説明

デジタルメディアシステムにおける高速チャンネル切換

デジタルメディアストリーム処理システムが、ヘッドエンド、ネットワーク、少なくとも1つの、STB及び受信装置を有する。ヘッドエンドが、デジタルメディアストリームを生成する。ネットワークが、ヘッドエンドと接続されデジタルメディアストリームを受信する。少なくとも1つのSTBが、ネットワークと接続されてデジタルメディアストリームを受信し、デジタルメディアストリーム又はデジタルメディアストリームの復号化バージョンを出力する。少なくとも1つの受信装置が、少なくとも1つのSTBに各々接続されて少なくとも1のデジタルメディアストリームを受信する。少なくとも1つの、ヘッドエンド、STB及び受信装置が、チャンネルの切換時に受信装置の画面上でユーザが視認可能な画像を、実質上即座に表示するよう構成されたメディア処理サブシステムを具えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルメディアシステムにおける高速チャンネル切換のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高解像度テレビ(HDTV)といった圧縮式デジタル映像メディアストリームサービスは、ケーブル(及び衛星)テレビ(TV)サービスプロバイダから、大部分の家庭、店舗、居酒屋、企業等に利用できるように、テレビサービスプロバイダにより提供される。メディアストリームは、1以上の暗号化した映像ストリーム及び各音声ストリーム(すなわち、メディアストリーム)を有して送信(すなわち、送信、公開、提供、放送等)される。ストリームは、主に、ヘッドエンドからネットワーク(又は無線で)を通して視聴者の場所に送信される。ネットワークは、ケーブルネットワーク、衛星配信システム等にすることが可能である。ある実施例では、顧客の場所にあるセットトップボックス(STB)が、メディアストリームを受信して、テレビ、モニタ等といった1台(又はそれ以上)の視聴装置に接続される。他の実施例では、STBを無くして、受信装置(一般に視聴装置)が、ダイレクトにネットワークに接続される。各メディアストリームは、顧客により視聴される視聴装置のチャンネル(例えば、特定のユーザは放送チャンネルを選択する)に対応している。クライアントは、一般に、STB又は視聴装置のチャンネルを切り換えることで、視聴するチャンネル(すなわち、ストリーム)を切り換える。
【0003】
デジタルメディア(例えば、映像)ストリームは、主として、Motion Picture Expert Group(MPEG)形式(例えば、MPEG−2,MPEG−4等)、又は、視聴画像を生成するのに用いられるいくつかのタイプのフレーム(例えば、I,P及びBフレーム)を含むWindows(登録商標)Media9,Real Media等といった、他の適切な形式を用いて放送される。フレームは、視るための画像を生成するのに用いられる。画像生成プロセスは、時々リセットされて、画像生成プロセスで蓄積する可能性のあるエラーが減らされ又は除去される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のデジタルビデオシステムにおいて、例えば、ユーザ(視聴者)が「チャンネルサーフィン」をしたり又は見て回ったりする間に、チャンネルが素早く切り換えられるときに、受信して視聴する画像を生成するのに十分な適切なフレームの組をSTB(又は受信装置)が待つため、適切な画像の表示遅れが起こる可能性がある。あるケースでは、この待ち期間の間に黒い画像が表示されたりする。これに対して、従来のアナログテレビ放送システムは、「チャンネルサーフィン」と同時に視聴可能な画像を提供する。従来のアナログテレビ放送システムに馴染んでいる顧客は、デジタルテレビシステムにおいて時々直面する素早いチャンネル切換の間の短時間の黒い画像に当惑したり鬱陶しく感じたりすることがある。短時間の黒い画像は、デジタルテレビサービスに対する顧客の認識及びデジタルテレビ・サービスプロバイダにマイナス影響を与える可能性がある。
【0005】
このため、チャンネル切換操作時にデジタルテレビシステムにおいて時々直面する短時間の黒い画像を減らし又は除去する、デジタルメディアシステムにおける素早いチャンネル切換のためのシステム及び方法を具えるのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一般に、チャンネル切換操作時にデジタルテレビシステムにおいて時々直面する短時間の黒い画像を減らし又は除去する、デジタルメディアシステムにおける素早いチャンネル切換のための新たな革新的なシステム及び技術を提供する。
【0007】
本発明によれば、デジタルメディアストリームを処理するシステムが提供されている。このシステムは、ヘッドエンド、ネットワーク、少なくとも1台のセットトップボックス(STB)及び少なくとも1台の受信装置を具える。ヘッドエンドは、デジタルメディアストリームを生成するよう構成されている。ネットワークは、ヘッドエンドに接続されデジタルメディアストリームを受信するよう構成されている。少なくとも1台のSTBは、ネットワークに接続されデジタルメディアストリームを受信して、少なくとも1のデジタルメディアストリーム及び少なくとも1の復号化したデジタルメディアストリームを受信装置に出力するよう構成されている。少なくとも1台の受信装置は、各々少なくとも1台のSTBに接続されて、少なくとも1のデジタルメディアストリームを受信する。少なくとも1つのヘッドエンド、少なくとも1台のSTB及び受信装置は、少なくとも1のデジタルメディアストリームを受信し、チャンネルの切換時に受信装置の表示画面にユーザが視認可能な画像の表示を実質的に即座に提供するよう構成されたメディア処理サブシステムを具える。
【0008】
また、本発明によれば、デジタルメディアストリームを処理する方法が提供される。この方法は、ヘッドエンドにおけるデジタルメディアストリームの生成、ネットワークのヘッドエンドへの接続、ネットワークにおけるデジタルメディアストリームの受信、少なくとも1台のセットトップボックス(STB)のネットワークへの接続、少なくとも1台のSTBにおけるデジタルメディアストリームの受信、少なくとも1のデジタルメディアストリーム又は少なくとも1の復号化形式のデジタルメディアストリームを受信するよう構成された少なくとも1台の各受信装置の少なくとも1台のSTBへの接続を具える。少なくとも1つのヘッドエンド、少なくとも1台のSTB及び少なくとも1つの受信装置は、チャンネルの切換時に受信装置の表示画面にユーザが視認可能な画像の表示を実質的に即座に提供するよう構成されたメディア処理サブシステムを具える。
【0009】
さらに、本発明によれば、マルチストリーム・デジタルメディア処理のシステムに使用されるメディア処理サブシステムが提供されている。このサブシステムは、メディア処理装置及びマルチレート・メディア復号化処理装置を具える。メディア処理装置は、デジタルメディアストリームを生成及び出力するよう構成されている。少なくとも1のメディアストリームは、1群の画像(GOP)及び少なくとも1つのIフレームを具える。他の少なくとも1のメディアストリームは、チャンネルの切換時に受信装置の表示画面に視認可能な画像を実質的に即座に提供するメディアストリームである。マルチレートメディア復号化処理装置を、MPEGメディアストリーム及び他の少なくとも1のメディアストリームを復号化するよう構成してもよい。
【0010】
本発明の上記の形態、他の形態及び有利性は、添付の図面に関する以下の詳細な説明から容易に明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図面を参照すると、本発明の好ましい実施例が詳細に記述されている。1つの実施例として、本発明は、ケーブルテレビの送受信システムに関して実施可能である。別の実施例として、本発明は、衛星(すなわち、パラボラアンテナ)放送テレビの送受信システム(図示せず)に関して実施可能である。しかしながら、本発明は、特定のアプリケーションの設計基準に合致する様々な適切なメディアストリーム送受信システムに関して実施可能である。
【0012】
下記では、これらの用語が以下のように定義される。
【0013】
エニーキャスト:単一の送信者とネットワークに接続された(連結された)直近の一群の受信者との間のネットワークを介したメディアストリーム送信。
【0014】
Bフレーム:MPEG−2(および他)の暗号化したデジタル映像ストリームで使用される双方向予測フレーム。Bフレームは、ビデオメディア画像シーケンスにおける、前回及びその次のフレーム間の相違を検出することで生成される。Bフレームは、予測情報のみを含み、完全な映像を具えていない。Bフレームは、より少ないデータを含み、Iフレームよりも少ないスペース(すなわち、記憶領域)を使用する。
【0015】
放送:ネットワークに接続された(連結された)全ての受信者へのメディアストリームの公開(送信)。
【0016】
チャンネルサーフィン:ユーザが素早く視るチャンネルを切り変えることであり、一般にデジタルテレビを視ているときに、画面が一瞬の間、合わせたそのチャンネルで放送されている画像ではなく黒い画像を表示する。
【0017】
Data Over Cable Service Interface Specifications(DOCSIS):DOCSISは、ケープルテレビのオペレーターとパソコン又は業務用コンピュータ又はテレビとの間を出入りするデータ信号を処理するケーブルモデム用の標準的なインターフェイスである。DOCSISという用語は、継続的に使用されているが、今日では通常、ケーブルモデムのメーカの製品を認証するのに使用される。DOCSISは、ケーブルを介した双方向信号の交換のための変調スキーム及びプロトコルを指定する。
【0018】
DSG:DOCSIS Set Top Gateway。
【0019】
Frame:一連の画像のうちの1つの画像。ある実施例(映像ストリーム)では、1つのフレームが、画像を具える全ての画素および全ての描線を捉えて表示する。
【0020】
Group Of Pictures(GOP):圧縮されたデジタル映像形式におけるメディアストリームでは、GOPは、連続するIフレームの間に存在する一群のフレームで、GOPは、Pフレーム、Bフレーム又はPフレームおよびBフレームの双方を具える。テレビの送信では、GOPは、一般に12フレームからなる。例えば、Iフレームで始まる新たなシーケンスは、場面やチャンネルの切り換えといった、表示される画像の大幅な変化に直面するときに送信可能である。SMPTE時間コードデータを、GOPの一番最初の画像に含めてもよい。
【0021】
Iフレーム:例えば、MPEG−2(及び他)の暗号化されたデジタル映像ストリームに使用されるフレーム間のフレーム(すなわち、メディア信号のフレーム内のメディアの暗号化)で、全体の画像を生成するデータを含んでいる。Iフレームは、1フレームのみからの情報を含んでいる。Discrete cosine transforming(DCT)が、Iフレームに含まれる情報を圧縮するのに使用される。
【0022】
インターフレーム・コーディング:実データと予測データとの間で決定された相違に応じて実行されるデータ圧縮。予測データは、一般に、過去および将来の参照フレームに応じて生成される。
【0023】
Motion Pictures Expert Group(MPEG):MPEG(例えば、MPEG−1,MPEG−2,MPEG−3,MPEG−4等)は、生成された動画のための一連の圧縮標準で、国際専門家グループにより開発された。
【0024】
マルチキャスト:選択された(又は所定の)一群の受信者への単一のメディアストリームの送信(例えば、多数の受信者への生の映像/音声ストリームの実質的な同時送信)。
【0025】
ナローキャスト:各ユーザへの所定のメディアストリームの送信。
【0026】
Pフレーム:予測情報のみを含み、完全な画像情報を含まないフレーム。Pフレームは、実質的にIフレームよりも少ないデータを含む。Pフレームは、最新のフレームと前回のフレームとの相違の解析を介して生成される。特定のPフレームに対応する完全な画像を生成するには、Pフレームに先行するGOPの一部を復号化する必要がある。Pフレームは、より低いシステムメディアストリーム速度を与える。
【0027】
Set Top Box(STB、またはデコーダ、受信機、チューナ、トランシーバ):ケーブルボックスと同じようなユニット。STBは、DTV放送の受信および復号化が可能である。STBは、一般に、アナログケーブル、デジタルケーブル、衛星放送、デジタルテレビ等といった、ある周波数又は形式から、テレビ、モニタ等への表示のために標準的な周波数(3又は4チャンネルのような)に送信を変換して表示する。DTV用の「認証された」STBは、全て(すなわち18)のATSC DTV(HDTVを含む)形式を受信可能で、テレビ又はモニタといった受信装置に表示可能な画像を提供する。あるSTBは、双方向の機能で実施されて、ユーザは、(例えば、DSGを介して)プロバイダのヘッドエンドに接続して通信可能である。また、STBは、機能的に、パソコン、テレビ、デジタルビデオレコーダ(DVR)等を有する他の装置に一体化可能である。
【0028】
SMPTE:Society of Motion Picture and Television Engineers。米国テレビ標準を定める専門家団体。また、Y,R−YおよびB−Y信号の変化を使用する色差映像形式を参照。
【0029】
ユニキャスト:メットワークを介した単一の送信者および単一の受信者間のメディアストリーム送信。
【0030】
本発明は、一般に、チャンネル切換操作時にデジタルメディアシステムにおいて時々直面する短時間の黒い画像の継続時間を減らし又は除去する、デジタルメディアシステムにおける素早いチャンネル切換のための新たな革新的なシステム及び技術を提供する。本発明は、一般に、チャンネルの切換時にメディアストリーム受信装置の表示画面にユーザが視認可能な画像の表示を実質的に(すなわち、ほぼ、原則的に等)即座に提供する。ある実施例では、本発明に係る減少した継続時間は、5ミリ秒よりも短い黒い画像の表示時間をもたらす。他の実施例では、本発明に係る減少した継続時間は、10ミリ秒よりも短い黒い画像の表示時間をもたらす。しかしながら、本発明に係る減少した継続時間は、一般に、特定のアプリケーションの設計基準(例えば、所定の時間)に適合する黒い画像の表示時間をもたらす。
【0031】
様々な実施例で、本発明は、以下のうちの少なくとも1つを提供する。すなわち、少なくとも1つのIフレームのユニキャスト送信への挿入、オンデマンドによる(すなわち、ユーザの要求に応じて)インターネットプロトコル又は他のネットワーク技術(すなわち、回線ブロードキャストに関する)を介した少なくとも1つのIフレームの送信、STBが「取り込み」(すなわち、受信及び復号化)可能なIフレームのストリームの既知のマルチキャストアドレスによるマルチキャスト、ヘッドエンドにおけるIフレームの定期的な更新の維持、デコーダに「追いつく」ユニキャストストリームによる「バースト」フレーム(例えば、通常速度よりも高い速度で放送されるフレーム)の送信、及びGOPをオフにして(ユニキャスト送信に関連して)Iフレームで視る表示を開始する視聴装置の提供、のうちの少なくとも1つである。
【0032】
ある実施例では、本発明は、従来の方法が視聴可能な画像を表示するよりもより迅速に受信装置(例えば、視聴装置)に(黒い画像の代わりに)画像の表示を与える1以上の信号(例えば、メディアストリーム)を有し、従来のデジタル映像ストリームに関連して送信される(すなわち、送信、配信、提供、放送等)付加的な情報を提供する。
【0033】
本発明は、デジタルビデオシステムにおけるチャンネルの切換時間を減少させ、ユニキャスト映像ストリームのタイミングをリファレンス放送ストリーム及びマルチキャスト映像ストリームと同時にできる方法を提供する。ユニキャストストリームを放送ストリーム及びマルチキャスト映像ストリームと同時化することにより、一般に、帯域幅及びストリームの提供に関連する処理の要求が低減する。
【0034】
本発明を実施するメディアサービスプロバイダは、素早い番組切換/チャンネル切換により各々の競争力を顕著に改善する可能性がある。加えて、本発明は、アナログサービスの顧客のデジタルプラットフォームへのより容易な移行(すなわち、更新、切り換え)を提供し得る。デジタルプラットフォームは、従来のアナログサービスと比較した場合に、一定の画質、スペクトル効率、高度なサービス配布を提供できる。メディアサービスプロバイダは、配信システムの構築の「共有性」を利用して、放送及びマルチキャスト機能を利用するシステム及び方法を提供することにより、内容のストリーミングのコスト及び帯域幅の要求を最小限にする。
【0035】
図1を参照すると、本発明に係るメディア処理装置100が図示されている。この処理装置100は、一般に、メディアストリーム(例えばVIDIN)を受信する第1入力部と、デジタルメディアストリーム(例えばVIDOUT)を出す出力部とを有している。ストリームVIDINは、一般に、1以上のメディア信号、又はストリーム(例えば、映像、映像及び音声、通常放送、デジタルメディアストリーム等)を含む。
【0036】
ストリームVIDOUTは、1以上の部分(例えば、セグメント、コンポーネント、セクション等)を有する暗号化され圧縮されたデジタルメディアストリームを具える。ストリームVIDOUTの少なくとも1の部分(例えば、映像ストリームCONVID)が、一般に、Motion Picture Expert Group(MPEG)形式(例えば、MPEG−2,MPEG−4)又は、Windows(登録商標)Media9,Real Media等といった、映像を生成するのに使用される複数のフレームタイプ(例えば、I,P,Bフレーム)を有する他の適した形式を有して実行されるデジタル映像ストリームを具える。しかしながら、様々な適切なメディアストリーム形式(例えば、一群の画像(GOP)および少なくとも1つのIフレームを具えるメディアストリーム)を実施して、特定のアプリケーションの設計基準に合わせてもよい。
【0037】
メディアストリームVIDOUTの別の部分(例えば、FILLVID)は、一般に、受信装置(例えば視聴装置)に、従来の方法よりも、より迅速に(例えば、実質的に即座に)画像の表示(黒い画像の代わりに)を与えるよう構成されている。メディアストリームFILLVIDは、従来の方法が用いられる場合に視聴チャンネルが素早く切り換えられるときに視聴装置のスクリーンに現れる一時的な黒い画像を減少又は除去させることができる。
【0038】
処理装置100は、一般に、エンコーダ110、発生器112および結合器114を具える。エンコーダ110は、メディアストリームVIDINを受信する入力部と、メディアストリームCONVIDを出力する出力部とを有する。エンコーダ110は、一般に、ストリームVIDINを暗号化(例えば、変換、圧縮等)してストリームCONVIDを生成する。
【0039】
発生器112は、ストリームVIDINを受信する入力部130、ストリームCONVIDを受信する入力部132、ストリーム(例えば、メディアストリームFILLVID)を出力する出力部134を有する。ストリームFILLVIDは、一般に、映像(又は受信)装置情報を出力し、チャンネル変更操作時に従来のデジタル映像ストリーム(例えば、従来の一群の画像(GOP))よりも、より迅速に画像を表示するストリームとして構成される。ある実施例では、ストリームFILLVIDを、ストリームVIDOUTの選択的に送信される部分として構成してもよい。他の実施例では、ストリームFILLVIDを、連続的に生成および送信してもよい。発生器112を、ストリームVIDINおよびCONVIDのうちの少なくとも1つに応じてストリームFILLVIDを発生するよう構成してもよい。ある実施例では、メディアストリームFILLVIDを、圧縮して暗号化してもよい。他の実施例では、メディアストリームFILLVIDを、遮るものがない(すなわち、直接視える)ようにしてもよい。
【0040】
結合器114は、メディアストリームCONVIDを受信する入力部140、メディアストリームFILLVIDを受信する入力部142、メディアストリームVIDOUTを出力する出力部144を有している。結合器114は、一般に、メディアストリームCONVIDおよびFILLVIDに応じてメディアストリームVIDOUTを生成するよう構成されている。
【0041】
ある実施例では、発生器112は、ストリームが参照放送又はマルチキャスト映像ストリームCONVIDに追いつくまで、PおよびBフレームをインターリーブすることなく、単一の又は代替的に多数のIフレームとしてメディアストリームFILLVIDを生成する。Iフレームは、参照映像ストリームCONVIDよりも、より低い解像度又はフレームレートで実施される。より低い解像度又はフレームレートは、一般に、帯域幅の要求及び暗号化の複雑さを減少させ又は最小にする。
【0042】
もう一つの実施例では、発生器112が、黒い画像の代わりに視認可能な画像を与える、簡略化された(すなわち、最適化、内容減縮、短縮化等)I,P,Bフレームの組み合わせとして、ストリームFILLVIDを生成するようにして、さらに、同期化したタイミングを有してもよく、これにより、次に続く通常のGOPがメディア処理装置100により送信されるときに、参照ストリームCONVIDが、途切れなく視られるようにしてもよい。
【0043】
ある実施例では、ストリームFILLVIDを、映像サービスプロバイダにより知られているネットワークアドレス上のマルチキャストを介して送信するようにして、本発明の1以上の有利性(すなわち、チャンネル切換時の黒い画像の減少又は除去)を望んでもよい。適切な受信装置(たとえば、セットトップボックス(STB)、視聴装置等)が、チャンネル切換操作時に、通常のストリームGOP(例えば、ストリームCONVID)が映像を生成することが可能になるまで、信号FILLVIDを受信して再生するようにしてもよい。
【0044】
もう一つの実施例では、ストリームCONVIDが、ストリームCONVIDの送信速度よりも高い速度で送信されるフレームを具えてもよい。ストリームVIDOUTを、ユニキャスト処理を介して送信してもよい。ストリームFILLVIDが、素早いチャンネルの切換時に、受信装置(例えば、STB、映像装置等)内のデコーダが映像に「追い付く」ようにして受信および再生する映像内容を与えることで、通常の方式と比較したときに黒い画像を除去するか黒い画像の表示時間を減少させるようにしてもよい。適切な受信装置(例えば、STB、映像装置等)が、チャンネル切換操作時に通常のストリームGOP(例えば、ストリームCONVID)が全体の画像を生成することが可能になる(すなわち、「追い付く」)まで、FILLVID信号を受信および再生してもよい。
【0045】
メディアストリームがユニキャスト送信(オンデマンドを含むがこれに限定されない)を介して受信装置に送信されるケースでは、受信装置が互いに1つの「GOP」をオフにするよう動作する。例えば、ストリームを切り換えるときに、視聴される画像が現在のGOP構成の初めに開始される。固有の「同期」GOPが常に生成され(例えば、ストリームFILLVIDが生成される)送信(例えば、放送、公開、送信等)されて、ユニキャストストリームのタイミングを基準放送又はマルチキャストストリームと1列に並ばせ、これにより、ユーザに表示される画像が、現存する又は新たなマルチキャスト又は放送セッションに結び付く(すなわち、同期する)ことが可能になる。
【0046】
チャンネル切換時の「黒い」画面の代わりに、次のGOPの「初め」のIフレームが、実質的に即座に送信され、参照映像ストリームがチャンネル切換に「追いつく」(すなわち、同期する)まで画面上に残存する。ユーザがチャンネルを「サーフィン」(すなわち、素早く切換)するとき、Iフレームが暗号化されて、次のGOPを開始する前に、ギャップを満たすメディアストリームを生成する(すなわち、メディアストリームFILLVIDが映像ディスプレイを切り換えるアナログチャンネルをエミュレートするよう構成される)。
【0047】
図1bを参照すると、本発明に係るメディア処理装置100´が図示されている。処理装置100´は、一般に、発生器112´および結合器114を具えている。処理装置100´は、メディアストリームCONVIDを受信する入力部、信号(例えば、CNG)を受信する入力部およびメディアストリームVIDOUTを出す出力部を有する。信号CNGは、通常、制御信号として実施される。処理装置100´を、メディアストリームCONVIDおよび信号CNGに応じて、メディアストリームVIDOUTを生成および出力するよう構成してもよい。信号CNGは、通常、少なくとも1つの視聴装置を視聴するチャンネルを切り換えるユーザ(例えば、視聴者、顧客、クライアント等)に応じて与えられる信号を具えている。
【0048】
発生器112´は、映像ストリームVIDINを受信する入力部130を有しない。発生器112´は、信号CNGを受信する入力部136を有する。メディアストリームFILLVIDは、選択的に生成されて送信される。ストリームVIDOUTの選択的に送信される部分は、通常、信号CNGに応じて送信される。メディアストリームFILLVIDは、チャンネルが切り換えられたときに(すなわち、信号CNGが処理装置100´により受信されるときに)、クライアントの要求(例えば、「オンデマンド」)に応じて送信される。信号CNGは、パルス信号であってもよい。メディアストリームFILLVIDは、信号CNGの受信の後、信号CNGに応じて所定時間(例えばT)送信される。時間Tが経過した後、メディアストリームFILLVIDが中断し、メディアストリームVIDOUTがメディアストリームCONVIDを含む。
【0049】
図2aを参照すると、本発明に係るマルチレート・メディア復号化メディア処理装置200が図示されている。メディア処理装置200は、一般に、メディアストリームVIDOUTを復号化し、通常のデジタルテレビにより処理及び表示可能なメディアストリームを生成するよう構成されている。メディア処理装置200は、メディアストリームVIDOUTを受信する第1入力部、制御信号CNGを受信する第2入力部、及び少なくとも1のメディアストリーム(例えば、メディアストリームFASTPICおよびメディアストリームPICVID)を与える出力部を有している。メディア処理装置200は、一般に、メディアストリームVIDOUT及び信号CNGに応じて、メディアストリームFASTPICおよびメディアストリームPICVIDのうちのいずれかを出力するよう構成されている。
【0050】
メディアストリームFASTPICは、一般に、「チャンネルサーフィン」(すなわち、素早いチャンネル切換)時に、受信装置に与えられて画像が実質的に即座に受信装置の画面に表示される、復号化及び展開されたメディアストリームとして実施される。ある実施例では、メディアストリームFASTPICに応じて表示される画像を、選択されたチャンネルの内容をユーザ(視聴者)に与えるのに十分な情報を有する部分的な画像を与えるメディアストリームとして実施してもよい。一方、メディアストリームPICVIDは、一般に、通常の復号化され展開されたメディアストリームとして実施される。メディアストリームFILLVIDが遮るものがないメディアストリームとして実施されるときに、メディアストリームFASTPICを直接FILLVIDとして実施してもよい。
【0051】
処理装置200は、一般に、セレクタ210、高速画像デコーダ212及び通常画像デコーダ214を具えている。セレクタ210は、メディアストリームVIDOUTを受信する第1入力部、制御信号CNGを受信する第2入力部及びメディアストリームVIDOUTを出力する2つの出力部(例えば、出力部220,222)を有している。デコーダ212は、出力部220を介してセレクタ210に接続されメディアストリームVIDOUTを受信する入力部、及びメディアストリームFASTPICを(一般に、テレビ、モニタ等といった受信及び表示装置に)出力する出力部を有している。デコーダ214は、出力部222を介してセレクタ210に接続されメディアストリームVIDOUTを受信する入力部、及びメディアストリームPICVIDを(一般に、テレビ、モニタ等といった受信及び表示装置に)出力する出力部を有している。
【0052】
セレクタ210は、一般に、識別器、タイマ及び多重化装置(すなわち、装置、回路、ソフトウェアモジュール等である)として実施される。セレクタ210は、通常、メディアストリームVIDOUTがメディアストリームVIDOUT及び制御信号CNGに応じてデコーダ212又はデコーダ214に向けて出力されるか否かを選択(すなわち、決定、検出等)する。別の実施例では、セレクタ210が、メディアストリームVIDOUTが信号CNGの受信に関するタイマの作動を介してチャンネル切換の間の所定時間(例えば、TT)に応じてデコーダ212又はデコーダ214に向けて出力されているか否かを選択する。
【0053】
さらに、もう一つの実施例では、セレクタ210は、識別器として動作して、メディアストリームVIDOUTがメディアストリームVIDOUTの内容に応じてデコーダ212又はデコーダ214に向けて出力されるか否かを選択するようにしてもよい。セレクタ210は、メディアストリームVIDOUTの内容(タイプ又は形式)を識別(すなわち、決定、検出等)するようにしてもよい。例えば、メディアストリームVIDOUTがメディアストリームFILLVIDを含む場合、セレクタ210が、デコーダ212にメディアストリームVIDOUTを出力して、メディアストリームFASTPICが視聴装置に出力されるようにしてもよい。メディアストリームVIDOUTがメディアストリームCONVIDのみを含む場合(すなわち、メディアストリームFILLVIDが出力されていない)、セレクタ210が、デコーダ212にメディアストリームVIDOUTを出力して、メディアストリームPICVIDが視聴装置に出力されるようにしてもよい。
【0054】
図2bを参照すると、本発明に係るマルチレートメディア復号化メディア処理装置200´が図示されている。このメディア処理装置200´は、一般に、処理装置200と同様に構成される。しかしながら、この処理装置200´は、制御信号CNGを受信することなく動作(すなわち、動作、処理等)する。処理装置200´は、一般に、セレクタ210´を具える。このセレクタ210´には、制御信号CNGを受信する入力部が無い。
【0055】
図3aを参照すると、本発明を含むメディアストリーム配信システム300が図示されている。この配信システム300は、一般に、ヘッドエンド302、ネットワーク304、少なくとも1台のセットトップボックス(STB)306(一般に、複数のSTB306a−306m)、それぞれ少なくとも1台の各視聴装置308(一般に、複数の視聴装置308a−308m)及びそれぞれ少なくとも1個のチャンネル切換制御装置320(例えば、装置320a−320m)を具える。
【0056】
配信システム300は、一般に、テレビサービスプロバイダ/加入者システムとして実施され、そこではプロバイダ(又はベンダー)が、一般に、ヘッドエンド302及びネットワーク304を動作させ、さらには加入者(すなわち、クライアント、顧客、サービス購入者、ユーザ等)にSTB306を提供する。STB306は、一般に、加入者の場所(図示しない例えば家庭、居酒屋、ホテルの部屋、会社等)に配置され、視聴装置308は、一般に、クライアントにより設置される。視聴装置308は、一般に、テレビ、デジタルテレビ(DTV)、高解像度テレビ(HDTV)、モニタ、ホスト視聴装置として実施される。
【0057】
ヘッドエンド302は、一般に、ネットワーク304に電気的に接続され(すなわち、通信可能で)、ネットワーク304は、一般に、STB306に電気的に接続され(すなわち、通信可能で)、STB306は、一般に、各視聴装置308に電気的に接続(すなわち、通信可能で)されている。電気的な接続(又は通信)は、特別なアプリケーションの設計基準に適合する適切な配線接続(他えば、ツイストペア、非ツイスト導線、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ハイブリッドファイバケーブル等)又はワイヤレス接続(例えば、無線周波数、マイクロ波、赤外線等)及びプロトコル(例えば、HomePlug,HomePNA,IEEE802.11(a−b),ブルートゥース,HomeRF等)として実施される。配信システム300は、各STB306に1台の視聴装置308が接続されているように示されているが、各STB306を、1台以上の視聴装置308に接続するように実施してもよい(図示せず)。
【0058】
ヘッドエンド302は、一般に、映像及び音声データ(例えば、映画、音楽、テレビ番組、ストリーミングメディア、データサービス、電話サービス等)を出力するよう構成されたデータサーバ、コンピュータ、処理装置、セキュリティ暗号化もしくは復号化装置又はシステム等、あるいは、処理装置(すなわち、プロバイダが運用する加入者アカウント処理サーバ)、テレビサービス・トランシーバ(例えば、通常のテレビ及びラジオ放送、デジタルテレビ、HDTV、音声、MP3、テキストメッセージ、ゲーム、メディアストリーム等のためのトランシーバ)等として実施される複数の装置330(例えば、装置330a−330n)を具える。
【0059】
ある実施例では、装置330のうちの1つ(例えば、装置330X)が、図1aに関して上述したメディア処理装置100を有してもよく、もう一つの実施例では、図1bに関して上述したメディア処理装置100´を有してもよい。ある実施例では、ヘッドエンド302が、メディアVIDOUTを生成及び出力(送信、配信、通過、放送、出力等)し、信号CNGを受信してもよい。
【0060】
ネットワーク304は、一般に、例えば、STB306へのメディアストリームVIDOUTとしてのテレビサービスプロバイダの信号(例えば、通常のテレビ及びラジオ放送、デジタルテレビ、HDTV、音声、MP3、テキストメッセージ、メディアストリーム等)を選択的に配信(すなわち、送受信)するよう構成されたメディアストリーム配信ネットワーク(例えば、ケーブル、衛星、IPデータネットワーク等)として実施される。メディアVIDOUTは、一般に、加入者の情報に基づいて(又は応じて)配信される。例えば、クライアントが購入したサービス(例えば、基本的なサービス、有料の映像チャンネル等)のレベル、クライアントが要求するサービス(例えば、標準のTV、HDTV、双方向メッセージ等)のタイプ等が、特定の加入者に送信されるメディアストリームを決定する。ネットワーク304は、STB306からの信号CNGを受信して、信号CNGをヘッドエンド302(特に処理装置100)に送信してもよい。
【0061】
STB306は、一般に、多重メディア機能(例えば、通常のテレビ及びラジオ放送、デジタルテレビ、音声、MP3、高解像度デジタルテレビ(HDTV)、テキストメッセージ等)を有するSTBとして実施される。STB306は、一般に、少なくとも1つの各マルチレートメディア復号化処理装置(例えば、ある実施例では、図2aに関して上述した処理装置200で、他の実施例では、図2bに関して上述した処理装置200´である)を具える。処理装置200は、暗号化した(及び圧縮された)映像及び音声データ(例えば、メディアストリームVIDOUT)を受信し、視聴装置308にクリアな映像及び音声データ(例えば、メディアストリームFASTPIC及びPICVID)を出力する。STB306は、ネットワーク304を介してメディア処理装置100に信号CNGを出力する。
【0062】
装置320は、一般に、チャンネルチェンジャ(例えば、リモートコントロール、「クリッカー」、「リモコン」等)として実施される。チェンジャ320は、一般に、ユーザ(図示せず)が受信装置308の画面に表示されるチャンネルの切り換えを望むときに、信号CNGを(例えば、STB306に)送信(例えば、放送、出力、配信等)する。
【0063】
図3bを参照すると、本発明に係るメディアストリーム処理及び配信システム300´が図示されている。配信システム300´は、一般に、ヘッドエンド302、ネットワーク304、少なくとも1つのセットトップボックス(STB)306´(一般に、複数のSTB306a´−306m´)、それぞれ少なくとも1つの表示装置308´(一般に、複数の表示装置308a´−308m´)及びそれぞれ少なくとも1つのチャンネル切換制御装置320(例えば、装置320a−320m)を具える。
【0064】
ヘッドエンド302´は、メディアストリームCONVIDを生成してネットワーク304を介してSTB306´に出力(すなわち、送信、配信、通過、放送、出力等)する。
【0065】
STB306´は、メディア処理装置(例えば、図1bに関して上述したメディア処理装置100´)及びマルチレートメディア復号化処理装置(例えば、ある実施例では、図2aに関する上記の処理装置200で、他の実施例では、図2bに関して上述した処理装置200´)を有してもよい。メディア復号化処理装置200を、処理装置100´に接続して、暗号化した(及び圧縮された)映像及び音声データ(例えば、メディアストリームVIDOUT)を受信し、クリアな映像及び音声データ(例えば、メディアストリームFASTPIC及びPICVIDとして)を視聴装置308に出力してもよい。
【0066】
図3cを参照すると、本発明に係るメディアストリーム処理及び配信システム300´´が図示されている。配信システム300´´は、一般に、ヘッドエンド302´、ネットワーク304、少なくとも1つのセットトップボックス(STB)306´´(一般に、複数のSTB306a´´−306m´´)、それぞれ少なくとも1つの表示装置308´´(一般に、複数の表示装置308a´´−308m´´)及びそれぞれ少なくとも1つのチャンネル切換制御装置320(例えば、装置320a−320m)を具える。
【0067】
STB306´´は、メディア処理装置(例えば、図1bに関する上記のメディア処理装置100´)を有している。STB306´´は、一般に、ネットワーク304からのメディアストリームCONVID及びチェンジャ320からの制御信号CNGを受信し、すメディアストリームVIDOUTを受信装置308´´に出力する。
【0068】
受信装置308´´は、一般に、マルチレートメディア復号化処理装置(例えば、ある実施例では、図2aに関する上記の処理装置200で、他の実施例では、図2bに関する上記の処理装置200´)を有している。メディア復号化処理装置200は、暗号化した(及び圧縮された)映像データ(例えば、メディアストリームVIDOUT)及び制御信号CNGを受信し、受信装置308´´の画面に表示されるクリアな映像データ(例えば、メディアストリームFASTPIC及びPICVIDとして)を生成する。
【0069】
図3dを参照すると、本発明に係るメディアストリーム処理及び配信システム300´´´が図示されている。配信システム300´´´は、一般に、ヘッドエンド302、ネットワーク304、少なくとも1つの受信装置(受信器、トランシーバ等)308´´(一般に、複数の装置308a´´−308m´´)を具えている。受信装置308´´は、一般に、ネットワーク304にダイレクトに接続されている(すなわち、システム300´´´は、一般に、STB306といったSTB無しに実施される)。受信装置308´´は、一般に、ネットワーク304からのメディアストリームVIDOUT及びチェンジャ320からの制御信号CNGを受信し、ネットワーク304を介して制御信号CNGをメディア処理装置100に出力する。
【0070】
さらに、他の実施例(図示せず)では、システム300´´´が、ネットワーク304にダイレクトに接続された少なくとも1つの受信装置308´´を有するとともに、ネットワーク304に接続された少なくとも1つのSTB306及びネットワーク304に接続された少なくとも1つの受信装置308を有してもよい。
【0071】
様々な実施例及び各動作モードの中で、本発明は、以下のうちの少なくとも1つを提供する。すなわち、少なくとも1つのIフレームのユニキャスト送信への挿入、オンデマンドによる(すなわち、ユーザの要求に応じて)IP又は他のネットワーク技術(すなわち、回線ブロードキャストに関する)を介した少なくとも1つのIフレームの送信、STBが「取り込み」(すなわち、受信及び復号化)可能なIフレームのストリームの既知のマルチキャストアドレスについてのマルチキャスト、デコーダに「追いつく」ユニキャストストリームによる「バースト」フレーム(例えば、通常の速度よりも高い速度で放送されるフレーム)の送信、及びGOPをオフにして(例えば、前の画像を保持して表示する)、(ユニキャスト送信に関連して)Iフレームで視られる表示の開始をする視聴装置の提供、のうちの少なくとも1つである。
【0072】
様々な動作モードは、一般に、メディア処理装置100に関連するメディアストリームFILLVIDの連続的な生成及び送信、メディア処理装置100´に関する信号CNGに応じたメディアストリームFILLVIDの断続的な送信、マルチレートメディア処理装置200、200´を介したメディアストリームVIDOUTの復号化及び展開を介して実施される。上記のメディア処理装置100、メディア処理装置100´、マルチレートメディア処理装置200、200´は、一般に、チャンネルの切換時に、受信装置(例えば、装置308)の画面にユーザが視認可能な画像を実質的に即座に表示できるよう構成されたメディア処理サブシステムを具えている。
【0073】
そして、上記から容易に明らかなように、本発明は、一般に、チャンネル切換操作時にデジタルテレビシステムが時々直面する短時間の黒い画像を減らし又は除去する、デジタルメディアシステムにおける素早いチャンネル切換のための新たな革新的なシステム及び技術を用いた、改良されたシステム及び改良された方法を提供する。
【0074】
本発明に係る実施例が図示され記述されているが、これらの実施例が、本発明の全ての可能な形態を図示し記述することを意図するものではない。むしろ、本明細書で使用された用語は、制限よりも記述の用語であり、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1a】図1aは、本発明に係るメディアストリーム処理装置を示す図である。
【図1b】図1bは、本発明に係るメディアストリーム処理装置を示す図である。
【図2a】図2aは、本発明に係るマルチレートメディアストリーム復号化装置を示す図である。
【図2b】図2bは、本発明に係るマルチレートメディアストリーム復号化装置を示す図である。
【図3a】図3aは、本発明を実施するメディア処理および配信システムを示す図である。
【図3b】図3bは、本発明を実施するメディア処理および配信システムを示す図である。
【図3c】図3cは、本発明を実施するメディア処理および配信システムを示す図である。
【図3d】図3dは、本発明を実施するメディア処理および配信システムを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルメディアストリーム処理システムであって、
前記システムが、デジタルメディアストリームを生成するよう構成されたヘッドエンドと、
前記ヘッドエンドに接続され、前記デジタルメディアストリームを受信するよう構成されたネットワークと、
前記ネットワークに接続されて前記デジタルメディアストリームを受信し、前記デジタルメディアストリーム又は前記デジタルメディアストリームの復号化バージョンのいずれか1以上を出力する、少なくとも1つのセットトップボックス(STB)と、
少なくとも1つのSTBに各々接続されて少なくとも1の前記デジタルメディアストリームを受信する、少なくとも1つの受信装置とを具え、
前記ヘッドエンド、前記少なくとも1つのSTB及び前記受信装置のいずれか1以上が、少なくとも1の前記デジタルメディアストリームを受信し、チャンネルの切換時に前記受信装置の画面上でユーザが視認可能な画像を、実質上即座に表示するよう構成されたメディア処理サブシステムを具えていることを特徴とするデジタルメディアストリーム処理システム。
【請求項2】
少なくとも1の一方の前記メディアストリームが、一群の画像と、少なくとも1つのIフレームとを具え、少なくとも1の他方の前記メディアストリームが実質的に即座に視認可能な画像を提供するメディアストリームであることを特徴とする請求項1に記載のデジタルメディアストリーム処理システム。
【請求項3】
少なくとも1の一方の前記メディアストリームが、MPEG−1,MPEG−2,MPEG−3,Windows(登録商標)Media9及びReal Mediaのうちの少なくとも1つを含むMotion Pictures Expert Group(MPEG)メディアストリームを有する圧縮されたデジタル形式のメディアストリームであることを特徴とする請求項2に記載のデジタルメディアストリーム処理システム。
【請求項4】
前記メディア処理サブシステムが、前記少なくとも1の他方のメディアストリームを連続的に生成して送信することを特徴とする請求項2に記載のデジタルメディアストリーム処理システム。
【請求項5】
前記システムが、さらに、チャンネル切換制御信号を出力するよう構成されたチェンジャを具え、前記メディア処理サブシステムが、前記制御信号に応じて前記少なくとも1の他方のメディアストリームを断続的に送信することを特徴とする請求項2に記載のデジタルメディアストリーム処理システム。
【請求項6】
前記少なくとも1の他方のメディアストリームが、ユニキャスト送信に挿入された少なくとも1つのIフレームを含むことを特徴とする請求項2に記載のデジタルメディアストリーム処理システム。
【請求項7】
前記少なくとも1の他方のメディアストリームが、交換放送(switched broadcast)におけるインターネットプロトコルネットワークを介してユーザの要求に応じて送信される少なくとも1つのIフレームを含むことを特徴とする請求項2に記載のデジタルメディアストリーム処理システム。
【請求項8】
前記少なくとも1の他方のメディアストリームが、前記ネットワークを介して既知のマルチキャストアドレスにマルチキャストされるIフレームのストリームを含むことを特徴とする請求項2に記載のデジタルメディアストリーム処理システム。
【請求項9】
前記少なくとも1の他方のメディアストリームが、ユニキャスト送信において前記少なくとも1の一方のメディアストリームよりも高速で放送されるフレームを含むことを特徴とする請求項2に記載のデジタルメディアストリーム処理システム。
【請求項10】
前記メディア処理サブシステムが、ユニキャスト送信可能に構成され、前記少なくとも1の他方のメディアストリームとして以前の画像を保持及び表示するとともに、初めのIフレームが利用可能となったときに前記少なくとも1の一方のメディアストリームを表示することを特徴とする請求項2に記載のデジタルメディアストリーム処理システム。
【請求項11】
デジタルメディアストリーム処理方法であって、
前記方法が、ヘッドエンドで前記デジタルメディアストリームを生成するステップと、
ネットワークに前記ヘッドエンドを接続して前記ネットワークでデジタルメディアストリームを受信するステップと、
少なくとも1つのセットトップボックス(STB)を前記ネットワークに接続して前記少なくとも1つのSTBで前記デジタルメディアストリームを受信するステップと、
前記デジタルメディアストリーム又は前記デジタルメディアストリームの復号化バージョンのいずれか1以上を受信するよう構成された少なくとも1つの受信装置をそれぞれ前記少なくとも1つのSTBに接続するステップとを具え、
前記ヘッドエンド、前記少なくとも1つのSTB及び前記少なくとも1つの受信装置のいずれか1以上が、チャンネルの切換時に前記受信装置の画面上でユーザが視認可能な画像を、実質上即座に表示するよう構成されたメディア処理サブシステムを具えることを特徴とするデジタルメディアストリーム処理方法。
【請求項12】
少なくとも1の一方の前記メディアストリームが、一群の画像と、少なくとも1つのIフレームとを具え、少なくとも1の他方の前記メディアストリームが実質的に即座に視認可能な画像を提供するメディアストリームであることを特徴とする請求項11に記載のデジタルメディアストリーム処理方法。
【請求項13】
少なくとも1の一方の前記メディアストリームが、MPEG−1,MPEG−2,MPEG−3,Windows(登録商標)Media9及びReal Mediaのうちの少なくとも1つを含むMotion Pictures Expert Group(MPEG)メディアストリームを有する圧縮されたデジタル形式のメディアストリームであることを特徴とする請求項12に記載のデジタルメディアストリーム処理方法。
【請求項14】
前記メディア処理サブシステムが、前記少なくとも1の他方のメディアストリームを連続的に生成して送信することを特徴とする請求項12に記載のデジタルメディアストリーム処理方法。
【請求項15】
前記システムが、さらに、チャンネル切換制御信号を出力するよう構成されたチェンジャを具え、前記メディア処理サブシステムが、前記制御信号に応じて前記少なくとも1の他方のメディアストリームを断続的に送信することを特徴とする請求項12に記載のデジタルメディアストリーム処理方法。
【請求項16】
前記少なくとも1の他方のメディアストリームが、ユニキャスト送信に挿入された少なくとも1つのIフレームを含むことを特徴とする請求項12に記載のデジタルメディアストリーム処理方法。
【請求項17】
前記少なくとも1の他方のメディアストリームが、交換放送(switched broadcast)におけるインターネットプロトコルネットワークを介してユーザの要求に応じて送信される少なくとも1つのIフレームを含むことを特徴とする請求項12に記載のデジタルメディアストリーム処理方法。
【請求項18】
前記少なくとも1の他方のメディアストリームが、前記ネットワークを介して既知のマルチキャストアドレスにマルチキャストされるIフレームのストリームを含むことを特徴とする請求項12に記載のデジタルメディアストリーム処理方法。
【請求項19】
前記少なくとも1の他方のメディアストリームが、ユニキャスト送信において前記少なくとも1の一方のメディアストリームよりも高速で放送されるフレームを含むことを特徴とする請求項12に記載のデジタルメディアストリーム処理方法。
【請求項20】
前記メディア処理サブシステムが、ユニキャスト送信可能に構成され、前記少なくとも1の他方のメディアストリームとして以前の画像を保持及び表示するとともに、初めのIフレームが利用可能となったときに前記少なくとも1の一方のメディアストリームを表示することを特徴とする請求項12に記載のデジタルメディアストリーム処理方法。
【請求項21】
マルチストリーム・デジタルメディア処理システムに使用されるメディア処理サブシステムであって、
前記サブシステムが、デジタルメディアストリームを生成及び出力するよう構成されたメディア処理装置を具え、
少なくとも1の一方の前記メディアストリームが、1群の画像及び少なくとも1つのIフレームを具え、
少なくとも1の他方の前記メディアストリームが、チャンネルの切換時に受信装置の表示画面に視認可能な画像を実質的に即座に提供するメディアストリームであり、
前記サブシステムが、MPEGメディアストリーム及び前記少なくとも1の他方のメディアストリームを復号化するよう構成されたマルチレートメディア復号化処理装置を具えることを特徴とするメディア処理サブシステム。
【請求項22】
前記サブシステムが、前記マルチストリーム・デジタルメディア処理システムを具えるヘッドエンド、少なくとも1つのセットトップボックス(STB)及び前記受信装置のいずれか1以上に接続されていることを特徴とする請求項21に記載のメディア処理サブシステム。
【請求項23】
少なくとも1の前記メディアストリームが、MPEG−1,MPEG−2,MPEG−4,Windows(登録商標)Media9及びReal Mediaのうちの少なくとも1つを含むMotion Pictures Expert Group(MPEG)メディアストリームを有する圧縮化されたデジタル形式のメディアストリームであることを特徴とする請求項21に記載のメディア処理サブシステム。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【公表番号】特表2008−507898(P2008−507898A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522505(P2007−522505)
【出願日】平成17年6月15日(2005.6.15)
【国際出願番号】PCT/US2005/021083
【国際公開番号】WO2006/019481
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(506132027)コムキャスト ケーブル ホールディングス,エルエルシー (7)
【Fターム(参考)】