説明

デクスイブプロフェン経皮ヒドロゲルの組成物

【解決手段】
デクスイブプロフェンの安定な非アルコール性経皮ヒドロゲルが簡素な製造方法を用いて調製され、実験により、pH調整剤、酸化防止剤及び水混和性溶媒が、デクスイブプロフェンの安定な非アルコール性経皮ヒドロゲルを得るために不可欠な賦形剤であることが明らかとなった。カーボポールをゲル化ポリマーとして使用して調製されたデクスイブプロフェンヒドロゲルは不透明なゲルを生成するのに対し、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)をゲル化ポリマーとして使用して調製されたヒドロゲルは透明なゲルを生成する。安定性試験をラミネートチューブ内で3カ月間の促進条件(40℃/75%RH)にてヒドロゲルに実施した際に物理的性質、pH、アッセイに関して、及び特に関連物質値に関して、有意な変化は観察されなかった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デクスイブプロフェン[(S)−2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸]を含有する局所用医薬組成物及びその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イブプロフェン(2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸)は1つのキラル中心を有し、それゆえS(+)−イブプロフェン(デクスイブプロフェン)及びR(−)−イブプロフェンの2つの鏡像異性体が存在し、これらは(S+)−イブプロフェン及び(R−)−イブプロフェンとしても知られる。当量のS(+)−イブプロフェン及びR(−)−イブプロフェンからなるラセミ体は、現在入手可能な市販調剤に独占的に使用されており、リジン塩、アルギニン塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのような水溶性のイブプロフェンの塩も使用される。ラセミ体のイブプロフェンは比較的高い融点を有する(約78℃)が、イブプロフェンの2つの立体異性体であるS(+)−イブプロフェン及びR(−)−イブプロフェンは52℃及び54℃で融解する。異なる形態のイブプロフェンはすべて水への溶解性が低い。特に、S(+)体のみが抗炎症活性の要因であり、R(−)体はそうではないと思われる。(非特許文献1、非特許文献2)。
【0003】
特許文献1は、皮膚を通じた(S+)−イブプロフェンの経皮送達のための有効な媒体として(S)−イブプロフェンの水性アルコールゲル製剤を開示している。当該特許では、(S+)−イブプロフェンの水性アルコールゲルが40〜60%のアルコール、0〜20%の不揮発性溶媒、2.0〜5.0%のゲル化剤、pHを3.5〜6.0に調節するための十分な塩基、及び水を用いて調製されている。
【0004】
特許文献2は、2.5〜10重量%の(S)−2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸、20〜30重量%のエタノール及び5〜50重量%のプロピレングリコールを含有し、エタノール対プロピレングリコールの比が0.6:1〜4:1であるクリーム、泡又はスティック状の医薬組成物を開示している。当該特許は、当量又はそれ以上の量のイブプロフェンを含有する既知の局所用医薬組成物によって得られるものに関して活性成分の皮膚浸透の増大も報告している。
【0005】
特許文献3は、S(+)−イブプロフェン送達のための新規二相液体局所用製剤を開示しており、該製剤は増強された経皮吸収及び効力を特徴とする。当該特許において、二相系は水相及び油相からなり、油相は比較的高濃度のS(+)−イブプロフェンを含有し、前記イブプロフェンを従来のクリームのような不活性油相からの速度限定的な拡散プロセスなく角質層内への分配に直接利用できるようにしている。
【0006】
特許文献4は、(S)−イブプロフェンナトリウム塩を活性成分として含有する経口、直腸又は局所投与用医薬組成物を開示している。当該特許は、水を含有する医薬組成物の調製に関してS(−)2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸ナトリウムがS(+)2−(4−イソブチルフェニル)プロピオネートよりも有利であること及び追加的な製剤の利点が、S(−)2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸ナトリウムが例えば一価、二価、三価、又は多価アルコールなどの水酸基を含有する賦形剤によるエステル化に耐えると考えられることであると報告している。
【0007】
先行技術に開示されているように、デクスイブプロフェンは、経皮吸収及び効力を増強するために大量のアルコールを使用して又は二相系を使用して、局所用製剤に処方される。
【0008】
したがって、簡素な製造方法によって調製することができ、有効な経皮浸透も提供するデクスイブプロフェンの局所用製剤を処方する継続的な必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5093133号
【特許文献2】米国特許第5767161号
【特許文献3】米国特許第6368618号
【特許文献4】米国特許第5696165号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】S.アダムス(Adams)ら、カレント・メディカル・リサーチ・アンド・オピニオン(Curr.Med.Res.Opin.)、3、p.552(1975年)
【非特許文献2】S.アダムス(Adams)ら、ジャーナル・オブ・ファーマシー・アンド・ファーマコロジー(J.Pharm.Pharmaco.)、28、p.256−257(1976年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的の1つは、デクスイブプロフェンの非アルコール性経皮ヒドロゲルを調製することである。
【0012】
本発明の別の目的は、デクスイブプロフェンの透明な非アルコール性経皮ヒドロゲルを調製することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、デクスイブプロフェンを含有する局所用医薬組成物、より具体的には非アルコール性デクスイブプロフェン経皮ヒドロゲル及びその調製方法に関する。デクスイブプロフェンの安定な非アルコール性経皮ヒドロゲルが簡素な製造方法によって調製され、実験で、pH調整剤、酸化防止剤及び水混和性溶媒がデクスイブプロフェンの安定な非アルコール性経皮ヒドロゲルを得るために不可欠な賦形剤であることが明らかにされた。カーボポールをゲル化ポリマーとして使用して調製されたデクスイブプロフェンヒドロゲルは不透明なゲルを生成するのに対し、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)をゲル化ポリマーとして使用して調製されたヒドロゲルは透明なゲルを生成した。安定性試験をラミネートチューブ内で3カ月間の促進条件(40℃/75%RH)にてヒドロゲルに実施した際に物理的性質、pH、アッセイに関して、及び特に関連物質値に関して、有意な変化は観察されなかった。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、デクスイブプロフェンを含有する局所用医薬組成物、より具体的にはデクスイブプロフェンの非アルコール性経皮ヒドロゲル及びその調製方法に関する。
【0015】
局所用NSAIDs調剤は、関節及び筋肉に関連する痛み及び炎症の治療に一般的に使用される。局所用NSAIDsは、関節及び筋肉に関連する痛み及び炎症の経口治療と比べて次の3つの大きな利点を有する:
i)より高濃度のNSAIDsが所望の部位に送達される、
ii)1〜3%のNSAIDsしか全身吸収されず、消化器不調又は胃腸潰瘍の可能性を低減する、及び
iii)血中濃度が低いことで、薬物相互作用の発生を低減する。
【0016】
イブプロフェン局所用調剤は、関節及び筋肉に関連する痛み及び炎症の治療に使用できる。イブプロフェン(2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸)は1つのキラル中心を有し、それゆえS(+)−イブプロフェン(デクスイブプロフェン)及びR(−)−イブプロフェンの2つの鏡像異性体が存在し、これらは(S+)−イブプロフェン及び(R−)−イブプロフェンとしても知られる。特に、S(+)体のみが抗炎症活性の要因であり、R(−)体はそうではないと思われる。(S.アダムス(Adams)ら、カレント・メディカル・リサーチ・アンド・オピニオン(Curr.Med.Res.Opin.)、3、p.552(1975年);S.アダムス(Adams)ら、ジャーナル・オブ・ファーマシー・アンド・ファーマコロジー(J.Pharm.Pharmaco.)、28、p.256−257(1976年))。
【0017】
一般的な局所用NSAIDs調剤には、クリーム、軟膏及びゲルがあり、最近は局所用ヒドロゲルがその冷却作用とべたつかない性質とによって人気を得ている。
【0018】
先行技術において、デクスイブプロフェンは、経皮吸収及び効力を増強するために大量のアルコールを使用して又は二相系を使用して、局所用ゲル製剤に処方される。
【0019】
本発明は、デクスイブプロフェンを含有する局所用医薬組成物、より具体的にはデクスイブプロフェンの非アルコール性経皮ヒドロゲル及びその調製方法に関する。
【0020】
本発明によると、デクスイブプロフェンの非アルコール性経皮ヒドロゲルの調製方法は、次の工程を含む:
工程(i)は、ゲル化ポリマーを精製水中に分散し、一晩放置浸漬する。
工程(ii)は、防腐剤を精製水に溶解し、続いてその中にデクスイブプロフェンを分散する。
工程(iii)は、メントールをトリエタノールアミンに溶解する。
工程(iv)は、工程(iii)を工程(ii)と常時攪拌しながら混合する。
工程(v)は、プロピレングリコール及びPEG400を混合し、当該混合物をトランスクトールPに添加した後、ラベンダー油を添加してよく混合する。
工程(vi)は、工程(v)を工程(iv)に添加してよく混合する。
工程(vii)は、最後に工程(vi)を工程(i)に常時攪拌しながら添加し、均質なゲルを得る。
【0021】
本発明によると、デクスイブプロフェンの非アルコール性経皮ヒドロゲルは、透明又は半透明又は不透明であってもよい。
【0022】
本発明は、活性成分デクスイブプロフェンに加えて、ゲル化剤、pH調整剤、延展性調整剤、水混和性溶媒、鎮静剤、防腐剤、酸化防止剤、界面活性剤、キレート化剤、浸透促進剤、消泡剤及び着香料などを含む群より選択される1つ又はそれ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む。
【0023】
本発明によると、1つ又はそれ以上のゲル化剤を、カルボマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポロキサマー、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、コラーゲン、ゼラチン、寒天、アルギン酸及びアルギン酸ナトリウムのようなそのナトリウム塩、カラギーナン及びそのナトリウム又はカリウム塩、トラガカント、ペクチン、グアーガム、キサンタンガム、ゲランガム、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレン及びそのコポリマーなどを含む群より選択できる。
【0024】
本発明によると、1つ又はそれ以上のpH調整剤を、水酸化ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどを含む群より選択できる。
【0025】
本発明によると、1つ又はそれ以上の鎮静剤を、メントール、チモール、カンファーなどを含む群より選択できる。
【0026】
本発明によると、1つ又はそれ以上の防腐剤を、メチルパラベンのナトリウム塩、プロピルパラベン、サリチル酸及びその塩のようなその他の防腐剤、塩酸クロルヘキシジン、フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウム、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ブチルなどを含む群より選択できる。
【0027】
本発明によると、少なくとも1つの油溶性及び/又は水溶性酸化防止剤を、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビルパルミテート、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、フェニル−α−ナフチルアミン、ヒドロキノン、没食子酸プロピル、ノルジヒドログイアレチン酸、アスコルビン酸、安息香酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、チオ亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、イソアスコルビン酸、チオグリセロール(thioglyerol)、チオソルビトール、チオ尿素、チオグリコール酸、システイン塩酸塩、1,4−ジアゾビシクロ−(2,2,2)−オクタンなどを含む群より選択できる。
【0028】
本発明によると、1つ又はそれ以上の界面活性剤を、ラウリル硫酸ナトリウム及びミリスチル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシンナトリウム及びN−ミリストイルサルコシンナトリウムなどのN−アシルサルコシンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸塩などのN−アシルグルタミン酸塩、N−メチルアシルタウリンナトリウム、N−メチルアシルアラニンナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム;N−ラウリルジアミノエチルグリセロール及びN−ミリスチルジアミノエチルグリセロールのようなN−アルキルアミノグリセロール、N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウム;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレングリセリルモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、高級脂肪酸グリセロールエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プルロニック型界面活性剤、及びモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン及びモノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタンのようなポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどを含む群より選択できる。
【0029】
本発明によると、1つ又はそれ以上の延展性調整剤が、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、軽質流動パラフィンなどを含む群より選択できる。
【0030】
本発明によると、1つ又はそれ以上の水混和性溶媒を、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどを含む群より選択できる。水混和性溶媒(すなわち共溶媒)は、他の活性成分その他の不可欠な賦形剤の溶解を補佐するために存在する。
【0031】
本発明によると、1つ又はそれ以上の浸透促進剤を、カプリル酸及びその誘導体、ポリオキシグリセリド及びその誘導体、トリグリセリド及びその誘導体、ラウリン酸及びその誘導体、オレイン酸及びその誘導体、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(トランスクトールP)などを含む群より選択できる。
【0032】
本発明によると、1つ又はそれ以上のキレート化剤を、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、EDTAナトリウム、EDTA二ナトリウム、クエン酸、酒石酸などを含む群より選択できる。
【0033】
本発明によると、1つ又はそれ以上の消泡剤を、シメチコン、ジメチコンなどを含む群より選択できる。
【0034】
本発明によると、1つ又はそれ以上の着香料を、ラベンダー油、ローズ油、メントール、アネトール、カルボン、オイゲノール、リモネン、オシメン、n−デシルアルコール、シトロネロール、α−テルピネオール、サリチル酸メチル、酢酸メチル、酢酸シトロネリル、シネオール、リナロール、エチルリナロール、バニリン、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、桂皮油、ピメント油、シナモンリーフ油、ウインターグリーン油、丁子油、ユーカリ油などを含む群より選択できる。
【実施例】
【0035】
以下の実施例は例示的であるが本発明の範囲をいかなる形でも限定するものではない。
【0036】
実施例1(表1)カーボポールをゲル化ポリマーとして使用して調製されたデクスイブプロフェン非アルコール性経皮ヒドロゲル:
【0037】
【表1】

【0038】
実施例1の製造手順:
1.カーボポール97IPを精製水中に15分間の攪拌下で分散し、一晩放置浸漬する。
2.メタ重亜硫酸ナトリウム及び安息香酸ナトリウムを精製水に溶解し、続いてその中にデクスイブプロフェンを分散する。
3.メントールをトリエタノールアミンに溶解する。
4.工程3を工程2に一定攪拌下で添加し、透明な溶液を得る。
5.プロピレングリコール及びPEG400を混合し、当該混合物をトランスクトールPに添加し、続いてラベンダー油を添加し、よく混合する。
6.工程5を工程4に添加し、よく混合する。
7.最後に工程6を工程1に一定攪拌下で添加し、均質なゲルを得る。
【0039】
実施例2(表2)HPMCをゲル化ポリマーとして使用して調製されたデクスイブプロフェン非アルコール性経皮ヒドロゲル:
【0040】
【表2】

【0041】
実施例2の製造手順:
1.HPMCK 4M、HPMC E5、ルトロールF68を精製水中に15分間の攪拌下で分散し、一晩放置浸漬する。
2.シメチコンを工程1に添加し、よく混合する。
3.メタ重亜硫酸ナトリウム及び安息香酸ナトリウムを水に溶解し、続いてその中にデクスイブプロフェンを分散する
4.メントールをトリエタノールアミンに溶解する。
5.工程4を工程3に一定攪拌下で添加し、透明な溶液を得る。
6.プロピレングリコール、PEG400を混合し、当該混合物をトランスクトールPに添加し、続いてラベンダー油を添加し、よく混合する。
7.工程6を工程5に添加する。
8.工程7を工程2に一定攪拌下で添加し、均質なゲルを得る。
【0042】
実施例3(表3)カーボポールをゲル化ポリマーとして使用して調製されたデクスイブプロフェン非アルコール性経皮ヒドロゲル
【0043】
【表3】

【0044】
実施例3の製造手順:
1.カーボポール97IPを精製水中に15分間の攪拌下で分散し、一晩放置浸漬する。
2.メタ重亜硫酸ナトリウム及び安息香酸ナトリウムを精製水に溶解し、続いてその中にデクスイブプロフェンを分散する。
3.メントールをトリエタノールアミンに溶解する。
4.工程3を工程2に一定攪拌下で添加し、透明な溶液を得る。
5.プロピレングリコール及びPEG400を混合し、当該混合物をトランスクトールPに添加し、続いてラベンダー油を添加し、よく混合する。
6.工程5を工程4に添加し、よく混合する。
7.最後に工程6を工程1に一定攪拌下で添加し、均質なゲルを得る。
【0045】
実施例4(表4)HPMCをゲル化ポリマーとして使用して調製されたデクスイブプロフェン非アルコール性経皮ヒドロゲル
【0046】
【表4】

【0047】
実施例4の製造手順:
1.HPMC K4M、HPMC E5、ルトロールF68を精製水中に15分間の攪拌下で分散し、一晩放置浸漬する。
2.シメチコンを工程1に添加し、よく混合する。
3.メタ重亜硫酸ナトリウム及び安息香酸ナトリウムを水に溶解し、続いてその中にデクスイブプロフェンを分散する。
4.メントールをトリエタノールアミンに溶解する。
5.工程4を工程3に一定攪拌下で添加し、透明な溶液を得る。
6.プロピレングリコール、PEG400を混合し、当該混合物をトランスクトールPに添加し、続いてラベンダー油を添加し、よく混合する。
7.工程6を工程5に添加する。
8.工程7を工程2に一定攪拌下で添加し、均質なゲルを得る。
【0048】
実験により、pH調整剤、酸化防止剤及び水混和性溶媒が、デクスイブプロフェンの安定な非アルコール性経皮ヒドロゲルを得るために不可欠な賦形剤であることが明らかとなった。カーボポールをゲル化ポリマーとして使用して実施例1及び3に従って調製されたヒドロゲルは不透明なゲルを生成したのに対し、HPMCをゲル化ポリマーとして使用して実施例2及び4に従って調製されたヒドロゲルは透明なゲルを生成した。さらに、実施例1、2、3及び4に従って調製されたヒドロゲルに、ラミネートチューブ内で40℃/75%RHにて3カ月間の安定性試験を実施し、物理的性質、pH、アッセイ値及び関連物質に関して有意な変化はなかった。
【0049】
表5:実施例1、2、3、及び4に従って調製されたデクスイブプロフェン非アルコール性経皮ヒドロゲルの40℃/75%RHにおける安定性データは以下の通りである。
【0050】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
デクスイブプロフェンの非アルコール性経皮ヒドロゲル。
【請求項2】
デクスイブプロフェンの非アルコール性透明経皮ヒドロゲル。
【請求項3】
1つ又はそれ以上のpH調整剤、酸化防止剤及び水混和性溶媒を本質的に含む、デクスイブプロフェンの非アルコール性経皮ヒドロゲル。
【請求項4】
1つ又はそれ以上の界面活性剤、消泡剤、キレート化剤、ゲル化ポリマー、防腐剤、浸透促進剤、鎮静剤、及び着香料をさらに含む、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のデクスイブプロフェンの非アルコール性経皮ヒドロゲル。
【請求項5】
1つ又はそれ以上のゲル化剤が、カルボマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、ポロキサマー、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、トラガカント、ペクチン、グアーガム、キサンタンガム、ゲランガム及びポリアクリルアミドを含む群より選択されてもよい、請求項4に記載のデクスイブプロフェンの非アルコール性経皮ヒドロゲル。
【請求項6】
1つ又はそれ以上の水混和性溶媒が、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセリンを含む群より選択されてもよい、請求項3に記載のデクスイブプロフェンの非アルコール性経皮ヒドロゲル。
【請求項7】
1つ又はそれ以上のpH調整剤が、水酸化ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、トリエタノールアミン、及びジエタノールアミンを含む群より選択されてもよい、請求項3に記載のデクスイブプロフェンの非アルコール性経皮ヒドロゲル。
【請求項8】
1つ又はそれ以上の酸化防止剤が、安息香酸ナトリウム、メタ亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、及びブチルヒドロキシアニソール(BHA)を含む群より選択されてもよい、請求項3に記載のデクスイブプロフェンの非アルコール性経皮ヒドロゲル。
【請求項9】
事実上透明又は半透明又は不透明であってもよい、請求項1〜8のうちいずれか一項に記載のデクスイブプロフェンの非アルコール性経皮ヒドロゲル。

【公表番号】特表2013−514347(P2013−514347A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543996(P2012−543996)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際出願番号】PCT/IN2010/000795
【国際公開番号】WO2011/073998
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(512158631)シャスン ファーマシューティカルズ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】