説明

ディスク装置

【課題】シャッタ構造を簡単にして部品点数を減らす。
【解決手段】シャッタ45は、連動部45a、折り曲げ部45b、閉鎖部45cを備える。連動部45aの右側端部には、連結孔45dが形成されている。閉鎖部45cには、カム片45eが形成されている。カム片45eは、ベースパネル6のカム孔6cに嵌合される。連動レバー46のカムピン46bは、ディスク搬送機構36を構成するローディングスライダ37のカム溝37bに嵌合する。連動レバー46の先端部46cは、シャッタ45の連結孔45dに挿入される。ディスクD1がチャッキングされると、ローディングスライダ37により、連動レバー46が回転する。連動レバー46が回転すると、シャッタ45が右方向にスライドする。シャッタ45は、右方向にスライドすると、カム孔6cに沿ってガイドされ、連結孔45dを中心にして閉じ位置に回転する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクの二重装填を防止するシャッタを備えたディスク装置に関するものである。
【0002】
コンピュータやカーナビ装置などの各種の情報機器には、多量の情報をストアすることができるディスク(例えば、CD、DVD、ブルーレイディスクなど)が、記録媒体として用いられる。このディスクは、ディスク装置に装填され、情報の記録と再生とが行われる。一般に、情報機器に内蔵されているディスク装置には、ディスクを収納したトレイを出し入れするトレイタイプと、スロットを通してディスクを出し入れするスロットインタイプとがある。このスロットインタイプのディスク装置では、ディスクをフロントベゼルのスロットに差し込むと、ディスク搬送機構(ディスクローディング機構)が自動的に作動してディスクの搬入(ローディング)が行われる。
【0003】
スロットインタイプのディスク装置は、トレイが不要であるから、小型かつ軽量であって、ノートパソコン等に広く用いられている。このディスク装置は、ディスクを高速回転させることで情報の記録/再生を行うものであるから、記録/再生中に別のディスクが差し込まれると、ディスクが破損したり、ディスク装置の内部機構が損傷を受けたりすることがある。
【0004】
ディスクの二重装填を防止するために、スロットを開閉するシャッタを設けたディスク装置が知られている(特許文献1参照)。この特許文献1のディスク装置は、シャッタをカム板に回転自在に取り付け、ディスクがローディングされていないときには、シャッタを開き位置に位置させ、スロットに挿入したディスクが、ローディング機構により記録/再生位置までローディングされると、シャッタを閉じ位置に回転させる。このディスク装置には、ローディング機構に連動して作動する連動レバーと、この連動レバーに連動してスライドするスライド部材が設けられている。このスライド部材の長孔には、シャッタのピンが挿入されている。記録/再生位置でディスクのチャッキング動作が開始されると、ローディング機構、連動レバーを介してスライド部材が移動する。そして、スライド部材が移動すると、シャッタは、ベースパネルのカム溝にガイドされ、ピンを中心に閉じ位置まで回転する。
【特許文献1】特開2007−293981号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、シャッタ及び連動レバーの他にスライド部材を設けることが必要であるため、シャッタ構造が複雑になるとともに部品点数が多くなり、コストが高くなるという問題があった。
【0006】
本発明は、シャッタ構造を簡単にして部品点数を減らすことができるディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のディスク装置は、ディスクが挿入されるスロットと、モータで駆動され、前記スロットを通して前記ディスクを本体ケース内に搬入し又は前記本体ケース外へ搬出するディスク搬送手段と、前記スロットの少なくとも一部を閉鎖して前記ディスクの挿入を阻止する閉じ位置と、前記スロットを開いて前記ディスクの挿入を許容する開き位置とに変位可能なシャッタと、一端が前記ディスク搬送手段に連結され、他端が前記シャッタに連結され、前記ディスク搬送手段に連動して、前記ディスクの搬入時には前記ディスクが前記スロットを通過した後に前記シャッタを前記スロットに沿った第1方向にスライドさせ、前記ディスクの搬出時には前記ディスクが前記スロットを通過する前に前記シャッタを前記第1方向とは逆向きの第2方向にスライドさせる連動レバーと、前記シャッタが前記第1方向にスライドするときに前記シャッタを前記閉じ位置まで回転させ、前記シャッタが前記第2方向にスライドするときに前記シャッタを前記開き位置まで回転させるように、前記シャッタと前記本体ケース内の固定部材との一方に設けられたカムと、他方に設けられ前記カムにガイドされる従動突起と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、前記シャッタは、一端には前記連動レバーの先端部が挿入される連結孔が設けられ、他端には前記閉じ位置に位置するときに前記スロットを閉鎖する閉鎖部が設けられ、前記カムは、前記連結孔を中心に前記シャッタを回転させることが好ましい。
【0009】
さらに、前記ディスク搬送手段は、前記モータによってスライドするローディングスライダと、前記ローディングスライダによって作動され、前記ディスクを保持して揺動する複数のアームとを備え、前記連動レバーの一端にはカムピンが設けられ、このカムピンが前記ローディングスライダに形成されたカム溝に嵌合していることが好ましい。
【0010】
また、前記固定部材は、前記本体ケース内に固定され、前記ディスク搬送手段が取り付けられたベースパネルであることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ディスク搬送手段に連動して、連動レバーがシャッタを第1方向または第2方向にスライドすると、カムと従動突起との組み合わせにより、シャッタを閉じ位置または開き位置に回転させるから、簡単な構成でディスク搬送手段に連動してスロットを開閉することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1において、ディスク装置1は、本体ケース2を備え、その前面にベゼル3が取り付けられている。このベゼル3には、直径12cmのディスクD1を挿入するスロット3aと、ディスクD1のイジェクトを指示するための押し釦4と、ディスク装置1の動作状態を表示するためのインジケータ5とが設けられている。ディスクD1は、チャッキングのための中心孔D1aが形成されている。
【0013】
本体ケース2には、天板9が取り付けられている。この天板9のほぼ中央には、ディスクD1のチャッキング時にチャッキングヘッド13(図2参照)が僅か入り込むための開口9aが形成されている。また、開口9aの周囲には、本体ケース2の内壁に突出部を形成するための凹部9bが設けられている。この本体ケース2の突出部は、チャッキングヘッド13がディスクD1の中心孔D1aに挿入するときに、ディスクD1を受け止める。
【0014】
図2及び図3において、本体ケース2を上下に仕切るように、ベースパネル6が固定されている。このベースパネル6には、中央から斜め方向に延びた開口6aが形成されている。この開口6a内には、昇降フレーム7が配置され、既知の緩衝支持構造8により複数箇所でベースパネル6に取り付けられている。ディスクD1を本体ケース2へ搬入または搬出するときに、昇降フレーム7は、フロントベゼル3側を支軸とし、装置中央に位置する先端部が上下方向に揺動する。また、昇降フレーム7には、中央から斜め方向に延びた開口7aが形成されている。
【0015】
昇降フレーム7の先端には、ドライブユニット10が取り付けられている。このドライブユニット10は、スピンドルモータ11、ターンテーブル12、チャッキングヘッド13を備えている。スピンドルモータ11は、昇降フレーム7の背面に固定され、その駆動軸にターンテーブル12が固定されている。チャッキングヘッド13は、ターンテーブル12と一体に形成されており、昇降フレーム7が上昇したときに、チャッキング位置にあるディスクD1の中心孔D1a(図1参照)に入り込む。チャッキングヘッド13には、バネで付勢された複数のチャッキング爪13aが設けられており、ディスクD1を着脱可能に係止する。チャッキング解除ピン14は、昇降フレーム7が下降するときに、ディスクD1を受け止めてチャッキングヘッド13から外す。
【0016】
また、昇降フレーム7にはヘッドユニット17が取り付けられている。このヘッドユニット17は、昇降フレーム7の開口7aから露出したキャリッジ18と、これに保持されたピックアップヘッド19とから構成されている。情報の記録/再生時には、キャリッジ18が開口7aに沿って移動する。
【0017】
ベースパネル6上には、ディスクD1の搬入及び搬出を行うためのディスク支持アーム20と、スロット3aから挿入されたディスクD1を本体ケース2内へ搬入するための誘引アーム21とが配置されている。このディスク支持アーム20は、ホルダ20aでディスクD1の前端部を保持し、軸22を中心にして揺動する。誘引アーム21は、フランジ付ローラ21aでディスクD1の後端部を保持し、軸23を中心にして揺動する。この誘引アーム21を揺動させるために、リンクレバー24が連結されている。このリンクレバー24は、ピン24aがカム溝25に沿って移動する。
【0018】
なお、図3には、ディスクD1がイジェクト位置にある場合、ディスクD1が自動搬入の開始位置にある場合、ディスクD1がチャッキング完了後の記録/再生位置にある場合がそれぞれ示されている。
【0019】
図4において、ピックアップヘッド19を保持したキャリッジ18は、ガイドシャフト27,28に支持されている。これらのガイドシャフト27,28は、その両端が昇降フレーム7の背面に固定されている。スレッドモータ29の回転は、ギアトレイン30を介して、スクリュシャフト31に伝達される。このスクリュシャフト31の回転により、キャリッジ18が前進/後退する。
【0020】
ベースパネル6の背面には、ローディングモータ34が配置され、このローディングモータ34の回転が、ギアトレイン35を介してディスク搬送機構36に伝達され、ディスクD1の搬入又は搬出が行われる。ディスク搬送機構36の主要部は、ローディングスライダ37、ディスク支持アーム20、誘引アーム21である。
【0021】
前記ローディングスライダ37は、端部に形成したラックギア37aがギアトレイン35の最終段のギアに噛合しており、ローディングモータ34の回転により、本体ケース2の側壁に沿って前進/後退する。ローディングスライダ37がベゼル3から離れる方向に移動(後退)するときに、ディスクD1が本体ケース2内に搬入され、前進するときに本体ケース2から搬出される。
【0022】
ローディングスライダ37は、ラックギア37aの横に、シャッタ45(図5参照)を開閉するためのカム溝37bと、リンクレバー24のピン24aを押すためのカム溝37cと、リンクレバー38を作動させるためのカム溝37dが形成されている。カム溝37cは横方向に延びており、ピン24aをローディングスライダ37の移動方向に押すことにより、ピン24aをカム溝25に沿って移動させる。
【0023】
リンクレバー38は、ピン38aがローディングスライダ37のカム溝37dに嵌合しており、ローディングスライダ37が移動するときに、軸39を中心にして回転する。このリンクレバー38は、リンクアーム40を介してベース部20bと連結されている。このベース部20bは、ベースパネル6の表面に配置されたディスク支持アーム20と、軸22で一体的に連結されている。ベース部20bの周囲に、スイッチ41が配置されており、ディスクD1の押し込みでディスク支持アーム20が回転されたときにONする。このスイッチ41からの信号で、制御回路(図示せず)はローディングモータ34を回転させ、ディスクD1の自動搬入を開始する。
【0024】
前記リンクアーム40は、第1アーム40aと、この第1アーム40aに対してスライド可能に連結された第2アーム40bと、これらのアーム40a,40bを最短状態に保つためのバネ40cとから構成されている。このスライド可能なリンクアーム40により、ディスクD1がユーザによって本体ケース2内に押し込まれている間、すなわち自動搬入が開始されるまで、リンクレバー38を作動させることなく、ディスク支持アーム20が揺動可能となる。
【0025】
図5及び図6に示すように、ベースパネル6は、曲げ加工された折り曲げ片6bを備える。この折り曲げ片6bには、カム孔6c、開口6d,6eが形成されている。また、ベースパネル6の上面には、バネ掛け部6fが形成されている。本実施形態では、カムとして、カム孔6cを用いているが、これはカム溝でもよい。
【0026】
シャッタ45は、折り曲げ片6bに沿って変位(スライド及び回転)可能に設けられている。このシャッタ45は、連動部45aと、折り曲げ部45bと、閉鎖部45cとを備え、平面から見てクランク状をしている。連動部45aの右側端部には、連結孔45dが形成されている。折り曲げ部45bは、開口6dに挿入され、連動部45aは折り曲げ片6bの後側に配され、閉鎖部45cは折り曲げ片6bの前側に配される。さらに、連動部45aは、本体ケース2の底面から起立したリブ2aと折り曲げ片6bとの間に挟まれ、倒れないようになっている。
【0027】
閉鎖部45cには、後方に突出するように曲げ加工されたカム片45eが形成されている。このカム片45eは、カム孔6cに嵌合され、シャッタ45が図5において右方向へスライドするときに、シャッタ45を回転させて、閉鎖部45cを上昇させる。閉鎖部45cの後面には、折り曲げ片6bの前面に当接する凸部45fが形成され、閉鎖部45cと折り曲げ片6bとの摺動面積を小さくすることで、シャッタ45の動きを円滑にする(図8参照)。
【0028】
連動レバー46は、ローディングスライダ37の動きをシャッタ45に伝達し、ディスクD1の搬入及び搬出に連動してシャッタ45を作動させる。この連動レバー46は、長孔46aが固定ピン47に嵌合している。また、連動レバー46は、後端部に設けられたカムピン46bがローディングスライダ37のカム溝37bに嵌合し、そして、先端部46cが連結孔45dに挿入されている。この先端部46cのうち、連結孔45dから突出した部分は、開口6eに挿入されている。
【0029】
連動レバー46は、その折り曲げ片46dにコイルバネ48の一端が掛けられ、通常は長孔46aの左端が固定ピン47に当たるように付勢されている。このコイルバネ48の他端は、バネ掛け部6fに掛けられている。なお、図6では、コイルバネ48の図示を省略している。また、シャッタ45が故障によりスライド不能な状態の場合に、ディスクD1が搬入されることがある。この場合には、ローディングスライダ37により連動レバー46が反時計方向に回転しようとするが、コイルバネ48に抗して長孔46aの右端が固定ピン47に接触する状態に変位する。したがって、無理な力が連動レバー46に作用することはないので、これを破損したりすることがない。また、ローディングモータ34が過負荷となり、ローディングモータ34を焼損するおそれもない。
【0030】
次に図7及び図8を参照して上記実施形態の作用について説明する。ディスクD1の挿入前には、図7(A)に示すように、シャッタ45は、閉鎖部45cがスロット3aよりも下方に位置する開き位置にセットされ、ディスクD1の挿入を可能にしている。
【0031】
図3及び図4に示すように、ディスクD1がベゼル3のスロット3aから挿入されると、ディスクD1の先端側がディスク支持アーム20のホルダ20aに支持される。このディスクD1の押込みに応じて、リンクアーム40を伸長しながらディスク支持アーム20がベース部20bとともに、軸22を中心にして図4において時計方向に回転する。
【0032】
ディスク支持アーム20が、更に押し込まれると、ベース部20bがスイッチ41をONにする。このスイッチ41の信号に基づいて、ローディングモータ34が回転を開始する。このローディングモータ34の回転は、ギアトレイン35を介してローディングスライダ37に伝達される。ローディングスライダ37は、ベゼル3から離れる方向(後退方向)に移動する。
【0033】
ローディングスライダ37が後退すると、カム溝37cによってリンクレバー24のピン24aが押されるため、このピン24aがカム溝25に沿って移動する。これにより、リンクレバー24が移動するため、誘引アーム21が軸23を支点にして図3において時計方向に揺動する。この誘引アーム21は、その先端に取り付けたフランジ付ローラ21aがディスクD1の後端部を押す。
【0034】
また、ローディングスライダ37は、カム溝37dによってリンクレバー38を図4において時計方向に回転する。このリンクレバー38の回転は、リンクアーム40を介してベース部20bに伝達され、ディスク支持アーム20を図4において時計方向に回転させる。これにより、ディスクD1は、ディスク支持アーム20と誘引アーム21とで保持されて、本体ケース2内に搬入される。
【0035】
ディスクD1が図3に示す記録/再生位置の直前のチャッキング位置に移動すると、ディスクD1の中心孔D1aがチャッキングヘッド13と一致する。次に、ローディングスライダ37に連動して昇降フレーム7が上昇し、チャッキングヘッド13がディスクD1の中心孔D1aに入り込み、チャッキング爪13aによってディスクD1がチャッキングされる。ディスクD1は、チャッキングヘッド13で押し上げられた際に、天板9の凹部9bにより形成された本体ケース2内壁の突出部で受け止められる。チャッキング後に、ディスクD1が天板9から離れるように、昇降フレーム7が僅かに下降する。
【0036】
チャッキング動作中は、ディスク支持アーム20と誘引アーム21とが停止しているが、チャッキングが完了すると、ローディングスライダ37の最後のストロークでディスクD1から離れてその保持を解除する。このディスク支持アーム20と誘引アーム21とがディスクD1の保持を解除するタイミングで、ローディングスライダ37がスイッチ(図示せず)をONにするから、ローディングモータ34が停止してディスクD1の搬入が終了する。
【0037】
前記ディスクD1の搬入に連動して、シャッタ45が作動する。すなわち、ディスクD1のチャッキングとほぼ同時に、ローディングスライダ37のカム溝37bによって、カムピン46bが押されるから、連動レバー46は、固定ピン47を中心にして、図8(A)に示す位置から、図8(B)に示す位置へ反時計方向に回転する。この連動レバー46の回転により、シャッタ45が右方向にスライドする。
【0038】
シャッタ45は、カム片45eがベースパネル6のカム孔6cに嵌合されているから、右方向にスライドすると、図7(B)に示すように、カム孔6cに沿ってガイドされ、連結孔45dを中心にして時計方向に回転する。そして、ディスクD1のチャッキング完了時に、シャッタ45は、図7(C)に示す閉じ位置に回転する。これにより、スロット3aの一部が閉鎖されるから、ディスクD1が本体ケース2内に装填しているときに、別のディスクが誤って装填されるのを防止する。なお、シャッタ45は、閉じ位置に位置するときに、スロット3aの左右方向のほぼ中心部を閉鎖する。
【0039】
シャッタ45は、連動部45aの右側端部に設けた連結孔45dを中心にして開き位置と閉じ位置との間で回転するから、回転中心から閉鎖部45cまでの距離を最大にすることができる。これにより、例えば、連動部45aの左右方向の中心部が回転中心となるものに比べて、開き位置から閉じ位置までの回転角度を小さくすることができるから、閉鎖部45cのサイズ(左右方向及び上下方向)を大きくすることができる。また、連動レバー46で直接シャッタ45を作動するから、連動レバーとシャッタとの間にスライド部材を設けた従来のディスク装置に比べて、ディスク装置1の前後方向を薄型化することができ、薄型化しながらも、シャッタ45によりスロット3aの開閉を確実に行うことができる。
【0040】
ディスクD1のチャッキングと、シャッタ45によるスロット3aの閉鎖が行われると、スピンドルモータ11が回転する。このスピンドルモータ11が回転すると、ターンテーブル12とチャッキングヘッド13とによって、ディスクD1が高速回転する。このディスクD1の高速回転中に、ピックアップヘッド19がディスクD1の半径方向に移動して、情報の記録又は再生が行われる。
【0041】
本体ケース2内に装填されたディスクD1を搬出する場合は、ベゼル3の押し釦4を操作するか、または情報機器からの指令がディスク装置1に送られる。ディスク装置1の制御回路(図示せず)は、まずスピンドルモータ11を停止させ、次にローディングモータ34を逆転させる。このローディングモータ34の逆転により、ローディングスライダ37がベゼル3に近づく方向(前進方向)に移動する。このローディングスライダ37の前進が開始されると、連動レバー46が時計方向に回転するから、図7(C)においてシャッタ45が左方向に移動する。そして、シャッタ45は、連結孔45dを中心にして反時計方向に回転し、図7(B)の状態を経由して、図7(A)に示す開き位置に戻る。
【0042】
また、ローディングスライダ37の前進が開始されると、ディスク支持アーム20と誘引アーム21とが少し揺動して、ディスクD1の外周を保持する。次に、昇降フレーム7が下降する。この下降中に、ディスクD1がチャッキング解除ピン14で受け止められるから、ディスクD1がチャッキングヘッド13から抜き出される。昇降フレーム7の下降後に、ディスク支持アーム20と誘引アーム21とが再び揺動をし、図4に示すイジェクト位置までディスクD1を搬出する。
【0043】
なお、上記実施形態では、ディスクD1のチャッキング完了とほぼ同時にシャッタ45の閉じ動作が開始されるが、ディスクD1の後端部がスロット3aを通過したときから、ディスクD1の搬入が完了するまでの間に、シャッタ45の閉じ動作を行えばよい。
【0044】
また、上記実施形態では、直径12cmのディスクD1専用のディスク装置に本発明を実施したが、直径8cmのディスク専用のディスク装置に実施してもよい。
【0045】
さらに、8cmディスクローディング用の機構を設けて、8cmディスクと12cmディスクとの兼用にしてもよい。この場合、スロット3aを閉鎖している状態でのシャッタ45の左右方向の幅は、12cmディスク装填時に、8cmディスクを誤って挿入しようとしたときに、スロット3aの左右方向のどの位置から挿入しようとしても、8cmディスクが12cmディスクに当たる前に必ずシャッタ45に当接するような長さに設定される。
【0046】
また、シャッタ45にカムを設け、ベースパネル6に従動突起を設けてもよい。さらに、ベゼル3の後面に、シャッタ45のカム片45eをガイドするカム溝を形成してもよい。
【0047】
また、連動部45aに折り曲げ片を設け、この折り曲げ片を連動レバー46の先端に設けた連結孔に挿入することにより連結してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】ディスク装置の外観斜視図である。
【図2】ディスク装置の内部を示す斜視図である。
【図3】ディスク装置の内部を示す上面図である。
【図4】ディスク装置の内部を示す下面図である。
【図5】ベースパネル、シャッタ、連動レバー、ローディングスライダなどの構成を示す分解斜視図である。
【図6】シャッタをベースパネルに組み付けた状態を示す斜視図である。
【図7】シャッタの前面図であり、(A)は開き位置のときを、(B)は閉じている途中を、(C)は閉じ位置のときをそれぞれ示す。
【図8】連動レバー及びシャッタの動きを説明する図であり、(A)は動く前を、(B)は動き後をそれぞれ示す。
【符号の説明】
【0049】
1 ディスク装置
2 本体ケース
3a スロット
6 ベースパネル
6b 折り曲げ片
6c カム孔
20 ディスク支持アーム
21 誘引アーム
34 ローディングモータ
36 ディスク搬送機構
37 ローディングスライダ
37b カム溝
45 シャッタ
45a 連動部
45b 折り曲げ部
45c 閉鎖部
45d 連結孔
45e カム片
46 連動レバー
46c 先端部
D1 ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクが挿入されるスロットと、
モータで駆動され、前記スロットを通して前記ディスクを本体ケース内に搬入し又は前記本体ケース外へ搬出するディスク搬送手段と、
前記スロットの少なくとも一部を閉鎖して前記ディスクの挿入を阻止する閉じ位置と、前記スロットを開いて前記ディスクの挿入を許容する開き位置とに変位可能なシャッタと、
一端が前記ディスク搬送手段に連結され、他端が前記シャッタに連結され、前記ディスク搬送手段に連動して、前記ディスクの搬入時には前記ディスクが前記スロットを通過した後に前記シャッタを前記スロットに沿った第1方向にスライドさせ、前記ディスクの搬出時には前記ディスクが前記スロットを通過する前に前記シャッタを前記第1方向とは逆向きの第2方向にスライドさせる連動レバーと、
前記シャッタが前記第1方向にスライドするときに前記シャッタを前記閉じ位置まで回転させ、前記シャッタが前記第2方向にスライドするときに前記シャッタを前記開き位置まで回転させるように、前記シャッタと前記本体ケース内の固定部材との一方に設けられたカムと、他方に設けられ前記カムにガイドされる従動突起と、
を備えることを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
前記シャッタは、一端には前記連動レバーの先端部が挿入される連結孔が設けられ、他端には前記閉じ位置に位置するときに前記スロットを閉鎖する閉鎖部が設けられ、
前記カムは、前記連結孔を中心に前記シャッタを回転させることを特徴とする請求項1記載のディスク装置。
【請求項3】
前記ディスク搬送手段は、前記モータによってスライドするローディングスライダと、前記ローディングスライダによって作動され、前記ディスクを保持して揺動する複数のアームとを備え、
前記連動レバーの一端にはカムピンが設けられ、このカムピンが前記ローディングスライダに形成されたカム溝に嵌合していることを特徴とする請求項1または2記載のディスク装置。
【請求項4】
前記固定部材は、前記本体ケース内に固定され、前記ディスク搬送手段が取り付けられたベースパネルであることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1つ記載のディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−266314(P2009−266314A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−115485(P2008−115485)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000003676)ティアック株式会社 (339)
【Fターム(参考)】