説明

デジタル撮像装置

【課題】煩雑な操作を伴うことなく、環境状態に応じて効果音の音量を変更することができるデジタル撮像装置を提供する。
【解決手段】デジタルカメラは、マイクによって環境音の大きさを取得し、この環境音の大きさと所定のしきい値とを比較する(ステップST43)。環境音の大きさがしきい値を超える場合は、出力音量レベルを通常の基準音量レベルに設定する(ステップST47)。一方、環境音の大きさがしきい値以下の場合は、デジタルカメラが配置されている環境が静粛さが要求される環境であると判断し、出力音量レベルを基準音量レベルよりも低い低減音量レベルに設定する(ステップST48)。これにより、煩雑な操作を伴うことなく、環境にあわせて効果音の音量を低減することができる。またその結果、静粛さが要求される環境において、環境の要求に適合させることができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、効果音を出力する可搬性のデジタル撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラなどの可搬性のデジタル撮像装置においては、電子シャッタ方式が採用されることやフィルムの給送動作が必要ないことなどにより、機械的な駆動音の発生が比較的少ない。このため、駆動機構の比較的多い銀塩カメラの操作に慣れたユーザがデジタル撮像装置を操作する場合、その動作状態を把握できず、操作上不安を感じることがある。
【0003】
このようなことから、従来より、デジタル撮像装置の動作に連動して効果音を出力させる技術が知られている。例えば、特許文献1においては、撮像の開始に連動して、メカニカルシャッタの駆動音の疑似音を出力させるデジタル撮像装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−307902号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような効果音の音量は、デジタル撮像装置が使用される環境状態に応じて変更されることが好ましい。例えば、博物館や展覧会場等の静粛さが要求される場所においては、効果音は周囲の迷惑となる可能性があるため、効果音の音量を低下する、あるいは、効果音の出力を停止することが、マナー上好ましい。
【0006】
従来のデジタル撮像装置においては、ユーザ設定によって効果音の出力のオン/オフを切り替えるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、ユーザにとって、環境状態が変わるごとに設定操作を行うのは非常に煩雑であるとともに、設定操作を失念する可能性もある。
【0007】
また、このような問題以外にも、効果音についての機能向上が求められてた。特に、効果音の音量を低減した場合、被写体となる人物にとってデジタル撮像装置の動作が把握しにくいため、当該人物に対して撮影が行われるタイミング等を知らせる技術が必要であった。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、効果音に関連する機能を充実させることを第1の目的とする。
【0009】
また、本発明は、煩雑な操作を伴うことなく、デジタル撮像装置が配置されている環境状態に応じて、効果音の音量を変更することができるデジタル撮像装置を提供することを第2の目的とする。
【0010】
また、本発明は、効果音の音量が低減されたときであっても、被写体となる人物に対してデジタル撮像装置の動作を認識させることができるデジタル撮像装置を提供することを第3の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、可搬性のデジタル撮像装置であって、前記デジタル撮像装置の動作に連動して所定の効果音を出力する効果音出力手段と、前記デジタル撮像装置が配置されている環境状態を検出する環境状態検出手段と、前記環境状態に応じて前記効果音の音量を変更する音量変更手段と、を備えている。
【0012】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のデジタル撮像装置において、前記環境状態検出手段は、環境音の大きさを検出する環境音検出手段、を備え、前記音量変更手段は、前記環境音の大きさに応じて前記効果音の音量を変更することを特徴とする。
【0013】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載のデジタル撮像装置において、前記環境状態検出手段は、環境光の明るさを検出する環境光検出手段、を備え、前記音量変更手段は、前記環境光の明るさに応じて前記効果音の音量を変更することを特徴とする。
【0014】
また、請求項4の発明は、請求項1に記載のデジタル撮像装置において、前記環境状態検出手段は、所定の領域内に設けられる信号発信装置から、前記領域の状態を示す環境信号を無線通信により受信する受信手段、を備え、前記音量変更手段は、前記環境信号に応じて前記効果音の音量を変更することを特徴とする。
【0015】
また、請求項5の発明は、可搬性のデジタル撮像装置であって、前記デジタル撮像装置の動作に連動して所定の効果音を出力する効果音出力手段と、前記効果音の音量を変更する音量変更手段と、表示内容が被写体側から視認可能な表示手段と、前記音量変更手段により、前記効果音の音量が基準音量より低減されたとき、前記効果音出力手段が前記効果音を出力すべきタイミングに連動して、前記表示手段を作動させる表示制御手段と、を備えている。
【0016】
なお、本明細書において、効果音の音量を「低減」するとは、効果音の音量を「低下」する、および、効果音の出力を「停止」するの双方の概念を含む用語である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.デジタルカメラの構成>
図1および図2は、本発明の実施形態に係る可搬性のデジタル撮像装置であるデジタルカメラ1aの外観構成を示す図であり、図1は正面図、図2は背面図に相当する。
【0019】
デジタルカメラ1aの正面側には、被写体の光像を結像するための撮影レンズ2、被写体を照明するフラッシュ22、セルフタイマ撮影時などに発光するセルフタイマランプ23、デジタルカメラ1aが配置されている場所の環境音を検出するマイク24、および、デジタルカメラ1aを保持するためのグリップ部9が設けられる。セルフタイマランプ23は、その発光が被写体側から視認可能な位置に配置される。
【0020】
また、グリップ部9の上部には、シャッタボタン11が設けられる。シャッタボタン11はユーザが撮像の開始を指示するための操作部であり、半押し状態(S1状態)と全押し状態(S2状態)との2段階の押し込み操作を検知可能なように構成される。通常、シャッタボタン11が半押し状態とされた場合には、フォーカス制御などの撮像準備動作が開始され、全押し状態とされた場合には、記録用の画像を取得する撮像動作(露光)が開始される。
【0021】
シャッタボタン11の上方には、電源のオン/オフを切り替えるとともに、「撮影モード」と「再生モード」との間で動作モードを切り替えるダイヤル式のメインスイッチ14が設けられる。撮影モードは被写体の画像を取得して記録画像として記録する動作モードであり、再生モードは記録画像を再生表示する動作モードである。
【0022】
グリップ部9の逆側の側面上方には、「画像サイズ」、「露出モード」および「ドライブモード」等の項目を設定するためのファンクションダイヤル12が設けられている。ファンクションダイヤル12によって所望の項目にセットした後、グリップ部9上部の選択ダイヤル13を回転させることにより、セットされた項目の設定内容を順次変更することができる。
【0023】
例えば、「ドライブモード」の項目では、シャッタボタン11の押下に直ちに応答して画像の取得を開始する「通常撮影」と、シャッタボタン11が押下された時点から所定時間が経過した後、画像の取得を開始する「セルフタイマ撮影」との間で設定内容を切り替えることができる。セルフタイマ撮影時には、撮像の開始直前にセルフタイマランプ23が点滅駆動し、被写体となる人物に撮像開始のタイミングを知らせるようになっている。
【0024】
デジタルカメラ1aの背面側には、電子ビューファインダ(以下、「EVF」という。)25および液晶ディスプレイ(以下、「LCD」という。)26が設けられている。EVF25およびLCD26には、撮影待機状態におけるライブビュー表示、記録画像の再生表示および設定メニューの表示等がなされる。
【0025】
LCD26の右方にはメニューボタン18および十字キー17が設けられる。十字キー17は上スイッチ17U、下スイッチ17D、左スイッチ17Lおよび右スイッチ17Rからなる4連スイッチ、ならびに、その中央の決定ボタン17Cから構成される。メニューボタン18を押下するとLCD26に設定メニューが表示され、設定メニューを参照しつつ十字キー17を操作することによって、設定内容を入力することができる。
【0026】
十字キー17の下方には、スピーカ27が設けられる。スピーカ27からは、撮像の開始や十字キー17の操作など、デジタルカメラ1aの動作に連動して種々の効果音が出力される。
【0027】
デジタルカメラ1aの内部にはカードスロット29が設けられ、デジタルカメラ1aの側面から記録媒体であるメモリカード91を挿入して装着できる。撮影モードにおいて取得された画像はメモリカード91に記録される。
【0028】
このようなデジタルカメラ1aの各種の動作制御は、内部に設けられる全体制御部によって実現される。図3は、全体制御部4を含む、デジタルカメラ1aの主たる内部構成を機能ブロックとして示す図である。
【0029】
図3に示す構成のうち、CCD31、信号処理部32、A/D変換部33、画像処理部34、および、画像メモリ35等は画像を取得する機能を実現する。
【0030】
CCD31は、マトリクス状に配列された複数の画素からなる撮像素子であり、撮影レンズ2により結像された被写体の光像を画像信号に光電変換する。CCD31の撮像面はベイヤー配列で各色成分に対応づけられた画素配列となっており、各画素がベイヤー配列に対応するR(赤),G(緑),B(青)のうちの1色についての値を検出するように構成される。
【0031】
信号処理部32は、CDS(相関二重サンプリング)回路およびAGC(オートゲインコントロール)回路等をその内部に有し、CCD31から出力される画像信号(アナログ信号)に所定の信号処理を施す。具体的には、CDS回路により画像信号のノイズの低減が行われ、AGC回路により画像信号のレベル調整が行われる。
【0032】
A/D変換部33は、信号処理部32から出力される各画素ごとのアナログの画像信号を例えば12ビットのデジタル信号に変換する。デジタル信号に変換された画像は、画像処理部34に入力されるとともに、全体制御部4にも入力され、露出制御やフォーカス制御に用いられる。
【0033】
画像処理部34は、画像に対して各種の画像処理を行う専用のチップで構成される。例えば、黒レベル補正、ホワイトバランス補正およびγ補正等の各種補正処理、ならびに、ベイヤー形式の画像の各画素がRGB全ての色成分についてのデータを有するように画素値を補間する補間処理などが行われる。
【0034】
画像メモリ35は、画像を一時的に記憶するバッファメモリであり、例えば64MBの記憶容量を有すDRAMなどで構成される。CCD31にて取得された画像は、信号処理部32、A/D変換部33および画像処理部34にて所定の処理が施された後、画像メモリ35に格納される。その後、画像に圧縮処理が施され、記録画像としてメモリカード91に記憶される。
【0035】
レンズ駆動部21は、全体制御部4から入力される信号に基づいて、撮影レンズ2の内部に含まれる部材、例えば、被写体像の合焦状態を調節するレンズ群や入射光量を調節する絞り等の駆動を行う。
【0036】
操作部材10は、上述したシャッタボタン11、ファンクションダイヤル12、メニューボタン18および十字キー17等を一の機能ブロックとして示したものである。操作部材10の操作内容は信号として全体制御部4に入力される。
【0037】
また、上述したフラッシュ22、セルフタイマランプ23、マイク24、EVF25、LCD26およびスピーカ27等は、それぞれ全体制御部4に電気的に接続される。これにより、全体制御部4は、これら部材に対して各種信号を送信して制御を行う一方、これら部材から出力される各種信号を受信することができることとなる。
【0038】
全体制御部4は、マイクロコンピュータを備えて構成される。すなわち、全体制御部4は、各種演算処理を行うCPU41と、演算を行うための作業領域となるRAM42と、制御プログラム等が記憶されるROM43とを備え、上述したようなデジタルカメラ1aの各部の動作を統括的に制御する。
【0039】
全体制御部4の各種の機能は、予めROM43内に記憶される制御プログラムに従ってCPU41が演算処理を行うことにより実現される。なお、ROM43はEPROMなどの追記が可能な不揮発性メモリで構成されており、メモリカード91からの読出などにより、新たな制御プログラムをROM43に格納(インストール)することも可能とされている。図3において露出制御部44、AF制御部45、設定受付部46および効果音制御部47は、制御プログラムに従ってCPU41が演算動作を行うことにより実現される機能の一部を機能ブロックとして模式的に示している。
【0040】
露出制御部44は、取得される画像の明るさが適正になるように調整する露出制御(AE)を行う。具体的には、A/D変換部33から入力される画像から輝度情報を導出し、この輝度情報に基づいてシャッタスピードおよび絞り値を設定する。デジタルカメラ1aにおいてはシャッタ方式として電子シャッタ方式が採用され、シャッタスピードはCCD31の露光時間(電荷蓄積時間)に相当する。したがって、設定されたシャッタスピードはCCD31に出力され、CCD31は設定された露光時間だけ露光するように制御される。一方、設定された絞り値はレンズ駆動部21に出力され、設定された絞り値に相当する開口径となるように撮影レンズ2内の絞りが駆動される。また、露出制御部44は、被写体が低輝度で露光不足となる場合は、フラッシュ22を発光、あるいは、信号処理部32に画像のレベル調整を行わせるなどして、画像の露光不足を解消する。
【0041】
AF制御部45は、画像中の被写体像が合焦状態となるように撮影レンズ2内のレンズ群を移動させるフォーカス制御(AF)を行う。具体的には、レンズ駆動部21に信号を送信してレンズ群を駆動させつつ、A/D変換部33から入力される画像のコントラストを監視し、コントラストが最も高くなる位置にレンズ群を移動させる。
【0042】
設定受付部46は、ユーザの操作部材10の操作によって入力された信号を受け付け、信号に応じてデジタルカメラ1aの動作設定を変更する。設定メニューがLCD26に表示されているときは、十字キー17の操作により設定される内容がユーザ設定として設定受付部46に受け付けられる。このユーザ設定の内容は、RAM42に記憶されるとともにデジタルカメラ1aの各部に入力される。これにより、デジタルカメラ1aの各部がユーザ設定に従って動作することとなる。
【0043】
効果音制御部47は、デジタルカメラ1aの動作に連動して所定の効果音をスピーカ27から出力させる。効果音としては、種々のものが予めROM43内に記憶されており、デジタルカメラ1aの動作に応じて選択的に使用される。例えば、シャッタボタン11が押下されて画像が取得されるときには、メカニカルシャッタの駆動音に近似する効果音が選択され、また、十字キー17などが操作されたときは、その操作に応じた効果音が選択される。そして、選択された効果音がスピーカ27から出力される。これにより、ユーザに対してデジタルカメラ1aの動作状態を直感的に把握させることができる。
【0044】
また、効果音制御部47は、デジタルカメラ1aがその時点で配置されている環境状態に応じて効果音の音量を変更させる音量制御を行う。さらに、効果音の音量の低減時においては、効果音を出力すべきタイミングに連動してセルフタイマランプ23を発光させる制御であるセルフタイマランプ作動制御を行う。このような音量制御やセルフタイマランプ作動制御は、設定受付部46により受け付けられるユーザ設定に基づいて行われる。
【0045】
<1−2.効果音の設定>
図4は、効果音に関するユーザ設定を受け付ける処理の流れを示す図である。効果音に関する設定メニューは、メニューボタン18を押下して初期設定メニューを呼び出した後、所定の操作を行うことで表示される。
【0046】
まず、デジタルカメラ1aの通常の動作状態において出力する効果音の音量である「基準音量レベル」の設定を受け付ける画面が、図5の如くLCD26に表示される。基準音量レベルは、「レベル3」、「レベル2」および「レベル0」から選択可能とされる。ここでレベルn(n=0〜3)は音量を示し、nが大きいほど音量が大きいことを示している。また、レベル0は、無音であること、すなわち、効果音の出力を行わないことを示している。
【0047】
ユーザは十字キー17の上下スイッチ17U,17Dを操作することにより、カーソルCを所望の項目まで移動させ、決定ボタン17Cを押下することにより、カーソルCにより選択された項目を設定内容として確定する。これにより、確定された設定内容が設定受付部46に受け付けられる(ステップST11)。なお、この設定メニューにおける操作方法等は以下の説明においても同様である。
【0048】
設定された基準音量レベルが「レベル2」または「レベル3」の場合(ステップST12にて「2or3」)は、続いて、効果音の音量を基準音量レベルよりも低減させるときの音量である「低減音量レベル」の設定を受け付ける画面が、図6の如くLCD26に表示される。低減音量レベルは、レベル2よりも小さな音量である「レベル1」、および、無音とする「レベル0」から選択可能とされる(ステップST13)。なお、設定された基準音量レベルが「レベル0」の場合(ステップST12にて「0」)は、さらなる音量の低減は不可能なため、そのまま処理が終了される。
【0049】
低減音量レベルが設定されると、続いて、効果音の音量を基準音量レベルと低減音量レベルとの間で変更する条件である「音量変更条件」の設定を受け付ける画面が、図7の如くLCD26に表示される。音量変更条件は、環境音の大きさに応じて変更する「環境音」と、環境光の明るさに応じて変更する「環境光」と、環境音の大きさおよび環境光の明るさの双方に応じて変更する「環境音および環境光」との間で選択可能とされる(ステップST14)。
【0050】
さらに、音量変更条件が設定されると、セルフタイマランプ作動制御を行うか否かを示す「低減時ランプ動作」の設定を受け付ける画面が、図8の如くLCD26に表示される。低減時ランプ動作は、「発光」および「非発光」(セルフタイマランプ23の能動化/非能動化)から選択可能とされる(ステップST15)。低減時ランプ動作の設定がなされると、処理が終了される。
【0051】
<1−3.デジタルカメラの動作>
次に、デジタルカメラ1aの撮影モードにおける基本的な動作について説明する。図9は、撮影モードの動作の流れを示す図である。
【0052】
デジタルカメラ1aは、動作モードが撮影モードに設定されると、撮影待機状態となり、CCD31で取得される画像をLCD26等に表示するライブビュー表示(ステップST21)、および、効果音の音量の変更などを行う音量制御処理(ステップST22)が、シャッタボタン11が半押しされるまで(ステップST23にてNoの間)繰り返される。ライブビュー表示は所定の時間間隔で繰り返され、ユーザは被写体の状態をLCD26等により確認することができる。この撮影待機状態においてメニューボタン18を押下すると、LCD26に設定メニューが表示され、上述した効果音に関する設定等を行うことができる。
【0053】
シャッタボタン11が半押しされると(ステップST23にてYes)、露出制御部44により露出制御(AE)がなされ(ステップST24)、さらに、AF制御部45によりフォーカス制御(AF)がなされる(ステップST25)。このとき、効果音を発生させる設定である場合は、シャッタボタン11の半押し、および、フォーカス制御の終了に応答して、それぞれ所定の効果音がスピーカ27から出力される。
【0054】
次に、シャッタボタン11の全押しを待機する状態へと移行する。シャッタボタン11の半押しが継続された場合(ステップST26にてNo,ST27にてNo)は、その間、ライブビュー表示(ステップST28)および音量制御処理(ステップST29)が繰り返されることとなる。また、シャッタボタン11の操作が解除された場合(ステップST27にてYes)は、再度、撮影待機状態に戻る。
【0055】
一方、シャッタボタン11が全押しされた場合(ステップST26にてYes)は、設定された露光時間の間CCD31にて露光が行われて被写体の画像が取得される。このとき、効果音を発生させる設定である場合は、露光の開始に応答してメカニカルシャッタの駆動音に近似する効果音がスピーカ27から出力される(ステップST30)。CCD31にて取得された画像は、信号処理部32、A/D変換部33および画像処理部34にて所定の処理が施され画像メモリ35に格納された後、圧縮処理がなされ記録画像としてメモリカード91に記憶される(ステップST31)。画像がメモリカード91に記録されると、再度、撮影待機状態に戻る。
【0056】
以上のようにして撮影モードの動作が行われることとなるが、上述したように、撮影待機状態(ステップST22)、および、シャッタボタン11の全押しを待機する状態(ステップST29)においてそれぞれ、効果音制御部47により音量制御処理がなされる。撮影モードの開始時点においては、実際に出力する効果音の音量(以下、「出力音量レベル」という。)は基準音量レベルに設定される。ただし、音量制御処理において、デジタルカメラ1aが配置されている環境状態が検出され、静粛さが要求される環境で大きな音量の出力が好ましくない場合は、出力音量レベルが低減音量レベルに設定されることとなる。なお、基準音量レベルが「レベル0」の場合は、音量制御処理を行わなくてもよい。
【0057】
図10は、この音量制御処理の詳細な流れ示す図である。まず、音量変更条件が確認される(ステップST41)。このとき、音量変更条件が「環境光」の場合は、ステップST44に進む。
【0058】
一方、音量変更条件が「環境音」あるいは「環境音および環境光」の場合は、マイク24により環境音が検出され、この環境音の大きさが効果音制御部47に取得される(ステップST42)。そして、環境音の大きさが、所定の環境音しきい値と比較される(ステップST43)。この環境音しきい値は、計測等により定められた値であり、予めROM43等に記憶される。
【0059】
環境音の大きさが環境音しきい値以下の場合は、デジタルカメラ1aが配置されている環境は静粛さが要求される環境であると判断される。したがって、大きな音量の出力は好ましくないため、出力音量レベルが基準音量レベルよりも低減された低減音量レベルに設定される(ステップST48)。
【0060】
また、環境音の大きさが環境音しきい値を超える場合は、ステップST44に進み、再度、音量変更条件が確認される。このとき、音量変更条件が「環境音」の場合は、デジタルカメラ1aが配置されている環境は静粛さが要求される環境でないと判断され、ステップST47に進み、出力音量レベルが基準音量レベルに設定される。
【0061】
一方、音量変更条件が「環境光」あるいは「環境音および環境光」の場合は、直前のライブビュー表示動作において取得された画像の輝度情報が露出制御部44により導出され、この輝度情報が環境光の明るさとして効果音制御部47に取得される(ステップST45)。そして、環境光の明るさが、所定の環境光しきい値と比較される(ステップST46)。この環境光しきい値も、計測等により定められた値であり、予めROM43等に記憶される。
【0062】
環境光の大きさが環境光しきい値以下の場合は、デジタルカメラ1aが配置されている環境は静粛さが要求される環境であると判断される。したがって、大きな音量の出力は好ましくないため、出力音量レベルが基準音量レベルよりも低減された低減音量レベルに設定される(ステップST48)。また、環境光の大きさが環境光しきい値を超える場合は、デジタルカメラ1aが配置されている環境は静粛さが要求される環境でないと判断されて、出力音量レベルが基準音量レベルに設定される(ステップST47)。
【0063】
このようにして環境状態に応じて出力音量レベルが設定されるが、出力音量レベルが低減音量レベルに設定された場合は、さらに、低減時ランプ動作の設定が確認される(ステップST49)。そして、低減時ランプ動作の設定が「発光」の場合は、効果音を出力すべきタイミングに連動してセルフタイマランプ23を発光させるセルフタイマランプ作動制御が開始される(ステップST51)。また、低減時ランプ動作の設定が「非発光」の場合、あるいは、出力音量レベルが基準音量レベルに設定された場合は、セルフタイマランプ作動制御は停止される(ステップST50)。
【0064】
図11および図12は、上述した撮影モードの動作の具体例を示すタイムチャートであり、「基準音量レベル」が「レベル3」、「低減音量レベル」が「レベル1」、「低減時ランプ動作」が「発光」にそれぞれ設定されている場合を示している。図11は、デジタルカメラ1aが配置されている環境が静粛さが要求される環境でなく、出力音量レベルが基準音量レベルのまま変更されない場合の例を示している。また、図12は、デジタルカメラ1aが配置されている環境が静粛さが要求される環境であり、出力音量レベルが低減音量レベルに低減される場合の例を示している。
【0065】
図11に示すように、静粛さが要求される環境でない場合は、時点t1においてシャッタボタン11が半押し(S1)されると、これに応答して、露出制御(AE)が開始されるとともに、スピーカ27から基準音量レベル(レベル3)で短い効果音が出力される。そして、露出制御(AE)が完了するとフォーカス制御(AF)が開始され、時点t2においてこのフォーカス制御(AF)が完了すると、この完了に応答してスピーカ27から基準音量レベル(レベル3)で短い効果音が出力される。
【0066】
さらに、時点t3においてシャッタボタン11が全押し(S2)されると、これに応答して、露光が開始されるとともに、メカニカルシャッタの駆動音に近似する効果音がスピーカ27から基準音量レベル(レベル3)で出力される。露光が終了すると、取得された画像は所定の処理が行われて記録される。
【0067】
前述したように、出力音量レベルが基準音量レベルの場合はセルフタイマランプ作動制御は停止されるため、図11の場合において、セルフタイマランプ23の発光はいずれの時点においてもなされない。
【0068】
このように、静粛さが要求される環境でない場合は、シャッタボタン11の半押し時点t1、フォーカス制御(AF)の完了時点t2、および、シャッタボタン11の全押し時点t3においてそれぞれ、比較的大きな基準音量レベルで効果音が出力される。このため、ユーザがデジタルカメラ1aの動作状態を容易に把握することができる。また、被写体が人物である場合は、このような効果音によって、被写体となる人物に対して撮影が行われるタイミングを認識させることができる。
【0069】
一方、図12に示すように、静粛さが要求される環境の場合は、シャッタボタン11の半押し時点t1において、図11と同様に露出制御(AE)が開始されるが、スピーカ27からは、基準音量レベルよりも低減された低減音量レベル(レベル1)で短い効果音が出力される。なお、低減音量レベルが「レベル0」に設定されていた場合は、効果音は出力されず無音となる(以降も同様)。
【0070】
また、この効果音を出力すべきタイミングに連動して、効果音制御部47のセルフタイマ作動制御により、セルフタイマランプ23が発光され、以降、所定の周期でセルフタイマランプ23の発光が繰り返される(点滅駆動される)。なお、低減時ランプ動作が「非発光」に設定されていた場合は、セルフタイマランプ23の発光はなされない(以降も同様)。
【0071】
フォーカス制御(AF)の完了時点t2においても、スピーカ27からは低減音量レベル(レベル1)で短い効果音が出力される。また、この効果音を出力すべきタイミングに連動して、セルフタイマランプ23の発光の周期が短縮される。そして、シャッタボタン11の全押し時点t3においては、メカニカルシャッタの駆動音に近似する効果音がスピーカ27から低減音量レベル(レベル1)で出力され、この効果音を出力すべきタイミングに連動して、比較的長い期間、セルフタイマランプ23が発光される。
【0072】
このように、静粛さが要求される環境の場合は、出力音量レベルを基準音量レベルよりも低減させることから、効果音の音量が低下あるいは出力そのものが停止されるため、周囲の迷惑とならず環境の要求(場に応じたマナー等)に適合させることができる。
【0073】
また、効果音の音量を低減させると、被写体となる人物に対して撮影が行われるタイミングを認識させることが困難となる可能性がある。しかしながら、デジタルカメラ1aでは、効果音を出力すべきタイミングに連動してセルフタイマランプ23を作動させるため、効果音の音量が低減された場合であっても、被写体となる人物に対して撮影が行われるタイミングを容易に認識させることができることとなる。
【0074】
以上、第1の実施の形態について説明を行ったが、本実施の形態のデジタルカメラ1aでは、デジタルカメラ1aが配置されている環境状態を検出し、検出された環境状態に応じて効果音の出力音量レベルを変更する。このため、煩雑な操作を伴うことなく、デジタルカメラ1aが配置されている環境にあわせて効果音の音量を変更させることができる。特に静粛さが要求される環境においては、効果音の出力音量レベルを基準音量レベルよりも低減させた低減音量レベルに設定し、効果音の音量を低下あるいは効果音の出力を停止するため、環境の要求に適合させることができる。
【0075】
また、環境状態を、マイク24から得られる環境音の大きさ、あるいは、CCD31から得られる環境光の明るさとして検出することから、容易かつ的確に環境状態を検出することができる。また、簡易な構成で実現することができ、コストアップに繋がることもない。
【0076】
また、効果音の音量が基準音量レベルより低減されたときであっても、効果音を出力すべきタイミングに連動して、被写体側から発光が視認可能なセルフタイマランプ23が作動するため、被写体となる人物に対しても、デジタルカメラ1aの動作を的確に認識させることができる。
【0077】
また、このセルフタイマランプ23は、ユーザ設定により発光/非発光(能動化/非能動化)を切り替えることができる。したがって、子供の寝顔を撮影する場合など、セルフタイマランプ23の発光が好ましくない環境においては、セルフタイマランプ23を非能動化することで、環境の要求にさらに適合させることができる。
【0078】
また、セルフタイマランプ23は、本来のセルフタイマランプとしての機能とともに、効果音を出力すべきタイミングに連動して発光する機能を有している。すなわち、デジタルカメラ1aでは、効果音を出力すべきタイミングに連動して作動する表示手段と、セルフタイマランプとが兼用される。したがって、デジタルカメラ1aを小型化することができ、コストアップに繋がることもない。
【0079】
<2.第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態においては、デジタル撮像装置が配置されている環境状態を、環境音の大きさあるいは環境光の明るさによって検出するようにしていたが、本実施の形態のデジタル撮像装置では、所定の領域内に設けられる信号発信装置から、当該領域の状態を示す環境信号を受信することにより検出するようにしている。
【0080】
図13は、本実施の形態に係る可搬性のデジタル撮像装置であるデジタルカメラ1bが適用される環境状態提供システム100の構成例を示す図である。図13に示すように、環境状態提供システム100は複数の信号発信装置5と、デジタルカメラ1bとを含むものとなっている。なお、図18においては、一つのデジタルカメラ1bのみを図示しているが、多数のデジタルカメラ1bが含まれていてもよい。
【0081】
信号発信装置5はそれぞれ、建物や部屋などの領域50内に固定して設置されており、自身が設置される領域50に係る固有の環境情報を記憶している。すなわち、図に示す領域50a、50b、50cおよび50dそれぞれの信号発信装置5には、それぞれ別の環境情報が記憶される。この環境情報には、自身が設置される領域50が静粛さが要求される環境であるか否かを示す情報が含まれている。
【0082】
信号発信装置5およびデジタルカメラ1bはそれぞれ、Bluetooth(R)等の規格に準拠した所定の通信方式によって近傍の外部装置と無線通信が可能とされている。信号発信装置5は、環境情報を含む信号を環境信号として、近傍にあるデジタルカメラ1bに対して送信する。一方、可搬性のデジタルカメラ1bは、領域50内に配置されたときのみ信号発信装置5から環境信号を受信する。したがって、デジタルカメラ1bは、受信する環境信号に含まれる情報を判断することにより、自身が配置されている環境が静粛さが要求される環境であるか否かを判断することができるわけである。
【0083】
本実施の形態のデジタルカメラ1bの外観構成は、図1および図2に示すものと同様である。また、図14は、デジタルカメラ1bの主たる内部構成を機能ブロックとして示す図である。図14に示すように、デジタルカメラ1bの内部構成は、図3に示すものに、さらに、無線通信インタフェース機能を有するデータ通信部28を備えたものとなっている。このデータ通信部28により、信号発信装置5から送信される環境信号の受信が可能とされる。
【0084】
デジタルカメラ1bの効果音に関するユーザ設定を受け付ける処理は、図4に示すものとほぼ同様であるが、音量変更条件の設定の受け付け(ステップST14)はなされない。したがって、デジタルカメラ1bには、「基準音量レベル」、「低減音量レベル」および「低減時ランプ動作」のみが設定される。
【0085】
また、デジタルカメラ1bの撮影モードにおける基本的な動作は、図9に示すものと同様であるが、音量制御処理(ステップST22,ST29)の処理内容が相違している。
【0086】
図15は、本実施の形態のデジタルカメラ1bの音量制御処理の詳細な流れを示す図である。まず、信号発信装置5から環境信号を受信したか否かが確認される(ステップST61)。ここで、環境信号の受信が無い場合は、出力音量レベルの変更は必要ないため、そのまま処理を終了する。
【0087】
環境信号を受信した場合は、当該環境信号に含まれる環境情報が確認され、デジタルカメラ1bが配置されている環境は静粛さが要求される環境であるか否かが判断される。すなわち、これにより、出力音量レベルの低減が必要か否かが判断される(ステップST62)。
【0088】
出力音量レベルの低減が必要と判断された場合は、出力音量レベルが基準音量レベルよりも低減された低減音量レベルに設定される(ステップST64)。さらに、低減時ランプ動作の設定が確認され(ステップST65)、低減時ランプ動作が「発光」の場合はセルフタイマランプ作動制御が開始され(ステップST67)、低減時ランプ動作が「非発光」の場合はセルフタイマランプ作動制御は停止される(ステップST66)。
【0089】
一方、出力音量レベルの低減が必要でないと判断された場合は、出力音量レベルが基準音量レベルに設定され(ステップST63)、セルフタイマランプ作動制御が停止されることとなる(ステップST66)。
【0090】
このような処理により、本実施の形態のデジタルカメラ1bにおいても、第1の実施の形態と同様に、煩雑な操作を伴うことなく、デジタルカメラ1bが配置されている環境にあわせて効果音の音量を変更させることができる。特に静粛さが要求される環境においては、効果音の出力音量レベルを基準音量レベルよりも低減させた低減音量レベルに設定し、効果音の音量を低下あるいは効果音の出力を停止するため、環境の要求に適合させることができる。
【0091】
また、本実施の形態のデジタルカメラ1bでは、所定の領域内に設けられる信号発信装置からの環境信号を受信することで環境状態を検出する。したがって、環境状態を環境信号として正確に検出することができ、環境状態の誤認識を防止することができる。
【0092】
<3.第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。上記実施の形態のデジタル撮像装置は、デジタルカメラ1a,1bであるとして説明を行ったが、撮像手段を有する携帯電話であってもよい。
【0093】
図16は、このような場合のデジタル撮像装置の背面側の外観構成を示す図である。図に示すように、デジタル撮像装置である携帯電話1cは、表示部60aが本体部60bに対して軸Sを中心として回転自在に接続された構成となっており、折り畳み可能とされている。
【0094】
表示部60aには、被写体の光像を結像するレンズ61、必要に応じて補助光を発光する補助光発光部62、種々の表示を行うLCD63、および、撮像の開始を指示するためのサイドボタン65a等が設けられている。
【0095】
また、本体部60bには、ユーザの音声とともに環境音を検出するマイク64、各種操作を行う操作ボタン65b、通話のための電波を受信するアンテナ66a、および、各種の効果音を出力するスピーカ67等が設けられている。さらに、本体部60bの側面には、カードスロット69が設けられており、画像等を記録可能な記録媒体であるメモリカード92を装着可能とされている。
【0096】
携帯電話1cの各種の動作制御は、内部に設けられる全体制御部8により実現される。図17は、全体制御部8を含む、携帯電話1cの主たる内部構成を機能ブロックとして示す図である。
【0097】
図17に示す構成のうち、CCD71、信号処理部72、A/D変換部73、画像処理部74および画像メモリ75は、図3に示すCCD31、信号処理部32、A/D変換部33、画像処理部34および画像メモリ35の機能にそれぞれ相当し、画像を取得する機能を実現する。取得された画像は、メモリカード92に記録される。
【0098】
データ通信部68は、Bluetooth(R)等の規格に準拠した所定の通信方式によって近傍の外部装置と無線通信を行う無線通信インタフェース機能を有している。電話通信部66は、音声信号を変調する変調回路等の種々の信号処理回路を含み、アンテナ66aを介しての通話を実現する。また、操作部材65は、上述したサイドボタン65aおよび操作ボタン65b等を一の機能ブロックとして示している。これらデータ通信部68、電話通信部66および操作部材65はそれぞれ全体制御部8に電気的に接続される。また、上述した補助光発光部62、LCD63、マイク64およびスピーカ67も全体制御部8に電気的に接続される。これにより、携帯電話1cの各部は全体制御部8により制御される。
【0099】
全体制御部8は、図3の全体制御部4と同様にマイクロコンピュータを備えて構成される。すなわち、全体制御部8は、CPU81、RAM82およびROM83を備え、ROM83内に記憶される制御プログラムに従ってCPU81が演算処理を行うことにより各種の機能が実現され、各部の動作を統括的に制御する。また、ROM83内には、予め種々の効果音が記憶されている。
【0100】
図17中の露出制御部84、設定受付部86、効果音制御部87および通話制御部88は、制御プログラムに従ってCPU81が演算処理を行うことにより実現される機能の一部を機能ブロックとして模式的に示している。このうち、露出制御部84、設定受付部86および効果音制御部87は、図3における露出制御部44、設定受付部46および効果音制御部47の機能にほぼ相当する。また、通話制御部88は、通話時における各種の制御を行う。
【0101】
以上のように構成される携帯電話1cは、上記第1および第2の実施の形態に示したデジタル撮像装置の動作のいずれにも適用することが可能である。
【0102】
第1の実施の形態の動作に適用する場合は、設定メニューはLCD63に表示され、図4の流れと同様にして、操作ボタン65bの操作により効果音に関する各種のユーザ設定がなされる。また、図9に示したものとほぼ同様に、サイドボタン65aの操作によって画像が取得される。音声制御処理は、図10の流れと同様にして行われ、環境音の大きさはマイク64、環境光の明るさはCCD71によってそれぞれ取得される。これにより、携帯電話1cが配置されている環境が静粛さが要求される環境の場合は、効果音の音量が低減される。また、効果音の音量を低減する際には、効果音を出力すべきタイミングに連動して、補助光発光部62が作動することとなる。
【0103】
一方、第2の実施の形態の動作に適用する場合は、信号発信装置5から送信される環境信号がデータ通信部68により受信され、音声制御処理が図15の流れと同様にして行われる。これにより、携帯電話1cが配置されている環境が静粛さが要求される環境の場合は、効果音の音量が低減されることとなる。
【0104】
なお、音量を低減させる効果音は、撮像の開始や操作部材65のユーザ操作に連動して出力されるものに限定されるわけではなく、例えば、着信音やメール受信音など、ユーザにとって不意に出力される効果音であってもよい。
【0105】
以上のような構成および処理により、デジタル撮像装置が撮像手段を有する携帯電話の場合であっても、煩雑な操作を伴うことなく、撮像手段を有する携帯電話が配置されている環境にあわせて効果音の音量を変更させることができる。また、着信音などの不意の効果音においても低減されることから、より効果的に環境の要求(場に応じたマナー等)に適合させることができる。
【0106】
<4.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0107】
例えば、上記実施の形態においては、環境状態に応じて効果音の音量を低減させる(低下あるいは停止させる)ものであったが、逆に、効果音の音量を増加させるものであってもよい。例えば、騒音があるなど環境音が比較的大きいときには、効果音が聞き取りにくくなる。このため、環境音が所定のしきい値よりも大となる環境では、効果音の音量を基準音量よりも増加させる。これにより、環境音が比較的大きい場合であっても、ユーザおよび被写体となる人物に対してデジタル撮像装置の動作を容易に認識させることができる。
【0108】
また、上記実施の形態において、効果音を出力すべきタイミングに連動して作動する表示手段はセルフタイマランプと兼用されていたが、被写体側に設けられるディスプレイや、フォーカス制御用の補助光を発光する発光素子など、他の表示手段と兼用されてもよい。また、これとは逆に、専用の表示手段が設けられていてもよい。
【0109】
また、上記第2の実施の形態においては、環境信号は静粛さが要求される環境であるか否かを示す情報が含まれたものであったが、他の情報をさらに含んだものであってもよい。例えば、効果音を出力すべきタイミングに連動して作動する表示手段の作動(セルフタイマランプ23の発光等)が好ましくない環境であるか否かを示す情報を含ませるようにしてもよい。この環境信号に応じて表示手段の作動を制御するようにすれば、煩雑な操作を伴うことなく、デジタル撮像装置が配置されている環境にあわせて表示手段を非能動化することができる。また、このように環境信号に領域の状態を示す複数の情報を含めることで、デジタル撮像装置は、環境に固有の特質を詳細に取得することができ、環境の要求にさらに適合させることができる。
【0110】
また、デジタル撮像装置が配置されている環境状態は、環境音、環境光および環境信号の全てを考慮して検出されてもよく、また、このうちいずれか1つあるいは2つのみによって検出されてもよい。また、他の要素をさらに加味して環境状態が検出されるようにしてもよい。
【0111】
また、上記実施の形態では、CPUがプログラムに従って演算処理を行うことにより各種機能が実現されると説明したが、これら機能の全部または一部は専用の電気的回路により実現されてもよい。特に、繰り返し演算を行う箇所をロジック回路にて構築することにより、高速な演算が実現される。
【0112】
◎なお、上述した具体的実施の形態には以下の構成を有する発明が含まれている。
【0113】
(1) 請求項2に記載のデジタル撮像装置において、
前記音量変更手段は、前記環境音の大きさが所定のしきい値以下のとき、前記効果音の音量を基準音量より低減させることを特徴とするデジタル撮像装置。
【0114】
これによれば、静粛さが要求される環境では、環境音の大きさは比較的小さい。したがって、環境音の大きさが所定のしきい値以下のとき、効果音の音量を基準音量よりも低減させることにより、環境の要求に適合させることができる。
【0115】
(2) 請求項3に記載のデジタル撮像装置において、
前記音量変更手段は、前記環境光の明るさが所定のしきい値以下のとき、前記効果音の音量を基準音量より低減させることを特徴とするデジタル撮像装置。
【0116】
これによれば、静粛さが要求される環境では、環境光の明るさは比較的暗い。したがって、環境音の明るさが所定のしきい値以下のとき、効果音の音量を基準音量よりも低減させることにより、環境の要求に適合させることができる。
【0117】
(3) 請求項4に記載のデジタル撮像装置において、
前記環境信号は、前記領域が静粛さが要求される環境であるか否かを示す情報を含むものであり、
前記音量変更手段は、前記領域が静粛さが要求される環境であることを示す情報を前記環境信号が含むとき、前記効果音の音量を基準音量より低減させることを特徴とするデジタル撮像装置。
【0118】
これによれば、静粛さが要求される環境であるときに、効果音の音量を基準音量よりも低減させるため、環境の要求に適合させることができる。
【0119】
(4) 請求項1ないし4および上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のデジタル撮像装置において、
表示内容が被写体側から視認可能な表示手段と、
前記音量変更手段により、前記効果音の音量が基準音量より低減されたとき、前記効果音出力手段が前記効果音を出力すべきタイミングに連動して、前記表示手段を作動させる表示制御手段と、
をさらに備えることを特徴とするデジタル撮像装置。
【0120】
これによれば、効果音の音量が基準音量より低減されたときであっても、効果音を出力すべきタイミングに連動して表示手段が作動するため、被写体となる人物に対してデジタル撮像装置の動作を認識させることができる。
【0121】
(5) 請求項5または上記(4)に記載のデジタル撮像装置において、
前記表示手段は、セルフタイマランプとしての機能を有することを特徴とするデジタル撮像装置。
【0122】
これによれば、表示手段がセルフタイマランプと兼用されるため、デジタル撮像装置を小型化することができ、コストアップに繋がることもない。
【0123】
(6) 請求項5ならびに上記(4)および(5)のいずれかに記載のデジタル撮像装置において、
前記表示手段の能動化/非能動化をユーザ設定に応じて切り替える切替手段、を備えることを特徴とするデジタル撮像装置。
【0124】
これによれば、表示手段の能動化/非能動化をユーザ設定に応じて切り替えることができるため、表示手段による発光等の表示が好ましくない環境において、表示手段を非能動化することができ、環境の要求にさらに適合させることができる。
【0125】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1ないし5の発明によれば、デジタル撮像装置において、効果音に関連する機能を充実させることができる。
【0126】
特に請求項1の発明によれば、検出された環境状態に応じて効果音の音量が変更されるため、煩雑な操作を伴うことなく、デジタル撮像装置が配置されている環境にあわせて効果音の音量を変更することができる。
【0127】
また特に、請求項2の発明によれば、環境状態を環境音の大きさとして容易かつ的確に検出できる。また、簡易な構成で実現することができ、コストアップに繋がることもない。
【0128】
また特に、請求項3の発明によれば、環境状態を環境光の明るさとして容易かつ的確に検出できる。また、簡易な構成で実現することができ、コストアップに繋がることもない。
【0129】
また特に、請求項4の発明によれば、環境状態を環境信号として正確に検出することができ、環境状態の誤認識を防止することができる。
【0130】
また特に、請求項5の発明によれば、効果音の音量が基準音量より低減されたときであっても、効果音を出力すべきタイミングに連動して表示手段が作動するため、被写体となる人物に対してデジタル撮像装置の動作を認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタルカメラの外観構成を示す正面図である。
【図2】デジタルカメラの外観構成を示す背面図である。
【図3】第1の実施の形態のデジタルカメラの内部構成を示す図である。
【図4】効果音に関するユーザ設定を受け付ける処理の流れを示す図である。
【図5】基準音量レベルの設定を受け付ける画面表示の例を示す図である。
【図6】低減音量レベルの設定を受け付ける画面表示の例を示す図である。
【図7】音量変更条件の設定を受け付ける画面表示の例を示す図である。
【図8】低減時ランプ動作の設定を受け付ける画面表示の例を示す図である。
【図9】撮影モードの動作の流れを示す図である。
【図10】第1の実施の形態の音量制御処理の流れを示す図である。
【図11】出力音量レベルが基準音量レベルに設定された場合の動作を示す図である。
【図12】出力音量レベルが低減音量レベルに設定された場合の動作を示す図である。
【図13】デジタルカメラが適用される環境状態提供システムの構成例を示す図である。
【図14】第2の実施の形態のデジタルカメラの内部構成を示す図である。
【図15】第2の実施の形態の音量制御処理の流れを示す図である。
【図16】撮像手段を有する携帯電話の背面側の外観構成を示す図である。
【図17】撮像手段を有する携帯電話の内部構成を示す図である。
【符号の説明】
1a,1b デジタルカメラ
4   全体制御部
5   信号発信装置
11   シャッタボタン
23   セルフタイマランプ
24   マイク
27   スピーカ
28   データ通信部
47   効果音制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬性のデジタル撮像装置であって、
前記デジタル撮像装置の動作に連動して所定の効果音を出力する効果音出力手段と、
前記デジタル撮像装置が配置されている環境状態を検出する環境状態検出手段と、
前記環境状態に応じて前記効果音の音量を変更する音量変更手段と、
を備えることを特徴とするデジタル撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタル撮像装置において、
前記環境状態検出手段は、環境音の大きさを検出する環境音検出手段、
を備え、
前記音量変更手段は、前記環境音の大きさに応じて前記効果音の音量を変更することを特徴とするデジタル撮像装置。
【請求項3】
請求項1に記載のデジタル撮像装置において、
前記環境状態検出手段は、環境光の明るさを検出する環境光検出手段、
を備え、
前記音量変更手段は、前記環境光の明るさに応じて前記効果音の音量を変更することを特徴とするデジタル撮像装置。
【請求項4】
請求項1に記載のデジタル撮像装置において、
前記環境状態検出手段は、所定の領域内に設けられる信号発信装置から、前記領域の状態を示す環境信号を無線通信により受信する受信手段、
を備え、
前記音量変更手段は、前記環境信号に応じて前記効果音の音量を変更することを特徴とするデジタル撮像装置。
【請求項5】
可搬性のデジタル撮像装置であって、
前記デジタル撮像装置の動作に連動して所定の効果音を出力する効果音出力手段と、
前記効果音の音量を変更する音量変更手段と、
表示内容が被写体側から視認可能な表示手段と、
前記音量変更手段により、前記効果音の音量が基準音量より低減されたとき、前記効果音出力手段が前記効果音を出力すべきタイミングに連動して、前記表示手段を作動させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とするデジタル撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2004−96635(P2004−96635A)
【公開日】平成16年3月25日(2004.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−258015(P2002−258015)
【出願日】平成14年9月3日(2002.9.3)
【出願人】(000006079)ミノルタ株式会社 (155)
【Fターム(参考)】