ディジタル地形図の作成方法及び作成装置
【課題】本発明は、等高線データを有するディジタル地形図データを得ることを課題とする。
【解決手段】UTM図法で作成された基本図を所定の間隔で升目状に区分し、かつ得られた升目をさらに細分化すると共に、各升目間の不足するデータ及び各升目内の不連続なデータ間を補間して小升目(4)を生成する工程と、得られた小升目(4)のx、y座標と測量により得られた標高を関連付けてディジタルデータを生成し、かつ標高が同じ前記小升目(4)を順次直線で結ぶことにより、等高線(6)が線分列で形成された第1地形図(5)を生成する工程と、第1地形図(5)の等高線(6)を数学的にスムーズ化処理することにより、線分列で形成された等高線(6)より滑らかな曲線で等高線(6)が形成された第2地形図(7)を生成する工程とによりディジタル地形図を作成するようにしたもので、滑らかな曲線で等高線(6)が表示されたディジタル地形図が短時間で容易に得られる。
【解決手段】UTM図法で作成された基本図を所定の間隔で升目状に区分し、かつ得られた升目をさらに細分化すると共に、各升目間の不足するデータ及び各升目内の不連続なデータ間を補間して小升目(4)を生成する工程と、得られた小升目(4)のx、y座標と測量により得られた標高を関連付けてディジタルデータを生成し、かつ標高が同じ前記小升目(4)を順次直線で結ぶことにより、等高線(6)が線分列で形成された第1地形図(5)を生成する工程と、第1地形図(5)の等高線(6)を数学的にスムーズ化処理することにより、線分列で形成された等高線(6)より滑らかな曲線で等高線(6)が形成された第2地形図(7)を生成する工程とによりディジタル地形図を作成するようにしたもので、滑らかな曲線で等高線(6)が表示されたディジタル地形図が短時間で容易に得られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は測量データを数学的に処理して等高線を生成することにより、ディジタル地形図を作成するディジタル地形図の作成方法及び測量データを数学的に処理することにより生成された等高線を主要要素とし、すでにディジタル化されている海岸線や河川、湖沼、鉄道、道路、建造物等の地図要素を合成してディジタル地形図を作成するディジタル地形図の作成方法及び作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、国土地理院で作成されている地形図は、地表の起伏を等高線で表現しているが、等高線による地形図の作成に当っては、水準点を基準とした三角測量により測量点の標高を測量し、得られた多数の測量点のうち標高が同一の測量点を雲形定規等の製図器具を使用して一つづつ手作業で結ぶことにより作成している。
【0003】
しかしこの方法では、より精度の高い地形図を得るためには膨大な量の測量点から作成する必要があり、等高線を作成するのに多くの時間と労力を必要とすると共に、得られた測量データを手作業で処理して地形図を作成しなければならないため、地形図の作成にも多くの時間と労力を必要とする上、人為的なミスも発生しやすいため、作成された地形図は精度や信頼性が低い等の問題がある。
【0004】
一方等高線により地表の起伏が表現された従来の地形図を、パターン認識等の処理により2値化(ディジタル化)し、得られたディジタルデータを曲線化処理することにより地形図を作成したり、等高線を座標読み取り装置により読み取って座標データを作成し、得られた座標データを画像処理して地形図を作成する方法も試みられているが、前者の方法では、得られたディジタルデータの特性の不均一性から滑らかな曲線の地形図が作成できない等の問題があり、後者の方法では、座標データの量が膨大なため処理に困難が伴う等の問題がある。
【0005】
また等高線のデータがディジタルなベクトルデータであっても等高線そのものが高さ方向の情報、すなわち3次元情報を有していないため、例えば地形図上に道路を計画しても地形の高低差が判読できなかったり、地形図に表示された峡谷に降雨があった場合雨水がどのようにして峡谷に集水されるか、また分水嶺に降雨があった場合分水嶺を境にして雨水はどの方向に流れるか、送電線や通信線を設置する場合地形図のどの位置に鉄塔を設置するか、火山が噴火した場合火砕流はどのように流れるか、海岸線に対して津波はどのように押し寄せるか等をCADでシミュレーションしようとしても、従来の地形図では不可能である等の問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はかかる従来の問題点を改善するためになされたもので、精度の高いディジタル地形図が短時間で容易に作成できるディジタル地形図の作成方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
また本発明は、地形の等高線を3次元のディジタルデータで作成し、得られた等高線を主要要素として、すでにディジタル化されている海岸線や河川、湖沼、鉄道、道路、建造物等の地図要素を合成して使用することができるディジタル地形図の作成方法及び作成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、UTM図法で作成された基本図を所定の間隔で升目状に区分し、かつ得られた升目をさらに細分化すると共に、各升目間の不足するデータ及び各升目内の不連続なデータ間を補間して小升目を生成する工程と、得られた小升目のx、y座標と測量により得られた標高を関連付けてディジタルデータを生成し、かつ標高が同じ前記小升目を順次直線で結ぶことにより、等高線が線分列で形成された第1地形図を生成する工程と、第1地形図の等高線を数学的にスムーズ化処理することにより、線分列で形成された等高線より滑らかな曲線で等高線が形成された第2地形図を生成する工程とによりディジタル地形図を作成するようにしたものである。
これにより、各工程をコンピュータで処理することにより、滑らかな曲線で等高線が表示されたディジタル地形図が短時間で容易に得られると共に、膨大な測量データを手作業で処理する場合に比べて、人為的なミスが発生することが少ないため、地形図の精度及び信頼性の大幅な向上が図れるようになる。
【0009】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、第2地形図を生成するディジタルデータを地図要素データと共に記録手段に格納し、かつこれらデータを単独またはレイヤー構造に合成して表示手段に表示し、または地形図として紙等に出力できるようにしたものである。
これにより、等高線の表示された第2地形図に、簡単に地図要素を合成して表示手段に表示したり、地形図として紙等に出力する等の作業が容易に行えると共に、必要に応じて地図要素の一部だけを第2地形図に合成することができるため、地形図の利便性が一段と向上する。
【0010】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、標高が同じ小升目を順次直線で結んで第1地形図を生成する際、線分列が互いに交差することのないようチェックするチェック機能を設けたものである。
これにより、得られたディジタルデータの信頼性が向上するため、より精度の高いディジタル地形図が得られるようになる。
【0011】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、UTM図法により作成された基本図を基に生成された不等辺四辺形の第2地形図及び地図要素を、直角四辺形となるよう数学的に修正及び補間して第3地形図及び地図要素を作成したものである。
これにより、互いに隣接する第3地形図を寄せ集めた際、等高線や、鉄道、道路、境界線等の地図要素にズレが生じることがない。
【0012】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、利用者が独自に作成した利用者地図要素をデータベース化して記録手段に格納し、かつこれら利用者地図要素と前記第3地形図を単独またはレイヤー構造に合成して表示手段に表示し、または地形図として紙等に出力できるようにしたものである。
これにより、最新の地形図や、利用者の利用目的に応じた地形図が容易に得られるようになる。
【0013】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、UTM図法で作成された基本図を所定の間隔で升目状に区分し、かつ得られた升目をさらに細分化すると共に、各升目間の不足するデータ及び各升目内の不連続なデータ間を補間して小升目を生成する工程と、得られた小升目のx、y座標と測量により得られた標高を関連付けて3次元のディジタルデータを生成し、かつ標高が同じ前記小升目を順次直線で結ぶことにより、等高線が線分列で形成された第1地形図を生成する工程と、第1地形図の等高線を数学的にスムーズ化処理することにより、線分列で形成された等高線より滑らかな曲線で等高線が形成された第2地形図を生成する工程と、UTM図法により作成された基本図及び地図要素を基に生成された不等辺四辺形を、直角四辺形となるよう数学的に修正及び補間して、第2地形図から第3地形図を作成する工程と、第3地形図を生成するディジタルデータを地図要素データと共に記録手段に格納し、かつこれらデータを単独またはレイヤー構造に合成して表示手段に表示し、または地形図として紙等に出力する工程とによりディジタル地形図を作成するようにしたものである。
これにより、各工程をコンピュータで処理することにより、滑らかな曲線で等高線が表示されたディジタル地形図が短時間で容易に得られると共に、膨大な測量データを手作業で処理する場合に比べて、人為的なミスが発生することが少ないため、地形図の精度及び信頼性の大幅な向上が図れるようになる。
【0014】
またUTM図法により作成された基本図及び地図要素を基に生成された不等辺四辺形を、直角四辺形となるよう数学的に修正及び補間して、第2地形図から第3地形図を作成するようにしたことから、互いに隣接する第3地形図を寄せ集めて表示手段に表示したり、地形図として紙等に出力した際、等高線や、湖沼、海、海岸線、鉄道、道路、建造物、市町村の境界線等の地図要素にズレが生じることがない。
【0015】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、表示手段に表示させた第3地形図に、標高に応じて色分けしたカラースケールと、カラースケールに沿って移動自在なスライドバーを有するダイアログを表示させ、かつスライドバーをカラースケールに沿って移動させることにより、第3地形図を標高毎に任意な色に着色できるようにしたものである。
これにより、平地は緑色に、そして標高が高くなるに従って緑色から褐色へと順次色分けされたカラー地形図が容易に得られると共に、平地のように標高差の小さい地形図の場合は、スライドバーを移動させ等高線の着色範囲を細かく指定することにより、標高毎に細かく色分けされた第3地形図が得られるため、高低差の判別が容易に行えるようになる。
【0016】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、表示手段に表示させた第3地形図に、任意な等高線の標高を表示する標高表示欄と、着色する等高線の色を指定するカラーパレットを有するダイアログを表示させ、かつ標高表示欄に着色する等高線の標高を、そしてカラーパレットより色を入力することにより、第3地形図の等高線を標高毎に任意な色に着色できるようにしたものである。
これにより、等高線の間隔が狭いため同一標高の等高線が判別しにくい第3地形図でも、所望とする標高の等高線を任意な色で着色することにより、同一標高の等高線の判別が容易に行えるようになる。
【0017】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、第3地形図の表示された表示手段にサブ画面を表示させ、かつサブ画面に表示手段に表示された任意な場所の第3地形図に連続する周辺の第3地形図を、地図番号と地図名で表示したものである。
これにより、サブ画面を見ることにより表示手段に表示させた第3地形図周辺の地形図が、地図番号と地図名から容易に把握することができる。
【0018】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、表示手段に第3地形図とともに十字上に交差するX軸カーソルとY軸カーソルを表示させ、かつX,Y軸カーソルを任意な方向へ移動させて、X,Y軸カーソルの交点を第3地形図の任意な場所に合わせることにより、交点の緯度と経度を表示手段の一部に表示したものである。
これにより、表示手段に表示された各第3地形図は、互いに合成されて継目部分の等高線が連続しているため、カーソルの交点を移動させることにより、隣接する第3地形図へ連続してスクロールすることができると共に、いまカーソルの交点が地形図上のどの位置にあるかは、サブ画面を見ることにより容易に判断することができる。
【0019】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、表示手段に表示させた第3地形図上に任意な複数点を設定し、かつこれら複数点を直線または滑らかな曲線で結ぶことにより、直線または曲線で断面された第3地形図の断面図を表示手段の一部に表示したものである。
これにより、断面図を参照して鉄塔の高さを設計したり、鉄塔の設置場所を検討することにより、現場での測量を必要とせずに鉄塔の設置場所や高圧線の鉄塔の設置場所や高圧線の布設ルートを決定することが可能になる。
【0020】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、表示手段に表示させた第3地形図の同じ標高の等高線上に、河川を横切るように任意な2点を設定し、かつこれら2点を直線で結ぶことにより、直線で断面された河川の断面図を表示手段の一部に表示すると共に、等高線と直線及び断面から直線より上流側の貯水量を算出したものである。
これにより、第3地形図に表示された河川のどの位置にダムを建設した場合に、どの程度の貯水量が得られるかを瞬時に算出することが可能となる。
【0021】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、表示手段に表示させた第3地形図の湖や沼を囲む同じ標高の等高線上に、湖や沼を横切るように任意な2点を設定し、かつこれら2点を直線で結ぶことにより、直線で断面された湖や沼の断面図を表示手段の一部に表示すると共に、等高線及び断面から湖や沼の貯水量を算出したものである。
これにより、湖や沼の深さや底部の地形が断面図を見ることにより容易に把握できると共に、湖や沼の貯水量が瞬時に算出できるようになる。
【0022】
本発明の地形図の作成方法は、表示手段に表示させた第3地形図に、地形の傾斜方向と傾斜の大きさを示す矢印を表示したものである。
これにより、地形の傾斜方向や傾斜の大きさが第3地形図上に表示された矢印により容易に把握できるようになる。
【0023】
本発明のディジタル地形図の作成装置は、UTM図法により作成された基本図を升目状に分割し、得られた升目をさらに細分化すると共に、各升目間の不足するデータ及び各升目内の不連続なデータ間を補間して小升目を形成し、これら小升目毎にディジタル地形図のディジタルデータから標高を読み込み、平面に配列、ブロック化してメッシュ状データを作成し、ベクトルデータとして格納する手段と、格納手段に格納された各小升目毎のベクトルデータを読み出して、標高の許容範囲を定義したデータより標高が同一値の場合は近傍の測定点を選択しながら各小升目を直線で結んでいく処理を行うことにより、これら線分列が互いに交差することがないように第1地形図を生成する手段と、前記処理により得られた第1地形図の線分列の接点を通り、かつ微分係数が連続的な曲線を数学的にスムーズ化処理することにより、曲線群により等高線が構成された第2地形図を作成する手段と、UTM図法により作成された前記基本図及び地図要素を基に生成された不等辺四辺形を、直角四辺形となるよう数学的に修正及び補間して、前記第2地形図から第3地形図を作成する手段と、前記第3地形図を生成するディジタルデータを地図要素データと共に格納する記録手段と、前記記録手段に格納されたディジタルデータを単独またはレイヤー構造に合成して表示する表示手段とを具備したことを特徴とするものである。
これにより、滑らかな曲線で等高線が表示されたディジタル地形図が短時間で容易に得られると共に、膨大な測量データを手作業で処理する場合に比べて、人為的なミスが発生することが少ないため、地形図の精度及び信頼性の大幅な向上が図れるようになる。
【0024】
またUTM図法により作成された基本図及び地図要素を基に生成された不等辺四辺形を、直角四辺形となるよう数学的に修正及び補間して、第2地形図から第3地形図を作成するようにしたことから、互いに隣接する第3地形図を寄せ集めて表示手段に表示したり、地形図として紙等に出力した際、等高線や、湖沼、海、海岸線、鉄道、道路、建造物、市町村の境界線等の地図要素にズレが生じることがない。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、等高線データを有するディジタル地図よりなる地形図データを得ることができた。
更に本発明によれば、その地形図データから等高線データを利用して等高線に関する種々の表示及び処理が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の地形図の作成方法に使用する基本図の作成方法を示す説明図である。
【図2】本発明の地形図の作成方法に使用する基本図の作成方法を示す説明図である。
【図3】本発明の地形図の作成方法を示す説明図である。
【図4】本発明の地形図の作成方法を示す説明図である。
【図5】本発明の地形図の作成方法に使用するディジタル地形図の作成装置を示すブロック図である。
【図6】本発明の地形図の作成方法を示すフローチャートである。
【図7】測量により得られた標高を色で区分けしたディジタル地形図である。
【図8】本発明の地形図の作成方法で得られた第1地形図である。
【図9】第8図に示す第1地形図の一部拡大図である。
【図10】本発明の地形図の作成方法で得られた第2地形図である。
【図11】第10図に示す第1地形図の一部拡大図である。
【図12】本発明の地形図の作成方法で得られた第3地形図を寄せ集めた状態の説明図である。
【図13】本発明の地形図の作成方法で得られた第3地形図に資源等の地図要素を合成した状態の説明図である。
【図14】(イ)及び(ロ)は、本発明の地形図の作成方法で不等辺四角形を等辺四角形に座標変換する説明図である。
【図15】本発明の地形図の作成方法で得られた第3地形図に、標高毎に着色するためのダイアログを表示した状態の説明図である。
【図16】本発明の地形図の作成方法で得られた第3地形図に、標高毎に着色するためのダイアログを表示した状態の説明図である。
【図17】本発明の地形図の作成方法で得られた第3地形図の等高線に着色するためのダイアログを表示した状態の説明図である。
【図18】本発明の地形図の作成方法で得られた第3地形図と同時に、カーソル及びサブ画面を表示した状態の説明図である。
【図19】本発明の地形図の作成方法で得られた第3地形図と同時に、断面図及びサブ画面を表示した状態の説明図である。
【図20】本発明の地形図の作成方法で得られた第3地形図と同時に、断面図及びサブ画面を表示した状態の説明図である。
【図21】本発明の地形図の作成方法で得られた第3地形図と同時に、断面図及びサブ画面を表示した状態の説明図である。
【図22】本発明の地形図の作成方法で得られた第3地形図と同時に、断面図及びサブ画面を表示した状態の説明図である。
【図23】第22図に示す第3地形図の一部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施の形態を、図面を参照して詳述する。
ディジタル地形図を作成するに当って、まず基本となる地形図を作成するUTM図法について簡単に説明する。
【0028】
第1図に示すように、球体である地球1に対して赤道に直交し、南北極点を結ぶ線が経線2、この経線に直交する線が緯線3である。
隣接する経線2間の角度を例えば6度として分割すると、360度の地球1に対して60本の経線2が引かれ、これら経線2の番号順に経度が定義される。
また赤道を緯度0度とし、南北両極点をそれぞれ緯度90度として、その間を所定の角度で分割することにより、緯度が定義される。
経線2と緯線3で分割区画された地球1を、ガルス、クリューゲル法で平面に投影すると第2図に示すようになる。
球面を平面に投影したことにより、経線2と緯線3により分割形成された区画は、第3図に示すように南北両極点側の幅が狭くなった不等辺四角形となり、底辺を例えば1とした場合、上辺は0,999程度に縮小される。
【0029】
一方国土地理院より発行されている我が国の地形図は、前記UTM図法で作成されており、主な縮尺は50,000分の1や、25,000分の1となっている。
この地形図には、測量により得られた多量の測量データを基に作成された等高線や、河川、海、鉄道、道路、地名等が詳細に記載されている。
また最近では、測量により得られた多量の測量データをディジタル化して、水準点からの高さ(標高)を色で区分けした第7図に示すようなディジタル地形図も提供されている。
しかしこのディジタル地形図は、等高線が表示されていないことから等高線による標高等の把握が粗く困難である。
【0030】
そこで本発明は、国土地理院より発行されている前記ディジタル地形図より取得したディジタルデータを基に、詳細な等高線が表示されたディジタル地形図を作成する方法を提供するものである。
【0031】
次にその作成方法を第6図に示すフローチャートを説明する。
前記UTM図法により作成された地図を、第3図に示すように50mや、250m、詳細図を得る場合は、10m等の間隔で升目状に細分化する。
得られた例えば50m四方の升目をさらに10等分程度に分割して図郭で囲まれた第3図に示すような小升目4を形成するが、50m四方の升目を10等分程度に分割した場合、各画郭間にデータの不連続な部分が発生したり、画郭内でデータの不連続部分が発生する。
【0032】
またUTM図法により作成された不等辺四角形の地図を後述する方法で直角等辺四角形に変換した場合も、不等辺四角形の距離の短い上辺長を底辺長と同一となるよう変換処理した際に、上辺側のデータが不足する。
そこでこれらデータの不連続部分を補間したり、データの不足を補間して、連続する小升目4を形成するが、補間方法としては、比較的精度の高い加重補間法等を使用する。
【0033】
次に補間により得られた小升目4毎に前記ディジタル地形図のディジタルデータから標高を読み込み、平面に配列、ブロック化されたメッシュ状データを作成し、ベクトルデータとして第4図に示す地形図作成システムのHD11に格納する(ステップ1)。
【0034】
次にHD11に格納された各小升目4毎のベクトルデータを読み出してCPU10により処理し、第8図に示すような第1地形図5を生成するが、第1地形図5の生成に当っては、小升目4のx、y平面と高さ方向に標高hを定義する(ステップ2)。
【0035】
予め地形図作成システムのデータベース12には、標高hの許容範囲を定義したデータが格納されていて、CPU10は標高hが同一値の場合は近傍の測定点を選択しながら各小升目4を直線で結んでいく処理を行い、ブロック内の各小升目4の全ての処理を行うことにより、これら線分列が互いに交差することがなく、かつ合理性のあるアルゴリズムを根拠に第5図に示すような第1地形図5を生成する(ステップ3)。なお第9図は、第8図の一部を拡大したものである。
【0036】
またCPU10は前記処理中、各小升目4を直線で結んでいく処理が適正に行われているかを絶えずチェックするチェック機能を設けて処理を進める。
得られた第1地形図5は、メッシュデータが升目状となっていて、かつ同一標高hを順次結ぶことにより生成されていることから直角線分になりやすく、また地形を表示する等高線6は連続していることから、次の等高線化処理を容易にしている。
【0037】
等高線化処理は、前記処理により得られた第1地形図5をスムーズ化処理して、滑らかな曲線による等高線6を生成するもので、崖のように等高線6の密度が高い部分は、前述した線分列と同一のものと考えてこの線分列をスムーズ化処理しており、これら線分列の接点を通り、かつ微係数(微分値)が連続的な曲線を数学的に処理することにより、曲線群により等高線6が構成された第10図に示すような第2地形図7を作成する(ステップ4)。なお第11図は第10図の一部を拡大したものである。
【0038】
以上のようにして作成された第2地形図7は、底辺に対し上辺が小さい不等辺四角形にブロック化して作成したため、複数のブロック化された第2地形図7を寄せ集めると、隣接する地形図の等高線6にズレが生じる等の問題が発生する。
【0039】
この問題を解消するため、本出願人が先に出願した特開2000−118051号公報に記載の既知の方法で、不等辺四角形上の座標アドレスを、その区分内のデータ及び数を維持したまま等辺四角形上の座標アドレスに座標変換して、等辺四角形の第3地形図8を数学的に作成する(ステップ5)。
【0040】
これら処理は先願と同様に地図作成システムを使用して行うが、その方法を簡単に説明すると、第14図の(イ)は、ガウス・クリューゲル図法による投影データから切り出した不等辺四角形の形状を有する任意な場所の第2地形図7と、その変換相手となる直交等辺四角形の第3地形図8を示すもので、座標変換プログラムのアルゴリズムとは、第14図の(イ)の不等辺四角形の座標から直交等辺四角形への図形変換処理を指す。
【0041】
第2地形図7と第3地形図8は、何れもディジタル画像であり、単位は画素であるが、第2地形図7から第3地形図8に変換するに際し、両地形図7,8とも同様な画素配列と画素数とが維持されるように座標変換を行うもので、これが基本的な考え方である。
なお座標変換とは、不等辺四角形の座標(アドレス)で位置(アドレス化)決めされたメモリに対しての、等辺四角形の座標アドレスへのアドレス変換処理である。
【0042】
第14図の(イ)に示す第2地形図7と第3地形図8の底辺長、高さが同一長B、Hとすると、第3地形図8は、横がB、縦がHとなる直交等辺四角形であり、第2地形図7の上辺は、左端の開始点がΔX1、右端の終了点が第3地形図8の上辺の右端よりΔX2短いものとなる。
これによって、第2地形図7は不等辺四角形となるので、第2地形図7の任意の位置を(x´、y´)とし、図形変換後の(x´、y´)の第3地形図8上の位置を(x、y)とする。
【0043】
第14図の(ロ)は、互いのサイズ関係を明らかにするために両地形図7,8とを重ね合わせた様子を示しており、この図で不等辺四角形を延長させて三角形としたときの高さ(y座標)をN、そのx座標値をLとする。
【0044】
以上のように第14図でH、B、N、L、B、ΔX1、ΔX2は、切り出し区分が定まれば既知の値であるから、かかる既知の各値を利用しての、(x´、y´)から(x、y)への座標変換式は、次式となる。
【0045】
【数1】
但し、L、Nは、次式から得られる値である。
【0046】
【数2】
【0047】
以上の数1、数2の数式は、代数幾何学によって求まるものであり、その過程は省略する。
【0048】
第3図及び第4図は第2地形図7から第3地形図8への座標変換での座標例を示すもので、第2地形図7と第3地形図8は簡単にするため10×10画素サイズとしており、これは先に述べた第2地形図7と第3地形図8とにあって同一画素配列と同一画素数を維持したことを意味している。
【0049】
第3図において、不等辺四角形の各座標は、下側の1画素区画が大きく上側になる程に1画素区画が小さく、かつ各画素区間は不等辺四角形の形状となるように座標系で規定されている一方、第4図に示す等辺四角形の各座標は、縦横規則的に配列した座標系となり、得られた第3地形図8を例えば4枚寄せ集めると図12に示すように、等高線6にずれのない連続した地形図となる。
【0050】
またこれら第3地形図8にはまだ地図要素が表示されていないが、必要に応じてデータベース12に予め格納された地図要素を読み出して合成し、地形図作成システムの表示手段13に表示したり、図示しないプリンタ等の印刷手段を使用して紙等に地形図として出力することができるが、データベースに格納された地図要素がUTM図法で作成されていると、直角等辺四角形に変換された第3地形図8に河川や海、鉄道、道路、市町村の境界等の地図要素を重ねてレイヤー構造に合成した場合、複数のブロック化された第3地形図8を寄せ集めると、隣接する地形図の地図要素にズレが生じる等の問題が発生する。
これをなくすため、地図要素に対しても前記第2地形図7と同様な座標変換処理を行うことにより、不等辺四角形の各座標が直角等辺四角形の座標に変換されて地図要素が作成されている。
【0051】
以上のようにして作成された等高線データ及び地図要素は予めデータベース12に格納されていて、必要に応じていつでも等高線単独または地図要素とともにデータベース12より読み出すことができると共に、等高線データにはx、y平面データに標高hのデータが含まれていることから、等高線データを既知の方法で3次元処理することにより、地形を立体的に表示することもできるようになり、特に土木工事や災害予測、登山等に使用するのに最適な地形図が得られるようになる。
【0052】
第13図は富士山付近の地形図に、水資源の調査により得られたデータを合成した例を示したもので、水源地の水質を色分けして表示することにより、資源の把握が容易となる。
【0053】
一方データベース12に予め格納されている地図要素のデータ形式はディジタルベクタ(ベクトルデータ)であって、前述した河川等のほかに、文字データとして地名や駅名、経度や緯度の位置情報、等高線毎に表示された水準点からの高度(標高)等があり、標高に応じて第3地形図8を着色したり、等高線6を1本づつ高さに応じて異なる色で着色したり、もしくは地形図に合成して表示した道路や山道等の登りと下りを異なる色で着色することができる等、次のような機能の付加が可能となっている。
【0054】
第15図は表示手段13に表示させた任意な場所の地形図に、標高に応じて着色する機能を実行するダイアログ20を示すもので、ダイアログ20には例えば標高0mから4000mまでを、緑から褐色に順次色分けして表示するカラースケール20aとカラースケール20aに沿って移動自在な例えば2個のスライドバー20b、20cと、カラースケール20aに沿って付された標高目盛20d等が表示されている。
【0055】
このダイアログ20の使用法としては、データベース12に格納されている地形図データを、予め第3地形図8毎に付された地図番号22aまたは地図名22bで表示手段13に呼び出し表示させたら、ダイアログ20を表示させる。
【0056】
ダイアログ20のカラースケール20aには、標高が高くなるに従い緑色から褐色まで順次色分けされており、表示された通りの色分けでよい場合は、図示しない実行ボタンをクリックすることより、表示手段13に表示された第3地形図8がカラースケール20aの色分けに応じて標高毎に着色表示さると共に、得られた第3地形図8に道路や山道等の地図要素を合成して表示する場合は、道路や山道等の登りと下りを異なる色で表示することにより、登り坂か下り坂かが容易に判別できる上、これを紙等に出力することにより地図要素を合成したカラーの地形図が得られるようになる。
【0057】
また第16図は、表示手段13に表示させた第3地形図8の着色の範囲を任意に変更する機能を示したもので、ダイアログ20のカラースケール20aに設けられた左側のスライドバー20bを、カラースケール20aに沿って右方へ移動することにより、緑色に着色する標高が任意に変更できるようになっている。
この第16図の場合、例えば870m付近までを緑色に着色した状態を示している。
【0058】
同様にカラースケール20aの右側のスライドバー20cを左方へ移動すると、褐色に着色する標高が任意に変更できるようになっており、スライドバー20cを例えば2660m付近に移動すると、2660m以上の標高部分は褐色に表示されるようになっている。
【0059】
この機能は、標高差の少ない例えば平地の第3地形図8や、高い山が連なる山岳地帯の第3地形図8を標高毎に着色した場合、ほとんどが同一色の緑色や褐色で表示されてしまい、高低差が判別しにくい地形図になってしまうことから、これを避けるために使用するもので、ダイアログ20のカラースケール20aに設けられた左右のスライドバー20b,20bを、カラースケール20aに沿って右または左に移動して、緑色や褐色に着色する標高を任意に変更することにより、低地や高地の地形のように標高差のない地形図であっても、標高毎に細かく色分けされた第3地形図8が得られるため、高低差の判別が容易に行えるようになる。
【0060】
また第16図に示すダイアログ20の左下に表示されたカラーバー20eは、標高毎に等高線に任意な色が着色できる機能を示したもので、例えば1040mを茶色に、1210mを青色に、そして1410mが赤色に着色されるように指定することにより、標高1040mを表示する等高線は茶色に、標高1210mを表示する等高線は青色に、そして標高1410mを表示する等高線は赤色に着色された第3地形図8が表示手段13に表示され、紙等への出力も可能になる。
【0061】
第17図は表示手段13に表示させた第3地形図8の等高線6を任意な色で着色する際の実行画面を示すもので、第3地形図8と共に表示手段13に表示されたダイアログ21により任意な等高線6に任意な色で着色したり、等高線6の色を変更することができる。
すなわちダイアログ21の標高表示欄21aに着色したい等高線6の標高を表示させたら、カラーパレット21bにより任意な色を指定することにより、その等高線6を所望の色に着色して第3地形図8上に表示できると共に、カラーパレット21b上で別の色を選択することにより、色の変更も容易に行えるようになる。
【0062】
第18図は任意な場所の第3地形図8を、地図番号22aまたは地図名22bでデータベース12により呼び出して表示手段13に表示した例を示すもので、左上のサブ画面22には、表示手段13に表示した第3地形図8周辺の8個所の地図番号22aと地図名22bが同時に表示されている。
【0063】
また表示手段13の画面に表示された第3地形図8上には、X軸カーソル23aとY軸カーソル23bを十字状に交差させたカーソル23が表示されており、このカーソル23の交点23cを移動させることにより、ダイアログ24に交点23cの任意が、北緯24aと東経24bで表示され、同時に標高24cも表示される。
【0064】
表示手段13に表示された各第3地形図8は、互いに合成されて継目部分の等高線6が連続しているため、カーソル23の交点23cを移動させることにより、隣接する第3地形図8へ連続してスクロールすることができると共に、いまカーソル23の交点23cが地形図上どの位置にあるかは、左下のサブ画面25を見ることにより容易に判断することができる。
すなわちサブ画面25に隣接する地図番号22aが表示され、これら地図番号22aの間にカーソル23の交点23cがある場合は、表示手段13に表示された第3地形図8が隣接する地形図に跨って表示されていることが容易に判断できる。
【0065】
また表示手段13に表示された第3地形図8には、矢印26によって傾斜(グラディエント)方向が表示されている。
このグラディエントを示す矢印26は、地形が矢印方向へ低く傾斜していることを示し、かつ矢印26の長さが傾斜の大きさ、すなわち勾配を示しており、矢印26にカーソル23の交点23cを合わせると、そのグラディエントの数値24dがダイアログ24に表示される。
【0066】
第19図は地形図の富士山(地図番号:533805、地図名:富士山)を表示手段13に表示させた例を示すもので、左上のサブ画面22には、富士山とその周辺の地図番号22aと地図名22bが、そして左下のサブ画面25には富士山の地図番号「533805」が表示される。
【0067】
表示された第3地形図8の富士山の山頂を横切るように表示された直線27は、表示された第3地形図8の任意な2点A−B間の断面を設定するためのもので、第3地形図8上に点A及び点Bを設定すると、点Aと点Bとを結ぶ直線27により切断された第3地形図8の断面が画面の下側に断面図28として拡大表示される。
【0068】
表示された断面図28の縦軸には標高が数字で表示され、横軸には距離が数字(いずれも単位はm)で表示されるようになっており、この断面図28を見れば、富士山頂に形成されたいわゆる「お釜」の直径や深さ等が容易に把握でき、A−B間の直線27の位置を移動することにより、任意な位置の断面を断面図28として画面の下側部分に表示することができる。
【0069】
図20図は第3地形図8の任意な場所を曲線29で断面し、画面の下側に断面図28として表示した例を示したものである。
この第3地形図8の利用方法としては、ある場所に例えば高圧線を布設するため第3地形図8のどの場所に高圧線の鉄塔を設置するかを検討する場合に有効である。
【0070】
先ず高圧線を布設する場所の第3地形図8を表示手段13に表示させ、第3地形図8の鉄塔設置予定地に複数の目印30を設定する。
そしてこれら目印30を曲線29で結ぶことにより、画面の下側には曲線29で断面された第3地形図8の断面図28が表示されるため、この断面図28を参照して鉄塔の高さを設計したり、鉄塔の設置場所を検討することにより、現場での測量を必要とせずに鉄塔の設置場所や高圧線の鉄塔の設置場所や高圧線の布設ルートを決定することが可能になる。
【0071】
第21図は表示手段13に表示された第3地形図8の中の例えば河川を横切る任意な2点C−Dを直線31で結ぶことにより、ダムの貯水量を算出する例を示すもので、第3地形図8に表示された河川のどの位置にダムを建設した場合に、どの程度の貯水量が得られるかを瞬時に算出することが可能となる。
すなわち第3地形図8の河川を横切る2点C−Dを設定して直線31で結ぶと、直線31で断面された第3地形図8の断面図32が画面に表示されると同時に点C、Dが設定された等高線6が例えば赤色で表示され、この等高線6と直線31で囲まれた部分と、断面形状から貯水量を算出することができる。
【0072】
これによってダムの貯水量が予め決まっている場合、河川のどの位置にダムを建設すればよいかが第3地形図8上で決定できるため、ダムの建設計画に要する期間を大幅に短縮することができる。
【0073】
第22図は湖や沼の水量を算出したり、任意な2点E−Fを結ぶ直線33で湖や沼を断面してその断面図34を表示したもので、湖や沼を囲む着色等高線6は分水嶺を示しており、この着色等高線6に点Eと点Fを設定して、これら2点E−Fを直線33で結ぶことにより、直線33で断面された湖や沼の断面図34が画面の一部に表示される。
【0074】
また湖や沼の中央に向かって表示される矢印35は、グラディエントの向きを、そして長さは勾配の大きさを示すもので、断面図34の縦軸に表示された標高と、横軸に表示された距離(いずれも単位はm)により湖や沼の深さと大きさを容易に知ることができる。
【0075】
第23図は第22図に示す第3地形図8の湖や沼の部分を拡大表示したもので、湖や沼に降った雨のうち、湖や沼を囲む峰の最高部を結んだ着色等高線Rで示す分水嶺より内側に降った雨は湖や沼に流れ込み、外側に降った雨は、湖や沼に流れ込むことなく山の斜面に沿って谷などへ流れ落ちることになる。
【0076】
湖や沼のQの個所に堰が設けられていて、この堰Qを越えて湖や沼の水が流れ出す場合は、堰Qの高さで規制される等高線Sの範囲内が湖や沼の水量となり、着色等高線Rの範囲内に降った雨の量から、地下へ浸透して地下水となる水量を感じた値が堰Qにより流れ出す水量となり、予め設定した図示しないボタンをクリックすることにより、水量の計算が自動的に行われるようになっている。
【0077】
さらに第3地形図8に等高線6により表示された河川、特に山間部での河川の川底は、高地から低地に向かって道路状に表示されるが、河川を横切るように設定した2点を直線で結ぶと、直線で断面された断面形状から貯水量が算出きることはダムの貯水量を算出するときに説明したが、道路状に表示された河川の川底を中心にして河川の両側に2点を設定する操作を河川の全域に亘って任意の間隔で実施し、断面積をデータ化することにより、大雨の際に河川のどの部分が氾濫するかを予測する防災地図が容易に得られるようになる。
【0078】
一方前述した道路や河川、鉄道、地名等の地図要素は、予め国土地理院等で作成されたデータベースを使用しているが、地図要素は、自然現象や人工的な環境の変化により時々刻々変化しており、例えば山間地に降った大雨により崖崩れが発生したり、道路や鉄道が新たに敷設されたり、山林が耕作されて農地となる等の変化を従来のデータベース化された地図要素では迅速に対応できない。
【0079】
これを改善するため、利用者が付加情報として独自に作成した利用者地図要素をデータベース化してデータベース12に格納し、必要に応じてデータベースより呼び出すことができるようになっており、利用者が必要とする付加情報、または付加情報と位置により呼び出した利用者地図要素を第3地形図8に重ねて表示することにより、最新の地形図や、利用者の利用目的に応じた地形図が容易に得られるようになる。
【0080】
以上説明した各種の機能は、予めデータベース12に格納されている等高線データを呼び出して、CPU10により演算処理することにより可能となるが、データベース12に格納されている等高線データは、各等高線6の間のデータが補間により作成されているため、この補間等高線データを使用することにより、等高線6の間隔を10mや20mのように任意な間隔で表示することが可能であり、特に崖等のように地形が複雑な場所では、等高線6の間隔を小さくすることにより、地形がより詳細に表示できるようになる。
【0081】
また資源等の調査により得られたデータをデータベース化してデータベース14に格納し、必要に応じて等高線6が表示された地形図に合成して出力する等の利用法も容易に行える。
【0082】
なお前記実施の形態では、国土地理院より発行されているディジタル地形図より取得したディジタルデータを基に、詳細な等高線が表示されたディジタル地形図を作成したが、等高線がディジタル化された地形図であれば他のものを使用してもよい勿論よい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上のように、本発明のディジタルの作成方法によれば、滑らかな曲線で等高線が表示されたディジタル地形図が短時間で容易に得られると共に、膨大な測量データを手作業で処理する場合に比べて、人為的なミスが発生することが少ないため、地形図の精度及び信頼性の大幅な向上が図れる。
【0084】
また等高線の表示された第2地形図に、簡単に地図要素をレイヤー構造に合成して表示手段に表示したり、地形図として紙等に出力する等の作業が容易に行える上、必要に応じて地図要素の一部だけを第2地形図に合成することができるため、地形図の利便性が一段と向上する。
【0085】
さらに標高毎に任意な色に着色できるようにしたことから、平地は緑色に、そして標高が高くなるに従って緑色から褐色へと順次色分けされたカラー地形図が容易に得られると共に、平地のように標高差の小さい地形図の場合は、等高線の着色範囲を細かく指定することにより、標高毎に細かく色分けされた第3地形図が得られるため、高低差の判別が容易に行えるようになる。
【0086】
さらに直線または曲線で断面された第3地形図の断面図を表示手段の一部に表示することにより、断面図を参照して鉄塔の高さを設計したり、鉄塔の設置場所を検討することにより、現場での測量を必要とせずに鉄塔の設置場所や高圧線の鉄塔の設置場所や高圧線の布設ルートを決定することが可能になると共に、表示手段に表示させた第3地形図の同じ標高の等高線上に、河川を横切るように任意な2点を設定し、かつこれら2点を直線で結ぶことにより、等高線と直線及び断面から直線より上流側の貯水量を算出することができるため、第3地形図に表示された河川のどの位置にダムを建設した場合に、どの程度の貯水量が得られるかを瞬時に算出することが可能となる。
【符号の説明】
【0087】
1 地球
2 経線
3 緯線
【技術分野】
【0001】
本発明は測量データを数学的に処理して等高線を生成することにより、ディジタル地形図を作成するディジタル地形図の作成方法及び測量データを数学的に処理することにより生成された等高線を主要要素とし、すでにディジタル化されている海岸線や河川、湖沼、鉄道、道路、建造物等の地図要素を合成してディジタル地形図を作成するディジタル地形図の作成方法及び作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、国土地理院で作成されている地形図は、地表の起伏を等高線で表現しているが、等高線による地形図の作成に当っては、水準点を基準とした三角測量により測量点の標高を測量し、得られた多数の測量点のうち標高が同一の測量点を雲形定規等の製図器具を使用して一つづつ手作業で結ぶことにより作成している。
【0003】
しかしこの方法では、より精度の高い地形図を得るためには膨大な量の測量点から作成する必要があり、等高線を作成するのに多くの時間と労力を必要とすると共に、得られた測量データを手作業で処理して地形図を作成しなければならないため、地形図の作成にも多くの時間と労力を必要とする上、人為的なミスも発生しやすいため、作成された地形図は精度や信頼性が低い等の問題がある。
【0004】
一方等高線により地表の起伏が表現された従来の地形図を、パターン認識等の処理により2値化(ディジタル化)し、得られたディジタルデータを曲線化処理することにより地形図を作成したり、等高線を座標読み取り装置により読み取って座標データを作成し、得られた座標データを画像処理して地形図を作成する方法も試みられているが、前者の方法では、得られたディジタルデータの特性の不均一性から滑らかな曲線の地形図が作成できない等の問題があり、後者の方法では、座標データの量が膨大なため処理に困難が伴う等の問題がある。
【0005】
また等高線のデータがディジタルなベクトルデータであっても等高線そのものが高さ方向の情報、すなわち3次元情報を有していないため、例えば地形図上に道路を計画しても地形の高低差が判読できなかったり、地形図に表示された峡谷に降雨があった場合雨水がどのようにして峡谷に集水されるか、また分水嶺に降雨があった場合分水嶺を境にして雨水はどの方向に流れるか、送電線や通信線を設置する場合地形図のどの位置に鉄塔を設置するか、火山が噴火した場合火砕流はどのように流れるか、海岸線に対して津波はどのように押し寄せるか等をCADでシミュレーションしようとしても、従来の地形図では不可能である等の問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はかかる従来の問題点を改善するためになされたもので、精度の高いディジタル地形図が短時間で容易に作成できるディジタル地形図の作成方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
また本発明は、地形の等高線を3次元のディジタルデータで作成し、得られた等高線を主要要素として、すでにディジタル化されている海岸線や河川、湖沼、鉄道、道路、建造物等の地図要素を合成して使用することができるディジタル地形図の作成方法及び作成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、UTM図法で作成された基本図を所定の間隔で升目状に区分し、かつ得られた升目をさらに細分化すると共に、各升目間の不足するデータ及び各升目内の不連続なデータ間を補間して小升目を生成する工程と、得られた小升目のx、y座標と測量により得られた標高を関連付けてディジタルデータを生成し、かつ標高が同じ前記小升目を順次直線で結ぶことにより、等高線が線分列で形成された第1地形図を生成する工程と、第1地形図の等高線を数学的にスムーズ化処理することにより、線分列で形成された等高線より滑らかな曲線で等高線が形成された第2地形図を生成する工程とによりディジタル地形図を作成するようにしたものである。
これにより、各工程をコンピュータで処理することにより、滑らかな曲線で等高線が表示されたディジタル地形図が短時間で容易に得られると共に、膨大な測量データを手作業で処理する場合に比べて、人為的なミスが発生することが少ないため、地形図の精度及び信頼性の大幅な向上が図れるようになる。
【0009】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、第2地形図を生成するディジタルデータを地図要素データと共に記録手段に格納し、かつこれらデータを単独またはレイヤー構造に合成して表示手段に表示し、または地形図として紙等に出力できるようにしたものである。
これにより、等高線の表示された第2地形図に、簡単に地図要素を合成して表示手段に表示したり、地形図として紙等に出力する等の作業が容易に行えると共に、必要に応じて地図要素の一部だけを第2地形図に合成することができるため、地形図の利便性が一段と向上する。
【0010】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、標高が同じ小升目を順次直線で結んで第1地形図を生成する際、線分列が互いに交差することのないようチェックするチェック機能を設けたものである。
これにより、得られたディジタルデータの信頼性が向上するため、より精度の高いディジタル地形図が得られるようになる。
【0011】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、UTM図法により作成された基本図を基に生成された不等辺四辺形の第2地形図及び地図要素を、直角四辺形となるよう数学的に修正及び補間して第3地形図及び地図要素を作成したものである。
これにより、互いに隣接する第3地形図を寄せ集めた際、等高線や、鉄道、道路、境界線等の地図要素にズレが生じることがない。
【0012】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、利用者が独自に作成した利用者地図要素をデータベース化して記録手段に格納し、かつこれら利用者地図要素と前記第3地形図を単独またはレイヤー構造に合成して表示手段に表示し、または地形図として紙等に出力できるようにしたものである。
これにより、最新の地形図や、利用者の利用目的に応じた地形図が容易に得られるようになる。
【0013】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、UTM図法で作成された基本図を所定の間隔で升目状に区分し、かつ得られた升目をさらに細分化すると共に、各升目間の不足するデータ及び各升目内の不連続なデータ間を補間して小升目を生成する工程と、得られた小升目のx、y座標と測量により得られた標高を関連付けて3次元のディジタルデータを生成し、かつ標高が同じ前記小升目を順次直線で結ぶことにより、等高線が線分列で形成された第1地形図を生成する工程と、第1地形図の等高線を数学的にスムーズ化処理することにより、線分列で形成された等高線より滑らかな曲線で等高線が形成された第2地形図を生成する工程と、UTM図法により作成された基本図及び地図要素を基に生成された不等辺四辺形を、直角四辺形となるよう数学的に修正及び補間して、第2地形図から第3地形図を作成する工程と、第3地形図を生成するディジタルデータを地図要素データと共に記録手段に格納し、かつこれらデータを単独またはレイヤー構造に合成して表示手段に表示し、または地形図として紙等に出力する工程とによりディジタル地形図を作成するようにしたものである。
これにより、各工程をコンピュータで処理することにより、滑らかな曲線で等高線が表示されたディジタル地形図が短時間で容易に得られると共に、膨大な測量データを手作業で処理する場合に比べて、人為的なミスが発生することが少ないため、地形図の精度及び信頼性の大幅な向上が図れるようになる。
【0014】
またUTM図法により作成された基本図及び地図要素を基に生成された不等辺四辺形を、直角四辺形となるよう数学的に修正及び補間して、第2地形図から第3地形図を作成するようにしたことから、互いに隣接する第3地形図を寄せ集めて表示手段に表示したり、地形図として紙等に出力した際、等高線や、湖沼、海、海岸線、鉄道、道路、建造物、市町村の境界線等の地図要素にズレが生じることがない。
【0015】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、表示手段に表示させた第3地形図に、標高に応じて色分けしたカラースケールと、カラースケールに沿って移動自在なスライドバーを有するダイアログを表示させ、かつスライドバーをカラースケールに沿って移動させることにより、第3地形図を標高毎に任意な色に着色できるようにしたものである。
これにより、平地は緑色に、そして標高が高くなるに従って緑色から褐色へと順次色分けされたカラー地形図が容易に得られると共に、平地のように標高差の小さい地形図の場合は、スライドバーを移動させ等高線の着色範囲を細かく指定することにより、標高毎に細かく色分けされた第3地形図が得られるため、高低差の判別が容易に行えるようになる。
【0016】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、表示手段に表示させた第3地形図に、任意な等高線の標高を表示する標高表示欄と、着色する等高線の色を指定するカラーパレットを有するダイアログを表示させ、かつ標高表示欄に着色する等高線の標高を、そしてカラーパレットより色を入力することにより、第3地形図の等高線を標高毎に任意な色に着色できるようにしたものである。
これにより、等高線の間隔が狭いため同一標高の等高線が判別しにくい第3地形図でも、所望とする標高の等高線を任意な色で着色することにより、同一標高の等高線の判別が容易に行えるようになる。
【0017】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、第3地形図の表示された表示手段にサブ画面を表示させ、かつサブ画面に表示手段に表示された任意な場所の第3地形図に連続する周辺の第3地形図を、地図番号と地図名で表示したものである。
これにより、サブ画面を見ることにより表示手段に表示させた第3地形図周辺の地形図が、地図番号と地図名から容易に把握することができる。
【0018】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、表示手段に第3地形図とともに十字上に交差するX軸カーソルとY軸カーソルを表示させ、かつX,Y軸カーソルを任意な方向へ移動させて、X,Y軸カーソルの交点を第3地形図の任意な場所に合わせることにより、交点の緯度と経度を表示手段の一部に表示したものである。
これにより、表示手段に表示された各第3地形図は、互いに合成されて継目部分の等高線が連続しているため、カーソルの交点を移動させることにより、隣接する第3地形図へ連続してスクロールすることができると共に、いまカーソルの交点が地形図上のどの位置にあるかは、サブ画面を見ることにより容易に判断することができる。
【0019】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、表示手段に表示させた第3地形図上に任意な複数点を設定し、かつこれら複数点を直線または滑らかな曲線で結ぶことにより、直線または曲線で断面された第3地形図の断面図を表示手段の一部に表示したものである。
これにより、断面図を参照して鉄塔の高さを設計したり、鉄塔の設置場所を検討することにより、現場での測量を必要とせずに鉄塔の設置場所や高圧線の鉄塔の設置場所や高圧線の布設ルートを決定することが可能になる。
【0020】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、表示手段に表示させた第3地形図の同じ標高の等高線上に、河川を横切るように任意な2点を設定し、かつこれら2点を直線で結ぶことにより、直線で断面された河川の断面図を表示手段の一部に表示すると共に、等高線と直線及び断面から直線より上流側の貯水量を算出したものである。
これにより、第3地形図に表示された河川のどの位置にダムを建設した場合に、どの程度の貯水量が得られるかを瞬時に算出することが可能となる。
【0021】
本発明のディジタル地形図の作成方法は、表示手段に表示させた第3地形図の湖や沼を囲む同じ標高の等高線上に、湖や沼を横切るように任意な2点を設定し、かつこれら2点を直線で結ぶことにより、直線で断面された湖や沼の断面図を表示手段の一部に表示すると共に、等高線及び断面から湖や沼の貯水量を算出したものである。
これにより、湖や沼の深さや底部の地形が断面図を見ることにより容易に把握できると共に、湖や沼の貯水量が瞬時に算出できるようになる。
【0022】
本発明の地形図の作成方法は、表示手段に表示させた第3地形図に、地形の傾斜方向と傾斜の大きさを示す矢印を表示したものである。
これにより、地形の傾斜方向や傾斜の大きさが第3地形図上に表示された矢印により容易に把握できるようになる。
【0023】
本発明のディジタル地形図の作成装置は、UTM図法により作成された基本図を升目状に分割し、得られた升目をさらに細分化すると共に、各升目間の不足するデータ及び各升目内の不連続なデータ間を補間して小升目を形成し、これら小升目毎にディジタル地形図のディジタルデータから標高を読み込み、平面に配列、ブロック化してメッシュ状データを作成し、ベクトルデータとして格納する手段と、格納手段に格納された各小升目毎のベクトルデータを読み出して、標高の許容範囲を定義したデータより標高が同一値の場合は近傍の測定点を選択しながら各小升目を直線で結んでいく処理を行うことにより、これら線分列が互いに交差することがないように第1地形図を生成する手段と、前記処理により得られた第1地形図の線分列の接点を通り、かつ微分係数が連続的な曲線を数学的にスムーズ化処理することにより、曲線群により等高線が構成された第2地形図を作成する手段と、UTM図法により作成された前記基本図及び地図要素を基に生成された不等辺四辺形を、直角四辺形となるよう数学的に修正及び補間して、前記第2地形図から第3地形図を作成する手段と、前記第3地形図を生成するディジタルデータを地図要素データと共に格納する記録手段と、前記記録手段に格納されたディジタルデータを単独またはレイヤー構造に合成して表示する表示手段とを具備したことを特徴とするものである。
これにより、滑らかな曲線で等高線が表示されたディジタル地形図が短時間で容易に得られると共に、膨大な測量データを手作業で処理する場合に比べて、人為的なミスが発生することが少ないため、地形図の精度及び信頼性の大幅な向上が図れるようになる。
【0024】
またUTM図法により作成された基本図及び地図要素を基に生成された不等辺四辺形を、直角四辺形となるよう数学的に修正及び補間して、第2地形図から第3地形図を作成するようにしたことから、互いに隣接する第3地形図を寄せ集めて表示手段に表示したり、地形図として紙等に出力した際、等高線や、湖沼、海、海岸線、鉄道、道路、建造物、市町村の境界線等の地図要素にズレが生じることがない。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、等高線データを有するディジタル地図よりなる地形図データを得ることができた。
更に本発明によれば、その地形図データから等高線データを利用して等高線に関する種々の表示及び処理が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の地形図の作成方法に使用する基本図の作成方法を示す説明図である。
【図2】本発明の地形図の作成方法に使用する基本図の作成方法を示す説明図である。
【図3】本発明の地形図の作成方法を示す説明図である。
【図4】本発明の地形図の作成方法を示す説明図である。
【図5】本発明の地形図の作成方法に使用するディジタル地形図の作成装置を示すブロック図である。
【図6】本発明の地形図の作成方法を示すフローチャートである。
【図7】測量により得られた標高を色で区分けしたディジタル地形図である。
【図8】本発明の地形図の作成方法で得られた第1地形図である。
【図9】第8図に示す第1地形図の一部拡大図である。
【図10】本発明の地形図の作成方法で得られた第2地形図である。
【図11】第10図に示す第1地形図の一部拡大図である。
【図12】本発明の地形図の作成方法で得られた第3地形図を寄せ集めた状態の説明図である。
【図13】本発明の地形図の作成方法で得られた第3地形図に資源等の地図要素を合成した状態の説明図である。
【図14】(イ)及び(ロ)は、本発明の地形図の作成方法で不等辺四角形を等辺四角形に座標変換する説明図である。
【図15】本発明の地形図の作成方法で得られた第3地形図に、標高毎に着色するためのダイアログを表示した状態の説明図である。
【図16】本発明の地形図の作成方法で得られた第3地形図に、標高毎に着色するためのダイアログを表示した状態の説明図である。
【図17】本発明の地形図の作成方法で得られた第3地形図の等高線に着色するためのダイアログを表示した状態の説明図である。
【図18】本発明の地形図の作成方法で得られた第3地形図と同時に、カーソル及びサブ画面を表示した状態の説明図である。
【図19】本発明の地形図の作成方法で得られた第3地形図と同時に、断面図及びサブ画面を表示した状態の説明図である。
【図20】本発明の地形図の作成方法で得られた第3地形図と同時に、断面図及びサブ画面を表示した状態の説明図である。
【図21】本発明の地形図の作成方法で得られた第3地形図と同時に、断面図及びサブ画面を表示した状態の説明図である。
【図22】本発明の地形図の作成方法で得られた第3地形図と同時に、断面図及びサブ画面を表示した状態の説明図である。
【図23】第22図に示す第3地形図の一部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施の形態を、図面を参照して詳述する。
ディジタル地形図を作成するに当って、まず基本となる地形図を作成するUTM図法について簡単に説明する。
【0028】
第1図に示すように、球体である地球1に対して赤道に直交し、南北極点を結ぶ線が経線2、この経線に直交する線が緯線3である。
隣接する経線2間の角度を例えば6度として分割すると、360度の地球1に対して60本の経線2が引かれ、これら経線2の番号順に経度が定義される。
また赤道を緯度0度とし、南北両極点をそれぞれ緯度90度として、その間を所定の角度で分割することにより、緯度が定義される。
経線2と緯線3で分割区画された地球1を、ガルス、クリューゲル法で平面に投影すると第2図に示すようになる。
球面を平面に投影したことにより、経線2と緯線3により分割形成された区画は、第3図に示すように南北両極点側の幅が狭くなった不等辺四角形となり、底辺を例えば1とした場合、上辺は0,999程度に縮小される。
【0029】
一方国土地理院より発行されている我が国の地形図は、前記UTM図法で作成されており、主な縮尺は50,000分の1や、25,000分の1となっている。
この地形図には、測量により得られた多量の測量データを基に作成された等高線や、河川、海、鉄道、道路、地名等が詳細に記載されている。
また最近では、測量により得られた多量の測量データをディジタル化して、水準点からの高さ(標高)を色で区分けした第7図に示すようなディジタル地形図も提供されている。
しかしこのディジタル地形図は、等高線が表示されていないことから等高線による標高等の把握が粗く困難である。
【0030】
そこで本発明は、国土地理院より発行されている前記ディジタル地形図より取得したディジタルデータを基に、詳細な等高線が表示されたディジタル地形図を作成する方法を提供するものである。
【0031】
次にその作成方法を第6図に示すフローチャートを説明する。
前記UTM図法により作成された地図を、第3図に示すように50mや、250m、詳細図を得る場合は、10m等の間隔で升目状に細分化する。
得られた例えば50m四方の升目をさらに10等分程度に分割して図郭で囲まれた第3図に示すような小升目4を形成するが、50m四方の升目を10等分程度に分割した場合、各画郭間にデータの不連続な部分が発生したり、画郭内でデータの不連続部分が発生する。
【0032】
またUTM図法により作成された不等辺四角形の地図を後述する方法で直角等辺四角形に変換した場合も、不等辺四角形の距離の短い上辺長を底辺長と同一となるよう変換処理した際に、上辺側のデータが不足する。
そこでこれらデータの不連続部分を補間したり、データの不足を補間して、連続する小升目4を形成するが、補間方法としては、比較的精度の高い加重補間法等を使用する。
【0033】
次に補間により得られた小升目4毎に前記ディジタル地形図のディジタルデータから標高を読み込み、平面に配列、ブロック化されたメッシュ状データを作成し、ベクトルデータとして第4図に示す地形図作成システムのHD11に格納する(ステップ1)。
【0034】
次にHD11に格納された各小升目4毎のベクトルデータを読み出してCPU10により処理し、第8図に示すような第1地形図5を生成するが、第1地形図5の生成に当っては、小升目4のx、y平面と高さ方向に標高hを定義する(ステップ2)。
【0035】
予め地形図作成システムのデータベース12には、標高hの許容範囲を定義したデータが格納されていて、CPU10は標高hが同一値の場合は近傍の測定点を選択しながら各小升目4を直線で結んでいく処理を行い、ブロック内の各小升目4の全ての処理を行うことにより、これら線分列が互いに交差することがなく、かつ合理性のあるアルゴリズムを根拠に第5図に示すような第1地形図5を生成する(ステップ3)。なお第9図は、第8図の一部を拡大したものである。
【0036】
またCPU10は前記処理中、各小升目4を直線で結んでいく処理が適正に行われているかを絶えずチェックするチェック機能を設けて処理を進める。
得られた第1地形図5は、メッシュデータが升目状となっていて、かつ同一標高hを順次結ぶことにより生成されていることから直角線分になりやすく、また地形を表示する等高線6は連続していることから、次の等高線化処理を容易にしている。
【0037】
等高線化処理は、前記処理により得られた第1地形図5をスムーズ化処理して、滑らかな曲線による等高線6を生成するもので、崖のように等高線6の密度が高い部分は、前述した線分列と同一のものと考えてこの線分列をスムーズ化処理しており、これら線分列の接点を通り、かつ微係数(微分値)が連続的な曲線を数学的に処理することにより、曲線群により等高線6が構成された第10図に示すような第2地形図7を作成する(ステップ4)。なお第11図は第10図の一部を拡大したものである。
【0038】
以上のようにして作成された第2地形図7は、底辺に対し上辺が小さい不等辺四角形にブロック化して作成したため、複数のブロック化された第2地形図7を寄せ集めると、隣接する地形図の等高線6にズレが生じる等の問題が発生する。
【0039】
この問題を解消するため、本出願人が先に出願した特開2000−118051号公報に記載の既知の方法で、不等辺四角形上の座標アドレスを、その区分内のデータ及び数を維持したまま等辺四角形上の座標アドレスに座標変換して、等辺四角形の第3地形図8を数学的に作成する(ステップ5)。
【0040】
これら処理は先願と同様に地図作成システムを使用して行うが、その方法を簡単に説明すると、第14図の(イ)は、ガウス・クリューゲル図法による投影データから切り出した不等辺四角形の形状を有する任意な場所の第2地形図7と、その変換相手となる直交等辺四角形の第3地形図8を示すもので、座標変換プログラムのアルゴリズムとは、第14図の(イ)の不等辺四角形の座標から直交等辺四角形への図形変換処理を指す。
【0041】
第2地形図7と第3地形図8は、何れもディジタル画像であり、単位は画素であるが、第2地形図7から第3地形図8に変換するに際し、両地形図7,8とも同様な画素配列と画素数とが維持されるように座標変換を行うもので、これが基本的な考え方である。
なお座標変換とは、不等辺四角形の座標(アドレス)で位置(アドレス化)決めされたメモリに対しての、等辺四角形の座標アドレスへのアドレス変換処理である。
【0042】
第14図の(イ)に示す第2地形図7と第3地形図8の底辺長、高さが同一長B、Hとすると、第3地形図8は、横がB、縦がHとなる直交等辺四角形であり、第2地形図7の上辺は、左端の開始点がΔX1、右端の終了点が第3地形図8の上辺の右端よりΔX2短いものとなる。
これによって、第2地形図7は不等辺四角形となるので、第2地形図7の任意の位置を(x´、y´)とし、図形変換後の(x´、y´)の第3地形図8上の位置を(x、y)とする。
【0043】
第14図の(ロ)は、互いのサイズ関係を明らかにするために両地形図7,8とを重ね合わせた様子を示しており、この図で不等辺四角形を延長させて三角形としたときの高さ(y座標)をN、そのx座標値をLとする。
【0044】
以上のように第14図でH、B、N、L、B、ΔX1、ΔX2は、切り出し区分が定まれば既知の値であるから、かかる既知の各値を利用しての、(x´、y´)から(x、y)への座標変換式は、次式となる。
【0045】
【数1】
但し、L、Nは、次式から得られる値である。
【0046】
【数2】
【0047】
以上の数1、数2の数式は、代数幾何学によって求まるものであり、その過程は省略する。
【0048】
第3図及び第4図は第2地形図7から第3地形図8への座標変換での座標例を示すもので、第2地形図7と第3地形図8は簡単にするため10×10画素サイズとしており、これは先に述べた第2地形図7と第3地形図8とにあって同一画素配列と同一画素数を維持したことを意味している。
【0049】
第3図において、不等辺四角形の各座標は、下側の1画素区画が大きく上側になる程に1画素区画が小さく、かつ各画素区間は不等辺四角形の形状となるように座標系で規定されている一方、第4図に示す等辺四角形の各座標は、縦横規則的に配列した座標系となり、得られた第3地形図8を例えば4枚寄せ集めると図12に示すように、等高線6にずれのない連続した地形図となる。
【0050】
またこれら第3地形図8にはまだ地図要素が表示されていないが、必要に応じてデータベース12に予め格納された地図要素を読み出して合成し、地形図作成システムの表示手段13に表示したり、図示しないプリンタ等の印刷手段を使用して紙等に地形図として出力することができるが、データベースに格納された地図要素がUTM図法で作成されていると、直角等辺四角形に変換された第3地形図8に河川や海、鉄道、道路、市町村の境界等の地図要素を重ねてレイヤー構造に合成した場合、複数のブロック化された第3地形図8を寄せ集めると、隣接する地形図の地図要素にズレが生じる等の問題が発生する。
これをなくすため、地図要素に対しても前記第2地形図7と同様な座標変換処理を行うことにより、不等辺四角形の各座標が直角等辺四角形の座標に変換されて地図要素が作成されている。
【0051】
以上のようにして作成された等高線データ及び地図要素は予めデータベース12に格納されていて、必要に応じていつでも等高線単独または地図要素とともにデータベース12より読み出すことができると共に、等高線データにはx、y平面データに標高hのデータが含まれていることから、等高線データを既知の方法で3次元処理することにより、地形を立体的に表示することもできるようになり、特に土木工事や災害予測、登山等に使用するのに最適な地形図が得られるようになる。
【0052】
第13図は富士山付近の地形図に、水資源の調査により得られたデータを合成した例を示したもので、水源地の水質を色分けして表示することにより、資源の把握が容易となる。
【0053】
一方データベース12に予め格納されている地図要素のデータ形式はディジタルベクタ(ベクトルデータ)であって、前述した河川等のほかに、文字データとして地名や駅名、経度や緯度の位置情報、等高線毎に表示された水準点からの高度(標高)等があり、標高に応じて第3地形図8を着色したり、等高線6を1本づつ高さに応じて異なる色で着色したり、もしくは地形図に合成して表示した道路や山道等の登りと下りを異なる色で着色することができる等、次のような機能の付加が可能となっている。
【0054】
第15図は表示手段13に表示させた任意な場所の地形図に、標高に応じて着色する機能を実行するダイアログ20を示すもので、ダイアログ20には例えば標高0mから4000mまでを、緑から褐色に順次色分けして表示するカラースケール20aとカラースケール20aに沿って移動自在な例えば2個のスライドバー20b、20cと、カラースケール20aに沿って付された標高目盛20d等が表示されている。
【0055】
このダイアログ20の使用法としては、データベース12に格納されている地形図データを、予め第3地形図8毎に付された地図番号22aまたは地図名22bで表示手段13に呼び出し表示させたら、ダイアログ20を表示させる。
【0056】
ダイアログ20のカラースケール20aには、標高が高くなるに従い緑色から褐色まで順次色分けされており、表示された通りの色分けでよい場合は、図示しない実行ボタンをクリックすることより、表示手段13に表示された第3地形図8がカラースケール20aの色分けに応じて標高毎に着色表示さると共に、得られた第3地形図8に道路や山道等の地図要素を合成して表示する場合は、道路や山道等の登りと下りを異なる色で表示することにより、登り坂か下り坂かが容易に判別できる上、これを紙等に出力することにより地図要素を合成したカラーの地形図が得られるようになる。
【0057】
また第16図は、表示手段13に表示させた第3地形図8の着色の範囲を任意に変更する機能を示したもので、ダイアログ20のカラースケール20aに設けられた左側のスライドバー20bを、カラースケール20aに沿って右方へ移動することにより、緑色に着色する標高が任意に変更できるようになっている。
この第16図の場合、例えば870m付近までを緑色に着色した状態を示している。
【0058】
同様にカラースケール20aの右側のスライドバー20cを左方へ移動すると、褐色に着色する標高が任意に変更できるようになっており、スライドバー20cを例えば2660m付近に移動すると、2660m以上の標高部分は褐色に表示されるようになっている。
【0059】
この機能は、標高差の少ない例えば平地の第3地形図8や、高い山が連なる山岳地帯の第3地形図8を標高毎に着色した場合、ほとんどが同一色の緑色や褐色で表示されてしまい、高低差が判別しにくい地形図になってしまうことから、これを避けるために使用するもので、ダイアログ20のカラースケール20aに設けられた左右のスライドバー20b,20bを、カラースケール20aに沿って右または左に移動して、緑色や褐色に着色する標高を任意に変更することにより、低地や高地の地形のように標高差のない地形図であっても、標高毎に細かく色分けされた第3地形図8が得られるため、高低差の判別が容易に行えるようになる。
【0060】
また第16図に示すダイアログ20の左下に表示されたカラーバー20eは、標高毎に等高線に任意な色が着色できる機能を示したもので、例えば1040mを茶色に、1210mを青色に、そして1410mが赤色に着色されるように指定することにより、標高1040mを表示する等高線は茶色に、標高1210mを表示する等高線は青色に、そして標高1410mを表示する等高線は赤色に着色された第3地形図8が表示手段13に表示され、紙等への出力も可能になる。
【0061】
第17図は表示手段13に表示させた第3地形図8の等高線6を任意な色で着色する際の実行画面を示すもので、第3地形図8と共に表示手段13に表示されたダイアログ21により任意な等高線6に任意な色で着色したり、等高線6の色を変更することができる。
すなわちダイアログ21の標高表示欄21aに着色したい等高線6の標高を表示させたら、カラーパレット21bにより任意な色を指定することにより、その等高線6を所望の色に着色して第3地形図8上に表示できると共に、カラーパレット21b上で別の色を選択することにより、色の変更も容易に行えるようになる。
【0062】
第18図は任意な場所の第3地形図8を、地図番号22aまたは地図名22bでデータベース12により呼び出して表示手段13に表示した例を示すもので、左上のサブ画面22には、表示手段13に表示した第3地形図8周辺の8個所の地図番号22aと地図名22bが同時に表示されている。
【0063】
また表示手段13の画面に表示された第3地形図8上には、X軸カーソル23aとY軸カーソル23bを十字状に交差させたカーソル23が表示されており、このカーソル23の交点23cを移動させることにより、ダイアログ24に交点23cの任意が、北緯24aと東経24bで表示され、同時に標高24cも表示される。
【0064】
表示手段13に表示された各第3地形図8は、互いに合成されて継目部分の等高線6が連続しているため、カーソル23の交点23cを移動させることにより、隣接する第3地形図8へ連続してスクロールすることができると共に、いまカーソル23の交点23cが地形図上どの位置にあるかは、左下のサブ画面25を見ることにより容易に判断することができる。
すなわちサブ画面25に隣接する地図番号22aが表示され、これら地図番号22aの間にカーソル23の交点23cがある場合は、表示手段13に表示された第3地形図8が隣接する地形図に跨って表示されていることが容易に判断できる。
【0065】
また表示手段13に表示された第3地形図8には、矢印26によって傾斜(グラディエント)方向が表示されている。
このグラディエントを示す矢印26は、地形が矢印方向へ低く傾斜していることを示し、かつ矢印26の長さが傾斜の大きさ、すなわち勾配を示しており、矢印26にカーソル23の交点23cを合わせると、そのグラディエントの数値24dがダイアログ24に表示される。
【0066】
第19図は地形図の富士山(地図番号:533805、地図名:富士山)を表示手段13に表示させた例を示すもので、左上のサブ画面22には、富士山とその周辺の地図番号22aと地図名22bが、そして左下のサブ画面25には富士山の地図番号「533805」が表示される。
【0067】
表示された第3地形図8の富士山の山頂を横切るように表示された直線27は、表示された第3地形図8の任意な2点A−B間の断面を設定するためのもので、第3地形図8上に点A及び点Bを設定すると、点Aと点Bとを結ぶ直線27により切断された第3地形図8の断面が画面の下側に断面図28として拡大表示される。
【0068】
表示された断面図28の縦軸には標高が数字で表示され、横軸には距離が数字(いずれも単位はm)で表示されるようになっており、この断面図28を見れば、富士山頂に形成されたいわゆる「お釜」の直径や深さ等が容易に把握でき、A−B間の直線27の位置を移動することにより、任意な位置の断面を断面図28として画面の下側部分に表示することができる。
【0069】
図20図は第3地形図8の任意な場所を曲線29で断面し、画面の下側に断面図28として表示した例を示したものである。
この第3地形図8の利用方法としては、ある場所に例えば高圧線を布設するため第3地形図8のどの場所に高圧線の鉄塔を設置するかを検討する場合に有効である。
【0070】
先ず高圧線を布設する場所の第3地形図8を表示手段13に表示させ、第3地形図8の鉄塔設置予定地に複数の目印30を設定する。
そしてこれら目印30を曲線29で結ぶことにより、画面の下側には曲線29で断面された第3地形図8の断面図28が表示されるため、この断面図28を参照して鉄塔の高さを設計したり、鉄塔の設置場所を検討することにより、現場での測量を必要とせずに鉄塔の設置場所や高圧線の鉄塔の設置場所や高圧線の布設ルートを決定することが可能になる。
【0071】
第21図は表示手段13に表示された第3地形図8の中の例えば河川を横切る任意な2点C−Dを直線31で結ぶことにより、ダムの貯水量を算出する例を示すもので、第3地形図8に表示された河川のどの位置にダムを建設した場合に、どの程度の貯水量が得られるかを瞬時に算出することが可能となる。
すなわち第3地形図8の河川を横切る2点C−Dを設定して直線31で結ぶと、直線31で断面された第3地形図8の断面図32が画面に表示されると同時に点C、Dが設定された等高線6が例えば赤色で表示され、この等高線6と直線31で囲まれた部分と、断面形状から貯水量を算出することができる。
【0072】
これによってダムの貯水量が予め決まっている場合、河川のどの位置にダムを建設すればよいかが第3地形図8上で決定できるため、ダムの建設計画に要する期間を大幅に短縮することができる。
【0073】
第22図は湖や沼の水量を算出したり、任意な2点E−Fを結ぶ直線33で湖や沼を断面してその断面図34を表示したもので、湖や沼を囲む着色等高線6は分水嶺を示しており、この着色等高線6に点Eと点Fを設定して、これら2点E−Fを直線33で結ぶことにより、直線33で断面された湖や沼の断面図34が画面の一部に表示される。
【0074】
また湖や沼の中央に向かって表示される矢印35は、グラディエントの向きを、そして長さは勾配の大きさを示すもので、断面図34の縦軸に表示された標高と、横軸に表示された距離(いずれも単位はm)により湖や沼の深さと大きさを容易に知ることができる。
【0075】
第23図は第22図に示す第3地形図8の湖や沼の部分を拡大表示したもので、湖や沼に降った雨のうち、湖や沼を囲む峰の最高部を結んだ着色等高線Rで示す分水嶺より内側に降った雨は湖や沼に流れ込み、外側に降った雨は、湖や沼に流れ込むことなく山の斜面に沿って谷などへ流れ落ちることになる。
【0076】
湖や沼のQの個所に堰が設けられていて、この堰Qを越えて湖や沼の水が流れ出す場合は、堰Qの高さで規制される等高線Sの範囲内が湖や沼の水量となり、着色等高線Rの範囲内に降った雨の量から、地下へ浸透して地下水となる水量を感じた値が堰Qにより流れ出す水量となり、予め設定した図示しないボタンをクリックすることにより、水量の計算が自動的に行われるようになっている。
【0077】
さらに第3地形図8に等高線6により表示された河川、特に山間部での河川の川底は、高地から低地に向かって道路状に表示されるが、河川を横切るように設定した2点を直線で結ぶと、直線で断面された断面形状から貯水量が算出きることはダムの貯水量を算出するときに説明したが、道路状に表示された河川の川底を中心にして河川の両側に2点を設定する操作を河川の全域に亘って任意の間隔で実施し、断面積をデータ化することにより、大雨の際に河川のどの部分が氾濫するかを予測する防災地図が容易に得られるようになる。
【0078】
一方前述した道路や河川、鉄道、地名等の地図要素は、予め国土地理院等で作成されたデータベースを使用しているが、地図要素は、自然現象や人工的な環境の変化により時々刻々変化しており、例えば山間地に降った大雨により崖崩れが発生したり、道路や鉄道が新たに敷設されたり、山林が耕作されて農地となる等の変化を従来のデータベース化された地図要素では迅速に対応できない。
【0079】
これを改善するため、利用者が付加情報として独自に作成した利用者地図要素をデータベース化してデータベース12に格納し、必要に応じてデータベースより呼び出すことができるようになっており、利用者が必要とする付加情報、または付加情報と位置により呼び出した利用者地図要素を第3地形図8に重ねて表示することにより、最新の地形図や、利用者の利用目的に応じた地形図が容易に得られるようになる。
【0080】
以上説明した各種の機能は、予めデータベース12に格納されている等高線データを呼び出して、CPU10により演算処理することにより可能となるが、データベース12に格納されている等高線データは、各等高線6の間のデータが補間により作成されているため、この補間等高線データを使用することにより、等高線6の間隔を10mや20mのように任意な間隔で表示することが可能であり、特に崖等のように地形が複雑な場所では、等高線6の間隔を小さくすることにより、地形がより詳細に表示できるようになる。
【0081】
また資源等の調査により得られたデータをデータベース化してデータベース14に格納し、必要に応じて等高線6が表示された地形図に合成して出力する等の利用法も容易に行える。
【0082】
なお前記実施の形態では、国土地理院より発行されているディジタル地形図より取得したディジタルデータを基に、詳細な等高線が表示されたディジタル地形図を作成したが、等高線がディジタル化された地形図であれば他のものを使用してもよい勿論よい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上のように、本発明のディジタルの作成方法によれば、滑らかな曲線で等高線が表示されたディジタル地形図が短時間で容易に得られると共に、膨大な測量データを手作業で処理する場合に比べて、人為的なミスが発生することが少ないため、地形図の精度及び信頼性の大幅な向上が図れる。
【0084】
また等高線の表示された第2地形図に、簡単に地図要素をレイヤー構造に合成して表示手段に表示したり、地形図として紙等に出力する等の作業が容易に行える上、必要に応じて地図要素の一部だけを第2地形図に合成することができるため、地形図の利便性が一段と向上する。
【0085】
さらに標高毎に任意な色に着色できるようにしたことから、平地は緑色に、そして標高が高くなるに従って緑色から褐色へと順次色分けされたカラー地形図が容易に得られると共に、平地のように標高差の小さい地形図の場合は、等高線の着色範囲を細かく指定することにより、標高毎に細かく色分けされた第3地形図が得られるため、高低差の判別が容易に行えるようになる。
【0086】
さらに直線または曲線で断面された第3地形図の断面図を表示手段の一部に表示することにより、断面図を参照して鉄塔の高さを設計したり、鉄塔の設置場所を検討することにより、現場での測量を必要とせずに鉄塔の設置場所や高圧線の鉄塔の設置場所や高圧線の布設ルートを決定することが可能になると共に、表示手段に表示させた第3地形図の同じ標高の等高線上に、河川を横切るように任意な2点を設定し、かつこれら2点を直線で結ぶことにより、等高線と直線及び断面から直線より上流側の貯水量を算出することができるため、第3地形図に表示された河川のどの位置にダムを建設した場合に、どの程度の貯水量が得られるかを瞬時に算出することが可能となる。
【符号の説明】
【0087】
1 地球
2 経線
3 緯線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
UTM図法で作成された基本図を所定の間隔で升目状に区分し、かつ得られた升目をさらに細分化すると共に、各升目間の不足するデータ及び各升目内の不連続なデータ間を補間して小升目を生成する工程と、
得られた小升目のx、y座標と測量により得られた標高を関連付けてディジタルデータを生成し、かつ標高が同じ前記小升目を順次直線で結ぶことにより、等高線が線分列で形成された第1地形図を生成する工程と、
前記第1地形図の等高線を数学的にスムーズ化処理することにより、線分列で形成された等高線より滑らかな曲線で等高線が形成された第2地形図を生成する工程とを具備したことを特徴とするディジタル地形図の作成方法。
【請求項2】
前記第2地形図を生成するディジタルデータを地図要素データと共に記録手段に格納し、かつこれらデータを単独またはレイヤー構造に合成して表示手段に表示し、または地形図として紙等に出力できるようにしてなる請求項1に記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項3】
標高が同じ小升目を順次直線で結んで前記第1地形図を生成する際、線分列が互いに交差することのないかをチェックするチェック機能を設けてなる請求項1または2に記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項4】
前記UTM図法により作成された基本図及び地図要素を基に生成された不等辺四辺形を、直角四辺形となるよう数学的に修正及び補間して第3地形図を作成してなる請求項1ないし3のいずれかに記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項5】
利用者が独自に作成した利用者地図要素をデータベース化して記録手段に格納し、かつこれら利用者地図要素と前記第3地形図を単独またはレイヤー構造に合成して表示手段に表示し、または地形図として紙等に出力できるようにしてなる請求項1に記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項6】
UTM図法で作成された基本図を所定の間隔で升目状に区分し、かつ得られた升目をさらに細分化すると共に、各升目間の不足するデータ及び各升目内の不連続なデータ間を補間して小升目を生成する工程と、
得られた小升目のx、y座標と測量により得られた標高を関連付けて3次元のディジタルデータを生成し、かつ標高が同じ前記小升目を順次直線で結ぶことにより、等高線が線分列で形成された第1地形図を生成する工程と、
前記第1地形図の等高線を数学的にスムーズ化処理することにより、線分列で形成された等高線より滑らかな曲線で等高線が形成された第2地形図を生成する工程と、
前記UTM図法により作成された基本図及び地図要素を基に生成された不等辺四辺形を、直角四辺形となるよう数学的に修正及び補間して、前記第2地形図から第3地形図を作成する工程と、
前記第3地形図を生成するディジタルデータを地図要素データと共に記録手段に格納し、かつこれらデータを単独またはレイヤー構造に合成して表示手段に表示し、または地形図として紙等に出力する工程とを具備したことを特徴とするディジタル地形図の作成方法。
【請求項7】
前記表示手段に表示させた第3地形図に、標高に応じて色分けしたカラースケールと、前記カラースケールに沿って移動自在なスライドバーを有するダイアログを表示させ、かつ前記スライドバーを前記カラースケールに沿って移動させることにより、前記第3地形図を標高毎に任意な色に着色できるようにしてなる請求項6に記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項8】
前記表示手段に表示させた前記第3地形図に、任意な等高線の標高を表示する標高表示欄と、着色する等高線の色を指定するカラーパレットを有するダイアログを表示させ、かつ前記標高表示欄に着色する等高線の標高を、そして前記カラーパレットより色を入力することにより、前記第3地形図の等高線を標高毎に任意な色に着色できるようにしてなる請求項6に記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項9】
前記第3地形図の表示された前記表示手段にサブ画面を表示させ、かつ前記サブ画面に、前記表示手段に表示された任意な場所の第3地形図に連続する周辺の第3地形図を、地図番号と地図名で表示してなる請求項6ないし8の何れかに記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項10】
前記表示手段に前記第3地形図とともに十字上に交差するX軸カーソルとY軸カーソルを表示させ、かつ前記X,Y軸カーソルを任意な方向へ移動させて、前記X,Y軸カーソルの交点を前記第3地形図の任意な場所に合わせることにより、前記交点の緯度と経度を前記表示手段の一部に表示してなる請求項6ないし9の何れかに記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項11】
前記表示手段に表示させた前記第3地形図上に任意な複数点を設定し、かつこれら複数点を直線または滑らかな曲線で結ぶことにより、前記直線または曲線で断面された前記第3地形図の断面図を前記表示手段の一部に表示してなる請求項6ないし10の何れかに記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項12】
前記表示手段に表示させた前記第3地形図の同じ標高の等高線上に、河川を横切るように任意な2点を設定し、かつこれら2点を直線で結ぶことにより、前記直線で断面された河川の断面図を前記表示手段の一部に表示すると共に、前記等高線と前記直線及び前記断面から前記直線より上流側の貯水量を算出してなる請求項6ないし11の何れかに記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項13】
前記表示手段に表示させた前記第3地形図の湖や沼を囲む同じ標高の等高線上に、湖や沼を横切るように任意な2点を設定し、かつこれら2点を直線で結ぶことにより、前記直線で断面された湖や沼の断面図を前記表示手段の一部に表示すると共に、前記等高線及び断面から前記湖や沼の貯水量を算出してなる請求項6ないし12の何れかに記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項14】
前記表示手段に表示させた前記第3地形図に、地形の傾斜方向と傾斜の大きさを示す矢印を表示してなる請求項6ないし13の何れかに記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項15】
UTM図法により作成された基本図を升目状に細分化し、得られた升目をさらに細分化すると共に、各升目間の不足するデータ及び各升目内の不連続なデータ間を補間して小升目を形成し、これら小升目毎にディジタル地形図のディジタルデータから標高を読み込み、平面に配列、ブロック化してメッシュ状データを作成し、ベクトルデータとして格納する手段と、格納手段に格納された各小升目毎のベクトルデータを読み出して、標高の許容範囲を定義したデータより標高が同一値の場合は近傍の測定点を選択しながら各小升目を直線で結んでいく処理を行うことにより、これら線分列が互いに交差することがないように第1地形図を生成する手段と、前記処理により得られた第1地形図の線分列の接点を通り、かつ微分係数が連続的な曲線を数学的にスムーズ化処理することにより、曲線群により等高線が構成された第2地形図を作成する手段と、UTM図法により作成された前記基本図及び地図要素を基に生成された不等辺四辺形を、直角四辺形となるよう数学的に修正及び補間して、前記第2地形図から第3地形図を作成する手段と、前記第3地形図を生成するディジタルデータを地図要素データと共に格納する記録手段と、前記記録手段に格納されたディジタルデータを単独またはレイヤー構造に合成して表示する表示手段とを具備したことを特徴とするディジタル地形図の作成装置。
【請求項1】
UTM図法で作成された基本図を所定の間隔で升目状に区分し、かつ得られた升目をさらに細分化すると共に、各升目間の不足するデータ及び各升目内の不連続なデータ間を補間して小升目を生成する工程と、
得られた小升目のx、y座標と測量により得られた標高を関連付けてディジタルデータを生成し、かつ標高が同じ前記小升目を順次直線で結ぶことにより、等高線が線分列で形成された第1地形図を生成する工程と、
前記第1地形図の等高線を数学的にスムーズ化処理することにより、線分列で形成された等高線より滑らかな曲線で等高線が形成された第2地形図を生成する工程とを具備したことを特徴とするディジタル地形図の作成方法。
【請求項2】
前記第2地形図を生成するディジタルデータを地図要素データと共に記録手段に格納し、かつこれらデータを単独またはレイヤー構造に合成して表示手段に表示し、または地形図として紙等に出力できるようにしてなる請求項1に記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項3】
標高が同じ小升目を順次直線で結んで前記第1地形図を生成する際、線分列が互いに交差することのないかをチェックするチェック機能を設けてなる請求項1または2に記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項4】
前記UTM図法により作成された基本図及び地図要素を基に生成された不等辺四辺形を、直角四辺形となるよう数学的に修正及び補間して第3地形図を作成してなる請求項1ないし3のいずれかに記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項5】
利用者が独自に作成した利用者地図要素をデータベース化して記録手段に格納し、かつこれら利用者地図要素と前記第3地形図を単独またはレイヤー構造に合成して表示手段に表示し、または地形図として紙等に出力できるようにしてなる請求項1に記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項6】
UTM図法で作成された基本図を所定の間隔で升目状に区分し、かつ得られた升目をさらに細分化すると共に、各升目間の不足するデータ及び各升目内の不連続なデータ間を補間して小升目を生成する工程と、
得られた小升目のx、y座標と測量により得られた標高を関連付けて3次元のディジタルデータを生成し、かつ標高が同じ前記小升目を順次直線で結ぶことにより、等高線が線分列で形成された第1地形図を生成する工程と、
前記第1地形図の等高線を数学的にスムーズ化処理することにより、線分列で形成された等高線より滑らかな曲線で等高線が形成された第2地形図を生成する工程と、
前記UTM図法により作成された基本図及び地図要素を基に生成された不等辺四辺形を、直角四辺形となるよう数学的に修正及び補間して、前記第2地形図から第3地形図を作成する工程と、
前記第3地形図を生成するディジタルデータを地図要素データと共に記録手段に格納し、かつこれらデータを単独またはレイヤー構造に合成して表示手段に表示し、または地形図として紙等に出力する工程とを具備したことを特徴とするディジタル地形図の作成方法。
【請求項7】
前記表示手段に表示させた第3地形図に、標高に応じて色分けしたカラースケールと、前記カラースケールに沿って移動自在なスライドバーを有するダイアログを表示させ、かつ前記スライドバーを前記カラースケールに沿って移動させることにより、前記第3地形図を標高毎に任意な色に着色できるようにしてなる請求項6に記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項8】
前記表示手段に表示させた前記第3地形図に、任意な等高線の標高を表示する標高表示欄と、着色する等高線の色を指定するカラーパレットを有するダイアログを表示させ、かつ前記標高表示欄に着色する等高線の標高を、そして前記カラーパレットより色を入力することにより、前記第3地形図の等高線を標高毎に任意な色に着色できるようにしてなる請求項6に記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項9】
前記第3地形図の表示された前記表示手段にサブ画面を表示させ、かつ前記サブ画面に、前記表示手段に表示された任意な場所の第3地形図に連続する周辺の第3地形図を、地図番号と地図名で表示してなる請求項6ないし8の何れかに記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項10】
前記表示手段に前記第3地形図とともに十字上に交差するX軸カーソルとY軸カーソルを表示させ、かつ前記X,Y軸カーソルを任意な方向へ移動させて、前記X,Y軸カーソルの交点を前記第3地形図の任意な場所に合わせることにより、前記交点の緯度と経度を前記表示手段の一部に表示してなる請求項6ないし9の何れかに記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項11】
前記表示手段に表示させた前記第3地形図上に任意な複数点を設定し、かつこれら複数点を直線または滑らかな曲線で結ぶことにより、前記直線または曲線で断面された前記第3地形図の断面図を前記表示手段の一部に表示してなる請求項6ないし10の何れかに記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項12】
前記表示手段に表示させた前記第3地形図の同じ標高の等高線上に、河川を横切るように任意な2点を設定し、かつこれら2点を直線で結ぶことにより、前記直線で断面された河川の断面図を前記表示手段の一部に表示すると共に、前記等高線と前記直線及び前記断面から前記直線より上流側の貯水量を算出してなる請求項6ないし11の何れかに記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項13】
前記表示手段に表示させた前記第3地形図の湖や沼を囲む同じ標高の等高線上に、湖や沼を横切るように任意な2点を設定し、かつこれら2点を直線で結ぶことにより、前記直線で断面された湖や沼の断面図を前記表示手段の一部に表示すると共に、前記等高線及び断面から前記湖や沼の貯水量を算出してなる請求項6ないし12の何れかに記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項14】
前記表示手段に表示させた前記第3地形図に、地形の傾斜方向と傾斜の大きさを示す矢印を表示してなる請求項6ないし13の何れかに記載のディジタル地形図の作成方法。
【請求項15】
UTM図法により作成された基本図を升目状に細分化し、得られた升目をさらに細分化すると共に、各升目間の不足するデータ及び各升目内の不連続なデータ間を補間して小升目を形成し、これら小升目毎にディジタル地形図のディジタルデータから標高を読み込み、平面に配列、ブロック化してメッシュ状データを作成し、ベクトルデータとして格納する手段と、格納手段に格納された各小升目毎のベクトルデータを読み出して、標高の許容範囲を定義したデータより標高が同一値の場合は近傍の測定点を選択しながら各小升目を直線で結んでいく処理を行うことにより、これら線分列が互いに交差することがないように第1地形図を生成する手段と、前記処理により得られた第1地形図の線分列の接点を通り、かつ微分係数が連続的な曲線を数学的にスムーズ化処理することにより、曲線群により等高線が構成された第2地形図を作成する手段と、UTM図法により作成された前記基本図及び地図要素を基に生成された不等辺四辺形を、直角四辺形となるよう数学的に修正及び補間して、前記第2地形図から第3地形図を作成する手段と、前記第3地形図を生成するディジタルデータを地図要素データと共に格納する記録手段と、前記記録手段に格納されたディジタルデータを単独またはレイヤー構造に合成して表示する表示手段とを具備したことを特徴とするディジタル地形図の作成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2009−151323(P2009−151323A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−21593(P2009−21593)
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【分割の表示】特願2003−586853(P2003−586853)の分割
【原出願日】平成15年4月21日(2003.4.21)
【出願人】(595167292)株式会社デージーエス・コンピュータ (18)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【分割の表示】特願2003−586853(P2003−586853)の分割
【原出願日】平成15年4月21日(2003.4.21)
【出願人】(595167292)株式会社デージーエス・コンピュータ (18)
【Fターム(参考)】
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