説明

ディスクブレーキ装置

【課題】簡単な機械的構成で、ピストンシールの熱による影響を回避することができ、ピストンをパッドから確実に引き戻すことを可能にする。
【解決手段】ディスクブレーキ装置10は、キャリパ12を備え、このキャリパ12を構成するキャリパボディ12aのシリンダ18には、ピストン20が収容される。ピストン20は、液圧を受けてパッド16aを押圧するインナピストン22と、外周面24aとシリンダ18の内周面18aとの間にピストンシール26が介装されるとともに、前記インナピストン22に軸方向に個別に移動可能に外装されるアウタピストン24とを備える。インナピストン22とアウタピストン24とは、スプリング28を介して互いに離間する方向に付勢されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリパに設けられたシリンダにピストンが収容されるとともに、液圧により前記ピストンを介してパッドをディスクロータに押圧し、制動力を得るディスクブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、車両に用いられる制動装置として、車輪と一体に回転するディスクロータを両側から覆ってキャリパが配設されるとともに、前記キャリパ内のシリンダに組み込まれたピストンに液圧を付与することにより、前記ピストンを介してパッド(又はシュー)を前記ディスクロータに押圧し、制動力を得るディスクブレーキ装置が知られている。
【0003】
この種の制動装置として、例えば、特許文献1に開示されているディスクブレーキキャリパが使用されている。図7に示すように、ディスクブレーキキャリパ1は、ブレーキディスク2の外側縁部と、このブレーキディスク2の両側に配置されたブレーキシュー3a、3bとを跨いで配置されている。ディスクブレーキキャリパ1は、軸方向内側脚部4aと軸方向外側脚部4bとを有し、この外側脚部4bは、軸方向外側のブレーキシュー3aを直接支えている。
【0004】
内側脚部4aには、ブレーキシリンダ5とブレーキピストン6とを有する液圧作動装置7が設けられている。ブレーキピストン6は、ブレーキシリンダ5内を軸方向に摺動するとともに、前記ブレーキピストン6は、開構造の前記ブレーキシリンダ5から突出した端部で、軸方向内側のブレーキシュー3bに当接している。ブレーキピストン6は、弾性ピストンシール8により、ブレーキシリンダ5に対してシールされている。
【0005】
ピストンシール8は、ブレーキシリンダ5の内側に設けられた周方向環状溝9内に収容される。この溝9は、ブレーキシリンダ5の円筒状面5a内に凹設されている。ピストンシール8は、液圧をシールする他に、ブレーキ作動の終了時、すなわち、液圧が低下したときに、ピストン推力<シール弾性復元力となって、可能であればその初期位置まで、ブレーキピストン6を、これに結合されたブレーキシュー3bと共に引き込める機能を有している。
【0006】
【特許文献1】特許第3998722号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記のディスクブレーキキャリパ1では、ブレーキディスク2とブレーキシュー3a、3bとの摩擦による発熱が惹起し、この発熱によりピストンシール8の弾性係数が変化するおそれがある。これにより、ブレーキピストン6の戻り量が減少してしまい、ブレーキディスク2とブレーキシュー3a、3bとが常時接触して、所謂、引きずりが発生するという問題がある。
【0008】
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単な機械的構成で、ピストンシールの熱による影響を回避することができ、ピストンをパッドから確実に引き戻すことが可能なディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、キャリパに設けられたシリンダにピストンが収容されるとともに、液圧により前記ピストンを介してパッドをディスクロータに押圧し、制動力を得るディスクブレーキ装置に関するものである。
【0010】
ピストンは、液圧を受けてパッドを押圧するインナピストンと、外周面とシリンダの内周面との間にピストンシールが介装されるとともに、前記インナピストンに軸方向に個別に移動可能に外装されるアウタピストンとを備えている。
【0011】
そして、インナピストンとアウタピストンとは、弾性部材を介して互いに離間する方向に付勢され、パッドの押圧時に、液圧により前記インナピストンのみが前記パッド側に移動して前記弾性部材を圧縮した後、前記インナピストンと前記アウタピストンとが一体に前記パッド側に移動している。
【0012】
また、インナピストンは、液圧を受けるとともに、アウタピストンとの間に弾性部材が介装される第1ピストン部と、前記第1ピストン部に一体又は個別に連結され、パッドを押圧する第2ピストン部とを備え、前記第1ピストン部は、前記パッドの押圧時に、前記弾性部材の圧縮後に前記アウタピストンを押圧して該アウタピストンを一体に前記パッド側に移動させるための第1押圧面を設ける一方、前記第2ピストン部は、無負荷状態時に、前記アウタピストンに当接し、且つ前記アウタピストンと前記第1押圧面との間にクリアランスを形成するための第2押圧面を設けることが好ましい。
【0013】
さらに、少なくともインナピストン又はアウタピストンには、液圧をシール部材に付与するための孔部が形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、制動時からロールバック時に移行する際、液圧が減圧されるのに伴って、弾性部材の復元力がインナピストンの推力を上回ると、前記弾性部材を介して前記インナピストンが引き戻される。このため、インナピストンは、パッドから良好に離間することができる。
【0015】
これにより、ピストンシールが熱影響を受けても、弾性部材、例えば、スプリング等の簡単な機械的構成で、インナピストンをパッドから確実に引き戻すことが可能になり、前記パッドとディスクロータとが常時接触することによる引きずりを可及的に阻止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るディスクブレーキ装置10の要部断面説明図である。
【0017】
ディスクブレーキ装置10は、キャリパ12を備え、このキャリパ12を構成するキャリパボディ12aは、ディスクロータ14の両側に配置されるパッド(ブレーキパッド又はブレーキシュー)16a、16bを跨いで配設される。キャリパボディ12aには、パッド16a側に開口するシリンダ18が設けられるとともに、前記シリンダ18には、ピストン20が軸方向(矢印A方向)に進退可能に収容される。
【0018】
ピストン20は、シリンダ18に供給される液圧を受けてパッド16aを押圧するインナピストン22と、外周面24aと前記シリンダ18の内周面18aとの間にピストンシール(シールリング又はプレッシャシールともいう)26が介装されるとともに、前記インナピストン22に対して軸方向に個別に移動可能に外装されるアウタピストン24とを備える。
【0019】
インナピストン22とアウタピストン24とは、弾性部材、例えば、スプリング28を介して互いに離間する方向に付勢され、パッド16aの押圧時に、液圧により前記インナピストン22のみが前記パッド16a側に移動して前記スプリング28を圧縮した後、前記インナピストン22と前記アウタピストン24とが一体に前記パッド16a側に移動するように構成される。
【0020】
インナピストン22は、シリンダ18内で液圧を受けるとともに、アウタピストン24との間にスプリング28が介装される第1ピストン部22aと、前記第1ピストン部22aに個別に連結され、パッド16aを押圧する第2ピストン部22bとを備える。
【0021】
第1ピストン部22aは、有底の筒状を有し、外周部に階段状の段部30が形成されるとともに、前記段部30の小径端部側には、周溝32が形成される。周溝32側の端部には、後述するように、アウタピストン24を一体にパッド16a側に移動させるための第1押圧面34が設けられる。
【0022】
第1ピストン部22aの外周端縁部には、複数の第1孔部36aが軸方向に貫通して形成される。第1ピストン部22aの段部30には、スプリング28の一部が配置されるとともに、周溝32には、インナシール38が配設される。
【0023】
第2ピストン部22bは、小径側筒体40aと大径側筒体40bとを一体に有する。小径側筒体40aの外周部は、第1ピストン部22aの内周部に結合される。結合方法としては、ねじ又は嵌め合い等が採用される。
【0024】
第2ピストン部22bは、小径側筒体40aと大径側筒体40bとの境界部位に、径方向に延在して第2押圧面42を有する。第2押圧面42は、無負荷状態時にアウタピストン24に当接し、前記アウタピストン24と第1押圧面34との間に、所定のクリアランスSが形成される。大径側筒体40bの端部には、パッド16aを押圧するためのパッド押圧面44が形成される。
【0025】
アウタピストン24は、外周面24aの一端側(第1ピストン部22a側)に段部46を有し、この段部46には、スプリング28が部分的に配置される。外周面24aには、段部46から所定の距離だけ離間して周溝48が形成され、この周溝48には、ピストンシール26が収容される。
【0026】
アウタピストン24の外周端縁部には、第1ピストン部22aの第1孔部36aと同様に、複数の第2孔部36bが周溝48に連通して形成される。アウタピストン24の内周面には、径方向内方に突出する膨出部50が形成される。第1ピストン部22aに液圧が付与されない状態(無負荷状態)で、膨出部50の一端と前記第1ピストン部22aの第1押圧面34との間には、所定のクリアランスSが形成される一方、前記膨出部50の他端と第2ピストン部22bの第2押圧面42とは、当接する。
【0027】
このように構成されるディスクブレーキ装置10の動作について、以下に説明する。
【0028】
先ず、ブレーキ圧が作用していない状態では、ピストン20に液圧が作用しておらず、無負荷状態になっている。このため、インナピストン22とアウタピストン24との間に介装されているスプリング28の弾性力により、前記インナピストン22は、矢印A1方向(パッド16aから離間する方向)に付勢されている。従って、インナピストン22の第2ピストン部22bは、第2押圧面42をアウタピストン24の膨出部50の他端に当接して支持されるとともに、パッド押圧面44がパッド16aから離間している。
【0029】
次いで、図2に示すように、ブレーキ圧をかけ始めると、シリンダ18に付与される液圧を介してインナピストン22を構成する第1ピストン部22aが受圧される。これにより、インナピストン22は、スプリング28を圧縮させて矢印A2方向(パッド16aに近接する方向)に移動し、第1ピストン部22aの第1押圧面34がアウタピストン24の膨出部50の一端に当接する。
【0030】
その際、インナピストン推力(ブレーキ圧力×インナピストン受圧面積)<ピストンシール抵抗の関係を有すると、アウタピストン24は、ピストンシール26の抵抗により移動することがなく、制動力が発生していない。
【0031】
そこで、液圧によるインナピストン推力が、ピストンシール26のシール抵抗を上回ると、図3に示すように、インナピストン22とアウタピストン24とは、一体に矢印A2方向に移動する。このため、インナピストン22のパッド押圧面44は、パッド16aに当接して制動力が発生する。
【0032】
さらに液圧が付与されると、インナピストン22は、第1押圧面34でアウタピストン24を押圧し、前記アウタピストン24と一体に矢印A2方向にさらに移動する。従って、パッド16aは、ディスクロータ14に押し付けられる一方、キャリパボディ12aが矢印方向に変位しながら、制動力を発生させている。
【0033】
次に、ブレーキ圧が減少されてシリンダ18内の減圧が開始されると、図4に示すように、制動力が低下していくのに従って、キャリパボディ12aは、元の形状に復帰する(矢印A2方向)。また、パッド16aは、弾性復元力によって元の位置に戻る(矢印A1方向)。これによって、ピストン20の減圧復帰が行われる。
【0034】
減圧がさらに促進されて、インナピストン推力<スプリング復元力となると、図5に示すように、インナピストン22は、スプリング28の復元力により、アウタピストン24に対して矢印A1方向に移動する。このため、インナピストン22のパッド押圧面44は、パッド16aから確実に離間して所望のクリアランスを保持することができる。
【0035】
その後、ピストンシール26の復元力(ロールバック)を介し、インナピストン22及びアウタピストン24は、矢印A1方向に一体に移動して初期位置に戻される(図1参照)。
【0036】
この場合、第1の実施形態では、ディスクブレーキ装置10が制動時からロールバック時に移行する際、シリンダ18内の液圧が減圧されるのに伴って、スプリング28の復元力がインナピストン22の推力を上回ると、前記インナピストン22が矢印A1方向に引き戻されている(図5参照)。従って、インナピストン22は、パッド16aから良好に離間することができる。
【0037】
これにより、ピストンシール26が熱影響を受けても、スプリング28を用いるという簡単な機械的構成で、インナピストン22を確実に引き戻すことが可能になる。このため、パッド16aとディスクロータ14とが、常時接触することによる引きずりを可及的に阻止することができるという効果が得られる。
【0038】
さらに、第1の実施形態では、シリンダ18内の加圧時に、このシリンダ18に導入される液圧は、第1ピストン部22aの第1孔部36aからアウタピストン24の第2孔部36bを通って、周溝48に収容配置されているピストンシール26に供給されている。従って、ピストンシール26は、液圧により圧縮されるため、シリンダ18の内周面18aに確実に摺接することができ、シール性が良好且つ確実に向上するという利点がある。
【0039】
なお、第1の実施形態では、インナピストン22が、第1ピストン部22aと第2ピストン部22bとの別体構造を有しているが、これに限定されるものではない。例えば、第1ピストン部22aと第2ピストン部22bとを一体に有する単一構造のインナピストン22を用意する一方、アウタピストン24を、例えば、軸方向に分割構成し、前記インナピストン22の外周側に組み立てた後、一体に固定するように構成してもよい。
【0040】
また、ピストンシール26は、アウタピストン24の外周面24aに形成された周溝48に収容されているが、これに代えて、シリンダ18の内周面18aに周溝を形成して前記ピストンシール26を収容してもよい。
【0041】
図6は、本発明の第2の実施形態に係るディスクブレーキ装置60の要部断面説明図である。なお、第1の実施形態に係るディスクブレーキ装置10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0042】
ディスクブレーキ装置60を構成するピストンボデイ20aは、インナピストン62とアウタピストン64とを備え、前記インナピストン62は、第1ピストン部62aと第2ピストン部62bとを、一体的に又は個別に設ける。
【0043】
第1ピストン部62aは、有底円筒形状を有し、外周面には第1周溝66が形成される。第1ピストン部62aには、外周面端部から軸方向に延在する第1押圧面68が形成されるとともに、この第1押圧面68の端部には、前記第1ピストン部62aの軸方向に切り込んで凹部70が形成される。
【0044】
第2ピストン部62bは、小径側筒体72aと大径側筒体72bとを一体に設けるとともに、これらの境界部位には、第2押圧面74が形成される。小径側筒体72aの外周面と第1ピストン部62aの内周面とは、互いに圧入又はねじ止め等により一体化される。
【0045】
アウタピストン64は、外周面に第2周溝76が形成されるとともに、第1押圧面68に対向する受圧面には、凹部78が形成される。凹部70、78には、弾性部材、例えば、スプリング28が介装される一方、第1周溝66及び第2周溝76には、それぞれ第1ピストンシール26a及び第2ピストンシール26bが収容配置される。第1ピストン部62aの第1押圧面68とアウタピストン64の端面との間には、無負荷状態で、所定のクリアランスSが形成されている。
【0046】
なお、図示しないが、第1ピストン部62aの外周端縁部及び必要に応じてアウタピストン64の外周端縁部には、第1ピストンシール26a及び必要に応じて第2ピストンシール26bに液圧を付与するための孔部が形成される。
【0047】
このように構成される第2の実施形態では、初期作動時には、シリンダ18に導入される液圧を介して、先ず、第1ピストン部62a及び第2ピストン部62bが、一体に矢印A2方向(パッド16a側)に移動し、スプリング28を圧縮する。
【0048】
さらに、液圧の増加に伴って、インナピストン62は、第1押圧面68でアウタピストン64を押圧し、前記アウタピストン64が前記インナピストン62と一体に矢印A2方向に移動する。このため、インナピストン62のパッド押圧面44がパッド16aを押圧し、制動力が発生している。
【0049】
一方、ブレーキ圧が減圧されて液圧が開放される際には、先ず、第1ピストン部62a及び第2ピストン部62bが、スプリング28及び液圧開放により矢印A1方向に移動する。
【0050】
次いで、第2ピストン部62bの第2押圧面74がアウタピストン64に当接し、このアウタピストン64を矢印A1方向に移動させる。これにより、インナピストン62及びアウタピストン64は、一体に矢印A1方向に移動して初期位置に戻される。
【0051】
このように、第2の実施形態では、液圧開放時に、インナピストン62が機械的構成からなるスプリング28の復元力を介して矢印A1方向に移動するため、前記インナピストン62のパッド押圧面44は、パッド16aから確実に離間することができる。これにより、パッド16aとディスクロータ14とが、常時接触することによる引きずりの発生を可及的に阻止することが可能になる等、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るディスクブレーキ装置の要部断面説明図である。
【図2】前記ディスクブレーキ装置の初期作動状態の説明図である。
【図3】前記ディスクブレーキ装置の制動力発生状態の説明図である。
【図4】前記ディスクブレーキ装置の減圧復帰状態の説明図である。
【図5】前記ディスクブレーキ装置のロールバック状態の説明図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るディスクブレーキ装置の要部断面説明図である。
【図7】特許文献1に開示されているディスクブレーキキャリパの説明図である。
【符号の説明】
【0053】
10、60…ディスクブレーキ装置 12…キャリパ
14…ディスクロータ 16a、16b…パッド
18…シリンダ 20…ピストン
20a…ピストンボディ 22、62…インナピストン
22a、22b、62a、62b…ピストン部
24、64…アウタピストン 26、26a、26b…ピストンシール
28…スプリング 34、42、68、74…押圧面
36a、36b…孔部 44…パッド押圧面
50…膨出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリパに設けられたシリンダにピストンが収容されるとともに、液圧により前記ピストンを介してパッドをディスクロータに押圧し、制動力を得るディスクブレーキ装置であって、
前記ピストンは、前記液圧を受けて前記パッドを押圧するインナピストンと、
外周面と前記シリンダの内周面との間にピストンシールが介装されるとともに、前記インナピストンに軸方向に個別に移動可能に外装されるアウタピストンと、
を備え、
前記インナピストンと前記アウタピストンとは、弾性部材を介して互いに離間する方向に付勢され、前記パッドの押圧時に、前記液圧により前記インナピストンのみが前記パッド側に移動して前記弾性部材を圧縮した後、前記インナピストンと前記アウタピストンとが一体に前記パッド側に移動することを特徴とするディスクブレーキ装置。
【請求項2】
請求項1記載のディスクブレーキ装置において、前記インナピストンは、前記液圧を受けるとともに、前記アウタピストンとの間に前記弾性部材が介装される第1ピストン部と、
前記第1ピストン部に一体又は個別に連結され、前記パッドを押圧する第2ピストン部と、
を備え、
前記第1ピストン部は、前記パッドの押圧時に、前記弾性部材の圧縮後に前記アウタピストンを押圧して該アウタピストンを一体に前記パッド側に移動させるための第1押圧面を設ける一方、
前記第2ピストン部は、無負荷状態時に、前記アウタピストンに当接し、且つ前記アウタピストンと前記第1押圧面との間にクリアランスを形成するための第2押圧面を設けることを特徴とするディスクブレーキ装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のディスクブレーキ装置において、少なくとも前記インナピストン又は前記アウタピストンには、前記液圧を前記ピストンシールに付与するための孔部が形成されることを特徴とするディスクブレーキ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−77979(P2010−77979A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−243562(P2008−243562)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】