説明

テレビ放送信号増幅システム、電源装置及び増幅装置

【課題】テレビ放送信号の増幅装置とこれに電源供給を行う電源装置とで構成されるシステムにおいて、増幅装置には電源装置と他の発電手段とを併用して電源供給することができ、電源装置では、増幅装置側で生じた異常を正確に検出できるようにする。
【解決手段】ブースタ4内の電源電圧が正常である場合に、ブースタ4から電源装置6にトーン信号を送信し、電源装置6側では、そのトーン信号を受信できないときに、ブースタ4側に異常が生じたと判断して、負荷電流及び出力電圧から断線/短絡を判定し、その判定結果を表示部38に表示する。また、トーン信号を受信しているときには、負荷電流の大きさから、太陽光発電パネル14の使用率を判断して、表示部38に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ放送信号を増幅する増幅装置とこの増幅装置に電源供給を行う電源装置とからなるテレビ放送信号増幅システム、及び、このシステムを構築するのに好適な電源装置並びに増幅装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、受信アンテナにて受信されたテレビ放送信号を増幅し伝送線(同軸ケーブル等)を介して端末側に伝送する増幅装置(所謂ブースタ)として、端末側に設けられた電源装置から伝送線を介して電源供給を受ける、所謂低電圧方式のものが知られている。
【0003】
また、このように増幅装置と電源装置とで構成されるテレビ放送信号増幅システムでは、電源装置が、テレビ受信機の近傍に設置されることから、電源装置内に、出力電圧及び出力電流をそれぞれ検出する検出回路を設け、これらの検出値から増幅装置側の断線/短絡を判定して、その判定結果を発光ダイオードの点灯等で報知することが提案されている(例えば、特許文献1等、参照)。
【0004】
一方、この種のシステムでは、増幅装置が屋外に設置されることから、伝送線路上若しくは増幅装置自体に太陽光発電パネル(所謂太陽電池)を設置し、この太陽光発電パネルと端末側の電源装置とを併用して増幅装置の内部回路に電源供給を行うことも提案されている(例えば、特許文献2等、参照)。
【特許文献1】特開平8−214226号公報
【特許文献2】特開2007−43865号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記2つの従来技術を組み合わせ、電源装置側で出力電圧や出力電流に基づき増幅装置側の断線/短絡等の異常を判断するようにし、増幅装置側では、電源装置から供給される電源電圧と太陽光発電パネルからの発電電力とを利用して、内部回路駆動用の電源電圧を生成するようにすると、快晴時に、増幅装置が正常に動作しているにも関わらず、電源装置にて増幅装置側の断線が誤検出されてしまうという問題があった。
【0006】
つまり、快晴時には、太陽光発電パネルからの発電電力が大きくなるため、増幅装置の内部回路駆動用の電源電圧は、その発電電力だけで生成できることになるが、この場合、電源装置から増幅装置側には負荷電流が流れないので、電源装置側では、増幅装置内若しくは増幅装置側の伝送線で断線が生じたと誤検出して、その旨を報知してしまうのである。
【0007】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、テレビ放送信号を増幅する増幅装置とこの増幅装置に電源供給を行う電源装置とで構成されるテレビ放送信号増幅システムにおいて、増幅装置には太陽光発電パネル等の発電手段と電源装置とを併用して電源供給を行うことができ、しかも、電源装置にて増幅装置側で生じた断線/短絡等の異常を正確に検出できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、テレビ放送信号を伝送する伝送線上に設けられ、テレビ放送信号を増幅して端末側に送出する増幅装置と、前記伝送線の端末側に設けられ、前記伝送線を介して前記増幅装置に電源電圧を供給する電源
装置と、を備えたテレビ放送信号増幅システムにおいて、
前記増幅装置は、自然エネルギを利用して発電する発電手段と、前記電源装置から供給された電源電圧と前記発電手段からの出力とを用いて内部回路駆動用の電源電圧を生成し、内部回路に供給する電源回路と、を備え
前記電源装置は、前記増幅装置から伝送線を介して伝送されてくる伝送信号に基づき、前記増幅装置が正常動作しているか否かを判断し、正常動作していないときに、前記増幅装置側伝送線への出力電流及び出力電圧の少なくとも一方を用いて、前記増幅装置側で生じた断線/短絡を判定する異常判定手段と、該異常判定手段による判定結果を報知する報知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のテレビ放送信号増幅システムにおいて、前記増幅装置には、前記電源回路からの出力が正常であるとき、その旨を表す通知信号を生成し、該生成した通知信号を、前記伝送線を介して端末側に送出する通知信号出力手段が設けられており、前記電源装置の異常判定手段は、前記増幅装置から前記通知信号が伝送されてきているときに、前記増幅装置が正常動作していると判定し、前記通知信号が伝送されてこないときに、前記増幅装置側に異常が生じたと判断して、前記断線/短絡を判定することを特徴とする。
【0010】
次に、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のテレビ放送信号増幅システムにおいて、前記電源装置には、前記増幅装置から伝送線を介して伝送されてきたテレビ放送信号の信号レベルを検出する信号レベル検出手段が設けられており、前記異常判定手段は、該信号レベル検出手段により検出された信号レベルが異常判定レベルよりも高い場合に、前記増幅装置が正常動作していると判定し、該信号レベル検出手段により検出された信号レベルが異常判定レベル以下であれば、前記増幅装置側に異常が生じたと判断して、前記断線/短絡を判定することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れかに記載のテレビ放送信号増幅システムにおいて、前記電源装置における前記異常判定手段は、前記増幅装置が正常動作していると判断すると、前記増幅装置側伝送線への出力電流に基づき、前記発電手段の動作状態を判定し、該判定結果を、前記報知手段に報知させることを特徴とする。
【0012】
また次に、請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れかに記載のテレビ放送信号増幅システムにおいて、前記電源装置における前記増幅装置側伝送線への電源電圧の出力経路上には、逆流防止用のダイオードが設けられており、前記異常判定手段は、前記増幅装置が正常動作していると判断すると、前記逆流防止用のダイオードの両端の電位差に基づき、前記発電手段の動作状態を判定し、該判定結果を、前記報知手段に報知させることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に記載の発明は、テレビ放送信号を伝送する伝送線上に設けられ、テレビ放送信号を増幅して端末側に送出する増幅装置と、前記伝送線の端末側に設けられ、前記伝送線を介して前記増幅装置に電源電圧を供給する電源装置と、を備えたテレビ放送信号増幅システムにおいて、
前記増幅装置は、自然エネルギを利用して発電する発電手段と、前記電源装置から供給された電源電圧と前記発電手段からの出力とを用いて内部回路駆動用の電源電圧を生成し、内部回路に供給する電源回路と、前記増幅したテレビ放送信号を端末側の伝送線に送出する伝送経路に接続されて、前記電源装置から供給された電源電圧にて一定の負荷電流を流す電気負荷と、を備え
前記電源装置は、前記増幅装置側伝送線への出力電流に基づき、前記増幅装置側で生じた断線/短絡及び前記発電手段の動作状態を判定する異常判定手段と、該異常判定手段による判定結果を報知する報知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また更に、請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6の何れかに記載のテレビ放送信号増幅システムにおいて、前記増幅装置に設けられる発電手段は、太陽光を受けて発電を行う太陽光発電手段であることを特徴とする。
【0015】
一方、請求項8に記載の発明は、テレビ放送信号を伝送する伝送線の端末側に設けられ、該伝送線上に設けられたテレビ放送信号増幅用の増幅装置に、前記伝送線を介して電源電圧を供給する電源装置であって、
前記増幅装置から伝送線を介して伝送されてくる伝送信号に基づき、前記増幅装置が正常動作しているか否かを判断し、正常動作していないときに、前記増幅装置側伝送線への出力電流及び出力電圧の少なくとも一方を用いて、前記増幅装置側で生じた断線/短絡を判定する異常判定手段と、該異常判定手段による判定結果を報知する報知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
次に、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の電源装置において、前記異常判定手段は、前記増幅装置から正常動作している旨を表す通知信号が伝送されてきているときに、前記増幅装置が正常動作していると判定し、前記通知信号が伝送されてこないときに、前記増幅装置側に異常が生じたと判断して、前記断線/短絡を判定することを特徴とする。
【0017】
また、請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の電源装置において、前記増幅装置から伝送線を介して伝送されてきたテレビ放送信号の信号レベルを検出する信号レベル検出手段を備え、前記異常判定手段は、該信号レベル検出手段により検出された信号レベルが異常判定レベルよりも高い場合に、前記増幅装置が正常動作していると判定し、該信号レベル検出手段により検出された信号レベルが異常判定レベル以下であれば、前記増幅装置側に異常が生じたと判断して、前記断線/短絡を判定することを特徴とする。
【0018】
また次に、請求項11に記載の発明は、請求項8〜請求項10の何れかに記載の電源装置において、前記異常判定手段は、前記増幅装置が正常動作していると判断すると、前記増幅装置側伝送線への出力電流に基づき、前記発電手段の動作状態を判定し、該判定結果を、前記報知手段に報知させることを特徴とする。
【0019】
また、請求項12に記載の発明は、請求項8〜請求項10の何れかに記載の電源装置において、前記増幅装置側伝送線への電源電圧の出力経路上には、逆流防止用のダイオードが設けられており、前記異常判定手段は、前記増幅装置が正常動作していると判断すると、前記逆流防止用のダイオードの両端の電位差に基づき、前記発電手段の動作状態を判定し、該判定結果を、前記報知手段に報知させることを特徴とする。
【0020】
次に、請求項13に記載の発明は、テレビ放送信号を伝送する伝送線上に設けられ、テレビ放送信号を増幅して端末側に送出する増幅装置であって、自然エネルギを利用して発電する発電手段と、前記電源装置から供給された電源電圧と前記発電手段からの出力とを用いて内部回路駆動用の電源電圧を生成し、内部回路に供給する電源回路と、前記電源回路からの出力が正常であるとき、その旨を表す通知信号を生成し、該生成した通知信号を、前記伝送線を介して端末側に送出する通知信号出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0021】
また、請求項14に記載の発明は、テレビ放送信号を伝送する伝送線上に設けられ、テレビ放送信号を増幅して端末側に送出する増幅装置であって、自然エネルギを利用して発電する発電手段と、前記電源装置から供給された電源電圧と前記発電手段からの出力とを用いて内部回路駆動用の電源電圧を生成し、内部回路に供給する電源回路と、前記増幅し
たテレビ放送信号を端末側の伝送線に送出する伝送経路に接続されて、前記電源装置から供給された電源電圧にて一定の負荷電流を流す電気負荷と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に記載のテレビ放送信号増幅システムは、上述した従来システムと同様、増幅装置と電源装置とから構成されており、増幅装置には、自然エネルギを利用して発電する発電手段と、この発電手段からの出力と電源装置から供給された電源電圧と用いて内部回路駆動用の電源電圧を生成する電源回路が設けられ、電源装置には、増幅装置側伝送線への出力電流及び出力電圧の少なくとも一方を用いて、増幅装置側で生じた断線/短絡を判定する異常判定手段が設けられている。
【0023】
しかし、電源装置に設けられた異常判定手段は、増幅装置から伝送線を介して伝送されてくる伝送信号に基づき、増幅装置が正常動作しているか否かを判断し、増幅装置が正常動作していないときに、増幅装置側で生じた断線/短絡を判定するようにされているので、増幅装置にて、発電手段からの出力だけで内部回路駆動用の電源電圧が生成されて、電源装置から増幅装置側へ負荷電流が流れない状態であっても、異常判定手段にて、増幅装置側の異常(断線)が誤判定されることはなく、報知手段には、増幅装置側で断線或いは短絡が生じたときにだけ、その旨が報知されることになる。
【0024】
よって、請求項1に記載のテレビ放送信号増幅システムによれば、増幅装置に発電手段と電源装置とを併用して電源供給を行うことができるだけでなく、電源装置にて増幅装置側で生じた断線/短絡の異常を正確に検出して、その旨を使用者に報知することができる。
【0025】
ここで、電源装置の異常判定手段が、増幅装置が正常に動作しているか否かを正確に判断できるようにするには、請求項2に記載のように、増幅装置に通知信号出力手段を設けて、電源回路からの出力が正常であるときに、増幅装置が正常動作している旨を表す通知信号を端末側に送出するようにし、電源装置側では、異常判定手段が、その通知信号に基づき増幅装置が正常動作していると判定するように構成するとよい。
【0026】
また、請求項3に記載のように、電源装置内に、増幅装置から伝送線を介して伝送されてきたテレビ放送信号の信号レベルを検出する信号レベル検出手段を設け、異常判定手段が、その検出された信号レベルが異常判定レベルよりも高いときに、増幅装置が正常動作していると判定するように構成してもよい。
【0027】
そして、このようにすれば、請求項2に記載のように、増幅装置側に通知信号出力手段を設ける必要がないため、増幅装置には太陽光発電パネル等の発電手段を設けた従来の増幅装置をそのまま用いることができる。
【0028】
一方、請求項4に記載のテレビ放送信号増幅システムにおいては、異常判定手段が、増幅装置が正常動作していると判断した際には、増幅装置側伝送線への出力電流に基づき、発電手段の動作状態を判定し、その判定結果を報知手段に報知させる。
【0029】
このため、請求項4に記載のテレビ放送信号増幅システムによれば、報知手段にて、発電手段の動作状態(発電効率等)を報知することができ、使用者は、その報知内容から増幅装置が設置された場所の気象状態を知ることができる。具体的には、発電手段が太陽光発電パネルであれば、天候状態を知ることができ、発電手段が、風力発電機であれば、風速等を知ることができる。
【0030】
また、請求項5に記載のテレビ放送信号増幅システムにおいては、異常判定手段が、増
幅装置が正常動作していると判断した際には、電源電圧の出力経路に設けた逆流防止用のダイオードの両端の電位差に基づき発電手段の動作状態を判定し、その判定結果を報知手段に報知させる。
【0031】
従って、この請求項5に記載のテレビ放送信号増幅システムにおいても、請求項4に記載のものと同様、報知手段にて、発電手段の動作状態(発電効率等)を報知することができ、使用者は、その報知内容から増幅装置が設置された場所の気象状態を知ることができる。
【0032】
なお、請求項5に記載のテレビ放送信号増幅システムにおいては、異常判定手段が、逆流防止用のダイオードの両端の電位差に基づき発電手段の動作状態を判定するが、これは、発電手段での発電量に応じて、増幅装置側から逆流防止用ダイオードに印加される電圧が変化し、その両端の電位差を検出すれば、発電手段の動作状態を検知できるためである。
【0033】
一方、請求項6に記載のテレビ放送信号増幅システムは、上述した従来システムと同様、増幅装置と電源装置とから構成されている。
そして、増幅装置には、自然エネルギを利用して発電する発電手段と、この発電手段からの出力と電源装置から供給された電源電圧と用いて内部回路駆動用の電源電圧を生成する電源回路に加えて、電源装置から供給された電源電圧にて一定の負荷電流を流す電気負荷が設けられており、電源装置側では、異常判定手段が、増幅装置側伝送線への出力電流に基づき、増幅装置側で生じた断線/短絡及び発電手段の動作状態を判定し、報知手段が、その判定結果を報知する。
【0034】
つまり、請求項6に記載のテレビ放送信号増幅システムにおいては、増幅装置に、電源装置から供給された電源電圧にて一定の負荷電流を流す電気負荷を設けているので、発電手段からの出力が、増幅装置の内部回路を動作させるのに充分な電力であっても、増幅装置と電源装置との間の伝送線が断線していなければ、電源装置から増幅装置側に一定の負荷電流が流れ、伝送線が断線したときのように、電源装置からの出力電流が零になることはない。
【0035】
このため、請求項6に記載のテレビ放送信号増幅システムにおいても、増幅装置に発電手段と電源装置とを併用して電源供給を行うことができるだけでなく、電源装置にて増幅装置側で生じた断線/短絡の異常を正確に検出して、その旨を使用者に報知することができる。
【0036】
また、電源装置においては、増幅装置側への出力電流に基づき、増幅装置側で生じた異常(断線/短絡)を検出するだけでなく、増幅装置が正常動作しているときには、その出力電流から発電手段の動作状態を判定する。このため、この請求項6に記載のテレビ放送信号増幅装置によれば、請求項4、5に記載のものと同様、報知手段にて、発電手段の動作状態(発電効率等)を報知することができ、使用者は、その報知内容から増幅装置が設置された場所の気象状態を知ることができる。
【0037】
なお、発電手段としては、太陽光を利用した太陽光発電パネル等の発電手段(太陽光発電手段)以外にも、風力発電機、地熱発電機等を使用できるが、発電効率や増幅装置への組み付けのし易さ等から、発電手段には、請求項7に記載のように、太陽光を受けて発電を行う太陽光発電手段を使用するとよい。
【0038】
次に、請求項8に記載の電源装置においては、異常判定手段が、増幅装置から伝送線を
介して伝送されてくる伝送信号に基づき、増幅装置が正常動作しているか否かを判断して、正常動作していないときに、増幅装置側伝送線への出力電流及び出力電圧の少なくとも一方を用いて、増幅装置側で生じた断線/短絡を判定し、報知手段が、その判定結果を報知する。
【0039】
従って、この請求項8に記載の電源装置を使用すれば、上述した請求項1に記載のテレビ放送信号増幅システムを構成できる。
また、請求項9に記載の電源装置においては、異常判定手段が、増幅装置から正常動作している旨を表す通知信号が伝送されてきているときに、増幅装置が正常動作していると判定する。
【0040】
従って、この請求項9に記載の電源装置を使用すれば、上述した請求項2に記載のテレビ放送信号増幅システムを構成できる。
また、請求項10に記載の電源装置には、増幅装置から伝送線を介して伝送されてきたテレビ放送信号の信号レベルを検出する信号レベル検出手段が設けられており、異常判定手段は、その信号レベル検出手段により検出された信号レベルが異常判定レベルよりも高い場合に、増幅装置が正常動作していると判定する。
【0041】
従って、この請求項10に記載の電源装置を使用すれば、上述した請求項3に記載のテレビ放送信号増幅システムを構成できる。
また次に、請求項11に記載の電源装置においては、異常判定手段が、増幅装置が正常動作していると判断した際には、増幅装置側伝送線への出力電流に基づき、発電手段の動作状態を判定し、その判定結果を、報知手段に報知させる。
【0042】
従って、この請求項11に記載の電源装置を使用すれば、上述した請求項4に記載のテレビ放送信号増幅システムを構成できる。
また、請求項12に記載の電源装置においては、増幅装置側伝送線への電源電圧の出力経路上に、逆流防止用のダイオードが設けられており、異常判定手段は、増幅装置が正常動作していると判断した際には、その逆流防止用のダイオードの両端の電位差に基づき、発電手段の動作状態を判定し、その判定結果を、報知手段に報知させる。
【0043】
従って、この請求項12に記載の電源装置を使用すれば、上述した請求項5に記載のテレビ放送信号増幅システムを構成できる。
次に、請求項13に記載の増幅装置には、発電手段及び電源回路に加えて、電源回路からの出力が正常であるとき、その旨を表す通知信号を生成し、その生成した通知信号を、伝送線を介して端末側に送出する通知信号出力手段が設けられている。
【0044】
このため、請求項13に記載の増幅装置を使用すれば、上述した請求項2に記載のテレビ放送信号増幅システムを構成できる。
また、請求項14に記載の増幅装置には、発電手段及び電源回路に加えて、増幅したテレビ放送信号を端末側の伝送線に送出する伝送経路に接続されて、端末側の電源装置から供給された電源電圧にて一定の負荷電流を流す電気負荷が設けられている。
【0045】
このため、請求項14に記載の増幅装置を使用すれば、上述した請求項6に記載のテレ
ビ放送信号増幅システムを構成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
図1は本発明が適用された第1実施形態のテレビ放送信号増幅システム全体の構成を表すブロック図である。
【0047】
図1に示すように、本実施形態のテレビ放送信号増幅システムは、受信アンテナ2にて受信されたテレビ放送信号(以下、受信信号ともいう)を増幅して、伝送線である同軸ケーブル8に出力することで、増幅後の受信信号を端末側に伝送させる、増幅装置としてのブースタ4と、同軸ケーブル8の端末側に設置され、同軸ケーブル8を介して伝送されてきた受信信号を末端のテレビ受信機等に出力すると共に、商用電源から電源供給を受けて、ブースタ4駆動用の電源電圧を生成し、同軸ケーブル8を介してブースタ4に供給する電源装置6と、から構成されている。
【0048】
ここで、ブースタ4には、受信アンテナ2からの受信信号を増幅する増幅回路10が設けられており、この増幅回路10にて増幅された受信信号を端末側の同軸ケーブル8上に送出する。また、この同軸ケーブル8が接続された出力端子と増幅回路10との間には、電源装置6から同軸ケーブル8を介して伝送されてきた電源電圧(直流電圧)を分離する電源分離フィルタ12が設けられており、この電源分離フィルタ12で分離された電源電圧は、逆流防止用のダイオードD1を介して定電圧回路16に入力される。
【0049】
また、ブースタ4には、発電手段としての太陽光発電パネル14が設けられており、太陽光発電パネル14からの出力(発電電力)も、逆流防止用のダイオードD2を介して定電圧回路16に入力される。
【0050】
そして、定電圧回路16は、太陽光発電パネル14からの出力を優先的に利用して増幅回路10をはじめとする内部回路駆動用の電源電圧(直流定電圧)を生成し、増幅回路10等に出力する。
【0051】
また、ブースタ4には、この定電圧回路16から出力される電源電圧を検出する電源電圧検出回路18、及び、その検出された電源電圧が正常か否か(換言すれば予め設定された下限電圧以上か否か)を判定する判定回路20が設けられており、この判定回路20による判定結果は、トーン信号発生回路22に出力される。
【0052】
トーン信号発生回路22は、判定回路20にて、電源電圧が正常であると判定されたときに、予め設定されたトーン信号を発生するものであり、トーン信号発生回路22が発生したトーン信号は、電源分離フィルタ12からダイオードD1に至る電源電圧の入力経路上に設けられたトーン信号重畳回路24を介して、電源分離フィルタ12側の経路に出力される。
【0053】
そして、電源分離フィルタ12は、テレビ放送信号に比べて極めて周波数が低いトーン信号は、電源電圧と同じ経路を通過できるように構成されているため、トーン信号発生回路22が発生したトーン信号は、トーン信号重畳回路24、電源分離フィルタ12を通って、端末側の同軸ケーブル8に出力され、同軸ケーブル8を介して電源装置6へ伝送される。
【0054】
一方、電源装置6には、同軸ケーブル8を介してブースタ4から伝送されてきた受信信
号を末端のテレビ受信機に出力する受信信号の伝送経路が形成されており、その経路上には、電源電圧を重畳して、ブースタ4側へと送出するための電源重畳フィルタ32が設けられている。
【0055】
そして、電源装置6内では、電源回路30が、商用電源から電源供給を受けて、ブースタ4駆動用の電源電圧を生成し、その生成された電源電圧が、電源重畳フィルタ32及び同軸ケーブル8を介してブースタ4へ伝送される。
【0056】
また、この電源重畳フィルタ32は、ブースタ4に設けた電源分離フィルタ12と同様に構成されているため、ブースタ4からブースタ4内で生成した電源電圧の正常時に出力されるトーン信号は、電源重畳フィルタ32を介して受信信号と分離され、その分離されたトーン信号は、トーンデコーダ36に入力される。
【0057】
トーンデコーダ36は、ブースタ4内のトーン信号発生回路22が生成したトーン信号をデコードして、その信号の有無を判定するものであり、その判定結果(トーン有無)は、制御回路40に入力される。
【0058】
また、電源装置6において、電源回路30から電源重畳フィルタ32に至る電源電圧の出力経路上には、同軸ケーブル8を介してブースタ4側に出力される出力電流(換言すれば負荷電流)を検出する負荷電流検出回路34が設けられており、この負荷電流検出回路34による検出結果(電流値)も、制御回路40に入力される。
【0059】
また、制御回路40には、負荷電流検出回路34を介して電源重畳フィルタ32(延いては同軸ケーブル8)へと出力される電源電圧の電圧値も入力される。
制御回路40は、上記のように入力されるトーン信号の有無を表す判定結果、負荷電流の検出結果(電流値)、及び、同軸ケーブル8へ出力される電源電圧の電圧値(出力電圧)に基づき、ブースタ4若しくは同軸ケーブル8で生じた異常(断線/短絡)、及び、ブースタ4側での太陽光発電パネル14の動作状態を判定して、その判定結果を、表示部38に設けられた3個の発光ダイオード(LED)を使って報知するためのものであり、本実施形態では、図2に示すように動作する。
【0060】
すなわち、制御回路40は、ブースタ4からトーン信号が送信されているときには、ブースタ4は正常に動作していると判断し、ブースタ4からトーン信号が送信されていないときには、ブースタ4若しくは同軸ケーブル8に断線/短絡の異常が発生したと判断する。
【0061】
そして、異常判定時(つまり、トーン信号無しの場合)には、負荷電流Iと電源電圧Vとに基づき、断線/短絡を判定する。すなわち、負荷電流Iが下限値Imin未満で、電源電圧Vが上限値Vmaxを超えていれば、断線と判断して、表示部38に設けられた3個のLEDを赤色で点灯させ、負荷電流Iが上限値Imaxを越えていて、電源電圧Vが下限値Vmin未満であれば、短絡と判断して、表示部38に設けられた3個のLEDを赤色で点滅させる。
【0062】
また、正常判定時(つまり、トーン信号有りの場合)には、負荷電流Iに基づき太陽光発電パネル14の動作状態を判定して、太陽光発電パネル14による省エネ効果を4段階で表示する。
【0063】
つまり、制御回路40は、負荷電流Iが商用電源100%使用時の基準値Itに対し、「I≦0.3×It」であれば、太陽光発電パネル14の使用率が70%以上であると判
断して、表示部38に設けられた3個のLEDを全て緑色で点灯させ、「0.3×It≦I<0.7×It」であれば、太陽光発電パネル14の使用率が30%以上70%未満であると判断して、表示部38に設けられた2個のLEDを緑色で点灯させ、「0.7×It≦I<0.9×It」であれば、太陽光発電パネル14の使用率が10%以上30%未満であると判断して、表示部38に設けられた1個のLEDを緑色で点灯させ、「0.9×It≦I」であれば、太陽光発電パネル14の使用率が10%未満であると判断して、表示部38に設けられた1個のLEDを黄色で点灯させる。
【0064】
このため、使用者は、表示部38の3個のLEDの点灯状態から、断線/短絡の異常はもちろんのこと、そのときのブースタ4の設置場所の天候状態が、快晴、薄曇り、曇り、雨(或いは夜)であるのかを検知できることになる。
【0065】
以上説明したように、本実施形態のテレビ放送信号増幅システムにおいては、ブースタ4内の電源電圧が正常である場合に、通知信号として、ブースタ4から電源装置6側にトーン信号を送信し、電源装置6側では、そのトーン信号の有無を判定することにより、ブースタ4側に異常が発生しているか否かを判断し、異常時には、負荷電流と出力電圧とからその異常が断線異常であるか短絡異常であるかを判断して、表示部38に表示する。
【0066】
従って、本実施形態によれば、電源装置6からブースタ4側へ負荷電流が流れないときに、異常(断線)を誤判定してしまうようなことはなく、電源装置6にてブースタ4側で生じた断線/短絡の異常を正確に検出して、その旨を使用者に報知することができる。
【0067】
また、本実施形態では、ブースタ4が正常に動作しているときには、負荷電流の大きさから、太陽光発電パネル14の使用率を判断して、表示部38に4段階で表示するので、使用者に、太陽光発電パネル14による省エネ効果を報知できると共に、昼間であれば、使用者は、その報知結果から外の天候状態を知ることができ、使い勝手を向上できる。
【0068】
なお、本実施形態において、ブースタ4側では、定電圧回路16からの出力電圧(電源電圧)に基づき、ブースタ4自身の動作状態を判定するものとして説明したが、定電圧回路16から増幅回路10に流れる負荷電流から、ブースタ4自身の動作状態を判定するようにしてもよい。
【0069】
そして、本実施形態においては、ブースタ4に設けられた太陽光発電パネル14が、本発明の発電手段に相当し、同じく定電圧回路16が、本発明の電源回路に相当し、同じくトーン信号発生回路22が、本発明の通知信号出力手段に相当する。また、電源装置6に設けられた制御回路40が、本発明の異常判定手段に相当し、同じく表示部38が、本発明の報知手段に相当する。
【0070】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図3は第2実施形態のテレビ放送信号増幅システム全体の構成を表すブロック図である。
【0071】
図3に示すように、本実施形態のテレビ放送信号増幅システムにおいては、ブースタ4が、増幅回路10と、電源分離フィルタ12と、ダイオードD1と、太陽光発電パネル14と、ダイオードD2と、定電圧回路16とから構成されている。
【0072】
また、電源装置6には、電源回路30と、電源重畳フィルタ32と、負荷電流検出回路34と、表示部38と、制御回路40が設けられている。
なお、これら各部は、第1実施形態のものと同様であるため、詳細な説明は省略し、以下の説明では、第1実施形態と異なる点について説明する。
【0073】
図3に示すように、電源装置6において、同軸ケーブル8から電源重畳フィルタ32に至る伝送経路上には、受信信号の一部を分岐させる分岐回路41が設けられており、分岐回路41にて分岐された受信信号は、受信アンテナ2で受信されるテレビ放送信号を複数チャンネル分選択的に通過させるバンドパスフィルタ(BPF)42を介して、検波器44に入力される。
【0074】
検波器44は、BPF42を介して入力された受信信号を検波することにより、その信号レベルを検出するものであり、検波器44からの検波信号は、判定回路46に入力される。
【0075】
また、判定回路46は、受信信号の信号レベルが異常判定レベル以下であるか否かを判定することにより、ブースタ4から受信信号が正常に出力されているか否か(換言すればブースタ4が正常動作しているか否か)を判断する。
【0076】
そして、その判定回路46による判定結果(ブースタ4の正常/異常)は、制御回路40に入力され、制御回路40は、上記実施形態と同様、この判定結果と、負荷電流検出回路34から入力される負荷電流の電流値と、電源電圧の電圧値とに基づき、ブースタ4異常時には断線/短絡を判定し、ブースタ4の正常時には、太陽光発電パネル14の使用率を判定し、その判定結果を表示部38に表示する。
【0077】
従って、本実施形態のテレビ放送信号増幅システムにおいても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態においては、電源装置6に設けられた分岐回路41、BPF42、及び、検波器44が、本発明の信号レベル検出手段に相当し、判定回路46及び制御回路40が異常判定手段に相当する。
【0078】
ここで、上記各実施形態では、制御回路40にて、ブースタ4側の断線/短絡及び太陽光発電パネル14の使用率を判定する際には、負荷電流を用いるものとして説明したが、図4(a)に示すように、電源回路30から電源重畳フィルタ32に至る電源電圧の出力経路に、負荷電流検出回路34に変えて、逆流防止用のダイオードD3を設け、その両端の電圧V1,V2(V1:カソード側電圧、V2:アノード側電圧)を制御回路40に入力するようにし、制御回路40では、図4(b)に示すように、ブースタ4の異常時(トーン信号無し)にも、ブースタ4の正常時(トーン信号有り)にも、これらの電圧値V1、V2だけで、断線/短絡及び太陽光発電パネル14の使用率を判定するようにしてもよい。
【0079】
つまり、異常時には、電源電圧Vが上限値Vmaxを超えていれば、断線と判断し、電源電圧Vが下限値Vmin未満であれば、短絡と判断して、表示部38に設けられた3個のLEDを上記実施形態と同様に点灯又は点滅させ、正常時には、ダイオードD3の両端の電位差(V1−V2)と、判定基準Vref1〜Vref4とを各々比較することで、太陽光発電パネル14の使用率を4段階に判断し、その判断結果を、上記実施形態と同様に、表示部38に設けられた3個のLEDを使って報知するのである。
【0080】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図5は第3実施形態のテレビ放送信号増幅システム全体の構成を表すブロック図である。
【0081】
図5に示すように、本実施形態のテレビ放送信号増幅システムにおいては、ブースタ4が、増幅回路10と、電源分離フィルタ12と、ダイオードD1と、太陽光発電パネル14と、ダイオードD2と、定電圧回路16とから構成され、電源装置6が、電源回路30と、電源重畳フィルタ32と、負荷電流検出回路34と、表示部38と、制御回路40とから構成されている。
【0082】
なお、これら各部は、第1、2実施形態のものと同様であるため、詳細な説明は省略し、以下の説明では、上記各実施形態と異なる点について説明する。
図5に示すように、ブースタ4には、電源分離フィルタ12と同軸ケーブル8との間の受信信号の出力経路上に、一端がグランドラインに接地された負荷抵抗Rが設けられている。なお、この負荷抵抗Rは、電源装置6から供給された電源電圧にて一定の負荷電流を流す電気負荷であり、本実施形態では、例えば、0.5mA〜2mA程度の微少電流を流すように抵抗値が10kΩ〜20kΩ程度の大きな抵抗値に設定されている。
【0083】
そして、電源装置6側では、制御回路40が、負荷電流検出回路34にて検出された負荷電流と電源電圧とに基づき、負荷電流Iが下限値Imin未満で、電源電圧Vが上限値Vmaxを超えていれば、断線を判断し、負荷電流Iが「Imin≦I≦0.3×It」であれば、太陽光発電パネル14の使用率が70%以上であると判断する(図6参照)。
【0084】
つまり、本実施形態では、ブースタ4に負荷抵抗Rを設けているので、ブースタ4の内部回路が太陽光発電パネル14からの出力だけで動作していても(使用率100%)、ブースタ4と電源装置6との間で断線が生じていなければ、電源装置6からブースタ4に一定の負荷電流が流れ、断線したときのように、負荷電流が下限値未満となることはない。従って、本実施形態によれば、第1、第2実施形態のように、ブースタ4からの伝送信号を利用してブースタ4の動作状態を判定することなく、負荷電流から、断線と太陽光発電パネル14の使用率100%とを識別することができるようになるのである。
【0085】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて、種々の態様をとることができる。
例えば、上記実施形態では、太陽光発電パネル14は、ブースタ4に内蔵されるものとして説明したが、太陽光発電パネル14はブースタ4のケース内に設ける必要はなく、図7又は図8に示すように、ブースタ4の本体ケース50に外付けするようにしてもよい。
【0086】
すなわち、図7、図8に示すブースタ4は、アンテナの接続端子や受信信号の出力端子が組み付けられ、内部に増幅回路等の各種回路が収納された本体ケース50と、本体ケース50の前面の開口部を密閉する蓋体52と、から構成され、蓋体52が、固定具54を介して本体ケース50に開口部を開閉可能に取り付けられた、一般的なものである。
【0087】
そして、図7に示すブースタ4では、太陽光発電パネル14に、蓋体52と一緒に、固定具54を介して取り付けるための腕部14aを設け、この腕部14aを、固定具54を介して蓋体52の上に装着することで、太陽光発電パネル14を、蓋体52の開閉方向と同方向に揺動させて、その受光面を所望角度(仰角)に位置決めできるようにされている。
【0088】
また、図8に示すブースタ4では、ブースタ4を支柱等へ設置したときに上方に配置される本体ケース50の上端面に、専用の固定具60を介して、太陽光発電パネル14が固定されている。
【0089】
この固定具60は、太陽光発電パネル14の裏面(受光面とは反対側の面)に固定される第1固定具62と、本体ケース50の上端面に固定される第2固定具64とから構成されており、第1固定具62からは先端に球状の突起62aが設けられたロッド62bが突設されている。
【0090】
また、第2固定具64には、この球状の突起62aを収納するための収納部64aと、この収納部64aから延設され、先端をねじ66で締め付けることで、球状の突起62aを収納部64a内に固定するための操作部64bが設けられている。
【0091】
このため、図8に示すブースタ4によれば、球場の突起62aを中心にして、太陽光発電パネル14の受光面の向きを仰角方向にも水平方向にも調整することができ、その調整後にねじ66で第2固定具64の操作部64bを締め付けることで、太陽光発電パネル14を本体ケース50にしっかりと固定できる。
【0092】
従って、太陽光発電パネル14を、図7、図8に示すように、ブースタ4の本体ケース50に外付けすれば、ブースタ4の設置時に、太陽光発電パネル14の受光面の向きを、太陽光を効率よく受光し得る向きに調整して、太陽光発電パネル14の使用率を高めることができる。
【0093】
なお、図7において、(a)はブースタ4を蓋体52で開閉される前面から見た正面図であり、(b)はその右側面図である。また、図8において、(a)は、ブースタ4の右側面図であり、(b)は第2固定具64を上方から見た平面図であり、(c)はその側面図である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】第1実施形態のテレビ放送信号増幅システムの構成を表すブロック図である。
【図2】第1実施形態の制御回路の判定動作を表す説明図である。
【図3】第2実施形態のテレビ放送信号増幅システムの構成を表すブロック図である。
【図4】第1、第2実施形態の変形例を表す説明図である。
【図5】第3実施形態のテレビ放送信号増幅システムの構成を表すブロック図である。
【図6】第3実施形態の制御回路の判定動作を表す説明図である。
【図7】太陽光発電パネルを外付けしたブースタの一例を表す説明図である。
【図8】太陽光発電パネルを外付けしたブースタの他の例を表す説明図である。
【符号の説明】
【0095】
2…受信アンテナ、4…ブースタ、6…電源装置、8…同軸ケーブル、10…増幅回路、12…電源分離フィルタ、14…太陽光発電パネル、14a…腕部、16…定電圧回路、18…電源電圧検出回路、20…判定回路、22…トーン信号発生回路、24…トーン信号重畳回路、30…電源回路、32…電源重畳フィルタ、34…負荷電流検出回路、36…トーンデコーダ、38…表示部、40…制御回路、41…分岐回路、44…検波器、46…判定回路、50…本体ケース、52…蓋体、54…固定具、60…固定具、62…第1固定具、62a…突起、62b…ロッド、64…第2固定具、64a…収納部、64b…操作部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ放送信号を伝送する伝送線上に設けられ、テレビ放送信号を増幅して端末側に送出する増幅装置と、
前記伝送線の端末側に設けられ、前記伝送線を介して前記増幅装置に電源電圧を供給する電源装置と、
を備えたテレビ放送信号増幅システムにおいて、
前記増幅装置は、
自然エネルギを利用して発電する発電手段と、
前記電源装置から供給された電源電圧と前記発電手段からの出力とを用いて内部回路駆動用の電源電圧を生成し、内部回路に供給する電源回路と、
を備え
前記電源装置は、
前記増幅装置から伝送線を介して伝送されてくる伝送信号に基づき、前記増幅装置が正常動作しているか否かを判断し、正常動作していないときに、前記増幅装置側伝送線への出力電流及び出力電圧の少なくとも一方を用いて、前記増幅装置側で生じた断線/短絡を判定する異常判定手段と、
該異常判定手段による判定結果を報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とするテレビ放送信号増幅システム。
【請求項2】
前記増幅装置には、前記電源回路からの出力が正常であるとき、その旨を表す通知信号を生成し、該生成した通知信号を、前記伝送線を介して端末側に送出する通知信号出力手段が設けられており、
前記電源装置の異常判定手段は、前記増幅装置から前記通知信号が伝送されてきているときに、前記増幅装置が正常動作していると判定し、前記通知信号が伝送されてこないときに、前記増幅装置側に異常が生じたと判断して、前記断線/短絡を判定することを特徴とする請求項1に記載のテレビ放送信号増幅システム。
【請求項3】
前記電源装置には、
前記増幅装置から伝送線を介して伝送されてきたテレビ放送信号の信号レベルを検出する信号レベル検出手段が設けられており、
前記異常判定手段は、該信号レベル検出手段により検出された信号レベルが異常判定レベルよりも高い場合に、前記増幅装置が正常動作していると判定し、該信号レベル検出手段により検出された信号レベルが異常判定レベル以下であれば、前記増幅装置側に異常が生じたと判断して、前記断線/短絡を判定することを特徴とする請求項1に記載のテレビ放送信号増幅システム。
【請求項4】
前記電源装置において、前記異常判定手段は、前記増幅装置が正常動作していると判断すると、前記増幅装置側伝送線への出力電流に基づき、前記発電手段の動作状態を判定し、該判定結果を、前記報知手段に報知させることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のテレビ放送信号増幅システム。
【請求項5】
前記電源装置において、
前記増幅装置側伝送線への電源電圧の出力経路上には、逆流防止用のダイオードが設けられており、
前記異常判定手段は、前記増幅装置が正常動作していると判断すると、前記逆流防止用のダイオードの両端の電位差に基づき、前記発電手段の動作状態を判定し、該判定結果を、前記報知手段に報知させることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のテレビ放送信号増幅システム。
【請求項6】
テレビ放送信号を伝送する伝送線上に設けられ、テレビ放送信号を増幅して端末側に送出する増幅装置と、
前記伝送線の端末側に設けられ、前記伝送線を介して前記増幅装置に電源電圧を供給する電源装置と、
を備えたテレビ放送信号増幅システムにおいて、
前記増幅装置は、
自然エネルギを利用して発電する発電手段と、
前記電源装置から供給された電源電圧と前記発電手段からの出力とを用いて内部回路駆動用の電源電圧を生成し、内部回路に供給する電源回路と、
前記増幅したテレビ放送信号を端末側の伝送線に送出する伝送経路に接続されて、前記電源装置から供給された電源電圧にて一定の負荷電流を流す電気負荷と、
を備え
前記電源装置は、
前記増幅装置側伝送線への出力電流に基づき、前記増幅装置側で生じた断線/短絡及び前記発電手段の動作状態を判定する異常判定手段と、
該異常判定手段による判定結果を報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とするテレビ放送信号増幅システム。
【請求項7】
前記増幅装置に設けられる発電手段は、太陽光を受けて発電を行う太陽光発電手段であることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載のテレビ放送信号増幅システム。
【請求項8】
テレビ放送信号を伝送する伝送線の端末側に設けられ、該伝送線上に設けられたテレビ放送信号増幅用の増幅装置に、前記伝送線を介して電源電圧を供給する電源装置であって、
前記増幅装置から伝送線を介して伝送されてくる伝送信号に基づき、前記増幅装置が正常動作しているか否かを判断し、正常動作していないときに、前記増幅装置側伝送線への出力電流及び出力電圧の少なくとも一方を用いて、前記増幅装置側で生じた断線/短絡を判定する異常判定手段と、
該異常判定手段による判定結果を報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項9】
前記異常判定手段は、前記増幅装置から正常動作している旨を表す通知信号が伝送されてきているときに、前記増幅装置が正常動作していると判定し、前記通知信号が伝送されてこないときに、前記増幅装置側に異常が生じたと判断して、前記断線/短絡を判定することを特徴とする請求項8に記載の電源装置。
【請求項10】
前記増幅装置から伝送線を介して伝送されてきたテレビ放送信号の信号レベルを検出する信号レベル検出手段を備え、
前記異常判定手段は、該信号レベル検出手段により検出された信号レベルが異常判定レベルよりも高い場合に、前記増幅装置が正常動作していると判定し、該信号レベル検出手段により検出された信号レベルが異常判定レベル以下であれば、前記増幅装置側に異常が生じたと判断して、前記断線/短絡を判定することを特徴とする請求項8に記載の電源装置。
【請求項11】
前記異常判定手段は、前記増幅装置が正常動作していると判断すると、前記増幅装置側伝送線への出力電流に基づき、前記発電手段の動作状態を判定し、該判定結果を、前記報知手段に報知させることを特徴とする請求項8〜請求項10の何れかに記載の電源装置。
【請求項12】
前記増幅装置側伝送線への電源電圧の出力経路上には、逆流防止用のダイオードが設けられており、
前記異常判定手段は、前記増幅装置が正常動作していると判断すると、前記逆流防止用のダイオードの両端の電位差に基づき、前記発電手段の動作状態を判定し、該判定結果を、前記報知手段に報知させることを特徴とする請求項8〜請求項10の何れかに記載の電源装置。
【請求項13】
テレビ放送信号を伝送する伝送線上に設けられ、テレビ放送信号を増幅して端末側に送出する増幅装置であって、
自然エネルギを利用して発電する発電手段と、
前記電源装置から供給された電源電圧と前記発電手段からの出力とを用いて内部回路駆動用の電源電圧を生成し、内部回路に供給する電源回路と、
前記電源回路からの出力が正常であるとき、その旨を表す通知信号を生成し、該生成した通知信号を、前記伝送線を介して端末側に送出する通知信号出力手段と、
を備えたことを特徴とする増幅装置。
【請求項14】
テレビ放送信号を伝送する伝送線上に設けられ、テレビ放送信号を増幅して端末側に送出する増幅装置であって、
自然エネルギを利用して発電する発電手段と、
前記電源装置から供給された電源電圧と前記発電手段からの出力とを用いて内部回路駆動用の電源電圧を生成し、内部回路に供給する電源回路と、
前記増幅したテレビ放送信号を端末側の伝送線に送出する伝送経路に接続されて、前記電源装置から供給された電源電圧にて一定の負荷電流を流す電気負荷と、
を備えたことを特徴とする増幅装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−246786(P2009−246786A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−92480(P2008−92480)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000113665)マスプロ電工株式会社 (395)
【Fターム(参考)】