説明

デジタルカメラ

【課題】プリンタを備え収納時にコンパクトになるデジタルカメラを提供する。
【解決手段】平面状の画像表示手段である有機ELディスプレイ12と、画像表示手段の一端に連結されるカメラ本体14と、画像表示手段の他端に連結されるプリンタ16と、を備えるデジタルカメラ10である。カメラ本体14及び/又はプリンタ16の内部に有機ELディスプレイ12が収納可能となっており、有機ELディスプレイ12の収納時にカメラ本体14とプリンタ手段16とが合体可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラに係り、特に、プリンタを備え収納時にコンパクトになるデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、急速に普及しているデジタルカメラ(電子カメラ)において、比較的大型の画像表示手段(ディスプレイ)を備える機種が一般的である。このような画像表示手段としては、液晶ディスプレイ(LCD)が広く採用されている。
【0003】
また、更に小型化の要求に対応すべく、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を用いた有機ELディスプレイを採用する提案もなされている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−180934号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の画像表示手段(ディスプレイ)をデジタルカメラの筐体に取り付ける従来の構成では、更なる小型化の要求に対応することは困難である。
【0005】
また、従来のデジタルカメラでは、撮影直後に撮影画像を確認することはできるものの、これを印画紙等に印刷するには、別体のプリンタに接続して行う必要があり、どこでも手軽にプリント画像を得るという要求には充分には答えられていない。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、上記の各問題点が解消され、プリンタを備え収納時にコンパクトになるデジタルカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、平面状の画像表示手段と、該画像表示手段の一端に連結されるカメラ本体と、該画像表示手段の他端に連結されるプリンタ手段と、を備え、前記カメラ本体及び/又はプリンタ手段の内部に前記画像表示手段が収納可能となっており、該画像表示手段の収納時に前記カメラ本体とプリンタ手段とが合体手段を介して合体可能となっていることを特徴とするデジタルカメラを提供する。
【0008】
本発明によれば、プリンタ手段を備え、カメラ本体及び/又はプリンタ手段の内部に平面状の画像表示手段が収納可能となっており、画像表示手段の収納時にカメラ本体とプリンタ手段とが合体可能となっている。したがって、撮影直後にプリンタ手段により撮影画像をプリンタ用紙等に印刷することができ、また、収納時のサイズが非常にコンパクトになるという従来見られなかった優れた特徴が得られる。
【0009】
本発明において、前記プリンタ手段によるプリントの際に、前記画像表示手段と略平行になるようにプリント紙を排出する排出手段を備えたことが好ましい。このようにプリント紙が排出されるのであれば、撮影した画像を見ながらプリント画像を確認できる。
【0010】
また、本発明において、前記画像表示手段が可撓性の電子ディスプレイであることが好ましい。このような可撓性の電子ディスプレイであれば、カメラ本体及び/又はプリンタ手段の内部への収納が容易である。なお、可撓性の電子ディスプレイとしては、有機ELディスプレイや、プラスチックフィルムによる液晶ディスプレイ等が挙げられる。
【0011】
また、本発明において、前記画像表示手段に画像が表示されているときに、前記プリンタ手段によるプリントが可能となっていることが好ましい。このように、撮影した画像を見ながらプリントができるのであれば、パーティー等で多人数が集まる場所等で、プリント画像を必要枚数即配布できたりし、デジタルカメラの用途として好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、撮影直後にプリンタ手段により撮影画像をプリンタ用紙等に印刷することができ、また、収納時のサイズが非常にコンパクトになるという従来見られなかった優れた特徴が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面に従って本発明に係るデジタルカメラの好ましい実施の形態について詳説する。
【0014】
図1及び図2は、本発明が適用されるデジタルカメラ10の外観を示した斜視図である。このうち、図1は、デジタルカメラ10の使用状態を示し、図2は、デジタルカメラ10の収納状態を示す。
【0015】
図1に示されるように、デジタルカメラ10は、平面状の画像表示手段である有機ELディスプレイ12と、この有機ELディスプレイ12の右端に連結されるカメラ本体14と、有機ELディスプレイ12の左端に連結されるプリンタ(プリンタ手段)16とよりなる。
【0016】
この有機ELディスプレイ12は、撮影時にはファインダとして機能し、再生時には表示手段(ディスプレイ)として機能する。
【0017】
すなわち、有機ELディスプレイ12は主として画像を表示するもので、撮影前に撮影画像の確認を行えるように、後述する撮影レンズにて撮影された画像(スルー動画)を表示させ、また、デジタルカメラ10に装填されたメモリカード64(図3参照)から記録済みの画像を読み取って再生表示させるものである。
【0018】
有機ELディスプレイ12は、可撓性の電子ディスプレイであり、カメラ本体14及びプリンタ16の内部に巻き込まれて収納可能となっている。そして、有機ELディスプレイ12が完全に収納された状態において、図2に示されるようにカメラ本体14とプリンタ16とが合体するようになっている。
【0019】
合体するための構成としては、たとえば、カメラ本体14の左側面の上下2箇所に設けたマグネット26、26と、プリンタ16の右側面の対応する箇所に設けたマグネット(図示略)との組み合わせが採用できる。
【0020】
カメラ本体14は、略円柱形状の筐体であり、一般的なデジタルカメラ(電子カメラ)と略同様の機能を有するものである。この詳細については、図3により後述する。このカメラ本体14及びプリンタ16のいずれか又は双方は、デジタルカメラ10のグリップ部として機能する。
【0021】
図1に示されるように、カメラ本体14の上部背面側には、スライド部18が設けられている。このスライド部18は、収納状態では、図2に示されるように、カメラ本体14の外形に沿うように突出しない形状であり、使用状態では、図1に示されるように、カメラ本体14より上方に突出した形状となる。
【0022】
このスライド部18は、デジタルカメラ10の電源スイッチとしても機能する。すなわち、図2に示されるような収納状態では、電源がOFF状態にあり、図1に示されるような伸長状態では、電源がON状態にある。
【0023】
更に、スライド部18の図1に示されるような伸長状態(電源ON状態)において、カメラ本体14のシャッタボタン20が背面側に露出するとともに、スライド部18の上部正面に設けられた撮影レンズ(図示略)が正面側に露出する。
【0024】
シャッタボタン20は2段階式に構成され、シャッタボタン20を軽く押して止める「半押し」の状態で自動ピント合わせ(AF)及び自動露出制御(AE)が作動してAFとAEをロックし、「半押し」から更に押し込む「全押し」することにより後述する撮影が行われるようになっている。
【0025】
スライド部18の内部における撮影レンズの結像位置には、図1において図示しないCCD(撮像素子)52(図3参照)が配置されている。
【0026】
カメラ本体14の中間部背面側には、十字カーソルボタン22が設けられている。この十字カーソルボタン22は、モードスイッチ、ズーム中心位置指示手段、ズーム倍率指示手段、等として機能する。
【0027】
カメラ本体14の左側面には、上下方向の略全長に亘ってスリット開口24が設けられており、このスリット開口24を経て有機ELディスプレイ12がカメラ本体14の内部に巻き込まれるようになっている。
【0028】
また、図1及び図2には示されていないが、カメラ本体14の内部には、記録媒体としてメモリカード64(図3参照)を装着するメモリスロットが設けられている。このメモリカード64にカメラ本体14に内蔵されたカードリーダ/ライタ装置(図3参照)63によって、撮影された画像が画像データとして記録されて保存されるほか、記録済みの画像をメモリカード64から読み取ることも可能である。なお、本実施の形態においては、メモリカード64としてはたとえばスマートメディアが使用されるが、記録媒体としてPCカード、フラッシュメモリーカード、ICカード、フロッピーディスク、光磁気ディスク(MO)などを用いてもよい。
【0029】
図3は、上記カメラ本体14の内部構成を示したブロック図である。カメラ本体14は主としてズーム倍率指示手段及びズーム中心位置指示手段を構成する操作基板70、中央処理装置(CPU)50、CCD52、アナログ信号処理部54、枠表示手段及び画像取込手段を構成するデジタル信号処理部58、表示手段を構成する表示メモリ66、カードリーダ/ライタ装置63、メモリカード64などから構成される。
【0030】
操作基板70は、図1及び図2に示された各種操作部材の夫々と回路接続されており、撮影者によるこれら操作部材の操作(たとえば、十字カーソルボタン22の操作など)に基づいて、CPU50に指示信号を出力する。
【0031】
CPU50は、操作基板70からの指示信号の入力に基づいて、デジタル信号処理部58に制御信号を出力するとともに、各回路を総括的に制御する。
【0032】
また、CPU50は、現在の撮影条件(シャッター速度、F値等)により手ブレとなるか否かを判断し、手ブレとなる条件範囲にある場合には、有機ELディスプレイ12の隅部に手ブレ警告させる。なお、手ブレとなるか否かの判断は、公知の(市販されている各種の)デジタルカメラと同様のフローを採用すればよい。
【0033】
更に、CPU50は、信号ケーブル51によりプリンタ16と接続されている。この信号ケーブル51は、有機ELディスプレイ12の表示面13の反対面側に設けられている。
【0034】
CCD(撮像素子)52は、撮影レンズ15から取り込まれて結像された被写体光を、入射光量に応じた量の信号電荷に変換する。この信号電荷は電圧信号(画像信号)として順次CCD52から読み出されて、アナログ信号処理部54に加えられる。なお、撮像素子としてはこのCCDに限らず、CMOSイメージセンサーなどを用いてもよい。
【0035】
アナログ信号処理部54は、CCD52から加えられた画像信号にサンプリングやホワイトバランス調整などの所要のアナログ処理を施す。また、アナログ処理された画像信号をA/D変換器56によって画像データ(デジタルデータ)に変換させ、デジタル信号処理部58に出力させる。なお、CCD52、アナログ信号処理部54及びA/D変換器56は、タイミングジェネレータ(TG)57からのタイミング信号により同期して動作される。
【0036】
デジタル信号処理部58は、アナログ信号処理部54(A/D変換器56)から入力された画像データ(CCD52の全画素領域の画像データ)に、必要に応じてガンマ補正などのデジタル処理を施し、この画像データを表示メモリ66(メモリ60)に出力する。また、CPU50からズーム中心位置ズーム倍率を制御する制御信号がデジタル信号処理部58に入力されることにより、前述したガンマ補正などのデジタル処理に加えて、画像データからズーム中心位置を中心としたズーム倍率の画像データを切り出して1画面分の画像を生成し、この画像をデジタルズーム領域の画像として取り込むデジタルズーム処理が行われる。
【0037】
また、枠表示手段を構成するデジタル信号処理部58では、デジタルズーム処理された画像データに対して拡大枠の画像データの付加を行う。この拡大枠は、CCD52によって撮像された全画素領域(または記録媒体に記録された画像の全領域)に対するデジタルズーム領域(撮影者によって十字カーソルボタン22を操作して指示される)に基づいて、デジタルズーム領域の大きさ位置を全画素領域(または全領域)に対して相対的に示したものである。拡大枠が付加された画像データは表示メモリ66に出力される。
【0038】
メモリカード64は画像データを記録保存する。モードを撮影モードとし、シャッタボタン20の押圧操作による記録指示入力があると、CPU50からデジタル信号処理部58に制御信号が出力され、CCD52から1コマ分の画像データが読み込まれ、デジタル信号処理部58にて上述したデジタル処理またはデジタルズーム処理が施された後、この画像データがメモリ60に書き込まれる。なお、メモリ60に書き込まれる画像データには、拡大枠の付加は行われない。メモリ60に書き込まれた画像データは圧縮伸張回路62によって圧縮処理されて、カードリーダ/ライタ装置63によってメモリカード64に記録されて保存される。
【0039】
有機ELディスプレイ12は、表示メモリ66に書き込まれた画像(スルー動画)を表示する。モードを撮影モードとし、十字カーソルボタン22によってスルー動画の表示をオンにすると、デジタル信号処理部58にはCCD52から画像データが連続して読み込まれ、デジタル信号処理部58によるデジタル処理など(デジタルズーム処理や拡大枠の付加)が連続して画像データに施された後、その画像データが表示メモリ66に書き込まれる。表示メモリ66の画像データは順次新しく読み込まれた画像データによって書き換えられ、これにより有機ELディスプレイ12にてスルー動画が表示される。
【0040】
また、有機ELディスプレイ12には、メモリカード64に記録保存されている画像も表示できる。モードを再生モードとし、所定の操作によってメモリカード64に記録されたいずれかの画像データの再生を指定すると、その画像データがメモリカード64からカードリーダ/ライタ装置63によって読み出され、圧縮伸張回路62によって伸張処理された後、デジタル信号処理部58にてデジタル処理などが行われ、表示メモリ66を介して有機ELディスプレイ12に表示される。
【0041】
その他、有機ELディスプレイ12には、カメラの状態や撮影モードなどに関する情報(いわば撮影ステータス)を表示することができる。たとえば、内蔵されているバッテリの残量チェック表示、撮影可能コマ数の表示などが行われる。
【0042】
なお、有機ELディスプレイ12は画角が撮影者に把握できればよいので、一般的にパソコンなどで用いられる液晶モニタと比較して、画素数の少ないもの(解像度の低いもの)を用いてもよい。これに伴い、デジタル信号処理部58から表示メモリ66に書き込まれる画像データも、画像データのデータ数を間引いた解像度の低いものを用いることができる。
【0043】
このような構成のデジタルカメラ10によって、デジタル信号処理部58においてデジタル処理などが行なわれた画像データは有機ELディスプレイ12にて表示され、撮影者は、有機ELディスプレイ12にてCCDの全画素領域の画像を確認できる(等倍撮影)。また、撮影者によって十字カーソルボタン22が押圧操作されると、デジタル信号処理部58においてデジタルズーム処理が行なわれ、拡大枠が付加された画像データが有機ELディスプレイ12にて表示され、撮影者は、有機ELディスプレイ12にてズーム倍率ズーム中心位置を確認できる(デジタルズーム機能)。
【0044】
更に、メモリカード64に記録保存されている画像データに対し、デジタル信号処理部58においてデジタル処理が行なわれ、撮影者は有機ELディスプレイ12にてメモリカード64に記録保存されている画像データを確認できる(等倍再生)。また、このときに撮影者によって十字カーソルボタン22が押圧操作されるとデジタルズーム処理が行なわれ、拡大枠が付加された画像データが有機ELディスプレイ12にて表示される(再生ズーム機能)。
【0045】
なお、図3のブロック図(カメラ本体14の内部構成)において、図示を省略してあるが、カメラ本体14は独自の電源を備えている。
【0046】
次に、プリンタ16について説明する。プリンタ16は、略円柱形状の筐体であり、本来の機能を発揮できるべく、排紙手段と画像記録手段(以上、後述する図4の印画部80が相当する)とを備えている。これに関する構成として、図1には示されない、プリンタ16の右側面に形成されている、上下方向の略全長に亘ったスリット開口が相当する。
【0047】
また、既述したカメラ本体14のスリット開口24と同様に、プリンタ16の右側面には、上下方向の略全長に亘ってスリット開口(図示略)が設けられており、このスリット開口を経て有機ELディスプレイ12がプリンタ16の内部に巻き込まれるようになっている。
【0048】
また、プリンタ16の上部背面側には、電源スイッチ76とプリントスイッチ(操作スイッチ)78とが設けられている。
【0049】
図4は、プリンタ16の構成を示すブロック図である。図4において、プリンタ16の内部にはシステムコントローラ82が設けられており、このシステムコントローラ82により装置の各種制御が行えるようになっている。システムコントローラ82には、一般的にはコンピュータ手段(マイクロコンピュータ等)が好適に使用できる。
【0050】
プリンタ16の各構成要素、具体的には、電源スイッチ76、プリントスイッチ78、及びメモリ84はシステムコントローラ82に接続され、また、既述の印画部80は、プリントエンジン86を介してシステムコントローラ82に接続されている。これらの各構成要素は、いずれも公知の部材が使用されることより、その構成、機能等についての更なる説明は省略する。
【0051】
なお、メモリ84は、通常、バッファとして使用される他、プリンタ16とカメラ本体14との間でデータを転送している際に、不用意に接続が解除されることによるデータの破損を防ぐべく、転送データを一時記憶させる用途にも使用できる。
【0052】
なお、システムコントローラ82には既述の信号ケーブル51が接続されており、プリンタ16は、カメラ本体14のCPU50と接続されている。
【0053】
また、図4のブロック図(プリンタ16の構成)において、図示を省略してあるが、プリンタ16は独自の電源を備えている。同様に、図1及び図2において、図示を省略してあるが、プリンタ16の内部には巻回された状態のプリンタ用紙17(図5参照)が収納されている。
【0054】
次に、このような構成のデジタルカメラ10の操作(撮影、プリント等)の手順について説明する。
【0055】
先ず、図2に示される収納状態にあるデジタルカメラ10を、図1に示される使用状態にセットする。この操作方法は、合体した状態のカメラ本体14とプリンタ16とを、それぞれ片手で把持し、左右に引張ることにより、それぞれの内部に巻き込まれて収納されていた有機ELディスプレイ12を引き出す。
【0056】
次いで、図1に示されるように、スライド部18を上方にスライドし、カメラ本体14より突出した状態とする。これにより、電源がON状態になるとともに、撮影レンズ15(図3参照)に被写体光が入射する状態になる。
【0057】
この際、モードが撮影モードとなっている場合には、撮影が開始できるが、モードが他のモード(再生モード等)になっている場合には、十字カーソルボタン22を操作してモードを撮影モードに切り替える。
【0058】
図1は、モードが撮影モードとなっており、撮影が開始できる状態を示している。この際、有機ELディスプレイ12はファインダとして機能している。すなわち、有機ELディスプレイ12の表示面13には被写体が表示されている。なお、図1には表示されていないが、有機ELディスプレイ12の表示面13に、被写体と同時にカメラの状態や撮影モードなどに関する情報(いわば撮影ステータス)を表示することもできる。
【0059】
図1に示される撮影モード(単写モード)において、シャッタボタン20を「全押し」することにより撮影が行われる。そして、撮影により取り込まれた画像が静止画像として有機ELディスプレイ12に(予め設定した)所定時間(通常は数秒間)表示される。その後(予め設定した所定時間経過後)、撮影モード(単写モード)に復帰し、有機ELディスプレイ12はファインダとして機能する。
【0060】
次に、プリンタ16の操作手順について説明する。図5は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ10のプリントしている状態における外観を示した斜視図である。このために、先ず、プリンタ16の電源スイッチ76をON状態にし、次いで、カメラ本体14を再生モードにセットし、プリントすべき画像を有機ELディスプレイ12に表示させる。そして、十字カーソルボタン22の操作により、又は、自動的に、プリントすべき画像のデータがプリンタ16のメモリ84に書き込まれる。
【0061】
次いで、プリンタ16のプリントスイッチ(操作スイッチ)78を操作することにより、プリントが開始される。すなわち、有機ELディスプレイ12に画像が表示されているときに、プリンタ16によるプリントが可能となっている。そして、図5に示されるように、有機ELディスプレイ12と略平行になるように、プリント紙17が排出されている。
【0062】
なお、図5において、カメラ本体14の電源はOFF状態にあるが、既にプリントすべき画像のデータがプリンタ16のメモリ84に書き込まれているので、プリント作業に支障はない。
【0063】
以上に説明したように、本実施形態によれば、撮影直後にプリンタ16により撮影画像をプリンタ用紙等に印刷することができ、また、収納時のサイズが非常にコンパクトになるという従来見られなかった優れた特徴が得られる。
【0064】
以上、本発明に係るデジタルカメラの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
【0065】
たとえば、本実施形態のデジタルカメラ10は、収納時のサイズが非常にコンパクトになるという観点より、光学ズーム機能やストロボ機能が割愛されているが、これらの機能を加えることもできる。このようにすれば、コンパクト性が若干犠牲になるが、デジタルカメラとしての機能は大幅に向上する。
【0066】
また、本実施形態では、プリント紙17が有機ELディスプレイ12の表示面13を覆うように有機ELディスプレイ12の表面側に略平行に排出されているが、有機ELディスプレイ12の裏面側に略平行に排出される構成も採用できる。
【0067】
また、平面状の画像表示手段として有機ELディスプレイ12が採用されているが、他の電子ディスプレイ(たとえば、プラスチックフィルムによる液晶ディスプレイ等)をも採用できる。
【0068】
上記は全てデジタルカメラの例として記載したが、携帯電話やPDA等の撮影機能内蔵機器でも同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタルカメラの使用状態における外観を示した斜視図
【図2】本発明の実施形態に係るデジタルカメラの収納状態における外観を示した平面図
【図3】カメラ本体の内部構成を示したブロック図
【図4】プリンタの内部構成を示したブロック図
【図5】本発明の実施形態に係るデジタルカメラのプリント状態における外観を示した斜視図
【符号の説明】
【0070】
10…デジタルカメラ、12…有機ELディスプレイ、14…カメラ本体、16…プリンタ、18…スライド部、20…シャッタボタン、22…十字カーソルボタン、24…スリット開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面状の画像表示手段と、
該画像表示手段の一端に連結されるカメラ本体と、
該画像表示手段の他端に連結されるプリンタ手段と、を備え、
前記カメラ本体及び/又はプリンタ手段の内部に前記画像表示手段が収納可能となっており、
該画像表示手段の収納時に前記カメラ本体とプリンタ手段とが合体手段を介して合体可能となっていることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
前記プリンタ手段によるプリントの際に、前記画像表示手段と略平行になるようにプリント紙を排出する排出手段を備えた請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
前記画像表示手段が可撓性の電子ディスプレイである請求項1又は2に記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
前記画像表示手段に画像が表示されているときに、前記プリンタ手段によるプリントが可能となっている請求項1〜3のいずれか1項に記載のデジタルカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−60585(P2006−60585A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−241166(P2004−241166)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】