ディスプレイ用光学シート及びその製造方法並びに画像表示装置
【課題】ゴミ、異物の付着が無く、輝点減少がなされているディスプレイ用光学シートを得る。
【解決手段】
第1拡散シート、第1プリズムシート、第2プリズムシート及び第2拡散シートを積層させて積層体200を形成する。積層体200からディスプレイ用光学シートを打ち抜いた後に、クリーニング装置92により積層体200をクリーニングする。クリーニング装置92は、粘着ローラ205〜208を備えている。各粘着ローラ205〜208が積層体200の表面(ローラ205)、裏面(ローラ206)、両側面(ローラ207,208)に付着しているゴミ、異物を除去する。
【解決手段】
第1拡散シート、第1プリズムシート、第2プリズムシート及び第2拡散シートを積層させて積層体200を形成する。積層体200からディスプレイ用光学シートを打ち抜いた後に、クリーニング装置92により積層体200をクリーニングする。クリーニング装置92は、粘着ローラ205〜208を備えている。各粘着ローラ205〜208が積層体200の表面(ローラ205)、裏面(ローラ206)、両側面(ローラ207,208)に付着しているゴミ、異物を除去する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ用光学シート及びその製造方法並びに画像表示装置に係り、特に、液晶表示素子等に使用されるシート状物の積層体を、従来より簡易な工程で低コストで製造するのに好適なディスプレイ用光学シート及びその製造方法並びに前記ディスプレイ用光学シートを用いて構成される画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示素子や有機EL等の電子ディスプレイの用途に、導光板等の光源からの光を拡散させるフィルムや、正面方向に光を集光するレンズフィルム等が用いられている。この場合、各種の光学フィルム(シート)を積層して使用する例が多い。たとえば、特許文献1においては、反射型偏光フィルムと位相差フィルムと半透過半反射層とが任意の順番で積層され、更に、これら3層の外側に吸収型偏光フィルムが積層されてなる半透過半反射性偏光フィルムが提供されている。そして、光源装置と液晶セルとの間に5層ものフィルムが介在しており、この構成により、画面輝度が高められ、又は消費電力が抑えられるとされている。 また、特許文献2〜4においては、1枚の光拡散フィルムとレンズフィルムの機能を一体化したフィルムが開示されている。
【特許文献1】特開2004−184575号公報
【特許文献2】特開平7−230001号公報
【特許文献3】特許第3123006号公報
【特許文献4】特開平5−341132号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の従来の構成において、何層ものフィルムを積層するには多数の工程を経ることが求められ、工程が複雑になるとともにコストアップは避けられない。また、レンチキュラーレンズやプリズムシートのような平板レンズは表面が傷つき易く、また汚れ易いので、表面に保護シートが貼られた状態で納品される形態が一般的である。ところが、このような保護シートは、平板レンズから剥離された後には、廃却されるのみであり、資源として無駄であるのみならず、コストアップの要因ともなり、好ましくない。また、保護シートを平板レンズから剥離する作業が必要であり、その分だけ生産性を落すことともなる。更に、保護シートを平板レンズから剥離する際に剥離帯電により塵埃等のコンタミネーションを平板レンズに付着させ易く、品質面でも問題が多い。
【0004】
また、何層ものフィルム(シート)を積層する際に、積層時の擦れ、熱膨張・熱収縮による擦れ、ハンドリングによる擦れ等の原因でフィルムに傷を生じさせ易い。更に、複数のフィルム間の熱膨張・熱収縮によるミスマッチングによる不具合(歪みやカール等)を矯正するために、個々のフィルムの厚さを増す等の対策(剛性アップ等)も必要なことがあり、設計上の制約やコストアップ等のデメリットも多い。さらには、近年の画像表示装置の大型化、高微細化に伴い、各種の光学フィルム上に付着しているゴミ、異物などの低減が極めて求められている。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、液晶表示素子等のディスプレイ用途に使用されるディスプレイ用光学シートを製造する際に付着するゴミ、異物などを極めて低減させることができるので、輝点減少が図られると共に生産性の向上が図られたディスプレイ用光学シート及びその製造方法並びに前記ディスプレイ用光学シートを用いて構成される画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、前記目的を達成するために、一軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列された少なくとも一枚のプリズムシートと、光を乱反射させる少なくとも一枚の拡散シートと、をそれぞれ供給して積層体を形成する接合工程と、前記積層体からディスプレイ用光学シートを裁断する裁断工程と、を有するディスプレイ用光学シートの製造方法において、前記裁断工程の前に、前記プリズムシート、前記拡散シート又は前記積層体の少なくとも1つをクリーニングする第1クリーニング工程を有することを特徴とする。請求項1によれば、前記プリズムシート、前記拡散シート又は前記積層体をクリーニングするため、それらに付着しているゴミ、異物が低減される。そのため、得られるディスプレイ用光学シートの輝点減少が図られると共に生産性の向上も図られる。
【0007】
請求項2の発明は、前記目的を達成するために、一軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列された少なくとも一枚のプリズムシートと、光を乱反射させる少なくとも一枚の拡散シートと、をそれぞれ供給して積層体を形成する接合工程と、前記積層体からディスプレイ用光学シートを裁断する裁断工程と、を有するディスプレイ用光学シートの製造方法において、前記裁断工程の後に、前記ディスプレイ用光学シートをクリーニングする第2クリーニング工程を有することを特徴とする。ディスプレイ用光学シートの製造方法。請求項2によれば、前記ディスプレイ用光学シートをクリーニングするため、それらに付着しているゴミ、異物が低減される。そのため、得られるディスプレイ用光学シートの輝点減少が図られると共に生産性の向上も図られる。
【0008】
請求項3の発明においては、前記裁断工程の前に、前記プリズムシート、前記拡散シート又は前記積層体の少なくとも1つをクリーニングする第1クリーニング工程を有することが好ましい。請求項3によれば、前記プリズムシート、前記拡散シート、前記積層体、更に前記ディスプレイ用光学シートをクリーニングするため、それらに付着しているゴミ、異物が極めて低減される。そのため、得られるディスプレイ用光学シートの輝点減少が極めて図られると共に生産性の向上も極めて図られる。
【0009】
請求項4の発明においては、前記積層体が、少なくとも一枚のプリズムシートの一の面側に一の拡散シートが形成されていることが好ましい。
【0010】
請求項5の発明においては、前記少なくとも一枚のプリズムシートの一の面の反対面側に他の一の拡散シートが形成されていることが好ましい。
【0011】
請求項6の発明においては、前記第1クリーニング工程又は前記第2クリーニング工程に設けたクリーニング手段を用い、前記プリズムシート、前記拡散シート又は前記積層体の少なくとも1つをクリーニングすることが好ましい。
【0012】
請求項7の発明においては、前記クリーニング手段が、前記プリズムシート、前記拡散シート又は前記積層体のうち少なくとも1つの表面,裏面,両側面に設けられ、前記少なくとも一面をクリーニングすることが好ましい。
【0013】
請求項8の発明においては、前記クリーニング手段が、粘着ローラであることが好ましい。
【0014】
請求項9の発明においては、前記接合工程が、前記レンズシートと前記拡散シートとをそれらの周縁の少なくとも1箇所以上において接合する工程であることが好ましい。
【0015】
請求項10の発明は、前記目的を達成するために、請求項1ないし9何れか1項に記載のディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されることを特徴とするディスプレイ用光学シートである。請求項10によれば、前記プリズムシート、前記拡散シート、前記積層体、更に前記ディスプレイ用光学シートをクリーニングするため、それらに付着しているゴミ、異物が低減される。そのため、前記ディスプレイ用光学シートの輝点減少が図られると共に生産性の向上も図られる。
【0016】
請求項11の発明は、前記目的を達成するために、請求項10に記載のディスプレイ用光学シートを用いたことを特徴とする画像表示装置である。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、ゴミ、異物などの付着が抑制されて、輝点減少が図られると共に生産性の向上が図られているディスプレイ用光学シート及びその製造方法並びに前記ディスプレイ用光学シートを用いて構成される画像表示装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施態様について説明する。先ず、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの例(第1〜第6実施形態)の構成を説明し、次いでこれらのディスプレイ用光学シートの製造方法(第1〜第6の製造方法)について説明する。
【0019】
図1は、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの例(第1実施形態)の構成を示す断面図である。
【0020】
このディスプレイ用光学シート10は、下から順に、第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18が積層されてなる光学シートのモジュールである。
【0021】
第1拡散シート12及び第2拡散シート18は、透明なフィルム(支持体)の表面(片面)にビーズ13,19をバインダーで固定したシートであり、所定の光拡散性能を有するものである。第1拡散シート12と第2拡散シート18とは、第1ビーズ13及び第2ビーズ19の径(平均粒径)が異なっており、光拡散性能も異なっている。
【0022】
第1拡散シート12及び第2拡散シート18に使用される透明なフィルム(支持体)には、樹脂フィルムを使用できる。樹脂フィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドイミド、ポリイミド、芳香族ポリアミド、セルロースアシレート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースダイアセテート等の公知のものが使用できる。これらのうち、特に、ポリエステル、セルロースアシレート、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィンが好ましく使用できる。
【0023】
第1拡散シート12及び第2拡散シート18のビーズ13,19の径は、100μm以下であることが必要であり、25μm以下であることが好ましい。たとえば所定の分布7〜38μmの範囲で、平均粒径が17μmとできる。
【0024】
第1プリズムシート14及び第2プリズムシート16は、1軸方向に形成された凸状レンズ14A,16Aが隣接して略全面に配列されたレンズシートであり、たとえば、ピッチを50μmと、凹凸高さを25μmと、凸部の頂角を90度(直角)とできる。
【0025】
第1プリズムシート14と第2のプリズムシート16とは、凸状レンズ(プリズム)14Aと凸状レンズ(プリズム)16Aの軸が略直行する向きに配されている。すなわち、図1において、第1プリズムシート14の凸状レンズ14Aの軸は紙面に垂直方向に配されており、第2プリズムシート16の凸状レンズ16Aの軸は紙面に平行方向に配されている。なお、図1においては、第2のプリズムシート16の断面が凸状のレンズである旨が理解できるように、実際とは異なった向きに示されている。
【0026】
第1プリズムシート14と第2プリズムシート16との材質及び製法は、公知の各種態様が採り得る。たとえば、ダイより押し出したシート状の樹脂材料を、この樹脂材料の押し出し速度と略同速度で回転する転写ローラ(プリズムシートの反転型が表面に形成されている)と、この転写ローラに対向配置され同速度で回転するニップローラ板とで挟圧し、転写ローラ表面の凹凸形状を樹脂材料に転写する樹脂シートの製造方法が採用できる。
【0027】
また、ホットプレスにより、プリズムシートの反転型が表面に形成されている転写型板(スタンパー)と樹脂板とを積層し、熱転写によりプレス成形する樹脂シートの製造方法が採用できる。
【0028】
このような製造方法に使用される樹脂材料としては、熱可塑性樹脂を用いることができ、たとえば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、MS樹脂、AS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー、又はこれらの共重合体、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。
【0029】
また、他の製造方法として、第1拡散シート12及び第2拡散シート18に使用されるのと同様の透明なフィルム(ポリエステル、セルロースアシレート、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィン等)の表面に、凹凸ローラ(プリズムシートの反転型が表面に形成されている)表面の凹凸を転写形成する樹脂シートの製造方法が採用できる。
【0030】
より具体的には、表面に接着剤と樹脂とが順次塗布されることにより、接着剤層と樹脂層(たとえばUV硬化性樹脂)とが2層以上に形成されている透明なフィルムを連続走行させ、この透明なフィルムを回転する凹凸ローラに巻き掛け、樹脂層に凹凸ローラ表面の凹凸を転写し、透明なフィルムが凹凸ローラに巻き掛けられている状態で樹脂層を硬化させる(たとえばUV照射する)凹凸状シートの製造方法が採用できる。なお、接着剤はなくてもよい。
【0031】
なお、第1プリズムシート14及び第2プリズムシート16の製法は、上記の例に限定される訳ではなく、表面に所望の凹凸形状が形成できる方法であれば、他の製法も採用できる。
【0032】
図1に示されるように、ディスプレイ用光学シート10の左右の端部は、接合部10Aにより各層が一体化されている。この接合部10Aの形成は、接合工程における炭酸ガスレーザ加工等によりなされている。
【0033】
以上に説明したディスプレイ用光学シート10は、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子(=画像表示装置)を形成するように使用される。この場合、既述した各種のメリット(ディスプレイ用光学シートを従来より簡易な工程で低コストで、かつ高品質に製造できる)に加え、液晶表示素子のアセンブル作業も非常に容易となるというメリットが得られる。
【0034】
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの他の例(第2実施形態)について説明する。図2は、ディスプレイ用光学シート20の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0035】
ディスプレイ用光学シート20は、下から順に、拡散シート(=第1拡散シート)12、第1プリズムシート14及び第2プリズムシート16が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第2拡散シート18が省略されている。なお、図1のディスプレイ用光学シート10と同様に、ディスプレイ用光学シート20の左右の端部は、接合部20Aにより各層が一体化されている。この接合部20Aの形成は、接合工程における炭酸ガスレーザ加工等によりなされている。
【0036】
以上に説明したディスプレイ用光学シート20は、第1実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子(=画像表示装置)を形成するように使用される。
【0037】
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの更に他の例(第3実施形態)について説明する。図3は、ディスプレイ用光学シート30の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)及び図2(第2実施形態)と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0038】
このディスプレイ用光学シート30は、下から順に、第1拡散シート12、プリズムシート14及び第2拡散シート18が積層されてなる光学シートである。ディスプレイ用光学シート30は、既述のディスプレイ用光学シート10のような紙面に垂直方向の拡散性能が求められない場合に、第2プリズムシート16が省略されているものである。なお、図1のディスプレイ用光学シート10と同様に、ディスプレイ用光学シート30の左右の端部は、接合部30Aにより各層が一体化されている。この接合部30Aの形成は、接合工程における炭酸ガスレーザ加工等によりなされている。
【0039】
以上に説明したディスプレイ用光学シート30は、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子(=画像表示装置)を形成するように使用される。
【0040】
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの更に他の例(第4実施形態)について説明する。図4は、ディスプレイ用光学シート40の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)、図2(第2実施形態)等と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。ディスプレイ用光学シート40は、下から順に、拡散シート12及びプリズムシート14が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第2拡散シート18が省略され、既述のディスプレイ用光学シート10のような紙面に垂直方向の拡散性能が求められない場合に、第2プリズムシート16が省略されている。なお、図1のディスプレイ用光学シート10と同様に、ディスプレイ用光学シート40の左右の端部は、接合部40Aにより各層が一体化されている。この接合部40Aの形成は、接合工程における炭酸ガスレーザ加工等によりなされている。
【0041】
以上に説明したディスプレイ用光学シート40は、第1ないし第3実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子(=画像表示装置)を形成するように使用される。
【0042】
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの他の例(第5実施形態)について説明する。図5は、ディスプレイ用光学シート50の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)、図2(第2実施形態)等と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。ディスプレイ用光学シート50は、下から順に、第1プリズムシート14、第2プリズムシート16及び拡散シート(=第2拡散シート)18が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第1拡散シート12が省略されている。なお、図1のディスプレイ用光学シート10と同様に、ディスプレイ用光学シート50の左右の端部は、接合部50Aにより各層が一体化されている。この接合部50Aの形成は、接合工程における炭酸ガスレーザ加工等によりなされている。
【0043】
以上に説明したディスプレイ用光学シート50は、第1実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子(=画像表示装置)を形成するように使用される。
【0044】
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの他の例(第6実施形態)について説明する。図6は、ディスプレイ用光学シート60の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)、図2(第2実施形態)等と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。ディスプレイ用光学シート60は、下から順に、第1プリズムシート14及び拡散シート(=第2拡散シート)18が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第1拡散シート12が省略され、既述のディスプレイ用光学シート10のような紙面に垂直方向の拡散性能が求められない場合に、第2プリズムシート16が省略されている。なお、図1のディスプレイ用光学シート10と同様に、ディスプレイ用光学シート60の左右の端部は、接合部60Aにより各層が一体化されている。この接合部60Aの形成は、接合工程における炭酸ガスレーザ加工等によりなされている。
【0045】
以上に説明したディスプレイ用光学シート60は、第1ないし第5実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子(=画像表示装置)を形成するように使用される。
【0046】
次に、ディスプレイ用光学シートの製造方法(第1〜第6の製造方法)について説明する。この製造方法は、既述のディスプレイ用光学シート10〜60に共通して適用できるものであるが、説明の便宜より4層構成のディスプレイ用光学シート(第1実施形態)に適用した場合について説明する。
【0047】
図7は、第1の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン70の構成図である。図の左端部に設けられているロール72,74,76,78は、それぞれ、既述の図1に示される第1拡散シート12、第1プリズムシート14、第2プリズムシート16及び第2拡散シート18が巻回されたロールである。
【0048】
これらロール72,74,76,78は、図示しない繰り出し手段の回転軸にそれぞれ軸支されており、ロール72,74,76,78より第1拡散シート12、第1プリズムシート14、第2プリズムシート16及び第2の拡散シート18がそれぞれ略同一速度で繰り出し可能となっている。なお、各シート12,14,16,18は、繰り出された直後にクリーニング装置73,75,77,79によりそれらの表裏面のクリーニングが施され、表裏面に付着しているゴミ、異物などが除去される。クリーニング装置73,75,77,79は特に限定されるものではないが、粘着ロールを用いることが好ましい。
【0049】
繰り出された第1拡散シート12、第1プリズムシート14、第2プリズムシート16及び第2拡散シート18は、それぞれガイドローラ80〜85に支持され、最終的には、後述するレーザヘッド90の上流側において積層されて積層体200となるようになっている(接合工程)。なお、積層体200については、後述する。
【0050】
レーザヘッド90を含むレーザ光照射装置としては、波長が355nm〜1064nmのYAGレーザ照射装置、半導体レーザ照射装置、波長が9μm〜11μmの炭酸ガスレーザ照射装置等が採用できる。発振方式は連続発振でもパルス発振でもよいが、裁断と略同時に溶着を行うにはパルス発振による点付けが、外見上の仕上がりもよく好適である。
【0051】
裁断(裁断工程)と略同時に溶着(接合工程)を行うのに必要な出力及び周波数は、素材の送り速度、レーザ光のスキャン速度、素材の厚さ等により異なるが、概ね、出力は2W〜50Wが、周波数は100kHz以下の条件で良好な溶着結果が得られる。
【0052】
レーザヘッド90は、X方向(シート幅方向)又はXY方向に移動できるX駆動ロボット軸又はXY駆動ロボット軸(図示しない)に取り付けられており、任意の位置への位置決めや任意の軌跡移動を行うことができる。レーザ光の照射パターンに応じてレーザヘッド90ごと移動させてもよいが、レーザヘッド90を別置き(固定)にして、レーザ光のみを光ファイバーにより導波することでXY方向の移動機構を簡素化することもできる。
【0053】
なお、レーザヘッド90による裁断時及び溶着時に発生する煙を吸引する公知の機構(吸引装置等)を設けることもできる。
【0054】
レーザヘッド90よりレーザ光を積層体周縁の被裁断・接合箇所に照射し、照射スポット一定の速度で移動させながら、積層体200の周縁を製品サイズに裁断するとともに溶融させて接合する。そして、裁断された積層体200をクリーニング装置92に通過させて、その表裏面に付着しているゴミ、異物などを除去する。クリーニング装置92は特に限定されるものではないが、粘着ロールを用いることが好ましい。また、粘着ロールは、積層体200の表面、裏面、両サイド面の少なくとも何れか一面に配置されてクリーニングすれば良い。しかしながら、本発明においては、クリーニング装置92である粘着ロールは、積層体200の表面、裏面及び両サイド面の全てに配置して、各面をクリーニングしてゴミ、異物などを除去することが最も好ましい。
【0055】
以上の工程を経ることにより、ディスプレイ用光学シート10(図1参照)が形成される。裁断及び接合されたディスプレイ用光学シート10は、コンベア94上に搬送されて停止する。コンベア94上のディスプレイ用光学シート10は吸着横移載装置96により集積装置98上に順次重ねられる。
【0056】
一方、レーザヘッド90によりディスプレイ用光学シート10が打ち抜かれたシートの打抜済積層体100は、ガイドローラ102で支持されながら巻取装置(詳細は不図示)の巻取ロール104に巻き取られる。
【0057】
以上のディスプレイ用光学シートの製造方法(第1の製造方法)によれば、以下の1)〜3)の効果が得られる。
【0058】
1)傷故障削減効果
レンズシート(第1プリズムシート14、第2プリズムシート16)の上面、下面に傷がつくとレンズ効果もあることより、傷が目立ってしまう。一方、拡散シート(第1拡散シート12、第2拡散シート18)の下面に傷がついた場合は、光が拡散されるので傷は目立たない。このようなことからレンズシートへの傷付きを防止することが傷故障削減に繋がる。傷は、シート加工後の取扱時に付くことが多いが、レンズシートを拡散シートと複合化することにより、拡散シートが保護シートの役割を果たすため、傷付きによる故障が削減できる。特に、レンズシートが表面に出ない、第1実施形態のディスプレイ用光学シート10(図1参照)及び第3実施形態のディスプレイ用光学シート30(図3参照)においてその効果が大きい。
【0059】
2)組立工数削減効果
たとえば、液晶表示素子の組み立てにおいて、第1実施形態のディスプレイ用光学シート10(図1参照)を使用した場合には、組立工数はディスプレイ用光学シート10を組み込む1工程だけなのに対し、従来品を使用した場合には、第1拡散シートの組み込み⇒第1のレンズシートの裏面保護シート剥し⇒第1のレンズシートの表面保護シート剥し⇒第1のレンズシートの組み込み⇒第2のレンズシートの裏面保護シート剥し⇒第2のレンズシートの表面保護シート剥し⇒第2のレンズシートの組み込み⇒第2拡散シートの組み込み、と8工程必要となる。このように、第1の製造方法によれば、大幅な組立工数削減を達成でき、製品コストの低減ができる。
【0060】
3)保護シートの削減効果
レンズシートには、傷付き防止のために保護シートを表裏に貼着することが多い。この保護シートは、レンズシートを組み込んだ後は廃却するものであり、非常に無駄である。本発明品は、拡散シートを保護シートの役割とすることで、この保護シートを節約することができる。
【0061】
具体的には、第4実施形態のディスプレイ用光学シート40(図4参照)及び第6実施形態のディスプレイ用光学シート60(図6参照)において保護シートを1枚削減でき、第3実施形態のディスプレイ用光学シート30(図3参照)において保護シートを2枚削減でき、第2実施形態のディスプレイ用光学シート20(図2参照)及び第5実施形態のディスプレイ用光学シート50(図5参照)において保護シートを3枚削減でき、第1実施形態のディスプレイ用光学シート10(図1参照)において保護シートを4枚削減できる。
【0062】
次に、ディスプレイ用光学シートの他の製造方法(第2の製造方法)について説明する。図8は、第2の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン110の構成図である。なお、図7(第1の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン70と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0063】
ディスプレイ用光学シート製造ライン110においては、ディスプレイ用光学シート製造ライン70のレーザヘッド90に代えて、ディスペンサ112、114、116及び打抜プレス装置118が採用されている。
【0064】
ディスペンサ112、114、116は、それぞれ接着剤を先端より吐出する供給装置である。ディスペンサ112は、第1拡散シート12と第1プリズムシート14とを接着するために、第1拡散シート12の表面に接着剤を供給するものであり、ディスペンサ114は、第1プリズムシート14と第2プリズムシート16とを接着するために、第1プリズムシート14の表面に接着剤を供給するものであり、ディスペンサ116は、第2プリズムシート16と第2拡散シート18とを接着するために、第2プリズムシート16の表面に接着剤を供給するものである。
【0065】
ディスペンサ112、114、116より供給される接着剤は、熱又は触媒の助けにより接着される接着剤であることが好ましい。具体的には、シリコン系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、アクリル系接着剤など一般的な接着剤を用いることができる。
【0066】
ディスプレイ用光学シート10〜60は、高温で使用する可能性があるため、常温〜120℃でも安定な接着剤が好ましい。これらの中で、エポキシ系接着剤は強度、耐熱性に優れているため、好適に利用できる。シアノアクリレート系接着剤は、即効性と強度に優れているため、効率的なディスプレイ用光学シートの作製に利用できる。ポリエステル系接着剤は、強度、加工性に優れているため、特に好適である。
【0067】
これらの接着剤は、接着方法によって熱硬化型、ホットメルト型、2液混合型に大別されるが、好ましくは連続生産が可能な熱硬化型又はホットメルト型が使用される。どの接着剤を使用した場合でも、その塗布厚さは、0.5μm〜50μmが好ましい。
【0068】
また、下流のガイドローラ85までの間に、接着剤を乾燥させる乾燥手段を設けるのが好ましい。この乾燥手段としては、特に制限はなく、公知の乾燥方法、たとえば、温風や熱風による乾燥、脱湿風による乾燥、等が挙げられる。
【0069】
ディスペンサ112、114、116はX方向(シート幅方向)又はXY方向に移動できるX駆動ロボット軸又はXY駆動ロボット軸(図示しない)に取り付けられ、任意の位置への位置決めや任意の軌跡移動を行うことができるようになっている。
【0070】
これらのディスペンサ112、114、116より接着剤を積層体周縁の被接合箇所に供給し、積層体202を搬送しながら下流のガイドローラ85により積層体202の周縁を接合する。ディスペンサ112、114、116の下流の打抜プレス装置118は、積層体202の周縁を製品サイズに裁断する装置である。打抜プレス装置118では、接着された部分の中心部分に刃物が入るようにすることにより、打抜かれたシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の全片又は任意の片の端部分だけが接着された複合シートを得ることができる。そして、図7のディスプレイ用光学シート製造ライン70と同様に裁断された積層体202をクリーニング装置92に通過させて、その表裏面に付着しているゴミ、異物などを除去する。
【0071】
次に、ディスプレイ用光学シートの更に他の製造方法(第3の製造方法)について説明する。図9は、第3の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン130の構成図である。なお、図7(第1の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン70及び図8(第2の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン110と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0072】
ディスプレイ用光学シート製造ライン130においては、ディスプレイ用光学シート製造ライン110のディスペンサ112、114、116に代えてテープ供給装置132、134、136が採用されている。これらテープ供給装置132、134、136は、それぞれ両面テープを先端より供給する供給装置である。
【0073】
テープ供給装置132は、第1拡散シート12と第1プリズムシート14とを接着するために、第1拡散シート12の表面に両面テープを供給するものであり、テープ供給装置134は、第1プリズムシート14と第2プリズムシート16とを接着するために、第1プリズムシート14の表面に両面テープを供給するものであり、テープ供給装置136は、第2プリズムシート16と第2拡散シート18とを接着するために、第2プリズムシート16の表面に両面テープを供給するものである。
【0074】
テープ供給装置132、134、136より供給される両面テープは、両面に粘着剤が塗布されたものである。両面テープの粘着剤としては、高粘着性アクリル共重合樹脂が使用できるが、それ以外にはたとえば、シリコン系、天然ゴム系、合成ゴム系等の粘着剤が使用でき、耐熱性、耐クリープ性等の物理強度、価格等を総合的に考慮すればアクリル系粘着剤を用いるのが好ましい。
【0075】
両面テープを供給するテープ供給装置132、134、136は、市販されている汎用のテープディスペンサーを使うことで対応可能である。テープ供給装置132、134、136はX方向(シート幅方向)の任意の位置に移動可能な1軸の移動機構(図示しない)に取り付けられており、打抜パターンに応じて両面テープ貼りの位置を可変させることができる。
【0076】
また、テープ供給装置132、134、136の固定部分にはピボット機構(図示しない)があり、各シート72、74、76の送り速度に同期させてテープ供給装置132、134、136の位置を変えることで、斜め方向へのテープ貼りパターンにも対応可能な機構となっている。
【0077】
テープ供給装置132、134、136の下流の打抜プレス装置118では、接着されたテープ幅部分の中心部分に刃物が入るようにすることで、打抜かれたシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の全片又は任意の片の端部分だけが接着された複合シートを得ることができる。そして、図7のディスプレイ用光学シート製造ライン70と同様に裁断された積層体202をクリーニング装置92に通過させて、その表裏面に付着しているゴミ、異物などを除去する。
【0078】
次に、ディスプレイ用光学シートの更に他の製造方法(第4の製造方法)について説明する。図10は、第4の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン150の構成図である。なお、図7(第1の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン70、図8(第2の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン110、及び図9(第3の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン130と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0079】
ディスプレイ用光学シート製造ライン150においては、ディスプレイ用光学シート製造ライン110のディスペンサ112、114、116に代えて超音波ホーン152、154、156が採用されている。超音波ホーン152、154、156は、それぞれガイドローラ83、84、85の下流側に配されている。
【0080】
超音波ホーン152、154、156は、2枚以上の積層されたシートを融着させる装置である。すなわち、超音波ホーン152は、第1拡散シート12と第1プリズムシート14とを融着させるものであり、超音波ホーン154は、第1プリズムシート14と第2プリズムシート16とを融着させるものであり、超音波ホーン156は、第2プリズムシート16と第2拡散シート18とを融着させるものである。
【0081】
超音波ホーン(=超音波溶着装置)152、154、156としては、従来より公知であり、エアシリンダでホーンを昇降させる形式のものや、サーボモータによりホーンを昇降させる型式のものが知られているが、シートに荷重を加えながら超音波振動を付与してシート同士を溶着できるものであれば、どのような型式の超音波溶着装置でも適用可能である。
【0082】
超音波ホーン152、154、156の位置制御は、打抜パターンがシートの送り方向に対して水平の場合は、シートの幅方向への位置切替だけでよいが、斜めに打抜くようなパターンに対応する場合には、超音波ホーン152、154、156の走行方向が任意の向きに可変できるような首振機構(図示しない)を設け、シートの移動量と同期させて幅方向へ移動させることで対応可能である。
【0083】
超音波ホーン152、154、156の設定条件は、融着部分が熱により溶け切れたりしない範囲で定めればよく、必要に応じて接着(融着)後にエア吹き付けなどの空冷機構により接着部分を冷却してもよい。
【0084】
超音波ホーン152、154、156の下流の打抜プレス装置118では、接着された融着部分の中心部分に刃物が入るようにすることで、打抜かれたシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の全片又は任意の片の端部分だけが接着された複合シートを得ることができる。そして、図7のディスプレイ用光学シート製造ライン70と同様に裁断された積層体202をクリーニング装置92に通過させて、その表裏面に付着しているゴミ、異物などを除去する。
【0085】
次に、ディスプレイ用光学シートの更に他の製造方法(第5の製造方法)について説明する。図11は、第5の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン170の構成図である。なお、図7(第1の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン70、図8(第2の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン110及び図9(第3の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン130等と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0086】
ディスプレイ用光学シート製造ライン170においては、ディスプレイ用光学シート製造ライン150の超音波ホーン152、154、156に代えてレーザヘッド172、174、176が採用されている。レーザヘッド172、174、176は、超音波ホーン152、154、156と同様に、それぞれガイドローラ83、84、85の下流側に配されている。
【0087】
レーザヘッド172、174、176は、超音波ホーン152、154、156と同様に、2枚以上の積層されたシートを融着させる装置である。すなわち、レーザヘッド172は、第1拡散シート12と第1プリズムシート14とを融着させるものであり、レーザヘッド174は、第1プリズムシート14と第2プリズムシート16とを融着させるものであり、レーザヘッド176は、第2プリズムシート16と第2拡散シート18とを融着させるものである。
【0088】
なお、レーザヘッド172、174、176は、図7(第1の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン70におけるレーザヘッド90と異なり、接合工程にのみ使用され、裁断工程は打抜プレス装置118により行われる。ただし、レーザヘッド172、174、176の基本的な仕様や周辺の構成は、第1の製造方法と略同様である。
【0089】
レーザヘッド172、174、176の設定条件は、融着部分が熱により溶け切れたりしない範囲で定めればよく、必要に応じて接着(融着)後にエア吹き付けなどの空冷機構により接着部分を冷却してもよい。
【0090】
レーザヘッド172、174、176の下流の打抜プレス装置118では、接着された融着部分の中心部分に刃物が入るようにすることで、打抜かれたシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の全片又は任意の片の端部分だけが接着された複合シートを得ることができる。そして、図7のディスプレイ用光学シート製造ライン70と同様に裁断された積層体202をクリーニング装置92に通過させて、その表裏面に付着しているゴミ、異物などを除去する。
【0091】
次に、ディスプレイ用光学シートの更に他の製造方法(第6の製造方法)について説明する。図12は、第6の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン190の構成図である。なお、図7(第1の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン70、図8(第2の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン110及び図9(第3の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン130等と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0092】
ディスプレイ用光学シート製造ライン190においては、ディスプレイ用光学シート製造ライン170の3台のレーザヘッド172、174、176に代えて1台のレーザヘッド192が採用されている。このレーザヘッド192は、ガイドローラ85の下流側に配されている。
【0093】
レーザヘッド192は、2枚以上の積層されたシートを融着させる装置である。すなわち、レーザヘッド192は、第1拡散シート12と第1プリズムシート14と第2プリズムシート16と第2拡散シート18との積層体を融着させるものである。
【0094】
なお、レーザヘッド192は、図7(第1の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン70におけるレーザヘッド90と異なり、接合工程にのみ使用され、裁断工程は打抜プレス装置118により行われる。ただし、レーザヘッド192の基本的な仕様や周辺の構成は、第1の製造方法(図7参照)と略同様である。
【0095】
レーザヘッド192の設定条件は、融着部分が熱により溶け切れたりしない範囲で定めればよく、必要に応じて接着(融着)後にエア吹き付けなどの空冷機構により接着部分を冷却してもよい。
【0096】
レーザヘッド192の下流の打抜プレス装置118では、接着された融着部分の中心部分に刃物が入るようにすることで、打抜かれたシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の全片又は任意の片の端部分だけが接着された複合シートを得ることができる。そして、図7のディスプレイ用光学シート製造ライン70と同様に裁断された積層体202をクリーニング装置92に通過させて、その表裏面に付着しているゴミ、異物などを除去する。
【0097】
図13に本発明に係るクリーニング手段の一例を図示する。なお、図13のクリーニング手段には、粘着ロールからなるクリーニング装置92を図示している。積層体200はZ方向に搬送されている。積層体200の表面側には粘着ローラ(表面用粘着ローラ)205が、裏面側には粘着ローラ(裏面用粘着ローラ)206が、両側面側には粘着ローラ(側面用粘着ローラ)207,208が設けられている。なお、各粘着ローラ205〜208は駆動装置(図示しない)が取り付けられている駆動ローラであっても良いし、駆動装置を取り付けない自由ローラであっても良い。なお、本発明において、クリーニング装置92が備えている粘着ローラは必ずしも図示した4本に限定されるものではない。表面用粘着ローラ205、裏面用粘着ローラ206及び側面用粘着ローラ207,208の少なくとも1本を備えていれば良い。更に、表面用粘着ローラ、裏面用粘着ローラ及び側面用粘着ローラはそれぞれ複数本備えていても良い。
【0098】
また、図7ないし図12で示したクリーニング装置73,75,77,79もクリーニング装置92と同様の形態であることが好ましい。この場合には、クリーニングされるものは拡散シート12,18、プリズムシート14,16となる。なお、各粘着ローラ205〜208の形態は特に限定されるものではないが、光学部材用のクリーニングローラが好ましく用いられる。また、各粘着ローラ205〜208の素材も特に限定されるものではないが、シリコン系ゴム、ブチル系ゴムなどが好ましく用いられる。
【0099】
図14に本発明に係るクリーニング手段の他の実施形態を示す。図14に示されているクリーニング装置210は粘着フィルムロール211を備えている。粘着フィルムロール211から粘着フィルム212が供給される。粘着フィルム212は押圧ローラ213により積層体200表面に接触して、その表面のゴミ、異物などを除去する。そして、粘着フィルム212は巻取ロール214に巻き取られる。なお、クリーニング装置210は積層体200の表面側に備えられるものに限定されず、裏面側及び両側面側に備えられていても良い。更に、図7ないし図12で示したクリーニング装置73,75,77,79も図14のクリーニング装置210と同様の形態であっても良いことは、図13を用いて説明した場合と同様である。
【0100】
なお、本発明において、クリーニング手段は図13及び図14に図示したものに限定されるものではない。例えば、バキューム装置、静電気除去装置などを用いることもできる。
【0101】
次に、第1拡散シート12、第1プリズムシート14、第2プリズムシート16、第2拡散シート18の積層体より打抜かれるシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の平面配置について説明する。
【0102】
図15は、第1の製造方法において、積層体200より打抜かれるシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の平面配置を説明する図であり、図16は、第2〜第6の製造方法において、積層体202より打抜かれるシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の平面配置を説明する図である。
【0103】
図15において、(A)は、積層体200の搬送方向Zに対して平行な融着(接合工程)及び打ち抜き(裁断工程)を行う状態を示し、(B)は、積層体200の搬送方向Zに対して斜め方向に融着(接合工程)及び打ち抜き(裁断工程)を行う状態を示す。図において、積層体200より打抜かれるシートの周縁部の点は、融着箇所を示す。
【0104】
図16において、(A)は、積層体202の搬送方向Zに対して斜め方向に融着又は接着(接合工程)を行う状態を示し、(B)は、積層体202の搬送方向Zに対して斜め方向に融着又は接着(接合工程)を行う状態を示す。図において、積層体より打抜かれるシートの周縁部の点は、融着箇所又は接着箇所を示す。
【0105】
以上、説明したように、本発明によれば、ディスプレイ用光学シートを従来より簡易な工程で低コストで、かつ高品質に製造することができる。
【0106】
また、本発明によれば、以下の効果も得られる。
【0107】
1)コストの削減、薄型化による製品価値の向上
大型液晶テレビに用いられる光学シートは剛性が必要なため、支持体の厚さをそれぞれ従来より2倍程度に厚くしたものが用いられている。しかしながら、本発明による光学シートは、シートを複合化したものであるため、それぞれの厚さを厚くせずとも充分に剛性を持たせることができ、各層の厚さを減らすことができる。
【0108】
2)集光効果の低減防止による性能の向上
レンズシートの傷付き防止(傷を目立たなくする目的)のために、裏面をマット処理している製品もある。本発明による光学シートではその必要がなく、生産コストが削減できるのみならず、マット処理による集光効果低減防止が可能であり、性能が向上する。
【0109】
以上、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法の実施形態の各例について説明したが、本発明は上記実施形態の例に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
【0110】
たとえば、本実施形態の例では、いずれの場合においても第1プリズムシート14及び第2プリズムシート16のプリズムが上向きになっているが、このプリズムを下向きにして積層することもできる。また、ディスプレイ用光学シートの層構成も実施形態の例に限定されるものではなく、たとえば、保護シートを上下面に積層することもできる。以上のような構成であっても、本実施形態と同様に作用し、同様の効果が得られるからである。
【実施例】
【0111】
以下に実施例として本発明に係る実験1ないし実験3と比較実験である実験4を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。なお、説明は実験1で詳細に行い、その他の実験2ないし実験4では、実験1と異なる実験条件のみを記載する。また、以下の実施例で示す、材料、使用量、割合、処理内容、処理手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0112】
[実験1]
[プリズムシートの作製]
第1プリズムシート14及び第2プリズムシート16に使用するベースフィルムを作製した。このベースフィルムは、第1プリズムシート14及び第2プリズムシート16に共通して使用する。
【0113】
・樹脂液の調整
図17の表に示す化合物を記載の質量比にて混合し、50℃に加熱して撹拌溶解し、樹脂液を得た。なお、各化合物の名称と内容は以下の通りである。
【0114】
EB3700:エベクリル3700、ダイセルUC(株)製、
ビスフェノールAタイプエポキシアクリレート、
(粘度:2200mPa・s/65°C)
BPE200:NKエステルBPE−200、新中村化学(株)製、
エチレンオキシド付加ビスフェノールAメタクリル酸エステル、
(粘度:590mPa・s/25°C)
BR−31 :ニューフロンティアBR−31、第一工業製薬工業(株)製、
トリブロモフェノキシエチルアクリレート、
(常温で固体、融点50°C以上)
LR8893X:Lucirin LR8893X、BASF(株)製の北ラジカル発生剤、
エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルオスフィンオキシド
MEK :メチルエチルケトン
プリズムシート製造装置(以下、製造装置と称する)220の概略図を図18に示す。製造装置220は、ベースフィルム222を供給するフィルム供給装置224と、ベースフィルム222上に放射性硬化樹脂液(以下、樹脂液と称する)を塗布する塗布装置226と、凹凸ローラ(型ロールとも称される)であるエンボスローラ228とニップローラ230と剥離ローラ232と、樹脂硬化装置234と、巻取機236とを備えている。これら構成によりベースフィルム222からプリズムシート238が得られる。また、プリズムシート238を保護する保護フィルム240を送り出す保護フィルム供給装置242も備えられていることが好ましい。
【0115】
フィルム供給装置224は、ベースフィルム222を送り出すもので、ベースフィルム222が巻き回された送り出しロールなどにより構成される。塗布装置226は、ベースフィルム222の表面に樹脂液を塗布する装置であり、樹脂液を供給する樹脂液タンク250と、樹脂液を供給する送液ポンプ252と塗布ヘッド254と、塗布の際にベースフィルム222を巻き掛けて支持する支持ローラ256と、各種の配管などにより構成される。なお、塗布ヘッド254としては、ダイコータ(エクストルージョン方式のコータ)を用いた。更に塗布装置226の下流側には樹脂液を乾燥させる乾燥装置258を設けた。
【0116】
そして、プリズムシート製造装置220を使用してプリズムシート238の製造を行った。シートWとして、幅500mm、厚さ100μmの透明なPET(ポリエチレンテレフタレート)をベースフィルム222として使用した。エンボスローラ228として、長さ(シートWの幅方向)が700mm、直径が300mmのS45C製で表面の材質をニッケルとしたローラを使用した。ローラの表面の略500mm幅の全周に、ダイヤモンドバイト(シングルポイント)を使用した切削加工により、ローラ軸方向のピッチが50μmの溝を形成した。溝の断面形状は、頂角が90度の三角形状で、溝の底部も平坦部分のない90度の三角形状である。すなわち、溝幅は50μmであり、溝深さは約25μmである。この溝は、ローラの周方向に継ぎ目がないエンドレスとなるので、このエンボスローラ228により、シートWに断面が三角形のレンチキュラーレンズ(プリズムシート)が形成できる。ローラの表面には、溝加工後にニッケルメッキを施した。
【0117】
塗布装置226として、エクストルージョンタイプの塗布ヘッド254を用いたダイコータを使用した。塗布液F(樹脂液)として、図15の表に記載した組成の液を使用し、樹脂液タンク250に入れた。塗布液F(樹脂)の湿潤状態の厚さは有機溶剤乾燥後の膜厚が20μmになるように、塗布ヘッド254への各塗布液Fの供給量を、送液ポンプ252により制御した。乾燥手段として熱風循環式の乾燥装置258を用いた。熱風の温度は100℃とした。
【0118】
ニップローラ230として、直径が200mmで、表面にゴム硬度が90のシリコンゴムの層を形成したローラを使用した。エンボスローラ228とニップローラ230とでシートWを押圧するニップ圧(実効のニップ圧)は、0.5Paとした。樹脂硬化装置234として、メタルハライドランプを使用し、1000mJ/cm2のエネルギーで照射を行った。以上により、凹凸パタ−ンが形成されたプリズムシートを得た。
【0119】
[第1拡散シート12の作製]
下塗り層、バックコート層、光拡散層の順に、以下の方法により各層を形成することにより、第1拡散シート(下用拡散シート)12を作製した。
【0120】
・下塗り層
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)の片面に、下記組成の下塗り層用塗布液としてのA液を、ワイヤーバー(ワイヤーサイズ:#10)で塗布し、120°Cで2分間乾燥させて、膜厚が1.5μmの下塗り層を得た。
【0121】
(下塗り層用塗布液)
メタノール 4165g
ジュリマーSP−50T(日本純薬社製) 1495g
シクロヘキサノン 339g
ジュリマーMB−1X(日本純薬社製) 1.85g
(有機粒子:ポリメチルメタクリレート架橋タイプ、重量平均粒子径6.2μmの球状超微粒子)
・バックコート層
前記支持体の、下塗り層を塗布した反対側の面に、下記組成のバックコート層用塗布液としてのB液を、ワイヤーバー(ワイヤーサイズ:#10)で塗布し、120°Cで2分間乾燥させて、膜厚が2.0μmのバックコート層を得た。
【0122】
(バックコート層用塗布液)
メタノール 4171g
ジュリマーSP−65T(日本純薬社製) 1487g
シクロヘキサノン 340g
ジュリマーMB−1X(日本純薬社製) 2.68g
(有機粒子:ポリメチルメタクリレート架橋タイプ、重量平均粒子径6.2μmの球状超微粒子)
・光拡散層
上記で作成した支持体の下塗り層側に、下記組成の光拡散層用塗布液としてのC液を、ワイヤーバー(ワイヤーサイズ:#22)で塗布し、120°Cで2分間乾燥させて、光拡散層を得た。なお、後述するが、この光拡散層は、C液を調製した直後に塗布したものと、C液を調整して2時間静置した後に塗布したものとをそれぞれ得た。
【0123】
(光拡散層用塗布液)
シクロヘキサノン 20.84g
ディスパロンPFA−230 固形分濃度20質量% 0.74g
(粒子沈降防止剤:脂肪酸アミド、楠本化成社製)
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−117、三菱レーヨン社製)20質量%メチルエチルケトン溶液 17.85g
ジュリマーMB−20X(日本純薬社製) 11.29g
(有機粒子;ポリメチルメタクリレート架橋タイプ、重量平均粒子径18μmの球状超微粒子)
F780F(大日本インキ社製) 0.03g
(メチルエチルケトン 30質量%溶液)
[第2拡散シート18の作成]
上記の第1拡散シート12の光拡散層のジュリマーMB−20Xの添加量を11.29gから、1.13gに変更した以外は、上記の第1拡散シート12と同一の条件及び同一のフローで第2拡散シート(上用拡散シート)18を作製した。
【0124】
[ディスプレイ用光学シート10の作成:実施例]
以上の各シートを使用し、既述の図1に示される、下から順に、第1拡散シート12、第1プリズムシート14、第2プリズムシート16及び第2拡散シート18が積層されてなるディスプレイ用光学シート(光学シートのモジュール)10を作成した。
【0125】
製造装置としては、既述の図7に示されるディスプレイ用光学シート製造ライン70(第1の製造方法)を使用した。レーザヘッド90を含むレーザ光照射装置としては、炭酸ガスレーザ照射装置を使用した。波長は、10μmであり、出力は、25Wであり、周波数は、50kHzである。
【0126】
また、クリーニング装置92には図13に示したものを用いた。更にクリーニング装置73,75,77,79にもクリーニング装置92と同様のものを使用した。なお、粘着ローラ205〜208にはブチル系クリーナー(オーディオテクニカ社製;HC−530)を用いた。
【0127】
ディスプレイ用光学シート10の作製方法は、レーザ光照射により、積層体の四周を切り抜くと同時に、4周の4辺を接合する方式とした。そして、ディスプレイ用光学シート10をそれぞれ100セット、取り扱い時に生じた傷故障の有無を評価した。評価は、傷による輝線を目視で観察して、輝線が見られたものを不良品と判断した。実験1では、良品が99セット得られた。
【0128】
[実験2ないし実験4]
実験2では、クリーニング装置73,75,77,79を取り外した以外は実験1と同じ条件で実験を行った。良品が97セット得られた。実験3では、クリーニング装置92を取り外した以外は実験1と同じ条件で実験を行った。良品が92セット得られた。実験4では、クリーニング装置73,75,77,79及びクリーニング装置92を取り外した。すなわち、ディスプレイ用光学シート製造ライン70にクリーニング装置を設けなかった。それ以外は実験1と同じ条件で実験を行ったところ、良品は65セットしか得られなかった。
【0129】
以上の結果より、本発明の実施例(実験1ないし実験3)によれば、積層体の抜き打ち加工時のゴミ欠陥低減を実現し、得率の向上を確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの実施形態の断面図
【図2】ディスプレイ用光学シートの他の実施形態の断面図
【図3】ディスプレイ用光学シートの更に他の実施形態の断面図
【図4】ディスプレイ用光学シートの更に他の実施形態の断面図
【図5】ディスプレイ用光学シートの更に他の実施形態の断面図
【図6】ディスプレイ用光学シートの更に他の実施形態の断面図
【図7】第1の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ラインの構成図
【図8】第2の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ラインの構成図
【図9】第3の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ラインの構成図
【図10】第4の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ラインの構成図
【図11】第5の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ラインの構成図
【図12】第6の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ラインの構成図
【図13】本発明のディスプレイ用光学シートの製造方法に用いられるクリーニング装置の概略図である
【図14】本発明のディスプレイ用光学シートの製造方法に用いられるクリーニング装置の他の実施形態の概略図である
【図15】第1の製造方法において、積層体より打抜かれるシートの平面配置を説明する図
【図16】第2〜第6の製造方法において、積層体より打抜かれるシートの平面配置を説明する図
【図17】プリズムシートの作成に使用される樹脂液の組成を示す表
【図18】プリズムシートの製造装置の構成図
【符号の説明】
【0131】
10,20,30,40…ディスプレイ用光学シート、12…第1拡散シート、14…第1プリズムシート、16…第2プリズムシート、18…第2拡散シート、73,75,77,79,92…クリーニング装置、200,202…積層体
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ用光学シート及びその製造方法並びに画像表示装置に係り、特に、液晶表示素子等に使用されるシート状物の積層体を、従来より簡易な工程で低コストで製造するのに好適なディスプレイ用光学シート及びその製造方法並びに前記ディスプレイ用光学シートを用いて構成される画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示素子や有機EL等の電子ディスプレイの用途に、導光板等の光源からの光を拡散させるフィルムや、正面方向に光を集光するレンズフィルム等が用いられている。この場合、各種の光学フィルム(シート)を積層して使用する例が多い。たとえば、特許文献1においては、反射型偏光フィルムと位相差フィルムと半透過半反射層とが任意の順番で積層され、更に、これら3層の外側に吸収型偏光フィルムが積層されてなる半透過半反射性偏光フィルムが提供されている。そして、光源装置と液晶セルとの間に5層ものフィルムが介在しており、この構成により、画面輝度が高められ、又は消費電力が抑えられるとされている。 また、特許文献2〜4においては、1枚の光拡散フィルムとレンズフィルムの機能を一体化したフィルムが開示されている。
【特許文献1】特開2004−184575号公報
【特許文献2】特開平7−230001号公報
【特許文献3】特許第3123006号公報
【特許文献4】特開平5−341132号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の従来の構成において、何層ものフィルムを積層するには多数の工程を経ることが求められ、工程が複雑になるとともにコストアップは避けられない。また、レンチキュラーレンズやプリズムシートのような平板レンズは表面が傷つき易く、また汚れ易いので、表面に保護シートが貼られた状態で納品される形態が一般的である。ところが、このような保護シートは、平板レンズから剥離された後には、廃却されるのみであり、資源として無駄であるのみならず、コストアップの要因ともなり、好ましくない。また、保護シートを平板レンズから剥離する作業が必要であり、その分だけ生産性を落すことともなる。更に、保護シートを平板レンズから剥離する際に剥離帯電により塵埃等のコンタミネーションを平板レンズに付着させ易く、品質面でも問題が多い。
【0004】
また、何層ものフィルム(シート)を積層する際に、積層時の擦れ、熱膨張・熱収縮による擦れ、ハンドリングによる擦れ等の原因でフィルムに傷を生じさせ易い。更に、複数のフィルム間の熱膨張・熱収縮によるミスマッチングによる不具合(歪みやカール等)を矯正するために、個々のフィルムの厚さを増す等の対策(剛性アップ等)も必要なことがあり、設計上の制約やコストアップ等のデメリットも多い。さらには、近年の画像表示装置の大型化、高微細化に伴い、各種の光学フィルム上に付着しているゴミ、異物などの低減が極めて求められている。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、液晶表示素子等のディスプレイ用途に使用されるディスプレイ用光学シートを製造する際に付着するゴミ、異物などを極めて低減させることができるので、輝点減少が図られると共に生産性の向上が図られたディスプレイ用光学シート及びその製造方法並びに前記ディスプレイ用光学シートを用いて構成される画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、前記目的を達成するために、一軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列された少なくとも一枚のプリズムシートと、光を乱反射させる少なくとも一枚の拡散シートと、をそれぞれ供給して積層体を形成する接合工程と、前記積層体からディスプレイ用光学シートを裁断する裁断工程と、を有するディスプレイ用光学シートの製造方法において、前記裁断工程の前に、前記プリズムシート、前記拡散シート又は前記積層体の少なくとも1つをクリーニングする第1クリーニング工程を有することを特徴とする。請求項1によれば、前記プリズムシート、前記拡散シート又は前記積層体をクリーニングするため、それらに付着しているゴミ、異物が低減される。そのため、得られるディスプレイ用光学シートの輝点減少が図られると共に生産性の向上も図られる。
【0007】
請求項2の発明は、前記目的を達成するために、一軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列された少なくとも一枚のプリズムシートと、光を乱反射させる少なくとも一枚の拡散シートと、をそれぞれ供給して積層体を形成する接合工程と、前記積層体からディスプレイ用光学シートを裁断する裁断工程と、を有するディスプレイ用光学シートの製造方法において、前記裁断工程の後に、前記ディスプレイ用光学シートをクリーニングする第2クリーニング工程を有することを特徴とする。ディスプレイ用光学シートの製造方法。請求項2によれば、前記ディスプレイ用光学シートをクリーニングするため、それらに付着しているゴミ、異物が低減される。そのため、得られるディスプレイ用光学シートの輝点減少が図られると共に生産性の向上も図られる。
【0008】
請求項3の発明においては、前記裁断工程の前に、前記プリズムシート、前記拡散シート又は前記積層体の少なくとも1つをクリーニングする第1クリーニング工程を有することが好ましい。請求項3によれば、前記プリズムシート、前記拡散シート、前記積層体、更に前記ディスプレイ用光学シートをクリーニングするため、それらに付着しているゴミ、異物が極めて低減される。そのため、得られるディスプレイ用光学シートの輝点減少が極めて図られると共に生産性の向上も極めて図られる。
【0009】
請求項4の発明においては、前記積層体が、少なくとも一枚のプリズムシートの一の面側に一の拡散シートが形成されていることが好ましい。
【0010】
請求項5の発明においては、前記少なくとも一枚のプリズムシートの一の面の反対面側に他の一の拡散シートが形成されていることが好ましい。
【0011】
請求項6の発明においては、前記第1クリーニング工程又は前記第2クリーニング工程に設けたクリーニング手段を用い、前記プリズムシート、前記拡散シート又は前記積層体の少なくとも1つをクリーニングすることが好ましい。
【0012】
請求項7の発明においては、前記クリーニング手段が、前記プリズムシート、前記拡散シート又は前記積層体のうち少なくとも1つの表面,裏面,両側面に設けられ、前記少なくとも一面をクリーニングすることが好ましい。
【0013】
請求項8の発明においては、前記クリーニング手段が、粘着ローラであることが好ましい。
【0014】
請求項9の発明においては、前記接合工程が、前記レンズシートと前記拡散シートとをそれらの周縁の少なくとも1箇所以上において接合する工程であることが好ましい。
【0015】
請求項10の発明は、前記目的を達成するために、請求項1ないし9何れか1項に記載のディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されることを特徴とするディスプレイ用光学シートである。請求項10によれば、前記プリズムシート、前記拡散シート、前記積層体、更に前記ディスプレイ用光学シートをクリーニングするため、それらに付着しているゴミ、異物が低減される。そのため、前記ディスプレイ用光学シートの輝点減少が図られると共に生産性の向上も図られる。
【0016】
請求項11の発明は、前記目的を達成するために、請求項10に記載のディスプレイ用光学シートを用いたことを特徴とする画像表示装置である。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、ゴミ、異物などの付着が抑制されて、輝点減少が図られると共に生産性の向上が図られているディスプレイ用光学シート及びその製造方法並びに前記ディスプレイ用光学シートを用いて構成される画像表示装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施態様について説明する。先ず、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの例(第1〜第6実施形態)の構成を説明し、次いでこれらのディスプレイ用光学シートの製造方法(第1〜第6の製造方法)について説明する。
【0019】
図1は、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの例(第1実施形態)の構成を示す断面図である。
【0020】
このディスプレイ用光学シート10は、下から順に、第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18が積層されてなる光学シートのモジュールである。
【0021】
第1拡散シート12及び第2拡散シート18は、透明なフィルム(支持体)の表面(片面)にビーズ13,19をバインダーで固定したシートであり、所定の光拡散性能を有するものである。第1拡散シート12と第2拡散シート18とは、第1ビーズ13及び第2ビーズ19の径(平均粒径)が異なっており、光拡散性能も異なっている。
【0022】
第1拡散シート12及び第2拡散シート18に使用される透明なフィルム(支持体)には、樹脂フィルムを使用できる。樹脂フィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドイミド、ポリイミド、芳香族ポリアミド、セルロースアシレート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースダイアセテート等の公知のものが使用できる。これらのうち、特に、ポリエステル、セルロースアシレート、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィンが好ましく使用できる。
【0023】
第1拡散シート12及び第2拡散シート18のビーズ13,19の径は、100μm以下であることが必要であり、25μm以下であることが好ましい。たとえば所定の分布7〜38μmの範囲で、平均粒径が17μmとできる。
【0024】
第1プリズムシート14及び第2プリズムシート16は、1軸方向に形成された凸状レンズ14A,16Aが隣接して略全面に配列されたレンズシートであり、たとえば、ピッチを50μmと、凹凸高さを25μmと、凸部の頂角を90度(直角)とできる。
【0025】
第1プリズムシート14と第2のプリズムシート16とは、凸状レンズ(プリズム)14Aと凸状レンズ(プリズム)16Aの軸が略直行する向きに配されている。すなわち、図1において、第1プリズムシート14の凸状レンズ14Aの軸は紙面に垂直方向に配されており、第2プリズムシート16の凸状レンズ16Aの軸は紙面に平行方向に配されている。なお、図1においては、第2のプリズムシート16の断面が凸状のレンズである旨が理解できるように、実際とは異なった向きに示されている。
【0026】
第1プリズムシート14と第2プリズムシート16との材質及び製法は、公知の各種態様が採り得る。たとえば、ダイより押し出したシート状の樹脂材料を、この樹脂材料の押し出し速度と略同速度で回転する転写ローラ(プリズムシートの反転型が表面に形成されている)と、この転写ローラに対向配置され同速度で回転するニップローラ板とで挟圧し、転写ローラ表面の凹凸形状を樹脂材料に転写する樹脂シートの製造方法が採用できる。
【0027】
また、ホットプレスにより、プリズムシートの反転型が表面に形成されている転写型板(スタンパー)と樹脂板とを積層し、熱転写によりプレス成形する樹脂シートの製造方法が採用できる。
【0028】
このような製造方法に使用される樹脂材料としては、熱可塑性樹脂を用いることができ、たとえば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、MS樹脂、AS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー、又はこれらの共重合体、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。
【0029】
また、他の製造方法として、第1拡散シート12及び第2拡散シート18に使用されるのと同様の透明なフィルム(ポリエステル、セルロースアシレート、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィン等)の表面に、凹凸ローラ(プリズムシートの反転型が表面に形成されている)表面の凹凸を転写形成する樹脂シートの製造方法が採用できる。
【0030】
より具体的には、表面に接着剤と樹脂とが順次塗布されることにより、接着剤層と樹脂層(たとえばUV硬化性樹脂)とが2層以上に形成されている透明なフィルムを連続走行させ、この透明なフィルムを回転する凹凸ローラに巻き掛け、樹脂層に凹凸ローラ表面の凹凸を転写し、透明なフィルムが凹凸ローラに巻き掛けられている状態で樹脂層を硬化させる(たとえばUV照射する)凹凸状シートの製造方法が採用できる。なお、接着剤はなくてもよい。
【0031】
なお、第1プリズムシート14及び第2プリズムシート16の製法は、上記の例に限定される訳ではなく、表面に所望の凹凸形状が形成できる方法であれば、他の製法も採用できる。
【0032】
図1に示されるように、ディスプレイ用光学シート10の左右の端部は、接合部10Aにより各層が一体化されている。この接合部10Aの形成は、接合工程における炭酸ガスレーザ加工等によりなされている。
【0033】
以上に説明したディスプレイ用光学シート10は、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子(=画像表示装置)を形成するように使用される。この場合、既述した各種のメリット(ディスプレイ用光学シートを従来より簡易な工程で低コストで、かつ高品質に製造できる)に加え、液晶表示素子のアセンブル作業も非常に容易となるというメリットが得られる。
【0034】
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの他の例(第2実施形態)について説明する。図2は、ディスプレイ用光学シート20の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0035】
ディスプレイ用光学シート20は、下から順に、拡散シート(=第1拡散シート)12、第1プリズムシート14及び第2プリズムシート16が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第2拡散シート18が省略されている。なお、図1のディスプレイ用光学シート10と同様に、ディスプレイ用光学シート20の左右の端部は、接合部20Aにより各層が一体化されている。この接合部20Aの形成は、接合工程における炭酸ガスレーザ加工等によりなされている。
【0036】
以上に説明したディスプレイ用光学シート20は、第1実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子(=画像表示装置)を形成するように使用される。
【0037】
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの更に他の例(第3実施形態)について説明する。図3は、ディスプレイ用光学シート30の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)及び図2(第2実施形態)と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0038】
このディスプレイ用光学シート30は、下から順に、第1拡散シート12、プリズムシート14及び第2拡散シート18が積層されてなる光学シートである。ディスプレイ用光学シート30は、既述のディスプレイ用光学シート10のような紙面に垂直方向の拡散性能が求められない場合に、第2プリズムシート16が省略されているものである。なお、図1のディスプレイ用光学シート10と同様に、ディスプレイ用光学シート30の左右の端部は、接合部30Aにより各層が一体化されている。この接合部30Aの形成は、接合工程における炭酸ガスレーザ加工等によりなされている。
【0039】
以上に説明したディスプレイ用光学シート30は、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子(=画像表示装置)を形成するように使用される。
【0040】
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの更に他の例(第4実施形態)について説明する。図4は、ディスプレイ用光学シート40の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)、図2(第2実施形態)等と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。ディスプレイ用光学シート40は、下から順に、拡散シート12及びプリズムシート14が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第2拡散シート18が省略され、既述のディスプレイ用光学シート10のような紙面に垂直方向の拡散性能が求められない場合に、第2プリズムシート16が省略されている。なお、図1のディスプレイ用光学シート10と同様に、ディスプレイ用光学シート40の左右の端部は、接合部40Aにより各層が一体化されている。この接合部40Aの形成は、接合工程における炭酸ガスレーザ加工等によりなされている。
【0041】
以上に説明したディスプレイ用光学シート40は、第1ないし第3実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子(=画像表示装置)を形成するように使用される。
【0042】
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの他の例(第5実施形態)について説明する。図5は、ディスプレイ用光学シート50の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)、図2(第2実施形態)等と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。ディスプレイ用光学シート50は、下から順に、第1プリズムシート14、第2プリズムシート16及び拡散シート(=第2拡散シート)18が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第1拡散シート12が省略されている。なお、図1のディスプレイ用光学シート10と同様に、ディスプレイ用光学シート50の左右の端部は、接合部50Aにより各層が一体化されている。この接合部50Aの形成は、接合工程における炭酸ガスレーザ加工等によりなされている。
【0043】
以上に説明したディスプレイ用光学シート50は、第1実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子(=画像表示装置)を形成するように使用される。
【0044】
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの他の例(第6実施形態)について説明する。図6は、ディスプレイ用光学シート60の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)、図2(第2実施形態)等と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。ディスプレイ用光学シート60は、下から順に、第1プリズムシート14及び拡散シート(=第2拡散シート)18が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第1拡散シート12が省略され、既述のディスプレイ用光学シート10のような紙面に垂直方向の拡散性能が求められない場合に、第2プリズムシート16が省略されている。なお、図1のディスプレイ用光学シート10と同様に、ディスプレイ用光学シート60の左右の端部は、接合部60Aにより各層が一体化されている。この接合部60Aの形成は、接合工程における炭酸ガスレーザ加工等によりなされている。
【0045】
以上に説明したディスプレイ用光学シート60は、第1ないし第5実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子(=画像表示装置)を形成するように使用される。
【0046】
次に、ディスプレイ用光学シートの製造方法(第1〜第6の製造方法)について説明する。この製造方法は、既述のディスプレイ用光学シート10〜60に共通して適用できるものであるが、説明の便宜より4層構成のディスプレイ用光学シート(第1実施形態)に適用した場合について説明する。
【0047】
図7は、第1の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン70の構成図である。図の左端部に設けられているロール72,74,76,78は、それぞれ、既述の図1に示される第1拡散シート12、第1プリズムシート14、第2プリズムシート16及び第2拡散シート18が巻回されたロールである。
【0048】
これらロール72,74,76,78は、図示しない繰り出し手段の回転軸にそれぞれ軸支されており、ロール72,74,76,78より第1拡散シート12、第1プリズムシート14、第2プリズムシート16及び第2の拡散シート18がそれぞれ略同一速度で繰り出し可能となっている。なお、各シート12,14,16,18は、繰り出された直後にクリーニング装置73,75,77,79によりそれらの表裏面のクリーニングが施され、表裏面に付着しているゴミ、異物などが除去される。クリーニング装置73,75,77,79は特に限定されるものではないが、粘着ロールを用いることが好ましい。
【0049】
繰り出された第1拡散シート12、第1プリズムシート14、第2プリズムシート16及び第2拡散シート18は、それぞれガイドローラ80〜85に支持され、最終的には、後述するレーザヘッド90の上流側において積層されて積層体200となるようになっている(接合工程)。なお、積層体200については、後述する。
【0050】
レーザヘッド90を含むレーザ光照射装置としては、波長が355nm〜1064nmのYAGレーザ照射装置、半導体レーザ照射装置、波長が9μm〜11μmの炭酸ガスレーザ照射装置等が採用できる。発振方式は連続発振でもパルス発振でもよいが、裁断と略同時に溶着を行うにはパルス発振による点付けが、外見上の仕上がりもよく好適である。
【0051】
裁断(裁断工程)と略同時に溶着(接合工程)を行うのに必要な出力及び周波数は、素材の送り速度、レーザ光のスキャン速度、素材の厚さ等により異なるが、概ね、出力は2W〜50Wが、周波数は100kHz以下の条件で良好な溶着結果が得られる。
【0052】
レーザヘッド90は、X方向(シート幅方向)又はXY方向に移動できるX駆動ロボット軸又はXY駆動ロボット軸(図示しない)に取り付けられており、任意の位置への位置決めや任意の軌跡移動を行うことができる。レーザ光の照射パターンに応じてレーザヘッド90ごと移動させてもよいが、レーザヘッド90を別置き(固定)にして、レーザ光のみを光ファイバーにより導波することでXY方向の移動機構を簡素化することもできる。
【0053】
なお、レーザヘッド90による裁断時及び溶着時に発生する煙を吸引する公知の機構(吸引装置等)を設けることもできる。
【0054】
レーザヘッド90よりレーザ光を積層体周縁の被裁断・接合箇所に照射し、照射スポット一定の速度で移動させながら、積層体200の周縁を製品サイズに裁断するとともに溶融させて接合する。そして、裁断された積層体200をクリーニング装置92に通過させて、その表裏面に付着しているゴミ、異物などを除去する。クリーニング装置92は特に限定されるものではないが、粘着ロールを用いることが好ましい。また、粘着ロールは、積層体200の表面、裏面、両サイド面の少なくとも何れか一面に配置されてクリーニングすれば良い。しかしながら、本発明においては、クリーニング装置92である粘着ロールは、積層体200の表面、裏面及び両サイド面の全てに配置して、各面をクリーニングしてゴミ、異物などを除去することが最も好ましい。
【0055】
以上の工程を経ることにより、ディスプレイ用光学シート10(図1参照)が形成される。裁断及び接合されたディスプレイ用光学シート10は、コンベア94上に搬送されて停止する。コンベア94上のディスプレイ用光学シート10は吸着横移載装置96により集積装置98上に順次重ねられる。
【0056】
一方、レーザヘッド90によりディスプレイ用光学シート10が打ち抜かれたシートの打抜済積層体100は、ガイドローラ102で支持されながら巻取装置(詳細は不図示)の巻取ロール104に巻き取られる。
【0057】
以上のディスプレイ用光学シートの製造方法(第1の製造方法)によれば、以下の1)〜3)の効果が得られる。
【0058】
1)傷故障削減効果
レンズシート(第1プリズムシート14、第2プリズムシート16)の上面、下面に傷がつくとレンズ効果もあることより、傷が目立ってしまう。一方、拡散シート(第1拡散シート12、第2拡散シート18)の下面に傷がついた場合は、光が拡散されるので傷は目立たない。このようなことからレンズシートへの傷付きを防止することが傷故障削減に繋がる。傷は、シート加工後の取扱時に付くことが多いが、レンズシートを拡散シートと複合化することにより、拡散シートが保護シートの役割を果たすため、傷付きによる故障が削減できる。特に、レンズシートが表面に出ない、第1実施形態のディスプレイ用光学シート10(図1参照)及び第3実施形態のディスプレイ用光学シート30(図3参照)においてその効果が大きい。
【0059】
2)組立工数削減効果
たとえば、液晶表示素子の組み立てにおいて、第1実施形態のディスプレイ用光学シート10(図1参照)を使用した場合には、組立工数はディスプレイ用光学シート10を組み込む1工程だけなのに対し、従来品を使用した場合には、第1拡散シートの組み込み⇒第1のレンズシートの裏面保護シート剥し⇒第1のレンズシートの表面保護シート剥し⇒第1のレンズシートの組み込み⇒第2のレンズシートの裏面保護シート剥し⇒第2のレンズシートの表面保護シート剥し⇒第2のレンズシートの組み込み⇒第2拡散シートの組み込み、と8工程必要となる。このように、第1の製造方法によれば、大幅な組立工数削減を達成でき、製品コストの低減ができる。
【0060】
3)保護シートの削減効果
レンズシートには、傷付き防止のために保護シートを表裏に貼着することが多い。この保護シートは、レンズシートを組み込んだ後は廃却するものであり、非常に無駄である。本発明品は、拡散シートを保護シートの役割とすることで、この保護シートを節約することができる。
【0061】
具体的には、第4実施形態のディスプレイ用光学シート40(図4参照)及び第6実施形態のディスプレイ用光学シート60(図6参照)において保護シートを1枚削減でき、第3実施形態のディスプレイ用光学シート30(図3参照)において保護シートを2枚削減でき、第2実施形態のディスプレイ用光学シート20(図2参照)及び第5実施形態のディスプレイ用光学シート50(図5参照)において保護シートを3枚削減でき、第1実施形態のディスプレイ用光学シート10(図1参照)において保護シートを4枚削減できる。
【0062】
次に、ディスプレイ用光学シートの他の製造方法(第2の製造方法)について説明する。図8は、第2の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン110の構成図である。なお、図7(第1の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン70と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0063】
ディスプレイ用光学シート製造ライン110においては、ディスプレイ用光学シート製造ライン70のレーザヘッド90に代えて、ディスペンサ112、114、116及び打抜プレス装置118が採用されている。
【0064】
ディスペンサ112、114、116は、それぞれ接着剤を先端より吐出する供給装置である。ディスペンサ112は、第1拡散シート12と第1プリズムシート14とを接着するために、第1拡散シート12の表面に接着剤を供給するものであり、ディスペンサ114は、第1プリズムシート14と第2プリズムシート16とを接着するために、第1プリズムシート14の表面に接着剤を供給するものであり、ディスペンサ116は、第2プリズムシート16と第2拡散シート18とを接着するために、第2プリズムシート16の表面に接着剤を供給するものである。
【0065】
ディスペンサ112、114、116より供給される接着剤は、熱又は触媒の助けにより接着される接着剤であることが好ましい。具体的には、シリコン系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、アクリル系接着剤など一般的な接着剤を用いることができる。
【0066】
ディスプレイ用光学シート10〜60は、高温で使用する可能性があるため、常温〜120℃でも安定な接着剤が好ましい。これらの中で、エポキシ系接着剤は強度、耐熱性に優れているため、好適に利用できる。シアノアクリレート系接着剤は、即効性と強度に優れているため、効率的なディスプレイ用光学シートの作製に利用できる。ポリエステル系接着剤は、強度、加工性に優れているため、特に好適である。
【0067】
これらの接着剤は、接着方法によって熱硬化型、ホットメルト型、2液混合型に大別されるが、好ましくは連続生産が可能な熱硬化型又はホットメルト型が使用される。どの接着剤を使用した場合でも、その塗布厚さは、0.5μm〜50μmが好ましい。
【0068】
また、下流のガイドローラ85までの間に、接着剤を乾燥させる乾燥手段を設けるのが好ましい。この乾燥手段としては、特に制限はなく、公知の乾燥方法、たとえば、温風や熱風による乾燥、脱湿風による乾燥、等が挙げられる。
【0069】
ディスペンサ112、114、116はX方向(シート幅方向)又はXY方向に移動できるX駆動ロボット軸又はXY駆動ロボット軸(図示しない)に取り付けられ、任意の位置への位置決めや任意の軌跡移動を行うことができるようになっている。
【0070】
これらのディスペンサ112、114、116より接着剤を積層体周縁の被接合箇所に供給し、積層体202を搬送しながら下流のガイドローラ85により積層体202の周縁を接合する。ディスペンサ112、114、116の下流の打抜プレス装置118は、積層体202の周縁を製品サイズに裁断する装置である。打抜プレス装置118では、接着された部分の中心部分に刃物が入るようにすることにより、打抜かれたシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の全片又は任意の片の端部分だけが接着された複合シートを得ることができる。そして、図7のディスプレイ用光学シート製造ライン70と同様に裁断された積層体202をクリーニング装置92に通過させて、その表裏面に付着しているゴミ、異物などを除去する。
【0071】
次に、ディスプレイ用光学シートの更に他の製造方法(第3の製造方法)について説明する。図9は、第3の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン130の構成図である。なお、図7(第1の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン70及び図8(第2の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン110と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0072】
ディスプレイ用光学シート製造ライン130においては、ディスプレイ用光学シート製造ライン110のディスペンサ112、114、116に代えてテープ供給装置132、134、136が採用されている。これらテープ供給装置132、134、136は、それぞれ両面テープを先端より供給する供給装置である。
【0073】
テープ供給装置132は、第1拡散シート12と第1プリズムシート14とを接着するために、第1拡散シート12の表面に両面テープを供給するものであり、テープ供給装置134は、第1プリズムシート14と第2プリズムシート16とを接着するために、第1プリズムシート14の表面に両面テープを供給するものであり、テープ供給装置136は、第2プリズムシート16と第2拡散シート18とを接着するために、第2プリズムシート16の表面に両面テープを供給するものである。
【0074】
テープ供給装置132、134、136より供給される両面テープは、両面に粘着剤が塗布されたものである。両面テープの粘着剤としては、高粘着性アクリル共重合樹脂が使用できるが、それ以外にはたとえば、シリコン系、天然ゴム系、合成ゴム系等の粘着剤が使用でき、耐熱性、耐クリープ性等の物理強度、価格等を総合的に考慮すればアクリル系粘着剤を用いるのが好ましい。
【0075】
両面テープを供給するテープ供給装置132、134、136は、市販されている汎用のテープディスペンサーを使うことで対応可能である。テープ供給装置132、134、136はX方向(シート幅方向)の任意の位置に移動可能な1軸の移動機構(図示しない)に取り付けられており、打抜パターンに応じて両面テープ貼りの位置を可変させることができる。
【0076】
また、テープ供給装置132、134、136の固定部分にはピボット機構(図示しない)があり、各シート72、74、76の送り速度に同期させてテープ供給装置132、134、136の位置を変えることで、斜め方向へのテープ貼りパターンにも対応可能な機構となっている。
【0077】
テープ供給装置132、134、136の下流の打抜プレス装置118では、接着されたテープ幅部分の中心部分に刃物が入るようにすることで、打抜かれたシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の全片又は任意の片の端部分だけが接着された複合シートを得ることができる。そして、図7のディスプレイ用光学シート製造ライン70と同様に裁断された積層体202をクリーニング装置92に通過させて、その表裏面に付着しているゴミ、異物などを除去する。
【0078】
次に、ディスプレイ用光学シートの更に他の製造方法(第4の製造方法)について説明する。図10は、第4の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン150の構成図である。なお、図7(第1の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン70、図8(第2の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン110、及び図9(第3の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン130と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0079】
ディスプレイ用光学シート製造ライン150においては、ディスプレイ用光学シート製造ライン110のディスペンサ112、114、116に代えて超音波ホーン152、154、156が採用されている。超音波ホーン152、154、156は、それぞれガイドローラ83、84、85の下流側に配されている。
【0080】
超音波ホーン152、154、156は、2枚以上の積層されたシートを融着させる装置である。すなわち、超音波ホーン152は、第1拡散シート12と第1プリズムシート14とを融着させるものであり、超音波ホーン154は、第1プリズムシート14と第2プリズムシート16とを融着させるものであり、超音波ホーン156は、第2プリズムシート16と第2拡散シート18とを融着させるものである。
【0081】
超音波ホーン(=超音波溶着装置)152、154、156としては、従来より公知であり、エアシリンダでホーンを昇降させる形式のものや、サーボモータによりホーンを昇降させる型式のものが知られているが、シートに荷重を加えながら超音波振動を付与してシート同士を溶着できるものであれば、どのような型式の超音波溶着装置でも適用可能である。
【0082】
超音波ホーン152、154、156の位置制御は、打抜パターンがシートの送り方向に対して水平の場合は、シートの幅方向への位置切替だけでよいが、斜めに打抜くようなパターンに対応する場合には、超音波ホーン152、154、156の走行方向が任意の向きに可変できるような首振機構(図示しない)を設け、シートの移動量と同期させて幅方向へ移動させることで対応可能である。
【0083】
超音波ホーン152、154、156の設定条件は、融着部分が熱により溶け切れたりしない範囲で定めればよく、必要に応じて接着(融着)後にエア吹き付けなどの空冷機構により接着部分を冷却してもよい。
【0084】
超音波ホーン152、154、156の下流の打抜プレス装置118では、接着された融着部分の中心部分に刃物が入るようにすることで、打抜かれたシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の全片又は任意の片の端部分だけが接着された複合シートを得ることができる。そして、図7のディスプレイ用光学シート製造ライン70と同様に裁断された積層体202をクリーニング装置92に通過させて、その表裏面に付着しているゴミ、異物などを除去する。
【0085】
次に、ディスプレイ用光学シートの更に他の製造方法(第5の製造方法)について説明する。図11は、第5の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン170の構成図である。なお、図7(第1の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン70、図8(第2の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン110及び図9(第3の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン130等と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0086】
ディスプレイ用光学シート製造ライン170においては、ディスプレイ用光学シート製造ライン150の超音波ホーン152、154、156に代えてレーザヘッド172、174、176が採用されている。レーザヘッド172、174、176は、超音波ホーン152、154、156と同様に、それぞれガイドローラ83、84、85の下流側に配されている。
【0087】
レーザヘッド172、174、176は、超音波ホーン152、154、156と同様に、2枚以上の積層されたシートを融着させる装置である。すなわち、レーザヘッド172は、第1拡散シート12と第1プリズムシート14とを融着させるものであり、レーザヘッド174は、第1プリズムシート14と第2プリズムシート16とを融着させるものであり、レーザヘッド176は、第2プリズムシート16と第2拡散シート18とを融着させるものである。
【0088】
なお、レーザヘッド172、174、176は、図7(第1の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン70におけるレーザヘッド90と異なり、接合工程にのみ使用され、裁断工程は打抜プレス装置118により行われる。ただし、レーザヘッド172、174、176の基本的な仕様や周辺の構成は、第1の製造方法と略同様である。
【0089】
レーザヘッド172、174、176の設定条件は、融着部分が熱により溶け切れたりしない範囲で定めればよく、必要に応じて接着(融着)後にエア吹き付けなどの空冷機構により接着部分を冷却してもよい。
【0090】
レーザヘッド172、174、176の下流の打抜プレス装置118では、接着された融着部分の中心部分に刃物が入るようにすることで、打抜かれたシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の全片又は任意の片の端部分だけが接着された複合シートを得ることができる。そして、図7のディスプレイ用光学シート製造ライン70と同様に裁断された積層体202をクリーニング装置92に通過させて、その表裏面に付着しているゴミ、異物などを除去する。
【0091】
次に、ディスプレイ用光学シートの更に他の製造方法(第6の製造方法)について説明する。図12は、第6の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン190の構成図である。なお、図7(第1の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン70、図8(第2の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン110及び図9(第3の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン130等と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0092】
ディスプレイ用光学シート製造ライン190においては、ディスプレイ用光学シート製造ライン170の3台のレーザヘッド172、174、176に代えて1台のレーザヘッド192が採用されている。このレーザヘッド192は、ガイドローラ85の下流側に配されている。
【0093】
レーザヘッド192は、2枚以上の積層されたシートを融着させる装置である。すなわち、レーザヘッド192は、第1拡散シート12と第1プリズムシート14と第2プリズムシート16と第2拡散シート18との積層体を融着させるものである。
【0094】
なお、レーザヘッド192は、図7(第1の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン70におけるレーザヘッド90と異なり、接合工程にのみ使用され、裁断工程は打抜プレス装置118により行われる。ただし、レーザヘッド192の基本的な仕様や周辺の構成は、第1の製造方法(図7参照)と略同様である。
【0095】
レーザヘッド192の設定条件は、融着部分が熱により溶け切れたりしない範囲で定めればよく、必要に応じて接着(融着)後にエア吹き付けなどの空冷機構により接着部分を冷却してもよい。
【0096】
レーザヘッド192の下流の打抜プレス装置118では、接着された融着部分の中心部分に刃物が入るようにすることで、打抜かれたシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の全片又は任意の片の端部分だけが接着された複合シートを得ることができる。そして、図7のディスプレイ用光学シート製造ライン70と同様に裁断された積層体202をクリーニング装置92に通過させて、その表裏面に付着しているゴミ、異物などを除去する。
【0097】
図13に本発明に係るクリーニング手段の一例を図示する。なお、図13のクリーニング手段には、粘着ロールからなるクリーニング装置92を図示している。積層体200はZ方向に搬送されている。積層体200の表面側には粘着ローラ(表面用粘着ローラ)205が、裏面側には粘着ローラ(裏面用粘着ローラ)206が、両側面側には粘着ローラ(側面用粘着ローラ)207,208が設けられている。なお、各粘着ローラ205〜208は駆動装置(図示しない)が取り付けられている駆動ローラであっても良いし、駆動装置を取り付けない自由ローラであっても良い。なお、本発明において、クリーニング装置92が備えている粘着ローラは必ずしも図示した4本に限定されるものではない。表面用粘着ローラ205、裏面用粘着ローラ206及び側面用粘着ローラ207,208の少なくとも1本を備えていれば良い。更に、表面用粘着ローラ、裏面用粘着ローラ及び側面用粘着ローラはそれぞれ複数本備えていても良い。
【0098】
また、図7ないし図12で示したクリーニング装置73,75,77,79もクリーニング装置92と同様の形態であることが好ましい。この場合には、クリーニングされるものは拡散シート12,18、プリズムシート14,16となる。なお、各粘着ローラ205〜208の形態は特に限定されるものではないが、光学部材用のクリーニングローラが好ましく用いられる。また、各粘着ローラ205〜208の素材も特に限定されるものではないが、シリコン系ゴム、ブチル系ゴムなどが好ましく用いられる。
【0099】
図14に本発明に係るクリーニング手段の他の実施形態を示す。図14に示されているクリーニング装置210は粘着フィルムロール211を備えている。粘着フィルムロール211から粘着フィルム212が供給される。粘着フィルム212は押圧ローラ213により積層体200表面に接触して、その表面のゴミ、異物などを除去する。そして、粘着フィルム212は巻取ロール214に巻き取られる。なお、クリーニング装置210は積層体200の表面側に備えられるものに限定されず、裏面側及び両側面側に備えられていても良い。更に、図7ないし図12で示したクリーニング装置73,75,77,79も図14のクリーニング装置210と同様の形態であっても良いことは、図13を用いて説明した場合と同様である。
【0100】
なお、本発明において、クリーニング手段は図13及び図14に図示したものに限定されるものではない。例えば、バキューム装置、静電気除去装置などを用いることもできる。
【0101】
次に、第1拡散シート12、第1プリズムシート14、第2プリズムシート16、第2拡散シート18の積層体より打抜かれるシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の平面配置について説明する。
【0102】
図15は、第1の製造方法において、積層体200より打抜かれるシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の平面配置を説明する図であり、図16は、第2〜第6の製造方法において、積層体202より打抜かれるシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の平面配置を説明する図である。
【0103】
図15において、(A)は、積層体200の搬送方向Zに対して平行な融着(接合工程)及び打ち抜き(裁断工程)を行う状態を示し、(B)は、積層体200の搬送方向Zに対して斜め方向に融着(接合工程)及び打ち抜き(裁断工程)を行う状態を示す。図において、積層体200より打抜かれるシートの周縁部の点は、融着箇所を示す。
【0104】
図16において、(A)は、積層体202の搬送方向Zに対して斜め方向に融着又は接着(接合工程)を行う状態を示し、(B)は、積層体202の搬送方向Zに対して斜め方向に融着又は接着(接合工程)を行う状態を示す。図において、積層体より打抜かれるシートの周縁部の点は、融着箇所又は接着箇所を示す。
【0105】
以上、説明したように、本発明によれば、ディスプレイ用光学シートを従来より簡易な工程で低コストで、かつ高品質に製造することができる。
【0106】
また、本発明によれば、以下の効果も得られる。
【0107】
1)コストの削減、薄型化による製品価値の向上
大型液晶テレビに用いられる光学シートは剛性が必要なため、支持体の厚さをそれぞれ従来より2倍程度に厚くしたものが用いられている。しかしながら、本発明による光学シートは、シートを複合化したものであるため、それぞれの厚さを厚くせずとも充分に剛性を持たせることができ、各層の厚さを減らすことができる。
【0108】
2)集光効果の低減防止による性能の向上
レンズシートの傷付き防止(傷を目立たなくする目的)のために、裏面をマット処理している製品もある。本発明による光学シートではその必要がなく、生産コストが削減できるのみならず、マット処理による集光効果低減防止が可能であり、性能が向上する。
【0109】
以上、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法の実施形態の各例について説明したが、本発明は上記実施形態の例に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
【0110】
たとえば、本実施形態の例では、いずれの場合においても第1プリズムシート14及び第2プリズムシート16のプリズムが上向きになっているが、このプリズムを下向きにして積層することもできる。また、ディスプレイ用光学シートの層構成も実施形態の例に限定されるものではなく、たとえば、保護シートを上下面に積層することもできる。以上のような構成であっても、本実施形態と同様に作用し、同様の効果が得られるからである。
【実施例】
【0111】
以下に実施例として本発明に係る実験1ないし実験3と比較実験である実験4を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。なお、説明は実験1で詳細に行い、その他の実験2ないし実験4では、実験1と異なる実験条件のみを記載する。また、以下の実施例で示す、材料、使用量、割合、処理内容、処理手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0112】
[実験1]
[プリズムシートの作製]
第1プリズムシート14及び第2プリズムシート16に使用するベースフィルムを作製した。このベースフィルムは、第1プリズムシート14及び第2プリズムシート16に共通して使用する。
【0113】
・樹脂液の調整
図17の表に示す化合物を記載の質量比にて混合し、50℃に加熱して撹拌溶解し、樹脂液を得た。なお、各化合物の名称と内容は以下の通りである。
【0114】
EB3700:エベクリル3700、ダイセルUC(株)製、
ビスフェノールAタイプエポキシアクリレート、
(粘度:2200mPa・s/65°C)
BPE200:NKエステルBPE−200、新中村化学(株)製、
エチレンオキシド付加ビスフェノールAメタクリル酸エステル、
(粘度:590mPa・s/25°C)
BR−31 :ニューフロンティアBR−31、第一工業製薬工業(株)製、
トリブロモフェノキシエチルアクリレート、
(常温で固体、融点50°C以上)
LR8893X:Lucirin LR8893X、BASF(株)製の北ラジカル発生剤、
エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルオスフィンオキシド
MEK :メチルエチルケトン
プリズムシート製造装置(以下、製造装置と称する)220の概略図を図18に示す。製造装置220は、ベースフィルム222を供給するフィルム供給装置224と、ベースフィルム222上に放射性硬化樹脂液(以下、樹脂液と称する)を塗布する塗布装置226と、凹凸ローラ(型ロールとも称される)であるエンボスローラ228とニップローラ230と剥離ローラ232と、樹脂硬化装置234と、巻取機236とを備えている。これら構成によりベースフィルム222からプリズムシート238が得られる。また、プリズムシート238を保護する保護フィルム240を送り出す保護フィルム供給装置242も備えられていることが好ましい。
【0115】
フィルム供給装置224は、ベースフィルム222を送り出すもので、ベースフィルム222が巻き回された送り出しロールなどにより構成される。塗布装置226は、ベースフィルム222の表面に樹脂液を塗布する装置であり、樹脂液を供給する樹脂液タンク250と、樹脂液を供給する送液ポンプ252と塗布ヘッド254と、塗布の際にベースフィルム222を巻き掛けて支持する支持ローラ256と、各種の配管などにより構成される。なお、塗布ヘッド254としては、ダイコータ(エクストルージョン方式のコータ)を用いた。更に塗布装置226の下流側には樹脂液を乾燥させる乾燥装置258を設けた。
【0116】
そして、プリズムシート製造装置220を使用してプリズムシート238の製造を行った。シートWとして、幅500mm、厚さ100μmの透明なPET(ポリエチレンテレフタレート)をベースフィルム222として使用した。エンボスローラ228として、長さ(シートWの幅方向)が700mm、直径が300mmのS45C製で表面の材質をニッケルとしたローラを使用した。ローラの表面の略500mm幅の全周に、ダイヤモンドバイト(シングルポイント)を使用した切削加工により、ローラ軸方向のピッチが50μmの溝を形成した。溝の断面形状は、頂角が90度の三角形状で、溝の底部も平坦部分のない90度の三角形状である。すなわち、溝幅は50μmであり、溝深さは約25μmである。この溝は、ローラの周方向に継ぎ目がないエンドレスとなるので、このエンボスローラ228により、シートWに断面が三角形のレンチキュラーレンズ(プリズムシート)が形成できる。ローラの表面には、溝加工後にニッケルメッキを施した。
【0117】
塗布装置226として、エクストルージョンタイプの塗布ヘッド254を用いたダイコータを使用した。塗布液F(樹脂液)として、図15の表に記載した組成の液を使用し、樹脂液タンク250に入れた。塗布液F(樹脂)の湿潤状態の厚さは有機溶剤乾燥後の膜厚が20μmになるように、塗布ヘッド254への各塗布液Fの供給量を、送液ポンプ252により制御した。乾燥手段として熱風循環式の乾燥装置258を用いた。熱風の温度は100℃とした。
【0118】
ニップローラ230として、直径が200mmで、表面にゴム硬度が90のシリコンゴムの層を形成したローラを使用した。エンボスローラ228とニップローラ230とでシートWを押圧するニップ圧(実効のニップ圧)は、0.5Paとした。樹脂硬化装置234として、メタルハライドランプを使用し、1000mJ/cm2のエネルギーで照射を行った。以上により、凹凸パタ−ンが形成されたプリズムシートを得た。
【0119】
[第1拡散シート12の作製]
下塗り層、バックコート層、光拡散層の順に、以下の方法により各層を形成することにより、第1拡散シート(下用拡散シート)12を作製した。
【0120】
・下塗り層
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)の片面に、下記組成の下塗り層用塗布液としてのA液を、ワイヤーバー(ワイヤーサイズ:#10)で塗布し、120°Cで2分間乾燥させて、膜厚が1.5μmの下塗り層を得た。
【0121】
(下塗り層用塗布液)
メタノール 4165g
ジュリマーSP−50T(日本純薬社製) 1495g
シクロヘキサノン 339g
ジュリマーMB−1X(日本純薬社製) 1.85g
(有機粒子:ポリメチルメタクリレート架橋タイプ、重量平均粒子径6.2μmの球状超微粒子)
・バックコート層
前記支持体の、下塗り層を塗布した反対側の面に、下記組成のバックコート層用塗布液としてのB液を、ワイヤーバー(ワイヤーサイズ:#10)で塗布し、120°Cで2分間乾燥させて、膜厚が2.0μmのバックコート層を得た。
【0122】
(バックコート層用塗布液)
メタノール 4171g
ジュリマーSP−65T(日本純薬社製) 1487g
シクロヘキサノン 340g
ジュリマーMB−1X(日本純薬社製) 2.68g
(有機粒子:ポリメチルメタクリレート架橋タイプ、重量平均粒子径6.2μmの球状超微粒子)
・光拡散層
上記で作成した支持体の下塗り層側に、下記組成の光拡散層用塗布液としてのC液を、ワイヤーバー(ワイヤーサイズ:#22)で塗布し、120°Cで2分間乾燥させて、光拡散層を得た。なお、後述するが、この光拡散層は、C液を調製した直後に塗布したものと、C液を調整して2時間静置した後に塗布したものとをそれぞれ得た。
【0123】
(光拡散層用塗布液)
シクロヘキサノン 20.84g
ディスパロンPFA−230 固形分濃度20質量% 0.74g
(粒子沈降防止剤:脂肪酸アミド、楠本化成社製)
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−117、三菱レーヨン社製)20質量%メチルエチルケトン溶液 17.85g
ジュリマーMB−20X(日本純薬社製) 11.29g
(有機粒子;ポリメチルメタクリレート架橋タイプ、重量平均粒子径18μmの球状超微粒子)
F780F(大日本インキ社製) 0.03g
(メチルエチルケトン 30質量%溶液)
[第2拡散シート18の作成]
上記の第1拡散シート12の光拡散層のジュリマーMB−20Xの添加量を11.29gから、1.13gに変更した以外は、上記の第1拡散シート12と同一の条件及び同一のフローで第2拡散シート(上用拡散シート)18を作製した。
【0124】
[ディスプレイ用光学シート10の作成:実施例]
以上の各シートを使用し、既述の図1に示される、下から順に、第1拡散シート12、第1プリズムシート14、第2プリズムシート16及び第2拡散シート18が積層されてなるディスプレイ用光学シート(光学シートのモジュール)10を作成した。
【0125】
製造装置としては、既述の図7に示されるディスプレイ用光学シート製造ライン70(第1の製造方法)を使用した。レーザヘッド90を含むレーザ光照射装置としては、炭酸ガスレーザ照射装置を使用した。波長は、10μmであり、出力は、25Wであり、周波数は、50kHzである。
【0126】
また、クリーニング装置92には図13に示したものを用いた。更にクリーニング装置73,75,77,79にもクリーニング装置92と同様のものを使用した。なお、粘着ローラ205〜208にはブチル系クリーナー(オーディオテクニカ社製;HC−530)を用いた。
【0127】
ディスプレイ用光学シート10の作製方法は、レーザ光照射により、積層体の四周を切り抜くと同時に、4周の4辺を接合する方式とした。そして、ディスプレイ用光学シート10をそれぞれ100セット、取り扱い時に生じた傷故障の有無を評価した。評価は、傷による輝線を目視で観察して、輝線が見られたものを不良品と判断した。実験1では、良品が99セット得られた。
【0128】
[実験2ないし実験4]
実験2では、クリーニング装置73,75,77,79を取り外した以外は実験1と同じ条件で実験を行った。良品が97セット得られた。実験3では、クリーニング装置92を取り外した以外は実験1と同じ条件で実験を行った。良品が92セット得られた。実験4では、クリーニング装置73,75,77,79及びクリーニング装置92を取り外した。すなわち、ディスプレイ用光学シート製造ライン70にクリーニング装置を設けなかった。それ以外は実験1と同じ条件で実験を行ったところ、良品は65セットしか得られなかった。
【0129】
以上の結果より、本発明の実施例(実験1ないし実験3)によれば、積層体の抜き打ち加工時のゴミ欠陥低減を実現し、得率の向上を確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの実施形態の断面図
【図2】ディスプレイ用光学シートの他の実施形態の断面図
【図3】ディスプレイ用光学シートの更に他の実施形態の断面図
【図4】ディスプレイ用光学シートの更に他の実施形態の断面図
【図5】ディスプレイ用光学シートの更に他の実施形態の断面図
【図6】ディスプレイ用光学シートの更に他の実施形態の断面図
【図7】第1の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ラインの構成図
【図8】第2の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ラインの構成図
【図9】第3の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ラインの構成図
【図10】第4の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ラインの構成図
【図11】第5の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ラインの構成図
【図12】第6の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ラインの構成図
【図13】本発明のディスプレイ用光学シートの製造方法に用いられるクリーニング装置の概略図である
【図14】本発明のディスプレイ用光学シートの製造方法に用いられるクリーニング装置の他の実施形態の概略図である
【図15】第1の製造方法において、積層体より打抜かれるシートの平面配置を説明する図
【図16】第2〜第6の製造方法において、積層体より打抜かれるシートの平面配置を説明する図
【図17】プリズムシートの作成に使用される樹脂液の組成を示す表
【図18】プリズムシートの製造装置の構成図
【符号の説明】
【0131】
10,20,30,40…ディスプレイ用光学シート、12…第1拡散シート、14…第1プリズムシート、16…第2プリズムシート、18…第2拡散シート、73,75,77,79,92…クリーニング装置、200,202…積層体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列された少なくとも一枚のプリズムシートと、光を乱反射させる少なくとも一枚の拡散シートと、をそれぞれ供給して積層体を形成する接合工程と、前記積層体からディスプレイ用光学シートを裁断する裁断工程と、を有するディスプレイ用光学シートの製造方法において、
前記裁断工程の前に、前記プリズムシート、前記拡散シート又は前記積層体の少なくとも1つをクリーニングする第1クリーニング工程を有することを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項2】
一軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列された少なくとも一枚のプリズムシートと、光を乱反射させる少なくとも一枚の拡散シートと、をそれぞれ供給して積層体を形成する接合工程と、前記積層体からディスプレイ用光学シートを裁断する裁断工程と、を有するディスプレイ用光学シートの製造方法において、
前記裁断工程の後に、前記ディスプレイ用光学シートをクリーニングする第2クリーニング工程を有することを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項3】
前記裁断工程の前に、前記プリズムシート、前記拡散シート又は前記積層体の少なくとも1つをクリーニングする第1クリーニング工程を有することを特徴とする請求項2に記載のディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項4】
前記積層体が、少なくとも一枚のプリズムシートの一の面側に一の拡散シートが形成されていることを特徴とする請求項1ないし3何れか1項に記載のディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項5】
前記少なくとも一枚のプリズムシートの一の面の反対面側に他の一の拡散シートが形成されていることを特徴とする請求項4に記載のディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項6】
前記第1クリーニング工程又は前記第2クリーニング工程に設けたクリーニング手段を用い、前記プリズムシート、前記拡散シート又は前記積層体の少なくとも1つをクリーニングすることを特徴とする請求項1ないし5何れか1項に記載のディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項7】
前記クリーニング手段が、前記プリズムシート、前記拡散シート又は前記積層体のうち少なくとも1つの表面,裏面,両側面に設けられ、前記少なくとも一面をクリーニングすることを特徴とする請求項6に記載のディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項8】
前記クリーニング手段が、粘着ローラであることを特徴とする請求項6又は7に記載のディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項9】
前記接合工程が、前記レンズシートと前記拡散シートとをそれらの周縁の少なくとも1箇所以上において接合する工程であることを特徴とする請求項1ないし8何れか1項に記載のディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項10】
請求項1ないし9何れか1項に記載のディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されることを特徴とするディスプレイ用光学シート。
【請求項11】
請求項10に記載のディスプレイ用光学シートを用いたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項1】
一軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列された少なくとも一枚のプリズムシートと、光を乱反射させる少なくとも一枚の拡散シートと、をそれぞれ供給して積層体を形成する接合工程と、前記積層体からディスプレイ用光学シートを裁断する裁断工程と、を有するディスプレイ用光学シートの製造方法において、
前記裁断工程の前に、前記プリズムシート、前記拡散シート又は前記積層体の少なくとも1つをクリーニングする第1クリーニング工程を有することを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項2】
一軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列された少なくとも一枚のプリズムシートと、光を乱反射させる少なくとも一枚の拡散シートと、をそれぞれ供給して積層体を形成する接合工程と、前記積層体からディスプレイ用光学シートを裁断する裁断工程と、を有するディスプレイ用光学シートの製造方法において、
前記裁断工程の後に、前記ディスプレイ用光学シートをクリーニングする第2クリーニング工程を有することを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項3】
前記裁断工程の前に、前記プリズムシート、前記拡散シート又は前記積層体の少なくとも1つをクリーニングする第1クリーニング工程を有することを特徴とする請求項2に記載のディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項4】
前記積層体が、少なくとも一枚のプリズムシートの一の面側に一の拡散シートが形成されていることを特徴とする請求項1ないし3何れか1項に記載のディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項5】
前記少なくとも一枚のプリズムシートの一の面の反対面側に他の一の拡散シートが形成されていることを特徴とする請求項4に記載のディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項6】
前記第1クリーニング工程又は前記第2クリーニング工程に設けたクリーニング手段を用い、前記プリズムシート、前記拡散シート又は前記積層体の少なくとも1つをクリーニングすることを特徴とする請求項1ないし5何れか1項に記載のディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項7】
前記クリーニング手段が、前記プリズムシート、前記拡散シート又は前記積層体のうち少なくとも1つの表面,裏面,両側面に設けられ、前記少なくとも一面をクリーニングすることを特徴とする請求項6に記載のディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項8】
前記クリーニング手段が、粘着ローラであることを特徴とする請求項6又は7に記載のディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項9】
前記接合工程が、前記レンズシートと前記拡散シートとをそれらの周縁の少なくとも1箇所以上において接合する工程であることを特徴とする請求項1ないし8何れか1項に記載のディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項10】
請求項1ないし9何れか1項に記載のディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されることを特徴とするディスプレイ用光学シート。
【請求項11】
請求項10に記載のディスプレイ用光学シートを用いたことを特徴とする画像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−155941(P2007−155941A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−348503(P2005−348503)
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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