説明

ディスプレイ・ガラス用合紙及びその製造方法

【課題】ディスプレイ用のガラス板の間に挟み込んで使用され、静電気の発生による紙粉の付着やガラス板の傷や汚れの発生を防止し、機能性膜を形成したガラス基板にも用いることができるディスプレイ・ガラス用合紙及びその製造方法を提供する。
【解決手段】さらしケミカルパルプ50質量%以上を含有する紙であって、炭素数2〜6の多価アルコール、炭素数2〜6の多価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した付加物、炭素数1〜4の1価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した付加物、及び、ポリオキシアルキレン骨格を有し、HLBが8以上の水可溶性ポリエーテル変性シリコーンからなる群より選択される化合物を含有するディスプレイ・ガラス用合紙、及び、上記の化合物を、抄紙工程中又は抄紙された紙に添加して付着させるディスプレイ・ガラス用合紙の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ・ガラス用合紙及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどのディスプレイ用のガラス板の保管、運搬時に、各ガラス板間に挟み込んで使用され、静電気の発生による切粉や紙粉の付着や、ガラス板の傷や汚れの発生を防止することができるディスプレイ・ガラス用合紙及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどのディスプレイ用のガラス板を複数枚積層して保管し、トラックなどにより輸送する流通過程において、ガラス表面の傷や汚染の発生を防止し、スムーズに個々のガラス板を取り出し、洗浄、切削、加工などが容易にできるように、ガラス板の間に合紙を挟むことが行われている。
このように合紙を介在させた場合、紙中に含まれる微量のリグニン質や内添薬剤などが原因となって、ガラス表面にペーパーマークや撥水跡や紙ヤケが発生し、ガラス表面の清浄性が阻害され、さらに合紙を挟む工程前や、合紙を外して洗浄、切削、加工などの処理をするときに、切削などにより発生した切粉や、紙粉などの作業環境や、静電気による発塵の付着などにより、傷、汚れなどを誘発することがあった。
このような傷、汚れなどの発生を防止するために、さまざまな技術が開発されている。例えば、ガラス面上の撥水性、紙アトを回避することができ、ガラスを使用する前に実施する洗浄工程が簡便になるガラス用合紙として、トリポリリン酸ナトリウムを0.1重量%以上含むガラス用合紙が提案されている(特許文献1)。また、長期間保存しても、ガラス表面に付着した合紙からの樹脂分などが、洗浄により容易に除去されるガラス用合紙として、四ホウ酸ナトリウムを50mg/m2以上含有するガラス用合紙が提案されている(特許文献2)。しかし、これらのガラス用合紙は、合紙により発生した汚損を容易に洗浄除去し得るようにするもので、汚損自体の発生を防止するものではない。
また、紙ヤケを防止するとともに、発塵のない合紙として、填料を含まず、天然パルプと樹脂バインダーとから構成される無塵紙の両面に、水溶性樹脂を塗布、乾燥してなるガラス用合紙が提案されている(特許文献3)。しかし、このガラス用合紙には、ガラス板を複数枚積層して保管、運搬すると、高温高湿の環境下での樹脂バインダーによる汚染が発生し、汚染物の洗浄による除去が困難であったり、ガラス板同士が樹脂バインダーで接着されて剥離するのが困難になるという問題がある。さらに、高度の清浄性を付与することが容易であるとともに、良好な作業性を発揮することができるガラス用合紙として、平均繊維長1.6〜2.5mm、かつ繊維長0.3mm以下の短繊維の含有量が7.0重量%以下である天然パルプを、カナダ標準ろ水度(CSF)が600〜750mLとなるまで叩解し、抄紙して得られるガラス用合紙が提案されている(特許文献4)。しかし、このガラス用合紙には、静電気による切粉の付着によりガラス表面に傷がつくという問題がある。
本願出願人らは、積層したガラス板を長期間保存しても、ガラス用合紙に接触するガラス板表面に、外観を損なう紙肌模様やヤケのような変質を生じたり、ガラス板表面が撥水性を帯びたりすることがなく、ガラス板表面への蒸着、金属膜処理、銀メッキなどの加工を支障なく行うことができるガラス用合紙として、炭素数2〜6の多価アルコール及び該多価アルコールの水酸基の一部若しくは全部に炭素数2〜3のアルキレンオキサイドを水酸基1個当たり1〜20分子付加したアルキレンオキサイド付加物よりなる群から選ばれた化合物を紙に含有させたガラス用合紙を提案した(特許文献5)。
近年、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどの電子機器の基板として使用されるガラス板は、各種金属膜蒸着、回路プリントなどの工程を経てガラス板上に導電体、半導体、絶縁体が形成され、これら工程中の不具合を低減するためにクリーンルーム内で取り扱われる。このようにガラス板においては、高精度や高品質を要求されることから、前記の問題点が各種工程処理における不良の原因となるために、ガラス板に使用されるガラス用合紙の品質に対する要求も厳しくなり、従来のガラス用合紙を使用すると発塵は避けられないために、ガラス板材の製造環境の汚染を要求水準まで抑えることが困難である。このために、上記のガラス用合紙は、ディスプレイ加工者向けに供給されるITO(インジウム錫酸化物)膜やマトリックス用メタル膜などの機能性膜を形成した「ガラス基板」の輸送や保管には使用されず、機能性膜を形成してガラス基板とするために使用される「ガラス元板」への使用のみにとどまっている。
このような問題に対して、ガラス用合紙を使用するとガラス板面全体に触れる必要がある欠点を解消する包装用補助具及び包装体として、薄質で脆い板状体どうしを間隔を空けて重ね、保管、輸送などするためのものであって、剛性の素材で構成された幅の狭い枠状のシート状物であり、前記板状体の周縁の形状を有する包装用補助具、及び、該包装用補助具上に、前記板状体が該包装用補助具を介して必要枚数重ね合わせられ、全体を固定手段により固定され、さらに全体を密封包装された包装体が提案されている(特許文献6)。しかし、この包装用補助具及び包装体は、発塵の抑制と汚染に対しては効果的であるが、一度に少数のガラス状板材しか輸送、保管することができず、物流及び保管のコストの上昇を招く問題点がある。また、近年、要求されるガラス状板材はますます大型化されているために、この包装用補助具及び包装体では輸送時にガラス状板材が撓み、互いのガラス状板材同士の接触が大きな問題となっている。
そのために、機能性膜を形成したガラス基板にも使用可能なガラス用合紙が要望されている。
【特許文献1】特開平6−316432号公報
【特許文献2】特開平7−101483号公報
【特許文献3】特開平9−170198号公報
【特許文献4】特開2005−248409号公報
【特許文献5】特開平7−316998号公報
【特許文献6】特開2000−142873号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどのディスプレイ用のガラス板の保管、運搬時に、各ガラス板間に挟み込んで使用され、ディスプレイ・ガラスに対して、静電気の発生による紙粉の付着やガラス板の傷や汚れの発生を防止し、ガラス元板のみならず機能性膜を形成したガラス基板にも用いることができる優れた性能を有するディスプレイ・ガラス用合紙及びその製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、さらしケミカルパルプ50質量%を含有するパルプからなり、炭素数2〜6の多価アルコール、炭素数2〜6の多価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド付加物、炭素数1〜4の1価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド付加物、又は、ポリオキシアルキレン骨格を有し、HLBの平均値が8以上の水可溶性ポリエーテル変性シリコーンを含有するガラス用合紙は、ディスプレイ用のガラス板に静電気の発生による切粉や紙粉の付着を防止し、ガラス板の傷や汚れの発生を防止し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)さらしケミカルパルプ50質量%以上を含有するパルプからなる紙であって、炭素数2〜6の多価アルコール、炭素数2〜6の多価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド付加物、炭素数1〜4の1価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド付加物、及び、ポリオキシアルキレン骨格を有し、HLBの平均値が8以上の水可溶性ポリエーテル変性シリコーンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とするディスプレイ・ガラス用合紙、及び、
(2)さらしケミカルパルプ50質量%以上を含有するパルプを抄紙して得られる紙の製造方法において、炭素数2〜6の多価アルコール、炭素数2〜6の多価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド付加物、炭素数1〜4の1価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド付加物、及び、ポリオキシアルキレン骨格を有し、HLBの平均値が8以上の水可溶性ポリエーテル変性シリコーンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を、抄紙工程中又は抄紙された紙に添加して付着させることを特徴とするディスプレイ・ガラス用合紙の製造方法、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明のディスプレイ・ガラス用合紙は、ディスプレイ用のガラス板への静電気の発生による切粉や紙粉の付着を防止し、ガラス板の傷や汚れの発生を防止することができ、機能性膜をコーティングしたガラス基板にも用いることが可能である。本発明のディスプレイ・ガラス用合紙の製造方法によれば、ガラス元板のみならず機能性膜をコーティングしたガラス基板にも用いることが可能となる優れた性能を有するディスプレイ・ガラス用合紙を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明のディスプレイ・ガラス用合紙は、さらしケミカルパルプ50質量%以上を含有するパルプからなる紙であって、炭素数2〜6の多価アルコール、炭素数2〜6の多価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド付加物、炭素数1〜4の1価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド付加物、及び、ポリオキシアルキレン骨格を有し、HLBの平均値が8以上の水可溶性ポリエーテル変性シリコーンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有する。
本発明のディスプレイ・ガラス用合紙の製造方法においては、さらしケミカルパルプ50質量%以上を含有するパルプを抄紙して得られる紙の製造方法において、炭素数2〜6の多価アルコール、炭素数2〜6の多価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド付加物、炭素数1〜4の1価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド付加物、及び、ポリオキシアルキレン骨格を有し、HLBの平均値が8以上の水可溶性ポリエーテル変性シリコーンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を、抄紙工程中又は抄紙された紙に添加して付着させる。
【0007】
本発明に用いるさらしケミカルパルプは、木材組織の中間層にあるリグニンを化学的に分解、溶出させて繊維を単離させ、漂白により着色成分を除去したパルプである。さらしケミカルパルプの原料としては、例えば、モミ、ツガ、シラベ、エゾマツ、トドマツ、アカマツ、ダグラスファー、ヘムロック、ホワイトファー、スプルースなどの針葉樹、マカンバ、ハンノキ、ドロノキ、ブナ、アカシア、ユーカリ、マングローブ、シルバービーチ、ラワンなどの広葉樹、コウゾ、ミツマタ、ガンビ、亜麻、大麻、ケナフ、マニラ麻、アバカ、サイザル麻、わら、さとうきびバガス、タケ、エスパルト、ワタ、リンターなどの非木材などを挙げることができる。
さらしケミカルパルプの蒸解に用いる薬剤としては、例えば、亜硫酸、亜硫酸水素塩、苛性ソーダ、硫化ナトリウムなどを挙げることができる。蒸解に際しては、酸素、アントラキノンなどを併用することができる。さらしケミカルパルプの漂白方法としては、例えば、塩素処理、アルカリ抽出、次亜塩素酸塩処理、二酸化塩素処理、酸素処理、過酸化水素処理などを挙げることができる。これらの処理方法は、適宜組み合わせて多段漂白することができる。本発明に用いるさらしケミカルパルプは、JIS P 8148:2001に従って測定したISO白色度が70%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
【0008】
本発明に用いるさらしケミカルパルプとしては、例えば、針葉樹さらしクラフトパルプ(NBKP)、広葉樹さらしクラフトパルプ(LBKP)、針葉樹さらし亜硫酸パルプ(NBSP)、広葉樹さらし亜硫酸パルプ(LBSP)などを挙げることができる。本発明のディスプレイ・ガラス用合紙のさらしケミカルパルプの含有量は、50質量%以上であり、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは85質量%以上である。さらしケミカルパルプの含有量が50質量%未満であると、機能性膜を形成したガラス基板に傷や汚れが発生するおそれがある。
本発明において、ディスプレイ・ガラス用合紙が含有するさらしケミカルパルプ以外の50質量%未満のパルプとしては、例えば、針葉樹未さらしクラフトパルプ(NUKP)、広薬樹未さらしクラフトパルプ(LUKP)などの未さらしパルプ、木材やその他の植物を機械的に処理して得られるグランドパルプ(GP)、新聞、板紙などを再生処理して得られる脱インキパルプ(DIP)などを挙げることができる。
【0009】
本発明に用いる炭素教2〜6の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、エリトリトール、トレイトール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビタン、アラビトール、キシリトール、リビトール、クエシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、アリトール、アリトリトール、イジトール、イノシトール、クェルシトール、コンズリトール、ミチリトールなどを挙げることができる。これらの中で、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール類、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、キシリトール及びソルビトールは、静電気の発生による切粉や紙粉の付着を効果的に防止することができるので、好適に用いることができる。多価アルコールの炭素数が6を超えると融点が高くなったり、水への溶解性が低下したりして取り扱いが容易でなくなり、ガラス板への付着による汚れや変色が発生するおそれがある。
【0010】
本発明に用いる炭素数1〜4の1価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノールなどを挙げることができる。1価アルコールの炭素数が4を超えると、アルキレンオキサイド付加物の疎水性が大きくなり、水への溶解性が低下して、ガラス板への付着による汚れや変色が発生するおそれがある。
本発明に用いる炭素数2〜4のアルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、イソブチレンオキサイドなどを挙げることができる。これらの中で、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びトリメチレンオキサイドは、静電気の発生による切粉や紙粉の付着を効果的に防止することができるので好適に用いることができ、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを特に好適に用いることができる。
本発明において、炭素数2〜6の多価アルコール又は炭素数1〜4の1価アルコールへのアルキレンオキサイドの付加形態に特に制限はなく、1種のアルキレンオキサイドの単独付加、2種以上のアルキレンオキサイドの付加のいずれともすることができる。2種以上のアルキレンオキサイドを付加するとき、その付加形態は、混合付加(ランダム付加)、順次付加(ブロック付加)などを適宜選択することができる。これらの中で、エチレンオキサイド単独付加、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイド又はトリメチレンオキサイドとの混合付加(ランダム付加)若しくは順次付加(ブロック付加)の組み合わせを好適に用いることができる。
【0011】
本発明において、多価アルコール又は1価アルコールへのアルキレンオキサイド付加量に特に制限はないが、アルキレンオキサイド単独付加の場合は、多価アルコール又は1価アルコール1モルに対して1〜20モルであることが好ましい。多価アルコール又は1価アルコールへのアルキレンオキサイド付加量が1〜20モル倍であると、効果的に静電気の発生による切粉や紙粉の付着を防止し、ガラス板の傷や汚れの発生を防止することができる。また、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイド若しくはトリメチレンオキサイドとの混合付加(ランダム付加)又は順次付加(ブロック付加)の場合は、多価アルコール又は1価アルコール1モルに対してアルキレンオキサイド2〜30モルであり、エチレンオキサイドの量が全アルキレンオキサイド中50質量%以上であることが好ましい。多価アルコール若しくは1価アルコールへの混合付加若しくは順次付加のアルキレンオキサイドの付加量が2〜30モル倍であると、アルキレンオキサイド付加物の水への溶解性が低下せず取り扱いが容易となり、効果的に静電気の発生による切粉や紙粉の付着を防止し、ガラス板の傷や汚れを防止することができる。
アルキレンオキサイド付加物に用いられる炭素数2〜4のアルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、イソブチレンオキサイドなどを挙げることができる。これらの中で、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びトリメチレンオキサイドは、静電気の発生による切粉や紙粉の付着を効果的に防止することができるので好適に用いることができ、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを特に好適に用いることができる。
【0012】
本発明に用いるポリエーテル変性シリコーンは、ポリオキシアルキレン骨格を有し、かつHLBの平均値が8以上で水可溶性を有するものであり、より好ましくは、HLBの平均値が10〜16で水可溶性を有するものである。HLBの平均値が10〜16で水可溶性を有するポリエーテル変性シリコーンは、効果的に静電気の発生による切粉や紙粉の付着を防止し、ガラス板の傷や汚れを防止することができるので、特に好適に用いることができる。なお、ここでHLB(親水性親油性バランス)はグリフィンの式によるHLBであり、水可溶性とは25℃の水に対して0.1質量%以上溶解することが可能であることを意味する。
本発明において、ポリエーテル変性シリコーンは、HLBが8以上で水可溶性を有するもの1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、ポリエーテル変性シリコーンのHLBの平均値が8以上で水可溶性であれば、HLBが8未満の水可溶性ポリエーテル変性シリコーンが含まれていてもよい。ポリエーテル変性シリコーンのHLBの平均値が8未満であると、静電気の発生による切粉や紙粉の付着が発生するおそれがある。さらに、ポリエーテル変性シリコーンに水可溶性がないと、静電気の発生による切粉や紙粉の付着及びガラス板の汚れが発生するおそれがある。
本発明に用いるポリエーテル変性シリコーンのポリオキシアルキレン骨格に特に制限はなく、例えば、ポリオキシエチレン骨格、ポリオキシプロピレン骨格、ポリオキシトリメチレン骨格、ポリオキシブチレン骨格、ポリオキシテトラメチレン骨格などを挙げることができる。これらの骨格としては、1種のポリオキシアルキレンの単独骨格、2種以上のポリオキシアルキレンの混合骨格(ランダム)、順次骨格(ブロック)などを挙げることができ、これらの骨格は、シリコーンの両末端、シリコーンの側鎖若しくは主鎖中に導入されていてもよい。これらの中で、ポリオキシエチレン骨格、ポリオキシエチレン骨格とポリオキシプロピレン骨格の混合骨格若しくは順次骨格は、静電気の発生による切粉や紙粉の付着を効果的に防止し、ガラス板の傷や汚れを防止することができるので、特に好適に用いることができる。
【0013】
このようなポリエーテル変性シリコーンとしては、例えば、アリルアルコールなどの二重結合を有するアルコールにアルキレンオキサイドを付加した化合物に、メチルハイドロジェンシリコーンなどの活性水素基を有するシリコーンを反応させて得られるメチルハイドロジェンシリコーンの側鎖ポリオキシアルキレン型、メチルハイドロジェンシリコーン・ポリオキシアルキレン重合型などを挙げることができる。二重結合を有するアルコールへのアルキレンオキサイドを付加に用いるアルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、イソブチレンオキサイドなどを挙げることができる。
上記の化合物の中で、炭素数2〜6の多価アルコール、炭素数2〜6の多価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド付加物、炭素数1〜4の1価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド付加物は、効果的に静電気の発生による切粉や紙粉の付着を防止し、ガラス板の傷や汚れを防止することができるので好適に用いることができ、炭素数2〜6の多価アルコール及び炭素数2〜6の多価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド付加物を特に好適に用いることができる。
【0014】
本発明のディスプレイ・ガラス用合紙は、JIS P 8141:2004に従って20℃で測定した10分間の吸水度が、20〜60mmであることが好ましい。10分間の吸水度が20〜60mmであると、ガラス板に対する汚れの防止性を向上することができる。
本発明のディスプレイ・ガラス用合紙の製造方法においては、さらしケミカルパルプを、カナダ標準ろ水度(CSF)400〜800mLとなるように叩解することが好ましく、550〜750mLとなるように叩解することがより好ましい。さらしケミカルパルプのカナダ標準ろ水度が400〜800mLであると、多価アルコール、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物、1価アルコールのアルキレンオキサイド付加物又はポリエーテル変性シリコーンとの組み合わせにおいて、効果的にガラス板に対する傷や汚れの防止性を向上することができる。なお、カナダ標準ろ水度(CSF)は、JIS P 8121:1995に従って、カナダ標準ろ水度試験器を用いて測定することができる。
【0015】
本発明方法において、さらしケミカルパルプ50質量%以上を含有するパルプの抄紙工程中又は抄紙された紙に、多価アルコール、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物、1価アルコールのアルキレンオキサイド付加物又は水可溶性ポリエーテル変性シリコーンを添加して付着させる方法に特に制限はなく、抄紙工程中に添加して付着させる場合は、例えば、上記の化合物をそのままで、あるいは水又はメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコールに希釈若しくは溶解し、離解工程直後、叩解前後、薬品などを添加する紙料調成前後、抄紙前、古紙の再生処理前後などに添加して付着させることができる。また、抄紙された紙に添加して付着させる場合は、例えば、上記の化合物をそのままで、あるいは水又はメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコールに希釈若しくは溶解し、含浸、サイズプレス、キャレンダーコータ、ゲートロールコータ、スプレーなどを用いて含浸又は塗布して付着させることができる。上記の化合物を添加して付着させる付着量は、紙に対して0.05〜5.0質量%であることが好ましく、0.2〜4.0質量%であることがより好ましい。紙に対する上記の化合物の付着量が0.05〜5.0質量%であると、効果的に静電気の発生による紙粉の付着やガラス板の傷や汚れの発生を防止することができる。これら上記の化合物を添加して付着させる方法の中で、抄紙された紙に添加して付着させる方法は、静電気の発生による紙粉の付着やガラス板の傷や汚れの発生をより効果的に防止することができるので、特に好適に用いられる。なお、本発明において、抄紙された紙とは、ワイヤーパートを出たのち、プレスパート、ドライヤーパートなどに送られる湿紙を含み、リールに巻き取られた製品に限られない。
本発明においては、静電気の発生による切粉や紙粉の付着の防止性、ガラス板の傷や汚れの防止性を損なわない範囲で、他の薬剤を組み合わせて用いることができる。他の薬剤としては、例えば、界面活性剤、溶剤、湿潤紙力剤、乾燥紙力剤、澱粉やポリビニルアルコールなどの紙力剤、ドライヤー剥離剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤、サイズ剤、紙質改善剤、填料、顔料、染料、消泡剤などを挙げることができる。
【実施例】
【0016】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、ディスプレイ・ガラス用合紙の評価は下記の方法により行った。また、ディスプレイ・ガラスとして、液晶用ガラス元板及びITO薄膜形成液晶用ガラス基板を用いた。
(1)吸水度
ディスプレイ・ガラス用合紙のクレム法による吸水度を、JIS P 8141:2004に従って、20℃において、10分間に試験片に上昇した水吸収高さとして測定した。
(2)表面抵抗値
ディスプレイ・ガラス用合紙を、20℃、40%RHの雰囲気下に24時間放置したのち、ディスプレイ・ガラス用合紙の表面抵抗値を、表面抵抗計[東亜電波工業(株)、SUPER MEGOHMMETER SM−5E]を用いて測定した。
(3)ガラス板とガラス用合紙の貼り付き性
ディスプレイ・ガラス用合紙とディスプレイ・ガラスを密着させ、20℃、40%RHの雰囲気下に24時間放置したのち、ディスプレイ・ガラスからディスプレイ・ガラス用合紙を剥がすときの貼り付き具合を、以下の4段階の評価基準に基づいて評価した。
4:貼り付きなし(剥がすときに抵抗を感じない)。
3:若干貼り付きがある(剥がすときに若干抵抗を感じる)。
2:貼り付きがある(剥がすときに抵抗を感じる)。
1:貼り付きが大きい(剥がすときに大きな抵抗を感じる)。
(4)傷
表面性測定機[新東科学(株)、Type 14S]を用い、上部にディスプレイ・ガラス用合紙(63.5×100mm)を取り付け、下部にディスプレイ・ガラス(100×200mm)を取り付けた。下部のディスプレイ・ガラスの表面に、ガラス切粉として海砂[昭和化学(株)、粒度200〜300メッシュ]0.05gを均一にのせ、上部のディスプレイ・ガラス用合紙の面と接触させ、上部に荷重2Nをかけ、20mm/分の速度にて10秒間下部のディスプレイ・ガラスを移動させた。次に、ディスプレイ・ガラスの表面を、顕微鏡を用いて100倍で目視観察し、以下の4段階の評価基準に基づいて評価した。
4:傷なし。
3:若干の傷あり。
2:傷あり。
1:傷多い。
(5)汚れ
ディスプレイ・ガラス用合紙(100×200mm)とディスプレイ・ガラス(100×200mm)を密着させ、50℃、90%RHの雰囲気下に100時間放置したのち、ディスプレイ・ガラスからディスプレイ・ガラス用合紙を剥がし、ガラス表面の汚れ度合を、ガラス表面に呼気を吹き付けた際の曇り方によって目視判定した。判定は、以下の4段階の評価基準に基づいて評価した。汚れが認められる程、曇りが発生する。
4:曇りなし。
3:ガラス板の1/4程度以下が曇る。
2:ガラス板の1/4〜1/2程度が曇る。
1:ガラス板の1/2程度以上が曇る。
【0017】
実施例1
さらしクラフトパルプ(LBKP/NBKP=20/80(質量比) CSF=700mL)5質量%のパルプスラリーを用い、角型シートマシン[熊谷理機工業(株)]にて坪量40g/m2となるように抄紙し、プレス機[熊谷理機工業(株)]により0.7MPaで5分間プレスしたのち、ヤンキードライヤー[熊谷理機工業(株)]にて105℃で3分間乾燥して試供紙を得た。
次に、添加剤としてエチレングリコールを用い、添加剤が3.0質量%含まれるように水に溶解された処理液を用いて、添加剤の付着量が試供紙に対して3.0質量%となるように含浸処理し、ヤンキードライヤー[熊谷理機工業(株)]にて105℃で3分間乾燥してディスプレイ・ガラス用合紙を得た。
得られたディスプレイ・ガラス用合紙は、吸水度37mmであり、表面抵抗値6.1×1011Ωであった。貼り付き性試験において、ガラス元板との貼り付きはなかったが、ガラス基板とは若干の貼り付きがあった。傷試験において、ガラス元板、ガラス基板ともに傷は認められなかった。汚れ試験において、ガラス元板、ガラス基板ともに汚れは認められなかった。
実施例2〜25、比較例1〜5
第1表に示す添加剤とパルプを使用して、実施例1と同様にして、ディスプレイ・ガラス合紙を作製し、評価を行った。
実施例1〜25及び比較例1〜5で用いた添加剤及びパルプを第1表に、得られたディスプレイ・ガラス用合紙の評価結果を第2表に示す。
【0018】
【表1】

【0019】
【表2】

【0020】
【表3】

【0021】
[注]EO:エチレンオキサイド、PO:プロピレンオキサイド、LBKP:広葉樹さらしクラフトパルプ、NBKP:針葉樹さらしクラフトパルプ、LBSP:広葉樹さらし亜硫酸パルプ、NBSP:針葉樹さらし亜硫酸パルプ、LUKP:広葉樹未さらしクラフトパルプ、LBKP:針葉樹未さらしクラフトパルプ、GP:グランドパルプ、DIP:脱インキパルプ。
【0022】
【表4】

【0023】
第2表に見られるように、実施例1〜25で得られたディスプレイ・ガラス用合紙においては、吸水度が大きく、表面抵抗値が小さく、ディスプレイ・ガラスとガラス用合紙の貼り付きが少なく、ディスプレイ・ガラスの傷や汚れが少ない。特に多価アルコール又は多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物を含有させた実施例1〜18では、ディスプレイ・ガラスとガラス用合紙の貼り付きや、ディスプレイ・ガラスの傷や汚れがほとんど認められない。これに対して、さらしケミカルパルプ40質量%を含有するパルプを抄紙して得られる紙を用いた比較例2においては、ガラス用合紙の吸水度が小さく、ディスプレイ・ガラスに傷や汚れが発生している。また、炭素数10の多価アルコール又は炭素数6の1価アルコールのアルキレンオキサイド付加物を含有させた比較例3〜4と、HLB6.9のポリオキシアルキレン骨格を有するポリエーテル変性シリコーンを含有させた比較例5では、ガラス用合紙の吸水度が小さく、ディスプレイ・ガラスとガラス用合紙の貼り付きがあり、ディスプレイ・ガラスの傷や汚れも見られる。
【0024】
実施例26
さらしクラフトパルプ(LBKP/NBKP=20/80、CSF=700mL)5質量%のパルプスラリーを用いて、角型シートマシン[熊谷理機工業(株)]にて坪量40g/m2となるように抄紙し、プレス機[熊谷理機工業(株)]により0.7MPaで5分間プレスしたのち、ヤンキードライヤー[熊谷理機工業(株)]にて105℃で3分間乾燥して試供紙を得た。
次に、添加剤としてエチレングリコールを用い、添加剤が2.0質量%含まれるように水に溶解された処理液を用いて、添加剤の付着量が試供紙に対して2.0質量%となるようにスプレー処理し、ヤンキードライヤー[熊谷理機工業(株)]にて105℃で3分間乾燥してディスプレイ・ガラス用合紙を得た。
得られたディスプレイ・ガラス用合紙は、吸水度36mmであり、表面抵抗値6.4×1011Ωであった。貼り付き性試験において、ガラス元板との貼り付きはなかったが、ガラス基板とは若干の貼り付きがあった。傷試験において、ガラス元板、ガラス基板ともに傷は認められなかった。汚れ試験において、ガラス元板、ガラス基板ともに汚れは認められなかった。
実施例27〜50、比較例6〜10
第3表に示す添加剤とパルプを使用して、実施例26と同様にして、ディスプレイ・ガラス合紙を作製し、評価を行った。
実施例26〜50及び比較例6〜10で用いた添加剤及びパルプを第3表に、得られたディスプレイ・ガラス用合紙の評価結果を第4表に示す。
【0025】
【表5】

【0026】
【表6】

【0027】
【表7】

【0028】
[注]EO:エチレンオキサイド、PO:プロピレンオキサイド、LBKP:広葉樹さらしクラフトパルプ、NBKP:針葉樹さらしクラフトパルプ、LBSP:広葉樹さらし亜硫酸パルプ、NBSP:針葉樹さらし亜硫酸パルプ、LUKP:広葉樹未さらしクラフトパルプ、LBKP:針葉樹未さらしクラフトパルプ、GP:グランドパルプ、DIP:脱インキパルプ。
【0029】
【表8】

【0030】
第4表に見られるように、実施例26〜50で得られたディスプレイ・ガラス用合紙においては、吸水度が大きく、表面抵抗値が小さく、ディスプレイ・ガラスとガラス用合紙の貼り付きが少なく、ディスプレイ・ガラスの傷や汚れが少ない。特に多価アルコール又は多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物を含有させた実施例26〜43では、ディスプレイ・ガラスとガラス用合紙の貼り付きや、ディスプレイ・ガラスの傷や汚れがほとんど認められない。これに対して、さらしケミカルパルプ40質量%を含有するパルプを抄紙して得られる紙を用いた比較例7においては、ガラス用合紙の吸水度が小さく、ディスプレイ・ガラスに傷や汚れが発生している。また、炭素数10の多価アルコール又は炭素数6の1価アルコールのアルキレンオキサイド付加物を含有させた比較例8〜9と、HLBが6.9のポリオキシアルキレン骨格を有するポリエーテル変性シリコーンを含有させた比較例10では、ガラス用合紙の吸水度が小さく、ディスプレイ・ガラスとガラス用合紙の貼り付きがあり、ディスプレイ・ガラスの傷や汚れも見られる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明のディスプレイ・ガラス用合紙は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどのディスプレイ用のガラス板の間に挟みこんで使用され、静電気の発生による切粉や紙粉の付着を防止し、ガラス板の傷や汚れの発生を防止することができ、ガラス元板のみならず機能性膜をコーティングしたガラス基板にも用いることが可能である。本発明のディスプレイ・ガラス用合紙の製造方法によれば、ガラス元板のみならず機能性膜をコーティングしたガラス基板にも用いることが可能となる優れた性能を有するディスプレイ・ガラス用合紙を製造することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
さらしケミカルパルプ50質量%以上を含有するパルプからなる紙であって、炭素数2〜6の多価アルコール、炭素数2〜6の多価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド付加物、炭素数1〜4の1価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド付加物、及び、ポリオキシアルキレン骨格を有し、HLBの平均値が8以上の水可溶性ポリエーテル変性シリコーンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とするディスプレイ・ガラス用合紙。
【請求項2】
さらしケミカルパルプ50質量%以上を含有するパルプを抄紙して得られる紙の製造方法において、炭素数2〜6の多価アルコール、炭素数2〜6の多価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド付加物、炭素数1〜4の1価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド付加物、及び、ポリオキシアルキレン骨格を有し、HLBの平均値が8以上の水可溶性ポリエーテル変性シリコーンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を、抄紙工程中又は抄紙された紙に添加して付着させることを特徴とするディスプレイ・ガラス用合紙の製造方法。

【公開番号】特開2008−208478(P2008−208478A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−44985(P2007−44985)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(000226161)日華化学株式会社 (208)
【Fターム(参考)】