説明

ディスクドライブ装置

【課題】 ベースユニットの昇降操作をスムーズに行うことにより、各部材にかかる負荷を軽減することができるディスクドライブ装置の提供。
【解決手段】 ディスク2が挿脱される装置本体3と、ディスク2が装着されるディスク装着部23と、ディスク2を回動駆動するディスク回転駆動機構24と、情報信号の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ25と、光ピックアップ25を搬送するピックアップ送り機構26とを有し、これらがベース27に一体に設けられたベースユニット22と、ディスク2を装着するチャッキング位置と、ディスク2を離脱するチャッキング解除位置との間でベースユニット2を昇降操作するベース昇降機構150と、1又は複数箇所設けられ、ベースユニット22の上昇時の位置をガイドする昇降ガイド機構40とを備え、ベースユニット22は、昇降操作を行うための回動支点9を中心に昇降されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行うディスクドライブ装置に関し、特に光ディスクを直接装置本体内に挿入する、いわゆるスロットインタイプのディスクドライブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスクとしては、従来よりCD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blue-ray Disk)といった光ディスク、MO(Magneto optical)やMD(Mini Disk)等の光磁気ディスクが広く知られており、これらディスクやディスクカートリッジ等に対応した各種のディスクドライブ装置が登場している。
【0003】
ディスクドライブ装置には、筐体に設けられた蓋や扉を開放し、そこから臨むターンテーブルにディスクを直接装着するタイプ、筐体から水平方向に出し入れされるディスクトレイにディスクを載置することで、ディスクトレイが引き込まれた際にディスクが内部のターンテーブルに自動的に装着されるタイプ、或いはこのディスクトレイに設けられたターンテーブルにディスクを直接装着するタイプ等がある。しかしながら、何れのタイプも操作者にとって、蓋や扉を開閉したり、ディスクトレイを出し入れしたり、ターンテーブルにディスクを装着したりといった操作を必要とする。
【0004】
これに対して、筐体の前面に設けられたディスク挿脱口からディスクを挿入するだけでディスクが自動的にターンテーブルに装着される、いわゆるスロットイン型のディスクドライブ装置がある。このスロットイン型のディスクドライブ装置には、ディスク挿脱口から挿入されたディスクを挟み込む相対向する一対のガイドローラを備え、これら一対のガイドローラを互いに逆向きに回転させることによって、ディスク挿脱口から挿入されたディスクを筐体の内部へと引き込むローディング動作と、このディスク挿脱口からディスクを筐体の外部へと排出するイジェクト動作とを行うものがある。
【0005】
また、ディスクドライブ装置が搭載される、例えばノート型パーソナルコンピュータ等のモバイル機器では、更なる小型軽量薄型化が求められており、それに伴うディスクドライブ装置の小型軽量薄型化の要求が高まっている背景から、スロットイン型のディスクドライブ装置では、フロントパネルのディスク挿脱口から挿入されたディスクの外周部に当接される当接部が先端部に設けられ、基端部が回動可能に支持された複数の回動アームを配置し、これら回動アームを当該ディスクと平行な面内で回動させながら、ディスクをディスク挿脱口から筐体の内部へと引き込むローディング動作と、ディスクをディスク挿脱口から筐体の外部へと排出するイジェクト動作とを行うディスクドライブ装置が供給されている(例えば、特許文献1を参照。)。このように薄型化が図られたディスクドライブ装置のなかでも、ノート型パーソナルコンピュータ等に搭載される超薄型のディスクドライブ装置は、厚さ12.7mmのものや、更に薄型化されたハードディスクドライブ(HDD)ユニットと同等の厚みである9.5mmまで薄型化されたディスクドライブ装置も提案されている。
【0006】
ところで、このようなスロットイン型のディスクドライブ装置は、挿入されたディスクを保持するとともに、ディスクに情報信号を記録・再生するための光ピックアップ等の部材が搭載されたベースユニットを、昇降させることによりディスクを保持したり、離脱させている。このベースユニットを昇降させる昇降機構を有するディスクドライブ装置は、複数のダンパを介して装置本体とベースユニットとが接続され、振動・衝撃等を吸収するようにしている。このようなディスクドライブ装置は、ダンパ部分がヒンジの役目もかねており、このダンパ部分を回動軸として昇降されている。
【0007】
しかしながら、弾性部材等からなるダンパ部分が回動軸となり、このダンパを介して装置本体とベースユニットとが接続されているディスクドライブ装置においては、上昇後のベースユニットの位置にズレが生じることがあり、ディスクの保持をうまく行えない場合があった。
【0008】
また、昇降動作時においては、ダンパを介して装置本体と接続されたベースユニットは、モータの駆動力により昇降操作がなされており、組立精度のばらつきによってはこの昇降操作がスムーズに行われず、モータに大きな負担がかかる場合があった。さらに、組立精度のばらつきによっては、ダンパに過度な力がかかり、摩耗破壊を起こすこともあった。
【0009】
【特許文献1】特開2005−100595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、光ディスクを直接装置本体内に挿入する、いわゆるスロットインタイプのディスクドライブ装置において、ベースユニットの昇降操作をスムーズに行うことにより、各部材にかかる負荷を軽減することができるディスクドライブ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した目的を達成するために、本発明に係るディスクドライブ装置は、ディスク状記録媒体が挿脱される装置本体と、上記装置本体内に挿入されたディスク状記録媒体が装着されるディスク装着部と、上記ディスク装着部に装着された上記ディスク状記録媒体を回動駆動するディスク回転駆動機構と、該ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録及び/又は再生を行う光ピックアップと、上記光ピックアップを上記ディスク状記録媒体の半径方向に搬送するピックアップ送り機構とを有し、これらがベースに一体に設けられたベースユニットと、上記ベースユニットを上昇させて上記ディスク状記録媒体を上記ディスク装着部に装着するチャッキング位置と、上記ベースユニットを下降させて上記ディスク装着部から上記ディスク状記録媒体を離脱するチャッキング解除位置との間で上記ベースユニットを昇降操作するベース昇降機構と、1又は複数箇所設けられ、上記ベースユニットのベース昇降機構による上昇時の位置をガイドする昇降ガイド機構とを備える。そして上記ベースユニットは、上記ベース昇降機構による昇降操作を行うための回動支点を有し、該回動支点を中心に昇降されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、回動支点を中心に回動操作することによりベースユニットを昇降操作させ、ベースユニットの上昇時の位置をガイドする昇降ガイド機構を有することから、ベースユニットの昇降操作をスムーズに行うことができ、各部材にかかる負荷を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明が適用されたディスクドライブ装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。このディスクドライブ装置1は、例えば図1に示すように、ノート型パーソナルコンピュータ1000の装置本体1001に搭載されたスロットイン型のディスクドライブ装置1である。このディスクドライブ装置1は、図2に示すように、例えば12.7mm程度にまで装置全体が薄型化された構造を有しており、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blue-ray Disc)といった光ディスク2に対して情報信号の記録・再生を行うことが可能となっている。
【0014】
先ず、このディスクドライブ装置1の具体的な構成について説明する。このディスクドライブ装置1は、図3乃至図5に示すように、装置本体の外筐となる筐体3を備え、この筐体3は、下部筐体である略扁平箱状のボトムケース4と、このボトムケース4の上部開口部を覆う天板であるトップカバー5とから構成されている。また、筐体3内には、後述するベースユニット22を上方に臨ませるとともにディスク搬送の駆動力を提供する駆動機構120や駆動機構120の駆動力が伝達されるディスク搬送機構50を覆うメインシャーシ6が取り付けられている。
【0015】
トップカバー5は、図2及び図5に示すように、薄い板金からなり、ボトムケース4の上部開口部を閉塞する天板部5aと、この天板部5aの周囲がボトムケース4の両側面に沿って僅かに折り曲げられた一対の側板部5bとを有している。天板部5aの略中央部には、略円形状の開口部7が形成されている。この開口部7は、後述するチャッキング動作時に光ディスク2の中心孔2aに係合されるターンテーブル23aの係合突部33aを外部に臨ませるためのものである。また、天板部5aの開口部7の周囲は、ターンテーブル23a上に保持された光ディスク2の中心孔2aの周囲と当接されるように、筐体3の内側に向かって僅かに突出した当接突部8を形成している。
【0016】
天板部5aに設けられた当接突部8は、後述するディスク挿脱口19側において、挿入される光ディスク2が、該当接突部8と衝突することにより挿入の妨げにならないように光ディスク2を高さ方向に規制しながら案内するガイド突部8aが形成されている。このガイド突部8aは、当接突部8下を通る光ディスク2の挿入方向側であって、天板部5aから当接突部8と同一の高さとなるように隆起されたテーパ形状を有している。当接突部8は、挿入される光ディスク2が当接突部8と衝突することを防止し、スムーズに当接突部8下を通るようにガイドすることができる。また、トップカバー5は、このような形状のガイド突部8aを設けることで、天板部5aの開口部7近傍の剛性を高めることができる。なお、天板部5aの内側の主面には、光ディスク2との摩擦抵抗を低減するための加工が施されている。
【0017】
天板部5aの前面側には、後述するディスク挿脱口19から挿入される光ディスク2を高さ方向に規制しながら案内する一対のガイド突部11a,11bが筐体3の内部に向かって膨出形成されている。これら一対のガイド突部11a,11bは、開口部7を通る光ディスク2の挿入方向に沿った中心線を挟んで略対称となる位置に、光ディスク2の挿入方向に円弧を描くように隆起され、且つ、光ディスク2の挿入方向と略直交する方向に亘って、外側から内側に向かって連続的に円弧が縮径するように隆起された略部分円錐形状を有している。すなわち、これら一対のガイド突部11a,11bは、円錐を軸線方向に沿って分割し、互いの頂上部を内側に向けたような形状を有しており、外側から内側に向うに従って連続的に低く且つ細くなっている。
【0018】
一対のガイド突部11a,11bは、このような形状を有することで、ディスク挿脱口19から挿入された光ディスク2の幅方向のずれを修正しながら、筐体3の内部へとスムーズに案内することができる。また、トップカバー5は、このような形状のガイド突部11a,11bを設けることで、天板部5aの剛性を高めることができる。
【0019】
ボトムケース4は、略扁平箱状に形成された板金からなり、その底面部は、略矩形状であり、一方の側面部には、この底面部よりも底上げされて外側へと張り出したデッキ部4aが設けられている。デッキ部4aには、後述する光ディスク2を筐体3内に引き込むローディングアーム51、及び小径の光ディスク101の誤挿入を防止すると共に大径の光ディスク2のセンタリングを図るデッキアーム200並びにこのデッキアーム200の付勢力を制御する規制アーム212が回動自在に支持されている。
【0020】
ボトムケース4の底面部には、駆動制御回路を構成するICチップ等の電子部品や、各部の電気的な接続を図るためのコネクタ、各部の動作を検出するための検出スイッチ等が配置された回路基板59がネジ止め等により取り付けられている。そしてボトムケース4の外周壁の一部には、回路基板59に実装されたコネクタを外部に臨ませるコネクタ開口部4bが設けられている。
【0021】
またボトムケース4には、上記トップカバー5がネジ止めにより取り付けられている。具体的に、トップカバー5の天板部5aの外周縁部には、図5に示すように、ネジ12を貫通させる複数の貫通孔13が形成されている。また、両側の側板部5bには、内側に略直角に折り曲げられた複数のガイド片14が設けられている。一方、ボトムケース4の外周縁部には、図3に示すように、内側に略直角に折り曲げられた複数の固定片15が設けられており、これら固定片15には、トップカバー5の貫通孔13に対応したネジ孔16が形成されている。また、ボトムケース4の両側面部には、トップカバー5の複数のガイド片14の抜け止めとなる詳細を省略するガイドスリットが複数形成されている。
【0022】
そして、ボトムケース4にトップカバー5を取り付ける際は、ボトムケース4の複数のガイドスリットにトップカバー5の複数のガイド片14を係合させた状態で、トップカバー5を前面側から背面側へとスライドさせる。これにより、トップカバー5の天板部5aがボトムケース4の上部開口部を閉塞した状態となる。そして、この状態でトップカバー5の複数の貫通孔13を通してボトムケース4のネジ孔16にネジ12を螺合する。以上のようにして、図2に示す筐体3が構成されている。
【0023】
筐体3の前面には、図2に示すように、略矩形平板状のフロントパネル18が取り付けられている。このフロントパネル18には、光ディスク2が水平方向に出し入れされる矩形状のディスク挿脱口19が設けられている。すなわち、光ディスク2は、このディスク挿脱口19から筐体3の内部へと挿入したり、或いはこのディスク挿脱口19から筐体3の外部へと排出したりすることが可能となっている。ディスク挿脱口19には、長手方向と直交する方向の両辺部に図示しないパネルカーテンが形成されている。パネルカーテンは、長尺状に切断された不織布等からなりフロントパネル18の背面側に接着剤等によって貼着されることにより、筐体3内に塵埃等が侵入することを防止すると共に、光ディスク2が挿脱される際にディスク表面に摺接し、これにより光ディスク2に付着した塵埃等を除去することができる。
【0024】
また、フロントパネル18の前面には、光ディスク2に対するアクセス状態を点灯表示する表示部20や、光ディスク2を排出する際に押圧されるイジェクトボタン21が設けられている。
【0025】
なお、ボトムケース4の上記デッキ部4aが設けられた一側面近傍には、後述する駆動機構120のスライダー122を該一側面に沿ってスライドさせる一対のガイド突起124,124が、該一側面に沿って離間して突設されている(図9参照)。
【0026】
また、ボトムケース4の底面部には、図3及び図4に示すように、メインシャーシ6がネジ止めにより取り付けられている。このメインシャーシ6は、回路基板59の上方において、ボトムケース4の内部を上記デッキ部4aと略同等の高さで上下に仕切るように配置されている。これにより、筐体3は、メインシャーシ6よりトップカバー5側がローディングアーム51、イジェクトアーム52及びデッキアーム200を回動自在に臨ませたディスク搬送領域とされ、メインシャーシ6よりボトムケース4側が駆動モータ121及びスライダー122を備える駆動機構120、及び駆動モータ121の駆動力をイジェクトアーム52に伝達するディスク搬送機構50の第1、第2のリンクアーム54,55、操作アーム58及びガイドカム57の配設領域とされている。
【0027】
メインシャーシ6は、図4に示すように、略扁平平板状の板金からなり、ボトムケース4の背面部側からデッキ部4aが形成された一側面部にかけてボトムケース4を覆う上面6aと、この上面6aの周囲がボトムケース4の両側面に沿って折り曲げられた一対の側板部6bとを有する。また、メインシャーシ6は、上面6aに、ベースユニット22とディスク搬送機構50のイジェクトアーム52とをそれぞれ光ディスク2の搬送領域上に臨ませるベース用開口部6c及びイジェクトアーム用開口部6dが形成され、デッキ部4aが設けられる側の側板部6bに、駆動モータ121によってスライドされるスライダー122と連結されているローディングカムプレート53が挿通される側板開口部6eが形成されている。
【0028】
このメインシャーシ6の上面6aには、ボトムケース4側において、光ディスク2を筐体3の内外に亘って搬送するディスク搬送機構50のイジェクトアーム52、駆動機構120の駆動力を伝達しイジェクトアーム52を操作する操作アーム58、及び第2のリンクアーム55の移動をガイドするガイドカム57が係止されている。また上面6aは、ベースユニット22と隣接し、ディスク挿脱口19と対向する側縁を、後述するイジェクトアーム52に設けられたピックアップ部90、第2のピックアップ部250が摺動するエッジ部17とされる。
【0029】
またメインシャーシ6は、ガイドカム57が係止された筐体3の背面側で、かつイジェクトアーム52や第1、第2のリンクアーム54,55が設けられた他側面側のコーナ部近傍の側壁には、第1のリンクアーム54を介してイジェクトアーム52を光ディスク2の排出方向へ付勢する引っ張りコイルバネ56が係止される係止部98が形成されている。
【0030】
なおメインシャーシ6は、両側の側板部6bに、複数のガイド片6fが設けられ、ボトムケース4と固定するための貫通孔6gが設けられている(図9参照)。一方、ボトムケース4には、貫通孔6gに対応する位置にネジ孔4cが形成され、このネジ孔4cと貫通孔6gにネジを螺合させることによりメインシャーシ6が固定される。
【0031】
さらにメインシャーシ6は、イジェクトアーム用開口部6dの近傍に、後述するセンタリングガイド220のガイド片221が突出されるセンタリングガイド用開口部6hが形成されている。また、メインシャーシ6は、後述するベースユニット22を固定するためのピン29aが、ベース用開口部6c及びセンタリングガイド用開口部6h近傍に形成されている。
【0032】
このディスクドライブ装置1は、ボトムケース4の底面部にドライブ本体を構成するベースユニット22を備えている。ベースユニット22は、図6に示すように、略矩形状のフレーム体からなるベースシャーシ27を有し、このベースシャーシ27の連結片41a、41bに設けられるダンパ28a、28bを介してメインシャーシ6及びボトムケース4に固定されている。そして、ベースユニット22は、ベースシャーシ27がダンパ28a、28bを介してメインシャーシ6及びボトムケース4に配設されることにより、長手方向の一端側を筐体3の略中央に位置される。ベースユニット22は、当該長手方向の一端側に、ディスク挿脱口19から筐体3の内部に挿入された光ディスク2が装着されるディスク装着部23と、このディスク装着部23に装着された光ディスク2を回転駆動するディスク回転駆動機構24とが設けられている。またベースユニット22は、ディスク回転駆動機構24により回転駆動される光ディスク2に対して信号の書き込み又は読み出しを行う光ピックアップ25と、この光ピックアップ25を長手方向に亘って搬送することにより光ディスク2の半径方向に送り動作させるピックアップ送り機構26とを有し、これらがベースシャーシ27に一体に設けられている。そしてベースユニット22は、ベースシャーシ27が後述するベース昇降機構150によって光ディスク2に対して昇降操作される。さらに、ベースユニット22は、後述する昇降ガイド機構40によって上昇位置をガイドされながら昇降操作される。
【0033】
このベースユニット22は、ボトムケース4の底面部においてディスク装着部23が略中央に位置するように、メインシャーシ6のベース用開口部6cよりディスク搬送領域上に臨まされている。そしてベースユニット22は、後述するベース昇降機構150によって昇降可能とされており、初期状態において、ディスク挿脱口19から筐体3の内部に挿入される光ディスク2よりも下方に位置され、光ディスク2のローディング操作に伴って上昇され、光ディスク2を回転可能に係合する。ベースユニット22は、記録再生動作後は、ベース昇降機構150によって下降され、光ディスク2との係合が解除されるとともに、光ディスク2の搬送領域から退避される。
【0034】
ベースシャーシ27は、板金を所定の形状に打ち抜き、その周囲を僅かに下方に折り曲げて形成されている。ベースシャーシ27の主面には、後述するディスク装着部23のターンテーブル23aを上方へと臨ませる略半円状のテーブル用開口部27aと、後述する光ピックアップ25の対物レンズ25aを上方へと臨ませる略矩形状のピックアップ用開口部27bとが連続形成されている。なお、図3に示すように、ベースシャーシ27の上面部には、これら開口部27a,27bに対応した開口部が形成された化粧板30が取り付けられる。
【0035】
またベースシャーシ27は、ディスク装着部23と反対側の端部に、光ディスク2とベースシャーシ27との接触を防ぐとともに、光ディスク2をイジェクトアーム52の支持部88へ導くガイド板32が形成されている。ガイド板32には、図示しない繊維シートが貼着されており、光ディスク2が摺接された場合にも、光ディスク2の信号記録面に傷が付くことを防止することができる。
【0036】
またベースシャーシ27は、ダンパ28a,28bを介してメインシャーシ6及びボトムケース4と連結される連結片41a,41bが長手方向の両側面に突設されている。各連結片41a,41bには、ダンパ28a、28bが係合され、このダンパ28a、28bにピン29a、29bが挿通される挿通孔43a、43bが穿設されている。
【0037】
ベースシャーシ27は、メインシャーシ6に形成されたピン29aに挿通孔43aが挿通され、ボトムケース4に形成されたピン29bに挿通孔43bが挿通されることにより、メインシャーシ6及びボトムケース4に固定される。
【0038】
また、ベースシャーシ27は、図6に示すように、後述するスライダー122と対向する側面のディスク装着部23側に位置して、スライダー122の第1のカムスリット130に係合されて支持される第1の支軸47と、サブスライダー151と対向する側面のディスク装着部23側に位置して、サブスライダー151の第2のカムスリット170に係合されて支持される第2の支軸48と、スライダー122と対向する側面とは反対側の側面の前面側に位置して、メインシャーシ6の側板部6bに設けられた軸孔9に回動可能に支持された第3の支軸49とを有している。
【0039】
したがって、このベースシャーシ27は、スライダー122及びサブスライダー151のスライドに連動して、第1の支軸47が第1のカムスリット130内をスライドすると共に、第2の支軸48が第2のカムスリット170内をスライドすることによって、ディスク装着部23側が第3の支軸49を支点に回動され、ベースユニット22の昇降が可能となっている。
【0040】
ディスク装着部23は、ディスク回転駆動機構24により回転駆動されるターンテーブル23aを有し、このターンテーブル23aの中心部には、光ディスク2を装着するためのチャッキング機構33が設けられている。このチャッキング機構33は、光ディスク2の中心孔2aに係合される係合突部33aと、この係合突部33aに係合された光ディスク2の中心孔2aの周囲を係止する複数の係止爪33bとを有し、光ディスク2をターンテーブル23a上に保持する。
【0041】
ディスク回転駆動機構24は、光ディスク2をターンテーブル23aと一体に回転駆動する扁平状のスピンドルモータ24aを有し、このスピンドルモータ24aは、上面部に設けられたターンテーブル23aがベースシャーシ27のテーブル用開口部27aから僅かに突出するように、支持板24bを介してベースシャーシ27の下面にネジ止めにより取り付けられている。
【0042】
光ピックアップ25は、光源となる半導体レーザから出射された光ビームを対物レンズ25aにより集光させて光ディスク2の信号記録面に照射し、この光ディスク2の信号記録面で反射された戻りの光ビームを受光素子等からなる光検出器により検出する光学ブロックを有し、光ディスク2に対する信号の書き込み又は読み出しを行うようになされている。
【0043】
また、この光ピックアップ25は、対物レンズ25aを光軸方向(フォーカシング方向という。)と、光ディスクの記録トラックと直交する方向(トラッキング方向という。)とに変位駆動する2軸アクチュエータ等の対物レンズ駆動機構を有し、上述した光検出器により検出された光ディスク2からの検出信号に基づいて、この2軸アクチュエータにより対物レンズ25aをフォーカシング方向及びトラッキング方向に変位させながら、光ディスク2の信号記録面上に対物レンズ25aの焦点を合わせるフォーカスサーボや、対物レンズ25aにより集光される光ビームのスポットを記録トラックに追従させるトラッキングサーボ等の駆動制御を行うようになされている。なお、対物レンズ駆動機構としては、このようなフォーカシング制御及びトラッキング制御に加えて、対物レンズ25aにより集光された光ビームを光ディスク2の信号記録面に垂直に照射させるように、光ディスク2の信号記録面に対する対物レンズ25aの傾き(スキュー)を調整可能とする3軸アクチュエータを用いてもよい。
【0044】
ピックアップ送り機構26は、光ピックアップ25が搭載されたピックアップベース34と、このピックアップベース34を光ディスク2の半径方向にスライド可能に支持する一対のガイド軸35a,35bと、これら一対のガイド軸35a,35bに支持されたピックアップベース34を光ディスク2の半径方向に変位駆動する変位駆動機構36とを有している。
【0045】
ピックアップベース34には、一対のガイド軸35a,35bのうち、一方のガイド軸35aを挿通するガイド孔が形成された一対のガイド片37a,37bと、他方のガイド軸35bを挟み込むガイド溝が形成されたガイド片38とが互いに反対の側面から突出形成されている。これにより、ピックアップベース34は、一対のガイド軸35a,35bにスライド可能に支持されている。
【0046】
一対のガイド軸35a,35bは、ベースシャーシ27の下面に光ディスク2の半径方向と互いに平行となるように配置されており、ベースシャーシ27のピックアップ用開口部27bから光ピックアップ25が臨むピックアップベース34を光ディスク2の内外周に亘って案内する。
【0047】
変位駆動機構36は、ベースシャーシ27に取り付けられた駆動モータ31の回転駆動をギヤやラック(図示せず。)を介して直線駆動に変換し、ピックアップベース34を一対のガイド軸35a,35bに沿った方向、すなわち光ディスク2の半径方向に変位駆動させるものであり、例えばリードスクリューを備えたステッピングモータが用いられる。
【0048】
また、ボトムケース4の底面部には、図3に示すように、後述するイジェクトアーム52がディスク装着部23付近を回動する際に、該イジェクトアーム52が下方に撓むことを防止する支持ピン10が立設されている。支持ピン10は、イジェクトアーム52が下方に撓むことにより光ディスク2がディスク装着部23に衝突して傷つくことを防止するためのものである。この支持ピン10は、ベースユニット22のディスク装着部23近傍に位置して、ボトムケース4の底面部から上方に向かって突出し、化粧板30に穿設された挿通孔30aを挿通してディスク搬送領域上に臨まされている。
【0049】
昇降ガイド機構40は、ベース昇降機構150によるベースユニット22の昇降操作において、ベースユニット22の上昇時の位置をガイドする機構であり、メインシャーシ6及びボトムケース4に立設されるピン29a、29bと、このピン29a、29bが摺動しガイドされるダンパ28a、28bとから構成されている。
【0050】
メインシャーシ6に立設されるピン29aは、メインシャーシ6の上面6a上の軸孔9の近傍で、軸孔9の軸方向に対して直交する位置に、ボトムケース4側に向かって形成されるピンである。ピン29aは、図7に示すように、ピンの高さ方向の略中間位置から基端部側に形成され、ダンパ28aが摺動することによりベースユニット22をガイドするガイド部29a1と、ピンの高さ方向の略中間位置より先端部側に形成され、ダンパ28aと接触しない非接触部29a2と、非接触部29a2とガイド部29a1とが連続し、スムーズな昇降が行われるようにするテーパ部29a3とからなる。ピン29aは、図7(A)に示すように、ガイド部29a1がベースユニット22の上昇時に対応する位置に形成されている。また、ピン29aのガイド部29a1は、ベースユニット22が上昇した時にダンパ28aと摺動するような径に形成されている。また、ピン29aは、図7(B)に示すように、非接触部29a2がベースユニット22の下降時に対応する位置に形成されている。さらに、ピン29aの非接触部29a2は、ベースユニット22が下降した時にダンパ28aと摺動及び接触しないような径に形成されている。なお、ピン29aは、非接触部29a2を設けることで、通常の昇降動作時においては、ダンパ28aと接触することはないが、ディスクドライブ装置自体を落下させたときなどの大きな衝撃が加わった際に、ベースユニット22の大きな変異を防止することができる。
【0051】
また、ボトムケース4に立設されるピン29bは、ボトムケース4上の軸孔9の近傍で、軸孔9の軸線上の位置に、メインシャーシ6側に向かって形成されるピンである。ピン29bは、図8に示すように、ピンの高さ方向の略中間位置から先端部側に形成され、ダンパ28bが摺動することによりベースユニット22をガイドするガイド部29b1と、ピンの高さ方向の略中間位置より基端部側に形成され、ダンパ28bと接触しない非接触部29b2と、非接触部29b2とガイド部29b1とが連続し、スムーズな昇降が行われるようにするテーパ部29b3とからなる。ピン29bは、図8(A)に示すように、ガイド部29b1がベースユニット22の上昇時に対応する位置に形成されている。また、ピン29bのガイド部29b1は、ベースユニット22が上昇した時にダンパ28bと摺動するような径に形成されている。また、ピン29bは、図8(B)に示すように、非接触部29b2がベースユニット22の下降時に対応する位置に形成されている。さらに、ピン29bの非接触部29b2は、ベースユニット22が下降した時にダンパ28bと摺動及び接触しないような径に形成されている。なお、ピン29bは、非接触部29b2を設けることで、通常の昇降動作時においては、ダンパ28bと接触することはないが、ディスクドライブ装置自体を落下させたときなどの大きな衝撃が加わった際に、ベースユニット22の大きな変異を防止することができる。
【0052】
このような構成を有するベースユニット22は、図10に示すように、ベース昇降機構150により、昇降操作され、昇降ガイド機構40により、上昇時の位置がガイドされる。具体的には、ベースユニット22は、昇降ガイド機構40により、光ディスク2に対して情報信号の記録・再生を行う、いわゆるリードライト位置にガイドされる。さらに、ベースユニット22は、昇降ガイド機構40により、リードライト位置のみならず、光ディスク2をディスク装着部23に装着する、いわゆるチャッキング位置にもガイドされる。
【0053】
昇降ガイド機構40は、ベースユニット22の上昇された位置、すなわち、リードライト位置やチャッキング位置においてのみ、このベースユニット22をガイドし規制するとともに、上昇位置以外の下降した位置においては、ダンパ28a、28bとピン29a、29bとが接触しないので、ベースユニット22の上昇した位置までの昇降動作時にかかる負荷を軽減することができ、スムーズな昇降を実現することができる。また、昇降ガイド機構40は、ベースユニット22の上昇した位置をガイドすることから、光ディスク2のディスク装着部23へのチャッキングを確実に行うことができる。
【0054】
また、昇降ガイド機構40のピン29aは、ベースユニット22の回動軸である軸孔9の軸線方向上に設けられることから、ベースユニット22の回動軸を2点支持することとなり、ベースユニット22がねじれながら昇降することを防止することができる。
【0055】
さらに、ピン29aは、軸孔9の軸方向からの距離が離れており、ベースユニット22の昇降のための回動量が多くなる。しかし、ピン29aの非接触部29a2は、ピン29aの先端部側に設けられることから、ピン自体の強度を問題とすることなく、小径なものとし、ベースユニット22の昇降に伴う、ダンパ28aとの接触を避けることができる。また、ピン29aのガイド部29a1は、ピン29aの基端部側に設けられることから、ダンパ28aと摺動するのに必要な径を容易に確保することができる。
【0056】
なお、昇降ガイド機構40は、上述に限らず、ベースユニット22側にピン29a、29bと同様の形状からなるピンを有し、ボトムケース4及びメインシャーシ6に形成される挿通孔内を摺動し、ガイドするような構成としてもよい。
【0057】
また、昇降ガイド機構40は、ベースユニット22の長手方向両側面の2箇所に設けることに限らず、いずれか一方のみに設けるようにしてもよい。また、昇降ガイド機構40のピン29a、29bの非接触部29a2、29b2は、上述のようにガイド部29a1、29b1と比して小径とすることに限らず、ベースユニット22の下降時にダンパ28a、28bと接触しない形状であればよく、例えば、ベースユニット22の昇降に伴う回動に沿った、すなわち、円弧状に湾曲した形状であってもよい。具体的には、昇降ガイド機構40は、図11に示すように、ベースユニット22の昇降に伴う回動方向(図中矢印A)に沿った形状からなる非接触部29c2、29d2を有するピン29c、29dを用いるようにしてもよい。
【0058】
さらに、昇降ガイド機構40のピン29a、29bは、上述のように、段付きのピンとし、非接触部29a2、29b2を設けることに限らず、ダンパ28a、28bと摺動するピンとし、該ピンに潤滑剤を塗布するようにしてもよい。
【0059】
このように構成を備えるディスクドライブ装置1は、昇降ガイド機構40を備えることによって、ベースユニット22の昇降をスムーズに行うことができ、ベース昇降機構150への負荷を軽減でき、駆動機構120の駆動モータ121への負荷も抑えられる。そのため、駆動機構120の駆動モータ121は、後述する光ディスク2の排出時における光ディスク2の排出方向に障害物があり、光ディスク2とこの障害物とが衝突することによってイジェクトアーム52の回動が阻害された場合に対処するためのカム部103にかける駆動力を十分に確保することができる。
【0060】
なお、本ディスクドライブ装置1は、メインシャーシ6をボトムケース4に固定する際に、ダンパを介して固定してもよい。具体的には、図9に示すように、メインシャーシ6は、それぞれのガイド片6fとボトムケース4のネジ孔4cとの間にダンパ28を設け、段付きネジで固定する。また図9に示すように、さらにメインシャーシ6の側板部6bの略中間部とボトムケース4との間には、緩衝材39を設けてもよい。緩衝材39は、衝撃による振動の振幅によって側板部6bとボトムケース4とが直接接し、衝撃が伝達される一経路を遮断するために薄肉のゴム片等の弾性部材から形成される。そして、緩衝材39は、一面に接着剤層が形成され、この接着剤層がメインシャーシ6の側板部6bに貼着される。
【0061】
これにより、ボトムケース4とメインシャーシ6とのクリアランスが狭小化され、かつベースユニット22への外乱の伝達経路を減らすことができる。
【0062】
またディスクドライブ装置1は、ディスク挿脱口19から光ディスク2が挿入され、筐体3の内部への引き込みが開始される引き込み位置(図16)と、ディスク装着部23のターンテーブル23aに位置合わせされ光ディスク2が装着されるセンタリング位置と(図17)、記録再生動作の終了後、光ディスク2がディスク挿脱口19より排出される停止位置(図19)との間で光ディスク2の搬送を行うディスク搬送機構50を備えている。
【0063】
このディスク搬送機構50は、メインシャーシ6の上面6aと天板部5aのディスク装着部23と対向する主面との間で移動操作されるサポート部材として、当該光ディスク2の主面と平行な面内で揺動可能とされたローディングアーム51及びイジェクトアーム52と、後述する駆動機構120からの駆動力をローディングアーム51に伝達するローディングカムプレート53と、イジェクトアーム52と係合されイジェクトアーム52を光ディスク2の排出方向へ回動させる第1のリンクアーム54と、第1のリンクアーム54と連結された第2のリンクアーム55と、第2のリンクアーム54とメインシャーシ6間に架け渡される引っ張りコイルバネ56と、第2のリンクアーム55のガイド凸部113が係合され第2のリンクアーム55をガイドするガイドカム57と、第2のリンクアーム55及び駆動機構120と連結されることにより第1のリンクアーム54をイジェクトアーム52が光ディスク2を挿入又は排出する方向へ移動させるように操作する操作アーム58とを有している。
【0064】
このディスク搬送機構50は、ディスク挿脱口19より光ディスク2が引き込み位置まで挿入されることによりイジェクトアーム52が所定位置まで回動されると、ローディングアーム51によって光ディスク2を自動的にディスク装着部23まで引き込み、またイジェクトアーム52が筐体3の前面側に回動されることにより光ディスク2の排出を行う。具体的にディスク搬送機構50は、光ディスク2が挿入されてからイジェクトアーム52が所定位置まで回動され引き込み動作が開始されるまでの間においては、イジェクトアーム52の回転支持部材71が矢印b方向に回転され、また第2のリンクアーム55に突設されている係合突部116が操作アーム58に形成されているカム溝108にガイドされることにより、回転支持部材71の係合孔80に連結されている第1のリンクアーム54の自由な回動が規制されながら矢印b方向へ移動されることで、第2のリンクアーム54とメインシャーシ6の係止部98との間に架け渡されている引っ張りコイルバネ56が伸張し、回転支持部材71と第2のリンクアーム55とに連結されている第1のリンクアーム54を介してイジェクトアーム52が排出方向へ付勢されつつ挿入方向へ回動される。
【0065】
またディスク搬送機構50は、光ディスク2の引き込み動作においては、第2のリンクアーム55が操作アーム58とともに係止部98側に移動されることで、伸張されていた引っ張りコイルバネ56が収縮され、イジェクトアーム52の排出方向への付勢力が減少する。
【0066】
さらにディスク搬送機構50は、光ディスク2の排出時においては、第2のリンクアーム55のガイド凸部113がガイドカム57にガイドされることにより、引っ張りコイルバネ56の伸張が抑制されて、操作アーム58の操作に応じてイジェクトアーム52が排出方向である矢印b方向へ回転されていく。すなわち、イジェクトアーム52は、引っ張りコイルバネ56による付勢力がほとんど働かない状態で、操作アーム58の操作により回動されて光ディスク2を排出させる。
【0067】
これにより、ユーザによって光ディスク2が引き込み位置まで挿入される挿入過程では、引っ張りコイルバネ56が伸張されることにより排出方向への付勢力を働かせることができるため、ユーザによる光ディスク2の挿入が中止された場合にも光ディスク2が筐体3内に中途半端に挿入された状態で放置される事態を防止することができる。またローディングアーム51による光ディスク2の引き込み過程では、引っ張りコイルバネ56が収縮することにより、イジェクトアーム52に働く排出方向への付勢力を減少させることができるため、スムーズな引き込み動作が可能となる。さらに光ディスク2の排出過程では、第2のリンクアーム54とメインシャーシ6の係止部98とが近接され引っ張りコイルバネ56が収縮した状態が維持されることにより、イジェクトアーム52に与えられていた引っ張りコイルバネ56による排出方向への付勢力が働かないため、駆動機構120の駆動力を受けた操作アーム58の操作に応じてイジェクトアーム52が回動されることとなり、弾性力に頼ることなく光ディスク2を、光ディスク2の中心孔2aが筐体3外へ排出される所定の停止位置へ安定的に排出することができる。
【0068】
以下、かかるディスク搬送機構50の各構成部材について詳細に説明する。
【0069】
ローディングアーム51は、光ディスク2をディスク装着部23上に引き込むものであり、基端部が上記ボトムケース4のデッキ部4a上に、ディスク装着部23よりもディスク挿脱口19側に回動自在に支持され、先端部が図12中矢印a方向及び矢印a方向に回動可能とされている。具体的に、ローディングアーム51は、図13及び図14に示すように、平板状の板金からなるアーム本体51aを備え、このアーム本体51aの一端部に挿通孔60が突設され、この挿通孔60がデッキ部4aより突設された略円筒状の回動支持部材63に係合されることにより、この回動支持部材63を支点にデッキ部4a上を、光ディスク2をローディングする図14中矢印a方向及び光ディスク2をイジェクトする図14中矢印a方向へ回動可能に支持されている。
【0070】
また挿通孔60は、長孔状に形成されている。したがって、ローディングアーム51は、該挿通孔60に沿って移動しながら同図中矢印a方向及び矢印a方向へ回動される。これにより、後に詳述するように、ローディングアーム51は、光ディスク2の挿入工程及び引き込み工程と排出工程において、スライダー122のストロークに応じてイジェクトアーム52との間に生じる回動タイミングのズレを吸収し、光ディスク2のスムーズな挿排出を行うことができる。
【0071】
また、ローディングアーム51は、アーム本体51aの先端部にディスク挿脱口19から挿入された光ディスク2の外周部と当接される当接部61が上方に向かって突出して設けられている。当接部61は小径の回転ローラ61aが回転可能に取り付けられている。また、当接部61は、光ディスク2よりも柔らかい樹脂からなり、ディスク挿脱口19から挿入された光ディスク2の外周部と当接される中央部分が内側に湾曲し、その両端部が拡径されたフランジ部として光ディスク2の高さ方向の移動を規制する略鼓形形状を有している。
【0072】
またローディングアーム51は、挿通孔60の近傍を側方から板バネ62に押し当てられることにより、この板バネ62の付勢力によって、挿通孔60を支点に常時、光ディスク2をディスク挿脱口19側からディスク装着部23側に付勢する図14中矢印a方向へ回動付勢されている。ローディングアーム51を付勢する板バネ62は、デッキ部4a上に固定されている基部62aと、基部62aの一端から延設されローディングアーム51を付勢するアーム部62bとからなる。
【0073】
さらに、ローディングアーム51は、後述するローディングカムプレート53の第1のカム溝66に挿通係合される係合凸部64が突設されている。そしてローディングアーム51は、この係合凸部64がローディングカムプレート53の第1のカム溝66に沿って移動することにより、板バネ62の付勢力を規制しながら回動される。
【0074】
ローディングカムプレート53は、平板状の板金からなり、後述する駆動機構120のスライダー122と係合されることにより、該スライダー122の移動に伴ってデッキ部4a上を前後に移動され、これにより上記ローディングアーム51及び後述するデッキアーム200の付勢力を規制する規制アーム212を回動させるものである。このローディングカムプレート53は、デッキ部4a上に回動可能に支持されたローディングアーム51及び規制アーム212の上に重ねられると共に、ローディングアーム51の係合凸部64及び規制アーム212の回動ガイド部215が挿通されることにより、光ディスク2の挿排出動作に応じてこれらローディングアーム51及び規制アーム212の回動を規制する。
【0075】
かかるローディングカムプレート53は、図15(a)及び(b)に示すように、ローディングアーム51に突設された係合凸部64及び規制アーム212の回動ガイド部215が挿通される第1のカム溝66と、デッキ部4aに突設されたガイド凸部65が挿通される第2のカム溝67と、スライダー122に係合する一対の係合突起68,68と、規制アーム212をデッキ部4a上に回動自在に支持する回動支持ピン217が挿通される第3のカム溝69が形成されている。
【0076】
第1のカム溝66は、係合凸部64が摺動されることにより、板バネ62によって光ディスク2のローディング方向に付勢されたローディングアーム51の回動を規制するとともに、回動ガイド部215が摺動されることにより、規制アーム212を回動させデッキアーム200に係止されているコイルバネ203の付勢力を制御するものである。
【0077】
第1のカム溝66は、図12及び図14に示すように、係合凸部64を規制してローディングアーム51が光ディスク2の引き込み方向である図12中矢印a方向へ回動させる第1のガイド部66aと、第1のガイド部66aと隣接されるとともに連続して形成されローディングアーム51の回動位置を規制し光ディスク2をセンタリング位置に支持させる第2のガイド部66bと、第2のガイド部66bと連続して形成され係合凸部64をローディングアーム51がディスク装着部23に装着された光ディスク2の外周より離間する図12中矢印a方向に回動するようガイドする第3のガイド部66cと、第1のガイド部66aを介して第2のガイド部66bと反対側に設けられ回動ガイド部215をガイドすることにより規制アーム212を回動させる第4のガイド部66dとからなる。
【0078】
第1のガイド部66aは、ローディングカムプレート53の移動方向と略直交する方向に形成され、ローディングカムプレート53が筐体3内の背面側である矢印f方向に移動されることにより係合凸部64と前面側から当接し、ローディングアーム51を図12中矢印a方向に回動させる。また第2のガイド部66bは、ローディングカムプレート53の移動方向と略平行に形成され、第1のガイド部66aによって光ディスク2を引き込む矢印a方向に回動されたローディングアーム51の回動を規制し、光ディスク2のセンタリングを行う。また第3のガイド部66cは、第2のガイド部66bよりも筐体3の内側に曲げられ、係合凸部64をガイドすることによりローディングアーム51をディスク装着部23に装着された光ディスク2の側面より離間させ、光ディスク2を回転可能とする。また第4のガイド部66dは、規制アーム212の回動ガイド部215をガイドするものであり、ローディングカムプレートのスライドに応じて規制アーム212を回動させ、後述するデッキアーム200による付勢力を制御する。
【0079】
この第1のカム溝66は、光ディスク2の挿入待機状態においては、図12に示すように、第1のガイド部66aと係合凸部64とが離間され、板バネ62により矢印a1方向へ回動付勢されているローディングアーム51の係合凸部64が第1のガイド部66aと対向する側面に当接されている。これによりローディングカムプレート53は、ローディングアーム51の矢印a方向への回動を規制し、光ディスク2の挿入待機状態におけるローディングアーム51の位置決めを図る。光ディスク2が筐体3内に挿入されスライダー122によってローディングカムプレート53が筐体3の背面側へ移動されると、図16に示すように、第1のカム溝66は、係合凸部64が第1のガイド部66aに当接され、ローディングアーム51を光ディスク2の引き込み方向である図16中矢印a方向へ回動させる。
【0080】
第1のカム溝66は、光ディスク2の中心孔2aがディスク装着部23のターンテーブル23a上に位置するまで搬送されると、係合凸部64が第2のガイド部66bに入る。ローディングアーム51は、第2のガイド部66bでは係合凸部64と挿通孔60との相対角度は変わらないため、当接部61は矢印a方向へ回動されなくなり、光ディスク2をセンタリング位置に支持する。その後、光ディスク2のチャッキングが終了すると、第1のカム溝66は、図17に示すように、係合凸部64が第3のガイド部66cにガイドされ、ローディングアーム51を光ディスク2と離間する図17中矢印a方向に回動させる。
【0081】
また第1のカム溝66は、ローディングカムプレート53が筐体3の背面側へ移動されると、規制アーム212の回動ガイド部215が第4のガイド部66dにガイドされることにより揺動され、デッキアーム200を回動付勢するコイルバネ203の他端203bが係止されるバネ係止部214を移動させ、光ディスク2が筐体3内に挿入されていくにつれてその付勢力が増加していくことを防止する。
【0082】
そして第1のカム溝66は、光ディスク2の排出時において、スライダー122が前面側である矢印f方向へ移動されるに伴いローディングカムプレート53が同方向へ移動されると、係合凸部64が第3のガイド部66cから第2のガイド部66bへ移動する。これにより、ローディングアーム51は、光ディスク2のローディング方向である矢印a方向へ回動され、当接部61が光ディスク2の側面と前面側から当接される。
【0083】
さらにローディングカムプレート53が矢印f方向へ移動され、係合凸部64が第2のガイド部66bから第1のガイド部66aへ移動されると、図18に示すようにローディングアーム51は、第1のガイド部66aが矢印f方向へ移動されるにつれて当接部61が矢印a方向へ回動可能とされる。またイジェクトアーム52は、駆動機構120の駆動力を受けることにより光ディスク2を排出する矢印b方向へ回動される。したがってローディングアーム51は、排出方向へ搬送される光ディスク2に押圧されることによって矢印a方向へ回動されていく。
【0084】
このときローディングアーム51は、板バネ62によって光ディスク2の挿入方向である矢印a方向へ付勢されながら回動されていく。これにより、ディスク搬送機構50は、光ディスク2の排出時において、ローディングアーム51及びイジェクトアーム52によって光ディスク2を挟持しながら所定の停止位置まで押し出していくこととなり、ローディングアーム51が光ディスク2の急な飛び出しを防止することができる。
【0085】
なお、ローディングアーム51は、光ディスク2の排出が終了すると、図12に示すように、係合凸部64がローディングカムプレート53の第1のカム溝66の第1のガイド部66aと対向する側面に係止されることにより、矢印a方向への回動が規制されて光ディスク2の挿入を待機する。
【0086】
第2のカム溝67は、デッキ部4aに突設されたガイド凸部65に挿通されることによりローディングカムプレート53の移動をガイドするものである。この第2のカム溝67は、スライダー122の移動方向と平行な直線状のカム溝であり、スライダー122の移動に伴ってガイド凸部65がスライドすることにより、ローディングカムプレート53をスライダー122の移動方向にガイドする。
【0087】
スライダー122に係合する一対の係合突起68,68は、ローディングカムプレート53の一側面側に互いに離間して形成されている。これら係合突起68,68は、下方に向かって突設されるとともに、ボトムケース4の底面部側に張り出されることにより、該ボトムケース4の側面に沿って配設されるスライダー122の係合凹部127、127に係合される。これによりローディングカムプレート53とスライダー122とが一体となり、スライダー122の移動に伴ってローディングカムプレート53もスライドされる。
【0088】
なお、ローディングカムプレート53は、かかる係合突起68,68が形成された一側面と反対側の他側面が、右ガイド壁118とデッキ部4aとの間に設けられたクリアランス内にスライド自在に挿通されることで、デッキ部4aからの浮き上がりが防止されている。
【0089】
また第3のカム溝69は、デッキ部4a上に立設されると共に規制アーム212をデッキ部4aに回動可能に支持する回動支持ピン217に挿通される。この第3のカム溝69も上記第2のカム溝67と同様に、スライダー122の移動方向と平行な直線状のカム溝であり、スライダー122の移動に伴って回動支持ピン217にスライドされることによりローディングカムプレート53をスライダー122の移動方向にガイドする。
【0090】
ディスク装着部23から光ディスク2をディスク挿脱口19外へ排出するイジェクトアーム52は、ローディングアーム51が形成された側面とは反対側の側面であってディスク装着部23よりも筐体3の背面側に配設されている。そして、イジェクトアーム52は、後述する第1、第2のリンクアーム54,55及び操作アーム58に操作されながら光ディスク2をディスク装着部23側に搬送する図12中矢印b方向及び光ディスク2をディスク挿脱口19側に排出する図12中矢印b方向に回動される。これによりイジェクトアーム52は、光ディスク2の挿入を待機するホームポジション(図12)と、光ディスク2がターンテーブル23aに装着される装着位置(図17)と、光ディスク2が筐体3より排出される排出位置(図19)との間に亘って回動される。
【0091】
このイジェクトアーム52は、図20及び図21に示すように、メインシャーシ6に回転自在に支持された回転支持部材71と、回転支持部材71に回動自在に係合されて光ディスク2を押し出す押出アーム72と、押出アーム72を光ディスク2の排出方向に付勢するコイルバネ73とを備える。
【0092】
回転支持部材71は、略円形の板金からなり、メインシャーシ6の上面6aに、該上面6aのディスク搬送領域と反対側から回転自在に取り付けられている。回転支持部材71の主面71aの略中央にはメインシャーシ6との取付口71bが穿設されている。また回転支持部材71は、メインシャーシ6との間にスペーサ75が配され、このスペーサ75を介してメインシャーシ6に回転自在に取り付けられている。
【0093】
また回転支持部材71は、押出アーム72及びコイルバネ73が係合される係合片76が形成されている。係合片76は、主面71aより立設された立壁76aの先端より折り曲げ形成されることにより、主面71aよりも上方に設けられ、上記メインシャーシ6のイジェクトアーム用開口部6dより上面6a側に突出されている。この係合片76は、押出アーム72の係合凸部85と連続されカシメ軸89により回動可能に共カシメされる開口部77と、押出アーム72の側面部が当接されることにより押出アーム72の回動領域を規制する一対の回動規制壁78,78と、コイルバネ73の一方のアーム73bが係止される係止凹部79とが形成されている。回動規制壁78,78は、係合片76の左右両側より立ち上がり形成され、この間に押出アーム72に形成された規制突部87が配設されることにより押出アーム72の回動領域を規制する。
【0094】
また、回転支持部材71は、主面71aに後述する第1のリンクアーム54が回転自在に係合される係合孔80が形成されている。係合孔80には第1のリンクアーム54の一端54aに形成された挿通孔と連通され、ビス74によって第1のリンクアーム54と回動自在に連結される。
【0095】
また回転支持部材71は、主面71aの一側面部より折曲げ片81が形成されている。折曲げ片81は、主面71aより下方に折り曲げられることにより、後述するベース昇降機構150のサブスライダー151に突き当てられる突当て片となるとともに、光ディスク2が挿入されることにより光ディスク2をディスク装着部23側に搬送する図12中矢印b方向に回動されると回路基板59に実装された第1のスイッチSW1のスイッチを押圧する。これによりディスクドライブ装置1は、光ディスク2に押圧されたイジェクトアーム52が筐体3の背面側まで回動されたことを検知でき、駆動機構120を駆動させるタイミングを検出することができる。
【0096】
また図22及び図23に示すように、折曲げ片81は、イジェクトアーム52が光ディスク2の排出工程において、光ディスク2をディスク挿脱口19より排出する排出位置まで回動されたイジェクトアーム52をホームポジションまで回動復帰させる位置規制部材235が当接される。
【0097】
この位置規制部材235は、後述するセンタリングガイド220のガイド板222に形成されている。このセンタリングガイド220は、メインシャーシ6の上面6aに回転自在に取り付けられると共に、上面6aのセンタリングガイド用開口部6hからガイド片221がディスク搬送領域上に突出されることにより、光ディスク2のセンタリングを図るものである。そしてセンタリングガイド220は、引っ張りコイルバネ234によってガイド片221がセンタリングガイド用開口部6hに係止される図30中矢印k方向に常時回動付勢されている。これによりガイド板222に形成されている位置規制部材235は、排出位置まで回動されたイジェクトアーム52の回転支持部材71に形成された折曲げ片81と当接される位置に保持される。
【0098】
そして光ディスク2の排出工程において、イジェクトアーム52が矢印b方向へ回動され装着位置からホームポジションを経て排出位置まで移動されると、図23に示すように、位置規制部材235は、回転支持部材71の折曲げ片81に当接される。ここで位置規制部材235が形成されているセンタリングガイド220は、引っ張りコイルバネ234によって、イジェクトアーム52の回同方向である矢印b方向と略反対方向の矢印k方向に回動付勢されると共に、ガイド片221がセンタリングガイド用開口部6hに係止されることにより位置決めが図られている。したがって位置規制部材235は、折曲げ片81を矢印b方向へ付勢して、図22に示すように、排出位置まで回動されたイジェクトアーム52を、光ディスク2の挿入を待機するホームポジションまで回動復帰させる。
【0099】
後述するように、光ディスク2の排出位置は、押出アーム72が筐体3の最も前面側を超えて更に矢印b方向へ回動された位置であり、この排出位置に押出アーム72が位置された状態で、再度光ディスク2の挿入を待機することとなると、光ディスク2の挿入方向前面側に押圧された押出アーム72が、光ディスク2をディスク装着部23まで搬送する矢印b方向へ回動されず、さらに矢印b方向へ回動されてしまうおそれがある。
【0100】
一方、光ディスク2の排出工程においてイジェクトアーム52をホームポジションまで回動させるように設計すると、イジェクトアーム52や第1、第2のリンクアーム54,55、ガイドカム57等の部品精度のバラツキや経年変化等により、イジェクトアーム52がホームポジションまで回動されず、光ディスク2の排出量が短くなって、ディスク挿脱口19より中心孔2aが臨まされる停止位置まで搬送されなくなるおそれもある。
【0101】
さらにイジェクトアーム52の回動領域を、メインシャーシ6に係止させることにより規制することとすると、部品制度や組立制度のバラツキ、経年変化などにより誤差が生じると、イジェクトアーム52が光ディスク2の排出位置まで十分に回動させることができないか、メインシャーシ6に過剰な負荷が掛かるまで回動されるおそれもある。
【0102】
そこで光ディスク2の排出工程で筐体3の最も前面側を超えて更に矢印b方向へ回動する排出位置までイジェクトアーム52を回転させることとし、光ディスク2を所定の停止位置まで確実に搬送すると共に、排出位置まで回動されたイジェクトアーム52の回転支持部材71が位置規制部材235に当接されることで、再度の光ディスク2の挿入を待機し、確実に矢印b方向へ回動できるホームポジションにイジェクトアーム52を回動復帰させることとしている。
【0103】
さらに回転支持部材71は、後述するセンタリングガイド220をディスク装着部23に搬送された光ディスク2の側面から離間させるように回動させる回動片82が設けられている。回動片82は、光ディスク2がディスク装着部23に装着可能なセンタリング位置まで搬送されると、回転支持部材71が回動されることによりセンタリングガイド220のカム軸233と当接され、センタリングガイド220を回動させて光ディスク2から離間させ、光ディスク2を回転自在とする。
【0104】
この係合片76に回動自在に係合される押出アーム72は、略三角形状に形成された樹脂成形部材であり、係合片76の開口部77が挿通係合される係合凸部85と、コイルバネ73の他方のアーム73cが係止される係止壁86と、光ディスク2の挿入端側の側面を支持する支持部88とを有する。係合凸部85は、略三角形の一頂部に形成された中空の円筒体であり、中空部が上記回転支持部材71の係合片76に穿設された開口部77と連通されるとともに、コイルバネ73の巻回部73aに挿通され、カシメ軸89によって係合片76に共カシメされる。これにより押出アーム72は、係合片76上において係合凸部85を支点に回動自在とされる。
【0105】
カシメ軸89により押出アーム72とともに係合片76に係合されるコイルバネ73は、巻回部73aが係合凸部85を挿通するとともに、一方のアーム73bが係合片76に形成された係止凹部79に係止され、他方のアーム73cが押出アーム72に形成された係止壁86に係止されることにより、係合片76に回動自在に支持されている押出アーム72を、係合凸部85を支点に光ディスク2の排出方向へ回動付勢している。
【0106】
また押出アーム72は、係合凸部85近傍に係合片76上における回動領域を決める規制突部87が形成されている。規制突部87は、係合片76に立設されている回動規制壁78,78間に位置され押出アーム72が係合片76上を回動されることにより、回動規制壁78間を往復される。従って、押出アーム72は、規制突部87がいずれか一方の回動規制壁78に当接されることにより回動が規制されることから、係合片76上における回動領域が決定される。
【0107】
このような押出アーム72は、回転支持部材71と回動自在に係合されるとともに、コイルバネ73によって所定のバネ力にてディスク挿脱口19側に回動付勢されている。したがってイジェクトアーム52は、後述する駆動機構120の駆動力を受けた第1のリンクアーム54及び操作アーム58によって光ディスク2を筐体3外へ排出する図18中矢印b方向に回転操作されている際に、光ディスク2の搬送領域上に障害物があるなど72がコイルバネ73の付勢力に対抗して回転支持部材71の開口部77を支点に矢印b方向へ回動される。これによりイジェクトアーム52を矢印b方向に回動させる駆動力と、当該駆動力と反対方向に働く上記障害物からの力とが対向する事態を回避する。したがって、イジェクトアーム52を図18中矢印b方向へ回動させるように第1のリンクアーム54及び操作アーム58を駆動させる駆動機構120のモータ等に過剰な負荷をかけることなく、また光ディスク2もイジェクトアーム52による排出方向への付勢力と反対方向に働く力とによって挟持されることで破損することを防止することができる。
【0108】
また押出アーム72は、図20及び図21に示すように、先端部に光ディスク2のボトムケース4側への沈み込みを防止するピックアップ部90が設けられている。ピックアップ部90は、光ディスク2を下方から支持するピックアップアーム91と、ピックアップアーム91を光ディスク2のキャッチが可能となるように押圧する押さえ部材92とを有する。
【0109】
ピックアップアーム91は、棒状の軸部91aと、軸部91aの一端側に設けられ光ディスク2を支持する支持片91bと、支持片91b近傍に立設され筐体3内に挿入された光ディスク2の外周面が突き当てられる突き当て片91cと、軸部91aの他端に設けられイジェクトアーム52の回動に伴ってメインシャーシ6の上面6aを摺動され軸部91aを支持片91bが上昇する方向へ回転させる摺動片91dとを有する。
【0110】
軸部91aは略円柱状に形成され、一端側に支持片91b及び突き当て片91cが突設され、他端側に摺動片91dが突設されている。また軸部91aは、押出アーム72に形成された軸受け部94に回動自在に支持される。支持片91bは、ボトムケース4側に傾斜して挿入された光ディスク2の挿入端側の外周部を支持することにより光ピックアップ25等との衝突を防止すると共に正規の搬送領域まで復帰させるものであり、略矩形板状に形成され、長手方向の先端側にかけて薄肉とされるとともに傾斜面が設けられている。突き当て片91cは、光ディスク2の外周面に突き当てられると、押出アーム72に立設されている支持壁99に支持されることにより軸部91aの回転が規制される。また突き当て片91cは、軸部91aより支持片91bの延設方向に対して略直交する方向に立設されており、支持壁99に支持されると、支持片91bが光ディスク2の正規の搬送領域上に回動される。摺動片91dは、軸部91aより突設されることにより押出アーム72に穿設された開口95より押出アーム72の下面側に臨まされる。そして摺動片91dは、メインシャーシ6の上面を摺動することにより支持片91bを光ディスク2の正規の搬送領域まで回動保持させる。
【0111】
また軸部91aには押さえ部材92に押圧される被押圧部93,93が形成されている。被押圧部93,93は軸部91aが断面略D字状に設けられることにより平坦化され、平板状に形成された押さえ部材92に押圧される部分とされる。この被押圧部93,93を押圧する押さえ部材92は、略コ字状に形成された板バネ部材であり、押出アーム72に装着されることにより、常時ピックアップアーム91の支持片91bが下方に傾斜するよう軸部91aを回動付勢する。このとき押さえ部材92は、断面略D字状に形成された被押圧部93,93の平坦な部分を押圧することとなるため、確実にピックアップアーム91を支持片91bが下方に向くように回動付勢することができる。またこれによりピックアップアーム91の摺動片91dは、押出アーム72に形成された開口95より押出アーム72の下面側に突出され、押出アーム72が筐体3の背面側に回動されることによりメインシャーシ6のエッジ部17と当接可能とされている。
【0112】
かかるピックアップアーム91は、光ディスク2の挿入を待機している状態においては、イジェクトアーム52が筐体3の前面側に回動されていることから、摺動片91dがメインシャーシ6のエッジ部17と離間され、かつ押さえ部材92によって軸部91aが付勢されることにより、支持片91bが下方に傾斜されている。そして、光ディスク2が挿入されると、突き当て片91cに光ディスク2の外周面が突き当てられることにより、押さえ部材92の付勢力に対抗して軸部91aが回動され、支持片91bがトップカバー5側に上昇される。これによりピックアップアーム91は、支持片91bによって光ディスク2の下面側を支持しながら筐体3の背面側に回動されていく。その後、押出アーム72がメインシャーシ6の上面を回動すると、ピックアップアーム91は、開口95より押出アーム72の下方に臨まされている摺動片91dがメインシャーシ6のエッジ部17より上面6a上を摺接されることにより、支持片91bがトップカバー5側に上昇された状態が保持される。したがって、光ディスク2がディスク装着部23に搬送された後、押出アーム72が光ディスク2と離間されたときでも、押さえ部材92の付勢力によって支持片91bがボトムケース4側に回動されメインシャーシ6の上面を摺動することはない。
【0113】
また光ディスク2の挿入端がボトムケース4側に傾斜して挿入された場合には、挿入待機状態でボトムケース4側に回動されている支持片91bに、当該光ディスク2の挿入端側の外周面が支持されるため、光ディスク2がボトムケース4側に配設されている他の構成部材、例えばターンテーブル23aや光ピックアップ25に衝突する事態を防止することができる。
【0114】
光ディスク2が傾斜された状態で挿入されていくと、イジェクトアーム52及び押出アーム72が矢印b方向へ回動されることにより、ピックアップアーム91は、摺動片91dがメインシャーシ6のエッジ部17に摺接されることにより押さえ部材92の付勢力に対抗して軸部91aが回動され、支持片91bがトップカバー5側に回動されていく。なお、この支持片91bの回動領域は、軸部91aに設けられた突き当て片91cが押出アーム72に立設された支持壁99に支持されることにより規制される。また支持片91bが回動されることにより、光ディスク2の外周部が突き当て片91cに突き当てられる。これによりピックアップアーム91は、ボトムケース4側に傾斜して挿入された光ディスク2を正規の搬送領域に復帰させることができる。
【0115】
なお押出アーム72は、ピックアップアーム91の支持片91bの近傍に、支持片91bとともに光ディスク2の外周部を挟持する支持部88が突設されている。支持部88は、押出アーム72の主面より立設された立壁先端から上記支持片91bと同方向へ延設される。そして押出アーム72は、突き当て片91cおよび支持部88の立壁によって光ディスク2の挿入端側の側面を受けるとともに、支持部88及び支持片91bによって光ディスク2の挿入端側を挟持して、挿入及び引き込み時には筐体3の背面側へ回動され、また排出時には筐体3の前面側へ光ディスク2を押し出す。
【0116】
なお、この支持部88と正規の搬送領域上まで回動された支持片91bとの距離は、光ディスク2の厚さよりもやや大きく形成されており、光ディスク2を強固に掴むものではない。したがってイジェクトアーム52は、矢印b方向及びb方向への回動に伴って支持部88及び支持片91bによって光ディスク2の傾きを防止するとともに、スムーズに光ディスク2をリリースし、排出時において挟持することができる。
【0117】
次いでイジェクトアーム52の回転支持部材71に回動自在に係合された第1のリンクアーム54について説明する。第1のリンクアーム54は、後述する操作アーム58に操作されることによってイジェクトアーム52を光ディスク2の挿入方向あるいは排出方向となる図12中矢印b方向あるいは矢印b方向へ回動させるものである。この第1のリンクアーム54は、略矩形状に形成された金属板からなり、長手方向の一端54aが上記回転支持部材71の係合孔80に回転自在に係合され、長手方向の他端54bが第2のリンクアーム55と回転自在に係合されるとともに、長手方向の略中間部に操作アーム58の他端58bが取り付けられている。
【0118】
第1のリンクアーム54の他端54bに回転自在に係合された第2のリンクアーム55は、長尺状の板金からなり、一端55aにガイドカム57にガイドされるガイド凸部113が突設され、他端55bが第1のリンクアーム54の他端54bと回動自在に係合する係合孔が形成されている。また第2のリンクアーム55は、この他端55bにメインシャーシ6の係止部98との間に架け渡された引っ張りコイルバネ56の一端が係止される係止部96が形成されている。
【0119】
第2のリンクアーム55の他端55bに形成された係止部96に係止される引っ張りコイルバネ56は、第2のリンクアーム55及び第1のリンクアーム54を介してイジェクトアーム52を光ディスク2の排出方向である図12中矢印b方向へ回動付勢することにより、光ディスク2の挿入時において、イジェクトアーム52に排出方向への付勢力を付与するものである。
【0120】
また第2のリンクアーム55は、操作アーム58に形成されたカム溝108に係合される係合突部116が形成されている。第2のリンクアーム55は、係合突部116がカム溝108に係合されることにより、第2のリンクアーム55の回動が規制され、係止部96とメインシャーシ6の係止部98とが近接又は離間されることにより、光ディスク2の挿入時にイジェクトアーム52に排出方向への付勢力を作用させる。
【0121】
すなわち、光ディスク2が挿入されることによりイジェクトアーム52が矢印b方向へ回動されると、回転支持部材71に連結されている第1のリンクアーム54も、その一端54aが同様に矢印b方向へ回動される。このとき第1のリンクアーム54は、略中間部に連結されている操作アーム58が矢印d方向に保持されているため、この操作アーム58との連結部を支点に他端54b側が筐体3の前面側に移動する。
【0122】
他端54bに連結されている第2のリンクアーム55は、第1のリンクアーム54の他端54bによって筐体3の前面側へ移動される。これにより第2のリンクアーム55は、引っ張りコイルバネ56との係止部96がメインシャーシ6の係止部98と離間されるため、引っ張りコイルバネ56によって筐体3の背面側に付勢される。このとき第2のリンクアーム55は、係合突部116が操作アーム58のカム溝108のカム辺108aに当接されるため、背面側への回動が規制される。そして第2のリンクアーム55は、イジェクトアーム52が矢印b方向への回動されるに従って他端54bが筐体3の前面側に移動される第1のリンクアーム54によって、筐体3の前面側に移動される。
【0123】
このように第2のリンクアーム55は、操作アーム58のカム溝108によって背面側への回動が規制されている状態で、第1のリンクアーム54によって筐体3の前面側へ移動されていくことにより、係止部96がメインシャーシ6の係止部98から離間されていく。したがって第2のリンクアーム55の係止部96に係止されている引っ張りコイルバネ56は、イジェクトアーム52が矢印b方向への回動されるに従って伸張されていき、付勢力が発生する。この付勢力は、第1のリンクアーム54を介して連結されているイジェクトアーム52の回転支持部材71に対して、回転方向である矢印b方向と反対方向である矢印b方向へ作用する。したがってイジェクトアーム52は、光ディスク2を排出方向へ付勢しながら回動されていく。
【0124】
これにより、このディスクドライブ装置1は、ユーザが光ディスク2を挿入する際、イジェクトアーム52によって挿入方向とは反対の矢印b方向の付勢力を与えながら光ディスク2の挿入を行わせることができる。したがって、仮にユーザが光ディスク2の挿入を途中で中止した場合でも、光ディスク2をディスク挿脱口19より外部へ押し戻すことができ、筐体3内の中途半端な位置に放置される事態を防止することができる。
【0125】
なお、光ディスク2がある程度まで筐体3内に挿入されると、後述する駆動機構120が駆動され、ローディングアーム51による光ディスク2の引き込み動作が行われるとともに、駆動モータ121の駆動力を受けた操作アーム58により第1のリンクアーム54及び第2のリンクアーム55が移動されて第2のリンクアーム55の係止部96とメインシャーシ6の係止部98とが近接されていくため、引っ張りコイルバネ56が収縮して矢印b方向への付勢力はイジェクトアーム52に働かなくなる。またイジェクトアーム52は、光ディスク2の排出時には、第2のリンクアーム55がガイドカム57によって係止部96とメインシャーシ6の係止部98とが離間しないようにガイドされるため、引っ張りコイルバネ56が伸張せず、排出方向への付勢力がイジェクトアーム52及び光ディスク2に作用することはなく、駆動機構120の駆動力によって所定の排出位置まで回動され光ディスク2を搬送することができる。
【0126】
なお、第2のリンクアーム55は、係合突部116がカム溝108に係合されることにより、光ディスク2の排出時において、光ディスク2をディスク挿脱口19より排出される所定の停止位置まで搬送可能としている。すなわち、光ディスク2の排出中に、フロントパネル18のディスク挿脱口19に設けられたパネルカーテンが光ディスク2に摺接することにより負荷がかかると、イジェクトアーム52の回転支持部材71及び第1のリンクアーム54が矢印b方向へ付勢される。ここで、第2のリンクアーム55と操作アーム58とが係合突部116により係合されていないと、第1のリンクアーム54は、操作アーム58がスライダー122の矢印f方向へのスライドに伴い矢印d方向へ移動されても、回転支持部材71に対して係合孔80を支点に矢印d方向へ回転するだけで、イジェクトアーム52を矢印b方向へ回動させることができなくなる。また、第2のリンクアーム55も、第1のリンクアーム54に対して回動するだけとなる。
【0127】
一方、第2のリンクアーム55が操作アーム58と係合突部116により係合されると、操作アーム58の矢印d方向への移動に伴い、係合突部116がカム溝108の側壁に当接されて第2のリンクアーム55が第1のリンクアーム54に対して自由に回動することができなくなる。すなわち、第1のリンクアーム54は、第2のリンクアーム55の係合突部116がカム溝108の側壁に当接されることにより矢印d方向への回転が規制される。したがって、光ディスク2の排出中、イジェクトアーム52が矢印b方向に付勢された場合にも、操作アーム58が矢印d方向へ移動されると、第1のリンクアーム54は、矢印b方向への付勢力に対抗しながら矢印d方向へ移動されイジェクトアーム52を矢印b方向へ回動させる。これによりイジェクトアーム52は、スライダー122の矢印f方向へのスライド量に応じた矢印b方向への回動が実現され、確実に排出位置まで回動されて所定の停止位置へ光ディスク2を押し出すことができる。
【0128】
第2のリンクアーム55のガイド凸部113の移動をガイドするガイドカム57は、光ディスク2の排出工程において第2のリンクアーム55の移動をガイドすることにより、引っ張りコイルバネ56を伸張させず、イジェクトアーム52に排出方向への付勢力を抑制するようにし、また第2のリンクアーム55のガイド凸部113をガイドし、イジェクトアーム52を装着位置から光ディスク2の挿入を待機するホームポジションを経て排出位置まで回動させるものである。
【0129】
このガイドカム57は、図24(a)及び(b)に示すように、メインシャーシ6のボトムケース4側の面に突設され、ガイド凸部113が周回するカム部103と、メインシャーシ6のボトムケース4側の面にカム部103の周囲を囲むように配設され、ガイド凸部113の可動領域を規定する外壁部105とを有する。
【0130】
カム部103は、平板状の取付板102上に形成され、この取付板102がメインシャーシ6の上面6aにビス止めされることにより、メインシャーシ6の裏面側に向かって突出されている。また外壁部105は、平板状の支持板107に開口部107aが形成され、この支持板107がメインシャーシ6の裏面にビス止めされることにより、開口部107a内にカム部103が位置されるとともに、開口部107aの側面がガイド凸部113の可動領域を規定する。またガイドカム57は、カム部103の図24(b)中外壁部105に囲まれた左側及び筐体3の前面側を、光ディスク2が挿入され、引き込まれる際においてガイド凸部113が移動されるローディング領域57aとされ、カム部103の図24(b)中外壁部105に囲まれた右側の領域を、光ディスク2が排出される際においてガイド凸部113が移動されるアンローディング領域57bとされている。
【0131】
カム部103は、ガイドカム57のアンローディング領域57bに面する側面に、ガイド凸部113の移動をガイドするガイド辺104が形成されている。ガイド辺104は、操作アーム58によって矢印d方向へ移動される第2のリンクアーム55のガイド凸部113が当接されることにより、第2のリンクアーム55及び第1のリンクアーム54の自由な回動を規制し、操作アーム58の矢印d方向への移動に応じてイジェクトアーム52を矢印b方向へ移動させる。すなわち、光ディスク2の排出工程において、操作アーム58が駆動機構120の動作に応じて矢印d方向へ移動されると、この操作アーム58と連結されている第1、第2のリンクアーム54,55も同方向に移動される。このとき第2のリンクアーム55のガイド凸部113がカム部103のガイド辺104に当接されることから、第1のリンクアーム54は、回転支持部材71上の回動が規制される。したがってイジェクトアーム52は、第2のリンクアーム55のガイド凸部113がカム部103のガイド辺104を摺動している間、操作アーム58によって第1のリンクアーム54が矢印d方向へ移動される量に応じて、回転支持部材71が矢印b方向へ回転され、光ディスク2の排出を行う。
【0132】
また光ディスク2の排出工程において、第2のリンクアーム55は、操作アーム58によって矢印d方向へ移動されるとともに、ガイド凸部113がカム部103のガイド辺104に沿って筐体3の背面側へ移動されていくことで、イジェクトアーム52を光ディスク2の挿入を待機するホームポジションを越えて光ディスク2をディスク挿脱口19より所定量だけ突出させる排出位置まで回動させる。なお、排出位置まで回動されたイジェクトアーム52は、後述する位置規制部材235によってホームポジションまで回動復帰される。またイジェクトアーム52が排出位置まで回動されたとき、第2のリンクアーム55のガイド凸部113はガイドカム57のアンローディング領域57bからローディング領域57aへガイドされる。
【0133】
なお、第2のリンクアーム55が操作アーム58によってカム部103に沿って移動されることにより、引っ張りコイルバネ56が多少伸張されるがその付勢力は微力でイジェクトアーム52を回動させるほどではなく、またイジェクトアーム52は操作アーム58の移動に応じて回動されることから、かかる引っ張りコイルバネ56の付勢力がイジェクトアーム52の回動に作用することはない。したがってディスク搬送機構50は、光ディスク2の排出工程においては、引っ張りコイルバネ56の付勢力が作用することがないため、光ディスク2の精度誤差や引っ張りコイルバネ56等の経年変化等に拘わらず、所定の排出位置までイジェクトアーム52を回動させ、所定の停止位置に光ディスク2を安定して搬送することができる。
【0134】
このカム部103の外周を囲むように配設される外壁部105は、支持板107の開口部107a内にカム部103が位置されることにより、カム部103の周囲にローディング領域57a及びアンローディング領域57bが形成される。
【0135】
外壁部105によって設けられるローディング領域57a及びアンローディング領域57bは、光ディスク2の挿排出工程において、第2のリンクアーム55のガイド凸部113が移動する領域であり、図25に示すように、ローディング領域57aがアンローディング領域57bに比して広くされている。具体的に、ローディング領域57aは、光ディスク2が筐体3内に挿入されることにより第2のリンクアーム55のガイド凸部113が移動し得る可動領域を確保している。
【0136】
これは、後述するように光ディスク2が挿入されイジェクトアーム52が所定量矢印b方向へ回動されると、駆動機構120が起動されてローディングアーム51による光ディスク2の引き込み動作が開始され、また操作アーム58が矢印d方向へ移動されることでイジェクトアーム52及び第1、第2のリンクアーム54,55が移動される。しかし図26に示すように、ユーザによっては、ディスクドライブ装置1の主電源が投入されていないにもかかわらず光ディスク2を筐体3内に深く挿入してしまう場合や、主電源が投入されている場合であっても、ローディングアーム51による引き込み動作を待たず、自ら光ディスク2を筐体3内に深く押し込んでしまう場合も想定される。
【0137】
かかるイレギュラー動作がされた場合、第1のリンクアーム54は、一端54a側が矢印b方向へ回動されるイジェクトアーム52の回転支持部材71によって矢印b方向に移動されつつ筐体3の前面側へ移動され、操作アーム58との連結点を支点に反対側の他端54bが矢印b方向へ移動される。また第1のリンクアーム54の他端54bと連結されている第2のリンクアーム55も矢印b方向へ移動されつつ操作アーム58のカム溝108に沿って筐体3の前面側へ移動される。
【0138】
したがって第2のリンクアーム55の一端55aに設けられているガイド凸部113は、ローディング領域57aを移動する。ガイド凸部113の移動領域はディスクドライブ装置1の主電源が投入されていない状態で押し込まれた場合や、ディスク搬送機構50による操作アーム58の移動状態に応じて変動しうる。そこで図26及び図25に示すように、外壁部105は、ローディング領域57aを、かかるイレギュラー動作がされた場合に想定されるガイド凸部113の最大可動領域を確保するように形成されている。
【0139】
これによりガイド凸部113は、イレギュラー動作によってローディング領域57aを通常のルートより外れて移動された場合にも、移動しうる領域には他の構成部品が存在せず、また外壁部105と衝突することもないため、いずれの部材とも干渉することなく回動することができる。したがってディスク搬送機構50は、イジェクトアーム52がユーザによるディスクの強制挿入によって強引に回動された場合にも、第2のリンクアーム55やガイドカム57の破損等を防止することができる。なお、操作アーム58は、かかる電源未投入時における光ディスク2の強制挿入の際に、第1のリンクアーム54と第2のリンクアーム55との連結部分と緩衝しないように、他端58b側が筐体3の前面側にやや湾曲して形成されている。
【0140】
またガイドカム57は、図27(a)に示すように、光ディスク2の排出時に、該光ディスク2の排出方向に障害物があり、光ディスク2とこの障害物とが衝突することによってイジェクトアーム52の矢印b方向への回動が阻害された場合、ガイド辺104に付勢されるガイド凸部113をアンローディング領域57bからカム部103を飛び越えてローディング領域57aへ移動させる傾斜面104aがガイド辺104に形成されている。
【0141】
さらにガイドカム57は、図24に示すように、カム部103の周囲にスリット106が形成されることにより、カム部103がアンローディング領域57b側を支点に片持ち梁状とされ、カム部103が設けられた領域が、アンローディング領域57b側を支点に可撓性を有する可撓部103aとされている。可撓部103aは、光ディスク2の排出方向に障害物がありイジェクトアーム52の矢印b方向への回動が阻害された場合に、ガイド辺104がガイド凸部113に付勢されるカム部103をガイド凸部113の先端側(図24中矢印u方向)に撓ませる。
【0142】
かかる光ディスク2の排出工程において、障害物によりイジェクトアーム52の回動が阻害された場合の動作については、後に詳述する。
【0143】
第1のリンクアーム54及び駆動機構120と連結され、イジェクトアーム52を操作する操作アーム58は、長尺状の金属板からなり、長手方向の一端58aが駆動機構120のスライダー122と連結された第3のリンクアーム100と回動自在に係合され、他端58bが第1のリンクアーム54と回動自在に係合されている。また操作アーム58は、長手方向の中央に第2のリンクアーム55に形成された係合突部116が挿通されるカム溝108が形成されている。
【0144】
カム溝108は、上述したように、光ディスク2の挿入時にイジェクトアーム52に排出方向の付勢力を付与するよう第1,第2のリンクアーム54,55の回動を規制するものであり、第2のリンクアーム55がガイドカム57を周回する際に、係合突部116が移動可能となるように長孔状に形成されている。またカム溝108は、操作アーム58の移動方向となる図12中矢印d方向及びd方向と略直交する方向に亘って形成されている。これにより操作アーム58は、係合突部116がカム溝108の側壁に当接されることにより第2のリンクアーム55の回動を規制することができ、第1のリンクアーム54の矢印d方向への回転を規制することができる。
【0145】
この操作アーム58は、スライダー122がスライド操作されることにより、第3のリンクアーム100を介して略左右方向となる図12中矢印d方向及びd方向へ移動され、上記第1のリンクアーム54及びイジェクトアーム52を回動操作する。具体的に、操作アーム58は、第3のリンクアーム100によって図12中矢印d方向へ移動されると、第1のリンクアーム54を同方向へ押圧し、これによってイジェクトアーム52を光ディスク2の挿入方向となる図12中矢印b方向へ回動させる。また、操作アーム58は、第3のリンクアーム100によって図12中矢印d方向へ移動されると、第1のリンクアーム54を同方向へ移動させ、これによってイジェクトアーム52を光ディスク2の排出方向となる図12中矢印b方向へ回動させる。
【0146】
操作アーム58の一端58aに回動自在に係合された第3のリンクアーム100は、略く字状の金属板からなり、折曲部100aがメインシャーシ6に回動自在に取り付けられることにより図12中矢印c方向及びc方向へ回動自在に支持されるとともに、この折曲部100aより延設された一端100bに形成された係合凸部109がスライダー122と係合され、他端100cが操作アーム58に回転自在に係合されている。これにより第3のリンクアーム100は、駆動機構120の駆動モータ121の駆動力を受けてスライダー122が図12中矢印f方向へ搬送されると、スライダー122に形成された第1のガイド溝125にガイドされ図12中矢印c方向へ回動され、操作アーム58を同図中矢印d方向へ移動させる。また、第3のリンクアーム100は、スライダー122が図12中矢印f方向へ搬送されると、第1のガイド溝125にガイドされ同図中矢印c方向へ回動され、操作アーム58を同図中矢印d方向へ移動させる。
【0147】
なお、ディスク搬送領域の左右両側に配設された左右ガイド壁117,118は、光ディスク2の側面部が摺動されることにより挿排出をガイドするものであり、光ディスク2よりも軟らかい合成樹脂等によって形成されている。右ガイド壁118は、デッキ部4a上に配設され、左ガイド壁117は、メインシャーシ6上に配設され、いずれもビスや接着テープ等によって固定されている。
【0148】
これら左右ガイド壁117,118は、側壁117a,118aが立設されている。これら側壁117a,118aは、センタリング位置に搬送された光ディスク2の側面と所定のクリアランスを隔てた位置に設けられ、回転駆動されている光ディスク2の側面部には接触しない。
【0149】
次いで、以上のように構成されるディスク搬送機構50による光ディスク2の挿入から排出までの動作について説明する。光ディスク2の搬送状態は、回路基板59に実装された第1〜第4のスイッチSW1〜SW4の押下状態を検出することによってモニタされる。第1のスイッチSW1は、図12に示すように、イジェクトアーム52の回転支持部材71の回動領域に配設され、イジェクトアーム52の回動に伴って回転支持部材71に形成された折曲げ片81に押下されることによりH/Lが切り換えられる。また第2〜第4のスイッチSW2〜SW4は、図12に示すように、スライダー122の移動領域上に配列され、スライダー122が矢印f方向あるいは矢印f方向へスライドされることにより順次H/Lが切り換えられていく。
【0150】
そしてディスクドライブ装置1は、かかる第1〜第4のスイッチSW1〜SW4の押下状態及びその時間をマイコンでモニタすることにより、光ディスク2の搬送状態を検出し、駆動モータ121やスピンドルモータ24a、光ピックアップ25を移動させる変位駆動機構36等を駆動させる。
【0151】
光ディスク2の挿入前においては、図12に示すように、スライダー122がディスク挿脱口19側となる図中矢印f方向へスライドされており、これによりローディングアーム51は、係合凸部64がローディングカムプレート53の第1のカム溝66に形成された第1のガイド部66aと対向する側面に係止され、当接部61が光ディスク2の搬送領域から退避された位置に回動保持されている。また、スライダー122に係合されている第3のリンクアーム100が図12中矢印c方向に回動されており、これにより操作アーム58及び第1のリンクアーム54に回動操作されたイジェクトアーム52が図12中矢印b方向へ回動され、ホームポジションに位置されている。また、スライダー122がf方向へスライドされることにより、サブスライダー151が図中矢印h方向へスライドされており、これによりベースユニット22を構成するサブシャーシ29がボトムケース4側に下降され、ターンテーブル23a等が光ディスク2の搬送領域から退避されている。
【0152】
そして、ユーザによって光ディスク2がディスク挿脱口19より挿入されると、イジェクトアーム52の支持部88が光ディスク2の挿入端面に押圧され、イジェクトアーム52が図19中矢印b方向へ回動される。このときイジェクトアーム52は、回転支持部材71が取付口71bを支点に矢印b方向へ回転されることから、回転支持部材71と係合されている第1のリンクアーム54も一端54aが同方向へ移動される。また第1のリンクアーム54は、矢印d方向にて停止されている操作アーム58に中間部で連結されているため、この連結部を支点に他端54bが筐体3の前面側に移動しつつ矢印d方向へ移動する。一方、第1のリンクアーム54の他端54bと係合されている第2のリンクアーム55は、第1のリンクアーム54が矢印b方向へ移動されることにより、ガイドカム57のローディング領域57aに位置しているガイド凸部113が、筐体3の前面側に向かって移動される。これにより第2のリンクアーム55は、引っ張りコイルバネ56の係止部96がメインシャーシ6に設けられた係止部98と離間されるため、引っ張りコイルバネ56が伸張し、第1のリンクアーム54が連結されている他端55bを支点に筐体3の背面側に回動付勢される。
【0153】
このとき第2のリンクアーム55は、係合突部116が操作アーム58のカム溝108のカム辺108aに当接されるため、筐体3の背面側への回動が規制される。そして第2のリンクアーム55は、背面側への回動が規制されている状態で、第1のリンクアーム54によって筐体3の前面側へ移動されていくと、イジェクトアーム52が矢印b方向へ回動されるに従って伸張される引っ張りコイルバネ56の収縮しようとする付勢力は、第1のリンクアーム54に対して矢印d方向へ移動されている他端54bを矢印d方向へ引き戻すように作用する。これにより第1のリンクアーム54は、操作アーム58との連結部を支点に、回転支持部材71と連結されている一端54a側が矢印d方向へ付勢される。したがってイジェクトアーム52は、第1のリンクアーム54の一端54aと連結されている回転支持部材71が、回転方向である矢印b方向と反対方向である矢印b方向へ付勢され、光ディスク2を排出方向へ付勢しながら回動されていく。
【0154】
これにより光ディスク2は、イジェクトアーム52に働く排出方向への付勢力に対抗しながら挿入されていくこととなるため、ユーザによって光ディスク2の挿入が途中で中止された場合でも、筐体3外へ排出されるため光ディスク2が中途半端な状態で筐体3内に残存する事態を防止することができる。
【0155】
かかる付勢力に対抗しながらユーザによって光ディスク2が挿入されていき、イジェクトアーム52が所定の角度まで回動されると、回転支持部材71の折曲げ片81によって回路基板59に配設された第1のスイッチSW1が押圧され、駆動機構120が起動される。駆動機構120は、駆動モータ121の駆動力を受けてスライダー122を図16中矢印f方向へスライドさせる。これにより、スライダー122とともにローディングカムプレート53も同方向へスライドされるため、ローディングアーム51は、係合凸部64が第1のカム溝66の第1のガイド部66aに当接される。ローディングアーム51は、係合凸部64が第1のガイド部66aによって矢印f方向へ押圧されることにより、挿通孔60を中心に当接部61が図16中矢印a方向へ回動し、光ディスク2の引き込みを行う。
【0156】
またスライダー122が矢印f方向へスライドされていきローディングアーム51により光ディスク2がディスク装着部23上に位置するセンタリング位置まで搬送されると、係合凸部64がローディングカムプレート53の第1のカム溝66を第1のガイド部66aから第2のガイド部66bへ移動していく。第2のガイド部66bはスライダー122のスライド方向と平行に形成されているため、ローディングアーム51はスライダー122の移動に伴う係合凸部64のガイド操作が行われずに、光ディスク2をセンタリングポジションに保持する。なおこの光ディスク2の引き込み動作の際、第1〜第4のスイッチSW1〜4の押下状態が検出されることにより、ベースユニット22がチャッキング解除位置まで下降されていることがわかり、光ディスク2を安全に搬送することができる。
【0157】
光ディスク2は、ローディングアーム51にローディングされるとともに、左右ガイド壁117,118にガイドされ、また、後述するデッキアーム200及びセンタリングガイド220に当接されることによりディスク装着部23上にセンタリングされる。
【0158】
また、スライダー122が矢印f方向へスライドされると、第3のリンクアーム100がスライダー122の第1のガイド溝125にガイドされて図16中矢印c方向に回動され、かかる第3のリンクアーム100と係合されている操作アーム58が同図中矢印d方向へ移動される。したがって操作アーム58の他端58bと係合されている第1のリンクアーム54は、操作アーム58に押圧されて、矢印d方向に移動される。
【0159】
また、イジェクトアーム52が駆動機構120の起動位置まで回動され、第1のリンクアーム54が操作アーム58によって矢印d方向へ移動されると、第2のリンクアーム55も同方向へ移動され、また第2のリンクアーム55のガイド凸部113も、ガイドカム57のローディング領域57aからアンローディング領域57bへ移動されていく。第2のリンクアーム55が矢印d方向へ移動されることにより、第2のリンクアーム55は、他端54bに形成されている係止部96がメインシャーシ6に形成された係止部98に近接されていき、引っ張りコイルバネ56が収縮していく。したがって光ディスク2の引き込み動作においては、イジェクトアーム52に働いていた矢印b方向への付勢力が漸次消失していく。
【0160】
イジェクトアーム52は、第1のリンクアーム54が操作アーム58によって矢印d方向へ移動されるとともに第2のリンクアーム55のガイド凸部113がアンローディング領域57bへ移動されることにより引っ張りコイルバネ56による矢印b方向への付勢力が消失し、また光ディスク2がローディングアーム51によって筐体3の背面側へ引き込まれていくことにより、押出アーム72及び回転支持部材71が図16中矢印b方向へ回動されていく。
【0161】
このようにディスク搬送機構50は、ローディングアーム51による光ディスク2の引き込み動作がイジェクトアーム52に働く排出方向への付勢力によって阻害されることなく、また光ディスク2にも負荷をかけることなくスムーズに行うことができる。
【0162】
またスライダー122が矢印f方向へスライドされると、スライダー122に係合されている連結アーム165が回動されることによりサブスライダー151も矢印h方向へスライドされていく。そして、光ディスク2のセンタリングが図られた後、スライダー122及びサブスライダー151によりベースユニット22がチャッキング解除位置からチャッキング位置に上昇される。これによりセンタリング位置に搬送された光ディスク2は、中心孔2aの周囲がターンテーブル23aと天板部5aの開口部7の周囲に形成された当接突部8とによって挟持されターンテーブル23aにチャッキングされる。
【0163】
なお、このとき第1〜第4のスイッチSW1〜4の押下状態が検出されることにより、ベースユニット22がチャッキング位置まで上昇されたことがわかり、光ディスク2がターンテーブル23aにチャッキングされたことがわかる。
【0164】
そしてスライダー122が矢印f方向へ移動するとともにサブスライダー151がさらに矢印h方向へスライドされると、ベースユニット22がチャッキング位置から記録再生位置へ下降される。このとき第1〜第4のスイッチSW1〜4の押下状態が検出されることにより、ベースユニット22が記録再生位置まで下降されたことがわかる。
【0165】
光ディスク2がターンテーブル23aにチャッキングされると、矢印f方向へスライドされているスライダー122により第3のリンクアーム100がさらに矢印c方向へ回動され、操作アーム58がさらに矢印d方向へ移動される。これにより、第1のリンクアーム54を介してイジェクトアーム52が矢印b方向へ回動される。またサブスライダー151の先端の当接凸部168が回転支持部材71の折り曲げ片81に突き当てられ、回転支持部材71が矢印b方向へ回動される。したがってイジェクトアーム52は、押出アーム72の支持部88と光ディスク2とが離間される。また、イジェクトアーム52が矢印b方向へ回動されることにより、回転支持部材71に形成された回動片82が、引っ張りコイルバネ234によって光ディスク2の側面と摺接するように回動付勢されているセンタリングガイド220を押圧し、該センタリングガイド220のガイド片221を光ディスク2の側面から離間させる。さらに、スライダー122が矢印f方向へスライドされることにより、ローディングアーム51は、係合凸部64がローディングカムプレート53の第2のガイド部66bから第3のガイド部66cへ移動されるため、図17中矢印a方向へ回動され、当接部61が光ディスク2の側面から離間される。さらにまた、ローディングカムプレート53に押圧されることにより、光ディスク2のセンタリングを行っていたデッキアーム200が光ディスク2の側面から離間される。
【0166】
これにより光ディスク2は、各種アームやセンタリングガイド220からリリースされ、回転自在とされ、ユーザによる記録又は再生の操作を待機する。
【0167】
なおイジェクトアーム52は、サブスライダー151の当接凸部168が回転支持部材71の折曲げ片81に突き当てられ回転支持部材71の矢印b方向への回動が規制されているため、回転支持部材71が矢印b方向へ回動され押出アーム72やセンタリングガイド220のガイド片221が回転駆動中の光ディスク2に当接する事態が防止されている。
【0168】
また、本ディスクドライブ装置1の光ディスク2のローディング工程では、光ディスク2がターンテーブル23aにチャッキングされた後、スピンドルモータ24aを駆動させて光ディスク2を半回転させ、駆動モータ121を逆転させることによりベースユニット22を再度チャッキングまで上昇させるいわゆるダブルチャッキングを行う。これにより光ディスク2がターンテーブル23aに中途半端に係合されたまま記録再生される事態を防止することができる。
【0169】
記録再生動作が終了し、ユーザによって光ディスク2の排出操作がなされると、先ず、駆動機構120の駆動モータ121が逆転され、スライダー122が矢印f方向へスライドされる。これにより、ローディングアーム51は、係合凸部64がローディングカムプレート53の第3のガイド部66cから第2のガイド部66bへ移動することにより、矢印a方向へ回動され、当接部61が光ディスク2の側面と当接される。
【0170】
また、サブスライダー151が矢印h方向へスライドされ、回転支持部材71への押圧が解除されると、引っ張りコイルバネ234の付勢力を受けてセンタリングガイド220が回動復帰されることにより、回動片82がセンタリングガイド220と当接している回転支持部材71は矢印b方向へ回動される。また、スライダー122の移動によって第3のリンクアーム100が矢印c方向へ回動操作され、操作アーム58及び第1のリンクアーム54が矢印d方向へ移動されるため、回転支持部材71が矢印b方向へ回転される。なお、回転支持部材71は、若干伸張されている引っ張りコイルバネ56の付勢力によって第1のリンクアーム54が筐体3の背面側に付勢されることによっても矢印b方向へ回動される。これによりイジェクトアーム52は、押出アーム72の支持部88が光ディスク2の側面と当接される。
【0171】
さらに、スライダー122の矢印f方向への移動に伴ってローディングカムプレート53が同方向へ移動されることにより、ローディングカムプレート53に押圧されていたデッキアーム200も光ディスク2の側面に当接される。
【0172】
次いで、さらにスライダー122が矢印f方向へスライドされ、またサブスライダー151が矢印h方向へスライドされることにより、ベースユニット22を記録再生位置からチャッキング解除位置まで下降させる。これにより光ディスク2は、ボトムケース4より立設されているガイドピン180によって突き上げられ、ターンテーブル23aとのチャッキングが解除される。光ディスク2のチャッキングを解除するガイドピン180については後述する。
【0173】
なお、このとき第1〜第4のスイッチSW1〜4の押下状態が検出されることにより、ベースユニット22がチャッキング解除位置まで下降されたことがわかり、光ディスク2を安全にイジェクトできる状態となったことがわかる。
【0174】
光ディスク2のチャッキングが解除されると、光ディスク2の排出工程に移る。光ディスク2の排出工程では、スライダー122と係合されている第3のリンクアーム100が、スライダー122の第1のガイド溝125をスライドすることによりさらに矢印c方向へ回転されるため、操作アーム58は、さらに矢印d方向へ移動される。図18に示すように、操作アーム58の矢印d方向への移動に伴い第1のリンクアーム54が同方向へ移動されると、イジェクトアーム52は、操作アーム58の移動量に応じて図18中矢印b方向へ回動され、光ディスク2を排出していく。
【0175】
具体的に、第1のリンクアーム54が操作アーム58によって矢印d方向へ移動されることにより、第2のリンクアーム55は、ガイド凸部113がガイドカム57のガイド辺104を摺動しながら外壁部105とで囲まれたアンローディング領域57bを移動していく。また、イジェクトアーム52は、回転支持部材71が第1のリンクアーム54を介して操作アーム58によって矢印b方向へ回動されるため、押出アーム72が矢印b方向に回動され、光ディスク2を筐体3の前面側に向かって押し出していく。
【0176】
このとき、第1、第2のリンクアーム54,55は、いずれも操作アーム58に対して回動自在に連結されていることから、操作アーム58の矢印d方向への移動に伴って、ほぼ同じ角度を保った状態で筐体3の背面側でかつ矢印b方向に移動されていく。また、メインシャーシ6に形成された係止部98はガイドカム57が設けられた筐体3の背面側の左側コーナ部近傍に形成されているため、第2のリンクアーム55は、係止部96がメインシャーシ6の係止部98よりほぼ離間せずに移動していく。したがって、引っ張りコイルバネ56は、光ディスク2の排出工程においては、ほぼ伸張されることがない。
【0177】
このようにディスク搬送機構50は、イジェクトアーム52が引っ張りコイルバネ56に付勢されることなく、駆動機構120の駆動力によって排出方向である矢印b方向へ回動されることとなり、スライダー122のスライドに応じた量だけ回動されるため、光ディスク2を引っ張りコイルバネ56の付勢力により弾き出すことなく、光ディスク2を所定の停止位置に安定して排出することができる。
【0178】
なおこのとき、ディスク搬送機構50は、光ディスク2がフロントパネル18のディスク挿脱口19に設けられたパネルカーテンに摺接されることにより、イジェクトアーム52及び第1のリンクアーム54に相対的に矢印b方向への付勢力が作用した場合、上述したように、第2のリンクアームの係合突部116が操作アーム58のカム溝108内の側壁に当接されることにより第1のリンクアーム54の矢印d方向への回転が規制されていることから、スライダー122の矢印f方向へのスライド量に応じた分だけ矢印d方向へ移動される操作アーム58に伴って第1のリンクアーム54及びイジェクトアーム52が回動されることとなる。したがってディスク搬送機構50は、矢印b方向への付勢力に対抗してイジェクトアーム52をスライダー122のスライド動作に応じた量だけ回動させることができる。
【0179】
またこのとき、ローディングアーム51は、係合凸部64がローディングカムプレート53の第1のカム溝66に係合されることにより、ローディングカムプレート53のスライドに応じてのみ回動可能とされ、自由な回動が規制されている。そしてローディングアーム51は、ローディングカムプレート53がスライダー122とともに図18中矢印f方向へスライドされることにより、係合凸部64が第2のガイド部66bから第1のガイド部66aへガイドされる。ローディングアーム51は第1のガイド部66aによって矢印a方向への回動が規制されているが、イジェクトアーム52によって光ディスク2が筐体3の前面側に排出されていくとともに、第1のガイド部66aがスライダー122のスライドに応じて筐体3の前面側に移動していくことで矢印a方向へ回動可能となるため、イジェクトアーム52による光ディスク2の排出を妨害することがない。
【0180】
またこのように、ローディングアーム51が、係合凸部64が第1のガイド部66aに当接されることで光ディスク2の排出方向である矢印a方向への回動が規制され、スライダー122のスライド及びイジェクトアーム52の回動に対応して矢印a方向へ回動可能とされることから、イジェクトアーム52とともに光ディスク2を挟持しながら搬送することとなり、光ディスク2がデッキアーム200による排出方向への付勢を受けて、ディスク挿脱口19から急に飛び出すことを防止することができる。
【0181】
さらに、ローディングアーム51は、デッキ部4aに固定されている板バネ62によって常時光ディスク2を筐体3内に付勢する矢印a方向へ付勢されている。したがって、ローディングアーム51は、係合凸部64が第1のガイド部66aに当接される位置まで回動されると、板バネ62によって矢印a方向へ付勢されるため、光ディスク2がイジェクトアーム52及びデッキアーム200によって排出方向へ移動される際に、挿入方向への付勢力を付与して、光ディスク2の飛び出しを防止する。なおこの板バネ62による付勢力はイジェクトアーム52の排出方向への回動力に比して微力でありイジェクトアーム52による光ディスク2の排出を妨害することはなく、また光ディスク2に対して過剰な負荷を与えるものでもない。
【0182】
ところで、このスライダー122及び操作アーム58の操作に応じた量だけイジェクトアーム52が回動されるのは、第1、第2のリンクアーム54,55の自由な回動が規制されている間、すなわちガイド凸部113がカム部103のガイド辺104を摺動している間となる。そしてガイド辺104にガイド凸部113が摺動されることにより、イジェクトアーム52は、光ディスク2と当接される押出アーム72に形成され、光ディスク2の排出方向後端の側面を支持する支持部88が筐体3の最も前面側に移動された後、さらに矢印b方向へ移動される排出位置まで回動操作される。
【0183】
すなわち、イジェクトアーム52は、光ディスク2の排出工程において矢印b方向へ回動されると、押出アーム72の支持部88が筐体3の前面側に回動されることで光ディスク2を筐体3外へ押し出す。図19に示すように、イジェクトアーム52は、押出アーム72が筐体3の最も前面側まで回動されることにより光ディスク2を所定の停止位置まで排出させることとなるが、そこから更に矢印b方向となる排出位置まで回動されるように操作される。
【0184】
このようにディスク搬送機構50は、ガイド凸部113がガイド辺104にガイドされることにより、イジェクトアーム52が、光ディスク2を所定の停止位置まで排出する筐体3の最も前面側まで回動可能とされるだけでなく、予め、筐体3の前面側を超えて、さらに矢印b方向へ回動する排出位置まで回動するように設計されている。したがって、ディスク搬送機構50は、イジェクトアーム52やガイドカム57、第1、第2のリンクアーム54,55等に、組み立て精度誤差や経年変化等が生じた場合に備えて、例えばイジェクトアームを矢印b方向に回動付勢する部材等を用いることなく、確実に光ディスク2を所定の停止位置まで排出することができる。
【0185】
さらに、ディスク搬送機構50は、光ディスク2の排出時において引っ張りコイルバネ56の付勢力によってイジェクトアーム52を回動させる機構を採用していないため、かかる付勢力を受けたイジェクトレバーが光ディスクと当接する際等に発生する当接音もない。したがって、ディスクドライブ装置1は、光ディスク2の排出時におけるノイズもなく使用感を向上させることもできる。
【0186】
排出位置まで回動されたイジェクトアーム52は、回転支持部材71の折曲げ片81がセンタリングガイド220に設けられた位置規制部材235に押圧されることによって、図12に示すように、光ディスク2の挿入を待機するホームポジションまで回動復帰される。
【0187】
そして、図12に示すように、スライダー122が初期位置まで移動されると検出スイッチが押圧されることによりスライド動作が停止される。このとき第1〜第4のスイッチSW1〜4の押下状態が検出されることにより、イジェクトアーム52が所定の排出位置まで回動され光ディスク2が所定の停止位置まで搬送されたことがわかり、駆動モータ121の駆動を停止させる。ユーザはディスク挿脱口19から中心孔2aが臨む停止位置に排出された光ディスク2の、当該中心孔2aとディスク側面を摘むことで容易に光ディスク2を取り出すことができる。
【0188】
ここで、ディスク搬送機構50は、光ディスク2が所定量挿入され駆動モータ121の駆動が開始された状態で、ユーザが挿入する光ディスク2を間違えたことに気づくなどして咄嗟に光ディスク2を掴んだ場合、駆動モータ121を停止させた後、反転駆動することにより、光ディスク2をイジェクトする。
【0189】
具体的に、光ディスク2がディスク挿脱口19より所定量挿入され、駆動モータ121が駆動されると、スライダー122及びローディングカムプレート53の矢印f方向への移動に伴って、ローディングアーム51が矢印a方向へ回動される。ここでユーザによって光ディスク2が掴まれると、ローディングアーム51の回動が規制される一方、ローディングカムプレート53はスライダー122とともに矢印f方向へスライドされるため、ローディングアーム51に突設された係合凸部64がローディングカムプレート53の第1のガイド部66aに係止される。これによりスライダー122及びローディングカムプレート53の矢印f方向へのスライドが規制される。このままの状態で、所定時間が経過すると、駆動モータ121が逆転駆動され、上述した光ディスク2の挿入過程とは逆の過程で光ディスク2が排出される。
【0190】
このとき、光ディスク2が所定量挿入されることにより第2のリンクアーム55の係合突部116も操作アーム58のカム溝108を摺動され、筐体3の前面側に移動されていることから、第2のリンクアーム55の係止部96とメインシャーシ6の係止部98とは互いに離間する方向に移動され、両者に架け渡されている引っ張りコイルバネ56は伸張されている。したがって、駆動モータ121が逆転駆動され、スライダー122が矢印f方向へスライドされると、イジェクトアーム52は、引っ張りコイルバネ56の付勢力を受けた第1のリンクアーム54が回転され、矢印b方向へ回動される。したがって、ディスクドライブ装置1は、イジェクトアーム52が、引っ張りコイルバネ56によって光ディスク2をディスク挿脱口19外へ排出する矢印b方向へ回動付勢され、引っ張りコイルバネ56の付勢力によって光ディスク2を排出する。
【0191】
このため、ディスク搬送機構50は、第2のリンクアーム55のガイド凸部113がアンローディング領域57bを通らずにローディング領域57aを逆行することで、スライダー122の矢印f方向へのスライドによってはイジェクトアーム52を排出位置まで回動させることはできないが、光ディスク2の挿入時に蓄えられた引っ張りコイルバネ56の付勢力によってイジェクトアーム52を排出位置まで回動させることができる。したがって、ディスク搬送機構50は、光ディスク2のローディング時に光ディスク2が掴まれることにより駆動モータ121の駆動が停止されて、光ディスク2がディスク挿脱口19から中途半端に臨まされた状態で放置される事態を防止することができる。
【0192】
なお、かかる光ディスク2の異常搬送は、回路基板59に実装された第1〜第4のスイッチSW1〜SW4の押下状態をマイコンがモニタすることにより検出することができる。すなわち、第1のスイッチSW1がイジェクトアーム52により押下された状態からベースユニット22がチャッキング解除位置に下降されていることを検出するまでにスライダー122が移動する時間が所定時間、例えば3秒以上かかった場合や、ベースユニット22がチャッキング解除位置からチャッキング位置を経て記録再生位置まで移動されるまでの時間が所定時間以上かかった場合には異常搬送であることを検出し、駆動モータ121を停止させ、また反転させることにより光ディスク2をイジェクトさせる。
【0193】
また、イジェクトアーム52は、停止位置まで搬送された光ディスク2が引き抜かれると、再度光ディスク2の挿入を待機するホームポジションに回動される。
【0194】
上述したように、ガイドカム57は、光ディスク2の排出時に該光ディスク2の排出方向に障害物があり、光ディスク2とこの障害物とが衝突することによってイジェクトアーム52の矢印b方向への回動が阻害されたときに、ガイド辺104を摺動するガイド凸部113を、カム部103を飛び越えてアンローディング領域57bからローディング領域57aへ移動させる傾斜面104aがカム部103のガイド辺104に形成されている。
【0195】
具体的に、カム部103のガイド辺104は、図27(a)に示すように、カム部103の起端から先端にかけてローディング領域57a側に向かう傾斜面104aが形成されている。
【0196】
またガイドカム57は、図24に示すように、カム部103のガイド辺104と対峙する面を除き、カム部103の周囲にスリット106が形成され、アンローディング領域57b側を支点とした片持ち片持ち梁状とされている。すなわちガイドカム57は、カム部103のガイド辺104の両側を両端としローディング領域57aに延設されたスリット106が形成されている。これによりガイドカム57は、カム部103が設けられた領域が、アンローディング領域57b側を支点に可撓性を有する可撓部103aとされている。
【0197】
かかるガイドカム57は、光ディスク2の排出工程において操作アーム58によって第2のリンクアーム55が矢印d方向へ移動されることにより、ガイド凸部113が傾斜面104aを摺動していく。そしてガイドカム57は、光ディスク2が障害物に衝突し、イジェクトアーム52の矢印b方向への回動が規制されると、操作アーム58を介して駆動モータ121の駆動力を受けたガイド凸部113がガイド辺104に押圧される。このとき、ガイド凸部113は、ガイド辺104に設けられた傾斜面104aを摺動し、カム部103の上方に移動する。またガイド凸部113より押圧力を受けたカム部103は、可撓部103aがアンローディング領域57b側を支点にカム部103の起端側となる図24中矢印u方向に撓む。
【0198】
これによりガイド凸部113は、カム部103を飛び越えてアンローディング領域57bからローディング領域57aへ移動することができる。したがって、駆動モータ121の駆動力を受けた操作アーム58によって第1、第2のリンクアーム54,55が矢印d方向に移動されると、ガイド凸部113は、広く設けられているローディング領域57aを移動していく。
【0199】
なお、ガイド凸部113がローディング領域57aに移動されることにより、第2のリンクアーム55は、操作アーム58がスライダー122によって矢印d方向へ移動されるにつれて、同じく矢印d方向へ移動される。これにより第2のリンクアーム55は、係止部96とメインシャーシ6の係止部98とが離間し、引っ張りコイルバネ56が伸張していく。したがってイジェクトアーム52は、矢印b方向への付勢力が作用することから、障害物が取り除かれることにより、光ディスク2はディスク挿脱口19より排出される。また光ディスク2が取り出されると、第2のリンクアーム55、イジェクトアーム52共に、引っ張りコイルバネ56の付勢力によって、再度光ディスク2の挿入を待機するホームポジションに戻される。駆動機構120は、スライダー122を筐体3の前面側まで搬送し、駆動モータ121の駆動を停止する。
【0200】
このように光ディスク2の排出工程においてもガイド凸部113がカム部103に押圧されないため、駆動モータ121の駆動力を受けて駆動されるスライダー122及び操作アーム58の移動が阻害されることがない。したがって、かかるディスク搬送機構50によれば、光ディスク2の排出工程において、光ディスク2が障害物に衝突してイジェクトアーム52の回動が規制された場合であっても、イジェクトアーム52を回動させる第2のリンクアーム55のガイド凸部113及びカム部103、あるいは駆動機構120の駆動モータ121に過剰な負荷が掛かること、またイジェクトアーム52や光ディスク2が駆動機構120と当該障害物とによって挟持され、過剰な負荷が掛かる事態を防止することができる。特に、ディスク搬送機構50は、パネルカーテン等の負荷に対抗するため光ディスク2の引き込み時よりも排出時により大きな電力を用いることから、光ディスク2の搬送領域上に障害物がある場合に駆動機構120や光ディスク2に掛かる負荷も大きくなるため、ガイド辺104を摺動するガイド凸部113をローディング領域57aに逃がすことで駆動機構120や光ディスク2に負荷を与えないための有効な対策となる。
【0201】
また、ディスクドライブ装置1は、昇降ガイド機構40を備え、ベースユニット22の下降した位置における昇降動作をスムーズに行う構成となっていることや、潤滑剤が塗布等され、さらに昇降動作をスムーズに行う構成となっていることから、駆動モータ121にかかる負荷を軽減することができる。このように、昇降動作に必要な駆動力を抑え、駆動モータ121への負荷を軽減すると、その分、イジェクトアーム52を回動させるためや、ガイド凸部113がカム部103を飛び越えるために必要な駆動力を十分に確保することができる。
【0202】
また、ディスクドライブ装置1は、上述のような場合において、ガイド凸部113がカム部103を容易に飛び越えるように可撓部103aが撓みやすくすると、例えばパネルカーテン等による負荷であっても、ガイド凸部113がカム部103を容易に飛び越えてしまうという事態が生じてしまう。かかる事態が生じないために、可撓部103aをある程度撓みにくくする必要があり、このような場合であっても、駆動モータ121の限られたトルクをイジェクトアーム52の回動や、ガイド凸部113がカム部103を飛び越えるために必要な駆動力に使うことができ、このガイド凸部113がカム部103を飛び越える、いわゆるジャンプ機構を有効に作用させることができる。
【0203】
なお、本発明が適用されたディスク搬送機構50においては、図27(b)に示すように、第2のリンクアーム55のガイド凸部113に傾斜面113aを形成してもよい。具体的に、ガイド凸部113には、カム部103のガイド辺104と対峙する側面に先端側から起端側にかけてローディング領域57aに傾斜する傾斜面113aを形成する。かかるガイド凸部113は、カム部103のガイド辺104を摺動しているときに、光ディスク2が障害物と衝突しイジェクトアーム52の回動が規制されガイド辺104に押圧されると、傾斜面113aに沿ってカム部103の上方に向かってガイド辺104を摺動する。これによりガイド凸部113は、カム部103を飛び越えてアンローディング領域57bからローディング領域57aへ移動することができる。
【0204】
また、ディスク搬送機構50は、図27(c)に示すように、上記カム部103のガイド辺104に傾斜面104aを形成するとともに、ガイド凸部113に傾斜面113aを形成するようにしてもよい。ガイド辺104及びガイド凸部113にそれぞれ傾斜面を形成することで、ガイド凸部113は、よりスムーズにカム部103を飛び越えることができる。
【0205】
また、ディスク搬送機構50は、図27(d)に示すように、ガイド凸部113の先端部にボール114を回転自在に保持するとともに、このボール114の一部を先端部より外方に臨ませるように形成してもよい。ガイド凸部113の上部にボール114を設けることで、カム部103をこのボール114が転動するため、ガイド凸部113は、スムーズにカム部103を飛び越えることができる。なお、この場合にもガイド凸部113あるいはカム部103には、傾斜面を設けてもよい。
【0206】
また、ディスク搬送機構50は、図27(e)に示すように、ガイド凸部113の先端部にボール114を回転自在に保持するとともに、このボール114の一部を先端部より外方に臨ませ、さらにボール114をガイド凸部113内に収納されたスプリングで支持することで、ガイド凸部113の先端部において昇降可能に形成してもよい。ガイド凸部113は、先端部に配設されたボール114がスプリングに支持されることにより昇降自在とされることで、カム部103を転動するとともにガイド凸部113内に退避するため、スムーズにカム部103を飛び越えることができる。なお、この場合にもガイド凸部113あるいはカム部103には、傾斜面を設けてもよい。
【0207】
また、ディスク搬送機構50は、図27(f)に示すように、カム部103を中空に形成し、内部にストッパ片115を収納するようにしてもよい。ストッパ片115は、断面凸字状に形成され、カム部103内に配設されたスプリングに底部を支持されることにより先端部が外部に突出されるように付勢されている。そしてガイド凸部113は、ガイド辺104に押圧されるとともに、ストッパ片115に当接すると、このストッパ片115がカム部103内に退避されるため、スムーズにカム部103を飛び越えることができる。なお、この場合にもガイド凸部113あるいはカム部103には、傾斜面を設けてもよい。
【0208】
その他、ディスク搬送機構50は、光ディスク2の排出工程においてイジェクトアーム52の回動が規制されてガイド凸部113がガイド辺104に押圧されると、ガイド凸部113あるいはカム部103がそれぞれ退避することでガイド凸部113がカム部103を飛び越えることができる任意の構成を採用することができる。
【0209】
上述したように、カム部103はメインシャーシ6のボトムケース4側の面に突設され、可撓部103aは、メインシャーシ6の上面6aにスリット106が形成されることにより形成されている。すなわち、可撓部103aは、カム部103の起端側となる図24(a)中矢印u方向に撓むことにより、メインシャーシ6の上面6aの一部が光ディスク2の搬送領域上に迫り出すこととなる。また可撓部103aは、筐体3の背面側、すなわち光ディスク2の筐体3内への挿入方向先端側に設けられている。したがって、ガイドカム57は、光ディスク2の排出工程の初期において、光ディスク2が可撓部103a上から排出されることとなる。
【0210】
これによりディスク搬送機構50は、光ディスク2の排出中に障害物によって排出動作が阻害され、可撓部103aが光ディスク2の搬送領域上に撓んだ場合にも、光ディスク2は、可撓部103a上より退避されているため、光ディスク2との衝突を防止することができる。
【0211】
さらにまたディスク搬送機構50は、障害物によって光ディスク2の排出動作が阻害された場合の対策として、イジェクトアーム52の押出アーム72を挿入方向に回動可能に形成している。すなわち、図20に示すように、ディスクドライブ装置1は、イジェクトアーム52の回転支持部材71と押出アーム72とがカシメ軸89によって開口部77及び係合凸部85を中心に矢印b方向及びb方向へ回転自在に係合されるとともに、コイルバネ73によって矢印b方向へ所定の力で付勢されている。したがって、光ディスク2の排出時に、光ディスク2の排出を阻む障害物が載置され、光ディスク2の排出方向(矢印b方向)と反対方向の力がイジェクトアーム52にかかった場合にも、当該反対方向の力を受けた押出アーム72が矢印b方向へ回動することにより、駆動モータ121や光ディスク2に過剰な負荷がかかる事態を防止することができる。
【0212】
ところで、ユーザにより挿入された光ディスク2のローディングアーム51による引き込みタイミング及び光ディスク2の排出時におけるローディングアーム51の排出規制タイミングは、第1のガイド部66aのローディングカムプレート53のスライド方向の位置及び第2のガイド部66bの長さによって決まる。
【0213】
すなわち、上述したようにローディングアーム51は、係合凸部64がローディングカムプレート53の第1のカム溝66にガイドされることにより回動が規制されており、イジェクトアーム52が矢印b方向に回動され光ディスク2の排出が開始されると、第2のガイド部66b及び第1のガイド部66aに係合凸部64が当接されることにより光ディスク2の排出方向である矢印a方向への回動が規制され、第1のガイド部66aの矢印f方向への移動量に応じて矢印a方向への回動量が決まっていた。したがって、第2のガイド部66bの長さを短くし、その分第1のガイド部66aの位置をローディングカムプレート53のスライド方向の前面側(矢印f方向)に移動させれば、それだけ係合凸部64が第2のガイド部66bから第1のガイド部66aに規制されるタイミングが早まり、イジェクトアーム52の矢印b方向への回動に対して相対的に早いタイミングで矢印a方向への回動が可能となる。これにより、イジェクトアーム52による光ディスク2の排出動作に対して、ローディングカムプレート53によるローディングアーム51の回動タイミング遅れることによって、ローディングアーム51が光ディスク2の排出操作を阻害する事態を防止することができる。
【0214】
一方、ローディングカムプレート53の第1のガイド部66aの位置及び第2のガイド部66bの長さによって、光ディスク2の引き込みタイミングも決まる。すなわち、光ディスク2がユーザによって挿入され、駆動機構120が起動されるとスライダー122及びローディングカムプレート53が矢印f方向へ移動される。これにより係合凸部64が矢印f方向へ移動する第1のガイド部66aに当接されるため、ローディングアーム51が矢印a方向へ回動され、ユーザによって挿入された光ディスク2を筐体3の背面側に引き込んでいく。したがって、第2のガイド部66bを長く取り、第1のガイド部66aのローディングカムプレート53のスライド方向の位置をスライド方向背面側(矢印f方向)に形成すれば、それだけディスク挿脱口19からの挿入深さが浅い段階、すなわちユーザが光ディスク2を深く挿入しなくともローディングアーム51による引き込みを開始することができる。
【0215】
そこで、ディスク搬送機構50では、かかるローディングアーム51による光ディスク2の排出動作に対する阻害防止及び光ディスク2の早期の引き込みを可能とするようにローディングカムプレート53の第1のガイド部66aの形成位置及び第2のガイド部66bの長さを決めている。そして、このディスクドライブ装置1では、図16に示すように、例えば直径が12cmの光ディスクを用いた場合、ディスク挿脱口19から光ディスクの挿入方向背面側の側面までの距離が約23mm〜30mmの位置まで挿入されると、ローディングアーム51による引き込みが可能となるように設計することができる。このようにディスクドライブ装置1は、光ディスク2の引き込み位置をディスク挿脱口19から離れた位置とすることで、ユーザによる挿入距離を短くでき、筐体3の奥まで光ディスク2を挿入せずに引き込みが可能となるため使用感を向上させることができる。
【0216】
また、光ディスク2の引き込み時におけるローディングアーム51の挿入方向(矢印a方向)への引き込みタイミングと、イジェクトアーム52による光ディスク2の排出動作時におけるローディングアーム51の排出方向(矢印a方向)への回動タイミングは、ローディングカムプレート53に形成された第1のカム溝66によって規定し得るが、このローディングカムプレート53は、光ディスク2の引き込み時及び排出時におけるスライダー122の挿脱方向(矢印f、f方向)への往復駆動によって操作される。またスライダー122は、光ディスク2の引き込み時にも排出時にも同一のルートを同じ量だけ同じスピードでスライドされる。したがって、光ディスク2の引き込み時、及び排出時において、スライダー122及びローディングカムプレート53のスライド量に対するローディングアーム51の矢印a方向及びa方向への回動量は同じとされ、ローディングアーム51の矢印a方向への回動と矢印a方向への回動はスライダー122及びローディングカムプレート53のスライド位置によって一義的に定まる。
【0217】
一方、光ディスク2を排出方向(矢印b方向)へ回動するイジェクトアーム52は、光ディスク2の引き込み時におけるスライダー122のスライド量に対する挿入方向(矢印b方向)への回動量と、排出時におけるスライダー122のスライド量に対する排出方向(矢印b方向)への回動量とは異なる。これは光ディスク2の引き込み時においては、イジェクトアーム52は、スライダー122が駆動される前にユーザの挿入動作によってある程度挿入方向(矢印b方向)へ回動されているのに対し、光ディスク2の排出時においては、ユーザによる挿入分まで含め光ディスク2を排出させることによる。すなわち、光ディスク2の引き込み時と排出時においてスライダー122のスライド量は同じであるにもかかわらず、スライダー122のスライドに応じて回動されるイジェクトアーム52の回動量は異なることによる。
【0218】
かかる光ディスク2の挿排出時においてスライダー122の移動に対するイジェクトアーム52の回動タイミングの相違は、イジェクトアーム52の回転支持部材71と第1のリンクアーム54を介して連結されている第2のリンクアーム55が操作アーム58及びガイドカム57によってその移動軌跡を光ディスク2の挿入から排出にかけて規制されることによる。すなわち、スライダー122が駆動されていない状態において光ディスク2がディスク挿脱口19より挿入されイジェクトアーム52が矢印b方向へ回動されるとき、第2のリンクアーム55は係合突部116が操作アーム58のカム溝108のカム辺108aを摺動、ガイドされ、ガイド凸部113が外壁部105に囲まれたカム部103の右側及び筐体3の前面側であるローディング領域57aを移動する。そしてスライダー122が筐体3の前面から背面にかけて駆動されることによりイジェクトアーム52がさらに矢印b方向へ回動され光ディスク2がディスク装着部23まで引き込まれるとき、第2のリンクアーム55はガイド凸部113がローディング領域57aからアンローディング領域57bまで移動される。そしてスライダー122が筐体3の背面から前面にかけて駆動されることによりイジェクトアーム52が矢印b方向へ回動され光ディスク2がディスク装着部23からディスク挿脱口19まで排出されるとき、第2のリンクアーム55はガイド凸部113がカム部103のガイド辺104にガイドされることにより筐体3の背面側まで移動され、再度ローディング領域57aに移動可能とされる。このように光ディスク2の挿入及び引き込み時におけるスライダー122の移動量に対する第2のリンクアーム55が操作アーム58のカム溝108によってガイドされる移動量と、光ディスク2の排出時におけるスライダー122の移動量に対する第2のリンクアーム55がガイドカム57のガイド辺104によってガイドされる移動量とは異なるように構成されている。
【0219】
このように、ローディングアーム51とイジェクトアーム52とは、いずれもスライダー122のスライド動作に応じて回動されるものであるが、ローディングアーム51はスライダー122と共に直線状に往復駆動されるローディングカムプレート53によって操作されるのに対して、イジェクトアーム52はスライダー122の往復軌道に対して周回軌道をとる第2のリンクアーム55によって移動軌跡が制御される。かかるディスク搬送機構50においても、スライダー122に往復軌道に対する操作アーム58のカム溝108及びガイドカム57のカム部103を摺動する第2のリンクアーム55のガイド凸部113のローディング領域57a及びアンローディング領域57bにおける軌道を一義的に定めることは可能であり、スライダー122の往復駆動に対してローディングアーム51とイジェクトアーム52との回動タイミングを合わせることはできる。
【0220】
ここで、第2のリンクアーム55のガイド凸部113が周回されるカム部103と外壁部105とによって構成されるローディング領域57a及びアンローディング領域57bついて、光ディスク2の挿入から排出にわたるイジェクトアーム52及びスライダー122の移動に応じて移動するガイド凸部113の軌跡に対してマージンを取らず、狭小に形成した場合、ガイドカム57や各種アーム類の精度誤差や取り付け誤差、経年変化等によってガイド凸部113のスムーズな移動ができなくなり、またガイド凸部113がカム部103を周回できなくなる恐れがある。またカム溝108を狭小に形成した場合も同様である。そこでガイドカム57は、ガイド凸部113が周回するローディング領域57a及びアンローディング領域57bをある程度の幅を持たせ、またカム溝108を係合突部116の径に対してある程度幅を持たせて形成する必要がある。
【0221】
一方で、ローディング領域57a及びアンローディング領域57bあるいはカム溝108に幅を持たせることで、スライダー122の移動に対して第2のリンクアーム55及びイジェクトアーム52が精度よく追従されなくなる恐れが出てくる。例えば、光ディスク2の排出時において、スライダー122が矢印f方向へ移動されるに伴って操作アーム58及び第1のリンクアーム54を介して移動される第2のリンクアーム55の排出ガイド壁112cへの摺動タイミングと、スライダー122のスライドにともなうローディングカムプレート53のスライドタイミングにズレが生じ、イジェクトアーム52の矢印b方向への回動タイミングとスライダー122のスライドに応じて矢印a方向へ回動されるローディングアーム51との回動タイミングとの間にズレが生じ得る。このため、イジェクトアーム52によって光ディスク2が排出されようとしているときにローディングアーム51が開放されず、光ディスク2の排出を妨げてしまう恐れがある。
【0222】
このようなイジェクトアーム52の排出タイミングとローディングアーム51の開放タイミングとのズレを吸収しイジェクトアーム52による光ディスク2の排出をスムーズに行うために、ローディングアーム51に穿設され回動支持部材63が挿通される挿通孔60は、長孔状に形成されている。ローディングアーム51は、挿通孔60が長孔状に形成されることにより、回動支点が挿通孔60の長手方向に沿って移動することとなる。これによりローディングアーム51は、イジェクトアーム52に押圧された光ディスク2によって矢印a方向へ付勢されると、回動支点が移動し同方向へ回動可能とされる。したがってスライダー122のストロークに伴うイジェクトアーム52とローディングアーム51との回動タイミングにズレが生じた場合でも、光ディスク2の排出を妨げることがない。
【0223】
また、ローディングアーム51の挿通孔60を長孔状に形成することにより、ローディングカムプレート53に形成された第1のカム溝66の第1のガイド部66aを筐体3の背面側に設けて第2のガイド部66bを長くすることにより光ディスク2の引き込みタイミングを早めた場合にも、光ディスク2の排出時においてローディングアーム51の矢印a方向への開放タイミングが遅れることを防止することができる。
【0224】
すなわち、ローディングアーム51は係合凸部64が第1のカム溝66の第1のガイド部66aに押圧されることにより光ディスク2を筐体3内に引き込む矢印a方向へ回動されることから、スライダー122のスライド開始からできるだけ早く第1のガイド部66aと接触すればユーザの手による光ディスク2の挿入距離を短くすることができる。反面、ローディングアーム51は、係合凸部64が第1のカム溝66の第2のガイド部66bにガイドされた後、第1のガイド部66aに沿って移動されることにより筐体3の外へ光ディスク2を排出させる矢印a方向へ回動可能となることから、第2のガイド部66bが長く設けられることにより、イジェクトアーム52が光ディスク2を排出する矢印b方向へ回動されている状態で、係合凸部64が第1のガイド部66a側に移動されないと、ローディングアーム51が矢印a方向へ回動できず光ディスク2の排出が阻害されてしまう。
【0225】
このとき、挿通孔60を長孔状に形成することによって、回動支点がずれるため、ローディングアーム51は、矢印a方向へ回動することができ、光ディスク2の排出時においてローディングアーム51の矢印a方向への開放タイミングが遅れることを防止することができる。
【0226】
なお、ローディングアーム51に長孔状の挿通孔60を設け、デッキ部4a上に回動支持部材63を設けるほか、ローディングアーム51に円筒状の回動支持部材63を突設し、デッキ部4aに長孔状の挿通孔60を穿設し、ローディングアーム51を回動自在に支持するようにしてもよい。
【0227】
以上のように、本発明が適用されたディスクドライブ装置1のディスク搬送機構50によれば、光ディスク2の挿入時には、ユーザによって光ディスク2が引き込み位置まで挿入される過程では、操作アーム58のカム溝108に第2のリンクアーム55の係合突部116が摺動されることにより、第2のリンクアーム55を、係止部96とメインシャーシ6の係止部98とが離間する方向にガイドする。したがって第2のリンクアーム55とメインシャーシの間に架け渡されている引っ張りコイルバネ56による排出方向への付勢力をイジェクトアーム52に作用させることができるため、ユーザによる光ディスク2の挿入が中止されることにより光ディスク2が筐体3内に中途半端に挿入された状態で放置される事態を防止することができる。
【0228】
また、ディスク搬送機構50は、光ディスクの引き込み時には、操作アーム58によって第2のリンクアーム55が移動されて係止部96とメインシャーシ6の係止部98とが近接されることにより、引っ張りコイルバネ56の排出方向への付勢力が抑制される。そしてディスク搬送機構50は、駆動機構120の駆動力を受けたスライダー122及び操作アーム58の操作に応じて、イジェクトアーム52を矢印b方向へ回動させる。
【0229】
そして光ディスク2の排出時には、ガイドカム57のカム部103のガイド辺104にガイド凸部113が摺動されることにより第1のリンクアーム54に対する第2のリンクアーム55の自由な回動、及び回転支持部材71に対する第1のリンクアーム54の自由な回動を規制し、これにより操作アーム58の矢印d方向への移動に応じて回転支持部材71、すなわちイジェクトアーム52を矢印b方向へ回動させる。
【0230】
したがって、ディスク搬送機構50は、第2のリンクアーム55とメインシャーシ6の間に架け渡されている引っ張りコイルバネ56の付勢力が抑制されていることも相まって、スライダー122及び操作アーム58の操作に応じた量だけイジェクトアーム52を排出方向へ回動させることができ、弾性力に頼ることなく駆動機構120の駆動力によって、光ディスク2を光ディスク2の中心孔2aがディスク挿脱口19より外部に排出される所定の停止位置へ安定的に排出することができる。
【0231】
次いで、小径の光ディスク101の誤挿入を防止するとともに、大径の光ディスク2のセンタリングを図るデッキアーム200について説明する。デッキアーム200は、ディスクドライブ装置1が大径(例えば直径12cm)の光ディスク2専用に形成されていることから、ユーザが誤って小径(例えば直径8cm)の光ディスク101を挿入してしまう事態に備えて設けられるものである。
【0232】
すなわち小径ディスク101がイジェクトアーム52の押出アーム72に当接された場合には、第1のリンクアーム54に係止されている引っ張りコイルバネ56あるいは押出アーム72に係合されているコイルバネ73による矢印b方向への付勢力によってディスク挿脱口19外へ押し戻され、またイジェクトアーム52を駆動機構120が駆動される位置まで回動することはない。一方、小径ディスク101がローディングアーム51側に偏倚して挿入された場合には、イジェクトアーム52の押出アーム72に当接されず筐体3の奥まで挿入され、イジェクトアーム52の回動領域から外れた位置に残存してしまうおそれがある。
【0233】
そこでイジェクトアーム52と反対側のデッキ部4aにデッキアーム200を設け、小径ディスク101がローディングアーム51側に偏倚して挿入されたときにも、筐体3の奥まで小径ディスク101が挿入されることを防止することとした。
【0234】
かかるデッキアーム200は、図12に示すように、ボトムケース4のデッキ部4a上であって筐体3の背面側に回動自在に設けられ、光ディスク2の挿入を待機している状態においてはディスク挿脱口19側に回動付勢され、小径ディスク101が挿入されるとこの付勢力によってディスク挿脱口19外へ排出することができる。具体的にデッキアーム200は、図28に示すように、デッキ部4aに回動自在に支持されることにより光ディスク2及び小径ディスク101と当接されるアーム部材201と、アーム部材201と同軸に支持されアーム部材201を押圧する押圧板202と、アーム部材201を回動付勢するコイルバネ203とを有し、アーム部材201及び押圧板202とがカシメ軸204によって回動自在にデッキ部4aに取り付けられている。
【0235】
アーム部材201は、略矩形板状の回動板201aと、回動板201aの長手方向の一側縁より立設されるとともに長手方向に延設されるアーム部201bとを備え、このアーム部201bの先端に光ディスク2あるいは小径ディスク101と当接される当接部材205が設けられている。回動板201aは、長手方向の一端にデッキ部4aに支持される回動支持部が設けられ、他端側に押圧板202の回動をガイドするガイド片206が設けられている。またアーム部201bは、長手方向の回動支持部側の端部にコイルバネ203の一端203aが係止されるスリット207が形成されている。
【0236】
このアーム部材201と同軸に支持される押圧板202は、光ディスク2がターンテーブル23aに装着される際にアーム部材201をディスク外周から確実に離間させるためのものであり、アーム部材201の回動板201a上に重ねて配設される主面部202aと、主面部202aのアーム部201b側の一側縁より立ち上がり形成され該アーム部201bを押圧する押圧アーム202bとを備える。主面部202aは略矩形状に形成され、長手方向の一端にアーム部材201と共にデッキ部4aに支持される回動支持部が設けられ、他端側にアーム部材201の回動板201aに形成されたガイド片206にガイドされるガイド凸部208が突設されている。押圧板202は、このガイド凸部208がガイド片206にガイドされることにより、回動板201aからの浮き上がりが防止されている。また押圧板202は、押圧アーム202bが設けられた側縁と反対側の側縁部に、矢印f方向へスライドされたローディングカムプレート53の先端部に当接される当接片209が形成されている。デッキアーム200は、当接片209がローディングカムプレート53に押圧されることにより矢印i方向へ回動され、アーム部201bの先端部に設けられた当接部材205が光ディスク2の外周面から離間される。
【0237】
主面部202aから立設された押圧アーム202bは、アーム部材201側に延設され、先端がアーム部材201のアーム部201bに当接されている。かかる押圧アーム202bは、押圧板202の主面部202aがローディングカムプレート53に押圧されるとアーム部201bを矢印i方向へ押圧するものである。
【0238】
これらアーム部材201及び押圧板202はデッキ部4a上においてカシメ軸204によって回動自在に支持されるとともに、このカシメ軸204にコイルバネ203が巻回され、このコイルバネ203によって常時光ディスク2の排出方向である矢印i方向へ回動付勢されている。かかるコイルバネ203は、一端203aを上記アーム部201bのスリット207に係止され、他端203bをコイルバネ203による付勢力を規制する規制アーム212に係止されている。
【0239】
規制アーム212は、デッキアーム200が筐体3の背面側である矢印i方向へ回動されていった場合に、コイルバネ203の他端203bを移動させることにより矢印i方向への付勢力が増大していくことを防止するためのものである。この規制アーム212は、デッキアーム200と同様にデッキ部4a上に回動自在に取り付けられたアーム本体213と、アーム本体213の一端213a側に設けられ上記コイルバネ203の他端203bが係止されるバネ係止部214と、アーム本体213の他端213b側に設けられ、上記ローディングカムプレート53に形成された第1のカム溝66の第4のガイド部66dに係合される回動ガイド部215とを備える。
【0240】
アーム本体213は長尺状に形成され、長手方向の略中間に、アーム本体213をデッキ部4aに回動自在に係止させる回動支持ピン217が挿通される挿通片216が設けられている。挿通片216には回動支持ピン217が挿通される挿通孔216aが穿設されている。そしてアーム本体213は、この挿通片216に回動支持ピン217が挿通されることにより、挿通片216を支点に回動自在にデッキ部4aに係止される。また回動支持ピン217は、挿通孔216aを介してデッキ部4a上に突設されることにより、ローディングカムプレート53にスライド方向と平行に形成された第3のカム溝69に挿通され、ローディングカムプレート53のスライドをガイドする。
【0241】
アーム本体213の一端213aに形成されたバネ係止部214は、コイルバネ203の他端203bが係止される。これによりコイルバネ203は、一端203aがアーム部201bのスリット207に係止されているアーム部材201と規制アーム212とを所定の間隔に保持する。またコイルバネ203は、光ディスク2が挿入されることによりアーム部材201が矢印i方向へ回動されるため、規制アーム212の回動が規制されると、カシメ軸204に挿通されている巻回部203cを中心にアーム部201bのスリット207に係止されている一端203aが他端203bと離間する方向に移動されていく。これによりコイルバネ203の一端203aが他端203b側に付勢されることから、この付勢力を受けたアーム部材201のアーム部201bも、光ディスク2が筐体3内に挿入されるにつれて筐体3の前面側である矢印i方向に付勢されていく。したがってコイルバネ203の付勢力を受けたデッキアーム200に対して排出方向への付勢力が与えられるため、デッキアーム200は誤挿入された小径ディスク101が筐体3内から排出させることができる。
【0242】
アーム本体213の他端203bに設けられた回動ガイド部215は、図14に示すように、ローディングカムプレート53の第4のガイド部66dに挿通されることにより、ローディングカムプレート53の矢印f方向及びf方向へのスライドに応じて規制アーム212を回動させ、コイルバネ203の付勢力を制御するものである。すなわち、回動ガイド部215は、光ディスク2が挿入されることによりローディングカムプレート53がスライダー122とともに矢印f方向へスライドされると、図16に示すように、第4のガイド部66dにガイドされることによりアーム本体213が挿通片216を支点に回動され、バネ係止部214が矢印i方向へ回動するデッキアーム200に追従させる矢印j方向へ回動される。バネ係止部214がデッキアーム200に追従することにより、コイルバネ203は、アーム部201bに係止されている一端203aとバネ係止部214に係止されている他端203bとが離間されなくなるため、デッキアーム200の矢印i方向への回動に伴い付勢力が増加することもない。したがって、デッキアーム200の回動に伴って規制アーム212が追従することにより、アーム部材201を排出方向へ付勢するコイルバネ203の付勢力が一定の状態を維持することができ、ローディングアーム51による光ディスク2の引き込み動作を大きく阻害することがない。
【0243】
また回動ガイド部215は、ローディングカムプレート53が矢印f方向へスライドされると、図18に示すように、第4のガイド部66dにガイドされることにより回動され、バネ係止部214が矢印j方向へ回動される。このときデッキアーム200も、コイルバネ203の付勢力によって一端203aが他端203bに近接する方向に付勢されることから、アーム部材201が矢印i方向へ回動される。そして光ディスク2が排出され、バネ係止部214の矢印j方向への回動が停止すると、デッキアーム200も初期位置まで回動され、光ディスク2の挿入を待機する。
【0244】
なおアーム部201bの先端に設けられている当接部材205は、光ディスク2よりも柔らかい樹脂からなり、ディスク挿脱口19から挿入された光ディスク2の外周部と当接される中央部分が内側に湾曲し、その下端部に拡径されたフランジ部が形成され光ディスク2の高さ方向の移動を規制可能に形成されている。
【0245】
次いで、以上のようなデッキアーム200及び規制アーム212の、光ディスク2の挿入、引き込み及び排出工程における動作について説明する。図12に示すように光ディスク2の挿入を待機している状態においては、規制アーム212は、回動ガイド部215がローディングカムプレート53の第4のガイド部66dにガイドされることによりバネ係止部214が矢印j方向へ回動されている。またデッキアーム200は、バネ係止部214が矢印j方向へ回動されることにより、コイルバネ203の一端203aに付勢されアーム部材201が矢印i方向へ回動されている。このときデッキアーム200は、ガイド片206の先端部がローディングカムプレート53の先端に当接することにより矢印i方向への回動が規制されている。
【0246】
また光ディスク2の挿入を待機している状態において、イジェクトアーム52及びデッキアーム200は、押出アーム72と当接部材205との少なくとも一方が、ディスク挿脱口19より挿入された小径ディスク101と当接可能とされている。そしてデッキ部4a側に偏倚して筐体3内に小径ディスク101が挿入されると、デッキアーム200は、当接部材205が小径ディスク101に押圧されることにより、アーム部201bが矢印i方向へ回動される。したがってアーム部201bに係止されているコイルバネ203の一端203aがバネ係止部214に係止されている他端203bと離間されることから、デッキアーム200には排出方向である矢印i方向へコイルバネ203の付勢力が生じる。小径ディスク101はディスク挿脱口19から全部挿入されたときでも駆動機構120は駆動されないため、デッキアーム200によって筐体3外へ排出される。これにより誤って小径ディスク101が挿入されたときでも、小径ディスク101が筐体3内に残存することなく確実に排出することができる。
【0247】
大径の光ディスク2が挿入されると、デッキアーム200は、光ディスク2に押圧されてアーム部材201が矢印i方向へ回動する。光ディスク2の挿入工程においては、駆動機構120は駆動されずスライダー122及びローディングカムプレート53はスライドされないため、規制アーム212のバネ係止部214は回動されない。したがってアーム部材201が矢印i方向へ回動されると、コイルバネ203は、アーム部材201に係止されている一端203aと、バネ係止部214に係止されている他端203bとが離間していき、デッキアーム200に矢印i方向への付勢力を付与する。
【0248】
光ディスク2の引き込み工程に移ると、スライダー122の矢印f方向へスライドに伴ってローディングカムプレート53が同方向へスライドされる。ローディングカムプレート53がスライドされると、図16に示すように、ローディングアーム51による光ディスク2の引き込みによりデッキアーム200がさらに矢印i方向へ回動されると共に、第1のカム溝66の第4のガイド部66dにガイドされて規制アーム212が挿通片216を支点に回動されバネ係止部214が矢印j方向へ回動され、デッキアーム200に追従していく。したがって、デッキアーム200に装着されているコイルバネ203は、アーム部材201に係止されている一端203aと、バネ係止部214に係止されている他端203bとが離間されることがなく、デッキアーム200に働く付勢力が増加することがない。これによりコイルバネ203によるデッキアーム200の矢印i方向への付勢力が光ディスク2を引き込むにつれて増加し、ローディングアーム51による引き込み動作を阻害してしまうことを防止することができる。なお光ディスク2の引き込み工程においても、デッキアーム200にはコイルバネ203による矢印i方向への付勢力が効いているため、当接部材205は、光ディスク2の外周部を同方向に所定の力で付勢している。
【0249】
光ディスク2がほぼディスク装着部23上に引き込まれると、図17に示すように、デッキアーム200は、押圧板202の当接片209がローディングカムプレート53の先端部に突き当てられ、さらに矢印i方向へ回動される。押圧板202がローディングカムプレート53に押圧されると、主面部202aから延設されている押圧アーム202bがアーム部材201のアーム部201bを矢印i方向へ付勢する。これによりデッキアーム200は、アーム部201bに取り付けられている当接部材205をターンテーブル23aに装着された光ディスク2の外周面から確実に離間させることができる。
【0250】
光ディスク2の排出工程においては、ローディングカムプレート53がスライダー122により矢印f方向へ移動される。ローディングカムプレート53がスライドされると、ローディングアーム51が筐体3の前面側である矢印a方向へ回動され、またイジェクトアーム52が矢印b方向へ回動されることにより光ディスク2が排出されていく。また図18に示すように、ローディングカムプレート53がスライドされることにより規制アーム212は回動ガイド部215が第4のガイド部66dにガイドされて挿通片216を支点に回動され、バネ係止部214が矢印j方向へ回動されていく。これによりバネ係止部214とともにコイルバネ203の他端203bが矢印j方向へ回動されることから、コイルバネ203の一端203a及びこの一端203aに係止されるアーム部材201がコイルバネ203の付勢力によって同方向へ回動されていく。なおデッキアーム200は、規制アーム212の回動に応じてコイルバネ203が回転されているため、コイルバネ203の付勢力は増加されず、コイルバネ203の付勢力によって光ディスク2を弾き出すことはない。
【0251】
ローディングカムプレート53のスライドが停止されると、規制アーム212の回動も停止されることから、コイルバネ203の付勢力によるデッキアーム200の回動も停止され、光ディスク2の挿入を待機する初期位置に戻る。
【0252】
なおデッキアーム200は、当接部材205が光ディスク2の外周部に当接するとともに、筐体3の背面側に回動され光ディスク2がほぼディスク装着部23近傍まで引き込まれると、コイルバネ203によって矢印i方向へ光ディスク2を一定の力で付勢する。このとき当接部材205の付勢方向には、メインシャーシ6に係止されているセンタリングガイド220が設けられ、これらデッキアーム200及びセンタリングガイド220によって光ディスク2をディスク装着部23のターンテーブル23aの直上にセンタリングする。
【0253】
このようにデッキアーム200は、デッキ部4a上であってディスク装着部23よりも筐体3の背面側の位置に回動可能に支持されることにより、小径ディスク101の誤挿入防止及び光ディスク2のセンタリングガイドの両機能を果たすことができる。またデッキ部4aの筐体3背面側の領域は、光ディスク2がディスク装着部23に装着されたときにも空きスペースとして確保されているため、この領域に回動支点を持つことにより狭小化された筐体3内のスペースを有効に活用することができ、筐体3の大型化を招くことがない。
【0254】
次いでかかるデッキアーム200とともに光ディスク2のセンタリングを図るセンタリングガイド220について説明する。センタリングガイド220は、図3に示すように、メインシャーシ6のセンタリングガイド用開口部6hから上面6a側に突出され光ディスク2の側面を支持することによりセンタリングをガイドするものであり、図29及び図30に示すように、光ディスク2の側面を支持するガイド片221が設けられたガイド板222と、このガイド板222を回動させる回動板223とを備え、ガイド板222及び回動板223とが一体に取り付けられると共にメインシャーシ6の上面6aに裏面側から回動自在に取り付けられている。
【0255】
ガイド板222は、樹脂成型品からなり、主面部222aの一端から光ディスク2の外周面をガイドするガイド片221が立設されている。また主面部222aには回動板223に形成された開口部229と連続されカシメピンが挿通される挿通孔224が形成されている。また主面部222aには、回動板223に立設されている係止片228に係止される係止部225aが形成された係止孔225が形成されている。さらに主面部222aは裏面及び側面に回動板223の連結孔230に挿入される連結凸部226が突設されている。そしてガイド板222は、係止部225aが係止片228に係止され、また連結凸部226が連結孔230に挿入されることにより回動板223と一体とされ、回動板223とともに回動操作される。
【0256】
ガイド片221は、ガイド板222の主面より立設されるとともにセンタリングガイド用開口部6hの側縁に当接される当接壁221aと、メインシャーシ6上に突出され光ディスク2の外周部に当接することによりセンタリングをガイドするガイド部221bとを備える。ガイド片221は、ガイド板222が回動板223とともに、筐体3内に引き込まれた光ディスク2の外周側に向かって回動付勢されることにより、当接壁221aがセンタリングガイド用開口部6hの側縁に当接されガイド部221bの位置決めが図られ、このガイド部221bによって光ディスク2の外周面を支持する。
【0257】
回動板223は、板金部材からなり、主面部223aには、ガイド板222に立設されているガイド片221を支持する支持壁227と、係止孔225に挿通される係止片228と、挿通孔224と同軸に連続される開口部229と、連結凸部226に挿入される連結孔230が形成されている。
【0258】
支持壁227にはガイド片221の当接壁221aから側方に突設されている連結凸部226が挿入される連結孔230が形成されている。そして支持壁227は、当接壁221aを支持するとともに回動板223が後述する引っ張りコイルバネ234によって回動付勢されることにより、ガイド片221を光ディスク2の外周面側に付勢する。係止片228は、回動板223の主面部223aより立設されると共に先端が略直交方向に折り曲げられることにより、ガイド板222の係止孔225の係止部225aに係止される。これにより係止片228は、支持壁227とともにガイド板222を光ディスク2の外周面側に付勢する。
【0259】
また開口部229は、ガイド板222の挿通孔224と連続され、図示しないカシメピンが挿通される。これによりセンタリングガイド220は、メインシャーシ6の上面6aに回動自在に支持され、ガイド片221が光ディスク2の外周面側に回動する図30中矢印k方向及びガイド片221が光ディスク2の外周面と離間する矢印k方向へ回動可能とされる。
【0260】
また回動板223は、主面部223aにイジェクトアーム52の回転支持部材71に形成された回動片82によって回転されるカム軸233が形成されている。カム軸233は、回動板223の主面部223aにカシメピンが取り付けられることにより形成されている。センタリングガイド220は、イジェクトアーム52が光ディスク2を引き込む矢印b方向へ回動されることにより、回転支持部材71の回動片82がカム軸233と当接し、押圧されることにより、挿通孔224及び開口部229を挿通するカシメピンを支点にガイド片221が光ディスク2の外周面から離間する矢印k方向へ回転される。
【0261】
また回動板223は、主面部223aにイジェクトアーム52の回転支持部材71に係合される係合片231が形成されている。係合片231は、図30に示すように、主面部223aより上方に折り曲げられた後、回転支持部材71側に折り曲げられてることにより、主面部223aよりも高い位置に形成され、回転支持部材71上に延設される。これにより回動板223は、回転支持部材71の主面と係合され、カム軸233と回動片82とを当接させることができる。
【0262】
さらに回動板223は、主面部223aにセンタリングガイド220を、ガイド片221が光ディスク2の外周面と当接する矢印k方向へ回動付勢する引っ張りコイルバネ234が係止されている。この引っ張りコイルバネ234は、一端を回動板223に係止され、他端をメインシャーシ6に係止させることにより、センタリングガイド220のガイド片221を常時矢印k方向へ回動付勢している。またガイド片221は、矢印k方向へ回動付勢されることにより、当接壁221aがメインシャーシ6に設けられたセンタリングガイド用開口部6hの側縁に押し当てられガイド部221bの位置決めが図られる。かかるセンタリングガイド220は、当接壁221aが引っ張りコイルバネ234の付勢力によってセンタリングガイド用開口部6hに付勢されて位置決めされることにより、ガイド部221bが光ディスク2の外周面から離間する矢印k方向へ揺動することを防止できる。
【0263】
なお、上述したように、センタリングガイド220は、ガイド板222に、排出位置まで回動されたイジェクトアーム52をホームポジションに回動復帰させる位置規制部材235が設けられている。位置規制部材235は、ガイド板222が引っ張りコイルバネ234によって矢印k方向へ付勢されることにより、排出位置まで回動されたイジェクトアーム52の回転支持部材71に形成された折曲げ片81と当接可能な位置に保持される。そして、位置規制部材235は、光ディスク2の排出工程において、矢印k方向から折曲げ片81に衝突されるが、引っ張りコイルバネ234の付勢力によって回転支持部材71を押し戻し、イジェクトアーム52を排出位置から、光ディスク2の挿入を待機するホームポジションに回動復帰させる。
【0264】
次いで、このセンタリングガイド220を用いた光ディスク2のセンタリング工程について説明する。上述したように、光ディスク2の挿入及び引き込み工程においては、イジェクトアーム52の回転支持部材71に形成された回動片82によって回動板223のカム軸233が押圧されるまでは、引っ張りコイルバネ234の付勢力によってガイド片221が光ディスク2の外周面方向である矢印k方向に回動付勢され、ガイド部221bにより光ディスク2の外周面をガイド可能とされている。
【0265】
また係合凸部64がローディングカムプレート53の第1のカム溝66にガイドされることによりローディングアーム51が光ディスク2を、中心孔2aがターンテーブル23aの直上に位置するセンタリング位置に引き込む。具体的にローディングアーム51は、係合凸部64が第1のカム溝66の第1のガイド部66aにガイドされることにより光ディスク2を引き込む矢印a方向に回動されほぼセンタリング位置まで搬送する。そしてローディングアーム51は、係合凸部64が第2のガイド部66bにガイドされることにより矢印a方向及びa方向への回動が規制される。
【0266】
さらに光ディスク2がほぼセンタリング位置まで搬送されると、上記デッキアーム200も光ディスク2の外周面に押圧されることにより矢印i方向へ回動される。このときデッキアーム200は、コイルバネ203によってアーム部材201に矢印i方向への付勢力を光ディスク2に対して付与している。この付勢力は、アーム部材201に取り付けられた当接部材205より光ディスク2に対してターンテーブル23aの方向に向かって作用する。またこの付勢力は上述したように規制アーム212の回動に伴うバネ係止部214の移動によって、増加することなく一定量に保たれている。
【0267】
すなわちディスクドライブ装置1は、光ディスク2が筐体3内に引き込まれると、ローディングアーム51及びセンタリングガイド220の揺動が規制されるとともに、デッキアーム200によって一定の付勢力が光ディスク2に対して作用している。そしてディスクドライブ装置1は、ターンテーブル23aを中心に、ローディングアーム51の当接部61と、センタリングガイド220のガイド片221と、デッキアーム200の当接部材205とが、ディスク装着部23を中心に3点で光ディスク2の外周面を支持する。また3点のうち、当接部61及びガイド片221の2点で揺動を規制されたリジットな状態で光ディスク2を支持し、残りの1点から当接部材205によりターンテーブル23aに向かって付勢力が付与されている。
【0268】
このように本ディスクドライブ装置1は、光ディスク2をディスク装着部23上まで引き込むローディングアーム51が光ディスク2のセンタリング位置に応じてリジットに位置決めされることで、確実に光ディスク2のセンタリングを図ることができる。
【0269】
また本ディスクドライブ装置1は、ローディングアーム51に加えてセンタリングガイド220が光ディスク2のセンタリング位置に応じてリジットに位置決めされることで、より確実に光ディスク2のセンタリングを図ることができる。
【0270】
さらに本ディスクドライブ装置1は、ターンテーブル23aを中心として略均等に配された当接部61、当接部材205及びガイド片221のうち2つを光ディスク2のセンタリング位置に応じてリジットにし、残り1つにより光ディスク2をターンテーブル23a側に向かって付勢することにより、さらに確実にセンタリングを行うことができる。これにより後述するスライダー122及びサブスライダー151によってベースユニット22がチャッキング位置へ上昇されると、光ディスク2とターンテーブル23aとがスムーズにチャッキングできる。したがって、光ディスク2の中心孔2aとターンテーブル23aとがずれている状態でチャッキングすることによる音の発生や、光ディスク2あるいはターンテーブル23aに対する負荷を無くすことができる。
【0271】
ここでセンタリングの際に、光ディスク2の外周面を支持する当接部61,ガイド片221及び当接部材205の3点がいずれもリジットに規制されていると、光ディスク2の外形寸法の誤差や各部品の精度誤差等により光ディスク2のセンタリング位置ズレが生じるおそれがあり、あらゆる光ディスク2に対するスムーズなチャッキングを行うことができない。一方、当接部材205をリジットとせずに回動可能に付勢するよう構成することで、かかる光ディスク2や構成部品の精度誤差を吸収することができ、光ディスク2のセンタリングを確実に行うことができる。
【0272】
なおセンタリングの際、イジェクトアーム52は、光ディスク2の引き込み工程においては、第2のリンクアーム55が操作アーム58に矢印d方向へ移動されることにより、第2のリンクアーム55の係止部96とメインシャーシ6に形成された係止部98とが近接されていくため、引っ張りコイルバネ56は伸張状態から戻されていき、光ディスク2の排出方向である矢印b方向への付勢力は殆ど作用しない。また引っ張りコイルバネ56の付勢力は、操作アーム58により回転支持部材71の回転が規制されることからイジェクトアーム52から光ディスク2には伝達されない。
【0273】
またこのとき、デッキ部4aに回動可能に支持されているローディングアーム51は、係合凸部64をガイドするローディングカムプレート53がスライダー122と一体化され、このスライダー122が後述するようにボトムケース4によってスライド方向に亘って支持されることにより、これらローディングカムプレート53及びスライダー122を介して同じくボトムケース4に配設されているメインシャーシ6に対して位置決めが図られている。またセンタリングガイド220は、ガイド片221がメインシャーシ6のセンタリングガイド用開口部6hに回動付勢されることによりメインシャーシ6に対して位置決めが図られている。そしてターンテーブル23aが設けられたベースユニット22も、後述するようにメインシャーシ6に対して昇降自在に支持されている。すなわち、メインシャーシ6に対して、一方でローディングアーム51及びセンタリングガイド220の位置決めが図られ、他方でターンテーブル23aの位置決めが図られることとなる。
【0274】
したがって、光ディスク2は、メインシャーシ6に対してそれぞれ位置決めが図られているローディングアーム51及びセンタリングガイド220によって、同じくメインシャーシ6に対して位置決めされているターンテーブル23aへのセンタリングが図られることとなるため、確実にセンタリングされる。
【0275】
図17に示すように、光ディスク2のチャッキングが行われると、センタリングガイド220は、イジェクトアーム52の回転支持部材71に設けられた回動片82によって回動板223に形成されたカム軸233が押圧されることにより、回動板223及びガイド板222が引っ張りコイルバネ234の付勢力に対抗して挿通孔224を中心に回動され、ガイド片221が矢印k方向へ移動される。これによりガイド片221は、ガイド部221bが光ディスク2の外周面から離間される。
【0276】
また、上述したように、ローディングアーム51は、係合凸部64がローディングカムプレート53の第1のカム溝66の第3のガイド部66cにガイドされることにより矢印a方向へ回動され、当接部61が光ディスク2の外周部から離間される。またデッキアーム200も、押圧板202の当接片209がローディングカムプレート53の先端に矢印f方向に押圧されることにより、押圧アーム202bに付勢されたアーム部材201が矢印i方向へ回動され、アーム部材201に取り付けられている当接部材205が光ディスク2の外周部から離間される。なおイジェクトアーム52も、サブスライダー151によって回転支持部材71の折り曲げ片81が押圧されることにより矢印b方向へ回転され、支持部88及びピックアップ部90が光ディスク2の外周部から離間される。
【0277】
これによりターンテーブル23aにチャッキングされた光ディスク2は、外周部を支持するアーム類やセンタリングガイド220からリリースされ、ディスク回転駆動機構24によって回転可能とされる。
【0278】
なお、上述したように、光ディスク2の排出工程においては、サブスライダー151のスライド動作によって、回転支持部材71が矢印b方向へ回転されることにより、センタリングガイド220が矢印k方向へ回動される。またスライダー122のスライド動作によってローディングカムプレート53が矢印f方向へ搬送されると、デッキアーム200が矢印i方向へ、ローディングアーム51が矢印a方向へ、それぞれ回動されていく。
【0279】
ディスク搬送機構50に駆動力を供給する駆動機構120は、図12に示すように、駆動モータ121と、駆動モータ121の駆動力を受けてボトムケース4内をスライドするスライダー122と、駆動モータ121の駆動力をスライダー122に伝達するギヤ列123とを備え、これらがメインシャーシ6のボトムケース4側に配設されている。駆動機構120は、駆動モータ121によってスライダー122をスライドさせることにより、ディスク搬送機構50及びベース昇降機構150を駆動させるものである。
【0280】
駆動モータ121は、光ディスク2が所定の引き込み位置まで挿入され、イジェクトアーム52の回転支持部材71によって第1のスイッチSW1が押圧されると、スライダー122を矢印f方向に移動する正転方向に駆動される。また駆動モータ121は、イジェクト操作がされると、スライダー122を矢印f方向に移動する逆転方向に駆動される。スライダー122は、光ディスク2のローディング及びイジェクトに応じて図12中矢印f方向又はf方向に移動されることにより、ディスク搬送機構50の各アームや、ベース昇降機構150を駆動させる。ギヤ列123は、駆動モータ121の駆動力をラック部131を介してスライダー122に伝える。
【0281】
スライダー122は、図31に示すように、全体が略直方体状に形成された樹脂部材からなり、上面122aに第3のリンクアーム100に形成された係合凸部109が係合する第1のガイド溝125と、後述するベース昇降機構150のサブスライダー151を駆動させる連結アーム165が係合される第2のガイド溝126と、ローディングカムプレート53に形成された一対の係合突起68,68と係合する一対の係合凹部127,127と、詳細を省略する光ディスク2の二重挿入を規制する開閉アームの一端が係合する第3のガイド溝128とが形成されている。
【0282】
またスライダー122は、ベースユニット22側の側面122bに、ベースユニット22のサブシャーシ29に突設された第1の支軸47が挿通される第1のカムスリット130と、ギヤ列123と係合するラック部131とが形成されている。第1のカムスリット130には、サブシャーシ29の第1の支軸47のがたつきを防止してディスク回転駆動機構24を安定して動作させる第1のガイド板152が組み付けられている。なお、スライダー122は、下面122cに、スライドガイド溝129が長手方向に沿って形成され、ボトムケース4より突設された一対のガイド突起124,124が係合されることにより、長手方向に亘るスライド動作がガイドされている(図9参照)。
【0283】
このようなスライダー122は、ボトムケース4の底面部において、このボトムケース4のデッキ部4aが設けられた一方の側面部とベースユニット22との間に配置されている。また、このスライダー122は、ディスク挿脱口19から筐体3の内部に挿入される光ディスク2よりも下方に位置しており、その上面部がデッキ部4aよりもやや低い高さを有している。そして、このスライダー122は、メインシャーシ6により覆われて、ボトムケース4の底面部に設けられた駆動モータ121やギヤ列123を介して前後方向である矢印f方向及びf方向にスライド駆動される。
【0284】
そして、駆動機構120では、このスライダー122のスライド動作に連動して、第3のリンクアーム100及び第3のリンクアーム100と係合された操作アーム58を移動させて、イジェクトアーム52の回動を規制するとともに、ローディングカムプレート53を前後に移動させ、ローディングアーム51を回動させる。これにより、駆動機構120は、スライダー122のスライドに応じて、光ディスク2を筐体3内に引き込むローディング動作と、光ディスク2をディスク装着部23からディスク挿脱口19外へと排出するイジェクト動作とを行う。
【0285】
次いで、上述したスライダー122のスライド動作に連動して、ベースユニット22を昇降操作するベース昇降機構150について説明する。ベース昇降機構150は、ベースユニット22を上昇させてセンタリング位置に搬送された光ディスク2をディスク装着部23のターンテーブル23aに装着するチャッキング位置と、ベースユニット22を下降させてターンテーブル23aから光ディスク2を離脱するチャッキング解除位置と、ベースユニット22をチャッキング位置とチャッキング解除位置との間に位置させて光ディスク2に対する信号の記録又は再生を行う記録再生位置との間でベースユニット22を昇降操作する。
【0286】
具体的に、ベース昇降機構150は、スライダー122及びスライダー122のスライド動作に応じてスライドされるサブスライダー151によってベースユニット22に形成されている第1の支軸47及び第2の支軸48を昇降させることにより、ベースユニット22の昇降を行うものである。スライダー122のベースユニット22と対向する側面には、図31に示すように、ベースユニット22を上記チャッキング解除位置及び上記記録再生位置に亘って昇降操作する第1のカムスリット130が長手方向に亘って形成されている。第1のカムスリット130は、チャッキング解除位置に対応した下側水平面部130aと、記録再生位置に対応した上側水平面部130bと、これら下側水平面部130aと上側水平面部130bとを繋ぐ傾斜面部130cと、後述する第1のガイド板152が取り付けられる取付部130dが形成され、ベースユニット22のサブシャーシ29に突設された第1の支軸47がスライド可能に挿通される。
【0287】
また、第1のカムスリット130は、第1の支軸47の移動をガイドするとともに、記録再生位置における第1の支軸47のがたつきを防止してディスク回転駆動機構24を安定して動作させる第1のガイド板152が配設されている。第1のガイド板152は、板バネ部材からなり、一端152aに係合孔が設けられ、この係合孔が第1のカムスリット130の取付部130dに突設された係合凸部と係合されるとともに、一端152aがスライダー122の上面122aより取付部130d側に向かってに形成された突片153に係止されている。また第1のガイド板152は、他端152bに、第1のカムスリット130に設けられた係止部154に係止される係止片140が形成されている。また第1のガイド板152は、上側水平面部130bと傾斜面部130cとの接点上部において、ベースユニット22をチャッキング位置に上昇させる際に第1の支軸47が移動するとともに、第1の支軸47が上側水平面部130bに移動されるとスライダー122の上面122a側に突出する突出部155が形成されている。
【0288】
また、第1のカムスリット130の下側水平面部130aは、第1の支軸47の径よりもやや大きな高さを有してスライド自在に形成されている。一方、上側水平面部130bは、第1のガイド板152との高さが第1の支軸47の径と同一かやや低くされている。したがって第1のガイド板152は、第1の支軸47が上側水平面部130bに移動されると、第1の支軸47が圧入され第1の支軸47を上側水平面部130bとの間で挟持する。したがって、第1のガイド板152は、ベースユニット22に設けられたディスク回転駆動機構24のスピンドルモータ24aによる振動を抑制し、光ディスク2を安定して回転させることができる。
【0289】
また第1のガイド板152は、第1の支軸47を上側水平面部130bとの間で挟持することにより、突出部155がスライダー122の上面122a上に突出し、メインシャーシ6の上面6aに押しつけられる。したがって、スライダー122は、光ディスク2の記録再生中は、第1のガイド板152によってボトムケース4側に押圧されることとなり、ベースユニット22の駆動による振動や外乱の影響を抑えることができる。
【0290】
この第1のガイド板152の他端152bに形成された係止片140は、他端152bがスライダー122の長手方向と直交する方向に折り曲げられるとともに、この他端152bの主面部の一部を他端152bの該折り曲げ方向に沿って略矩形状に突出して形成されている。また係止片140が係止される係止部154は、第1のカムスリット130の上側水平面部130bの前方に設けられ、スライダー122の上面122aから厚み方向に向かう側壁154aに厚み方向に亘るスリット154bが設けられている。そして第1のガイド板152が第1のカムスリット130に係止されることにより、図32に示すように、第1のガイド板152の他端152bが側壁154aと対峙すると共に係止片140がスリット154bに挿通し、係止片140の上面140aがスリット154bの上部と当接可能とされる。
【0291】
係止片140がスリット154bに挿通することにより、第1のガイド板152は、面方向に衝撃がかかった場合には、係止片140の上面140aとスリット154bの上部とが当接され、かかる衝撃を係止片140の上面140aを介してスライダー122で受けることができる。したがって第1のガイド板152は、ディスクドライブ装置1の落下事故などにより面方向の衝撃がかかった場合でも、塑性変形することを防止することができる。
【0292】
特に第1のガイド板152は、長尺状の弾性部材からなり、面方向の衝撃に対して塑性変形のおそれがある。またディスクドライブ装置1が製造元から出荷される際やディスクドライブ装置1が搭載された電子機器が搬送される際に、梱包が簡素化されることによって、落下事故などの際に加わる衝撃に対処する必要があるが、係止片140をスライダー122に係止可能に形成することで、第1のガイド板152の変形を防止することができる。
【0293】
サブスライダー151は、ベースユニット22のサブシャーシ29より突設された第2の支軸48を支持するとともに、スライダー122と係合され、このスライダー122のスライド動作に伴って光ディスク2のローディング方向と直交する図12矢印h方向あるいは矢印h方向にスライド可能に配設されている。
【0294】
サブスライダー151は、図12及び図33に示すように、合成樹脂製からなる長尺状の平板部材からなり、上面151aに、メインシャーシ6の上面6aよりボトムケース4側に突出されているガイド凸部157が係合される上ガイド溝158が長手方向に亘って形成されている。また、サブスライダー151は、下面151cの上ガイド溝158と一部ずれた位置に、ボトムケース4より突出されているガイド凸部159が係合される下ガイド溝160が長手方向に亘って形成されている(図9参照)。そして、サブスライダー151は、上ガイド溝158にメインシャーシ6より突出されているガイド凸部157が係合されることにより、このガイド凸部157が上ガイド溝158をスライドし、かつ、下ガイド溝160にボトムケース4より突出されているガイド凸部159が係合されることにより、このガイド凸部159が下ガイド溝160をスライドするため、スライダー122のスライド動作に連動して、矢印h方向あるいは矢印h方向にスライドされる。
【0295】
また、サブスライダー151は、スライダー122側に位置する長手方向の一端部に、スライダー122と連結される連結アーム165が係合される係合溝166が形成されている。係合溝166は、サブスライダー151の長手方向と直交する方向に延設された係合片167に設けられている。また、サブスライダー151は、係合片167が形成された一端部と反対側の他端部が、光ディスク2のローディング時において上記イジェクトアーム52の回転支持部材71に当接される当接凸部168とされている。当接凸部168は図17に示すように、光ディスク2がローディングされる際に、回転支持部材71の折曲げ片81に当接されることにより、押出アーム72を光ディスク2の側面からリリースさせる矢印b方向へ回転支持部材71を回転させると共に、光ディスク2の側面と離間する位置まで回動された押出アーム72が光ディスク2の側面方向に回動しないよう回転支持部材71の矢印b方向への回転を規制する。したがってサブスライダー151は、イジェクトアーム52の押出アーム72が光ディスク2の側面からリリースした状態を保持する。
【0296】
このサブスライダー151は、ディスク挿脱口19側の側面151bに、上記第1のカムスリット130とともに、ベースユニット22を上記チャッキング位置、チャッキング解除位置及び記録再生位置に亘って昇降操作する第2のカムスリット170が長手方向に亘って形成されている。第2のカムスリット170は、チャッキング解除位置に対応した下側水平面部170aと、記録再生位置に対応した上側水平面部170bと、これら下側水平面部170aと上側水平面部170bとを繋ぐとともにチャッキング位置に対応した傾斜面部170cと、後述する第2のガイド板171が取り付けられる取付部170dとが形成され、ベースユニット22のサブシャーシ29に突設された第2の支軸48がスライド可能に挿通される。
【0297】
この第2のカムスリット170の傾斜面部170cは、上側水平面部170bの位置よりも高い位置まで設けられ、やや下降することによりベースユニット22を上側水平面部170bへガイドする。これにより第2のカムスリット170にガイドされるベースユニット22は、サブスライダー151が矢印h方向へスライドすることにより第2の支軸48が下側水平面部170aから傾斜面部170cを上昇し、チャッキング解除位置からチャッキング位置まで移動される。このときベースユニット22は、ディスク装着部23上にセンタリングされた光ディスク2の中心孔2a周辺をターンテーブル23aとトップカバー5の天板部5aに設けられた当接突部8とで挟み込み光ディスク2のチャッキングが行われる。さらにサブスライダー151が矢印h方向へスライドされると、第2の支軸48が傾斜面部170cから上側水平面部170bへ下降するため、ベースユニット22はチャッキング位置から記録再生位置へ移動される。
【0298】
また、第2のカムスリット170は、上記第1のカムスリット130と同様に、第2の支軸48の移動をガイドするとともに、記録再生位置における第2の支軸48のがたつきを防止してディスク回転駆動機構24を安定して動作させる第2のガイド板171が配設されている。第2のガイド板171は、板バネ部材からなり、一端171aに係合孔が設けられ、この係合孔が第2のカムスリット170の取付部170dに突設された係合凸部と係合されるとともに、一端171aがサブスライダー151の上面151aより取付部170d側に向かって形成された突片173に係止されている。また第2のガイド板171は、他端171bに、第2のカムスリット170に設けられた係止部174に係止される係止片175が形成されている。また第2のガイド板171は、上側水平面部170bと傾斜面部170cとの接点上部において、ベースユニット22をチャッキング位置に上昇させる際に第2の支軸48が移動するとともに、第2の支軸48が上側水平面部170bに移動されるとサブスライダー151の上面151a側に突出する突出部176が形成されている。
【0299】
また、第2のカムスリット170の下側水平面部170aは、第2の支軸48の径よりもやや大きな高さを有してスライド自在に形成されている。一方、上側水平面部170bは、第2のガイド板171との高さが第2の支軸48の径と同一かやや低くされている。したがって第2のガイド板171は、第2の支軸48が上側水平面部170bに移動されると、第2の支軸48が圧入され第2の支軸48を上側水平面部170bとの間で挟持する。したがって、第2のガイド板171は、上記第1のガイド板152とともに、ベースユニット22に設けられたディスク回転駆動機構24のスピンドルモータ24aによる振動を抑制し、光ディスク2を安定して回転させることができる。
【0300】
また第2のガイド板171は、第2の支軸48を上側水平面部170bとの間で挟持することにより、突出部176がサブスライダー151の上面151a上に突出し、メインシャーシ6の上面6aに押しつけられる。したがって、サブスライダー151は、光ディスク2の記録再生中は、第2のガイド板171によってボトムケース4側に押圧されることとなり、ベースユニット22の駆動による振動や外乱の影響を抑えることができる。
【0301】
この第2のガイド板171の他端171bに形成された係止片175は、他端171bがサブスライダー151の長手方向と直交する方向に折り曲げられるとともに、この他端171bの主面部の一部を他端171bの該折り曲げ方向に沿って略矩形状に長手方向の前方に突出して形成されている。また係止片175が係止される係止部174は、図33及び図34に示すように、第2のカムスリット170の上側水平面部170bの前方に設けられ、サブスライダー151の上面151aから厚み方向に向かう側壁174aに厚み方向に亘るスリット174bが設けられている。そして第2のガイド板171が第2のカムスリット170に係止されることにより、第2のガイド板171の他端171bが側壁174aと対峙すると共に係止片175がスリット174bに挿通し、係止片175の上面175aがスリット174bの上部と当接可能とされる。
【0302】
係止片175がスリット174bに挿通することにより、第2のガイド板171は、面方向に衝撃がかかった場合には、係止片175の上面175aとスリット174bの上部とが当接され、かかる衝撃を係止片175の上面175aを介してサブスライダー151で受けることができる。したがって第2のガイド板171は、上記第1のガイド板152と同様に、ディスクドライブ装置1の落下事故などにより面方向の衝撃がかかった場合でも、塑性変形することを防止することができる。
【0303】
かかるサブスライダー151の係合溝166に係合され、スライダー122とサブスライダー151とを連結する連結アーム165は、略中間部に設けられた支持部165aがメインシャーシ6に回動自在に取り付けられるとともに、この支持部165aの一端165bに形成された係合凸部177がスライダー122の第2のガイド溝126と移動自在に係合され、他端165cに形成された係合凸部178がサブスライダー151の係合溝166に移動自在に係合されている。
【0304】
この連結アーム165は、スライダー122が矢印f方向へ移動されると、図17に示すように、係合凸部177がスライダー122の第2のガイド溝126を移動することにより、支持部165aを支点に矢印l方向へ回転され、係合凸部178が係合溝166を移動しながらサブスライダー151を矢印h方向へスライドさせる。また連結アーム165は、スライダー122が矢印f方向へ移動されると、図18に示すように、係合凸部177が第2のガイド溝126を移動することにより、支持部165aを支点に矢印l方向へ回転され、係合凸部178が係合溝166を移動しながらサブスライダー151を矢印h方向へスライドさせる。
【0305】
このディスクドライブ装置1には、図3及び図35に示すように、ベースユニット22がチャッキング位置まで上昇される際に、ディスク搬送機構50によってセンタリング位置に搬送された光ディスク2の中心孔2aと、ベースシャーシ27に設けられたディスク装着部23のターンテーブル23aとの位置合わせがされるようにベースユニット22をガイドするガイドピン180が設けられている。
【0306】
ガイドピン180は、ボトムケース4の底面部から立設され、図35に示すように、上部に、ベースシャーシ27に形成されたガイド孔181を挿通するフランジ部182が形成されている。フランジ部182は、ベースシャーシ27のガイド孔181の径よりもやや大きな径を有し、上端部に向かって拡径していく傾斜面からなる第1のガイド部183と、上端部に向かって縮径していく傾斜面からなる第2のガイド部184とが形成されている。そして、フランジ部182は、ベースシャーシ27が昇降される際に、ガイド孔181に形成されたガイド壁185に第1、第2のガイド部183,184が摺接されながら挿通することにより、ベースユニット22をチャッキング位置あるいはチャッキング解除位置にガイドする。
【0307】
このガイドピン180が挿通されるベースシャーシ27のガイド孔181は、ベースユニット22の回動支点となる第3の支軸49から離れたターンテーブル23aの近傍に穿設されている。ガイド孔181内は、図35に示すように、ベースシャーシ27の下部にガイド壁185が膨出形成されている。ガイド壁185は、ガイドピン180のフランジ部182の径よりもやや大きなクリアランスを形成し、フランジ部182がこのクリアランスを挿通することで、光ディスク2の中心孔2aと、ディスク装着部23のターンテーブル23aとの位置合わせがされるようにベースユニット22がガイドされる。
【0308】
具体的に、図36及び図35(a)に二点鎖線で示すように、ベースユニット22がチャッキング解除位置に下降されている際には、ガイドピン180は、フランジ部182がガイド孔181よりも上方に位置されている。そして、光ディスク2がセンタリング位置に搬送されると、ベースシャーシ27が上昇され、ガイド孔181内をフランジ部182が挿通されていく。そして、ベースシャーシ27が光ディスク2のチャッキング位置へ上昇される際、図37及び図35(b)に実線で示すように、ガイド孔181内に膨出形成されたガイド壁185がガイドピン180の第1のガイド部183を摺動して、フランジ部182がガイド壁185間のクリアランスを挿通する。このように、ベースシャーシ27がガイドピン180にガイドされながら上昇されることにより、ディスク装着部23のターンテーブル23aは、センタリング位置に搬送された光ディスク2の中心孔2aとの位置合わせがなされるため、光ディスク2やターンテーブル23aに過剰な負荷をかけることなくスムーズにチャッキングを行うことができる。
【0309】
また、ガイドピン180及びガイド孔181が、ベースユニット22の回動を支持する第3の支軸49が設けられた長手方向の一端と反対側の他端側で、かつディスク装着部23の近傍に対応して形成されているため、センタリング位置まで搬送された光ディスク2と、ターンテーブル23aとのズレを最も効率よく修正することができ、確実に光ディスク2の中心孔2aとターンテーブル23aの係合突部33aとの位置合わせをすることができる。
【0310】
次いで、図38及び図35(c)に一点鎖線で示すように、ベースユニット22が記録再生位置まで下降されると、ベースシャーシ27のガイド孔181のガイド壁185がフランジ部182の第2のガイド部184を摺動しガイド孔181にフランジ部182が挿通可能にガイドされた後、ガイド壁185がフランジ部182と離間する位置まで下降される。このように、ベースユニット22が記録再生位置に下降された状態においては、ガイドピン180とガイド孔181とは接触されていないため、ボトムケース4からガイドピン180を介してベースシャーシ27側へ振動等の外乱が伝達されることが防止されている。したがって、外乱がガイドピン180を通じてディスク回転駆動機構24や光ピックアップ25へ伝わり記録再生特性に悪影響を与えることを防止することができる。
【0311】
なお、ガイドピン180は、ディスク回転駆動機構24によって回転駆動される光ディスク2の下面と当接しない程度の高さに形成されており、光ディスク2の情報記録面を傷つけるおそれはない。
【0312】
記録再生動作が終了し、光ディスク2の排出工程に移ると、ベースユニット22はチャッキング解除位置へ下降され、ガイドピン180によって光ディスク2がターンテーブル23aより押し上げられることによりチャッキングが解除される。このときベースシャーシ27は、ガイド孔181がガイドピン180の下部に位置されている。
【0313】
また、本発明が適用されたディスクドライブ装置1においては、ガイドピン180は、光ディスク2のチャッキングを解除するチャッキング解除ピンとしても機能する。すなわち、ガイドピン180は、上端部を半球状に形成するとともに、ガイドピン180及びベースシャーシ27のガイド孔181が、ターンテーブル23aに装着された光ディスク2の中心孔2a近傍に形成された非記録領域に対応させて形成されている。これにより、ベースユニット22が光ディスク2のチャッキング解除位置に下降されたとき、ガイドピン180の上端部によって光ディスク2が押し上げられ、ターンテーブル23aとのチャッキングが解除される。かかる構成によれば、ガイドピン180の他に、光ディスク2のチャッキングを解除するためのチャッキング解除ピンを用いる必要がないため、部品点数の削減やディスクドライブ装置1の軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0314】
【図1】本発明が適用されたディスクドライブ装置が搭載される電子機器を示す外観斜視図である。
【図2】本発明が適用されたディスクドライブ装置を示す外観斜視図である。
【図3】本発明が適用されたディスクドライブ装置の内部を示す斜視図である。
【図4】メインシャーシを取り外したディスクドライブ装置を示す斜視図である。
【図5】トップカバーを示す外観斜視図である。
【図6】ベースユニットを示す斜視図である。
【図7】(A)は、メインシャーシ側に設けられたピンのベースユニットが上昇位置にある状態を示した図であり、(B)は、ベースユニットが下降位置にある状態を示した図である。
【図8】(A)は、ボトムケース側に設けられたピンのベースユニットが上昇位置にある状態を示した図であり、(B)は、ベースユニットが下降位置にある状態を示した図である。
【図9】ディスクドライブ装置の底面側から見た要部斜視図である。
【図10】(A)は、ベースユニットが下降位置にある状態を示した全体斜視図であり、(B)は、ベースユニットが上昇位置にある状態を示した全体斜視図である。
【図11】昇降ガイド機構におけるピンの他の実施の形態を示した断面図である。
【図12】光ディスクの挿入を待機しているディスクドライブ装置を示す平面図である。
【図13】ローディングアームを示す斜視図である。
【図14】ローディングアームを示す平面図である。
【図15】ローディングカムプレートを示す斜視図であり、(a)は表面側を示し、(b)は裏面側を示す図である。
【図16】光ディスクを引き込むディスクドライブ装置を示す平面図である。
【図17】光ディスクがチャッキングされ、記録再生動作が行われるディスクドライブ装置を示す平面図である。
【図18】光ディスクを排出するディスクドライブ装置を示す平面図である。
【図19】イジェクトアームが光ディスクの挿入を待機するホームポジションに位置するディスクドライブ装置を示す平面図である。
【図20】イジェクトアームを示す分解斜視図である。
【図21】イジェクトアームを示す斜視図である。
【図22】イジェクトアームが、位置規制部材によってホームポジションに回動復帰されている状態を示す平面図である。
【図23】排出位置まで回動されることにより回転支持部材がセンタリングガイドの位置規制部材と当接されたイジェクトアームを示す平面図である。
【図24】ガイドカムを示す図であり、(a)はカム部をメインシャーシの上面側から示す斜視図であり、(b)はカム部及び外壁部をメインシャーシの裏面側から示す斜視図である。
【図25】ガイドカムにおけるガイド凸部の移動経路を示す平面図である。
【図26】光ディスクのイレギュラー動作時におけるガイド凸部の可動領域を示す平面図である。
【図27】カム部のガイド辺と、このガイド辺を摺動するガイド凸部を示す断面図であり、(a)はガイド辺に傾斜面を形成した図であり、(b)はガイド凸部に傾斜面を形成した図であり、(c)はガイド辺及びガイド凸部に傾斜面を形成した図であり、(d)はガイド凸部の先端にボールを配置した図であり、(e)はガイド凸部の先端にボールを昇降自在に配置した図であり、(f)はカム部内にストッパ片を昇降自在に配置した図である。
【図28】デッキアーム及び規制アームを示す斜視図である。
【図29】センタリングガイドを示す分解斜視図である。
【図30】センタリングガイドを示す斜視図である。
【図31】第1のガイド板及びスライダーを示す斜視図である。
【図32】第1のガイド板が係止されたスライダーを示す斜視図である。
【図33】第2のガイド板及びサブスライダーを示す斜視図である。
【図34】第2のガイド板が係止されたサブスライダーを示す斜視図である。
【図35】ガイドピン及びガイド孔の位置関係を示す断面図であり、(a)はチャッキング解除位置、(b)はディスク装着位置、(c)は記録再生位置における各位置関係を示す図である。
【図36】ベースユニットがチャッキング解除位置に下降されている状態におけるガイドピン及びガイド孔を示す斜視図である。
【図37】ベースユニットがチャッキング位置へ上昇されている状態におけるガイドピン及びガイド孔を示す斜視図である。
【図38】ベースユニットが記録再生位置へ上昇されている状態におけるガイドピン及びガイド孔を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0315】
1 ディスクドライブ装置、2 光ディスク、3 筐体、4 ボトムケース、5 トップカバー、6 メインシャーシ、17 エッジ部、18 フロントパネル、19 ディスク挿脱口、22 ベースユニット、23 ディスク装着部、23a ターンテーブル、25 光ピックアップ、27 ベースシャーシ、28 ダンパー、29 サブシャーシ、47〜48 支軸、50 ディスク搬送機構、51 ローディングアーム、52 イジェクトアーム、53 ローディングカムプレート、54 第1のリンクアーム、55 第2のリンクアーム、56 引っ張りコイルバネ、57 ガイドカム、58 操作アーム、60 挿通孔、61 当接部、63 回転支持部材、66 第1のカム溝、71 回転支持部材、72 押出アーム、73 コイルバネ、82 回動片、88 支持部、90 ピックアップ部、96,98 係止部、100 第3のリンクアーム、101 小径ディスク、103 カム部、103a 可撓部、104 ガイド辺、104a 傾斜面、105 外壁部、106 スリット、108 カム溝、108a カム辺、113 ガイド凸部、120 駆動機構、122 スライダー、130 第1のカムスリット、140 係止片、150 ベース昇降機構、151 サブスライダー、152 第1のガイド板、154 係止部、165 連結アーム、170 第2のカムスリット、171 第2のガイド板、180 ガイドピン、200 デッキアーム、201 アーム部材、202 押圧板、203 コイルバネ、212 規制アーム、214 バネ係止部、220 センタリングガイド、221 ガイド片、222 ガイド板、223 回動板、234 引っ張りコイルバネ、235 位置規制部材、240 第2の押出アーム、241 ピックアップ支持部、250 第2のピックアップ部、251 ピックアップアーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク状記録媒体が挿脱される装置本体と、
上記装置本体内に挿入されたディスク状記録媒体が装着されるディスク装着部と、上記ディスク装着部に装着された上記ディスク状記録媒体を回動駆動するディスク回転駆動機構と、該ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録及び/又は再生を行う光ピックアップと、上記光ピックアップを上記ディスク状記録媒体の半径方向に搬送するピックアップ送り機構とを有し、これらがベースに一体に設けられたベースユニットと、
上記ベースユニットを上昇させて上記ディスク状記録媒体を上記ディスク装着部に装着するチャッキング位置と、上記ベースユニットを下降させて上記ディスク装着部から上記ディスク状記録媒体を離脱するチャッキング解除位置との間で上記ベースユニットを昇降操作するとともに、上記ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録及び/又は再生を行うリードライト位置への昇降操作をするベース昇降機構と、
1又は複数箇所設けられ、少なくとも上記ベースユニットを上記リードライド位置にガイドする昇降ガイド機構とを備え、
上記ベースユニットは、上記ベース昇降機構による昇降操作を行うための回動支点を有し、該回動支点を中心に昇降されること
を特徴とするディスクドライブ装置。
【請求項2】
上記昇降ガイド機構は、上記装置本体及び上記ベースユニットのいずれか一方に設けられた昇降ガイドピンと、いずれか他方に設けられ上記昇降ガイドピンが摺動する摺動部材とからなることを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ装置。
【請求項3】
上記昇降ガイドピンは、上記ベースユニットが上記チャッキング位置及び上記リードライト位置において上記摺動部材と摺動され位置をガイドするガイド部と、上記ベースユニットが上記チャッキング位置及び上記リードライト位置以外において上記摺動部材と接触しない非接触部とを有することを特徴とする請求項2記載のディスクドライブ装置。
【請求項4】
上記摺動部材は、ダンパ機能を有する弾性部材からなることを特徴とする請求項2記載のディスクドライブ装置。
【請求項5】
上記昇降ガイド機構は、更に、上記昇降ガイドピンと摺動部材との摺動を円滑に行う潤滑材が設けられることを特徴とする請求項2記載のディスクドライブ装置。
【請求項6】
上記回動支点は、上記ベースユニットの上記ディスク装着部と離間する位置に設けられ、
上記昇降ガイド機構が、上記回動支点の回動軸の軸線方向上及び/又は上記回動支点の回動軸の軸線方向と離間する位置に設けられることを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ装置。
【請求項7】
更に、上記ディスク状記録媒体のローディングに応じて引き込み位置と、上記ディスク状記録媒体を筐体外へ排出する排出位置とに亘って回動自在に支持された回動アームと、
上記回動アームに駆動力を付与するとともに、上記ベース昇降機構に駆動力を付与する駆動機構と、
上記回動アームと上記駆動機構とを連結し、上記ディスク状記録媒体の排出時に、上記回動アームを挿入位置から上記排出位置まで回動させるリンクアーム機構と、
上記ディスク状記録媒体の排出時に上記リンクアーム機構に設けられたガイド凸部が摺動することにより該リンクアーム機構を介して上記回動アームを排出方向へ回動させるガイド片を有し、上記ディスク状記録媒体の挿入から排出に亘って、上記ガイド凸部が周回するガイドカムとを備え、
上記ディスク状記録媒体の排出時に、上記回動アームに回動方向と反対方向の力が加わると、上記ガイド凸部と上記ガイド片との係合が解除される
ことを特徴とする請求項5記載のディスクドライブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2008−140479(P2008−140479A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−326216(P2006−326216)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【出願人】(306025075)ソニーNECオプティアーク株式会社 (46)
【Fターム(参考)】