ディーゼル機関の燃料噴射ポンプにおけるキャビテーション防止装置
【課題】 本発明は、ディーゼル機関の燃料噴射ポンプにおけるキャビテーション防止装置を提供する。
【解決手段】 燃料の流入及び流出のための燃料吸入ポートとバレルポートとをそれぞれ含む。前記キャビテーション損傷防止装置は前記圧力調整弁を含み、前記圧力調整弁は、前記バレルポートを開閉するために前記バレルポートに配置され、プランジャーの上昇運動による燃料の圧縮初期過程において前記バレルポートを遮断して内部の圧力を上昇させる弁部材と、前記弁部材を支持するようにポンプハウジングのデフレクター又はバレルに設けられる弁ハウジングと、前記弁部材と前記弁ハウジングとの間に設けられ、前記弁部材を弾性支持するバネと、を含み、燃料の圧縮初期過程において前記バレルポートを遮断して前記バレルポートの圧力を上昇させ、前記バレルポート内の燃料圧力が開放圧力を超えると前記バレルポートを開放する。前記燃料吸入ポートは、チェック弁を有し、前記バレルポートの上部に独立的に設けられる。
【解決手段】 燃料の流入及び流出のための燃料吸入ポートとバレルポートとをそれぞれ含む。前記キャビテーション損傷防止装置は前記圧力調整弁を含み、前記圧力調整弁は、前記バレルポートを開閉するために前記バレルポートに配置され、プランジャーの上昇運動による燃料の圧縮初期過程において前記バレルポートを遮断して内部の圧力を上昇させる弁部材と、前記弁部材を支持するようにポンプハウジングのデフレクター又はバレルに設けられる弁ハウジングと、前記弁部材と前記弁ハウジングとの間に設けられ、前記弁部材を弾性支持するバネと、を含み、燃料の圧縮初期過程において前記バレルポートを遮断して前記バレルポートの圧力を上昇させ、前記バレルポート内の燃料圧力が開放圧力を超えると前記バレルポートを開放する。前記燃料吸入ポートは、チェック弁を有し、前記バレルポートの上部に独立的に設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼル機関の燃料噴射ポンプにおけるキャビテーション防止装置に関する。より詳細には、燃料噴射ポンプのデフレクター又はバレルの側面に圧力調整弁を設け、燃料の圧縮末期過程においてバレルポートの開放前後で発生する噴水型又はジェット型のキャビテーションの発生を防止することで、プランジャー及びバレルポートで主に発生するキャビテーションによる損傷を防止することができるディーゼル機関の燃料噴射ポンプにおけるキャビテーション防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ディーゼル機関とは、シリンダー内へ吸気し、これを圧縮して高温/高圧にした後、液体燃料を噴射して自然発化させることでピストンを作動させて動力を得る内燃機関の一つである。ディーゼル機関は、燃料の流入方式によって、直接噴射式(direct injection type)、予燃焼室式(precombustion chamber type)、渦流室式(swirl chamber type)、空気室式(air chamber type)に分けられる。このうち、直接噴射式は、燃料を高圧で燃焼室内へ直接噴射する方式であり、この方式による燃料噴射装置は、燃料噴射ポンプ、燃料弁(インジェクター)及び連結管を含む。また、燃料噴射ポンプとインジェクターとが直接結合された形態のユニットインジェクター(unit injector)も燃料噴射装置として利用されている。
【0003】
燃料噴射ポンプは、燃料を高圧で圧縮してインジェクターへ送る装置であり、燃焼性能の向上及び排気ガスの低減を目的として、燃料噴射圧力が高圧化しつつある。これによって燃料噴射ポンプを構成するバレルのバレルポート及びプランジャーにキャビテーション浸食(Erosion)による損傷が発生し、深刻な問題となっている。すなわち、比較的に低い圧力で燃料が噴射される場合にもキャビテーション現象は発生するが、キャビテーションの程度が弱く損傷が深刻でなく、また、部分的に損傷が発生するので、損傷形態に従って設計又は部品の材質を変更することで損傷防止対策を立てることができる。これに対し、燃料噴射圧力の高圧化につれ、キャビテーションの程度も強くなり、バレルのバレルポート及びプランジャーにキャビテーション浸食が共に発生し、損傷も非常に深刻になっている。しかし、従来には、キャビテーション浸食の原因を明確に究明することができず、経験に基づいて設計又は部品の材質を変更することでキャビテーションによる損傷を防止している。
【0004】
例えば、大韓民国公開特許公報第2001−0020139には、バレルの壁に形成された転換ホールにオリフィス部材を設け、オリフィス部材とプランジャーとの間に非常に増加された圧力を与え、プランジャーの上端角部に隣接する領域においてキャビテーションの発生を防止する燃料噴射ポンプが開示されている。
【0005】
特開平7−269442には、キャビテーションが噴流と燃料流出孔の形状との相互関係によって生じるものであるとの知見に基づき、バレルの燃料流出孔内のプランジャー側奥上部よりバレル上部外壁の外側まで空洞破壊用細孔を形成することで、プランジャーの損傷を防止する燃料噴射ポンプのキャビテーション防止機構が開示されている。
【0006】
特開平7−54735には、燃料の吸入過程においてバレルポートが閉じられる直前にキャビティが発生してそのまま残留し、その後、バレルポートから流出した燃料がデフレクターに衝突して跳ね返り、その衝撃波が残留したキャビティに衝突してキャビテーションが発生するという知見に基づき、流出する燃料圧力によって開く弁で閉じられた受容口と、その受容口に流入した燃料をプランジャバレル外周の燃料ギャラリへ放散させる方向に逃がす逃がし穴とを設けた内燃機関のスピルデフレクターが開示されている。
【0007】
特開平5−340322は、キャビテーションによる損傷の原因は究明していないが、バレルポートに滞留した気泡によって損傷するという知見に基づき、バレルポートの外側に気泡を滞留させない形状の燃料流出入用穴を備えた保護部材を設け、スピル燃料がこの燃料流出入用穴の内面に斜めに当たるようにした内燃機関の燃料噴射装置が開示されている。
【0008】
以上のように、噴射圧力の高圧化に伴い、バレルのバレルポート及びプランジャーなどに同時に発生するキャビテーション損傷を解決するための様々な方法が提案されているが、損傷原因に対する明確な究明ができていない、主に損傷形態による経験に基づいた対策に過ぎなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するために工夫したものであり、バレルポートの遮断のための圧力調整弁を燃料噴射ポンプのデフレクター又はバレルに設け、燃料の圧縮初期過程においてバレルポート内の燃料圧力を上昇させることで、燃料の圧縮末期過程においてバレルポートの開放前後で発生する噴水型又はジェット型のキャビテーションの発生を防止し、これによって燃料噴射ポンプのプランジャー及びバレルポートで主に発生するキャビテーションによる損傷を防止することができるディーゼル機関の燃料噴射ポンプにおけるキャビテーション防止装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するための本発明の一つの特徴に従ったディーゼル機関の燃料噴射ポンプにおけるキャビテーション防止装置は、燃料の流入及び流出のための燃料吸入ポートとバレルポートとをそれぞれ含むディーゼル機関燃料噴射ポンプのキャビテーション損傷防止装置であって、前記キャビテーション損傷防止装置は、圧力調整弁を含み、前記圧力調整弁は、前記バレルポートを開閉するために前記バレルポートに配置され、プランジャーの上昇運動による燃料の圧縮初期過程において前記バレルポートを遮断して内部の圧力を上昇させる弁部材と、前記弁部材を支持するようにポンプハウジングのデフレクター又はバレルに設けられる弁ハウジングと、前記弁部材と前記弁ハウジングとの間に設けられ、前記弁部材を弾性支持するバネと、を含み、燃料の圧縮初期過程において前記バレルポートを遮断して前記バレルポートの圧力を上昇させ、前記バレルポート内の燃料圧力が開放圧力を超えると前記バレルポートを開放する。そして、前記燃料吸入ポートは、チェック弁を有し、前記バレルポートの上部に独立的に設けられる。
【0011】
本発明の他の特徴に従ったディーゼル機関の燃料噴射ポンプにおけるキャビテーション防止装置は、ディーゼル機関燃料噴射ポンプのキャビテーション損傷防止装置であって、
前記キャビテーション損傷防止装置は、圧力調整弁とチェック弁とを含み、前記圧力調整弁は、前記ディーゼル機関燃料噴射ポンプのバレルポートを開閉するように前記バレルポートに配置され、ポンプ室と燃料供給室とを連結する流路が設けられた弁部材と、前記弁部材を支持するようにポンプハウジングのデフレクターに設けられた弁ハウジングと、前記弁部材と前記弁ハウジングとの間に設けられ、前記弁部材を弾性支持するバネと、を含み、燃料の圧縮初期過程において前記バレルポートを遮断して前記バレルポートの圧力を上昇させ、前記バレルポート内の燃料圧力が開放圧力を超えると前記バレルポートを開放し、前記チェック弁は、前記弁部材の流路を開閉するように前記弁部材に設けられたボールと、前記ボールを弾性支持するように前記弁部材の内部に設けられたバネと、を含み、
前記圧力調整弁と反対方向へ燃料を流出する。
【0012】
本発明の更に他の特徴に従ったディーゼル機関の燃料噴射ポンプにおけるキャビテーション防止装置は、ディーゼル機関燃料噴射ポンプのキャビテーション損傷防止装置であって、前記キャビテーション損傷防止装置は、圧力調整弁と燃料流入ポートとを含み、前記圧力調整弁は、前記ディーゼル機関燃料噴射ポンプのバレルポートを開閉するように前記バレルポートに配置され、プランジャーの上昇運動による燃料の圧縮初期過程において前記バレルポートを遮断して内部圧力を上昇させる弁部材と、前記弁部材を支持するようにポンプハウジングのデフレクター又はバレルに設けられた弁ハウジングと、前記弁部材と弁ハウジングとの間に設けられ、前記弁部材を弾性支持するバネと、を含み、燃料の圧縮初期過程において前記バレルポートを遮断して前記バレルポートの圧力を上昇させ、前記バレルポート内の燃料圧力が開放圧力を超えると前記バレルポートを開放し、前記燃料流入ポートは、前記バレルポートと隣接する位置に形成され、燃料供給室とポンプ室とを連結して燃料を流入させ、燃料の噴射終了過程において前記バレルポートより遅く開放する。
【発明の効果】
【0013】
本発明に従ったキャビテーション防止装置は、燃料の圧縮初期過程において圧力調整弁を用いてバレルポートを遮断してバレルポート内の燃料圧力を上昇させることで、燃料の圧縮末期過程においてバレルポートの開放前後で発生する噴水型又はジェット型のキャビテーションの発生を防止し、これによってポンプのプランジャー及びバレルポートで発生するキャビテーションによる損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、燃料噴射ポンプの燃料の圧縮初期過程において発生するジェット型キャビテーションを示した図である。
【図2】図2は、燃料噴射ポンプの燃料の圧縮初期過程において発生する滝型キャビテーションを示した図である。
【図3】図3は、燃料噴射ポンプの燃料の圧縮末期過程においてバレルポートの開放前に発生する噴水型キャビテーションを示した図である。
【図4】図4は、燃料噴射ポンプの燃料の圧縮末期過程においてバレルポートの開放後で発生するジェット型キャビテーションを示した図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置が適用された燃料噴射ポンプの要部構造を示した断面図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置がバレルに設けられた燃料噴射ポンプの要部構造を示した断面図である。
【図7】図7は、本発明の第2の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置が適用された燃料噴射ポンプの要部構造を示した断面図である。
【図8】図8は、本発明の第3の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置が適用された燃料噴射ポンプの要部構造を示した断面図である。
【図9】図9は、本発明に従った燃料流入ポートの位置を明確にするためにプランジャーを展開して示した図である。
【図10】図10は、本発明の第3の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置がバレルに設けられた燃料噴射ポンプの要部構造を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。また、本発明を説明するにおいて、関連する公知機能又は公知構成に関する具体的な説明が本発明の要旨の理解の妨げになると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0016】
図1は、燃料噴射ポンプの燃料の圧縮初期過程において発生するジェット型キャビテーションを示した図であり、図2は、燃料噴射ポンプの燃料の圧縮初期過程において発生する滝型キャビテーションを示した図であり、図3は、燃料噴射ポンプの燃料の圧縮末期過程においてバレルポートの開放前に発生する噴水型キャビテーションを示した図であり、図4は、燃料噴射ポンプの燃料の圧縮末期過程においてバレルポートの開放後で発生するジェット型キャビテーションを示した図である。
【0017】
燃料噴射ポンプの燃料の圧縮初期過程において発生するジェット型キャビテーション(jet type cavitation)10及び滝型キャビテーション(waterfall type cavitation)20は、燃料噴射ポンプの圧力が比較的に低いので、キャビテーションの強度及び発生量が小さく、あまり問題にならない。しかし、燃料の圧縮末期過程においてバレルポートの開放前に発生する噴水型キャビテーション(fountain−like cavitation)30は、燃料圧力が高い状態で発生するので、プランジャー壁面に沿って多量のキャビティが発生し、発生したキャビティはプランジャーの表面周辺に残存する。また、燃料の圧縮末期過程においてバレルポートの開放後で発生するジェット型キャビテーション40は、燃料噴射圧力の最大時に発生するので、キャビテーションの程度が強く、流動速度が早いので、バレルポートに直接的な損傷をもたらし、バレルポートにぶつかるとき急激な圧力上昇を起こす。このような圧力上昇は、噴水型キャビテーション30によってプランジャー周辺に形成されたキャビティを崩壊させ、プランジャーの損傷をもたらす。
【0018】
本発明は、このようなキャビテーションによる浸食損傷の原因を明確に究明し、キャビテーションによる損傷を防止するために、圧力調整弁によってバレルポートを遮断して燃料の圧縮初期過程においてバレルポート内の燃料圧力を上昇させることで、燃料の圧縮末期過程においてバレルポートの開放前後に発生する噴水型キャビテーション30及びジェット型キャビテーション40の発生を根本的に防止する。
【0019】
一方、バレルポートを遮断するために設けられる圧力調整弁は、燃料が一方向へ流れることを完全に遮断し、開放圧力以上の条件を満たす場合のみ、他方向へ燃料を流すように構成される。つまり、本発明における圧力調整弁は、燃料供給室からポンプ室への燃料の流入を完全に遮断し、ポンプ室から燃料供給室への燃料流出は、燃料圧力が圧力調整弁の開放圧力以上の条件を満たす場合のみ行われるように構成される。
【0020】
このような圧力調整弁の基本的な機能は、以下に説明する第1の実施例、第2の実施例及び第3の実施例において同様である。ただし、第1の実施例は、圧力調整弁の設置によって燃料流入機能を失われたバレルポートの代わりに別途の燃料吸入ポートを備える。第2の実施例は、圧力調整弁内部に反対方向のチェック弁が設けられ、バレルポートを通じて燃料が流入する。第3の実施例は、バレルポートと隣接する位置に燃料流入のための燃料流入ポートを設ける。以下、第1の実施例〜第3の実施例について各々説明する。
【0021】
<第1の実施例>
図5は、本発明の第1の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置が適用された燃料噴射ポンプの要部構造を示した断面図である。
【0022】
本発明の第1の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置は、燃料流入のための燃料吸入ポート105と燃料流出のためのバレルポート104をそれぞれ備える燃料噴射ポンプを適用対象とする。燃料吸入ポート105とバレルポート104をそれぞれ備える燃料噴射ポンプとしては、主に大型船舶に用いられるディーゼル機関の燃料噴射ポンプがあり、図5には、燃料噴射ポンプの側面に燃料吸入ポート105が設けられた構成が示されている。 また、図5には、チェック弁105−1を有し、かつバレルポート104の上部に独立的に設けられる燃料吸入ポート105が示されている。
【0023】
一方、第1の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置は、弁部材111と弁ハウジング112及びバネ113を含む圧力調整弁110を有する。弁部材111は、バレルポート104に配置され、ポンプ室107内の燃料圧力又はバネ113の弾性力によって移動され、バレルポート104を開閉する。
【0024】
弁ハウジング112は、弁部材111を支持するものであり、ポンプハウジング101のデフレクター106に設けることができる。一方、図5には、デフレクター106に弁部材111を挿入する溝を形成し、弁ハウジング112とデフレクター106とを一体形成した構成が示されている。
【0025】
弁ハウジング112は、弁部材111を支持するにおいて、バレルポート104内の燃料圧力が開放圧力以上に上昇する場合、バレルポート104の開放のために弁部材111を移動可能に支持する。バネ113は、弁部材111と弁ハウジング112の間に設けられ、弁部材111を弾性支持する。バネ113の弾性力によって圧力調整弁110の開放圧力が調節されるので、燃料の圧縮初期過程においてバレルポート104内の所望の設計圧力になるように、適切な弾性力を有するバネ113を選定する。
【0026】
バネ113によって調節される圧力調整弁110の開放圧力は、キャビテーションの発生が抑制できる圧力条件と、燃料噴射の終了時期においてバレルポート104を通じて燃料が燃料供給室108へ流出する過程で燃料の噴射特性に大きく影響を及ばない圧力条件との間で定めることが望ましい。一方、弁部材111には、弁ハウジング112の内部と外部との圧力均衡を維持するための多数のバランスホール111−1が形成される。
【0027】
以上の圧力調整弁110が設けられた燃料噴射ポンプの作動過程を説明すれば、次の通りである。
【0028】
プランジャー103が下降すると、燃料吸入ポート105を通じてポンプ室107へ燃料が流入され、流入された燃料は、圧力調整弁110によって出口側が遮断されたバレルポート104の内部に充填される。一方、プランジャー103がカム(図示せず)によって上昇しながら燃料を圧縮し始めると、ポンプ室107内の圧力が上昇し、プランジャー103によってバレルポート104が遮断されるフリーストローク前までバレルポート104に流入される燃料は、ポンプ室107の燃料と同様に圧縮されながら圧力が上昇する。この際、燃料圧力がバレルポート104を遮断している圧力調整弁110の開放圧力以上になると弁が開放され、開放圧力以下になると弁が閉じるので、バレルポート104内の燃料圧力は、圧力調整弁110の開放圧力よりややと低い圧力に形成される。プランジャー103が上昇し続けて燃料の圧縮末期過程においてプランジャー103が有効ストロークに到逹する前には、プランジャー103のケビテイション損傷原因になる噴水型キャビテーションがプランジャー103壁に沿って発生するが、本発明においては、圧力調整弁110によってバレルポート104が遮断され、バレルポート104内の燃料圧力が高くなっている状態であるので、噴水型キャビテーションの発生自体が防止され、これによって、キャビテーションによるプランジャー103の壁面への浸食損傷を防止することができる。
【0029】
また、プランジャー103が有効ストロークに達した後は、ポンプ室107内の高圧の燃料がバレルポート104に急激に流出し、ジェット型キャビテーションが発生する。これは、バレルポート104及びデフレクター106などを損傷する原因になるが、本発明の場合、圧力調整弁110によってバレルポート104内の燃料圧力が高くなっている状態であるので、ジェット型キャビテーションの発生自体が防止され、キャビテーションによるバレルポート104やデフレクター106の浸食損傷を防止することができる。
【0030】
「有効ストローク」とは、燃料の圧縮初期においてプランジャー103の上部によりバレルポート104が閉じるときから、燃料の圧縮末期においてプランジャー103の下部リード凹部103−2によってバレルポート104が再開放されるときまでの燃料の圧縮行程を意味する。
【0031】
上記のように、バレルポート104を遮断する圧力調整弁110は、プランジャー103の有効ストローク後、バレルポート104へ流出する高圧燃料によってバレルポート104内の燃料圧力が増加して開放圧力を超えると、弁部材111が移動してバレルポート104を開放することで、ポンプ室107内の残余燃料を燃料供給室108へ排出し、燃料の噴射過程が終了する。
【0032】
さらに、圧力調整弁110は、燃料の噴射終了時に、圧力調整弁110が開放される過程において高速の燃料流動を吸収する役目も果たすので、高速流動による浸食損傷も低減させる付随的效果もある。
【0033】
図6は、本発明の第1の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置がバレルに設けられた燃料噴射ポンプの要部構造を示した断面図である。第1の実施例のキャビテーション損傷防止装置は、燃料噴射ポンプのバレル102に圧力調整弁110の設置のための十分な空間がある場合には、バレル102に設けることもできる。この際、圧力調整弁110は、前述したように、弁部材111、弁ハウジング112及びバネ113を含み、バレルポート104を遮断しバレルポート104の圧力を高めることで、キャビテーションの発生を防止する。ただし、弁部材111の移動によりバレルポート104が開放された場合、燃料供給室108へ燃料を流出させるために、流路112−1が弁ハウジング112に更に形成される。
【0034】
<第2の実施例>
図7は、本発明の第2の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置が適用された燃料噴射ポンプの要部構造を示した断面図である。第2の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置は、燃料噴射ポンプが燃料吸入弁(ポート)を有しないか、あるいは、燃料噴射時期の調節などの目的でバレルポート104を通じて燃料を流入させる必要がある場合、つまり、バレルポートを通じて燃料の流入及び流出の両方が行われる燃料噴射ポンプを適用対象とする。第2の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置は、バレルポート104を開閉するために設けられる圧力調整弁210と、圧力調整弁210の内部に形成され、バレルポート104を通じて燃料を流入させるチェック弁220とを含む。
【0035】
圧力調整弁210は、バレルポート104を開閉するように配置され、燃料供給室108とポンプ室107とを連結する流路211−1が設けられた弁部材211と、弁部材211を支持するようにポンプハウジング101のデフレクター106に設けられた弁ハウジング212と、弁部材211と弁ハウジング212との間に設けられたバネ213を含む。チェック弁220は、圧力調整弁210と反対方向に流路を開閉するものであり、燃料供給室108内の燃料圧力が開放圧力に達した場合、弁部材211に設けられた流路211−1を開放して燃料供給室108の燃料がポンプ室107に供給するようにし、ポンプ室107内の燃料が弁部材211に設けられた流路211−1を通じて流出しないようにする。チェック弁220は、弁部材211に設けられた流路211−1を開閉するように弁部材211に設けられたボール221と、ボール221を弾性支持するように弁部材211に設けられたバネ222とを含む。
【0036】
第2の実施例のキャビテーション損傷防止装置においては、燃料の吸入のためにプランジャー103が下降する過程で、ポンプ室107の圧力が燃料供給室108の圧力より低くなり、ボール221が移動して弁部材211の流路221−1を開放することで、バレルポート104を通じて燃料が流入する。
【0037】
一方、燃料の噴射のためにプランジャー103が上昇する場合には、バレルポート104内の圧力が上昇するので、チェック弁220は、弁部材211の流路211−1を遮断する。このように、燃料の噴射のためのプランジャー103の上昇過程においてチェック弁220によって弁部材211の流路211−1が遮断されると、圧力調整弁210は、前述したように、本発明の第1の実施例の圧力調整弁110と同様に作用し、キャビテーションによる浸食損傷を防止することができる。
【0038】
<第3の実施例>
図8は、本発明の第3の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置が適用された燃料噴射ポンプの要部構造を示した断面図である。本発明の第3の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置は、燃料噴射ポンプが燃料吸入弁(ポート)を有しないか、あるいは、燃料噴射時期調節などの目的でバレルポートを通じて燃料を流入させる必要があるにも係わらず、第2の実施例のように圧力調整弁の内部に反対方向のチェック弁を設置する空間の確保が難しい燃料噴射ポンプを適用対象とする。第3の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置は、バレルポート104を開閉するために設けられる圧力調整弁310と、圧力調整弁310によって遮断されたバレルポート104と隣接する位置に形成され、燃料供給室108の燃料をポンプ室107に供給させる燃料流入ポート320とを含む。
【0039】
一方、圧力調整弁310は、弁部材311、弁ハウジング312及びバネ313を含む。圧力調整弁310は、第1の実施例における圧力調整弁と同様であるので、構成及び作用に関する具体的な説明は省略する。燃料流入ポート320は、燃料供給室108とポンプ室107とを連結して燃料流入機能を果たすように形成され、燃料の噴射終了過程においてバレルポート104より遅く開放されるように形成される。
【0040】
図9は、本発明に従った燃料流入ポートの位置を明確にするためにプランジャーを展開して示した図である。燃料噴射ポンプのプランジャー103の外側には、縦凹部103−1とリード凹部103−2とが形成される。縦凹部103−1とリード凹部103−2は、燃料の噴射終了過程においてポンプ室107内の燃料が燃料供給室108へ流出するようにポンプ室107とバレルポート104とを連結する。
【0041】
一方、リード凹部103−2は、プランジャー103の外側において斜めに傾いて形成される。リード凹部103−2の構造を考慮し、燃料流入ポート320の位置を図9に示されたバレルポート104の右側又は上部に位置するように形成すると、プランジャー103の有効ストロークの直後、リード凹部103−2によって先に開放されるバレルポート104を通じて高圧燃料が流出し、この際、バレルポート104を遮断する圧力調整弁110によってキャビテーションの発生は抑制される。
【0042】
一方、燃料流入ポート320の場合、バレルポート104を通じて燃料のほとんどが流出した後開放されるので、高圧燃料の流出によるキャビテーション損傷の危険がなくなる。
【0043】
図10は、本発明の第3の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置がバレルに設けられた燃料噴射ポンプの要部構造を示した断面図である。第3の実施例のキャビテーション損傷防止装置は、燃料噴射ポンプのバレル102に圧力調整弁310の設置のための十分な空間確保が可能な場合、圧力調整弁310をバレル102に設置することもできる。この際、圧力調整弁310は、前述したように、弁部材311と弁ハウジング312及びバネ313を含み、バレルポート304を遮断することでバレルポート104の圧力を高め、キャビテーションの発生を防止する。ただし。この場合、弁部材311の移動によってバレルポート104が開放される場合、燃料供給室108へ燃料を流出させるための流路312−1が弁ハウジング312に更に形成される。
【0044】
以上、本発明について例示的な実施形態に基づいて説明したが、本発明の技術分野に属する通常の知識を有する者であれば、本発明の範囲及び要旨を逸脱せず種々の変形及び変更が可能であることは自明である。
【符号の説明】
【0045】
101 ポンプハウジング
102 バレル
103 プランジャー
104 バレルポート
105 燃料吸入ポート
105−1 チェック弁
106 デフレクター
111 弁部材
112 弁ハウジング
113 バネ
210 圧力調整弁
211 弁部材
211−1 流路
212 弁ハウジング
213 バネ
220 チェック弁
221 ボール
222 バネ
310 圧力調整弁
311 弁部材
312 弁ハウジング
313 バネ
320 燃料流入ポート
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼル機関の燃料噴射ポンプにおけるキャビテーション防止装置に関する。より詳細には、燃料噴射ポンプのデフレクター又はバレルの側面に圧力調整弁を設け、燃料の圧縮末期過程においてバレルポートの開放前後で発生する噴水型又はジェット型のキャビテーションの発生を防止することで、プランジャー及びバレルポートで主に発生するキャビテーションによる損傷を防止することができるディーゼル機関の燃料噴射ポンプにおけるキャビテーション防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ディーゼル機関とは、シリンダー内へ吸気し、これを圧縮して高温/高圧にした後、液体燃料を噴射して自然発化させることでピストンを作動させて動力を得る内燃機関の一つである。ディーゼル機関は、燃料の流入方式によって、直接噴射式(direct injection type)、予燃焼室式(precombustion chamber type)、渦流室式(swirl chamber type)、空気室式(air chamber type)に分けられる。このうち、直接噴射式は、燃料を高圧で燃焼室内へ直接噴射する方式であり、この方式による燃料噴射装置は、燃料噴射ポンプ、燃料弁(インジェクター)及び連結管を含む。また、燃料噴射ポンプとインジェクターとが直接結合された形態のユニットインジェクター(unit injector)も燃料噴射装置として利用されている。
【0003】
燃料噴射ポンプは、燃料を高圧で圧縮してインジェクターへ送る装置であり、燃焼性能の向上及び排気ガスの低減を目的として、燃料噴射圧力が高圧化しつつある。これによって燃料噴射ポンプを構成するバレルのバレルポート及びプランジャーにキャビテーション浸食(Erosion)による損傷が発生し、深刻な問題となっている。すなわち、比較的に低い圧力で燃料が噴射される場合にもキャビテーション現象は発生するが、キャビテーションの程度が弱く損傷が深刻でなく、また、部分的に損傷が発生するので、損傷形態に従って設計又は部品の材質を変更することで損傷防止対策を立てることができる。これに対し、燃料噴射圧力の高圧化につれ、キャビテーションの程度も強くなり、バレルのバレルポート及びプランジャーにキャビテーション浸食が共に発生し、損傷も非常に深刻になっている。しかし、従来には、キャビテーション浸食の原因を明確に究明することができず、経験に基づいて設計又は部品の材質を変更することでキャビテーションによる損傷を防止している。
【0004】
例えば、大韓民国公開特許公報第2001−0020139には、バレルの壁に形成された転換ホールにオリフィス部材を設け、オリフィス部材とプランジャーとの間に非常に増加された圧力を与え、プランジャーの上端角部に隣接する領域においてキャビテーションの発生を防止する燃料噴射ポンプが開示されている。
【0005】
特開平7−269442には、キャビテーションが噴流と燃料流出孔の形状との相互関係によって生じるものであるとの知見に基づき、バレルの燃料流出孔内のプランジャー側奥上部よりバレル上部外壁の外側まで空洞破壊用細孔を形成することで、プランジャーの損傷を防止する燃料噴射ポンプのキャビテーション防止機構が開示されている。
【0006】
特開平7−54735には、燃料の吸入過程においてバレルポートが閉じられる直前にキャビティが発生してそのまま残留し、その後、バレルポートから流出した燃料がデフレクターに衝突して跳ね返り、その衝撃波が残留したキャビティに衝突してキャビテーションが発生するという知見に基づき、流出する燃料圧力によって開く弁で閉じられた受容口と、その受容口に流入した燃料をプランジャバレル外周の燃料ギャラリへ放散させる方向に逃がす逃がし穴とを設けた内燃機関のスピルデフレクターが開示されている。
【0007】
特開平5−340322は、キャビテーションによる損傷の原因は究明していないが、バレルポートに滞留した気泡によって損傷するという知見に基づき、バレルポートの外側に気泡を滞留させない形状の燃料流出入用穴を備えた保護部材を設け、スピル燃料がこの燃料流出入用穴の内面に斜めに当たるようにした内燃機関の燃料噴射装置が開示されている。
【0008】
以上のように、噴射圧力の高圧化に伴い、バレルのバレルポート及びプランジャーなどに同時に発生するキャビテーション損傷を解決するための様々な方法が提案されているが、損傷原因に対する明確な究明ができていない、主に損傷形態による経験に基づいた対策に過ぎなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するために工夫したものであり、バレルポートの遮断のための圧力調整弁を燃料噴射ポンプのデフレクター又はバレルに設け、燃料の圧縮初期過程においてバレルポート内の燃料圧力を上昇させることで、燃料の圧縮末期過程においてバレルポートの開放前後で発生する噴水型又はジェット型のキャビテーションの発生を防止し、これによって燃料噴射ポンプのプランジャー及びバレルポートで主に発生するキャビテーションによる損傷を防止することができるディーゼル機関の燃料噴射ポンプにおけるキャビテーション防止装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するための本発明の一つの特徴に従ったディーゼル機関の燃料噴射ポンプにおけるキャビテーション防止装置は、燃料の流入及び流出のための燃料吸入ポートとバレルポートとをそれぞれ含むディーゼル機関燃料噴射ポンプのキャビテーション損傷防止装置であって、前記キャビテーション損傷防止装置は、圧力調整弁を含み、前記圧力調整弁は、前記バレルポートを開閉するために前記バレルポートに配置され、プランジャーの上昇運動による燃料の圧縮初期過程において前記バレルポートを遮断して内部の圧力を上昇させる弁部材と、前記弁部材を支持するようにポンプハウジングのデフレクター又はバレルに設けられる弁ハウジングと、前記弁部材と前記弁ハウジングとの間に設けられ、前記弁部材を弾性支持するバネと、を含み、燃料の圧縮初期過程において前記バレルポートを遮断して前記バレルポートの圧力を上昇させ、前記バレルポート内の燃料圧力が開放圧力を超えると前記バレルポートを開放する。そして、前記燃料吸入ポートは、チェック弁を有し、前記バレルポートの上部に独立的に設けられる。
【0011】
本発明の他の特徴に従ったディーゼル機関の燃料噴射ポンプにおけるキャビテーション防止装置は、ディーゼル機関燃料噴射ポンプのキャビテーション損傷防止装置であって、
前記キャビテーション損傷防止装置は、圧力調整弁とチェック弁とを含み、前記圧力調整弁は、前記ディーゼル機関燃料噴射ポンプのバレルポートを開閉するように前記バレルポートに配置され、ポンプ室と燃料供給室とを連結する流路が設けられた弁部材と、前記弁部材を支持するようにポンプハウジングのデフレクターに設けられた弁ハウジングと、前記弁部材と前記弁ハウジングとの間に設けられ、前記弁部材を弾性支持するバネと、を含み、燃料の圧縮初期過程において前記バレルポートを遮断して前記バレルポートの圧力を上昇させ、前記バレルポート内の燃料圧力が開放圧力を超えると前記バレルポートを開放し、前記チェック弁は、前記弁部材の流路を開閉するように前記弁部材に設けられたボールと、前記ボールを弾性支持するように前記弁部材の内部に設けられたバネと、を含み、
前記圧力調整弁と反対方向へ燃料を流出する。
【0012】
本発明の更に他の特徴に従ったディーゼル機関の燃料噴射ポンプにおけるキャビテーション防止装置は、ディーゼル機関燃料噴射ポンプのキャビテーション損傷防止装置であって、前記キャビテーション損傷防止装置は、圧力調整弁と燃料流入ポートとを含み、前記圧力調整弁は、前記ディーゼル機関燃料噴射ポンプのバレルポートを開閉するように前記バレルポートに配置され、プランジャーの上昇運動による燃料の圧縮初期過程において前記バレルポートを遮断して内部圧力を上昇させる弁部材と、前記弁部材を支持するようにポンプハウジングのデフレクター又はバレルに設けられた弁ハウジングと、前記弁部材と弁ハウジングとの間に設けられ、前記弁部材を弾性支持するバネと、を含み、燃料の圧縮初期過程において前記バレルポートを遮断して前記バレルポートの圧力を上昇させ、前記バレルポート内の燃料圧力が開放圧力を超えると前記バレルポートを開放し、前記燃料流入ポートは、前記バレルポートと隣接する位置に形成され、燃料供給室とポンプ室とを連結して燃料を流入させ、燃料の噴射終了過程において前記バレルポートより遅く開放する。
【発明の効果】
【0013】
本発明に従ったキャビテーション防止装置は、燃料の圧縮初期過程において圧力調整弁を用いてバレルポートを遮断してバレルポート内の燃料圧力を上昇させることで、燃料の圧縮末期過程においてバレルポートの開放前後で発生する噴水型又はジェット型のキャビテーションの発生を防止し、これによってポンプのプランジャー及びバレルポートで発生するキャビテーションによる損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、燃料噴射ポンプの燃料の圧縮初期過程において発生するジェット型キャビテーションを示した図である。
【図2】図2は、燃料噴射ポンプの燃料の圧縮初期過程において発生する滝型キャビテーションを示した図である。
【図3】図3は、燃料噴射ポンプの燃料の圧縮末期過程においてバレルポートの開放前に発生する噴水型キャビテーションを示した図である。
【図4】図4は、燃料噴射ポンプの燃料の圧縮末期過程においてバレルポートの開放後で発生するジェット型キャビテーションを示した図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置が適用された燃料噴射ポンプの要部構造を示した断面図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置がバレルに設けられた燃料噴射ポンプの要部構造を示した断面図である。
【図7】図7は、本発明の第2の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置が適用された燃料噴射ポンプの要部構造を示した断面図である。
【図8】図8は、本発明の第3の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置が適用された燃料噴射ポンプの要部構造を示した断面図である。
【図9】図9は、本発明に従った燃料流入ポートの位置を明確にするためにプランジャーを展開して示した図である。
【図10】図10は、本発明の第3の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置がバレルに設けられた燃料噴射ポンプの要部構造を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。また、本発明を説明するにおいて、関連する公知機能又は公知構成に関する具体的な説明が本発明の要旨の理解の妨げになると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0016】
図1は、燃料噴射ポンプの燃料の圧縮初期過程において発生するジェット型キャビテーションを示した図であり、図2は、燃料噴射ポンプの燃料の圧縮初期過程において発生する滝型キャビテーションを示した図であり、図3は、燃料噴射ポンプの燃料の圧縮末期過程においてバレルポートの開放前に発生する噴水型キャビテーションを示した図であり、図4は、燃料噴射ポンプの燃料の圧縮末期過程においてバレルポートの開放後で発生するジェット型キャビテーションを示した図である。
【0017】
燃料噴射ポンプの燃料の圧縮初期過程において発生するジェット型キャビテーション(jet type cavitation)10及び滝型キャビテーション(waterfall type cavitation)20は、燃料噴射ポンプの圧力が比較的に低いので、キャビテーションの強度及び発生量が小さく、あまり問題にならない。しかし、燃料の圧縮末期過程においてバレルポートの開放前に発生する噴水型キャビテーション(fountain−like cavitation)30は、燃料圧力が高い状態で発生するので、プランジャー壁面に沿って多量のキャビティが発生し、発生したキャビティはプランジャーの表面周辺に残存する。また、燃料の圧縮末期過程においてバレルポートの開放後で発生するジェット型キャビテーション40は、燃料噴射圧力の最大時に発生するので、キャビテーションの程度が強く、流動速度が早いので、バレルポートに直接的な損傷をもたらし、バレルポートにぶつかるとき急激な圧力上昇を起こす。このような圧力上昇は、噴水型キャビテーション30によってプランジャー周辺に形成されたキャビティを崩壊させ、プランジャーの損傷をもたらす。
【0018】
本発明は、このようなキャビテーションによる浸食損傷の原因を明確に究明し、キャビテーションによる損傷を防止するために、圧力調整弁によってバレルポートを遮断して燃料の圧縮初期過程においてバレルポート内の燃料圧力を上昇させることで、燃料の圧縮末期過程においてバレルポートの開放前後に発生する噴水型キャビテーション30及びジェット型キャビテーション40の発生を根本的に防止する。
【0019】
一方、バレルポートを遮断するために設けられる圧力調整弁は、燃料が一方向へ流れることを完全に遮断し、開放圧力以上の条件を満たす場合のみ、他方向へ燃料を流すように構成される。つまり、本発明における圧力調整弁は、燃料供給室からポンプ室への燃料の流入を完全に遮断し、ポンプ室から燃料供給室への燃料流出は、燃料圧力が圧力調整弁の開放圧力以上の条件を満たす場合のみ行われるように構成される。
【0020】
このような圧力調整弁の基本的な機能は、以下に説明する第1の実施例、第2の実施例及び第3の実施例において同様である。ただし、第1の実施例は、圧力調整弁の設置によって燃料流入機能を失われたバレルポートの代わりに別途の燃料吸入ポートを備える。第2の実施例は、圧力調整弁内部に反対方向のチェック弁が設けられ、バレルポートを通じて燃料が流入する。第3の実施例は、バレルポートと隣接する位置に燃料流入のための燃料流入ポートを設ける。以下、第1の実施例〜第3の実施例について各々説明する。
【0021】
<第1の実施例>
図5は、本発明の第1の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置が適用された燃料噴射ポンプの要部構造を示した断面図である。
【0022】
本発明の第1の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置は、燃料流入のための燃料吸入ポート105と燃料流出のためのバレルポート104をそれぞれ備える燃料噴射ポンプを適用対象とする。燃料吸入ポート105とバレルポート104をそれぞれ備える燃料噴射ポンプとしては、主に大型船舶に用いられるディーゼル機関の燃料噴射ポンプがあり、図5には、燃料噴射ポンプの側面に燃料吸入ポート105が設けられた構成が示されている。 また、図5には、チェック弁105−1を有し、かつバレルポート104の上部に独立的に設けられる燃料吸入ポート105が示されている。
【0023】
一方、第1の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置は、弁部材111と弁ハウジング112及びバネ113を含む圧力調整弁110を有する。弁部材111は、バレルポート104に配置され、ポンプ室107内の燃料圧力又はバネ113の弾性力によって移動され、バレルポート104を開閉する。
【0024】
弁ハウジング112は、弁部材111を支持するものであり、ポンプハウジング101のデフレクター106に設けることができる。一方、図5には、デフレクター106に弁部材111を挿入する溝を形成し、弁ハウジング112とデフレクター106とを一体形成した構成が示されている。
【0025】
弁ハウジング112は、弁部材111を支持するにおいて、バレルポート104内の燃料圧力が開放圧力以上に上昇する場合、バレルポート104の開放のために弁部材111を移動可能に支持する。バネ113は、弁部材111と弁ハウジング112の間に設けられ、弁部材111を弾性支持する。バネ113の弾性力によって圧力調整弁110の開放圧力が調節されるので、燃料の圧縮初期過程においてバレルポート104内の所望の設計圧力になるように、適切な弾性力を有するバネ113を選定する。
【0026】
バネ113によって調節される圧力調整弁110の開放圧力は、キャビテーションの発生が抑制できる圧力条件と、燃料噴射の終了時期においてバレルポート104を通じて燃料が燃料供給室108へ流出する過程で燃料の噴射特性に大きく影響を及ばない圧力条件との間で定めることが望ましい。一方、弁部材111には、弁ハウジング112の内部と外部との圧力均衡を維持するための多数のバランスホール111−1が形成される。
【0027】
以上の圧力調整弁110が設けられた燃料噴射ポンプの作動過程を説明すれば、次の通りである。
【0028】
プランジャー103が下降すると、燃料吸入ポート105を通じてポンプ室107へ燃料が流入され、流入された燃料は、圧力調整弁110によって出口側が遮断されたバレルポート104の内部に充填される。一方、プランジャー103がカム(図示せず)によって上昇しながら燃料を圧縮し始めると、ポンプ室107内の圧力が上昇し、プランジャー103によってバレルポート104が遮断されるフリーストローク前までバレルポート104に流入される燃料は、ポンプ室107の燃料と同様に圧縮されながら圧力が上昇する。この際、燃料圧力がバレルポート104を遮断している圧力調整弁110の開放圧力以上になると弁が開放され、開放圧力以下になると弁が閉じるので、バレルポート104内の燃料圧力は、圧力調整弁110の開放圧力よりややと低い圧力に形成される。プランジャー103が上昇し続けて燃料の圧縮末期過程においてプランジャー103が有効ストロークに到逹する前には、プランジャー103のケビテイション損傷原因になる噴水型キャビテーションがプランジャー103壁に沿って発生するが、本発明においては、圧力調整弁110によってバレルポート104が遮断され、バレルポート104内の燃料圧力が高くなっている状態であるので、噴水型キャビテーションの発生自体が防止され、これによって、キャビテーションによるプランジャー103の壁面への浸食損傷を防止することができる。
【0029】
また、プランジャー103が有効ストロークに達した後は、ポンプ室107内の高圧の燃料がバレルポート104に急激に流出し、ジェット型キャビテーションが発生する。これは、バレルポート104及びデフレクター106などを損傷する原因になるが、本発明の場合、圧力調整弁110によってバレルポート104内の燃料圧力が高くなっている状態であるので、ジェット型キャビテーションの発生自体が防止され、キャビテーションによるバレルポート104やデフレクター106の浸食損傷を防止することができる。
【0030】
「有効ストローク」とは、燃料の圧縮初期においてプランジャー103の上部によりバレルポート104が閉じるときから、燃料の圧縮末期においてプランジャー103の下部リード凹部103−2によってバレルポート104が再開放されるときまでの燃料の圧縮行程を意味する。
【0031】
上記のように、バレルポート104を遮断する圧力調整弁110は、プランジャー103の有効ストローク後、バレルポート104へ流出する高圧燃料によってバレルポート104内の燃料圧力が増加して開放圧力を超えると、弁部材111が移動してバレルポート104を開放することで、ポンプ室107内の残余燃料を燃料供給室108へ排出し、燃料の噴射過程が終了する。
【0032】
さらに、圧力調整弁110は、燃料の噴射終了時に、圧力調整弁110が開放される過程において高速の燃料流動を吸収する役目も果たすので、高速流動による浸食損傷も低減させる付随的效果もある。
【0033】
図6は、本発明の第1の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置がバレルに設けられた燃料噴射ポンプの要部構造を示した断面図である。第1の実施例のキャビテーション損傷防止装置は、燃料噴射ポンプのバレル102に圧力調整弁110の設置のための十分な空間がある場合には、バレル102に設けることもできる。この際、圧力調整弁110は、前述したように、弁部材111、弁ハウジング112及びバネ113を含み、バレルポート104を遮断しバレルポート104の圧力を高めることで、キャビテーションの発生を防止する。ただし、弁部材111の移動によりバレルポート104が開放された場合、燃料供給室108へ燃料を流出させるために、流路112−1が弁ハウジング112に更に形成される。
【0034】
<第2の実施例>
図7は、本発明の第2の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置が適用された燃料噴射ポンプの要部構造を示した断面図である。第2の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置は、燃料噴射ポンプが燃料吸入弁(ポート)を有しないか、あるいは、燃料噴射時期の調節などの目的でバレルポート104を通じて燃料を流入させる必要がある場合、つまり、バレルポートを通じて燃料の流入及び流出の両方が行われる燃料噴射ポンプを適用対象とする。第2の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置は、バレルポート104を開閉するために設けられる圧力調整弁210と、圧力調整弁210の内部に形成され、バレルポート104を通じて燃料を流入させるチェック弁220とを含む。
【0035】
圧力調整弁210は、バレルポート104を開閉するように配置され、燃料供給室108とポンプ室107とを連結する流路211−1が設けられた弁部材211と、弁部材211を支持するようにポンプハウジング101のデフレクター106に設けられた弁ハウジング212と、弁部材211と弁ハウジング212との間に設けられたバネ213を含む。チェック弁220は、圧力調整弁210と反対方向に流路を開閉するものであり、燃料供給室108内の燃料圧力が開放圧力に達した場合、弁部材211に設けられた流路211−1を開放して燃料供給室108の燃料がポンプ室107に供給するようにし、ポンプ室107内の燃料が弁部材211に設けられた流路211−1を通じて流出しないようにする。チェック弁220は、弁部材211に設けられた流路211−1を開閉するように弁部材211に設けられたボール221と、ボール221を弾性支持するように弁部材211に設けられたバネ222とを含む。
【0036】
第2の実施例のキャビテーション損傷防止装置においては、燃料の吸入のためにプランジャー103が下降する過程で、ポンプ室107の圧力が燃料供給室108の圧力より低くなり、ボール221が移動して弁部材211の流路221−1を開放することで、バレルポート104を通じて燃料が流入する。
【0037】
一方、燃料の噴射のためにプランジャー103が上昇する場合には、バレルポート104内の圧力が上昇するので、チェック弁220は、弁部材211の流路211−1を遮断する。このように、燃料の噴射のためのプランジャー103の上昇過程においてチェック弁220によって弁部材211の流路211−1が遮断されると、圧力調整弁210は、前述したように、本発明の第1の実施例の圧力調整弁110と同様に作用し、キャビテーションによる浸食損傷を防止することができる。
【0038】
<第3の実施例>
図8は、本発明の第3の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置が適用された燃料噴射ポンプの要部構造を示した断面図である。本発明の第3の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置は、燃料噴射ポンプが燃料吸入弁(ポート)を有しないか、あるいは、燃料噴射時期調節などの目的でバレルポートを通じて燃料を流入させる必要があるにも係わらず、第2の実施例のように圧力調整弁の内部に反対方向のチェック弁を設置する空間の確保が難しい燃料噴射ポンプを適用対象とする。第3の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置は、バレルポート104を開閉するために設けられる圧力調整弁310と、圧力調整弁310によって遮断されたバレルポート104と隣接する位置に形成され、燃料供給室108の燃料をポンプ室107に供給させる燃料流入ポート320とを含む。
【0039】
一方、圧力調整弁310は、弁部材311、弁ハウジング312及びバネ313を含む。圧力調整弁310は、第1の実施例における圧力調整弁と同様であるので、構成及び作用に関する具体的な説明は省略する。燃料流入ポート320は、燃料供給室108とポンプ室107とを連結して燃料流入機能を果たすように形成され、燃料の噴射終了過程においてバレルポート104より遅く開放されるように形成される。
【0040】
図9は、本発明に従った燃料流入ポートの位置を明確にするためにプランジャーを展開して示した図である。燃料噴射ポンプのプランジャー103の外側には、縦凹部103−1とリード凹部103−2とが形成される。縦凹部103−1とリード凹部103−2は、燃料の噴射終了過程においてポンプ室107内の燃料が燃料供給室108へ流出するようにポンプ室107とバレルポート104とを連結する。
【0041】
一方、リード凹部103−2は、プランジャー103の外側において斜めに傾いて形成される。リード凹部103−2の構造を考慮し、燃料流入ポート320の位置を図9に示されたバレルポート104の右側又は上部に位置するように形成すると、プランジャー103の有効ストロークの直後、リード凹部103−2によって先に開放されるバレルポート104を通じて高圧燃料が流出し、この際、バレルポート104を遮断する圧力調整弁110によってキャビテーションの発生は抑制される。
【0042】
一方、燃料流入ポート320の場合、バレルポート104を通じて燃料のほとんどが流出した後開放されるので、高圧燃料の流出によるキャビテーション損傷の危険がなくなる。
【0043】
図10は、本発明の第3の実施例に従ったキャビテーション損傷防止装置がバレルに設けられた燃料噴射ポンプの要部構造を示した断面図である。第3の実施例のキャビテーション損傷防止装置は、燃料噴射ポンプのバレル102に圧力調整弁310の設置のための十分な空間確保が可能な場合、圧力調整弁310をバレル102に設置することもできる。この際、圧力調整弁310は、前述したように、弁部材311と弁ハウジング312及びバネ313を含み、バレルポート304を遮断することでバレルポート104の圧力を高め、キャビテーションの発生を防止する。ただし。この場合、弁部材311の移動によってバレルポート104が開放される場合、燃料供給室108へ燃料を流出させるための流路312−1が弁ハウジング312に更に形成される。
【0044】
以上、本発明について例示的な実施形態に基づいて説明したが、本発明の技術分野に属する通常の知識を有する者であれば、本発明の範囲及び要旨を逸脱せず種々の変形及び変更が可能であることは自明である。
【符号の説明】
【0045】
101 ポンプハウジング
102 バレル
103 プランジャー
104 バレルポート
105 燃料吸入ポート
105−1 チェック弁
106 デフレクター
111 弁部材
112 弁ハウジング
113 バネ
210 圧力調整弁
211 弁部材
211−1 流路
212 弁ハウジング
213 バネ
220 チェック弁
221 ボール
222 バネ
310 圧力調整弁
311 弁部材
312 弁ハウジング
313 バネ
320 燃料流入ポート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料の流入及び流出のための燃料吸入ポートとバレルポートとをそれぞれ含むディーゼル機関燃料噴射ポンプのキャビテーション損傷防止装置であって、
前記キャビテーション損傷防止装置は、圧力調整弁を含み、
前記圧力調整弁は、
前記バレルポートを開閉するために前記バレルポートに配置され、プランジャーの上昇運動による燃料の圧縮初期過程において前記バレルポートを遮断して内部の圧力を上昇させる弁部材と、
前記弁部材を支持するようにポンプハウジングのデフレクター又はバレルに設けられる弁ハウジングと、
前記弁部材と前記弁ハウジングとの間に設けられ、前記弁部材を弾性支持するバネと、を含み、
燃料の圧縮初期過程において前記バレルポートを遮断して前記バレルポートの圧力を上昇させ、前記バレルポート内の燃料圧力が開放圧力を超えると前記バレルポートを開放し、
前記燃料吸入ポートは、チェック弁を有し、前記バレルポートの上部に独立的に設けられる
ことを特徴とするディーゼル機関燃料噴射ポンプのキャビテーション損傷防止装置。
【請求項1】
燃料の流入及び流出のための燃料吸入ポートとバレルポートとをそれぞれ含むディーゼル機関燃料噴射ポンプのキャビテーション損傷防止装置であって、
前記キャビテーション損傷防止装置は、圧力調整弁を含み、
前記圧力調整弁は、
前記バレルポートを開閉するために前記バレルポートに配置され、プランジャーの上昇運動による燃料の圧縮初期過程において前記バレルポートを遮断して内部の圧力を上昇させる弁部材と、
前記弁部材を支持するようにポンプハウジングのデフレクター又はバレルに設けられる弁ハウジングと、
前記弁部材と前記弁ハウジングとの間に設けられ、前記弁部材を弾性支持するバネと、を含み、
燃料の圧縮初期過程において前記バレルポートを遮断して前記バレルポートの圧力を上昇させ、前記バレルポート内の燃料圧力が開放圧力を超えると前記バレルポートを開放し、
前記燃料吸入ポートは、チェック弁を有し、前記バレルポートの上部に独立的に設けられる
ことを特徴とするディーゼル機関燃料噴射ポンプのキャビテーション損傷防止装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−108510(P2013−108510A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−50880(P2013−50880)
【出願日】平成25年3月13日(2013.3.13)
【分割の表示】特願2011−534381(P2011−534381)の分割
【原出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【出願人】(594006932)ヒュンダイ ヘビー インダストリーズ カンパニー リミテッド (31)
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI HEAVY INDUSTRIES CO., LTD.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年3月13日(2013.3.13)
【分割の表示】特願2011−534381(P2011−534381)の分割
【原出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【出願人】(594006932)ヒュンダイ ヘビー インダストリーズ カンパニー リミテッド (31)
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI HEAVY INDUSTRIES CO., LTD.
【Fターム(参考)】
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