ディスプレイ検査装置及び方法
【課題】FPDの滅点と塵埃を識別することができるディスプレイ検査装置及び方法を提供する。
【解決手段】ディスプレイを撮像部11により撮像する第1撮像部(制御部13)と、撮像部の感光面がディスプレイの移動方向とは逆方向に移動された状態で、ディスプレイを撮像部11により撮像する第2撮像部(制御部13)と、第2撮像部により撮像された画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、第1撮像部により撮像された画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なるかどうかを判断する判断部(制御部13)を有し、第2撮像部により撮像された画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、第1撮像部により撮像された画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なると判断された場合、ディスプレイの点欠を異物による点欠とする判定部(制御部13)とを備える。
【解決手段】ディスプレイを撮像部11により撮像する第1撮像部(制御部13)と、撮像部の感光面がディスプレイの移動方向とは逆方向に移動された状態で、ディスプレイを撮像部11により撮像する第2撮像部(制御部13)と、第2撮像部により撮像された画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、第1撮像部により撮像された画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なるかどうかを判断する判断部(制御部13)を有し、第2撮像部により撮像された画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、第1撮像部により撮像された画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なると判断された場合、ディスプレイの点欠を異物による点欠とする判定部(制御部13)とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフラットパネルディスプレイを検査する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの小型機器にフラットパネルディスプレイ(以下、FPD)を組み込む場合、FPD上にガラスやプラスチックからなる透明カバーを設けるのが一般的である。また、この透明カバーとFPDとの間に塵埃が存在するまま透明カバーが設けられてしまう場合があり、この塵埃を取り除くことは困難である。また、FPDには、高い確率で点灯しない画素(ドット)が存在し、このような画素を滅点という。以下、上述したFPDの一例としての液晶ディスプレイの構造と、液晶ディスプレイにおける塵埃と滅点について具体的に説明する。図12は、塵埃と滅点が存在する液晶ディスプレイを示す図である。
【0003】
図12に示すように、液晶ディスプレイ9は、ガラス板92a及び92b、カラーフィルタ93、液晶94、バックライト95を備えるものである。また、液晶ディスプレイのガラス板92a上には透明カバー91が設けられている。バックライト95は、液晶94に対して発光するものである。また、液晶94は、電圧に基づいて、カラーフィルタ単位でバックライト95による光の透過率を変化させるものである。また、カラーフィルタ93は、1画素にR(Red)G(Green)B(Blue)の光を透過させるフィルタを配置したものである。また、ガラス板92a及び92bは、カラーフィルタ93及び液晶94を挟むように設けられた透明度の高い部材である。液晶ディスプレイ9は、液晶94にRGBそれぞれの光の透過率を変化させることにより、加法混色によって1画素の色を表現する。
【0004】
このような液晶ディスプレイ9には、滅点が少なからず存在する。例えば、図12に示す液晶ディスプレイ9においては、Rのカラーフィルタ93に対応する液晶94に滅点が存在し、このような滅点を持つ画素は正常に色を表現することができない。また、図12に示すように、透明カバー91上に塵埃が付着することがあるが、このような塵埃を除去することは容易であるため、問題とはならない。しかし、上述したように、液晶ディスプレイ9を機器に組み込むプロセスにおいて、透明カバー91を被せる際に図12に示すように透明カバー91とガラス板92aの間に塵埃が挟まると、これを除去することは困難である。
【0005】
上述した滅点と挟まった塵埃(以下、塵埃)とは、FPDの検査において扱いが異なる場合がある。例えば、塵埃の数やサイズが塵埃に対して定められた審査基準以下であればFPDを良品とし、また、滅点の数やサイズが滅点に対して定められた審査基準以下であればFPDを良品とする場合がある。このような場合、それぞれの審査基準は異なるためFPDにおける滅点と塵埃とを区別しなくてはならない。
【0006】
また、上述したようなFPDにおける滅点と塵埃を区別する技術として、ラインセンサによりFPDの各素子の輝度を計測するとともに、焦点位置の異なるラインセンサを用いて異物の検査を行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−124660号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、焦点位置の違いにより滅点と塵埃を区別するということは、ガラス板の厚み(1mm以下)の違いでボケが発生するほど高光学倍率な光学系(つまり、被写界深度の浅い光学系)を備える必要がある。このため、特許文献1の技術は、FPDの全面を一度に撮像することができず、検査の判定に時間が掛かるという問題がある。
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、より光学倍率の低い光学系を用いてFPD上の滅点と塵埃を識別することができるディスプレイ検査装置及び方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、ディスプレイ検査装置は、混色における複数の異なる原色のカラーフィルタが画素内に配列されたディスプレイを検査する装置であって、感光面と光学系からなるカメラと、前記ディスプレイを前記カメラにより撮像する第1撮像部と、前記第1撮像部により撮像された画像である第1撮像画像に基づいて、前記ディスプレイに点欠があるかどうかを判断する第1判断部と、前記第1判断部により前記ディスプレイに点欠があると判断された場合、前記ディスプレイを画素内のカラーフィルタの配列方向に移動するとともに、前記カメラの感光面を前記ディスプレイの移動方向と逆方向に移動する移動部と、前記移動部により前記ディスプレイが移動され、前記感光面が前記ディスプレイの移動方向とは逆方向に移動された状態において、前記カメラにより前記ディスプレイを撮像する第2撮像部と、前記第2撮像部により撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なるかどうかを判断する第2判断部と、前記第2判断部により前記第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なると判断された場合、前記ディスプレイの点欠を異物による点欠とする判定部とを備える。
【0010】
また、ディスプレイ検査方法は、混色における複数の異なる原色のカラーフィルタが画素内に配列されたディスプレイを感光面と光学系からなるカメラにより撮像する方法であって、前記ディスプレイを前記カメラにより撮像する第1撮像ステップと、前記第1撮像ステップにより撮像された画像である第1撮像画像に基づいて、前記ディスプレイに点欠があるかどうかを判断する第1判断ステップと、前記第1判断ステップにより前記ディスプレイに点欠があると判断された場合、前記ディスプレイを画素内のカラーフィルタの配列方向に移動するとともに、前記カメラの感光面を前記ディスプレイの移動方向と逆方向に移動する移動ステップと、前記移動ステップにより前記ディスプレイが移動され、前記感光面が前記ディスプレイの移動方向とは逆方向に移動された状態において、前記カメラにより前記ディスプレイを撮像する第2撮像ステップと、前記第2撮像ステップにより撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なるかどうかを判断する第2判断ステップと、前記第2判断ステップにより前記第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なると判断された場合、前記ディスプレイの点欠を異物による点欠とする判定ステップとを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、より光学倍率の低い光学系を用いてFPD上の滅点と塵埃を識別することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、FPDを異なる角度から撮像することにより、図12に示したような滅点と塵埃(異物)を判別するものである。以下、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
【0013】
まず、本実施の形態に係るディスプレイ検査装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るディスプレイ検査装置の構成を示す図である。また、図2は、検査対象としての携帯電話を示す図である。また、図3は、塵埃があるディスプレイを異なる視角で撮像する例を示す図である。また、図4は、滅点があるディスプレイを異なる視角で撮像する例を示す図である。なお、本実施の形態において、滅点はディスプレイにおける所定の輝度以下の点欠とする。
【0014】
本実施の形態に係るディスプレイ検査装置1は、撮像部11(カメラ)、検査対象移動部12(移動部)、撮像部11及び検査対象移動部12を制御する制御部13(第1撮像部、第2撮像部、第1判断部、第2判断部、第3判断部、第4判断部、判定部、異物判定部、滅点判定部、輝度設定部)を備えるものである。撮像部11は、CCD移動部111(移動部)、CCD112(感光面、カメラ)、レンズ113(光学系、カメラ)を備える。また、検査対象移動部12には検査対象として携帯電話2が搭載される。
【0015】
CCD112は、撮像部11の感光面として設けられた撮像素子である。なお、このCCD112は、後述する携帯電話2のディスプレイ21の画素数の9倍以上の画素を持つものが望ましい。また、CCD移動部111は、検査対象移動部12に対して平行(レンズ113の光軸に対して垂直)に所定の方向へCCD112を移動させるものである。また、レンズ113は、光学倍率1倍の光学系であるが、光学倍率1倍以下の光学系であれば良い。
【0016】
また、検査対象移動部12は、CCD移動部111がCCD112を移動させる方向とは逆の方向へ搭載されている携帯電話2を平行(レンズ113の光軸に対して垂直)に移動するものである。
【0017】
また、携帯電話2は、図2に示すようにディスプレイ21を備えるものである。本実施の形態において、ディスプレイ21は、図12により示した液晶ディスプレイ9と同様の構成による液晶ディスプレイである。また、ディスプレイ21は、1画素内にRGBからなるカラーフィルタが並べられているものであり、検査対象移動部12は、カラーフィルタの配列方向に携帯電話2を移動する。なお、ディスプレイ21は、LED、EL、VFD、PDPなどの混色における原色がカラーフィルタとして画素内に複数配列されたフラットパネルディスプレイであれば良い。
【0018】
上述した構成により、本実施の形態に係るディスプレイ検査装置1は、CCD112をi1からi2へ移動するとともに、携帯電話2をp1からp2へ移動することによって、異なる視角(a1またはa2)でディスプレイ21を撮像する。ディスプレイを異なる視角から撮像することにより、塵埃か滅点か不明である黒点(点欠)について判断することができる。例えば、図3に示すように、黒点が塵埃である場合、視角を変えることによりCCD112に塵埃の下にあるRカラーフィルタの光が届く。また、図4に示すように黒点が滅点である場合は、液晶の滅点の上にあるRカラーフィルタは発光していないため、視角を変えたとしてもCCD112にRカラーフィルタの光は届かない。
【0019】
ここで変更する視角の角度について説明する。a1とa2の差をa3、ディスプレイ21のカラーフィルタ上のガラス板の厚み(つまり、カラーフィルタから塵埃までの距離)をd、カラーフィルタの配列方向の幅をeとする。この場合、a3=tan(d/e)という式が成り立つ。
【0020】
また、CCD112とレンズ113間の距離と、レンズ113とディスプレイ21間との比率は1:1とする。この比率はレンズ113の光学倍率に起因するものである。レンズ113の光学倍率をA、CCD112とレンズ113間の距離をB、レンズ113とディスプレイ21間の距離をCとすると、C=B/Aとなる。例えば、レンズ113の光学倍率が0.5倍である場合、BとCの比率は、1:2となる。
【0021】
次に、本実施の形態に係るディスプレイ検査装置の動作について説明する。図5は、本実施の形態に係るディスプレイ検査装置の動作を示すフローチャートである。なお、初期状態において、撮像部の位置はi1とし、携帯電話の位置はp1とする。なお、図5において、制御部13は、携帯電話2のディスプレイ21を所定の輝度に設定しているものとする。
【0022】
まず、制御部13は、撮像部11に携帯電話2のディスプレイ21を撮像させ(S101,第1撮像ステップ)、撮像された画像(第1撮像画像)に基づく画像処理によりディスプレイ21上の黒点を検出する処理(黒点検出)を実行し(S102,第1判断ステップ)、ディスプレイ21上に黒点が存在するかどうかを判断する(S103,第2判断ステップ)。
【0023】
ディスプレイ21上に黒点が存在する場合(S103,YES)、制御部13は、CCD移動部111にCCD112をi2に移動させるとともに、検査対象移動部12に携帯電話2をp2に移動させる(S104,移動ステップ)。なお、CCD112の移動距離はカラーフィルタの配列方向の幅以上とし、携帯電話2(ディスプレイ21)の移動距離はカラーフィルタの配列方向の幅とレンズ113の光学倍率との積以上とする。なお、これら移動距離は、撮像画像上においてカラーフィルタ1つ分ずれるような距離が望ましい。
【0024】
次に、制御部13は、再び撮像部11にディスプレイ21を撮像させ(S105,第2撮像ステップ)、撮像された画像(第2撮像画像)に基づく画像処理によりディスプレイ21上の黒点を検出する処理(黒点検出)を実行し(S106)、ステップS102において検出された撮像画像上の黒点の位置と比較をする(S107,第2判断ステップ)。ここで制御部13は、黒点の位置の比較において、撮像画像における位置変化があるかどうかを判断する(S108,第2判断ステップ)。なお、具体的な黒点の位置の比較方法については後述する。
【0025】
黒点の位置の比較において、撮像画像における位置変化があると判断された場合、即ち、黒点が塵埃によるものである場合(S108,YES,判定ステップ)、後述する異物検査処理を実行する(S109,判定ステップ)。
【0026】
ここで黒点の撮像画像における位置の変化について図6及び図7を用いて説明する。図6は、撮像位置移動前の撮像画像における黒点の位置を示す図である。また、図7は、撮像位置移動後の撮像画像における黒点の位置を示す図である。また、図8は、カラーフィルタの輝度を示す図である。また、図9は、撮像画像における明度の異なるカラーフィルタを示す図である。
【0027】
図6に示すように、撮像位置移動前の撮像画像における黒点の位置はRカラーフィルタ上である。また、図7に示すように、異なる視角により撮像された撮像位置移動後の撮像画像における黒点の位置はBカラーフィルタ上である。制御部13は、このような撮像画像における黒点周辺のカラーフィルタの色を比較することにより撮像画像上の黒点の位置に変化があったかどうかを判断する。なお、制御部13は、特定のカラーフィルタを基準とし、撮像画像における特定のカラーフィルタからの距離を測定することにより、撮像画像上の塵埃の位置に変化があったかどうかを判断しても構わない。
【0028】
また、撮像部11としてモノクロカメラを用いる場合、図8に示すように、制御部13によりRGBのカラーフィルタそれぞれに対応する液晶を異なる輝度に設定する(輝度設定ステップ)。これにより図9に示すように、グレースケールによる撮像画像におけるRGBのカラーフィルタは明度が異なる色となり、制御部13は、黒点周辺のカラーフィルタの色を比較することができる。また、一般的に、モノクロカメラと比べカラーカメラは1素子に対して3×3画素数以上必要とする。よって、撮像部11としてモノクロカメラを用いることにより、同じ素子数を持つカラーカメラを用いる場合に比べて有効画素数が多くなり、より解像度の高い撮像画像を得ることができる。
【0029】
また、図5におけるステップS108において、黒点の位置の比較において、撮像画像における位置変化がないと判断された場合、即ち、黒点が滅点によるものである場合(S108,NO,判定ステップ)、制御部13は、後述する滅点検査処理を実行する(S110,判定ステップ)。
【0030】
また、ステップS103において、ディスプレイ21上に黒点が存在しない場合(S103,NO)、制御部13は、処理を終了する。
【0031】
上述したように、本実施の形態に係るディスプレイ検査装置1は、ディスプレイ21上に黒点が存在する場合、異なる視角により撮像した画像における黒点の周辺のカラーフィルタの種類に変化があるか否かを判断することによって、ディスプレイ21上の黒点が塵埃、滅点のいずれであるかを判断することができる。
【0032】
次に、異物検査処理の動作について説明する。この異物検査処理は、図5におけるステップS109に対応する。図10は、異物検査処理の動作を示すフローチャートである。なお、図10における検査基準は予め定められた基準とする。
【0033】
まず、制御部13は、塵埃のサイズ、個数及びこれらの塵埃間の間隔(以下、これらを総称して塵埃量とする)を撮像された画像より得て(S201)、塵埃量が検査基準以下かどうかを判断する(S202)。
【0034】
塵埃量が検査基準以下である場合(S202,YES)、制御部13は、ディスプレイ21を良品とする(S203)。
【0035】
一方、塵埃量が検査基準よりも大きい場合(S202,NO)、制御部13は、ディスプレイ21を異物不良品とする(S204,異物判定部)。
【0036】
次に、滅点検査処理の動作について説明する。この滅点検査処理は、図5におけるステップS110に対応する。図11は、滅点検査処理の動作を示すフローチャートである。なお、図11における検査基準は予め定められた基準とする。
【0037】
まず、制御部13は、滅点のサイズ、個数及びこれらの滅点間の間隔(以下、これらを総称して滅点量とする)を撮像された画像より得て(S301)、滅点量が検査基準以下かどうかを判断する(S302)。
【0038】
滅点量が検査基準以下である場合(S302,YES)、制御部13は、ディスプレイ21を良品とする(S303)。
【0039】
一方、滅点量が検査基準よりも大きい場合(S302,NO)、制御部13は、ディスプレイ21を滅点不良品とする(S304,滅点判定部)。
【0040】
上述した異物検査処理及び滅点検査処理によれば、本実施の形態に係るディスプレイ検査装置1は、所定の検査基準より塵埃量が大きい場合、ディスプレイ21を異物不良品とし、所定の検査基準より滅点量が大きい場合、ディスプレイ21を滅点不良品とすることができる。これにより、本実施の形態に係るディスプレイ検査装置1は、所定の検査基準以上の黒点がある不良品としてのディスプレイ21を塵埃によるものと滅点によるものとに区別することができる。
【0041】
本発明は、その要旨または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、全て本発明の範囲内のものである。
【0042】
以上、本実施の形態によれば、以下の付記で示す技術的思想が開示されている。
(付記1) 混色における複数の異なる原色のカラーフィルタが画素内に配列されたディスプレイを検査するディスプレイ検査装置であって、
感光面と光学系からなるカメラと、
前記ディスプレイを前記カメラにより撮像する第1撮像部と、
前記第1撮像部により撮像された画像である第1撮像画像に基づいて、前記ディスプレイに点欠があるかどうかを判断する第1判断部と、
前記第1判断部により前記ディスプレイに点欠があると判断された場合、前記ディスプレイを画素内のカラーフィルタの配列方向に移動するとともに、前記カメラの感光面を前記ディスプレイの移動方向と逆方向に移動する移動部と、
前記移動部により前記ディスプレイが移動され、前記感光面が前記ディスプレイの移動方向とは逆方向に移動された状態において、前記カメラにより前記ディスプレイを撮像する第2撮像部と、
前記第2撮像部により撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なるかどうかを判断する第2判断部と、
前記第2判断部により前記第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なると判断された場合、前記ディスプレイの点欠を異物による点欠とする判定部と
を備えるディスプレイ検査装置。
(付記2) 付記1に記載のディスプレイ検査装置において、
前記第2判断部により前記第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異ならないと判断された場合、前記判定部は、前記ディスプレイの点欠を滅点による点欠とすることを特徴とするディスプレイ検査装置。
(付記3) 付記1または付記2に記載のディスプレイ検査装置において、
前記移動部は、前記ディスプレイを前記カラーフィルタの配列方向の幅以上の距離移動し、前記感光面を前記カラーフィルタの配列方向の幅と前記光学系の光学倍率との積以上の距離移動することを特徴とするディスプレイ検査装置。
(付記4) 付記1乃至付記3のいずれかに記載のディスプレイ検査装置において、
前記カメラの光学系の光学倍率は1倍以下であることを特徴とするディスプレイ検査装置。
(付記5) 付記1乃至付記4のいずれかに記載のディスプレイ検査装置において、
前記ディスプレイにおける複数の異なる原色のカラーフィルタをそれぞれ異なる輝度に設定する輝度設定部をさらに備え、
前記カメラはモノクロカメラであり、
前記第2判断部は、前記第2撮像部により撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの明度が異なるかどうかを判断することを特徴とするディスプレイ検査装置。
(付記6) 付記1乃至付記5のいずれかに記載のディスプレイ検査装置において、
前記カメラの感光面は前記ディスプレイに対して平行となるように設けられていることを特徴とするディスプレイ検査装置。
(付記7) 付記1乃至付記6のいずれかに記載のディスプレイ検査装置において、
前記第2判断部により前記第2撮像部により撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なると判断された場合、前記点欠のサイズまたは個数が予め定められた基準を超えるかどうかを判断する第3判断部と、
前記第3判断部により前記点欠のサイズまたは個数が予め定められた基準を超えると判断された場合、前記ディスプレイを異物による点欠が存在する不良品とする異物判定部とをさらに備えるディスプレイ検査装置。
(付記8) 付記1乃至付記7のいずれかに記載のディスプレイ検査装置において、
前記第2判断部により前記第2撮像部により撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異ならないと判断された場合、前記点欠のサイズまたは個数が予め定められた基準を超えるかどうかを判断する第4判断部と、
前記第4判断部により前記点欠のサイズまたは個数が予め定められた基準を超えると判断された場合、前記ディスプレイを滅点による点欠が存在する不良品とする滅点判定部とをさらに備えるディスプレイ検査装置。
(付記9) 混色における複数の異なる原色のカラーフィルタが画素内に配列されたディスプレイを感光面と光学系からなるカメラにより撮像するディスプレイ検査方法であって、
前記ディスプレイを前記カメラにより撮像する第1撮像ステップと、
前記第1撮像ステップにより撮像された画像である第1撮像画像に基づいて、前記ディスプレイに点欠があるかどうかを判断する第1判断ステップと、
前記第1判断ステップにより前記ディスプレイに点欠があると判断された場合、前記ディスプレイを画素内のカラーフィルタの配列方向に移動するとともに、前記カメラの感光面を前記ディスプレイの移動方向と逆方向に移動する移動ステップと、
前記移動ステップにより前記ディスプレイが移動され、前記感光面が前記ディスプレイの移動方向とは逆方向に移動された状態において、前記カメラにより前記ディスプレイを撮像する第2撮像ステップと、
前記第2撮像ステップにより撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なるかどうかを判断する第2判断ステップと、
前記第2判断ステップにより前記第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なると判断された場合、前記ディスプレイの点欠を異物による点欠とする判定ステップと
を備えるディスプレイ検査方法。
(付記10) 付記9に記載のディスプレイ検査方法において、
前記第2判断ステップにより前記第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異ならないと判断された場合、前記判定ステップは、前記ディスプレイの点欠を滅点による点欠とすることを特徴とするディスプレイ検査方法。
(付記11) 付記9または付記10に記載のディスプレイ検査方法において、
前記移動ステップは、前記ディスプレイを前記カラーフィルタの配列方向の幅以上の距離移動し、前記感光面を前記カラーフィルタの配列方向の幅と前記光学系の光学倍率との積以上の距離移動することを特徴とするディスプレイ検査方法。
(付記12) 付記9乃至付記11のいずれかに記載のディスプレイ検査方法において、
前記カメラの光学系の光学倍率は1倍以下であることを特徴とするディスプレイ検査方法。
(付記13) 付記9乃至付記12のいずれかに記載のディスプレイ検査方法において、
前記ディスプレイにおける複数の異なる原色のカラーフィルタをそれぞれ異なる輝度に設定する輝度設定ステップをさらに備え、
前記カメラはモノクロカメラであり、
前記第2判断ステップは、前記第2撮像ステップにより撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの明度が異なるかどうかを判断することを特徴とするディスプレイ検査方法。
(付記14) 付記9乃至付記13のいずれかに記載のディスプレイ検査方法において、
前記カメラの感光面は前記ディスプレイに対して平行となるように設けられていることを特徴とするディスプレイ検査方法。
(付記15) 付記9乃至付記14のいずれかに記載のディスプレイ検査方法において、
前記第2判断ステップにより前記第2撮像ステップにより撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なると判断された場合、前記点欠のサイズまたは個数が予め定められた基準を超えるかどうかを判断する第3判断ステップと、
前記第3判断ステップにより前記点欠のサイズまたは個数が予め定められた基準を超えると判断された場合、前記ディスプレイを異物による点欠が存在する不良品とする異物判定ステップとをさらに備えるディスプレイ検査方法。
(付記16) 付記9乃至付記15のいずれかに記載のディスプレイ検査方法において、
前記第2判断ステップにより前記第2撮像ステップにより撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異ならないと判断された場合、前記点欠のサイズまたは個数が予め定められた基準を超えるかどうかを判断する第4判断ステップと、
前記第4判断ステップにより前記点欠のサイズまたは個数が予め定められた基準を超えると判断された場合、前記ディスプレイを滅点による点欠が存在する不良品とする滅点判定ステップとをさらに備えるディスプレイ検査方法。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本実施の形態に係るディスプレイ検査装置の構成を示す図である。
【図2】検査対象としての携帯電話を示す図である。
【図3】塵埃があるディスプレイを異なる視角で撮像する例を示す図である。
【図4】滅点があるディスプレイを異なる視角で撮像する例を示す図である。
【図5】本実施の形態に係るディスプレイ検査装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】撮像位置移動前の撮像画像における黒点の位置を示す図である。
【図7】撮像位置移動後の撮像画像における黒点の位置を示す図である。
【図8】カラーフィルタの輝度を示す図である。
【図9】撮像画像における明度の異なるカラーフィルタを示す図である。
【図10】異物検査処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】滅点検査処理の動作を示すフローチャートである。
【図12】塵埃と滅点が存在する液晶ディスプレイを示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 ディスプレイ検査装置、2 携帯電話、11 撮像部、12 検査対象移動部、21 ディスプレイ、111 CCD移動部、112 CCD、113 レンズ。
【技術分野】
【0001】
本発明はフラットパネルディスプレイを検査する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの小型機器にフラットパネルディスプレイ(以下、FPD)を組み込む場合、FPD上にガラスやプラスチックからなる透明カバーを設けるのが一般的である。また、この透明カバーとFPDとの間に塵埃が存在するまま透明カバーが設けられてしまう場合があり、この塵埃を取り除くことは困難である。また、FPDには、高い確率で点灯しない画素(ドット)が存在し、このような画素を滅点という。以下、上述したFPDの一例としての液晶ディスプレイの構造と、液晶ディスプレイにおける塵埃と滅点について具体的に説明する。図12は、塵埃と滅点が存在する液晶ディスプレイを示す図である。
【0003】
図12に示すように、液晶ディスプレイ9は、ガラス板92a及び92b、カラーフィルタ93、液晶94、バックライト95を備えるものである。また、液晶ディスプレイのガラス板92a上には透明カバー91が設けられている。バックライト95は、液晶94に対して発光するものである。また、液晶94は、電圧に基づいて、カラーフィルタ単位でバックライト95による光の透過率を変化させるものである。また、カラーフィルタ93は、1画素にR(Red)G(Green)B(Blue)の光を透過させるフィルタを配置したものである。また、ガラス板92a及び92bは、カラーフィルタ93及び液晶94を挟むように設けられた透明度の高い部材である。液晶ディスプレイ9は、液晶94にRGBそれぞれの光の透過率を変化させることにより、加法混色によって1画素の色を表現する。
【0004】
このような液晶ディスプレイ9には、滅点が少なからず存在する。例えば、図12に示す液晶ディスプレイ9においては、Rのカラーフィルタ93に対応する液晶94に滅点が存在し、このような滅点を持つ画素は正常に色を表現することができない。また、図12に示すように、透明カバー91上に塵埃が付着することがあるが、このような塵埃を除去することは容易であるため、問題とはならない。しかし、上述したように、液晶ディスプレイ9を機器に組み込むプロセスにおいて、透明カバー91を被せる際に図12に示すように透明カバー91とガラス板92aの間に塵埃が挟まると、これを除去することは困難である。
【0005】
上述した滅点と挟まった塵埃(以下、塵埃)とは、FPDの検査において扱いが異なる場合がある。例えば、塵埃の数やサイズが塵埃に対して定められた審査基準以下であればFPDを良品とし、また、滅点の数やサイズが滅点に対して定められた審査基準以下であればFPDを良品とする場合がある。このような場合、それぞれの審査基準は異なるためFPDにおける滅点と塵埃とを区別しなくてはならない。
【0006】
また、上述したようなFPDにおける滅点と塵埃を区別する技術として、ラインセンサによりFPDの各素子の輝度を計測するとともに、焦点位置の異なるラインセンサを用いて異物の検査を行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−124660号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、焦点位置の違いにより滅点と塵埃を区別するということは、ガラス板の厚み(1mm以下)の違いでボケが発生するほど高光学倍率な光学系(つまり、被写界深度の浅い光学系)を備える必要がある。このため、特許文献1の技術は、FPDの全面を一度に撮像することができず、検査の判定に時間が掛かるという問題がある。
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、より光学倍率の低い光学系を用いてFPD上の滅点と塵埃を識別することができるディスプレイ検査装置及び方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、ディスプレイ検査装置は、混色における複数の異なる原色のカラーフィルタが画素内に配列されたディスプレイを検査する装置であって、感光面と光学系からなるカメラと、前記ディスプレイを前記カメラにより撮像する第1撮像部と、前記第1撮像部により撮像された画像である第1撮像画像に基づいて、前記ディスプレイに点欠があるかどうかを判断する第1判断部と、前記第1判断部により前記ディスプレイに点欠があると判断された場合、前記ディスプレイを画素内のカラーフィルタの配列方向に移動するとともに、前記カメラの感光面を前記ディスプレイの移動方向と逆方向に移動する移動部と、前記移動部により前記ディスプレイが移動され、前記感光面が前記ディスプレイの移動方向とは逆方向に移動された状態において、前記カメラにより前記ディスプレイを撮像する第2撮像部と、前記第2撮像部により撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なるかどうかを判断する第2判断部と、前記第2判断部により前記第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なると判断された場合、前記ディスプレイの点欠を異物による点欠とする判定部とを備える。
【0010】
また、ディスプレイ検査方法は、混色における複数の異なる原色のカラーフィルタが画素内に配列されたディスプレイを感光面と光学系からなるカメラにより撮像する方法であって、前記ディスプレイを前記カメラにより撮像する第1撮像ステップと、前記第1撮像ステップにより撮像された画像である第1撮像画像に基づいて、前記ディスプレイに点欠があるかどうかを判断する第1判断ステップと、前記第1判断ステップにより前記ディスプレイに点欠があると判断された場合、前記ディスプレイを画素内のカラーフィルタの配列方向に移動するとともに、前記カメラの感光面を前記ディスプレイの移動方向と逆方向に移動する移動ステップと、前記移動ステップにより前記ディスプレイが移動され、前記感光面が前記ディスプレイの移動方向とは逆方向に移動された状態において、前記カメラにより前記ディスプレイを撮像する第2撮像ステップと、前記第2撮像ステップにより撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なるかどうかを判断する第2判断ステップと、前記第2判断ステップにより前記第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なると判断された場合、前記ディスプレイの点欠を異物による点欠とする判定ステップとを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、より光学倍率の低い光学系を用いてFPD上の滅点と塵埃を識別することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、FPDを異なる角度から撮像することにより、図12に示したような滅点と塵埃(異物)を判別するものである。以下、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
【0013】
まず、本実施の形態に係るディスプレイ検査装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るディスプレイ検査装置の構成を示す図である。また、図2は、検査対象としての携帯電話を示す図である。また、図3は、塵埃があるディスプレイを異なる視角で撮像する例を示す図である。また、図4は、滅点があるディスプレイを異なる視角で撮像する例を示す図である。なお、本実施の形態において、滅点はディスプレイにおける所定の輝度以下の点欠とする。
【0014】
本実施の形態に係るディスプレイ検査装置1は、撮像部11(カメラ)、検査対象移動部12(移動部)、撮像部11及び検査対象移動部12を制御する制御部13(第1撮像部、第2撮像部、第1判断部、第2判断部、第3判断部、第4判断部、判定部、異物判定部、滅点判定部、輝度設定部)を備えるものである。撮像部11は、CCD移動部111(移動部)、CCD112(感光面、カメラ)、レンズ113(光学系、カメラ)を備える。また、検査対象移動部12には検査対象として携帯電話2が搭載される。
【0015】
CCD112は、撮像部11の感光面として設けられた撮像素子である。なお、このCCD112は、後述する携帯電話2のディスプレイ21の画素数の9倍以上の画素を持つものが望ましい。また、CCD移動部111は、検査対象移動部12に対して平行(レンズ113の光軸に対して垂直)に所定の方向へCCD112を移動させるものである。また、レンズ113は、光学倍率1倍の光学系であるが、光学倍率1倍以下の光学系であれば良い。
【0016】
また、検査対象移動部12は、CCD移動部111がCCD112を移動させる方向とは逆の方向へ搭載されている携帯電話2を平行(レンズ113の光軸に対して垂直)に移動するものである。
【0017】
また、携帯電話2は、図2に示すようにディスプレイ21を備えるものである。本実施の形態において、ディスプレイ21は、図12により示した液晶ディスプレイ9と同様の構成による液晶ディスプレイである。また、ディスプレイ21は、1画素内にRGBからなるカラーフィルタが並べられているものであり、検査対象移動部12は、カラーフィルタの配列方向に携帯電話2を移動する。なお、ディスプレイ21は、LED、EL、VFD、PDPなどの混色における原色がカラーフィルタとして画素内に複数配列されたフラットパネルディスプレイであれば良い。
【0018】
上述した構成により、本実施の形態に係るディスプレイ検査装置1は、CCD112をi1からi2へ移動するとともに、携帯電話2をp1からp2へ移動することによって、異なる視角(a1またはa2)でディスプレイ21を撮像する。ディスプレイを異なる視角から撮像することにより、塵埃か滅点か不明である黒点(点欠)について判断することができる。例えば、図3に示すように、黒点が塵埃である場合、視角を変えることによりCCD112に塵埃の下にあるRカラーフィルタの光が届く。また、図4に示すように黒点が滅点である場合は、液晶の滅点の上にあるRカラーフィルタは発光していないため、視角を変えたとしてもCCD112にRカラーフィルタの光は届かない。
【0019】
ここで変更する視角の角度について説明する。a1とa2の差をa3、ディスプレイ21のカラーフィルタ上のガラス板の厚み(つまり、カラーフィルタから塵埃までの距離)をd、カラーフィルタの配列方向の幅をeとする。この場合、a3=tan(d/e)という式が成り立つ。
【0020】
また、CCD112とレンズ113間の距離と、レンズ113とディスプレイ21間との比率は1:1とする。この比率はレンズ113の光学倍率に起因するものである。レンズ113の光学倍率をA、CCD112とレンズ113間の距離をB、レンズ113とディスプレイ21間の距離をCとすると、C=B/Aとなる。例えば、レンズ113の光学倍率が0.5倍である場合、BとCの比率は、1:2となる。
【0021】
次に、本実施の形態に係るディスプレイ検査装置の動作について説明する。図5は、本実施の形態に係るディスプレイ検査装置の動作を示すフローチャートである。なお、初期状態において、撮像部の位置はi1とし、携帯電話の位置はp1とする。なお、図5において、制御部13は、携帯電話2のディスプレイ21を所定の輝度に設定しているものとする。
【0022】
まず、制御部13は、撮像部11に携帯電話2のディスプレイ21を撮像させ(S101,第1撮像ステップ)、撮像された画像(第1撮像画像)に基づく画像処理によりディスプレイ21上の黒点を検出する処理(黒点検出)を実行し(S102,第1判断ステップ)、ディスプレイ21上に黒点が存在するかどうかを判断する(S103,第2判断ステップ)。
【0023】
ディスプレイ21上に黒点が存在する場合(S103,YES)、制御部13は、CCD移動部111にCCD112をi2に移動させるとともに、検査対象移動部12に携帯電話2をp2に移動させる(S104,移動ステップ)。なお、CCD112の移動距離はカラーフィルタの配列方向の幅以上とし、携帯電話2(ディスプレイ21)の移動距離はカラーフィルタの配列方向の幅とレンズ113の光学倍率との積以上とする。なお、これら移動距離は、撮像画像上においてカラーフィルタ1つ分ずれるような距離が望ましい。
【0024】
次に、制御部13は、再び撮像部11にディスプレイ21を撮像させ(S105,第2撮像ステップ)、撮像された画像(第2撮像画像)に基づく画像処理によりディスプレイ21上の黒点を検出する処理(黒点検出)を実行し(S106)、ステップS102において検出された撮像画像上の黒点の位置と比較をする(S107,第2判断ステップ)。ここで制御部13は、黒点の位置の比較において、撮像画像における位置変化があるかどうかを判断する(S108,第2判断ステップ)。なお、具体的な黒点の位置の比較方法については後述する。
【0025】
黒点の位置の比較において、撮像画像における位置変化があると判断された場合、即ち、黒点が塵埃によるものである場合(S108,YES,判定ステップ)、後述する異物検査処理を実行する(S109,判定ステップ)。
【0026】
ここで黒点の撮像画像における位置の変化について図6及び図7を用いて説明する。図6は、撮像位置移動前の撮像画像における黒点の位置を示す図である。また、図7は、撮像位置移動後の撮像画像における黒点の位置を示す図である。また、図8は、カラーフィルタの輝度を示す図である。また、図9は、撮像画像における明度の異なるカラーフィルタを示す図である。
【0027】
図6に示すように、撮像位置移動前の撮像画像における黒点の位置はRカラーフィルタ上である。また、図7に示すように、異なる視角により撮像された撮像位置移動後の撮像画像における黒点の位置はBカラーフィルタ上である。制御部13は、このような撮像画像における黒点周辺のカラーフィルタの色を比較することにより撮像画像上の黒点の位置に変化があったかどうかを判断する。なお、制御部13は、特定のカラーフィルタを基準とし、撮像画像における特定のカラーフィルタからの距離を測定することにより、撮像画像上の塵埃の位置に変化があったかどうかを判断しても構わない。
【0028】
また、撮像部11としてモノクロカメラを用いる場合、図8に示すように、制御部13によりRGBのカラーフィルタそれぞれに対応する液晶を異なる輝度に設定する(輝度設定ステップ)。これにより図9に示すように、グレースケールによる撮像画像におけるRGBのカラーフィルタは明度が異なる色となり、制御部13は、黒点周辺のカラーフィルタの色を比較することができる。また、一般的に、モノクロカメラと比べカラーカメラは1素子に対して3×3画素数以上必要とする。よって、撮像部11としてモノクロカメラを用いることにより、同じ素子数を持つカラーカメラを用いる場合に比べて有効画素数が多くなり、より解像度の高い撮像画像を得ることができる。
【0029】
また、図5におけるステップS108において、黒点の位置の比較において、撮像画像における位置変化がないと判断された場合、即ち、黒点が滅点によるものである場合(S108,NO,判定ステップ)、制御部13は、後述する滅点検査処理を実行する(S110,判定ステップ)。
【0030】
また、ステップS103において、ディスプレイ21上に黒点が存在しない場合(S103,NO)、制御部13は、処理を終了する。
【0031】
上述したように、本実施の形態に係るディスプレイ検査装置1は、ディスプレイ21上に黒点が存在する場合、異なる視角により撮像した画像における黒点の周辺のカラーフィルタの種類に変化があるか否かを判断することによって、ディスプレイ21上の黒点が塵埃、滅点のいずれであるかを判断することができる。
【0032】
次に、異物検査処理の動作について説明する。この異物検査処理は、図5におけるステップS109に対応する。図10は、異物検査処理の動作を示すフローチャートである。なお、図10における検査基準は予め定められた基準とする。
【0033】
まず、制御部13は、塵埃のサイズ、個数及びこれらの塵埃間の間隔(以下、これらを総称して塵埃量とする)を撮像された画像より得て(S201)、塵埃量が検査基準以下かどうかを判断する(S202)。
【0034】
塵埃量が検査基準以下である場合(S202,YES)、制御部13は、ディスプレイ21を良品とする(S203)。
【0035】
一方、塵埃量が検査基準よりも大きい場合(S202,NO)、制御部13は、ディスプレイ21を異物不良品とする(S204,異物判定部)。
【0036】
次に、滅点検査処理の動作について説明する。この滅点検査処理は、図5におけるステップS110に対応する。図11は、滅点検査処理の動作を示すフローチャートである。なお、図11における検査基準は予め定められた基準とする。
【0037】
まず、制御部13は、滅点のサイズ、個数及びこれらの滅点間の間隔(以下、これらを総称して滅点量とする)を撮像された画像より得て(S301)、滅点量が検査基準以下かどうかを判断する(S302)。
【0038】
滅点量が検査基準以下である場合(S302,YES)、制御部13は、ディスプレイ21を良品とする(S303)。
【0039】
一方、滅点量が検査基準よりも大きい場合(S302,NO)、制御部13は、ディスプレイ21を滅点不良品とする(S304,滅点判定部)。
【0040】
上述した異物検査処理及び滅点検査処理によれば、本実施の形態に係るディスプレイ検査装置1は、所定の検査基準より塵埃量が大きい場合、ディスプレイ21を異物不良品とし、所定の検査基準より滅点量が大きい場合、ディスプレイ21を滅点不良品とすることができる。これにより、本実施の形態に係るディスプレイ検査装置1は、所定の検査基準以上の黒点がある不良品としてのディスプレイ21を塵埃によるものと滅点によるものとに区別することができる。
【0041】
本発明は、その要旨または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、全て本発明の範囲内のものである。
【0042】
以上、本実施の形態によれば、以下の付記で示す技術的思想が開示されている。
(付記1) 混色における複数の異なる原色のカラーフィルタが画素内に配列されたディスプレイを検査するディスプレイ検査装置であって、
感光面と光学系からなるカメラと、
前記ディスプレイを前記カメラにより撮像する第1撮像部と、
前記第1撮像部により撮像された画像である第1撮像画像に基づいて、前記ディスプレイに点欠があるかどうかを判断する第1判断部と、
前記第1判断部により前記ディスプレイに点欠があると判断された場合、前記ディスプレイを画素内のカラーフィルタの配列方向に移動するとともに、前記カメラの感光面を前記ディスプレイの移動方向と逆方向に移動する移動部と、
前記移動部により前記ディスプレイが移動され、前記感光面が前記ディスプレイの移動方向とは逆方向に移動された状態において、前記カメラにより前記ディスプレイを撮像する第2撮像部と、
前記第2撮像部により撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なるかどうかを判断する第2判断部と、
前記第2判断部により前記第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なると判断された場合、前記ディスプレイの点欠を異物による点欠とする判定部と
を備えるディスプレイ検査装置。
(付記2) 付記1に記載のディスプレイ検査装置において、
前記第2判断部により前記第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異ならないと判断された場合、前記判定部は、前記ディスプレイの点欠を滅点による点欠とすることを特徴とするディスプレイ検査装置。
(付記3) 付記1または付記2に記載のディスプレイ検査装置において、
前記移動部は、前記ディスプレイを前記カラーフィルタの配列方向の幅以上の距離移動し、前記感光面を前記カラーフィルタの配列方向の幅と前記光学系の光学倍率との積以上の距離移動することを特徴とするディスプレイ検査装置。
(付記4) 付記1乃至付記3のいずれかに記載のディスプレイ検査装置において、
前記カメラの光学系の光学倍率は1倍以下であることを特徴とするディスプレイ検査装置。
(付記5) 付記1乃至付記4のいずれかに記載のディスプレイ検査装置において、
前記ディスプレイにおける複数の異なる原色のカラーフィルタをそれぞれ異なる輝度に設定する輝度設定部をさらに備え、
前記カメラはモノクロカメラであり、
前記第2判断部は、前記第2撮像部により撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの明度が異なるかどうかを判断することを特徴とするディスプレイ検査装置。
(付記6) 付記1乃至付記5のいずれかに記載のディスプレイ検査装置において、
前記カメラの感光面は前記ディスプレイに対して平行となるように設けられていることを特徴とするディスプレイ検査装置。
(付記7) 付記1乃至付記6のいずれかに記載のディスプレイ検査装置において、
前記第2判断部により前記第2撮像部により撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なると判断された場合、前記点欠のサイズまたは個数が予め定められた基準を超えるかどうかを判断する第3判断部と、
前記第3判断部により前記点欠のサイズまたは個数が予め定められた基準を超えると判断された場合、前記ディスプレイを異物による点欠が存在する不良品とする異物判定部とをさらに備えるディスプレイ検査装置。
(付記8) 付記1乃至付記7のいずれかに記載のディスプレイ検査装置において、
前記第2判断部により前記第2撮像部により撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異ならないと判断された場合、前記点欠のサイズまたは個数が予め定められた基準を超えるかどうかを判断する第4判断部と、
前記第4判断部により前記点欠のサイズまたは個数が予め定められた基準を超えると判断された場合、前記ディスプレイを滅点による点欠が存在する不良品とする滅点判定部とをさらに備えるディスプレイ検査装置。
(付記9) 混色における複数の異なる原色のカラーフィルタが画素内に配列されたディスプレイを感光面と光学系からなるカメラにより撮像するディスプレイ検査方法であって、
前記ディスプレイを前記カメラにより撮像する第1撮像ステップと、
前記第1撮像ステップにより撮像された画像である第1撮像画像に基づいて、前記ディスプレイに点欠があるかどうかを判断する第1判断ステップと、
前記第1判断ステップにより前記ディスプレイに点欠があると判断された場合、前記ディスプレイを画素内のカラーフィルタの配列方向に移動するとともに、前記カメラの感光面を前記ディスプレイの移動方向と逆方向に移動する移動ステップと、
前記移動ステップにより前記ディスプレイが移動され、前記感光面が前記ディスプレイの移動方向とは逆方向に移動された状態において、前記カメラにより前記ディスプレイを撮像する第2撮像ステップと、
前記第2撮像ステップにより撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なるかどうかを判断する第2判断ステップと、
前記第2判断ステップにより前記第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なると判断された場合、前記ディスプレイの点欠を異物による点欠とする判定ステップと
を備えるディスプレイ検査方法。
(付記10) 付記9に記載のディスプレイ検査方法において、
前記第2判断ステップにより前記第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異ならないと判断された場合、前記判定ステップは、前記ディスプレイの点欠を滅点による点欠とすることを特徴とするディスプレイ検査方法。
(付記11) 付記9または付記10に記載のディスプレイ検査方法において、
前記移動ステップは、前記ディスプレイを前記カラーフィルタの配列方向の幅以上の距離移動し、前記感光面を前記カラーフィルタの配列方向の幅と前記光学系の光学倍率との積以上の距離移動することを特徴とするディスプレイ検査方法。
(付記12) 付記9乃至付記11のいずれかに記載のディスプレイ検査方法において、
前記カメラの光学系の光学倍率は1倍以下であることを特徴とするディスプレイ検査方法。
(付記13) 付記9乃至付記12のいずれかに記載のディスプレイ検査方法において、
前記ディスプレイにおける複数の異なる原色のカラーフィルタをそれぞれ異なる輝度に設定する輝度設定ステップをさらに備え、
前記カメラはモノクロカメラであり、
前記第2判断ステップは、前記第2撮像ステップにより撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの明度が異なるかどうかを判断することを特徴とするディスプレイ検査方法。
(付記14) 付記9乃至付記13のいずれかに記載のディスプレイ検査方法において、
前記カメラの感光面は前記ディスプレイに対して平行となるように設けられていることを特徴とするディスプレイ検査方法。
(付記15) 付記9乃至付記14のいずれかに記載のディスプレイ検査方法において、
前記第2判断ステップにより前記第2撮像ステップにより撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なると判断された場合、前記点欠のサイズまたは個数が予め定められた基準を超えるかどうかを判断する第3判断ステップと、
前記第3判断ステップにより前記点欠のサイズまたは個数が予め定められた基準を超えると判断された場合、前記ディスプレイを異物による点欠が存在する不良品とする異物判定ステップとをさらに備えるディスプレイ検査方法。
(付記16) 付記9乃至付記15のいずれかに記載のディスプレイ検査方法において、
前記第2判断ステップにより前記第2撮像ステップにより撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異ならないと判断された場合、前記点欠のサイズまたは個数が予め定められた基準を超えるかどうかを判断する第4判断ステップと、
前記第4判断ステップにより前記点欠のサイズまたは個数が予め定められた基準を超えると判断された場合、前記ディスプレイを滅点による点欠が存在する不良品とする滅点判定ステップとをさらに備えるディスプレイ検査方法。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本実施の形態に係るディスプレイ検査装置の構成を示す図である。
【図2】検査対象としての携帯電話を示す図である。
【図3】塵埃があるディスプレイを異なる視角で撮像する例を示す図である。
【図4】滅点があるディスプレイを異なる視角で撮像する例を示す図である。
【図5】本実施の形態に係るディスプレイ検査装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】撮像位置移動前の撮像画像における黒点の位置を示す図である。
【図7】撮像位置移動後の撮像画像における黒点の位置を示す図である。
【図8】カラーフィルタの輝度を示す図である。
【図9】撮像画像における明度の異なるカラーフィルタを示す図である。
【図10】異物検査処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】滅点検査処理の動作を示すフローチャートである。
【図12】塵埃と滅点が存在する液晶ディスプレイを示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 ディスプレイ検査装置、2 携帯電話、11 撮像部、12 検査対象移動部、21 ディスプレイ、111 CCD移動部、112 CCD、113 レンズ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
混色における複数の異なる原色のカラーフィルタが画素内に配列されたディスプレイを検査するディスプレイ検査装置であって、
感光面と光学系からなるカメラと、
前記ディスプレイを前記カメラにより撮像する第1撮像部と、
前記第1撮像部により撮像された画像である第1撮像画像に基づいて、前記ディスプレイに点欠があるかどうかを判断する第1判断部と、
前記第1判断部により前記ディスプレイに点欠があると判断された場合、前記ディスプレイを画素内のカラーフィルタの配列方向に移動するとともに、前記カメラの感光面を前記ディスプレイの移動方向と逆方向に移動する移動部と、
前記移動部により前記ディスプレイが移動され、前記感光面が前記ディスプレイの移動方向とは逆方向に移動された状態において、前記カメラにより前記ディスプレイを撮像する第2撮像部と、
前記第2撮像部により撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なるかどうかを判断する第2判断部と、
前記第2判断部により前記第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なると判断された場合、前記ディスプレイの点欠を異物による点欠とする判定部と
を備えるディスプレイ検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載のディスプレイ検査装置において、
前記第2判断部により前記第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異ならないと判断された場合、前記判定部は、前記ディスプレイの点欠を滅点による点欠とすることを特徴とするディスプレイ検査装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のディスプレイ検査装置において、
前記移動部は、前記ディスプレイを前記カラーフィルタの配列方向の幅以上の距離移動し、前記感光面を前記カラーフィルタの配列方向の幅と前記光学系の光学倍率との積以上の距離移動することを特徴とするディスプレイ検査装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のディスプレイ検査装置において、
前記カメラの光学系の光学倍率は1倍以下であることを特徴とするディスプレイ検査装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のディスプレイ検査装置において、
前記ディスプレイにおける複数の異なる原色のカラーフィルタをそれぞれ異なる輝度に設定する輝度設定部をさらに備え、
前記カメラはモノクロカメラであり、
前記第2判断部は、前記第2撮像部により撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの明度が異なるかどうかを判断することを特徴とするディスプレイ検査装置。
【請求項6】
混色における複数の異なる原色のカラーフィルタが画素内に配列されたディスプレイを感光面と光学系からなるカメラにより撮像するディスプレイ検査方法であって、
前記ディスプレイを前記カメラにより撮像する第1撮像ステップと、
前記第1撮像ステップにより撮像された画像である第1撮像画像に基づいて、前記ディスプレイに点欠があるかどうかを判断する第1判断ステップと、
前記第1判断ステップにより前記ディスプレイに点欠があると判断された場合、前記ディスプレイを画素内のカラーフィルタの配列方向に移動するとともに、前記カメラの感光面を前記ディスプレイの移動方向と逆方向に移動する移動ステップと、
前記移動ステップにより前記ディスプレイが移動され、前記感光面が前記ディスプレイの移動方向とは逆方向に移動された状態において、前記カメラにより前記ディスプレイを撮像する第2撮像ステップと、
前記第2撮像ステップにより撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なるかどうかを判断する第2判断ステップと、
前記第2判断ステップにより前記第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なると判断された場合、前記ディスプレイの点欠を異物による点欠とする判定ステップと
を備えるディスプレイ検査方法。
【請求項7】
請求項6に記載のディスプレイ検査方法において、
前記第2判断ステップにより前記第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異ならないと判断された場合、前記判定ステップは、前記ディスプレイの点欠を滅点による点欠とすることを特徴とするディスプレイ検査方法。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載のディスプレイ検査方法において、
前記移動ステップは、前記ディスプレイを前記カラーフィルタの配列方向の幅以上の距離移動し、前記感光面を前記カラーフィルタの配列方向の幅と前記光学系の光学倍率との積以上の距離移動することを特徴とするディスプレイ検査方法。
【請求項9】
請求項6乃至請求項8のいずれかに記載のディスプレイ検査方法において、
前記カメラの光学系の光学倍率は1倍以下であることを特徴とするディスプレイ検査方法。
【請求項10】
請求項6乃至請求項9のいずれかに記載のディスプレイ検査方法において、
前記ディスプレイにおける複数の異なる原色のカラーフィルタをそれぞれ異なる輝度に設定する輝度設定ステップをさらに備え、
前記カメラはモノクロカメラであり、
前記第2判断ステップは、前記第2撮像ステップにより撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの明度が異なるかどうかを判断することを特徴とするディスプレイ検査方法。
【請求項1】
混色における複数の異なる原色のカラーフィルタが画素内に配列されたディスプレイを検査するディスプレイ検査装置であって、
感光面と光学系からなるカメラと、
前記ディスプレイを前記カメラにより撮像する第1撮像部と、
前記第1撮像部により撮像された画像である第1撮像画像に基づいて、前記ディスプレイに点欠があるかどうかを判断する第1判断部と、
前記第1判断部により前記ディスプレイに点欠があると判断された場合、前記ディスプレイを画素内のカラーフィルタの配列方向に移動するとともに、前記カメラの感光面を前記ディスプレイの移動方向と逆方向に移動する移動部と、
前記移動部により前記ディスプレイが移動され、前記感光面が前記ディスプレイの移動方向とは逆方向に移動された状態において、前記カメラにより前記ディスプレイを撮像する第2撮像部と、
前記第2撮像部により撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なるかどうかを判断する第2判断部と、
前記第2判断部により前記第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なると判断された場合、前記ディスプレイの点欠を異物による点欠とする判定部と
を備えるディスプレイ検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載のディスプレイ検査装置において、
前記第2判断部により前記第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異ならないと判断された場合、前記判定部は、前記ディスプレイの点欠を滅点による点欠とすることを特徴とするディスプレイ検査装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のディスプレイ検査装置において、
前記移動部は、前記ディスプレイを前記カラーフィルタの配列方向の幅以上の距離移動し、前記感光面を前記カラーフィルタの配列方向の幅と前記光学系の光学倍率との積以上の距離移動することを特徴とするディスプレイ検査装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のディスプレイ検査装置において、
前記カメラの光学系の光学倍率は1倍以下であることを特徴とするディスプレイ検査装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のディスプレイ検査装置において、
前記ディスプレイにおける複数の異なる原色のカラーフィルタをそれぞれ異なる輝度に設定する輝度設定部をさらに備え、
前記カメラはモノクロカメラであり、
前記第2判断部は、前記第2撮像部により撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの明度が異なるかどうかを判断することを特徴とするディスプレイ検査装置。
【請求項6】
混色における複数の異なる原色のカラーフィルタが画素内に配列されたディスプレイを感光面と光学系からなるカメラにより撮像するディスプレイ検査方法であって、
前記ディスプレイを前記カメラにより撮像する第1撮像ステップと、
前記第1撮像ステップにより撮像された画像である第1撮像画像に基づいて、前記ディスプレイに点欠があるかどうかを判断する第1判断ステップと、
前記第1判断ステップにより前記ディスプレイに点欠があると判断された場合、前記ディスプレイを画素内のカラーフィルタの配列方向に移動するとともに、前記カメラの感光面を前記ディスプレイの移動方向と逆方向に移動する移動ステップと、
前記移動ステップにより前記ディスプレイが移動され、前記感光面が前記ディスプレイの移動方向とは逆方向に移動された状態において、前記カメラにより前記ディスプレイを撮像する第2撮像ステップと、
前記第2撮像ステップにより撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なるかどうかを判断する第2判断ステップと、
前記第2判断ステップにより前記第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異なると判断された場合、前記ディスプレイの点欠を異物による点欠とする判定ステップと
を備えるディスプレイ検査方法。
【請求項7】
請求項6に記載のディスプレイ検査方法において、
前記第2判断ステップにより前記第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの種類が異ならないと判断された場合、前記判定ステップは、前記ディスプレイの点欠を滅点による点欠とすることを特徴とするディスプレイ検査方法。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載のディスプレイ検査方法において、
前記移動ステップは、前記ディスプレイを前記カラーフィルタの配列方向の幅以上の距離移動し、前記感光面を前記カラーフィルタの配列方向の幅と前記光学系の光学倍率との積以上の距離移動することを特徴とするディスプレイ検査方法。
【請求項9】
請求項6乃至請求項8のいずれかに記載のディスプレイ検査方法において、
前記カメラの光学系の光学倍率は1倍以下であることを特徴とするディスプレイ検査方法。
【請求項10】
請求項6乃至請求項9のいずれかに記載のディスプレイ検査方法において、
前記ディスプレイにおける複数の異なる原色のカラーフィルタをそれぞれ異なる輝度に設定する輝度設定ステップをさらに備え、
前記カメラはモノクロカメラであり、
前記第2判断ステップは、前記第2撮像ステップにより撮像された画像である第2撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタと、前記第1撮像画像における点欠と隣り合うカラーフィルタとの明度が異なるかどうかを判断することを特徴とするディスプレイ検査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−270947(P2009−270947A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−121886(P2008−121886)
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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