ディスプレイにおいて色を操作するための方法及び装置
【課題】ディスプレイにおいて色を操作するための方法及び装置。
【解決手段】ディスプレイにおいて色を操作するための方法及び装置が開示される。1つの実施形態では、ディスプレイは、白色光を生成するスペクトル応答を有するように形成された光干渉ディスプレイ素子を具備する。1つの実施形態では、生成された白色光は、標準化された白色点によって特徴付けられる。
【解決手段】ディスプレイにおいて色を操作するための方法及び装置が開示される。1つの実施形態では、ディスプレイは、白色光を生成するスペクトル応答を有するように形成された光干渉ディスプレイ素子を具備する。1つの実施形態では、生成された白色光は、標準化された白色点によって特徴付けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、微小電気機械システム(microelectromechanical systems)(MEMS)に関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)は、微小機械素子、アクチュエータ、及び電子機器を含む。微小機械素子は、堆積、エッチング、及び、あるいは、電気装置及び電気機械装置を形成するために基板及び/又は堆積された材料層の一部分をエッチングして取り除く、若しくは複数の層を付加する、その他のマイクロマシニング・プロセスを使用して創り出されることができる。MEMS装置の1つのタイプは、光干渉変調器と呼ばれる。光干渉変調器は、1対の導電性プレートを具備し、その一方又は両方が、全体あるいは一部分が透明である及び/又は反射でき、そして適切な電子信号の印加により相対的動きが可能である。一方のプレートは、基板上に堆積された静止層を具備し、他方のプレートは、エアー・ギャップにより静止層から分離された金属膜を具備することができる。そのような装置は、広範囲のアプリケーションを有し、これらのタイプの装置の特性を利用すること及び/又は変形することは、この技術において有益であり、その結果、自身の特徴は、既存の製品を改善することに活用されることができ、かつ未だ開発されていない新たな製品を創り出すことに活用されることができる。
【発明の開示】
【0003】
[サマリー]
本発明のシステム、方法、及び装置は、それぞれ複数の態様を有し、そのいずれもが、その好ましい特性に単独で寄与するのではない。本発明の範囲を制限することなく、自身のより卓越した特徴が、ここに簡潔に説明される。本明細書を熟考した後で、特に“好ましい実施形態の詳細な説明”と題した項を読んだ後で、本発明の特徴が、その他のディスプレイ装置に対する利点をどのようにして提供するかを、理解するであろう。
【0004】
本発明の1実施形態は、ディスプレイ装置を具備する。本ディスプレイ装置は、その上に入射する緑色光を選択的に反射するために構成された少なくとも1つの光干渉変調器を含む。本ディスプレイ装置は、さらに、少なくとも1つの光干渉変調器と関係し、白色光で照明された時に、マゼンタ光に関係する可視波長を選択的に透過ため、かつその他の可視波長を実質的にフィルタするために構成された少なくとも1つのフィルタを含む。
【0005】
他の1実施形態は、ディスプレイ装置を製作する方法である。本方法は、その上に入射する緑色光を選択的に反射するために構成された少なくとも1つの光干渉変調器を形成することを含む。本方法は、さらに、少なくとも1つの光干渉変調器により変調された光がフィルタによってフィルタされるように変調器に関係して設置されるフィルタを形成することを含む。フィルタは、白色光で照明された時に、マゼンタ光に関係する可視波長を選択的に透過し、かつその他の可視波長を実質的にフィルタする。
【0006】
他の1実施形態は、ディスプレイ装置である。本ディスプレイ装置は、シアン光を選択的に変調するために構成された少なくとも1つの第1のディスプレイ素子を含む。本ディスプレイ装置は、さらに、黄色光を選択的に変調するために構成された少なくとも1つの第2のディスプレイ素子を含む。少なくとも1つの第1のディスプレイ素子及び少なくとも1つの第2のディスプレイ素子の各々は、反射面及び部分反射面を具備する。
【0007】
他の1実施形態は、ディスプレイ装置を製作する方法である。本方法は、その上に入射するシアン光を選択的に反射するために構成された少なくとも1つの第1の光干渉変調器を形成することを含む。本方法は、しかも、少なくとも1つの第1の光干渉変調器に近接して少なくとも1つの第2の光干渉変調器を形成することを含む。少なくとも1つの第2の変調器は、その上に入射する黄色光を選択的に反射するために構成される。
【0008】
他の1実施形態は、ディスプレイ装置である。本ディスプレイ装置は、光を変調するための手段及びフィルタするための手段を含む。変調手段は、干渉を利用して緑色光を選択的に反射する。フィルタ手段は、白色光で照明された時に、マゼンタ光に関係する可視波長を選択的に透過し、かつその他の可視波長を実質的にフィルタする。
【0009】
他の1実施形態もまた、ディスプレイ装置である。本ディスプレイ装置は、シアン光を選択的に変調するための手段及び黄色光を選択的に変調するための手段を含む。シアン光変調手段及び黄色光変調手段は、光を反射するための第1の手段及び部分的に光を反射するための第2の手段をそれぞれ具備する。
【0010】
他の1実施形態は、光を変調する方法を含む。本方法は、緑色光を干渉方式で変調すること、及び白色光を出力するために白色光で照明された時に、マゼンタ光を出力するフィルタを用いて緑色光をフィルタすることを含む。
【0011】
他の1実施形態もまた、光を変調する方法を含む。本方法は、シアン光を干渉方式で変調すること、及び黄色光を干渉方式で変調することを含む。シアン及び黄色光は、白色光を生成するために結合する。
【0012】
[好ましい実施形態の詳細な説明]
様々な実施形態は、選択されたスペクトル特性を有する白色光を生成するために形成された光干渉ディスプレイ素子を具備するディスプレイを含む。1つの実施形態は、シアン及び黄色光を反射するために構成された光干渉変調器を使用して白色光を生成するディスプレイを含む。他の1つの実施形態は、マゼンタ光を選択的に透過するカラー・フィルタを透過した緑色光を反射する光干渉変調器を使用して白色光を生成するディスプレイを含む。複数の実施形態は、しかも、標準化された白色点により特徴付けられる白色光を反射するディスプレイも含む。そのようなディスプレイの白色点は、ディスプレイを照明している光の白色点とは異なることがある。
【0013】
下記の詳細な説明は、本発明のある特定の実施形態に向けられる。しかしながら、発明は、多数の異なる方法で具体化されることができる。この明細書では、参照符合が、図面に与えられ、全体を通して同様の部分が類似の数字を用いて表される。下記の説明から明らかになるように、本発明は、動画(例えば、ビデオ)であるか固定画面(例えば、静止画)であるかに拘わらず、及びテキストであるか画像であるかに拘わらず、画像を表示するために構成された任意の装置において実行されることができる。より詳しくは、本発明が種々の電子装置で実行される又は電子装置に関連付けられることができることが、予想される。電子装置は、携帯電話機、無線装置、パーソナル・データ・アシスタンツ(PDAs)、ハンド−ヘルド又は携帯型コンピュータ、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム・コンソール、腕時計、時計、計算機、テレビ・モニタ、フラット・パネル・ディスプレイ、コンピュータ・モニタ、自動車ディスプレイ(例えば、走行距離計ディスプレイ、等)、コクピット制御装置及び/又はディスプレイ、カメラ視野のディスプレイ(例えば、自動車の後方監視カメラのディスプレイ)、電子写真、電子広告板又は標識、プロジェクタ、建築上の構造物、包装、及び芸術的な構造(例えば、宝飾品1個の画像のディスプレイ)のようなものであるが、これらに限定されない。ここに説明されたものに類似の構造のMEMS装置もまた、電子スイッチング装置のような、非−ディスプレイ・アプリケーションにおいて使用されこともできる。
【0014】
光干渉MEMSディスプレイ素子を具備する1つの光干渉変調器ディスプレイの実施形態が、図1に図示される。これらの装置において、画素は、明状態又は暗状態のいずれかである。明(“オン”又は“開(open)”)状態では、ディスプレイ素子は、入射可視光の大部分をユーザに反射する。暗(“オフ”又は“閉(close)”)状態にある場合は、ディスプレイ素子は、入射可視光をユーザにほとんど反射しない。実施形態に依存して、“オン”及び“オフ”状態の光反射率特性は、逆にされることがある。MEMS画素は、選択された色を主に反射するように構成されることができ、白黒に加えてカラー表示を可能にする。
【0015】
図1は、視覚ディスプレイの一連の画素中の2つの隣接する画素を図示する等測図であり、ここでは、各画素は、MEMS光干渉変調器を具備する。複数の実施形態では、光干渉変調器ディスプレイは、これらの光干渉変調器の行/列アレイを具備する。各光干渉変調器は、互いに可変であり制御可能な距離に位置する1対の反射層を含み、少なくとも1つの可変の大きさを有する共鳴光学的キャビティを形成する。1つの実施形態において、反射層の1つは、2つの位置の間を移動することができる。第1の位置では、ここではリリース状態(released state)と呼ぶ、可動層は、固定された部分反射層から比較的離れた距離に位置する。第2の位置では、可動層は、部分反射層により近くに隣接して位置する。2つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置に依存して、建設的に(constructively)又は相殺的に(destructively)干渉して、各画素に対して全体が反射状態又は非反射状態のいずれかを作る。
【0016】
図1に図示された画素アレイの部分は、2つの隣接する光干渉変調器12a及び12bを含む。左の光干渉変調器12aでは、可動かつ高反射層14aは、固定された部分反射層16aから所定の距離のリリースされた位置に図示される。右の光干渉変調器12bでは、可動高反射層14bは、固定された部分反射層16bに隣接するアクチュエートされた位置に図示される。
【0017】
固定層16a,16bは、電気的に導電性であり、部分的に透明であり、部分的に反射する、そして、例えば、透明基板20上にクロムとインジウム−スズ−酸化物のそれぞれの1つ又はそれより多くの層を堆積することにより製作されることができる。複数の層は、平行なストライプにパターニングされ、下記にさらに説明されるようにディスプレイ装置中の行電極を形成できる。可動層14a,14bは、支柱18の頂上に及び複数の支柱18の間に堆積された介在する犠牲材料上に堆積された(行電極16a,16bに直交する)1層又は複数の層の堆積された金属層の一連の平行なストライプとして形成されることができる。犠牲材料がエッチされて除去される時に、変形可能な金属層は、決められたエアー・ギャップ19だけ固定金属層から分離される。アルミニウムのような非常に電導性があり反射する材料が、変形可能層として使用されることができ、そして、これらのストライプは、ディスプレイ装置において列電極を形成できる。
【0018】
印加電圧がないと、キャビティ19は、2つの層14a,16aの間にそのまま残り、変形可能層は、図1の画素12aに図示されたように機械的にリラックス(relax)した状態である。しかしながら、電位差が選択された行及び列に印加されると、対応する画素において行及び列電極の交差点に形成されたキャパシタは、充電され、静電力が電極を互いに引きつける。電圧が十分に高ければ、可動層は、変形され、図1に右の画素12bにより図示されたように、固定層に対して押し付けられる(この図に図示されていない誘電材料が、固定層上に堆積されることがあり、短絡することを防止し、分離距離を制御できる)。この動きは、印加される電位差の極性に拘わらず同じである。このようにして、反射対非反射画素状態を制御できる行/列アクチュエーションは、従来のLCD及びその他のディスプレイ技術において使用される多くの方法に類似している。
【0019】
図2から図5Bは、ディスプレイ・アプリケーションにおいて光干渉変調器のアレイを使用するための1つの具体例としてのプロセス及びシステムを説明する。図2は、本発明の態様を組み込むことができる電子装置の1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。具体例の実施形態において、電子装置は、プロセッサ21を含む。そのプロセッサ21は、いずれかの汎用のシングル・チップ又はマルチ・チップ・マイクロプロセッサ、例えば、ARM,ペンティアム(登録商標)、ペンティアムII(登録商標)、ペンティアムIII(登録商標)、ペンティアムIV(登録商標)、ペンティアム(登録商標)プロ、8051、MIPS(登録商標)、パワーPC(登録商標)、ALPHA(登録商標)、若しくはディジタル・シグナル・プロセッサ、マイクロコントローラ、又はプログラム可能なゲート・アレイのようないずれかの特殊用途マイクロプロセッサ、であることができる。本技術において通常であるように、プロセッサ21は、1又はそれより多くのソフトウェア・モジュールを実行するように構成されることができる。オペレーティング・システムを実行することに加えて、プロセッサは、ウェブ・ブラウザ、電話アプリケーション、電子メール・プログラム、又はいずれかのその他のソフトウェア・アプリケーションを含む、1又はそれより多くのソフトウェア・アプリケーションを実行するように構成されることができる。
【0020】
1つの実施形態では、プロセッサ21は、しかも、アレイ・コントローラ22と通信するように構成される。1つの実施形態では、アレイ・コントローラ22は、画素アレイ30に信号を供給する行ドライバ回路24及び列ドライバ回路26を含む。図1に図示されたアレイの断面は、図2に線1−1により示される。MEMS光干渉変調器に関して、行/列アクチュエーション・プロトコルは、図3に図示されたこれらの装置のヒステリシス特性を利用することができる。これは、例えば、可動層をリリースされた状態からアクチュエートされた状態へ変形させるために10ボルトの電位差を必要とすることがある。しかしながら、電圧がその値から減少される時に、10ボルトより下に電圧が降下して戻るとしても、可動層はその状態を維持する。図3の具体例の実施形態では、可動層は、電圧が2ボルトより下に降下するまで完全にはリリースされない。そのようにして、図3に説明された例では、約3から7Vの電圧の範囲があり、そこでは、その範囲内で装置がリリースされた状態又はアクチュエートされた状態のいずれかで安定である、印加電圧のウィンドウが存在する。これは、ここでは“ヒステリシス・ウィンドウ”又は“安定ウィンドウ”として呼ばれる。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイ・アレイに関して、行/列アクチュエーション・プロトコルは、行ストロービング(strobing)の期間に、アクチュエートされるべきストローブされた行の画素は、約10ボルトの電圧差を受け、そしてリリースされるべき画素は、零ボルトに近い電圧差を受ける。ストローブの後で、画素は、約5ボルトの定常状態電圧差受け、その結果、画素は、行ストローブが画素をどんな状態に置いたとしてもそこに留まる。書き込まれた後で、各画素は、電位差がこの例では3−7ボルトの“安定ウィンドウ”の範囲内であると判断する。この特徴は、アクチュエートされた又はリリースされた既存の状態のいずれかにおいて同じ印加電圧条件の下で、図1に説明された画素設計を安定にさせる。アクチュエートされた状態又はリリースされた状態であるかに拘わらず、光干渉変調器の各画素が、基本的に固定反射層と移動反射層とにより形成されたキャパシタであるので、この安定状態は、ほとんど電力消費なしにヒステリシス・ウィンドウの範囲内の電圧で保持されることができる。印加された電位が一定であるならば、基本的に電流は、画素に流れ込まない。
【0021】
代表的なアプリケーションでは、ディスプレイ・フレームは、第1行中のアクチュエートされた画素の所望のセットにしたがって列電極のセットを明示すること(asserting)によって創り出される。行パルスは、それから行1の電極に印加されて、明示された列ラインに対応する画素をアクチュエートする。列電極の明示されたセットは、その後、第2行中のアクチュエートされた画素の所望のセットに対応するように変更される。パルスは、それから、行2の電極に印加されて、明示された列電極にしたがって行2中の適切な画素をアクチュエートする。行1画素は、行2パルスに影響されず、行1画素は、行1パルスの間に設定された状態に留まる。これは、連続した方式で一連の行全体に対して繰り返され、フレームを生成する。一般に、フレームは、1秒当たり所望のフレームの数でこのプロセスを連続的に繰り返すことにより、新たなディスプレイ・データでリフレッシュされる及び/又は更新される。ディスプレイ・フレームを生成するために画素アレイの行及び列電極を駆動するための広範なプロトコルもまた、周知であり、本発明とともに使用されることができる。
【0022】
図4、図5A及び図5Bは、図2の3×3アレイ上でディスプレイ・フレームを創り出すための1つの可能性のあるアクチュエーション・プロトコルを説明する。図4は、画素が図3のヒステリシス曲線を表すために使用されることがある、列及び行電圧レベルの可能性のあるセットを説明する。図4の実施形態では、画素をアクチュエートすることは、適切な列を−Vbiasに、そして適切な行を+ΔVに設定することを含む。これは、それぞれ−5V及び+5Vに対応することができる。画素をリリースさせることは、適切な列を+Vbiasに、そして適切な行を同じ+ΔVに設定することにより達成され、画素を横切る零ボルトの電位差を生成する。行電圧が零ボルトに保持されるこれらの行では、列が+Vbias又は−Vbiasであるかに拘らず、画素が元々あった状態がどうであろうとも、画素は、その状態で安定である。
【0023】
図5Bは、そこではアクチュエートされた画素が反射しない図5Aに説明されたディスプレイ配置に結果としてなる、図2の3×3アレイに印加される一連の行及び列信号を示すタイミング図である。図5Aに図示されたフレームを書き込むことに先立って、画素は、任意の状態であることができ、そしてこの例では、全ての行が0ボルトであり、全ての列が+5ボルトである。これらの印加電圧で、全ての画素は、自身の現在のアクチュエートされた状態又はリリースされた状態で安定である。
【0024】
図5Aのフレームでは、画素(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)及び(3,3)がアクチュエートされている。これを実現するために、行1に対する“ライン時間”の期間に、列1及び2は、−5ボルトに設定され、そして列3は、+5ボルトに設定される。全ての画素が3−7ボルトの安定ウィンドウの中に留まるため、これは、どの画素の状態も変化させない。行1は、その後、0から5ボルトまで上がり、零に戻るパルスでストローブされる。これは、(1,1)及び(1,2)画素をアクチュエートし、(1,3)画素をリリースする。アレイ中のその他の画素は、影響されない。望まれるように行2を設定するために、列2は、−5ボルトに設定され、そして列1及び3は、+5ボルトに設定される。行2に印加された同じストローブは、その後、画素(2,2)をアクチュエートし、画素(2,1)及び(2,3)をリリースする。再び、アレイのその他の画素は、影響されない。行3は、列2及び3を−5ボルトに、そして列1を+5ボルトに設定することより同様に設定される。行3ストローブは、図5Aに示されたように行3画素を設定する。フレームを書き込んだ後、行電位は零に、そして列電位は+5又は−5ボルトのいずれかに留まることができ、ディスプレイは、その後、図5Aの配置で安定である。同じ手順が数十から数百の行及び列のアレイに対して採用されることができることが、歓迎される。しかも、行及び列アクチュエーションを実行するために使用された電圧のタイミング、シーケンス、及びレベルが、上記に概要を示された一般的な原理の範囲内で広範囲に変化されることができ、そして、上記の例は、具体な例だけであり、任意のアクチュエーション電圧方法は、本発明とともに使用されることができる。
【0025】
上記に説明された原理にしたがって動作する光干渉変調器の構造の詳細は、広範に変化できる。例えば、図6A−図6Cは、移動鏡構造の3つの異なる実施形態を図示する。図6Aは、図1の実施形態の断面であり、そこでは金属材料14のストライプが、直角に延びている支柱18上に堆積される。図6Bでは、可動反射材料14は、連結部(tether)32上に、角だけで支柱に取り付けられる。図6Cでは、可動反射材料14は、変形可能層34から吊り下げられる。反射材料14に使用される構造設計及び材料が光学的特性に関して最適化されることができるため、及び変形可能層34に使用される構造設計及び材料が所望の機械的特性に関して最適化できるため、この実施形態は、利点を有する。その上、誘電体材料の層104は、固定層の上に形成される。種々のタイプの干渉装置の製造は、例えば、米国公開出願2004/0051929を含む、種々の公開された文書に記載されている。多種多様の周知の技術が、上記に説明された構造を製造するために使用されることができ、一連の材料堆積、パターニング、及びエッチング工程を含む。
【0026】
図1を参照して上に述べられたように、変調器12(すなわち、両方の変調器12aと12b)は、鏡14(すなわち、鏡14aと14b)及び16(それぞれ、鏡16aと16b)の間に形成された光学的キャビティを含む。光学的キャビティの特性距離、すなわち、実効光路長、d、は、光学的キャビティ及びしたがって光干渉変調器12の共鳴波長、λ、を決定する。光干渉変調器12のピーク共鳴可視波長、λ、は、一般に変調器12により反射された光の感知される色に対応する。数学的には、光路長dは、(1/2)Nλに等しい、ここで、Nは、整数である。所与の共鳴波長、λ、は、したがって、(1/2)λ(N=1),λ(N=2),(3/2)λ(N=3)、等の光路長dを有する光干渉変調器12により反射される。整数Nは、反射光の干渉の次数と呼ばれることがある。ここで使用されるように、変調器12の次数は、鏡14が少なくとも1つの位置にある時に、変調器12により反射される光の次数Nとも呼ばれる。例えば、1次の赤色光干渉変調器12は、約650nmの波長λに対応する、約325nmの光路長dを有することができる。したがって、2次の赤色光干渉変調器12は、約650nmの光路長dを有することができる。一般に、高次の変調器12は、例えば、より高い“Q”値を有する、より狭い範囲の波長にわたり光を反射し、そのようにして、より一層飽和している色彩の光を生成する。カラー・ピクセルを具備する変調器12の飽和は、色彩範囲及びディスプレイの白色点のようなディスプレイの特性に影響する。例えば、2次の変調器12を使用するディスプレイが、同じ全体的な光を反射する1次の変調器を含むディスプレイと同一の白色点又はカラー・バランスを有するようにするために、2次の変調器は、異なる中央ピーク光学的波長を有するように選択されることができる。
【0027】
図1に図示されたようなある実施形態では、光路長、d、は、鏡14と16との間の距離に実質的に等しいことに注意する。鏡14と16との間の間隔がほぼ1の屈折率を有する気体(例えば、空気)だけを具備する場合に、実効光路長は、鏡14と16との間の距離に実質的に等しい。図6Cに図示されたような、その他の実施形態は、誘電体材料の層104を含む。そのような誘電体材料は、一般に1より大きな屈折率を有する。そのような実施形態では、光学的キャビティは、鏡14と16との間の距離及び鏡14と16との間の誘電体層104の又はいずれかのその他の層の厚さ及び屈折率の両者を選択することにより、所望の光路長dを有するように形成される。例えば、図6Cに図示された実施形態では、そこでは光学的キャビティはエアー・ギャップに加えて誘電体の層104を含み、光路長dは、d1n1+d2n2に等しい、ここで、d1は、層1の厚さであり、n1は、層1の屈折率である。そして同様に、d2は、層2の厚さであり、n2は、層2の屈折率である。
【0028】
一般に、光干渉変調器12によって反射された光の色は、変調器12が異なる角度から見られる場合にシフトする。図7は、変調器12を通過する光路を説明する光干渉変調器12の横断面図である。光干渉変調器12から反射された光の色は、図7に図示されたように、軸AAに対する異なる入射(及び反射)角のために変化する。例えば、図7に示された光干渉変調器12に関して、光が軸から外れた経路A1に沿って進むので、光は、第1の角度で光干渉変調器に入射し、光干渉変調器から反射して、観察者に向けて進む。光干渉変調器12の中の1対の鏡の間の光学的干渉の結果として光が観察者に到達する時に、観察者は、第1の色を感知する。観察者が、自分の場所をそしてそれゆえ視野角を移動する又は変える場合に、観察者によって受け取られた光は、第2の異なる入射(及び反射)角に対応する軸から外れた別の経路A2に沿って進む。光干渉変調器12中の光学的干渉は、変調器内部で伝播する光の光路長、d、に依存する。異なる光路A1及びA2に対する異なる光路長は、それゆえ光干渉変調器12からの異なる出力を生み出す。視野角が増加すると、光干渉変調器の実効光路は、2d・cosβ=Nλの関係にしたがって減少する。ここで、βは、視野角(ディスプレイの法線と入射光との間の角度)である。視野角が増加すると、反射光のピーク共鳴波長は、減少する。したがって、ユーザは、自分の視野の角度に依存して異なる色を感知する。上に説明されたように、この現象は、“カラー・シフト”と呼ばれる。このカラー・シフトは、一般的に、軸AAに沿って見られた場合に光干渉変調器12によって生成される色を参照して認識される。
【0029】
光干渉変調器12を組み込んでいるディスプレイの設計における他の1つの考慮は、白色光の発生である。“白色”光は、一般に、特定の色を含まないように人間の目により感知される光を呼ぶ、すなわち、白色光は、色相と関係しない。一方で、黒は、色(又は光)がないことを呼び、白は、特定の色が感知されないそのような広いスペクトル範囲を含む光を呼ぶ。白色光は、ほぼ一様な強度の可視光の広いスペクトル範囲を有する光を呼ぶことができる。しかしながら、人間の目が赤、緑及び青色光のある波長に敏感であるために、白は、“白”として目によって感知される1又はそれより多くのスペクトル・ピークを有する光を生成するために、色のある光の強度を混合することによって創り出されることができる。その上、ディスプレイの色範囲は、装置が、例えば、赤、緑及び青色光を混合することによって繰り返し生成できる色の範囲である。
【0030】
白色点は、一般にディスプレイのニュートラル(灰色又は無色)であると考えられる色相である。ディスプレイ装置の白色点は、特定の温度の黒体により放出される(“黒体輻射”)光のスペクトル成分と装置によって生成される白色光の比較に基づいて特徴付けられることができる。黒体輻射体は、その物体上への全ての入射光を吸収し、黒体の温度に応じたスペクトルを有する光を再放出する理想物体である。例えば、6,500°Kの黒体スペクトルは、6,500°Kの色温度を有する白色光と呼ばれることができる。そのような色温度、すなわち、ほぼ5,000°−10,000°Kの白色点は、一般に昼色光として認識される。
【0031】
照明に関する国際機関(International Commission on Illumination)(CIE)は、光源の標準化された白色点を公表している。例えば、“d”の光源表示は、昼色光を呼ぶ。特に、標準白色点D55,D65,及びD75、これは5,500°K、6,500°K、及び7,500°Kの色温度に対応する、は、標準昼色光白色点である。
【0032】
ディスプレイ装置は、ディスプレイにより生成される白色光の白色点により特徴付けられることができる。その他の光源からの光を用いるように、ディスプレイの人間の感知は、ディスプレイからの白色光の感知によって少なくとも一部分は決定される。例えば、より低い白色点、例えば、D55、を有するディスプレイ又は光源は、観察者によって黄色の色調を有するように感知されることがある。より高い温度の白色点、例えば、D75,を有するディスプレイは、ユーザに“より冷たい”すなわち青い色調を有するように感知されることがある。ユーザは、一般に、より高い温度の白色点を有するディスプレイに対してより好ましく反応する。それゆえ、望まれるようにディスプレイの白色点を制御することは、ディスプレイに対する観察者の反応に対してある種の制御を提供する。光干渉変調器アレイ30の複数の実施形態は、白色点が1又はそれより多くの予想される照明の条件下で標準化された白色点に準拠するように選択される白色光を生成するように構成されることができる。
【0033】
白色光は、各画素に対して1又はそれより多くの光干渉変調器12を含ませることによって画素アレイ30により生成されることができる。例えば、1つの実施形態では、画素アレイ30は、赤、緑及び青の光干渉変調器12のグループの画素を含む。上に説明されたように、光干渉変調器12の色は、d=(1/2)Nλの関係を使用して光路長dを選択することによって選択されることができる。付け加えると、画素アレイ30中の各画素によって生成される色彩のバランス、すなわち、相対的な調和は、各光干渉変調器12、例えば、赤、緑及び青の光干渉変調器12、の相対的な反射面積によってさらに影響されることがある。さらに、変調器12が入射光を選択的に反射するために、光干渉変調器12の画素アレイ30からの反射光の白色点は、一般に、入射光のスペクトル特性に依存する。1つの実施形態では、反射光の白色点は、入射光の白色点とは異なるように形成されることがある。例えば、1つの実施形態では、画素アレイ30は、D65太陽光を使用する時にD75光を反射するように形成されることができる。
【0034】
1つの実施形態では、画素アレイ30の光干渉変調器12の距離d及び面積が、選択され、その結果、画素アレイ30によって生成された白色光は、予想される照明条件において、例えば、太陽光において、蛍光灯の光の下で、又は画素アレイ30を照明するために設置された表面光からの、固有の標準化された白色点に対応する。例えば、画素アレイ30の白色点は、特定の照明条件においてD55,D65,又はD75になるように選択されることができる。その上、画素アレイ30によって反射された光は、予想された又は構成された光源の光とは異なる白色点を有することがある。例えば、特定の画素アレイ30は、D65の太陽光の下で見られた時に、D75の光を反射するように構成されることができる。より一般的に、ディスプレイの白色点は、ディスプレイに形成された照明源、例えば、前面光、に対して、又は特定の観察条件に対して、選択されることができる。例えば、ディスプレイは、白熱光、蛍光、又は自然光源のような、予想される又は代表的な照明源の下で見られる時に、選択された白色点、例えば、D55,D65,又はD75、を有するように形成されることができる。より詳しくは、例えば、手持ち装置に使用されるディスプレイは、太陽光条件下で見られた場合に、選択された白色点を有するように形成されることができる。あるいは、事務所環境において使用されるディスプレイは、典型的な事務所蛍光灯により照明された場合に、選択された白色点、例えば、D75、を有するように形成されることができる。
【0035】
表1は、1つの実施形態の光路長を説明する。特に、表1は、実質的に等しい反射面積の変調器12を使用してD65及びD75白色光を生成する画素アレイ30の2つの具体例の実施形態における赤、緑及び青の光干渉変調器のエアー・ギャップを説明する。表1は、2層に形成された誘電体層、100nmのAl2O3及び400nmのSiO2、を仮定する。表1は、しかも、赤、緑及び青の光干渉変調器12の各々に対して実質的に同一の反射面積を仮定する。等価のエアー・ギャップ距離の範囲が、誘電体層の厚さ及び屈折率を変えることにより取得できることを、この分野における知識を有するものは、理解する。
【表1】
【0036】
その他の実施形態では、変調器12の異なる距離d及び面積が、異なる観察環境に対してその他の標準化された白色点の設定を生成するために選択されることができることが、理解される。さらに赤、緑及び青の変調器12は、反射された赤、緑及び青色光の相対的なバランス及びそれゆえ反射光の白色点をさらに変化させるように、異なる時間の長さにわたり反射状態であるように又は非反射状態であるように制御することも可能である。1つの実施形態では、各カラー変調器12の反射面積の比率は、異なる観察環境において白色点を制御するように選択されることができる。1つの実施形態では、光路長dは、共通の1より多くの複数の可視共鳴波長、例えば、1次、2次、又は3次の赤、緑、及び青のピークに対応するように選択されることができ、その結果、光干渉変調器12がそのスペクトル応答の中の3つの可視ピークによって特徴付けられる白色光を反射する。そのような実施形態では、光路長dは、生成された白色光が標準化された白色点に対応するように選択される。
【0037】
画素アレイ30中の赤、緑、及び青の光干渉変調器12のグループに加えて、その他の実施形態は、白色光を生成するその他の方法を含む。例えば、画素アレイ30の1つの実施形態は、シアン及び黄色の光干渉変調器12、すなわち、シアン及び黄色の光を生成するような、それぞれの分離距離dを有する光干渉変調器12、を含む。シアン及び黄色の光干渉変調器12の総合スペクトル応答は、“白”として感知される広いスペクトル応答を有する光を生成する。シアン及び黄色の変調器は、近接して配置され、その結果、観察者がそのような総合された応答を感知する。例えば、1つの実施形態では、シアン変調器及び黄色変調器は、画素アレイ30の隣接する行に配置される。他の1つの実施形態では、シアン変調器及び黄色変調器は、画素アレイ30の隣接する列に配置される。
【0038】
図8は、白色光を生成するためにシアン及び黄色の光干渉変調器12を含む1つの実施形態のスペクトル応答を説明するグラフである。横軸は、反射光の波長を表す。縦軸は、変調器12上に入射する光の相対反射率を表す。線80は、シアン変調器の応答を図示し、これは、スペクトルのシアン部分、例えば、青と緑との間、に中心のある単一のピークである。線82は、黄色変調器の応答を図示し、これは、スペクトルの黄色部分、例えば、赤と緑との間、に中心のある単一のピークである。線84は、1対のシアン及び黄色の変調器12の総合スペクトル応答を図示する。線84は、シアン及び黄色の波長に2つのピークを有するが、可視スペクトルにわたり十分に一様である、その結果、そのような変調器12からの反射光は、白色に感知される。
【0039】
1つの実施形態では、画素アレイ30は、1次の黄色光干渉変調器及び2次のシアン光干渉変調器を含む。そのような画素アレイ30がますます大きな軸から外れた角度から見られる場合に、1次の黄色変調器により反射された光は、スペクトルの青色端に向かってシフトする、例えば、ある角度に位置する変調器は、1次のシアンのdに等しい実効dを有する。同時に、2次のシアン変調器により反射された光は、1次の黄色変調器からの光に対応してシフトする。それゆえ、全体の総合スペクトル応答は、スペクトルの相対ピークがシフトするとしても、可視スペクトルにわたって広く、比較的一様である。そのような画素アレイ30は、それゆえ観察角の比較的大きな範囲にわたり白色光を生成する。
【0040】
1つの実施形態では、シアン及び黄色の変調器を有するディスプレイは、1又はそれより多くの観察条件下で選択された標準化された白色点を有する白色光を生成するために構成されることができる。例えば、シアン変調器及び黄色変調器のスペクトル応答は、反射光がD55,D65,D75の白色点を有するように、若しくは野外使用のために適したディスプレイに対する太陽光のようなD55,D65,又はD75光を含む選択された照明条件下でいずれかのその他の好適な白色点を有するように、選択されることができる。1つの実施形態では、変調器は、予想される又は選択された観察条件から入射光とは異なる白色点を有する光を反射するために形成されることができる。
【0041】
図9は、特定の色の光を選択的に透過するための材料の層102を有する光干渉変調器12の横断面図である。具体例の実施形態では、層102は、変調器12に対して基板20の反対面の上にある。1つの実施形態では、材料の層102は、マゼンタ・フィルタを具備し、それを通して緑色光干渉変調器12が観察される。1つの実施形態では、層102の材料は、着色された材料である。1つのそのような実施形態では、材料は、着色されたフォトレジスト材料である。1つの実施形態では、緑色光干渉変調器12は、1次の光干渉変調器である。フィルタ層102は、広く一様な白色光で照明された場合に、マゼンタ光を透過するように形成される。具体例の実施形態では、光は、その層からフィルタされた光が変調器12へ透過される層102上に入射される。変調器12は、層102を通してフィルタされた光を反射して戻す。そのような実施形態では、光は、層102を2回通過する。そのような実施形態では、層102の材料の厚さは、この2重フィルタリングを補償するため、及び利用するために選択されることができる。他の1つの実施形態では、前面光構造が、層102と変調器12との間に設置されることができる。そのような実施形態では、材料の層102は、変調器12により反射された光の上にだけ作用する。そのような実施形態では、層102は、それに合うように選択される。
【0042】
図10は、緑色光干渉変調器12及び“マゼンタ”フィルタを含む1つの実施形態のスペクトル応答を説明するグラフである。横軸は、反射光の波長を表す。縦軸は、緑色変調器12及びフィルタ層102上に入射する光の可視スペクトルにわたる相対スペクトル応答を表す。線110は、緑色変調器12の応答であり、これはスペクトルの緑色部分、例えば、可視スペクトルの中央付近、に中心のある単一のピークである。線112は、材料の層102により形成されたマゼンタ・フィルタの応答を図示する。線112は、中央のU字型の最小値の両側に2つの比較的平坦な部分を有する。線112は、そのように、実質的に全ての赤と青色光を選択的に透過し一方でスペクトルの緑色部分の光をフィルタする、マゼンタ・フィルタの応答を表す。線114は、緑色変調器12及びフィルタ層102の組み合わせの総合スペクトル応答を図示する。線114は、組み合わせのスペクトル応答がフィルタ層102による光のフィルタリングのために緑色変調器12より低い反射率レベルであることを図示する。しかしながら、スペクトル応答は、可視スペクトルにわたり比較的一様であり、その結果、緑色変調器12及びマゼンタ・フィルタからフィルタされ、反射された光が白として感知される。
【0043】
1つの実施形態では、マゼンタ・フィルタ層102を用いた緑色変調器12を有するディスプレイは、1又はそれより多くの観察条件下で選択された標準化された白色点を有する白色光を生成するために形成されることができる。例えば、緑色変調器12及びマゼンタ・フィルタ層102のスペクトル応答は、反射光が選択された照明条件下でD55,D65,D75の白色点、又は任意のその他の好適な白色点を有するように選択されることができる。その照明条件は、野外使用に適したディスプレイに対する太陽光のようなD55,D65,又はD75光を含む。1つの実施形態では、変調器12及びフィルタ層102は、期待された又は選択された観察条件から入射光とは異なる白色点を有する光を反射するように形成されることができる。
【0044】
図11A及び図11Bは、ディスプレイ装置2040の実施形態を説明するシステム・ブロック図である。ディスプレイ装置2040は、例えば、セルラ又は携帯電話機である可能性がある。しかしながら、ディスプレイ装置2040の同じ構成要素又はそのわずかな変形は、しかも、テレビ及び携帯型メディア・プレーヤのような種々のタイプのディスプレイ装置を説明する。
【0045】
ディスプレイ装置2040は、ハウジング2041、ディスプレイ2030、アンテナ2043、スピーカ2045、入力装置2048、及びマイクロフォン2046を含む。ハウジング2041は、一般に当業者に周知の各種の製造技術のいずれかから形成され、射出成型、及び真空形成を含む。その上、ハウジング2041は、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、及びセラミックス、又はこれらの組み合わせを含むが、これらには限定されない、いずれかの種々の材料から形成されることができる。1つの実施形態では、ハウジング2041は、取り外し可能な部分(図示されず)を含み、異なる色、若しくは異なるロゴ、絵柄、又はシンボルを含むその他の取り外し可能な部分と取り替えられることができる。
【0046】
具体例のディスプレイ装置2040のディスプレイ2030は、ここに説明されたように、双安定ディスプレイを含む、種々のディスプレイのいずれかであることができる。その他の実施形態では、当業者に周知であるように、ディスプレイ2030は、フラット−パネル・ディスプレイ、例えば、上記に説明されたような、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、又はTFT LCD、若しくは非フラット−パネル・ディスプレイ、例えば、CRT又はその他の真空管装置、を含む。しかしながら、本実施形態を説明する目的のために、ディスプレイ2030は、ここに説明されたように、光干渉変調器ディスプレイを含む。
【0047】
具体例のディスプレイ装置2040の1つの実施形態の構成要素が、図11Bに模式的に図示される。図示された具体例のディスプレイ装置2040は、ハウジング2041を含み、少なくとも部分的にその中に納められた増設の構成要素を含むことができる。例えば、1つの実施形態では、具体例のディスプレイ装置2040は、トランシーバ2047に接続されたアンテナ2043を含むネットワーク・インターフェース2027を含む。トランシーバ2047は、プロセッサ2021に接続され、プロセッサ2021は調整ハードウェア2052に接続される。調整ハードウェア2052は、信号を調整する(例えば、信号をフィルタする)ために構成されることができる。調整ハードウェア2052は、スピーカ2045及びマイクロフォン2046に接続される。プロセッサ2021は、しかも、入力装置2048及びドライバ・コントローラ2029に接続される。ドライバ・コントローラ2029は、フレーム・バッファ2028に接続され、そしてアレイ・ドライバ2022に接続される。アレイ・ドライバ2022は、順番にディスプレイ・アレイ2030に接続される。電源2050は、固有の具体例のディスプレイ装置2040設計によって必要とされるように全ての構成要素に電力を供給する。
【0048】
ネットワーク・インターフェース2027は、アンテナ2043及びトランシーバ2047を含み、その結果、具体例のディスプレイ装置2040は、ネットワークを介して1又はそれより多くの装置と通信できる。1つの実施形態では、ネットワーク・インターフェース2027は、しかも、プロセッサ2021の要求を軽減させるためにある種の処理能力をも持つことができる。アンテナ2043は、信号を送信し受信するために当業者に公知にいずれかのアンテナである。1つの実施形態では、アンテナは、IEEE802.11(a),(b),又は(g)を含む、IEEE802.11規格にしたがってRF信号を送信し、受信する。他の1つの実施形態では、アンテナは、ブルートゥース(BLUETOOTH)規格にしたがってRF信号を送信し、受信する。セルラ電話機の場合には、アンテナは、CDMA、GSM、AMPS又は無線セル電話ネットワークの内部で通信するために使用されるその他の公知の信号を受信するように設計される。トランシーバ2047は、アンテナ2043から受信された信号を事前処理し、その結果、信号が受信され、プロセッサ2021によってさらに操作されることができる。トランシーバ2047は、しかも、プロセッサ2021から受信された信号をも処理し、その結果、信号はアンテナ2043を介して具体例のディスプレイ装置2040から送信されることができる。
【0049】
代わりの実施形態では、トランシーバ2047は、受信機によって置き換えられることができる。しかも他の1つの代わりの実施形態では、ネットワーク・インターフェース2027は、画像ソースによって置き換えられることができる。画像ソースは、プロセッサ2021に送られるべき画像データを記憶できる、又は発生できる。例えば、画像ソースは、ディジタル・ビデオ・ディスク(digital video disc)(DVD)又は画像データを含むハード−ディスク・ドライブ、若しくは画像データを発生するソフトウェア・モジュールであることができる。
【0050】
プロセッサ2021は、一般に具体例のディスプレイ装置2040の総合的な動作を制御する。プロセッサ2021は、ネットワーク・インターフェース2027又は画像ソースから圧縮された画像データのような、データを受信し、そしてデータを生の画像データに、又は生の画像データに容易に処理されるフォーマットに処理する。プロセッサ2021は、その後、処理されたデータをドライバ・コントローラ2029へ、又は記憶のためにフレーム・バッファ2028へ送る。生のデータは、一般的に、画像の内部でのそれぞれの位置における画像特性を識別する情報を呼ぶ。例えば、そのような画像特性は、色彩、彩度、及びグレー・スケール・レベルを含むことができる。
【0051】
1つの実施形態では、プロセッサ2021は、マイクロコントローラ、CPU、又は論理ユニットを含み、具体例のディスプレイ装置2040の動作を制御する。調整ハードウェア2052は、一般に、スピーカ2045に信号を送信するために、そして、マイクロフォン2046から信号を受信するために、増幅器及びフィルタを含む。調整ハードウェア2052は、具体例のディスプレイ装置2040内部の独立した構成要素であることができる、若しくは、プロセッサ2021又はその他の構成要素の内部に組み込まれることができる。
【0052】
ドライバ・コントローラ2029は、プロセッサ2021により発生された生の画像データをプロセッサ2021から直接又はフレーム・バッファ2028からのいずれかで取得し、そしてアレイ・ドライバ2022への高速送信のために生の画像データを適切に再フォーマット化する。具体的には、ドライバ・コントローラ2029は、生の画像データをラスタ状のフォーマットを有するデータ・フローに再フォーマットする、その結果、データ・フローは、ディスプレイ・アレイ2030全体をスキャニングするために適した時間の順番を有する。それから、ドライバ・コントローラ2029は、フォーマット化された情報をアレイ・ドライバ2022へ送る。LCDコントローラのような、ドライバ・コントローラ2029が独立型の集積回路(Integrated Circuit)(IC)としてプロセッサ2021にしばしば関連付けられるけれども、そのようなコントローラは、複数の方法で与えられることができる。これらは、ハードウェアとしてプロセッサ2021に搭載される、ソフトウェアとしてプロセッサ2021に搭載される、若しくはアレイ・ドライバ2022を用いたハードウェアに完全に統合されることができる。
【0053】
一般的に、アレイ・ドライバ2022は、フォーマット化された情報をドライバ・コントローラ2029から受信し、そしてビデオ・データをウェーブフォームの並列セットに再フォーマット化する。ウェーブフォームの並列セットは、ディスプレイの画素のx−y行列から来る数百本そして時には数千本のリード線(lead)に毎秒数回適用される。
【0054】
1つの実施形態では、ドライバ・コントローラ2029、アレイ・ドライバ2022、及びディスプレイ・アレイ2030は、ここに説明されたいずれかのタイプのディスプレイに対して適切である。例えば、1つの実施形態では、ドライバ・コントローラ2029は、従来型のディスプレイ・コントローラ又は双安定ディスプレイ・コントローラ(例えば、光干渉変調器コントローラ)である。他の1つの実施形態では、アレイ・ドライバ2022は、従来型のドライバ又は双安定ディスプレイ・ドライバ(例えば、光干渉変調器ディスプレイ)である。1つの実施形態では、ドライバ・コントローラ2029は、アレイ・ドライバ2022と統合される。そのような実施形態は、セルラ電話機、時計、及びその他の小面積ディスプレイのような高度に集積されたシステムにおいて一般的である。さらに他の1つの実施形態では、ディスプレイ・アレイ2030は、典型的なディスプレイ・アレイ又は双安定ディスプレイ・アレイ(例えば、光干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0055】
入力装置2048は、ユーザが具体例のディスプレイ装置2040の動作を制御することを可能にする。1つの実施形態では、入力装置2048は、クワーティ(QWERTY)キーボード又は電話キーパッドのようなキーパッド、ボタン、スイッチ、接触感応スクリーン、感圧又は感熱膜を含む。1つの実施形態では、マイクロフォン2046は、具体例のディスプレイ装置2040に対する入力装置である。マイクロフォン2046が装置にデータを入力するために使用される場合に、音声命令は、具体例のディスプレイ装置2040の動作を制御するためにユーザによって与えられることができる。
【0056】
電源2050は、この技術において周知のように各種のエネルギー蓄積装置を含むことができる。例えば、1つの実施形態では、電源2050は、ニッケル−カドミウム電池又はリチウム・イオン電池のような、充電可能な電池である。他の1つの実施形態では、電源2050は、回復可能なエネルギー源、キャパシタ、又はプラスチック太陽電池、及びソーラー−セル塗料を含む太陽電池である。他の1つの実施形態では、電源2050は、壁のコンセントから電力を受け取るように構成される。
【0057】
いくつかの方法では、制御のプログラム可能性は、上記に説明されたように、電子ディスプレイ・システム中の複数の場所に置かれることができるドライバ・コントローラ中に常駐する。複数の場合では、制御のプログラム可能性は、アレイ・ドライバ2022中に常駐する。上記に説明された最適化が、任意の数のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素において及び種々の構成において実施されることができることを、当業者は、認識する。
【0058】
上記の詳細な説明は、種々の実施形態に適用されたものとして本発明の新規な特徴を示し、説明し、そして指摘してきているが、説明された装置又はプロセスの形式及び詳細の種々の省略、置き換え、及び変更が、本発明の精神から逸脱することなく当業者により行い得ることが、理解される。理解されるように、本発明は、複数の特徴がその他のものから別々に使用される又は実行されることができるので、ここに説明された特徴及び利点の全部を提供しない枠組みの範囲内で具体化されることができる。本発明の範囲は、前述の明細書よりは請求項により示される。請求項と等価の趣旨及び範囲内になる全ての変更は、この範囲内に包含されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1は、光干渉変調器ディスプレイの1実施形態の一部分を図示する等測図であり、そこでは、第1の光干渉変調器の可動反射層は、リリースされた位置にあり、第2の光干渉変調器の可動反射層は、アクチュエートされた位置にある。
【図2】図2は、3×3光干渉変調器ディスプレイを組み込んでいる電子装置の1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【図3】図3は、図1の光干渉変調器の1つの具体例の実施形態に関する印加電圧に対する可動鏡位置の図である。
【図4】図4は、光干渉変調器ディスプレイを駆動するために使用されることができる行及び列電圧のセットの説明図である。
【図5A】図5Aは、図2の3×3光干渉変調器ディスプレイ中のディスプレイ・データの1つの具体例のフレームを図示する。
【図5B】図5Bは、図5Aのフレームを書き込むために使用されることができる行及び列信号に関する1つの具体例のタイミング図を図示する。
【図6A】図6Aは、図1の装置の断面図である。
【図6B】図6Bは、光干渉変調器の代わりの実施形態の断面図である。
【図6C】図6Cは、光干渉変調器の他の1つの代わりの実施形態の断面図である。
【図7】図7は、変調器を通過する光路を説明する光干渉変調器の横断面図である。
【図8】図8は、白色光を生成するためにシアン及び黄色光干渉変調器を含む1実施形態のスペクトル応答を説明するグラフである。
【図9】図9は、特定の色の光を選択的に透過する材料の層を有する光干渉変調器の横断面図である。
【図10】図10は、白色光を生成するため緑色光干渉変調器及び“マゼンタ”フィルタ層を含む1実施形態のスペクトル応答を説明するグラフである。
【図11A】図11Aは、複数の光干渉変調器を具備する視覚ディスプレイ装置の1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【図11B】図11Bは、複数の光干渉変調器を具備する視覚ディスプレイ装置の1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【符号の説明】
【0060】
12…光干渉変調器,14…可動反射層(可動鏡),16…固定反射層(固定鏡),18…支柱,19…キャビティ,20…透明基板,30…画素アレイ,32…連結部,80…シアン変調器のスペクトル応答,82…黄色変調器のスペクトル応答,84…総合スペクトル応答,102…フィルタ層,104…誘電体層,110…緑色変調器のスペクトル応答,112…マゼンタ・フィルタのスペクトル応答,114…総合スペクトル応答,2040…ディスプレイ装置、2041…ハウジング。
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、微小電気機械システム(microelectromechanical systems)(MEMS)に関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)は、微小機械素子、アクチュエータ、及び電子機器を含む。微小機械素子は、堆積、エッチング、及び、あるいは、電気装置及び電気機械装置を形成するために基板及び/又は堆積された材料層の一部分をエッチングして取り除く、若しくは複数の層を付加する、その他のマイクロマシニング・プロセスを使用して創り出されることができる。MEMS装置の1つのタイプは、光干渉変調器と呼ばれる。光干渉変調器は、1対の導電性プレートを具備し、その一方又は両方が、全体あるいは一部分が透明である及び/又は反射でき、そして適切な電子信号の印加により相対的動きが可能である。一方のプレートは、基板上に堆積された静止層を具備し、他方のプレートは、エアー・ギャップにより静止層から分離された金属膜を具備することができる。そのような装置は、広範囲のアプリケーションを有し、これらのタイプの装置の特性を利用すること及び/又は変形することは、この技術において有益であり、その結果、自身の特徴は、既存の製品を改善することに活用されることができ、かつ未だ開発されていない新たな製品を創り出すことに活用されることができる。
【発明の開示】
【0003】
[サマリー]
本発明のシステム、方法、及び装置は、それぞれ複数の態様を有し、そのいずれもが、その好ましい特性に単独で寄与するのではない。本発明の範囲を制限することなく、自身のより卓越した特徴が、ここに簡潔に説明される。本明細書を熟考した後で、特に“好ましい実施形態の詳細な説明”と題した項を読んだ後で、本発明の特徴が、その他のディスプレイ装置に対する利点をどのようにして提供するかを、理解するであろう。
【0004】
本発明の1実施形態は、ディスプレイ装置を具備する。本ディスプレイ装置は、その上に入射する緑色光を選択的に反射するために構成された少なくとも1つの光干渉変調器を含む。本ディスプレイ装置は、さらに、少なくとも1つの光干渉変調器と関係し、白色光で照明された時に、マゼンタ光に関係する可視波長を選択的に透過ため、かつその他の可視波長を実質的にフィルタするために構成された少なくとも1つのフィルタを含む。
【0005】
他の1実施形態は、ディスプレイ装置を製作する方法である。本方法は、その上に入射する緑色光を選択的に反射するために構成された少なくとも1つの光干渉変調器を形成することを含む。本方法は、さらに、少なくとも1つの光干渉変調器により変調された光がフィルタによってフィルタされるように変調器に関係して設置されるフィルタを形成することを含む。フィルタは、白色光で照明された時に、マゼンタ光に関係する可視波長を選択的に透過し、かつその他の可視波長を実質的にフィルタする。
【0006】
他の1実施形態は、ディスプレイ装置である。本ディスプレイ装置は、シアン光を選択的に変調するために構成された少なくとも1つの第1のディスプレイ素子を含む。本ディスプレイ装置は、さらに、黄色光を選択的に変調するために構成された少なくとも1つの第2のディスプレイ素子を含む。少なくとも1つの第1のディスプレイ素子及び少なくとも1つの第2のディスプレイ素子の各々は、反射面及び部分反射面を具備する。
【0007】
他の1実施形態は、ディスプレイ装置を製作する方法である。本方法は、その上に入射するシアン光を選択的に反射するために構成された少なくとも1つの第1の光干渉変調器を形成することを含む。本方法は、しかも、少なくとも1つの第1の光干渉変調器に近接して少なくとも1つの第2の光干渉変調器を形成することを含む。少なくとも1つの第2の変調器は、その上に入射する黄色光を選択的に反射するために構成される。
【0008】
他の1実施形態は、ディスプレイ装置である。本ディスプレイ装置は、光を変調するための手段及びフィルタするための手段を含む。変調手段は、干渉を利用して緑色光を選択的に反射する。フィルタ手段は、白色光で照明された時に、マゼンタ光に関係する可視波長を選択的に透過し、かつその他の可視波長を実質的にフィルタする。
【0009】
他の1実施形態もまた、ディスプレイ装置である。本ディスプレイ装置は、シアン光を選択的に変調するための手段及び黄色光を選択的に変調するための手段を含む。シアン光変調手段及び黄色光変調手段は、光を反射するための第1の手段及び部分的に光を反射するための第2の手段をそれぞれ具備する。
【0010】
他の1実施形態は、光を変調する方法を含む。本方法は、緑色光を干渉方式で変調すること、及び白色光を出力するために白色光で照明された時に、マゼンタ光を出力するフィルタを用いて緑色光をフィルタすることを含む。
【0011】
他の1実施形態もまた、光を変調する方法を含む。本方法は、シアン光を干渉方式で変調すること、及び黄色光を干渉方式で変調することを含む。シアン及び黄色光は、白色光を生成するために結合する。
【0012】
[好ましい実施形態の詳細な説明]
様々な実施形態は、選択されたスペクトル特性を有する白色光を生成するために形成された光干渉ディスプレイ素子を具備するディスプレイを含む。1つの実施形態は、シアン及び黄色光を反射するために構成された光干渉変調器を使用して白色光を生成するディスプレイを含む。他の1つの実施形態は、マゼンタ光を選択的に透過するカラー・フィルタを透過した緑色光を反射する光干渉変調器を使用して白色光を生成するディスプレイを含む。複数の実施形態は、しかも、標準化された白色点により特徴付けられる白色光を反射するディスプレイも含む。そのようなディスプレイの白色点は、ディスプレイを照明している光の白色点とは異なることがある。
【0013】
下記の詳細な説明は、本発明のある特定の実施形態に向けられる。しかしながら、発明は、多数の異なる方法で具体化されることができる。この明細書では、参照符合が、図面に与えられ、全体を通して同様の部分が類似の数字を用いて表される。下記の説明から明らかになるように、本発明は、動画(例えば、ビデオ)であるか固定画面(例えば、静止画)であるかに拘わらず、及びテキストであるか画像であるかに拘わらず、画像を表示するために構成された任意の装置において実行されることができる。より詳しくは、本発明が種々の電子装置で実行される又は電子装置に関連付けられることができることが、予想される。電子装置は、携帯電話機、無線装置、パーソナル・データ・アシスタンツ(PDAs)、ハンド−ヘルド又は携帯型コンピュータ、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム・コンソール、腕時計、時計、計算機、テレビ・モニタ、フラット・パネル・ディスプレイ、コンピュータ・モニタ、自動車ディスプレイ(例えば、走行距離計ディスプレイ、等)、コクピット制御装置及び/又はディスプレイ、カメラ視野のディスプレイ(例えば、自動車の後方監視カメラのディスプレイ)、電子写真、電子広告板又は標識、プロジェクタ、建築上の構造物、包装、及び芸術的な構造(例えば、宝飾品1個の画像のディスプレイ)のようなものであるが、これらに限定されない。ここに説明されたものに類似の構造のMEMS装置もまた、電子スイッチング装置のような、非−ディスプレイ・アプリケーションにおいて使用されこともできる。
【0014】
光干渉MEMSディスプレイ素子を具備する1つの光干渉変調器ディスプレイの実施形態が、図1に図示される。これらの装置において、画素は、明状態又は暗状態のいずれかである。明(“オン”又は“開(open)”)状態では、ディスプレイ素子は、入射可視光の大部分をユーザに反射する。暗(“オフ”又は“閉(close)”)状態にある場合は、ディスプレイ素子は、入射可視光をユーザにほとんど反射しない。実施形態に依存して、“オン”及び“オフ”状態の光反射率特性は、逆にされることがある。MEMS画素は、選択された色を主に反射するように構成されることができ、白黒に加えてカラー表示を可能にする。
【0015】
図1は、視覚ディスプレイの一連の画素中の2つの隣接する画素を図示する等測図であり、ここでは、各画素は、MEMS光干渉変調器を具備する。複数の実施形態では、光干渉変調器ディスプレイは、これらの光干渉変調器の行/列アレイを具備する。各光干渉変調器は、互いに可変であり制御可能な距離に位置する1対の反射層を含み、少なくとも1つの可変の大きさを有する共鳴光学的キャビティを形成する。1つの実施形態において、反射層の1つは、2つの位置の間を移動することができる。第1の位置では、ここではリリース状態(released state)と呼ぶ、可動層は、固定された部分反射層から比較的離れた距離に位置する。第2の位置では、可動層は、部分反射層により近くに隣接して位置する。2つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置に依存して、建設的に(constructively)又は相殺的に(destructively)干渉して、各画素に対して全体が反射状態又は非反射状態のいずれかを作る。
【0016】
図1に図示された画素アレイの部分は、2つの隣接する光干渉変調器12a及び12bを含む。左の光干渉変調器12aでは、可動かつ高反射層14aは、固定された部分反射層16aから所定の距離のリリースされた位置に図示される。右の光干渉変調器12bでは、可動高反射層14bは、固定された部分反射層16bに隣接するアクチュエートされた位置に図示される。
【0017】
固定層16a,16bは、電気的に導電性であり、部分的に透明であり、部分的に反射する、そして、例えば、透明基板20上にクロムとインジウム−スズ−酸化物のそれぞれの1つ又はそれより多くの層を堆積することにより製作されることができる。複数の層は、平行なストライプにパターニングされ、下記にさらに説明されるようにディスプレイ装置中の行電極を形成できる。可動層14a,14bは、支柱18の頂上に及び複数の支柱18の間に堆積された介在する犠牲材料上に堆積された(行電極16a,16bに直交する)1層又は複数の層の堆積された金属層の一連の平行なストライプとして形成されることができる。犠牲材料がエッチされて除去される時に、変形可能な金属層は、決められたエアー・ギャップ19だけ固定金属層から分離される。アルミニウムのような非常に電導性があり反射する材料が、変形可能層として使用されることができ、そして、これらのストライプは、ディスプレイ装置において列電極を形成できる。
【0018】
印加電圧がないと、キャビティ19は、2つの層14a,16aの間にそのまま残り、変形可能層は、図1の画素12aに図示されたように機械的にリラックス(relax)した状態である。しかしながら、電位差が選択された行及び列に印加されると、対応する画素において行及び列電極の交差点に形成されたキャパシタは、充電され、静電力が電極を互いに引きつける。電圧が十分に高ければ、可動層は、変形され、図1に右の画素12bにより図示されたように、固定層に対して押し付けられる(この図に図示されていない誘電材料が、固定層上に堆積されることがあり、短絡することを防止し、分離距離を制御できる)。この動きは、印加される電位差の極性に拘わらず同じである。このようにして、反射対非反射画素状態を制御できる行/列アクチュエーションは、従来のLCD及びその他のディスプレイ技術において使用される多くの方法に類似している。
【0019】
図2から図5Bは、ディスプレイ・アプリケーションにおいて光干渉変調器のアレイを使用するための1つの具体例としてのプロセス及びシステムを説明する。図2は、本発明の態様を組み込むことができる電子装置の1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。具体例の実施形態において、電子装置は、プロセッサ21を含む。そのプロセッサ21は、いずれかの汎用のシングル・チップ又はマルチ・チップ・マイクロプロセッサ、例えば、ARM,ペンティアム(登録商標)、ペンティアムII(登録商標)、ペンティアムIII(登録商標)、ペンティアムIV(登録商標)、ペンティアム(登録商標)プロ、8051、MIPS(登録商標)、パワーPC(登録商標)、ALPHA(登録商標)、若しくはディジタル・シグナル・プロセッサ、マイクロコントローラ、又はプログラム可能なゲート・アレイのようないずれかの特殊用途マイクロプロセッサ、であることができる。本技術において通常であるように、プロセッサ21は、1又はそれより多くのソフトウェア・モジュールを実行するように構成されることができる。オペレーティング・システムを実行することに加えて、プロセッサは、ウェブ・ブラウザ、電話アプリケーション、電子メール・プログラム、又はいずれかのその他のソフトウェア・アプリケーションを含む、1又はそれより多くのソフトウェア・アプリケーションを実行するように構成されることができる。
【0020】
1つの実施形態では、プロセッサ21は、しかも、アレイ・コントローラ22と通信するように構成される。1つの実施形態では、アレイ・コントローラ22は、画素アレイ30に信号を供給する行ドライバ回路24及び列ドライバ回路26を含む。図1に図示されたアレイの断面は、図2に線1−1により示される。MEMS光干渉変調器に関して、行/列アクチュエーション・プロトコルは、図3に図示されたこれらの装置のヒステリシス特性を利用することができる。これは、例えば、可動層をリリースされた状態からアクチュエートされた状態へ変形させるために10ボルトの電位差を必要とすることがある。しかしながら、電圧がその値から減少される時に、10ボルトより下に電圧が降下して戻るとしても、可動層はその状態を維持する。図3の具体例の実施形態では、可動層は、電圧が2ボルトより下に降下するまで完全にはリリースされない。そのようにして、図3に説明された例では、約3から7Vの電圧の範囲があり、そこでは、その範囲内で装置がリリースされた状態又はアクチュエートされた状態のいずれかで安定である、印加電圧のウィンドウが存在する。これは、ここでは“ヒステリシス・ウィンドウ”又は“安定ウィンドウ”として呼ばれる。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイ・アレイに関して、行/列アクチュエーション・プロトコルは、行ストロービング(strobing)の期間に、アクチュエートされるべきストローブされた行の画素は、約10ボルトの電圧差を受け、そしてリリースされるべき画素は、零ボルトに近い電圧差を受ける。ストローブの後で、画素は、約5ボルトの定常状態電圧差受け、その結果、画素は、行ストローブが画素をどんな状態に置いたとしてもそこに留まる。書き込まれた後で、各画素は、電位差がこの例では3−7ボルトの“安定ウィンドウ”の範囲内であると判断する。この特徴は、アクチュエートされた又はリリースされた既存の状態のいずれかにおいて同じ印加電圧条件の下で、図1に説明された画素設計を安定にさせる。アクチュエートされた状態又はリリースされた状態であるかに拘わらず、光干渉変調器の各画素が、基本的に固定反射層と移動反射層とにより形成されたキャパシタであるので、この安定状態は、ほとんど電力消費なしにヒステリシス・ウィンドウの範囲内の電圧で保持されることができる。印加された電位が一定であるならば、基本的に電流は、画素に流れ込まない。
【0021】
代表的なアプリケーションでは、ディスプレイ・フレームは、第1行中のアクチュエートされた画素の所望のセットにしたがって列電極のセットを明示すること(asserting)によって創り出される。行パルスは、それから行1の電極に印加されて、明示された列ラインに対応する画素をアクチュエートする。列電極の明示されたセットは、その後、第2行中のアクチュエートされた画素の所望のセットに対応するように変更される。パルスは、それから、行2の電極に印加されて、明示された列電極にしたがって行2中の適切な画素をアクチュエートする。行1画素は、行2パルスに影響されず、行1画素は、行1パルスの間に設定された状態に留まる。これは、連続した方式で一連の行全体に対して繰り返され、フレームを生成する。一般に、フレームは、1秒当たり所望のフレームの数でこのプロセスを連続的に繰り返すことにより、新たなディスプレイ・データでリフレッシュされる及び/又は更新される。ディスプレイ・フレームを生成するために画素アレイの行及び列電極を駆動するための広範なプロトコルもまた、周知であり、本発明とともに使用されることができる。
【0022】
図4、図5A及び図5Bは、図2の3×3アレイ上でディスプレイ・フレームを創り出すための1つの可能性のあるアクチュエーション・プロトコルを説明する。図4は、画素が図3のヒステリシス曲線を表すために使用されることがある、列及び行電圧レベルの可能性のあるセットを説明する。図4の実施形態では、画素をアクチュエートすることは、適切な列を−Vbiasに、そして適切な行を+ΔVに設定することを含む。これは、それぞれ−5V及び+5Vに対応することができる。画素をリリースさせることは、適切な列を+Vbiasに、そして適切な行を同じ+ΔVに設定することにより達成され、画素を横切る零ボルトの電位差を生成する。行電圧が零ボルトに保持されるこれらの行では、列が+Vbias又は−Vbiasであるかに拘らず、画素が元々あった状態がどうであろうとも、画素は、その状態で安定である。
【0023】
図5Bは、そこではアクチュエートされた画素が反射しない図5Aに説明されたディスプレイ配置に結果としてなる、図2の3×3アレイに印加される一連の行及び列信号を示すタイミング図である。図5Aに図示されたフレームを書き込むことに先立って、画素は、任意の状態であることができ、そしてこの例では、全ての行が0ボルトであり、全ての列が+5ボルトである。これらの印加電圧で、全ての画素は、自身の現在のアクチュエートされた状態又はリリースされた状態で安定である。
【0024】
図5Aのフレームでは、画素(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)及び(3,3)がアクチュエートされている。これを実現するために、行1に対する“ライン時間”の期間に、列1及び2は、−5ボルトに設定され、そして列3は、+5ボルトに設定される。全ての画素が3−7ボルトの安定ウィンドウの中に留まるため、これは、どの画素の状態も変化させない。行1は、その後、0から5ボルトまで上がり、零に戻るパルスでストローブされる。これは、(1,1)及び(1,2)画素をアクチュエートし、(1,3)画素をリリースする。アレイ中のその他の画素は、影響されない。望まれるように行2を設定するために、列2は、−5ボルトに設定され、そして列1及び3は、+5ボルトに設定される。行2に印加された同じストローブは、その後、画素(2,2)をアクチュエートし、画素(2,1)及び(2,3)をリリースする。再び、アレイのその他の画素は、影響されない。行3は、列2及び3を−5ボルトに、そして列1を+5ボルトに設定することより同様に設定される。行3ストローブは、図5Aに示されたように行3画素を設定する。フレームを書き込んだ後、行電位は零に、そして列電位は+5又は−5ボルトのいずれかに留まることができ、ディスプレイは、その後、図5Aの配置で安定である。同じ手順が数十から数百の行及び列のアレイに対して採用されることができることが、歓迎される。しかも、行及び列アクチュエーションを実行するために使用された電圧のタイミング、シーケンス、及びレベルが、上記に概要を示された一般的な原理の範囲内で広範囲に変化されることができ、そして、上記の例は、具体な例だけであり、任意のアクチュエーション電圧方法は、本発明とともに使用されることができる。
【0025】
上記に説明された原理にしたがって動作する光干渉変調器の構造の詳細は、広範に変化できる。例えば、図6A−図6Cは、移動鏡構造の3つの異なる実施形態を図示する。図6Aは、図1の実施形態の断面であり、そこでは金属材料14のストライプが、直角に延びている支柱18上に堆積される。図6Bでは、可動反射材料14は、連結部(tether)32上に、角だけで支柱に取り付けられる。図6Cでは、可動反射材料14は、変形可能層34から吊り下げられる。反射材料14に使用される構造設計及び材料が光学的特性に関して最適化されることができるため、及び変形可能層34に使用される構造設計及び材料が所望の機械的特性に関して最適化できるため、この実施形態は、利点を有する。その上、誘電体材料の層104は、固定層の上に形成される。種々のタイプの干渉装置の製造は、例えば、米国公開出願2004/0051929を含む、種々の公開された文書に記載されている。多種多様の周知の技術が、上記に説明された構造を製造するために使用されることができ、一連の材料堆積、パターニング、及びエッチング工程を含む。
【0026】
図1を参照して上に述べられたように、変調器12(すなわち、両方の変調器12aと12b)は、鏡14(すなわち、鏡14aと14b)及び16(それぞれ、鏡16aと16b)の間に形成された光学的キャビティを含む。光学的キャビティの特性距離、すなわち、実効光路長、d、は、光学的キャビティ及びしたがって光干渉変調器12の共鳴波長、λ、を決定する。光干渉変調器12のピーク共鳴可視波長、λ、は、一般に変調器12により反射された光の感知される色に対応する。数学的には、光路長dは、(1/2)Nλに等しい、ここで、Nは、整数である。所与の共鳴波長、λ、は、したがって、(1/2)λ(N=1),λ(N=2),(3/2)λ(N=3)、等の光路長dを有する光干渉変調器12により反射される。整数Nは、反射光の干渉の次数と呼ばれることがある。ここで使用されるように、変調器12の次数は、鏡14が少なくとも1つの位置にある時に、変調器12により反射される光の次数Nとも呼ばれる。例えば、1次の赤色光干渉変調器12は、約650nmの波長λに対応する、約325nmの光路長dを有することができる。したがって、2次の赤色光干渉変調器12は、約650nmの光路長dを有することができる。一般に、高次の変調器12は、例えば、より高い“Q”値を有する、より狭い範囲の波長にわたり光を反射し、そのようにして、より一層飽和している色彩の光を生成する。カラー・ピクセルを具備する変調器12の飽和は、色彩範囲及びディスプレイの白色点のようなディスプレイの特性に影響する。例えば、2次の変調器12を使用するディスプレイが、同じ全体的な光を反射する1次の変調器を含むディスプレイと同一の白色点又はカラー・バランスを有するようにするために、2次の変調器は、異なる中央ピーク光学的波長を有するように選択されることができる。
【0027】
図1に図示されたようなある実施形態では、光路長、d、は、鏡14と16との間の距離に実質的に等しいことに注意する。鏡14と16との間の間隔がほぼ1の屈折率を有する気体(例えば、空気)だけを具備する場合に、実効光路長は、鏡14と16との間の距離に実質的に等しい。図6Cに図示されたような、その他の実施形態は、誘電体材料の層104を含む。そのような誘電体材料は、一般に1より大きな屈折率を有する。そのような実施形態では、光学的キャビティは、鏡14と16との間の距離及び鏡14と16との間の誘電体層104の又はいずれかのその他の層の厚さ及び屈折率の両者を選択することにより、所望の光路長dを有するように形成される。例えば、図6Cに図示された実施形態では、そこでは光学的キャビティはエアー・ギャップに加えて誘電体の層104を含み、光路長dは、d1n1+d2n2に等しい、ここで、d1は、層1の厚さであり、n1は、層1の屈折率である。そして同様に、d2は、層2の厚さであり、n2は、層2の屈折率である。
【0028】
一般に、光干渉変調器12によって反射された光の色は、変調器12が異なる角度から見られる場合にシフトする。図7は、変調器12を通過する光路を説明する光干渉変調器12の横断面図である。光干渉変調器12から反射された光の色は、図7に図示されたように、軸AAに対する異なる入射(及び反射)角のために変化する。例えば、図7に示された光干渉変調器12に関して、光が軸から外れた経路A1に沿って進むので、光は、第1の角度で光干渉変調器に入射し、光干渉変調器から反射して、観察者に向けて進む。光干渉変調器12の中の1対の鏡の間の光学的干渉の結果として光が観察者に到達する時に、観察者は、第1の色を感知する。観察者が、自分の場所をそしてそれゆえ視野角を移動する又は変える場合に、観察者によって受け取られた光は、第2の異なる入射(及び反射)角に対応する軸から外れた別の経路A2に沿って進む。光干渉変調器12中の光学的干渉は、変調器内部で伝播する光の光路長、d、に依存する。異なる光路A1及びA2に対する異なる光路長は、それゆえ光干渉変調器12からの異なる出力を生み出す。視野角が増加すると、光干渉変調器の実効光路は、2d・cosβ=Nλの関係にしたがって減少する。ここで、βは、視野角(ディスプレイの法線と入射光との間の角度)である。視野角が増加すると、反射光のピーク共鳴波長は、減少する。したがって、ユーザは、自分の視野の角度に依存して異なる色を感知する。上に説明されたように、この現象は、“カラー・シフト”と呼ばれる。このカラー・シフトは、一般的に、軸AAに沿って見られた場合に光干渉変調器12によって生成される色を参照して認識される。
【0029】
光干渉変調器12を組み込んでいるディスプレイの設計における他の1つの考慮は、白色光の発生である。“白色”光は、一般に、特定の色を含まないように人間の目により感知される光を呼ぶ、すなわち、白色光は、色相と関係しない。一方で、黒は、色(又は光)がないことを呼び、白は、特定の色が感知されないそのような広いスペクトル範囲を含む光を呼ぶ。白色光は、ほぼ一様な強度の可視光の広いスペクトル範囲を有する光を呼ぶことができる。しかしながら、人間の目が赤、緑及び青色光のある波長に敏感であるために、白は、“白”として目によって感知される1又はそれより多くのスペクトル・ピークを有する光を生成するために、色のある光の強度を混合することによって創り出されることができる。その上、ディスプレイの色範囲は、装置が、例えば、赤、緑及び青色光を混合することによって繰り返し生成できる色の範囲である。
【0030】
白色点は、一般にディスプレイのニュートラル(灰色又は無色)であると考えられる色相である。ディスプレイ装置の白色点は、特定の温度の黒体により放出される(“黒体輻射”)光のスペクトル成分と装置によって生成される白色光の比較に基づいて特徴付けられることができる。黒体輻射体は、その物体上への全ての入射光を吸収し、黒体の温度に応じたスペクトルを有する光を再放出する理想物体である。例えば、6,500°Kの黒体スペクトルは、6,500°Kの色温度を有する白色光と呼ばれることができる。そのような色温度、すなわち、ほぼ5,000°−10,000°Kの白色点は、一般に昼色光として認識される。
【0031】
照明に関する国際機関(International Commission on Illumination)(CIE)は、光源の標準化された白色点を公表している。例えば、“d”の光源表示は、昼色光を呼ぶ。特に、標準白色点D55,D65,及びD75、これは5,500°K、6,500°K、及び7,500°Kの色温度に対応する、は、標準昼色光白色点である。
【0032】
ディスプレイ装置は、ディスプレイにより生成される白色光の白色点により特徴付けられることができる。その他の光源からの光を用いるように、ディスプレイの人間の感知は、ディスプレイからの白色光の感知によって少なくとも一部分は決定される。例えば、より低い白色点、例えば、D55、を有するディスプレイ又は光源は、観察者によって黄色の色調を有するように感知されることがある。より高い温度の白色点、例えば、D75,を有するディスプレイは、ユーザに“より冷たい”すなわち青い色調を有するように感知されることがある。ユーザは、一般に、より高い温度の白色点を有するディスプレイに対してより好ましく反応する。それゆえ、望まれるようにディスプレイの白色点を制御することは、ディスプレイに対する観察者の反応に対してある種の制御を提供する。光干渉変調器アレイ30の複数の実施形態は、白色点が1又はそれより多くの予想される照明の条件下で標準化された白色点に準拠するように選択される白色光を生成するように構成されることができる。
【0033】
白色光は、各画素に対して1又はそれより多くの光干渉変調器12を含ませることによって画素アレイ30により生成されることができる。例えば、1つの実施形態では、画素アレイ30は、赤、緑及び青の光干渉変調器12のグループの画素を含む。上に説明されたように、光干渉変調器12の色は、d=(1/2)Nλの関係を使用して光路長dを選択することによって選択されることができる。付け加えると、画素アレイ30中の各画素によって生成される色彩のバランス、すなわち、相対的な調和は、各光干渉変調器12、例えば、赤、緑及び青の光干渉変調器12、の相対的な反射面積によってさらに影響されることがある。さらに、変調器12が入射光を選択的に反射するために、光干渉変調器12の画素アレイ30からの反射光の白色点は、一般に、入射光のスペクトル特性に依存する。1つの実施形態では、反射光の白色点は、入射光の白色点とは異なるように形成されることがある。例えば、1つの実施形態では、画素アレイ30は、D65太陽光を使用する時にD75光を反射するように形成されることができる。
【0034】
1つの実施形態では、画素アレイ30の光干渉変調器12の距離d及び面積が、選択され、その結果、画素アレイ30によって生成された白色光は、予想される照明条件において、例えば、太陽光において、蛍光灯の光の下で、又は画素アレイ30を照明するために設置された表面光からの、固有の標準化された白色点に対応する。例えば、画素アレイ30の白色点は、特定の照明条件においてD55,D65,又はD75になるように選択されることができる。その上、画素アレイ30によって反射された光は、予想された又は構成された光源の光とは異なる白色点を有することがある。例えば、特定の画素アレイ30は、D65の太陽光の下で見られた時に、D75の光を反射するように構成されることができる。より一般的に、ディスプレイの白色点は、ディスプレイに形成された照明源、例えば、前面光、に対して、又は特定の観察条件に対して、選択されることができる。例えば、ディスプレイは、白熱光、蛍光、又は自然光源のような、予想される又は代表的な照明源の下で見られる時に、選択された白色点、例えば、D55,D65,又はD75、を有するように形成されることができる。より詳しくは、例えば、手持ち装置に使用されるディスプレイは、太陽光条件下で見られた場合に、選択された白色点を有するように形成されることができる。あるいは、事務所環境において使用されるディスプレイは、典型的な事務所蛍光灯により照明された場合に、選択された白色点、例えば、D75、を有するように形成されることができる。
【0035】
表1は、1つの実施形態の光路長を説明する。特に、表1は、実質的に等しい反射面積の変調器12を使用してD65及びD75白色光を生成する画素アレイ30の2つの具体例の実施形態における赤、緑及び青の光干渉変調器のエアー・ギャップを説明する。表1は、2層に形成された誘電体層、100nmのAl2O3及び400nmのSiO2、を仮定する。表1は、しかも、赤、緑及び青の光干渉変調器12の各々に対して実質的に同一の反射面積を仮定する。等価のエアー・ギャップ距離の範囲が、誘電体層の厚さ及び屈折率を変えることにより取得できることを、この分野における知識を有するものは、理解する。
【表1】
【0036】
その他の実施形態では、変調器12の異なる距離d及び面積が、異なる観察環境に対してその他の標準化された白色点の設定を生成するために選択されることができることが、理解される。さらに赤、緑及び青の変調器12は、反射された赤、緑及び青色光の相対的なバランス及びそれゆえ反射光の白色点をさらに変化させるように、異なる時間の長さにわたり反射状態であるように又は非反射状態であるように制御することも可能である。1つの実施形態では、各カラー変調器12の反射面積の比率は、異なる観察環境において白色点を制御するように選択されることができる。1つの実施形態では、光路長dは、共通の1より多くの複数の可視共鳴波長、例えば、1次、2次、又は3次の赤、緑、及び青のピークに対応するように選択されることができ、その結果、光干渉変調器12がそのスペクトル応答の中の3つの可視ピークによって特徴付けられる白色光を反射する。そのような実施形態では、光路長dは、生成された白色光が標準化された白色点に対応するように選択される。
【0037】
画素アレイ30中の赤、緑、及び青の光干渉変調器12のグループに加えて、その他の実施形態は、白色光を生成するその他の方法を含む。例えば、画素アレイ30の1つの実施形態は、シアン及び黄色の光干渉変調器12、すなわち、シアン及び黄色の光を生成するような、それぞれの分離距離dを有する光干渉変調器12、を含む。シアン及び黄色の光干渉変調器12の総合スペクトル応答は、“白”として感知される広いスペクトル応答を有する光を生成する。シアン及び黄色の変調器は、近接して配置され、その結果、観察者がそのような総合された応答を感知する。例えば、1つの実施形態では、シアン変調器及び黄色変調器は、画素アレイ30の隣接する行に配置される。他の1つの実施形態では、シアン変調器及び黄色変調器は、画素アレイ30の隣接する列に配置される。
【0038】
図8は、白色光を生成するためにシアン及び黄色の光干渉変調器12を含む1つの実施形態のスペクトル応答を説明するグラフである。横軸は、反射光の波長を表す。縦軸は、変調器12上に入射する光の相対反射率を表す。線80は、シアン変調器の応答を図示し、これは、スペクトルのシアン部分、例えば、青と緑との間、に中心のある単一のピークである。線82は、黄色変調器の応答を図示し、これは、スペクトルの黄色部分、例えば、赤と緑との間、に中心のある単一のピークである。線84は、1対のシアン及び黄色の変調器12の総合スペクトル応答を図示する。線84は、シアン及び黄色の波長に2つのピークを有するが、可視スペクトルにわたり十分に一様である、その結果、そのような変調器12からの反射光は、白色に感知される。
【0039】
1つの実施形態では、画素アレイ30は、1次の黄色光干渉変調器及び2次のシアン光干渉変調器を含む。そのような画素アレイ30がますます大きな軸から外れた角度から見られる場合に、1次の黄色変調器により反射された光は、スペクトルの青色端に向かってシフトする、例えば、ある角度に位置する変調器は、1次のシアンのdに等しい実効dを有する。同時に、2次のシアン変調器により反射された光は、1次の黄色変調器からの光に対応してシフトする。それゆえ、全体の総合スペクトル応答は、スペクトルの相対ピークがシフトするとしても、可視スペクトルにわたって広く、比較的一様である。そのような画素アレイ30は、それゆえ観察角の比較的大きな範囲にわたり白色光を生成する。
【0040】
1つの実施形態では、シアン及び黄色の変調器を有するディスプレイは、1又はそれより多くの観察条件下で選択された標準化された白色点を有する白色光を生成するために構成されることができる。例えば、シアン変調器及び黄色変調器のスペクトル応答は、反射光がD55,D65,D75の白色点を有するように、若しくは野外使用のために適したディスプレイに対する太陽光のようなD55,D65,又はD75光を含む選択された照明条件下でいずれかのその他の好適な白色点を有するように、選択されることができる。1つの実施形態では、変調器は、予想される又は選択された観察条件から入射光とは異なる白色点を有する光を反射するために形成されることができる。
【0041】
図9は、特定の色の光を選択的に透過するための材料の層102を有する光干渉変調器12の横断面図である。具体例の実施形態では、層102は、変調器12に対して基板20の反対面の上にある。1つの実施形態では、材料の層102は、マゼンタ・フィルタを具備し、それを通して緑色光干渉変調器12が観察される。1つの実施形態では、層102の材料は、着色された材料である。1つのそのような実施形態では、材料は、着色されたフォトレジスト材料である。1つの実施形態では、緑色光干渉変調器12は、1次の光干渉変調器である。フィルタ層102は、広く一様な白色光で照明された場合に、マゼンタ光を透過するように形成される。具体例の実施形態では、光は、その層からフィルタされた光が変調器12へ透過される層102上に入射される。変調器12は、層102を通してフィルタされた光を反射して戻す。そのような実施形態では、光は、層102を2回通過する。そのような実施形態では、層102の材料の厚さは、この2重フィルタリングを補償するため、及び利用するために選択されることができる。他の1つの実施形態では、前面光構造が、層102と変調器12との間に設置されることができる。そのような実施形態では、材料の層102は、変調器12により反射された光の上にだけ作用する。そのような実施形態では、層102は、それに合うように選択される。
【0042】
図10は、緑色光干渉変調器12及び“マゼンタ”フィルタを含む1つの実施形態のスペクトル応答を説明するグラフである。横軸は、反射光の波長を表す。縦軸は、緑色変調器12及びフィルタ層102上に入射する光の可視スペクトルにわたる相対スペクトル応答を表す。線110は、緑色変調器12の応答であり、これはスペクトルの緑色部分、例えば、可視スペクトルの中央付近、に中心のある単一のピークである。線112は、材料の層102により形成されたマゼンタ・フィルタの応答を図示する。線112は、中央のU字型の最小値の両側に2つの比較的平坦な部分を有する。線112は、そのように、実質的に全ての赤と青色光を選択的に透過し一方でスペクトルの緑色部分の光をフィルタする、マゼンタ・フィルタの応答を表す。線114は、緑色変調器12及びフィルタ層102の組み合わせの総合スペクトル応答を図示する。線114は、組み合わせのスペクトル応答がフィルタ層102による光のフィルタリングのために緑色変調器12より低い反射率レベルであることを図示する。しかしながら、スペクトル応答は、可視スペクトルにわたり比較的一様であり、その結果、緑色変調器12及びマゼンタ・フィルタからフィルタされ、反射された光が白として感知される。
【0043】
1つの実施形態では、マゼンタ・フィルタ層102を用いた緑色変調器12を有するディスプレイは、1又はそれより多くの観察条件下で選択された標準化された白色点を有する白色光を生成するために形成されることができる。例えば、緑色変調器12及びマゼンタ・フィルタ層102のスペクトル応答は、反射光が選択された照明条件下でD55,D65,D75の白色点、又は任意のその他の好適な白色点を有するように選択されることができる。その照明条件は、野外使用に適したディスプレイに対する太陽光のようなD55,D65,又はD75光を含む。1つの実施形態では、変調器12及びフィルタ層102は、期待された又は選択された観察条件から入射光とは異なる白色点を有する光を反射するように形成されることができる。
【0044】
図11A及び図11Bは、ディスプレイ装置2040の実施形態を説明するシステム・ブロック図である。ディスプレイ装置2040は、例えば、セルラ又は携帯電話機である可能性がある。しかしながら、ディスプレイ装置2040の同じ構成要素又はそのわずかな変形は、しかも、テレビ及び携帯型メディア・プレーヤのような種々のタイプのディスプレイ装置を説明する。
【0045】
ディスプレイ装置2040は、ハウジング2041、ディスプレイ2030、アンテナ2043、スピーカ2045、入力装置2048、及びマイクロフォン2046を含む。ハウジング2041は、一般に当業者に周知の各種の製造技術のいずれかから形成され、射出成型、及び真空形成を含む。その上、ハウジング2041は、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、及びセラミックス、又はこれらの組み合わせを含むが、これらには限定されない、いずれかの種々の材料から形成されることができる。1つの実施形態では、ハウジング2041は、取り外し可能な部分(図示されず)を含み、異なる色、若しくは異なるロゴ、絵柄、又はシンボルを含むその他の取り外し可能な部分と取り替えられることができる。
【0046】
具体例のディスプレイ装置2040のディスプレイ2030は、ここに説明されたように、双安定ディスプレイを含む、種々のディスプレイのいずれかであることができる。その他の実施形態では、当業者に周知であるように、ディスプレイ2030は、フラット−パネル・ディスプレイ、例えば、上記に説明されたような、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、又はTFT LCD、若しくは非フラット−パネル・ディスプレイ、例えば、CRT又はその他の真空管装置、を含む。しかしながら、本実施形態を説明する目的のために、ディスプレイ2030は、ここに説明されたように、光干渉変調器ディスプレイを含む。
【0047】
具体例のディスプレイ装置2040の1つの実施形態の構成要素が、図11Bに模式的に図示される。図示された具体例のディスプレイ装置2040は、ハウジング2041を含み、少なくとも部分的にその中に納められた増設の構成要素を含むことができる。例えば、1つの実施形態では、具体例のディスプレイ装置2040は、トランシーバ2047に接続されたアンテナ2043を含むネットワーク・インターフェース2027を含む。トランシーバ2047は、プロセッサ2021に接続され、プロセッサ2021は調整ハードウェア2052に接続される。調整ハードウェア2052は、信号を調整する(例えば、信号をフィルタする)ために構成されることができる。調整ハードウェア2052は、スピーカ2045及びマイクロフォン2046に接続される。プロセッサ2021は、しかも、入力装置2048及びドライバ・コントローラ2029に接続される。ドライバ・コントローラ2029は、フレーム・バッファ2028に接続され、そしてアレイ・ドライバ2022に接続される。アレイ・ドライバ2022は、順番にディスプレイ・アレイ2030に接続される。電源2050は、固有の具体例のディスプレイ装置2040設計によって必要とされるように全ての構成要素に電力を供給する。
【0048】
ネットワーク・インターフェース2027は、アンテナ2043及びトランシーバ2047を含み、その結果、具体例のディスプレイ装置2040は、ネットワークを介して1又はそれより多くの装置と通信できる。1つの実施形態では、ネットワーク・インターフェース2027は、しかも、プロセッサ2021の要求を軽減させるためにある種の処理能力をも持つことができる。アンテナ2043は、信号を送信し受信するために当業者に公知にいずれかのアンテナである。1つの実施形態では、アンテナは、IEEE802.11(a),(b),又は(g)を含む、IEEE802.11規格にしたがってRF信号を送信し、受信する。他の1つの実施形態では、アンテナは、ブルートゥース(BLUETOOTH)規格にしたがってRF信号を送信し、受信する。セルラ電話機の場合には、アンテナは、CDMA、GSM、AMPS又は無線セル電話ネットワークの内部で通信するために使用されるその他の公知の信号を受信するように設計される。トランシーバ2047は、アンテナ2043から受信された信号を事前処理し、その結果、信号が受信され、プロセッサ2021によってさらに操作されることができる。トランシーバ2047は、しかも、プロセッサ2021から受信された信号をも処理し、その結果、信号はアンテナ2043を介して具体例のディスプレイ装置2040から送信されることができる。
【0049】
代わりの実施形態では、トランシーバ2047は、受信機によって置き換えられることができる。しかも他の1つの代わりの実施形態では、ネットワーク・インターフェース2027は、画像ソースによって置き換えられることができる。画像ソースは、プロセッサ2021に送られるべき画像データを記憶できる、又は発生できる。例えば、画像ソースは、ディジタル・ビデオ・ディスク(digital video disc)(DVD)又は画像データを含むハード−ディスク・ドライブ、若しくは画像データを発生するソフトウェア・モジュールであることができる。
【0050】
プロセッサ2021は、一般に具体例のディスプレイ装置2040の総合的な動作を制御する。プロセッサ2021は、ネットワーク・インターフェース2027又は画像ソースから圧縮された画像データのような、データを受信し、そしてデータを生の画像データに、又は生の画像データに容易に処理されるフォーマットに処理する。プロセッサ2021は、その後、処理されたデータをドライバ・コントローラ2029へ、又は記憶のためにフレーム・バッファ2028へ送る。生のデータは、一般的に、画像の内部でのそれぞれの位置における画像特性を識別する情報を呼ぶ。例えば、そのような画像特性は、色彩、彩度、及びグレー・スケール・レベルを含むことができる。
【0051】
1つの実施形態では、プロセッサ2021は、マイクロコントローラ、CPU、又は論理ユニットを含み、具体例のディスプレイ装置2040の動作を制御する。調整ハードウェア2052は、一般に、スピーカ2045に信号を送信するために、そして、マイクロフォン2046から信号を受信するために、増幅器及びフィルタを含む。調整ハードウェア2052は、具体例のディスプレイ装置2040内部の独立した構成要素であることができる、若しくは、プロセッサ2021又はその他の構成要素の内部に組み込まれることができる。
【0052】
ドライバ・コントローラ2029は、プロセッサ2021により発生された生の画像データをプロセッサ2021から直接又はフレーム・バッファ2028からのいずれかで取得し、そしてアレイ・ドライバ2022への高速送信のために生の画像データを適切に再フォーマット化する。具体的には、ドライバ・コントローラ2029は、生の画像データをラスタ状のフォーマットを有するデータ・フローに再フォーマットする、その結果、データ・フローは、ディスプレイ・アレイ2030全体をスキャニングするために適した時間の順番を有する。それから、ドライバ・コントローラ2029は、フォーマット化された情報をアレイ・ドライバ2022へ送る。LCDコントローラのような、ドライバ・コントローラ2029が独立型の集積回路(Integrated Circuit)(IC)としてプロセッサ2021にしばしば関連付けられるけれども、そのようなコントローラは、複数の方法で与えられることができる。これらは、ハードウェアとしてプロセッサ2021に搭載される、ソフトウェアとしてプロセッサ2021に搭載される、若しくはアレイ・ドライバ2022を用いたハードウェアに完全に統合されることができる。
【0053】
一般的に、アレイ・ドライバ2022は、フォーマット化された情報をドライバ・コントローラ2029から受信し、そしてビデオ・データをウェーブフォームの並列セットに再フォーマット化する。ウェーブフォームの並列セットは、ディスプレイの画素のx−y行列から来る数百本そして時には数千本のリード線(lead)に毎秒数回適用される。
【0054】
1つの実施形態では、ドライバ・コントローラ2029、アレイ・ドライバ2022、及びディスプレイ・アレイ2030は、ここに説明されたいずれかのタイプのディスプレイに対して適切である。例えば、1つの実施形態では、ドライバ・コントローラ2029は、従来型のディスプレイ・コントローラ又は双安定ディスプレイ・コントローラ(例えば、光干渉変調器コントローラ)である。他の1つの実施形態では、アレイ・ドライバ2022は、従来型のドライバ又は双安定ディスプレイ・ドライバ(例えば、光干渉変調器ディスプレイ)である。1つの実施形態では、ドライバ・コントローラ2029は、アレイ・ドライバ2022と統合される。そのような実施形態は、セルラ電話機、時計、及びその他の小面積ディスプレイのような高度に集積されたシステムにおいて一般的である。さらに他の1つの実施形態では、ディスプレイ・アレイ2030は、典型的なディスプレイ・アレイ又は双安定ディスプレイ・アレイ(例えば、光干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0055】
入力装置2048は、ユーザが具体例のディスプレイ装置2040の動作を制御することを可能にする。1つの実施形態では、入力装置2048は、クワーティ(QWERTY)キーボード又は電話キーパッドのようなキーパッド、ボタン、スイッチ、接触感応スクリーン、感圧又は感熱膜を含む。1つの実施形態では、マイクロフォン2046は、具体例のディスプレイ装置2040に対する入力装置である。マイクロフォン2046が装置にデータを入力するために使用される場合に、音声命令は、具体例のディスプレイ装置2040の動作を制御するためにユーザによって与えられることができる。
【0056】
電源2050は、この技術において周知のように各種のエネルギー蓄積装置を含むことができる。例えば、1つの実施形態では、電源2050は、ニッケル−カドミウム電池又はリチウム・イオン電池のような、充電可能な電池である。他の1つの実施形態では、電源2050は、回復可能なエネルギー源、キャパシタ、又はプラスチック太陽電池、及びソーラー−セル塗料を含む太陽電池である。他の1つの実施形態では、電源2050は、壁のコンセントから電力を受け取るように構成される。
【0057】
いくつかの方法では、制御のプログラム可能性は、上記に説明されたように、電子ディスプレイ・システム中の複数の場所に置かれることができるドライバ・コントローラ中に常駐する。複数の場合では、制御のプログラム可能性は、アレイ・ドライバ2022中に常駐する。上記に説明された最適化が、任意の数のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素において及び種々の構成において実施されることができることを、当業者は、認識する。
【0058】
上記の詳細な説明は、種々の実施形態に適用されたものとして本発明の新規な特徴を示し、説明し、そして指摘してきているが、説明された装置又はプロセスの形式及び詳細の種々の省略、置き換え、及び変更が、本発明の精神から逸脱することなく当業者により行い得ることが、理解される。理解されるように、本発明は、複数の特徴がその他のものから別々に使用される又は実行されることができるので、ここに説明された特徴及び利点の全部を提供しない枠組みの範囲内で具体化されることができる。本発明の範囲は、前述の明細書よりは請求項により示される。請求項と等価の趣旨及び範囲内になる全ての変更は、この範囲内に包含されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1は、光干渉変調器ディスプレイの1実施形態の一部分を図示する等測図であり、そこでは、第1の光干渉変調器の可動反射層は、リリースされた位置にあり、第2の光干渉変調器の可動反射層は、アクチュエートされた位置にある。
【図2】図2は、3×3光干渉変調器ディスプレイを組み込んでいる電子装置の1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【図3】図3は、図1の光干渉変調器の1つの具体例の実施形態に関する印加電圧に対する可動鏡位置の図である。
【図4】図4は、光干渉変調器ディスプレイを駆動するために使用されることができる行及び列電圧のセットの説明図である。
【図5A】図5Aは、図2の3×3光干渉変調器ディスプレイ中のディスプレイ・データの1つの具体例のフレームを図示する。
【図5B】図5Bは、図5Aのフレームを書き込むために使用されることができる行及び列信号に関する1つの具体例のタイミング図を図示する。
【図6A】図6Aは、図1の装置の断面図である。
【図6B】図6Bは、光干渉変調器の代わりの実施形態の断面図である。
【図6C】図6Cは、光干渉変調器の他の1つの代わりの実施形態の断面図である。
【図7】図7は、変調器を通過する光路を説明する光干渉変調器の横断面図である。
【図8】図8は、白色光を生成するためにシアン及び黄色光干渉変調器を含む1実施形態のスペクトル応答を説明するグラフである。
【図9】図9は、特定の色の光を選択的に透過する材料の層を有する光干渉変調器の横断面図である。
【図10】図10は、白色光を生成するため緑色光干渉変調器及び“マゼンタ”フィルタ層を含む1実施形態のスペクトル応答を説明するグラフである。
【図11A】図11Aは、複数の光干渉変調器を具備する視覚ディスプレイ装置の1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【図11B】図11Bは、複数の光干渉変調器を具備する視覚ディスプレイ装置の1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【符号の説明】
【0060】
12…光干渉変調器,14…可動反射層(可動鏡),16…固定反射層(固定鏡),18…支柱,19…キャビティ,20…透明基板,30…画素アレイ,32…連結部,80…シアン変調器のスペクトル応答,82…黄色変調器のスペクトル応答,84…総合スペクトル応答,102…フィルタ層,104…誘電体層,110…緑色変調器のスペクトル応答,112…マゼンタ・フィルタのスペクトル応答,114…総合スペクトル応答,2040…ディスプレイ装置、2041…ハウジング。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ装置であって、下記を具備する:
その上に入射する緑色光を選択的に反射するために構成された少なくとも1つの光干渉変調器;及び
少なくとも1つの光干渉変調器と関係し、白色光で照明された時に、マゼンタ光に関係する可視波長を選択的に透過するため、かつその他の可視波長を実質的にフィルタするために構成された少なくとも1つのフィルタ。
【請求項2】
前記フィルタは、吸収フィルタを具備する、請求項1のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記フィルタは、少なくとも1つの光干渉変調器上に入射する光をフィルタするため、及び光干渉変調器によって反射された光をフィルタするために構成される、請求項1のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの光干渉変調器は、光学的キャビティを規定する反射面及び部分反射面を具備し、光学的キャビティは緑色光に関係する波長の半分に実質的に等しい光路長を有する、請求項1のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの光干渉変調器及び前記フィルタは、標準化された白色点を有する白色光を生成する、請求項1のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記白色点は、D55,D65,又はD75の1つである、請求項5のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの光干渉変調器と電気的に通信するプロセッサ、前記プロセッサは画像データを処理するために構成される;及び
前記プロセッサと電気的に通信するメモリ装置、
をさらに具備する、請求項1のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの光干渉変調器に少なくとも1つの信号を送るために構成されたドライバ回路、
をさらに具備する、請求項7のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記ドライバ回路に前記画像データの少なくとも一部分を送るために構成されたコントローラ、
をさらに具備する、請求項8のディスプレイ装置。
【請求項10】
前記プロセッサに前記画像データを送るために構成された画像ソース・モジュール、
をさらに具備する、請求項7のディスプレイ装置。
【請求項11】
前記画像ソース・モジュールは、受信機、トランシーバ、及び送信機の少なくとも1つのを具備する、請求項10のディスプレイ装置。
【請求項12】
入力データを受信するため及び前記プロセッサに前記入力データを通信するために構成された入力装置、
をさらに具備する、請求項7のディスプレイ装置。
【請求項13】
ディスプレイ装置を製作する方法であって、下記を具備する:
その上に入射する緑色光を選択的に反射するために構成された少なくとも1つの光干渉変調器を形成すること;及び
前記少なくとも1つの光干渉変調器により変調された光がフィルタによってフィルタされるように前記変調器に関係して設置されるフィルタを形成すること、ここで、前記フィルタは、白色光で照明された時に、マゼンタ光に関係する可視波長を選択的に透過し、かつその他の可視波長を実質的にフィルタする。
【請求項14】
前記フィルタは、吸収フィルタを具備する、請求項13の方法。
【請求項15】
前記変調器を形成すること及び前記フィルタを形成することは、標準化された白色点により特徴付けられた白色光を生成するために前記変調器を形成すること及び前記フィルタを形成することを具備する、請求項13の方法。
【請求項16】
前記標準化された白色点は、D55,D65,又はD75の1つである、請求項15の方法。
【請求項17】
前記フィルタを形成することは、少なくとも1つの光干渉変調器上に入射する光をフィルタし、かつ光干渉変調器により反射された光をフィルタするように材料の層を形成することを具備する、請求項13の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの光干渉変調器を形成することは、光学的キャビティを規定する反射面及び部分反射面を形成することを具備し、光学的キャビティが緑色光に関係する波長の半分に実質的に等しい光路長を有する、請求項13の方法。
【請求項19】
請求項13から18のいずれか1つの方法により製作されたディスプレイ装置。
【請求項20】
ディスプレイ装置であって、下記を具備する:
シアン光を選択的に変調するために構成された少なくとも1つの第1のディスプレイ素子;及び
黄色光を選択的に変調するために構成された少なくとも1つの第2のディスプレイ素子、
ここでは、前記少なくとも1つの第1のディスプレイ素子及び少なくとも1つの第2のディスプレイ素子の各々は、反射面及び部分反射面を具備する。
【請求項21】
前記少なくとも1つの第1のディスプレイ素子及び少なくとも1つの第2のディスプレイ素子は、標準化された白色点を有する白色光を生成する、請求項20のディスプレイ装置。
【請求項22】
前記標準化された白色点は、D55,D65,又はD75の1つである、請求項21のディスプレイ装置。
【請求項23】
前記ディスプレイ素子の各々は、前記第1及び第2の反射面間の光路長、d、により特徴付けられる、及びここでは、前記少なくとも1つの第1のディスプレイ素子の前記光路長はシアン光に関係する波長に実質的に等しい、請求項20のディスプレイ装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つの第2のディスプレイ素子の前記光路長は、黄色光に関係する波長の半分に実質的に等しい、請求項23のディスプレイ装置。
【請求項25】
前記少なくとも1つの第2のディスプレイ素子は、前記少なくとも1つの第1のディスプレイ素子に近接して設置される、請求項20のディスプレイ装置。
【請求項26】
少なくとも1つの前記少なくとも1つの第1のディスプレイ素子及び前記少なくとも1つの第2のディスプレイ素子と電気的に通信するプロセッサ、前記プロセッサは画像データを処理するために構成される;及び
前記プロセッサと電気的に通信するメモリ装置、
をさらに具備する、請求項20のディスプレイ装置。
【請求項27】
少なくとも1つの前記少なくとも1つの第1のディスプレイ素子及び前記少なくとも1つの第2のディスプレイ素子に少なくとも1つの信号を送るために構成されたドライバ回路、
をさらに具備する、請求項26のディスプレイ装置。
【請求項28】
前記ドライバ回路に前記画像データの少なくとも一部分を送るために構成されたコントローラ、
をさらに具備する、請求項27のディスプレイ装置。
【請求項29】
前記プロセッサに前記画像データを送るために構成された画像ソース・モジュール、
をさらに具備する、請求項26のディスプレイ装置。
【請求項30】
前記画像ソース・モジュールは、受信機、トランシーバ、及び送信機の少なくとも1つを具備する、請求項29のディスプレイ装置。
【請求項31】
入力データを受信するため及び前記プロセッサに前記入力データを通信するために構成された入力装置、
をさらに具備する、請求項26のディスプレイ装置。
【請求項32】
ディスプレイ装置を製作する方法であって、下記を具備する:
その上に入射するシアン光を選択的に反射するために構成された少なくとも1つの第1の光干渉変調器を形成すること;及び
前記少なくとも1つの第1の光干渉変調器に近接して少なくとも1つの第2の光干渉変調器を形成すること、ここで、前記少なくとも1つの第2の変調器はその上に入射する黄色光を選択的に反射するために構成される。
【請求項33】
前記変調器を形成することは、標準化された白色点により特徴付けられた白色光を生成するために前記変調器を形成することを具備する、請求項32の方法。
【請求項34】
前記標準化された白色点は、D55,D65,又はD75の1つである、請求項33の方法。
【請求項35】
前記変調器の各々は、光路長、d、により特徴付けられる、及びここでは、前記少なくとも1つの第1の変調器は、シアン光に関係する波長に実質的に等しい間隔を有して形成される、請求項32の方法。
【請求項36】
前記少なくとも1つの第2の変調器は、黄色光に関係する波長の半分に実質的に等しい前記間隔を有して形成される、請求項35の方法。
【請求項37】
請求項32から36のいずれか1つの方法により製作されたディスプレイ装置。
【請求項38】
ディスプレイ装置であって、下記を具備する:
光を変調するための手段、前記変調手段は干渉を利用して緑色光を選択的に反射する;及び
フィルタするための手段、白色光で照明された場合に、前記フィルタ手段はマゼンタ光に関係する可視波長を選択的に透過し、かつその他の可視波長を実質的にフィルタする。
【請求項39】
前記変調手段は、その上に入射する緑色光を選択的に反射するために構成された少なくとも1つの光干渉変調器を具備する、請求項38のディスプレイ装置。
【請求項40】
前記フィルタ手段は、少なくとも1つの光干渉変調器に関係し、及び白色光で照明された場合に、マゼンタ光に関係する可視波長を選択的に透過するため、かつその他の可視波長を実質的にフィルタするために構成された、少なくとも1つのフィルタを具備する、請求項39のディスプレイ装置。
【請求項41】
前記フィルタ手段は、白色光で照明された場合に、マゼンタ光に関係する可視波長を選択的に透過するため、かつその他の可視波長を実質的にフィルタするための手段を具備する、請求項38のディスプレイ装置。
【請求項42】
前記選択的透過手段は、吸収フィルタを具備する、請求項41のディスプレイ装置。
【請求項43】
前記変調手段及び前記フィルタ手段は、標準化された白色点を有する白色光を出力する、請求項38のディスプレイ装置。
【請求項44】
前記変調手段は、微小電気機械システムを具備する、請求項38のディスプレイ装置。
【請求項45】
ディスプレイ装置であって、下記を具備する:
シアン光を選択的に変調するための手段;及び
黄色光を選択的に変調するための手段、
ここでは、前記シアン光変調手段及び黄色光変調手段は、光を反射するための第1の手段及び部分的に光を反射するための第2の手段をそれぞれ具備する。
【請求項46】
前記シアン光変調手段は、その上に入射するシアン光を選択的に反射するために構成された少なくとも1つのディスプレイ素子を具備し、前記第1の反射手段は、反射面を具備し、及び前記第2の部分反射手段は、部分的反射面を具備する、請求項45のディスプレイ装置。
【請求項47】
前記黄色光変調手段は、その上に入射する黄色光を選択的に反射するために構成された少なくとも1つのディスプレイ素子を具備し、前記第1の反射手段は、反射面を具備し、及び前記第2の部分反射手段は、部分的反射面を具備する、請求項46のディスプレイ装置。
【請求項48】
前記シアン光変調手段及び前記黄色光変調手段は、標準化された白色点を有する白色光を出力する、請求項45のディスプレイ装置。
【請求項49】
前記シアン光変調手段及び前記黄色光変調手段は、微小電気機械システムを具備する、請求項45のディスプレイ装置。
【請求項50】
光を変調する方法であって、下記を具備する:
緑色光を干渉方式で変調すること;及び
白色光を出力するために白色光で照明された時に、マゼンタ光を出力するフィルタを用いて前記緑色光をフィルタすること。
【請求項51】
前記フィルタすること及び出力することは、標準化された白色点を有する白色光を出力するために実行される、請求項50の方法。
【請求項52】
光を変調する方法であって、下記を具備する:
シアン光を干渉方式で変調すること;及び
黄色光を干渉方式で変調すること、
ここで、前記シアン及び黄色光は、白色光を生成するために結合する。
【請求項53】
前記出力することは、標準化された白色点を有する白色光を出力するために実行される、請求項52の方法。
【請求項1】
ディスプレイ装置であって、下記を具備する:
その上に入射する緑色光を選択的に反射するために構成された少なくとも1つの光干渉変調器;及び
少なくとも1つの光干渉変調器と関係し、白色光で照明された時に、マゼンタ光に関係する可視波長を選択的に透過するため、かつその他の可視波長を実質的にフィルタするために構成された少なくとも1つのフィルタ。
【請求項2】
前記フィルタは、吸収フィルタを具備する、請求項1のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記フィルタは、少なくとも1つの光干渉変調器上に入射する光をフィルタするため、及び光干渉変調器によって反射された光をフィルタするために構成される、請求項1のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの光干渉変調器は、光学的キャビティを規定する反射面及び部分反射面を具備し、光学的キャビティは緑色光に関係する波長の半分に実質的に等しい光路長を有する、請求項1のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの光干渉変調器及び前記フィルタは、標準化された白色点を有する白色光を生成する、請求項1のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記白色点は、D55,D65,又はD75の1つである、請求項5のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの光干渉変調器と電気的に通信するプロセッサ、前記プロセッサは画像データを処理するために構成される;及び
前記プロセッサと電気的に通信するメモリ装置、
をさらに具備する、請求項1のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの光干渉変調器に少なくとも1つの信号を送るために構成されたドライバ回路、
をさらに具備する、請求項7のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記ドライバ回路に前記画像データの少なくとも一部分を送るために構成されたコントローラ、
をさらに具備する、請求項8のディスプレイ装置。
【請求項10】
前記プロセッサに前記画像データを送るために構成された画像ソース・モジュール、
をさらに具備する、請求項7のディスプレイ装置。
【請求項11】
前記画像ソース・モジュールは、受信機、トランシーバ、及び送信機の少なくとも1つのを具備する、請求項10のディスプレイ装置。
【請求項12】
入力データを受信するため及び前記プロセッサに前記入力データを通信するために構成された入力装置、
をさらに具備する、請求項7のディスプレイ装置。
【請求項13】
ディスプレイ装置を製作する方法であって、下記を具備する:
その上に入射する緑色光を選択的に反射するために構成された少なくとも1つの光干渉変調器を形成すること;及び
前記少なくとも1つの光干渉変調器により変調された光がフィルタによってフィルタされるように前記変調器に関係して設置されるフィルタを形成すること、ここで、前記フィルタは、白色光で照明された時に、マゼンタ光に関係する可視波長を選択的に透過し、かつその他の可視波長を実質的にフィルタする。
【請求項14】
前記フィルタは、吸収フィルタを具備する、請求項13の方法。
【請求項15】
前記変調器を形成すること及び前記フィルタを形成することは、標準化された白色点により特徴付けられた白色光を生成するために前記変調器を形成すること及び前記フィルタを形成することを具備する、請求項13の方法。
【請求項16】
前記標準化された白色点は、D55,D65,又はD75の1つである、請求項15の方法。
【請求項17】
前記フィルタを形成することは、少なくとも1つの光干渉変調器上に入射する光をフィルタし、かつ光干渉変調器により反射された光をフィルタするように材料の層を形成することを具備する、請求項13の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの光干渉変調器を形成することは、光学的キャビティを規定する反射面及び部分反射面を形成することを具備し、光学的キャビティが緑色光に関係する波長の半分に実質的に等しい光路長を有する、請求項13の方法。
【請求項19】
請求項13から18のいずれか1つの方法により製作されたディスプレイ装置。
【請求項20】
ディスプレイ装置であって、下記を具備する:
シアン光を選択的に変調するために構成された少なくとも1つの第1のディスプレイ素子;及び
黄色光を選択的に変調するために構成された少なくとも1つの第2のディスプレイ素子、
ここでは、前記少なくとも1つの第1のディスプレイ素子及び少なくとも1つの第2のディスプレイ素子の各々は、反射面及び部分反射面を具備する。
【請求項21】
前記少なくとも1つの第1のディスプレイ素子及び少なくとも1つの第2のディスプレイ素子は、標準化された白色点を有する白色光を生成する、請求項20のディスプレイ装置。
【請求項22】
前記標準化された白色点は、D55,D65,又はD75の1つである、請求項21のディスプレイ装置。
【請求項23】
前記ディスプレイ素子の各々は、前記第1及び第2の反射面間の光路長、d、により特徴付けられる、及びここでは、前記少なくとも1つの第1のディスプレイ素子の前記光路長はシアン光に関係する波長に実質的に等しい、請求項20のディスプレイ装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つの第2のディスプレイ素子の前記光路長は、黄色光に関係する波長の半分に実質的に等しい、請求項23のディスプレイ装置。
【請求項25】
前記少なくとも1つの第2のディスプレイ素子は、前記少なくとも1つの第1のディスプレイ素子に近接して設置される、請求項20のディスプレイ装置。
【請求項26】
少なくとも1つの前記少なくとも1つの第1のディスプレイ素子及び前記少なくとも1つの第2のディスプレイ素子と電気的に通信するプロセッサ、前記プロセッサは画像データを処理するために構成される;及び
前記プロセッサと電気的に通信するメモリ装置、
をさらに具備する、請求項20のディスプレイ装置。
【請求項27】
少なくとも1つの前記少なくとも1つの第1のディスプレイ素子及び前記少なくとも1つの第2のディスプレイ素子に少なくとも1つの信号を送るために構成されたドライバ回路、
をさらに具備する、請求項26のディスプレイ装置。
【請求項28】
前記ドライバ回路に前記画像データの少なくとも一部分を送るために構成されたコントローラ、
をさらに具備する、請求項27のディスプレイ装置。
【請求項29】
前記プロセッサに前記画像データを送るために構成された画像ソース・モジュール、
をさらに具備する、請求項26のディスプレイ装置。
【請求項30】
前記画像ソース・モジュールは、受信機、トランシーバ、及び送信機の少なくとも1つを具備する、請求項29のディスプレイ装置。
【請求項31】
入力データを受信するため及び前記プロセッサに前記入力データを通信するために構成された入力装置、
をさらに具備する、請求項26のディスプレイ装置。
【請求項32】
ディスプレイ装置を製作する方法であって、下記を具備する:
その上に入射するシアン光を選択的に反射するために構成された少なくとも1つの第1の光干渉変調器を形成すること;及び
前記少なくとも1つの第1の光干渉変調器に近接して少なくとも1つの第2の光干渉変調器を形成すること、ここで、前記少なくとも1つの第2の変調器はその上に入射する黄色光を選択的に反射するために構成される。
【請求項33】
前記変調器を形成することは、標準化された白色点により特徴付けられた白色光を生成するために前記変調器を形成することを具備する、請求項32の方法。
【請求項34】
前記標準化された白色点は、D55,D65,又はD75の1つである、請求項33の方法。
【請求項35】
前記変調器の各々は、光路長、d、により特徴付けられる、及びここでは、前記少なくとも1つの第1の変調器は、シアン光に関係する波長に実質的に等しい間隔を有して形成される、請求項32の方法。
【請求項36】
前記少なくとも1つの第2の変調器は、黄色光に関係する波長の半分に実質的に等しい前記間隔を有して形成される、請求項35の方法。
【請求項37】
請求項32から36のいずれか1つの方法により製作されたディスプレイ装置。
【請求項38】
ディスプレイ装置であって、下記を具備する:
光を変調するための手段、前記変調手段は干渉を利用して緑色光を選択的に反射する;及び
フィルタするための手段、白色光で照明された場合に、前記フィルタ手段はマゼンタ光に関係する可視波長を選択的に透過し、かつその他の可視波長を実質的にフィルタする。
【請求項39】
前記変調手段は、その上に入射する緑色光を選択的に反射するために構成された少なくとも1つの光干渉変調器を具備する、請求項38のディスプレイ装置。
【請求項40】
前記フィルタ手段は、少なくとも1つの光干渉変調器に関係し、及び白色光で照明された場合に、マゼンタ光に関係する可視波長を選択的に透過するため、かつその他の可視波長を実質的にフィルタするために構成された、少なくとも1つのフィルタを具備する、請求項39のディスプレイ装置。
【請求項41】
前記フィルタ手段は、白色光で照明された場合に、マゼンタ光に関係する可視波長を選択的に透過するため、かつその他の可視波長を実質的にフィルタするための手段を具備する、請求項38のディスプレイ装置。
【請求項42】
前記選択的透過手段は、吸収フィルタを具備する、請求項41のディスプレイ装置。
【請求項43】
前記変調手段及び前記フィルタ手段は、標準化された白色点を有する白色光を出力する、請求項38のディスプレイ装置。
【請求項44】
前記変調手段は、微小電気機械システムを具備する、請求項38のディスプレイ装置。
【請求項45】
ディスプレイ装置であって、下記を具備する:
シアン光を選択的に変調するための手段;及び
黄色光を選択的に変調するための手段、
ここでは、前記シアン光変調手段及び黄色光変調手段は、光を反射するための第1の手段及び部分的に光を反射するための第2の手段をそれぞれ具備する。
【請求項46】
前記シアン光変調手段は、その上に入射するシアン光を選択的に反射するために構成された少なくとも1つのディスプレイ素子を具備し、前記第1の反射手段は、反射面を具備し、及び前記第2の部分反射手段は、部分的反射面を具備する、請求項45のディスプレイ装置。
【請求項47】
前記黄色光変調手段は、その上に入射する黄色光を選択的に反射するために構成された少なくとも1つのディスプレイ素子を具備し、前記第1の反射手段は、反射面を具備し、及び前記第2の部分反射手段は、部分的反射面を具備する、請求項46のディスプレイ装置。
【請求項48】
前記シアン光変調手段及び前記黄色光変調手段は、標準化された白色点を有する白色光を出力する、請求項45のディスプレイ装置。
【請求項49】
前記シアン光変調手段及び前記黄色光変調手段は、微小電気機械システムを具備する、請求項45のディスプレイ装置。
【請求項50】
光を変調する方法であって、下記を具備する:
緑色光を干渉方式で変調すること;及び
白色光を出力するために白色光で照明された時に、マゼンタ光を出力するフィルタを用いて前記緑色光をフィルタすること。
【請求項51】
前記フィルタすること及び出力することは、標準化された白色点を有する白色光を出力するために実行される、請求項50の方法。
【請求項52】
光を変調する方法であって、下記を具備する:
シアン光を干渉方式で変調すること;及び
黄色光を干渉方式で変調すること、
ここで、前記シアン及び黄色光は、白色光を生成するために結合する。
【請求項53】
前記出力することは、標準化された白色点を有する白色光を出力するために実行される、請求項52の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【公開番号】特開2006−133743(P2006−133743A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−259341(P2005−259341)
【出願日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(505258472)アイディーシー、エルエルシー (122)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−259341(P2005−259341)
【出願日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(505258472)アイディーシー、エルエルシー (122)
【Fターム(参考)】
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