説明

デジタルカメラの設定方法および情報処理装置

【課題】デジタルカメラを効率よくリサイクルするためのデジタルカメラの設定方法および情報処理装置を提供すること。
【解決手段】本発明では、デジタル画像データ以外のデータを記憶する記憶部を持ったデジタルカメラのための設定方法および情報処理装置において、第一のデジタルカメラの記憶部から前記デジタル画像データ以外のデータを吸い上げ、第二のデジタルカメラが前記デジタル画像データ以外のデータに対応しているか検出し、対応していると検出した場合は前記デジタル画像データ以外のデータを前記第二のデジタルカメラの記憶部に移す構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラの設定方法および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラのリサイクルについては、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4にて提案がなされている。また、商品のリサイクルに関しては、例えば、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8にて提案がなされている。
【0003】
【特許文献1】特開平9−154052号公報
【特許文献2】特開2000−196931号公報
【特許文献3】特開2000−228740号公報
【特許文献4】特開2000−253283号公報
【特許文献5】特開2001−82744号公報
【特許文献6】特開2002−1979号公報
【特許文献7】特開2002−94863号公報
【特許文献8】特開2002−117134号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の課題は、デジタルカメラを効率よくリサイクルするためのデジタルカメラの設定方法および情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、コンピュータにより、第一のデジタルカメラに記憶されているデジタル画像データ以外のデータを吸い上げ、第二のデジタルカメラに前記デジタル画像データ以外のデータを登録する構成とした。これにより、第一のデジタルカメラに記憶されているデータを第二のデジタルカメラに移すことができるので、使用者は、第二のデジタルカメラに手動でデータを記憶させる手間を省くことができる。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のデジタルカメラの設定方法において、前記画像データ以外のデータは、前記第一および第二のデジタルカメラの使用者特有の情報である構成とした。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のデジタルカメラの設定方法において、前記画像データ以外のデータは、前記第一のデジタルカメラの使用者が設定したデータである構成とした。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載のデジタルカメラの設定方法において、前記使用者が設定したデータは、撮影条件である構成とした。
請求項5に記載の発明では、請求項3に記載のデジタルカメラの設定方法において、前記使用者が設定したデータは、表示のフォントデータである構成とした。
【0008】
請求項6に記載の発明では、請求項1に記載のデジタルカメラの設定方法において、前記第一のデジタルカメラの使用者を認証する構成とした。
【0009】
請求項7に記載の発明では、請求項1に記載のデジタルカメラの設定方法において、前記デジタルカメラと前記コンピュータとは、無線および有線のいずれかで接続される構成とした。
【0010】
請求項8に記載の発明では、請求項1に記載のデジタルカメラの設定方法において、前記コンピュータは前記デジタル画像データ以外のデータを保持する蓄積部を有する構成とした。
【0011】
請求項9に記載の発明では、請求項1に記載のデジタルカメラの設定方法において、前記デジタル画像データ以外のデータをメーカー側に送信する構成とした。
【0012】
請求項10に記載の発明では、請求項1に記載のデジタルカメラの設定方法において、データの吸い上げ後に前記第一のデジタルカメラに記憶されているデータを消去する構成とした。
【0013】
請求項11に記載の発明では、請求項1に記載のデジタルカメラの設定方法において、前記第二のデジタルカメラが前記デジタル画像データ以外のデータに対応している場合には、前記デジタル画像データ以外のデータを前記第二のデジタルカメラに適した形式に変換して登録する構成とした。
請求項12に記載の発明では、請求項1に記載のデジタルカメラの設定方法において、前記第二のデジタルカメラのカスタマ登録を実行する構成とした。
【0014】
請求項13に記載に発明では、第一のデジタルカメラに記憶されているデジタル画像データ以外のデータを吸い上げる吸い上げ手段と、第二のデジタルカメラが前記吸い上げ手段により吸い上げた前記デジタル画像データ以外のデータに対応しているか検出する検出手段と、前記検出手段により、第二のデジタルカメラが前記吸い上げ手段により吸い上げた前記デジタル画像データ以外のデータに対応している場合は、前記第二のデジタルカメラに前記デジタル画像データ以外のデータを登録する登録手段とを備える情報処理装置とした。
【0015】
請求項14に記載の発明では、請求項13に記載の情報処理装置において、前記画像データ以外のデータは、前記第一のデジタルカメラの使用者が設定したデータである構成とした。
【0016】
請求項15に記載の発明では、請求項13に記載の情報処理装置において、前記デジタル画像データ以外のデータを保持する蓄積手段を更に有する構成とした。
【0017】
請求項16に記載の発明では、請求項13に記載の情報処理装置において、前記第一のデジタルカメラから吸い上げたデータを前記第二のデジタルカメラに適した形式に変換する変換手段を更に有する構成とした。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明における第一の実施の形態について説明する。図1は、第一の実施の形態のシステムのブロック図であり、デジタルカメラがレンタル商品として流通するレンタルシステムとなっている。貸出しセンター1は、レンタルビデオショップやコンビニエンスストアなどの一画を利用して多数の拠点に分散して設けられており、顧客2が直接デジタルカメラの借り出しまたは返却などのために最寄りの貸出しセンター1を訪れる。返却は必ずしもデジタルカメラを借り出した貸出しセンター1で行う必要はなく、レンタルシステム内のどの貸出しセンター1で行ってもよい。
【0019】
後述するように、デジタルカメラの撮影画像情報はデジタルカメラ返却時に貸出しセンターで1で読出される。読出された撮影画像情報は顧客の希望により銀塩プリンタなどからなるプリンタ1aでプリントされて顧客に手渡される。顧客は読出された撮影画像情報をCD−Rに記録することを希望することも可能であり、この場合はCD−Rドライバ1bによって撮影画像情報を書込んだCD−Rが顧客に手渡される。矢印3はこのような店頭におけるデジタルカメラやプリント、CD−Rなどの画像記録媒体の受渡しルートを示している。
【0020】
また、貸出しセンター1では、デジタルカメラの返却時に顧客の同意を得て、カメラの使用状況の情報も読出す。
なお、貸出しセンター1、顧客2、受渡しルート3の関係は、このような店頭における直接受渡しだけではなく、注文と配達の関係であってもよい。この場合、顧客2は自宅におり、受渡しルート3は配達車両などの運行ルートとなる。
【0021】
データベースセンター4は、複数の貸出しセンター1と通信ネットワーク5でつながっている。このデータベースセンター4は、通常はレンタルシステム内に一つでもよいが、場合によっては複数に分割してもよい。通信ネットワーク5は、インターネットまたはレンタルシステム内の専用回線による。顧客データベース4aは貸出しセンター1からの情報に基づき、新規顧客の住所、氏名、電話番号、メールアドレス、クレジットカード番号などの顧客管理情報を記録し、顧客ID番号を発行する。新規顧客の場合、その同意を得て、年齢、性別その他のプライバシー情報も顧客データベース4aに記録する。これらのプライバシー情報は、顧客との契約により厳重に管理する。顧客データベース4aは、さらに個々の商品の貸出しおよび返却情報、さらには使用状況の情報も記録管理するとともに、それらの情報に基づき商品の統計情報処理も行う。
【0022】
顧客は読出された撮影画像情報の保管をレンタルシステムに依頼することも可能である。この場合、撮影画像情報は通信ネットワーク5を介してデータベースセンター4に送られ、画像データベース4bに保管される。保管された画像は後日の顧客の希望により貸出しセンターに送られ、随時プリントやCD−Rに記録して顧客に手渡される。なお、顧客は自宅などのパソコンから直接データベースセンター4にインターネットなどでアクセスし、自分の画像を閲覧したり、プリントなどの注文を行ったりすることも可能である。
【0023】
物流センター6は、デジタルカメラのやり取りをするため、配送ルート7で貸出しセンター1と結ばれている。この物流センター6も、通常はレンタルシステム内に一つでよいが、場合によっては複数に分割してもよい。配送ルート7では複数の貸出しセンター1の間でデジタルカメラを融通させ、各貸出しセンター1に適正な数のデジタルカメラが品揃えできるようデジタルカメラを流通させるとともに、新しいデジタルカメラを各貸出しセンター1に供給する。配送センター6bは、各貸出しセンター1とのデジタルカメラのやり取りおよび在庫管理の機能を果たす。配送センター6bの存在により、デジタルカメラを借りた貸出しセンター1とは異なる貸出しセンター1での返却が可能になる。
【0024】
また、各貸出しセンター1で返却されたデジタルカメラは、配送ルート7を介して物流センター6に送られる。物流センター6では、再生センター6aで清掃、電池や部品の交換、破損の修理などを行った上、配送センター6bから配送ルート7を介してデジタルカメラを貸出しセンター1に戻す。このようなデジタルカメラのやり取りを管理するため、各貸出しセンター1と物流センター6の間は通信ネットワーク8により結ばれている。なお、貸出しセンター1に返却されたデジタルカメラは、全数を物流センターに戻す代わりに、貸出しセンター1で予備チェックを行い、再生センターにおいて処理する必要があるものだけを物流センターに送るようにしてもよい。このようにすれば、再度貸出すのに支障のないカメラを即座に貸出し在庫に供することができる。
【0025】
開発・設計・生産・廃棄センター(以下「総合センター」と略称する)9は、通常の開発、設計、生産の他に、廃棄をも含んだ総合的な機能を受持つセンターである。この総合センター9も、通常はレンタルシステム内に一つでよいが、場合によっては複数設けられてもよい。また単一の総合センター9の機能を複数の拠点に分割してもよい。
【0026】
総合センター9は、通信ネットワーク10によってデータベースセンター4と結ばれており、主に顧客データベース4aの商品流通統計情報を受取る。商品流通情報はまず総合センター9における生産調整に利用され、貸出し頻度の伸びているデジタルカメラを増産するとともに、人気凋落傾向にあるものは減産または生産中止する。商品流通情報にはデジタルカメラの使用者や使用目的の情報も含まれているので、これらの情報は上記の流通数量変化の情報とともに次機種の開発・設計、生産、廃棄計画に反映させられる。通常の販売に比べ、レンタルの場合は市場情報がリアルタイムでしかもほぼ100%の回収率で獲得できるので、商品企画のレスポンスが飛躍的に早くなる。また、市場のレスポンスも極めて早く把握することができる。
【0027】
総合センター9は、デジタルカメラのやり取りをするための配送ルート11で物流センター6と結ばれている。配送ルート11は、新規に生産したデジタルカメラを物流センター6に配送するとともに、再生不能のデジタルカメラまたは人気凋落で在庫の増えた機種のデジタルカメラを廃棄のために物流センター6から総合センター9に配送する。このようなデジタルカメラのやり取りを管理するため、総合センター9と物流センター6の間は通信ネットワーク12により結ばれてる。
【0028】
通信ネットワーク12は、さらに再生センター6aにおける清掃、部品の交換、破損の修理などの個別情報や統計情報を総合センター9に送る。総合センター9では、この再生センター6aからの情報も次機種の開発・設計、生産、廃棄計画に反映させる。さらに、再生センター6aにおける作業実績から得られた再生作業コストダウンにつながる情報も通信ネットワーク12を介して総合センター9に送られ、次機種の開発・設計、生産、廃棄計画に反映させられる。
【0029】
以上のようなレンタルシステムにおいては、顧客のレベルでデジタルカメラの廃棄を行うことがない。また商品の循環の中に総合センター9の廃棄機能が組みこまれているので、デジタルカメラが廃棄物としてレンタルシステムの外に出ることはなく、地球環境のためのゼロエミッションが達成される。
【0030】
図2は、第一の実施の形態における貸出しセンター1の詳細を示すブロック図であり、図1と対応する部分には共通の番号を附す。顧客用端末群21は、貸出しセンター1を訪れる顧客に待ち時間がない程度の数だけ用意されている。新規顧客は顧客用端末群21のうちの空いているひとつ(以下、単に顧客用端末21と称する)を用い、ディスプレイの案内に従って住所、氏名、電話番号、メールアドレス、クレジットカード番号などの顧客管理情報を入力する。また、同意できるなら年齢、性別その他のプライバシー情報も入力する。プライバシー情報を入力した場合は、記念品を受取ることができるとともに、プライバシー情報に適した今後の新商品や新サービスの情報提供を受けることができる特典がある。
【0031】
これらの情報はLAN22を通じてホストコンピュータ23に送られる。ホストコンピュータ23は通信ネットワーク5を介してデータベースセンター4と交信し、その結果に基づいて顧客ID番号を発行する。顧客は、顧客管理情報および顧客ID番号などに基づいて作成された顧客カードを顧客用端末群21から受取ることができる。なお、顧客カードは、貸出しセンター1に出向かなくても、自宅などのパソコンから直接データベースセンター4にインターネットなどでアクセスし、所定項目を入力すれば、配達等により受取ることもできる。
【0032】
デジタルカメラの貸出しを希望する顧客は、顧客カードを顧客用端末21に読み取らせ、カメラの指定を行うとともに、貸出し期間などの貸出し条件を入力する。入力されたデータはホストコンピュータ23に送られ、ホストコンピュータ23は、貸出しの受付が完了すると顧客用端末21に引換券を発券させるとともに、搬送手段24により指定のデジタルカメラを倉庫25から受渡しコーナー26に送らせる。顧客は受渡しコーナー26で引換券を提示してデジタルカメラを受取る。なお、ホストコンピュータ23はデジタルカメラの返却がどこの貸出しセンターで行われてもよいように、通信ネットワーク5を介して顧客の貸出しデータをデータベースセンター4にも送る。
【0033】
カメラ試用コーナー27には各種のデジタルカメラが用意されており、顧客はデジタルカメラの指定前に貸出しセンター1内でこれらを試用することができる。また、カメラ試用コーナー27では、デジタルカメラの知識の少ない顧客のためにカメラの使用方法を項目別に案内する対話式の端末が設けられている。端末の画面には顧客の試用しようとするデジタルカメラの画像が表示されており、顧客は手に持ったデジタルカメラと画面上の表示とを見比べながら、端末に表示されているデジタルカメラの操作がわからない操作部に対応する部分にタッチする。これによってその部分に対する説明の要求が受付けられ、顧客は、該当部分の使用法の案内を受けることができる。
【0034】
顧客によるデジタルカメラの試用および使用法案内の項目別活用データはホストコンピュータ23がモニターしており、その情報は通信ネットワーク5を介してデータベースセンター4に送られ、顧客データベース4aに記録保管される。これらの顧客情報およびその統計化情報はさらにデータベースセンター4から総合センター9に送られて、今後の開発・設計、生産、廃棄計画に反映される。例えば、使用法説明の要求の多かった操作部は、もう少しわかりやすい形式に改善される。
【0035】
撮影が終わり、貸出しセンターを訪れた顧客は、まず顧客用端末21において顧客カードを読み取らせるとともに、カメラ返却の旨の入力をする。単にカメラ返却の旨の入力をしただけの場合は、デフォルトでカメラ内の全画像データをプリントするとともにこれらの画像データを画像データベース4bに保管するという注文となる。これは、銀塩フィルムの場合の「同時プリント」および焼増し注文への準備に対応する。なお、これと異なる格別の注文をする場合は、顧客用端末21の案内に従って所望の画像注文データを入力する。この手続きの後、受渡しコーナー26でデジタルカメラを返却する。搬送手段28はデジタルカメラを受渡しコーナー26からデータ読出し端末29に搬送し、ここで撮影済みの画像データ、およびカメラの使用状況の情報が読出される。読出された画像データとカメラの使用状況の情報はローカルサーバ30に送られて格納される。
【0036】
なお、上記の実施の形態に代えて、貸出しの際に顧客用端末21から入力されたデータをデジタルカメラ自体に記憶させておくとともに、画像注文データをカメラで入力可能なようにデジタルカメラを構成することも可能である。このような実施の形態においては、返却の際、顧客は単にデジタルカメラを受渡しコーナー26で手渡すだけでよく、顧客用端末21において顧客カードを読み取らせるとともに返却データおよび画像注文データを入力する必要がない。この場合、データ読出し端末29は、撮影済みの画像データ、およびカメラの使用状況の情報とともに、返却データおよび画像注文データも読出し、ホストコンピュータ23に送る。
【0037】
データ読出しの終わったデジタルカメラは搬送手段31により倉庫25に搬送される。前述のように、貸出しセンター1と物流センター6との間は配送ルート7で結ばれており、返却されたデジタルカメラが倉庫25から物流センター6に送られるとともに、貸出しに供するためのデジタルカメラが物流センター6から倉庫25に配送される。
【0038】
画像注文データに「プリント」の指示が含まれている場合は、画像データがローカルサーバ30からプリンタ1aに送られてプリントされ、搬送手段32により受渡しコーナー26に搬送される。顧客はデジタルカメラを返却に来たその足で、プリントを受取ることができる。一方、画像注文データに「CD−Rへの書込み」の指示が含まれている場合は、画像データがローカルサーバ30からCD−Rドライバ1bに送られ、画像が書込まれたCD−Rが搬送手段33により受渡しコーナー26に搬送される。さらに、画像注文データに「撮影画像情報の保管」が含まれていた場合は、ローカルサーバ30の画像データはホストコンピュータ23から通信ネットワーク5を介してデータベースセンター4に送られ、画像データベース4bに保管される。なお、ローカルサーバ30に格納されたカメラの使用状況の情報については、いずれの注文の場合でも、ホストコンピュータ23から通信ネットワーク5を介してデータベースセンター4に送られ、顧客データベース4bに保管される。この際、注文データの情報も同様に統計データとしてデータベースセンター4に送られ、顧客データベース4bに保管される。
【0039】
なお、図2に示したシステムは、全て一箇所に集中していてもよく、この場合は搬送手段24、28、31〜33は不要となり、例えばデータ読出し端末29から倉庫25への受渡しなどは店員が手作業で行う。また、顧客用端末21やカメラ試用コーナーにおける端末の操作も店員が行うようにすれば、全ての手続きは受渡しコーナーにおける顧客と店員とのやり取りで行うことができる。
【0040】
図3は、レンタル商品としてのデジタルカメラがコンビニエンスストアの既存システムをそのまま活用して流通する場合を例にとった第二の実施の形態を示すシステムのブロック図である。レンタルシステム51は、図1に示した第一の実施の形態における貸出しセンター1、データベースセンター4、物流センター6、総合センター9を含む。その構成の詳細は図1と共通なので、各センター内のブロックの図示、およびレンタルシステム51内の機能の説明は省略する。また、貸出しセンター1の詳細は図2と共通なので、ホストコンピュータ23および受渡しコーナー26を除き図示および説明を省略する。
【0041】
コンビニエンスストアシステム52では、第一店舗53、第二店舗54が配送ルート55、56によってそれぞれ配送センター57と結ばれており、商品の配送を受ける。なお、簡単のため店舗は二つのみ示したが、実際には多数存在する。配送センター57はコンビニエンスストアシステム52の物流のハブとなっていて、さらに配送ルート58によって仕入れセンター59とも結ばれており、店舗に供給すべき仕入れ商品を受取るとともに、必要に応じ返品となった商品を返送する。また、産地直送型の商品の場合は、生産センター60からの商品が配送ルート61によって配送センター57に運ばれる。顧客は最寄りの第一店舗53や第二店舗54に出向いて商品を購入する他、電話や通信によって注文を行い、配送ルート62によって家庭63への配達を受けることもできる。これらの配送管理および支払い決裁はシステムコンピュータ64によって集中管理されている。図示を省略しているが、第一店舗53などコンビニエンスストアシステム内の全てのブロックにはそれぞれローカルコンピュータが備えられており、システムコンピュータ64との間で配送および決裁データのやり取りを行っている。
【0042】
この第二の実施の形態では、レンタルシステム51の貸出しセンター1における受渡しコーナー26がコンビニエンスストアシステム52の配送ルート65によって配送センター57と結ばれている。また、貸出しセンター1のホストコンピュータ23がレンタルシステム51の窓口となって通信ネットワーク66などによりコンビニエンスストアシステム52のシステムコンピュータ64と通信を行い、配送の管理と支払いの決裁を行う。
【0043】
まず、コンビニエンスストアシステム52を活用したデジタルカメラの貸出しについて説明する。貸出し可能状態のデジタルカメラはコンビニエンスストアシステム52の他の商品と全く同様にして受渡しコーナー26から配送ルート65によって配送センター57に送られ、さらに配送ルート55などによって第一店舗53などに送られる。このとき、コンビニエンスストアシステム52は、通常の仕入れと全く同様にして、レンタルシステム51から「仕入れ代金」の請求を受ける。コンビニエンスストアシステム52では、この「仕入れ代金」にマージンを上乗せした「販売代金」でデジタルカメラを第一店舗53などに陳列する。顧客にとって、この「販売代金」はデジタルカメラの貸出し料金およびプリントサービス料金を意味する。貸出しと課金のシステムについては後に詳述するが、カメラを入手し、撮影した後はカメラごとラボに「返却」して画像のみを受取る点では、第二の実施の態様におけるシステムは「レンズ付フィルム」の流通システムと似ている。
【0044】
デジタルカメラの貸出しを希望する顧客は、例えば第一店舗53を訪れ、通常の商品と同様に第一店舗53の商品陳列棚からレジにデジタルカメラを持参し、「販売代金」の支払いを行う。その際、レンタルシステムにおける顧客カードの情報、デジタルカメラ番号および日付などが第一店舗53のレジにおけるローカルコンピュータに入力され、システムコンピュータ64を介してホストコンピュータ23に通知される。この場合、コンビニエンスストアシステムから顧客に発行されるICカードなどで支払いが行われれば、情報の入力はより簡便であり、コンビニエンスストアにおける他の一般商品に対する支払いと全く同じ手間で「貸出し」が完了する。
【0045】
なお、デジタルカメラの入手は第一店舗53などに出向かなくても、コンビニエンスストアシステム52の配送ルート62を利用した家庭63への配達によってもよい。
【0046】
撮影の終わった顧客は、デジタルカメラを第一店舗53などのレジに返却する。第一店舗53のレジでは、デジタルカメラ番号、画像注文データ、プリント受渡し方法などの必要情報を入力した後、受取ったデジタルカメラを配送ルート55および65によって配送センター57経由で受渡しコーナー26に送る。第一店舗53のレジにおけるローカルコンピュータで入力された情報はシステムコンピュータ64を介してホストコンピュータ23に伝達される。この場合も、顧客がICカードを提示すれば必要情報の入力は簡単になる。なお、画像注文データやプリント受渡し方法などをデジタルカメラ自体に入力するようにしておけば、第一店舗53でのデジタルカメラ返却時の手間が軽減される。
【0047】
なお、デジタルカメラの返却は、デジタルカメラを入手した第一店舗53に限らず、第二店舗54で行ってもよい。また、配送ルート62を利用して家庭63から返送してもよい。さらに、貸出しセンター1の受渡しコーナー26に直接持ち込んでも良いことはいうまでもない。
【0048】
顧客の画像注文が撮影画像情報保管のみでない場合、レンタルシステム51は注文に従って画像をプリントするかCD−Rに記録して受渡しコーナー26に準備する。これらのプリントまたはCD−Rは配送ルート65によって配送センター57に送られた後、顧客の指定に従って、第一店舗53、第二店舗54などの店舗または家庭63に配送される。店舗に配送された場合は、顧客が受取りに現れるまでプリントまたはCD−Rをその店舗にて保管する。
【0049】
図4は、第二の実施の形態における第一店舗53などにおけるローカルコンピュータのフローチャートであり、通常商品のレジ処理とともにデジタルカメラのレンタルシステムにおける貸出しの管理および課金を取り扱う。この実施の形態では、コンビニエンスストアシステムに登録した顧客に発行されるICカードにより課金と決裁が行われる場合を例にとって説明する。
【0050】
顧客が通常の商品とともにデジタルカメラをレジに持参し、提示したICカードがレジのスロットが挿入されると、フローがステップS1からスタートする。ステップS2では、ICカードの情報がローカルコンピュータに入力され、顧客の特定が行われる。レジに持参された商品は一つずつバーコードリーダーにかけられ、ステップS3においてその情報が読取られる。ステップS4では、バーコードリーダーで読取った情報に基づいて商品の識別が行われ、商品がデジタルカメラかどうかがチェックされる。
【0051】
ステップS4において商品がデジタルカメラでなければ通常商品であるから、ステップS8に飛んでその商品の料金の入力が行われる。次いで、ステップS9において全商品のレジが完了したかどうかが問われ、所定時間内に未完了の旨の入力をするとステップS3に戻り、次の商品の情報を読取る。商品が通常商品であれば、以上が繰り返され、ステップS9で全ての商品についてのレジが完了した旨の入力をするかまたは何も入力せずに所定時間が経過するとステップS10に進む。ステップS10では、料金の集計およびその引落しが行われる。引落し情報は、ICカードに入力される。
【0052】
一方、ステップS4において商品がデジタルカメラであった場合には、顧客との対話を含むステップS5以下の処理に入る。なお、商品がデジタルカメラであった場合、ステップS3の段階において読み取ったバーコード情報の中からデジタルカメラのID番号や最大撮影可能枚数などがすでにコンピュータに自動入力されている。
【0053】
ステップS5では、入力当日のデータが貸出日として自動入力されるとともに、顧客からの希望に基づいて返却予定日が入力される。この項目は特に顧客の希望がなければ、デフォルトで貸出日から一週間後の日付が自動入力される。また、ステップS6では、顧客の希望する撮影予定枚数に基づいて撮影可能画像枚数を入力する。この項目も、特に顧客の希望がなければバーコード情報から読取られたデジタルカメラの最大撮影可能枚数がデフォルトで自動入力される。
【0054】
ステップS7では、ステップS5で入力された日付情報がステップS2で入力された顧客情報およびステップS3で入力されたデジタルカメラのID番号とともに、貸出し管理情報としてローカルコンピュータから出力され、システムコンピュータ64を介してホストコンピュータ23に送られる。
【0055】
ステップS8では、商品がデジタルカメラである場合、これまでのステップで入力されたデジタルカメラのID、貸出日、返却予定日、および撮影予定枚数に応じた料金が自動計算されて入力される。
【0056】
なお、上記のステップS5からステップS8の処理順序は、図4に限らず適宜異なった順序としてよい。また、デジタルカメラの貸出条件を一律に決めておき、それに基づく料金など必要な情報はすべてバーコード情報から読取られた既定値を入力するような実施の形態では、ステップS5やステップS6は顧客の意向を聞くことなしに自動的に処理される。上記のバーコードはデジタルカメラの外装などに印刷しておけばよい。
【0057】
ステップS5およびステップS6における顧客への質問を省略し、レジの流れを良くするためには、別の実施の形態として、デジタルカメラ自体は同一のものであっても、貸出し期間や撮影可能枚数の違いに応じてデジタルカメラ外装のバーコートだけを違えた別の商品としてコンビニエンスストアに陳列するようにする。例えば、貸出し期間3日で撮影可能枚数が25枚のものには1500円の値札を付け、貸出し期間一週間で撮影可能枚数が50枚のものには2600円の値札を付けて別商品として陳列する。顧客の希望の多様化に応じて多様な「品揃え」が必要ではあるが、このような実施の形態では、顧客が希望の「商品」を選択してレジに持参するだけで、バーコードの読取によりステップS5およびステップS6において必要な情報は瞬時に自動入力できる。
【0058】
以上のようにして、デジタルカメラのレンタルシステムにおける貸出しの管理および課金は、ICカードを使ったコンビニエンスストアシステムにおけるレジ処理の流れの中で行われる。
【0059】
なお、ICカードの他に、クレジットカードなどの顧客を特定することができるシステムであれば、上記のようなコンビニエンスストアシステムのレジ処理の中でデジタルカメラのレンタルシステムにおける貸出しの管理および課金が可能となる。この場合、ステップS10は顧客の銀行口座などからの代金引落しのための処理となる。
【0060】
デジタルカメラ貸出しの料金体系表の一例を図5に示す。図5の「貸出料金」における「日数指定」欄に示すように、貸出しは基本的に1日あたり200円であるが、500円の2泊3日コース、1100円の一週間(翌週の同曜日までの8日間)コース、3500円の1ヶ月(翌月の同日まで)コースが設けられており、期間が長いほど割安となっている。なお、コースは一度指定するとその後の変更はできず、コースからの超過日数分はすべて1日あたり200円となる。なお、データの保管料は無料である。
【0061】
貸出し時点での課金は顧客が指定したコースに従って行うが、レンタル保証金の意味合いを兼ねて、コースの指定にかかわらず一律に1ヶ月コースの料金を課金し、返却時点において顧客に最も有利なコースを適用して差額を返却するような実施の形態としてもよい。
【0062】
プリント料金は基本的に1枚あたり50円であるが、5枚以上は注文しなければならないので最低料金は250円である。また、25枚を1000円でプリントするプリントする25枚コース、50枚を1500円でプリントする50枚コースが設定されている。これらのコースを選択した場合には、それぞれ容量のより大きいメモリを装着したデジタルカメラが貸出される。なお、これらのコースは銀塩カメラにおいて25枚撮りまたは50枚撮りのフィルムを同時プリントに出す場合にそれぞれ該当する。ただし、デジタルカメラの場合では、必ずしも全ての容量を撮影してプリントする必要はないので、25枚コースでは最低15枚のプリントを注文すればよく、不要なプリント料金は1枚あたり40円減額するよう調整できる。この結果、25枚コースの最低料金は600円である。換言すれば、25枚コースは15枚以上からメモリの容量一杯に該当する枚数までを1枚あたり40円でプリントするコースである。同様にして、50枚コースは、最低30枚のプリントを注文すれば、1枚あたり30円でプリントを行うコースとなっている。
【0063】
CD−Rへの記録は、5画像の記録を含む基本料金が1000円であり、6枚目以降は1枚あたり20円の超過料金が課金される。
プリント料金の調整分およびCD−Rへの記録の際の超過分はデジタルカメラの貸出し時点では不明なことが多いので、貸出し時点では顧客のICカードに対してそれぞれ基本料金の課金処理がなされ、返却時点において貸出し料金における超過日数分と合わせ精算する。例えば、貸出し期間一週間で50枚コースのレンタルを行う場合には、貸出し時点で合計2600円が課金処理され、貸出し期間の超過なしに35枚のプリント注文を伴ってデジタルカメラが返却された場合は、15枚分のプリント料金450円の返金処理が顧客のICカードに対して行われる。また、別の例として、例えば貸出し期間3日間で25枚コースのレンタルを行う場合には、貸出し時点で合計1500円が課金処理され、貸出し期間超過2日で20枚のプリント注文を伴ってデジタルカメラの返却が行われた場合は、超過料金400円の課金と5枚分のプリント料金200円の返金との差引き精算の結果、顧客のICカードに対して200円の追加課金処理が行われる。
【0064】
図5の下段は、上記のような料金体系に基づく合計料金の例をいくつか示す。第一の例は、当日返却の条件でプリント枚数も指定とした場合である。この場合は1日分の貸出し料金200円と最低5枚分のプリント料金250円の合計450円が最低の合計料金となる。また、第四の例は貸出しを2泊3日コース、プリントを25枚コースとした場合であって、貸出し料金500円とプリント料金1000円の合計1500円が課金される。なお、この例では、プリント枚数を調整し、最低15枚とすることができ、そのときのプリント料金は600円となるので、最低料金は1100円となる。その他の例も同様に理解できるので、説明を省略する。
【0065】
なお、図5では、貸出しに期限を設けたが、別の実施の形態として、一定の金額を支払えば貸出し期間を無制限とし、顧客の責任で電池の消耗についての保証期間以内で使用するようにするような料金体系も可能である。このような実施の形態における使用と返却の様子は、銀塩写真におけるレンズ付きフィルムの実態に似てくる。レンズ付きフィルムはレンタルではなく購買する商品ではあるが、使用後ラボに手渡した後は手元に戻らず、再生されて再び商品として売られ、実質的には撮影時のみ借りて返却するに等しい流通をするからである。
【0066】
図6は、上記のような貸出しシステムに適したデジタルカメラの構成を示すブロック図である。デジタルカメラは防滴構造のハウジング71に収容されており、ハウジング71の外部はさらに紙製の外装72によって覆われている。ハウジング71の防滴構造は、不特定の貸出し先での不測の使用状況によってデジタルカメラの内部構成が破損する可能性を小さくするとともに、デジタルカメラ返却時の清掃を容易にするためのものであり、商品としてのデジタルカメラにおける防滴性能を意味するものではない。また、紙製の外装72は一回のレンタルによって何らかの汚れや損傷を受けることを予定しているものであり、清潔面への配慮も兼ねてデジタルカメラが返却される毎に剥がして交換する。
【0067】
紙製の外装72には、モニタ出力73、LCD表示74、操作部75、ファインダ76、撮影レンズ77、ストロボ78、環境センサ91に相当する位置にそれぞれ窓が開けられており、モニタ出力73と環境センサ91は外部に露出している。撮影レンズ77に相当する位置の窓は、透明の保護ガラス79によって覆われており、撮影レンズ77の表面の光学的損傷を防止している。この保護ガラス79もデジタルカメラが返却される毎に交換される。ファインダ76に相当する位置の窓も同様の透明保護ガラスで覆われており、同様にして交換される。一方、LCD表示74、操作部75に相当する位置の窓は、透明フィルム80で覆われており、これらの部分が外部から見えるようにするとともにこれらの部分の汚れを防止している。また、透明フィルム80はその外側から操作部75を押して操作できるようにフレキシブルになっている。この透明フィルム80もデジタルカメラが返却される毎に交換される。ストロボ78に相当する位置の窓も同様の透明フィルムで覆われており、同様にして交換される。
【0068】
以上のような実施の形態により、貸出し時におけるデジタルカメラ内部の損傷の可能性を低くして複数回の貸出しに耐えるようにするとともに、顧客の手が直接触れる部分は、コストの安い材料により構成して貸出しごとに交換し、外観的には常に新品としてデジタルカメラをレンタルする。
【0069】
コストダウンのため撮影レンズ77は固定焦点でありフォーカシング機構は設けられていない。また絞り値も固定である。露出制御は電子シャッタのシャッタ速度およびイメージセンサのゲインコントロールによって行われ、これらは不図示の光センサからの信号に基づき、CPU83によって自動的に制御される。
【0070】
モニタ出力73は、例えばAV出力端子であり、デジタルカメラの貸出し中にテレビのAV入力に撮影済みの画像信号を出力してモニタすることができるようにするためのものである。モニタ出力73は、AV端子に換えて、携帯電話のモニター画面に画像を出力するための端子であっても良い。いずれの場合でも、モニタ出力73からの画像信号は、撮影された画像信号と比較して画像情報量の少ないもので、モニターのために短時間で出力することを目的としており、外部メモリに保管したりプリントしたりするには不満足なものである。
【0071】
LCD表示74は、画像モニターではなく、文字やマークなどを表示するだけの簡単な構造のものであり、撮影モードと再生モードの別、残り撮影可能画像数、モニタ出力73から出力される画像の番号、消去すべき画像の番号、などを表示する。操作部75には、シャッタ―レリーズボタン兼実行ボタン、焦点距離切換えボタン、モード切換えボタン、画質切換えボタン、モニタや消去のために撮影済み画像を選択する際のアップダウンボタン、データ入力のためのテンキーなどが設けられている。これらのボタンの使用法は、近接する窓の欄外における紙製の外装72に印刷されている。
【0072】
ファインダ76は、通常はワイド撮影のための視野枠が設けられており、操作部75の焦点距離切換えボタンが押されると、視野制御メカ81が動作してテレ撮影用視野枠82がファインダ76の視野内に移動する。操作部75により焦点距離がテレ側に切換えられたことは、CPU83にも伝えられる。この実施の形態では、コストを考えてテレとワイドの2段階の焦点距離切換えとしているが、他の実施の形態として切換えを多段階としてもよく、また実質的に無段階に連続的に焦点距離を切換えるズームタイプとしてもよい。この場合は、視野枠の切換えを多段乃至連続的とするか、またはファインダ76にズーム光学系を採用する。
【0073】
CPU83はイメージセンサ制御部84を介してランダムアクセス可能なCMOSイメージセンサ85(300万画素程度)を制御するとともに、イメージセンサからの画像を取込む。このとき、焦点距離がテレ撮影に切換えられているときは、テレ撮影用視野枠82に対応するイメージセンサ中央1/4のエリア内の画素のみを読出し、擬似的にテレ撮影状態の画像を得る。一方、焦点距離がワイド撮影状態でかつ画質が「ノーマル」に設定されているときは、イメージセンサ全体のエリアから1/4の数の画像を間引いて読出す。このようにして、この実施の形態はテレ撮影とワイド撮影が可能な75万画素程度のデジタルカメラとして機能する。なお、ワイド撮影の際には、間引き読出しの代わりに全画素読出しを行い、隣接する4画素の信号をそれぞれ足し合わせることにより75万画素の画像を得てもよい。この場合は、間引き読出しに比べ、感度が向上する。
【0074】
画質切換えボタンが「ファイン」に設定されているときは、ワイド撮影状態における間引き読出し、または隣接画素の足し合わせを行わず、300万画素のデジタルカメラとして使用する。なお、テレ撮影状態において画質切換えボタンを300万画素を意味する「ファイン」に設定することは禁止されている。このように、この実施の形態では、焦点距離の切換えを行わない場合、準広角程度の300万画素の高画質デジタルカメラとして機能する。
【0075】
なお、別の実施の形態として、撮影レンズをズームレンズとして構成すれば、コストは高くなるが、いずれの焦点距離でも300万画素の高画質が得られるズームデジタルカメラを構成することができる。
【0076】
CPU83は、ストロボ制御部86を介してストロボ78を制御している。また、CPU83はメモリ87に接続されており、イメージセンサ制御部84からの撮影済み画像をメモリ87に格納するとともに、メモリ87に格納されている画像を読出してCPU83を介してモニタ出力73またはデータ端子88から出力する。なお、メモリ87はメモリカードなどの着脱可能な記録媒体ではなく、デジタルカメラ内部に実装される通常のメモリチップである。これによって、記録媒体自体のコストを押さえるとともに、カードドライブなどの省略によるコストダウンを実現し、さらに、ハウジングから記録媒体を出し入れのための開口をなくすことで貸出し時の損傷の可能性を低くしている。
【0077】
データ端子88は、メモリ87に格納されているとおりの画像情報量を持つデジタルデータおよびカメラの使用状況の情報を出力するもので、貸出しセンターにおけるデータ読出し端末での読出しの都合に適した専用端子となっており、一般家庭のパソコンのデータ入力端子には適合しない。従って、デジタルカメラがレンタル商品として流通している状態では外装72によって覆っておき、返却されて外装72が剥がされたときのみ外部に露出してデータ読出し端末と接続可能となるよう構成する。また、データ端子88の構造自体は汎用とするが、貸出しセンターにおけるデータ読出しを効率化するために一般とは異なる専用の読出し手続きにて読出すよう構成してもよい。この場合も、デジタルカメラがレンタル商品として流通している状態では外装72によって覆っておき、返却されて外装72が剥がされたときのみ外部に露出してデータ読出し端末と接続可能となるよう構成する。
【0078】
なお、別の実施の形態として、データ端子88をUSBなどの汎用のデータ端子とするとともに一般の読出し手続きで読出し可能なように構成し、外装72に窓を設けて外部に露出させ、貸出し中においても家庭のパソコンによってデータの読出しが行えるよう構成することも可能である。この場合は画像データを顧客自身が管理するとともに、プリントなども顧客自身のプリンタで行うことが前提になる。しかしながら、デジタルカメラだけでなくパソコンやプリンタの性能も日進月歩であり、一般の顧客にとって自身で常に最先端の性能のものに買換えることは経済的にあまりに負担が大きい。図6に示した実施の形態は、デジタルカメラをレンタルとするだけでなく、管理やプリントを前提とする画像データの読出しも専門の業者に任せることによって、顧客が常に使用時点における最先端の性能を享受することができるようにしたものである。
【0079】
電源回路89は例えば単三乾電池2本からなる電池90からデジタルカメラ内の各部に電力を供給する。実施の形態のデジタルカメラは、レンタル商品として流通する間、充分な電力供給が確保されることを前提として設計がされており、顧客自身による電池交換の必要はなく、電池90を収容する電池室の蓋は外装72によって覆われており、返却されて再生センターにて外装72が剥がされたときのみ電池交換が可能となる。このような電池の管理のため、再生センターでは、電池を交換して新しい外装72を着けたとき、電池交換日時を外装72に刻印する。コンビニエンスストアシステムの店舗53などでは、現在の電池電圧だけでなく、この電池交換日もチェックし、電池交換から所定期間を過ぎたデジタルカメラは「賞味期限切れ商品」として、貸出しセンターに返品する。このような管理によって、レンタル期間中充分機能できる容量の電池が入ったデジタルカメラのみをレンタルする。また、返品になったデジタルカメラの情報は、レンタル商品としてのデジタルカメラの顧客への回転率、または店舗53などでの在庫状況の情報となる。
【0080】
上記の電池交換日の情報はCPU83にも入力されており、貸出し時点において入力される返却日との比較により充分な電力供給が保証できないときは、保証できる同一機種に代替してレンタルする。また、CPU83は電池交換日および返却日の情報と本日の日付情報との比較により、電力供給が保証できない状態の予告、貸出し期間の超過などのレンタルに関する警告情報を作成し、モニタ出力73から画像情報が出力されるとき、これに警告情報を重畳してテレビ画面などに表示されるようにする。
【0081】
また、モニタ出力73からの画像をテレビなどで見ながら操作部75を操作することによって不要な画像を削除することができるほか、必要画像のプリント枚数やプリントサイズなどの指定を行うこともでき、これらの指定情報は所定の書式に従ってCPU83からメモリ87に書込まれる。書込まれた指定情報はデジタルカメラの返却時に画像情報とともにデータ端子88から読出され、指定情報に従ったプリントが行われる。なお、このプリントの指定は、デジタルカメラ返却時に貸出しセンターにて訂正することもでき、また、デジタルカメラでの指定情報の入力はせずに、返却時に貸出しセンターにて入力することもできる。
【0082】
データ端子88は、さらに再生センターにおいて返却されたデジタルカメラの機能チェックをする際にも利用される。再生センターでは返却されたデジタルカメラのデータ端子88に検査機を接続し、種々の検査信号をCPU83に送るとともにこれらの検査信号に応答するCPU83の反応を逐一チェックし、デジタルカメラの機能および各部品の性能を評価して商品として再生可能かどうかを決定する。
【0083】
環境センサ91には、温度、湿度、気圧、騒音量などのいずれかまたはその組合せをそれぞれ簡易的に検知するセンサやGPSシステムに基づく位置情報センサなどが設けられており、撮影時のそれら出力が撮影画像に関連付けて記録される。また、露出制御用の光センサの出力、ストロボ使用の有無、擬似的にテレ撮影状態とする設定の有無、撮影時刻とその前後の撮影時刻との間隔、プリント指定枚数などもそれぞれの画像に関連付けて記録される。さらにそれぞれの画像のファイル番号を所定の法則でシリアルに付与するように構成しておくことによって、残された画像の間に何枚の画像があって消去されたかを知ることができるので、このような消去履歴も残された画像に関連付けて記録される。これらの情報は、デジタルカメラが返却されたときに画像データとともにデータ読出し端子によって読取られ、データベースセンターに送られて統計処理および分析されるとともに、その結果が総合センターに伝えられて、次機種の開発・設計、生産、廃棄計画に反映される。
【0084】
図7は総合センター9の詳細を示すブロック図である。総合センター9は、既に述べたように、通信ネットワーク10、12によってそれぞれデータベースセンター4および物流センター6からのフィードバックを受け、次機種の開発・設計、生産、廃棄計画に反映させる。総合センター9はさらにその内部でも情報の交換を行い次期種の開発設計へのフィードバックを行っている。つまり、図7に示すように総合センター9では開発・設計部門9a、生産工場9bおよび廃棄工場9cが一体となってコンピュータネットワークによる緊密な情報交換が図られるとともに開発・設計から廃棄に至るまでを総合した製品のライフサイクル全体にわたるコスト管理が行われている。また、物流センター6内にある再生センター6aは再生工場を持ち、生産工場9b、廃棄工場9cと同様にしてコンピュータネットワークによる緊密な情報交換システムの中に組みこまれている。
【0085】
図8は、このようなコスト管理の手順図であり、図7も参照しながら説明する。図8において、新機種の計画がステップS21でスタートすると、開発・設計部門9aから新機種の設計データが、生産工場9b、廃棄工場9c、および再生センター6aにそれぞれ送られる。ステップS22では、生産工場9bのコンピュータ9eにより、過去機種の生産実績記録および新機種の設計データに基づいて新機種の生産コストの見積が行われる。また、ステップS23では、物流センターにある再生センター6aのコンピュータ6cにより、過去機種の再生実績記録および新機種の設計データに基づいて新機種の再生コストの見積が行われる。さらに、ステップS24において廃棄工場9cのコンピュータ9fにより過去機種の廃棄実績記録および新機種の設計データに基づいて新機種の廃棄コストの見積が行われる。これらステップS22からステップS24の順序は任意であり、並行して同時に実行されてもよい。各見積が出揃い、それぞれ総合センター9の中央コンピュータ9gに送られると、ステップS25において中央コンピュータ9gによる新機種全体の総合コストの見積が行われる。
【0086】
ステップS26では、総合コストが新機種の事業計画におけるコスト目標を達成しているかどうかがチェックされる。コスト目標が未達であれば、ステップS27で中央コンピュータ9gにより、生産工場9b、再生センター6a、および廃棄工場9cの各々に対するコストダウン目標の設定が行われる。コストダウン目標の設定手順としては、まず生産工場9b、再生センター6a、および廃棄工場9cの各コンピュータから自発的な案の情報を受けた後に、中央コンピュータ9gで調整するようにしてもよい。コストダウン目標が設定され、これがフィードバックされると、ステップS28において、生産工場9b、再生センター6a、および廃棄工場9cの各コンピュータによりそれぞれコスト分析が行われ、影響度の大きいコストダウン項目が抽出される。
【0087】
ステップS29では、抽出されたコストダウン項目について情報交換が行われる。例えば、新機種の分解工程に新たな設備投資が必要である場合において既存設備の流用で分解可能なよう設計変更するための指摘があれば、廃棄工場9cのコンピュータ9fから中央コンピュータ9gにその指摘を送付先の指定とともに送付する。中央コンピュータ9gは、送付先の指定に応じ、その指摘を開発・設計部門9aのコンピュータ9d、生産工場9bのコンピュータ9e、再生センター6aのコンピュータ6cに送付してフィードバックする。廃棄工場9c側からのコストダウン項目の発信としては、上記の他、例えば、廃棄工場9cの経営上の要請から工程の一部を改変したいときに、その改変が新機種の設計、生産、再生に適合するかどうかの問い合わせる場合などがある。
【0088】
同様に、生産工程の合理化項目があるときは、生産工場9bのコンピュータ9eから中央コンピュータ9gにその情報を送付先の指定とともに送付する。中央コンピュータ9gは、送付先の指定に応じ、その情報を開発・設計部門9aのコンピュータ9d、廃棄工場9cのコンピュータ9f、再生センター6aのコンピュータ6cに送付する。これらの情報としては、例えば、生産工程の合理化に適した設計が可能かどうかの開発・設計部門9aに対する問い合わせや、合理化が廃棄工程や再生工程のコストアップにつながることがないかどうかの廃棄工場9cや再生センター6aへの問い合わせなどがある。
【0089】
さらに、再生工程の合理化項目があるときは、再生センター6aのコンピュータ6cから中央コンピュータ9gにその情報を送付先の指定とともに送付する。中央コンピュータ9gは、送付先の指定に応じ、その情報を開発・設計部門9aのコンピュータ9d、生産工場9bのコンピュータ9e、廃棄工場9cのコンピュータ9fに送付する。
【0090】
また、コストダウンのための斬新な開発・設計アイデアがあるときは、開発・設計部門9aのコンピュータ9dから中央コンピュータ9gにそのアイデアを送付先の指定とともに送付する。中央コンピュータ9gは、送付先の指定に応じ、そのアイデアを廃棄工場9cのコンピュータ9f、生産工場9bのコンピュータ9e、再生センター6aのコンピュータ6cに送付する。
【0091】
以上のようにしてコストダウン項目の情報交換が終わると、ステップS30において、他部門から受けた情報に応じてコストダウン案を作成し、コンピュータを通じてその情報の交換を行う。例えば、上記の例で示したような、廃棄工場9cからの既存設備流用に向けての設計変更に対する指摘に対しては、開発・設計部門9aのコンピュータ9dから中央コンピュータ9gを介して廃棄工場9cのコンピュータ9fに情報が送られる。この情報の例としては、指摘に添った新機種設計変更の可能性の可否についての回答、設計変更案とそれが廃棄工場9cの要望に適するかどうかの問い合わせなどがある。生産工場9bからも、生産方法の変更により廃棄工場9cの要望に添うことの可否、生産工場9bから見た廃棄方法の提案などの情報が中央コンピュータ9gを介して廃棄工場9cのコンピュータ9fに送られる。以下、説明は省略するが、ステップS29で例示したようなコストダウン項目の情報発信に対するレスポンス、提案、再問い合わせなどが、ステップS30において行われる。その実行は、中央コンピュータ9gを介した各部署のコンピュータ間の通信による。
【0092】
上記では、二者間の直接的な情報交換について述べたが、ステップS29およびステップS30における情報交換はこれに限るものではない。例えば開発・設計部門9aからの新製品の設計データの情報受けた生産工場9bにおいて、まずその設計データに基づいて新製品に関する生産情報を作成し、次いでその生産情報を廃棄工場9cに送るような間接的な情報交換も可能である。この場合、廃棄工場9cでは開発・設計部門9aからの直接受けた新製品の設計データの情報、および上記のような生産工場9bからの新製品の生産情報の両者を含めて総合的な廃棄コストの見積りを行う。
【0093】
上記のような間接的な情報交換は、再生センター6aにおける再生コストの見積りに関しても生じる。すなわち、開発・設計部門9aからの新製品の設計データの情報受けた生産工場9bにおいて、まずその設計データに基づいて新製品に関する生産情報を作成し、次いでその生産情報を再生センター6aに送るような間接的情報交換である。この場合も、再生センター6aでは開発・設計部門9aからの直接受けた新製品の設計データの情報、および上記のような生産工場9bからの新製品の生産情報の両者を含めて総合的な再生コストの見積りを行う。
【0094】
以下個々の説明は省略するが、開発・設計部門9a、生産工場9b、廃棄工場9c、および再生センター6aの間では、ステップS29およびステップS30において種々の組合せや順路による情報交換が可能である。
【0095】
ステップS30における情報交換が終わるとステップS22に戻り、ステップS29、ステップS30で交換した情報を加味して、ステップS22からステップS25でコストの再見積りが行われる。再見積りによってもステップS26で目標未達であると判断されると、ステップS27からの手順が繰り返される。このようにして、目標が達成されるまでステップS22からステップS30が繰り返され、目標が達成されるとステップS26からステップS31に飛んで手順を終了する。
【0096】
一般の商品では、開発・生産から流通・販売までのコストが事業コストであるが、上記のように、この発明ではこれらの他に流通後の商品の返却に対応するコスト、再生から再流通へのコスト、廃棄コストを加えた全体が事業コストとして管理されている。
【0097】
なお、図8では、新機種の展開を契機とする事業コスト管理について説明したが、図7のシステムではこの他、各部門に対して複数の機種にまたがる共通化を契機とする事業コスト管理の義務が課されており、この観点からも中央コンピュータ9gコントロール下で各部門のコンピュータ9d、9e、9fからコストダウン計画および実践の情報が伝えられる。これらの情報は中央コンピュータ9gを通じ、各部門のコンピュータ9d、9e、9fで共有され、関連部門において活用される。
【0098】
図9は、デジタルカメラがレンタルではなく通常の商品として流通する場合を例にとった第三の実施の形態を示すシステム図のブロック図である。物流センター6、総合センター9、およびこれらに関連する配送ルート7、11並びに通信ネットワーク8、10、12は図1における第一の実施の形態と同様であるので、同一番号を附し、説明を省略する。
【0099】
第三の実施の形態において、顧客センター101は顧客102との間の一切の窓口として機能する。まず第1に通常のカメラ店舗として顧客102にデジタルカメラを販売する。受渡しルート103は店頭での販売であっても、注文による配送であってもよい。但し、受渡しルート103は一方通行ではない。顧客102はデジタルカメラ購入の際、顧客センター101と「メンテナンスおよび廃棄契約」を結ぶ。この契約によって、デジタルカメラの修理、改造、グレードアップ、買換えなどの際に、顧客は受渡しルート103を介してデジタルカメラを顧客センター101に戻す。戻されたデジタルカメラは配送ルート7を介して物流センター6、さらに必要に応じ、配送ルート11を介して総合センター9に送られ廃棄される。これらの機能は第一の実施の形態とほぼ同様なので、詳しい説明は省略する。
【0100】
買換えなどのために手持ちのデジタルカメラが不要になったとき、顧客は個人で廃棄処分をすることもできるが、その費用は「メンテナンスおよび廃棄契約」を結んで顧客センター101に戻すよりも割高となる。所定の手続きによらずに勝手に廃棄することは地球環境のために法令で禁止されているものとする。
【0101】
顧客センター101は、顧客が直接訪れる通常の店舗として多数の拠点に分散して設けることも可能であるが、通信販売やネット販売のような無店舗販売の場合は、一つのセンターとしてまとまっていてもよい。
【0102】
第三の実施の形態におけるシステムも、デジタルカメラの販売だけでなく、種々のサービス業務を行う。例えば、プリントサービス、CD−Rへの書込みサービス、撮影画像情報の保管サービスなどである。これらのサービスは、顧客102が直接顧客センター101に出向いて受けることもできるし、顧客102が自宅のパソコンからインターネット107などを通じて顧客センター101にアクセスし、必要な注文データや画像データを送受信することによっても受けることができる。
【0103】
デジタルカメラの購入やサービスの申しこみの際、新規顧客の住所、氏名、電話番号、メールアドレス、クレジットカード番号などの顧客管理情報が顧客センターにおいて記録され、顧客ID番号が発行される。新規顧客の場合、その同意を得て、年齢、性別その他のプライバシー情報も顧客データベース4aに記録する。また、顧客の同意を得て、撮影画像などに含まれる使用状況の情報も記録する。これらの点は、第一の実施の形態と同様である。
【0104】
サービスセンター104は、顧客データベース104a、画像データベース104b、プリンタ104c、およびCD−Rドライバ104dを持つ。これらの要素の機能は第一の実施の形態と基本的に同様なので説明を省略する。但し、第三の実施の形態では、プリンタ104c、およびCD−Rドライバ104dがサービスセンターに設けられているので、顧客の希望によりプリンタ104cでプリントされたプリントまたはCD−Rドライバ104dによって撮影画像情報を書込んだCD−Rは配送ルート106を介して顧客センターに送られる。第三の実施の形態では、顧客との全ての窓口が顧客センターに集中されており、顧客102がとまどうことはない。サービスに必要な全ての連絡は通信ネットワーク105によってサービスセンター104と顧客センター101の間でやり取りされる。
【0105】
総合センター9は、通常の開発、設計、生産の他に、廃棄をも含んだ総合的な機能を受持つセンターである。この総合センター9も、通常はシステム内に一つでよいが、場合によっては複数設けられてもよい。また単一の総合センター9の機能を複数の拠点に分割してもよい。
【0106】
総合センター9が、顧客データベース104aの商品流通統計情報を受取り、生産調整や次機種の開発・設計、生産廃棄計画に反映させることは、第一の実施の形態と同様である。この場合も、廃棄への対応を通じ、販売した商品の大半が回収されるので市場情報の把握が可能となる。そして商品サイクルが短くなるほど、その情報はリアルタイムに近くなり、商品企画のレスポンスも早くなるとともに、市場のレスポンスも速やかに把握することができる。
【0107】
以上のような第三の実施の形態においても、商品の循環の中に総合センター9の廃棄機能が組みこまれているので、デジタルカメラが廃棄物としてシステムの外に出ることはなく、地球環境のためのゼロエミッションが達成される。
【0108】
図10は、デジタルカメラが、レンタルではなくレンズ付きフィルムのようにリサイクルを前提とした短期間の使い切り商品として流通する場合を例にとった第四の実施の形態におけるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。第四の実施の形態においても、撮影済みデジタル画像情報が格納されたデジタルカメラをカメラごとプリントのために引き渡すことが標準の流通形態として想定されている。しかしながら、レンタルではないのでカメラの所有権は購入者にあり、デジタル画像データを自身で家庭のパソコンなどに取込んだ後は「返却」せず、用済みのデジタルカメラを使用者自身の責任で廃棄してもよいシステムとなっている。なお、以下の説明では図6と共通する構成には同一番号を付し、説明を省略する。
【0109】
図10のデジタルカメラはプラスチック製のハウジング201に収容されており、ハウジング201の外部はさらに紙製の外装72によって覆われている。紙製の外装72は、撮影済みのデジタル画像情報がデジタルカメラごとプリントのために持ちこまれたとき、画像データ読出し後、デジタルカメラがリサイクル可能であれば剥がして交換する。
【0110】
紙製の外装72には、モニタ出力73、データ端子202、LCD表示203、操作部204、ファインダ205、撮影レンズ77、ストロボ78に相当する位置にそれぞれ窓が開けられている。図6の実施の形態と異なり、上記の構成はコストダウンなどのために、すべて窓から直接外部に露出している。
【0111】
LCD表示203は、図6のLCD表示74と同様のものである。操作部204も図6の操作部75と同様の構成であるが、焦点距離切換えボタン、画質切換えボタンなどのない簡単な構成である。また、ファインダ205はワイド撮影の画角を持つ撮影レンズ77のに対応した視野枠が設けられているだけであり、焦点距離切換えの構成はなく、極めて簡単な構成になっている。
【0112】
イメージセンサ206は200万画素程度のCCDなど、最もコストパフォーマンスの良い素子が採用される。図6とは異なり、常に全エリアの全画素の情報がイメージセンサ制御部84およびCPU83によって読出される。
【0113】
データ端子202は、メモリ87に格納されているとおりの画像情報量を持つデジタルデータの情報を出力するもので、USBなど汎用のデータ端子によって構成されており、使用者はこの端子を介して任意に家庭のパソコンなどにデータを取込んだりプリントしたりすることができる。また、使用者自身がパソコンの編集機能によって画面の中央を切取って拡大することにより、図6におけるテレ撮影と同じ効果が得られるので、既に述べたように図10のデジタルカメラ自体には焦点距離切換えの構成が設けられていない。なお、使用者が家庭のパソコンを使って撮影画像を編集したとき、このような編集画像データをデータ端子202経由でデジタルカメラのメモリ87に戻すことも可能である。この場合、通常の撮影済み画像データとともにこのような編集画像データが格納されたデジタルカメラを持ちこんでプリントサービスを依頼することも可能である。
【0114】
電源回路89および電池90の構成は図6と同様であり、図10のデジタルカメラにおいても、電池90を収容する電池室の蓋は外装72によって覆われており、顧客自身による電池交換は前提となっていない。
【0115】
図11は、第四の実施の形態におけるサービス体制を示すブロック図である。このサービス体制では、既存のコンビニエンスストアシステム301および既存のプリント業者302が、デジタルカメラのメーカー303と連携する。なお、メーカー303はデジタルカメラのリサイクル機能を備えている。また、コンビニエンスシステム301は通常の仕入れ・配送システムを備えており、図3に示したような配送センター57が物流のハブとなっている。後に説明する矢印306、309、315、314、311、312は、このコンビニエンスシステム301における通常の仕入れ・配送システムを流用した物流を示し、実際には図3に示したような配送センター57を経由して物流を実行しているが、簡単のため以下の説明ではこの点への言及は省略する。さらに、プリント業者302は顧客からデジタル画像データに基づくプリント注文を受け、顧客の希望があれば既存の宅配サービスを利用してプリントを配送することを業とするものである。また、顧客の希望により、デジタル画像データを保管するサービスも行う。第四の実施の形態は以上のような既存のシステムの協業によって実現される。なお、コンビニエンスストアシステム301、プリント業者302、およびメーカー303は、協業のため、それぞれコンピュータ301a、302aおよび303aを備えており、銀行304とインターネットなどのネットワークで交信可能である。
【0116】
以下、各矢印に付した1)〜9)の物流の順序に沿って図11におけるサービス体制について説明する。まずコンビニエンスストアシステム301は、矢印306に示すように、通常の仕入れルートを流用してメーカー303またはその販売店からデジタルカメラの仕入れを行う。仕入れ代金の構成および支払い方法については後述する。仕入れられたデジタルカメラは、コンビニエンスストアシステムにおける他の商品と全く同様にしてコンビニエンスストアに陳列される。
【0117】
顧客305は矢印307のようにデジタルカメラを購入し、矢印308のようにその代金を支払う。なお、後述のように代金にはデジタル画像のプリント料金など一切が含まれており、デジタルカメラを購入した顧客305はこの後一切の料金を支払うことなく、全てのサービスを受けることができる。このデジタルカメラの購入および代金の支払いは、例えばコンビニエンスストアシステム301の店頭において現金払いによって行われる。また、店頭に出向かなくても、矢印307をコンビニエンスストアシステム301の配送システムによる配送とし、矢印308をクレジットカードによる銀行口座引落しとすることもできる。
【0118】
矢印309は売れ残ったデジタルカメラについてのコンビニエンスストアシステム301からメーカー303への返品を示している。返品はモデルが古くなって人気がなくなった場合の他、長期に店頭に陳列されたために電源電池の容量の保証ができなくなった場合に行われる。これは、生鮮食料品における賞味期限切れと同様である。返品の際の精算についても、後述する。
【0119】
デジタルカメラを購入した顧客305は、撮影終了後、矢印310のようにデジタル画像データを格納したデジタルカメラをコンビニエンスストアに戻し、プリントを依頼する。この依頼は、コンビニエンスストアシステム301の店頭で行ってもよいし、コンビニエンスストアシステム301の配送システムによる回収を要請してもよい。コンビニエンスストアシステム301は、矢印311のようにその配送システムにより、デジタル画像データを格納したデジタルカメラをプリント業者302に配送する。
【0120】
プリント業者302は受取ったデジタルカメラからデジタル画像情報を読出し、プリントを行う。完成したプリントは、顧客305への受渡しのため、矢印312のようにコンビニエンスストアシステム301の配送システムによってコンビニエンスストアシステム301に運ばれる。顧客305は矢印313のように店頭で完成したプリントを受取る。矢印313は、コンビニエンスストアシステム301の配送システムによって顧客305に宅配してもよい。
【0121】
一方、プリント業者302のもとでデジタル画像情報の読出しの終わった使用後のデジタルカメラは、矢印314および矢印315のように、コンビニエンスストアシステム301をハブのごとく経由してメーカー303に戻され、リサイクルに供される。コンビニエンスストアシステム301を経由する理由は、プリント業者302とメーカー303との間にコンビニエンスストアシステム301とは別の新たな配送ルートを設けるのを避けるためである。すなわち、矢印306、309、315はコンビニエンスストアシステム301(具体的には図3に示すような配送センター57)とメーカー303との間を往復するコンビニエンスストアシステム301の定期シャトル便の往復によって実行される。同様に、矢印314、311、312はコンビニエンスストアシステム301(具体的には図3に示すような配送センター57)とプリント業者302との間を往復するコンビニエンスストアシステム301の定期シャトル便の往復によって実行される。もちろん、コンビニエンスストアシステム301の配送システムとして運行コスト上の支障がなければ、使用後のデジタルカメラをプリント業者302から直接メーカー303に配送する直行便を設けてもよい。いずれにしても、サービスに必要な物流に関してはすべて既存のコンビニエンスストアシステム301の仕入れ・配送システムが効果的に流用される。
【0122】
コンビニエンスストアシステム301、プリント業者302、およびメーカー303の間における料金などの精算はコンピュータ301a、302aおよび303a相互間の交信およびこれらと銀行304との交信に基づき、銀行304におけるそれぞれの口座間で行われる。図12はこのような精算における、料金構造と精算をまとめた表であり、記号◎または○は該当があることを示す。その他の点は図12の各欄に記載のとおりである。
【0123】
図12に示すように、まずカメラ仕入れの時期において、メーカー303からコンビニエンスストアシステム301に対し、デジタルカメラの卸値およびプリント料金の合計額が課金される。その内、プリント料金はプリント業者のための代行徴収である。なお、この際に、コンビニエンスストアシステム301がメーカー303のために行う矢印314、315のカメラ回収の物流費用が上記合計額から控除される。図12における◎は、料金の最終受取り者を示すもので、カメラ仕入れ時点では、カメラ卸値の最終受取り者はメーカー303である。但し、上記のようにカメラ回収費が控除されている。
【0124】
なお、上記の実施の形態では、個々のカメラの回収が実際に行われるか否かにかかわらず、仕入れの際にすべてのカメラについてカメラの卸値からカメラ回収費が予め控除される。これは、コンビニエンスストアシステムにカメラの回収体制を敷いてもらうためのメーカーからの委託料の意味合いを持つ。しかしながら、このような実施の形態に換えて、仕入れの際には上記のような控除は行わず、矢印314および矢印315における使用済みデジタルカメラの回収が実際に生じた際、その実績に応じてコンビニエンスストアシステム301からメーカー303に対し、カメラ回収費の請求を行うような実施の形態も可能である。いずれの場合においても、カメラの回収は配送システムのあるコンビニエンスストアシステム301に対するメーカーからの委託の形を取り、カメラ回収費はコンビニエンスストアシステム301からメーカー303に請求されるべき性質を持つ。
【0125】
次にカメラ販売時点では、コンビニエンスストアシステム301から顧客305に対し、デジタルカメラの売値(卸値+マージン)、プリント料金、および矢印310から313におけるプリントのサービス管理費(矢印311、312のプリント配送費を含む)の合計額が課金される。なお、その内のプリント料金はカメラ仕入れ時の金額と一致している。なお、カメラ販売時点におけるマージンとサービス管理費の最終受取り者はコンビニエンスストアシステム301である。
【0126】
カメラ返品時点での精算は、カメラ仕入れ時点と比較し、支払者と支払い先の関係が逆になっているだけで料金構造および合計額は同じである。なお、カメラ仕入れ時点でのプリント料金はメーカー303による代行徴収であったが、返品の際にはプリントは生じなかったわけであるから、コンビニエンスストアシステム301は最終受取り者として、プリント料金を含め、支払ったとおりの合計金額の返金をメーカー303から受取る。なお、実際には、個々の商品毎ではなく、仕入れと返品の差額が、例えば月末などにコンビニエンスストアシステム301とカメラメーカーとの間で一括して精算される。上記の例では、返品に対して仕入代金の全額をカメラメーカー303からコンビニエンスストアシステム301に返却するようにしたが、これは単純化のため、デジタルカメラの売れ行きに対する全責任をメーカー303として、コンビニエンスストアシステム301側をノーリスクとした例である。商品企画の責任がコンビニエンスストア301側にもある場合は、当然ながら、売れ残りによる損失をコンビニエンスストア301も負担することになる。
【0127】
プリント作成時点では、プリント業者302からメーカー303に対し、実際に発生したプリントに関するプリント料金が課金される。この課金の単価は、カメラ仕入れ時点においてメーカー303が代行徴収していた料金と同額である。当然ながら、プリント料金の最終受取り者はプリント業者302である。
【0128】
なお、プリント料金、およびサービス管理費はともにプリントが行われることを前提とした前納であり、顧客の負担となっている。これは、使用後のデジタルカメラがプリント業者302を経由してメーカー303によるリサイクルに供されるのを促進し、循環型社会の実現に資するためである。デジタルカメラが戻ってこないということは、顧客がプリントサービスを自らの意志で放棄したことを意味するので、その分の料金の負担は顧客の責任とし、一方徴収済みのプリント料金およびサービス管理費は、それぞれ、システム維持のリスクを負担しているメーカー303およびコンビニエンスストアシステム301の取り分とする。
【0129】
以上のようなビジネスモデルによって、コンビニエンスストアシステム301、プリント業者302、メーカー303、および顧客305は、それぞれ下記のような利点を得る。まず、コンビニエンスストアシステム301にとっては、収益に寄与する売れ筋商品の一つとして期待できる他、プリントのサービス管理を兼務することで仕入れ・配送システムの回転率を上げコストダウンを図ることができる。さらに、プリントのサービス管理を兼務することによる客寄せ効果は、商品全体の売上増加策としても有効である。
【0130】
また、プリント業者302は、大口の受注先を確保することができるとともに、受注営業および顧客へのプリント配送手配の手間から開放される。また、料金の徴収先についてもコンビニエンスストアシステム301経由のプリント注文に関する限り、個々の顧客ではなく、メーカー303のみを相手にすればいいので、経理が簡単となる。
【0131】
メーカー303にとっては、商品の有効な販路および物流手段を、自前の投資なしに獲得することができる。さらに、顧客305は、コンビニエンスストア301の配送ルート流用してプリントの依頼および受取りができるので、利便性とともに、通常の宅配サービスなどによるプリント配送を依頼するのに比べ各段に安いプリント配送費の負担でプリントを入手することができる。
【0132】
以上のようにして、既存の各システムの協業により、顧客の利便性を高めるとともに、循環型社会の実現に貢献することができる。第四の実施の形態はレンタル方式ではないが、プリントの注文を通じてデジタルカメラの大半を回収することができる。また、レンタル方式ではないのでメーカー303やコンビニエンスストアシステム301における貸出し管理が不要であり、プリント注文をデジタルカメラの販売と独立して管理できる。
【0133】
上記の説明では、第四の実施の形態において流通するデジタルカメラは、図10のような構成のものとしたが、これに限るものではなく、例えば、図6のような構成のデジタルカメラであってもよい。
【0134】
なお、第四の実施の形態において流通するデジタルカメラは、レンズ付きフィルムと似た商品となっているが、何度でも撮り直せる点、プリント依頼前にテレビなどによって画像の確認ができる点、デジタル画像データの保管を依頼できる点、必要に応じデジタル画像データを自分でパソコンなどに取込んだり加工したりできる点などにおいて、レンズ付きフィルムよりも利点が大きい。
【0135】
しかしながら、図11の第四の実施の形態に示したコンビニエンスストアの配送システムを活用したメーカー、コンビニエンスストアシステム、およびプリント業者の協業のビジネスモデル自体は、その対象をデジタルカメラに限るものではなく、レンズ付きフィルムの流通においてもこれを適用することが可能である。また、レンズ付きフィルムに適用した場合、図12においてコンビニエンスストアシステムが受取るサービス管理費はカメラ販売時点ではなく、顧客がプリント依頼のためにコンビニエンスストアシステムに撮影済みカメラを持参したとき、またはコンビニエンスストアシステムに届けられたプリントを顧客に手渡すときに課金してもよい。
【0136】
さらに図11、図12に示したシステムは、その変形の実施の形態として図5に示すような料金体系のレンタル商品の場合にも適用可能である。この場合、図11、図12の「メーカー」は「レンタル業者」と読替えて理解すればよい。また、「カメラ仕入れ」もレンタルのためのものと理解すればよいが、この際のカメラ卸値は「レンタル卸値」ともいうべきもので、レンタルについてのレンタル業者の取り分を意味する。「カメラ販売」は「カメラレンタル」と読替えて理解すればよいが、この時点において、「レンタル卸値」にコンビニエンスストアシステムのマージンを乗せたものが顧客にとっての正味のレンタル料となる。これ
にサービス管理費、プリント料金が上乗せされることは第四の実施の形態と同様
である。
【0137】
上記のように図5のような料金体系を採用した場合、図12の「カメラ仕入れ」段階、および「カメラレンタル」段階の「プリント料金」は、図5の「基本料金」に該当し、図12の「プリント作成」時点でプリント業者から「レンタル業者」に請求される実際の「プリント料金」とは異なってくる。この差額の返金処理やレンタル期間超過の追加料金などは、図11の矢印310または矢印313の際に、顧客305とコンビニエンスストアシステム301との間で精算される。また、この精算額は、コンピュータ301aとコンピュータ303aとの交信およびこれらと銀行304との交信により、コンビニエンスストアシステム301とレンタル業者(メーカー303の読替え)との間で精算される。
【0138】
図13は、第五の実施の形態におけるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。図6や図10と同様の構成については同一番号を付し、説明を省略する。第五の実施の形態におけるデジタルカメラ401は、レンタルカメラまたは使い切り商品ではなく通常のデジタルカメラであるが、不要となった後の回収とリサイクルも考慮して構成されている。なお、画像データはメモリ402ではなく、記憶媒体スロット403に着脱可能なメモリーカードなどの記憶媒体404に記憶される。
【0139】
記憶媒体404には、画像データとともに各画像データに関連する使用状況などのデータも記録することができる。記憶媒体404に記憶された画像データと使用状況データを顧客が利用する際には、記憶媒体404を記憶媒体スロット403から取り外し、これを外部のパソコンなどの記憶媒体スロットに挿入することによって画像データおよび使用状況データを読出すことができる。なお、データ端子202を外部のパソコンなどに接続することにより、記憶媒体404に記憶された画像データと使用状況データを顧客自身で読出すことも可能である。
【0140】
メモリ402は履歴記憶部405を有し、この履歴記憶部405には、記憶媒体404に記憶されたのと同じ使用状況データ、環境センサ91の出力、露出制御用の光センサの出力、ストロボ使用の有無、擬似的にテレ撮影状態とする設定の有無、撮影時刻、などのデジタルカメラ401の使用履歴が記憶される。使用履歴としては、撮影時点のデータだけでなく、撮影に先立つ操作部75の操作履歴や、操作部75による再生操作の履歴なども記憶することができる。また、履歴記憶部405には出荷日、卸日、販売日などの流通履歴も記憶される。
【0141】
メモリ402にはさらに顧客情報記憶部406が設けられており、この顧客情報記憶部406には、顧客の住所、氏名、電話番号、メールアドレス、クレジットカード番号などの顧客管理情報、撮影および画像処理に関する顧客によるカスタム設定のデータ、使用に関する顧客との契約条件データ、パスワードなどの顧客情報が記憶されている。また、メモリ402は同意データ記憶部407を有し、この同意データ記憶部407にはメモリ402の個々の情報についてこれを読出してよい旨の顧客の同意および読出しに関して顧客が指定する条件が記憶されている。
【0142】
メモリ402に記憶された各情報は、記憶媒体404が記憶媒体スロット403から取出された後もデジタルカメラ401に保持され、これによってデジタルカメラ401が出荷されてから回収されるまでの流通および使用の全履歴が蓄積可能である。
【0143】
メモリ402に記憶された各情報は、デジタルカメラ401が不要となって回収されたとき、同意データ記憶部407の同意に従って回収先で読出され、データベースセンターに送られて統計処理および分析されるとともに、その結果が総合センターに伝えられて、次機種の開発・設計、生産、廃棄計画に反映される。また、顧客の同意を得て顧客情報記憶部406から読出した顧客情報は、顧客の希望に基づき、顧客が回収先で新たに購入する買換え機種のメモリ、または顧客が使用済みの機種とともに回収先に持ち込んだ購入済の買換え機種のメモリに転記することも可能である。
【0144】
メモリ402に記憶される各情報は、カメラの流通や使用に伴って自動的に入力される他、LCD表示74の表示に従って販売員または顧客自身が操作部75を操作することによって入力または変更される。なお、メモリ402に記憶された各情報については、デジタルカメラ401を通常使用している段階で顧客自身がこれらを読出すことは禁止されている。具体的には、メモリ402の情報は、データ端子202を介して顧客が使用できない特殊なプロトコルに従って読出すようにする。なお、データ端子202を顧客が使用できない特殊な形状の出力端子とすることによっても、顧客の読出しを禁止することができる。また、顧客が使用できないよう、図6に準じてメモリ402の情報を読出すための端子を外装によって隠しておくようにしてもよい。さらに、電波などによる特別の非接触の読出し手段により読出すようにすれば回収時の読出しが効率的に行えるとともに、顧客の読出しを禁止する目的にも合致する。
【0145】
なお、図13における第五の実施形態のデジタルカメラ401は、図6や図10とは異なり、電池室408の蓋を開けることによって電池409を顧客自身で交換することが可能である。
【0146】
図14は、第五の実施の形態における回収サービス体制を示すブロック図である。その大半は図11と共通なので同様の構成については同一番号を付し、説明を省略する。図14のサービス体制では、矢印1)〜9)に示した使い切り商品の物流に加え、図13に示した第五の実施の形態におけるデジタルカメラ401の回収および買換え商品の販売サービスを行う。
【0147】
図14においても、コンビニエンスストアシステム301は、矢印306に示すように、通常の仕入れルートを流用してメーカー303またはその販売店からデジタルカメラ401の仕入れを行う。この仕入れ代金にはリサイクル費用が含まれている。なお、リサイクル費用とはデジタルカメラ401を出荷する際、認定を受けたメーカー303が徴収できる費用であり、その一部は銀行304を通じて所定のリサイクル管理機構に納められる。コンビニエンスストアシステム301によって仕入れられたデジタルカメラ401は、他の商品と全く同様にして店頭に陳列される。
【0148】
コンビニエンスストアシステム301を訪れた顧客305は矢印307のようにデジタルカメラを購入し、矢印308のようにその代金を支払う。なお、代金には仕入れの際にコンビニエンスストアシステム301がメーカー303に支払ったリサイクル費用が転嫁されている。このようにして、顧客305はデジタルカメラ購入時に将来のリサイクル費用を負担して前払いする。
【0149】
図14のサービスシステムにおいては、コンビニエンスストアシステム301が不要となった使用済みデジタルカメラ401の回収拠点となっている。デジタルカメラ401の所定外の場所への投棄は法律によって禁じられているものとする。矢印501は、顧客305からコンビニエンスストアシステム301への使用済みデジタルカメラ401の持ち込みを示す。コンビニエンスストアシステム301に持ち込まれたデジタルカメラ401からは、情報読出し/転記部301bに回され、顧客の同意に基づいてメモリ402からの情報の読出しが行われる。そして、情報読出しの終わったデジタルカメラ401はコンビニエンスストアシステム301とメーカー303との間を往復するコンビニエンスストアシステム301の定期シャトル便によって矢印315に従ってメーカー303に戻され、リサイクルに供される。コンビニエンスストアシステム301においてこのような処理が行われたとき、1台のデジタルカメラについて所定のリサイクル協力金が銀行304を通じリサイクル管理機構からコンビニエンスストアシステム301に支払われる。
【0150】
なお、顧客の希望があれば、情報読出し/転記部301bによって使用済カメラの顧客情報記憶部406から読出された顧客情報は、顧客がコンビニエンスストアシステム301で新たに購入する買換え機種、または顧客が使用済みデジタルカメラと共にコンビニエンスストアシステム301に持ち込んだ購入済の買換え機種の顧客情報記憶部406に転記する。
【0151】
図15は、上記のような図14のコンビニエンスストアシステム301の情報読出し/転記部301bのコンピュータによって実行される回収手順を示したフローチャートである。コンビニエンスストアシステム301に使用済みデジタルカメラが持ち込まれるとステップS41からフローがスタートし、ステップS42においてデジタルカメラが読出すべきデータを持っているかどうかがチェックされる。データがあればステップS43に進み、データの読出しについて同意する旨の同意データが同意データ記憶部407にあるかどうかがチェックされる。
【0152】
同意データがなければステップS44に進み、コンビニエンスストアシステム301の店頭において顧客に同意するかどうかを確認し、同意が得られたらその旨を情報読出し/転記部301bのコンピュータに入力する。ステップS44において同意取得の旨の入力があればステップS45に進んで履歴記憶部405の情報を読出すとともにステップS46に進む。なお、ステップS45では、特別の同意がある場合を除いて顧客情報記憶部406の情報の読出しは行われない。
【0153】
一方、ステップS43において使用済みデジタルカメラの同意データ記憶部に同意データがあった場合は、直接ステップS45に進む。また、ステップS44において顧客の同意が得られなければステップS45をスキップし、ステップS46に進む。
【0154】
ステップS46では顧客がコンビニエンスストアシステム301で新たに購入する買換え機種、または顧客が使用済みデジタルカメラと共にコンビニエンスストアシステム301に持ち込んだ購入済の買換え機種があるかどうかがチェックされその結果が情報読出し/転記部301bのコンピュータに入力される。買換え機種があれば、ステップS47に進んで転記の希望があるかどうかがチェックされその結果が情報読出し/転記部301bのコンピュータに入力される。転記希望がある旨の入力がなされるとステップS48に進み、使用済みデジタルカメラの顧客情報記憶部406の顧客情報が読出されるとともに、これが買換え機種の顧客情報記憶部に転記される。読出し/転記が終了するとステップS49に進み、回収した使用済みデジタルカメラの処分を指示する。具体的には、矢印315に従って回収した使用済みデジタルカメラをメーカー303に移送し、ステップS50でフローを終了する。
【0155】
なお、ステップS42において顧客情報を含め読出すべきデータがなかったときは、ステップS49に飛ぶ。また、ステップS46において買換え機種がなかった場合は、ステップS47以下をスキップしてステップS49に至る。さらに、ステップS47において顧客からの転記がなかった場合はステップS48をスキップしてステップS49に進む。
【0156】
以下に本発明の第六の実施の形態によるリサイクルシステムについて説明する。
先ず、本発明の実施の形態によるリサイクルシステムの構成について説明する。
【0157】
図16は、本発明の実施の形態によるリサイクルシステムの構成を示すブロック図である。図16におけるリサイクルシステムは、コンピュータ端末501、モニタ502、サーバコンピュータ503、デジタルカメラ504、505で構成される。
【0158】
コンピュータ端末501は、本リサイクルシステムの主となる端末であり、モニタ502、サーバコンピュータ503、デジタルカメラ504、505と電気的に接続する。また、コンピュータ端末501の内部構成を図17に示す。
【0159】
図17は、コンピュータ端末501の内部構成を示す機能ブロック図である。コンピュータ端末501は、CPU601、メモリ602、通信回路603、接続端子604、表示回路605により構成される。メモリ602は、後述する制御プログラムを記憶するメモリである。また、CPU601は制御プログラムを実行するための回路である。
【0160】
モニタ502は、コンピュータ端末1内部の表示回路605で生成された信号を映像として表示する。サーバコンピュータ503は、デジタルカメラ504、505を製造したメーカーが運営するコンピュータであり、コンピュータ端末501とインターネット等のネットワークを介して接続される。また、サーバコンピュータ503は、デジタルカメラで撮影された画像データを蓄積したり、デジタルカメラ内の撮影データを記憶したりするメモリを備える。
【0161】
デジタルカメラ504は、使用者により今まで使用されていたデジタルカメラであり、リサイクルのために回収されるデジタルカメラである。また、デジタルカメラ505は、使用者が新規に購入したデジタルカメラである。デジタルカメラ504、505は、それぞれ携帯電話機能を備える。
【0162】
次に、本発明の実施の形態によるリサイクルシステムにおける制御について説明する。
本リサイクルシステムは、リサイクルのために回収されるデジタルカメラ504内に記憶されている撮影設定等の設定情報を吸い上げ、新規に購入したデジタルカメラ505に吸い上げた撮影設定等の設定情報を登録する制御を実行する。リサイクルシステムにおいて、デジタルカメラ504からデジタルカメラ505に登録できる設定情報は、時計情報、文字のフォント情報、文字サイズ情報、日本語変換辞書登録情報、使用者名情報、カスタム設定情報、撮影設定情報(撮影画像の解像度、撮影画像の圧縮方式、使用するAFエリア、ストロボの発光設定等)、画像補正情報、プロバイダー情報、各種パスワード情報、契約情報、クレジットカード情報、電話帳情報、メールアドレス情報、その他使用者プロファイル情報等である。デジタルカメラは、携帯電話機能を備えることを説明したが、それ以外に決済機能、定期券機能とカメラ機能以外の機能を備えたものであれば更に設定情報は増える。
【0163】
本リサイクルシステムを使用することにより、使用者は、新規に購入したデジタルカメラ505に撮影設定等の各種設定を一から設定することなく、今まで使用してきたデジタルカメラ504と同等の設定で不具合なく使用することが可能になる。
【0164】
また、リサイクルシステムにおけるコンピュータ端末501は、リサイクルされるデジタルカメラ504を回収する窓口に備えられることが望ましい。デジタルカメラ504からデジタルカメラ5に設定データを登録したい使用者は、回収窓口に出向いて登録作業を行い、登録作業終了後、デジタルカメラ504を窓口に提出する。これにより、リサイクルするデジタルカメラの回収率が向上する。
【0165】
以下に、本発明の実施の形態におけるリサイクルシステムで実行される制御について具体的に説明する。
ここで説明するリサイクルシステムは、新規に販売するデジタルカメラ505と、リサイクルのため回収されるデジタルカメラ504とが流通するデジタルカメラ販売店舗に、コンピュータ端末501を設置した例を示す。回収されるデジタルカメラ504と購入したデジタルカメラ505とが同時に存在する環境下において最適な制御例を説明する。
【0166】
図18は、本リサイクルシステムにおけるコンピュータ端末501で実行する制御を示すフローチャート図である。本フローは、コンピュータ端末501の接続端子604にデジタルカメラ504が接続されたことを検出してスタートする。
【0167】
先ず、ステップS101では、接続されたデジタルカメラ504から機種情報を読み取る。そして、ステップS102では、読み取った機種情報に基づいてデジタルカメラ504が本プログラムに対応した機種であるか判別する。本プログラムに対応している機種である場合にはステップS104に進み、対応していない機種である場合にはステップS103に進む。そして、ステップS103では、接続されたデジタルカメラが本プログラムに対応していないことを示す画面をモニタ502に表示させ、本フローを終了する。また、ステップS104では、認証画面をモニタ502に表示させる。この認証画面はデジタルカメラ504の使用者を認証するために必要な情報の入力を催促する。本実施の形態では、認証画面において、認証情報として購入時に行ったメーカーに対するカスタマ登録の認証IDとパスワードとの入力を催促する。ここで認証を行う理由は、デジタルカメラ504の使用者以外に作業させてしまうとデジタルカメラ504内の設定情報等のデータを不当に取得できてしまうためである。
【0168】
続いて、ステップS105では、認証情報が認証画面に入力されたか否かを検出する。入力された場合にはステップS106に進み、入力されない場合にはステップS104に戻る。そして、ステップS106では、入力された認証情報が正しいか否かを確かめるために、認証情報をサーバコンピュータ503に送信する。更に、デジタルカメラ504内のデータを吸い上げメーカーのサーバコンピュータ503に送信する。ここで送信するデータは、デジタルカメラ504内に蓄積された撮影総枚数等の撮影履歴データであり、今後発売されるデジタルカメラの設計、マーケット戦略に寄与させるためのデータである。なお、使用者のプライバシーを侵害するようなデータは送信しない。
【0169】
次に、ステップS107では、サーバコンピュータ503により認証されたか検出する。認証された場合にはステップS108に進み、認証されない場合にはステップS109に進む。ステップS108では、認証されたことをモニタ502に表示して、デジタルカメラ504から自動的に撮影設定等の設定情報を吸い上げる。一方、ステップS109では、認証されなかったことをモニタ502に表示して、ステップS104に戻る。そして、ステップS110では、設定情報の吸い上げが完了したか否か検出する。吸い上げが完了している場合にはステップS111に進み、完了していない場合にはステップS108に戻り、吸い上げを継続する。
【0170】
そして、ステップS111では、デジタルカメラ504から吸い上げた設定情報を消去する。更に、新規のデジタルカメラ505を接続するよう催促する画面をモニタ502に表示させる。続いて、ステップS112では、デジタルカメラ505が接続されたか否かを検出する。接続された場合にはステップS113に進み、接続されていない場合にはステップS111に戻る。
【0171】
また、ステップS113では、接続されたデジタルカメラ505から機種情報を読み取る。続いて、ステップS114では、デジタルカメラ505が本プログラムに対応しているか否かを検出する。ここで、本プログラムに対応しているデジタルカメラである場合には、既に吸い上げたデジタルカメラ504の撮影設定等の設定情報をデジタルカメラ505に適応したデータに変換することができる。デジタルカメラ5が本プログラムに対応している場合にはステップS115に進み、対応していない場合にはステップS103に進む。
【0172】
そして、ステップS115では、デジタルカメラ505に登録させる設定情報を選択するための画面をモニタ502に表示させる。ここで、使用者は、登録すべき設定情報を選択することができる。新規のデジタルカメラ505は、デジタルカメラ504より高機能になっており、デジタルカメラ504で設定されていた設定情報をそのまま使用しない方がよい可能性があるためである。例えば、デジタルカメラ504では、AF(Auto Focus)エリアを3エリア持ち、1エリアか3エリアを選択可能であるとする。そして、デジタルカメラ505では、AFエリアを5エリア持ち、1エリアと3エリアと5エリアが選択可能であるとする。デジタルカメラ504において使用者が3エリアに設定してあった場合に、デジタルカメラ505において自動的に3エリアに設定してしまうことなく、より信頼性の増す5エリアを選択可能にするための画面を表示させる。図19に選択画面の表示例を示す。図19における選択画面の、選択可能な項目とその項目の選択肢は、デジタルカメラ505の機能に合わせて生成される。
【0173】
デジタルカメラ504で工場出荷時の初期値に設定されたままの項目はデジタルカメラ505でも工場出荷時の初期値が選択された状態にしておく。また、デジタルカメラ504よりデジタルカメラ505の方で機能が向上した項目については、よりよい設定が自動的に選択された状態にしておく。例えば、選択画面のAFエリアの項目には初期値として、3エリアでなく5エリアが選択されている。また、図19に示す選択画面には、登録ボタンが設けられている。この登録ボタンをクリックすることにより接続されたデジタルカメラ505にデータが登録される。
【0174】
図18に示すフローの説明に戻る。次に、ステップS116では、選択画面に設けられている登録ボタンがクリックされたか否かを検出する。登録ボタンのクリックを検出した場合にはステップS117に進み、クリックを検出しない場合にはステップS115に戻る。そして、ステップS117では、デジタルカメラ504から吸い上げた設定情報をデジタルカメラ505で使用できるデータ変換し、デジタルカメラ505に登録する。当然、デジタルカメラ504のデータを変換することなくデジタルカメラ505で使用できる場合には変換しない。
【0175】
続いて、ステップS118では、デジタルカメラ505への登録が終了したこと示す画面をモニタ502に表示させる。また、その画面にはカスタマ登録へ移行するためのカスタマ登録ボタンが設けられている。カスタマ登録ボタンをクリックすることで、続いてコンピュータ端末501を使って、デジタルカメラ505のカスタマ登録を実行できる。その際デジタルカメラ504から吸い上げた情報およびデジタルカメラ504のカスタマ登録情報から最小限の入力のみでカスタマ登録できる。
【0176】
ステップS119では、カスタマ登録ボタンがクリックされたか否かを検出する。カスタマ登録ボタンのクリックを検出した場合にはステップS120に進み、クリックを検出しない場合には本フローを終了する。
【0177】
そして、ステップS120では、デジタルカメラ504とデジタルカメラ505が同一メーカーのものであるか検出する。同一メーカーである場合にはステップS121に進み、同一メーカーでない場合にはステップS122に進む。ステップS121では、既にデジタルカメラ504におけるカスタマ登録により使用者の情報等が登録されているため、ほぼ新規に登録することなくデジタルカメラ505におけるカスタマ登録が終了する。認証IDとパスワードは、デジタルカメラ504で取得したものになる。
【0178】
一方、ステップS122では、通常のカスタマ登録作業が実行される。指示に従ってカスタマ登録作業が終了すると新たな認証ID、パスワード等の認証情報が与えられる。
【0179】
以上説明したとおり、リサイクルシステムのコンピュータ端末501が、カメラの販売および回収を行うカメラ販売店の販売窓口に置かれることによって、新規デジタルカメラの購入時に利用できるので、旧デジタルカメラの撮影設定等の設定情報を新規デジタルカメラに継承することができる。また、このシステムを利用するため、使用者は販売店に旧デジタルカメラを持参することになり、旧デジタルカメラの回収を促すことができる。
【0180】
また、本システムは、使用者を認証しない状態で勝手に旧デジタルカメラ内のデータを吸い上げることができないので、旧デジタルカメラ内のデータが悪用されることを防ぐ。
【0181】
なお、本システムでは、使用者が入力した認証データをサーバコンピュータ503に接続して照合を行ったが、デジタルカメラ内に認証情報を記憶しておき、デジタルカメラ内で照合を行ってもよい。
【0182】
また、本システムでは、一連の処理の中で新規デジタルカメラのカスタマ登録を行えるので、使用者は新規デジタルカメラへのデータ登録のついでに容易にカスタマ登録が行える。
【0183】
次に、本発明の第七の実施の形態によるリサイクルシステムについて説明する。
本実施の形態によるリサイクルシステムでは、使用者の自宅のパソコンをコンピュータ端末501として用いる。
【0184】
図16に示したシステムのコンピュータ端末501として、使用者の自宅にあるパソコン等の端末が用いられる。また、コンピュータ端末501に予め本プログラムをセットアップして提供することは難しい。本プログラムは、新規購入のデジタルカメラ505に付属したプログラムCD−ROMにより提供され、使用者によりコンピュータ端末501にセットアップされる。また、自宅に置かれたコンピュータ端末501はインターネット等のネットワークを利用できる環境である。
【0185】
図20に本発明の実施の形態によるリサイクルシステムにおける制御を示すフローチャート図である。本フローも図18で説明したフローと同じくデジタルカメラ504がコンピュータ端末501に接続されることによりスタートする。
【0186】
また、プログラムで実行される制御も図18のフローと同様にステップS101からステップS122まで実行されるため説明を省略する。
そして、ステップS122の次にステップS150に進む。
【0187】
ステップS150では、回収窓口の場所、連絡先等の回収窓口情報を示す画面をモニタ502に表示させる。既に、登録されているカスタマ登録の住所情報を利用してから最寄りの窓口を提供する。
【0188】
本制御では、登録場所が回収窓口でないため、最後に回収窓口情報を表示するようにし、回収率を向上させようとしている。
また、単に、旧カメラからの設定情報を吸い上げ、吸い上げた設定情報を新規デジタルカメラ用に変換して登録するだけであれば、コンピュータ端末501は、インターネット等のネットワークを利用してサーバコンピュータ503と通信できる環境でなくても実現できる。
【0189】
次に、本発明の第八の実施の形態におけるリサイクルシステムについて説明する。ここで説明する実施の形態は、旧デジタルカメラの回収先で、新規に購入したデジタルカメラを所持していない場合、または、まだ新規のデジタルカメラを購入していない場合に有効である。
【0190】
旧デジタルカメラから取得したデータを一時的に保管するサービスを利用できる。以下にサービスを具体的に説明する。
図21は、本実施の形態のリサイクルシステムにおける制御を示すフローチャート図である。本フローは、コンピュータ端末501に回収のためのデジタルカメラ504が接続されたこととを検出することにより本フローがスタートする。
【0191】
先ず、ステップS201では、接続されたデジタルカメラ504のカメラ機種情報を読出す。続いて、ステップS202では、デジタルカメラ504が本プログラムに対応するカメラ機種であるか否かを検出する。本プログラムに対応するカメラである場合にはステップS203に進み、本プログラムに対応するカメラでない場合にはステップS204に進む。そして、ステップS204では、対応外のデジタルカメラであることを示して、本フローを終了する。
【0192】
一方、ステップS203では、デジタルカメラ504内に記憶している撮影設定等の設定情報を読出す。続いて、ステップS205では、設定情報をサーバコンピュータ503に転送し、サーバコンピュータ503内メモリに格納する。次に、ステップS206では、デジタルカメラ504内に記憶している設定情報を削除する。そして、ステップS207では、サーバコンピュータ503内メモリにアクセスするための認証IDとパスワードをモニタ502に表示させる。
【0193】
以上のとおり制御することで、撮影設定等の設定情報が吸い上げられ、削除されたデジタルカメラ504は、メーカーまたは回収業者に回収され、リサイクルにまわされる。
【0194】
次に、サーバコンピュータ3に一時的に保管されたデータを新規購入のデジタルカメラ505に登録する処理について説明する。
図22は、本実施の形態のリサイクルシステムにおける制御を示すフローチャート図である。本フローは、新規デジタルカメラ505がコンピュータ端末501に接続されたことを検出することによりスタートする。ここで、新規デジタルカメラ505であるか旧デジタルカメラ504であるかは、カメラ内に記憶されている撮影履歴データから自動的に判断される。
【0195】
先ず、ステップS301では、接続されたデジタルカメラ505のカメラ機種情報を読み取る。そして、ステップS302では、デジタルカメラ505が本プログラムで対応している機種であるか否かを検出する。対応している機種である場合にはステップS303に進み、対応している機種でない場合にはステップS304に進む。
【0196】
そして、ステップS304では、対応外のデジタルカメラであることを示して、本フローを終了する。そして、ステップS303では、認証IDとパスワードを入力させるための画面をモニタ502に表示させる。ここで入力する認証IDとパスワードは、図21のステップS207でモニタ2に表示された認証IDとパスワードである。また、ステップS305では、認証IDとパスワードが入力された否かを検出する。入力された場合にはステップS306に進み、入力されない場合にはステップS303に戻る。
【0197】
そして、ステップS306では、サーバコンピュータ503に接続し、入力された認証IDとパスワードに対応する設定情報を検索する。続いて、ステップS307では、認証IDとパスワードに対応する設定情報が存在したか否かを検出する。存在する場合にはステップS308に進み、存在しない場合にはステップS312に進む。
【0198】
また、ステップS308では、設定情報を示す画面をモニタ502に表示させる。設定情報を示す画面の例は、図19と同様な表示画面である。続いて、ステップS309では、登録ボタンをクリックされたか否かを検出する。検出された場合にはステップS310に進み、検出されない場合にはステップS308に戻る。そして、ステップS310では、接続されているデジタルカメラ505に設定情報を登録する。続いて、ステップS311では、サーバコンピュータ503内のメモリに一時格納していた設定情報を削除する。
【0199】
一方、ステップS312では、サーバコンピュータ503内のメモリに一時格納されている設定情報が存在しない旨を記載した画面をモニタ502に表示する。そして、ステップS303に戻る。
【0200】
以上説明したとおり、本リサイクルシステムでは、メモリに設定情報を一時格納することで、設定情報を吸い上げる旧デジタルカメラ504と、設定情報を登録するデジタルカメラ505とが同時期に存在していなくても、設定情報を新規デジタルカメラ505に登録することができる。
【0201】
また、本リサイクルシステムでは、サーバコンピュータ503内のメモリに設定情報を一時格納することで、設定情報を吸い上げたコンピュータ端末と異なるコンピュータ端末からでも、設定情報をデジタルカメラに登録できる。
【0202】
なお、本リサイクルシステムのプログラムは、デジタルカメラのメーカーおよび機種毎に複数種類供給され、デジタルカメラを端末に接続すると自動的にデジタルカメラのメーカーおよび機種を判定し、機種に対応するプログラムが起動するようにしてもよい。
【0203】
また、プログラムは、CD-ROMで提供されずに各メーカーのwebサイトからダウンロードして提供されてもよい。
また、プログラムは、webサイトによるオンラインサービスとして提供されてもよい。
【0204】
次に、本発明の第九の実施の形態によるレンタルシステムについて説明する。
本発明の実施形態によるレンタルシステムの構成は、図16で説明したリサイクルシステムと制御プログラムが異なるのみで構成は同様であるので説明を省略する。
【0205】
サーバコンピュータ503は、レンタル会社のサーバコンピュータであり、複数のレンタル店舗に設置されたコンピュータ端末501と通信可能に接続されている。また、デジタルカメラ504、505は、レンタルされるデジタルカメラで、設定情報の吸い上げ、登録が繰り返し行われる。
【0206】
先ず、本レンタルシステムのおけるデジタルカメラの貸出し時の制御について説明する。
図23は、本実施の形態によるレンタルシステムにおけるレンタル貸出し制御を示すフローチャート図である。本フローは、デジタルカメラの貸出し時にデジタルカメラがコンピュータ端末501に接続されたことを検出するとスタートする。
【0207】
先ず、ステップS401では、認証IDとパスワードとを入力させる画面をモニタ2に表示させる。ここで、既に前回デジタルカメラをレンタルしている場合には、そのときに与えられた認証IDとパスワードとを入力する。次に、ステップS402では、認証IDとパスワードが入力されたか否かを検出する。入力された場合にはステップS403に進み、入力されない場合にはステップS401に戻る。
【0208】
そして、ステップS403では、入力された認証IDとパスワードをサーバコンピュータ503に送信する。ステップS404では、認証されたか否かを検出する。認証された場合にはステップS405に進み、認証されない場合にはステップS410に進む。
【0209】
また、ステップS405では、認証IDに対応する設定情報をサーバコンピュータ503より抽出して、接続されたデジタルカメラに登録する。続いて、ステップS406では、デジタルカメラへの設定情報の登録が終了したか否かを検出する。終了している場合にはステップS407に進み、終了していない場合にはステップS405に戻る。ステップS407では、貸出しのための情報を生成して、デジタルカメラに登録する。ここで、貸出し情報は、貸出した日時、貸出し店舗、貸出しアクセサリ等を示す情報である。
【0210】
一方、ステップS408では、貸出し情報の登録が完了したか否かを検出する。完了している場合にはステップS409に進み、完了していない場合にはステップS407に戻る。そして、ステップS409では、登録が終了したことを示す画面をモニタ502に表示させる。また、ステップS410では、認証に失敗したことを示す画面をモニタ502に表示させ、ステップS401に戻る。
【0211】
次に、本レンタルシステムのおけるデジタルカメラの回収時の制御について説明する。
図24は、本実施の形態によるリサイクルシステムにおけるレンタル回収制御を示すフローチャート図である。本フローは、レンタルカメラの回収時にデジタルカメラがコンピュータ端末1に接続されたことを検出するとスタートする。
【0212】
先ず、ステップS501では、デジタルカメラから貸出し時に登録した貸出しデータを読出す。続いて、ステップS502では、貸出しデータに基づいてレンタル費用を算出する。次に、ステップS503では、レンタル費用を示す画面をモニタ2に表示させる。
【0213】
続いて、ステップS504では、接続されたデジタルカメラのメモリから画像データを吸い上げる。そして、ステップS505では、画像データの吸い上げが終了したか否かを検出する。
【0214】
ステップS506では、デジタルカメラに設定されている撮影設定等の情報を吸い上げる。そして、ステップS507では、サーバコンピュータ3と接続して撮影設定等の設定情報を格納する。続いて、ステップS508では、次回の貸出し時に格納した設定情報を読出すために用いられる認証IDとパスワードをサーバコンピュータ3から受信したか否かを検出し、受信した場合にはステップS509に進み、受信しない場合にはステップS508による検出を継続する。そして、ステップS509では、認証IDとパスワードを示す画面をモニタ2に表示させる。
【0215】
以上のとおり、本レンタルシステムによれば、サーバコンピュータに登録データを持たせることにより、同じレンタル店舗でなくても設定情報の登録を行うことができる。
【0216】
また、本レンタルシステムによれば、貸出し情報をカメラ内に登録することにより、返却が同じ店舗でなくても対応できる。なお、カメラ内でなく、サーバコンピュータに格納してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0217】
【図1】第一の実施の形態を示すシステムのブロック図。
【図2】第一の実施の形態における貸出しセンターのブロック図。
【図3】第二の実施の形態を示すシステムのブロック図。
【図4】第二の実施の形態におけるローカルコンピュータのフローチャート
【図5】デジタルカメラ貸出しの料金体系表
【図6】貸出しシステムに適したデジタルカメラの構成を示すブロック図
【図7】総合センターの詳細を示すブロック図である
【図8】コスト管理の手順図
【図9】第三の実施の形態を示すシステム図のブロック図
【図10】第四の実施の形態におけるデジタルカメラのブロック図
【図11】第四の実施の形態におけるサービス体制を示すブロック図
【図12】精算における料金構造と精算をまとめた表
【図13】第五の実施の形態におけるデジタルカメラのブロック図
【図14】第五の実施の形態におけるサービス体制を示すブロック図
【図15】第五の実施の形態におけるデジタルカメラ回収の手順図
【図16】第六の実施の形態によるリサイクルシステムの構成を示すブロック図
【図17】コンピュータ端末の内部構成を示す機能ブロック図
【図18】本リサイクルシステムにおけるコンピュータ端末で実行する制御を示すフローチャート図
【図19】選択画面の表示例を示す図
【図20】本発明の実施の形態によるリサイクルシステムにおける制御を示すフローチャート図
【図21】本発明の実施の形態によるリサイクルシステムにおける制御を示すフローチャート図
【図22】本発明の実施の形態によるリサイクルシステムにおける制御を示すフローチャート図
【図23】本実施の形態によるレンタルシステムにおけるレンタル貸出し制御を示すフローチャート図
【図24】本実施の形態によるリサイクルシステムにおけるレンタル回収制御を示すフローチャート図
【符号の説明】
【0218】
1…貸出しセンター
2…顧客
4…データベースセンター
6…物流センター
9…総合センター
27…カメラ試用コーナー
29…データ読出し端末
52…コンビニエンスストアシステム
57…配送センター
71…ハウジング
72…外装
73…モニタ出力
88…データ出力
6a…再生センター
9a…開発・設計部門
9b…生産工場
9c…廃棄工場
9g…中央コンピュータ
101…顧客センター
104…サービスセンター
201、504、505…デジタルカメラ
202…データ端子
301…コンビニエンスストアシステム
302…プリント業者
501…コンピュータ
502…端末モニタ
503…サーバコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにより、第一のデジタルカメラに記憶されているデジタル画像データ以外のデータを吸い上げ、第二のデジタルカメラが前記デジタル画像データ以外のデータに対応しているか検出し、対応していると検出した場合は前記第二のデジタルカメラに前記デジタル画像データ以外のデータを登録する制御を行うことを特徴とするデジタルカメラの設定方法。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタルカメラの設定方法において、
前記画像データ以外のデータは、前記第一および第二のデジタルカメラの使用者特有の情報であることを特徴とするデジタルカメラの設定方法。
【請求項3】
請求項1に記載のデジタルカメラの設定方法において、
前記画像データ以外のデータは、前記第一のデジタルカメラの使用者が設定したデータであることを特徴とするデジタルカメラの設定方法。
【請求項4】
請求項3に記載のデジタルカメラの設定方法において、
前記使用者が設定したデータは、撮影条件であることを特徴とするデジタルカメラの設定方法。
【請求項5】
請求項3に記載のデジタルカメラの設定方法において、
前記使用者が設定したデータは、表示のフォントデータであることを特徴とするデジタルカメラの設定方法。
【請求項6】
請求項1に記載のデジタルカメラの設定方法において、
前記第一のデジタルカメラの使用者を認証することを特徴とするデジタルカメラの設定方法。
【請求項7】
請求項1に記載のデジタルカメラの設定方法において、
前記デジタルカメラと前記コンピュータとは、無線および有線のいずれかで接続されることを特徴とするデジタルカメラの設定方法。
【請求項8】
請求項1に記載のデジタルカメラの設定方法において、
前記コンピュータは前記デジタル画像データ以外のデータを保持する蓄積部を有することを特徴とするデジタルカメラの設定方法。
デジタルカメラの設定方法。
【請求項9】
請求項1に記載のデジタルカメラの設定方法において、
前記デジタル画像データ以外のデータをメーカー側に送信することを特徴とするデジタルカメラの設定方法。
【請求項10】
請求項1に記載のデジタルカメラの設定方法において、
データの吸い上げ後に前記第一のデジタルカメラに記憶されているデータを消去することを特徴とするデジタルカメラの設定方法。
【請求項11】
請求項1に記載のデジタルカメラの設定方法において、
前記第二のデジタルカメラが前記デジタル画像データ以外のデータに対応している場合には、前記デジタル画像データ以外のデータを前記第二のデジタルカメラに適した形式に変換して登録することを特徴とするデジタルカメラの設定方法。
【請求項12】
請求項1に記載のデジタルカメラの設定方法において、
前記第二のデジタルカメラのカスタマ登録を実行することを特徴とするデジタルカメラの設定方法。
【請求項13】
第一のデジタルカメラに記憶されているデジタル画像データ以外のデータを吸い上げる吸い上げ手段と、
第二のデジタルカメラが前記吸い上げ手段により吸い上げた前記デジタル画像データ以外のデータに対応しているか検出する検出手段と、
前記検出手段により、第二のデジタルカメラが前記吸い上げ手段により吸い上げた前記デジタル画像データ以外のデータに対応している場合は、前記第二のデジタルカメラに前記デジタル画像データ以外のデータを登録する登録手段と
を備える情報処理装置。
【請求項14】
請求項13に記載の情報処理装置において、
前記画像データ以外のデータは、前記第一のデジタルカメラの使用者が設定したデータであることを特徴とする情報処理装置。
【請求項15】
請求項13に記載の情報処理装置において、
前記デジタル画像データ以外のデータを保持する蓄積手段を更に有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項16】
請求項13に記載の情報処理装置において、
前記第一のデジタルカメラから吸い上げたデータを前記第二のデジタルカメラに適した形式に変換する変換手段を更に有することを特徴とする情報処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2008−245304(P2008−245304A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−114162(P2008−114162)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【分割の表示】特願2002−172156(P2002−172156)の分割
【原出願日】平成14年6月13日(2002.6.13)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】