説明

ディスク再生装置及びディスク再生方法

【課題】リモコン・エンジンスタータを有する車両であっても、音楽又は映像をラストポジションから続き再生して視聴することができるディスク再生装置及びディスク再生方法を提供する。
【解決手段】ディスク媒体に記録された情報を再生し復号化するデコーダ部と、ディスク媒体の再生時に電源がオフされて再生が中断された場合に、中断時の最終再生位置を示すラストポジションを記憶する記憶部と、電源がオフされ再び電源がオンされたときに、記憶部から前記ラストポジションの情報を読み出し、ユーザによって続き再生の指示があった場合(又は車両のドアが開閉された場合)に、ラストポジションから続き再生を実行する制御部と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DVD(Digital Versatile Disk)やCD(Compact Disk)、或いはMD(Mini Disk)、HDD(ハードディスクドライブ)等のディスク媒体に記録された情報を再生するディスク再生装置に係り、再生を一時的に中断した後の再生処理を違和感なく実行可能にしたディスク再生装置及びディスク再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディスク再生装置では、光ピックアップから光ディスク(ディスク媒体)に対してレーザ光を照射し、光ディスクからの情報を読み取って再生するようにしている。ディスク媒体としては、DVD、CD、MD等がある。また、車載用のディスク再生装置も普及している。
【0003】
ところで、従来の車載用のディスク再生装置では、ディスクの再生中にエンジンを停止して電源を切った場合、或いはディスクの再生中に他のモード(例えばラジオ放送の受信モード)に切り換えた場合等において、ディスクの再生が中断することがある。このため、次にエンジンを始動して電源をオンにした場合に、再生を中断した位置(ラストポジション)から継続して再生できるようにした機能を有している。
【0004】
特許文献1には、ディスク再生装置の一例について記載されており、MDの再生が中断された場合に、ピックアップを最終読取位置でロックし、その時点の曲番等を記憶し、再生を開始する際に記憶した曲番等のデータをもとに中断時の位置から再生を開始する例が述べられている。このようなディスク再生装置では、エンジン停止後、再び始動して電源をオンにすると、ラストポジションから自動的にディスク再生が可能となる。
【0005】
一方、最近では遠隔操作によりエンジンを始動することができるリモコン・エンジンスタータを有する車両が普及している。この場合、リモコンによってエンジンを始動してから実際に車両に乗車するまでに、数分或いはそれ以上に時間がかかることもある。そのため、エンジンを始動した時点から自動的にディスクが再生されると、ユーザが車両に乗り込んだときには、ディスクの再生位置がラストポジションよりも数分先に進んでいることがあり、ユーザは音楽又は映像を継続して視聴するができなくなり、違和感を抱いてしまう。またラストポジションから継続して視聴するには、戻り操作を行って再生する必要があり、手間がかかるという不便さがある。
【特許文献1】特開平7−121930号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のディスク再生装置では、電源をオンしたときに前に再生を中断した位置から継続して再生するこができるが、リモコン・エンジンスタータを有する車両では、リモコンによってエンジンを始動してから実際に車両に乗車するまでに、数分程度の時間がかかることがある。このため、ユーザが車両に乗り込んだときには、再生位置がラストポジションよりも数分先に進んでおり、音楽又は映像を継続して視聴するができないという不具合があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、リモコン・エンジンスタータを有する車両であっても、音楽又は映像をラストポジションから続き再生して視聴することができるディスク再生装置及びディスク再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の本発明は、ディスク媒体に記録された情報を再生して表示部に表示するためのディスク再生装置であって、前記ディスク媒体に記録された情報を再生し復号化するデコーダ部と、前記ディスク媒体の再生時に電源がオフされて再生が中断された場合に、中断時の最終再生位置を示すラストポジションを記憶する記憶部と、前記電源がオフされ再び電源がオンされたときに、前記記憶部から前記ラストポジションを読み出し、ユーザによって続き再生の指示があった場合に、前記ラストポジションから続き再生を実行する制御部と、を具備したことを特徴とする。
【0009】
また、請求項6記載の本発明は、ディスク媒体に記録された情報を再生して表示部に表示する車載用のディスク再生装置であって、前記ディスク媒体に記録された情報を再生し復号化するデコーダ部と、前記ディスク媒体の再生時に電源がオフされて再生が中断された場合に、中断時の最終再生位置を示すラストポジションを記憶する記憶部と、前記電源がオフされ再び電源がオンされたときに、前記記憶部から前記ラストポジションを読み出し、車両のドアの開閉を検知した場合に前記ラストポジションから続き再生を実行する制御部と、を具備したことを特徴とする。
【0010】
また請求項9記載の本発明は、ディスク媒体に記録された情報を再生して表示部に表示するためのディスク再生方法であって、前記ディスク媒体に記録された情報を再生し復号化して前記表示部に表示し、前記ディスク媒体の再生時に電源がオフされて再生が中断された場合に、中断時の最終再生位置を示すラストポジションを記憶部に記憶し、前記電源がオフされ再び電源がオンされたときに、前記記憶部から前記ラストポジションを読み出し、ユーザによって続き再生の指示があった場合に、前記ラストポジションから続き再生を実行することを特徴とする。
【0011】
さらに、請求項11記載の本発明は、ディスク媒体に記録された情報を再生して表示部に表示する車載用のディスク再生方法であって、前記ディスク媒体に記録された情報を再生し復号化して前記表示部に表示し、前記ディスク媒体の再生時に電源がオフされて再生が中断された場合に、中断時の最終再生位置を示すラストポジションを記憶部に記憶し、前記電源がオフされ再び電源がオンされたときに、前記記憶部から前記ラストポジションを読み出し、車両のドアの開閉を検知した場合に前記ラストポジションから続き再生を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のディスク再生装置では、リモコン・エンジンスタータを有する車両であっても、音楽又は映像を前に再生を中断した位置から続き再生して視聴することができ、ユーザに違和感を与えることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明のディスク再生装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は本発明の一実施形態に係るディスク再生装置の概略構成を示すブロック図である。尚、以下においては、ディスク媒体としてDVDの再生を行う場合を例に説明する。
【0015】
図1において、100はディスク再生装置である。ディスク再生装置100は、ディスク媒体1(例えばDVD等の光ディスク)をスピンドルモータ2によって一定の線速度で回転し、ディスク媒体1(以下、単にディスク1と呼ぶ)に記録された情報を、光ピックアップ3を用いて再生する。またディスク再生装置100は、制御部を構成するコントローラ4、及び操作部5を有している。
【0016】
また、200は車両に設けられた車両制御部であり、エンジンの始動や停止等の制御を行うものである。車両制御部200は、リモコン・エンジンスタータを備え、エンジンキーの操作以外に、リモコン201の操作によってエンジンを始動することができる。
【0017】
また、車両制御部200は、エンジンの始動情報や車両のドアを開閉したときのドア情報等の車両情報をディスク再生装置100の制御部4に伝送する。尚、ドア情報は、ドアの開閉を検知する検知部202によって得ることができる。ディスク再生装置100への車両情報の伝送は例えばBUS203を介して行うことができる。
【0018】
ディスク再生装置100のコントローラ4はCPU41を含み、車両制御部200からの車両情報、或いは操作部5の操作に応答して、コントローラ4はディスク再生装置200の電源オン・オフや、ディスク再生等の各種の制御を行う。
【0019】
図2は本発明のディスク再生装置100の詳細な構成を示すブロック図である。図2において、1はディスクであり、スピンドルモータ2によって一定の線速度で回転される。ディスク1に対する情報の記録、再生は、光ピックアップ3によって行われる。
【0020】
光ピックアップ3は、スレッド(SLED)モータ6を含む移動機構によってディスク1の径方向に駆動され、スレッドモータ6は、スレッドモータ制御回路7により制御される。スレッドモータ6を含む移動機構及びスレッドモータ制御回路7は、光ピックアップ3の移動制御部を構成する。
【0021】
光ピックアップ3には、対物レンズ31が設けられ、この対物レンズ31は、2軸アクチュエータ32によってフォーカシング方向(レンズ31の光軸方向)への移動とトラッキング方向(レンズ31の光軸と直交する方向)への移動が制御される。
【0022】
ディスク1に記録された情報は、光ピックアップ3によって読み取られ、信号処理回路8に供給される。信号処理回路8は、RFアンプを含み、RFアンプからは、フォーカス制御用の信号、トラッキング制御用の信号、及びデータ再生用の信号が出力される。
【0023】
フォーカス制御用の信号は、フォーカシング制御回路9に供給され、フォーカシング制御回路9の出力信号は、アクチュエータ32に供給される。これにより、光ビームが、ディスク1上に常時ジャストフォーカスとなるように制御される。
【0024】
また、トラッキング制御用の信号はトラッキング制御回路10に供給される。トラッキング制御回路10は、トラック駆動信号を作成してアクチュエータ32に供給する。これにより、光ピックアップ3のトラッキング方向の移動が制御される。また、トラッキング制御回路10からのトラック駆動信号は、スレッドモータ制御回路7にも供給される。 また、スピンドルモータ2はモータ制御回路11によって制御される。
【0025】
光ピックアップ3は、スレッドモータ制御回路7によりスレッドモータ6を制御することで、ディスクの目的アドレスまでサーチ移動するサーチ動作を行うことができる。また、トラッキング補正によってトレース動作を行う。
【0026】
また、信号処理回路8からのデータ再生用の信号は、増幅回路12によって増幅されたあと、イコライザ(図示せず)で波形等化され、さらに2値化回路によって2値化されてデータ再生回路13に供給される。データ再生回路13は、2値化されたデータをPLL回路14からの再生用クロックに基づいて復調する。また、データ再生回路13は、エラー訂正回路を含み、誤り訂正処理を行ってデジタルデータを出力する。
【0027】
スレッドモータ制御回路7、フォーカシング制御回路9、トラッキング制御回路10、モータ制御回路11、データ再生回路13、PLL回路14は、バス15に接続され、これらの回路はバス15を介してコントローラ4によって制御される。
【0028】
コントローラ4は制御部を構成しCPU41を含み、ROM16に記録されたプログラムに従ってディスク再生装置100の動作を制御する。また、バス15には記憶部17が接続され、記憶部17にはプログラムの実行により処理されたデータ等を記憶することができる。
【0029】
またバス15には、映像・音声デコーダ18が接続されている。映像・音声デコーダ18は、データ再生回路13で再生したデータから、映像信号及び音声信号を復号化し、映像信号を表示部19に供給し、音声信号を音声出力部(スピーカ)20に供給する。
【0030】
さらにバス15には、前述した操作部5が接続されている。操作部5はユーザによって操作され、例えば再生ボタン、停止ボタン、早戻しボタン、早送りボタン、パワーボタン等を有している。また、続き再生ボタン51を有している。映像・音声デコーダ18は、操作部5の操作に応答してコントローラ4の制御のもとに、通常の再生や、続き再生等のモードで映像、音声信号を生成する。
【0031】
またコントローラ4には前述した車両制御部200からの車両情報がBUS203を介して供給される。
【0032】
次に本発明のディスク再生装置100の動作について説明する。本発明のディスク再生装置100は車載用に適合したものであり、パワーボタンがオンされている場合、車両のエンジンの始動に連動して電源がオンとなる。この状態でディスク再生装置100にディスク1が挿入されると、再生状態になり表示部19には再生映像が表示される。また音声出力部20からは音声が再生される。
【0033】
この再生状態において、車両のエンジンを停止するとディスク再生装置100の電源はオフとなり、再生は中断される。一般のディスク再生装置では、エンジンを停止して再生を中断したときに、中断する直前の最終再生位置情報(以下、ラストポジションと呼ぶ)を記憶部17に記憶し、再びエンジンを始動して電源をオンしたときに、記憶したラストポジションを読み出して、中断した地点から再生を開始するようにしている。
【0034】
しかしながら、リモコン・エンジンスタータを有する車両の場合、リモコン201によってエンジンを始動することができるため、リモコン201でエンジンを始動するとディスク再生装置の電源がオンしてディスクの再生が開始されることになる。このため、ユーザがエンジンを始動して実際に車両に乗車するまでに時間がかかった場合は、ディスクの再生位置がラストポジションから進んだ位置(例えば数分以上先に進んだ位置)を再生しているため、ユーザは音楽又は映像を継続して視聴するができなくなる。このため、ラストポジションから続き再生を行って視聴するには、戻り操作をする必要があり、手間がかかってしまう。
【0035】
そこで、本発明では車両のエンジンを始動しても、ユーザが続き再生の操作を行うまでは再生開始を待機させ、ユーザが続き再生の操作を行った後に再生を開始するようにした点に特徴がある。
【0036】
図3は、本発明の一実施形態に係るディスク再生装置100の動作を説明する動作説明図である。図3において、横軸は映像コンテンツ(ディスク1)の再生進度を示し、例えばコンテンツの1タイトルをチャプタ1からチャプタ99で表している。DVD(例えば映画用ディスク)では、通常、本編のコンテンツに対して1つのタイトルを付し、1つのタイトルを複数のチャプタに区切っている。
【0037】
電源がオンされ、ディスク1の再生が開始されると、コントローラ4は、周期的(例えば1秒毎)に現再生位置の情報を記憶部17に記憶する。記憶部17に記憶された位置情報は、順次、再生進度に応じて上書きされ、最新の位置情報が更新記憶される。尚、位置情報を記憶する時間間隔は1秒毎に限らず、2秒毎、3秒毎等の任意の時間間隔に設定することができる。
【0038】
そして、例えばチャプタ2を再生している途中のタイミングt1でエンジンが停止され、電源がオフされたとすると、その時点での最終再生位置情報(ラストポジション)が記憶部17に保持される。図3の表示画像191は、タイミングt1における再生画像の一例を示す。尚、記憶部17は頻繁に書き込みが行われるため、SRAM等のバッテリーバックアップRAMが適している。
【0039】
次に、リモコン201の操作により、タイミングt2でエンジンが始動され、ディスク再生装置100の電源がオンされた場合、コントローラ4は、記憶部17に記録されたラストポジションを読み出して、ラストポジションから続き再生を行うが、直ぐに再生を開始することなく、ユーザが操作部5の続き再生ボタン51を操作するまで続き再生の動作を待機する。
【0040】
図3おいて、タイミングt2でエンジンが始動され、ユーザが車両に乗り込み、タイミングt3で続き再生ボタン51が操作されると、コントローラ4は、記憶部17から読み出したラストポジションを基に、再生を中断した位置からディスク1の再生を開始する。したがって、表示画像192で示すように、再生を中断した位置から続き再生が行われる。
【0041】
図4は、本発明のディスク再生装置100において、ラストポジションから再生を行う場合の動作を説明するフローチャートである。
【0042】
図4のステップS1は、電源がオンされてディスク1が再生されている状態を示している。ステップS2は電源オフを判別するステップであり、ディスク1を再生している途中でエンジンが停止された場合等、コントローラ4は電源がオフされたものとして、ステップS3において、電源オフ時点でのラストポジションを記憶部17に記憶する。
【0043】
次にリモコン201でエンジンが始動されると、コントローラ4はステップS4で電源をオン状態に復帰させる。またコントローラ4は、ステップS5において記憶部17に記録されたラストポジションを読み出し、ラストポジションからの再生の準備を行う。そしてステップS6でユーザが操作部5の続き再生ボタン51を操作すると、コントローラ4は、ステップS7においてラストポジションから再生を開始する。
【0044】
ステップS8は、再生終了のステップであるが、さらにステップS7の再生処理時に再びエンジンを停止して電源がオフされたような場合は、ステップS2に戻って同様の処理が繰り返し実行される。
【0045】
したがって、図4のフローチャートの動作によれば、リモコン201によってエンジンが始動された場合でも、ユーザが続き再生ボタン51を操作するまでは、再生を待機するため、エンジンが始動され、実際にユーザが車両に乗車するまでに時間がかかっても、再生を中断した位置からディスク1の続き再生を実行することができる。
【実施例2】
【0046】
次に本発明の第2の実施形態に係るディスク再生装置について説明する。即ち、以上の説明では、ユーザが続き再生ボタン51を操作してから再生を開始する例を述べたが、第2の実施形態では、車両のドア情報を利用して再生を開始するようにしたものである。
【0047】
即ち、ユーザがリモコン201でエンジンを始動してから、実際に車両に乗車する際にはドアを開くため、このドアの開閉を検知部202で検知してから、ラストポジションの情報を基に再生を開始する点に特徴がある。
【0048】
例えば、図3のタイミングt2でエンジンを始動し、少し遅れたタイミングt3でドアの開閉が検知された場合、コントローラ4は、タイミングt3でユーザが車両に乗り込んだものと判断して、記憶部17から読み出したラストポジションを基に、再生を中断した位置からディスク1の再生を開始する。したがって、表示画像192で示すように、再生を中断した位置から続き再生が実行される。
【0049】
尚、実際にはユーザが車両に乗り込んだあと、シートベルトを締めたりする時間があるため、ユーザが落ち着くまでの時間を見込んで、タイミングt3から若干遅れて再生を開始するようにしてもよい。
【0050】
図5は、本発明の第2の実施形態に係るディスク再生装置100において、ラストポジションから再生を行う場合の動作を説明するフローチャートである。
【0051】
図5のステップS11は、電源がオンされてディスク1が再生されている状態を示している。ステップS12は電源オフを判別するステップであり、ディスク1を再生している途中でエンジンが停止された場合等、コントローラ4は電源がオフされたものとして、ステップS13において、電源オフ時点でのラストポジションを記憶部17に記憶する。
【0052】
次にリモコン201でエンジンが始動されると、コントローラ4は、ステップS14で電源をオン状態に復帰させる。またコントローラ4は、ステップS15において記憶部17に記録されたラストポジションを読み出し、ラストポジションからの再生の準備を行う。そしてステップS16でドアの開閉が検知されると、コントローラ4は、ステップS17においてラストポジションから再生を開始する。
【0053】
ステップS18は、再生終了のステップであるが、さらにステップS17の再生処理時に再びエンジンを停止して電源がオフされた場合は、ステップS12に戻って同様の処理が繰り返し実行される。
【0054】
したがって、図5のフローチャートの動作によれば、リモコン201によってエンジンが始動された場合でも、車両のドアが開閉されてユーザが乗車するまでは、再生を待機する。そして、エンジンが始動され、実際に車両に乗り込んだ時点で、先に再生を中断した位置からディスク1の続き再生が実行される。
【0055】
また、図5のフローチャートによれば、リモコン201によらずキーでエンジンを始動した場合であっても、ドアが開いたままの状態ではディスク1の再生は開始されず、ドアが閉じた段階で再生が開始されるため、ドアを開いて荷物を積んでいるようなときに、再生が進んでしまうという事態を避けることができる。
【0056】
尚、図4のステップS5とS6の順番、及び図5のステップS15とS16の順番は入れ替えてもよい。
【0057】
このように、本発明のディスク再生装置では、リモコン・エンジンスタータを有する車両であっても、音楽又は映像を、前に再生を中断した位置から継続して視聴するができ、ユーザに違和感を与えることがない。
【0058】
また以上の説明では、ディスク1の最終再生位置を示すラストポジションとして、映像コンテンツの再生経過時間の情報を記憶する例を述べたが、これに限らず再生位置を特定できる情報であればディスクに記録された他の情報(例えばチャプタ情報)を用いることもできる。
【0059】
また、以上の説明ではディスク1として、DVDを例に説明したが、ナビゲーション用のディスク、CD(Compact Disk)、MD(Mini Disk)、或いはHDD(ハードディスクドライブ)等のディスク媒体に記録された情報を再生する場合であっても本発明の実施形態を適用することができる。
【0060】
例えばCD再生装置について言えば、CDを再生している途中でエンジンを停止した場合には、CDのトラック情報をラストポジション情報として記憶部17に記憶すれば良い。そして、再びエンジンが始動された場合は、ユーザによる続き再生ボタン51の操作、或いはドアの開閉を検知して、ラストポジションを基に続き再生を実行するようにすればよい。
【0061】
また以上の説明に限定されることなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態に係るディスク再生装置を示す概略構成図。
【図2】同実施形態に係るディスク再生装置の詳細な構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態に係るディスク再生装置の動作を説明する動作説明図。
【図4】同実施形態に係るディスク再生装置の動作を説明するフローチャート。
【図5】本発明の他の実施形態に係るディスク再生装置の動作を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0063】
1…ディスク媒体
2…スピンドルモータ
3…光ピックアップ
4…コントローラ
41…CPU
5…操作部
51…続き再生ボタン
6…スレッドモータ
7…スレッドモータ制御回路
8…信号処理回路
9…フォーカシング制御回路
10…トラッキング制御回路
11…モータ制御回路
12…増幅回路
13…データ再生回路
14…PLL回路
15…バス
16…ROM
17…記憶部
18…映像・音声デコーダ
19…表示部
20…音声出力部
100…ディスク再生装置
200…車両制御部
201…リモコン
202…ドア開閉検知部
203…BUS

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク媒体に記録された情報を再生して表示部に表示するためのディスク再生装置であって、
前記ディスク媒体に記録された情報を再生し復号化するデコーダ部と、
前記ディスク媒体の再生時に電源がオフされて再生が中断された場合に、中断時の最終再生位置を示すラストポジションを記憶する記憶部と、
前記電源がオフされ再び電源がオンされたときに、前記記憶部から前記ラストポジションを読み出し、ユーザによって続き再生の指示があった場合に、前記ラストポジションから続き再生を実行する制御部と、
を具備したことを特徴とするディスク再生装置。
【請求項2】
ユーザによって操作可能な操作部を有し、前記続き再生の指示は、ユーザが前記操作部に設けられた続き再生ボタンを操作することによって行うことを特徴とする請求項1記載のディスク再生装置。
【請求項3】
前記ディスク再生装置は車両に搭載され、前記電源のオンは前記車両のエンジンの始動に連動し、
前記制御部は、ユーザが前記車両に乗車して前記続き再生ボタンを操作した場合に、前記ラストポジションから続き再生を実行することを特徴とする請求項2記載のディスク再生装置。
【請求項4】
前記車両は、遠隔操作によってエンジンを始動するリモコン・エンジンスタータを備え、前記制御部は、前記エンジンの始動によって前記電源をオン状態に復帰させることを特徴とする請求項3記載のディスク再生装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記ラストポジションとして、前記ディスク媒体の再生経過時間の情報、又は前記ディスク媒体に記録されたチャプタ情報、トラック情報のいずれかを記憶することを特徴とする請求項1記載のディスク再生装置。
【請求項6】
ディスク媒体に記録された情報を再生して表示部に表示する車載用のディスク再生装置であって、
前記ディスク媒体に記録された情報を再生し復号化するデコーダ部と、
前記ディスク媒体の再生時に電源がオフされて再生が中断された場合に、中断時の最終再生位置を示すラストポジションを記憶する記憶部と、
前記電源がオフされ再び電源がオンされたときに、前記記憶部から前記ラストポジションを読み出し、車両のドアの開閉を検知した場合に前記ラストポジションから続き再生を実行する制御部と、
を具備したことを特徴とするディスク再生装置。
【請求項7】
前記車両は、遠隔操作によってエンジンを始動するリモコン・エンジンスタータを備え、前記制御部は、前記エンジンの始動によって前記電源をオン状態に復帰させることを特徴とする請求項6記載のディスク再生装置。
【請求項8】
前記記憶部は、前記ラストポジションとして、前記ディスク媒体の再生経過時間の情報、又は前記ディスク媒体に記録されたチャプタ情報、トラック情報のいずれかを記憶することを特徴とする請求項6記載のディスク再生装置。
【請求項9】
ディスク媒体に記録された情報を再生して表示部に表示するためのディスク再生方法であって、
前記ディスク媒体に記録された情報を再生し復号化して前記表示部に表示し、
前記ディスク媒体の再生時に電源がオフされて再生が中断された場合に、中断時の最終再生位置を示すラストポジションを記憶部に記憶し、
前記電源がオフされ再び電源がオンされたときに、前記記憶部から前記ラストポジションを読み出し、ユーザによって続き再生の指示があった場合に、前記ラストポジションから続き再生を実行することを特徴とするディスク再生方法。
【請求項10】
前記続き再生の指示は、ユーザが操作部に設けられた続き再生ボタンを操作することによって行うことを特徴とする請求項9記載のディスク再生方法。
【請求項11】
ディスク媒体に記録された情報を再生して表示部に表示する車載用のディスク再生方法であって、
前記ディスク媒体に記録された情報を再生し復号化して前記表示部に表示し、
前記ディスク媒体の再生時に電源がオフされて再生が中断された場合に、中断時の最終再生位置を示すラストポジションを記憶部に記憶し、
前記電源がオフされ再び電源がオンされたときに、前記記憶部から前記ラストポジションを読み出し、車両のドアの開閉を検知した場合に前記ラストポジションから続き再生を実行することを特徴とするディスク再生方法。
【請求項12】
前記車両は遠隔操作によってエンジンを始動するリモコン・エンジンスタータを備え、
前記エンジンの始動によって前記電源がオフからオン状態になり、前記車両のドアの開閉を検知したときに前記ラストポジションから続き再生を実行することを特徴とする請求項11記載のディスク再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−205737(P2009−205737A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−46742(P2008−46742)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(504113008)東芝アルパイン・オートモティブテクノロジー株式会社 (110)
【Fターム(参考)】