聴制限手段により、視聴が制限されている番組についての視聴許可の要求を受け付ける視聴許可要求受付手段と、前記視聴許可要求受付手段により受け付けられた視聴許可の要求に基づいて、視聴許可要求メッセージを生成し、当該視聴許可要求メッセージを含む電子メールを、視聴制限を設定した設定者に送信するメール送信手段と、を備え、前記設定者から、視聴許可承認メッセージを含む電子メールを受信した場合には、前記視聴制御手段は、前記番組の視聴制限を解除する制御を行うことを特徴とする。
【0010】
また、本発明のテレビ受信機において、前記視聴制限条件テーブルには、番組に対応づけて番組のジャンルが記憶されており、前記視聴許可要求受付手段は、視聴が制限されている番組のジャンルについて視聴の許可の要求を受け付ける手段であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明のテレビ受信機において、前記設定者から、視聴許可承認メッセージを含む電子メールを受信した場合には、前記視聴制限条件テーブルに、当該番組の視聴を許可する条件を付加することにより、視聴制限条件テーブルを更新する視聴制限条件テーブル更新手段を更に備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のテレビ受信機において、前記視聴制御手段は、前記設定者から、所定時間以内に視聴許可承認メッセージを含む電子メールが受信されなかった場合には、前記番組の視聴の制限を維持することを特徴とする。
【0013】
また、本発明のテレビ受信機は、視聴許可ボタンを備えており、前記視聴許可ボタンが押下されると、現在受信中の番組に関する視聴許可要求メッセージを含む電子メールを生成する電子メール生成手段を有し、前記メール送信手段は、前記電子メール生成手段により生成された電子メールを視聴禁止と設定した設定者に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、受信された番組の視聴が制限されている場合に、視聴許可要求を受け付け、当該視聴許可要求を電子メールにて設定者に送信する。そして、設定者から、視聴許可承認メッセージを含む電子メールを受信した場合には、視聴が禁止されている番組の視聴の制限が解除されることとなる。従って、視聴制約条件テーブルに設定されている内容を変更することなく、番組毎に視聴の可否を設定できることとなる。
【0015】
さらに、視聴制約条件テーブルには、番組に対応づけて番組のジャンルが記憶されており、視聴許可要求については、番組のジャンルについて行うことができる。これにより、視聴の制限、許可について番組のジャンル毎に行うことができることとなる。
【0016】
さらに、視聴許可承認メッセージを含む電子メールを受信した場合には、視聴制約条件テーブルに、当該番組の視聴を許可する条件を付加することができる。これにより、例えば予め視聴の制限を解除しておくことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施する場合の最良の実施形態について説明する。本実施形態においては、本発明をテレビ受信機の機能を内蔵する携帯電話に適用した場合について説明する。
【0018】
まず、本発明を適用したテレビ受信機の機能を内蔵する携帯電話1及び携帯電話2の外観を図1に示す。携帯電話1は視聴制限の解除を求める端末であり、携帯電話2は視聴の許可を行う端末である。携帯電話1には、ディスプレイ3と、各種入力ボタンとを備えており、特に入力ボタンとして、方向ボタン5と、操作ボタン7と、視聴許可ボタン9とを備えている。また、携帯電話2は、携帯電話1と同様にディスプレイと、各種入力ボタンを備えて構成されており、その詳細な説明は省略する(なお、携帯電話2には、視聴許可ボタン9を備える必要は無い)。
【0019】
ディスプレイ3は、携帯電話1における各種情報、設定画面を表示したり、受信されたテレビ番組の映像を表示したりすることができる。
【0020】
また、各種操作を選択する入力部としてボタンを備えており、特に方向ボタン5、操作ボタン7及び視聴許可ボタン9とを備えている。方向ボタン5は、携帯電話1において、各種選択動作に用いられ、操作ボタン7は、電話操作を行うときに利用されたり、放送局を選局する際に利用されたりする。また、視聴許可ボタン9は、選局した番組が視聴制限番組の場合に、当該ボタンを押下することにより、自動的に視聴許可の要求を行うためのボタンである。
【0021】
[機能構成]
次に、図2に携帯電話1の機能構成を示す。携帯電話1は、制御部10に、放送受信部12と、通信部14と、認証部16と、視聴制御部18と、時刻管理部20と、表示部22と、入力部24と、記憶部30とがバスを介して接続されている。
【0022】
制御部10は、携帯電話1の各動作部及び制御を行う処理装置である。携帯電話1に記憶されている各種プログラムを読み出し、実行することにより各処理を実現する。制御部10は、例えばCPU(Central Processing Unit)等から構成されている。
【0023】
放送受信部12は、外部アンテナANTと接続されており、外部アンテナANTから受信された放送波を受信し、放送番組にデコードして出力する機能部である。
【0024】
通信部14は、携帯電話1が、外部とデータを送受信するための機能部である。ここで、通信部14は、通常の通話の他に、各種データ等の送受信も行う。例えば、ユーザが生成した視聴許可要求メッセージを含む電子メールを送信したり、視聴許可承認メッセージを含む電子メールを受信したりする。
【0025】
認証部16は、通信部14を介して受信された視聴許可承認メッセージを含む電子メールが、予め設定された設定者からのものであるかを認証するための機能部である。
【0026】
視聴制御部18は、後述する視聴制限条件テーブル302に基づいて、放送番組を視聴させるか、視聴を制限するかを制御する機能部である。視聴制限条件テーブル302により、視聴が制限されている放送番組(視聴制限番組)の受信を、放送受信部12を制御して禁止する制御を行う。
【0027】
なお、本実施形態では、放送受信部12を制御することにより、受信自体を行わないこととして説明するが、例えば、表示部22を制御することにより、放送番組を受信し、表示を禁止することとしても良い。
【0028】
時刻管理部20は、携帯電話1の時刻を管理する機能部である。現在受信する番組の時刻を管理したり、タイマにより受信制限情報の受信のタイムアウトを監視したりする。
【0029】
表示部22は、携帯電話1において、各種文字列等の表示する為の機能部であり、図1のディスプレイ3に相当する。ここで、表示部22は、TFT(Thin Film Transistor)液晶や、有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等により実現される。
【0030】
入力部24は、ユーザから入力された操作を、制御部10に伝えるために機能部である。例えば、図1においては、方向ボタン5、操作ボタン7及び視聴許可ボタン9が該当する。ここで、入力部24は、本実施形態においてはボタンを用いたものを例として説明するが、他にタッチパネル等においても実現可能なことは勿論である。
【0031】
記憶部30は、制御部10が実行する各種プログラムの実行にかかるデータ等を保持する随時書き込み可能なメモリである。本実施形態において、記憶部30は、視聴制限条件テーブル302と、設定者情報304と、番組情報306とを記憶している。
【0032】
視聴制限条件テーブル302は、携帯電話1における視聴を制限する条件が記憶されているテーブルである。視聴制限条件テーブル302は、動作と設定番組とが対応づけて記憶されている。また、設定番組としては、日時と、チャンネル(CH)と、ジャンルとが記憶されている。
【0033】
ここで、視聴制限条件テーブル302の一例を図4に示す。例えば、日時「終日」、CH「全部」、ジャンル「バラエティ」の放送番組は、視聴が「禁止」されている。同様に、毎日23時から6時までの全部のCHのアニメの放送番組や、12月24日の19時〜21時のCH「8」の番組の視聴が「禁止」されている。また、視聴制限条件テーブル302の最後により、視聴制限と設定された番組以外は視聴が許可されることとなる。
【0034】
設定者情報304は、設定者の情報を記憶している。例えば、図5に示すように、設定者(例えば、「B」)と、設定者のメールアドレス(例えば、「bbbb@keidenwa.ne.jp」)と、設定者の認証番号(例えば、「5678」)とが対応づけて記憶されている。
【0035】
設定者の認証番号は、視聴許可動作のときに設定者の認証に使用される物である。設定者からの視聴許可承認メッセージを含む電子メールであれば、当該メールの所定の位置に、認証番号と一致する番号が含まれていることとなる。これにより、端末は設定者本人により承認が行われたものと認識し、指定の視聴制限の解除を行うこととなる。
【0036】
なお、本実施形態においては、視聴制限条件テーブル302に対応づけて設定者を記憶しているが、例えば、視聴制限条件毎に設定者を記憶しても良い。
【0037】
番組情報306は、放送番組に関する情報を記憶している。番組情報306は、放送波に含まれており、放送受信部12において抽出され、番組情報306として記憶部30に記憶される。
【0038】
例えば、図6に示すように番組の放送日時(例えば、「12/20 19:00〜21:00」)と、ジャンル(例えば、「バラエティ」)と、チャンネル(例えば、「8」)と、番組名(例えば、「AAA」)と、番組概要(例えば、「漫才対決で…」)と、出演者(例えば、「チームK、Zコンビ等)とが記憶されている。
【0039】
また、図3は視聴を許可する端末である携帯電話2の構成を示す図である。携帯電話2は、制御部30と、通信部32と、時刻管理部34と、表示部36と、入力部38とを備えて構成されている。
【0040】
制御部30は、携帯電話2の各動作部及び制御を行う処理装置である。携帯電話2に記憶されている各種プログラムを読み出し、実行することにより各処理を実現する。制御部30は、例えばCPU(Central Processing Unit)等から構成されている。
【0041】
通信部32は、携帯電話2が、外部とデータを送受信するための機能部である。ここで、通信部32は、通常の通話の他に、各種データ等の送受信も行う。例えば、携帯電話1のユーザが生成した視聴許可要求メッセージを含む電子メールを受信したり、視聴許可承認メッセージを含む電子メールを送信したりする。
【0042】
時刻管理部34は、携帯電話2の時刻を管理する機能部である。現在受信する番組の時刻を管理したり、タイマにより受信制限情報の受信のタイムアウトを監視したりする。
【0043】
表示部36は、携帯電話2において、各種文字列等の表示する為の機能部である。ここで、表示部36は、TFT(Thin Film Transistor)液晶や、有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等により実現される。
【0044】
入力部38は、ユーザから入力された操作を、制御部10に伝えるために機能部である。ここで、入力部38は、本実施形態においてはボタンを用いたものを例として説明するが、他にタッチパネル等においても実現可能なことは勿論である。
【0045】
[処理の流れ]
つづいて、携帯電話1において、視聴番組が選択される動作が行われた場合における処理について、動作フローを用いて説明する。まず、図7の動作フローは、視聴者により、視聴する番組が選択された場合における処理の流れを示したものである。
【0046】
まず、視聴者により視聴番組が選択されると(ステップS100)、当該選択された視聴番組が視聴が制限されている番組(視聴制限番組)であるか否かを視聴制限条件テーブル302に基づいて判定する(ステップS102)。ここで、視聴制限条件テーブル302に基づいて判定した場合に、「禁止」の動作に該当しない番組であれば(ステップS102;No)、番組を表示する。
【0047】
他方、選択された視聴番組が、視聴が制限されている番組である場合には(ステップS102;Yes)、表示部22を介して視聴が制限されている内容の表示を行う(ステップS104)。ここでユーザにより視聴を希望する要求が行われたか否かを判定する(ステップS106)。視聴希望の要求が無い場合は、ステップS100から処理が繰り返されることとなる。
【0048】
視聴が制限されている番組について、視聴希望の要求があった場合には(ステップS106;Yes)、適用される視聴制限の条件を取得する(ステップS108)。そして、取得された視聴制限の条件に基づいて、当該番組の視聴許可要求メッセージが作成される(ステップS110)。
【0049】
そして、視聴許可の要求が決定されたら(ステップS112;Yes)、設定者のアドレスを設定者情報304から取得する(ステップS114)。つづいて、ステップS112で決定された「視聴許可要求メッセージ」を含む電子メールを、「設定者のアドレス」宛として制御部10が生成する(ステップS116)。
【0050】
なお、電子メールに含まれる情報としては、種々の情報を含むとしても良い。例えば、電子メールに番組情報306を含めて送信することとしても良い。
【0051】
つづいて、生成された電子メールを、通信部14から携帯電話2に送信する(ステップS118)。ここで、電子メールを送信した後に、時刻管理部20は、タイマの計測を開始する(ステップS120)。
【0052】
なお、予め設定されたタイムアウト時間内に、送信した電子メールの返信を受信しない場合は、視聴許可要求は却下されたものとして判定する。
【0053】
続いて、視聴許可承認メッセージを含む電子メールを携帯電話2から受信した場合の処理について、図8の動作フローを用いて説明する。
【0054】
まず、通信部14により視聴許可承認メッセージを含む電子メールを携帯電話2から受信すると(ステップS200;Yes)、当該受信された電子メールが予め設定されたタイムアウト時間内に受信された否かを判定する(ステップS202)。ここで、タイムアウト時間を超えて受信された場合には(ステップS202;No)、視聴許可は承認されなかったものと判定し、視聴不可の表示をして処理を終了する(ステップS216)。
【0055】
タイムアウト前に視聴許可承認メッセージを含む電子メールが受信された場合(ステップS202;Yes)、認証部16は、送信元の認証が行えるか否かを判定する(ステップS204)。具体的には、受信された電子メールの送信元アドレスを、設定者情報304に記憶されている設定者のアドレスと照合し、一致するかを判定することにより、送信者の認証を行う。ここで、送信元のアドレスが認証できない場合には(ステップS204;No)、視聴不可の表示をして処理を終了する(ステップS216)。
【0056】
送信元の認証が行えた場合には(ステップS204;Yes)、電子メールに認証番号が含まれているか否かを判定する(ステップS206)。ここで、電子メールに認証番号が含まれていない場合には(ステップS206;No)、視聴不可の表示をして処理を終了する。
【0057】
制限解除受信メールに認証番号が含まれている場合には(ステップS206;Yes)、当該認証番号が、当該メールアドレスに対応する認証番号であるかを、設定者情報304を参照して認証する(ステップS208)。ここで、認証番号が一致することにより、認証された場合には(ステップS208;Yes)、電子メールに含まれる視聴許可承認メッセージに「視聴許可」という内容が含まれているか否かを判定する(ステップS210)。視聴許可承認メッセージに「視聴許可」という内容が含まれていない場合は(ステップS210;No)、視聴不可の表示をして処理を終了する。
【0058】
視聴許可承認メッセージに、「視聴許可」という内容が含まれている場合には(ステップS210;Yes)、視聴制限条件テーブル302に当該視聴番組の視聴を許可する内容を(例外)条件として付加する(ステップS212)。
【0059】
そして、制御部10は、改めて視聴制御部18を動作させ(ステップS214)、更新された視聴制限条件テーブル302に基づいて受信動作を行うことにより、選択された番組を表示することとなる。
【0060】
[動作例]
具体的に、携帯電話1における動作について、図を用いて具体的に説明する。図9は、携帯電話1の表示部22に接続されるディスプレイ3において、表示される表示画面W100の一例を示した図である。
【0061】
表示画面W100は、選択された番組が、視聴が制限されている場合の場合における表示画面の一例を示している。図9の表示画面W100に示すように、視聴者により選択された番組は、視聴が制限されている番組であるため視聴できないことが表示されている。
【0062】
ここで、ユーザが視聴希望の要求を行った場合が図10に示す表示画面W110である。表示画面W110では、視聴制限の内容として「番組ジャンル(バラエティ)」が表示されている。
【0063】
ここで、視聴者が視聴を希望する範囲として領域R110と、視聴を希望する理由を入力する領域R112が表示されている。例えば、領域R110に、視聴を希望する番組の範囲として「この番組:今回のみ」が選択され、領域R112に視聴を希望する理由として「宿題終了」と入力されている。
【0064】
ここで、視聴者により「要求」の操作が為されると、当該視聴制限となっている番組情報と、入力された内容とを含む視聴許可要求メッセージが生成され、電子メールに含まれて設定者の携帯電話2に送信されることとなる。
【0065】
そして、設定者により、視聴許可要求が承認された場合には、視聴許可承認メッセージを含む電子メールが、携帯電話2から携帯電話1に送信される。携帯電話1は、視聴許可承認メッセージを受信し、所定の処理を行うことにより、視聴制限番組の視聴をすることができるようになる。
【0066】
なお、図11及び図12は、設定者における端末の様子を表した図である。図11に示す表示画面W120のように、具体的な視聴許可要求の内容が表示される。ここで、設定者が視聴許可を承認する場合は、認証番号を設定し、視聴許可承認メッセージを含む電子メールを送信する。
【0067】
この、視聴許可の承認を行う場合の一例が図12に示す表示画面W130である。表示画面W130は、視聴許可を承認する内容と、認証番号を入力する領域R130が表示されている。
【0068】
領域R130に、入力された認証番号を、携帯電話1において受信(または、照合)することにより、視聴許可承認メッセージが承認され、携帯電話1において、視聴が制限された番組を視聴することが可能となる。
【0069】
[変形例]
なお、上述した実施形態は、テレビ受信機の機能を携帯電話に内蔵した場合を例にとって説明したが、例えば、家庭用テレビ、車載用テレビ、コンピュータ等の他の電子機器に適用可能なことは勿論である。
【0070】
また、本実施形態においては、視聴が制限されている旨が表示され、視聴者により視聴を希望する内容の要求を行い、視聴の制限を解除する場合について説明したが、例えば、視聴許可ボタン9を用いて視聴の制限を解除しても良い。
【0071】
具体的には、視聴が制限されている番組を選択した場合に、視聴許可ボタン9を視聴者が押下する。制御部10は、視聴許可ボタン9が押下されると、当該番組に関する視聴許可要求メッセージを生成し、自動的に電子メールを送信する。これにより、ユーザは煩雑な手順を含むことなく、視聴制限の解除を要求することが可能となる。
【0072】
また、送受信される電子メールが、視聴許可要求メッセージや、視聴許可承認メッセージを含むか否かを判定するには、電子メールの件名から判定することにしても良い。
【0073】
例えば、「shicho_system00:0001」のようなメール件名がついていると、設定者及び被設定者のいずれの端末も電子メール受信時に「shicho_system00」の部分を検知することで、視聴許可に関する電子メールと判断することができる。
【0074】
また、視聴許可要求メッセージを含む電子メールに対する承認の電子メールを被設定者側の端末が受信する際には、「Re: shicho_system00:0001」というメール件名となっていれば、通信部14にて、「shicho_system00」より視聴制約に関する電子メールと判断することができる。さらに、制御部10では、メール件名の「0001」より、どの条件に対する承認メールかの対応づけをすることが可能となる。
【0075】
具体的には、「番組ジャンル」という制限に「この番組: 今回のみ」という例外を追加することに対する視聴許可承認メッセージを含む電子メールを受信したのだ、ということがわかる。このように、制御部10では、視聴許可要求メッセージを含む電子メールの作成の際に、視聴許可承認メッセージの受信時に、要求していた内容と対応づけが可能となるようなナンバリング等の管理を行っておくことも可能である。
【0076】
また、本実施形態においては、当該番組や、番組ジャンルに関する視聴制限について説明したが、1日の総視聴時間に関する条件について、「今日だけ」といった例外を付加するようなことや、近年GPS等の測位機能を備えた端末が増加していることにより、特定の場所での視聴の制限を解除するといったことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明のテレビ受信機を適用した携帯電話の外観を示す図である。
【図2】本実施形態における携帯電話の構成を示した図である。
【図3】本実施形態における携帯電話の攻勢を示した図である。
【図4】本実施形態における視聴制限条件テーブルのデータ構成の一例を示した図である。
【図5】本実施形態における設定者情報のデータ構成の一例を示した図である。
【図6】本実施形態における番組情報のデータ構成の一例を示した図である。
【図7】本実施形態における処理を説明するための動作フローを示した図である。
【図8】本実施形態における処理を説明するための動作フローを示した図である。
【図9】本実施形態における携帯電話の表示画面の一例を示した図である。
【図10】本実施形態における携帯電話の表示画面の一例を示した図である。
【図11】本実施形態における設定者端末の表示画面の一例を示した図である。
【図12】本実施形態における設定者端末の表示画面の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0078】
1、2 携帯電話
10 制御部
12 放送受信部
14、32 通信部
16 認証部
18 視聴制御部
20、34 時刻管理部
22、36 表示部
24、38 入力部
30 記憶部
302 視聴制限条件テーブル
304 設定者情報
306 番組情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送局より番組を受信する番組受信手段と、前記番組受信手段により受信された番組を表示する番組表示手段とを備えたテレビ受信機において、
番組の視聴を制限する条件を記憶する視聴制限条件テーブルと、
番組受信手段により受信されている番組の視聴が前記視聴制限条件テーブルにより制限されている場合には、当該番組の視聴を制限する制御を行う視聴制御手段と、
前記視聴制限手段により、視聴が制限されている番組についての視聴許可の要求を受け付ける視聴許可要求受付手段と、
前記視聴許可要求受付手段により受け付けられた視聴許可の要求に基づいて、視聴許可要求メッセージを生成し、当該視聴許可要求メッセージを含む電子メールを、視聴制限を設定した設定者に送信するメール送信手段と、
を備え、
前記設定者から、視聴許可承認メッセージを含む電子メールを受信した場合には、前記視聴制御手段は、前記番組の視聴制限を解除する制御を行うことを特徴とするテレビ受信機。
【請求項2】
前記視聴制限条件テーブルには、番組に対応づけて番組のジャンルが記憶されており、
前記視聴許可要求受付手段は、視聴が制限されている番組のジャンルについて視聴の許可の要求を受け付ける手段であることを特徴とする請求項1に記載のテレビ受信機。
【請求項3】
前記設定者から、視聴許可承認メッセージを含む電子メールを受信した場合には、前記視聴制限条件テーブルに、当該番組の視聴を許可する条件を付加することにより、視聴制限条件テーブルを更新する視聴制限条件テーブル更新手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のテレビ受信機。
【請求項4】
前記視聴制御手段は、前記設定者から、所定時間以内に視聴許可承認メッセージを含む電子メールが受信されなかった場合には、前記番組の視聴の制限を維持することを特徴とする請求項1に記載のテレビ受信機。
【請求項5】
前記テレビ受信機は、視聴許可ボタンを備えており、
前記視聴許可ボタンが押下されると、現在受信中の番組に関する視聴許可要求メッセージを含む電子メールを生成する電子メール生成手段を有し、
前記メール送信手段は、前記電子メール生成手段により生成された電子メールを視聴禁止と設定した設定者に送信することを特徴とする請求項1に記載のテレビ受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−171433(P2009−171433A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−9481(P2008−9481)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】