説明

ディスクブレーキ

【課題】車両への搭載性を向上させるディスクブレーキを提供する。
【解決手段】本ディスクブレーキ1では、第1減速歯車43の中心軸とボア10の中心軸との距離L1が、モータ38の回転軸41とボア10、すなわち、シリンダ部7の中心軸との距離L2よりも大きくなるように配置したので、本ディスクブレーキ1の軸長を従来よりも短縮することができ、車両への搭載性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の制動に用いられるディスクブレーキに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のディスクブレーキには、電動モータと遊星歯車減速機構との間に、第1減速ギヤ及び第2減速ギヤから構成される平歯多段減速機構が配置されており、第1減速ギヤの大歯車と第2減速ギヤの大歯車とが軸方向に重なって配置されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−169248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の発明に係るディスクブレーキでは、キャリパの軸長が長くなり、車両への搭載性に難があった。
【0005】
本発明は、車両への搭載性を向上させるディスクブレーキを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段として、本発明は、ロータを挟んでその両側に配置される一対のパッドと、該一対のパッドのうちの一方をディスクに押し付ける一つのピストンと、該ピストンが移動可能に配置されるシリンダを有するキャリパ本体と、該キャリパ本体に設けられ前記シリンダと前記ロータの周方向に並んで配置される電動モータと、該電動モータからの回転力を複数の回転部材により増力して伝達する減速機構と、該減速機構からの回転力が伝達され、前記ピストンを制動位置に推進するピストン推進機構と、を備え、前記複数の回転部材のうち前記電動モータからの回転力が伝達される一の回転部材は、前記電動モータに連結される大径回転部と、他の回転部材へ回転力を伝達する伝達部材に連結される小径回転部とが同軸で形成され、前記一の回転部材の中心軸と前記シリンダの中心軸との距離が、前記電動モータの回転軸と前記シリンダの中心軸との距離よりも大きくなるように配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のディスクブレーキによれば、車両への搭載性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係るディスクブレーキを示す断面図である。
【図2】図1のキャリパ本体のシリンダ部を拡大して示す断面図である。
【図3】図1のA方向から見た図である。
【図4】図3のB方向から見た図である。
【図5】図1の減速機構を示す分解斜視図である。
【図6】図1の減速機構の平面図である。
【図7】図1の平歯多段減速機構の変形例を示す断面図である。
【図8】図7の平歯多段減速機構を備えた減速機構の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態に係るディスクブレーキ1を図1〜図8に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るディスクブレーキ1には、車両の回転部に取り付けられたディスクロータ150を挟んで両側に配置された一対のインナブレーキパッド2及びアウタブレーキパッド3と、キャリパ4とが設けられている。本ディスクブレーキ1は、キャリパ浮動型として構成されている。上記一対のインナブレーキパッド2及びアウタブレーキパッド3と、キャリパ4とは、車両のナックル等の非回転部に固定部を介して固定されたブラケット5にディスクロータ150の軸方向へ移動可能に支持されている。
【0010】
すなわち、図3に示すように、ブラケット5には、車両の非回転部に固定される固定部としての一対のボルト孔75,75が形成されている。ブラケット5は、各ボルト孔75に挿通される取付ボルト(図示略)によって車両の非回転部に固定される。また、図1、図3及び図4に示すように、ブラケット5には、各ボルト孔75からディスクロータ150の周方向に沿って間隔を置いた位置に、内部に図示せ取付孔を有する一対の取付軸部76,76がディスクロータ150の軸方向に延びて形成されている。そして、ブラケット5の各取付軸部76,76の内部には、ディスクブレーキ1のキャリパ4(シリンダ部7)にボルト77で固定されるスライドピン78,78がそれぞれ軸方向に摺動自在に配置される。このように、各取付軸部76,76にスライドピン78,78が配置されることで、ブラケット5にキャリパ4が摺動自在に支持されることになる。
【0011】
キャリパ4は、キャリパ本体6とピストン12と後述するハウジング35とから大略構成されている。図1及び図4に示すように、キャリパ4の主体であるキャリパ本体6は、車両内側のブレーキパッドであるインナブレーキパッド2に対向する基端側に配置されるシリンダ部7と、車両外側のブレーキパッドであるアウタブレーキパッド3に対向する先端側に配置される爪部8とを有している。シリンダ部7には、インナブレーキパッド2側を開口部7Aとなし、他端が孔部9A(図2参照)を有する底壁9により閉じられた有底のボア10が形成されている。このボア10内には、その開口側に形成された周溝にピストンシール11が介装されている。
【0012】
図2に示すように、ピストン12は、有底のカップ状に形成され、その底部12Aがインナブレーキパッド2に対向するようにボア10内に収められている。ピストン12は、ピストンシール11を介して接触状態で軸方向に移動可能にボア10に内装されている。このピストン12とボア10との間は、ピストンシール11により画成されて液圧室13となっている。この液圧室13には、シリンダ部7に設けた図示しないポートを通じて、マスタシリンダや液圧制御ユニットなどの図示しない液圧源から液圧が供給されるようになっている。ピストン12は、その底面に凹部14が設けられている。この凹部14は、インナブレーキパッド2の背面に形成されている凸部15が係合することによりボア10、ひいてはキャリパ本体6に対して回り止めされている。また、ピストン12の底部12Aとボア10との間には、ボア10内への異物の進入を防ぐダストブーツ16が介装されている。
【0013】
図1に示すように、キャリパ本体6のボア10の底壁9の外側には気密的にハウジング35が取り付けられている。該ハウジング35の一端開口には気密的にカバー39が取り付けられている。なお、図2に示すように、ハウジング35とボア10とはシール51によって気密性が保持されている。また、図1に示すように、ハウジング35とカバー39とはシール40によって気密性が保持されている。ハウジング35には、電動モータの一例であるモータ38がシール50を介して密閉的に取り付けられている。なお、本実施形態では、モータ38をハウジング35の外側に配置したが、モータ38を覆うようにハウジング35を形成し、ハウジング35内にモータ38を収容してもよい。この場合、シール50が不要となり、組み付け工数の低減を図ることが可能となる。
【0014】
図1に示すように、キャリパ4には、ピストン12を制動位置に推進するピストン推進機構34と、モータ38による回転を増力する減速機構としての平歯多段減速機構37及び遊星歯車減速機構36とが備えられている。ピストン推進機構34は、キャリパ本体6に収納され、平歯多段減速機構37及び遊星歯車減速機構36は、ハウジング35内に収納されている。モータ38の回転軸41の回転力は、モータ38のピニオンギヤ42から直接、平歯多段減速機構37に伝達され、この平歯多段減速機構37から遊星歯車減速機構36へ伝達され、ピストン推進機構34に伝達されるようになっている。
【0015】
ピストン推進機構34は、遊星歯車減速機構36からの回転運動を直線方向の運動(以下、便宜上直動という。)に変換し、ピストン12に推力を付与して制動位置に推進させるボールアンドランプ機構28及びねじ機構52から構成される。なお、ピストン推進機構34は、ピストン12を制動位置に推進させた後ピストン12を制動位置に保持する機能も兼ね備えている。ボールアンドランプ機構28及びねじ機構52は、キャリパ本体6のボア10内に収納されている。ねじ機構52は、ボールアンドランプ機構28とピストン12との間に設けられている。
【0016】
平歯多段減速機構37は、図1に示すように、モータ38のピニオンギヤ42と、該ピニオンギヤ42と噛合する、一の回転部材としての第1減速歯車43と、該第1減速歯車43と噛合する、減速しない伝達部材としての非減速平歯車80と、該非減速平歯車と噛合する、他の回転部材としての第2減速歯車44とから構成される。モータ38のピニオンギヤ42は、筒状に形成され、モータ38の回転軸41に圧入固定される孔部42Aと、外周に形成される歯車42Bとを有している。第1減速歯車43は、ピニオンギヤ42の歯車42Bに噛合する、大径回転部としての大径の大歯車43Aと、該大歯車43Aから軸方向に延出して形成される小径回転部としての小径の小歯車43Bとが一体成形されている。第1減速歯車43の小歯車48Bは、非減速平歯車80に噛合する。第1減速歯車43は、一端がハウジング35に支持されると共に他端がカバー39に支持されるシャフト62により回転可能に支持される。
【0017】
第2減速歯車44は、非減速平歯車80に噛合する大径の大歯車44Aと、該大歯車44Aから軸方向に延出して形成される小径のサンギヤ44Bとが一体成形されている。第2減速歯車44のサンギヤ44Bは、後述する遊星歯車減速機構36の一部として構成される。該第2減速歯車44は、カバー39に支持されたシャフト63により回転可能に支持される。非減速平歯車80は、第1減速歯車43の小歯車43Bと第2減速歯車44の大歯車44Aとに噛合される。非減速平歯車80は、一端がハウジング35に支持されると共に他端がカバー39に支持されるシャフト81により回転可能に支持される。なお、本実施形態において、第1減速歯車43と第2減速歯車44とは、大径の歯車と小径の歯車とが一体成形されたものとなっているが、これに限らず、大径の歯車と小径の歯車とが一体的になっていれば、大径の歯車と小径の歯車とを別々の部材としてこれらを嵌合、接着、ねじ込み等で固定したりしてもよく、また、一の軸に離間して固定してもよい。
【0018】
遊星歯車減速機構36は、第2減速歯車44のサンギヤ44Bと、複数個(本実施の形態では3個)のプラネタリギヤ45と、インターナルギヤ46と、キャリア48とを有する。プラネタリギヤ45は、第2減速歯車44のサンギヤ44Bに噛合される歯車45Aと、キャリア48から立設されるピン47を挿通する孔部45Bとを有している。3個のプラネタリギヤ45は、キャリア48の円周上に等間隔に配置される。
【0019】
図1及び図2に示すように、キャリア48は、円板状に形成され、その中心に多角形柱48Aがインナパッド2側に突設される。該キャリア48の多角形柱48Aは、後述するボールアンドランプ機構28の回転ランプ29の円柱部29Bに設けた多角形孔29Cと嵌合することで、キャリア48と回転ランプ29とで互いに回転トルクを伝達できるようになっている。キャリア48の外周側には複数のピン用孔48Bが形成されている。該各ピン用孔48Bに、各プラネタリギヤ45を回転可能に支持するピン47が圧入固定されている。該キャリア48及び各プラネタリギヤ45は、ハウジング35の壁面35Aと、インターナルギヤ46の第2減速歯車44側に一体的に設けた環状壁部46Bとにより軸方向の移動が規制されている。また、キャリア48には、その中心に挿通孔48Cが形成される。該挿通孔48Cには、カバー39に支持され、第2減速歯車44を回転自在に支持するシャフト63が圧入固定されている。なお、本実施形態では、キャリア48に設けた多角形柱48Aと回転ランプ29の多角形孔29Cとによりキャリア48と回転ランプ29との相対的な回転を規制しているが、これに限ることなく、面取りを有する円形状としたり、スプラインやキー等回転トルクを伝達できる機械要素を用いてキャリア48と回転ランプ29との相対的な回転を規制するようにしてもよい。
【0020】
図1に示すように、インターナルギヤ46は、各プラネタリギヤ45の歯車45Aがそれぞれ噛合する内歯46Aと、この内歯46Aから連続して第2減速歯車44側に一体的に設けられ、プラネタリギヤ45の軸方向の移動を規制する環状壁部46Bとからなる。該インターナルギヤ46は、ハウジング35内に圧入固定される。
【0021】
そして、図1に示すように、第1減速歯車43の中心軸(シャフト62)とサンギヤ44Bの中心軸(シャフト63)との距離L1が、モータ38の回転軸41とサンギヤ44Bの中心軸(シャフト63)との距離L2よりも大きくなるように配置される。また、図3に示すように、第1減速歯車43は、ディスクロータ150の径方向におけるブラケット5のボルト孔75と、スライドピン78が配置されるブラケット5の取付孔との間に配置される。さらに、図1から解るように、第1減速歯車43の小歯車43Bと、非減速平歯車80と、第2減速歯車44の大歯車44Aそれぞれのカバー39側の面が略同一平面に配置される。
【0022】
図2に示すように、ねじ機構52は、プッシュロッド53と、該プッシュロッド53と螺合するナット55とを備えている。プッシュロッド53は、ツバ部53Aと雄ねじ部53Cとが一体的に形成されて構成される。該ツバ部53Aは、スラストベアリング56を介して、ボールアンドランプ機構28の回転直動ランプ31に軸方向に対向配置される。ツバ部53Aと後述するリテーナ26との間には、コイルばね27が介装されている。コイルばね27は、プッシュロッド53を常時スラストベアリング56側、すなわち、シリンダ部7の底壁9側へ付勢し、該プッシュロッド53を介して後述のボールアンドランプ機構28の回転直動ランプ31をシリンダ部7の底壁9側へ付勢している。なお、プッシュロッド53は、そのツバ部53Aの外周面に周方向に沿って凸部53Bが複数設けられている。各凸部53Bは、後述するリテーナ26の縮径部26Bに、周方向に沿って複数設けられる縦長溝部26Eにそれぞれ嵌合するようになっている。この各凸部53Bと各縦長溝部26Eとの嵌合により、プッシュロッド53は、縦長溝部26Eの軸方向長さの範囲で軸方向に移動可能であるが、リテーナ26に対して回転方向への移動が規制されている。
【0023】
ナット55は、貫通孔である孔部55Aを有して一端側(シリンダ部7の底壁9側)に設けた円筒部55Bと、他端側(シリンダ部7の開口部7A側)に設けたフランジ部54とが一体的に形成されて、軸方向断面でT字状、外観視でキノコ状に構成される。孔部55Aのうち円筒部55Bが形成される範囲に、プッシュロッド53の雄ねじ部53Cと螺合する雌ねじ部55Cが形成されている。
【0024】
ナット55のフランジ部54の外周端には、凸部54Aが周方向に間隔を置いて複数形成される。これら各凸部54Aは、ピストン12の円筒部12Bの内周面に軸方向に延び周方向に間隔を置いて複数形成された平面部12Cに係合するようになっている。この係合により、ナット55は、ピストン12に対して軸方向には移動可能であるが、回転方向への移動が規制されている。ナット55のフランジ部54の先端面には、傾斜面54Bが形成されている。該傾斜面54Bは、ピストン12の底部12Aの内側に形成された傾斜面12Dと当接可能になっている。ナット55のフランジ部54の傾斜面54Bが、ピストン12の傾斜面12Dに当接することで、モータ38からの回転力が、ねじ機構52であるプッシュロッド53、ナット55及びフランジ部54を介してピストン12に伝達される。これにより、ピストン12は制動位置まで前進するようになっている。なお、ナット55のフランジ部54の凸部54Aには溝部(図示略)が複数され、その傾斜面54Bにも溝部54Dが複数形成され、これらより、ピストン12の底部12Aとフランジ部54とにより囲まれた空間が液圧室13と連通して、ブレーキ液の流通が可能になって、前記空間のエア抜き性を確保するようにしている。
【0025】
プッシュロッド53の雄ねじ部53Cとナット55の雌ねじ部55Cとは、ピストン12から回転直動ランプ31への軸方向荷重によってベースナット33が回転しないように、その逆効率が0以下になるように、すなわち、不可逆性が大きなねじに設定されている。
【0026】
図2に示すように、ボールアンドランプ機構28は、回転ランプ29と、回転直動ランプ31と、複数のボール32と、ベースナット33とを備えている。
回転ランプ29は、円板状の回転プレート29Aと、該回転プレート29Aの略中心から一体的に遊星歯車減速機構36側に延びる円柱部29Bとからなる軸方向断面T字状に形成される。該円柱部29Bは、後述するベースナット33の底壁33Aに設けた挿通孔33D及びボア10の底壁9に設けた孔部9Aに挿通されている。該円柱部29Bの先端には、キャリア48に設けた多角形柱48Aが嵌合する多角形孔29Cが形成されている。また、回転プレート29Aの円柱部29B側と反対側の面には、周方向に沿って所定の傾斜角を有して円弧状に延びるとともに径方向において円弧状断面を有する複数のボール溝29Dが形成されている。該回転プレート29Aは、ベースナット33の底壁33Aに対して、スラストベアリング30を介して回転自在に支持されている。なお、ボア10の底壁9の孔部9Aと回転ランプ29の円柱部29Bの外周面との間にはシール61が設けられ、液圧室13の液密性が保持されている。また、回転ランプ29の円柱部29Bの先端部には止め輪64が装着されており、回転ランプ29のキャリパ本体6に対するインナ及びアウタブレーキパッド2、3側への移動、ロータ軸方向への移動が規制されている。そして、上記のような回転ランプ29の規制によって、ベースナット33は、キャリパ本体6に対して軸方向に移動しないようになっている。したがって、ベースナット33に形成された雌ねじ部33Cもキャリパ本体6に対して軸方向に移動しないようになっている。
【0027】
回転直動ランプ31は、図2にも示されるように、円板状の回転直動プレート31Aと、該回転直動プレート31Aの外周端から一体的に遊星歯車減速機構36側に延びる円筒部31Bとからなる有底円筒状に形成されている。回転直動プレート31Aの、回転ランプ29の回転プレート29Aとの対向面には、周方向に沿って所定の傾斜角を有して円弧状に延びるとともに径方向において円弧状断面を有する複数、本実施形態においては3つのボール溝31Dが形成されている。また、回転直動ランプ31の円筒部31Bの外周面には、ベースナット33の円筒部33Bの内周面に設けた雌ねじ部33Cと螺合する雄ねじ部31Cが形成されている。なお、回転ランプ29及び回転直動ランプ31のボール溝29D、31Dは、周方向に沿った傾斜の途中に窪みを付けたり、傾斜を途中で変化させて構成するようにしても良い。
【0028】
ベースナット33は、底壁33Aと、該底壁33Aの外周端からディスクロータ150側に延びる円筒部33Bとからなる有底筒状に形成されている。該円筒部33Bの内周面には、回転直動ランプ31の円筒部31Bの外周面に設けた雄ねじ部31Cと螺合する雌ねじ部33Cが形成される。ベースナット33の底壁33Aの略中心には回転ランプ29の円柱部29Bが挿通される挿通孔33Dが形成されている。
【0029】
そして、ベースナット33は、その円筒部33B内に回転直動ランプ31の回転直動プレート31A及び回転ランプ29の回転プレート29Aを収容するようにして、その底壁33Aの挿通孔33Dに回転ランプ29の円柱部29Bが挿通されている。また、ベースナット33の円筒部33Bの雌ねじ部33Cが回転直動ランプ31の円筒部31Bのねじ部31Cに螺合され、その底壁33Aがボア10の底壁9と回転ランプ29の回転プレート29Aとの間に配置されたスラストベアリング30と58の間に支持されている。これにより、ベースナット33は、スラストベアリング58及びスラストワッシャ57を介して、ボア10の底壁9に対して回転可能に支持されるようになっている。しかしながら、ベースナット33は、その外周に設けた複数の凸部33Eが、後述するリテーナ26に設けた凹部26Gと嵌合することでリテーナ26に対する相対的な回転移動が規制されている。また、リテーナ26の大径部26Aの、ボア10の底壁9側の端部には、複数のツメ部26Fが形成されている。各ツメ部26Fは、該リテーナ26内の所定位置にベースナット33を組み付けた後、リテーナ26の中心方向へ折り込まれることで形成されている。この複数のツメ部26Fは、ベースナット33の遊星歯車減速機構36側への移動を規制するようになっている。
【0030】
回転直動ランプ31の円筒部31Bの雄ねじ部31C及びベースナット33の円筒部33Bに設けた雌ねじ部33Cは、回転ランプ29を一方向に回転させて、回転ランプ29及び回転直動ランプ31の対向するボール溝29D、31D間のボール32の転動作用により回転直動ランプ31が回転ランプ29から離間する場合、回転直動ランプ31が回転ランプ29と同方向に回転したときに、回転直動ランプ31がベースナット33から離間するように形成されている。
【0031】
ボール32は、転動部材としての鋼球からなり、回転ランプ29の回転プレート29Aの各ボール溝29Dと、回転直動ランプ31の回転直動プレート31Aの各ボール溝31Dとの間にそれぞれ介装されている。
【0032】
そして、回転ランプ29に回転トルクを加えると、回転ランプ29のボール溝29Dと、回転直動ランプ31のボール溝31Dとの間をボール32が転動するようになっている。ここで、ボール32が転動すると、回転直動ランプ31は、ベースナット33と螺合しているため、ベースナット33がボア10に対して回転していないときには、ベースナット33に対して回転しながら軸方向に推進するようになっている。このとき、回転直動ランプ31は、ボール32の転動により発生する回転直動ランプ31の回転トルクと、回転直動ランプ31の雄ねじ部31C及びベースナット33の雌ねじ部33Cの回転抵抗トルクとが釣り合うまで、軸方向に推進されるようになっている。また、回転直動ランプ31の雄ねじ部31C及びベースナット33の雌ねじ部33Cは、ピストン12から回転直動ランプ31への軸方向荷重によってベースナット33が回転しない、すなわち、雄ねじ部31C及び雌ねじ部33Cの逆効率が0以下になるように、言い換えれば、不可逆性が大きなねじに設定されている。
【0033】
リテーナ26は、全体が略筒形状で構成され、ボア10の底壁9側に位置する大径部26Aと、この大径部26Aからボア10の開口7A方向に向けて縮径する縮径部26Bと、この縮径部26Bからボア10の開口7A方向に向けて延出する小径部26Cとから構成されている。大径部26Aの、ボア10の底壁9側(図2中右側)には、中心側に部分的に折り込まれてベースナット33を係止する複数のツメ部26Fが形成されている。また、リテーナ26の縮径部26Bには、周方向に沿って複数設けた縦長溝部26Eが形成され、プッシュロッド53のツバ部53Aに設けた複数の対応する凸部53Bが嵌合されている。
【0034】
リテーナ26の小径部26Cの外周には、一方向クラッチ部材としてのスプリングクラッチ65のコイル部65Aが巻き付けられている。このスプリングクラッチ65は、リテーナ26が一方向へ回転するときには回転トルクを付与するが、他方向へ回転するときに回転トルクを殆ど付与しないようになっている。ここでは、ナット55がボールアンドランプ機構28の方向へ移動するときの回転方向に対して回転抵抗トルクを付与するようにしている。なお、スプリングクラッチ65の回転抵抗トルクの大きさは、回転直動ランプ31とベースナット33とが軸方向で互いに近接する際、コイルばね27の付勢力によって発生する回転直動ランプ31の雄ねじ部31Cと、ベースナット33の雌ねじ部33Cとの回転抵抗トルクよりも大きいものとなっている。また、スプリングクラッチ65の、ボア10の開口部7A側(図2中左側)には、リング部65Bが形成されており、ナット55の各凸部54Aと同様に、ピストン12の平面部12Cと当接している。これにより、スプリングクラッチ65は、ピストン12に対して軸方向の移動は可能であるが、回転方向への移動が規制されるようになっている。
【0035】
図1に示すように、モータ38には、該モータ38を駆動制御する制御手段である電子制御装置からなるECU70が接続されている。ECU70には、駐車ブレーキの作動・解除を指示すべく操作されるパーキングスイッチ71が接続されている。また、ECU70は、図示しない車両側からの信号に基づきパーキングスイッチ71の操作によらずに作動する機能、例えば、停車状態が一定時間続いたときにキャリパ4を作動させて車両の停止状態を維持する機能や液圧制御装置の故障時に断続的にモータ38を正逆回転させてABSの代用とする機能を有している。
【0036】
上述したように、本実施形態においては、キャリパ本体6のボア10と、ピストン12と、ねじ機構52のプッシュロッド53及びナット55と、ボールアンドランプ機構28の回転ランプ29及び回転直動ランプ31と、遊星歯車減速機構36(第2減速歯車44)のサンギヤ44Bとは同心状に配置している。そして、本実施形態においては、第1減速歯車43の中心軸(シャフト62)とボア10の中心軸(シャフト63)との距離L1を、モータ38の回転軸41とボア10の中心軸(シャフト63)との距離L2よりも大きくなるように配置している。このように構成することで、第1減速歯車43の大歯車43Aと、第2減速歯車44の大歯車44Aとが軸方向で重ならないようになり、本ディスクブレーキ1の軸長を従来よりも短縮することができる。したがって、車両への搭載性を向上させることができる。また、本実施形態においては、図3に示すように、第1減速歯車43の中心軸(シャフト62)を、ボア10の中心軸及びモータ38の回転軸41とディスクロータ150の回転方向に直線状に並んで配置している。このように構成することで、モータ38をキャリパ本体6のディスクロータ150の径方向に延出させずに配置することができる。したがって、車両への搭載性を向上させることができる。なお、第1減速歯車43の中心軸(シャフト62)とボア10の中心軸及びモータ38の回転軸41をディスクロータ150の同心円状に並んで配置してもよい。
本実施形態においては、図3に示すように、、第1減速歯車43の中心軸(シャフト62)を、ボア10、すなわちシリンダ部7の中心軸とモータ38の回転軸41とを結ぶ直線の延長線上に配置している。このように構成することで、スライドピン78をキャリパ本体6に固定するためのボルト77の締め付けや取り外しが容易になり、ディスクブレーキ1の製造効率やメンテナンス性が向上する。また、ブラケット5のボルト孔の周囲に空間を設けられるため、ディスクブレーキ1の車両への取り付けが容易になる。
【0037】
次に、本実施形態に係るディスクブレーキ1の作用を説明する。まず、ブレーキペダルの操作による通常の液圧ブレーキとしてのディスクブレーキ1の制動時における作用を説明する。運転者によりブレーキペダルが踏み込まれると、ブレーキペダルの踏力に応じた液圧がマスタシリンダから液圧回路(ともに図示しない)を経てキャリパ4内の液圧室13に供給される。これにより、ピストン12がピストンシール11を弾性変形させながら非制動時の原位置から前進(図1の左方向に移動)してインナブレーキパッド2をディスクロータ150に押し付ける。そして、キャリパ本体6は、ピストン12の押付力の反力によりブラケット5に対して図1における右方向に移動して、爪部8によってアウタブレーキパッド3をディスクロータ150に押し付ける。この結果、ディスクロータ150が一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3により挟みつけられて車両の制動力が発生することになる。
【0038】
そして、運転者がブレーキペダルを解放すると、マスタシリンダからの液圧の供給が途絶えてキャリパ4の液圧室13内の液圧が低下する。これにより、ピストン12は、ピストンシール11の弾性変形が解消されることによって原位置まで後退することで、車両の制動力が解除される。ちなみに、インナ及びアウタブレーキパッド2、3の摩耗に伴いピストン12の移動量が増大してピストンシール11の弾性変形量を越えると、ピストン12とピストンシール11との間に滑りが生じる。この滑りによってキャリパ本体6に対するピストン12の原位置が移動して、パッドクリアランスが一定に調整されるようになっている。
【0039】
次に、車両の停止状態を維持するための作用の一例である、駐車ブレーキとしての作用を説明する。図1は、ブレーキペダルが操作されておらず、かつ、駐車ブレーキが解除されている状態を示している。この状態から駐車ブレーキを作動させるべく、パーキングスイッチ71が操作されると、ECU70によってモータ38が駆動されて、平歯多段減速機構37を介して遊星歯車減速機構36のサンギヤ44Bが回転する。このサンギヤ44Bの回転により、各プラネタリギヤ45を介してキャリア48が回転する。キャリア48の回転力は、回転ランプ29に伝達される。
【0040】
ここで、ボールアンドランプ機構28の回転直動ランプ31には、プッシュロッド53を介してコイルばね27の付勢力が作用している。このため、回転直動ランプ31が、キャリパ本体6に対して前進(図2中左方向へ移動)するためには、ある一定以上の推力、ひいては回転トルクT1が必要となっている。これに対して、一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3とディスクロータ150とが当接しておらず、ピストン12からディスクロータ150への押付力が発生していない状態では、プッシュロッド53を回転させるための必要回転トルクT2が、回転直動ランプ31を前進させるための必要回転トルクT1よりも十分小さくなっている。また、駐車ブレーキを作動させる時には、スプリングクラッチ65による回転抵抗トルクT3も付与されない。
【0041】
このため、キャリア48から回転ランプ29への回転力の伝達初期においては、回転直動ランプ31が前進しないので、回転ランプ29と回転直動ランプ31とが共回りし始める。その回転力は、機械損失分を除いた殆どが回転直動ランプ31の雄ねじ部31Cとベースナット33の雌ねじ部33Cとの螺合部からリテーナ26及びプッシュロッド53を介してねじ機構52に伝達されて、ねじ機構52が作動することになる。すなわち、キャリア48は、その回転力により回転ランプ29、回転直動ランプ31、ベースナット33、リテーナ26及びプッシュロッド53を共に一体となって回転させる。このプッシュロッド53の回転によりナット55が前進(図1中左方向へ移動)して、ナット55のフランジ部54の傾斜面54Bがピストン12の傾斜面12Dに当接して、該傾斜面12Dを押圧することでピストン12が前進することになる。
【0042】
さらにモータ38が駆動されて、ねじ機構52の作用によりピストン12によるディスクロータ150への押付力が発生し始めると、今度は、その押付力に伴う軸力によってプッシュロッド53の雄ねじ部53Cとナット55の雌ねじ部55Cとの螺合部で発生する回転抵抗が増大して、ナット55を前進させるための必要回転トルクT2が増大していく。そして、必要回転トルクT2が、ボールアンドランプ機構28を作動、すなわち回転直動ランプ31を前進させるための必要回転トルクT1よりも大きくなる。この結果、プッシュロッド53の回転が停止して、プッシュロッド53と相対的な回転が規制されるリテーナ26を介してベースナット33の回転が停止する。すると今度は、回転直動ランプ31が回転しながら軸方向に前進することで、ねじ機構52、すなわちプッシュロッド53及びナット55を介してピストン12が前進し、ピストン12のディスクロータ150への押付力が増大する。このとき、回転直動ランプ31には、回転ランプ29からの回転トルクの付与により、ボール溝31Dで発生する推力と、ベースナット33との螺合によって発生する推力の合計が付与される。なお、本実施形態では、最初に、ねじ機構52が作動することによりナット55が前進することでピストン12を前進させてディスクロータ150への押付力を得るので、ねじ機構52の作動により一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3の経時的な摩耗を補償することができる。
【0043】
そして、ECU70は、一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3からディスクロータ150への押付力が所定値に到達するまで、例えば、モータ38の電流値が所定値に達するまでモータ38を駆動する。その後、ECU70は、ディスクロータ150への押付力が所定値に到達すると、モータ38への通電を停止する。すると、ボールアンドランプ機構28は、回転ランプ29の回転が停止するので、各ボール溝29D、31D間のボール32の転動作用による回転直動ランプ31への推力付与がなくなる。回転直動ランプ31には、ディスクロータ150への押付力の反力がピストン12及びねじ機構52を介して作用するが、回転直動ランプ31はベースナット33との間で逆作動しない雄ねじ部31C及び雌ねじ部33Cで螺合されているので、回転直動ランプ31は回転せずに停止状態が維持される。これにより制動力の保持がなされて駐車ブレーキの作動が完了する。
【0044】
なお、駐車ブレーキを解除する際には、パーキングスイッチ71のパーキング解除操作に基づいて、ECU70によってモータ38を駐車ブレーキの作動時と逆方向に駆動してピストン12を戻す、すなわちピストン12をディスクロータ150から離間させることになる回転方向で駆動する。このモータ38の駆動により、平歯多段減速機構37及び遊星歯車減速機構36がピストン12を戻す方向へ作動する。すると、ボールアンドランプ機構28が初期位置に戻り、駐車ブレーキの解除が完了する。なお、ECU70は、ピストン12からナット55が適度に離間した位置でモータ38を停止させるように制御する。
【0045】
次に、本実施形態に係るディスクブレーキ1における平歯多段減速機構37の変形例を図7及び図8に基づいて説明する。
該平歯多段減速機構37aは、ピニオンギヤ42と、第1減速歯車43と、第2減速歯車44と、減速しない伝達部材としてのベルト85とから構成される。
第1減速機構43は、ピニオンギヤ42の歯車42Bに噛合する大径回転部としての大歯車43Aと、該大歯車43Aから軸方向に延出する小径回転部としての小径軸部43B’とが一体的に形成されている。第2減速歯車44は、大径軸部44A’と、該大径軸部44A’から軸方向に延出して形成される小径のサンギヤ44Bとが一体形成されている。そして、第1減速機構43の小径軸部43B’に設けたベルト用溝部86と、第2減速機構44の大径軸部44A’に設けたベルト用溝部87とにベルト85が巻装される。これにより、モータ38の回転軸41からの回転力が、第1減速機構43からベルト85を介して第2減速機構44に伝達されるようになる。
【0046】
以上説明したように、本実施形態に係るディスクブレーキ1では、第1減速歯車43の中心軸(シャフト62)とボア10の中心軸(シャフト63)との距離L1が、モータ38の回転軸41とボア10の中心軸(シャフト63)との距離L2よりも大きくなるように配置して、従来(特許文献1参照)のように第1減速歯車43の大歯車43Aと、第2減速歯車44の大歯車44Aとが軸方向で重ならないようにしたので、本ディスクブレーキ1の軸長を従来よりも短縮することができ、車両への搭載性を向上させることができる。
【0047】
なお、本実施形態においては、ピストン推進機構34をボールアンドランプ機構28及びねじ機構52から構成するものとしたが、これに限らず、ねじ機構52のみで構成してもよいし、その他の回転直動変換機構を用いることができる。また、本実施形態においては、モータ38による回転を増力する減速機構としての平歯多段減速機構37を用いたが、歯のない回転部材同士の一部分が当接して摩擦力で回転を伝達するような減速機構等、種々の減速機構を用いることができる。また、本実施形態においては、減速機構として遊星歯車減速機構36を用いたが、所望の減速比を設定できれば、必ずしも、これを用いる必要はなく、他の差動減速機構や波動歯車装置を用いるようにしてもよい。
なお、上記実施形態では、第1減速歯車43の中心軸とシリンダ部7のボア10(サンギヤ44B)の中心軸との距離L1が、モータ38の回転軸41とサンギヤ44Bの中心軸との距離L2よりも大きくなるように、各軸を直線状に配置した例を示したが、直線状でなくとも、L1>L2の条件を満たす範囲で、例えば、第1減速歯車43の中心軸をシリンダ部7に近づける方向に移動させた位置に設けてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 ディスクブレーキ,2 インナブレーキパッド,3 アウタブレーキパッド,4 キャリパ,5 ブラケット,6 キャリパ本体,7 シリンダ部,10 ボア,12 ピストン,28 ボールアンドランプ機構,34 ピストン推進機構,36 遊星歯車減速機構,37、37a 平歯多段減速機構,38 モータ(電動モータ),41 回転軸,43 第1減速歯車(一の回転部材),43A 大歯車(大径回転部),43A’ 大径軸部(大径回転部),43B 小歯車(小径回転部),44 第2減速歯車(他の回転部材),52 ねじ機構,75 ボルト孔(固定部),78 スライドピン,80 非減速平歯車(減速しない伝達部材),85 ベルト(減速しない伝達部材),150 ディスクロータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータを挟んでその両側に配置される一対のパッドと、
該一対のパッドのうちの一方をディスクに押し付ける一つのピストンと、
該ピストンが移動可能に配置されるシリンダを有するキャリパ本体と、
該キャリパ本体に設けられ前記シリンダと前記ロータの周方向に並んで配置される電動モータと、
該電動モータからの回転力を複数の回転部材により増力して伝達する減速機構と、
該減速機構からの回転力が伝達され、前記ピストンを制動位置に推進するピストン推進機構と、
を備え、
前記複数の回転部材のうち前記電動モータからの回転力が伝達される一の回転部材は、前記電動モータに連結される大径回転部と、他の回転部材へ回転力を伝達する伝達部材に連結される小径回転部とが同軸で形成され、前記一の回転部材の中心軸と前記シリンダの中心軸との距離が、前記電動モータの回転軸と前記シリンダの中心軸との距離よりも大きくなるように配置されることを特徴とするディスクブレーキ。
【請求項2】
前記一の回転部材の中心軸は、前記シリンダの中心軸および前記電動モータの回転軸と前記ロータの回転方向に並んで配置されることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ。
【請求項3】
前記一の回転部材の中心軸は、前記シリンダの中心軸と前記電動モータの回転軸とを結ぶ直線の延長線上に配置されることを特徴とする請求項2に記載のディスクブレーキ。
【請求項4】
前記複数の回転部材のうち前記ピストン推進機構に回転力を伝達する他の回転部材は、減速しない伝達部材を介して前記一の回転部材から回転力が伝達されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のディスクブレーキ。
【請求項5】
前記キャリパ本体は、車両の非回転部に固定される固定部を有するブラケットにスライドピンを介して摺動自在に設けられ、
前記一の回転部材は、前記ロータの径方向において前記固定部と前記スライドピンとの間に配置されることを特徴とする請求項4に記載のディスクブレーキ。
【請求項6】
前記複数の回転部材は、段付きの減速ギヤであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のディスクブレーキ。
【請求項7】
前記複数の減速ギヤのうち一つの減速ギヤの小径回転部と、他の減速ギヤの大径回転部との間には平歯車が配置されることを特徴とする請求項6に記載のディスクブレーキ。
【請求項8】
前記減速機構には、遊星歯車減速機構が設けられ、該遊星歯車減速機構は、前記他の減速ギヤと前記ピストン推進機構との間に配置されることを特徴とする請求項7に記載のディスクブレーキ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−72511(P2013−72511A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212782(P2011−212782)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】