説明

デザインシステム並びにそれに用いられる装置、プログラム、記録媒体、及び方法

【課題】被加工素材の加工後のイメージを確認するためのデザインシステムを提供する。
【解決手段】第1の通信装置1は、原稿データ取得手段(S101)と、立体形状データ取得手段(S102)と、原稿データと立体形状データとを第2の通信装置に送信するための第1の送信手段(S106)とを備える。第2の通信装置2は、原稿データに基づいて、デザインデータを取得するためのデザインデータ取得手段(S203)と、立体形状データに基づいて、被加工素材の全部又は一部の立体形状を示す三次元データを取得するための三次元データ取得手段(S204)と、デザインを施したい領域を、三次元データ上に指定するための加工領域指定手段(S206)と、デザインデータを、テクスチャマッピングしてレンダリングするためのレンダリング手段(S208)と、得られた二次元画像を第1の通信装置1に送信するための第2の送信手段(S209)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デザイン開発に用いられるシステムに関し、より特定的には、三次元表現方法を利用したシステム並びにそれに用いられる装置、プログラム、記録媒体、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サンドブラスト方法によりガラスなどの被加工素材の表面に写真画像や絵図を再現する方法として、各種の方法が提案されている。
【0003】
特許文献1に開示された「観賞用装置品の彫刻方法」では、写真像等を製版した透光部と非透光部からなるフィルムに紫外線硬化性液状樹脂を配設し、紫外線を投射して紫外線硬化性液状樹脂を硬化させると共に未硬化部を取り除いたマスクカバーを得、次にそのマスクカバーを被彫刻面に付着させサンドブラストすることにより、非透光面に対応する部分を彫るようにした彫刻方法が提案されている。
【0004】
特許文献2に開示された「精密写真エッチングシステム」では、写真画像をコンピュータによって得た網点画像を転写フィルムに印刷し、その転写フィルムをUV硬化性フィルムの上に重ねてその上から紫外線を照射した後にアルカリ処理したマスキングフィルムを作成し、そのマスキングフィルムをガラス等の被加工材料の表面に貼付してサンドブラストすることにより、精密な写真画像を彫刻するシステムが提案されている。
【0005】
特許文献3に開示された「段彫りレリーフ彫刻方法」では、コンピュータにより図案等を複数区画をなすアウトライン線図に加工し、そのアウトライン線図を印刷した転写フィルムを作成する転写フィルム作成工程と、その転写フィルムをUV硬化性のマスキングフィルムに重ねて紫外線を照射するマスキングフィルム作成工程と、マスキングフィルムの硬化部分をガラス等の被加工材料の表面に貼付し、彫刻すべき区画を順次剥がしながらサンドブラストを行うサンドブラスト工程との各工程を経てガラス等に段彫り彫刻をする方法が提案されている。
【0006】
その他、特許文献4や特許文献5にも、彫刻方法が開示されている。
【特許文献1】特開平1−242299号公報
【特許文献2】登録実用新案第3088855号公報
【特許文献3】特開2004−314581号公報
【特許文献4】特開平10−181297号公報
【特許文献5】特開平11−263099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のいずれの加工方法においても、加工前に加工後の状態をイメージしたければ、原稿となる画像や網点処理が施された画像を閲覧するしかなかった。このような曖昧なイメージのまま実際に加工を行った場合、できあがった彫刻が、イメージと異なる場合がある。同じような問題が、サンドブラストによる彫刻以外に、被加工素材に対して、何らかの加工(たとえば、シルク印刷やカッティングシートの貼り付けなど)を施す場合についても言える。
【0008】
それゆえ、本発明の目的は、被加工素材の加工後のイメージを加工前に確認するためのデザインシステム並びにそれに用いられる装置、プログラム、記録媒体、及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような特徴を有する。本発明は、被加工素材の加工後のイメージを加工前に確認するためのデザインシステムであって、ネットワークで接続され得る第1及び第2の通信装置を具備し、第1の通信装置は、被加工素材に施したい加工のデザインに関する原稿の原稿データを取得するための原稿データ取得手段と、被加工素材の立体形状に関する立体形状データを取得するための立体形状データ取得手段と、原稿データ取得手段が取得した原稿データと立体形状データ取得手段が取得した立体形状データとを第2の通信装置に送信するための第1の送信手段とを備え、第2の通信装置は、第1の送信手段から送信された原稿データに基づいて、デザインに関するデザインデータを取得するためのデザインデータ取得手段と、第1の送信手段から送信されてきた立体形状データに基づいて、被加工素材の全部又は一部の立体形状を示す三次元データを取得するための三次元データ取得手段と、被加工素材上でデザインを施したい領域を、三次元データ取得手段によって取得された三次元データ上に指定するための加工領域指定手段と、デザインデータ取得手段によって取得されたデザインデータを、加工領域指定手段によって指定された領域にテクスチャマッピングしてレンダリングするためのレンダリング手段と、レンダリング手段によって得られた二次元画像を第1の通信装置に送信するための第2の送信手段とを備える。
【0010】
本発明によれば、被加工素材上でデザインを施したい領域にデザインデータがテクスチャマッピングされ、レンダリングによって得られた二次元画像が第1の通信装置に送信されることとなる。したがって、第1の通信装置側で、被加工素材の加工後のイメージを確認することができる。本発明の第1の通信装置を操作するユーザは、被加工素材に加工を施す加工業者であってもよいし、実際に、被加工素材を所有している者であってもよい。たとえば、加工業者が、客先で、二次元画像を見せながら、加工の内容について説明し、加工の受注を受ける目的で、本発明を使用することができる。その他、加工業者に加工を依頼したいと考えている客若しくは自ら加工したいと考えている者が、パソコンなどを使って、加工業者や、その関連会社、サービス提供業者などに設置された第2の通信装置に接続して、加工後のイメージを固めて、加工を発注するような使い方もできる。本発明の使用方法は、特には限定されない。本発明は、被加工素材に何らかのデザイン的な加工を施すようなあらゆる場合に、有用である。
【0011】
好ましくは、被加工素材は、サンドブラストによって彫刻したい素材であるとよい。
【0012】
特に、サンドブラストによって、被加工素材を彫刻する場合、被加工素材を彫刻することとなるので、加工するか否かには、慎重な判断を要する。本発明を用いれば、加工後の彫刻をイメージすることができ、加工をするか否かの判断に有効に使える。
【0013】
好ましくは、デザインデータ取得手段は、原稿データの内、不要な部分を必要に応じてトリミングし、網点画像を得て、当該網点画像又は当該網点画像を反転させた画像から単色又は複数色の画像データを得て、当該画像データからデザインデータを得るとよい。
【0014】
網点画像を用いて彫刻する方法は、従来のサンドブラストによる彫刻方法である。この網点画像を元に、反転処理や着色処理を組み合わせて、デザインデータを作成すれば、テクスチャマッピングした際、実際に彫刻されたときに近い二次元画像が得られる。二次元画像のリアリティを追求するという面で、有効である。たとえば、平彫り、面彫り、線彫り、フォトエッチング、エッチングカラー(平彫り、面彫り、線彫り、フォトエッチングに着色を施した加工方法のこと)に有効である。
【0015】
好ましくは、デザインデータ取得手段は、原稿データに表れている画像の輪郭を認識し、認識した画像の不要な部分を必要に応じてトリミングし、必要に応じて網点画像を得て、得られた画像又は反転させた画像から単色又は複数色の画像データを得て、当該画像データからデザインデータを得るとよい。
【0016】
これにより、輪郭部分が表現されることになり、特に、線彫りを用いた場合に、二次元画像を実際の加工後のイメージに近づけることができる。
【0017】
好ましくは、デザインデータ取得手段は、画像データの内、不要な部分を必要に応じてトリミングし、得られた画像又は反転させた画像から単色又複数色の画像データを得て、当該画像データからデザインデータを得るとよい。
【0018】
これにより、網点処理を利用しないような彫刻方法、たとえば、カッティングプロッターを使用して平彫りや面彫り、線彫り、エッチングカラーなどを行う場合に、二次元画像を加工後のイメージに近づけることができる。
【0019】
好ましくは、レンダリング手段は、加工領域指定手段によって指定された領域について、三次元データで指定されている表面特性情報を、デザインデータに対応させて変化させることで、デザインデータを領域にテクスチャマッピングするとよい。好ましくは、表面特性情報は、表面色、拡散反射率、鏡面反射率、又は透明率の少なくともいずれか一つを含むとよい。
【0020】
このようなテクスチャマッピングの手法により、デザインデータが表面に反映された二次元画像を得ることができ、実際の加工後のイメージに近づけることができる。
【0021】
好ましくは、レンダリング手段は、領域に対応する表面特性情報を、表面色を変化させる場合は、デザインデータで指定されている色に変化させ、拡散反射率を変化させる場合は、拡散反射が小さくなる方向に変化させ、鏡面反射率を変化させる場合は、鏡面反射が小さくなる方向に変化させ、又は、透明率を変化させる場合は、透明度が低くなる方向に変化させるとよい。
【0022】
これにより、リアリティの高い二次元画像が影響されることとなる。特に、加工方法として、平彫り、面彫り、線彫り、フォトエッチング、エッチングカラーが用いられている場合に有効である。
【0023】
好ましくは、第1の通信装置は、被加工素材の材質に関する被加工素材情報を指定する材質指定手段をさらに備え、第1の送信手段は、材質指定手段で指定された被加工素材情報も第2の通信装置に送信し、レンダリング手段は、第1の送信手段から送信されてきた被加工素材情報に基づいて、表面特性情報の変化量を調整するとよい。
【0024】
これにより、被加工素材の材質の違いに応じて、表面特性情報の変化量が違うことになるので、材質に応じたテクスチャマッピングが行われることとなり、よりリアリティが増すこととなる。
【0025】
好ましくは、レンダリング手段は、さらに、加工領域指定手段によって指定された領域について、デザインデータに基づいて、バンプマッピングを行うとよい。
【0026】
バンプマッピングを行うことにより、凹凸感を表現することができるので、二段彫りやぼかし彫りなどの加工方法をリアリティ高く表現することができる。
【0027】
好ましくは、デザインデータは、デザインの輪郭を表しており、レンダリング手段は、輪郭部分に応じて、法線を傾かせるとよい。
【0028】
輪郭部分の法線を傾ければ、輪郭部分を境に凹凸感が表れることとなる。よって、二段彫りなどの加工方法をリアリティ高く表現することができる。
【0029】
好ましくは、デザインデータは、グラデーションを有しており、レンダリング手段は、グラデーションに応じて、法線を傾かせるとよい。
【0030】
法線をグラデーションに応じて傾けることによって、連続的な凹凸感を表現することができる。たとえば、ぼかし彫りなどの加工方法をリアリティ高く表現することができる。
【0031】
好ましくは、レンダリング手段は、さらに、加工領域指定手段によって指定された領域について、デザインデータに基づいて、変位マッピングを行うとよい。
【0032】
変位マッピングによって、複数の高さの異なる凹凸感を表現することができる。したがって、多段彫りなどの加工方法をリアリティ高く表現することができる。
【0033】
好ましくは、第1の通信装置は、彫り方に関する加工方法情報を指定するための彫り方指定手段をさらに備え、第1の送信手段は、彫り方指定手段によって指定された加工方法情報も第2の通信装置に送信し、レンダリング手段は、第1の送信手段から送信されてきた加工方法情報に基づいて、テクスチャマッピングの方法を選択するとよい。
【0034】
これにより、第1の通信装置からの指示に応じた加工方法に基づいたテクスチャマッピングが行われることとなり、ユーザの希望する加工方法の完成後のイメージを伝えることができる。
【0035】
好ましくは、立体形状データは、予め決められた立体形状を指定する立体形状テンプレート情報を含み、第1の通信装置は、立体形状テンプレート情報を記憶するための立体形状テンプレート情報記憶手段をさらに備え、第2の通信装置は、立体形状テンプレート情報に対応する三次元データを記憶するための立体形状テンプレートデータベース記憶手段をさらに備え、立体形状データ取得手段は、立体形状テンプレートの使用が指定された場合、対応する立体形状テンプレート情報をテンプレート情報記憶手段から取得して、第1の送信手段に送信させ、三次元データ取得手段は、第1の送信手段から送信されてきた立体形状テンプレート情報に基づいて、立体形状テンプレートデータベース記憶手段を参照して、対応する三次元データを取得するとよい。
【0036】
このように、被加工素材の立体形状をテンプレート化することによって、第2の通信装置において、いちいちモデリングを行う手間を省くことができる。したがって、二次元画像を迅速に提供することができるようになる。
【0037】
好ましくは、立体形状データは、被加工素材の写真画像である被加工素材データを含み、第2の通信装置は、被加工素材データから、被加工素材の質感に関する質感データを取得するための質感取得手段をさらに備え、レンダリング手段は、質感取得手段が取得した質感データに基づいて、三次元データの全体又は一部をテクスチャマッピングするとよい。
【0038】
これにより、元々の被加工素材の質感を再現した二次元画像が得られることとなり、リアリティがより増す。
【0039】
好ましくは、第1の通信装置は、第2の通信装置から送信されてきたレンダリング後の二次元画像に対して、修正事項の指示を指定し、第1の送信手段に当該修正指示を送信させるための修正指示指定手段をさらに備えるとよい。
【0040】
これにより、第2の通信装置への修正指示が容易となる。また、修正指示は、チャットや電子メール、電話によって行われても良い。
【0041】
好ましくは、第2の通信装置は、第1の通信装置から送信されてきた修正指示を表示するための修正指示表示手段をさらに備えるとよい。
【0042】
これにより、第2の通信装置のオペレータは、修正に対応することができる。
【0043】
好ましくは、原稿データ取得手段は、所定の画像データを原稿テンプレートとして用意しており、当該原稿テンプレートに基づいて得られた画像を原稿データとして取得するとよい。
【0044】
このように、原稿テンプレートを用いれば、デザインセンスの欠けるものであっても、それなりの原稿データを作成することができ、有用である。
【0045】
好ましくは、第2の送信手段は、さらに、デザインデータ、三次元データ、及び領域に関するデータを第1の通信装置に送信し、第1の通信装置は、第2の送信手段から送信されてきたデザインデータ、三次元データ、及び領域に関するデータに基づいて、領域にデザインデータがテクスチャマッピングされた画像を表示するための三次元画像処理手段をさらに備えるとよい。
【0046】
これにより、第1の通信装置においても、三次元画像を確認することができるので、異なった角度でのイメージを適宜確認することができる。
【0047】
好ましくは、被加工素材は、カッティングシートの貼り付け又はシルクスクリーン印刷が施される素材であるとよい。
【0048】
このように、本発明の加工素材及び加工方法は、特に限定されない。
【0049】
また、本発明は、被加工素材の加工後のイメージを加工前に確認するためのデザインシステムで用いられるクライアント側のコンピュータ装置であって、センター側のコンピュータ装置とネットワークで接続され、被加工素材に施したい加工のデザインに関する原稿の原稿データを取得するための原稿データ取得手段と、被加工素材の立体形状に関する立体形状データを取得するための立体形状データ取得手段と、原稿データ取得手段が取得した原稿データと立体形状データ取得手段が取得した立体形状データとをセンター側のコンピュータ装置に送信するための送信手段とを備える。
【0050】
このように、クライアント側のコンピュータ装置は、構成が簡易であるので、高性能のコンピュータを用いなくてもよく、低価格で提供可能であるので、本システムの普及を加速させることができる。
【0051】
また、本発明は、被加工素材の加工後のイメージを加工前に確認するためのデザインシステムで用いられるセンター側のコンピュータ装置であって、クライアント側のコンピュータ装置とネットワークで接続され、クライアント側のコンピュータ装置から送信された被加工素材に施したい加工のデザインに関する原稿の原稿データに基づいて、デザインに関するデザインデータを取得するためのデザインデータ取得手段と、クライアント側のコンピュータ装置から送信されてきた被加工素材の立体形状に関する立体形状データに基づいて、被加工素材の全部又は一部の立体形状を示す三次元データを取得するための三次元データ取得手段と、被加工素材上でデザインを施したい領域を、三次元データ取得手段によって取得された三次元データ上に指定するための加工領域指定手段と、デザインデータ取得手段によって取得されたデザインデータを、加工領域指定手段によって指定された領域にテクスチャマッピングしてレンダリングするためのレンダリング手段と、レンダリング手段によって得られた二次元画像をクライアント側のコンピュータ装置に送信するための送信手段とを備える。
【0052】
このように、センター側でのコンピュータ装置には、ある程度の性能が要求されるが、センター側には、専門のオペレータを配置することができ、一定品質の二次元画像を提供することができ、加工後のイメージを抱きやすくすることができる。
【0053】
また、本発明は、被加工素材の加工後のイメージを加工前に確認するためのコンピュータ装置であって、被加工素材に施したい加工のデザインに関する原稿の原稿データを取得するための原稿データ取得手段と、被加工素材の立体形状に関する立体形状データを取得するための立体形状データ取得手段と、原稿データ取得手段が取得した原稿データに基づいて、デザインに関するデザインデータを取得するためのデザインデータ取得手段と、立体形状データ取得手段が取得した立体形状データに基づいて、被加工素材の全部又は一部の立体形状を示す三次元データを取得するための三次元データ取得手段と、被加工素材上でデザインを施したい領域を、三次元データ取得手段によって取得された三次元データ上に指定するための加工領域指定手段と、デザインデータ取得手段によって取得されたデザインデータを、加工領域指定手段によって指定された領域にテクスチャマッピングしてレンダリングするためのレンダリング手段とを備える。
【0054】
このように、一台のコンピュータ装置の性能が十分であれば、一台のコンピュータ装置を使って、原稿データの取得からレンダリングまで実現することができる。よって、センターを介すことなく加工前のイメージを確認することができるので、リアルタイム性が向上する。
【0055】
また、本発明は、被加工素材の加工後のイメージを加工前に確認するためのデザインシステムで用いられるクライアント側のコンピュータ装置を、被加工素材に施したい加工のデザインに関する原稿の原稿データを取得するための原稿データ取得手段、被加工素材の立体形状に関する立体形状データを取得するための立体形状データ取得手段、及び、原稿データ取得手段が取得した原稿データと立体形状データ取得手段が取得した立体形状データとをセンター側のコンピュータ装置に送信するための送信手段として機能させるためのプログラムである。
【0056】
このように、クライアント側のコンピュータ装置に導入すべきプログラムは、非常に簡易であるので、クライアント側のコンピュータ装置は、高性能である必要がない。よって、本発明のデザインシステムが普及しやすい。
【0057】
また、本発明は、被加工素材の加工後のイメージを加工前に確認するためのデザインシステムで用いられるセンター側のコンピュータ装置を、クライアント側のコンピュータ装置から送信された被加工素材に施したい加工のデザインに関する原稿の原稿データに基づいて、デザインに関するデザインデータを取得するためのデザインデータ取得手段、クライアント側のコンピュータ装置から送信されてきた被加工素材の立体形状に関する立体形状データに基づいて、被加工素材の全部又は一部の立体形状を示す三次元データを取得するための三次元データ取得手段、被加工素材上でデザインを施したい領域を、三次元データ取得手段によって取得された三次元データ上に指定するための加工領域指定手段、デザインデータ取得手段によって取得されたデザインデータを、加工領域指定手段によって指定された領域にテクスチャマッピングしてレンダリングする又は専用の装置にレンダリングさせるためのレンダリング手段、及び、レンダリング手段によって得られた二次元画像をクライアント側のコンピュータ装置に送信するための送信手段として機能させるためのプログラムである。
【0058】
このように、センター側でのコンピュータ装置に導入されるプログラムを提供可能である。
【0059】
また、本発明は、被加工素材の加工後のイメージを加工前に確認するためのコンピュータ装置を、被加工素材に施したい加工のデザインに関する原稿の原稿データを取得するための原稿データ取得手段、被加工素材の立体形状に関する立体形状データを取得するための立体形状データ取得手段、原稿データ取得手段が取得した原稿データに基づいて、デザインに関するデザインデータを取得するためのデザインデータ取得手段、立体形状データ取得手段が取得した立体形状データに基づいて、被加工素材の全部又は一部の立体形状を示す三次元データを取得するための三次元データ取得手段、被加工素材上でデザインを施したい領域を、三次元データ取得手段によって取得された三次元データ上に指定するための加工領域指定手段、及び、デザインデータ取得手段によって取得されたデザインデータを、加工領域指定手段によって指定された領域にテクスチャマッピングしてレンダリングする又は専用の装置にレンダリングさせるためのレンダリング手段として機能させるためのプログラムである。
【0060】
このように、原稿データの取得からレンダリングまでをプログラムとして提供することができ、ユーザのコンピュータ装置だけを用いて、二次元画像を得ることが可能である。
【0061】
また、本発明は、上記いずれかのプログラムを格納した記録媒体である。
【0062】
また、本発明は、被加工素材の加工後のイメージを加工前に確認するためのデザインシステムを動作させるための方法であって、デザインシステムは、ネットワークで接続され得る第1及び第2の通信装置を具備し、第1の通信装置が被加工素材に施したい加工のデザインに関する原稿の原稿データを取得するための工程と、第1の通信装置が被加工素材の立体形状に関する立体形状データを取得するための工程と、第1の通信装置が原稿データと立体形状データとを第2の通信装置に送信するための工程と、第2の通信装置が第1の通信装置から送信された原稿データに基づいて、デザインに関するデザインデータを取得するための工程と、第2の通信装置が第1の通信装置から送信されてきた立体形状データに基づいて、被加工素材の全部又は一部の立体形状を示す三次元データを取得するための工程と、第2の通信装置が被加工素材上でデザインを施したい領域を、三次元データ上に指定するための工程と、第2の通信装置がデザインデータを、領域にテクスチャマッピングしてレンダリングするための工程と、第2の通信装置がレンダリングによって得られた二次元画像を第1の通信装置に送信するための工程とを備える。
【0063】
また、本発明は、被加工素材の加工後のイメージを加工前に確認するためのコンピュータ装置の処理方法であって、被加工素材に施したい加工のデザインに関する原稿の原稿データを取得するための工程と、被加工素材の立体形状に関する立体形状データを取得するための工程と、原稿データに基づいて、デザインに関するデザインデータを取得するための工程と、立体形状データに基づいて、被加工素材の全部又は一部の立体形状を示す三次元データを取得するための工程と、被加工素材上でデザインを施したい領域を、三次元データ上に指定するための工程と、デザインデータを、領域にテクスチャマッピングしてレンダリングするための工程とを備える。
【発明の効果】
【0064】
本発明によれば、被加工素材の加工後のイメージを加工前に確認するためのデザインシステム並びにそれに用いられる装置、プログラム、及び方法が提供されることとなる。レンダリングの後に得られる二次元画像は、リアリティの高い画像であり、より正確に加工後のイメージをユーザに抱かせることができる。
【0065】
本発明のこれらおよび他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0066】
図1は、本発明の実施形態に係るデザインシステム4の全体構成を示す図である。図1において、デザインシステム4は、複数の第1の通信装置1と、第2の通信装置2と、ネットワーク3とを具備する。第1の通信装置1と第2の通信装置2とは、ネットワーク3を介して、双方向に通信し得る。ネットワーク3は、インターネットや有線又は無線LANなどによって構成される。第1の通信装置1及び第2の通信装置2は、据え置き型のコンピュータ装置のみならず、携帯型のコンピュータ装置も含み得る。
【0067】
以下の説明において、被加工素材とは、サンドブラストによって彫刻を施したい素材のことを言い、たとえば、ガラス板やグラス、ワインボトル、テーブル、窓、鏡、看板、トロフィー、表札、アクセサリー、布生地、携帯電話、ギター、皿、壺、ライターなど、サンドブラストによって彫刻が可能なあらゆる素材のことをいう。被加工素材の材質は、ガラスだけに限られず、ステンレスやアルミ、鉄などの金属、陶器、磁器、布、木、クリスタルなど、サンドブラストによって彫刻が可能なあらゆるものであってよい。
【0068】
図2は、第1の通信装置1のハードウエア的構成を示す図である。図2において、第1の通信装置1は、CPU100と、メモリ101と、通信装置102と、入力装置103と、表示装置104と、記録装置105とを備える。CPU100は、記録装置105に格納されているOS(図示せず)の実行下、クライアントプログラムをメモリ101に読み込んで、実行することによって、第1の通信装置1全体の動作を制御する。メモリ101は、書き込み及び読み出しが可能な半導体記憶装置であり、CPU100での処理に必要な情報を適宜格納する。通信装置102は、有線又は無線のLANボードやモデムなど、ネットワーク3を介して、第2の通信装置2と双方向に通信するための装置である。入力装置103は、キーボード、マウス、スキャナ、デジタルカメラ、ペンタブレットなど、第1の通信装置1内に情報を入力することができる機器である。入力装置103は、常時接続されている必要はなく、取り外し可能であっても良い。表示装置104は、ディスプレイなど、CPU100での処理結果を表示することができる機器である。
【0069】
記録装置105は、内蔵ハードディスク、外部ハードディスク、USBメモリ、メモリーカード、CD−R(ドライブを含む。以下同様)、CD−ROM、CD−RW、DVD−R、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RWなど、内蔵及び外付けを問わず、情報を格納することができる装置である。記録装置105は、クライアントプログラムの他、後述の原稿データ、被加工素材データ、立体形状テンプレート情報のデータベース(図2上、データベースをDBと表記する。以下同様。)、領域指定データ、領域指定テンプレート情報のデータベース、加工方法情報、被加工素材情報、色指定データ、色指定テンプレート情報のデータベース、送信データ、修正データ、及び原稿テンプレートのデータベース、デザインデータ、三次元データ、テクスチャマッピング領域データを格納し得る。
【0070】
図3は、第2の通信装置2のハードウエア的構成を示す図である。図3において、第2の通信装置2は、CPU200と、メモリ201と、通信装置202と、入力装置203と、表示装置204と、記録装置205と、レンダリング装置206とを備える。CPU200は、記録装置205に格納されているOS(図示せず)の実行下、センター側プログラムをメモリ201に読み込んで、実行することによって、第2の通信装置2全体の動作を制御する。メモリ201は、書き込み及び読み出しが可能な半導体記憶装置であり、CPU200での処理に必要な情報を適宜格納する。通信装置202は、有線又は無線のLANボードやモデムなど、ネットワーク3を介して、第1の通信装置1と双方向に通信するための装置である。入力装置203は、キーボード、マウス、スキャナ、デジタルカメラ、ペンタブレットなど、第2の通信装置2内に情報を入力することができる機器である。入力装置203は、常時接続されている必要はなく、取り外し可能であっても良い。表示装置204は、ディスプレイなど、CPU200での処理結果を表示することができる機器である。
【0071】
記録装置205は、内蔵ハードディスク、外部ハードディスク、USBメモリ、メモリーカード、CD−R(ドライブを含む。以下同様)、CD−ROM、CD−RW、DVD−R、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RWなど、内蔵及び外付けを問わず、情報を格納することができる装置である。記録装置205は、センター側プログラムの他、原稿データ、被加工素材データ、立体形状テンプレート情報、領域指定データ、領域指定テンプレート情報、加工方法情報、被加工素材情報、色指定データ、色指定テンプレート情報、送信データ、修正データ、原稿テンプレートデータベース、デザインデータ、色テンプレートデータベース、立体形状テンプレートデータベース、三次元データ、被加工素材情報表面特性データベース、領域テンプレートデータベース、テクスチャマッピング領域データ、及び二次元画像を格納し得る。
【0072】
レンダリング装置206は、所定の方法で三次元データをレンダリングするための専用装置である。なお、レンダリングをソフトウエアによって実現しても良く、その場合は、記録装置205内にレンダリングプログラムが格納されており、CPU200が当該レンダリングプログラムを実行して、三次元データをレンダリングする。
【0073】
ここで、本実施形態で使用されるデータについて概説する。
原稿データは、彫刻したい原稿のデータである。
被加工素材データは、被加工素材をデジカメ等で撮影したデータである。
立体形状テンプレート情報は、被加工素材として汎用の製品を使用した場合に、当該被加工素材はテンプレート化されており、当該テンプレート(立体形状テンプレートという)の内容及び識別子を示す情報である。
立体形状テンプレート情報のデータベースは、立体形状テンプレート情報を集めたデータベースである。
領域指定データは、被加工素材のどの部分に彫刻を施すかを示した画像データ等である。
領域指定テンプレート情報は、テンプレート化された被加工素材を用いる場合に、被加工素材のどの領域に彫刻を施すかを示したテンプレート(領域指定テンプレートという)の内容及び識別子を示す情報である。
領域指定テンプレート情報のデータベースは、領域指定テンプレート情報を集めたデータベースである。
加工方法情報は、彫り方などの加工方法を示す情報である。
被加工素材情報は、被加工素材の材質を示す情報である。
色指定データは、彫刻後にどのように色付けするかを示す情報である。
色指定テンプレート情報は、テンプレート化された被加工素材を用いる場合に、どのように色付けするかを示したテンプレート(色テンプレートという)の内容及び識別子を示すための情報である。
色指定テンプレート情報のデータベースは、色指定テンプレート情報を集めたデータベースである。
送信データは、第1の通信装置1から第2の通信装置2に送信されるデータである。
修正データは、第1の通信装置1が第2の通信装置2に対して、修正指示を行うときに送信されるデータである。
原稿テンプレートは、原稿データのテンプレートである。
原稿テンプレートのデータベースは、原稿テンプレートを集めたデータベースである。
【0074】
デザインデータは、テクスチャマッピングする際の元となるデータである。
三次元データは、被加工素材の立体形状を示すデータである。
テクスチャマッピング領域データは、テクスチャマッピングを行う三次元データ上の領域を示すデータである。
色テンプレートデータベースは、色テンプレートを集めたデータベースである。
立体形状テンプレートデータベースは、立体形状テンプレートを集めたデータベースである。
被加工素材情報表面特性データベースは、被加工素材情報に対応する表面特性の情報(表面特性情報という)を集めたデータベースである。
領域テンプレートデータベースは、領域指定テンプレートを集めたデータベースである。
二次元画像は、レンダリング後の画像のことである。
【0075】
図4は、第1の通信装置1によってクライアントプログラムが実行され、第2の通信装置2によってセンター側プログラムが実行されたときの第1の通信装置1及び第2の通信装置2の動作を示すシーケンス図である。以下、図4を参照しながら、第1の通信装置1及び第2の通信装置2の動作の概略について説明する。
【0076】
第1の通信装置1は、被加工素材に施したい加工のデザインに関する原稿を原稿データとして取得する(ステップS101)。たとえば、加工したい写真を原稿としたい場合、当該写真のデジタルデータが原稿データとなる。また、当該写真をスキャナに読み込んだデジタルデータが原稿データとなる。あるイラストを原稿として原稿データを作成してもよい。写真やイラスト、文字などを組み合わせて原稿データを作成してもよい。原稿データは、第1の通信装置1内で実行されるペイントソフトやドローソフトなどの画像処理ソフトによって、作成されてもよいし、それ以外の方法で作成されてもよい。
【0077】
図5は、原稿データの一例を示す図である。図5(a)は、猫の写真に対して、「Tama」と文字を入力した画像を原稿データとしている。図5(b)は、花柄のイラストに対して、「2008年卒業記念」と文字を入力した画像を原稿データとしている。
【0078】
次に、第1の通信装置1は、被加工素材の立体形状に関するデータを立体形状データとして取得する(ステップS102)。立体形状データには、被加工素材データと、立体形状テンプレート情報という2種類がある。立体形状データの取得には、2通りの方法がある。第1は、被加工素材がオリジナルの物品である場合、被加工素材の全体画像や部分画像をデジタルカメラ等で少なくとも1以上撮影して、撮影によって得られた被加工素材データを立体形状データとする方法である。第2は、被加工素材が彫刻業者が所持しているような汎用的な形状(ガラス板やワインボトル、グラスなど)である場合、第1の通信装置1の記録装置105に予め登録されている被加工素材の立体形状に関する立体形状テンプレート情報の中から、立体形状を特定する立体形状テンプレート情報を選択して、立体形状データとする方法である。
【0079】
図6は、被加工素材データの一例を示す図である。図6に示すように、被加工素材がオリジナルの物品(ここでは、硝子板)である場合、デジタルカメラ等で、被加工素材を撮影し、第1の通信装置1に被加工素材データを入力する。なお、被加工素材データは、複数の角度から撮影した複数のデータである方が好ましい。
【0080】
次に、第1の通信装置1は、被加工素材の彫り方を示す加工方法情報、彫刻後の色を示す色指定データ又は色指定テンプレート情報、被加工素材に加工を施したい領域(加工領域という場合もある)を示す領域指定データ又は領域指定テンプレート情報、及び被加工素材の材質に関する被加工素材情報を取得する(ステップS103)。「色指定データ」又は「色指定テンプレート情報」は、彫刻後に着色する場合の色や、表面をコーティングするかということを示す。「領域指定データ」又は「領域指定テンプレート情報」は、被加工素材に彫刻を施したい領域を示す。「被加工素材情報」は、被加工素材の材質(たとえば、ガラスやステンレス、陶器など)を示す。
【0081】
「加工方法情報」は、加工方法を示す情報である。「加工方法」は、大きく二つに分かれる。第1は、サンドブラストの際のマスキングシートとして、網点で彫刻部分が表現されたマスキングシートを利用する網点加工方法である。第2は、サンドブラストの際のマスキングシートとして、カッティングプロッターや手作業などでカットされたマスキングシートを利用するカッティング加工方法である。図5(a)に示されるような原稿は、網点加工方法で行うのが一般であるが、限定されない。図5(b)に示されるような原稿は、カッティング加工方法で行うのが一般であるが、限定されない。さらに、加工方法は、7つの彫り方(平彫り、面彫り、線彫り、フォトエッチング、二段彫り、多段彫り、ぼかし彫り)に分かれる。フォトエッチング以外は、網点加工方法又はカッティング加工方法のいずれか方法によって彫刻可能である。フォトエッチングは、網点加工方法によってのみ彫刻可能である。
【0082】
図7〜図13は、7つの彫り方を説明するための図である。図7は、平彫りを説明するための図である。平彫りでは、図柄部分7aを掘ることによって(図7(b)参照)、図7(a)に示すような彫刻が得られる。なお、サンドブラストによって、表面に細かい凹凸ができるので、図面上凹凸を誇張して記載している(以下、同様)。図8は、面彫りを説明するための図である。面彫りでは、平彫りとは反対に、図柄以外の部分7bを掘ることによって(図8(b)参照)、図8(a)に示すような彫刻が得られる。図9は、線彫りを説明するための図である。線彫りでは、図柄の輪郭部分7cのみを掘ることによって(図9(b)参照)、図9(a)に示すような彫刻が得られる。図10は、フォトエッチングを説明するための図である。フォトエッチングでは、網点のマスキングシートを用いて、網点部分7d(又は網点以外の部分)をサンドブラストすることによって(図10(b)参照)、図10(a)に示すような彫刻が得られる。平彫り、面彫り、線彫り、又はフォトエッチングに色つけを行えば、カラーエッチングとなる。
【0083】
図11は、二段彫りを説明するための図である。二段彫りでは、図柄の輪郭など任意の部分7eを深めに彫った後、マスクシートをはがして、はがした部分7fを浅く彫ることによって、彫り面を二段にする方法であり(図11(b)参照)、図11(a)に示すような彫刻が得られる。図12は、多段彫りを説明するための図である。多段彫りでは、マスクシートが図柄に応じて複数に分かれており、一部のマスクシートをはがして最も深い部分7gを彫り、次のマスクシートをはがして次に深い部分7hを彫り、さらに、次のマスクシートをはがして次に深い部分7iを彫っていく彫り方であり(図12(b)参照)、典型的には、図柄の中心から深くなるように彫っていき、図12(a)に示すような彫刻が得られる。図13は、ぼかし彫りを説明するための図である。ぼかし彫りでは、研磨材のあて方や強さを変えることによって、彫り面7jに深さの上下をグラデーションのように付け(図13(b)参照)、図13(a)に示すような彫刻が得られる。なお、図13(b)では、断面のハッチングが省略されている。ぼかし彫りでは、平彫り、面彫り、線彫り、二段彫り、又は多段彫りのいずれかで使用されるマスクシートが使われる。
【0084】
次に、第1の通信装置1は、ステップS101〜S103で取得された情報を示す送信データを作成する(ステップS104)。
【0085】
図14は、送信データのフォーマットを示す図である。ヘッダは、送信データであることを示す情報を含む。識別子は、ユーザを識別するための情報を含む。原稿データファイル名は、送信データに添付される原稿データのファイル名を示す。立体形状タイプは、立体形状として立体形状テンプレートが指定されたか否かを示す。被加工素材データファイル名は、送信データに添付される被加工素材データのファイル名を示す。立体形状テンプレート情報は、立体形状テンプレートが指定された場合にどのテンプレートが指定されたかを示す情報である。立体形状テンプレートが用いられた場合、被加工素材データファイル名は、空欄となる。逆に、立体形状テンプレートが使用されていない場合、立体形状テンプレート情報は、空欄となる。
【0086】
領域指定タイプは、領域指定にテンプレートが用いられたか否かを示す情報である。領域指定データファイル名は、送信データに添付される領域指定データのファイル名を示す。領域指定テンプレート情報は、領域指定テンプレートが指定された場合にどのテンプレートが指定されたかを示す情報である。領域指定タイプの内容に応じて、領域指定データファイル名又は領域指定テンプレート情報のどちらかが空欄となる。
【0087】
加工方法情報は、加工方法を示す情報である。被加工素材情報は、被加工素材の材質を示す情報である。色指定タイプは、色テンプレートが指定されたか否かを示す。色指定データファイル名は、送信データに添付される色指定データのファイル名を示す。色指定テンプレート情報は、色テンプレートが指定された場合にどのテンプレートが指定されたかを示す情報である。色指定タイプの内容に応じて、色指定データファイル名又は色指定テンプレート情報のどちらかが空欄となる。
【0088】
次に、第1の通信装置1は、送信データを他に作成するかユーザに問い合わせ(ステップS105)、作成する場合は、ステップS101の動作に戻り、作成しない場合は、ステップS106の動作に進む。ステップS106において、第1の通信装置1は、ステップS104で作成した送信データに、必要な原稿データ、立体形状データ、及び色指定データを添付して、第2の通信装置2に送信する。
【0089】
第2の通信装置2は、第1の通信装置1から送信されてきたデータを受信し、ユーザ認証及びユーザ領域の確保を行う(ステップS201)。ユーザ認証やユーザ領域の確保については、周知のあらゆる方法を用いることができる。次に、第2の通信装置2は、第1の通信装置1からデータが送信されてきた旨を表示し、第2の通信装置2のオペレーターに知らせる(ステップS202)。
【0090】
次に、第2の通信装置2は、第1の通信装置1から送信されてきた原稿データに基づいて、被加工素材に施すデザインを示すデザインデータを取得する(ステップS203)。本実施形態において、デザインデータの作成は、センター側プログラム上で行われることとするが、他の画像処理ソフトを別途用いて作成し、第2の通信装置2が作成されたデザインデータを読み込むようにしてもよい。
【0091】
次に、第2の通信装置2は、第1の通信装置1から送信されてきた立体形状データに基づいて、被加工素材の全部又は一部の立体形状を示す三次元データを取得する(ステップS204)。立体形状データとして被加工素材データが使用されている場合、第2の通信装置2は、被加工素材データに応じてオペレータがモデリングして得られたデータを三次元データとする。立体形状データとして立体形状テンプレート情報が使用されている場合、第2の通信装置2は、立体形状テンプレートデータベースを参照して、指定されている立体形状テンプレートに対応する三次元データを取得する。本実施形態において、三次元データの作成は、センター側プログラム上で行われることとするが、他の三次元モデリングソフトを別途用いて作成し、第2の通信装置2が作成されたデザインデータを読み込むようにしてもよい。
【0092】
次に、第2の通信装置2は、第1の通信装置1から送信されてきた被加工素材情報に基づいて、被加工素材の表面特性情報を認識し、ステップS204で得た三次元データに反映させる(ステップS205)。本実施形態において、表面特性情報は、少なくとも、ポリゴンの法線、表面色、拡散反射率、鏡面反射率、透明率、及び変位マッピングの際のポリゴンの高さによって表される。たとえば、被加工素材の表面の輝度は、フォンの照明モデルに基づいて、拡散反射率、鏡面反射率、及び環境反射率によって表される。被加工素材の表面の色は、表面色によって表される。被加工素材の表面の透明度は、透明率によって表される。表面特性情報は、レンダリングの際に必要となる。なお、環境反射率をテクスチャマッピングに利用しても良い。
【0093】
次に、第2の通信装置2は、第1の通信装置1から送信されてきた領域指定データ又は領域指定テンプレート情報に基づいて、三次元データ上において被加工素材上で彫刻を施したい領域を指定する(ステップS206)。次に、第2の通信装置2は、第1の通信装置1から送信されてきた加工方法情報に基づいて、被加工素材の加工方法を指定する(ステップS207)。
【0094】
次に、第2の通信装置2は、ステップS206で指定された領域に、ステップS203で指定されたデザインデータがテクスチャマッピングされるように、ステップS204で取得した三次元データをレンダリングする(ステップS208)。最後に、第2の通信装置2は、レンダリングによって得られた二次元画像を第1の通信装置1に送信する。
【0095】
第1の通信装置1は、第2の通信装置2から送られてきた二次元画像を受信し(ステップS107)、当該二次元画像を表示する(ステップS108)。これにより、第1の通信装置1において、被加工素材の加工後のイメージを加工前に確認することができる。
【0096】
次に、一連の流れを、ユーザインターフェイスの一例を用いながら説明する。
【0097】
図15は、クライアントプログラムを実行中の第1の通信装置1に表示されるユーザインターフェイスの一例を示す図である。図15に至る前に、第1の通信装置1は、対話式インターフェイスによって、原稿データの入力、被加工素材の立体形状の入力(被加工素材データの指定)、領域の指定(領域指定データの指定)、加工方法の指定、被加工素材の材質の指定、及び色の指定(色指定データの指定)をユーザに行わせている。図15は、対話式の入力が終わった後の確認画面の一例を示す。なお、図15の表示では、立体形状テンプレートを使用していない例を示す。
【0098】
欄a1では、原稿データとして、「ABC.jpg」というデータが指定されていることを確認できる。なお、データの概略が分かるように、小さいアイコンa11でデータの中身が表示されている(以下同様)。このデータは、原稿として使用する画像データである。なお、ボタンa12をクリックすれば、原稿データの変更が可能である。また、ファイル名又はアイコンをクリックすれば、原稿データを大きく拡大して表示することができる(以下同様)。
【0099】
欄a2では、被加工素材データとして、「BCD.jpg」、「CDE.jpg」、及び「DEF.jpg」というデータが指定されていることを確認できる。この3つのデータは、被加工素材を異なる角度から撮影した画像データである。なお、ボタンa13をクリックすれば、被加工素材データの追加が可能である。
【0100】
欄a3では、選択された加工方法が表示されている。加工方法の種類は予め決められているので、決められた種類から選択する。ここでは、網点加工方法を利用した場合の平彫りが指定されていることを確認できる。なお、ボタンa14をクリックすれば、加工方法の変更が可能である。
【0101】
欄a4では、領域指定データとして、「EFG.jpg」というデータが指定されていることを確認できる。なお、ボタンa15をクリックすれば、領域指定データの変更が可能である。
【0102】
欄5では、被加工素材情報で指定されている材質が表示されている。材質の種類は予め決められており、決められた種類から選択する。ここでは、ガラスという材質が指定されていることを確認できる。なお、ボタンa16をクリックすれば、被加工素材情報の変更が可能である。
【0103】
欄a6では、色指定データとして、「HIJ.jpg」というデータが指定されていることを確認できる。なお、ボタンa17をクリックすれば、色指定データを変更可能である。
【0104】
欄7では、立体形状テンプレートが選択された場合の情報が表示される。なお、図15では、立体形状のテンプレートは選択されていないので、ラジオボタンa18にチェックが入っていない。もし、立体形状テンプレートが選択されていれば、欄a71には、立体形状テンプレート情報及び被加工素材情報が表示される。たとえば、立体形状のテンプレートが「フレームA」でかつ被加工素材情報が「ガラス」である旨が表示される。対話式入力の当初、立体形状テンプレートを指定していなかったとして、図15の画面が表示されている段階で、ラジオボタンa18をチェックすれば、欄a7に示すように、プルダウンメニューの中から、テンプレート等を指定することができる。理解を助けるために、図15では、全てのプルダウンメニューが開いている状態を示している。
【0105】
本実施形態では、立体形状のテンプレートを指定した場合、煩雑さを避けるため、領域指定及び色指定は、予め決められたテンプレート(領域指定テンプレート・色テンプレート)の中から選択するようにする。ただし、これに限定されず、オリジナルの領域指定及び色指定が行われるようにしてもよい。欄a72に表示される項目が、領域指定テンプレート情報となる。欄a73に表示される項目が色指定テンプレート情報となる。欄a74は、欄a3と同様に、加工方法が表示される。
【0106】
このように、図15を参照することによって、送信データの内容及び送信データに添付されるファイル(原稿データ、被加工素材データ、領域指定データ、及び色指定データ)を確認することができる。確認の結果、送信してもよければ、ボタンa18をクリックして、第1の通信装置1は、送信データ及び添付フィルを第2の通信装置2に送信する。
【0107】
図16は、デザインデータの一例を示す図である。第2の通信装置2は、第1の通信装置1から受信した原稿データの内、オペレータからの指示に応じて、不要な部分をトリミングし、網点画像を得て、当該網点画像又は当該網点画像を反転させた画像から単色又は複数色の画像データを得て、当該画像データからデザインデータを得る。図16に示した例では、図5(a)に示した原稿データについて、トリミングを行わず、網点処理を施して網点画像を得て、網点部分を黒色にし、反転処理を行って網点部分を白色にしている。たとえば、表面特性情報の内、表面色を変更するようなテクスチャマッピングを使用する場合、白い部分が白色の表面色となり、黒い部分の表面特性は変更しないこととする。その他の表面特性情報を用いる場合については、図29を用いて後述する。
【0108】
図17は、センター側プログラムを実行中の第2の通信装置2に表示されるユーザインターフェイスの一例を示す図である。図17において、欄b1では、ステップS201で認証されたユーザに関する情報が表示される。欄b2では、第1の通信装置1から送信されてきた原稿データが表示される。欄b3では、被加工素材データに対応する画像又は立体形状テンプレート情報に対応する画像が表示される。なお、図17では、被加工素材データに対応する画像が表示されている。欄b4では、加工方法情報で指定されている加工方法が表示される。欄b5では、被加工素材情報で指定されている材質が表示される。欄b6では、領域指定データに対応する画像又は領域指定テンプレート情報に対応する画像が表示される。なお、図17では、領域指定データに対応する画像が表示されている。
【0109】
ボタンb20をクリックすると、画像処理ソフトと同様の機能を有するサブルーチンが立ち上がり、デザインデータを作成することができる。ここでは、既に、図16に示すようなデザインデータが作成されていたとする。
【0110】
ボタンb21をクリックすると、三次元データを作成することができる。立体形状のタイプとしてテンプレートを用いていない場合、ユーザは、欄b3に表示されている被加工素材データに対応する画像を閲覧しながら、正面図用ウインドウb8、底面図用ウインドウb9、及び右側面図用ウインドウb10を用いて、一般的な3DCGソフトと同様にして、被加工素材の立体形状をモデリングして、三次元データを作成する。立体画像ウインドウb11には、モデリングされた立体形状の画像がワイヤーフレーム、隠線処理、又は隠面処理等によって、適宜、簡易的に表示される。ボタンb29の矢印を適宜クリックして、立体画像ウインドウb11に表示される画像を見る視点を上下左右することができる。
【0111】
ボタンb28をクリックすれば、データを適宜保存できる。ボタンb22をクリックして、被加工素材情報を指定することができる。デフォルトでは、第1の通信装置1から送信されてき被加工素材情報が指定されている。ボタンb22のクリックの後、被加工素材情報が変更されれば、欄b5の材質が変更後の材質となる。
【0112】
ボタンb23をクリックすれば、デザインデータを選択することができる。デフォルトでは、ボタンb20をクリックして直近に作成されたデザインデータが指定されているが、ボタンb23をクリックして、保存されている他のデザインデータを指定することもできる。
【0113】
ボタンb24をクリックすれば、ウインドウb8〜b11に表示される三次元データを指定することができる。デフォルトでは、ボタンb21をクリックして直近に作成されたカレントの三次元データが表示されている。ボタンb24をクリックして、保存されている他の三次元データに画面表示を切り替えることができる。ボタンb26をクリックすると、加工方法を選択することができる。デフォルトでは、第1の通信装置1から送信されてきた加工方法情報が指定されている。ボタンb26をクリックして加工方法を変更すれば、欄b4には、変更後の加工方法が表示される。
【0114】
図18は、テクスチャマッピングする領域を指定する段階における第2の通信装置2における画面例を示す図である。ボタンb25をクリックすると、テクスチャマッピングするための領域を指定することができる。まず、正面図ウインドウb8において、領域の対象となるポリゴンc1(図上網掛けになっている部分)を指定する。次に、正面図ウインドウb8において、テクスチャマッピングを行うべき領域c2(図上点線になっている部分)を指定する。正面図ウインドb8と連携して、立体画像ウインドウb11に、テクスチャマッピングの領域が示されている。
【0115】
領域の指定が完了したら、ボタンb30をクリックして、テクスチャマッピングされたときのイメージを確認することができる。図19は、ボタンb30をクリックしたときの画面例を示す図である。なお、作図上の問題から、猫の図柄は簡易化している記載してある。立体画像ウインドウb11に、デザインデータがテクスチャマッピングされたときの様子が簡易的に示されている。この段階では、レンダリングは行われていないが、立体画像ウインドウb11には、デザインデータが領域に投影され、実際にテクスチャマッピングされたときのイメージが簡易的に表示される。
【0116】
その後、ボタンb27をクリックして、最終的なレンダリングを行って、二次元画像を得る。
【0117】
図20は、立体形状テンプレートが用いられた場合の表示画面の例を示す図である。図20は、上述の図19の段階の画面と同様である。立体形状テンプレートが用いられる場合、欄b3には、テンプレートとして「ワインボトル」が使用されていることが表示され、かつ、ワインボトルの立体画像が表示されている。第2の通信装置2は、領域テンプレートデータベースを参照して、領域指定テンプレート情報に対応する画像データを読み込み、欄b6に表示する。第2の通信装置2は、色テンプレートデータベースを参照して、色指定テンプレート情報に対応する情報を欄b7に表示する。「赤+青」は、たとえば、字の部分が赤、絵の部分が青といったことを意味する。色指定のタイプの決め方は、適宜決めれば良く特に限定されない。
【0118】
図20では、ワインボトルの立体形状テンプレートが使用されている。当該テンプレートに対応するワインボトルの三次元データは、予め、第2の通信装置2の立体形状テンプレートデータベースに格納されている。したがって、第2の通信装置2は、立体形状テンプレート情報に対応する三次元データを読み出して、ウインドウb8〜b11に表示する。第2の通信装置2は、ウインドウb8〜b11への表示の後、領域テンプレートデータベースを参照して、領域指定テンプレート情報に対応するポリゴンc3(ここでは、複数のポリゴン)及びポリゴン上の領域c4(点線で表されている)を認識し、ウインドウb8に領域を示す。次に、第2の通信装置2は、選択されているデザインデータを当該領域にテクスチャマッピングされたときの様子を、ウインドウb11に簡易的に表示する。その後、ボタンb27をクリックして、最終的なレンダリングを行って、二次元画像を得る。
【0119】
図21は、図4におけるステップS101〜S104までの第1の通信装置1の動作の詳細を示すフローチャートである。以下、図21を参照しながら、クライアントプログラムを実行中の第1の通信装置1の動作の詳細について説明する。
【0120】
クライアントプログラムを実行中、第1の通信装置1は、ユーザとの対話形式によって、必要なデータを作成する。なお、原則的には、被加工素材データ、領域指定データ、及び色指定データは、事前に画像処理ソフトなどを使用して作成されていることとする。
【0121】
まず、第1の通信装置1は、原稿データを指定するように促す表示を行う(ステップS301)。具体的には、第1の通信装置1は、原稿データが保存されているファイル名を指定することができるような画面を表示する。その表示に応じて、ユーザによって、画像データが指定される。第1の通信装置1は、ユーザから指定された原稿データを保存する(ステップS302)。なお、原稿データが未だ作成されていない場合、第1の通信装置1は、ユーザからの指示に応じて、ペイントソフトやドローソフトなどの画像処理ソフトを立ち上げ、原稿データを作成するように促してもよい。
【0122】
次に、第1の通信装置1は、立体形状データとして、テンプレートを用いるか、それともオリジナルのデータを用いるかを問うような表示を行う(ステップS303)。その表示に応じて、ユーザは、テンプレートかオリジナルかを選択する。
【0123】
ステップS303において、オリジナルが選択された場合、第1の通信装置1は、被加工素材データを指定するように促す表示を行う(ステップS304)。具体的には、第1の通信装置1は、被加工素材データが保存されているファイル名を指定することができるような画面を表示する。その表示に応じて、ユーザによって、被加工素材データが指定される。第1の通信装置1は、ユーザから指定された被加工素材データを保存する(ステップS305)。なお、被加工素材データが未だ作成されていない場合、第1の通信装置1は、ユーザからの指示に応じて、画像処理ソフトなどを立ち上げて、被加工素材データを作成するように促してもよい。
【0124】
次に、第1の通信装置1は、彫刻を施す領域を指定するように促す表示を行う(ステップS306)。具体的には、第1の通信装置1は、領域指定データが保存されているファイル名を指定することができるような画面を表示する。その表示に応じて、ユーザによって、領域指定データが指定される。第1の通信装置1は、ユーザから指定された領域指定データを保存する(ステップS307)。なお、領域指定データが未だ作成されていない場合、第1の通信装置1は、ユーザからの指示に応じて、画像処理ソフトなどを立ち上げて、領域指定データを作成するように促してもよい。
【0125】
次に、第1の通信装置1は、彫刻されるデザインの色を指定するように促す表示を行う(ステップS308)。具体的には、第1の通信装置1は、色指定データが保存されているファイル名を指定することができるような画面を表示する。その表示に応じて、ユーザによって、色指定データが指定される。第1の通信装置1は、ユーザから指定された色指定データを保存する(ステップS309)。なお、色指定データが未だ作成されていない場合、第1の通信装置1は、ユーザからの指示に応じて、画像処理ソフトなどを立ち上げて、色指定データを作成するように促してもよい。
【0126】
次に、第1の通信装置1は、加工方法を選択するように促す表示を行う(ステップS310)。具体的には、第1の通信装置1は、選択しうる加工方法をすべて表示して、選択する加工方法をチェックしてもらうような表示を行う。その表示に応じて、ユーザによって、加工方法が選択されたら、第1の通信装置1は、当該加工方法を識別するための情報を加工方法情報として保存する。なお、選択することができる加工方法は、加工技術の発展と共に増えていくので、第1の通信装置1は、第2の通信装置2と通信することによって、選択できる加工方法を更新することができる。
【0127】
次に、第1の通信装置1は、被加工素材の材質を指定するように促す表示を行う(ステップS311)。具体的には、第1の通信装置1は、選択しうる材質をすべて表示し、選択する材質をチェックしてもらうような表示を行う。その表示に応じて、ユーザによって、材質が選択されたら、第1の通信装置1は、当該材質を識別するための情報を被加工素材情報として保存する。なお、選択し得る材質について、第1の通信装置1は、第2の通信装置2と通信することによって、更新することができる。
【0128】
次に、第1の通信装置1は、保存されている被加工素材データのファイル名、領域指定データのファイル名、色指定データのファイル名、加工方法情報、及び被加工素材情報に基づいて、図14に示した送信データを作成する(ステップS312)。その後、送信データの作成がすべて完了した段階で、第1の通信装置1は、被加工素材データ、領域指定データ、及び色指定データを添付した送信データを第2の通信装置2に送信する(図4のステップS105及びS106参照)。
【0129】
一方、ステップS303において、テンプレートが選択された場合、第1の通信装置1は、立体形状テンプレート情報のデータベースを参照して、立体形状テンプレートの内容を示す概略的な画像(以下、テンプレート画像という)を表示し、どの立体形状を使用するかの指定を促す表示を行う(ステップS313)。具体的には、テンプレート画像は、「置物」、「記念品」、「ブライダル」、「トロフィー」などのように分類分けされており、第1の通信装置1は、当該分類分け毎に、立体形状のテンプレート画像を閲覧できるように表示し、選択するテンプレートをチェックできるようにするとよい。その表示に応じて、ユーザは、使用する立体形状テンプレートを指定する。第1の通信装置1は、指定された立体形状テンプレートを識別するための情報を立体形状テンプレート情報として、保存する(ステップS314)。
【0130】
次に、第1の通信装置1は、領域指定テンプレート情報のデータベースを参照して、選択された立体形状テンプレートに対応する領域指定テンプレートの内容を示す概略的な画像を全て表示し、どの領域を使用するのかの指定を促す表示を行い、ユーザに選択させる。第1の通信装置1は、選択された領域指定テンプレートを識別するための情報を領域指定テンプレート情報として保存する(ステップS315)。
【0131】
次に、第1の通信装置1は、色指定テンプレート情報のデータベースを参照して、選択された立体形状テンプレートに対応する色指定テンプレートの内容を示す概略的な画像を全て表示し、どの色指定を使用するのかの指定を促す表示を行い、ユーザに選択させる。第1の通信装置1は、選択された色指定のテンプレートを識別するための情報を色指定テンプレート情報として保存する(ステップS316)。
【0132】
その後、第1の通信装置1は、ステップS310及びS311の動作に進み、加工方法情報、及び被加工素材情報を取得し、保存する。その際、第1の通信装置1は、選択されている立体形状テンプレートにおいて用いることができる加工方法及び被加工素材を選択できるようにする。そして、第1の通信装置1は、ステップS312の動作に進み、送信データを送信する。
【0133】
図22は、図4のステップS203における第2の通信装置2の動作の詳細を示すフローチャートである。以下、図22を参照しながら、ステップS203における第2の通信装置2の動作の詳細について説明する。ステップS203において、第2の通信装置2は、対話式によって、オペレータとやりとりする。
【0134】
まず、第2の通信装置2は、第1の通信装置1の送信データを参照して、添付されている原稿データのファイル名を認識し、対応するファイル名の原稿データの画像を表示する(ステップS401)。当該画像の表示の際、表示された画像が編集できるように、第2の通信装置2は、画像処理ソフトと連携して、原稿データを表示する。
【0135】
次に、第2の通信装置2は、トリミング処理を必要に応じて行うように促す表示を行う(ステップS402)。ユーザは、必要に応じてトリミング処理を行い、処理を次に進めるように、第2の通信装置2に指示する。
【0136】
ユーザからの指示に応じて、第2の通信装置2は、送信データ内の加工方法情報を参照して、網点加工方法であるか、カッティング加工方法であるかを認識する(ステップS403)。網点加工方法である場合、第2の通信装置2は、トリミング処理後の原稿データを網点処理し、網点画像を得る(ステップS404)。次に、第2の通信装置2は、送信データ内の加工方法情報を参照して、彫り方を確認する(ステップS405)。
【0137】
第2の通信装置2は、彫り方に応じて、以下のような処理を行う(ステップS406)。
(1)彫り方が「平彫り」である場合、第2の通信装置2は、網点画像を反転処理することなくステップS409の動作に進む。
(2)彫り方が「面彫り」である場合、第2の通信装置2は、網点画像を反転処理すると共に、輪郭線を抽出する処理を行って、ステップS409の動作に進む。輪郭線の抽出は、画像認識技術を用いて、自動的に行われても良いし、オペレータの入力によって行われても良い(以下同様)。
(3)彫り方が「線彫り」である場合、第2の通信装置2は、輪郭線のみを抽出し、輪郭線以外の網点部分は削除する処理のみを行って、ステップS409の動作に進む。
(4)彫り方が「フォトエッチング」である場合、第2の通信装置2は、網点画像を反転処理し、ステップS409の動作に進む。
(5)彫り方が「二段彫り」である場合、第2の通信装置2は、輪郭線を抽出し、網点部分はそのまま残す処理を行って、ステップS409の動作に進む。
(6)彫り方が「多段彫り」である場合、第2の通信装置2は、輪郭線を抽出し、網点部分はそのまま残す処理を行うと共に、輪郭線で囲まれた部分の深さを指定する処理を行って、ステップS409の動作に進む。
(7)彫り方が「ぼかし彫り」である場合、第2の通信装置2は、輪郭線を抽出し、網点部分はそのまま残す処理を行うと共に、輪郭線で囲まれた部分の網点に色のグラデーションを加える指定する処理を行って、ステップS409の動作に進む。
(1)〜(7)の処理は、適宜、オペレーターの指示に基づいて、修正可能である。
【0138】
一方、ステップS403において、カッティング加工方法であると認識した場合、第2の通信装置2は、送信データ内の加工方法情報を参照して、彫り方を確認する(ステップS407)。
【0139】
第2の通信装置2は、彫り方に応じて、以下のような処理を行う(ステップS408)。
(1)彫り方が「平彫り」である場合、第2の通信装置2は、網点画像を反転処理することなくステップS409の動作に進む。
(2)彫り方が「面彫り」である場合、第2の通信装置2は、網点画像を反転処理すると共に、輪郭線を抽出する処理を行って、ステップS409の動作に進む。輪郭線の抽出は、画像認識技術を用いて、自動的に行われても良いし、オペレータの入力によって行われても良い(以下同様)。
(3)彫り方が「線彫り」である場合、第2の通信装置2は、輪郭線のみを抽出し、輪郭線以外の網点部分は削除する処理のみを行って、ステップS409の動作に進む。
(4)彫り方が「二段彫り」である場合、第2の通信装置2は、輪郭線を抽出し、網点部分はそのまま残す処理を行って、ステップS409の動作に進む。
(5)彫り方が「多段彫り」である場合、第2の通信装置2は、輪郭線を抽出し、網点部分はそのまま残す処理を行うと共に、輪郭線で囲まれた部分の深さを指定する処理を行って、ステップS409の動作に進む。
(6)彫り方が「ぼかし彫り」である場合、第2の通信装置2は、輪郭線を抽出し、網点部分はそのまま残す処理を行うと共に、輪郭線で囲まれた部分の網点に色のグラデーションを加える指定する処理を行って、ステップS409の動作に進む。
(1)〜(6)の処理は、適宜、オペレーターの指示に基づいて、修正可能である。
【0140】
ステップS409において、第2の通信装置2は、送信データ内の立体形状タイプに基づいて、立体形状がオリジナルであるかテンプレートであるかを確認する。オリジナルである場合、第2の通信装置2は、ステップS410の動作に進む。一方、テンプレートである場合、第2の通信装置2は、ステップS412の動作に進む。
【0141】
ステップS410において、第2の通信装置2は、送信データを参照し、色指定データのファイル名を認識して、添付されている色指定データを読み込む。次に、第2の通信装置2は、当該色指定データを表示する(ステップS411)。
【0142】
一方、ステップS412において、第2の通信装置2は、送信データ内の色指定テンプレート情報を参照して、色指定テンプレートの識別子を認識する。次に、第2の通信装置2は、色テンプレートデータベースを参照して、認識した識別子に対応する色テンプレートデータを読み込んで、色テンプレートを表示する(ステップS413)。色テンプレートは、図柄が赤色、文字が青色のような文字情報であってもよし、具体的な図柄を例に、色のイメージを表した画像であってもよい。
【0143】
次に、第2の通信装置2は、ステップS409までに得られた画像に対して、色処理を施すようにユーザに促す表示を行う。それに応じて、ユーザは、当該画像の色を変更する。第2の通信装置2は、ユーザが行った色指定の結果得られた画像を一時保存する(ステップS414)。
【0144】
次に、第2の通信装置2は、ステップS414の結果得られた画像を、テクスチャマッピング可能な所定のフォーマットに変換してデザインデータを作成して、作成したデザインデータを保存する(ステップS415)。
【0145】
図23は、図4のステップS204における第2の通信装置2の動作の詳細を示すフローチャートである。以下、図23を参照しながら、図4のステップS204における第2の通信装置2の動作の詳細について説明する。
【0146】
まず、第2の通信装置2は、送信データ内の立体形状タイプを参照して、立体形状テンプレートが使用されているか否かを判断する(ステップS501)。テンプレートが使用されている場合、第2の通信装置2は、送信データを参照して、立体形状テンプレート情報を認識する(ステップS502)。次に、第2の通信装置2は、認識した立体形状テンプレートに対応する三次元データを、立体形状立体形状テンプレートデータベースから取得して(ステップS503)、ステップS504の動作に進む。ステップS503の際、第2の通信装置2は、図20の欄b3に示したように、テンプレートが使用されている旨を表示してもよい。
【0147】
なお、立体形状のテンプレートは、完成品の立体形状を表すものに限られない。平面板や曲面形状など、被加工素材データの一部が立体形状のテンプレートとして用いられていても良い。たとえば、被加工素材がテーブルのように大きく複雑な形状である場合、被加工素材データを作成するのは大変であるし、また、モデリングを行って正確な三次元データを取得するのは難しい。そのような場合、平面板のテンプレートを利用して、当該テンプレートに対応する三次元データに、デザインデータをテクスチャマッピングすれば、あたかもテーブルの天板に彫刻が施されたかのような加工後のイメージを十分に得ることができる。このように、立体形状の一部がテンプレート化されていてもよい。
【0148】
一方、テンプレートが使用されていない場合、第2の通信装置2は、送信データ内の被加工素材データファイル名を参照し、対応する被加工素材データを読み込み(ステップS505)、対応する画像を表示する(ステップS506)。たとえば、図17に示す例では、対応する画像が、欄b3に、表示されている。次に、第2の通信装置2は、表示されている画像に対応する三次元データを作成するようにユーザに促す表示を行い、手動によるモデリング処理を実行させる(ステップS507)。モデリング処理が完了すると、第2の通信装置2は、モデリングの結果を三次元データとして取得し(ステップS508)、ステップS504の動作に進む。
【0149】
なお、モデリング処理を行う際、被加工素材データに撮影されている被加工素材の立体形状の全てをモデリングする必要はない。たとえば、テーブルなどのように複雑な形状を有する場合、彫刻が施される天板の形状のみをモデリングして、三次元データを得て、当該三次元データにデザイン画像をテクスチャマッピングすれば、あたかもテーブルの天板に彫刻が施されたかのような加工後のイメージを得ることができる。このように、立体形状の一部をモデリングしてもよい。
【0150】
ステップS504において、第2の通信装置2は、ステップS503又はS508で得られた三次元データに基づいて、立体形状を表示する。たとえば、図17のウインドウb11や、図20のウインドウb11に示すように立体形状がワイヤーフレーム、隠線処理、又は隠面処理などの簡易的な方法で表示される。
【0151】
図24は、図4のステップS205における第2の通信装置2の動作を詳細に示すフローチャートである。以下、図24を参照しながら、図4のステップS205における第2の通信装置2の動作の詳細について説明する。
【0152】
まず、第2の通信装置2は、送信データを参照して、被加工素材情報を認識する。また、図17のボタンb22がクリックされて被加工素材情報が変更された場合、送信データ内の被加工素材情報を変更する(ステップS601)。なお、この際、第2の通信装置2は、変更前の送信データと変更後の送信データとが区別できるように送信データを保存してもよい。
【0153】
次に、第2の通信装置2は、彫刻をなしたい加工表面を、表示されている三次元データ上で指定するように促す表示を行い、ユーザに加工表面を指定させる(ステップS602)。次に、第2の通信装置2は、被加工素材情報表面特性データベースを参照して、指定された被加工素材情報に対応する表面特性情報を読み込む(ステップS603)。被加工素材情報表面特性データベースには、被加工素材の材質に対応させて、表面特性情報が定義されている。
【0154】
次に、第2の通信装置2は、ステップS603で読み込んだ表面特性情報を加工表面の表面特性として指定する(ステップS604)。次に、第2の通信装置2は、被加工素材データに対応する画像を表示し、スポイトなどの色を抽出する処理を利用して、加工表面以外の質感を取得し、加工表面以外の表面特性を指定する(ステップS605)。ステップS605での指定は、モデリングされている各ポリゴンについて行われる。なお、ステップS601〜S605の処理は、オペレータによって、適宜修正可能である。
【0155】
次に、第2の通信装置2は、表面特性の指定を三次元データに反映させて(ステップS606)、反映後の三次元データを保存する(ステップS607)。
【0156】
図25は、図4のステップS206における第2の通信装置2の動作の詳細を示すフローチャートである。以下、図25を参照しながら、図4のステップS206における第2の通信装置2の動作の詳細について説明する。
【0157】
まず、第2の通信装置2は、送信データを参照して、立体形状タイプを認識し、オリジナルであるか、テンプレートであるかを認識する(ステップS701)。オリジナルである場合、第2の通信装置2は、送信データ内で指定されている領域指定データを読み込み(ステップS702)、領域指定データに対応する画像を表示する(ステップS703)。たとえば、図17の欄b6に示されているように領域指定データに対応する画像が表示される。次に、第2の通信装置2は、加工が施される面に対応するポリゴン及び領域を指定するようにユーザに促す表示を行い、ユーザの入力に応じて、ポリゴン及び領域を指定する(ステップS704)。なお、ステップS704で指定されるポリゴンは、ステップS602で指定された加工表面と一致する。たとえば、図18のウインドウb8に示されているように、ポリゴンc1及び領域c2が指定される。その後、第2の通信装置2は、ステップS708の動作に進む。
【0158】
一方、ステップS701において、立体形状タイプがテンプレートである場合、第2の通信装置2は、送信データを参照して、領域指定テンプレート情報を認識し(ステップS705)、領域テンプレートデータベースを参照して、対応する領域指定テンプレートを表示する(ステップS706)。たとえば、図20の欄b6に示されているように、領域のテンプレートが表示される。次に、第2の通信装置2は、加工が施される面に対応するポリゴン及び領域を指定するようにユーザに促す表示を行い、ユーザの入力に応じて、ポリゴン及び領域を指定する(ステップS707)。たとえば、図20のウインドウb8に示されているように、複数のポリゴンc3及び領域c4が指定される。その後、第2の通信装置2は、ステップS708の動作に進む。
【0159】
ステップS708において、ステップS704又はS707で指定されたポリゴン及び領域をテクスチャマッピング領域データとして保存する。
【0160】
図26は、図4のステップS207における第2の通信装置2の動作の詳細を示すフローチャートである。以下、図26を参照しながら、図4のステップS207における第2の通信装置2の動作の詳細について説明する。
【0161】
まず、第2の通信装置2は、送信データ内の加工方法情報に基づいて、加工方法を認識し(ステップS801)、認識した加工方法を表示する(ステップS802)。たとえば、図18では、欄b4に加工方法が表示されている。
【0162】
次に、第2の通信装置2は、加工方法の訂正の有無を判断する(ステップS803)。加工方法の訂正があった場合、第2の通信装置2は、送信データ内の加工方法情報を変更する(ステップS804)。なお、この際、第2の通信装置2は、変更前の送信データと変更後の送信データとが区別できるように送信データを保存してもよい。たとえば、図18のボタンb26をクリックして、加工方法の変更を行うことができる。次に、第2の通信装置2は、最終的な加工方法を一時記憶する(ステップSS805)。
【0163】
図27は、図4のステップS208における第2の通信装置2の動作の詳細を示すフローチャートである。以下、図27を参照しながら、図4のステップS208における第2の通信装置2の動作の詳細について説明する。
【0164】
まず、第2の通信装置2は、ステップS415で取得されたデザインデータを読み込み(ステップS901)、ステップS607で取得した三次元データを読み込み(ステップS902)、ステップS708で取得したテクスチャマッピング領域データ読み込む(ステップS903)。次に、第2の通信装置2は、ステップS601で得られた被加工素材情報を読み込む(ステップS904)。
【0165】
ここで、サンドブラストによる彫刻が行われたときの加工表面の色や輝度について考える。加工表面がガラスであれば、彫刻された表面は白っぽくなり、拡散反射が大きくなり、鏡面反射が小さくなり、透明度が落ちるがある程度の透明性は残る。加工表面がステンレスであれば、彫刻された表面は白っぽくなり、拡散反射が大きくなり、鏡面反射は小さくなり、透明度は加工前と変わらない。ガラスとステンレスとでは、拡散反射率や鏡面反射率は異なる。同じ白っぽい表面色でも微妙に色は異なる。したがって、デザインデータに基づいて一律に加工領域の表面特性情報を変化させるのでは、リアルさに欠ける場合がある。そこで、加工領域の材質に応じて、表面特性情報の変化量を調整すれば、彫刻後の状態をよりリアルに再現することが可能である。そのため、第2の通信装置2は、材質に応じて表面特性の変化量を定義している材質−表面特性変化量データベースを参照して、ステップS904で読み込まれた材質に対応する表面特性の変化量を認識する(ステップS905)。図28は、材質−表面特性変化量データベースの一例を示す図である。図28に示すように、ガラスやステンレスといった材質毎に、デザインデータの色に対応させた表面特性の変化量が定義されている。なお、材質−表面特性変化量データベースは、大抵の場合、経験値によって得られる。
【0166】
次に、第2の通信装置2は、ステップS805で取得した加工方法を認識する(ステップS906)。次に、第2の通信装置2は、加工方法に応じて、テクスチャマッピングの方法を選択する(ステップS907)。
【0167】
図29は、ステップS907における第2の通信装置2の動作の詳細を示すフローチャートである。第2の通信装置2は、ステップS906で認識された加工方法が、「平彫り、面彫り、線彫り、又はフォトエッチング」であるか、「二段彫り」であるか、「ぼかし彫り」であるか、「多段彫り」であるかを判断する。「平彫り、面彫り、線彫り、又はフォトエッチング」である場合、ステップS905で認識された表面特性情報の変化量に基づいて、表面色、拡散反射率、鏡面反射率、又は透明率の少なくともいずれか一つを変化させるテクスチャマッピングであるところのイメージマッピングを選択する(ステップS1002)。どの表面特性を変化させるかは、材質−表面特性変化量データベースで予め決められている。ただし、その都度オペレーターが指定しても良い。
【0168】
「二段彫り」である場合、第2の通信装置2は、ステップS1002で定義されたイメージマッピングに加えて、加工領域の輪郭の法線を彫刻される面の内側に傾けるバンプマッピングを選択する(ステップS1003)。次に、第2の通信装置2は、法線を傾ける加工領域の輪郭線を画像認識技術によって認識し、どの領域の法線をどのように傾けるかを一時記憶しておく(ステップS1004)。たとえば、第2の通信装置2は、輪郭線を認識し、輪郭線に相当する部分の法線は、デザイン画像の内側に垂直に傾かせる。加工領域の輪郭の法線を傾けることによって、あたかも輪郭の内側に凹みが出来ているかのようなレンダリングを施すことができる。
【0169】
「ぼかし彫り」である場合、第2の通信装置2は、ステップS1002で定義されたイメージマッピングに加えて、加工領域の法線をデザインデータに施されたグラデーションに応じて傾かせるバンプマッピングを選択する(ステップS1005)。第2の通信装置2は、グラデーションの色の値に応じて、法線の傾け量を定義しており、色に応じた法線の傾け量を一時記憶しておく(ステップS1006)。たとえば、第2の通信装置2は、白から黒へのグラデーションを用いる場合、白に近いほど法線を傾けるというルールによって、法線の傾け量を一時記憶しておく。加工領域の法線をグラデーションに応じて傾けることによって、あたかも加工領域の凹みが連続的に変化しているかのうようなレンダリングを施すことができる。
【0170】
「多段彫り」である場合、第2の通信装置2は、ステップS1002で定義されたイメージマッピングに加えて、領域のポリゴンを細分化し、多段彫りの凹凸に応じて当該ポリゴンの高さを変化させる変位マッピングを行う(ステップS1007)。第2の通信装置2は、デザインデータの色の濃さによって、段彫りの深さを認識し、変位マッピングの際のポリゴンの高さを認識して一時記憶しておく(ステップS1008)。たとえば、第2の通信装置2は、白から黒への色の違いによって段彫りの深さを認識する場合、黒に近いほど、ポリゴンの高さを低くするといったルールによって、ポリゴンの高さを一時記憶しておく。加工領域のポリゴンの高さが変化するので、実際、多段彫りされたときの凹凸が表現されてレンダリングされることとなる。
【0171】
法線の傾き量及び変位マッピングの際のポリゴンの高さも表面特性として扱う。
【0172】
ステップS907の後、第2の通信装置2は、ステップS708で得られたテクスチャマッピング領域指定データで指定されている加工領域を認識する。第2の通信装置2は、ステップS902で読み込まれた三次元データの内、認識した加工領域における表面特性情報を、ステップS905及びステップ907で得られた表面特性(表面色、拡散反射率、鏡面反射率、透明率、法線の傾き量、変位マッピングの際のポリゴンの高さ)の変化量に基づいて変化させる(ステップS908)。
【0173】
次に、第2の通信装置2は、オペレータが希望するのであれば、第2の通信装置2は、表面特性の修正に応じ、ステップS908で変化させた表面特性情報をさらに変化させる(ステップS909)。
【0174】
そして、第2の通信装置2は、視点及び光源を指定し(ステップS910)、たとえばレイトレーシング法によってレンダリングし(ステップS911)、レンダリングによって得られた二次元画像を保存する(ステップS912)。第2の通信装置2は、別の視点から二次元画像を得たい旨の指示がオペレータからあった場合、ステップS910の動作に戻る(ステップS913)。必要な一以上の二次元画像が得られたら、第2の通信装置2は、図4のステップS209の動作に進み、得られた二次元画像を第1の通信装置1に送信する。
【0175】
図30は、二次元画像を受信した後の第1の通信装置1の動作を示すフローチャートである。以下、図30を参照しながら、二次元画像を受信した後の第1の通信装置1の動作について説明する。
【0176】
第1の通信装置1は、受信した二次元画像を表示し(ステップS1101)、修正の必要があるか否かをユーザに問い合わせる表示を行い、修正の指示があるか否かを判断する(ステップS1102)。修正の指示がある場合、第1の通信装置1は、画像処理ソフトを立ち上げて(ステップS1103)、修正の指示を当該二次元画像に書き込むように表示し、ユーザによって修正指示が入力され(ステップS1104)、修正指示が書き込まれた二次元画像を保存し(ステップS1105)、修正された二次元画像のデータ(修正データ)を第2の通信装置2に送信する(ステップS1106)。
【0177】
図31は、修正データを受信した後の第2の通信装置2の動作を示すフローチャートである。以下、図31を参照しながら、修正データを受信した後の第2の通信装置2の動作について説明する。
【0178】
第2の通信装置2は、修正データを受信し(ステップS1201)、修正データを表示する(ステップS1202)。第2の通信装置2は、図19や図20のように、デザイン画像が簡易的に立体形状に貼り付けれた画面を表示して、適宜、デザインデータ、三次元データ、被加工素材情報、加工領域、加工方法の修正をオペレータに促す(ステップ
1203)。修正の後、第2の通信装置2は、レンダリングを行い(ステップS1204)、二次元画像データを保存して、第1の通信装置1に送信する(ステップS1205)。
【0179】
本実施形態によれば、被加工素材上でデザインを施したい領域にデザインデータがテクスチャマッピングされ、レンダリングによって得られた二次元画像が第1の通信装置1に送信されることとなる。したがって、第1の通信装置1側で、被加工素材の加工後のイメージを確認することができる。特に、サンドブラストによって、被加工素材を彫刻する場合、被加工素材を彫刻することとなるので、加工するか否かには、慎重な判断を要する。本実施形態を用いれば、加工後の彫刻をイメージすることができ、加工をするか否かの判断に有効に使える。
【0180】
網点画像を用いて彫刻する方法は、従来のサンドブラストによる彫刻方法である。この網点画像を元に、反転処理や着色処理を組み合わせて、デザインデータを作成すれば、テクスチャマッピングした際、実際に彫刻されたときに近い二次元画像が得られる。二次元画像のリアリティを追求するという面で、有効である。たとえば、平彫り、面彫り、線彫り、フォトエッチング、エッチングカラー(平彫り、面彫り、線彫り、フォトエッチングに着色を施した加工方法のこと)に有効である。
【0181】
画像認識によって、輪郭部分が表現されることにより、線彫りを用いた場合に、二次元画像を実際の加工後のイメージに近づけることができる。
【0182】
本実施形態によれば(ステップS407〜S408参照)、網点処理を利用しないような彫刻方法、たとえば、カッティングプロッターを使用して平彫りや面彫り、線彫り、エッチングカラーなどを行う場合にも、二次元画像を加工後のイメージに近づけることができる。
【0183】
表面特性情報として、表面色、拡散反射率、鏡面反射率、又は透明率の少なくともいずれか一つを用いることにより、テクスチャマッピングのリアリティが向上する。また、被加工素材の材質の違いに応じて、表面特性情報の変化量を変更することで、材質に応じたテクスチャマッピングが行われることとなり、よりリアリティが増すこととなる。
【0184】
バンプマッピングや変位マッピングによって、凹凸感を表現することができ、深さを変えた彫り方に有用である。
【0185】
被加工素材の立体形状をテンプレート化することによって、第2の通信装置2において、いちいちモデリングを行う手間を省くことができる。したがって、二次元画像を迅速に提供することができるようになる。
【0186】
(変形例)
図32は、テンプレートを用いて原稿データを作る場合の第1の通信装置1の動作を示す図である。以下、テンプレートを用いて原稿データを作る場合の第1の通信装置1の動作について説明する。図32に示す動作は、図4のステップS101において行われるとよい。
【0187】
まず、第1の通信装置1は、原稿のテンプレート(以下、原稿テンプレートという)を使用するか否かを問い合わせるように表示し、使用が指示されたか否かを判断する(ステップS1301)。使用が指示されていない場合、第1の通信装置1は、オリジナルの画像の取り込み(ステップS1302)、色の指定(ステップS1303)、文字の入力(ステップS1304)をユーザに行わせて、原稿データを完成し、保存する(ステップS1305)。
【0188】
一方、原稿テンプレートの使用が指示された場合、第1の通信装置1は、原稿テンプレートを表示し(ステップS1306)、原稿テンプレートをユーザに選択させ(ステップS1307)、色の指定(ステップS1308)、文字の入力及びオリジナル画像の貼り付け(ステップS1309)をユーザに行わせ、原稿データを完成し、保存する(ステップS1305)。
【0189】
図33は、第1の通信装置1においても三次元画像を表示することができるようにした場合の第1の通信装置1及び第2の通信装置2の動作を示すシーケンス図である。本実施形態と同様にして、第2の通信装置2は、デザインデータ、三次元データ、被加工素材情報、テクスチャマッピング領域データ、加工方法情報を作成したとして、これらのデータを第1の通信装置1に送信する(ステップS1401)。
【0190】
第1の通信装置は、これらデータを受信し(ステップS1402)、隠面処理しながら、簡易的な三次元表示を行う(ステップS1403)。この際、三次元画像を適宜回転させることができるか、又は所定の角度から閲覧できるようになっている。第1の通信装置は、ユーザからの指示に応じて、レンダリングするか否かを判断し(ステップS1404)、レンダリングする場合は、レンダリングして(ステップS1405)、二次元画像を表示する(ステップS1406)。
【0191】
なお、上記実施形態では、第1の通信装置1側で加工領域を指定するようにしたが、加工が可能な領域は、限られているので、第1の通信装置1は、加工領域を指定することなく、第2の通信装置2が、オペレータの指示に応じて加工領域を指定するようにしてもよい。すなわち、第1の通信装置1側での加工領域の指定は、本発明において、必須ではない。
【0192】
なお、上記実施形態では、第1の通信装置1側で色を指定することとしたが、加工において、着色は必須ではないので、本発明において、第1の通信装置1側で色指定を行うことは、必須ではない。また、第1の通信装置1側で色指定されていなかったとしても、第2の通信装置2は、オペレータの指示に応じて、適宜、表面色を変更するようにテクスチャマッピングしてもよい。
【0193】
なお、上記実施形態では、第1の通信装置1側で被加工素材の材質を指定することとしたが、本発明において、必須ではない。第2の通信装置2は、被加工素材データを閲覧したオペレータの指示に応じて、被加工素材情報を指定するようにしてもよい。
【0194】
なお、上記実施形態では、対話式の処理を適宜行っているが、本発明は、対話式の処理が行われる場合に限らない。本発明の機能を実現することができるのであれば、プログラムを実行している際の動作の流れは、特に限定されない。たとえば、その都度、ユーザ又はオペレータからの指示に基づいて、プログラムを実行中の第1の通信装置1及び第2の通信装置2は動作してもよい。
【0195】
なお、上記実施形態では、被加工素材はサンドブラストによる彫刻が施される素材であるとしたが、本発明において、被加工素材は、カッティングシートの貼り付け又はシルクスクリーン印刷が施される素材であるてもよく、被加工素材の加工方法は、特に限定されない。カッティングシートの貼り付けやシルクスクリーン印刷の場合、テクスチャマッピングにおいて、表面特性の内、表面色だけを変化させれば、リアルさが追求できるので、上記実施形態よりも処理が軽くなる。カッティングシートの貼り付けやシルクスクリーン印刷の場合、彫刻の場合に比べ、デザインデータにおいて、配色が様々指定されることになるが、上記実施形態を利用すれば、加工後のイメージを確認することができる。
【0196】
なお、原稿データとして、インターネットや携帯写真などのように、画質が劣る画像が得られた場合、第2の通信装置2は、周知の画像補正方法によって、当該画像を自動補正するとよい。
【0197】
なお、デザインデータを作成する際、第2の通信装置2は、写真と文字や、文字と文字が重複しているような原稿データに対して、どちらか一方を切り取った場合、切り取られた部分を自動的に補正するようにするとよい。
【0198】
なお、レンダリングの際、第2の通信装置2は、背景色を単一色にして、彫刻部分が目立つようにするとよい。また、逆に、第2の通信装置2は、実際の部屋の背景の色合いなどを背景色にしてもよい。
【0199】
なお、第1の通信装置1は、第2の通信装置2と通信して、立体形状テンプレートを随時更新できるようにするとよい。
【0200】
なお、デザインデータを作成する際、第2の通信装置2は、ラスターデータとベクターデータとを混在して扱うことができるようにするとよい。
【0201】
なお、デザインデータを作成する際、第2の通信装置2は、ラスターデータである場合でも、選択した文字のフォントが何であるか分かるように表示するとよい。
【0202】
なお、本システムは、OSの種類を選ぶことなく利用可能であるとよい。
【0203】
なお、上記実施形態で示したあらゆる機能は、一台のコンピュータ装置内単独で実現されてもよい。その場合、図4に示したステップS106やS209などの送受信処理が省かれることとなる。動作方法自体は、上記実施形態から容易に推察可能である。
【0204】
また、上記実施形態に係る第1及の通信装置1及び第2の通信装置2は、専用のハードウエアによって実現されても良いし、ソフトウエアだけで実現されても良いし、また、線硫黄のハードウエアとソフトウエアとを組み合わせて実現してもよい。プログラムが格納されている記録媒体は、外付け又は内蔵の如何なる記録媒体であってもよい。
【0205】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0206】
本発明は、加工後のイメージを加工前に三次元的に確認することができ、有用である。
【図面の簡単な説明】
【0207】
【図1】本発明の実施形態に係るデザインシステム4の全体構成を示す図
【図2】第1の通信装置1のハードウエア的構成を示す図
【図3】第2の通信装置2のハードウエア的構成を示す図
【図4】第1の通信装置1によってクライアントプログラムが実行され、第2の通信装置2によってセンター側プログラムが実行されたときの第1の通信装置1及び第2の通信装置2の動作を示すシーケンス図
【図5】原稿データの一例を示す図
【図6】被加工素材データの一例を示す図
【図7】平彫りを説明するための図
【図8】面彫りを説明するための図
【図9】線彫りを説明するための図
【図10】フォトエッチングを説明するための図
【図11】二段彫りを説明するための図
【図12】多段彫りを説明するための図
【図13】ぼかし彫りを説明するための図
【図14】送信データのフォーマットを示す図
【図15】クライアントプログラムを実行中の第1の通信装置1に表示されるユーザインターフェイスの一例を示す図
【図16】デザインデータの一例を示す図
【図17】センター側プログラムを実行中の第2の通信装置2に表示されるユーザインターフェイスの一例を示す図
【図18】テクスチャマッピングする領域を指定する段階における第2の通信装置2における画面例を示す図
【図19】ボタンb30をクリックしたときの画面例を示す図
【図20】立体形状テンプレートが用いられた場合の表示画面の例を示す図
【図21】図4におけるステップS101〜S104までの第1の通信装置1の動作の詳細を示すフローチャート
【図22】図4のステップS203における第2の通信装置2の動作の詳細を示すフローチャート
【図23】図4のステップS204における第2の通信装置2の動作の詳細を示すフローチャート
【図24】図4のステップS205における第2の通信装置2の動作を詳細に示すフローチャート
【図25】図4のステップS206における第2の通信装置2の動作の詳細を示すフローチャート
【図26】図4のステップS207における第2の通信装置2の動作の詳細を示すフローチャート
【図27】図4のステップS208における第2の通信装置2の動作の詳細を示すフローチャート
【図28】材質−表面特性変化量データベースの一例を示す図
【図29】ステップS907における第2の通信装置2の動作の詳細を示すフローチャート
【図30】二次元画像を受信した後の第1の通信装置1の動作を示すフローチャート
【図31】修正データを受信した後の第2の通信装置2の動作を示すフローチャート
【図32】テンプレートを用いて原稿データを作る場合の第1の通信装置1の動作を示す図
【図33】第1の通信装置1においても三次元画像を表示することができるようにした場合の第1の通信装置1及び第2の通信装置2の動作を示すシーケンス図
【符号の説明】
【0208】
1 第1の通信装置
2 第2の通信装置
3 ネットワーク
4 デザインシステム
100,200 CPU
101,201 メモリ
102,202 通信装置
103,203 入力装置
104,204 表示装置
105,205 記録装置
206 レンダリング装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工素材の加工後のイメージを加工前に確認するためのデザインシステムであって、
ネットワークで接続され得る第1及び第2の通信装置を具備し、
前記第1の通信装置は、
前記被加工素材に施したい加工のデザインに関する原稿の原稿データを取得するための原稿データ取得手段と、
前記被加工素材の立体形状に関する立体形状データを取得するための立体形状データ取得手段と、
前記原稿データ取得手段が取得した前記原稿データと前記立体形状データ取得手段が取得した前記立体形状データとを前記第2の通信装置に送信するための第1の送信手段とを備え、
前記第2の通信装置は、
前記第1の送信手段から送信された前記原稿データに基づいて、前記デザインに関するデザインデータを取得するためのデザインデータ取得手段と、
前記第1の送信手段から送信されてきた前記立体形状データに基づいて、前記被加工素材の全部又は一部の立体形状を示す三次元データを取得するための三次元データ取得手段と、
前記被加工素材上で前記デザインを施したい領域を、前記三次元データ取得手段によって取得された前記三次元データ上に指定するための加工領域指定手段と、
前記デザインデータ取得手段によって取得された前記デザインデータを、前記加工領域指定手段によって指定された前記領域にテクスチャマッピングしてレンダリングするためのレンダリング手段と、
前記レンダリング手段によって得られた二次元画像を前記第1の通信装置に送信するための第2の送信手段とを備える、デザインシステム。
【請求項2】
前記被加工素材は、サンドブラストによって彫刻したい素材であることを特徴とする、請求項1に記載のデザインシステム。
【請求項3】
前記デザインデータ取得手段は、前記原稿データの内、不要な部分を必要に応じてトリミングし、網点画像を得て、当該網点画像又は当該網点画像を反転させた画像から単色又は複数色の画像データを得て、当該画像データから前記デザインデータを得ることを特徴とする、請求項2に記載のデザインシステム。
【請求項4】
前記デザインデータ取得手段は、前記原稿データに表れている画像の輪郭を認識し、認識した画像の不要な部分を必要に応じてトリミングし、必要に応じて網点画像を得て、得られた画像又は反転させた画像から単色又は複数色の画像データを得て、当該画像データから前記デザインデータを得ることを特徴とする、請求項2に記載のデザインシステム。
【請求項5】
前記デザインデータ取得手段は、前記画像データの内、不要な部分を必要に応じてトリミングし、得られた画像又は反転させた画像から単色又複数色の画像データを得て、当該画像データから前記デザインデータを得ることを特徴とする、請求項2に記載のデザインシステム。
【請求項6】
前記レンダリング手段は、前記加工領域指定手段によって指定された前記領域について、前記三次元データで指定されている表面特性情報を、前記デザインデータに対応させて変化させることで、前記デザインデータを前記領域にテクスチャマッピングすることを特徴とする、請求項2に記載のデザインシステム。
【請求項7】
前記表面特性情報は、表面色、拡散反射率、鏡面反射率、又は透明率の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする、請求項6に記載のデザインシステム。
【請求項8】
前記レンダリング手段は、
前記領域に対応する前記表面特性情報を、
前記表面色を変化させる場合は、前記デザインデータで指定されている色に変化させ、
前記拡散反射率を変化させる場合は、拡散反射が小さくなる方向に変化させ、
前記鏡面反射率を変化させる場合は、鏡面反射が小さくなる方向に変化させ、又は、
前記透明率を変化させる場合は、透明度が低くなる方向に変化させることを特徴とする、請求項7に記載のデザインシステム。
【請求項9】
前記第1の通信装置は、前記被加工素材の材質に関する被加工素材情報を指定する材質指定手段をさらに備え、
前記第1の送信手段は、前記材質指定手段で指定された前記被加工素材情報も前記第2の通信装置に送信し、
前記レンダリング手段は、前記第1の送信手段から送信されてきた前記被加工素材情報に基づいて、前記表面特性情報の変化量を調整することを特徴とする、請求項6に記載のデザインシステム。
【請求項10】
前記レンダリング手段は、さらに、前記加工領域指定手段によって指定された前記領域について、前記デザインデータに基づいて、バンプマッピングを行うことを特徴とする、請求項6に記載のデザインシステム。
【請求項11】
前記デザインデータは、前記デザインの輪郭を表しており、
前記レンダリング手段は、前記輪郭部分に応じて、法線を傾かせることを特徴とする、請求項10に記載のデザインシステム。
【請求項12】
前記デザインデータは、グラデーションを有しており、
前記レンダリング手段は、前記グラデーションに応じて、法線を傾かせることを特徴とする、請求項10に記載のデザインシステム。
【請求項13】
前記レンダリング手段は、さらに、前記加工領域指定手段によって指定された前記領域について、前記デザインデータに基づいて、変位マッピングを行うことを特徴とする、請求項6に記載のデザインシステム。
【請求項14】
前記第1の通信装置は、彫り方に関する加工方法情報を指定するための彫り方指定手段をさらに備え、
前記第1の送信手段は、前記彫り方指定手段によって指定された前記加工方法情報も前記第2の通信装置に送信し、
前記レンダリング手段は、前記第1の送信手段から送信されてきた前記加工方法情報に基づいて、テクスチャマッピングの方法を選択することを特徴とする、請求項6〜13のいずれかに記載のデザインシステム。
【請求項15】
前記立体形状データは、予め決められた立体形状を指定する立体形状テンプレート情報を含み、
前記第1の通信装置は、前記立体形状テンプレート情報を記憶するための立体形状テンプレート情報記憶手段をさらに備え、
前記第2の通信装置は、前記立体形状テンプレート情報に対応する前記三次元データを記憶するための立体形状テンプレートデータベース記憶手段をさらに備え、
前記立体形状データ取得手段は、立体形状テンプレートの使用が指定された場合、対応する前記立体形状テンプレート情報を前記テンプレート情報記憶手段から取得して、前記第1の送信手段に送信させ、
前記三次元データ取得手段は、前記第1の送信手段から送信されてきた前記立体形状テンプレート情報に基づいて、前記立体形状テンプレートデータベース記憶手段を参照して、対応する前記三次元データを取得することを特徴とする、請求項1に記載のデザインシステム。
【請求項16】
前記立体形状データは、前記被加工素材の写真画像である被加工素材データを含み、
前記第2の通信装置は、前記被加工素材データから、前記被加工素材の質感に関する質感データを取得するための質感取得手段をさらに備え、
前記レンダリング手段は、前記質感取得手段が取得した質感データに基づいて、前記三次元データの全体又は一部をテクスチャマッピングすることを特徴とする、請求項1に記載のデザインシステム。
【請求項17】
前記第1の通信装置は、前記第2の通信装置から送信されてきたレンダリング後の二次元画像に対して、修正事項の指示を指定し、前記第1の送信手段に当該修正指示を送信させるための修正指示指定手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のデザインシステム。
【請求項18】
前記第2の通信装置は、前記第1の通信装置から送信されてきた前記修正指示を表示するための修正指示表示手段をさらに備えることを特徴とする、請求項17に記載のデザインシステム。
【請求項19】
前記原稿データ取得手段は、所定の画像データを原稿テンプレートとして用意しており、当該原稿テンプレートに基づいて得られた画像を前記原稿データとして取得することを特徴とする、請求項1に記載のデザインシステム。
【請求項20】
前記第2の送信手段は、さらに、前記デザインデータ、前記三次元データ、及び前記領域に関するデータを前記第1の通信装置に送信し、
前記第1の通信装置は、前記第2の送信手段から送信されてきた前記デザインデータ、前記三次元データ、及び前記領域に関するデータに基づいて、前記領域に前記デザインデータがテクスチャマッピングされた画像を表示するための三次元画像処理手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のデザインシステム。
【請求項21】
前記被加工素材は、カッティングシートの貼り付け又はシルクスクリーン印刷が施される素材であることを特徴とする、請求項1に記載のデザインシステム。
【請求項22】
被加工素材の加工後のイメージを加工前に確認するためのデザインシステムで用いられるクライアント側のコンピュータ装置であって、
センター側のコンピュータ装置とネットワークで接続され、
前記被加工素材に施したい加工のデザインに関する原稿の原稿データを取得するための原稿データ取得手段と、
前記被加工素材の立体形状に関する立体形状データを取得するための立体形状データ取得手段と、
前記原稿データ取得手段が取得した前記原稿データと前記立体形状データ取得手段が取得した前記立体形状データとを前記センター側のコンピュータ装置に送信するための送信手段とを備える、コンピュータ装置。
【請求項23】
被加工素材の加工後のイメージを加工前に確認するためのデザインシステムで用いられるセンター側のコンピュータ装置であって、
クライアント側のコンピュータ装置とネットワークで接続され、
前記クライアント側のコンピュータ装置から送信された前記被加工素材に施したい加工のデザインに関する原稿の原稿データに基づいて、前記デザインに関するデザインデータを取得するためのデザインデータ取得手段と、
前記クライアント側のコンピュータ装置から送信されてきた前記被加工素材の立体形状に関する立体形状データに基づいて、前記被加工素材の全部又は一部の立体形状を示す三次元データを取得するための三次元データ取得手段と、
前記被加工素材上で前記デザインを施したい領域を、前記三次元データ取得手段によって取得された前記三次元データ上に指定するための加工領域指定手段と、
前記デザインデータ取得手段によって取得された前記デザインデータを、前記加工領域指定手段によって指定された前記領域にテクスチャマッピングしてレンダリングするためのレンダリング手段と、
前記レンダリング手段によって得られた二次元画像を前記クライアント側のコンピュータ装置に送信するための送信手段とを備える、コンピュータ装置。
【請求項24】
被加工素材の加工後のイメージを加工前に確認するためのコンピュータ装置であって、
前記被加工素材に施したい加工のデザインに関する原稿の原稿データを取得するための原稿データ取得手段と、
前記被加工素材の立体形状に関する立体形状データを取得するための立体形状データ取得手段と、
前記原稿データ取得手段が取得した前記原稿データに基づいて、前記デザインに関するデザインデータを取得するためのデザインデータ取得手段と、
前記立体形状データ取得手段が取得した前記立体形状データに基づいて、前記被加工素材の全部又は一部の立体形状を示す三次元データを取得するための三次元データ取得手段と、
前記被加工素材上で前記デザインを施したい領域を、前記三次元データ取得手段によって取得された前記三次元データ上に指定するための加工領域指定手段と、
前記デザインデータ取得手段によって取得された前記デザインデータを、前記加工領域指定手段によって指定された前記領域にテクスチャマッピングしてレンダリングするためのレンダリング手段とを備える、コンピュータ装置。
【請求項25】
被加工素材の加工後のイメージを加工前に確認するためのデザインシステムで用いられるクライアント側のコンピュータ装置を、
前記被加工素材に施したい加工のデザインに関する原稿の原稿データを取得するための原稿データ取得手段、
前記被加工素材の立体形状に関する立体形状データを取得するための立体形状データ取得手段、及び、
前記原稿データ取得手段が取得した前記原稿データと前記立体形状データ取得手段が取得した前記立体形状データとをセンター側のコンピュータ装置に送信するための送信手段として機能させるためのプログラム。
【請求項26】
被加工素材の加工後のイメージを加工前に確認するためのデザインシステムで用いられるセンター側のコンピュータ装置を、
クライアント側のコンピュータ装置から送信された前記被加工素材に施したい加工のデザインに関する原稿の原稿データに基づいて、前記デザインに関するデザインデータを取得するためのデザインデータ取得手段、
前記クライアント側のコンピュータ装置から送信されてきた前記被加工素材の立体形状に関する立体形状データに基づいて、前記被加工素材の全部又は一部の立体形状を示す三次元データを取得するための三次元データ取得手段、
前記被加工素材上で前記デザインを施したい領域を、前記三次元データ取得手段によって取得された前記三次元データ上に指定するための加工領域指定手段、
前記デザインデータ取得手段によって取得された前記デザインデータを、前記加工領域指定手段によって指定された前記領域にテクスチャマッピングしてレンダリングする又は専用の装置にレンダリングさせるためのレンダリング手段、及び、
前記レンダリング手段によって得られた二次元画像を前記クライアント側のコンピュータ装置に送信するための送信手段として機能させるためのプログラム。
【請求項27】
被加工素材の加工後のイメージを加工前に確認するためのコンピュータ装置を、
前記被加工素材に施したい加工のデザインに関する原稿の原稿データを取得するための原稿データ取得手段、
前記被加工素材の立体形状に関する立体形状データを取得するための立体形状データ取得手段、
前記原稿データ取得手段が取得した前記原稿データに基づいて、前記デザインに関するデザインデータを取得するためのデザインデータ取得手段、
前記立体形状データ取得手段が取得した前記立体形状データに基づいて、前記被加工素材の全部又は一部の立体形状を示す三次元データを取得するための三次元データ取得手段、
前記被加工素材上で前記デザインを施したい領域を、前記三次元データ取得手段によって取得された前記三次元データ上に指定するための加工領域指定手段、及び、
前記デザインデータ取得手段によって取得された前記デザインデータを、前記加工領域指定手段によって指定された前記領域にテクスチャマッピングしてレンダリングする又は専用の装置にレンダリングさせるためのレンダリング手段として機能させるためのプログラム。
【請求項28】
請求項25〜27のいずれかに記載のプログラムを格納した記録媒体。
【請求項29】
被加工素材の加工後のイメージを加工前に確認するためのデザインシステムを動作させるための方法であって、
前記デザインシステムは、ネットワークで接続され得る第1及び第2の通信装置を具備し、
前記第1の通信装置が前記被加工素材に施したい加工のデザインに関する原稿の原稿データを取得するための工程と、
前記第1の通信装置が前記被加工素材の立体形状に関する立体形状データを取得するための工程と、
前記第1の通信装置が前記原稿データと前記立体形状データとを前記第2の通信装置に送信するための工程と、
前記第2の通信装置が前記第1の通信装置から送信された前記原稿データに基づいて、前記デザインに関するデザインデータを取得するための工程と、
前記第2の通信装置が前記第1の通信装置から送信されてきた前記立体形状データに基づいて、前記被加工素材の全部又は一部の立体形状を示す三次元データを取得するための工程と、
前記第2の通信装置が前記被加工素材上で前記デザインを施したい領域を、前記三次元データ上に指定するための工程と、
前記第2の通信装置が前記デザインデータを、前記領域にテクスチャマッピングしてレンダリングするための工程と、
前記第2の通信装置がレンダリングによって得られた二次元画像を前記第1の通信装置に送信するための工程とを備える、方法。
【請求項30】
被加工素材の加工後のイメージを加工前に確認するためのコンピュータ装置の処理方法であって、
前記被加工素材に施したい加工のデザインに関する原稿の原稿データを取得するための工程と、
前記被加工素材の立体形状に関する立体形状データを取得するための工程と、
前記原稿データに基づいて、前記デザインに関するデザインデータを取得するための工程と、
前記立体形状データに基づいて、前記被加工素材の全部又は一部の立体形状を示す三次元データを取得するための工程と、
前記被加工素材上で前記デザインを施したい領域を、前記三次元データ上に指定するための工程と、
前記デザインデータを、前記領域にテクスチャマッピングしてレンダリングするための工程とを備える、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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