説明

ディスク収納ケース

【課題】ディスクをがたつかないようにしっかりと保持できるようにする。
【解決手段】底面板1の両側にそれぞれ保持部2を連設し、各保持部2には、側面板5、頂面板6、内側板7及び底着片8を基端側から先端側へ順次設け、内側板7に谷折線9を入れ、保持部2を巻き込むように折り曲げ、底着片8を底面板1に固定すると共に、内側板7を谷折線9沿いに折り曲げて窪みを形成し、対向する内側板7の窪みの間に挟み込んだディスクDを、記録面が底面板1に接触しないように浮かして保持するディスク収納ケースにおいて、前記谷折線9を湾曲させ、対向する内側板7の窪み同士の間隔が、谷折線9の中間部では、ディスクDの直径に対応し、谷折線9の両端部へかけてディスクDの直径より小さくなるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、CD、DVD等の円板状記録媒体(以下ディスクという)を収納するケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子データを記録するCD、DVD等のディスクは、記録面に傷が付くと、データの読み取りに支障が生じるおそれがある。このため、一般に、ディスクの流通や受け渡しに際しては、本体とカバーとから成るプラスチックケースを使用し、本体の底面板から突出した台座付き凸部を、ディスクの中央部の穴に嵌め込み、ディスクを記録面が底面板に接触しないように浮かした状態で固定する。
【0003】
また、下記特許文献1には、板紙製のディスク収納ケースとして、図8に示すように、底面板51の両側にそれぞれ保持部52を連設し、各保持部52に底面板51側から側面板53、頂面板54、内側板55及び底着片56を順次設け、内側板55に幅方向に延びる直線の谷折線57を入れ、カバー58を設けたものが記載されている。
【0004】
このディスク収納ケースでは、保持部52を巻き込むように折り曲げ、底着片56を底面板51に貼り付け、内側板55を谷折線57沿いに折り曲げて窪みを形成し、対向する内側板55の窪み間にディスクDを挟み込み、ディスクDを記録面が底面板51に接触しないように浮かした状態で保持し、ディスクDにカバー58を被せる。
【0005】
【特許文献1】特開平11−321962号公報(図16)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような板紙製のディスク収納ケースでは、持ち運びに際し、振動や衝撃が作用すると、収納したディスクDが谷折線57の延びる方向に移動して、がたつくことがあった。
【0007】
そこで、この発明は、板紙製のディスク収納ケースにおいて、ディスクをがたつかないようにしっかりと保持できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような課題を解決するため、この発明は、底面板の両側にそれぞれ保持部を連設し、各保持部には、側面板、頂面板、内側板及び底着片を基端側から先端側へ順次設け、内側板に谷折線を入れ、保持部を巻き込むように折り曲げ、底着片を底面板に固定すると共に、内側板を谷折線沿いに折り曲げて窪みを形成し、対向する内側板の窪みの間に挟み込んだディスクを、記録面が底面板に接触しないように浮かして保持するディスク収納ケースにおいて、前記谷折線を湾曲させ、対向する内側板の窪み同士の間隔が、谷折線の中間部では、ディスクの直径に対応し、谷折線の両端部へかけてディスクの直径より小さくなるようにしたのである。
【発明の効果】
【0009】
この発明に係るディスク収納ケースでは、ディスクを谷折線の中間部で窪みに嵌めて、対向する内側板間に挟み込むと、持ち運びに際し、谷折線の延びる方向へのディスクの移動が阻止され、ディスクが保持部により弾力的に保持されて、振動や衝撃が作用しても、ディスクのがたつきが防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
まず、この発明の第1実施形態を図1乃至図5に基づいて説明する。
【0011】
このディスク収納ケースは、図1に示すような板紙製のブランクから形成される。このブランクでは、長方形の底面板1の周囲各辺のうち、一対の短辺にそれぞれ保持部2が連設され、一対の長辺に端面板3を介してカバー4がそれぞれ連設されている。
【0012】
各保持部2には、側面板5、頂面板6、内側板7及び底着片8が基端側から先端側へ順次設けられ、内側板7には、谷折線9が入れられている。頂面板6の両端には端閉片10が連設されている。一方のカバー4の基端側には係止穴11が設けられ、他方のカバー4の先端側には、弧状のスリットを入れて係止片12が形成されている。
【0013】
谷折線9は、両端部が頂面板6との境界側に位置し、中間部が底着片8側へ変位するように湾曲している。
【0014】
内側板7と底着片8との境界は、押罫のみが入れられた他の各部同士の境界と異なり、折曲抵抗を減少させるため、押罫に断続する切目を入れたリード罫とされている。
【0015】
上記のようなブランクを組み立てるには、図2に示すように、底面板1から保持部2の側面板5、頂面板6及び内側板7を巻き込むように折り曲げ、底着片8を内側へ折り曲げて底面板1に貼り付け、内側板7を谷折線9沿いに折り曲げて窪みを形成し、端閉片10を下方へ折り曲げて、保持部2の両端面を閉止する。
【0016】
そして、このディスク収納ケースを使用する際には、対向する内側板7の上部の間隔を押し広げるように保持部2を変形させて、その窪みの間にディスクDを挿入し、保持部2を弾性により復元させると、ディスクDは窪み間に挟み込まれて、記録面が底面板1に接触しないように浮いた状態で保持される。
【0017】
その後、一対の端面板3を起立させ、図3乃至図5に示すように、一方及び他方のカバー4を順次重なり合うように閉じ、係止穴11に係止片12を係合させる。
【0018】
上記のようにディスクDを収納した状態において、このディスク収納ケースでは、対向する内側板7の窪み同士の間隔が、谷折線9の中間部では、ディスクDの直径に対応し、谷折線9の両端部へかけてディスクDの直径より小さくなっている。
【0019】
このため、ディスク収納ケースの持ち運びに際し、谷折線9の延びる方向へのディスクDの移動が阻止され、ディスクDが保持部2により弾力的に保持されて、振動や衝撃が作用しても、ディスクDのがたつきが防止される。
【0020】
次に、この発明の第2実施形態を図6及び図7に基づいて説明する。なお、ここでは、上記第1実施形態と同様の部分についての説明は省略し、第1実施形態と異なる特徴部分について言及する。
【0021】
このディスク収納ケースでは、図6に示すように、一方の端面板3からカバー4が延出され、カバー4は、端面板3に順次繋がる表面板4aと裏面板4bとを貼り合わせて形成されている。カバー4の先端部には、裏面板4bを切り込んでロック片13が設けられ、ロック片13は外側へ折り返されている。
【0022】
また、他方の端面板3の先端には上重板14aが、両側には側重板14bがそれぞれ連設され、側重板14bから延びる係止片15を上重板14aの裏面に貼り付けて、上被体14が形成されている。
【0023】
そして、このディスク収納ケースにディスクDを収納して封緘する際、カバー4を閉じた後、上被体14を閉じると、ロック片13の両肩部が係止片15の切欠部分の端縁に係合して、カバー4が閉止状態に保持される。
【0024】
このようなディスク収納ケースにおいても、ディスクDを谷折線9の中間部で窪みに嵌めて、対向する内側板7間に挟み込むと、持ち運びに際し、谷折線9の延びる方向へのディスクDの移動が阻止され、ディスクDのがたつきが防止される。
【0025】
なお、対向する内側板7に窪みを形成する谷折線9は、上記第1及び第2実施形態とは逆に、両端部が底着片8との境界側に位置し、中間部が頂面板6側へ変位するように湾曲させても、同様の効果を得ることができる。
【0026】
また、保持部2の先端側を底面板1に固定する底着片8は、底面板1に必ずしも貼り付ける必要はなく、底着片8に設けた突起を、底面板1又は端面板3の下部に形成したスリットに差し込んで係合させるようにしてもよい。
【0027】
さらに、上面の開口を覆うカバー4は、底面板1及び保持部2等と必ずしも一体に形成する必要はなく、底面板1及び保持部2等を備えたトレー状の本体と、これに被せる別体のカバーとからディスク収納ケースを構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明の第1実施形態に係るディスク収納ケースのブランクを示す図
【図2】同上のカバー開放状態を示す斜視図
【図3】同上のカバー閉止状態を示す斜視図
【図4】同上の縦断正面図
【図5】同上の横断平面図
【図6】第2実施形態に係るディスク収納ケースのカバー開放状態を示す斜視図
【図7】同上のカバー閉止状態を示す斜視図
【図8】従来のディスク収納ケースの縦断正面図
【符号の説明】
【0029】
1 底面板
2 保持部
3 端面板
4 カバー
5 側面板
6 頂面板
7 内側板
8 底着片
9 谷折線
10 端閉片
11 係止穴
12 係止片
13 ロック片
14 上被体
14a 上重板
14b 側重板
15 係止片
D ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面板(1)の両側にそれぞれ保持部(2)を連設し、各保持部(2)には、側面板(5)、頂面板(6)、内側板(7)及び底着片(8)を基端側から先端側へ順次設け、内側板(7)に谷折線(9)を入れ、保持部(2)を巻き込むように折り曲げ、底着片(8)を底面板(1)に固定すると共に、内側板(7)を谷折線(9)沿いに折り曲げて窪みを形成し、対向する内側板(7)の窪みの間に挟み込んだディスクを、記録面が底面板(1)に接触しないように浮かして保持するディスク収納ケースにおいて、前記谷折線(9)を湾曲させ、対向する内側板(7)の窪み同士の間隔が、谷折線(9)の中間部では、ディスクの直径に対応し、谷折線(9)の両端部へかけてディスクの直径より小さくなるようにしたことを特徴とするディスク収納ケース。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−76831(P2010−76831A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−250275(P2008−250275)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(000115980)レンゴー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】