説明

ディスク装置

【課題】 チャッキングオン・オフ時に不快な異音が発生しないようにすること。
【解決手段】 クランパ本体15aに形成した各弾性片24の上端部外周面に上向き外広
がり状に傾斜する傾斜状ガイド面26が形成されると共に、該各弾性片24の下端部内周
面に内向きに突出するプッシャ27が一体突設されており、チャッキングオフ時に各傾斜
状ガイド面26をホルダ孔14aに接触させて各弾性片24を内側に弾性変位させること
により、各プッシャ27をターンテーブル4の中央突起部4aに押し付けて該ターンテー
ブル4をクランパ15から離間させ、そのチャッキングオフ状態で前記各傾斜状ガイド面
26をホルダ孔14aに接触させることにより、該クランパ15の軸心O2がターンテー
ブル4の軸心O1と同心状に位置決めされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク装置(例えばDVDレコーダやDVDプレーヤなど)に関し、特に
、チャッキングオン・オフ時に不快な異音が発生しないようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ディスク装置の一例として図6〜図11に示すものがあり、これはDVDレコー
ダであって、図6は同縦断面図、図7は同チャッキングオン状態の横断面図、図8は同チ
ャッキングオフ状態の横断面図、図9は同要部の縦断面図、図10(a)〜(c)は同チ
ャッキングオン手順を示す要部の側面図、図11は同他の要部の拡大側面図である。
【0003】
図6及び図7に示すように、ディスクD載置用トレイ1がローダーシャーシ2に前後進
a,b可能に支持され、ディスクDの半径方向に移動可能な対物レンズOL付き光ピック
アップ3及びターンテーブル4付きスピンドルモータ5を搭載したトラバースシャーシ6
の後部がゴムからなる後側弾性部材7を介してローダーシャーシ2に上下動c,d可能に
連結され、該トラバースシャーシ6の前部がゴムからなる前側弾性部材8を介して昇降部
材9に連結され、ローダーシャーシ2の前部にカムスライダ10が前後進a,bとは直交
する左右方向e,fに沿ってスライド可能に配置され、該カムスライダ10に形成したカ
ム溝11aと、昇降部材9に一体突設されてカム溝11aに嵌入するカムピン11bとか
らなるカム機構11を介してカムスライダ10とトラバースシャーシ6とが連動連結され
、カムスライダ10に一体形成したラック(図示せず)に噛合可能なピニオン12がロー
ダーシャーシ2の前部に正逆回転可能に配置され、該ピニオン12に対向してトレイ1の
下面にラック13が形成され、ローダーシャーシ2の両側板2a間に架設した金属板製ホ
ルダ14に前記ターンテーブル4の軸心O1と同心状のホルダ孔14aが貫設され、該ホ
ルダ孔14aに合成樹脂製クランパ15が係合されている。
【0004】
図9に示すように、前記クランパ15は、ホルダ孔14aに昇降可能に嵌入する円筒状
クランパ本体15aと、該クランパ本体15aの上端に一体形成した上鍔部15bとを有
し、そのクランパ本体15aの下面にリング状ストッパ16が配置され、該ストッパ16
の上面に周方向所定間隔をおいて起立させた複数の起立片16aをクランパ本体15a内
に挿入し、該各起立片16aの先端フック16bを上鍔部15bの係合孔17を通ってク
ランパ本体15aの上端に係合させることにより、そのストッパ16がクランパ15に一
体的に結合されており、クランパ15が上鍔部15bとストッパ16とで昇降を規制され
てホルダ14に一定範囲内昇降可能に取り付けられている。また、前記クランパ本体15
aの天板部15cに垂設した円筒状中央突起部15dに外嵌させたマグネット18及びヨ
ーク19がクランパ15の天板部15cとストッパ16とで挟持されている。
【0005】
図9に示すように、ターンテーブル4の中央突起部4aにリング状ヨーク20が埋設さ
れ、その中央突起部4aの上端外周面が上すぼまりのテーパ面21とされている。なお、
図6中、22はトレイ1の中央部に開設した中央開口部である。
【0006】
動作原理を説明すると、図6実線及び図7はチャッキング時を示しており、ローディン
グ信号に基づいてピニオン12を正転させることによりカムスライダ10を矢印e方向に
スライドさせることによりカム機構11のカムピン11bをカム溝11aに沿って上昇さ
せ、昇降部材9を介してトラバースシャーシ6を上動cさせて水平姿勢にすることにより
、トレイ1上のディスクDの中心孔Daにターンテーブル4の中央突起部4aを嵌入させ
、該ターンテーブル4によりディスクDを持ち上げ、マグネット18とヨーク20とによ
る磁気作用でターンテーブル4とクランパ15とでディスクDをチャッキングし(図9参
照)、スピンドルモータ5によりターンテーブル4を介してディスクDを高速回転させ、
該ディスクDに記録されている情報を光ピックアップ3により読み取る。
【0007】
この場合、図9に示すように、クランパ本体15aの外径D1よりもホルダ孔14aの
内径D2を大きく設定して、そのホルダ孔14aとクランパ本体15aとの間に比較的大
きな隙間αを形成することより、ディスクDを高速回転させたときに、クランパ本体15
aとホルダ孔14aとの接触事故が生じないようにしている。
【0008】
図6仮想線及び図8はチャッキングオフ時を示しており、ピニオン12を逆転させるこ
とによりカムスライダ10を矢印f方向にスライドさせることによりカム機構11のカム
ピン11bをカム溝11aに沿って下降させ、昇降部材9を介してトラバースシャーシ6
を下動dさせて傾斜姿勢にすることにより、マグネット18とヨーク20による磁気作用
に抗してターンテーブル4をクランパ15から離間させ、ピニオン12の逆転操作により
ラック13を介してトレイ1を前進aさせる。なお、関連する技術として特許文献1に記
載したものがある。
【特許文献1】特開2002−184064号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記従来の構成では、チャッキングオン時に、図9に示すように、クランパ15のクラ
ンパ本体15aとホルダ孔14aとの間に比較的大きな隙間αが形成されているため、図
10(a)に示すように、クランパ15がホルダ孔14a内で片寄りし、その片寄りした
分の間隔βだけホルダ14の軸心O2がターンテーブル4の軸心O1から偏心することが
あり、特に、ターンテーブル4上にディスクDが載置されていない状態で、該ターンテー
ブル4が持ち上げられると、図10(b)に示すように、ターンテーブル4の中央突起部
4aによりクランパ15が傾いた状態で押し上げられる。このため、マグネット18とヨ
ーク20との磁気作用で、クランパ15が中央突起部4a上を矢印g方向に横滑りしてタ
ーンテーブル4に同心状に嵌合され〔図10(c)参照〕、その横滑りして嵌合する際に
、異音が発生し、ユーザーに不快感を与える。
【0010】
また、チャッキングオフ時に、カムスライダ10を矢印f方向にスライドさせることに
より、図11に実線で示すように、カム溝11aの上面11Aでカムピン11bを押し下
げて、マグネット18とヨーク20との磁気作用に抗して、ターンテーブル4をクランパ
15から強制的に離間させるようになっており、その強制的離間により、カムピン11b
が一気に落下dしてカム溝11aの下面11Bに衝突し(図11仮想線参照)、異音が発
生してユーザーに不快感を与える。
【0011】
本発明は、上記従来の欠点に鑑み、チャッキングオン・オフ時に不快な異音が発生しな
いようにしたディスク装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ディスク載置用トレイがローダー
シャーシに前後進可能に支持され、光ピックアップ及びターンテーブルを搭載したトラバ
ースシャーシの後部がローダーシャーシに上下動可能に連結され、該トラバースシャーシ
の前部にカム機構を介して連結したカムスライダがローダーシャーシにスライド可能に配
置され、前記ローダーシャーシの両側板間に架設したホルダに前記ターンテーブルと同心
状のホルダ孔が貫設され、該ホルダ孔に昇降可能に嵌入する円筒状クランパ本体と該クラ
ンパ本体の上端に一体形成した上鍔部とを有する合成樹脂製クランパが設けられ、該クラ
ンパとターンテーブルとのうち、その一方にマグネットが設けられると共に、その他方に
ヨークが設けられており、チャッキングオン時に、カムスライダを一方向にスライドさせ
ることによりカム機構を介してトラバースシャーシを上動させ、ターンテーブルの中央突
起部をトレイ上のディスクの中心孔に嵌入させ該ターンテーブルによりディスクを持ち上
げてクランパとでチャッキングし、そのターンテーブルによりディスクを高速回転させ、
該ディスクに記録されている情報を光ピックアップにより読み取り、チャッキングオフ時
に、カムスライダを他方向にスライドさせることによりカム機構を介してトラバースシャ
ーシを下動させ、ターンテーブルをクランパから離間させるようにしたディスク装置にお
いて、前記クランパ本体の周方向所定間隔をおいた複数箇所に一対のスリットがそれぞれ
形成されることにより、該各箇所のスリット間に弾性変位可能な弾性片が切り残され、該
各弾性片の下端部外周面に外向きに突出するストッパが一体突設されており、該各ストッ
パを内側に押し込んでクランパ本体をホルダ孔に嵌入させた状態でその各ストッパがホル
ダの下面に対向され、前記各弾性片の上端部外周面に上向き外広がり状に傾斜する傾斜状
ガイド面が形成されると共に、該各弾性片の下端部内周面に内向きに突出するプッシャが
一体突設されており、チャッキングオフ時に各傾斜状ガイド面をホルダ孔に接触させて各
弾性片を内側に弾性変位させることにより、各プッシャをターンテーブルの中央突起部に
押し付けて該ターンテーブルをクランパから離間させ、そのチャッキングオフ状態で前記
各傾斜状ガイド面をホルダ孔に接触させることにより、該クランパの軸心がターンテーブ
ルの軸心と同心状に位置決めされていることを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載の発明は、ディスク載置用トレイがローダーシャーシに前後進可能に支
持され、光ピックアップ及びターンテーブルを搭載したトラバースシャーシの後部がロー
ダーシャーシに上下動可能に連結され、該トラバースシャーシの前部にカム機構を介して
連結したカムスライダがローダーシャーシにスライド可能に配置され、前記ローダーシャ
ーシの両側板間に架設したホルダに前記ターンテーブルと同心状のホルダ孔が貫設され、
該ホルダ孔に昇降可能に嵌入する円筒状クランパ本体と該クランパ本体の上端に一体形成
した上鍔部とを有する合成樹脂製クランパが設けられ、該クランパとターンテーブルとの
うち、その一方にマグネットが設けられると共に、その他方にヨークが設けられており、
チャッキングオン時に、カムスライダを一方向にスライドさせることによりカム機構を介
してトラバースシャーシを上動させ、ターンテーブルの中央突起部をトレイ上のディスク
の中心孔に嵌入させ該ターンテーブルによりディスクを持ち上げてクランパとでチャッキ
ングし、そのターンテーブルによりディスクを高速回転させ、該ディスクに記録されてい
る情報を光ピックアップにより読み取り、チャッキングオフ時に、カムスライダを他方向
にスライドさせることによりカム機構を介してトラバースシャーシを下動させ、ターンテ
ーブルをクランパから離間させるようにしたディスク装置において、前記クランパ本体の
上端部外周面に上向き外広がり状に傾斜する傾斜状ガイド面が形成されており、チャッキ
ングオフ状態で、前記傾斜状ガイド面をホルダ孔に接触させることにより、該クランパの
軸心がターンテーブルの軸心と同心状に位置決めされていることを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記クランパ本体の周方向
所定間隔をおいた複数箇所に一対のスリットがそれぞれ形成されることにより、該各箇所
のスリット間に弾性変位可能な弾性片が切り残され、該各弾性片の上端部外周面に上向き
外広がり状に傾斜する傾斜状ガイド面が形成されると共に、該各弾性片の下端部内周面に
内向きに突出するプッシャが一体突設されており、チャッキングオフ時に傾斜状ガイド面
をホルダ孔に接触させて各弾性片を内側に弾性変位させることにより、各プッシャをター
ンテーブルの中央突起部に押し付けて該ターンテーブルをクランパから離間させるように
したことを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の発明において、前記各弾性片の下
端部外周面に外向きに突出するストッパが一体突設されており、該各ストッパを内側に押
し込んでクランパ本体をホルダ孔に嵌入させた状態で、その各ストッパがホルダの下面に
対向されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明は実施の一形態(図1〜図5参照)に対応するものであって、こ
れによれば、チャッキングオフ状態で、クランパ本体の傾斜状ガイド面をホルダ孔に接触
させることにより、クランパの軸心がターンテーブルの軸心と同心状に位置決めされてい
るため、チャッキングオン時に、ターンテーブル上にディスクが載置されていない状態で
も、該ターンテーブルによりクランパを真っ直ぐに持ち上げることができる。このため、
クランパが従来のように横滑りして不快な異音を発生させることがなく、チャッキング動
作を静かに行うことができる。
【0017】
また、チャッキングオフ時に、カム機構によりトラバースシャーシを下動させてターン
テーブルをクランパから離間させる際に、各弾性片の傾斜状ガイド面をホルダ孔に接触さ
せて、該各弾性片を内側に弾性変位させて、その各弾性片のプッシャをターンテーブルの
中央突起部に押し付けて該ターンテーブルをクランパから離間させるようになっており、
その各プッシャとカム機構との共同作用で、マグネットとヨークとの磁気作用に抗して、
ターンテーブルをクランパから円滑且つ静かに離間させることができ、従来のカム機構だ
けで離間させる場合のように不快な異音を発生させることがない。
【0018】
更に、ストッパがクランパの各弾性片の下端部外周面に一体突設されており、従来のよ
うにストッパをクランパとは別体とする場合に比べて、その部品点数が半減されているか
ら、その半減させた分だけ製作費を安くすることができる。
【0019】
請求項2に記載の発明は基本形態に対応するものであって、これによれば、チャッキン
グオフ状態で、クランパ本体の傾斜状ガイド面をホルダ孔に接触させることにより、クラ
ンパの軸心がターンテーブルの軸心と同心状に位置決めされているため、チャッキングオ
ン時に、ターンテーブル上にディスクが載置されていない状態でも、該ターンテーブルに
よりクランパを真っ直ぐに持ち上げることができる。このため、クランパが従来のように
横滑りして不快な異音を発生させることがなく、チャッキング動作を静かに行うことがで
きる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、チャッキングオフ時に、カム機構によりトラバースシ
ャーシを下動させてターンテーブルをクランパから離間させる際に、各弾性片の傾斜状ガ
イド面をホルダ孔に接触させて、該各弾性片を内側に弾性変位させて、その各弾性片のプ
ッシャをターンテーブルの中央突起部に押し付けて該ターンテーブルをクランパから離間
させるようになっており、その各プッシャとカム機構との共同作用で、マグネットとヨー
クとの磁気作用に抗して、ターンテーブルをクランパから円滑且つ静かに離間させること
ができ、従来のカム機構だけで離間させる場合のように不快な異音を発生させることがな
い。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、ストッパがクランパの各弾性片の下端部外周面に一体
突設されており、従来のようにストッパをクランパとは別体とする場合に比べて、その部
品点数が半減されているから、その半減させた分だけ製作費を安くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1〜図5は本発明の実施の一形態であるディスク装置を示すものであり、これはDV
Dレコーダであって、図1は同チャッキングオン状態の要部の縦断面図、図2は図1のA
−A矢視図、図3は同要部の分解斜視図、図4(a)及び(b)は同チャッキングオン手
順を示す要部の縦断面図、図5(a)は同チャッキングオフ状態を示す要部の縦断面図、
図5(b)は同要部の拡大縦断面図である。
【0023】
図1〜図3に示すように、クランパ本体15aの周方向所定間隔をおいた複数箇所(こ
の実施の形態では3箇所)に一対のスリット23がそれぞれ形成されることにより、該各
箇所のスリット23間に弾性変位可能な弾性片24が切り残され、該各弾性片24の下端
部外周面に外向きに突出する略三角形状ストッパ16が一体突設されており、該各ストッ
パ16を内側に押し込んでクランパ本体15aをホルダ孔14aに嵌入させることにより
、その各ストッパ16の上面16c〔図5(b)参照〕がホルダ14の下面に対向されて
いる。
【0024】
上記構成によれば、ストッパ16がクランパ15の各弾性片24の下端部外周面に一体
突設されており、従来のようにストッパ16をクランパ15とは別体とする場合(図9参
照)に比べて、その部品点数が半減されているから、その半減させた分だけ製作費を安く
することができる。
【0025】
図1〜図5に示すように、各弾性片24の上端部24aを略く字状に折り曲げることに
より、その上端部外周面に上向き外広がり状に傾斜する傾斜状ガイド面26が形成されて
おり、図4(a)に示すチャッキングオフ状態で、傾斜状ガイド面26をホルダ孔14a
に接触させることにより、該クランパ15の軸心O2がターンテーブル4の軸心O1と同
心状に位置決めされている。従って、図4(b)に示すように、チャッキングオン時に、
ターンテーブル4上にディスクDが載置されていない状態でも、該ターンテーブル4によ
りクランパ15を真っ直ぐに持ち上げることができる。このため、クランパ15が従来の
ように横滑りして不快な異音を発生させることがなく〔図10(b)参照〕、チャッキン
グ動作を静かに行うことができる。
【0026】
図5(a)に示すように、各弾性片24の下端部内周面に、内向きに突出する略三角形
状プッシャ27が一体突設されており、チャッキングオフ時に、カム機構11によりトラ
バースシャーシ6を下動dさせてターンテーブル4を下降させることにより、クランパ1
5の各傾斜状ガイド面26をホルダ孔14aに接触させて各弾性片24を内側に弾性変位
させ〔図5(b)仮想線参照〕、これにより、各プッシャ27をターンテーブル4の中央
突起部4aのテーパ面21に押し付けて、その押付力Fでターンテーブル4を下向きに押
すようになっており、これによれば、各プッシャ27とカム機構11との共同作用で、マ
グネット18とヨーク20との磁気作用に抗して、ターンテーブル4をクランパ15から
円滑且つ静かに離間させることができ、従来のカム機構11だけで離間させる場合(図1
1参照)のように不快な異音を発生させることがない。
【0027】
図1及び図2において、29はクランパ15の天板部15cに一体突設した複数のフッ
クであって、マグネット18及びヨーク19を天板部15cに係止するものである。上記
以外の構成は図6〜図11に示す構成とほぼ同一であるから、同一部分に同一符号を付し
てその説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の一形態であるディスク装置におけるチャッキングオン状態の要部の縦断面図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】同要部の分解斜視図である。
【図4】(a)(b)は同チャッキングオン手順を示す要部の縦断面図である。
【図5】(a)は同チャッキングオフ状態の要部の縦断面図、(b)は同要部の拡大縦断面図である。
【図6】従来例を示す縦断面図である。
【図7】同チャッキングオン状態の横断面図である。
【図8】同チャッキングオフ状態の横断面図である。
【図9】同要部の縦断面図である。
【図10】(a)〜(c)は同チャッキングオン手順を示す要部の側面図である。
【図11】同他の要部の拡大側面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 トレイ
2 ローダーシャーシ
3 光ピックアップ
4 ターンテーブル
4a ターンテーブルの中央突起部
6 トラバースシャーシ
10 カムスライダ
11 カム機構
14 ホルダ
14a ホルダ孔
15 クランパ
16 ストッパ
18 マグネット
20 ヨーク
23 スリット
24 弾性片
26 傾斜状ガイド面
27 プッシャ
D ディスク
Da ディスクの中心孔
O1 ターンテーブルの軸心
O2 クランパの軸心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク載置用トレイがローダーシャーシに前後進可能に支持され、光ピックアップ及
びターンテーブルを搭載したトラバースシャーシの後部がローダーシャーシに上下動可能
に連結され、該トラバースシャーシの前部にカム機構を介して連結したカムスライダがロ
ーダーシャーシにスライド可能に配置され、前記ローダーシャーシの両側板間に架設した
ホルダに前記ターンテーブルと同心状のホルダ孔が貫設され、該ホルダ孔に昇降可能に嵌
入する円筒状クランパ本体と該クランパ本体の上端に一体形成した上鍔部とを有する合成
樹脂製クランパが設けられ、該クランパとターンテーブルとのうち、その一方にマグネッ
トが設けられると共に、その他方にヨークが設けられており、チャッキングオン時に、カ
ムスライダを一方向にスライドさせることによりカム機構を介してトラバースシャーシを
上動させ、ターンテーブルの中央突起部をトレイ上のディスクの中心孔に嵌入させ該ター
ンテーブルによりディスクを持ち上げてクランパとでチャッキングし、そのターンテーブ
ルによりディスクを高速回転させ、該ディスクに記録されている情報を光ピックアップに
より読み取り、チャッキングオフ時に、カムスライダを他方向にスライドさせることによ
りカム機構を介してトラバースシャーシを下動させ、ターンテーブルをクランパから離間
させるようにしたディスク装置において、前記クランパ本体の周方向所定間隔をおいた複
数箇所に一対のスリットがそれぞれ形成されることにより、該各箇所のスリット間に弾性
変位可能な弾性片が切り残され、該各弾性片の下端部外周面に外向きに突出するストッパ
が一体突設されており、該各ストッパを内側に押し込んでクランパ本体をホルダ孔に嵌入
させた状態でその各ストッパがホルダの下面に対向され、前記各弾性片の上端部外周面に
上向き外広がり状に傾斜する傾斜状ガイド面が形成されると共に、該各弾性片の下端部内
周面に内向きに突出するプッシャが一体突設されており、チャッキングオフ時に各傾斜状
ガイド面をホルダ孔に接触させて各弾性片を内側に弾性変位させることにより、各プッシ
ャをターンテーブルの中央突起部に押し付けて該ターンテーブルをクランパから離間させ
、そのチャッキングオフ状態で前記各傾斜状ガイド面をホルダ孔に接触させることにより
、該クランパの軸心がターンテーブルの軸心と同心状に位置決めされていることを特徴と
するディスク装置。
【請求項2】
ディスク載置用トレイがローダーシャーシに前後進可能に支持され、光ピックアップ及
びターンテーブルを搭載したトラバースシャーシの後部がローダーシャーシに上下動可能
に連結され、該トラバースシャーシの前部にカム機構を介して連結したカムスライダがロ
ーダーシャーシにスライド可能に配置され、前記ローダーシャーシの両側板間に架設した
ホルダに前記ターンテーブルと同心状のホルダ孔が貫設され、該ホルダ孔に昇降可能に嵌
入する円筒状クランパ本体と該クランパ本体の上端に一体形成した上鍔部とを有する合成
樹脂製クランパが設けられ、該クランパとターンテーブルとのうち、その一方にマグネッ
トが設けられると共に、その他方にヨークが設けられており、チャッキングオン時に、カ
ムスライダを一方向にスライドさせることによりカム機構を介してトラバースシャーシを
上動させ、ターンテーブルの中央突起部をトレイ上のディスクの中心孔に嵌入させ該ター
ンテーブルによりディスクを持ち上げてクランパとでチャッキングし、そのターンテーブ
ルによりディスクを高速回転させ、該ディスクに記録されている情報を光ピックアップに
より読み取り、チャッキングオフ時に、カムスライダを他方向にスライドさせることによ
りカム機構を介してトラバースシャーシを下動させ、ターンテーブルをクランパから離間
させるようにしたディスク装置において、前記クランパ本体の上端部外周面に上向き外広
がり状に傾斜する傾斜状ガイド面が形成されており、チャッキングオフ状態で、前記傾斜
状ガイド面をホルダ孔に接触させることにより、該クランパの軸心がターンテーブルの軸
心と同心状に位置決めされていることを特徴とするディスク装置。
【請求項3】
前記クランパ本体の周方向所定間隔をおいた複数箇所に一対のスリットがそれぞれ形成
されることにより、該各箇所のスリット間に弾性変位可能な弾性片が切り残され、該各弾
性片の上端部外周面に上向き外広がり状に傾斜する傾斜状ガイド面が形成されると共に、
該各弾性片の下端部内周面に内向きに突出するプッシャが一体突設されており、チャッキ
ングオフ時に傾斜状ガイド面をホルダ孔に接触させて各弾性片を内側に弾性変位させるこ
とにより、各プッシャをターンテーブルの中央突起部に押し付けて該ターンテーブルをク
ランパから離間させるようにしたことを特徴とする請求項2に記載のディスク装置。
【請求項4】
前記各弾性片の下端部外周面に外向きに突出するストッパが一体突設されており、該各
ストッパを内側に押し込んでクランパ本体をホルダ孔に嵌入させた状態で、その各ストッ
パがホルダの下面に対向されていることを特徴とする請求項2または3に記載のディスク
装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−176876(P2008−176876A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−10484(P2007−10484)
【出願日】平成19年1月19日(2007.1.19)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】