説明

テントフレーム

【課題】 大型倉庫や建築現場の仮囲い等として使用されるテントハウスを構成するテントフレームに於て、強風等の外力が作用しても不用意に滑る事がなく、所定の場所に安定して定置できると共に、それでいて任意の場所に容易に移動できる様にする。
【解決手段】 複数の主骨体2と、主骨体2の下部に高さ調整可能に設けられて接地面Aに接地される座体3と、主骨体2の下部に座体3と干渉しない様に設けられて接地面Aを転動し得る車輪4と、隣接する主骨体2の下部間に架設された架橋体5と、架橋体5に載置されて所定の重量を備えた錘体6と、座体3に設けられて接地面Aに対して滑止めを行なう滑止体7とで構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば大型倉庫や建築現場の仮囲い等として用いられるテントハウスを構成するテントフレームの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のテントフレームとしては、例えば次の様なものが知られている。
(1) 主骨体と、主骨体の下部に高さ調整可能に設けられて接地面に接地される座体と、主骨体に隣接する接地面に接地されて所定の重量を備えた錘体と、錘体と主骨体とを連結する連結体(索条)とを具備するもの(特許文献1参照)。
(2) 主骨体と、主骨体の下部に高さ調整可能に設けられて接地面に接地される座体と、主骨体の下部に座体と干渉しない様に設けられて接地面を転動し得る車輪とを具備するもの(特許文献2〜4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−150083号公報
【特許文献2】特開2010−7294号公報
【特許文献3】特公平7−88722号公報
【特許文献4】特開平8−338131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前者のものは、座体と錘体と連結体を備えているので、所定の場所に定置する事ができるものの、任意の場所へ移動する事ができなかった。
他方、後者のものは、座体を備えているので、所定の場所に定置する事ができると共に、車輪を備えているので、任意の場所へ移動する事ができる。
然しながら、従来の何れのものも、座体を固定する為のアンカを接地面に打設できない場合には、例えば強風等の外力が作用すると、接地面に対して座体や錘体が不用意に滑って移動してしまい、最悪の場合には、転倒する可能性があった。
【0005】
本発明は、叙上の問題点に鑑み、これを解消する為に創案されたもので、その課題とする処は、強風等の外力が作用しても不用意に滑る事がなく、所定の場所に安定して定置できると共に、それでいて任意の場所に容易に移動できる様にしたテントフレームを提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のテントフレームは、基本的には、複数の主骨体と、主骨体の下部に高さ調整可能に設けられて接地面に接地される座体と、主骨体の下部に座体と干渉しない様に設けられて接地面を転動し得る車輪と、座体に設けられて接地面に対して滑止めを行なう滑止体と、隣接する主骨体の下部間に架設された架橋体と、架橋体に載置されて所定の重量を備えた錘体と、から構成した事に特徴が存する。
【0007】
座体が接地面に接地されると共に、座体の上に主骨体が樹立される。隣接する主骨体の下部間に架橋体が架設されると共に、架橋体の上に錘体が載置される。
隣接する主骨体の下部間に架橋体が架設されると共に、架橋体の上に錘体が載置されるので、座体には、主骨体だけでなく架橋体及び錘体の重量が加算されて作用される。加えて、座体には、接地面に対して滑止めを行なう滑止体が設けられているので、座体と接地面との間の摩擦抵抗が増大し、接地面に対して座体が滑る惧れがない。その結果、テントフレームに強風等の大きな外力が作用しても、定置場所から不用意に移動したり、転倒する惧れがない。
主骨体に対して座体を調整移動させると、接地面に対して主骨体の高さを調整する事ができる。
架橋体の上から錘体が離脱された後に、座体が高さ調整されて接地面から離間(離地)されると、車輪が接地面に接地される。そうすると、車輪を利用して主骨体を任意の場所へ移動する事ができる。
主骨体を任意の場所へ移動した後には、座体が高さ調整されてこれが接地面に接地されると共に、車輪が接地面から離間される。そして、架橋体の上に錘体が載置される。そうすると、車輪より接地面積が大きい座体に依り主骨体が支持される。この為、安定した定置が行われると共に、車輪が離地される事に依り主骨体の自重が作用せず、車輪が損傷する惧れもなくなる。
主骨体の下部には、接地面を転動し得る車輪が設けられているので、主骨体を任意の場所に容易に移動させる事ができる。錘体は、クレーンやフォークリフト等を利用して任意の場所に移動する事ができる。
【0008】
車輪は、主骨体に対して高さ調整可能に設けられているのが好ましい。この様にすれば、接地面が傾斜していても、主骨体に対して車輪を高さ調整する事ができ、主骨体を適正な姿勢に保つ事ができる。
【0009】
車輪は、主骨体に対して縦軸廻りに旋回可能に設けられているのが好ましい。この様にすれば、主骨体を任意の方向へ旋回させる事ができる。
【0010】
車輪は、主骨体に対して着脱可能に設けられているのが好ましい。この様にすれば、必要な時のみに主骨体に装着する事ができる。
【0011】
架橋体は、隣接する主骨体の下部横材間に橋渡される橋渡枠材と、これに固定されて主骨体の下部横材に上から嵌合される嵌合片とを備えているのが好ましい。この様にすれば、嵌合片を備えているので、架橋体を主骨体に着脱可能に装着できると共に、装着した際には、主骨体からの不用意な脱落を防止できる。
【0012】
錘体は、フォーク挿入空間を備えているのが好ましい。この様にすれば、フォークリフトのフォークをフォーク挿入空間に挿入して錘体を持ち上げる事ができ、所謂フォークリフトを利用して錘体を任意の場所に移動する事ができる。
【0013】
錘体は、接地面や架橋体の上に置かれてフォーク挿入空間を形成する挿入空間形成体を備えているのが好ましい。この様にすれば、フォーク挿入空間を錘体の下部に形成できるので、錘体の重心を低くしてフォークリフトに依り安全に運搬する事ができる。
【0014】
挿入空間形成体は、一対のものが錘体の下部に付設されると共に、フォーク挿入空間は、錘体と接地面との間に形成されるのが好ましい。この様にすれば、比較的大きなフォーク挿入空間を形成でき、フォークリフトのフォークの挿入が容易に行なえる。
【0015】
挿入空間形成体は、中空状にして一対のものが錘体の下部に付設されると共に、フォーク挿入空間は、挿入空間形成体の中空部分に形成されるのが好ましい。この様にすれば、挿入空間形成体の中空部分をフォーク挿入空間として利用できるので、フォークリフトに依り錘体を運搬する際には、フォークに対して錘体が横滑りする事がない。
【0016】
滑止体は、座体に対して固定されているのが好ましい。この様にすれば、滑止体が座体に対して不用意に離脱する惧れがないので、紛失や故障等を誘発する事がない。
【0017】
滑止体は、座体に対して上下方向に調整移動可能に設けられているのが好ましい。この様にすれば、接地面に対する滑止体の突入量を調整する事ができる。
【0018】
滑止体は、座体に対して固定されている固定式のものと、座体に対して上下方向に調整移動可能な可動式のものとを備えているのが好ましい。この様にすれば、両方式に依り相乗的な滑止め効果を期待する事ができる。
【0019】
滑止体は、接地面に突入し得る突起を備えた略鋸板状を呈しているのが好ましい。この様にすれば、滑止め効果が優れていると共に、製作が容易に行なえる。
【0020】
滑止体は、座体に螺設された螺孔と、これに螺合されるボルトと、ボルトの先端に形成されて接地面に突入し得る突起とを備えているのが好ましい。この様にすれば、ボルトの螺動に依りこれを上下に移動でき、接地面に対する突入量を可変する事ができる。その結果、滑止め効果を容易に可変する事ができると共に、不要の場合には、螺脱する事に依り簡単に取外す事ができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に依れば、次の様な優れた効果を奏する事ができる。
(1) 主骨体、座体、車輪、滑止体、架橋体、錘体とで構成し、とりわけ、主骨体の下部に座体と干渉しない様に設けられて接地面を転動し得る車輪と、隣接する主骨体の下部間に架設された架橋体と、架橋体に載置されて所定の重量を備えた錘体とを具備しているので、所定の場所に安定して定置できると共に、任意の場所に容易に移動できる。
(2) 座体には、接地面に対して滑止めを行なう滑止体が設けられているので、座体が接地面に対して滑る事がなく、所定位置に確実に定置する事ができる。その結果、強風等の外力が作用しても、テントフレームが接地面に対して不用意に移動する事がなく、転倒する惧れもない。
(3) 隣接する主骨体の下部間に架設された架橋体と、架橋体に載置されて所定の重量を備えた錘体とを具備しているので、錘体の重量が架橋体と主骨体を介して座体と滑止体に伝達される。その結果、それだけ大きな接地圧力と滑止効果を得る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第一例に係るテントフレームを示す一部を省略した正面図。
【図2】図1の側面図。
【図3】図1の横断平面図。
【図4】図1の要部拡大正面図。
【図5】図1の座体を示す要部拡大斜視図。
【図6】図1の錘体を示す拡大斜視図。
【図7】図1の主骨体と車輪と架橋体を示す拡大斜視図。
【図8】本発明の第二例に係るテントフレームを示す要部拡大正面図。
【図9】図8の座体を示す要部拡大斜視図。
【図10】本発明の第三例に係る錘体を示す拡大斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1乃至図7は、本発明の第一例を、図8及び図9は、本発明の第二例を、図10は、本発明の第三例を夫々示している。尚、以下の説明に於て、左右方向とは、テントフレーム1の幅方向(図1に於て左右方向)を言い、前後方向とは、テントフレーム1の奥行方向(図2に於て左右方向)を言う事にする。
【0024】
図1乃至図7に於て、テントフレーム1は、主骨体2、座体3、車輪4、架橋体5、錘体6、滑止体7とからその主要部が構成されて居り、テントハウスに適用される。
テントハウスは、接地面Aに設置されるテントフレーム1と、図略しているが、これの外側に張られるテントシート(膜体)とから構成されている。
接地面Aは、コンクリートやアスファルト等で舗装されて比較的強硬で平滑にされている。
【0025】
主骨体2は、テントフレーム1の基本部分を為す複数のもので、この例では、直立した支柱8と、これの上部に着脱可能に連結されてこれから斜め上方に延出する屋根骨9とを備えて居り、この様なものが左右一対あって左右の屋根骨9どうしが連結されて門型にされている。
支柱8は、左右の縦管10と、これらを連結する適数の横材11及び適数の筋交材12とを備えている。
屋根骨9は、上下の斜管13と、これらを連結する適数の縦管14及び適数の筋交管15とを備えている。
而して、主骨体2は、前後方向に所定の間隔を置いて適数だけ配列されて居り、前後方向に隣接する主骨体2間には、図略しているが、適数の連結部材(筋交材や桁材)が着脱可能に設けられている。従って、テントフレーム1は、この連結部材をも包含している。
【0026】
座体3は、主骨体2の下部に高さ調整可能に設けられて接地面Aに接地されるもので、この例では、スクリュベース(ジャッキベース)にしてあり、主骨体2の支柱8を構成する縦管10の下部に設けられて居り、平面略正方形で板状を呈する座板16と、これに植設されて上部が支柱8の縦管10に着脱可能に挿入される螺子棒17と、これに螺合されて支柱8の縦管10の下面に当合されるハンドルナット18と、支柱8の縦管10に螺設されて螺子棒17を抜止めする抜止ボルト19とを備えている。
【0027】
車輪4は、主骨体2の下部に座体3と干渉しない様に設けられて接地面Aを転動し得るもので、この例では、転輪20と、これを水平軸廻りに回転可能に支持する倒立略U型の支持体21と、これを縦軸廻りに旋回可能に支持する保持体22と、これに設けられて主骨体2の支柱8を構成する最下位の横材11に着脱可能に水平に嵌合される略コ型の取付体23と、これを主骨体2の下部横材11に締付固定する為のボルト24とを備えて居り、所謂旋回式のキャスタを用いている。
【0028】
架橋体5は、隣接する主骨体2の下部間に架設されたもので、この例では、隣接する主骨体2の下部横材11間に橋渡される四枠状を呈する橋渡枠材25と、これの前後に固定されて主骨体2の下部横材11に上から嵌合される左右一対の嵌合片26とを備えている。
嵌合片26は、前後のものが左右方向に若干ずらして付設されて居り、隣接する嵌合片26同士を重ならせる事なく、前後方向に配置される複数の橋渡枠材25が一直線上に並ぶ様にされている。
【0029】
錘体6は、架橋体5に載置されて所定の重量を備えたもので、この例では、隣接する前後の主骨体2の支柱8間に位置する架橋体5の上に載置されると共に、前後方向に長い直方体状を呈して各主骨体2の設置領域に収まる大きさを備えて居り、金属製で上方が開放した箱形を為す外殻27と、これの内部に充填されたコンクリート28と、これの上部に設けられた吊具29とを備えている。吊具29は、コンクリート28の上面中央に窪所を形成する為の上方が開放した箱体と、これの内部に設けられた適数(一つ)の水平な棒体とから成って居り、図略しているが、箱体と棒体の少なくとも一方は、コンクリート28内で外殻27と連結されている。
而して、錘体6は、図示しないフォークリフトのフォークが挿入されるフォーク挿入空間30を備えている。フォーク挿入空間30は、錘体6の外殻27の下部に前後方向に所定間隔を置いて配された一対の挿入空間形成体31を溶接等で固定する事に依り錘体6と接地面Aや架橋体5との間に形成されている。挿入空間形成体31は、角筒状を呈し、両端の開放部分が盲板で塞がれている。
【0030】
滑止体7は、座体3に設けられて接地面Aに対して滑止めを行なうもので、この例では、接地面Aに突入し得る突起(スパイク)32を備えた略鋸板状を呈して居り、この様なものを四つ用意して座体3の座板16の四辺外側に夫々溶接等に依り付設されている。
【0031】
次に、この様な構成に基づいてその作用を述解する。
図1乃至図4に示す如く、座体3が接地面Aに接地されると共に、座体3の上に主骨体2が樹立される。隣接する主骨体2の下部間に架橋体5が架設されると共に、架橋体5の上に錘体6が載置される。
隣接する主骨体2の下部間に架橋体5が架設されると共に、架橋体5の上に錘体6が載置されるので、座体3には、主骨体2だけでなく架橋体5及び錘体6の重量が加算されて作用される。その結果、テントフレーム1に強風等の大きな外力が作用しても、これが転倒する事がない。
主骨体2に対して座体3を調整移動させると、接地面Aに対して主骨体2の高さを調整する事ができる。
【0032】
架橋体5の上から錘体6が離脱された後に、座体3が高さ調整されて接地面Aから離間(離地)されると、車輪4が接地面Aに接地される。そうすると、車輪4を利用して主骨体2を任意の場所へ移動する事ができる。
【0033】
主骨体2を任意の場所へ移動した後には、座体3が高さ調整されてこれが接地面Aに接地されると共に、車輪4が接地面Aから離間される。そして、架橋体5の上に錘体6が載置される。そうすると、車輪4より接地面積が大きい座体3に依り主骨体2が支持される。この為、安定した定置が行われると共に、車輪4が離地される事に依り主骨体2の自重が作用せず、車輪4が損傷する惧れもなくなる。
主骨体2の下部には、接地面Aを転動し得る車輪4が設けられているので、主骨体2を任意の場所に容易に移動させる事ができる。
錘体6は、吊具29を利用してクレーンに依り吊り上げたり、フォーク挿入空間30を利用してフォークリフトに依り持ち上げたりして任意の場所に移動する事ができる。
【0034】
座体3には、接地面Aに対して滑止めを行なう滑止体7が設けられているので、座体3と接地面Aとの間の摩擦抵抗が増大し、接地面Aに対して座体3が滑る惧れがない。
座体3と滑止体7には、主骨体2の重量だけでなく架橋体5と錘体6の重量も作用されるので、極めて大きな接地圧力と滑止効果を得る事ができる。この為に、テントフレーム1に強風等の外力が作用しても、これが定置場所から不用意に移動する事がなく、転倒する惧れもない。
【0035】
錘体6は、接地面Aや架橋体5の上に置かれてフォーク挿入空間30を形成する挿入空間形成体31を備えているので、フォーク挿入空間30を錘体6の下部に形成でき、錘体6の重心を低くしてフォークリフトに依り安全に運搬する事ができる。
【0036】
車輪4は、主骨体2に対して着脱可能に設けられているので、不要な時には、取外す事ができ、この様にすれば、作業の邪魔になる事がない。
車輪4は、主骨体2に対して縦軸廻りに旋回可能であるので、主骨体2を任意の方向へ旋回させる事ができる。
【0037】
滑止体7は、座体3に対して固定されているので、これから不用意に離脱する惧れがなく、紛失や故障等を誘発する事がない。
滑止体7は、接地面Aに突入し得る突起(スパイク)32を備えた略鋸板状を呈しているので、接地面Aに対する滑止め効果が向上すると共に、製作が容易に行なえる。
【0038】
次に、本発明の第二例を、図8及び図9に基づいて説明する。
第二例は、車輪4と滑止体7を第一例とは異ならせたものである。
つまり、車輪4は、転輪20と、これを水平軸廻りに回転可能に支持する倒立略U型の支持体21と、これに植設された螺子棒33とを備えた螺子込み式のキャスタを用いて居り、主骨体2の支柱8に対して高さ調整手段34に依り高さ調整可能並びに旋回可能に設けられている。
高さ調整手段34は、主骨体2の支柱8を構成する最下位の横材11に設けられて車輪4の螺子棒33が着脱可能に挿入される角管製の筒体35と、車輪4の螺子棒33に螺合されて筒体35の下面に当合されるハンドルナット36と、筒体35に螺設されて車輪4の螺子棒33を抜止めする抜止ボルト37とを備えている。ハンドルナット36を回動させると、車輪4の高さを調整できると共に、抜止ボルト37を緩めると、筒体35に対して車輪4を縦軸廻りに旋回させる事ができる。
滑止体7は、座体3に対して上下方向に調整移動可能に設けられて居り、座体3の座板16に螺設された螺孔38と、これに螺合されるボルト39と、これの先部に形成されて接地面Aに突入し得る円錐状の突起(スパイク)40とを備えている。
滑止体7は、座体3の座板16の対角線上に二つ設けられていると共に、螺孔38は、座体3の座板16に付設したナットに依り形成されている。座体3の座板16の四隅には、アンカ挿入用の貫孔41が形成されていると共に、この貫孔41を利用して螺孔38が連通されて居り、ボルト39は、螺孔38に螺合されて貫孔41に貫通される様になっている。
【0039】
車輪4は、主骨体2に対して高さ調整可能に設けられているので、接地面Aが傾斜していても、主骨体2に対して車輪4を高さ調整する事ができ、テントフレーム1を適正な姿勢に保つ事ができる。
車輪4は、主骨体2に対して縦軸廻りに旋回可能であるので、主骨体2を任意の方向へ旋回させる事ができる。
滑止体7は、ボルト39を螺動させる事に依りこれを上下に移動でき、接地面Aに対する突起40の突入量を変える事ができる。その結果、滑止め効果を容易に可変する事ができると共に、不要の場合には、螺脱する事に依り簡単に取外す事ができる。
【0040】
次に、本発明の第三例を、図10に基づいて説明する。
第三例は、挿入空間形成体31を第一例とは異ならせたものである。つまり、挿入空間形成体31は、その中空部分もフォーク挿入空間30にしてフォークリフトのフォークが挿入できる様にしている。
この様なものは、挿入空間形成体31の中空部分をフォーク挿入空間30として利用できるので、フォークリフトに依り錘体6を運搬する際には、フォークに対して錘体6が横滑りする事がない。
第三例の錘体6は、金属製で箱形を為す外殻27と、これの内部に充填されたコンクリート28と、外殻27の上面に付設された適数(一つ)のアイボルト等の吊具29とを備えている。
【0041】
尚、主骨体2は、先の例では、支柱8と屋根骨9が着脱可能に連結されるものであったが、これに限らず、例えばこれらが一体的なものでも良い。
主骨体2は、先の例では、支柱8と屋根骨9とを備えたものであったが、これに限らず、例えば特許文献2に示す如く、屋根体とこれの四隅に設けられた支柱とを備えたものでも良い。
座体3は、先の例では、ジャッキベースを用いたが、これに限らず、例えば他の構造のものを用いても良い。
車輪4は、先の例では、旋回可能なキャスタと螺子込み式のキャスタであったが、これに限らず、例えば旋回不能なキャスタ等でも良い。
架橋体5は、先の例では、橋渡枠材25と嵌合片26とで構成したが、これに限らず、例えば他の構造にしても良い。
錘体6は、先の例では、架橋体5の上に載置されているだけであったが、これに限らず、例えば架橋体5に対してワイヤロープ等の結束具やボルト・ナット等の締結具に依り着脱可能に連結しても良い。
錘体6は、先の例では、外殻27とコンクリート28とを備えたものであったが、これに限らず、例えばコンクリート28を砂等に置き換えても良い。
滑止体7は、第一例では、略鋸板状のものであったが、これに限らず、例えば錐状等のものでも良い。
滑止体7は、第一例では、座体3の座板16の四辺に付設したが、これに限らず、例えば座体3の座板16の四辺のうちの一乃至三辺に付設したり、座体3の座板16の底面に付設しても良い。
滑止体7は、第二例では、座体3の座板16の対角線上の二隅に設けたが、これに限らず、例えば座体3の座板16の四隅等に設けても良い。
滑止体7は、第二例では、先端に円錐状の突起40を備えたボルト39を用いたが、これに限らず、例えば市販のドリルネジを用いても良い。この場合には、ドリルネジのドリル部分が接地面Aに捻れ込まれるので、滑止め効果だけでなく抜止め効果も発揮する事ができる。
滑止体7は、第二例では、座体3の座板16にナットを付設して螺孔38を形成したが、これに限らず、例えばナットを割愛して座体3の座板16に直接螺孔38を形成しても良い。
フォーク挿入空間30は、先の例では、錘体6の下部に形成したが、これに限らず、例えば錘体6の上部や中部等に形成しても良い。
挿入空間形成体31は、先の例では、角筒状であったが、これに限らず、例えばチャンネル状(略U状)等でも良い。
【符号の説明】
【0042】
1…テントフレーム、2…主骨体、3…座体、4…車輪、5…架橋体、6…錘体、7…滑止体、8…支柱、9…屋根体、10…縦管、11…横材、12…筋交管、13…斜管、14…縦管、15…筋交管、16…座板、17…螺子棒、18…ハンドルナット、19…抜止ボルト、20…転輪、21…支持体、22…保持体、23…取付体、24…ボルト、25…橋渡枠材、26…嵌合片、27…外殻、28…コンクリート、29…吊具、30…フォーク挿入空間、31…挿入空間形成体、32…突起、33…螺子棒、34…高さ調整手段、35…筒体、36…ハンドルナット、37…抜止ボルト、38…螺孔、39…ボルト、40…突起、41…貫孔、A…接地面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の主骨体と、主骨体の下部に高さ調整可能に設けられて接地面に接地される座体と、主骨体の下部に座体と干渉しない様に設けられて接地面を転動し得る車輪と、隣接する主骨体の下部間に架設された架橋体と、架橋体に載置されて所定の重量を備えた錘体と、座体に設けられて接地面に対して滑止めを行なう滑止体と、から構成した事を特徴とするテントフレーム。
【請求項2】
架橋体は、隣接する主骨体の下部横材間に橋渡される橋渡枠材と、これに固定されて主骨体の下部横材に上から嵌合される嵌合片とを備えている請求項1に記載のテントフレーム。
【請求項3】
錘体は、フォーク挿入空間を備えている請求項1に記載のテントフレーム。
【請求項4】
錘体は、接地面や架橋体の上に置かれてフォーク挿入空間を形成する挿入空間形成体を備えている請求項1に記載のテントフレーム。
【請求項5】
滑止体は、座体に対して固定されている請求項1に記載のテントフレーム。
【請求項6】
滑止体は、座体に対して上下方向に調整移動可能に設けられている請求項1に記載のテントフレーム。
【請求項7】
滑止体は、接地面に突入し得る突起を備えた略鋸板状を呈している請求項1に記載のテントフレーム。
【請求項8】
滑止体は、座体に螺設された螺孔と、螺孔に螺合されるボルトと、ボルトの先端に形成されて接地面に突入し得る突起とを備えている請求項1に記載のテントフレーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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